説明

糸条巻き取り用再使用紙管の使用方法

【課題】
本発明の課題は、再使用紙管を多コップ巻取機に用いても、糸条の巻き取り異常が起こることなく、正常に巻き取りが可能で、解舒性に優れたチ−ズ巻きパッケ−ジを提供することができ、その結果、紙管のコストダウン、紙管の廃棄および省資源に寄与できる紙管の使用方法を提供することにある。
【解決手段】
少なくとも1回以上糸条の巻き取りに使用した再使用紙管を多コップ型巻き取り機用の紙管として用いるに際し、該紙管の外径寸法を非接触で測定する寸法測定装置で測定し、該紙管の外径寸法差で区分した後、区分した紙管単位で使用することを特徴とする糸条巻き取り用再使用紙管の使用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸条巻き取り用再使用紙管の使用方法に関する。詳しくは、再使用紙管を多コップ巻取機に用いても、糸条の巻き取り異常が起こることなく、正常に巻き取りが可能で、解舒性に優れたチ−ズ巻きパッケ−ジを提供することができ、その結果、紙管のコストダウン、紙管の廃棄減少および省資源に寄与できる紙管の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成繊維の製造技術は、近年高速化および多糸条化等の効率的なプロセスが開発され、それに伴って、巻き取り技術も高速巻取機および多コップ巻取機が開発され有用されている。
【0003】
また、糸条巻き取り用の紙管は、高速巻き取り用に丈夫な紙管が用いられ、比較的高価なため、コストダウンが求められ、また紙管を廃棄した場合の廃棄物の削減、および省資源を図るため、何回か再使用することが行われている。しかしながら糸条巻き取り用紙管は何回か使用しているうちに、糸条の巻き取り部分が締め付けられ内径および外径が小さくなる。内径が小さくなると巻取機のスピンドルに嵌らなくなったり、糸条を所定量巻き取った後、スピンドルから抜けなくなる等の障害が生じる。これらを避けるために、内径の小さくなった再使用紙管は、例えば、特許文献1や特許文献2に記載された方法で紙管の内径を膨らませ復元して再使用することが行われている。
【0004】
一方、外径の小さくなった紙管の場合は、例えば、同一スピンドルに外径の異なる紙管が設置されると、巻き取り時に各紙管の外周速度が異なるため、外径の小さい紙管に巻かれる糸条の張力は低く、しばしばチ−ズフォ−ムが悪くなったり、張力変動に伴う綾乱れが生じたり、羽根トラバ−スのガイドから瞬間的に外れ再び正常に戻る等の現象が生じ、その部分が巻き不良となって、解舒不良の主な原因となっていた。
【0005】
一般に、巻取機の速度制御方法として、糸条張力制御式とスピンドル速度制御方式とがある。前者は、巻き取り糸条の張力を検知しながら、張力が常に一定となるよう制御することによって巻き取り速度を制御するものであるが、多コップ巻取機において張力検知および制御を行うのは1本のスピンドルに対し通常1糸条のみである。従って、張力検知・制御している糸条が巻かれる紙管の外径より小さい紙管が同一スピンドルに設置されている場合は、該紙管に巻かれる糸条の張力は低くなり、一方、該紙管の外径が大きければ、逆に張力は高くなるため、いずれにしろ同一スピンドルに巻かれる各糸条の張力が異なり、均一な巻き取りができないことになる。一般に、各紙管に巻かれる糸条の巻き取り速度が約0.45%以上異なると、巻き取り張力として約0.03cN/dtex以上の変化が生じ、巻き取り異常が発生する懸念が生じる。一方、後者は糸条が紙管に巻かれる巻厚にあわせてスビンドル回転数を変化させる方式であるため、スピンドルに設置された各紙管の外径が異なる場合は、各紙管の周速が異なり、張力差を生じることは前記と同様である。
【0006】
従って、多コップ巻き取り機に再使用紙管を用いて巻き取る場合には内層巻き不良が顕著に起こることから、再使用紙管については紙管の外径測定を行い、測定した外径が一定の範囲毎に区分し、異なる区分の紙管を用いる時は巻き取り条件を変更して行うことが効果的である。
【0007】
紙管の外径測定は、ノギス等の測定器を用いてもできるものの、効率的な方法として、レ−ザ−光を用いた非接触の寸法測定装置を用いることが好適である。レ−ザ−光を用いた非接触の寸法測定装置を応用した例として特許文献3および特許文献4がある。
