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糖結合体ワクチン
説明

糖結合体ワクチン

【課題】糖結合体ワクチンの提供。
【解決手段】本発明により、2個以上の1価の結合体の組み合わせを含む組成物が提供される。上記2個以上の1価の結合体にはそれぞれ、糖抗原に結合させられた2個以上の病原体に由来するT細胞エピトープを含む担体タンパク質が含まれる。本発明によってはまた、同じ担体タンパク質分子に結合させられた2個以上の抗原的に異なる糖抗原を含む多価結合体も提供される。この場合、担体タンパク質には、2個以上の病原体に由来するT細胞エピトープが含まれる。さらなる組成物には、1個以上の上記の1価の結合体と、1個以上の上記の多価結合体が含まれる。本発明によりさらに、上記組成物を作製するための方法と、上記組成物の使用も提供される。例としては、髄膜炎菌(meningococcal)のオリゴ糖へのN19担体タンパク質の結合体が挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中で引用される全ての文献は、それらの全体が引用により本明細書中に組み入れられる。
【0002】
(技術分野)
本発明はワクチンの分野にあり、複数の病原性タンパク質に由来するT細胞エピトープを含む多エピトープ担体タンパク質に結合させられた2個以上の糖抗原を含む新規の組成物に関する。本発明はまた、上記組成物を作製するための方法と、上記組成物の使用にも関する。
【背景技術】
【0003】
多価ワクチンは当該分野で公知である。1つのこのような例は、髄膜炎菌(N. meningitidis)の血清学的グループA、C、Y、およびW135に由来する莢膜多糖類の4価のワクチンである。これは、かなり以前より知られており[1、2](非特許文献1、2)、そしてヒトでの使用が許可されている。しかし、青年期および成人には有効であるが、わずかな免疫反応と短い防御期間しか誘導できず、幼児には使用できない[例えば、3](非特許文献3)。これは、多糖類がT細胞依存性抗原であり、これは、一般的には、弱い免疫反応しか誘導できず、ブーストできないことが理由である。懸念は、多くの場合は、多価ワクチンの広範な使用に関して生じる。なぜなら、これらは、免疫抑制として知られている免疫機能を有意に低下させる傾向があるからである。被験体に導入される抗原の量が免疫システムが反応する能力を超えている場合には、免疫抑制が生じる場合がある。このような状態は、抗原過負荷(antigen−overload)と呼ばれる。免疫抑制はまた、多価ワクチンの別の抗原成分に対する反応による、免疫系を妨げる1つの別の成分の結果としても起こり得る。この後者の形態の免疫抑制は、ワクチン干渉(vaccine interference)と呼ばれる。
【0004】
最近の20年間で、タンパク質担体に結合させられた細菌の莢膜多糖類を含む結合体ワクチンが開発された。例としては、ヘモフィルス・インフルエンザb型菌(Haemophilus influenzae type b(Hib)結合体ワクチン[4](非特許文献4)、ならびに、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)に対する結合体ワクチン[5](非特許文献5)と血清学的グループのC髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)(MenC)に対する結合体ワクチン[6](非特許文献6)が挙げられる。
【0005】
認可されたワクチンに使用される担体タンパク質としては、破傷風トキソイド(TT)、ジフテリアトキソイド(DT)、ジフテリア毒素の非毒性CRM197変異体、およびB群髄膜炎菌(N.meningitidis)に由来する外膜タンパク質複合体が挙げられる。さらなる結合させられたワクチンが医療に導入されているので、幼児にも、ワクチンそのものとして(例えば、TTもしくはDT)、または結合体ワクチンの中に存在する担体タンパク質としてのいずれかとして、担体タンパク質の複数回の注射を受けさせることができる。これらのタンパク質は、B細胞とT細胞の両方のレベルで免疫原性が高いので、担体過負荷(carrier overload)によって、感作された個体において免疫抑制を誘導する可能性がある[7](非特許文献7)。担体によって誘導されるエピトープ抑制(carrier−induced epitopic suppression)と呼ばれるこの現象は、担体特異的抗体および分子内での抗原性の競合が原因であると考えられている[8](非特許文献8)。理想的には、担体タンパク質は、それ自体に対する抗体応答を誘導することなく、結合したB細胞エピトープ(例えば、多糖)に対する強いヘルパー効果を誘導するべきである。ほとんどの主要な組織適合性複合体クラスII分子の状況で免疫原性であるユニバーサルエピトープの使用は、この目的のための1つのアプローチである[9](非特許文献9)。このようなエピトープは、TTと他のタンパク質において同定されている。しかし、なおも、さらに改良する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Armandら,J.Biol.Stand.,1982年,第10巻,p.335−339
【非特許文献2】Cadozら,Vaccine,1985年,第3巻,p.340−342
【非特許文献3】MMWR,1997年,第46巻(RR−5),p.1−10
【非特許文献4】Peltola,Clin Microbiol Rev,2000年,第13巻,p.302−317
【非特許文献5】WuorimaaおよびKayhty,Scand J Immunol,2002年,第56巻,p.111−129
【非特許文献6】Balmerら,J Med Microbiol,2002年,第51巻,p.717−722
【非特許文献7】Del Giudice,Curr Opin Immunol,1992年,第4巻,p.454−459
【非特許文献8】Eltinger,Science,1990年,第249巻,p.423−425
【非特許文献9】Alexanderら,J Immunol,2000年,第164巻,p.1625−1633
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、改良された糖結合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の開示)
多エピトープ担体タンパク質が、糖類と組み合わせられる担体として特に有用であることが発見されている。さらに、これらの担体タンパク質に対しては、これらが既知の病原性エピトープを多数含んでいるとしてもなお、免疫原性が低い反応しか見られないが、免疫原性反応は病原性エピトープの数に比例して大きくなると予想されることが発見されている。
【0009】
したがって、いくつかの実施形態においては、本発明により、2個以上の1価の結合体(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、またはそれ以上)の組み合わせを含む組成物が提供される(図1Aを参照のこと)。個々の1価の結合体には、(ii)糖抗原に対して結合させられた(i)2個以上(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、またはそれ以上)の病原体に由来するT細胞エピトープを含む担体タンパク質が含まれる。好ましくは、個々の結合体で使用される担体タンパク質は同じである。好ましくは、担体タンパク質エピトープの少なくとも1つは、糖抗原と同じ病原体に由来するものではない。好ましくは、担体タンパク質のエピトープの全ては、糖抗原と同じ病原体に由来するものではない。
【0010】
個々の担体タンパク質分子上に複数の結合部位が存在しているので、個々の1価の結合体の中の個々の担体タンパク質分子を、1つ以上の糖抗原分子(例えば、1個、5個、10個、20個、またはそれ以上)に結合させることができるが(図1B)、任意の所定の担体タンパク質に結合させられた個々の糖抗原は、好ましくは、同じ抗原的に異なる病原体に由来する。例えば、MenA由来の糖抗原は、MenC、MenW、およびMenYのそれぞれに由来する抗原とは異なり、したがって、抗原的に異なる病原体といわれるが、Hib由来の糖抗原は、全て同じ抗原的に異なる病原体に由来する。1つの結合体において、個々の糖は、同じ抗原的に異なる病原体由来であるが、鎖の長さが異なる場合がある。
【0011】
あるいは、いくつかの実施形態においては、本発明により、同じ担体タンパク質分子に結合させられた2個以上(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、またはそれ以上)の抗原的に異なる糖抗原を含む多価結合体が提供される(図1C)。この場合は、糖抗原は、種々の抗原的に異なる病原体に由来する。したがって、例えば、このような結合体組成物においては、個々の担体タンパク質分子は、それに対して結合させられた、MenA、MenC、MenW、MenY、およびHibの2個以上に由来する糖抗原を有し得る。本発明によってはまた、これらの多価結合体の2個以上(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、またはそれ以上)を含む組成物も提供される。
【0012】
さらなる代案として、本発明により、上記のような1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、またはそれ以上)の1価の結合体(単数または複数)と、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、またはそれ以上)の多価結合体(単数または複数)を含む組成物が提供される。
【0013】
担体タンパク質
担体タンパク質には、2個以上のT細胞エピトープ(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、22個、24個、26個、28個、30個、32個、34個、36個、38個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、またはそれ以上)が含まれ得る。好ましくは、担体タンパク質には、6個以上、または10個以上のエピトープが含まれる。より好ましくは、担体タンパク質には、19個以上のエピトープが含まれる。個々の担体タンパク質は、特定のエピトープを1コピーしか有さない場合があり、また、特定のエピトープを1コピー以上有する場合もある。好ましくは、エピトープは、CD4 T細胞エピトープである。好ましくは、担体タンパク質には、少なくとも1個の細菌のエピトープと、少なくとも1個のウイルスのエピトープが含まれる。好ましくは、エピトープは、自然な感染またはワクチン接種のいずれかによってヒトの集団が頻繁に曝される抗原に由来し、例えば、エピトープは、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、インフルエンザウイルス、帯状疱疹ウイルス、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)およびライ菌(M.leprae)および/または連鎖球菌(Streptococcus)株などに由来する熱ショックタンパク質に由来し得る。好ましくは、エピトープは、破傷風毒素(TT)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)CSP(PfCs)、B型肝炎ウイルスのヌクレオカプシド(HBVnc)、インフルエンザヘマグルチニン(HA)、HBV表面抗原(HBsAg)、およびインフルエンザマトリックス(MT)から選択される。担体タンパク質に使用されるエピトープは、好ましくは、P23TT(配列番号1)、P32TT(配列番号2)、P21TT(配列番号3)、PfCs(配列番号4)、P30TT(配列番号5)、P2TT(配列番号6)、HBVnc(配列番号7)、HA(配列番号8)、HBsAg(配列番号9)、およびMT(配列番号10)から選択される。
【0014】
好ましくは、エピトープは、スペーサーによって連結される。好ましくは、スペーサーは短い(例えば、1個、2個、3個、4個、または5個)のアミノ酸配列であり、これはエピトープではない。好ましいスペーサーには、1個以上のグリシン残基が含まれ、例えば、−KG−である。好ましくは、担体タンパク質には、担体タンパク質(例えば、配列「MDYKDDDD」(配列番号12)を使用することができる)および/またはプロテアーゼ切断配列のスクリーニングに有用な免疫親和性タグである、6−Hisテールを含むN末端またはC末端領域が含まれる。好ましくは、タンパク質分解配列は、Xa因子認識部位である。
【0015】
好ましくは、担体にはサプレッサーT細胞エピトープは含まれない。
【0016】
好ましくは、担体タンパク質はN19(配列番号11)である。大腸菌(Escherichia coli)の中で発現させられた、いくつかのヒトCD4T細胞ユニバーサルエピトープを有しているN19と呼ばれる遺伝子操作されたタンパク質[10]は、Hib多糖に結合させられると強い担体として働くことが示されている[11]。N19のN末端領域は、(i)精製の間に有効に利用され得る6Hisテール、(ii)クローニング手順の間のポジティブコロニーのスクリーニングに使用することができるウサギポリクローナル抗体によって認識されるフラッグペプチドMet−Asp−Tyr−Lys−Asp−Asp−Asp−Asp配列(配列番号12)、(iii)タグを容易に除去するためのIle−Glu−Gly−Arg(配列番号13)Xa因子認識部位。N19は、表1に列挙される最初の9個のエピトープと、インフルエンザマトリックスCD4エピトープMTの二重(duplication)である。これらのエピトープは、Lys−Glyスペーサーで隔てられており、これによって分子の可撓性が提供され、そして、その後のLys残基の第1級εアミノ基への多糖の結合が可能になる。
【0017】
CD4エピトープに加えて、担体タンパク質には、インターロイキン−2(IL−2)または顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CS)のような免疫調節サイトカインに由来するエピトープのような、他のペプチドまたはタンパク質断片が含まれる場合がある。
【0018】
(表1)
【0019】
【表1】

