説明

糸欠陥除去装置に欠陥除去限界を規定する方法

本方法は、糸のような縦長の繊維供試品用の電子欠点除去装置に欠点除去限界を規定するのに用いられる。まず供試品の測定により統計的代表値が求められる(101)。統計的代表値に基いて欠点除去限界が計算され(102)、使用のために提案され、この欠点除去限界により予想される長さに関する不許容事象の数が計算され(103)、かつ出力される(104)。操作者は予想される不許容事象数について見解をとることができ(105)、この見解に従って欠点除去限界が自動的に規定される(109)。方法は利用し易く、簡単に実施できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は繊維の品質管理の分野にある。本発明は、請求項1の上位概念に記載の、糸のような縦長の繊維供試品用電子欠陥除去装置に欠陥除去限界を規定する方法に関する。この方法はなるべく糸用紡糸機又は巻取り機における糸欠陥除去において使用される。
【背景技術】
【0002】
糸品質を保証するため、紡糸機又は巻取り機においていわゆるヤーンクリヤラが使用される。このような装置は例えば欧州特許出願公開第1249422号明細書から公知である。これは、動かされる糸を走査する少なくとも1つのセンサを持つ測定ヘッドを含んでいる。しばしば使用されるセンサ原理は容量原理(例えば欧州特許出願公開第0924513号明細書参照)又は光学原理(例えば国際公開第93/13407号参照)である。走査の目的は、太い個所、細い個所又は糸中の異物のような欠陥個所を検出することである。センサの出力信号は、所定の評価基準により連続的に評価される。評価基準は、通常二次元分類領域又は事象領域における欠点除去限界の形で規定され、この領域は、一方では事象の長さにより、他方では事象の振幅例えば目標値からの糸質量の偏差によって区画される。欠点除去限界以下の事象は許容され、欠点除去限界以上の事象は糸から除去されるか、又は少なくとも欠陥個所として記録される。
【0003】
欧州特許出願公開第1295835号明細書は、電子ヤーンクリヤラにおける欠点除去限界の設定方法を開示している。起こり得る糸欠陥は、欠陥値及び欠陥長さに従って分類されて、分類図に配置される。欠点除去限界は、曲線により選択されて、ヤーンクリヤラに設定される。この目的のため、欠点除去限界を示す曲線の曲線推移が選択されるが、曲線推移自体は任意に規定されている。欠点除去曲線は、分類図における1つの点の位置が異なる操作者に適したものと思われるまで、この点の移動によって移動される。
【0004】
欧州特許出願公開第0415222号明細書は、実際の製造に基いて糸番手に関する反応限界の最適な設定を可能にする課題を与える。この目的のため許容欠陥警報の長さに関する数が入力される。欠点除去過程中に糸番手の測定値が記録され、その分布が求められる。測定値のこの分布及び所定の許容警報頻度から、統計的法則性に基いて反応限界が自動的に規定される。
【0005】
欧州特許出願公開第0439767号明細書及び米国特許出願公開第578008号明細書によれば、糸欠陥を求め、分類しかつ数えることによって欠点除去限界が規定される。その際設定パラメータとしての基準長さ(欠陥長にほぼ一致する)及び感度(欠陥値にほぼ一致する)が、対応する欠点除去段階の数に関係して設定される。前記設定パラメータの可能なすべての組合わせの集合と欠点除去介入との関数関係を示す欠点除去プロフィルが作成される。この欠点除去プロフィルから、設定パラメータの任意の組合わせに対して、予想される欠点除去介入の数が推定可能である。更に現在の欠点除去限界より下にある仮想欠点除去限界を規定する“仮想欠点除去”が記述される。仮想欠点除去限界は糸切断を開始しない。その代りにこの仮想欠点除去限界は、仮想欠点除去限界が使用されるであろう時に除去されるであろう糸事象の計数にのみ役立つ。
【0006】
米国特許第6374152号明細書から、糸の欠点除去方法が公知であり、糸欠点の密度に基いて欠点除去限界が自動的に計算され、こうして最適に設定される。この目的のため糸の十分長い部分が前もって測定される。測定される事象は、既知の二次元分類領域で点又は十字で表示される。測定結果から糸欠点密度が計算され、分類領域にレリーフとして表示される。所定の許容糸欠点密度に基いて欠点除去限界が自動的に規定される。この欠点除去限界は、監視過程中に連続して自動的に再設定することができる。測定は、個々の紡糸個所又は巻取り個所にあるヤーンクリヤラヘッドにおいて行われるが、計算及び制御は多数のヤーンクリヤラヘッドが接続されている中央計算装置において行われる。
【0007】
従来技術から公知の方法の欠点は、これらの方法が得るべき糸品質に一面的に集中されるけれども、製造効果をあまり考慮しないことである。これらの方法は部分的にあまり利用し易くない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の基礎になっている課題は、縦長の繊維供試品用の電子欠点除去装置において欠点除去限界を規定する方法を提示し、欠点を除去すべき供試品を考慮して繊維製造機械のできるだけ効率的な利用を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題及び他の課題は、請求項1に記載の本発明による方法によって解決される。有利な実施形態は従属請求項に示されている。
