説明

糞便を含む汚泥の処理装置と方法及び薄膜ユニット

【課題】最初に、糞便を含む汚泥を処理する装置を作ることである。その装置は、廃棄物を浄化し、糞便を含む汚泥を環境にできるだけ優しくものにする。第2に、廃水を浄化するための薄膜モジュールを使用可能にし、それによって、薄膜モジュールの維持に必要な点検時間を最小にすることにある。
【解決手段】汚泥と濾過水の分離のための糞便収容部(1)を有する、糞便を多量に含む生汚泥の処理のための装置(6)が提案されている。廃水を浄化するための薄膜ユニットは、薄膜モジュール(106)と、この薄膜モジュールの下部に洗浄室(105)を有する。洗浄室は空気入力部を有し、これによりクリーニングエアが薄膜モジュール(106)に注入され得る。薄膜モジュール(106)は、廃水供給部が備えられ、それには汚泥と透過水のそれぞれの放出口が接続されている。ふるい(108、110)は、薄膜モジュール(106)の全体に渡り均等にクリーニングエアを配分し、及び/又は廃水の供給口で搬送された大きな粒子をふるいが保持するために、洗浄室(105)と薄膜モジュール(106)との間に位置する。発明は、薄膜ユニット(103)を有する廃水浄化のための更なる装置について関係している。そして、発明は装置の操作方法についても触れている。それによって、容器の水位に関連して透過ポンプ(123)がコントロールされ、同時に透過ポンプ(123)がオン又はオフされ、そして装置は異なる透過量で操作され、及び/又は付加的な透過ポンプが動作し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糞便収容部を有する糞便含有汚泥の処理装置に関する。装置は、薄膜モジュールと、薄膜モジュールの下部に設置されている洗浄室とを包含する。洗浄室は、空気接続部が備えられており、これによって掃除用の空気が、薄膜モジュールの垂直に配列されたフィルタ外被(以後、“フィルタプレート”として参照する)に吹き込まれ得る。従って、薄膜モジュールは、廃水のための供給ラインと、汚泥及び透過水のための出口ラインを有する。加えて、本発明は、それに対応する薄膜ユニットを有することによる廃水の浄化と、装置の全体制御と、そのように記載された装置の操作方法を含んでいる。
【背景技術】
【0002】
健康と環境の世界的な保護に関する緊急な問題の一つは、廃水の収集と処理である。住民に確実に浄化したポータブル水を供給できることは、極めて重要である。しかしながら、経済的な理由から、全ての家庭が中央処理システムに接続できる訳ではない。それ故、そのような家庭の廃水は局所的に集められねばならない。或いは、糞便を含む物質のために設計された容器に結合させねばならない。廃水の浄化は、容器の中の固形物の沈殿により行われる。これらの糞便を含む汚泥の容器から流出する廃水は、簡単な開口した樋を介して収容タンクへと導くことができる。この方法で、危険な物質が高濃度に濃縮したものが、川や湖や海に連続して蓄積されることが阻止される。活性化汚泥(生汚泥)方法と一致する生物学上の廃水浄化は、頻繁に行われている。その水分と活性化汚泥の分離は、沈殿や濾過により、引き続いて実行することができる。超濾過システムを通して清浄にされた廃水は、より多くの用途に採用されるかも知れない。そこから集められる糞便を含む汚泥は、複雑な沈殿タンクから定期的に取り除かれなければならない。そして、徹底した浄化を受けなければならない。この浄化システムのために、糞便を含む物質用に設計された中央処理プラントが提供されねばならない。
【0003】
廃水の濾過のための薄膜モジュールの一実施の形態は、特許文献1によって知ることができる。そこに記載されている薄膜モジュールは、フィルタバッグを有しており、それらは搬送台の上に互いに隣接して立つように載置されている。濾過水収納室があり、その上に、フィルタバッグに対して横断して走る細孔により特徴付けられ、透過水の通過が可能な上部プレートが見られる。ここで、細孔は透過物を集合及び放出口設備へと導く。この種のフィルタは、流れている廃水から、細菌と固形物を取り除くための、超濾過用に設計され得る。この装置の欠点は、汚染された廃水の場合に、フィルタが急速に詰まってしまい、当初の機能を発揮できない点にある。薄膜モジュールは、このために、比較的膨大なメンテナンス時間を要することとなる。
【0004】
【特許文献1】欧州特許公開公報 EP1016449A2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、最初に、糞便を含む汚泥を処理する装置を作ることである。その装置は、廃棄物を浄化し、糞便を含む汚泥を環境にできるだけ優しくものにする。第2に、廃水を浄化するための薄膜モジュールを使用可能にし、それによって、薄膜モジュールの維持に必要な点検時間を最小にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的の一つ一つは、独立した請求項の特徴によって成し遂げられる。
【0007】
糞便を含む汚泥を処理するための本発明と一致する装置は、糞便収容部と、汚泥と濾過水を分離する装置と、を有する。装置は、それぞれ、水分が取り除かれた汚泥と濾過水とを収集する予備の緩衝容器を有する。濾過のための前記容器に続いて、曝気容器と第2の浄化タンクが設けられている。曝気容器内の濾過は、生物学的に行われ、環境に対する危険の程度は、できる限り低くされる。生物学的な処理段階における浄化により、CBS(酸素値)は、受水路に放出するために要求される値まで下がる。同様に、濾過は超濾過段階で起こり得る。そして、工業用原水として継続使用に導かれる。継続使用で消費される量は、ポータブルな家庭用水の需要をかなり減ずる。
【0008】
糞便を含む汚泥の処理装置の有利な設計は、従属項に示されている。
【0009】
廃水を浄化するための本発明と一致する薄膜ユニットは、薄膜モジュールと、薄膜モジュールの下部に位置する、空気が注入される洗浄室とを有する。これによって、集められた微粒子と汚泥から薄膜モジュールの表面が開放されることとなる。注入された空気は、この様に、薄膜モジュールのフィルタプレートを清浄にし、同時に、フィルタプレートに沿って流れている廃水の激流を引き起こす。前記廃水の激流は、汚染物及び汚泥微粒子がフィルタプレートに付着することを阻止する傾向にある。このような方法で、フィルタは、透過水がフィルタを自由に通過する状態に留まることとなる。このタスクのために、薄膜モジュールは、廃水供給に適する入口と汚泥及び透過水を取り除く手段を有している。この様に、廃水は、薄膜モジュール内で汚泥の部分と透過水の部分に分離する。透過水は、出口ラインにより薄膜モジュールから取り除かれる。一方、汚泥は、別個の除去手段により薄膜モジュールから遠くに導かれる。取り除かれた汚泥は、糞便を含む汚泥のための装置で引き続き処理される。
【0010】
