説明

糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法

【課題】無症候キャリアーの段階で、将来の成人T細胞白血病ATL発症危険度と病型を予測する診断技術を提案する。
【解決手段】 固体支持体上に固定された複数のレクチンと、診断対象由来の病理サンプルの表面の糖鎖との結合測定に基づいて前記診断対象の将来の発症危険度・病態の予測を行う血液腫瘍診断方法であって、前記血液腫瘍診断が成人T細胞白血病の白血病とリンパ腫との病型診断を行うものであることを特徴とする糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、血液腫瘍診断技術に関し、特に、成人T細胞白血病(Adult T-cell Leukemia/Lymphopma)(本明細書、図面において「ATL」と表すことがある)の早期診断技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ATLは、乳児期に母乳を介してレトロウイルスであるヒトTリンパ球指向性ウイルス(本明細書、図面において「HTLV−1」と表すことがある)に感染した約5〜10%の人が40〜60年の歳月を経て発症する難治性の血液腫瘍である。現在有効な早期診断技術が開発されておらず、化学療法・生物製剤による治療の開始時期を見極めることが非常に困難なため、治癒率は他の白血病に比べて極めて低いとされている。
【0003】
ATLには四つの病型(くすぶり型、慢性型、白血病型、リンパ腫型)があり、特に白血病型とリンパ腫型は悪性度が高く、予後も極めて悪い。
【0004】
図1を用いてATL発症の分子機序を説明する。
【0005】
HTLV−1から産生されるガン遺伝子産物Taxは、免疫とストレスへの応答を制御する核内転写因子エヌエフカッパーB(NF-κB)(核内転写因子カッパビー(Nuclear Factor kappaB))を恒常的に活性化し、HTLV−1感染リンパ球の不死化をもたらす。その後、染色体DNAの変異が蓄積し、宿主細胞自身が持つNF-κB活性化リン酸化酵素NIKがマイクロRNA(miRNA)の作用で高発現となり、Taxに代わりHTLV−1由来のガン遺伝子産物HBZが細胞性免疫の活性を弱め、ATL細胞の増殖が容易な体内環境が形成されATLを発症する。
【0006】
なお、本明細書、図面において、HTLV−1から産生されるガン遺伝子産物Taxを単に「Tax」と表し、核内転写因子エヌエフカッパーB(NF-κB)(核内転写因子カッパビー(Nuclear Factor kappaB))を単に「NF-κB」と表すことがある。
【0007】
これまでの研究から細胞レベルでのATL発症機序の解明はかなり進んだが、個体レベル(HTLV−1キャリア)のATL発症危険度を早期に診断する技術が現時点で開発されていないことが大きな課題となっている。
【0008】
特に最近の知見で、悪性度の高いリンパ腫型では国際的な標準治療法として認知されているジドブジン/インターフェロン投与法(AZT/IFN法)はリンパ腫型には全く効果が無いため、mLSG15と呼ばれる化学療法を適応するが、現状では白血病型とリンパ腫型を早期に峻別する技術は無く治療成績改善の大きな障壁となっている。
【0009】
無症候キャリアーの段階での将来のATL発症危険度と病型を予測する診断技術の開発が強く望まれている。
【0010】
白血病/リンパ腫の病型診断としては、以下の3種類を組み合わせたものが標準的とされている
1)HE/MPO染色等を用いた腫瘍細胞の染色・顕微鏡観察による形態学的診断(例えば、特許文献1、2)、
2)細胞表面蛋白質に対する蛍光抗体を用いたフローサイトメトリー(FCM)による免疫表現型病型診断(例えば、特許文献3)、
3)染色体および遺伝子に対する核型/遺伝子診断(例えば、特許文献4)。
【0011】
しかし、この方法を用いても鑑別が困難な病型も少なくない。
【0012】
また、FCMや遺伝子診断設備のコスト、技術習得の難度、診断確定まで要する時間など改善が強く望まれている。
【0013】
近年、レクチンのような糖類結合因子を使用することに基づく分析方法が提案されており(例えば、特許文献5、6)、固体支持体(スライドガラス基盤)上に複数のレクチンを搭載したレクチンマイクロアレイを用いて細胞の状態を判別する方法も提案されている(特許文献7)。しかし、レクチンマイクロアレイを用いた診断方法を、無症候キャリアーの段階での将来のATL発症危険度、病型予測に適用する提案はされていなかった。
【0014】
非特許文献1は、本邦のHTLV−1キャリアー1218名を対象とした、2001〜2008年の7年間の追跡調査で、ATL発症の危険因子を調査したものである。全抹消リンパ球に対するHTLV−1感染細胞の比率が4%を超えるとATL発症のリスクが増すことが報告されている。しかし、この報告でもどのような細胞が白血病型もしくはリンパ腫型になるかについての明確な記述は無く、他のバイオマーカー(血中可溶性IL−2受容体、リンパ球形態、乳酸脱水素酵素)の値も病型との相関性は見いだせない。
【0015】