【0010】
本発明によれば、まず供試品の統計的代表値が供試品の測定により求められる。統計的代表値に基いて欠点除去限界が計算され、使用のために提案され、この欠点除去限界により予想される不許容事象の長さに関する数が計算されて出力される。不許容事象の予想される数に対して、操作者は見解を述べることができ、この見解に従って欠点除去限界が自動的に規定される。
【0011】
操作者は、その見解によって、提案される欠点除去限界が所望の使用のために十分であるか否か、欠点除去限界を厳しくすべきか又は緩和すべきかを決定することができる。“厳しくする”は、多くの糸事象を除去すべきことを意味し、“緩和する”は、僅かな糸事象を除去すべきことを意味する。それによってシステムは、結果として所望の挙動を伴う欠点除去の修正を行う。
【0012】
欠点除去限界は、例えばそれが事象の一定の密度に従うように計算可能である。欠点除去限界を計算する際、異なる使用分野への供試品の分類を考慮することができる。従ってプログラム化されるか又は学習されるシステム知識によって、できるだけ最適な欠点除去結果を得るために、どの個所で欠点除去限界を最適化すべきかを区別することができる。操作者がこれらの設定をできるだけ簡単に行うことができるようにするため、簡単なマウスクリック又はボタン押しにより、単位長さ当たり予想される欠点除去切断の数を増分値だけ増大又は減少する可能性が、操作員に与えられる。
【0013】
本発明による方法の好ましい実施形態では、欠点除去限界及び不許容事象の長さに関する数の新たな各計算後に、見解を出すための機会が、操作者に与えられる。それにより操作者は、計算される不許容事象の長さに関する数が所望の値をとり、かつ操作者により確認されるまで、欠点除去限界を変化することができる。その際最初に求められる統計的代表値へ常に頼ることができる。従って新たな測定を行う必要がない。操作者が現在の欠点除去限界を確認するまで、一度求められる統計的代表値に基いて、新しい欠点除去限界及びそれに対応する不許容事象の長さに関係する数が常に再び計算されることによって、この実施形態は繰返し作用する。
【0014】
統計的代表値は、検査すべき供試品における十分大きい数の事象の測定及び検出から生じる。検出される事象の数が大きいほど、不許容事象の予想される長さに関係する数がそれだけ確実で説得力を持つ。なぜならば、予想は補外法だからでなる。理論的考察及び経験は、大抵の場合満足できる統計的代表値を求めるために、100kmの糸の寸法で十分なことを示している。この100kmは、ただ1つの巻取り個所で巻戻される必要がなく、同じ形式の糸が巻戻される複数の巻取り個所から構成可能である。例外的な場合もっと短い測定長さ例えば50kmで十分であるか、又はもっと大きい測定長さ例えば500kmが必要なこともある。
【0015】
本発明による方法は、糸のような縦長の繊維供試品用の電子欠点除去装置で欠点除去限界の規定に用いられる。長手方向に動かされる供試品の少なくとも1つの特性の測定値が、特定の長さで検出される。測定値から供試品の事象が確認される。これらの事象から供試品の統計的代表値が求められる。事象の許容又は不許容の基準としての欠点除去限界が、統計的代表値に基いて計算される。求められる統計的代表値及び欠点除去限界から不許容事象の長さに関する数が計算される。不許容事象の長さに関する数が出力装置において出力される。操作者が、不許容事象の長さに関する数の出力についての見解を入力装置により入力することを要求される。入力される見解に従って欠点除去限界が自動的に規定される。
【0016】
見解は、欠点除去限界を不変なままにされることの確認であるか、又は変化指令であってもよい。後者の場合、変化指令に従ってかつ統計的代表値に基いて新しい欠点除去限界が計算され、不許容事象の新しい長さに関係する数が、求められる統計的代表値及び新しい欠点除去限界から計算され、出力装置において出力される。
【0017】
変化指令が、不許容事象の長さに関する数を増大する指令であるか、又は不許容事象の長さに関する数を減少する指令である。不許容事象の長さに関する数の増大又は減少が、例えば不許容事象の長さに関する数に比例して自動的に計算される増分値だけ行われる。操作又は変化指令がただ1つの動作例えばただ1回のボタン押し、ただ1回のマウスクリック又はセンサ画面へのただ1回の接触によって行われる。変化指令後に操作者が、不許容事象の出力される長さに関する新しい数に対する見解を入力装置により入力することを再び要求され、入力される見解に従って欠点除去限界が自動的に規定される。
【0018】
統計的代表値に基いて欠点除去限界が計算されて、求められる統計的代表値及び欠点除去限界から生じる不許容事象の長さに関係する数が、100kmの供試品長さ当たり1〜200なるべく10〜100であると、有利である。
【0019】
統計的代表値に基いて、特定の供試品形式が供試品に自動的に対応せしめられる。それから欠点除去限界が計算され、対応する供試品形式が欠点除去限界の計算に影響を及ぼす。更に将来のために意図される供試品の使用が欠点除去限界の計算に影響を及ぼす。
【0020】
