説明

糖衣組成物、当該糖衣組成物により被覆されたベーカリー製品及び当該ベーカリー製品の製造方法

【課題】本発明は、糖衣組成物の泣き及びべとつきの問題を解決することを目的とする。
【解決手段】本発明は、イソマルツロースを主原料とし、水飴及び増粘剤をさらに含む糖衣組成物を提供する。当該糖衣組成物は、寒天及び/又は、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(以下、「1,6−GPS」とする)と1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(以下、「1,1−GPM」とする)とを含有するイソマルツロース還元物であって、1,6−GPSと1,1−GPMとの和に対して1,6−GPSを57重量%以上の量で含有する上記イソマルツロース還元物をさらに含みうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖衣組成物、当該糖衣組成物により被覆されたベーカリー製品及び当該ベーカリー製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖衣組成物により被覆されたベーカリー製品、特にはドーナツ及びパンが、近年、市場で多く流通している。当該糖衣組成物は、グレーズ又はアイシングとも呼ばれている。グレーズ又はアイシングにより被覆されたドーナツは夫々、グレーズドドーナツ及びアイシングドーナツと呼ばれており、需要者に人気がある。グレーズは、ベーカリー製品の外観に魅力を与え、特にグレーズの艶、光沢及び色が、需要者の購買意欲を高める。また、グレーズは、ベーカリー製品の味付け効果も有する。グレーズにチョコレート、乾燥フルーツ、フレーバ等を加えることによって、ベーカリー製品に味付けをすることもできる。
ベーカリー製品がドーナツである場合、グレーズは一般的に、ドーナツを揚げた後又は焼いた後に、ドーナツに液状で施与される。当該施与後、所定時間が経過すると、施与されたグレーズは乾燥する。ドーナツ専門店では、その店でドーナツを揚げた後、その店でグレーズを施与することが一般的である。他方、ドーナツ専門店でない店舗でグレーズドドーナツを販売する場合、当該店舗以外のベーカリー又は工場でグレーズドドーナツを製造し、その後当該店舗に輸送されることが一般的である。従って、ドーナツ専門店でない店舗で販売されるグレーズドドーナツは、ドーナツ専門店で販売されるグレーズドドーナツよりも長い期間、その品質を維持することが要求される。また、当該輸送は、グレーズドドーナツを冷凍した状態で行われる場合もある。この場合、販売店舗で又は出荷過程で冷凍ドーナツを解凍し、そして消費者に販売される。従って、冷凍及び解凍工程並びにその後の店舗での陳列を経ても、グレーズの品質が維持されることが要求される。これらの要求は、他のベーカリー製品についてもあてはまる。
【0003】
特許文献1のアイシングは、固形状の糖、糖液、油脂及び乳化剤を主な構成成分とする。当該アイシングにおいて、該糖液が、温度20℃、相対湿度95%の雰囲気下、ブリックス度を70とした場合の4日間での増加水分量が0.5重量%以下であることを特徴とする。
特許文献2の糖衣組成物は、脂肪とゲル化系とを含有する。脂肪及びゲル化系の両方を含むことによって凍結−解凍安定性及び熱安定性が当該糖衣組成物に付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−292887号公報
【特許文献2】特開昭53−139740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
糖衣組成物による被覆を有するベーカリー製品(以下、糖衣掛けベーカリー製品ともいう)の品質において、当該糖衣組成物の「泣き」及び「べとつき」は、大きな問題である。「泣き」とは、一度乾いた糖衣組成物が、空気中の水分を吸収することにより及び/又は当該ベーカリー製品の製品内部からの水分の移行により生じる、糖衣組成物の全部又は一部の溶解をいう。「べとつき」は、当該溶解により、当該ベーカリー製品表面の糖衣組成物が、包装や消費者の手などの表面にべたべたとねばりつくことをいう。これらの問題は、糖衣組成物の施与後、時間の経過とともに顕在化する。「泣き」は、製品の外観を損ね、その結果、当該ベーカリー製品の商品価値を低下させる。需要者は、「泣き」が生じた当該ベーカリー製品を選択しないだろう。「べとつき」は、当該ベーカリー製品の取扱いに際して、消費者に不快感を生じさせる。従って、「べとつき」は商品についてのクレームの原因となり、次回以降そのベーカリー製品を消費者が選択しない原因となりうる。
糖衣組成物の「剥れ易さ」も大きな問題である。この問題も、糖衣組成物の施与後、時間の経過とともに顕在化する。この問題は、特に、当該ベーカリー製品がある程度の時間をかけて輸送される場合及び/又は当該ベーカリー製品が包装される場合に顕在化する。糖衣組成物が剥がれた場合、たとえ剥がれた部分が糖衣組成物の一部であっても、その剥がれ落ちによって製品の外観が損なわれ、その結果、当該ベーカリー製品の商品価値を低下させる。