発明に一致して、洗浄室と薄膜モジュールとの間には、空気を配分するためのふるいが備えられている。空気は、薄膜モジュールの洗浄動作が全薄膜表面に及ぶように、薄膜モジュールのふるいを通して配分される。薄膜モジュールは、結果として、フィルタプレートが汚泥で詰まらない間は、完全に機能する状態にある。もし、薄膜モジュール内に、追加或いは代替えとして他のふるいが備えられた場合、ここに多くの搬送物質が保留され、フィルタプレートの汚染の減少が達成される。空気の配分のための一つのふるいと、廃水供給の所へふるいが配列されることで、前記廃水は、フィルタプレートに沿って激流となって流れる。これにより、汚染微粒子が保留することを阻止する。
【0011】
特別な利点として、穴を開けた金属細片が、本発明と一致する、ふるいとして作用することが証明されている。穴を開けた金属細片、とりわけステンレスから成るものは、製作するのに簡単であり、空気と入ってくる廃水の十分な激流を可能にする。代替え品として、洗浄室と薄膜モジュールの間に網又は分離ふるいを置くことができる。同様に、廃水の入口に同じものを置くこともできる。そのようなふるいの構成は、空気と水の有利な流れを可能にする。そしてそれは、フィルタプレートの清浄を成し遂げる。
【0012】
もし廃水供給用のふるいが、空気の入口用に使われているふるいの上に置かれるなら、特別に好ましく流れが高められる。この様に、廃水の供給を増強し、フィルタプレートを横切る廃水の絶え間ない流れを有利に支持し、フィルタプレートを通る透過水の通過を助ける流れが得られる。
【0013】
もし廃水供給用のふるいが基本的に垂直に置かれ、空気の入口用のふるいが逆に多少水平に置かれるなら、第1に空気の配分が、第2に廃水供給の激流が著しく良く維持される。
【0014】
都合良く、薄膜ユニットは廃水内の細菌の酸素処理のための曝気装置である。この曝気装置によって、薄膜ユニットは活性汚泥容器内に置くことが可能であり、廃水処理のための完全なユニットとして動作することが可能である。そのような自己操作型の薄膜ユニットは、廃水を集めるグランドレベルの浄化装置に組み込むために調整される。これは既存の或いは新しい容器内に、又は高められたタンク内に設置することができる。通常のマルチチャンバ容器に設置することも同様に可能である。薄膜ユニットを備える単一容器にも同様に設置できる。後者は活性汚泥容器に移される。
【0015】
もし、曝気装置がエアホース内に開口部を有するなら、廃水は細かい空気の泡でチャージされる。その場合、曝気装置は簡単に形作られる。そして、例えば組立中に融通性があるなら、同じコンテナー、すなわち薄膜ユニットが設置されるべき廃水タンク又は容器の形に調和させることが可能である。
【0016】
もし、曝気装置に融通性がとき、曝気装置の薄膜ユニットに対する位置が直接に調整できるなら利点である。とりわけ、作業者がそれを都合良く薄膜ユニットに並べ、廃水タンク又は廃水容器内の局所的な状況で効果的であるように、曝気装置の回転又は延長が薦められる。
【0017】
都合良く、汚泥を取り除き得るために、洗浄室に開口部が備えられている。発明と一致して、ふるいは薄膜モジュールと洗浄室との間に設置されており、そこを通って、洗浄室に集められる汚泥が通過できるようになっている。この理由で、開口部を通って汚泥が廃水に再び循環され得るように、前記開口部が設けられている。開口部は、都合良く洗浄室の下端部に位置している。それによって、汚泥は、補助装置を追加することなしに、洗浄室から取り除くことができる。一般に、洗浄のための空気の注入は、汚泥が前記開口部を通過するのを十分に加速する。
【0018】
もし、薄膜ユニットが、搬送支持体に支持されているなら、高架されたタンク内や洞穴で必要不可欠な作業を強いることなく、薄膜ユニットを廃水容器に沈めて置くことができる。薄膜ユニットは、工場で搬送支持体に予め取り付けられ、続いて実際にある容器に設置される。もし、搬送支持体が、タンク、とりわけ地表面上の廃水容器に個々に挿入することによって、又は吊り下げることによって設置することが可能になっているならば、特に利点である。この場合、搬送支持体は、薄膜ユニットを廃水容器に関して最適に位置づける。特に廃水容器又は廃水タンクの壁にくくり付ける必要はない。薄膜ユニットを有する搬送支持体は、廃水容器又は廃水タンクに挿入することができる。
【0019】
薄膜ユニットを異なるタンク又は容器に適応させ得るために、搬送支持体が薄膜ユニットの高さを調整する装置を具備していると都合が良い。高さを調整して、薄膜ユニットを有する搬送支持体を吊り下げることによって、又は挿入することによって直立させると、薄膜ユニットは最適に位置付けされ得る。
【0020】
廃水浄化の発明に一致する装置は、廃水からきれいな透過水を生成し、廃水の固形物を取り除く薄膜ユニットを有する。透過ポンプは、薄膜ユニットの透過ラインに接続されている。このポンプは、薄膜ユニットから透過ラインを通して透過水を取り除き、これを出口フローラインを通して次の使用、すなわち家庭での有用な水として使用するためにポンプで吸い揚げる。浄化された廃水は、地下の透水層の質を高めるために、明らかに加えられても良い。廃水浄化のための発明されたプラントは、加えて制御システムを有する。それは、他の装置間で、ポンプの操作を統制する。発明に一致して、装置は、廃水供給のための少なくとも一つのタンクを有する。このタンクには、水位コントロールが備えられている。装置コントロールは、透過ポンプと前記水位コントロールと内部で接続されている。透過ポンプは、タンクの水位の状態に従って制御される。ここで、透過ポンプは、スイッチのオン・オフによる制御に対応し、異なった廃水の量が取り扱われる。前記制御は、もしあれば付加的な透過ポンプを動かすことも可能である。一般に廃水容器に沈められているタンク内の透過ポンプの制御により、薄膜ユニットが乾燥して薄膜ユニットのフィルタがダメージを受けないことが保証される。透過水の異なる量が、ポンプの調整により制御されているので、廃水が溢れ出ることは阻止される。加えて、或いは代替的に、レベルメータが廃水容器は過度に満たされたことを示したら、第二の透過ポンプを稼働しても良い。付加的なポンプの容量は、廃水容器が溢れ出ることを阻止する。
【0021】
全ての装置コントロールは、水位コントロールと接続されており、容器からの透過水の変化する配水量を制御する。このコントロールは、付加的な透過ポンプも動かし、システムの引き続く装置に透過水を配水する。このコントロールは、独立して動き、メンテナンスのために殆ど注意を要しない。発明した装置の本質的な利点は、プロセス制御のための透過ポンプの制御されたオン/オフスイッチングに単にあるわけではない。等価な又はより大きな利点は、透過ポンプを介する流量の統御、又は廃水容器内のレベルを望むレベルに保持する目的のための補助的な透過ポンプに分岐する流れの統御である。この手段によって、薄膜モジュールは故障から保護されて稼働し、結果として、メンテナンスに払う注意は少なくて済む。
【0022】
発明された装置の他の特別な利点は、要求により流量が最小となるように、調整できることにある。もう一度、薄膜モジュールは保護され得る。薄膜モジュールのフィルタプレートは、強いて廃水中の透過水を汚泥から分離し、フィルタの中身を通過するように、強度の圧力を受ける必要はない。それによって、望み通りの機能的なレベルで操作する装置の能力は、非常に長い期間、有効である。