このように、従来の方法では、ATL発症リスクを定量的に示すものが抗原蛋白質、もしくはプロウイルスDNAに限定され、病型の判別も不可能であった。すなわち、従来、早期診断によるATLの病型予測は不可能であり、非特許文献1にあるように、各種治療法の成績と病型との関連性をレトロスペクティブに検討できるだけであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特許第2650217号公報
【特許文献2】特許第3271666号公報
【特許文献3】特許第3761861号公報
【特許文献4】特許第4088694号公報
【特許文献5】特開2008−29347号公報
【特許文献6】WO2004/533599A1公報
【特許文献6】WO2010/131641A1公報
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Human T-cell leukemia virus type I (HTLV-1) proviral load and disease progression in asymptomatic HTLV-1 carriers: a nationwide prospective study in Japan. Blood vol 116:1211-1219, 2010. Iwanaga M, Watanabe T, Utsunomiya A, Okayama A, Uchimaru K, Koh KR, Ogata M, Kikuchi H, Sagara Y, Uozumi K, Mochizuki M, Tsukasaki K, Saburi Y, Yamamura M, Tanaka J, Moriuchi Y, Hino S, Kamihira S, Yamaguchi K; Joint Study on Predisposing Factors of ATL Development investigators.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ATLは、急性期の病型(白血病型・リンパ腫型)によって治療法の治癒成績が異なるが、従来法であるフローサイトメトリー(FCM)による病型鑑別は不能で、患者の予後を考えた場合大きな問題となっている。
【0019】
また、細胞染色顕微鏡観察、フローサイトメトリー(FCM)、遺伝子診断を組み合わせた他の血液腫瘍と同様の診断方法によっても病型鑑別は不能であった。
【0020】
更に、上述の通り、既存の血液診断で白血病とリンパ腫との病型を正確に判定するには、コスト・技術・解析時間など、医療従事者に大きな負担が発生していた。
【0021】
そこで、この発明は、従来の診断法に替わる簡便かつ低コストで、自己免疫診断にも応用可能な血液腫瘍診断技術を提案することを目的にしている。
【0022】
特に、無症候キャリアーの段階で、将来のATL発症危険度と病型を予測する診断技術を提案すること、白血病とリンパ腫との病型診断をはじめとする血液検査分野における診断精度の飛躍的な向上を図ることを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
請求項1記載の発明は、
固体支持体上に固定された複数のレクチンと、診断対象由来の病理サンプルの表面の糖鎖との結合測定に基づいて前記診断対象の将来の発症危険度・病態の予測を行う血液腫瘍診断方法であって、
前記血液腫瘍診断が成人T細胞白血病の白血病とリンパ腫との病型診断を行うものであることを特徴とする糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法
である。
【0024】
請求項2記載の発明は、
前記病理サンプルが好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球からなる白血球の中のいずれか一種、又は、複数であることを特徴とする請求項1記載の糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法
である。
【0025】
請求項3記載の発明は、
前記白血球の細胞膜画分あるいはオルガネラ画分を用いることを特徴とする請求項2記載の糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法
である。
【0026】
請求項4記載の発明は、
前記細胞膜画分あるいはオルガネラ画分の糖鎖の発現状態を評価することを特徴とする請求項3記載の糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法
である。
【0027】
請求項5記載の発明は、
前記レクチンが、AAL、MAL-I、PHA(E)、DSA、ACG、LEL、Jacalin、ACA、WGA、SNA、SSA、TJA-I、NPA、GNA、HHL、Calsepa、RCA120、DSA、BPL、PWM、NPA、GNA、HHL、TxLC-I、ACG、LEL、EELの中の少なくとも2種類以上を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法