基本欠点除去(NSLT欠点)及び異物欠点の同時除去のような複雑な要求の場合、個々の欠点除去要求の分離を行うと有利である。即ち基本欠点除去は許容切断数の第1の部分を含み、第2の欠点除去要求はまだ許容される切断数の第1の部分に対して補足的な残りの部分を含んでいる。従って本発明による方法の別の実施形態によれば、長手方向に動かされる供試品の複数の特性の測定値が、特定の供試品長さで検出される。測定値から供試品の事象が確認される。各特性に対して、事象から供試品の統計的代表値が求められる。各事象に対して欠点除去限界が、事象の許容又は不許容の基準として計算される。各特性に対して、求められる統計的表現及び欠点除去限界から生じる不許容事象の長さに関する部分数が計算される。不許容事象の長さに関する総数が部分数の和として計算される。不許容事象の総数が不変であるように、部分数の割合がなるべく自動的に規定される。求められる統計的表現及び計算される欠点除去限界から、不許容事象の規定される長さに関する部分数が生じるように、各特性に対して欠点除去限界が計算される。
【0021】
前記の欠点除去限界に加えて、撚り継ぎ欠点除去限界が、供試品における許容又は不許容撚り継ぎの基準として規定されると有利である。前記の欠点除去限界が撚り継ぎ欠点除去限界より常に上にあるように規定される。
【0022】
規定される欠点除去限界が、少なくとも1つの所定の基準について自動的に検査される。基準が満たされない場合警報が出される。
【0023】
少なくとも1つの特性が供試品の単位長さ当たりの質量、直径及び/又は組成であるのがよい。事象が、一方では測定値により、他方では長手方向における測定値の範囲によって規定される。二次元直角座標系の象限又は象限の一部を含む事象領域が提供され、この座標系の横軸が長手方向における測定値の範囲を示し、縦軸が目標値からの測定値の偏差を示す。測定値及び長手方向におけるその範囲から、事象領域における事象の密度が求められ、欠点除去限界が一定の事象密度に従う。しかし欠点除去限界が密度線と相違していてもよい。このような相違を入力するため、操作者が自由に入力できる補間点を設けることができる。その場合欠点除去曲線は、それが入力される補間点を通って延び、適当な公知のやり方で補間点の間に補間されるように、計算される。
【0024】
規定される欠点除去限界が、電子欠点除去装置の少なくとも1つの測定ヘッドに設定されるのがよい。欠点除去限界の規定が電子欠点除去装置の制御装置において有利に行われる。
【0025】
欠点除去限界の規定が自動的に行われ、ただ1つの操作あ例えばただ1回のボタン押し、ただ1回のマウスクリック又はセンサ画面へのただ1回の接触によって開始されると、方法が特に簡単で実施し易い。
【0026】
糸のような縦長の供試品用の本発明による電子欠点除去装置は、長手方向に動かされる供試品の少なくとも1つの特性を検出する少なくとも1つの測定ヘッド、及び測定ヘッドに接続される制御装置を含んでいる。制御装置は上述した本発明による方法を制御するように構成されている。
【0027】
所定の異なる欠点除去限界が利用可能であるのがよい。従って欠点除去限界の最適化は、使用に関係する適切なパラメータによって行うことができる。
【0028】
本発明による装置は、繊維処理機械例えば紡糸機又は巻取り機において使用される。このような繊維処理機械は、典型的に多数の作業個所を持っている。従って本発明による装置は、各作業個所にある多数の測定ヘッドを含むことができる。測定ヘッドは、例えばRS−485のような直列バスを介して中央制御装置に接続されている。それぞれの測定ヘッドと制御装置との間にインタフェース変換器を組込むことができる。制御装置はなるべく繊維処理機械に組込まれている。これは、繊維処理機械を操作する人間がその作業机において欠点除去限界の設定を行うことができ、余分な計算機は必要としない、という利点を持っている。本発明による装置は、各作業個所、各測定ヘッドの近くに不許容事象を糸から除去する切断装置を含むことができる。
【0029】
糸用巻取り機の例について、本発明が図面により以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】 ヤーンクリヤラ装置を持つ巻取り機を示す。
【図2】 糸本体及び欠点除去限界を持つ事象領域を示す。
【図3】 3つの異なる糸に対する事象、糸本体及び欠点除去限界を持つ事象領域を示す。
【図4】 本発明による方法の好ましい実施形態の流れ図を示す。
【図5】 本発明による装置の操作領域を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1には、複数の巻取り個所21.1,21.2・・・,21.nを持つ巻取り機2を非常に概略的に示す。本発明による糸欠点除去装置1は巻取り機2に組込まれている。巻返し過程中に巻取り個所21.1において本発明による糸欠点除去装置1の測定ヘッド11により糸9が監視される。測定ヘッド11は、糸9の特性を測定するセンサ、例えば糸パラメータ例えば単位長さ当たりの糸質量を求める評価装置を含んでいる。測定ヘッド11は、インタフェース変換器12を介して、本発明によるヤーンクリヤラ装置1の中央制御装置14に接続されている。接続を介して測定ヘッド11が制御装置14により設定されかつ制御され、測定ヘッド11が、求められる糸パラメータのようなデータを制御装置14へ伝送する。すべてのインタフェース変換器12と制御装置14との間の接続導線13は、例えばRS−485のような直列バスとして構成可能である。インタフェース変換器12は、更にそれぞれの紡糸個所21.1の紡糸個所計算機22にも接続可能である。制御装置14は操作者用の出力装置及び入力装置を持っている。出力装置及び入力装置は、一緒にセンサ画面(タッチスクリーン)15として構成されているのがよい。制御装置14は巻取り機2の制御計算機23に接続されている。出力装置及び/又は入力装置は、制御装置23に組込む代わりに、巻取り機2例えば制御計算機23へ組込むことができる。