糖衣組成物は、その表面が滑らかであることも必要である。表面が滑らかでない場合、当該ベーカリー製品の外観が損なわれるので、当該ベーカリー製品の商品価値は低い。
本発明は、これらの問題が解決された糖衣組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、イソマルツロース(isomaltulose)(以下、パラチノースともいう。パラチノースは三井製糖株式会社の登録商標である)を主原料とし、水飴及び増粘剤をさらに含む糖衣組成物を提供する。当該糖衣組成物は、寒天及び/又は、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(以下、「1,6−GPS」とする)と1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(以下、「1,1−GPM」とする)とを含有するイソマルツロース還元物であって、1,6−GPSと1,1−GPMとの和に対して1,6−GPSを57重量%以上の量で含有する上記イソマルツロース還元物(以下、1,6−GPS濃縮混合物ともいう)をさらに含みうる。
【0007】
当該増粘剤は、好ましくはキサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、グアガム、ジェランガム、タマリンド種子ガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン、アラビアガム又はそれらの組み合わせである。当該増粘剤として、キサンタンガムが特に好ましい。
【0008】
本発明の糖衣組成物は、好ましくは、水以外の原料の合計重量に対して、イソマルツロースを50〜95重量%、水飴(粉末換算)を4〜35重量%、及び増粘剤を0.002〜1.0重量%含む。
【0009】
本発明はまた、本発明の糖衣組成物により被覆されたベーカリー製品又は冷凍ベーカリー製品を提供する。さらに、本発明は、当該冷凍ベーカリー製品が解凍されてなるベーカリー製品も提供する。これらのベーカリー製品は包装されうる。従って、本発明は、包装された上記ベーカリー製品も提供する。
【0010】
本発明はさらに、パラチノースを主原料とし、水飴及び増粘剤をさらに含む糖衣組成物によりベーカリー製品を被覆する工程を含むベーカリー製品の製造方法を提供する。当該製造方法は、当該被覆されたベーカリー製品を冷凍する工程をさらに含んでもよい。当該製造方法は、当該冷凍する工程の後に、当該冷凍したベーカリー製品を解凍する工程をさらに含んでもよい。当該製造方法は、上記被覆されたベーカリー製品、又は上記冷凍されたベーカリー製品を包装する工程をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の糖衣組成物は、糖衣組成物の泣き、べとつきの問題を解消する。よって、長期間の輸送を経た後でも、ベーカリー製品の外観が損なわれることがなく、従ってベーカリー製品の商品価値が長期間維持される。
【0012】
本発明の糖衣組成物は、剥がれ難さが向上している。本発明の糖衣組成物は、当該糖衣組成物による被覆後に冷凍しそして解凍しても剥がれ難い。さらに、本発明の糖衣組成物は、包装した場合であっても剥がれ難い。剥がれ難さの向上により、ベーカリー製品の外観がより長期間維持され、その結果ベーカリー製品の商品価値が長期間維持される。さらに、冷凍及び解凍工程を経た後、並びにその後の店舗販売の間及び店舗販売後であっても、その外観が維持される。
【0013】
本発明の糖衣組成物は、伸びが良く、塗りやすい。その結果、本発明の糖衣組成物は、非常に滑らかな表面を有する。この滑らかさの故に、ベーカリー製品の商品価値を高める。また、伸びが良く、塗りやすいことから、糖衣組成物による被覆工程における、製造者の負担が軽減される。
【0014】
本発明の糖衣組成物は、寒天を含む場合に特に、艶よく仕上がるという特徴を有する。本発明の糖衣組成物は、1,6−GPS濃縮混合物を含む場合に特に、より白く仕上がるという特徴を有する。これらの特徴は、ベーカリー製品の美観を向上させ、ベーカリー製品の商品価値を高める。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の糖衣組成物の被覆を有するドーナツを示す写真の写しである。
【図2】参考例1〜3の糖衣組成物の被覆を有するドーナツを示す写真の写しである。
【図3】各種増粘剤を含む糖衣組成物の被覆を有するドーナツの写真の写しである。
【図4】寒天を含む又は含まない糖衣組成物の被覆を有するドーナツの写真の写しである。
【図5】粉末パラチニットGSPを含む又は含まない糖衣組成物の被覆を有するドーナツの写真の写しである。