である。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、ATL細胞をバイオマーカーでリンパ腫型と白血病型に分けることができ、ATL発症前HTVL−1キャリアーの将来の発症危険度・病態の予測を非常に簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ATL発症の分子機序を説明する概略図。
【図2】実施例1で用いた6種類の試験サンプルの光学顕微鏡観察写真。
【図3】実施例1で用いた6種類の試験サンプルの細胞のNF-κB活性化の程度を免疫ブロット法(WB)で検討した結果を表す図。
【図4】実施例1で用いた6種類の試験サンプルの細胞のFACS解析によるCD4/CD25発現状態を表す図。
【図5】実施例1で用いた6種類の試験サンプルの細胞についての細胞形態とTax発現/NF-κB活性相関性、FACS非相関性との関係を表す図。
【図6】実施例1に使用したレクチンマイクロアレイに使用されている45種類のレクチンを表す図。
【図7】実施例1のレクチンマイクロアレイの測定結果の数値を規格化した結果を表す図。
【図8】実施例1のレクチンマイクロアレイとレクチンとの結合性の一覧。
【図9】実施例1のレクチンマイクロアレイの測定結果(数値)を元に多変量解析(主成分分析)した結果を表す図。
【図10】実施例1のレクチンマイクロアレイの測定結果(数値)を元に多変量解析(階層クラスター分析)した結果を表す図。
【図11】実施例1のレクチンマイクロアレイの測定結果(数値)を元に抽出されたレクチンを表す図。
【図12】実施例2で用いたATL臨床検体の光学顕微鏡観察写真。
【図13】実施例2で用いたATL臨床検体の細胞のNF-κB活性化の程度を免疫ブロット法(WB)で検討した結果を表す図。
【図14】実施例2のレクチンマイクロアレイの測定結果を数値化して表した図。
【図15】実施例2のレクチンマイクロアレイの測定結果(数値)を元に多変量解析(階層クラスター分析)した結果を表す図。
【図16】ATL患者リンパ球凍結検体についてのレクチンマイクロアレイの測定結果(数値)を元に多変量解析(階層クラスター分析)した結果を表す図。
【図17】ATL細胞及び非ATL細胞についてのレクチンマイクロアレイの測定結果(数値)を元に多変量解析(階層クラスター分析)した結果を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
この発明が提案する糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法は、固体支持体上に固定された複数の糖鎖結合性分子(レクチン)と、診断対象由来の病理サンプルの表面の糖鎖との結合測定に基づいて前記診断対象の将来の発症危険度・病態の予測を行うものである。
【0031】
すなわち、スライドガラスのような固体支持体上に2種類以上の糖鎖結合性分子(レクチン)を固定化したアレイを用い、診断対象由来の病理サンプル、例えば、ヒトの白血球が持つ糖鎖発現状態(糖鎖プロファイリング)の違いを計測することにより、前記診断対象の将来の発症危険度・病態の予測を行い、最適な治療法を選択することを可能にするものである。
【0032】
前記において、血液腫瘍診断は、成人T細胞白血病における、白血病とリンパ腫との病型診断を行うものである。
【0033】
固体支持体上に固定された複数の糖鎖結合性分子(レクチン)と、診断対象由来の病理サンプルの表面の糖鎖との結合測定を行い、ATL細胞表面の各糖鎖構造の多寡を定量化し、糖鎖プロファイルに基づき白血病、リンパ腫の細胞表面の糖鎖構造を把握し、白血病とリンパ腫との病型診断を行うものである。
【0034】
すなわち、本発明は、複数腫、例えば、45種類のレクチンが固体支持体上にアレイ状に搭載されているレクチンアレイを用い、診断対象由来の病理サンプルの表面の糖鎖との前記レクチン結合測定に基づいて前記診断対象の将来の発症危険度・病態の予測を行うものである。
【0035】
このように、本発明は、ATL細胞表面の各糖鎖構造の多寡を定量化し、糖鎖プロファイルに基づき白血病とリンパ腫との病型を瞬時に峻別する早期診断技術を提案するものである。
【0036】
レクチンアレイとは、固体支持体上に複数のレクチンを固定化し、反応させる糖鎖との結合測定を行うものである。固体支持体はガラス、プラスチック、金属等が用いられる。例えば、診断対象になっている細胞の持つ糖鎖を蛍光標識し、固体支持体に固定されたレクチンと反応させる。このときレクチンに結合した蛍光標識された細胞の蛍光強度が測定でき、その蛍光強度は蛍光標識された細胞の量に対応して増減する。測定された蛍光強度は数値化して扱うことができる。
【0037】
レクチンマイクロアレイは、糖鎖の構造をディジタルに完全決定するものではなく、レクチンのアフィニティー情報を介して糖鎖のバイオロジカルなエピトープ像を与えるものである。このことを指して、糖鎖のプロファイリングパターンを与えるということが多く、糖鎖のプロファイリングと呼ばれる。
【0038】