糖抗原
好ましくは、本発明の組成物において担体タンパク質に結合させられる糖抗原は細菌の糖であり、具体的には、細菌の莢膜糖である。
【0020】
本発明の組成物に含めることができる細菌の莢膜糖の例としては、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)(血清学的グループA、B、C、W135、および/またはY)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)(血清型1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23F、および33F、特に、4、6B、9V、14、18C、19F、および/または23F)、B群連鎖球菌(Streptococcus agalactiae)(Ia型、Ib型、II型、III型、IV型、V型、VI型、VII型、および/またはVIII型、例えば、参考文献20〜23に開示されている糖抗原)、ヘモフィルス・インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)(分類できる株:a、b、c、d、e、および/またはf)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(例えば、PA01、O5血清型から単離されたLPS)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(例えば、血清型5および8に由来するもの)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)またはエンテロコッカス・フェシウム(E.faecium)(3糖の反復)、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、ビブリオ・コレラ(Vibrio
cholerae)、腸チフス菌(Salmonella typhi)、クレブシエラ属(Klebsiella spp.)などに由来する莢膜糖が挙げられる。本発明の組成物に含めることができる他の糖類としては、グルカン(例えば、真菌のグルカン、例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)のグルカン)、および真菌の莢膜糖(例えば、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)の莢膜に由来するもの)が挙げられる。
【0021】
髄膜炎菌(N.meningitidis)血清学的グループA(MenA)の莢膜は、(α1→6)結合しているN−アセチル−D−マンノサミン−1−リン酸のホモポリマーであり、C3とC4位置に部分的なO−アセチル化を有している。髄膜炎菌(N.meningitidis)血清学的グループB(MenB)の莢膜は、(α2→8)結合しているシアル酸のホモポリマーである。髄膜炎菌(N.meningitidis)血清学的グループC(MenC)の莢膜糖は、(α2→9)結合しているシアル酸のホモポリマーであり、7位および/または8位に可変のO−アセチル化を有している。髄膜炎菌(N.meningitidis)血清学的グループW135の糖は、シアル酸−ガラクトースの2糖単位[→4)−D−Neup5Ac(7/9OAc)−α−(2→6)−D−Gal−α−(1→]を有しているポリマーである。これは、シアル酸の7位と9位に可変のO−アセチル化を有している[24]。髄膜炎菌(N.meningitidis)血清学的グループYの糖は、2糖の反復単位にガラクトースの代わりにグルコースが含まれている[→4)−D−Neup5Ac(7/9OAc)−α−(2→6)−D−Glc−α−(1→]ことを除いて、血清型W135の糖と同様である。これもまた、シアル酸の7位と9位に可変のO−アセチル化を有している。
【0022】
本発明の組成物には、糖抗原の混合物が含まれる。好ましくは、組成物には、2個、3個、4個、またはそれ以上の異なる糖抗原が含まれる。抗原は、同じ病原体に由来する場合も、また、抗原的に異なる病原体に由来する場合もある。好ましくは、本発明の組成物には、髄膜炎菌(N.meningitidis)の1つ以上の血清学的グループに由来する糖抗原が含まれる。例えば、組成物には、血清学的グループAとC、AとW135、AとY、CとW135、CとY、W135とY、AとCとW135、AとCとY、CとW135とY、AとCとW135とYなどに由来する糖結合体が含まれる。好ましい組成物には、血清学的グループCとYに由来する糖が含まれる。他の好ましい組成物には、血清学的グループC、W135、およびYに由来する糖が含まれる。特に好ましい組成物には、血清学的グループA、C,W135、およびYに由来する糖が含まれる。
【0023】
混合物に、血清学的グループAに由来する髄膜炎菌(meningococcal)の糖と、少なくとも1つの他の血清学的グループの糖が含まれる場合は、任意の他の血清学的グループの糖に対するMenAの糖の割合(w/w)は1より大きい(例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、またはそれ以上)場合がある。1:1.25と1:2.5の間の比のような、1:2から5:1の間の比が好ましい。血清学的グループに由来する糖についての好ましい比(w/w)A:C:W135:Yは、1:1:1:1;1:1:1:2;2:1:1:1;4:2:1:1;8:4:2:1;4:2:1:2;8:4:1:2;4:2:2:1;2:2:1:1;4:4:2:1;2:2:1:2;4:4:1:2;および2:2:2:1である。
【0024】
さらに好ましい本発明の組成物には、Hib糖結合体と、髄膜炎菌(N.meningitidis)の少なくとも1つの血清学的グループに由来する(好ましくは、髄膜炎菌(N.meningitidis)の1つ以上の血清学的グループに由来する)糖結合体が含まれる。例えば、本発明の組成物には、Hib糖と、髄膜炎菌(N.meningitidis)の血清学的グループA、C、W135、およびYの1つ以上(すなわち、1個、2個、3個、または4個)に由来する糖が含まれる場合がある。上記の病原体に由来する糖結合体の他の組み合わせもまた提供される。
【0025】
本発明によってはまた、いくつかの実施形態において、担体タンパク質がそれぞれの結合体について同じではない結合体の組み合わせも提供される。
【0026】
さらに好ましい本発明の組成物には、第1の結合体と第2の結合体が含まれる。第1の結合体は、上記の多エピトープ結合体であり、第2の結合体には、第1の結合体に使用されたものとは異なる担体タンパク質に結合させられた糖抗原が含まれる。例えば、第2の結合体は、担体CRM197に結合させられた糖抗原であり得る。第2の結合体の中の糖抗原(単数または複数)は、第1の結合体の中の糖抗原(単数または複数)と同じである場合も、また、異なる場合もある。
【0027】
莢膜糖抗原の調製
莢膜糖抗原の調製のための方法は周知である。例えば、参考文献25には、髄膜炎菌(N.meningitidis)からの糖抗原の調製が記載されている。ヘモフィルス・インフルエンザ菌(H.influenzae)からの糖抗原の調製は、参考文献26の第14章に記載されている。肺炎球菌(S.pneumoniae)からの糖抗原と結合体の調製は当該分野で記載されている。例えば、Prevenar(登録商標)は、7価の肺炎球菌(pneumococcal)結合体ワクチンである。B群連鎖球菌(S.agalactiae)からの糖抗原の調製のためのプロセスは、参考文献27および28に詳細に記載されている。莢膜糖は、本明細書中のいくつかの参考文献に記載されているように、公知の技術によって精製することができる。
【0028】
糖抗原は化学的に修飾することができる。例えば、これらは、ブロッキング基で1つ以上のヒドロキシル基を置き換えるように修飾することができる。これは、加水分解を防ぐためにアセチル基がブロッキング基で置き換えられ得る、髄膜炎菌(meningococcal)血清学的グループAに特に有用である[29]。このように修飾された糖類は、本発明の意味ではなおも血清学的グループAの糖類である。
【0029】
糖は、自然界に見られるような莢膜糖と比較して、化学的に修飾することができる。例えば、糖は、脱−O−アセチル化する(部分的または完全に)、脱−N−アセチル化する(部分的にまたは完全に)、N−プロピオン酸化する(部分的または完全に)ことなどができる。脱アセチル化は、結合の前、間、または後で起こり得るが、結合の前に起こることが好ましい。特定の糖によっては、脱アセチル化が免疫原性に栄養を与える場合も、また与えない場合もある。例えば、NeisVac−C(登録商標)ワクチンは、脱−O−アセチル化された糖を使用するが、Menjugate(登録商標)はアセチル化されておらず、これらのワクチンはいずれも有効である。脱アセチル化などの影響は日常的に行われているアッセイによって評価することができる。
【0030】
莢膜糖類はオリゴ糖の形態で使用することができる。これらは、都合よく、精製された莢膜多糖の断片化によって(例えば、加水分解によって)形成され、これは、通常、その後に所望される大きさの断片の精製が行われる。多糖類の断片化は、好ましくは、30未満のオリゴ糖の最終平均重合度(DP)となるように行われる。DPは都合よく、イオン交換クロマトグラフィーによって、または比色アッセイによって測定することができる[30]。
【0031】
加水分解が行われる場合は、加水分解物は通常、短いオリゴ糖を除去するような大きさにされる[31]。これは種々の方法、例えば、限外濾過、その後のイオン交換クロマトグラフィーによって行うことができる。約6未満、または約6に等しい重合度のオリゴ糖は、血清学的グループAの髄膜炎菌については除去されることが好ましく、そして約4未満のものは、血清学的グループW135およびYについては除去されることが好ましい。
【0032】
担体−糖結合体
本発明の結合体には、少量の遊離の(すなわち、結合させられていない)担体が含まれる場合がある。任意の担体タンパク質が、本発明の組成物の中に遊離の形態と結合させられた形態の両方で存在する場合には、結合させられていない抗体は、好ましくは、全体として、組成物中の担体タンパク質の全量の5%未満であることが好ましく、そして2(重量)%未満であることがより好ましい。
【0033】
結合後に、遊離の糖と結合させられた糖を分離することができる。疎水性クロマトグラフィー、接線限外濾過、透析濾過などを含む多くの適切な方法が存在している(参考文献32および33などもまた参照のこと)。
【0034】
任意の適切な結合反応を、必要に応じて、任意の適切なリンカーとともに使用することができる。担体への糖抗原の結合は、好ましくは、−NH基を介する。例えば、担体タンパク質中のリジン残基またはアルギニンのリジン残基の側鎖の中にある−NH基を介する。糖が遊離のアルデヒド基を有している場合には、これは、担体の中のアミンと反応することができ、還元的アミノ化によって結合を形成することができる。結合はまた、−SH基(例えば、システイン残基の側鎖の中のもの)を介する場合もある。あるいは、糖抗原は、リンカー分子を介して担体に結合させることもできる。
【0035】
糖は、通常、結合の前に活性化させられるか、または機能化させられる。活性化には、例えば、CDAP(例えば、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸[34、35など])のシアノ化試薬が含まれ得る。他の適切な技術では、カルボジイミド、ヒドラジド、活性なエステル、ノルボラン、p−ニトロ安息香酸、N−ヒドロキシスクシンイミド、S−NHS、EDC、TSTUが使用される(参考文献36の導入もまた参照のこと)。
【0036】
リンカー
リンカー基を介する結合は、任意の公知の手順(例えば、参考文献37および38に記載される手順)を使用して行うことができる。1つのタイプの結合には、糖の還元的アミノ化、得られたアミノ基のアジピン酸リンカー基の一方の末端とのカップリング、その後の、アジピン酸リンカー基の他方の末端への担体タンパク質のカップリングが含まれる[39、40]。他のリンカーとしては、B−プロピオンアミド[41]、ニトロフェニル−エチルアミン[42]、ハロゲン化ハロアシル[43]、グリコシドリンカー[44]、6−アミノカプロン酸[45]、ADH[46]、C4からC12部分[47]などが挙げられる。リンカーを使用する代わりとしては、直接的な結合を使用することができる。タンパク質への直接的な結合には、例えば、参考文献48および49に記載されているように、多糖の酸化、その後のタンパク質での還元的アミノ化が含まれ得る。
【0037】
糖へのアミノ基の導入(例えば、末端=O基の−NHでの置換による)、その後のアジピン酸ジエステル(例えば、アジピン酸N−ヒドロキシスクシンイミドジエステル)での誘導と、担体タンパク質との反応を含むプロセスが好ましい。
【0038】
2官能性リンカーを使用して、糖の中のアミン基へのカップリングのための第1の基と、担体へのカップリングのため(通常は、担体のアミンへのカップリングのため)の第2の基を提供することができる。
【0039】
したがって、2官能性リンカーの中の第1の基は、糖上のアミン基(−NH)と反応することができる。この反応には、通常、アミンの水素の吸電子置換が含まれる。2官能性リンカーの中の第2の基は、担体上のアミン基と反応することができる。この反応にも、再び、通常は、アミンの吸電子置換が含まれる。
【0040】
糖と担体の両方との反応にアミンが関係している場合は、式X−L−Xの2官能性リンカーを使用することが好ましい。式中、2つのX基はそれぞれ同じであり、アミンと反応することができ、Lはリンカーの中の結合部分である。好ましいX基はN−オキシスクシンイミドである。Lは、好ましくは、式L’−L−L’を有し、式中、L’はカルボニルである。好ましいL基は、1個から10個の炭素原子を含む(例えば、C、C、C、C、C、C、C、C、C、C10)直鎖のアルキルであり、例えば、−(CH−である。
【0041】
他のX基は、HO−L−OHと結合するとエステルを形成するものであり、例えば、ノルボラン、p−ニトロ安息香酸、およびスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドである。
【0042】
本発明と共に使用されるさらなる2官能性リンカーとしては、アクリロイルハロゲン化物(例えば、塩化物)およびハロアクリルハライドが挙げられる。
【0043】
リンカーは、通常、修飾された糖に対してモル過剰量で添加される。
【0044】
結合後、遊離の糖と結合した糖を分離することができる。疎水性クロマトグラフィー、接線限外濾過、透析濾過などを含む多くの適切な方法が存在している(参考文献50および51などもまた参照のこと)。
【0045】
本発明の組成物に解重合させられた糖が含まれる場合は、解重合が結合の前に行われることが好ましい。
【0046】
さらなる抗原
本発明の組成物には、1個以上(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれ以上)の、以下のようなさらなる抗原が含まれ得る:
A.細菌抗原
本発明での使用に適している細菌抗原としては、タンパク質、多糖類、リポ多糖類、および細菌から単離、精製、または誘導することができる他の膜小胞が挙げられる。加えて、細菌抗原には、細菌溶解物および不活化させられた細菌処方物が含まれる場合がある。細菌抗原は、組み換え発現によって生産させることができる。細菌抗原には、好ましくは、その生活環の少なくとも1つの段階の間に細菌の表面上に露出させられるエピトープが含まれる。細菌抗原は、複数の血清型にまたがって保存されていることが好ましい。細菌抗原としては、以下に示される細菌の1種類以上に由来する抗原、ならびに、以下に示される特定の抗原の例が挙げられる。
【0047】
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis):髄膜炎菌(meningococcal)抗原には、A、C、W135、Y、および/またはBのような髄膜炎菌(N.meningitidis)の血清学的グループから精製または誘導された、タンパク質(例えば、参考文献52〜58に記載されているタンパク質)、糖類(多糖、オリゴ糖、またはリポ多糖を含む)、または外膜小胞[59〜62]が含まれ得る。髄膜炎菌(Meningococcal)タンパク質抗原は、付着因子、オートトランスポータ(autotransporter)、毒素、イオン捕捉タンパク質(ion acquisition protein)、および膜結合タンパク質(好ましくは、組み込み型の外膜タンパク質)から選択することができる。参考文献63〜71もまた参照のこと。
【0048】
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae):肺炎球菌(S.pneumoniae)抗原には、肺炎球菌(S.pneumoniae)に由来する糖(多糖またはオリゴ糖を含む)および/またはタンパク質が含まれ得る。タンパク質抗原は、例えば、参考文献72〜77のいずれかに記載されているタンパク質から選択することができる。肺炎球菌(S.pneumoniae)タンパク質は、ポリヒスチジントライアド(Poly Histidine Triad)ファミリー(PhtX)、コリン結合タンパク質ファミリー(CbpX)、CbpX短型、LytXファミリー、LytX短型、CbpX短型−LytX短型キメラタンパク質、肺炎球菌溶血素(Ply)、PspA、PsaA、Sp128、Sp101、Sp130、Sp125、またはSp133から選択することができる。参考文献78〜84もまた参照のこと。
【0049】
化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)(A群連鎖球菌(Group A Streptococcus)):A群連鎖球菌(Group A Streptococcus)抗原には、参考文献85または86に記載されているタンパク質(GAS40を含む)、GAS Mタンパク質の断片の融合体(参考文献87〜89に記載されているものを含む)、フィブロネクチン結合タンパク質(Sfb1)、連鎖球菌(Streptococcal)ヘム結合タンパク質(Shp)、およびストレプトリシンS(SagA)が含まれ得る。参考文献85、90、および91もまた参照のこと。
【0050】
モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis):モラクセラ(Moraxella)抗原には、参考文献92および93に記載されている抗原、外膜タンパク質抗原(HMW−OMP)、C抗原、および/またはLPSが含まれる。参考文献94もまた参照のこと。
【0051】
百日咳菌(Bordetella pertussis):百日咳菌(Pertussis)抗原には、百日咳菌(B.pertussis)に由来する百日咳毒素(PT)と線維状赤血球凝集素(FHA)が、状況に応じてはまた、パータクチン(pertactin)ならびに/またはアグルチノーゲン2および3抗原と組み合わせて含まれる。参考文献95および96もまた参照のこと。
【0052】
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus):黄色ブドウ球菌(S.aureus)抗原には、非毒性の組み換え体緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)外毒素A(例えば、StaphVAX(登録商標))に対して状況に応じて結合させられた黄色ブドウ球菌(S.aureus)5型および8型の莢膜多糖類、または表面タンパク質に由来する抗原、インベーシン(invasin)(ロイコシジン、キナーゼ、ヒアルロニダーゼ)、食作用による飲み込みを阻害する表面因子(被膜、プロテインA)、カロテノイド、カタラーゼ生産、プロテインA、コアグラーゼ、凝固因子、ならびに/あるいは、真核生物の細胞膜を溶解させる膜傷害毒素(状況によっては解毒されている)(溶血素、白血球毒素、ロイコシジン)が含まれる。参考文献97もまた参照のこと。
【0053】
表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermis):表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)抗原には、スライム(slime)結合抗原(SAA)が含まれる。
【0054】
破傷風菌(Clostridium tetani)(破傷風):破傷風抗原には、好ましくは、本発明の組成物と組み合わせて/結合させて担体タンパク質として使用される、破傷風毒素(TT)が含まれる。
【0055】
コリネバクテリウム・ジフテリア(Corynebacterium diphtheriae)(ジフテリア):ジフテリア抗原には、ジフテリア毒素またはその解毒された変異体(例えば、CRM197)が含まれる。ADPリボシル化を調節、阻害することができるか、またはADPリボシル化に関係しているさらなる抗原は、本発明の組成物との併用/同時投与/結合が想定される。これらのジフテリア抗原は、担体タンパク質として使用することができる。
【0056】
ヘモフィルス・インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae):ヘモフィルス・インフルエンザ(H.influenzae)抗原には、B型に由来する糖抗原、またはプロテインDが含まれる[98]。
【0057】
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa):緑膿菌(Pseudomonas)抗原には、内毒素A、Wzzタンパク質、および/または外膜タンパク質(外膜タンパク質F(OprF)を含む)が含まれる[99]。
【0058】
レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila):細菌抗原は、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)に由来し得る。
【0059】
B群連鎖球菌(Streptococcus agalactiae):(B群連鎖球菌(Group B Streptococcus))抗原には、参考文献85、および100〜103に記載されているタンパク質抗原が含まれる。例えば、抗原には、タンパク質GBS80、GBS104、GBS276、およびGBS322が含まれる。
【0060】
淋菌(Neisseria gonorrhoeae):淋菌(Gonococcal)抗原には、Por(またはポリン)タンパク質(例えば、PorB[104])、トランスフェリン結合タンパク質(例えば、TbpAおよびTbpB[105])、不透明タンパク質(opacity protein)(例えば、Opa)、還元によって修飾することができるタンパク質(reducton−modifiable protein)(Rmp)、および外膜小胞(OMV)調製物が含まれる[106]。参考文献52〜54、および107もまた参照のこと。
【0061】
クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis):クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)抗原には、血清型A、B、Ba、およびC(失明の原因であるトラコーマの治療薬)、血清型L、L、およびL(鼠径リンパ肉芽腫症に関係している)、および血清型D〜Kに由来する抗原が含まれる。クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)抗原にはまた、参考文献103、および108〜110に記載されている抗原も含まれ得、これには、PepA(CT045)、LcrE(CT089)、ArtJ(CT381)、DnaK(CT396)、CT398、OmpH様(CT242)、L7/L12(CT316)、OmcA(CT444)、AtosS(CT476)、CT547、Eno(CT587)、HrtA(CT823)、およびMurG(CT761)が含まれる。参考文献111もまた参照のこと。
【0062】
梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)(梅毒):梅毒抗原には、TmpA抗原が含まれる。
【0063】
軟性下疳菌(Haemophilus ducreyi)(軟性下疳を引き起こす):軟性下疳抗原には、外膜タンパク質(DsrA)が含まれる。
【0064】
エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)またはエンテロコッカス・フェシウム(E.faecium):抗原には、3糖の反復、または参考文献112に提供されている他の腸球菌(Enterococcus)由来の抗原が含まれる。
【0065】
ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori):ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)抗原には、Cag、Vac、Nap、HopX、HopY、および/またはウレアーゼ抗原が含まれる[113〜123]。
【0066】
スタフィロコッカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophyticus):抗原には、スタフィロコッカス・サプロフィチカス(S.saprophyticus)抗原の160kDaのヘマグルチニンが含まれる。
【0067】
エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica):抗原にはLPSが含まれる[124]。
【0068】
大腸菌(Escherichia coli):大腸菌(E.coli)抗原は、腸管毒素原性大腸菌(ETEC)、腸管凝集性大腸菌(EAggEC)、分散接着性大腸菌(DAEC)、腸管病原性大腸菌(EPEC)、および/または腸管出血性大腸菌(EHEC)株に由来し得る。
【0069】
バシラス・アンスラシス(Bacillus anthracis)(炭疽菌(anthrax)):バシラス・アンスラシス(B.anthracis)抗原は、状況に応じて解毒され、そして、A成分(致死因子(LF)および浮腫因子(EF))から選択することができる。これらはいずれも、防御抗原(PA)として知られている共通のB成分を有している。参考文献125〜127を参照のこと。
【0070】
ペスト菌(Yersinia pestis)(ペスト):ペスト抗原には、F1莢膜抗原[128]、LPS[129]、V抗原[130]が含まれる。
【0071】
ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis):結核抗原には、リポタンパク質、LPS、BCG抗原、状況に応じて陽イオン性脂質小胞の中に処方された抗原85B(Ag85B)および/またはESAT−6の融合タンパク質[131]、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)(Mtb)イソクエン酸脱水素酵素関連抗原[132]、ならびに/あるいは、MPT51抗原[133]が含まれる。
【0072】
リケッチア(Rickettsia):抗原には外膜タンパク質が含まれ、これには、外膜タンパク質Aおよび/またはB(OmpB)[134]、LPS,および表面タンパク質抗原(SPA)[135]が含まれる。
【0073】
リステリア菌(Listeria monocytogenes):細菌抗原は、リステリア菌(Listeria monocytogenes)に由来し得る。
【0074】
クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae):抗原には、参考文献108、および136から141に記載されている抗原が含まれる。
【0075】
ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae):抗原には、プロテイナーゼ抗原、具体的には、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae)IIのリポ多糖、O1 Inaba O−特異的多糖、ビブリオ・コレラ(V.cholerae)O139、IEM108ワクチンの抗原[142]、および/または閉鎖帯(Zonula occludens)毒素(Zot)が含まれる。
【0076】
腸チフス菌(Salmonella typhi)(腸チフス):抗原には、莢膜多糖類が含まれ、好ましくは、結合体(Vi、例えば、vax−TyVi)である。
【0077】
ボレリア・バーグドルフェリー(Borrelia burgdorferi)(ライム病):抗原には、リポタンパク質(例えば、OspA、OspB、OspC、およびOspD)、他の表面タンパク質(例えば、OspE関連タンパク質(Erps)、デコリン結合タンパク質(例えば、DbpA)、および抗原的に可変であるVIタンパク質(例えば、P39およびP13に関係している抗原)(組み込み型の膜タンパク質、[143])、ならびに、VlsE抗原性バリエーションタンパク質[144]が含まれる。
【0078】
ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis):抗原には外膜タンパク質(OMP)が含まれる。参考文献145もまた参照のこと。
【0079】
クレブシエラ(Klebsiella):抗原には、OMP(OMP Aを含む)、または、状況に応じて破傷風毒素に結合させられた多糖が含まれる。
【0080】
さらなる細菌抗原は、上記の任意の莢膜抗原、糖抗原、またはタンパク質抗原であり得る。さらなる細菌抗原としてはまた、外膜小胞(OMV)調製物も挙げることができる。加えて、抗原には、任意の上記の細菌の生のバージョン、弱毒化させられたバージョン、および/または精製されたバージョンが含まれる。本発明で使用される抗原は、グラム陰性細菌に由来する場合、および/またはグラム陽性細菌に由来する場合もある。本発明で使用される抗原は、好気性細菌に由来する場合、および/または嫌気性細菌に由来する場合もある。