【図6】本発明の糖衣組成物の被覆を有するロールパンを示す写真の写しである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の糖衣組成物は、パラチノース(palatinose)を主原料とし、水飴及び増粘剤を原料としてさらに含む。当該糖衣組成物は、ベーカリー製品の仕上げの為に用いられうる。
【0017】
主原料とは、糖衣組成物の原料のうち、最も多い重量割合で糖衣組成物中に存在することを意味する。すなわち、本発明の糖衣組成物中では、パラチノースが最も多い重量割合で存在する。当該原料は、パラチノース、水飴及び増粘剤の他に、任意成分として、寒天及び/又は、1,6−GPS濃縮混合物を含んでいてもよい。
【0018】
パラチノースとは、グルコースがフラクトースにα− 1,6グルコシル結合することによって構成された二糖である。パラチノースの一水和物結晶の融点は123〜124℃であり、比旋光度〔α〕20は+97.2゜であり、フェーリング溶液還元力はグルコースの52%であり、水100gに対する溶解度は、20℃で38.4g、40℃で78.2g、そして60℃で174.9gである。水溶液の甘味の質は良好で、甘味度はスクロースの約42%である。
【0019】
パラチノースは蜂蜜中に見出される他、細菌や酵母に由来するα−グルコシルトランスフェラーゼがスクロースに作用した場合に生ずる転移生産物中にも存在する。すなわち、プロタミノバクター・ルブラン(Protaminobacter rubrum)やセラチァ・プリムチカ(Serratia plymuthica)等の細菌が生み出すα−グルコシルトランスフェラーゼを用いると、スクロースの大部分がパラチノースに変換される。パラチノースの工業的生産方法は特公昭58−36959号公報に開示されている。
【0020】
水飴とは、デンプンを酵素や酸により糖化したものである。水飴は主としてデキストリン及び/又はマルトースからなる。本発明において、水飴は、高糖化水飴及び低糖化水飴を包含する。高糖化水飴とは、デンプンの加水分解の程度を表す数値(DE)が40より高い水飴をいう。低糖化水飴は、DEが40以下の水飴をいう。水飴は、液状又は粉末状であってよい。粉末状の水飴として、例えばニポデックス25(株式会社ニッシ)及びニポデックス42(株式会社ニッシ)が挙げられる。ニポデックス25は低糖化水飴であり、ニポデックス42は高糖化水飴である。本発明において、特に低糖化水飴が単糖類の量が少ないために好ましい。
【0021】
増粘剤とは、水に溶解した際に単独で粘度を発現する物質をいい、例えば増粘多糖類やデンプンなどである。本発明において増粘剤として、例えばキサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、グアガム、ジェランガム、タマリンド種子ガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン、アラビアガムが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組合せて使用することもできる。本発明において好ましい増粘剤は、キサンタンガム、ローカストビーンガム、又はこれらの組み合わせであり、より好ましくはキサンタンガムである。当該増粘剤がキサンタンガムである場合、糖衣組成物の結晶分散性が特に良好である。
【0022】
寒天とは、ガラクトースを基本骨格とする多糖類であり、テングサ科やオゴノリ科などの紅藻類から抽出されうる。本発明において寒天として、例えば粉末寒天、固形寒天、フレーク寒天、低温溶解性寒天が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組合せて使用することもできる。本発明の糖衣組成物が粉末である場合、寒天は低温溶解性寒天であることが好ましい。低温溶解性寒天とは、80℃、10分間の処理により溶解する寒天をいう。本発明において低温溶解性寒天として、スプーン寒天Speed Agar 80 SAI−7(三井製糖株式会社)、即溶性寒天UP−37(伊那食品工業株式会社)などが挙げられる。
【0023】
1,6−GPS濃縮混合物は、1,6−GPSと1,1−GPMとの割合が、57重量%:43重量%〜99重量%:1重量%でありうる。1,6−GPS濃縮混合物として、例えば粉末パラチニットGSP(1,6−GPSを80±5重量%以上の量で含有する、三井製糖株式会社)及びパラチニットGS(1,6−GPSを80±5重量%以上の量で含有する、三井製糖株式会社)が挙げられる。1,6−GPS濃縮混合物は、好ましくは、1,6−GPSを80±5重量%以上の量で含有する。
1,6−GPS濃縮混合物は、還元パラチノース(商標)(一般名「イソマルト」)の1つである。還元パラチノースは、40重量%:60重量%〜99重量%:1重量%の割合の1,6−GPSと1,1−GPMとの混合物である。本発明の糖衣組成物において、1,6−GPS濃縮混合物以外の還元パラチノースが含まれていてもよい。