【0023】
今までに認識されてなく、特に有利と見られるのは、装置が廃水及び大きな固形物のための下水だめとして意図された唯一の容器を有することである。発明された装置は、単一の容器内で有利に操作され得る。未加工の汚泥のために普通に設置されるマルチチャンバ容器は、生物学上の段階で廃水の浄化に先立って必要ではない。しかしながら、発明された装置は、前記マルチチャンバ容器の配列内においても操作することが可能である。
【0024】
マルチチャンバ装置が接続され、とりわけ最終の容器になっている容器は、有利に活性化汚泥を処理する。ここで発見される汚泥は、廃水の処理のための生細菌の活動に依存する。廃水の透過水は薄膜モジュール、すなわち薄膜ユニットによって汚泥から分離される。
【0025】
もし透過ラインに流量計が備えられており、装置制御システムに接続されていれば、透過ポンプの配水の割合が制御できることとなる。流量計は装置制御に信号を送り、装置制御はそれに従って、ポンプの配水を制御する。例えば、それらのデータを元に、透過ポンプが正しく動いているかどうかを決定することができる。更に、この信号は、薄膜ユニットが満足する浄化廃水のスループットを示しているかどうかのサインであり、メンテナンス注意が必要とされるか、又は浄化サイクルを始めるべきかどうかを決定する。
【0026】
装置の機能性の管理のための更なる手段は、透過ライン内にあるフィルタによって備えられる。透過ポンプの前方に都合良く設置されるフィルタは、もし、その流れが薄膜をさかのぼって漏れた残留物によって阻止されるなら、搬送される液体の量の減少の原因になる。この追加したフィルタによる阻止は、薄膜ユニットはもはや通常の効率では作用しない、例えば薄膜ユニット内のプレートフィルタが損傷している、という警告を与えることができる。詰まった透過フィルタは、スループットの量を減ずる。そのために、流量計は装置制御システムに低流量である信号を送るようになっている。
【0027】
もし、透過ポンプが自吸式ポンプならば特に好都合である。自吸式ポンプの能力は、もし容器が空の場合、又は透過ポンプが起動モードにある場合に、特別な操作上の手段を不要にする。たとえ、これがもっとも有利な方法でないにせよ、明らかに、装置は自吸式ポンプでなくても可動することができる。
【0028】
もし送風器が、薄膜モジュール及び/又は曝気装置の洗浄室の空気入口接続部と通じているなら、容器の活性化は微生物に適当な酸素を供給することで為される。これより優れて、洗浄室及び曝気装置が空気に晒されることにより、薄膜モジュールが浄化され、メンテナンスはかなり減じられることとなる。
【0029】
都合良く、水位測定装置は、浮きの原理に基づいて組み立てられている。容器内の廃水表面に位置する浮きは、制御システムに水位信号を送る。
【0030】
もし、ポンプの吐出量を高めるために、付加的な出口ラインが設けられているなら、特に好都合である。この補助的な出口ラインは、必要に応じて開閉され、透過水の多い又は少ない配水に応じて、透過ポンプを絞り込む。そのように配列された透過ポンプは、一定の回転速度で運転される。ここで、原理的には許容された放出口の流れの変化を通じて、透過ポンプの配水量は制御され得る。
【0031】
もし、付加的な出口フローラインが制御可能な開閉バルブを有しているなら、このバルブは、自動的に開閉、言い換えれば断面積に関係する流れによって制御される。
【0032】
出口フローラインに備えられ得る絞り弁によって、透過ポンプの配水が再び制御され得る。
【0033】
ポンプの配水率が必要なまでに達していない場合、又は配水の浄化が十分でない場合には、制御システムが警告信号を発するように決めることができる。装置から発せられるこの警告信号は、光又は音によって伝えることができる。しかしならが、信号の伝達は、例えば移動電話ネットワークによって行うことも可能である。その場合、適当な矯正手段を働かせることができる。例えば、それらの手段は、吸水の障害物を取り除くこと、警告を直接にメンテナンス職員に送ることを含む。
【0034】
廃水の浄化装置の操作に関する発明に一致する方法において、浄化装置は、すなわち薄膜ユニットと透過ポンプと装置制御システムとを有し、一つのタンク又は容器が活性容器として作動することが可能である。マルチチャンバが設置されている場合には、都合良く最後の容器をそのように変更することが可能である。しかしながら、単一の容器又は一つのタンクで発明した手続きを操作することも可能である。このタンク又は容器に、薄膜モジュールが透過水と活性化汚泥との分離のために挿入される。酸素と微生物の導入によって、廃水は生物学的に清浄化される。もし、超濾過薄膜が薄膜モジュール用に選ばれるなら、清浄化した透過水と汚泥との混合物を物理的に分離することができ、清浄化した流出液を透過ポンプで取り出すことが可能である。
【0035】
発明に一致して、透過ポンプの働きは容器の水位によって制御される。この関係において、透過ポンプは、スイッチがオン又はオフにされる。それは、異なるポンプ配水量で、及び/又は補助的な透過ポンプが、容器から大量の液体を吸い揚げるためである。それぞれの異なる流れは、薄膜ユニットが設置されている容器(又はタンク)を多かれ少なかれ速やかに空にする。容器の内容物の減少は、薄膜モジュールを特に保護する方法で実行される。もし、容器に入ってくる流量が少なすぎる場合、取り除かれる液体は少ない輸送率で行われる。この場合、薄膜ユニットのフィルタは、透過水のスループットはフィルタへの減じられた力と共に減ずるが、負荷が軽く明らかに寿命は伸びる。容器を最大まで満たすことが決定されれば、容器から大量の浄化した廃水を取り除く必要がある。これらの場合は、透過ポンプの配水量は増加し、及び/又は補助透過ポンプが稼働する。容器の液体の高さは、そのような状況では、急速に望むレベルに戻る。
【0036】
都合良く、発明した手続きに係る容器内の幾つかの水位が重要である。もし、透過ポンプが最初の水位で止まっているなら、薄膜ユニットは空ではなく、活性化汚泥容器は引き続いて十分な水に満たされることの保証を与える。この最初の水深レベルを超えたときのみ、透過ポンプは通常の配水量で稼働する。容器の第二のより高い水位になるまで、この動作条件は保持される。この第二のより高い水位を超えると、透過ポンプはより高い配水率で稼働する。ここで、透過水は容器から素早くポンプで揚げられる。操作上の努力は、最初の水位と第二のより高い水位との間で通常の条件を達成することである。これは、容器の活性化(生汚泥)のために、また薄膜ユニットのためには最も好ましいからである。前述の第二の水位の上に、第三の水位を設定することも可能である。この第三の水位では、容器から溢れ出ないように内部供給は止めるべきとの信号を発する。
【0037】
前述の第二のより高い水位を超えると、透過ポンプからの付加的な出口ラインが開き、浄化された廃水、すなわち透過水の配水量は増加され得る。このように、透過ポンプからの出口フローラインの変化により、配水量は変わるが、透過ポンプは常に同一の回転速度で動かすことが可能である。これは、透過ポンプからの前述の追加した出口ラインを絞ることにより為される。