【0008】
特許文献3は、「筒状の物品の幅を非接触で測定できる寸法測定装置、および前記寸法測定装置を備えるロ−ル巻き取り装置の提供」を課題とし、該課題は、「筒状体を保持する筒状体保持装置と、前記筒状体保持手段に保持された筒状体の端部を含む領域を照射領域として帯状に光を照射するとともに、前記円筒体の軸線の方向に対して直角な方向に沿って前記光を走査する光照射手段と、前記光照射手段から照射された光を受光する受光手段と、前記筒状体の両端部における前記受光手段の受光量の変化から前記筒状体の軸線方向の寸法を求める寸法演算手段とを備えてなる寸法測定装置およびロ−ル巻き取り装置」によって達成されるとしている。
【0009】
また、特許文献4は、「自動的に、しかも高精度で巻きずれの有無および大きさを測定できるロ−ル巻きずれ測定装置、および前記ロ−ル巻きずれ測定装置を備えるロ−ル巻き取り装置の提供」を課題とし、該課題は、「帯状のシ−ト状物品を芯に巻回してなるロ−ルの端面を半径方向に沿って中心から外側または外側から中心に向かって走査しつつ、前記端面までの距離を非接触で測定された前記ロ−ル端面までの距離に基づき、前記ロ−ル端面における前記シ−ト状物品の巻きずれ測定装置、および前記ロ−ル巻きずれ測定装置を備えるロ−ル巻き取り装置」によって達成されるとしている。
【0010】
上記特許文献3および特許文献4は、いずれも非接触の寸法測定装置を用いるが、本発明とは測定の目的、測定の対象、および測定方法等において明らかに異なる。即ち、本発明は、前記特許技術と同様に非接触の寸法測定装置を用いる点では同様であるが、再使用紙管の外径を測定し、該測定結果を利用して紙管を区分して多コップ巻取機に用いることによって、従来多発していた巻き取り異常の発生を防止し、解舒性に優れたチ−ズ巻きパッケ−ジを提供することができる。その結果、再生紙管を有効に活用でき、省資源にも貢献する技術である。これらは、前記特許文献技術には全く開示されていない。
【特許文献1】特開平7−53139号公報
【特許文献2】特開平8−323896号公報
【特許文献3】特開2003−75120号公報
【特許文献4】特開2003−81527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来、再使用紙管を多コップ巻き取り機に用いた場合、しばしば、糸条の巻き取り張力の異常による巻異常チ−ズ巻きパッケ−ジを生じ、解舒不良トラブルの原因となっていたが、本発明の課題は、かかるトラブルを解決し、多コップ巻取機に使用可能な再使用紙管の使用方法を提供することにある。その結果、紙管のコストダウン、紙管の廃棄減少および省資源に寄与できる紙管の使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の課題は、以下の方法によって達成することができる。
1.少なくとも1回以上糸条の巻き取りに使用した再使用紙管を多コップ巻き取り機用の紙管として用いるに際し、該紙管の外径寸法を非接触で測定する寸法測定装置で測定し、該紙管の外径寸法差で区分した後、区分した紙管単位で使用することを特徴とする糸条巻き取り用再使用紙管の使用方法。
2.紙管外径寸法差を紙管外径の0.1〜0.45%毎に区分して用いることを特徴とする上記1記載の糸条巻き取り用再使用紙管の使用方法。
3.巻取機の巻き取り速度制御方法が、巻き取り糸条張力制御またはスピンドル速度制御であることを特徴とする上記1または2記載の糸条巻き取り用再使用紙管の使用方法。
4.寸法測定装置が紙管を保持する保持手段と、該紙管保持手段に保持された紙管の軸線に対し垂直な方向に帯状の光を照射する光照射手段と、前記光照射手段から前記紙管を挟んだ反対側に設置され、照射された光を受光する受光手段と、受光量から前記紙管の外径を求める寸法演算手段とを備えてなる寸法測定装置であることを特徴とする1〜3項のいずれか記載の糸条巻き取り用再使用紙管の使用方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の糸条巻き取り用再使用紙管の使用方法を用いることで、再使用紙管を多コップ巻取機に用いても、糸条の巻き取り異常が起こることなく、正常に巻き取りが可能で、解舒性に優れたチ−ズ巻きパッケ−ジを提供することができる。その結果、紙管のコストダウン、紙管の廃棄減少および省資源に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、少なくとも1回以上糸条の巻き取りに使用した再使用紙管を多コップ巻き取り機用の紙管として用いるに際し、解舒不良等の巻異常が起こらないように紙管外径を選別区分した後、区分した紙管単位で使用する再使用紙管の使用方法に関する。