【0024】
本発明において、当該糖衣組成物中のパラチノースの量は、水以外の原料の合計重量に対して、50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%、より好ましくは65〜85重量%、さらにより好ましくは65〜75重量%である。ここで、パラチノースは、糖衣組成物中の他の原料よりも多い含有割合で存在する。
本発明において、当該糖衣組成物中の水飴(粉末換算)の量は、水以外の原料の合計重量に対して、好ましくは4〜35重量%、より好ましくは5〜25重量%である。
本発明において、当該糖衣組成物中の増粘剤の量は、水以外の原料の合計重量に対して、好ましくは0.002〜1.0重量%、より好ましくは0.005〜0.8重量%、さらにより好ましくは0.01〜0.5重量%である。
本発明において、当該糖衣組成物中の寒天の量は、水以外の原料の合計重量に対して、好ましくは0〜0.4重量%、より好ましくは0.01〜0.2重量%、さらにより好ましくは0.05〜0.18重量%である。
本発明において、当該糖衣組成物中の1,6−GPS濃縮混合物の量は、水以外の原料の合計重量に対して、好ましくは0〜25重量%、より好ましくは1〜22重量%、さらにより好ましくは5〜20重量%である。
【0025】
本発明の糖衣組成物は、溶液、懸濁液(スラリー)又は粉末の形態でありうる。上記懸濁液中では、本発明の糖衣組成物の原料が、分散していてよく又は分散していなくてもよい。また、上記懸濁液中では、本発明の糖衣組成物の原料の一部が溶解していてもよい。
【0026】
本発明の糖衣組成物が粉末の形態である場合、当該糖衣組成物の粉末を、水又は40〜60℃に加温した水に入れて混合すると、液状の糖衣組成物になる。当該混合に加えて、加温し、保温する。加温及び保温は、40〜60℃、好ましくは50〜55℃で行われる。
【0027】
本発明においてベーカリー製品とは、原料粉として小麦粉を主原料とし、これにイースト(またはベーキングパウダー)、食塩、水などの他、必要に応じて砂糖などの副材料を加えて、発酵工程を経て或いは経ないで得られた一般的なベーカリー生地を、焼く、揚げる、蒸す等の加熱処理を行なって調製される製品である。上記原料粉として小麦以外の穀物、例えば全粒粉、ライ麦、米、トウモロコシ、大麦、ひえ、あわ、きび、発芽玄米、黒米、赤米、大豆、小豆、アマランサス、キヌアなどに由来する粉を混入してもよく又は用いてもよい。
【0028】
本発明のベーカリー製品としては、例えばドーナツ、パン類、ケーキ類、ワッフル、シュー、菓子等が挙げられる。ドーナツとしてイーストドーナツ又はケーキドーナツが挙げられる。イーストドーナツは、生地材料にイーストを添加し、発酵させて膨らませたものである。ケーキドーナツとは、生地材料に食品用膨張剤を添加して当該剤と水とが反応して発生するガスにより膨らませるものである。本発明においてドーナツとは、揚げることにより製造されるドーナツだけでなく、焼くこと又は蒸すことにより製造されるドーナツも含む。本発明においてドーナツとは、リング状に成形されたものだけでなく、中に具を入れたドーナツ、球状のドーナツ、スティック状のドーナツ、ツイスト状のドーナツ等の全ての種類のドーナツを含む。パン類としては、食パン(例えばロールパン、白パン、黒パン、フランスパン、乾パン、コッペパン、クロワッサン等)、調理パン、菓子パン、蒸しパン等が挙げられる。ケーキ類としては、蒸しケーキ、スポンジケーキ、バターケーキ、ロールケーキ、ホットケーキ、ブッセ、バームクーヘン、パウンドケーキ、チーズケーキまたはスナックケーキ等が挙げられる。
【0029】
本発明の糖衣組成物による被覆は、ベーカリー製品の全部又は一部を覆うように形成される。すなわち、本発明の糖衣掛けベーカリー製品は、その全部又は一部が本発明の糖衣組成物により覆われたものである。糖衣組成物により被覆される部分が、ベーカリー製品の一部である場合、被覆されるべき部分は適宜定められる。当該被覆は、当業者により適宜行われる。当該被覆は、例えば、糖衣組成物をベーカリー製品の上から掛け流すことにより若しくは糖衣組成物をヘラや刷毛で塗ることにより行われ又は、容器中に糖衣組成物を満たし、その中にベーカリー製品の一部又は全部を沈めることにより行われうる。当該糖衣組成物をベーカリー製品に被覆した後、当該被覆は乾燥される。当該乾燥は、当業者により適宜行われる。当該乾燥は、例えば、クーリングコンベアーにより行われてよい。
【0030】
本発明の冷凍ベーカリー製品は、本発明の糖衣組成物によりベーカリー製品を被覆した後に冷凍することにより製造される。冷凍は、当業者により適宜行われてよい。当該冷凍は、上記糖衣組成物を液状でベーカリー製品に被覆した後、当該糖衣組成物の乾燥と同時又は乾燥後に開始されうる。すなわち、糖衣組成物の乾燥と同時に冷凍が行われてよく、又は糖衣組成物の乾燥後に冷凍が行われてもよい。冷凍は、冷凍食品の製造の為に行われる冷凍又はチルド食品の製造の為に行われる冷凍であってよい。または、冷凍は、家庭用又は業務用の冷凍庫内で行われてもよい。