【0032】
図2は、制御装置14の出力装置15に示すことができるように、糸本体及び欠点除去限界6を持つ可能な事象領域3を示す。事象領域3は、横軸31及び縦軸32により表わされる二次元直角座標の第1象限及び第4象限の部分を含んでいる。第4象限の要素は、ここでは第1象限にある要素と同じ符号をダッシュ付きで持っている。縦軸32は、例えば糸パラメータの目標値からの偏差ΔM、例えば単位長さ当たり糸質量の偏差を示す。目標値は、なるべく多数の測定にわたって連続的な平均値形成によって求められる。横軸31は、糸長手方向にどんな長さLにわたって偏差ΔMが延びているかを示す。長さ及び質量増大又は質量減少についての軸31,32は、なるべく対数で、殆ど対数又は一部対数で区分されている。求められる偏差ΔM及びその長さLは共に、事象領域3に点を定義されかつ適当なやり方で表示される糸事象(図3参照)の座標を形成している。第1象限には、局部的な質量増大により生じる太い個所が記入され、第4事象には、局部的成質量減少により生じる細い個所が、それぞれの長さに対して記入されている。
【0033】
十分長い糸部分例えば100kmが測定される。糸パラメータΔMの値及びそれに属する長さLは、測定ヘッド11から制御装置14へ伝送される(図1参照)。制御装置14の計算装置において、例えば米国特許第6374152号明細書に記載されているように、それから事象領域3の各点に、事象密度を一義的に対応させることができる。補間、補外,平滑化及び/又は他の数値処置により、多分測定誤差又はその他の人為により生じる事象密度関数の突然すぎる局部的変化を回避することができる。
【0034】
事象密度関数から糸本体が計算され、事象領域3に面積4として表示される。例えば100kmの糸長当たり1000個の事象の十分高い限界事象密度が選ばれる。限界事象密度が対応している事象領域3におけるすべての点の結合により、残りの事象領域3から本体を限定する密度曲線41が生じる。両方の座標軸31,32の方へ、糸本体は座標軸31,32自体により限定される。この限定により、測定される糸9に対して特有の関連する面積4が生じる。糸本体は、横軸31に関して必ずしも対称でない。糸本体を表す面積4は、例えば残りの事象領域3とは異なる色、異なる灰色調及び/又は異なるパターンを持つことによって、図表的に残りの事象領域3から区別することができる。
【0035】
事象領域3には、糸9から欠陥を除去するための欠点除去曲線6も記入されている。欠点除去曲線6は、事象領域3を2つの欠点除去範囲61,62に分割する線であり、第1の欠点除去範囲61は許容事象を規定し、第2の欠点除去範囲62は不許容事象を規定する。それは欠点除去限界即ち糸品質を判断するための基準のグラフ表示である。それは糸本体4より著しく上にある。なぜならば、糸本体4から事象を除去することは無意味だからである。
【0036】
図3は、制御装置14の出力装置15(図1参照)で出力可能な事象領域3の拡張された図を示す。図3の例において、糸本体を示す面積4に別の面積5が続いている。別の面積5は、糸本体を区画する密度曲線41により、またもっと低い事象密度に相当する別の密度曲線51により区画される。高い方の事象密度は例えば100kmの糸長さ当たり1000個の事象であり、低い方の事象密度は例えば100kmの糸長さ当たり100個の事象であってもよい。従ってこれら両方の事象密度は、100kmの糸長さ当たり等比数列1,10,100,1000,・・・の事象の一部である。糸本体を表す面積4及び別の面積5は、図表的に互いにかつその周囲から区別される。例えば糸本体を表す面積4は暗い緑に、別の面積5は明るい緑に着色可能である。1つだけの別の面積5の代わりに、複数の別の面積も表すことができる。このような別の面積5は、操作者が糸8の特徴を一層よく検出し、欠点除去限界6が自動的に規定されない場合欠点除去限界6を最適に規定するのを助けることができる。
【0037】
図3の事象領域3には欠点除去限界6も記入されている。この欠点除去限界6は、許容事象を規定する第1の欠点除去範囲61と不許容事象を規定する第2の欠点除去範囲62とを互いに分離している。両方の欠点除去範囲61,62はなるべく異なるように着色され、例えば第1の欠点除去範囲は白色であり、第2の欠点除去範囲は灰色である。欠点除去限界6はそれがその大体の推移において密度曲線41,51に頼っているとしても、これらの密度曲線とは無関係である。図3において欠点除去限界6は部分的に密度曲線51と重なっていても、部分的に重なっていない。
【0038】
更に図3の事象領域3において、事象71,72は長方形の形で記入されている。その際欠点除去限界6のこちら側の第1の欠点除去範囲61にある許容事象71の記号は、欠点除去限界6の向こう側の第2の欠点除去範囲62にある不許容事象72の記号から、例えばその大きさ及び/又はその色によって区別される。事象は一緒になっていわゆる点雲を形成する。
【0039】