【0081】
B.ウイルス抗原
本発明での使用に適しているウイルス抗原としては、不活化(または、死滅させられた)ウイルス、弱毒化ウイルス、ウイルス成分処方物、精製されたサブユニット処方物、ウイルスから単離、精製、または誘導することができるウイルスタンパク質、ならびにウイルス様粒子(VLP)が挙げられる。ウイルス抗原は、細胞培養物または他の基質上で増殖させられたウイルスから誘導することができる。あるいは、ウイルス抗原は、組み換えによって発現させることができる。ウイルス抗原には、好ましくは、その生活環の少なくとも1つの段階の間にウイルスの表面上に露出させられるエピトープが含まれる。ウイルス抗原は、複数の血清型または単離物にまたがって保存されていることが好ましい。ウイルス抗原には、以下に記載される1つ以上のウイルスに由来する抗原、ならびに、以下に記載される特異的な抗原の例が含まれる。
【0082】
オルトミクソウイルス:ウイルス抗原は、オルトミクソウイルス(例えば、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、およびC型インフルエンザ)に由来し得る。オルトミクソウイルス抗原は、ヘマグルチニン(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、核タンパク質(NP)、マトリックスタンパク質(M1)、膜タンパク質(M2)、転写酵素成分(PB1、PB2、およびPA)の1つ以上を含む、ウイルスタンパク質の1つ以上から選択することができる。好ましい抗原としては、HAとNAが挙げられる。
【0083】
インフルエンザ抗原は、大流行間期の(年次の)flu株に由来し得る。あるいは、インフルエンザ抗原は、大流行を引き起こす可能性がある株(すなわち、現在流行している株のヘマグルチニンと比較して新しいヘマグルチニンを有しているインフルエンザ株、またはサル被験体において病原性であり、ヒト集団においても平行して(horizontally)伝染する可能性があるインフルエンザ株、またはヒトに対して病原性であるインフルエンザ株)に由来し得る。
【0084】
パラミクソウイルス科のウイルス:ウイルス抗原は、パラミクソウイルス科のウイルス(例えば、ニューモウイルス(Pneumovirus)(RSV)、パラミクソウイルス(PIV)、および麻疹ウイルス属(麻疹))に由来し得る[146〜148]。
【0085】
ニューモウイルス:ウイルス抗原は、ニューモウイルス(例えば、呼吸器多核体ウイルス(RSV)ウシ呼吸器多核体ウイルス、マウスのニューモウイルス(Pneumonia virus)、およびシチメンチョウ鼻気管炎ウイルス)に由来し得る。好ましくは、ニューモウイルスはRSVである。ニューモウイルス抗原は、以下のタンパク質の1つ以上から選択することができる。これには、表面タンパク質融合体(F)、糖タンパク質(G)、および小さい疎水性タンパク質(SH)、マトリックスタンパク質MおよびM2、ヌクレオキャプシドタンパク質N、P、およびL、ならびに非構造タンパク質NS1およびNS2が含まれる。好ましいニューモウイルス抗原としては、F、G、およびMが挙げられる。例えば、参考文献149を参照のこと。ニューモウイルス抗原はまた、キメラウイルスに処方することも、また、キメラウイルスから導くこともできる。例えば、キメラRSV/PIVウイルスには、RSVとPIVの両方の成分が含まれ得る。
【0086】
パラミクソウイルス:ウイルス抗原は、パラミクソウイルス(例えば、パラインフルエンザウイルス1〜4型(PIV)、Mumps、センダイウイルス、シミアンウイルス5、ウシパラインフルエンザウイルス、およびニューカッスル病ウイルス)に由来し得る。好ましくは、パラミクソウイルスは、PIVまたはMumpsである。パラミクソウイルス抗原は、以下のタンパク質の1つ以上から選択することができる:ヘマグルチニン−ノイラミニダーゼ(HN)、融合タンパク質F1およびF2、核タンパク質(NP)、リンタンパク質(P)、巨大タンパク質(L)、およびマトリックスタンパク質(M)。好ましいパラミクソウイルスタンパク質としては、HN、F1、およびF2が挙げられる。パラミクソウイルス抗原はまた、キメラウイルスに処方することも、また、キメラウイルスから導くこともできる。例えば、キメラRSV/PIVウイルスには、RSVとPIVの両方の成分が含まれ得る。市販されているmumpsワクチンには、生の弱毒化mumpsウイルスが、1価の形態、または麻疹・風疹混合ワクチン(MMR)との組み合わせのいずれかで含まれる。
【0087】
モービリウイルス(Morbillivirus):ウイルス抗原は、モービリウイルス(例えば、麻疹)に由来し得る。モービリウイルス抗原は、以下のタンパク質の1つ以上から選択することができる:ヘマグルチニン(H)、糖タンパク質(G)、融合因子(F)、巨大タンパク質(L)、核タンパク質(NP)、ポリメラーゼリンタンパク質(P)、およびマトリックス(M)。市販されている麻疹ワクチンには、生の弱毒化麻疹ウイルスが、通常は、麻疹・風疹混合ワクチン(MMR)との組み合わせで含まれる。
【0088】
ピコルナウイルス:ウイルス抗原は、ピコルナウイルス(例えば、エンテロウイルス、ライノウイルス、へパルナウイルス、カーディオウイルス、およびアフトウイルス)に由来し得る。エンテロウイルス(例えば、ポリオウイルス)に由来する抗原が好ましい。参考文献150および151を参照のこと。
【0089】
エンテロウイルス:ウイルス抗原は、エンテロウイルス(例えば、ポリオウイルス1型、2型、または3型、コクサッキーAウイルス1型〜22型、コクサッキーBウイルス1型〜6型、エコーウイルス(ECHO)1型〜9型、11型〜27型、および29型〜34型、ならびにエンテロウイルス68型〜71型)に由来し得る。好ましくは、エンテロウイルスはポリオウイルスである。エンテロウイルス抗原は、好ましくは、以下のキャプシドタンパク質の1つ以上から選択される:VP1、VP2、VP3、およびVP4。市販されているポリオワクチンとしては、不活化ポリオワクチン(IPV)と、経口ポリオウイルスワクチン(OPV)が挙げられる。
【0090】
へパルナウイルス:ウイルス抗原は、へパルナウイルス(例えば、A型肝炎ウイルス(HAV))に由来し得る。市販されているHAVワクチンとしては、不活化HAVワクチンが挙げられる[152、153]。
【0091】
トガウイルス:ウイルス抗原は、トガウイルス(例えば、ルビウイルス、アルファウイルス、またはアルテリウイルス)に由来し得る。ルビウイルス(例えば、風疹ウイルス)に由来する抗原が好ましい。トガウイルス抗原は、E1、E2、E3、C、NSP−1、NSPO−2、NSP−3、またはNSP−4から選択することができる。トガウイルス抗原は、好ましくは、E1、E2、またはE3から選択される。市販されている風疹ワクチンとしては、通常は、麻疹・風疹混合ワクチン(MMR)との組み合わせでの、生の低温に適応させられたウイルスが挙げられる。
【0092】
フラビウイルス:ウイルス抗原は、フラビウイルス(例えば、ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBE)、デング熱ウイルス(1型、2型、3型、または4型)、黄熱病ウイルス、日本脳炎ウイルス、西ナイル脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、ロシア春夏脳炎ウイルス、ポワッサン脳炎ウイルス)に由来し得る。フラビウイルス抗原は、PrM、M、C、E、NS−1、NS−2a、NS2b、NS3、NS4a、NS4b、およびNS5から選択され得る。フラビウイルス抗原は、好ましくは、PrM、M、およびEから選択される。市販されているTBEワクチンとしては、不活化ウイルスワクチンが挙げられる。
【0093】
ペスチウイルス:ウイルス抗原は、ペスチウイルス(例えば、ウシのウイルス性下痢(BVDV)、ブタコレラ(CSFV)、またはボーダー病(BDV))に由来し得る。
【0094】
ヘパドナウイルス:ウイルス抗原は、ヘパドナウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス)に由来し得る。ヘパドナウイルス抗原は、表面抗原(L、M、およびS)、コア抗原(HBc、HBe)から選択することができる。市販されているHBVワクチンとしては、表面抗原Sタンパク質を含むサブユニットワクチンが挙げられる[153、154]。
【0095】
C型肝炎ウイルス:ウイルス抗原は、C型肝炎ウイルス(HCV)に由来し得る。HCV抗原は、E1、E2、E1/E2、NS345ポリタンパク質、NS 345−コアポリタンパク質、コア、および/または非構造領域に由来するペプチドから選択することができる[155,156]。
【0096】
ラブドウイルス:ウイルス抗原は、ラブドウイルス(例えば、リッサ・ウイルス(狂犬病ウイルス)およびベシクロウイルス(VSV))に由来し得る。ラブドウイルス抗原は、糖タンパク質(G)、核タンパク質(N)、巨大タンパク質(L)、非構造タンパク質(NS)から選択することができる。市販されている狂犬病ウイルスワクチンには、ヒトの2倍体細胞、またはアカゲザルの胎児の肺細胞上で増殖させられた死滅させられたウイルスが含まれる[157、158]。
【0097】
カルシウイルス科:ウイルス抗原は、カルシウイルス科(例えば、ノーウォークウイルス、およびノーウォーク様ウイルス(例えば、ハワイウイルス、およびスノーマウンテンウイルス)に由来し得る。
【0098】
コロナウイルス:ウイルス抗原は、コロナウイルス、SARS、ヒト呼吸器コロナウイルス、ニワトリ伝染性気管支炎(IBV)、マウス肝炎ウイルス(MHV)、およびブタ伝染性胃腸炎ウイルス(TGEV)に由来し得る。コロナウイルス抗原は、スパイクタンパク質(S)、外膜タンパク質(E),マトリックスタンパク質(M)、ヌクレオキャプシドタンパク質(N),および/またはヘマグルチニン−エステラーゼ糖タンパク質(HE)から選択することができる。好ましくは、コロナウイルス抗原は、SARSウイルスに由来する。SARSウイルス抗原は、参考文献159に記載されている。
【0099】
レトロウイルス:ウイルス抗原は、レトロウイルス(例えば、腫瘍ウイルス、レンチウイルス、またはスプマウイルス)に由来し得る。腫瘍ウイルス抗原は、HTLV−1、HTLV−2、またはHTLV−5に由来し得る。レンチウイルス抗原は、HIV−1またはHIV−2に由来し得る。レトロウイルス抗原は、gag、pol、env、tax、tat、rex、rev、nef、vif、vpu、およびvprから選択することができる。HIV抗原は、gag(p24gagおよびp55gag)、env(gp160、gp120、およびgp41)、pol、tat、nef、rev、vpu、ミニタンパク質(好ましくは、p55gagおよびgp140v欠失)から選択することができる。HIV抗原は、以下の株の1つ以上に由来し得る:HIVIIIb、HIVSF2、HIVLAV、HIVLAI、HIVMN、HIV−1CM235、HIV−1US4
【0100】
レオウイルス:ウイルス抗原は、レオウイルス(例えば、オルトレオウイルス、ロタウイルス、オルビウイルス、またはコルチウイルス)に由来し得る。レオウイルス抗原は、構造タンパク質λ1、λ2、λ3、μ1、μ2、σ1、σ2、またはσ3、あるいは、非構造タンパク質σNS、μNS、またはσ1sから選択することができる。好ましいレオウイルス抗原は、ロタウイルスに由来し得る。ロタウイルス抗原は、VP1、VP2、VP3、VP4(または切断産物VP5およびVP8)、NSP1、VP6、NSP3、NSP2、VP7、NSP4、および/またはNSP5から選択することができる。ロタウイルス抗原としては、VP4(または切断産物VP5およびVP8)、およびVP7が挙げられる。
【0101】
パルボウイルス:ウイルス抗原は、パルボウイルス(例えば、パルボウイルスB19)に由来し得る。パルボウイルス抗原は、VP−1、VP−2、VP−3、NS−1、および/またはNS−2から選択することができる。好ましくは、パルボウイルス抗原はキャプシドタンパク質VP−2である。
【0102】
デルタ肝炎ウイルス(HDV):ウイルス抗原はHDV、具体的には、HDV由来のδ−抗原に由来し得る(例えば、参考文献160を参照のこと)。
【0103】
E型肝炎ウイルス(HEV):ウイルス抗原はHEVに由来し得る。
【0104】
G型肝炎ウイルス(HGV):ウイルス抗原はHGVに由来し得る。
【0105】
ヒトヘルペスウイルス:ウイルス抗原は、ヒトヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘帯状ヘルペスウイルス(VZV)、エプスタインバーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒトヘルペスウイルス6(HHV6)、ヒトヘルペスウイルス7(HHV7)、およびヒトヘルペスウイルス8(HHV8)に由来し得る。ヒトヘルペスウイルス抗原は、前初期タンパク質(α)、初期タンパク質(β)、および後期タンパク質(γ)から選択することができる。HSV抗原は、HSV−1またはHSV−2株に由来し得る。HSV抗原は、糖タンパク質gB、gC、gD、およびgH,融合タンパク質(gB)、または免疫回避タンパク質(gC、gE、またはgI)から選択することができる。VZV抗原は、コアタンパク質、ヌクレオキャプシドタンパク質、テグメントタンパク質、または外膜タンパク質から選択することができる。生の弱毒化VZVワクチンが市販されている。EBV抗原は、初期抗原(EA)タンパク質、ウイルスキャプシド抗原(VCA)、および膜抗原(MA)の糖タンパク質から選択することができる。CMV抗原は、キャプシドタンパク質、外膜糖タンパク質(例えば、gBおよびgH)、およびテグメントタンパク質から選択することができる。
【0106】
パポバウイルス:抗原は、パポバウイルス(例えば、パピローマウイルスおよびポリオーマウイルス)に由来し得る。パピローマウイルスには、HPV血清1型、2型、4型、5型、6型、8型、11型、13型、16型、18型、31型、33型、35型、39型、41型、42型、47型、51型、57型、58型、63型、および65型が含まれる。好ましくは、HPV抗原は、血清6型、11型、16型、または18型に由来する。HPV抗原は、キャプシドタンパク質(L1)および(L2)、またはE1〜E7、あるいは、それらの融合体から選択することができる。HPV抗原は、好ましくは、ウイルス様粒子(VLP)に処方される。ポリオーマウイルスには、BKウイルスとJKウイルスが含まれる。ポリオーマウイルス抗原は、VP1、VP2、またはVP3から選択することができる。
【0107】
C.真菌抗原
真菌抗原は以下に記載される真菌の1種類以上に由来し得る。
【0108】
真菌抗原は、皮膚糸状菌(Dermatophytres)に由来し得る。皮膚糸状菌には、エピダーモフィートン・フロコッサム(Epidermophyton floccusum)、ミクロスポラム・オドウィニ(Microsporum audouini)、ミクロスポルム・カニス(Microsporum canis)、ミクロスポルム・ジストルツム(Microsporum distortum)、ミクロスポルム・エクイヌム(Microsporum equinum)、ミクロスポルム・ギプサム(Microsporum gypsum)、ミクロスポルム・ナヌム(Microsporum nanum)、トリコフィートン・コンセントリカム(Trichophyton concentricum)、トリコフィートン・エクイヌム(Trichophyton equinum)、トリコフィートン・ガリネ(Trichophyton gallinae)、トリコフィートン・ギプセウム(Trichophyton gypseum)、トリコフィートン・メグニニ(Trichophyton megnini)、トリコフィートン・メンタログロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、トリコフィートン・クインケアナム(Trichophyton
quinckeanum)、トリコフィートン・ルブラム(Trichophyton
rubrum)、トリコフィートン・シェーンレイン(Trichophyton schoenleini)、トリコフィートン・トンスランス(Trichophyton
tonsurans)、トリコフィートン・バルコサム(Trichophyton verrucosum)、トリコフィートン・バルコサム・バー・アルブム(T.verrucosum var.album)、バー・ディスコイデス(var.discoides)、バー・オカラセウム(var.ochraceum)、トリコフィートン・バイオラセウム(Trichophyton violaceum)、および/またはトリコフィートン・ファビフォルム(Trichophyton faviforme)が含まれる。
【0109】
真菌病原体としては、アスペルジルス・フミガタ(Aspergillus fumigatus)、アスペルジルス・フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルジルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルジルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルジルス・テレウス(Aspergillus terreus)、アスペルジルス・シドウィー(Aspergillus sydowi)、アスペルジルス・フラバタス(Aspergillus flavatus)、アスペルジルス・グラカス(Aspergillus glaucus)、ブラストシゾマイセス・キャピタタス(Blastoschizomyces capitatus)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・エノラーゼ(Candida enolase)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・パラシローシス(Candida parapsilosis)、カンジダ・ステラトイデア(Candida stellatoidea)、カンジダ・クセイ(Candida kusei)、カンジダ・パラクセイ(Candida parakwsei)、カンジダ・ルシタニエ(Candida lusitaniae)、カンジダ・シュードトロピカリス(Candida pseudotropicalis)、カンジダ・ギレモンディ(Candida guilliermondi)、クラドスポリウム・カリオニイ(Cladosporium carrionii)、コシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、ブラストマイセス・デルマチジス(Blastomyces dermatidis)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、ゲオトリカム・クラバタム(Geotrichum clavatum)、ヒストプラズマ・カプスレータム(Histoplasma capsulatum)、クレブシエラ・ニューモニア(Klebsiella pneumoniae)、パラコシジオイデス・ブラシリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、ニューモシスチス・カリニ(Pneumocystis carinii)、フィチウム・インシジオサム(Pythiumn insidiosum)、ピチロスポラム・オーバル(Pityrosporum ovale)、サッカロマイセス・セレビッシェ(Saccharomyces cerevisae)、サッカロマイセス・ブラウディ(Saccharomyces boulardii)、サッカロマイセス・ポンベ(Saccharomyces pombe)、セドスポリウム・アピオスペラム(Scedosporium apiosperum)、スポロトリックス・シェンキイ(Sporothrix schenckii)、トリコスポロン・ベイゲリ(Trichosporon beigelii)、トキソプラズマ・ゴンディー(Toxoplasma gondii)、ペニシリウム・マルネフェイ(Penicillium marneffei)、マラセチア種(Malassezia spp.)、フォンセチア種(Fonsecaea spp.)、ワンギエラ種(Wangiella spp.)、スポロトリックス種(Sporothrix spp.)、バシジオボーラス種(Basidiobolus spp.)、コニジオボーラス種(Conidiobolus spp.)、リゾパス種(Rhizopus spp.)、ムコール種(Mucor spp.)、アブシジア種(Absidia
spp.)、モルチエレラ種(Mortierella spp.)、クズマタカビ種(Cunninghamella spp.)、サクセネア種(Saksenaea spp.)、アルテナリア種(Alternaria spp.)、カーブラリア種(Curvularia spp.)、ヘルミントスポリウム種(Helminthosporium spp.)、フサリウム種(Fusarium spp.)、アスペルジルス種(Aspergillus spp.)、ペニシリウム種(Penicillium spp.)、モノリニア種(Monolinia spp.)、リゾクトニア種(Rhizoctonia spp.)、パエシロマイセス種(Paecilomyces spp.)、ピトマイセス種(Pithomyces spp.)、およびクラドスポリウム種(Cladosporium spp.)が挙げられる。
【0110】
真菌抗原の生産のためのプロセスは当該分野で周知である[161]。好ましい方法においては、可溶化させられた画分が、細胞壁が実質的に除去されているか、または少なくとも部分的に除去されている真菌細胞から得ることができる不溶性画分から抽出され、そして、不溶性画分から分離させられ、以下の工程を含むプロセスにおいて特性決定される:細胞壁が実質的に除去されているか、または少なくとも部分的に除去されている真菌細胞を得る工程;細胞壁が実質的に除去されているか、または少なくとも部分的に除去されている心筋細胞を破裂させる工程;不溶性画分を得る工程;ならびに、不溶性画分から可溶化させられた画分を抽出し、分離する工程。
【0111】
D.STD抗原
本発明の組成物には、性感染症(STD)に由来する1つ以上の抗原が含まれ得る。このような抗原は、STD(例えば、クラミジア、性器ヘルペス、肝炎(例えば、HCV)、陰部疣贅、淋病、梅毒、および/または軟性下疳)の予防または治療を提供し得る[162]。抗原は、1つ以上のウイルスまたは細菌のSTDに由来し得る。本発明で使用されるウイルスのSTD抗原は、例えば、HIV、単純ヘルペスウイルス(HSV−1およびHSV−2)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、および肝炎ウイルス(HCV)に由来し得る。本発明で使用される細菌のSTD抗原は、例えば、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、ヘモフィルス・デユクレイ(Haemophilus ducreyi)、大腸菌(Escherichia coli)、およびストレプトコッカス・アガラクティア(Streptococcus agalactiae)に由来し得る。これらの病原体に由来する特異的な抗原の例は上記に記載されている。
【0112】
E.呼吸器抗原
本発明の組成物には、呼吸器疾患を引き起こす病原体に由来する1つ以上の抗原が含まれ得る。例えば、呼吸器抗原は、オルトミクソウイルス(インフルエンザ)、ニューモウイルス(RSV)、パラミクソウイルス(PIV)、モルビリウイルス(麻疹)、トガウイルス(風疹)、VZV、およびコロナウイルス(SARS)のような呼吸器ウイルスに由来し得る。呼吸器抗原は、呼吸器疾患を引き起こす細菌(例えば、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、ボルデテラ・パータッシス(Bordetella pertussis)、マイコバクテリウム・ツバキュロシス(Mycobacterium tuberculosis)、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)、バシラス・アントラシス(Bacillus anthracis)、およびモラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis))に由来し得る。これらの病原体に由来する特異的な抗原の例は、上記に記載されている。
【0113】
F.小児用ワクチン抗原
本発明の組成物には、小児である被験体での使用に適している1つ以上の抗原が含まれ得る。小児である被験体は、通常は、約3歳未満、または約2歳未満、または約1歳未満である。小児用抗原は、6ヶ月、1年、2年、または3年にわたって複数回投与され得る。小児用抗原は、小児の集団を標的とする可能性があるウイルス、および/または小児の集団が感染しやすいウイルスに由来し得る。小児用ウイルス抗原としては、以下の1つ以上に由来する抗原が挙げられる:オルトミクソウイルス(インフルエンザ)、ニューモウイルス(RSV)、パラミクソウイルス(PIVおよびMumps)、モルビリウイルス(麻疹)、トガウイルス(風疹)、エンテロウイルス(ポリオ)、HBV、コロナウイルス(SARS)、および水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタインバーウイルス(EBV)。小児用細菌抗原としては、以下の1つ以上に由来する抗原が挙げられる:ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)(A群連鎖球菌)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、百日咳菌(Bordetella
pertussis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、クロストリディウム・テタニ(Clostridium tetani)(破傷風)、コリネバクテリウム・ジフテリア(Corynebacterium diphtheriae)(ジフテリア)、ヘモフィルス・インフルエンザB型菌(Haemophilus influenzae type B(Hib)、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、ストレプトコッカス・アガラクティーエ(Streptococcus agalactiae)(B群連鎖球菌)、および大腸菌(Escherichia coli)。これらの病原体に由来する特異的な抗原の例は上記に記載されている。
【0114】
G.高齢者または免疫障害を有している個体での使用に適している抗原
本発明の組成物には、高齢者または免疫障害を有している個体での使用に適している1つ以上の抗原が含まれ得る。このような個体には、標的化される抗原に対するそれらの免疫反応を改善するためには、より高い用量で、またはアジュバント処方物で、より頻繁にワクチン接種を行う必要があり得る。高齢者または免疫障害を有している個体での使用について標的化され得る抗原としては、以下の病原体の1つ以上に由来する抗原が挙げられる:髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)(A群連鎖球菌)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermis)、クロストリディウム・テタニ(Clostridium tetani)(破傷風)、コリネバクテリウム・ジフテリア(Cornynebacterium
diphtheriae)(ジフテリア)、ヘモフィルス・インフルエンザB型菌(Haemophilus influenzae type B)(Hib)、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、ストレプトコッカス・アガラクティーエ(Streptococcus agalactiae)(B群連鎖球菌)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)、オルトミクソウイルス(インフルエンザ)、ニューモウイルス(RSV)、パラミクソウイルス(PIVおよびMumps)、モルビリウイルス(麻疹)、トガウイルス(風疹)、エンテロウイルス(ポリオ)、HBV、コロナウイルス(SARS)、および水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタインバーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)。これらの病原体に由来する特異的な抗原の例は、上記に記載されている。
【0115】
H.思春期用ワクチンでの使用に適している抗原
本発明の組成物には、思春期の被験体での使用に適している1つ以上の抗原が含まれ得る。思春期には、先に投与された思春期用抗原のブーストが必要な場合がある。思春期に使用するに適している可能性がある思春期用抗原は、上記に記載されている。加えて、思春期は、性的行為が開始される前に防御免疫または治療免疫を確実にするために、STD病原体に由来する抗原を投与するための標的とされ得る。思春期に使用するに適している可能性があるSTD抗原は、上記に記載されている。
【0116】
I.腫瘍抗原