【0031】
本発明のベーカリー製品は、本発明の冷凍ベーカリー製品を解凍することにより製造されうる。解凍は、当業者により適宜行われてよい。解凍は、常温(環境温度)若しくは低温の環境下に冷凍ベーカリー製品を置くことにより行われてもよい。解凍は、好ましくは低温の環境下で行われる。低温とは、0より上〜20℃、より好ましくは5〜15℃、さらにより好ましくは10℃の温度で行われうる。
【0032】
本発明のベーカリー製品は、包装されたものでありうる。当該包装は、当業者により適宜行われてよい。包装用の材料は、ベーカリー製品の包装に用いられるものであればいかなるものでもよく、特には、冷凍食品又はチルド食品に用いられるものでありうる。包装は、上記被覆及び乾燥の後であれば、いつ行われてもよい。
【0033】
本発明のベーカリー製品の製造方法は、本発明の糖衣組成物を液状又はスラリー状でベーカリー製品に被覆する工程を含む。当該製造方法は、本発明の糖衣組成物により被覆されたベーカリー製品を冷凍する工程を含みうる。当該製造方法はまた、冷凍したベーカリー製品を解凍する工程を含みうる。さらに、当該製造方法は、糖衣組成物により被覆されたベーカリー製品を包装する工程を含みうる。当該包装する工程は、当該被覆する工程の後であれば、いつ行われてもよい。すなわち、当該包装する工程は、当該冷凍する工程の前若しくは後に行われてもよく、又は、当該解凍する工程の前若しくは後に行われてもよい。これら工程の具体的な実行方法は、上記で述べたとおりである。
【0034】
一つの好ましい実施態様において、本発明の糖衣組成物は、パラチノース、水飴及び増粘剤を含む原料を水に添加し、加温し、保温することにより製造される。当該加温及び保温は、40〜65℃、好ましくは45〜60℃で、より好ましくは50〜55℃で、上記原料を混合し、均一にする。上記糖衣組成物の原料は、寒天及び/又は、1,6−GPS濃縮混合物をさらに含んでいてもよい。
【0035】
本発明の糖衣組成物は、任意の追加成分を含みうる。追加成分の例として、高甘味度甘味料、乳化剤、油脂、香料及び/又は着色料が挙げられる。これらの追加成分は、糖衣組成物に所望の特性を付与する目的で、適宜添加されうる。
高甘味度甘味料は、甘味を付与するために添加してもよい。高甘味度甘味料は、例えばアセスルファムカリウム、スクラロース、L−フェニルアラニン化合物(アスパルテーム)である。乳化剤は、ベーカリー製品による糖衣組成物のはじきや結晶粒生成をさらに抑制するために添加してもよい。油脂は、糖衣組成物の風味付けや、なめらかさ向上のために添加してもよい。香料は糖衣組成物の風味付けのために添加してもよい。着色料は、糖衣組成物の着色のために添加してもよい。
【0036】
下記に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものでない。
【実施例1】
【0037】
糖衣組成物の製造
【0038】
以下の製造例1〜3の糖衣組成物を製造した。これらの糖衣組成物の原料配合を表1に示す。
[製造例1]
パラチノース(粉末パラチノースICP、三井製糖株式会社)、水飴(ニポデックス25、株式会社ニッシ)およびキサンタンガム(スプーンゲルVIS−Y、三井製糖株式会社)を用意した。これらの原料はいずれも粉末の形態である。これらの原料を混合した。次に、当該混合物を44重量部の水と混合し、約50℃になるまで加温し、保温し、均一に混合して糖衣組成物を得た。
[製造例2]
パラチノース、水飴、キサンタンガム、及び寒天(スプーン寒天SAI−7、三井製糖株式会社)を用意した。これらの原料はいずれも粉末の形態である。これらの原料を混合した。次に、当該混合物を44重量部の水と混合し、約50℃になるまで加温し、保温し、均一に混合して糖衣組成物を得た。
[製造例3]
パラチノース、水飴、キサンタンガム、寒天、及び粉末パラチニットGSP(三井製糖株式会社)を用意した。これらの原料はいずれも粉末の形態である。これらの原料を混合した。次に、当該混合物を44重量部の水と混合し、約50℃になるまで加温し、保温し、均一に混合して糖衣組成物を得た。
【0039】
[参考例1〜3]
参考例1〜3の糖衣組成物を製造した。これらの原料配合を表2に示す。糖衣組成物の製造方法は、上記製造例1と同じである。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

ローカストビーンガム:スプーンゲルLBG−4、三井製糖株式会社
【実施例2】
【0042】
糖衣掛けドーナツの製造
【0043】