【0015】
本発明の再使用紙管とは、製糸工程で糸条を巻き取ったチ−ズ巻きパッケ−ジから、糸条を解舒して使用した後、該紙管を再度多コップ巻取機に使用するものをいう。本発明の方法によれば、該再使用紙管は数回、通常5〜12回、好ましくは8〜12回繰り返して使用することができる。
【0016】
本発明の多コップ巻取機とは、巻取機の巻取り用スピンドルに2以上の紙管を設置して、2糸条以上を同時に巻き取ることができる巻取機である。最近は、2、3、4、6、8、12、および16糸条を同時に巻き取るそれぞれ2コップ、3コップ、4コップ、6コップ、8コップ、12コップおよび16コップ巻取機が使用されている。
【0017】
本発明の再使用紙管は、繰り返して糸条を巻き取るため、巻き取り糸条に締め付けられた紙管の外径および内径は小さくなる。内径の小さくなった紙管は、巻取用スピンドルに挿入できなくなったり、糸条を巻き上げた後チ−ズ巻きパッケージが抜けなくなる等のトラブルを生ずるため、例えば特許文献1や特許文献2の方法で紙管の内径を膨らませ復元させて使用することが行われている。一方、外径が小さくなった紙管は、そのまま正常な外径の紙管と混合使用すると、外径の小さい紙管は糸条巻き取り時の外周速度が低いため、巻き取り張力が低くなり、柔らかいチ−ズ巻きパッケ−ジになったり、チ−ズフォ−ムが崩れたり、或いはトラバ−スのガイドから瞬間的に外れたのち再度正常に戻るため、チ−ズの内層部に巻き取り異常部ができたりする。かかる巻き取り異常が生ずると、実際に糸条を使用して解舒した時ひっかかり、製品の製造効率が低下したり、製品に欠点を生ずることがある。
【0018】
本発明の多コップ巻取機に使用可能な紙管外径差の許容幅は0.1〜0.45%、好ましくは0.1〜0.35%である。例えば、内径73mm、外径89mmの3インチ紙管であれば0.09〜0.4mm、好ましくは0.09〜0.3mmである。0.45%より大きい外径差があると、無視できない巻き取り糸条の周速度差となり、巻き取り張力異常を生ずる張力差となるからである。なお、0.1%未満の外径差では巻き取り張力異常を生ずる程度の張力変化にならないばかりか、区分する水準数が非常に多くなるため、好ましくない。
【0019】
次に、本発明の再使用紙管を非接触で測定する方法は、特許文献3および特許文献4と類似の方法を用いることができるが、好ましい本発明の方法は以下の通りである。
【0020】
即ち、図1に示すとおり、紙管を保持する保持手段(1)と、該紙管保持手段に保持された紙管(2)の軸線に対し垂直な方向に帯状の光を照射する光照射手段(3)と、光照射手段(3)から前記紙管を挟んだ反対側に設置され、照射された光を受光する受光手段(4)と、受光量から前記紙管の外径を求める寸法演算手段(7)とを備えてなる寸法測定装置を用いて、非接触で紙管の寸法を測定することができる。また光照射手段(3)と受光手段(4)を保持する手段としてベースプレート(5)を使用する。測定結果は表示手段(6)に表示され、表示の内容を確認して該紙管を区分することができる。なお、表示内容は外径の測定値であってもよいし、測定値を元に予め設定した基準にもとづき区分した結果であってもよい。
【0021】
前記光照射手段に用いる光は、通常の可視光、赤外線、紫外線またはレ−ザ−光を帯状に照射するものであってもよい。ここで、「帯状に照射する」とは、光を全体として帯状のビ−ムを形成するよう照射することを言う。したがって、前記光照射手段は、通常の可視光、赤外線、紫外線またはレ−ザ−光を一列に配列された状態で照射するものであってもよい。また、レーザー光を適宜の手段で帯状に拡散させて照射するものであってもよい。前記受光手段は前記光照射手段に用いる光に対応したものであればよい。