本発明の1つの実施形態には、腫瘍抗原またはガン抗原が含まれる。腫瘍抗原は、例えば、ペプチドを含む腫瘍抗原であり、例えば、ポリペプチド腫瘍抗原または糖タンパク質腫瘍抗原であり得る。腫瘍抗原はまた、例えば、糖を含む腫瘍抗原であり、例えば、糖脂質腫瘍抗原またはガングリオシド腫瘍抗原であり得る。腫瘍抗原はさらに、例えば、ポリペプチドを含む腫瘍抗原を発現するポリヌクレオチドを含む腫瘍抗原であり得、例えば、RNAベクター構築物またはDNAベクター構築物(例えば、プラスミドDNA)であり得る。
【0117】
本発明の実施に適している腫瘍抗原には、多種多様の分子、例えば、(a)ポリペプチド(例えば、8〜20アミノ酸の長さの範囲であり得るが、この範囲を超える長さもまた一般的である)を含む、ポリペプチドを含む腫瘍抗原、リポポリペプチド、および糖タンパク質、(b)多糖類、ムチン、ガングリオシド、糖脂質、および糖タンパク質を含む、糖を含む腫瘍抗原、ならびに(c)抗原性ポリペプチドを発現するポリヌクレオチドが含まれる。
【0118】
腫瘍抗原は、例えば、(a)ガン細胞に関係している全長の分子、(b)欠失、付加、および/または置換された部分を有している分子を含む、そのホモログおよび修飾された形態、ならびに、(c)その断片であり得る。腫瘍抗原は、組み換え形態で提供され得る。腫瘍抗原としては、例えば、CD8+リンパ球によって認識されるクラスI制限抗原、またはCD4+リンパ球によって認識されるクラスII制限抗原が挙げられる。
【0119】
多数の腫瘍抗原が当該分野で公知であり、これには、以下が含まれる:(a)ガン・精巣(cancer−testis)抗原、例えば、NY−ESO−1、SSX2、SCP1、ならびに、RAGE,BAGE、GAGE、およびMAGEファミリーのポリペプチド、例えば、GAGE−1、GAGE−2、MAGE−1、MAGE−2、MAGE−3、MAGE−4、MAGE−5、MAGE−6、およびGAGE−12(これらは、例えば、黒色腫、肺ガン、頭頸部ガン、NSCLS、乳ガン、消化管ガン、および膀胱ガンを処置するために使用することができる)、(b)変異抗原、例えば、p53(種々の固形腫瘍(例えば、結腸直腸ガン、肺ガン、頭頸部ガン)に関係している)、P21/Ras(例えば、黒色腫、膵臓ガン、および結腸直腸ガンに関係している)、CDK4(例えば、黒色腫に関係している)、MUM1(例えば、黒色腫に関係している)、カスパーゼ−8(例えば、頭頸部ガンに関係している)、CIA 0205(例えば、膀胱ガンに関係している)、HLA−A2−R1701、β−カテキン(例えば、黒色腫に関係している)、TCR(例えば、T細胞非ホジキンリンパ腫に関係している)、BCR−abl(例えば、慢性骨髄性白血病に関係している)、トリオースリン酸イソメラーゼ、KIA 0205、CDC−27、およびLDLR−FUT、(c)過剰発現された抗原、例えば、ガレクチン4(例えば、結腸直腸ガンに関係している)、ガレクチン9(例えば、ホジキン疾患に関係している)、プロテイナーゼ3(例えば、慢性骨髄性白血病に関係している)、WT1(例えば、種々の白血病に関係している)、カルボン酸無水物(例えば、腎臓ガンに関係している)、アルドラーゼA(例えば、肺ガンに関係している)、PRAME(例えば、黒色腫に関係している)、HER−2/neu(例えば、乳ガン、結腸ガン、肺ガン、および卵巣ガンに関係している)、α−フェトタンパク質(例えば、肝ガンに関係している)、KSA(例えば、結腸直腸ガンに関係している)、ガストリン(例えば、膵臓ガンおよび胃ガンに関係している)、テロメラーゼ触媒タンパク質、MUC−1(例えば、乳ガンおよび卵巣ガンに関係している)、G−250(例えば、腎細胞ガンに関係している)、p53(例えば、乳ガン、結腸ガンに関係している)、ならびに、癌胎児性抗原(例えば、乳ガン、肺ガン、および消化管のガン(例えば、結腸直腸ガン)に関係している)、(d)共通抗原、例えば、黒色腫−メラニン形成細胞分化抗原、例えば、MART−1/Melan A、gp100、MC1R、メラニン形成細胞刺激ホルモン受容体、チロシナーゼ、チロシナーゼ関連タンパク質−1/TRP1、およびチロシナーゼ関連タンパク質−2/TRP2(例えば、黒色腫に関係している)、(e)前立腺関連抗原、例えば、PAP、PSA、PSMA、PSH−P1、PSM−P1、PSM−P2(例えば、前立腺ガンに関係している)、(f)免疫グロブリンイディオタイプ(例えば、黒色腫およびB細胞リンパ腫に関係している)、ならびに、(g)他の腫瘍抗原、例えば、以下を含むポリペプチドを含む抗原および糖を含む抗原:(i)シアリルTnおよびシアリルLeのような糖タンパク質(例えば、乳ガンおよび結腸直腸ガンに関係している)、ならびに種々のムチン;糖タンパク質は担体タンパク質にカップリングさせることができる(例えば、MUC−1はKLHにカップリングさせることができる);(ii)リポポリペプチド(例えば、脂質部分に結合させられたMUC−1);(iii)多糖類(例えば、Globo H合成六糖)(これは、担体タンパク質に(例えば、KLHに)カップリングさせることができる)、(iv)ガングリオシド、例えば、GM2、GM12、GD2、GD3(例えば、脳腫瘍、肺ガン、黒色腫に関係している)(これもまた、担体タンパク質(例えば、KLH)にカップリングさせることができる)。
【0120】
当該分野で公知のさらなる腫瘍抗原としては、p15、Hom/Mel−40、H−Ras、E2A−PRL、H4−RET、IGH−IGK、MYL−RAR、エプスタインバーウイルス抗原、EBNA、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原(E6およびE7を含む)、B型肝炎およびC型肝炎ウイルス抗原、ヒトT細胞リンパ向性ウイルス抗原、TSP−180、p185erbB2、p180erbB−3、c−met、mn−23H1、TAG−72−4、CA19−9、CA72−4、CAM17.1、NuMa、K−ras、p16、TAGE、PSCA、CT7、43−9F、5T4、791Tgp72、β−HCG、BCA225、BTAA、CA125、CA15−3(CA27.29/BCAA)、CA195、CA242、CA−50、CAM43、CD68/KP1、CO−029、FGF−5、Ga733(EpCAM)、HTgp−175、M344、MA−50、MG7−Ag、MOV18、NB/70K、NY−CO−1、RCAS1、SDCCAG16、TA−90(Mac−2結合タンパク質/シクロフィリンC関連タンパク質)、TAAL6、TAG72、TLP、TPSなどが挙げられる。これら、ならびに他の細胞成分は、例えば、参考文献163およびその中で引用されている参考文献に記載されている。
【0121】
本発明のポリヌクレオチドを含む抗原には、通常、上記に列挙されたもののようなポリペプチドガン抗原をコードするポリヌクレオチドが含まれる。好ましいポリヌクレオチドを含む抗原としては、DNAまたはRNAベクター構築物、例えば、プラスミドベクター(例えば、pCMV)が挙げられる。これは、インビボでポリペプチドガン抗原を発現することができる。
【0122】
腫瘍抗原は、例えば、変異した細胞成分または変化した細胞成分に由来し得る。変化の後は、細胞成分は、もはやそれらの調節機能を行うことはできず、したがって、細胞は、制御されない増殖を経験し得る。変化した細胞成分の代表的な例としては、ras、p53、Rb、ウィルムス腫瘍遺伝子によってコードされる変化したタンパク質、ユビキチン、ムチン、DCC,APC、およびMCC遺伝子によってコードされるタンパク質、ならびに、neu、甲状腺ホルモン受容体、血小板由来成長因子(PDGF)受容体、インシュリン受容体、表皮成長因子(EGF)受容体、およびコロニー刺激因子(CSF)受容体のような受容体または受容体様構築物が挙げられる。これら、ならびに他の細胞成分は、例えば、参考文献164およびその中で引用されている参考文献に記載されている。
【0123】
加えて、細菌抗原およびウイルス抗原を、ガンの処置のために本発明の組成物と組み合わせて使用することができる。具体的には、ガンタンパク質(例えば、CRM197,破傷風トキソイド、またはサルモネラ・ティフィリウム(Salmonella typhimurium)抗原)を、ガンの処置のために本発明の化合物と併せて/組み合わせて使用することができる。ガン抗原の併用療法は、既存の治療法と比較して高い効力と生体利用効率を示すであろう。
【0124】
ガン抗原または腫瘍抗原についてのさらなる情報は、例えば、参考文献165(例えば、表3および4)、参考文献166(例えば、表1)、および参考文献167から189に見ることができる。
【0125】
免疫化(例えば、抗原としてAbetaを使用する)もまた、アルツハイマー病に対して使用することができる[190]。
【0126】
J.抗原処方物
本発明の他の態様においては、抗原が吸着させられている微粒子を生産する方法が提供される。この方法には以下の工程が含まれる:(a)(i)水、(ii)界面活性剤、(iii)有機溶媒、および(iv)ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ無水物、およびポリシアノアクリレートからなる群より選択される生体分解性ポリマーを含む混合物を分散させることによってエマルジョンを提供する工程であって、ポリマーは、通常、有機溶媒に対して約1%から約30%の濃度で混合物中に存在し、一方、界面活性剤は、通常、約0.00001:1から約0.1:1(より通常は、約0.0001:1から約0.1:1、約0.001:1から約0.1:1、または約0.005:1から約0.1:1)の重量対重量の界面活性剤対ポリマー比で混合物中に存在する;(b)エマルジョンから有機溶媒を除去する工程;ならびに(c)マイクロ粒子の表面上に抗原を吸着させる工程。特定の実施形態においては、生体分解性ポリマーは、有機溶媒に対して、約3%から約10%の濃度で存在する。
【0127】
本明細書中で使用されるマイクロ粒子は、滅菌することができる毒性のない生体分解性材料から作られるであろう。このような材料としては、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ無水物、PACA、およびポリシアノアクリレートが挙げられるが、これらに限定はされない。好ましくは、本発明で使用されるマイクロ粒子は、ポリ(α−ヒドロキシ酸)に由来し、特に、ポリ(ラクチド)(「PLA」)、またはD,L−ラクチドとグリコリドまたはグリコール酸のコポリマー(例えば、D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(「PLG」または「PLGA」)、あるいは、D,L−ラクチドとカプロラクトンのコポリマーから導かれる。マイクロ粒子は、様々な分子量を有している種々の重合性出発材料の任意のもの、およびPLGのようなコポリマーの場合には、種々のラクチド:グリコリド比に由来し、その選択は、同時投与されるマクロ分子に一部依存して、主な選択項目である。これらのパラメーターは、以下により完全に議論される。
【0128】
さらに別の処方方法と抗原(特に腫瘍抗原)は、参考文献191に提供される。
【0129】
医学的方法および用途
一旦処方されると、本発明の組成物は被験体に直接投与することができる。処置される被験体は動物であり得る:具体的には、ヒト被験体を処置することができる。組成物は、子供および十代の若者にワクチン接種するために特に有用なワクチンとして処方することができる。これらは、全身的経路および/または粘膜経路によって投与することができる。
【0130】
通常、組成物は、注射可能なもの(液体溶液または懸濁液のいずれかとして)調製される;注射の前に液体媒体中の溶液または懸濁液とするために適している固体形態もまた、調製することができる。組成物の直接的な投与は、一般的には、非経口(例えば、皮下、腹腔内、静脈内、または粘膜内のいずれかの注射によって、あるいは、組織の間質腔に投与される)で投与される。組成物はまた、病変内に投与することもできる。他の投与形態としては、経口および肺投与、坐剤、および経皮または経皮的塗布(例えば、参考文献192を参照のこと)、針、および皮下噴射機が挙げられる。投与による処置は、単回投与のスケジュールである場合も、また、複数回投与のスケジュール(ブースター投与を含む)である場合もある。
【0131】
本発明のワクチンは滅菌であることが好ましい。好ましくは、これらには発熱物質は含まれない。これらは好ましくは、例えば、pH6とpH8の間に、一般的には、およそpH7に緩衝化される。ワクチンに水酸化アルミニウム塩が含まれる場合は、ヒスチジン緩衝液を使用することが好ましい[193]。
【0132】
本発明のワクチンには、界面活性剤(例えば、Tween 80のようなTween)が低濃度で(例えば、<0.01%)含まれる場合がある。本発明のワクチンには、特に、これらが凍結乾燥させられる場合には、糖アルコール(例えば、マンニトール)またはトレハロースが、例えば、およそ15mg/mlで含まれる場合がある。
【0133】
個々の抗原の最適な用量は、経験的に評価することができる。しかし、一般的には、本発明の糖抗原は、1回の投与について、0.1から100μgの各糖の用量で、通常は0.5mlの投与容量で投与されるであろう。用量は、通常は、1回の投与あたり1つの糖について5から20μgである。これらの値は、糖として測定される。
【0134】
本発明のワクチンは、予防的(すなわち、感染を予防するため)または治療的(すなわち、感染後に疾患を処置するため)のいずれかであり得るが、通常は予防的である。
【0135】
本発明によって、医薬品の中で使用される本発明の結合体が提供される。
【0136】
本発明によってはまた、患者の免疫反応を惹起させる方法が提供される。この方法には、本発明の結合体を患者に投与する工程が含まれる。免疫反応は、好ましくは、髄膜炎菌(meningococcal)疾患、肺炎球菌(pneumococcal)疾患、またはインフルエンザ菌(H.influenzae)に対して防御的であり、そしてこれには、体液性免疫反応および/または細胞性免疫反応が含まれ得る。好ましくは、患者は子供である。この方法によって、髄膜炎菌(meningococcal)、肺炎球菌(pneumococcal)、またはインフルエンザ菌(H.influenzae)に対してすでに感作させられた患者において、ブースター反応を惹起させることができる。
【0137】
本発明によってはまた、患者において免疫反応を惹起させるための医薬品の製造における本発明の結合体の使用が提供される。この場合、上記患者は、担体に結合させられた組成物に含まれる、異なる糖抗原で予め処置されている。
【0138】
本発明によってはまた、患者において免疫反応を惹起させるための医薬品の製造における結合体の使用が提供される。この場合、上記患者は、異なる担体に結合させられた組成物の中に含まれる抗原と同じ糖抗原で予め処置されている。
【0139】
医薬品は、好ましくは、免疫原性組成物(例えば、ワクチン)である。医薬品は、好ましくは、ナイセリア(Neisseria)(例えば、髄膜炎菌(meningitidis)、敗血症菌(septicaemia)、淋菌(gonorrhoea)など)によって、インフルエンザ菌(H.influenzae)(例えば、otitis media、インフルエンザ気管支炎(bronchitis)、ニューモニエ(pneumonie)、セルリティス(cellulitis)、ペルカルディティス(pericarditis)、メニンギチス(meningitis)など)によって、またはニューモコッカス(pneumococcus)(例えば、髄膜炎菌(meningitis)、敗血症(sepsis)、ニューモニエ(pneumonia)など)によって引き起こされる疾患の予防および/または処置のためのものである。したがって、細菌性髄膜炎の予防および/または処置が好ましい。
【0140】
ワクチンは、標準的な動物モデルにおいて試験することができる(例えば、参考文献194を参照のこと)。
【0141】
本発明によってさらに、a)本発明の第1の結合体、およびb)本発明の第2の結合体を含むキットが提供される。
【0142】
アジュバント
本発明の結合体は、他の免疫調節因子と組み合わせて投与することができる。具体的には、組成物には、通常、アジュバントが含まれる。本発明の組成物に使用することができるアジュバントとしては、以下を挙げることができるが、これらに限定はされない:
A.無機化合物を含む組成物
本発明においてアジュバントとしての使用に適している無機化合物を含む組成物としては、無機塩(例えば、アルミニウム塩およびカルシウム塩)が挙げられる。このような無機組成物には、水酸化物(例えば、オキシ水酸化物)、リン酸塩(例えば、ヒドロキシホスフェート、オルトホスフェート)、硫酸塩などのような無機塩[例えば、参考文献195の第8章および第9章を参照のこと]、あるいは、種々の無機化合物の混合物(例えば、リン酸塩アジュバントと水酸化物アジュバントの混合物(状況に応じて、過剰のリン酸塩を含む))が含まれ得、化合物は任意の適切な形態(例えば、ゲル、結晶、無定形など)をとり、そして塩(単数または複数)に吸着させられることが好ましい。無機化合物を含む組成物はまた、金属塩の粒子としても処方することができる[196]。
【0143】
アルミニウム塩が本発明の組成物に含まれる場合があり、その結果、Al3+の用量は、1回の投与について0.2mgから1.0mgの間となる。
【0144】
典型的なリン酸アルミニウムアジュバントは、無定形のヒドロキシリン酸アルミニウムであり、0.84から0.92のPO/Alモル比を有しており、0.6mgのAl3+/mlで含まれる。低用量のリン酸アルミニウムでの吸着物を、1回の投与について1つの結合体あたり50から100μgのAl3+で使用することができる。リン酸アルミニウムが使用され、そしてアジュバントに対して抗原が吸着させられないことが所望される場合は、溶液中に遊離のリンイオンを含ませる(例えば、リン酸緩衝液の使用による)ことが好ましい。
【0145】
B.油状エマルジョン
本発明の結合体とともにアジュバントとしての使用に適している油状エマルジョン組成物としては、スクワレン−水エマルジョン、例えば、MF59(マイクロフルイダイザーを使用して1ミクロン未満の粒子に処方された、5%のスクワレン、0.5%のTween 80、および0.5%のSpan 85)が挙げられる[参考文献195の第10章;参考文献197〜199もまた参照のこと]。MF59は、FLUAD(登録商標)インフルエンザウイルス3価サブユニットワクチンにおいてアジュバントとして使用されている。MF59エマルジョンには、クエン酸イオン(例えば、10mMのクエン酸ナトリウム緩衝液)が含まれることが有利である。
【0146】
組成物中での使用に特に好ましいアジュバントは1ミクロン未満の水中油エマルジョンである。本明細書中で使用に好ましい1ミクロン未満の水中油エマルジョンは、状況に応じて、様々な量のMTP−PEを含むスクワレン/水エマルジョンであり、例えば、4〜5%w/vのスクワレン、0.25〜1.0%w/vのTween 80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、および/または0.25〜1.0%のSpan 85(ソルビタントリオレエート)、ならびに、状況に応じて、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(MTP−PE)を含む1ミクロン未満の水中油エマルジョンである。組成物中で使用される1ミクロン未満の水中油エマルジョン、それを作製する方法、および免疫賦活剤(例えば、ムラミルペプチド)は、参考文献197、および200〜201に詳細に記載されている。
【0147】
スクワレン、トコフェロール、およびTween 80のエマルジョンを使用することができる。エマルジョンには、リン酸緩衝化生理食塩水が含まれ得る。これには、Span 85(例えば、1%)および/またはレシチンも含まれる場合がある。これらのエマルジョンには、2から10%のスクワレン、2から10%のトコフェロールと、0.3から3%のTween 80が含まれ、スクワレン:トコフェロールの重量比は、好ましくは、≦1である。なぜなら、これによってより安定なエマルジョンが提供されるからである。1つのこのようなエマルジョンは、Tween 80をPBS中に溶解させて2%の溶液とし、その後、90mlのこの溶液を(5gのDL−α−トコフェロールおよび5mlのスクワレン)の混合物と混合し、その後、混合物をマイクロフルイダイズすることによって作製することができる。得られるエマルジョンは、1ミクロン未満の油滴を呈し得、例えば、100から250nm、好ましくは、約180nmの平均直径を有する。
【0148】
スクワレン、トコフェロール、およびTriton界面活性剤(例えば、Triton
X−100)のエマルジョンを使用することができる。
【0149】
スクワレン、ポリソルベート80、およびポロキサマー401(「Pluronic(登録商標)L121」)のエマルジョンを使用することができる。エマルジョンは、リン酸緩衝化生理食塩水(pH7.4)の中に処方することができる。このエマルジョンは、ムラミルジペプチドについての有用な送達媒体であり、「SAF−1」アジュバント中のスレオニル−MDPと共に使用されている「202」(0.05%〜1%のThr−MDP、5%のスクワレン、2.5%のPluronic L121、および0.2%のポリソルベート80)。これはまた、Thr−MDPを伴わずに、「AF」アジュバントとして使用することもできる[203](5%のスクワレン、1.25%のPluronic
L121、および0.2%のポリソルベート80)。マイクロフルイダイズが好ましい。
【0150】
フロイントの完全なアジュバント(CFA)およびフロイントの不完全なアジュバント(IFA)もまた、アジュバントとして使用することができる。
【0151】
C.サポニン処方物[参考文献195の第22章]
サポニン処方物もまた、本発明の結合体のアジュバントとして使用することができる。サポニンは、多種多様な植物種の皮、葉、茎、根、およびさらには花の中で見られる、ステロールグリコシドおよびトリテルペノイドグリコシドの異種グループである。キラヤ(Quillaia saponaria Molina)の皮から単離されたサポニンはアジュバントとして広く研究されている。サルサパリラ(Smilax ornata)(サルサパリラ(sarsaparilla))、宿根カスミソウ(Gypsophilla paniculata)(ブライダルベール(brides veil))、およびサボンソウ(Saponaria officinalis)(サボンソウ根(Soap Root))から得られたサポニンもまた市販から入手することができる。サポニンアジュバント処方物としては、精製された処方物(例えば、QS21)、ならびに脂質処方物(例えば、ISCOM)が挙げられる。QS21は、Stimulon(登録商標)として市販されている。
【0152】
サポニン組成物は、HPLCおよびRP−HPLCを使用して精製されている。これらの技術を使用して、特定の精製された画分が同定されており、これには、QS7,QS17、QS18、QS21、QH−A、QH−B、およびQH−Cが含まれる。好ましくは、サポニンはQS21である。QS21の生産方法は参考文献204に開示されている。サポニン処方物にはまた、ステロール(例えば、コレステロール)も含む場合がある[205]。
【0153】
サポニンとコレステロールの組み合わせを、免疫賦活複合体(ISCOM)と呼ばれる特有の粒子を形成させるために使用することができる[参考文献195の第23章]。ISCOMには、通常、ホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルコリンのようなリン脂質も含まれる。任意の公知のサポニンを、ISCOMにおいて使用することができる。好ましくは、ISCOMには、QuilA、QHA、およびQHCの1つ以上が含まれる。ISCOMは、参考文献205〜207にさらに記載されている。状況によっては、ISCOMにはさらなる界面活性剤(単数または複数)が含まれない場合もある[208]。
【0154】
サポニンをベースとするアジュバントの開発の概要は、参考文献209と210に見ることができる。
【0155】
D.ヴィロソーム(virosome)およびウイルス様粒子
ヴィロソームおよびウイルス様粒子(VLP)もまた、本発明においてアジュバントとして使用することができる。これらの構造には、一般的に、状況に応じてリン脂質と混合された、またはリン脂質と共に処方された、ウイルスに由来する1つ以上のタンパク質が含まれる。これらには、通常は、病原性はなく、複製できず、そして一般的には、自然界に存在しているウイルスゲノムは全く含まれない。ウイルスタンパク質は組み換えによって生産させることも、また、完全なウイルスから単離することもできる。ヴィロソームまたはVLPでの使用に適しているこれらのウイルスタンパク質としては、インフルエンザウイルス(例えば、HAまたはNA)、B型肝炎ウイルス(例えば、コアタンパク質またはキャプシドタンパク質)、E型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、シンドビスウイルス、ロタウイルス、口蹄病ウイルス、レトロウイルス、ノーウォークウイルス、ヒトパピローマウイルス、HIV、RNA−ファージ、Qβ−ファージ(例えば、外膜タンパク質)、GA−ファージ、fr−ファージ、AP205ファージ、およびTy(例えば、レトロトランスポゾンTyタンパク質p1)に由来するタンパク質が挙げられる。VLPは、参考文献211〜216でさらに議論されている。ヴィロソームは、例えば、参考文献217でさらに議論されている。
【0156】
E.細菌誘導体または微生物誘導体
本発明での使用に適しているアジュバントとしては、細菌誘導体または微生物誘導体が挙げられ、例えば、腸内細菌リポ多糖(LPS)の非毒性誘導体、リピッドA(Lipid A)誘導体、免疫賦活オリゴヌクレオチド、ならびに、そのADP−リボシル化毒素および解毒誘導体である。
【0157】
LPSの非毒性誘導体としては、モノホスホリルリピッドA(MPL)および3−O−脱アシル化MPL(3dMPL)が挙げられる。3dMPLは、3脱−O−アシル化モノホスホリルリピッドAの、4、5、または6アシル化鎖との混合物である。3脱−O−アシル化モノホスホリルリピッドAの好ましい「小さい粒子」の形態は、参考文献218に開示されている。3dMPLのこのような「小さい粒子」は、0.22μmの膜を通して濾過滅菌するために十分に小さい[218]。他の非毒性のLPS誘導体としては、モノホスホリルリピッドA模倣物が挙げられ、例えば、リン酸アミノアルキルグルコサミニド誘導体(例えば、RC−529)である[219、220]。
【0158】
リピッドA誘導体としては、大腸菌(Escherichia coli)由来のリピッドAの誘導体が挙げられ、例えば、OM−174である。OM−174は、例えば、参考文献221および222に記載されている。
【0159】
本発明でアジュバントとして使用するために適している免疫賦活オリゴヌクレオチドとしては、CpGモチーフ(グアノシンに結合させられたリン酸によって連結させられた非メチル化シトシンを含む2ヌクレオチドの配列)を含むヌクレオチド配列が挙げられる。二本鎖RNA、およびパリンドロームまたはポリ(dG)配列を含むオリゴヌクレオチドもまた、免疫賦活であることが示されている。
【0160】
CpGには、ホスホロチオエート修飾のようなヌクレオチドの修飾/アナログが含まれ得、そしてこれは、二本鎖である場合も、また、一本鎖である場合もある。参考文献223、224、および225には、可能なアナログ置換(例えば、グアノシンの2’−デオキシ−7−デアザグアノシンでの置換)が開示されている。CpGオリゴヌクレオチドのアジュバント効果は、参考文献226〜231でさらに議論されている。
【0161】
CpG配列は、TLR9(例えば、モチーフGTCGTTまたはTTCGTT)を指向させることができる[232]。CpG配列は、Th1免疫反応を誘導するように特異的であり、例えば、CpG−A ODNであるか、またはB細胞応答を誘導するように特異的であり、例えば、CpG−B ODNである場合もある。CpG−A ODNおよびCpG−B ODNは、参考文献233〜235で議論されている。好ましくは、CpGはCpG−A ODNである。
【0162】
好ましくは、CpGオリゴヌクレオチドは、5’末端が受容体認識に到達できるように構築される。状況に応じて、2つのCpGオリゴヌクレオチド配列をそれらの3’末端に結合させて、「イムノマー(immunomer)」を形成することができる。例えば、参考文献232および236〜238を参照のこと。
【0163】
細菌のADP−リボシル化毒素およびその解毒された誘導体を、本発明でアジュバントとして使用することができる。好ましくは、タンパク質は、大腸菌(大腸菌(E.coli)の熱に不安定なエンテロトキシン、「LT」)、コレラ毒素(「CT」)、または破傷風毒素(「PT」)に由来する。粘膜アジュバントとしての解毒されたADP−リボシル化毒素の使用は、参考文献239に記載されており、参考文献240には非経口アジュバントとしての使用が記載されている。毒素またはトキソイドは、好ましくは、ホロトキシン(holotoxin)の形態であり、これには、AサブユニットとBサブユニットの両方が含まれる。好ましくは、Aサブユニットには、解毒変異が含まれる。好ましくは、Bサブユニットは変異していない。好ましくは、アジュバントは、解毒されたLT変異体であり、例えば、LT−K63、LT−R72、およびLT−G192である。ADP−リボシル化毒素およびその解毒された誘導体(具体的には、LT−K63およびLT−R72)のアジュバントとしての使用は、参考文献241〜248に見ることができる。アミノ酸置換についての数についての言及は、参考文献249(その全体が引用により本明細書中に具体的に組み入れられる)に示されているADP−リボシル化毒素のAサブユニットおよびBサブユニットのアラインメントに基づくことが好ましい。
【0164】
式I、II、またはIIIの化合物、あるいはその塩もまた、アジュバントとして使用することができる:
【0165】
【化1】