測定されるすべての事象が事象領域3に記入されるのではない。糸本体の大部分には事象がない。その理由は、糸本体の事象が操作者にとって関心がないからである。事象は“糸に属する”。横軸31の近くにある事象を表示しないことは、少なくとも次の2つの利点を持っている。
これらの事象は、測定ヘッド11から制御装置14へ伝送される必要がない。それにより、伝送して処理すべきデータ量が著しく減少され、データ導線及び制御装置が負荷を軽減される。それにより空いた容量をもっと重要なもののために利用することができる。
グラフ表示は少ない事象点を含み、それにより一層よくわかり易い。操作者は不必要な事象点により注意をそらされず、重要なことに集中することができる。
こうして事象領域3は、それぞれ2つの分類範囲、即ち事象が表示されない第1の分類範囲と、事象が表示される第2の分類範囲とに分割されている。両方の分類範囲は、図3の例においては記入されていない分類限界により互いに区分される。分類限界は、糸本体4を区画する密度曲線41より高いか、それと同じか又はそれより低い事象密度に相当する密度曲線にも従うのがよい。
【0040】
図3(a)の説明領域33に、次に情報が例示されている。
糸本体4の密度曲線41,42及び別の面積5を求める根拠となった糸長さは187.8kmであった。
両方の第2の欠点除去範囲62にあり従って187.8kmの長さの糸部分から欠陥として除去される事象72の数は41である。それにより100kmの糸長当たり22の切断が生じ、この切断数は必要な場合出力可能である。
事象領域3に記入された事象71,72の総数は2796である。
図3(b)及び図3(c)の説明図には、同じようなデータが示されている。
【0041】
図3(a)〜(c)の3つの例は、次の表による異なる糸形式に関係している。

【0042】
図3の3つの例の比較が示すように、異なる糸形式の糸本体は性質及び量に関して次のように相違している。
図3(a)では、第1象限において糸本体は、L<1cmの全く小さい糸長に対して、約100%の比較的高い値にあり、大きい糸長Lの方へ単調に減少する。大きい数のネップ(非常に短い欠点長L、非常に大きい質量偏差ΔM)が目立つ。第4象限において糸本体は、2cm〜4cmの欠点長さLに対して約−30%の最小値に達する。
図3(b)では、第1象限において糸本体は、L<1cmの全く小さい欠点長に対して約75%の低い値にある。大きい糸長Lへ向かって糸本体はほぼ一定であり、約L=4cmから初めて著しく減少し、約L=16cmから一定になる。第4象限において糸本体は図3(a)と同じ推移を持つ。
図3(c)では、第1象限において糸本体は、約100%の比較的高い値で始まる、ますこの高い値で一定に留まる。小さい段状の減少は約L=2cmで行われ、別の強い減少は約L=16cmから初めて行われる。第4象限において約2cm=16cmの欠点長さLに対して、比較的低い−45%の値で長い最小平坦域がある。全体として図3(c)の糸本体は、図3(a)及び(b)より大きい面積を持っている。
【0043】
上述したように測定により求められる糸本体の特徴により、本発明によれば、糸形式を自動的に推論することができる。即ち測定値及び前もって入力又は学習される特徴に基いて、制御装置14が、測定される糸がどんな糸形式であるかを自動的に決定することができる。
【0044】
図4は本発明による方法の好ましい実施形態の流れ図を示す。方法はできるだけ簡単なやり方で開始される。好ましい実施形態では、例えば“スマートリミット”、“自動セットアップ”等が書付けられた開始ボタンが操作表面に存在する。開始ボタンはハードウエア又はソフトウエアで実現可能である。後者の場合開始ボタンは画面に記号で表示され、キー又はコンピュータマウスのような入力装置により、又はセンサ画面15(図1参照)がある場合接触により操作される。
【0045】
測定過程101において、供試品の統計的代表値が求められる。統計的代表値は、例えば図3に示されているような事象点71,72の点雲である。1つ又は複数の測定ヘッド11が供試品9の十分長い部分例えば100kmの糸を測定し、測定データを制御装置14において処理することによって、統計的代表値が検出される。
【0046】
検出される代表値に基いて、供試品の欠点除去限界が自動的に計算される(段階102)。それは制御装置14により計算されて提案される欠点除去曲線6であるのがよい。それは、例えば密度曲線として即ち一定の事象密度を持つ事象領域3のすべての場所の集合として計算することができる。欠点除去曲線6のこのような計算は、従って糸本体4を残りの事象領域3から区画する(図2及び3参照)限界事象密度41の計算に類似しているが、欠点除去曲線6は糸本体4の限界事象密度41より著しく低い事象密度を持ち、従っての上にある。欠点除去曲線6の事象密度は、どんな切断数が望まれるかに関係している。最も簡単な場合、初期切断数は例えば50切断/100kmのような固定所定置とすることができる。操作者がある程度の選択可能性を利用できるようにする場合、初期切断数の選択のために若干の簡単な選択可能性を操作者に与えることができる。例えば
低い切断数(例えば10切断/100km)又は低い品質に対して“低い”、
中間の切断数(例えば100切断/100km)又は中間の品質に対して“中間”、
高い切断数(例えば1000切断/100km)又は高い品質に対して“高い”。
選択のため、ハードウエア又はソフトウエアで実現される選択ボタンを設けることができる。完全な選択自由度のために、操作者に所望の切断数の自由な入力の可能性を認めることができる。上記選択の1つを決定する際、操作者の自由度と操作の簡単さとの平衡を行うようにする。