【0022】
前記光照射手段により照射する、帯状の光の照射範囲は図2(b)に示すようにベースプレート(5b)と紙管保持手段(1)により紙管(2)と光照射手段(3b)および受光手段(4b)との相対位置を固定すれば該紙管の一部を照射範囲としてもよい。また、図2(a)に示すように紙管の外径全体を照射範囲としてもよい。また、図3に示すような紙管位置決め手段(8)により軸方向の外径寸法測定位置を常に一定とすることが好ましい。
【0023】
前記寸法演算手段としては、例えば卓上コンピューターなどが使用できる。
【0024】
前記表示手段としては前記演算手段に接続可能で演算結果を表示可能なものであればよく、例えばタッチパネル式表示器などが使用できる。
【0025】
上記非接触の寸法測定装置を用いて外径を測定された本発明の再使用紙管は、前記外径差を0.1〜0.45%毎に区分する。通常、再使用紙管を0.1〜0.45%毎に区分すると約3〜10区分することができる。次に再使用紙管は、各区分した紙管毎に多コップ巻取機で使用する。その際、巻取機の速度設定には当該外径区分の中心値を紙管外径値としてインプットし、速度設定する。別の外径区分の再使用紙管を適用する場合には当該紙管外径値をインプットする。
【0026】
本発明にかかる多コップ巻取機の巻き取り速度制御方式は、巻き取り糸条張力制御型またはスピンドル速度制御型の多コップ型巻き取り機であり、いずれのタイプの巻取機でも本発明の再使用紙管を使用することによって効果を得ることができる。
【0027】
また、本発明の再使用紙管は、通常の繊維糸条の巻き取りに広く利用することができる。
【0028】
以上、本発明の糸条巻き取り用再使用紙管の使用方法について説明してきたが、本発明の効果を最大に得るためには、前記非接触の寸法測定装置を用いて再使用紙管の外径を測定し、外径差による区分をするに際し、該測定作業、区分作業および前後の作業を連続して自動化し、一連の流れ作業としてシステム化して行うことが好ましい。例えば、回収した再使用紙管を、(i)内径測定して合格した紙管、およびまたは不合格紙管を内径修正して再使用可能とした紙管を、(ii)搬送装置によって非接触の寸法測定装置に搬送し、(iii)紙管を紙管保持台に乗せて紙管外径を測定し、(iv)紙管外径区分を判断した後、外径区分して搬送する。区分した後搬送してもよいし、搬送後必要な場所で区分することもできる。
【0029】
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明する。
【実施例】
【0030】
シ−トベルト用ポリエステル(ポリエチレンテレフタレ−ト)繊維1100dtex−192フィラメント2糸条を定法の直接紡糸延伸法によって製糸した。製糸巻き取り速度は3500m/分、巻き取り張力は巻き始めを0.45cN/dtexに設定し、巻取が進むにしたがって張力を漸次減少させ、巻き終わりが0.15cN/dtexになるよう設定して巻き取った。巻取機は3インチ紙管の2コップタイプを用いた。紙管の寸法は、内径:73±0.15mm、外径:89±0.15mm、長さ:335±0.3mmを用い、巻幅:305mmである。糸条の巻量は10kgとした。
【0031】
巻き取り用の紙管として、比較例1:上記規格の新品紙管、比較例2:再使用紙管(使用回数1〜10回の混合品)、実施例1:再使用紙管(使用回数1〜10回の混合品)を0.1mm刻みで外径区分したもの、実施例2:再使用紙管(使用回数1〜10回の混合品)を0.2mm刻みで外径区分したもの、実施例3:再使用紙管(使用回数1〜10回の混合品)を0.3mm刻みで外径区分したもの、実施例4:再使用紙管(使用回数1〜10回の混合品)を0.4mm刻みで外径区分したものを用いた。実施例1〜4の本発明再使用紙管は、非接触の寸法測定装置で紙管外径を測定し、それぞれの区分刻みで区分し、各外径区分単位で巻取機に設置し、外径区分単位で巻き取り機の紙管外径をインプットし直して使用した。各外形区分単位の紙管外径設定値は、各区分ごとの紙管外径の中心値をインプットした。
【0032】