レクチンアレイを用いる本発明によれば、フローサイトメトリー(FCM)では殆ど差が見出せないATL細胞表面の糖鎖構造の差異を定量化し、ATL細胞個々の性格付けを明瞭に行うことができる。そこで、HTLV−1キャリアー末梢血中に存在するごく一部のHTLV−1感染細胞の糖鎖解析により、従来は不可能であったATL発症前キャリアーの予測的病型診断に適用するものである。
【0039】
ATLキャリアーおよび患者から採取した病理サンプル(例えば、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球からなる白血球の中のいずれか一種、又は、複数)の糖鎖プロファイリングをレクチンマイクロアレイで行い、病型毎の特徴化を行ったライブラリーを構築する。
【0040】
診断対象者(患者)から採取した病理サンプルの糖鎖プロファイリング・パターンをそれらライブラリーと比較することで、ATLの病型が容易に判別でき、最適な治療法の選択や予後の予測がより正確に行えることとなった。
【0041】
本発明の方法によれば、レクチンマイクロアレイは、FCMでは殆ど差が見出せないATL細胞表面の糖鎖構造の差異を定量化し、ATL細胞個々の性格付けを明瞭に行えるので、従来不可能であったATL発症前キャリアーの予測的病型診断をHTLV−1キャリアー末梢血中に存在するごく一部のHTLV−1感染細胞の糖鎖解析で行うことが出きる。
【0042】
本発明によれば、ATL細胞の糖鎖について複数のレクチン(例えば、45種のレクチン)でプロファイリングすることにより、病型を瞬時に診断することができる。
【0043】
本発明によれば、ATL発症リスクと病型予測を数値で表すことが可能になった。
【0044】
ATLの特に悪性度の高い二つの病型である、白血病型とリンパ腫型を早期に峻別する診断技術は従来存在しなかった。本願の発明者等が行った試験によれば、ATL細胞4例とも健常人Tリンパ球2例とは全く異なる糖鎖プロファイルを示し、さらにリンパ腫形成に関与すると予想される細胞凝集性に対応して系統クラスターを形成することが示された。この結果から、糖鎖プロファイルにより病型分類を行う本願発明を完成させたものである。
【0045】
以下、本発明の好ましい実施例について説明するが、本発明はかかる実施例及び上述した実施形態に限られることなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
【実施例1】
【0046】
糖質プロファイリングをATL病型診断へ応用できることを試験によって確認した。
【0047】
試験サンプルとして健常人由来CD3+、CD4+ヘルパーT細胞(PBL-M、PBL-I)2例、ATL細胞株(C8166、ED)2例、CD25+ATL患者末梢血(ATL4、ATL9)2例を用いた。
【0048】
光学顕微鏡観察では、PBLは細胞が均一で小さく、ATL細胞は株・患者由来細胞共に大型で、C8166、ATL4、ATL9の順で凝集の度合いが高く、EDは全く凝集を形成しない(図2)。ATL細胞は形態的に3グループ(高凝集型、微凝集型、分離型)に分類できることがわかった。
【0049】
次に、これら6例の細胞のNF-κB活性化の程度を免疫ブロット法(WB)で検討した(図3)。
【0050】
HTLV-1から産生されるガン遺伝子産物Taxの発現はC8166、ATL4、ATL9の順に発現量が多く、HTLV-1に感染していない健常人サンプルとEDでは発現が認められなかった。奇数レーンは細胞質分画(Cyt)、偶数レーンは核分画(Nuc)。
【0051】
I−κBは、NF-κB活性化の負の制御因子でNF-κB(p65)を細胞質に留める働きがある。NF-κB活性化のシグナルが強いとプロテオソームによる分解を受け、p65は核に移行して様々な遺伝子の転写を誘導する。
【0052】
PBLでは、I−κB が細胞質に明瞭な集積を見せ、1/10程度が核に移行している(レーン1〜4)。
【0053】
Taxが高発現しているC8166やATL4では、I−κB は細胞質・核いずれにも発現が無くNF-κBの強い活性化が示唆されp65は核への集積が見られた(レーン5、6、9、10)。
【0054】
一方、Taxの発現が低いもしくは無いATL9やEDではI−κB が細胞質に大量に集積し核には殆ど観察されなかったが、p65の核内集積も有意に観察された(レーン7、8、11、12)。
【0055】
次に、上述した6種類の試験サンプルの細胞についてフローサイトメーターを用いたフローサイトメトリー解析(FACS解析)を行って、CD4/CD25発現状態を把握し(図4)、細胞形態とTax発現/NF-κB活性相関性、FACS非相関性との関係をまとめた(図6)。
【0056】
以上の観察結果から、FACS解析によるCD4/CD25プロファイルは必ずしもATL細胞表面の状態を反映しないこと、また、傾向として、形態分化とTax発現/NF-κB活性に相関性があり、CD4+ヘルパーT細胞/CD25+ATL患者末梢血とは非相関であること、C8166とATL4はTax強発現で細胞凝集型、EDとATL9はTax微弱発現で細胞分散型と分類が可能で、前者はリンパ腫型、後者は白血病型に近い可能性が示唆された。
【0057】
実際共同研究者のマウス実験系でもC8166と極めて近いMT4株は腫瘤を形成しやすく、EDでは腫瘤が観察されないとの報告がある。