【0047】
しかし統計的代表値のほかに、別の影響を欠点除去限界の計算へ入れることもできる。このような別の影響は例えば次のようなものとすることができる。
供試品9の過去。欠点除去限界6の推移に対して、どんな原材料から供試品9が製造されたか、またそれがどんな処理過程を通過したかが役割を果たすことがある。図3及びその上記の論議が示すように、過去は糸本体4に影響を及ぼす。従って欠点除去限界6を規定する際にも過去を考慮することができる。
供試品9の現在。供試品9の現在の状態は、糸番手、不均一さ、異物、湿気含有量等のようなパラメータによって特徴づけることができる。これらのパラメータの若干は多分測定過程101中に検出されるが他のものは検出されない。後者のパラメータ又はその少なくとも若干は、操作者により制御装置14へ入力することができる。
供試品の将来。供試品9の将来の使用は欠点除去限界6に影響を及ぼすことがある。例えば織物用の横糸の場合、短い質量変動が長い質量変動より有害であり、編物用糸の場合、逆である。
製造長さ及び測定長さ。例えば供試品9を走査する測定ヘッド11の形式は、事象領域3における事象71,72の分布に影響を及ぼす。欠点除去限界6を自動的に規定する場合、このような影響を補償することができる。
周囲条件。空気湿度、空気温度及び他の周囲条件も同様に事象領域3における事象71,72の分布に影響を及ぼすことがある。補償が可能である。
例えば糸9を編糸として使用することがわかっている場合、このことを適当なやり方で制御装置14へ入力することができる。従って欠点除去限界6を自動的に規定する場合、欠点除去限界6は、長い欠点に対しては対応する密度線より低い所に置かれ、短い欠点に対しては高い所に置かれる。
【0048】
統計的代表値及び欠点除去限界6に基いて、供試品長さに関する切断数が計算される(段階103)。この長さに関する切断数は、最も簡単な場合欠点除去曲線6より上にあるすべての事象72の和から生じる。この切断数は大抵の場合100kmの供試品基準長さに換算される。まず互いに無関係な複数の測定値が供試品9において検出され、各測定値に対して別々の部分欠点除去が行われると、換算が一層複雑になる。後者の場合の典型的な例は、一方では質量変動又は直径変動に従う部分欠点除去(NSLT欠点除去)であり、他方では異物に従う部分除去である。この場合異なる部分欠点除去の各々は部分切断数を与え、全切断数はすべての部分切断数の和から生じる。部分切断数の割合は、全切断数を変えることなく、互いに変えることができる。それにより個々の部分欠点除去限界の規定に関して付加的な自由度が生じる。部分切断数の割合は、操作者により入力するか、固定的に規定するか又は自動的に計算することができる。自動的な計算は、上述した別の影響に基いてもよい。例えば異物があまり有害でないけれども質量変動が有害であるような供試品の将来の使用があってもよい。
【0049】
操作者は、規定された欠点除去限界6に属する切断数について見解を述べる可能性を持たねばならない(段階105)。この目的のため切断数が、その計算(段階103)後、出力装置15に表示される。操作者は、表示された切断数を確認するか又は変えることを要求される。この目的のため制御装置14において、操作領域200が利用可能であるようにすることができる。このような操作領域200の例が図5に示されている。ここで第1の数領域201に現在の切断数例えば52.5切断/100kmが表示され、必要な場合入力される。切断数は、増分ボタン205,206により増分例えば10切断/100kmだけ変化することができる(図4の段階107)。増分の表示及び必要な場合その入力のために、第2の数領域202が設けられている。増分は、なるべく特定の端数例えば切断数の20%として、自動的に計算されるか又は提案される。第1の増分ボタン205を押すことにより、欠点除去曲線6,6′が糸本体4,4′から大きく遠ざけられ(図2参照)、それにより切断数が低下され、逆に第2の増分ボタン206を押すことにより、欠点除去曲線6,6′が糸本体4,4′へ近づけられ、それにより切断数が増大する。第3の数領域203は既に巻取られた糸の長さを示すことができ、この長さが推奨される限界値例えば100kmを下回る時、第4の領域204において警報を出すことができる。更に現在の欠点除去限界及び切断数を確認(図4の段階106)するため、操作ボタン207が存在する。棄却ボタン208により、今までのすべての変化を棄却することができる。上述したことからわかるように、図5の実施例において、ハードウエア又はソフトウエアにより実現される操作ボタン205,206又は207をただ1回押すか又は選択するだけで、操作(段階106)又は変化指令(段階107)が行われる。これは操作を特に簡単にする。もちろん図5に示されるすべての領域及びボタンは操作領域200に並んでいなくてもよい。その代りにそれらが別のやり方で入力装置及び/又は出力装置15(図1)に分布していてもよい。本発明の実施のために、操作領域の上述したすべての素子201〜208が必要でもない。
【0050】