【0038】
明らかに、配水される透過水の流れの制御は、限定的に調整した水位に制限される必要はない。ポンプ配水量の変化は、ステップレスに、或いは、細かい多数の水位の増加に合わせて変化させることも可能である。
【0039】
容器の曝気装置が水位と共に操作できるなら特に利点である。活性化汚泥容器は、わざと酸素が供給される。そして、浄化されるべき廃水を薄膜モジュールへと導く特別な作用を有している。ふるい付きの薄膜ユニットの場合、曝気装置により更なる作用がもたらされる。それは、ふるいは搬送される固形物によって詰まらないこと、扱われる廃水の激流によって浄化された状態を保つことである。曝気装置は、薄膜ユニットの浄化のための細菌への酸素の供給と共に作用する。この作用によって、薄膜ユニットはメンテナンスに注意を払う必要が度々少なくなる。
【0040】
もし、薄膜ユニットのために、浄化するための空気の注入が、水位信号によって操作されたなら、とりわけ、容器の内容物が低いレベルにある場合、ここで、透過ポンプは止まっているが、この空気はフィルタプレートが作動できる状態に留まるために薄膜ユニットを引き続き浄化することが可能である。
【0041】
もし、曝気装置が休止と共に断続的に操作されるなら、再び薄膜ユニットの連続的な浄化及び酸素の供給の継続が維持され得る。
【0042】
もし、装置の機能が流量計により管理されているなら、例えば、薄膜ユニット又は透過ラインのコントロールフィルタが詰まっているか、損傷を受けているかが容易に決定される。とりわけ、薄膜ユニットが欠陥のあるフィルタプレートを有している場合、透過ラインの汚染が生じ、及び/又は浄化した廃水に汚染が現れる。もし、安全フィルタが透過ラインに設置されているなら、これは直ぐに詰まり透過ラインの流れが減少する。流量計は、これを登録し、装置コントロールに対応する信号を送る。すなわち、欠陥を知らせることが可能である。
【0043】
装置に障害があったときに警告信号が作動すれば特に良い。例えば、警告信号は、問題点を取り除くためのメンテナンスサービスを要求しながら、移動電話によって送信できる。更に、そのような場合に、ラインを閉ざすことができる。又は、装置がフェラーモードを生じ、装置自身が欠陥を正すよう試みることができる。
【0044】
そのような欠陥の自己修正に関しては、もし浄化プログラムが開始すれば都合が良い。浄化プログラムは、この操作では有利な方法で作動し、透過ポンプ及び/又は曝気装置及び/又は空気が断続的に操作される。このようにして、塞がれたふるい又は詰まったフィルタプレートが、再び使用できるようにされる。
【0045】
特に、前記浄化プログラムが成功へ導かない場合は、透過ポンプ及び/又は曝気装置及び/又は空気は少なくとも一時的に閉じられる。このようにして、ダメージの状況が拡大しないようにすることができる。特に、曝気装置は、活性化汚泥に酸素が供給されている場合、少なくとも使用可能な状態にされる。
【0046】
圧力測定手段、酸素測定手段、浄化度測定手段、又は透過水の混濁度測定手段を備えて装置の機能が管理されるなら特に良い。これらの測定手段は、これらのパラメータのどの一つの変更であっても、装置の機能に欠陥ができたことを直接に、又は間接に示すので、浄化装置の正しい操作条件を制御すること関して、特に効果的であるように特徴付けられている。
【0047】
混濁度の測定は、透過ラインに設置される透明ガラスを介して行われるなら、価値がある。例えば、透明ガラスは、サービスマンによってモニタされ得る。代替として、混濁度の測定は測光システムにより実行しても良い。それによって、再び限定した欠陥が発見される。
【0048】
浄化度の測定がCSB測定法(酸素が要求される)により正確に実行されるなら、特に大切である。透過水の汚染はこの方法により特に正確に決定され得る。
【発明の効果】
【0049】
最初に、糞便を含む汚泥を処理する装置が提供できる。その装置は、廃棄物を浄化し、糞便を含む汚泥を環境にできるだけ優しいものである。第2に、廃水を浄化するための薄膜モジュールを使用可能にし、それによって、薄膜モジュールの維持に必要な点検時間を最小にすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
図1に、糞便を含む汚泥の処理装置の概略を示す。様々な接続とプロセスユニットを含んでいる。糞便汚泥収容部1においては、家庭及び工場の廃水、雨水、汚泥が集められる。それらの物質は、地表面上の糞便容器に廃水として送られてくる。糞便を含む汚泥には、他の不純物も含まれている。例えば、ぼろ着れ、衛生上の物品、木片、石、それらに類するものである。ポンプや廃水ユニットなどの引き続く装置の機能が、引き続くプロセスで損傷を受けないように、これらの固形物は、粗物質掃除部2で糞便が中心の汚泥から取り除かれる。粗物質3は、例えば、引き続き環境に優しい埋め立て式のゴミ処理場または焼却炉で処分される。
【0051】
分離した糞便4は、重固形物質除去部2で分離され、糞便収集部5に送られる。しかし、この機械的に掃除された糞便汚泥は、かなりの廃水を含んでいる。このため、この糞便混合物は、汚泥脱水処理部6に送られる。この脱水処理部6によって、糞便搬送ライン4に未だ保持されている固形物8と、透過水として現れる液体成分9とに分離される。例えば、汚泥の脱水は、ウォーム圧搾機により実行される。このウォーム圧搾機では、汚泥はウォーム搬送機の圧力が増加することによって連続的に脱水される。脱水の結果として、汚泥の固体物9は、ぱんくずのような密度を持ち、重固形物3と同様に、埋め立て式のゴミ処理場又は焼却炉へ運ばれる。残留物が構成される可能性があり、それ故に付加的な経済上の利点が実現する。
【0052】
ライン8を介して汚泥が取り除かれることは別にして、汚泥脱水ユニット6から、第二のラインが濾過水9を運び去る。濾過水9はタンク10にもう一度集められる。必要に応じて、濾過水9は濾過水収集タンク10から取り出され、曝気容器11に導かれる。前記曝気容器11では、濾過水9の固体の残留物が消毒される。すなわち、調整された仮の浄化水は生物学的に処理される。
【0053】
曝気容器11の活性化汚泥の混合物は、第二浄化器12に流れ込む。ここで、沈殿作用により、浄化水から重い汚泥が分離する。第二浄化器12の表面には、高度に浄化された廃水が逆流によってメインのチャネルラインへ流れる。底の部分からは、沈殿した濃縮汚泥14が曝気装置11、又は糞便収集タンク5へ戻される。
【0054】
第二浄化器12から取り除かれる廃水が主要部へ導かれる前に、フィルタ13を通過する。フィルタ13は、通常の布フィルタであり、ここではフェルトの織物をドラムに張り伸ばしたものである。残留固体微粒子は、浄化された廃水から大幅に取り除かれる。この濾過汚泥14は、糞便収集部5へ戻され、汚泥脱水ユニット6内で容器7に戻される。他の可能性は、濾過汚泥が、活性化汚泥容器11に導かれる。
【0055】
ここで述べた処理を別にして、薄膜ユニットによりフィルタの浄化を実行することが可能である。この場合、図2に示したように、薄膜ユニットはマルチチャンバ容器に設置される。更に、フィルタの浄化が薄膜ユニットを備えた単一の容器で行われる。