【0058】
以上の細胞学的特質を踏まえて前述した6例の細胞より細胞膜/オルガネラ画分を抽出し、レクチンマイクロアレイでレクチン45種類の量的変動を測定した。
【0059】
レクチンとは、糖鎖結合性たんぱく質(酵素や抗体を除く)の総称である。レクチンは一般的には、糖鎖の全体構造を認識するのではなく、数残基からなる糖鎖の部分的な構造を認識するものである。
【0060】
レクチンマイクロアレイは、特異的な糖鎖構造、シアル酸、アシアロフォーム、ガラクトース、アガラクトフォーム、フコース、マンノース、分岐構造、ラクトサミン、O−グリカンなど特異的な糖鎖構造を認識するレクチンをスライドグラス上に固定化したものである。
【0061】
レクチンの固定化には、エポキシ基などが良く用いられる。今回使用するレクチンアレイに用いられる45種類については、42種類が植物由来、2種類がカビ、1種類がカタツムリ由来で、それぞれが特異性の異なる糖鎖結合様式をとる。
【0062】
この実施例に用いたレクチンマイクロアレイ(LecChip(登録商標) ver.1.0(GPバイオサイエンス社)には45種類のレクチンがそれぞれ3スポットずつ固定化されている。使用した45種類のレクチンは図6に示されている。
【0063】
前述した6例の細胞より細胞膜/オルガネラ画分を抽出し、レクチンマイクロアレイでレクチン45種類の量的変動の測定は、以下(1)〜(4)の手順で行った。
【0064】
(1)細胞膜/オルガネラ画分の調製
PBSで洗浄した細胞ペレット106個以上をProteoExtract(登録商標)Subcellular Proteome Extraction Kit(Cat.539790, Merck社)を用いて、分画した。具体的な手順としては、細胞試料に、本キットのExtraction BufferI1mLとProtease Inhibitor Cocktail 5μLの混合液を加えて懸濁して、4℃のローテータでゆっくりと10分間反応させた。その後、1,000×gで10分間遠心して、上清を取り除いた沈殿に、本キットのExtraction BufferII1mLとProtease Inhibitor Cocktail 5μL の混合液を加えて懸濁して、4℃のローテータでゆっくりと30分間反応させた。これを、6,000×gで10分間遠心して、その上清(細胞膜/オルガネラ画分)を回収した。
【0065】
(2)タンパク質定量
Micro-BCA Protein Assay Kit(Cat.23235, Thermo SCIENTIFIC社)を用いてタンパク質を定量した。具体的には、96ウェルプレートに、検量線を作成する80、40、20、10、5、2.5、1.25、0.625μg/mLに調製したBSA、ブランクとするPBS、×1、×1/2、×1/4、×1/8、×1/16、×1/32、×1/64、×1/128に希釈した試料(細胞膜/オルガネラ画分)をそれぞれ100μLずつ調製し、これにMicro BCA Reagent A、Micro BCA Reagent B、Micro BCA Reagent Cを25:24:1の割合で調製した混合液100μLを加えて、2時間37℃で反応させ、562nmの吸光度を測定した。
【0066】
(3)蛍光(Cy3)標識
測定試料(細胞膜/オルガネラ画分)のタンパク質量1μgに対して、Cy3 Mono Reactive Dye Pack (Cat.PA23001, GE Healthcare社)のタンパク質100μg labeling量を混合し、室温、暗所で1時間反応させて標識し、Zeba(登録商標)Spin Desalting Columns, 7K MWCO(Cat.89882, Thermo SCIENTIFIC社)を用いて、未反応Cy3を除くことを行った。この脱塩カラムは、TBSでの洗浄を行ってから使用した。
【0067】
(4)レクチンマイクロアレイ(LecChip(登録商標) ver.1.0)の反応
(3)の工程で蛍光標識した試料をProbing Solution(GPバイオサイエンス社)で、2000、1000、500、250、125、62.5、31.25ng/mLに調製した。LecChip(登録商標) ver.1.0(GPバイオサイエンス社)の各ウェルをProbing Solutionで洗浄し、調製試料を100μLずつアプライし、20℃のシェーカー上でゆっくりと撹拌させながら17時間以上反応させた。
【0068】
(5)レクチンマイクロアレイの測定及び解析
(4)のレクチンマイクロアレイを洗浄せずにエバネッセンテント場励起型スキャナー(GlycoStation(登録商標) Reader 1200(GPバイオサイエンス社))で、液層にて、レクチンマイクロアレイの蛍光測定を行った。測定時の露光時間を199msecとして、カメラゲインは70, 80, 90 ,100, 110の各段階で測定し、GlycoStation(登録商標) Tools Pro ver.1.5(GPバイオサイエンス社)で数値化した。
【0069】
すなわち、各レクチンに対する蛍光強度を数値化し、得られた各レクチンの3スポットの数値データを平均したものをレクチンの示した蛍光強度とした。