入力される切断数の変化指令に基いて、欠点除去限界6が自動的に変化される(段階108)。変化される欠点除去限界に相当する新しい切断数が計算される(段階103)。その際既に求められている統計的代表値から出発する。しかし既に欠点除去限界6の最初の規定(段階102)の際上述したように、更に別の影響も考慮することができる。操作者は、再び新しい切断数について述べかつ場合によってはそれを変化する(段階107)機会を与えられる(段階105)。欠点除去限界6又は切断数を最適化するための上述したループを、操作者が満足しかつ確認する(段階106)まで、頻繁に実行することができる。
【0051】
こうして規定されて可能ならば最適化される欠点除去限界6は、制御装置14から測定ヘッド11へ伝送され、そこで設定され、それにより規定される(段階109)、この設定により供試品9が欠点を除去される(段階110)。その際切断数を新たに計算するのが有利であり、切断数の著しい変化のような特別の事象においてかつ/又は操作者の入力に基いて、新たな検査(段階105)及び必要な場合切断数の変化(段階107)を周期的に行うことができる。
【0052】
本発明が上述した実施例に限定されないことは自明である。本発明を知れば、当業者は本発明の対象に属する別の変形例を推論することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 欠点除去装置
11 測定ヘッド
12 インタフェース変換器
13 接続導線
14 制御装置
15 入力装置及び出力装置としてのセンサ画面
2 巻取り機
21.1,21.2 巻取り個所
22 巻取り個所計算機
23 制御計算機
3 事象領域
31 横軸
32 縦軸
4 供試品本体、糸本体を表す面積
41 事象領域を区画する密度曲線
5 別の面積
51 別の面積を区画する密度曲線
6 欠点除去限界
61 第1の欠点除去範囲
62 第2の欠点除去範囲
71 許容事象
72 不許容事象
9 供試品例えば糸
101 統計的代表値を求める
102 欠点除去限界の計算
103 切断数の計算
104 切断数の出力
105 決定、切断数が満足できるか
106 切断数の確認
107 切断数の変化
108 欠点除去限界の変化
109 欠点除去限界の規定
110 供試品の欠点除去
200 操作領域
201〜204 数領域
205,206 増分ボタン
207 操作ボタン
208 棄却ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸のような縦長の繊維供試品(9)用の電子欠点除去装置(1)に欠点除去限界(6)を規定する方法であって、
長手方向に動かされる供試品(9)の少なくとも1つの特性の測定値が、特定の長さで検出され、
測定値から供試品(9)の事象(71,72)が確認され、
これらの事象(71,72)から供試品(9)の統計的代表値が求められ(101)、
事象(71,72)の許容又は不許容の基準としての欠点除去限界(6)が、統計的代表値に基いて計算され(102)、求められる統計的代表値及び欠点除去限界(6)から不許容事象(72)の長さに関する数が計算される(103)ものにおいて、
不許容事象(72)の長さに関する数が出力装置(15)において出力され、
操作者が、不許容事象(72)の長さに関する数の出力についての見解を入力装置(15)により入力することを要求され(105)、
入力される見解に従って欠点除去限界(6)が規定され(109)
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
見解が、欠点除去限界(6)を不変なままにすることの確認(106)であるか、又は変化指令に従ってかつ統計的代表値に基いて新しい欠点除去限界(6)を計算する(108)ことの変化指令(107)であり、不許容事象(72)の長さに関する新しい数が、求められる統計的代表値及び欠点除去限界(6)から計算されて、出力装置(15)において出力される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
変化指令が、不許容事象(72)の長さに関する数を増大する指令であるか、又は不許容事象(72)の長さに関する数を減少する指令である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
不許容事象(72)の長さに関する数の増大又は減少が、不許容事象(72)の長さに関する数に比例して自動的に計算される増分値だけ行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
操作(106)又は変化指令(107)がただ1つの動作例えばただ1回のボタン押しにより行われる、請求項2〜4の1つに記載の方法。
【請求項6】
変化指令後に操作者が、不許容事象(72)の出力される長さに関する新しい数に対する見解を入力装置(15)により入力することを再び要求され(105)、入力される見解に従って欠点除去限界(6)が自動的に規定される(108)、請求項2〜5の1つに記載の方法。
【請求項7】
統計的代表値に基いて欠点除去限界(6)が計算されて(102)、求められる統計的表現及び欠点除去限界(6)から生じる不許容事象(72)の長さに関係する数が、100kmの供試品長さ当たり1〜200なるべく10〜100である、先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項8】