参考文献250において定義される場合には、例えば、「ER803058」、「ER803732」、「ER804053」、「ER804058」、「ER804059」、「ER804442」、「ER804680」、「ER804764」、「ER803022」、または「ER804057」、例えば:
【0166】
【化2】


【0167】
F.ヒト免疫賦活剤
本発明においてアジュバントとしての使用に適しているヒト免疫賦活剤としては、サイトカイン(例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12[251]、IL−23、IL−27[252]など)[253]、インターフェロン(例えば、インターフェロン−γ)、マクロファージコロニー刺激因子、腫瘍壊死因子、ならびに、マクロファージ炎症性タンパク質−1α(MIP−1α)およびMIP−1β[254]が挙げられる。
【0168】
G.生体接着因子および粘膜接着因子(Mucoadhesives)
生体接着因子および粘膜接着因子もまた、本発明においてアジュバントとして使用することができる。適切な生体接着因子としては、エステル化されたヒアルロン酸マイクロスフェア[255]または粘膜接着因子(例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、多糖類、およびカルボキシメチルセルロースの架橋誘導体)が挙げられる。キトサンおよびその誘導体もまた、本発明においてアジュバントとして使用することができる[256]。
【0169】
H.微粒子
微粒子もまた、本発明においてアジュバントとして使用することができる。ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)とともに、生体分解性であり非毒性の材料(例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカプロラクトンなど)から形成された微粒子(すなわち、約100nmから約150μmの直径、より好ましくは、約200nmから約30μmの直径、そして最も好ましくは、約500nmから約10μmの直径の粒子)が好ましい。これは、状況に応じて、負電荷を有している表面を有するように(例えば、SDSで)、または正電荷を有している表面を有するように(例えば、陽イオン性界面活性剤(例えば、CTAB)で)処理される。
【0170】
I.リポソーム(参考文献195の第13章および第14章)
アジュバントとしての使用に適しているリポソーム処方物の例は、参考文献257〜259に記載されている。
【0171】
J.ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステル処方物
本発明での使用に適しているアジュバントとしては、ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステルが挙げられる[260]。このような処方物には、さらに、ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤がオクトキシノールと組み合わせて[261]、ならびに、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはエステル界面活性剤が少なくとも1つのさらなる非イオン性界面活性剤(例えば、オクトキシノール)と組み合わせて[262]含まれる。好ましいポリオキシエチレンエーテルは、以下の群より選択される:ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(ラウレス9)、ポリオキシエチレン−9−ステオリル(steoryl)エーテル、ポリオキシエチレン(polyoxytheylene)−8−ステオリル(steoryl)エーテル、ポリオキシエチレン−4−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−35−ラウリルエーテル、およびポリオキシエチレン−23−ラウリルエーテル。
【0172】
K.ポリホスファゼン(PCPP)
PCPP(ポリ[ジ(カルボキシラトフェノキシ)ホスファゼン])処方物は、例えば、参考文献263および264に記載されている。
【0173】
L.ムラミルペプチド
本発明におけるアジュバントとしての使用に適しているムラミルペプチドの例としては、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(nor−MDP)、およびN−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミンMTP−PE)が挙げられる。
【0174】
M.イミダゾキノロン化合物
本発明におけるアジュバントとしての使用に適しているイミダゾキノロン化合物の例としては、参考文献265および266にさらに記載されている、イミクアモド(Imiquamod)とそのホモログ(例えば、「Resiquimod 3M」)が挙げられる。
【0175】
N.チオセミカルバゾン化合物
チオセミカルバゾン化合物の例、ならびに、本発明におけるアジュバントとしての使用に適している化合物全てを処方し、製造し、そしてスクリーニングする方法としては、参考文献267に記載されているものが挙げられる。チオセミカルバゾンは、サイトカイン(例えば、TNF−α)の生産のためのヒト末梢血単核細胞の刺激に特に有効である。
【0176】
O.トリプタントリン化合物
トリプタントリン化合物の例、ならびに、本発明におけるアジュバントとしての使用に適している化合物全てを処方し、製造し、そしてスクリーニングする方法としては、参考文献268に記載されているものが挙げられる。トリプタントリン化合物は、サイトカイン(例えば、TNF−α)の生産のためのヒト末梢血単核細胞の刺激に特に有効である。
【0177】
P.ヌクレオシドアナログ
種々のヌクレオシドアナログをアジュバントとして使用することができる。例えば、以下である(a)イサトラビン(ANA−245;7−チア−8−オキソグアノシン):
【0178】
【化3】