試験当日に販売されているイーストドーナツ(チョコレートリング又はストロベリーミルクリング、株式会社ダスキン)を買った。実施例1で製造した、製造例1〜3の糖衣組成物により、それぞれ当該ドーナツを被覆した。被覆は、ヘラを用いて、チョコレート又はストロベリーミルクにより糖衣されていない半面を覆うように行われた。この時、糖衣組成物の伸びを確認した。被覆後、クーリングコンベアーにより、15℃、湿度50%で25分間、糖衣組成物を乾燥させて、糖衣掛けドーナツを製造した。乾燥の後、当該糖衣掛けドーナツを包装した。当該包装は、ポリ容器で、当該糖衣掛けドーナツを密封することにより行われた。包装した当該糖衣掛けドーナツのいくつかを、冷凍庫において、−40℃で40分間冷凍した。当該冷凍ドーナツを、10℃で9時間かけて解凍した。
参考例1〜3の糖衣組成物により、上記と同様に糖衣掛けドーナツを製造した。
【実施例3】
【0044】
糖衣掛けドーナツの評価
【0045】
実施例2において製造した糖衣掛けドーナツについて、糖衣組成物の泣き、べとつき、剥がれ落ち、かさつき、しわ、つや、白さの各項目について評価を行った。評価結果を表3及び4に示す。
実施例2において製造した糖衣掛けドーナツのうち、冷凍及び解凍工程を経ていないものについての評価は糖衣掛けドーナツの製造後28℃で18時間保存した後に行われた。実施例2において製造した糖衣掛けドーナツのうち、冷凍及び解凍工程を経たものについての評価は、解凍後、28℃で18時間保存した後に行われた。
夫々のドーナツの上記評価時における写真を図1及び2に示す。図1において、製造例1〜3の糖衣組成物により被覆された糖衣掛けドーナツのうち、冷凍工程及び解凍工程を経ていないものを夫々製造例1(冷凍無し)〜製造例3(冷凍無し)と示し、冷凍工程及び解凍工程を経たものを夫々製造例1(冷凍)〜製造例3(冷凍)と示す。参考例1〜3のドーナツの写真を図2に示す。
評価結果を表3及び表4に示す。
「泣き」、「べとつき」、「剥がれ落ち」、「かさつき」、「しわ」の評価基準は以下のとおりである。◎:無い、○:ほとんど無い、△:ややあり、×:有り。これらの評価基準において、糖衣にとって、◎が最もよい。
「つや」、「白さ」、「伸び」の評価基準は以下のとおりである。◎:極めて良好、○:良好、△:やや不良、×:不良。
いずれの製造例においても、冷凍工程の有無にかかわらず、泣き、べとつき、剥がれ落ち、かさつき、しわは無かった。参考例1では、泣き、べとつきは無かった。参考例2では、泣き、べとつきはほとんど無かった。参考例3では、泣き、べとつきが有った。参考例1では、剥がれ落ちはほとんど無かった。参考例2及び3では、剥がれ落ちが有った。参考例1及び3では、かさつき及びしわは無かった。参考例2では、かさつきは無かったが、しわが有った。
つやについては、製造例1では、冷凍工程有り及び無しの両方において良好であった。寒天を含む製造例2及び3では、冷凍工程有り及び無しの両方において極めて良好であった。参考例1及び2では、良好であった。参考例3では、やや不良であった。
白さについては、製造例1及び2では、冷凍工程有り及び無しの両方において、良好であった。粉末パラチニットGSPを含む製造例3では、冷凍工程有り及び無しの両方において、極めて良好であった。参考例1及び2では良好であった。参考例3ではやや不良であった。
伸びについては、製造例1〜3の全てにおいて、その製造時に極めて良好であった。参考例1では不良であった。参考例2では良好であった。参考例3では極めて良好であった。
【0046】
【表3】

【0047】
【表4】

【実施例4】
【0048】
種々の増粘剤を含む糖衣組成物による結晶分散性の評価
【0049】
本実施例では、各種の増粘剤を含む糖衣組成物を製造し、そしてそれらの糖衣組成物の結晶分散性の評価を行った。これらの糖衣組成物の原料配合を表5に示す。表5に記載の原料はいずれも粉末の形態である。これらの原料を混合した。次に、これらの混合物を夫々、28重量部の水と混合し、約50℃になるまで加温し、保温し、均一に混合して糖衣組成物を得た。
次に、実施例2に記載の糖衣掛けドーナツの製造方法と同じように、上記糖衣組成物を用いて糖衣掛けドーナツを製造した。当該糖衣掛けドーナツは、実施例2に記載の冷凍及び解凍がされていない。
【0050】
【表5】

グアガム:スプーンゲルGU−100、三井製糖株式会社
アラビアガム:アラビックコールJP、三栄薬品貿易株式会社
κカラギーナンNa型:スプーンゲルNK−4T、三井製糖株式会社
λカラギーナン:スプーンゲルHMV、三井製糖株式会社
【0051】
夫々の糖衣掛けドーナツの写真を図3に示す。キサンタンガムを増粘剤として用いた場合、結晶分散性に優れ、すなわち、局所的な結晶の成長による白点の存在が糖衣組成物中に確認できなかった。キサンタンガム以外の増粘剤を含む場合、結晶粒が発生していた。
なお、いずれの増粘剤を用いた場合でも、糖衣組成物の「泣き」、「べとつき」、「剥がれ落ち」、「かさつき」及び「しわ」は無く、「伸び」が極めて良好であった。
【実施例5】
【0052】
寒天を含む糖衣組成物による艶の評価
【0053】