【0056】
第二浄化器12には、搬送された汚泥の除去ユニット15と、懸濁物質の保留装置16が設置されている。これらの装置は、汚泥レベルが増加し水力が増加したとき、汚泥が除去主要部へ流入することを防ぐ。言い換えれば、第二浄化器12では、全ての汚泥及び重い物質は、活性化汚泥と水の混合物から取り除かれる。これにより、できるだけ有害な物質がない廃水の生産が保証される。
【0057】
図2に、分散浄化システムのマルチチャンバ容器101を概略的に示す。ここで示されているものは、例えば、廃水を集めるために以前から使用されているマルチチャンバ容器101である。入口ライン102によって、廃水はマルチチャンバ容器の最初の容器に入る。ここで、最初の容器は、粗い汚泥成分を沈殿させるために作用する。例えば、入口パイプによって、粗い汚泥を担っている廃水は、沈殿及び緩衝手段として作用する2番目の中央容器に流れ込む。この容器では、付加的な重い汚泥は沈殿することが許される。沈殿した汚泥は容器から定期的に取り除かれねばならない。そして、糞便汚泥処理用の装置で処理され得る。再び、例えば、水面化の入口パイプによって、十分に浄化された廃水が最終容器に入る。最終容器は、超濾過を備える生物学的な段階として役立ち得る。これは、以前の最終容器の使用とは逆に為される。この目的のため、最終の容器には、本発明の薄膜ユニット103と浮き104が具備されている。薄膜ユニット103と浮き104は最終容器に設置され、これにより使用可能なマルチチャンバ容器101は更に使用に付される。ここで、汚染された微粒子と栄養のある物質を含む廃水は、空気供給のもとで、不活性化されバイオマスに変換される。薄膜ユニットは、浄化された廃水を活性化汚泥から分離する。浮き104は、最終容器の液体の高さを決定するために働くが、これは薄膜ユニット103の操作に必要である。
【0058】
薄膜ユニット103は、基本的に洗浄室105と薄膜モジュール106とを有する。洗浄室105には、要求に応じて、エアライン107によって空気が吹き付けられる。この空気は、洗浄室106を通って薄膜モジュール106へと流れる。洗浄室105と薄膜モジュール106とは、ふるい108によって互いに分離している。未処理の廃水は、ふるいの上の薄膜モジュール106の下部から薄膜モジュールに入る。そして、空気によって薄膜モジュール106を上昇せしめられ、内部に設置してあるフィルタの助けを得て洗浄作用を受ける。薄膜モジュール106の上端部で、汚泥は薄膜モジュール106から追い出される。そして、容器内で再び見つけられる。同時に一方では、フィルタを通過した浄化された廃水は、透過ライン109を通して容器から出る。薄膜モジュール106の下端部で未だ浄化されていない廃水の吸引収集のために、搬送される粗粒子から汚染廃水を掃除する付加的なふるいが具備されている。それ故、薄膜モジュールのフィルタは極度に汚染物によって詰まることはない。空気は、掃除囲い105によって薄膜モジュール106内を通って流れ、個々のフィルタを洗浄するが、特別に激流がフィルタ表面に沿って移動し、これによってフィルタの表面に汚染微片が付着することを防ぐ。
【0059】
汚染物は、ふるい108を通って洗浄室105に入り得るが、洗浄室105の下部の開口部を介して取り除き得る。この動作により洗浄室105の詰まりが防止される。
【0060】
マルチチャンバ容器101の最後の容器は、活性化汚泥容器として動作するように設計されている。微生物を酸素と共に供給するために、曝気装置111が薄膜ユニット103の付属物として製作されている。曝気装置111は、通風ライン112を通して酸素を配給し、薄膜ユニット103に対して適切に配列することで酸素は活性化容器に供給され、ふるい110の前面で激流が生成される。このふるい110の前方での廃水の激流は、ふるい110に汚染粒子が付着しない作用を生み出し、結果として詰まることがない。薄膜ユニット103のメンテナンスは、このために非常に減じられる。何故なら、基本的に自己洗浄型として設計されているからである。
【0061】
図3は、薄膜ユニット103の概略図を示す。洗浄室105は、薄膜モジュール106と結ばれているように示されている。洗浄室105と薄膜モジュール106との間に、ふるい108が置かれており、これを通して空気が、ライン107を介して洗浄室105に絶え間なく供給され、薄膜モジュール106に流れ入る。薄膜モジュール106に空気が入るので、廃水も、ふるい110を介して薄膜モジュール106に流れ込む。ふるい108は、薄膜モジュール106の全部を横切って流れる空気を分配し、薄膜モジュール106に流れ込む廃水に激流を形成するように振る舞う。激流は、非常に概略的に示したフィルタプレート106が絶え間なく粘着質の汚染物から洗浄されるように振る舞う。従って、浄化された廃水に対しては透過可能な状態に留まる。ふるい110により、廃水中に見つかる大きな汚染物は、結果として、薄膜モジュール106から取り除かれる。原理的に細かい汚染物は、フィルタプレート113に固着するのが阻止される。フィルタプレート113は、ここで図示しているようには設計されていない。フィルタプレート113を有する薄膜モジュール106のより厳密なレイアウトは、特許文献1に見出せる。しかしながら、明らかに、他に設計した薄膜モジュール106も本発明で採用することができる。
【0062】
ふるい108を介して再び洗浄室105に入った汚染物を取り除くために、洗浄室はその下端部に開口部114を有している。汚染物は、これらの開口部114を通して洗浄室105から洗い出されるので、洗浄室105及びふるい108は塞がれ得ない。
【0063】
汚泥は、薄膜モジュール106の廃水側に留まる間、浄化された廃水が、そこを通る透過水として染み出すことができる。保持された汚泥は、薄膜モジュール106の上部開口部115を通して取り出すことができる。浄化された廃水は、薄膜モジュール106から透過ライン109への放出口を見つけ、こうして容器から出る。
【0064】
本発明の設計では、曝気装置111は薄膜ユニット103の一部として製作されている。曝気装置111は、エアライン112に接続されている。接続部116は、曝気装置111の洗浄室105及び薄膜モジュールに対する位置を変えることを可能にする。このようにして、曝気装置111は、その長さを変えることができる。ここで、ふるい110は、対応する曝気装置の位置によって泡に晒されるが、この方法により、搬送された粘着質の物資は、ふるい110から取り除かれる。曝気装置111は、最初に汚泥活性化容器に酸素を運ぶ役割を有するが、薄膜ユニット103の自己浄化という二次的な機能をも有する。付加的な曝気装置を容器内に設置することは可能である。
【0065】
薄膜ユニット103は、搬送用の枠組み117に取り付けられている。これは、容器又はタンク内で吊架することで支持され得る。もし望むなら、位置を変えて高さが調整できる。メンテナンスの目的で、薄膜ユニット103は、容器の外に完全に持ち上げることができる。この組立方法により、容器を再び備え付けることは可能である。ここで示した実施の形態では、搬送用の枠組み117は、容器内で薄膜ユニットを吊架するために備えられているが、これに替わり、容器内に設置できる脚部付きの搬送支持体を備えることが可能である。