【0070】
なお、ここでは、蛍光強度を次の手法で補正し、補正したデータを用いた。すなわち、久野、板倉ら(J. Proteomics Bioinform. Vol.1 68-72 (2008))の手法に従い、蛍光強度は適切な2つのゲインで測定したデータを統合し、高い方のゲインで測定したときに飽和しているシグナルを補正したデータを用いた。
【0071】
測定結果の数値について、全種類のスポットのシグナル平均値が基準値100となるように係数を算出し、他のすべてのシグナルにその係数を掛けることで規格化した結果を図7に表す。
【0072】
図7に表されているレクチンマイクロアレイとレクチンとの結合性を図8にまとめて表した。
【0073】
PBLは若干の例外を除いて極めてよく似た糖鎖発現プロファイルを示したが、ATL細胞4例は多様な発現様式を示した。具体的には以下のようであった。
【0074】
C8166では、PBLに比べ、AAL・MAL-I・PHA(E)・DSA・ACG・LEL・Jacalin・ACA・WGA9種類の有意な発現上昇が見られ、SNA・SSA・TJA-I・NPA・GNA・HHL・Calsepa7種類の有意な発現量低下がみられた。
【0075】
ATL4では、C8166からWGAを除いた8種類の発現上昇がみられ、発現低下はC8166と同じ7種類で観察されたが、(C8166より)α2,3-NeuAcに結合性のあるSNA・SSA・TJA-Iの低下が顕著であるという大きな特徴を示した。
【0076】
ATL9では、RCA120・PHA(E)・DSA・BPL・PWM・Jacalinの6種類が発現上昇し、NPA・GNA・HHL・TxLCI・EEL5種類の発現低下があり、EDではAAL・PHA(E)・DSA・ACG・LEL・Jacalin・WGA7種類の発現上昇、SNA・SSA・TJA-I・NPA・GNA・HHL・EEL7種類の発現低下が見られた。
【0077】
それぞれの数値を元にNIA Array Analysisにて多変量解析した結果を図9、図10に示す。図9は全サンプル間の解析を主成分分析(PCA)した結果を表す図である。図10は、全サンプル間の解析を階層クラスター分析(HCA)した結果を表す図である。
【0078】
図9に表されているように、主成分分析(PCA)では、PC1によって、PBL−M、PBL−I/ATL4/ATL9、C8166/EDに分けられ、PC2によって、PBL−M、PBL−I、ATL4、ED/ATL9/C8166に分けられるという結果になった。
【0079】
また、図10に表されているように、階層クラスター分析(HCA)では、PBL−M、PBL−I/ATL4、ATL9、C8166、EDに分けられるという結果になった。
【0080】
図10は、レクチンマイクロアレイと各検体の糖質類似性クラスターを表すものになるが、この実施例で説明したレクチンアレイプロファイルはATL検体を細胞凝集性とリンクしたものになった。
【0081】
主成分分析(PCA)のPC1とPC2の成分を以下の閾値で抽出し、PCのPositive、Negativeごとに抽出されたレクチンを表したものが図11である。
【0082】
閾値
Correlationは0.7以上または0.7以下
Fold-changeが2倍以上
なお、図11において、Feature IDはレクチン名、Correlationは相関係数、PCnumberはそれぞれのレクチンが属する主成分の番号、Directionはその成分の方向性を示し、各サンプル名の下の値はそれぞれのレクチンのシグナル値(前述した測定書結果の数値を常用対数に変換した数値)を示す。
【0083】
図11に示されたレクチンについて、それぞれが認識する主な糖鎖構造は以下の通りである。
【0084】
PC1 Negative(PBL−M,PBL−Iにおいて発現が高い)
PTLI: Gal, GalNAc認識レクチン。B抗原(Galα1-3(Fucα1-2)Galβ1-4GlcNAc)、A抗原(GalNAcα1-3(Fucα1-2)Galβ1-4GlcNAc)を認識する
GSL-II: GlcNAc認識レクチン。3,4本鎖に分岐したアガラクト末端をもつN結合型鎖を主に認識する
EEL: B抗原(Galα1-3(Fucα1-2)Galβ1-4GlcNAc)を主に認識するレクチン
UEAI: Fuc認識レクチン。H抗原typeII(Fucα1-2Galβ1-4GlcNAc)、Lewis y(Fucα1-2Galβ1-4(Fucα1-3)GlcNAc)、Lewis a(Galβ1-3(Fucα1-4)GlcNAc)等を主に認識する
GNA: Man認識レクチン。主にManを3〜6個程度持つN結合型糖鎖を認識する
SNA: NeuAc認識レクチン。NeuAc a2-6Gal構造を認識する
TJA-I: NeuAc認識レクチン。NeuAc a2-6Gal構造および硫酸化糖を認識する
GSLIB4: αGal認識レクチン。B抗原(Galα1-3(Fucα1-2)Gal)、Galα1-3Gal、Galα1-4Gal構造を認識する
SSA: NeuAc認識レクチン。NeuAc a2-6Gal構造を認識する