本実施例では、寒天を含む糖衣組成物及び寒天を含まない糖衣組成物を製造し、これらの糖衣組成物の艶を評価した。これらの糖衣組成物の原料配合を表6に示す。表6に記載の原料はいずれも粉末の形態である。これらの原料を混合した。次に、これらの混合物を夫々、44重量部の水と混合し、約50℃になるまで加温し、保温し、均一に混合して糖衣組成物を得た。
次に、実施例2に記載の糖衣掛けドーナツの製造方法と同じように、上記糖衣組成物を用いて糖衣掛けドーナツを製造した。当該糖衣掛けドーナツは、実施例3に記載の冷凍、解凍及び保存がされた。
【0054】
【表6】

【0055】
夫々のドーナツの写真を図4に示す。低温溶解性寒天を含む糖衣組成物の場合、低温溶解性寒天を含まない糖衣組成物の場合と比較して、艶よく仕上がることが確認された。
なお、いずれの場合も、糖衣組成物の「泣き」、「べとつき」、「剥がれ落ち」、「かさつき」及び「しわ」は無く、製造時の「伸び」が極めて良好であった。
【実施例6】
【0056】
粉末パラチニットGSPを含む糖衣組成物による白さの評価
【0057】
本実施例では、粉末パラチニットGSPを含む又は含まない糖衣組成物を製造し、これらの糖衣組成物の白さを評価した。これらの糖衣組成物の原料配合を表7に示す。表7に記載の原料はいずれも粉末の形態である。これらの原料を混合した。次に、これらの混合物を夫々、44重量部の水と混合し、約50℃になるまで加温し、保温し、均一に混合して糖衣組成物を得た。
次に、実施例2に記載の糖衣掛けドーナツの製造方法と同じように、上記糖衣組成物を用いて糖衣掛けドーナツを製造した。当該糖衣掛けドーナツは、実施例3に記載の冷凍、解凍及び保存がされた。
【0058】
【表7】

【0059】
夫々のドーナツの写真を図5に示す。粉末パラチニットGSPを含む糖衣組成物の場合、粉末パラチニットGSPを含まない糖衣組成物の場合と比較して、より白く仕上がることが確認された。
なお、いずれの場合も、糖衣組成物の「泣き」、「べとつき」、「剥がれ落ち」、「かさつき」及び「しわ」は無く、製造時の「伸び」が極めて良好であった。
【実施例7】
【0060】
糖衣掛けロールパンの製造
【0061】
以下の製造例4〜7の糖衣組成物を製造した。これらの糖衣組成物の原料配合を表8に示す。
[製造例4〜6]
パラチノース(粉末パラチノースICP、三井製糖株式会社)、水飴(ニポデックス25、株式会社ニッシ)およびローカストビーンガム(スプーンゲルLBG−4、三井製糖株式会社)を用意した。これらの原料はいずれも粉末の形態である。これらの原料を混合した。次に、当該混合物を28重量部の水と混合し、約50℃になるまで加温し、保温し、均一に混合して糖衣組成物を得た。
[製造例7]
パラチノース、水飴、キサンタンガム、及び寒天(スプーン寒天SAI−7、三井製糖株式会社)を用意した。これらの原料はいずれも粉末の形態である。これらの原料を混合した。次に、当該混合物を28重量部の水と混合し、約50℃になるまで加温し、保温し、均一に混合して糖衣組成物を得た。
【0062】
【表8】

【0063】
試験当日に販売されているロールパン(バターロール、山崎製パン株式会社)を買った。上記製造例4〜7の糖衣組成物により、それぞれ当該ドーナツを被覆した。被覆は、ヘラを用いて、ロールパンの上面を覆うように行われた。被覆後、クーリングコンベアーにより、15℃、湿度50%で25分間、糖衣組成物を乾燥させて、糖衣掛けロールパンを製造した。
上記参考例3の糖衣組成物により、同様に糖衣掛けロールパンを製造した。
【実施例8】
【0064】
糖衣掛けロールパンの評価
【0065】
実施例7において製造した糖衣掛けロールパンについて、実施例3と同様に、糖衣組成物の泣き、べとつき、剥がれ落ち、かさつき、しわ、つや、白さ、伸びの各項目について評価を行った。評価結果を表9に示す。当該糖衣掛けロールパンの評価は糖衣掛けロールパンの製造後、30℃で10時間保存後に行われた。
夫々のロールパンの上記評価時における写真を図6に示す。図6において、製造例4〜7及び参考例3の糖衣組成物により被覆された糖衣掛けロールパンは夫々製造例4〜製造例7及び参考例3と示されている。
いずれの製造例においても、泣き、べとつき、剥がれ落ち及びしわは無く、かさつきはほとんど無かった。参考例3では、泣き、べとつきが有った一方で、剥がれ落ち、かさつき及びしわは無かった。製造例4〜6ではつやが良好であり、製造例7ではつやが極めて良好であった。参考例3では、つやがやや不良であった。製造例4〜7では白さが良好であった。参考例3では、白さがやや不良であった。製造例4〜7では、伸びは良好であった。参考例3では伸びは極めて良好であった。製造例4、5及び7では、結晶粒の存在が確認された。製造例6及び参考例3では、結晶粒の存在は確認されなかった。
【0066】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソマルツロースを主原料とし、水飴及び増粘剤をさらに含む糖衣組成物。