【0066】
図4は、本発明の装置がどのように作動するかを、再び概略的に示したものである。一つのタンク又は容器101’内に、洗浄室105と薄膜モジュール106とを備えた薄膜ユニット103が示されている。容易101’内には、容器101’内の廃水のレベルを示す浮き104をも見られる。送風器120とクリーニングエア107により、空気が洗浄囲いに吹き込まれる。曝気装置111は、送風器121とエアライン112とから、空気を受け取る。浄化された廃水は、透過ポンプ123により、透過ライン109及びフィルタ122を介して吸引によって取り除かれる。透過ポンプ123のライン内の透過水は、出口ライン124と流量計125を介して吸い出される。流出ライン124にはバルブ126が備えられており、それにより出力ライン124の流路を変えることができる。出口ライン124と並行に他の出口ライン127が備えられている。典型的なバイパスの配管内に別のバルブ128を具備している。出口ライン127及び/又はバルブ126、128は、ある一定量の流量を確保するために必要に応じて多かれ少なかれ開かれる。流路の変化と、それに加えてポンプ123の配水量により、容器101’の水位が調整される。もし水位が高すぎる場合は、ポンプ123の配水量は増加する。何故なら、出口ライン124に付加された出口ライン127が、例えば開かれるからである。もし水位が低すぎる場合は、ポンプ123の配水量を少なくするために、出口ライン127は塞がれ、バルブ126、128は一方若しくは両方が絞られる。ポンプ123は、通常一定の回転速度で運転することが可能である。流量それ自体は、いわば出口ライン124、127の断面積によって決まる。
【0067】
コントロール130は、本発明の装置を管理し制御する。浮き104がコントロール130に報告した水位に応じて、ポンプ123はオン/オフの位置の間で変化する。もし浮き104が、水位S1に達したことを決定したなら、ポンプの動作は止められる。水位S2では、より多くの透過水が容器から吸い出され、放出口管124、127は断面積が増加される又は開かれる、という信号が与えられる。開かれたバルブ126、128を介して、ポンプ123の配水量は増加し、より多くの透過水が容器101’から吸い出される。送られる透過水の増加に関して、付加的な透過ポンプが準備され得る。
【0068】
水位はまた、クリーニングエアと曝気装置の空気の供給を制御する。送風器120と121は、それに応じてオン/オフされる。クリーニング動作では、これらの送風器はポンプとは無関係に動く。送風器121は、活性化容器101’に酸素を供給する。一方、送風器120は、洗浄室105と薄膜モジュール106にクリーニングエアを送り込む。このようにして、廃水の薄膜モジュール106を通しての移動が為される。特に、水位が低く透過水が吸い出されていない場合、活性化容器に絶え間なく酸素を供給し、薄膜モジュール106又はそのフィルタに汚染物が堆積しないように、送風器120、121を断続的に運転することは可能である。
【0069】
障害の限定のために流量計125とフィルタ122が備えられている。例えば、もし薄膜モジュール106が損傷を受けたら、結果として汚染された廃水が透過ライン109に浸透し、フィルタはたちまち詰まってしまう。若しくは、少なくとも通過流量は明らかに減じられる。流量計125により、信号がコントローラ130に送られ、コントローラ130は、障害信号を送信部131に送る。そして、送信部131は、そのことを例えば、メンテナンス者に知らせる。更に、コントロール130は障害プログラムをリリースする。ここで、薄膜モジュール106のフィルタの間欠洗浄が最初に試みられる。これでうまく行かなかったら、次のステップ、つまり実際のメンテナンス作業が行われなければならない。信号送信部131は、適切な信号を無線で、または移動電話網で、若しくは固定電話網で、適切な中央メンテナンスステーションに報知することができる。更に、明らかに他の方法でも可能である。例えば、容器101’への供給を止めることができる。又は音響若しくは光学信号を生成して送ることもできる。
【0070】
本発明は、ここで示した実施の形態に限定されない。個々の実施の形態の組み合わせも同様に可能である。特に、薄膜装置の中で、クリーニングエアライン107と通風ライン112のような様々なラインを共通の送風器に接続しても良い。107と112の2つのラインの制御は追加のバルブにより実行することができる。そのバルブは、コントロール130の制御の元に置くことができる。流量計125の替わりに、障害の限定のための測定システムを持ってくることも可能である。フィルタ122が代用されても良い。浮きの替わりに、明らかに、水位を決定するための他の測定システムを用いることができる。請求項に記載した範囲内での変更はいつでも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の糞便が混ざった汚泥の処理装置の概略構成図である。
【図2】本発明の廃水浄化装置の概略構成図である。
【図3】本発明の薄膜ユニットである。
【図4】本発明の廃水浄化装置の制御の概略図である。
【符号の説明】
【0072】
1 糞便汚泥収容部
2 重固形物質除去部
3 粗物質
4 糞便
5 糞便収集部
6 汚泥脱水処理部
7 容器
8 固形物
9 液体成分
10 濾過水収集タンク
11 曝気装置
12 第2浄化器
13 フィルタ
14 濃縮汚泥
15 汚泥除去ユニット
16 懸濁物質保留装置
101 マルチチャンバ容器
101’ 容器
102 入口ライン
103 薄膜ユニット
104 浮き
105 洗浄室
106 薄膜モジュール
107 エアライン
108 ふるい
109 透過ライン
110 ふるい
111 曝気装置
112 エアライン
113 フィルタプレート
114 開口部
115 上部開口部
116 接続部
117 搬送用の枠組み
120、121 送風器
122 フィルタ
123 透過ポンプ
124 流出ライン
125 流量計
126 バルブ
127 出口ライン
128 バルブ
130 コントロール
131 送信部
1、S2 水位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糞便収容部(1)を有し、糞便含有汚泥を処理する装置であって、汚泥と濾過水とを分離する装置が主装置(6)内に設けてあることを特徴とする糞便含有汚泥処理装置。
【請求項2】
前記主装置(6)には、透過水と脱水汚泥を収集する容器(7、10)が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の糞便含有汚泥処理装置。
【請求項3】
前記濾過水容器(10)に後続して、生物学的廃水浄化システムが設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の糞便含有汚泥処理装置。
【請求項4】