VVA: GalNAc認識レクチン。Tn抗原(GalNAcα-)等を主に認識する
HHL: Man認識レクチン。主にManを3個以上持つN結合型糖鎖を認識する
GSLIA4: GalNAc認識レクチン。Tn抗原(GalNAc a-)等を認識する。
【0085】
PC1 Positive(EDにおいて発現が高い)
Jacalin: Gal, O結合型糖鎖認識レクチン。Core3(GlcNAcβ1-3GalNAcα-)、sialyl-T抗原(NeuAcα2-3Galβ1-3GalNAcα-)、T抗原(Galβ1-3GalNAcα-)、Tn抗原(GalNAcα-)等を認識する
PHA(E): Bisecting GlcNAc(GlcNAcβ1-4Man)を主に認識する
DSA: 3,4本鎖に分岐したガラクト末端をもつN結合型糖鎖、ポリラクトサミン((Galβ1-4GlcNAc)n, n>=2 )を認識する
BPL: Gal認識レクチン。Gal末端構造(Gal b1-4GlcNAc)を持つN結合型糖鎖、Lewis x(Gal b1-4(Fuc a1-3)GlcNAc)、T抗原(Gal b1-3GalNAc)等を認識する
AAL: Fuc認識レクチン。sialyl Lewis x(NeuAcα2-3Galβ1-3(Fucα1-3)GlcNAc)、Lewis x(Galβ1-4(Fucα1-3)GlcNAc)、Lewis y(Fucα1-2Galβ1-4(Fucα1-3)GlcNAc)、H抗原typeII(Fucα1-2Galβ1-4GlcNAc)、Core Fucose(N結合型糖鎖のAsnに結合しているGlcNAc残基にα1-6結合したFuc)等を認識する
ACA: T抗原(Galβ1-3GalNAcα-)、sialyl-T抗原(NeuAcα2-3Galβ1-3GalNAcα-)等のO結合型糖鎖を認識するレクチン
MALI: NeuAc認識レクチン。NeuAc a2-3Gal構造を認識する。
【0086】
PC2 Negative(ATL9において発現が高い)
PWM: GlcNAc、Man認識レクチン。GlcNAc b1-4GlcNAcを主に認識する。
【0087】
以上の分析から、以下のことが認められた
1)PBL2例が非常に似通っている
2)C8166とATL4(上述したように、リンパ腫型に近い可能性が示唆されている)は、同一クラスターを形成する
3)Taxの発現が全くなく、細胞の凝集も起こさないED(上述したように、白血病型に近い可能性が示唆されている)は、他のATL細胞から最も距離があり、
4)微量のTax発現があり細胞凝集能はC8166・ATL4とEDの間に位置するATL9(上述したように、白血病型に近い可能性が示唆されている)は、距離的にもその中間に位置した。
【0088】
これらの結果から、形態分化とレクチンアレイによる糖質プロファイルは相関・定量性があること、レクチンマイクロアレイによるATL細胞の病理学的差異の検出が十分可能であることが確認できた。そして、この技術を用いてATLの早期病型診断技術を確立することが可能になった。
【実施例2】
【0089】
凍結保存した患者検体及び、リンパ球健常者リンパ球糖質のプロファイリングを行い、凍結保存されたATL臨床検体(ATL患者リンパ球凍結検体)をレクチンアレイ解析することによって病型ごとに異なる糖質プロファイルを検出できることを以下の試験によって確認した。
【0090】
試験サンプルとして実施例1で使用したものと同一の健常人由来CD3+、CD4+ヘルパーT細胞(PBL-M、PBL-I)2例と、凍結保存した患者検体7例(Patient#1(Chronic to Acute)、Patient#2(Acute)、Patient#3(Acute)、Patient#4(Chronic)、Patient#5(Acute)、Patient#8(Chronic)、Patient#11(Lympyhoma))を用いた。
【0091】
患者検体7例の中の6例(Patient#1、Patient#2、Patient#3、Patient#4、Patient#5、Patient#8)についての光学顕微鏡観察の結果は図12図示の通りであった。ATL臨床検体も細胞凝集性に明確な差異を確認することができた。
【0092】
これら6例の細胞のNF-κB活性化の程度を免疫ブロット法(WB)で検討した結果は図13図示の通りであった。
【0093】
実施例1で説明した方法と同様の方法にして、前述した9例の細胞より細胞膜/オルガネラ画分を抽出し、レクチンマイクロアレイでレクチン45種類の量的変動を測定し、実施例1で説明したものと同様の方法によって測定結果を数値化した。
【0094】
測定結果の数値について、全種類のスポットのシグナル平均値が基準値100となるように係数を算出し、他のすべてのシグナルにその係数を掛けることで規格化した結果を図14に表す。
【0095】
それぞれの数値を元にNIA Array Analysisにて多変量解析した結果を図15に示す。図15は、全サンプル間の解析を階層クラスター分析(HCA)した結果を表す図である。
【0096】