なお、実施例、比較例で用いた寸法測定装置は図1の装置を用い、その測定条件は以下の通りである。光照射手段(3)および受光手段(4)にはキーエンス製レーザー寸法測定器LS−5120を使用した。また、寸法演算手段(7)および表示手段(6)には同じくキーエンス製のLS−5500を使用した。光照射手段(3)および受光手段(4)の光照射範囲は120mmであり、図2(a)に示すように紙管保持手段(1)により保持された紙管の径全体に渡り測定することができる。本装置を用いて得られた紙管外径の測定結果は四捨五入により0.1mm単位で表示するように設定し、表示された測定値を読み取った結果をもとに、人手により紙管を外径区分した。
【0033】
各実施例、比較例において上記の各紙管を用いて、それぞれ少なくとも15t(1500チ−ズ)ずつ巻き取りを行った。内層巻き不良は巻き上がったチーズの外観からは判別できないため、評価手段として各チーズの巻き取り中の張力をチャート記録し、張力パターンの異常有無により評価を行った。通常の張力パターンは図4(a)のように巻き始めの張力が500cN以上となり、1分後には200cNまで低下したのち、なだらかに漸減するパターンを形成するが、巻き締まりにより外径の小さくなった紙管が混在して使用された場合、図4(b)のように巻き始めの張力が低くなり、内層巻き不良を引き起こす要因となる。実際に内層巻き不良が発生した場合は、図4(c)のように急峻な張力低下を発生させるため、この急峻な張力低下幅が40cN以上となった場合を異常として内層巻き不良の個数を数え、各水準の製品チーズ数に対する内層巻き不良の個数の割合を内層巻き不良発生率として算出し評価した。その結果を表1に示した。実施例1〜4に示す本発明の再使用紙管の使用方法によるものは、比較例1に示す新品紙管を用いた場合と遜色なく、比較例2に示す従来の再使用紙管の外径管理をしなかった場合に比べ著しい改善が見られた。
【0034】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は本発明における非接触式の紙管外径測定装置のシステム構成説明図である。
【図2】図2は本発明における非接触式の紙管外径測定装置測定部の実施形態の一例である。
【図3】図3は本発明における非接触式の紙管外径測定装置測定部における紙管の位置決め方法の実施形態の一例である。
【図4】図4は巻き取り中の張力変化を表す一例である。
【符号の説明】
【0036】
1 紙管保持手段
2 紙管
3、3(a)、3(b) 光照射手段
4、4(a)、4(b) 受光手段
5、5(a)、5(b) ベースプレート
6 表示手段
7 寸法演算手段
8 紙管位置決め手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1回以上糸条の巻き取りに使用した再使用紙管を多コップ巻き取り機用の紙管として用いるに際し、該紙管の外径寸法を非接触で測定する寸法測定装置で測定し、該紙管の外径寸法差で区分した後、区分した紙管単位で使用することを特徴とする糸条巻き取り用再使用紙管の使用方法。
【請求項2】
紙管外径寸法差を紙管外径の0.1〜0.45%毎に区分して用いることを特徴とする請求項1記載の糸条巻き取り用再使用紙管の使用方法。
【請求項3】
巻取機の巻き取り速度制御方法が、巻き取り糸条張力制御またはスピンドル速度制御であることを特徴とする請求項1または2記載の糸条巻き取り用再使用紙管の使用方法。
【請求項4】
寸法測定装置が紙管を保持する保持手段と、該紙管保持手段に保持された紙管の軸線に対し垂直な方向に帯状の光を照射する光照射手段と、前記光照射手段から前記紙管を挟んだ反対側に設置され、照射された光を受光する受光手段と、受光量から前記紙管の外径を求める寸法演算手段とを備えてなる寸法測定装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の糸条巻き取り用再使用紙管の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−179425(P2009−179425A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18764(P2008−18764)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】