およびそのプロドラッグ;(b)ANA975;(c)ANA−025−1;(d)ANA380;(e)参考文献269から271に開示されている化合物;(f)以下の式を有している化合物:
【0179】
【化4】

式中:
およびRは、それぞれ独立して、H、ハロ、−NR、−OH、C1−6アルコキシ、置換されたC1−6アルコキシ、ヘテロシクリル、置換されたヘテロシクリル、C6−10アリール、置換されたC6−10アリール、C1−6アルキル、または置換されたC1−6アルキルであり;
は、存在しない、H、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C6−10アリール、置換されたC6−10アリール、ヘテロシクリル、または置換されたヘテロシクリルであり;
およびRは、それぞれ独立して、H、ハロ、ヘテロシクリル、置換されたヘテロシクリル、−C(O)−R、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキルであるか、または互いに結合してR4−5のような5員環を形成する:
【0180】
【化5】

結合は、〜〜によって示される結合で行われる
およびXは、それぞれ独立して、N、C、O、またはSであり;
は、H、ハロ、−OH、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、−OH、−NR、−(CH−O−R、−O−(C1−6アルキル)、−S(O)、または−C(O)−Rであり;
は、H、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、ヘテロシクリル、置換されたヘテロシクリル、またはR9aであり;
式中、R9aは:
【0181】
【化6】

結合は、〜〜によって示される結合で行われる
10およびR11は、それぞれ独立して、H、ハロ、C1−6アルコキシ、置換されたC1−6アルコキシ、−NR、または−OHであり;
およびRは、それぞれ独立して、H、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、−C(O)R、C6−10アリールであり;
は、それぞれ独立して、H、ホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、C1−6アルキル、または置換されたC1−6アルキルであり;
は、それぞれ独立して、H、ハロ、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、置換されたC1−6アルコキシ、−NH、−NH(C1−6アルキル)、−NH(置換されたC1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)、−N(置換されたC1−6アルキル)、C6−10アリール、またはヘテロシクリルであり;
e-は、それぞれ独立して、H、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル
、C6−10アリール、置換されたC6−10アリール、ヘテロシクリル、または置換されたヘテロシクリルであり;
は、それぞれ独立して、H、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、−C(O)R、ホスフェート、ジホスフェート、またはトリホスフェートであり;
nは、それぞれ独立して、0、1、2、または3であり;
pは、それぞれ独立して、0、1、または2である;
あるいは、(g)(a)から(f)のいずれかの薬学的に許容される塩、(a)から(f)のいずれかの互変異性体、または互変異性体の薬学的に許容される塩。
【0182】
Q.ホスフェートを含む非環式骨格に結合させられた脂質
ホスフェートを含む非環式骨格に結合させられた脂質を含むアジュバントとしては、TLR4アンタゴニストE5564が挙げられる[272、273]:
【0183】
【化7】


【0184】
R.低分子免疫増強物質(SMIP)
SMIPとしては以下が挙げられる:
・N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2,N2−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−エチル−N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−N2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・1−(2−メチルプロピル)−N2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−ブチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−ブチル−N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−N2−ペンチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−N2−プロプ−2−エニル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・1−(2−メチルプロピル)−2−[(フェニルメチル)チオ]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン;
・1−(2−メチルプロピル)−2−(プロピルチオ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン;
・2−[[4−アミノ−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−イル](メチル)アミノ]エタノール;
・2−[[4−アミノ−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−イル](メチル)アミノ]エチルアセテート;
・4−アミノ−1−(2−メチルプロピル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン;
・N2−ブチル−1−(2−メチルプロピル)−N4,N4−ビス(フェニルメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−ブチル−N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−N4,N4−ビス(フェニルメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−N4,N4−ビス(フェニルメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2,N2−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)−N4,N4−ビス(フェニルメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・1−{4−アミノ−2−[メチル(プロピル)アミノ]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル}−2−メチルプロパン−2−オール;
・1−[4−アミノ−2−(プロピルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−2−メチルプロパン−2−オール;
・N4,N4−ジベンジル−1−(2−メトキシ−2−メチルプロピル)−N2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン。
【0185】
S.プロテオソーム
1つのアジュバントは、第2のグラム陰性細菌に由来するリポ糖調製物と組み合わせた、第1のグラム陰性細菌から調製された外膜タンパク質プロテオソーム調製物である。この場合、外膜タンパク質プロテオソームとリポ糖調製物は、安定な非共有アジュバント複合体を形成する。このような複合体としては、「IVX−908」が挙げられ、これは、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)外膜タンパク質とリポ多糖から構成されている複合体である。これらは、インフルエンザワクチン用のアジュバントとして使用されている[274]。
【0186】
T.他のアジュバント
免疫賦活剤として作用する他の物質は、参考文献195および275に開示されている。さらに有用なアジュバント物質としては、以下が挙げられる:
・メチルイノシン5’−モノホスフェート(「MIMP」)[276]。
・ポリヒドロキシル化ピロリジジン化合物[277]、例えば、以下の式を有しているもの:
【0187】
【化8】