前記生物学的廃水浄化システムは、曝気容器(11)と第2の浄化容器(12)を有することを特徴とする請求項3に記載の糞便含有汚泥処理装置。
【請求項5】
前記第2の浄化容器(12)は、一般の主導管へ接続するための放水接続部を有することを特徴とする請求項4に記載の糞便含有汚泥処理装置。
【請求項6】
前記第2の浄化器(12)と前記曝気容器(11)との間には、濃縮された汚泥の輸送のための接続部が、前記第2の浄化器(12)からの放出口として、及び前記曝気容器(11)への入口として、設置されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の糞便含有汚泥処理装置。
【請求項7】
前記第2の浄化器(12)内に、搬送汚泥の除去システム(15)が配置されていることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の糞便含有汚泥処理装置。
【請求項8】
前記第2の浄化器(12)内に、浮遊廃物の拘束手段(16)が配置されていることを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載の糞便含有汚泥処理装置。
【請求項9】
前記第2の浄化器(12)には、前記主導管への放出口の前に廃水濾過ユニット(13)が設置されていることを特徴とする請求項4〜8の何れか1項に記載の糞便含有汚泥処理装置。
【請求項10】
前記第2の浄化器(12)、前記廃水濾過ユニット(13)、及び前記糞便収容部(1)又は糞便収集タンク(5)の間に、前記第2の浄化器(12)からの第2の汚泥(14)を搬送するために、及び廃水フィルタ(13)から汚泥を前記糞便収容部(1)又は前記糞便収集タンク(5)へ搬入するために、それぞれ接続部が設けてあることを特徴する請求項4〜9の何れか1項に記載の糞便含有汚泥処理装置。
【請求項11】
前記主装置(6)は、汚泥(8)と濾過水(9)とを分離するウォーム圧搾機であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の糞便含有汚泥処理装置。
【請求項12】
前記糞便収容部(1)には、粗固形物から糞便含有汚泥を分離する装置(2)が設置されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の糞便含有汚泥処理装置。
【請求項13】
薄膜モジュール(106)と該薄膜モジュール(106)の下部に設置された洗浄室(105)とを、クリーニングエアを前記薄膜モジュール(106)に注入する空気接続部で取り囲んでおり、該薄膜モジュール(106)は、廃水供給と透過水放出のための取付部を有している廃水を浄化するための薄膜ユニットにおいて、前記薄膜モジュール(106)の全体に亘るクリーニングエアの配分のため及び/又は廃水中の大きな固体粒子が前記薄膜モジュール(106)に供給されるのを保留するため、前記洗浄室(105)と前記薄膜モジュール(106)との間に設置されることを特徴とする廃水を浄化するための薄膜ユニット。
【請求項14】
前記ふるい(108、110)は、穴の空いた金属片、網及び/又は分離フィルタから成ることを特徴とする請求項13に記載の薄膜ユニット。
【請求項15】
前記空気流入のためのふるい(108)の上部に、廃水流入のためのふるい(110)を設置したことを特徴とする請求項13又は14の何れか1項に記載の薄膜ユニット。
【請求項16】
前記廃水流入のためのふるい(110)は、本質的に垂直に置かれることを特徴とする請求項13〜15の何れか1項に記載の薄膜ユニット。
【請求項17】
前記空気流入のためのふるい(108)は、本質的に水平に置かれることを特徴とする請求項13〜16の何れか1項に記載の薄膜ユニット。
【請求項18】
前記薄膜ユニット(103)には、廃水中の細菌に酸素を与えるための、別個の多細孔性曝気装置(111)が備えられていることを特徴とする請求項13〜17の何れか1項に記載の薄膜ユニット。
【請求項19】
前記曝気装置(111)は、廃水の多細孔曝気を行うため、エアホースに開口部を有することを特徴とする請求項18に記載の薄膜ユニット。
【請求項20】
前記曝気装置(111)の位置は、前記薄膜ユニット(103)に対して全方向に変えられることを特徴とする請求項18又は19の何れか1項に記載の薄膜ユニット。
【請求項21】
前記洗浄室(105)は、汚泥を取り除くための開口部(114)を有することを特徴とする請求項13〜20の何れか1項に記載の薄膜ユニット。
【請求項22】
前記薄膜ユニット(103)は、搬送用の枠組み(117)に設置されることを特徴とする請求項13〜21の何れか1項に記載の薄膜ユニット。
【請求項23】
前記搬送用の枠組み(117)は、容器、特に廃水容器内で吊り下げられるか又は組み立てられるように設計されていることを特徴とする請求項22に記載の薄膜ユニット。
【請求項24】
前記搬送用の枠組み(117)は、容器、とりわけ地表面上にある容器内に、薄膜ユニット(103)を昇降調整する装置を有することを特徴とする請求項22又は23の何れか1項に記載の薄膜ユニット。
【請求項25】
特に請求項13〜24の何れか1項に記載の薄膜ユニット(103)と、前記薄膜ユニット(103)の透過ライン(109)に接続されている透過ポンプ(123)と、装置コントロールとを有する廃水浄化装置において、
前記廃水浄化装置は、廃水用入口を有する少なくとも一つの容器を有しており、該容器内にレベルコントローラが備えてあり、
前記装置コントロール(130)は、前記透過ポンプ(123)と前記レベルコントローラと通信し、前記容器内の水位に関して、スイッチをオン又はオフにすることにより、又は配水量変化に従って操作することにより、及び/又は追加ポンプを作動させることにより、前記透過ポンプ(123)を制御することを特徴とする廃水浄化装置。
【請求項26】
前記廃水浄化装置は、単一の容器、とりわけ廃水と粗固形物のための地表面上にある容器を有することを特徴とする請求項25に記載の廃水浄化装置。
【請求項27】
マルチチャンバ容器(101)を有する容器、とりわけ最後の容器は活性化容器であることを特徴とする請求項25又は26の何れか1項に記載の廃水浄化装置。
【請求項28】
前記透過ライン(109)に流量計(125)が取り付けられ、該流量計は前記装置コントロール(130)と通信することを特徴とする請求項25〜27の何れか1項に記載の廃水浄化装置。
【請求項29】
フィルタ(122)が前記透過ライン(109)に設置されることを特徴とする請求項25〜28の何れか1項に記載の廃水浄化装置。
【請求項30】
前記透過ポンプ(123)は、自吸式ポンプ(123)であることを特徴とする請求項25〜29の何れか1項に記載の廃水浄化装置。
【請求項31】
前記薄膜モジュール(106)の前記洗浄室(105)の空気入口及び/又は曝気装置(111)に送風器(120、121)が接続されていることを特徴とする請求項25〜30の何れか1項に記載の廃水浄化装置。
【請求項32】
前記レベルコントローラは、浮き(104)であることを特徴とする請求項25〜31の何れか1項に記載の廃水浄化装置。