【請求項2】
寒天をさらに含む、請求項1に記載の糖衣組成物。
【請求項3】
6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(以下、「1,6−GPS」とする)と1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(以下、「1,1−GPM」とする)とを含有するイソマルツロース還元物であって、1,6−GPSと1,1−GPMとの和に対して1,6−GPSを57重量%以上の量で含有する上記イソマルツロース還元物をさらに含む、請求項1又は2に記載の糖衣組成物。
【請求項4】
前記増粘剤が、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、グアガム、ジェランガム、タマリンド種子ガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン、アラビアガム又はそれらの組み合わせである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の糖衣組成物。
【請求項5】
水以外の原料の合計重量に対して、イソマルツロースを50〜95重量%、水飴(粉末換算)を4〜35重量%、及び増粘剤を0.002〜1.0重量%含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の糖衣組成物。
【請求項6】
前記糖衣組成物が粉末である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の糖衣組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の糖衣組成物により被覆されたベーカリー製品。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の糖衣組成物により被覆された冷凍ベーカリー製品。
【請求項9】
請求項8に記載の冷凍ベーカリー製品が解凍されてなるベーカリー製品。
【請求項10】
糖衣組成物により被覆されたベーカリー製品の製造方法であって、
イソマルツロースを主原料とし、水飴及び増粘剤をさらに含む糖衣組成物によりベーカリー製品を被覆する工程
を含む、前記製造方法。
【請求項11】
前記被覆する工程の後に、ベーカリー製品を冷凍する工程を含む、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記冷凍する工程の後に、ベーカリー製品を解凍する工程を含む、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記糖衣組成物が寒天をさらに含む、請求項10〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項14】
前記糖衣組成物が、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(以下、「1,6−GPS」とする)と1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(以下、「1,1−GPM」とする)とを含有するイソマルツロース還元物であって、1,6−GPSと1,1−GPMとの和に対して1,6−GPSを57重量%以上の量で含有する上記イソマルツロース還元物をさらに含む、請求項10〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項15】
前記増粘剤が、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、グアガム、ジェランガム、タマリンド種子ガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン、アラビアガム又はそれらの組み合わせである、請求項10〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項16】
糖衣組成物が、水以外の原料の合計重量に対して、イソマルツロースを50〜95重量%、水飴(粉末換算)を4〜35重量%、及び増粘剤を0.002〜1.0重量%含む、請求項10〜15のいずれか1項に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−120510(P2011−120510A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279764(P2009−279764)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(501190941)三井製糖株式会社 (52)
【Fターム(参考)】