次に、上述した7例の患者検体とは異なる13例(Patient-O#11(Lymph node)、Patient-S#5(Acute)、Patient-O#5(Acute)、Patient-S#4(Acute)、Patient-S#2(Acute)、Patient-S#1(Acute)、Patient-O#12(Acute w Treatment) 、Patient-S#3(Lymph node PBL)、Patient-O#3(Acute)、Patient-O#2(Acute)、Patient-O#1(Chronic to Acute Transition)、Patient-O#8(Chronic)、Patient-O#4(Chronic))の凍結保存した患者検体と、実施例1で使用したものと同一の健常人由来CD3+、CD4+ヘルパーT細胞(PBL-M、PBL-I)2例とを用い、実施例1で行ったのと同様に、これらの細胞より細胞膜/オルガネラ画分を抽出し、レクチンマイクロアレイでレクチン45種類の量的変動を測定し、実施例1で説明したものと同様の方法によって測定結果を数値化し、全サンプル間の解析を階層クラスター分析(HCA)したところ図16図示の結果になった。
【0097】
また、ATL細胞及び、非ATL細胞について実施例1で行ったのと同様に、これらの細胞より細胞膜/オルガネラ画分を抽出し、レクチンマイクロアレイでレクチン45種類の量的変動を測定し、実施例1で説明したものと同様の方法によって測定結果を数値化し、全サンプル間の解析を階層クラスター分析(HCA)したところ図17図示の結果になった。
【0098】
図17はこの試験の結果を表す系統樹である。ただし、試験サンプルとして使用した健常人由来PBL2例(PBL-M、PBL-I)は、CD4+、CD25+制御性T細胞を用いた。ATL細胞は制御性T細胞と同じCD4+、CD25+マーカー発現細胞とされている。しかしながら糖質プロファイリングでは、ATL細胞と制御性T細胞は明瞭に異なる糖質プロファイルを示した。
【0099】
これらの結果から、白血病型リンパ球の形態分化とTax発現/NF-κB活性との相関性、糖質プロファイリングと病型分化・進展度との相関性、ATL患者リンパ球の糖質プロファイルがATL病型と細胞凝集性に相関する可能性があることなどが認められた。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法は全ての血液腫瘍診断に適応可能であり、本発明によれば、レクチンアレイにより、ATLに留まらず、ATL以外の血液腫瘍、自己免疫疾患などの診断、発症予測が可能になる。すなわち、健常人リンパ球の細胞種ごとの糖鎖プロファイルライブラリーを構築し、FCMより簡便・安価な診断システムの確立に道を開くものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体支持体上に固定された複数のレクチンと、診断対象由来の病理サンプルの表面の糖鎖との結合測定に基づいて前記診断対象の将来の発症危険度・病態の予測を行う血液腫瘍診断方法であって、
前記血液腫瘍診断が成人T細胞白血病の白血病とリンパ腫との病型診断を行うものであることを特徴とする糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法。
【請求項2】
前記病理サンプルが好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球からなる白血球の中のいずれか一種、又は、複数であることを特徴とする請求項1記載の糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法。
【請求項3】
前記白血球の細胞膜画分あるいはオルガネラ画分を用いることを特徴とする請求項2記載の糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法。
【請求項4】
前記細胞膜画分あるいはオルガネラ画分の糖鎖の発現状態を評価することを特徴とする請求項3記載の糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法。
【請求項5】
前記レクチンが、AAL、MAL-I、PHA(E)、DSA、ACG、LEL、Jacalin、ACA、WGA、SNA、SSA、TJA-I、NPA、GNA、HHL、Calsepa、RCA120、DSA、BPL、PWM、NPA、GNA、HHL、TxLC-I、ACG、LEL、EELの中の少なくとも2種類以上を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の糖質プロファイリングによる血液腫瘍診断方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2013−7742(P2013−7742A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−115461(P2012−115461)
【出願日】平成24年5月21日(2012.5.21)
【出願人】(304028726)国立大学法人 大分大学 (181)
【出願人】(509131742)株式会社GPバイオサイエンス (5)