式中、Rは、水素、直鎖または分岐した、未置換または置換された、飽和または不飽和のアシル、アルキル(例えば、シクロアルキル)、アルケニル、アルキニル、およびアリール基、あるいはそれらの薬学的に許容される塩または誘導体からなる群より選択される。例としては、カスアリン(casuarine)、カスアリン−6−α−D−グルコピラノース、3−エピ−カスアリン、7−エピ−カスアリン、3,7−ジエピ−カスアリンなどが挙げられるが、これらに限定はされない。
・γインシュリン[278]またはその誘導体、例えば、アルガムリン(algammulin)。
・参考文献279に開示されている化合物。
・参考文献280に開示されている化合物であって、これには:アシルピペラジン化合物、インドールジオン化合物、テトラヒドライソキノリン(THIQ)化合物、ベンゾシクロジオン化合物、アミノアザビニル化合物、アミノベンズイミダゾールキノリノン(ABIQ)化合物[281、282]、ヒドラフタラミド(Hydrapthalamide)化合物、ベンゾフェノン化合物、イソキサゾール化合物、ステロール化合物、キナジリノン化合物、ピロール化合物[283]、アントラキノン化合物、キノキサリン化合物、トリアジン化合物、ピラザロピリミジン(pyrazalopyrimidine)化合物、およびベンザゾール化合物[284]が含まれる。
・ロキソリビン(7−アリル−8−オキソグアノシン)[285]。
【0188】
陽イオン性脂質および(通常は、中性の)コリピッド(co−lipid)の処方物、例えば、アミノプロピル−ジメチル−ミリストレイルオキシ−プロパナミニウムブロマイド−ジフィタノイルホスファチジル−エタノールアミン(「Vaxfectin(登録商標)」)またはアミノプロピル−ジメチル−ビス−ドデシルオキシ−プロパナミニウムブロマイド−ジオレオイルホスファチジル−エタノールアミン(「GAP−DLRIE:DOPE」)。(±)−N−(3−アミノプロピル)−N,N−ジメチル−2,3−ビス(シン−9−テトラデセネイルオキシ)−1−プロパナミニウム塩を含む処方物が好ましい[286]。
【0189】
本発明にはまた、上記に記載されたアジュバントの1つ以上の態様の組み合わせも含まれ得る。例えば、以下の組み合わせを、本発明においてアジュバント組成物として使用することができる:(1)サポニンと水中油エマルジョン[287];(2)サポニン(例えば、QS21)と非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)[288];(3)サポニン(例えば、QS21)と非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)とコレステロール;(4)サポニン(例えば、QS21)と3dMPLとIL−12(状況に応じて、ステロールも)[289];(5)例えば、QS21および/または水中油エマルジョンとの、3dMPLの組み合わせ[290];(6)1ミクロン未満のエマルジョンにマイクロフルイダイズされたか、またはボルテックスされてより大きな粒子の大きさのエマルジョンとされたかのいずれかである、10%のスクワレン、0.4%のTween 80(登録商標)、5%のプルロニックブロックポリマーL121、およびthr−MDPを含む、SAF;(7)2%のスクワレン、0.2%のTween 80と、モノホスホリルリピッドA(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)からなる群より選択される1つ以上の細菌細胞壁成分(好ましくは、MPLとCWS(Detox(登録商標))を含む、Ribi(登録商標)アジュバントシステム(RAS)、(Ribi Immunochem);(8)1種類以上の無機塩(例えば、アルミニウム塩)とLPSの非毒性誘導体(例えば、3dMPL);ならびに、(9)1種類以上の無機塩(例えば、アルミニウム塩)と免疫賦活オリゴヌクレオチド(例えば、CpGモチーフを含むヌクレオチド配列)。
【0190】
定義
用語「〜を含む」には、「〜が含まれる」、さらには、「〜からなる」が含まれ、例えば、X「を含む」組成物はXだけからなる場合も、また、場合によっては別のものが含まれる、例えば、X+Yである場合もある。
【0191】
数値xに関する用語「約」は、例えば、x±10%を意味する。本明細書中の全ての数値は、特に別の指定がなければ、「約」の条件を付けられていると考えることができる。
【0192】
語句「実質的に」は、「完全に」は排除しない。例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まない場合がある。必要である場合には、語句「実質的に」は、本発明の定義から除外される場合がある。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
2個以上の1価の結合体の組み合わせを含む組成物であって、前記2個以上の1価の結合体のそれぞれには、(ii)糖抗原に対して結合させられた(i)2個以上の病原体に由来するT細胞エピトープを含む担体タンパク質が含まれている、組成物。
(項目2)
同じ担体タンパク質分子に対して結合させられた2個以上の抗原的に異なる糖抗原を含む多価結合体であって、前記担体タンパク質には、2種類以上の病原体に由来するT細胞エピトープが含まれている、多価結合体。
(項目3)
項目2に記載の多価結合体を2個以上含む組成物。
(項目4)
1個以上の項目2に記載の多価結合体と、1個以上の項目1に記載の1価の結合体を含む、組成物。
(項目5)
2個以上の結合体の中の担体タンパク質が同じである、項目1、3、または4のいずれか1項に記載の組成物。
(項目6)
それぞれの結合体の中の単体タンパク質が同じである、項目1、3、または4のいずれか1項に記載の組成物。
(項目7)
前記担体タンパク質の少なくとも1つのエピトープは、糖抗原と同じ病原体に由来するものではない、項目1、3、4、5、または6のいずれか1項に記載の結合体。
(項目8)
担体タンパク質のエピトープのいずれもが、糖抗原と同じ病原体に由来するものではない、項目1または3〜7のいずれか1項に記載の結合体。
(項目9)
前記1価の結合体の中の前記担体タンパク質の分子が、前記糖抗原の1個より多くの分子に結合させられている、項目1または4〜8のいずれか1項に記載の組成物。
(項目10)
それぞれの1価の結合体の中のそれぞれの担体タンパク質分子が、1個より多くの糖抗原分子に結合させられている、項目1または4〜8のいずれか1項に記載の組成物。
(項目11)
前記担体タンパク質に6個のエピトープが含まれている、前記項目のいずれかに記載の結合体または組成物。
(項目12)
前記担体タンパク質に19個のエピトープが含まれている、前記項目のいずれかに記載の結合体または組成物。
(項目13)
前記担体タンパク質に、少なくとも1個のCD4T細胞エピトープが含まれている、前記項目のいずれかに記載の結合体または組成物。
(項目14)
前記担体タンパク質に、少なくとも1個の細菌エピトープと少なくとも1個のウイルスエピトープが含まれている、前記項目のいずれかに記載の結合体または組成物。
(項目15)
少なくとも1個の前記担体タンパク質エピトープが、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、インフルエンザウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)およびライ菌(M.leprae)および/または連鎖球菌(Streptococcus)株に由来する熱ショックタンパク質に由来する、前記項目のいずれかに記載の結合体または組成物。
(項目16)
少なくとも1個の前記担体タンパク質エピトープが、破傷風毒素(TT)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)CSP(PfCs)、B型肝炎ウイルスのヌクレオカプシド(HBVnc)、インフルエンザヘマグルチニン(HA)、HBV表面抗原(HBsAg)、およびインフルエンザマトリックス(MT)から選択される、前記項目のいずれかに記載の結合体または組成物。
(項目17)
少なくとも1個の前記担体タンパク質エピトープが、P23TT(配列番号1)、P32TT(配列番号2)、P21TT(配列番号3)、PfCs(配列番号4)、P30TT(配列番号5)、P2TT(配列番号6)、HBVnc(配列番号7)、HA(配列番号8)、HBsAg(配列番号9)、およびMT(配列番号10)から選択される、前記項目のいずれかに記載の結合体または組成物。
(項目18)
少なくとも1個の前記糖抗原が、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、B群連鎖球菌(Streptococcus agalactiae)、ヘモフィルス・インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae)、腸チフス菌(Salmonella typhi)、クレブシエラ属(Klebsiella spp.)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、および/またはクリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)に由来する、前記項目のいずれかに記載の結合体または組成物。
(項目19)
アジュバントがさらに含まれている、前記項目のいずれかに記載の結合体または組成物。
(項目20)
糖ではない抗原がさらに含まれている、前記項目のいずれかに記載の結合体または組成物。
(項目21)
治療に使用される、前記項目のいずれかに記載の結合体または組成物。
(項目22)
免疫反応を惹起させることにおいて使用される、前記項目のいずれかに記載の結合体または組成物。
(項目23)
患者において免疫反応を惹起させるための医薬品の製造における、項目1〜20のいずれか1項に記載の結合体または組成物の使用。
(項目24)
患者において免疫反応を惹起させるための医薬品の製造における、項目1〜20のいずれか1項に記載の結合体または組成物の使用であって、前記患者は、担体に結合させられた組成物の中に含まれるものとは異なる糖抗原で前処置されている、使用。
(項目25)
患者において免疫反応を惹起させるための医薬品の製造における、項目1〜20のいずれか1項に記載の結合体または組成物の使用であって、前記患者は、異なる担体に結合させられた組成物の中に含まれるものと同じ糖抗原で前処置されている、使用。
(項目26)
a)本発明の第1の結合体、およびb)本発明の第2の結合体を含む、キット。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1】図1は、担体および糖抗原の様々な可能な組み合わせを示す。(A)2つの1価の結合体。(B)1つの1価の結合体、これは、個々の担体タンパク質分子は、1つ以上の糖抗原分子に結合させることができることを示している。および(C)多価の結合体。この場合、1つ以上の抗原的に異なる糖が個々の担体タンパク質分子に結合させられている。
【図2】図2は、血清抗MenC IgG抗体反応を示す。6匹のBALB/cマウスのグループを、徐々に減少する量のN19−MenCまたはCRM−MenC(2.5、0.625、0.156、および0.039μgのMenC/用量)と0.5mgの水酸化アルミニウムで3回免疫化した。血清試料を、免疫化の前(免疫化前)、およびそれぞれの免疫化の後(1回目の免疫化後、2回目の免疫化後、および3回目の免疫化後)に回収し、そしてMenC特異的IgG抗体力価を定量するために個別に試験した。それぞれの点は、それぞれの時点でのそれぞれのグループの平均抗体力価(±1SD)を示す。
【図3】図3は、先に記載したように免疫化したマウスの1つの血清試料中の抗担体IgG抗体反応を示す。マウスはいずれかの結合体中の等量のMenCで免疫化したので、最終的な担体タンパク質の量は、CRM−MenCを投与したグループとN19−MenCを投与したグループとの間ではわずかな差しかなく、これは、2つの構築物の中での糖−対−タンパク質比のわずかな差が原因である。血清試料を、免疫化の前(免疫化前)、およびそれぞれの免疫化の後(1回目の免疫化後、2回目の免疫化後、および3回目の免疫化後)に回収し、そして担体特異的IgG抗体を定量するために個別に試験した。それぞれの点は、それぞれの時点でのそれぞれのグループの平均抗体力価(±1SD)を示す。
【図4】図4は、徐々に減少する量のN19−MenCまたはCRM−MenC(2.5μg、0.625μg、0.156μg、0.039μgのMenC/用量)と0.5mgの水酸化アルミニウムで3回免疫化したマウスの血清試料中の殺菌活性を示す。免疫化の前(免疫化前)、およびそれぞれの免疫化の後(1回目の免疫化後、2回目の免疫化後、および3回目の免疫化後)に回収したプールした血清試料に由来する殺菌抗体力価を示す。結果は、50%を上回る細菌の死滅を生じる最も高い血清稀釈率の逆数として示した。
【図5】図5は、血清抗MenAおよび抗MenC抗体反応を示す。6匹のBALB/cマウスのグループを、徐々に減少する量のN19−MenAおよびN19−MenCで、単独でまたは一緒にのいずれかで、あるいは、CRMをベースとする結合体(0.625、0.156、および0.039μgのMenAおよび/またはMenC/用量)で、0.06mgのリン酸アルミニウムの存在下で3回免疫化した。血清試料を、免疫化の前(免疫化前)、およびそれぞれの免疫化の後(1回目の免疫化後、2回目の免疫化後、および3回目の免疫化後)に回収し、そして抗MenA特異的IgG抗体力価と抗MenC特異的IgG抗体力価を測定した。それぞれの点は、それぞれの時点でのそれぞれのグループの平均抗体力価(±1SD)を示す。
【図6】図6は、N19 4価の混合結合体ワクチンの用量増加の血清グループ特異的抗体反応に対する効果を示す。6匹のBALB/cマウスのグループを、徐々に減少する量のN19−MenACWY(実線)またはCRM−MenACWY(点線)(2から0.074μgの各MenPS/用量)で、アジュバントとしての0.06mgのリン酸アルミニウムの存在下で免疫化した。免疫化は、0日目、21日目、および35日目に行い、血清抗MenA、抗MenC、抗MenW、および抗MenY特異的IgG抗体力価を、それぞれの免疫化の後(1回目の免疫化後、2回目の免疫化後、および3回目の免疫化後)に測定した。それぞれの点は、それぞれの時点でのそれぞれのグループの平均抗体力価(±1SD)を示す。
【図7】図7は、0.074μgの各PS/用量(N19−MenACWYまたはCRM−MenACWY)での2回免疫化の後(2回目の免疫化後)および3回の免疫化の後(3回目の免疫化後)にマウスから得られた1つの血清の中の、グループCおよびW−135に対する殺菌活性を示す。力価を、少なくとも50%の細菌の死滅を生じる最も高い血清稀釈率の逆数として示した。それぞれの棒は、それぞれの時点でのグループの平均力価(±SD)を示す。
【図8】図8は、材料および方法に詳細に記載されるように、N19−MenACWYまたはCRM−MenACWYでの免疫化の後にマウスにおいて生じた抗MenC抗体の親和力プロフィールの動力学を示す。高親和力のIgG力価を、改良されたELISA法によって、プールされた血清について測定した。結果は、それぞれの免疫化の後(1回目の免疫化後、2回目の免疫化後、3回目の免疫化後)のそれぞれのグループの、75mMのNHSCNでの溶出後に結合している抗体の割合に対応する親和力指数(AI)で表す。
【図9】図9は、3回目の免疫化後に得られたプールした血清の中での、担体およびそのもとのタンパク質に対する抗体反応を示す。それぞれの点は、先に記載した3回の免疫化後のそれぞれのグループの抗体力価を示す。
【図10】図10は、血清抗MenA抗体反応を示す。6匹のBALB/cマウスのグループとともに、CRMまたはN19のいずれかに結合させたMenCWYとともに、N19またはCRMのいずれかに結合させたMenAを一緒に混合することによって調製した、徐々に減少する量の4価の処方物(N19−MenA+CRM−MenCWY、および逆に、CRM−MenA+N19−MenCWY)で3回免疫化した。対照グループには、1種類の担体を含む4価の処方物(N19−MenACWYまたはCRM−MenACWY)を投与した。マウスには、徐々に減少する量の4価の処方物(0.67μgから0.074μgの各MenPS/用量)を、アジュバントとしての0.06gのリン酸アルミニウムの存在下で投与した。簡単にするために、本発明者らは、最も高い(0.67μg)と最も低い(0.074μg)の免疫化用量の後で得られた結果だけを報告する。
【図11】図11は、上記のように、徐々に減少する量の2担体処方物または1担体処方物で3回免疫化したBALB/cマウスの血清殺菌活性を示す。2回目の免疫化の後(2回目の免疫化後)および3回目の免疫化の後(3回目の免疫化後)に回収したプールした血清試料による殺菌性抗体力価を測定した。結果は、50%を越える細菌の死滅を生じる最も高い血清稀釈率の逆数として示した。
【図12−1】図12は、抗莢膜IgG抗体反応を示す。BALB/cまたはC57BL/6マウスのグループを、N19−MenACWYまたはCRM−MenACWY(0.67μgまたは0.22μgの各MenPS/用量)結合体で、0.06mgのリン酸アルミニウムの存在下で2回免疫化した。血清試料を免疫化の前(免疫化前)、およびそれぞれの免疫化の後(1回目の免疫化後、および2回目の免疫化後)で回収し、そしてMenA、MenC、MenW、MenY−特異的IgG抗体力価を測定した。それぞれの点は、それぞれの時点でのそれぞれのグループの平均の抗体力価(±1SD)を示す。
【図12−2】図12は、抗莢膜IgG抗体反応を示す。BALB/cまたはC57BL/6マウスのグループを、N19−MenACWYまたはCRM−MenACWY(0.67μgまたは0.22μgの各MenPS/用量)結合体で、0.06mgのリン酸アルミニウムの存在下で2回免疫化した。血清試料を免疫化の前(免疫化前)、およびそれぞれの免疫化の後(1回目の免疫化後、および2回目の免疫化後)で回収し、そしてMenA、MenC、MenW、MenY−特異的IgG抗体力価を測定した。それぞれの点は、それぞれの時点でのそれぞれのグループの平均の抗体力価(±1SD)を示す。
【図13−1】図13は、抗莢膜IgG抗体反応を示す。BALB/c H−2d、BALB/B H−2b、B10.BR H−2k、B10.D2N H−2q、およびB10.D1 H−2dマウスを、N19−MenACWYまたはCRM−MenACWY(0.67μgの各MenPS/用量)で、0.06mgのリン酸アルミニウムの存在下で3回免疫化した。血清試料を免疫化の前、およびそれぞれの免疫化の後(1回目の免疫化後、2回目の免疫化後、および3回目の免疫化後)で回収し、そしてMenA、MenC、MenW、MenY−特異的IgG抗体力価を測定した。それぞれの棒は、それぞれの時点でのそれぞれのグループの1匹のマウスに対応する平均の抗体力価と記号を示す。
【図13−2】図13は、抗莢膜IgG抗体反応を示す。BALB/c H−2d、BALB/B H−2b、B10.BR H−2k、B10.D2N H−2q、およびB10.D1 H−2dマウスを、N19−MenACWYまたはCRM−MenACWY(0.67μgの各MenPS/用量)で、0.06mgのリン酸アルミニウムの存在下で3回免疫化した。血清試料を免疫化の前、およびそれぞれの免疫化の後(1回目の免疫化後、2回目の免疫化後、および3回目の免疫化後)で回収し、そしてMenA、MenC、MenW、MenY−特異的IgG抗体力価を測定した。それぞれの棒は、それぞれの時点でのそれぞれのグループの1匹のマウスに対応する平均の抗体力価と記号を示す。
【図14】図14は、N19−MenACWYまたはCRM−MenACWY(0.67μgの各MenPS/用量)と0.06mgのリン酸アルミニウムで3回免疫化した、種々の遺伝的背景を有しているマウスの血清殺菌活性を示す。3回目の免疫化の後(3回目の免疫化後)に回収したプールした血清試料による殺菌性抗体力価を示す。結果は、50%を越える細菌の死滅を生じる最も高い血清稀釈率の逆数として示した。
【図15】図15は、N19エピトープ特異的T細胞増殖応答を示す。N19−MenACWY(6μgのN19/用量)で3回免疫化したマウスに由来する脾臓細胞を、0.9〜30μMの3種類の個々のペプチド(P2TT、P23TT、P30TT)、および0.312から10μg/mlのN19タンパク質(グラフに示したように、遊離のものまたはPSに結合させたもの)の存在下で、インビトロでの増殖について試験した。結果を、刺激指数(SI)=(実験のcpm/刺激していないバックグラウンドのcpm)として表した。=N19濃度は0.312から10μg/mlである。
【図16】図16は、N19エピトープ特異的T細胞増殖応答を示す。N19−MenACWY(6μgのN19/用量)で2回免疫化したマウスに由来する脾臓細胞を、グラフに示したように、0.12〜30μMの個々のペプチド(P2TT、P21TT、P23TT、P30TT、P32TT、HA、HBsAg)および0.004から1μMのN19の存在下で、インビトロでの増殖について試験した。結果を、刺激指数(SI)=(実験のcpm/刺激していないバックグラウンドのcpm)として表した。=N19濃度は1から0.004μMである。
【図17】図17は、N19−MenACWYで免疫化した遺伝的背景が同じであるマウス統のT細胞増殖応答を示す。種々のH−2ハプロタイプを有しているマウスの株を、N19−MenACWY(6μgのN19/用量)で、0.06mgのリン酸アルミニウムの存在下で3回免疫化した。脾臓細胞を、1.7〜15μMのN19ペプチド(表1に列挙する)および0.1から10μg/mlのN19タンパク質(遊離のものまたはMenPSに結合させたもの)の存在下で、インビトロでの増殖について試験した。結果を、刺激指数(SI)=(実験のcpm/刺激していないバックグラウンドのcpm)として表した。>2のSIをポジティブと考えた。
【図18】図18は、P23TT、HA、およびHBsAgに特異的なT細胞活性化を示す。増殖アッセイにおいて決定した、相同ペプチドおよびN19タンパク質に対する刺激指数。3匹のマウスのグループを、CFA中に1:1で乳化させた50μgの個々のペプチドを含む50μlの容量で尾の基部に免疫化した。7日後、リンパ節を取り出し、LN細胞を、種々の濃度の相同ペプチドまたはN19タンパク質の存在下で増殖するそれらの能力について試験した。結果を、1匹のマウスの3連の培養物において得た。結果を、実験のcpm/刺激していないバックグラウンドのcpmによって計算した刺激指数(SI)として表した。
【発明を実施するための形態】
【0194】
1.糖結合体調製物
1.1 多エピトープタンパク質N19の発現および精製
組み換えプラスミドpQE−N19を有している大腸菌(E.coli)株を、LB寒天プレート、100μg/mlのアンピシリン上で37℃でO/N増殖させた。その後、増殖した細菌を、500mlのLB培地、100μg/mlのアンピシリンに接種し、37℃でO/N増殖させた。次いで、500mlを発酵槽の中の5Lの培地の中に稀釈した。増殖は最適化した条件において行った。4.2のOD600nm値が得られた時点で、多エピトープタンパク質の発現を、1mMのIPTG(イソ−プロピル−チオ−ガラクトシド)の添加によって、OD600nmが7.2になるまで、3.5時間誘導した。細菌培養物の上清の2つの試料を、IPTGの添加の前のゼロ時点(t OD 4.2)と、発現の終了時点(tend OD 7.2)で回収した。得られたペレットを試料緩衝液中に再度懸濁させ、そして様々な細菌培養物のODに対応する段階希釈で、12.5%のSDS−PAGEにロードした。細菌培養物全てを、JA10ローター(Beckman,Fullerton,CA)の中で4℃で20分間、5000gで遠心分離した。得られた60gの細胞ペレットを、500mlの溶解緩衝液(6Mのグアニジン−HCl、100mMのNaHPO、2mMのTCEP(Pierce)pH8)に懸濁させ、RTで1時間攪拌し、その後、37℃で1時間インキュベートした。溶解させたタンパク質を含む上清をJ20ローター(Beckman)の中でRTで20分間の、12000rpmでの遠心分離によって回収し、そして固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(Immobilized Metal Affinity Chromatography(IMAC))に供した。IMACカラム上に試料を吸着させる前に、1mMのTCEP(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロライド、Pierce)を、ジスルフィド結合によってN19に共有結合した混入物質が同時沈降することを回避するために添加した。これは、精製の間に不可欠であることがこれまでに示されている。溶解させた物質を、360mlのニッケル活性化IDA(Nickel activated IDA)(イミノ2酢酸)キレート化セファロースファストフロー(Chelating Sepharose Fast Flow(Pharmacia,Uppsala,Sweden))を含むXK50カラムにロードし、その後、カラムを、5倍容量の溶解緩衝液で洗浄した。次いで、グアニジン−HCl 6M(pH8)から1mMのTCEPを含む尿素8M(pH8)300mlの勾配をかけた。カラムを3倍容量の緩衝液B(8Mの尿素、100mMのNAHPO、pH7)で洗浄し、タンパク質を1800mlの、緩衝液B中の0〜200mMのイミダゾール勾配で溶出した。カラムから回収した画分を、12.5%のSDS−PAGE(BioRad)上で定性的に分析し、Bradfordタンパク質決定法(BioRadタンパク質アッセイ)によって定量的に分析した。
【0195】
精製した組み換え体タンパク質を含む選択した勾配画分について陽イオン交換クロマトグラフィー(CEC)を行った。600mlのプールした画分を、120mlのSP−セファロースファストフロー(SP−Sepharose Fast Flow)樹脂(Pharmacia,Uppsala,Sweden)を含むXK50カラムにロードした。カラムを5倍容量の緩衝液C(7Mの尿素、20mMのNaHPO(pH7)、10mMのβ−メルカプトエタノール)で洗浄し、そしてタンパク質を1300mlの、緩衝液C中の0〜500mMのNaCl勾配で溶出させた。12.5%のSAS−PAGE分析(BioRad)によって選択した精製された組み換え体タンパク質を含む勾配画分をプールし、10mMのNaHPO、150mMのNaCl、10%のグリセロールに対して透析した。最終的なタンパク質濃度は、製造業者の説明書(Pierce)にしたがってマイクロBCA法によって決定した。タンパク質を12.5%のSDS−PAGE(BioRad)上で分析した。バンドの光学密度を完全性評価(Image Master 1D Elite v4.00 LabScan Computer Program)のために測定した。最終的なタンパク質調製物の内毒素のレベルを、Quality Control Department(Chiron Vaccines Siena)によるカブトガニの血球抽出物(limulus amebocyte lysate)(LAL)の比濁時間分析法(kinetic turbidimetric method)によって決定した。
【0196】
1.2 オリゴ糖の生産
グループA、C、W、Yの髄膜炎菌(meningococcal)の多糖を、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)株から、髄膜炎菌(meningococcal)ワクチンの生産について記載されている標準的な手順(291)によって精製した。その後、以前に記載されている(292,293)ように、担体タンパク質に対してカップリングさせるために、精製した莢膜多糖を解重合させ、活性化させた。本発明者らは、髄膜炎菌(meningococcal)血清学的グループCのオリゴ糖の調製のための手順を、本明細書中に簡単に記載する。精製したMenC莢膜多糖を、10mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5)の中で加水分解させて、平均重合度(DP)を下げた。この反応は、DPが10に達するまで、約12時間、80℃で行った。DPは、出発多糖溶液中の全シアル酸含有量(加水分解の間は一定)と、酸化後にそれぞれの鎖の末端基から放出されるホルムアルデヒドを分析することによって、加水分解の間にオンラインで追跡することができる。この実時間DP測定によって、加水分解の終了時点の推定が可能となる。オリゴ糖を、Q−セファロースFFイオン交換クロマトグラフィーによって大きさで分類し、これによって、より大きい分子量の多糖をカラム上に保持し、一方、低い分子量のオリゴ糖(DP<6)を、5mMの酢酸ナトリウム緩衝液、100mMのNaCl(pH6.5)を用いてカラムから溶出させた。その後、所望されるオリゴ糖画分を、0.7Mのテトラブチルアンモニウムブロマイド(TAB)、陽性対イオン(これは、カラムから負電荷を有しているオリゴ糖を追放する)で溶出させた。その後、生成物を、3Kのカットオフ膜上で水に対して濃縮/透析濾過して、過剰なTABを取り除き、そして調製物中のMenCオリゴ糖を濃縮した。透析濾過後、保持物を回転式エバポレーション工程によって乾燥させた。その後、MenCオリゴ糖を還元的にアミノ化して、末端第1級アミノ基を有するオリゴ糖とした。反応混合物は、10%のDMSO、90%のメタノール、50mMの酢酸アンモニウム、および10mMのシアノ水素化ホウ素ナトリウムから構成されており、これを、50℃の蓋をした水浴の中で24時間インキュベートした。その後、反応混合物を回転式エバポレーション工程に供して、その後の透析濾過工程でのシリコン管類および透析濾過膜との相互作用の可能性を避けるためにアミノ化反応混合物のメタノール含有量を減少させた。アミノ化させられたオリゴ糖を、その後、8倍要領の0.5MのNaCl、その後の4倍容量の20mMのNaClに対する濃縮/透析濾過によって、試薬(シアノ水素化ホウ素ナトリウム、DMSO、メタノール)から精製した。精製されたアミノ化させられたオリゴ糖を、活性化工程のための準備において、真空下で乾燥させた。MenCオリゴ糖を水中に溶解させ、その後、DMSOの混合物に対して加えた。トリエチルアミン(TEA)を添加して、オリゴ糖の第1級アミノ基と脂肪酸のジ−N−ヒドロキシスクシンイミド(ビス−NHS)エステルの十分な脱プロトン化を確実にした。ビス−NHSをモル過剰量で添加して、ビス−NHSエステルの個々の分子に対して1つのオリゴ糖ポリマーの共有結合の形成に遊離に働くようにした。活性化されたオリゴ糖を、反応混合物に対するアセトンの付加によって沈殿させた。これをまた、DMSO、ビス−NHSエステル、およびTEAからオリゴ糖を分離させるためにも使用した。沈殿を真空下で乾燥させ、重量を測定し、そして結合体に使用するまで−20℃で保存した。
【0197】
他のPSの精製のための手順は、基本的には、反応時間および温度についての重要ではない改良を含めて、同じとした[294]。
【0198】
1.13 髄膜炎菌(meningococcal)のオリゴ糖へのN19結合
精製、大きさによる分類、および活性化の後、オリゴ糖を、続いて、N19タンパク質への結合のために使用した[295]。結合実験を開始する前に、本発明者らは、予め、Ni−活性化樹脂に対する多糖類の非特異的(aspecific)吸着の可能性を評価した。典型的な結合実験においては、343.2nmolのN19担体タンパク質を、グアニジニウム−HCl(pH8)、100mMのNaHPOに溶解させ、そして、同じ緩衝液中に平衡化させた予めパックした5mlのNi−活性化セファロースファストフロー樹脂(Pharmacia,Uppsala,Sweden)に吸着させた。グアニジニウム−HClを、50mlの100mMのリン酸緩衝液(pH7.5)で樹脂を洗浄することによって除去し、その後、1mlの、6864nmolの活性化させた髄膜炎菌(meningococcal)のオリゴ糖(MenA、MenC、MenW、またはMenY)を含む100mMのリン酸緩衝液(pH7.5)をカラムに添加し、室温で2時間再循環させた。カラムを、50mlの100mMのNaHPO(pH7.5)で洗浄して、過剰な結合していないオリゴ糖を除去した。最後に結合産物を、300mMのイミダゾール(pH7)、100mMのNaHPOで溶出させ、7.5%のSDS−PAGE上で分析した。結合体を含む選択した画分をプールし、PBSに対して透析した。糖−結合体を、糖とタンパク質の含有量について分析した。MenC、MenW、およびMenY結合体の糖含有量を、シアル酸の決定(143)によって定量し、一方、MenA結合体の糖含有量は、マンノサミン−1−ホスフェートクロマトグラフィーグラフィー決定法(121)によって定量した。タンパク質含有量は、マイクロBCAアッセイ(Pierce Rockford,IL)によって測定した。グリコシル化の程度は、糖対タンパク質の重量比から計算した。この実験において対照物とした、CRMをベースとする結合体ワクチン(CRM−MenA、CRM−MenC、CRM−MenW、CRM−MenY)は、Manufacturing Department(Chiron Vaccines Siena)によって調製した。
【0199】
2.マウス株
特に別の指定がなければ、6匹のメスの7週齢のBALB/cマウスのグループを使用した。別の実験では、以下のH−2ハプロタイプを有している7週例のメスのマウスの遺伝的背景が同じである4種類の株を使用した:BALB/c(H−2)と遺伝的背景が同じであるBALB/B(H−2)、およびB10.BR(H−2)、B10.D2N(H−2)、C57BL/6(H−2)と遺伝的背景が同じであるB10.D1(H−2)。マウスは、Charles River(Calco,Italy)から、またはJackson Laboratories(Bar Harbor,Maine)から購入した。
【0200】
3.マウスの免疫化スケジュールおよび処方物
マウスを、以下に記載するように、0.9%のNaCl緩衝液中に稀釈した糖内容物をベースとする、1価、2価、4価、または2担体結合体ワクチンの、それぞれ0.5mlの処方物と共にN19またはCRM結合体を用いて、0日目、21日目、および35日目に皮下で免疫化した。個々の血清試料を、−1日目(免疫化前)、20日目(1回目の免疫化後)、34日目(2回目の免疫化後)、および45日目(3回目の免疫化後)に採取し、使用するまで−20℃で凍結させた。細胞によって媒介される免疫反応のセクションに記載するように、T細胞増殖を評価するためにN19−結合体で免疫化したマウスから脾臓を回収した。
【0201】
3.1 1価の髄膜炎菌(meningococcal)C結合体ワクチン
マウスを、徐々に減少する量のN19−MenCまたはCRM−MenC(2.5から0.039μgのMenC/用量)で、アジュバントとしての0.5mgの水酸化アルミニウムの存在下で免疫化した。抗体力価を以下に詳細に記載するように測定した。
【0202】
N19を含む結合体は、CRMを含む結合体よりも免疫原性が高かった(図2)。2回の免疫化の後、N19をベースとする構築物によって3用量のCRM−MenC結合体によって誘導されるよりも有意に高い力価で、血清抗MenC IgG抗体が誘導された(例えば、0.625μgでの2回目の免疫化後のN19−MenC対0.625μgでの3回目の免疫化後のCRM−MenC[P<0.01];0.156μgでの2回目の免疫化後のN19−MenC対0.156μgでの3回目の免疫化後でのCRM−MenC[P<0.05])。加えて、3用量の後は、より少量のN19結合体で、CRM−MenC結合体によって誘導されるよりも有意に高い抗MenC IgG抗体を誘導するには十分であった(例えば、0.156μgでのN19−MenC対0.625μgでのCRM−MenC[P<0.01])。
【0203】
CRMをベースとする結合体での2回および3回の免疫化によっては、試験した最も低い用量(すなわち、0.3μg以下)でもなお、CRMに対する強い抗担体抗体反応が誘導された。対照的に、N19特異的抗体反応は常に無視できる程度であり、最も高い用量(すなわち、6μg)でしか検出できなかった(それにもかかわらず、非常に低い力価であった)(図3)。これらの低力価のN19抗体は、固相の中の破傷風トキソイドを認識することはできなかった。これらの結果は、抗N19ポリペプチドの強いヘルパー効果が、有意なレベルの自身に対する抗体の誘導によっても、また、自然界に存在しているタンパク質に対する抗体の誘導によっても起こるものではないことを明らかに示している。
【0204】
MenCに対する防御免疫は、主に、補体の存在下で細菌を死滅させる殺菌性抗体に依存しているので、誘導された抗体の機能的活性を測定した。ELISAにおいて得られた結果と一致して、図4は、N19結合体が、CRMをベースとする結合体を用いた場合に使用した用量よりも低い免疫化用量で、細菌抗体を誘導することができたことを示している。最も高い用量のN19−MenC結合体での1回の免疫化後には、CRM−MenC結合体の2回の用量によって誘導されたものと同様の力価を有している殺菌性抗体が誘導されたことが注目される。少量のN19−MenCで2回免疫化されたマウスは、CRM−MenCで免疫化されたマウスよりも、高い殺菌性抗体力価を生じた。これらのCRM−MenCで免疫化されたマウスには、N19結合体によって誘導されたものに匹敵する殺菌性抗体力価に達するには、3回目の用量が必要であった。したがって、N19は、少ない投与量での少ない回数の注射の後で、MenCに対して実質的に機能的である活性を有している抗体を誘導することによって、CRMよりも強い担体として働くことが示された。
【0205】
3.2 2価の髄膜炎菌(meningococcal)AC結合体ワクチン
マウスを、N19−MenAおよびN19−MenCで別々に、および一緒に、あるいは、CRM−MenAおよびCRM−MenCで別々に、および一緒に(0.625、0.156、または0.039μgの各MenPS/用量)、アジュバントとしての0.06mgのリン酸アルミニウムの存在下で免疫化した。抗体力価を、以下に記載するようにELISAによって測定した。
【0206】
図5の上段のパネルに示すように、N19またはCRM担体のいずれかを含むMenAとMenC結合体を一緒に投与することによって、単独で投与した結合体のものと比較して有意な減少によって予想されるように、MenAに対する免疫原性が得られた(例えば、0.156μgの2回目の免疫化後のN19−MenA対N19−MenAC[P<0.05];0.625μgの3回目の免疫化後のN19−MenA対N19−MenAC[P<0.05];0.625μgの2回目の免疫化後のCRM−MenA対CRM−MenAC[P<0.05];0.156μgの3回目の免疫化後のCRM−MenA対CRM−MenAC[P<0.05])。それにもかかわらず、N19またはCRM担体のいずれかを含む2価の処方物はいずれも、2回の免疫化の後、および3回の免疫化の後に、MenAに対して同等の(統計学的には差がない)抗体力価を誘導した。1価の結合体ワクチンおよび2価の結合体ワクチンの中のN19担体は、MenAに対する早い抗体反応を誘導することができ、1回目の用量の後には、すでに抗体反応を惹起させたが、CRM結合体は測定することができる程度の抗体力価を誘導することはできなかった。N19結合体の2回の注射の後も、CRM結合体よりも多い抗体反応を誘発する傾向があったが、最も低い投与量の1価のワクチンを投与した場合にしか、差は統計学的に有意にならなかった(例えば、0.039μgでの2回目の免疫化後のN19−MenA対CRM−MenA[P<0.05])。
【0207】
抗MenC抗体反応を測定した(図5の下段のパネル)場合には、1価の処方物と2価の処方物を比較した場合には、2回目の用量または3回目の用量の後に力価の低下は観察されなかった。1回目の投与の後、CRM結合体を用いて得られた1価のワクチン抗MenC抗体レベルの免疫化用量の減少は破棄されたが、N19結合体を用いた場合に得られたものは安定に維持された。2価のワクチンでの1回の免疫化の後に得られた力価を比較することによって、CRM結合体が、実質的な抗MenC抗体反応を惹起させることができないことが示されたが、N19結合体は、用量応答性質を伴って高いレベルを誘導した。
【0208】
3.3 4価の髄膜炎菌(meningococcal)ACWY結合体ワクチン
4価の処方物を、等しい糖量のN19−MenA、N19−MenC、N19−MenW、およびN19−MenY(N19−MenACWY)の中に一緒に混合することによって調製した。対照として、本発明者らは、凍結乾燥させられたCRM−MenAに対して液体CRM−MenCWYを混合することによって使用前に処方したCRM結合体ワクチン(Chiron Vaccines,Siena)の臨床的グレードのロットを使用した。マウスに、徐々に減少する量の4価の処方物(2μgから0.074μgの各MenPS/用量)を、アジュバントとしての0.06mgのリン酸アルミニウムの存在下で投与した。
【0209】
図6は、4種類の血清学的グループの莢膜多糖の任意のものについて、および全ての投与した投与量で、N19−MenACWYでの2回または3回の免疫化によって同様のIgG力価が生じたことを示す。3回の免疫化の後のCRM結合体に対する抗体反応と、わずかに2回の免疫化の後のN19結合体に対する抗体反応を比較した場合には、4種類の血清学的グループの全てについて有意な差は見られなかった。2回目の用量の後、血清学的グループAおよびCに対する抗体力価は、N19に結合させた場合には、CRMに結合させた場合に得られる抗体力価と比較すると有意に高かった(IgG抗MenAおよび抗MenC:全ての投与した投与量での2回目の免疫化後のN19対CRM:P<0.05)。
【0210】
N19結合体は、初回免疫化の後に、4種類の多糖の全てに対する抗体生産を誘導したが、CRM結合体は誘導しなかった。特に、MenCに対しては、図6のパネルBに示すように、有意に高い抗体力価が、全ての投与した投与量でN19結合体を用いて得られた(全ての投与した投与量での1回目の免疫化後のN19対CRM:[P<0.05])。パネルAおよびCに示すMenAおよびMenWに対する力価は、N19結合体を1回投与した場合には、最も高い投与量で有意に高かった(2μgでの1回目の免疫化後のN19対CRM:[P<0.05])。両方の結合体によって誘導された抗体は、大部分はIgG1であった(データは示さない)。重要なことは、本発明者らが、反応したマウスの数が、CRM結合体で免疫化した場合よりもN19結合体で免疫化した場合により多く、特に、1回目の用量の後と2回目の用量の後にそうであったことであり、一方、3回目の用量の後には、全てのマウスが反応していた(表2)。
【0211】
(表2 それぞれのグループの4種類のPS抗原(MenACWY)に対して反応したマウスの割合(%))
【0212】
【表2】