統計的代表値に基いて、特定の供試品形式が供試品(9)に自動的に対応せしめられ、欠点除去限界(6)が計算され(102)、対応せしめられる供試品形式が欠点除去限界(6)の計算(102)に影響を及ぼす、先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項9】
欠点除去限界(6)が計算され(102)、将来のために意図される供試品(9)の使用が欠点除去限界(6)の計算(102)に影響を及ぼす先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項10】
長手方向に動かされる供試品(9)の複数の特性の測定値が、特定の供試品長さで検出され、
測定値から供試品の事象(71,72)が確認され、
各特性に対して事象から、供試品(9)の統計的代表値が求められ、
各特性に対して欠点除去限界(6)が、事象(71,72)の許容又は不許容の基準として計算され(102)、
各特性に対して、求められる統計的代表値及び欠点除去限界(6)から生じる不許容事象(72)の長さに関する部分数が計算され、
不許容事象(72)の長さに関する総数が部分数の和として計算され、
不許容事象(72)の総数が不変であるように、部分数の割合がなるべく自動的に規定され、
求められる統計的代表値及び計算される欠点除去限界(6)から、不許容事象(72)の規定される長さに関する部分数が生じるように、各特性に対して欠点除去限界(6)が計算される、
先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項11】
前記の欠点除去限界(6)に加えて、撚り継ぎ欠点除去限界が、供試品(9)における許容又は不許容撚り継ぎの基準として規定され、前記の欠点除去限界(6)が撚り継ぎ欠点除去限界より常に上にあるように規定される、先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項12】
規定される欠点除去限界(6)が、少なくとも1つの所定の基準について自動的に検査され、基準が満たされない場合警報が出される、先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの特性が供試品(9)の単位長さ当たりの質量(M)、直径及び/又は組成である、先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項14】
事象(71,72)が、一方では測定値(M)により、他方では長手方向における測定値の範囲(L)によって規定される、先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項15】
二次元直角座標系の象限又は象限の一部を含む事象領域(3)が提供され、この座標系の横軸(31)が長手方向における測定値の範囲(L)を示し、縦軸(32)が目標値からの測定値の偏差(ΔM)を示す、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
測定値及び長手方向におけるその範囲(L)から、事象領域(3)における事象(71,72)の密度が求められ、欠点除去限界(6)が一定の事象密度に従う、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
規定される欠点除去限界(6)が、電子欠点除去装置(1)の少なくとも1つの測定ヘッドに設定される、先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項18】
欠点除去限界(6)の規定(102)が電子欠点除去装置(1)の制御装置(14)において行われる、先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項19】
欠点除去限界(6)の規定(102)が自動的に行われ、ただ1つの動作例えばただ1回のボタン押し、ただ1回のマウスクリック又はセンサ画へのただ1回の接触によって開始される、先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項20】
糸のような縦長の供試品(9)用の電子欠点除去装置(1)であって、長手方向に動かされる供試品(9)の少なくとも1つの特性の測定値を検出する少なくとも1つの測定ヘッド(11)、及び測定ヘッド(11)に接続される制御装置(14)を含んでいるものにおいて、制御装置(14)が先行する請求項の1つに記載の方法を制御するように構成されていることを特徴とする、電子欠点除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図3(c)】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−505883(P2013−505883A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531202(P2012−531202)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【国際出願番号】PCT/CH2010/000238
【国際公開番号】WO2011/038524
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(503169552)ウステル・テヒノロジーズ・アクチエンゲゼルシヤフト (37)
【Fターム(参考)】