【請求項33】
前記透過ポンプ(123)の吐出量を高めるために、該透過ポンプから付加的な出口フローライン(127)が設けられていることを特徴とする請求項25〜32の何れか1項に記載の廃水浄化装置。
【請求項34】
前記出口ライン(127)は、制御された出口バルブ(128)を有することを特徴とする請求項33に記載の廃水浄化装置。
【請求項35】
前記出口ライン(124、127)には、それぞれ絞り弁が備えられていることを特徴とする請求項33又は34の何れか1項に記載の廃水浄化装置。
【請求項36】
前記コントロールシステム(130)は、障害信号を発することができることを特徴とする請求項25〜35の何れか1項に記載の廃水浄化装置。
【請求項37】
一つの容器又は特別な容器において、すなわち最後の容器では、薄膜モジュール(106)が内部に設置され、酸素と微生物を供給することにより、その中に入れられた廃水を生物学的に浄化する活性化容器として動作するように設計された最後の容器内で、生物学的(生)汚泥と浄化した廃水の混合物が前記薄膜モジュール(106)の超濾過作用によって物理的に分離され、前記浄化された廃水は透過ポンプの吸引によって取り除かれる、請求項25〜36の何れか1項又は2項以上に記載された廃水浄化装置の操作方法において、
前記容器の水位に関連して、透過ポンプ(123)の動作が制御され、それによって透過ポンプ(123)がオン/オフの位置にスイッチされ、異なる配水量で運転され、及び/又は予備のポンプが作動されることを特徴とする廃水浄化装置の操作方法。
【請求項38】
複数の水位が決定されることを特徴とする請求項37に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項39】
最初の水位までは、前記透過ポンプ(123)はスイッチオフされることを特徴とする請求項37又は38の何れか1項に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項40】
前記最初の水位と第2のより高い水位との間では、前記透過ポンプ(123)は通常の配水量で運転されることを特徴とする請求項39に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項41】
前記第2のより高い水位以上では、前記透過ポンプ(123)は、高められた吐出量で運転されることを特徴とする請求項40に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項42】
前記第2のより高い水位以上では、前記透過ポンプ(123)からの予備的な出口ラインが開くことを特徴とする請求項40又は41の何れか1項に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項43】
透過水の輸送量は、前記水位に応じて、連続的に制御されることを特徴とする請求項37〜42の何れか1項に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項44】
前記容器の曝気装置(111)は、前記水位に応じて、操作されることを特徴とする請求項37〜43の何れか1項に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項45】
前記曝気装置(111)は、断続的に運転されることを特徴とする請求項37〜44の何れか1項に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項46】
前記クリーニングエアは、前記水位に応じて操作されることを特徴とする請求項37〜45の何れか1項に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項47】
前記廃水浄化装置の機能性は、前記流量計(125)によってモニタされることを特徴とする請求項37〜46の何れか1項に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項48】
前記廃水浄化装置に障害が発生したときは、障害信号の送信部(131)が動作することを特徴とする請求項37〜47の何れか1項に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項49】
前記廃水浄化装置に障害が発生したときは、自己修正回復システムが動作することを特徴とする請求項37〜48の何れか1項に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項50】
前記自己修正回復システムのために、洗浄プログラムが開始されることを特徴とする請求項49に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項51】
前記洗浄プログラム、前記透過ポンプ(123)、及び/又は前記曝気装置、及び/又は前記クリーニングエアは断続的に操作されることを特徴とする請求項50に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項52】
前記廃水浄化装置に障害が発生したときは、前記透過ポンプ(123)及び/又は前記曝気装置及び/又は前記クリーニングエアの作動は、少なくとも一時的に停止されることを特徴とする請求項37〜51の何れか1項に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項53】
圧力、酸素量、浄化度、及び/又は透過水の懸濁度を測定して、前記廃水浄化装置の機能性を決めることを特徴とする請求項37〜52の何れか1項に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項54】
前記懸濁度の測定には、透明ガラスを用いることを特徴とする請求項53に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項55】
前記懸濁度の測定には、測光手段を用いることを特徴とする請求項53又は54の何れか1項に記載の廃水浄化装置の操作方法。
【請求項56】
前記透過水の浄化度の測定は、CSB法、すなわち化学的酸素欠乏測定法により行い得ることを特徴とする請求項53に記載の廃水浄化装置の操作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−526115(P2007−526115A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500198(P2007−500198)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050223
【国際公開番号】WO2005/082796
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(506289963)ハンス、フーバー、アクチェンゲゼルシャフト、マシーネン−、ウント、アンラーゲンバウ (2)
【Fターム(参考)】