N19−MenACWYは、4種類のMen多糖の全てに対する殺菌性抗体を誘導することにおいて非常に有効であった。特に、グループCに対する殺菌力価は、CRM結合体よりもN19結合体の2回の用量の後に、全ての投与した投与量で有意に高かった。用量増加を行うことにより、N19担体の効力は強まった。なぜなら、用量を制限することによって、N19結合体は、CRM結合体によって誘導される殺菌性抗体力価よりも、4種類の多糖の全てに対してより高い殺菌性抗体力価を誘導したからである。具体的には、最も低い用量(0.074μg)で免疫化したマウスに由来する1つの血清に対するMenCおよびMenWに対する殺菌力価を分析した。図7は、ELISA滴定に関しては、N19結合体を用いて得られた血清殺菌性抗体(SBA)力価もまた、2回の用量の後または3回の用量の後は同等であったことを示している。MenCに対する殺菌力価は、CRM結合体の3回の注射の後に得られたものよりも、N19結合体での2回の免疫化の後にすでに有意に高かった(SBA抗MenC:2回目の免疫化後のN19対3回目の免疫化後のCRM:[P<0.05])。N19をベースとする結合体またはCRMをベースとする結合体のいずれかを用いて得られた、2回の用量の後、または3回の用量の後のMenWに対する殺菌力価を比較することにより、本発明者らは、N19結合体によって有意に高い殺菌性抗体力価が誘導されたことを見出した(SBA抗MenW:2回目の免疫化後のN19対CRM:[P<0.05];3回目の免疫化後のN19対CRM[P<0.05])。
【0213】
グループAおよびCの抗体の機能的活性の詳細な分析を、高親和性抗体だけを測定する改良された抗原結合アッセイを使用して行った[296]。図8の結果は、2μgのN19結合体を用いた場合にMenCに対して得られた抗体が、1回の用量の後に、すでに高い親和力であったことを示している。2回の免疫化が、ほぼ全ての抗体の十分な親和力の成熟を誘導するために十分であった。より少量のN19結合体またはCRM結合体のいずれかで免疫化した他のグループも同様の成熟プロフィールを示したが、2回の用量の後でも、ベースラインから約50%の高親和力の抗体までにしか増加しなかった(単純化のために、最も高い投与量と最も低い投与量で免疫化したグループだけを示す)。
【0214】
自身に対する抗体を誘導することに対する4種類の多糖によって共有されている担体タンパク質の影響を評価するために、本発明者らは、使用した両方の担体タンパク質に対する抗体を測定した(図9)。加えて、本発明者らは、担体に対する生じた抗体がもとのタンパク質にも結合できるかどうかを分析した。図9は、パネルAにおいて、CRM結合体を用いた場合に生じた抗体がDT(CRMのもとのタンパク質である)を十分に認識したことを示している。反対に、N19結合体に対する抗体は、N19エピトープが導かれたその元のタンパク質(例えば、破傷風トキソイド(TT)およびインフルエンザヘマグルチニン(HA))とは交差反応しなかった。TTに由来する10個のエピトープ(5個のエピトープの2回の繰り返し)がN19に含まれており、その配列の50%以上を示すことに留意すべきである。
【0215】
3.4 2担体4価髄膜炎菌(meningococcal)ACWY結合体ワクチン
4価の処方物を、CRMまたはN19のいずれかに結合させたMenCWYと共に、N19またはCRMのいずれかに結合させたMenAを一緒に混合することによって調製した(N19−MenAとCRM−MenCWY、およびその逆CRM−MenAとN19−MenCWY)。対照グループには、1つの担体を含む4価の処方物(N19−MenACWYまたはCRM−MenACWY)を投与した。マウスに、徐々に減少する量の4価の処方物(0.67μgから0.074μgのそれぞれのMen多糖/用量)を、アジュバントとしての0.06mgのリン酸アルミニウムの存在下で投与した。抗体力価を、以下に記載する方法を使用して決定した。
【0216】
N19−MenACWYは、1回目の用量の後に、CRMをベースとするワクチンの2回の用量の後に得られた力価に匹敵する抗MenA力価を生じた(図6)。さらに、N19結合体で2回免疫化したマウスは、CRM結合体で免疫化したマウスよりも、MenAに対して有意に高い殺菌力価を誘発した(図10)。本発明者らは、N19−MenAをCRM−MenCWYと同時に投与した場合、またはそれとは逆に、MenA上の担体を交換した場合に、抗体反応が、特有の担体を含む4価の処方物と比較すると有意に大きかったことを観察した(例えば、0.67μgでの2回目の免疫化後:N19−MenA+CRM−MenCWY対N19−MenACWY:[P<0.05];0.67μgでの3回目の免疫化後:N19−MenA+CRM−MenCWY対CRM−MenACWY:[P<0.01];0.22μgでの2回目の免疫化後:CRM−MenA+N19−MenCWY対CRM−MenACWY:[P<0.001])。しかし、本発明者らは、2担体処方物の両方の免疫化投与量を減少させることによって、2回の免疫化の後にも、また3回の免疫化の後にも、抗MenA抗体のIgG力価が有意に低下したが、それらの殺菌力価は低下しなかったことに注目した(図10)。さらに、2担体ワクチンのいずれによっても、全ての投与量で、同等の殺菌力価が誘導された(図11)。全ての処方物の中のN19の存在によって、常に、わずかに1回の免疫化の後に抗体反応が引き起こされたが、CRMだけでは引き起こされなかったことは特筆すべきであった(図10)。
【0217】
3.5 様々な遺伝的背景を有しているマウス株
予備実験において、BALB/cとC57BL/6のマウスの2つのグループを、0.67または0.22μgのN19−MenACWYまたはCRM−MenACWYで、0.06mgのリン酸アルミニウムと共に2回免疫化した。別の実験では、遺伝的背景が同じであるマウスの株を、上記に記載したように準備した、4価の処方物N19−MenACWYまたはCRM−MenACWY(0.67μgの各Men多糖/用量)で、0.06mgのリン酸塩の存在下で3回免疫化した。BALB/cマウスを対照として使用した。
【0218】
BALB/cマウスにおいて得られた上記の結果に基づいて、本発明者らは、N19またはCRMを含む4価の処方物の2種類の投与量でわずかに2回マウスを免疫化することを決定し、そして4種類の多糖に対する抗体反応を測定した(図12)。再び、N19が、特に、抗MenA抗体を誘導することにおいて4価のワクチンの中でCRMよりも強い担体として働くことが、BALB/cマウスにおいて明らかにされた(BALB/c 0.22μgでの2回目の免疫化後のN19対CRM:[P<0.001])。本発明者らは、N19またはCRMのいずれかを含む結合体のいずれもが、BALB/cマウスよりもC57BL/6において免疫原性が低いこと、および抗体反応がより変わりやすいことを観察した。さらに、N19の良好な担体効果は、BALB/cにおいて観察されたよりも、4種類の多糖の全てに対してあまり明白ではなかった。それにもかかわらず、N19結合体は、1回目の免疫化の後にすでに、4種類の多糖の全てに対して一貫して抗体力価を誘発することができたが、CRM結合体は誘発することはできなかった。
【0219】
図13に示すように、N19結合体およびCRM結合体は、BALB/c H−2株およびB10.D1 H−2株において、4種類の結合体に対してより免疫原性が高かった。一般的には、N19をベースとする結合体で免疫化した場合には、CRMをベースとする結合体で免疫化した場合よりも、多くのマウスが反応した。BALB/cマウスと同じハプロタイプを有しているB10.D2N H−2は、N19結合体について、CRM結合体よりも優れたレシピエントであった。一方、BALB/cマウスと遺伝的背景が同じであるBALB/B H−2は、CRM結合体について、N19結合体よりも優れたレシピエントであった。一方、CRM結合体は、B10.BR H−2においては4種類の多糖のいずれに対しても抗体反応を全く誘導することができなかったが、N19結合体は誘導することができた。N19結合体によって、免疫原性が低い株におけるごくわずかな例外を除いて、4種類の多糖に対して試験したマウス株の全てにおいて、1回目の用量の後に、実質的な抗体反応が誘発されたことが際立っている。この実験で使用した様々な遺伝的背景を有しているほとんどのマウスが、4種類の多糖に対する抗体を生じ、このことは、N19結合体で免疫化した場合には、免疫反応についての明らかな遺伝的制限は全くないことを示している。
【0220】
図14に示すように、ELISAによって測定したIgG反応と一致して、N19結合体およびCRM結合体を用いて得られた殺菌力価もまた、BALB/c H−2レシピエントにおいて高かった。本発明者らは、N19結合体によって、BALB/BマウスにおけるMenAに対するものを除いて、試験した株の全てにおいて4種類の多糖に対して、CRM結合体よりも高い殺菌力価が誘導されたことを観察した。血清殺菌性アッセイによる生じた抗体の機能的活性の評価によって、CRMと比較して、N19の良好な担体効果がさらに確認できた。
【0221】
4.酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)プロトコール
4.1 髄膜炎菌(Meningococcal)血清学的グループA、C、W−135、およびY多糖特異的IgG
MenA、MenC、MenW、およびMenY特異的免疫グロブリンG(IgG)の滴定を、これまでに記載されているアッセイ[297]にしたがって、それぞれのマウスに由来する個々の血清について行った。Nunc Maxisorp 96ウェル平底プレートを、5μg/mlのメチル化ヒト血清アルブミンの存在下で、5μg/mlの精製した髄膜炎菌(N.meningitidis)血清学的グループA,C、W、またはYの多糖で別々に4℃で一晩コーティングした。プレートを、0.33%のBrij−35(PBS−Brij)を含むPBSで3回洗浄し、その後、5%のFCSと0.33%のBrij−35(PBS−FCS−Brij)を含む200μl/ウェルのPBSで、RTで1時間飽和させた。1つの血清をPBS−FCS−Brijの中に稀釈し、そして4種類の多糖に対して別々に滴定した。プレートを4℃で一晩インキュベートした。翌日、プレートをPBS−Brijで洗浄し、PBS−FCS−Brijの中に稀釈したアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗マウスIgG(Sigma Chemical Co.,SA Louis,MO)を添加し、プレートを37℃で2時間インキュベートした。結合した抗体を、ジエタノールアミン溶液中の1mg/mlのp−ニトロフェニル−ホスフェート(Sigma Chemical Co.,SA Louis,MO)を使用して明らかにした。20分間のインキュベーションの後、吸光度を405nmで読み取った。予備免疫の値は、一貫して、0.1より低いOD値を生じた。結果を、プレートとプレートとの偏差を最少にするために、平行分析によって内部参照血清と比較した力価として表した。IgG力価は、基準線アッセイ(Reference Line Assay)[298]を使用して計算し、EU/mlの対数として表した。
【0222】
4.2 髄膜炎菌(Meningococcal)血清学的グループAおよびC多糖特異的イソ型IgG1/IgG2a
抗MenAおよび抗MenC特異的IgGaおよびIgG2抗体を測定するために、プレートを、PBS中の5μgのメチル化ヒト血清アルブミン/mlと5μgの精製したMenAまたはMenC/1mlで、IgG ELISAについて上記に記載したように、4℃で一晩コーティングした。その後、プレートを洗浄し、そしてPBS−FCS−Brijで、RTで1時間ブロックした。血清試料を、1:100から開始して並行して2つのプレートにまたがってPBS−FCS−Brij中で稀釈し、そして37℃で2時間インキュベートした。ビオチン結合ヤギ抗マウスIgG1またはIgG2抗体(Southern Biotechnology Associates,Inc.)を添加した。37℃で2時間のインキュベーションの後、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン(DAKO)をウェルに添加し、そしてプレートを37℃で1時間インキュベートした。プレートを、基質であるO−フェニレンジアミンジヒドロクロライド(Sigma)を用いて発色させた。力価を、OD 0.5(450nm)での血清稀釈率の逆数として計算した。
【0223】
4.3 N19−、TT−、HA−、またはCRM−、DT−特異的IgG抗体
N19、CRM197担体タンパク質およびその元のタンパク質(その中には、破傷風トキソイド(TT)、ヘモフィルス・インフルエンザ菌(haemophilus influenzae、HA)、およびジフテリアトキソイド(DT))の滴定を、以前に記載されたように[299、300]、プールした血清について行った。簡単に説明すると、96ウェルプレート(Nunc Maxisorp)を、2μg/mlのN19、TT、HA、またはCRM197、あるいは、5μg/mlのDT抗原を別々に含む200μlのPBS溶液で、4℃で一晩コーティングした。その後、プレートを洗浄し、PBS−BSA(1%)で、37℃で1時間ブロックした。血清試料を、1:100から開始してプレートにまたがってPBS−BSA(1%)−Tween20(0.05%)の中に稀釈し、そして37℃で2時間インキュベートした。アルカリホスファターゼ結合ヤギ抗マウスIgGとp−ニトロフェニル−ホスフェートを、検出のために使用した。抗原特異的抗体の存在を上記のようにして明らかにした。結果は、プレートとプレートとの偏差を最少にするために、平行分析によって内部参照血清と比較した力価として表した。
【0224】
4.4 髄膜炎菌(meningococcal)血清学的グループAおよびCのIgG抗体の親和力
髄膜炎菌(meningococcal)のグループAおよびC特異的IgG抗体の親和力を、十分に確立されている方法[301、302]にしたがって、75mMのチオシアン酸アンモニウム「NHSCN」をカオトロピック剤として使用して、プールした血清のELISA溶出アッセイによって評価した。アッセイの検証には、4MのNHSCNとのインキュベーション後の抗原の安定性の評価を含めた[303]。Nunc Maxisorp 96ウェル平底プレートを、5μg/mlの精製した髄膜炎菌(N.meningitidis)血清学的グループAおよびCの多糖で別々に4℃で一晩コーティングした。溶液を吸引し、ウェルを、PBS−Brijで3回洗浄し、そして、ブロッキング緩衝液(PBS−FCS−Brij)で、室温で1時間ブロックした。プレートを、洗浄緩衝液(PBS−Brij)で洗浄した。試験血清と参照血清を稀釈緩衝液PBS−FCS−Brijの中に稀釈し、そして1つのマイクロプレートの中に、2連の2倍の段階稀釈物を準備した。37℃で2時間のインキュベーションの後、プレートを3回洗浄した。2連のもののうちの1つの中の血清試料を、血清稀釈緩衝液PBS−FCS−Brijの中の75mMのNH4SCNと共に、室温で15分間インキュベートした。一方、2連のうちの他方は、希釈緩衝液だけと共にインキュベートした。洗浄後、上記のELISAアッセイと同様に、プレートをアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗マウスIgG(Sigma Chemical Co.,SA Louis,MO)とともにインキュベートした。75mMのNH4SCNでの溶出後にプレートに結合したままである抗体の量を、100%の結合抗体に相当する標準ELISA曲線との比較によってELISA単位で計算した。高親和力のIgG力価を、時間の関数として結合したままである抗体の割合(%)で表した。
【0225】
5.髄膜炎菌(meningococcal)株A、C、W、およびYに対する血清殺菌アッセイ
殺菌性抗体力価の測定に使用した方法は、以前に記載されている(94)。髄膜炎菌(N.meningitidis)血清学的グループA(F8238株)、C(11株)、W(240070株)、またはY(240539株)標的株を、チョコレート寒天プレート上で5%のCOを用いて37℃で一晩増殖させた(凍結させたストックから始めた)。600nmで0.05〜0.1の吸光度を有しているコロニーを、0.25%のグルコースを含む7mlのMueller Hinton培養液に懸濁させ、そして、5%のCOを用いて37℃で1.5時間、震盪させながらインキュベートして、600nmで約0.24〜0.4の吸光度に到達させた。細菌細胞懸濁液を、GBSS緩衝液(Gey’s平衡化塩溶液)(SIGMA)および1%のBSA(アッセイ緩衝液)中に稀釈して、およそ10CFU/mlとした。熱不活化(56℃で30分間)シングル血清またはプールした血清試料(50μl)を、96ウェル平底組織培養処理プレート(Costar,Inc.,Cambridge,Mass.)において緩衝液中で2倍に段階稀釈した(4の出発稀釈の逆数)。等容量の細胞懸濁物およびプールしたベビーラビット補体(25%)を穏やかに混合し、そして25μlを段階稀釈した血清に添加した。個々のウェルの最終容量は50μlであった。対照には、(i)細菌−補体−緩衝液(補体依存性についての対照)、および(ii)熱不活化させた試験血清−細菌−緩衝液(補体依存性についての対照)。ベビーラビットの補体の添加の直後に、10μlの対照を、後屈(tilt)法によってMueller−Hinton寒天プレート上にプレートした(0時点、t0)。マイクロタイタープレートを、5%のCOを用いて37℃で1時間、全ての血清学的グループの標的株についてインキュベートした。インキュベーション後、10μlのそれぞれの試料を、スポットとして、Mueller−Hinton寒天プレート上にプレートし、一方、10μlの対照を、後屈(tilt)法によってプレートした(時点1、t1)。寒天プレートを、5%のCOを用いて37℃で18時間インキュベートし、そしてt0およびt1に対応するコロニーをカウントした。t1でのコロニーは、補体または血清の最終的な毒性の対照であり、そして、t0でのコロニーの1.5倍を有していた。殺菌力価は、血清および補体とのインキュベーションの前(t0)に存在していた標的細胞の数と比較して、≧50%の死滅を生じる血清稀釈の逆数として表した。力価は、希釈後の少なくとも2つが≧90%の細菌の死滅を生じた場合に、信頼できると考えた。
【0226】
Student’t検定(2回の試行)を使用して、グループ間での、および様々な時点での抗体力価を比較した。<0.05のP値を統計学的に有意であると考えた。
【0227】
6.細胞によって媒介される免疫反応
6.1 N19−MenACWYで感作させたBALBcマウスのN19−エピトープ、N19またはN19結合体を用いたインビトロでの増殖アッセイ
N19−結合体での免疫化によって担体−エピトープ特異的T細胞が感作させられるかどうかを評価するために、上記のように、4価のN19−MenACWY(約6または2μgのタンパク質/用量)で2回または3回免疫化したマウスから、脾臓を、最後の免疫化の10日後に取り出し、そしてN19からなる1つのペプチド、または遊離のN19もしくは結合させたN19でのインビトロでの刺激の後に増殖するそれらの能力について試験した[304]。このアッセイで使用した精製したN19には、干渉を起こし得る検出できるほどのLPSは含まれていなかった。それぞれのマウスのグループの脾臓をプールし、そして手作業で分散させた。一旦、洗浄し、カウントした後、細胞を、平底96ウェル細胞培養プレート(Corning NY)の中で、25mMのHEPES緩衝液、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、50μMの2−メルカプトエタノール、0.15mMのL−グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、ビタミン、ピルビン酸ナトリウム、および必須ではないアの混合物(GIBCO BLR Life Technologies,100×ストック溶液の1%)、ならびに5%のウシ胎児血清(Hyclone)を含むRPMI(GIBCO BRL Life Technologies)中に5×10細胞/ウェルの密度で培養した。細胞は、0.12から30μM/ウェル(2または3倍稀釈)(約0.15〜50μg/ml)の個々のペプチド存在下で3連で培養したか、あるいは、細胞を、同じ培地の中に稀釈した0.004から1μMの遊離のもしくは結合させられたN19の存在下で3連のウェルに添加して、全部で200μl/ウェルとした。対照を、完全培養培地または10μg/mlのコンカナバリンAを用いて行って、細胞の増殖能力を明らかにした。プレートを5%のCO下で37℃でインキュベートした。5日後、細胞を、0.5μCiの[H]チミジン(Amersham Biosciences 1mCi/mlストック溶液)/ウェルと共にさらに18時間パルスし、Filtermate Harvesterを用いて回収し、そして液体シンチレーションカウンター(Packard Biosciences)においてカウントした。増殖アッセイの結果は、刺激しなかった対照培養物(バックグラウンド)の1分あたりのカウントに対する、刺激した実験培養物中での1分当たりのカウント(cpm)の比によって計算した、刺激指数(SI)として表した。3連の培養物を平行して実行した。SI>2をポジティブと考えた。
【0228】
マウスシステムでのN19の強いヘルパー効果が、N19にもともと含まれるCD4エピトープのいずれかによって媒介されたものであるかを決定するために、N19−MenACWY(6μgのN19/用量)で2回または3回感作させたBALB/cマウスに由来する脾細胞のT細胞増殖を評価した。脾細胞を、様々な濃度のN19ペプチド、または完全なN19(遊離のもの、または多糖に結合させたもののいずれか)でインビトロで刺激した。図15に示すように、遊離の、または結合させたN19の存在下で、リンパ球は実質的に増殖した。本発明者らはまた、本発明者らの実験の全てにおいて一貫して、P23TTペプチドを用いたT細胞増殖も観察した(図15および16)。他の試験したペプチドのうち、本発明者らは、P30TT、P32TT、HA、およびHBsAgによって誘導されたT細胞増殖を、高濃度で存在する場合にだけではあるが、観察できた。C57BL/6マウスを用いてアッセイを行った場合には、いずれのエピトープもリンパ球の増殖を刺激することはなく、そして、N19は最も高い濃度でのみ細胞を刺激した。
【0229】
さらに、本発明者らは、何らかのMHC−制限パターンが存在するかどうかを調べるために、遺伝的背景が同一であるマウスの株においてN19特異的T細胞活性化を測定した。活性化は、種々の濃度の1)遊離のN19、または2)多糖に結合させたN19のいずれかの存在下で、あるいは、3)1つのN19構成ペプチドを用いて、または4)遊離の多糖成分を用いて、様々な遺伝的背景を有しているマウスの脾臓細胞の増殖反応を測定することによって、インビトロで分析した。本発明者らは、遊離のN19は全ての株においてT細胞活性化を誘導したが、N19結合体は、試験した株においては様々な増殖反応を生じたことを観察した(図17)。H−2応答に対する背景遺伝子(BALBまたはB10)の影響を評価することにより、本発明者らは、H−2ハプロタイプが、様々なエピトープに特異的なT細胞を生じたことを観察した。P23TTエピトープのT細胞リコールは、2つの遺伝的には無関係なマウス(BALB/c H−2とB10.BR H−2)において生じた。一方、様々なH−2ハプロタイプを有している遺伝的背景が同じであるマウス(BALBまたはB10)は、様々なエピトープ特異的T細胞増殖を生じ、このことは、MHC複合体以外の遺伝的要因もまた、反応に影響を与えてることを示唆している。しかし、同じ遺伝的背景(BALB)を有しているマウスは、P30TTエピトープに反応性であるT細胞を生じた。全体的には、複数のペプチドはそれらのH−2制限レベルが異なるという事実にもかかわらず、全ての株はN19結合体を有している4種類の多糖の全てに対して良好な抗体反応を高めることができた。さらに、本発明者らは、4種類の多糖のいずれによっても、任意の試験した株において増殖を誘導できたことを観察し、このことは、これらがT細胞依存性抗原であり、担体タンパク質への結合によってそれらの特性、例えば、多糖特異的T細胞活性化を誘導する能力に影響はないことを示している。
【0230】
6.2 マウスエピトープ特異的T細胞増殖の評価:免疫化プロトコールおよび増殖アッセイ
95%の純度の合成ペプチド(P2TT、P21TT、P23TT、P30TT、P32TT、HA、およびHBsAg)を、Primm s.r.l.(Italy)から購入した。3匹のBALB/cマウスのグループに、フロイントの完全なアジュバント(CFA)の中に乳化させた50μgの1つのペプチド(P2TT、P30TT、P23TT、P32TT、HA、HBsAg)またはN19を含む50μlの用量/マウスで、尾の基部に皮下で免疫化した。7日後、マウスを屠殺し、鼠径リンパ節および大動脈リンパ節を取り出し、それぞれのグループのマウスに由来するものをプールし、単細胞懸濁物を調製した。細胞を、平底96ウェル細胞培養プレート(Costar,Corp.,Cambridge,Mass.)において、完全培地(脾臓細胞について上記に記載したように、RPMIを補充した)中で3×10細胞/ウェルの密度で培養した。同じ培地の中に稀釈したN19または相同ペプチドを、1匹のマウスまたはプールした培養細胞について3連のウェルに、3種類の濃度(ペプチドの全てについては、15、7.5、および3.75mM、N19については、10、1、および0.1μg/ml)で添加した。37℃で5%のCOでの5日間のインキュベーションの後、細胞を、0.5μCi[H]チミジンで16時間パルスし、その後、上記に記載したように回収した。クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)の表面タンパク質に由来する無関係なペプチドCH60(コンピューターでは、HLA−A2に結合すると推測される)を、これらの実験でネガティブ対照として使用した。
【0231】
図18は、個々のペプチドでのBALB/cマウスの免疫化によって、P23TT、HA、HBsAgペプチド、およびN19に特異的なT細胞応答が生じたが、無関係なCH60ペプチドについては特異的なT細胞応答は生じなかったことを示す。P32TTで免疫化したマウスは、同じペプチドに反応することはできなかった。アジュバント対照マウスに由来する細胞はConAに反応して増殖したが、いずれのペプチドにも、またN19にも反応せず、これによって、ペプチドが細胞分裂促進性ではないことが示されている。ヒトエピトープであるにもかかわらず、これらの知見は、マウスのシステムにおいてもまたN19の強い担体効果を説明することができる。
【0232】
本発明は、ほんの一例として記載されており、改良を行うことができ、なおも本発明の範囲および精神に留まることが理解されるであろう。
【0233】
【数1】

【0234】
【数2】

【0235】
【数3】

【0236】
【数4】

【0237】
【数5】

【0238】
【数6】

【0239】
【数7】

【0240】
【数8】

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【数9】

【0242】
【数10】

【0243】
【数11】

【0244】
【数12】

【0245】
【数13】

【0246】
【数14】

【0247】
【数15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−49717(P2013−49717A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−267162(P2012−267162)
【出願日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【分割の表示】特願2007−547709(P2007−547709)の分割
【原出願日】平成17年12月23日(2005.12.23)
【出願人】(507238285)ノバルティス ヴァクシンズ アンド ダイアグノスティクス エスアールエル (35)
【Fターム(参考)】