説明

系統連系インバータ

【課題】漏れ電流および高周波ノイズを抑制する小型の系統連系インバータを提供する。
【解決手段】インバータ1と、インバータ1の入力側において直列に接続されたコンデンサによる第1コンデンサ対41と、インバータ1の出力側において直列に接続されたコンデンサによる第2コンデンサ対42と、第1コンデンサ対41の中性点cと第2コンデンサ対42の中性点fとを接続する中性点接続線gと、第1コンデンサ対41と第2コンデンサ対42との間で、且つ、インバータ1の入力側もしくは出力側に配置されインバータ1で発生したコモンモード電流を抑制するコイル3と、インバータ1から出力されるパルス幅変調された電圧を正弦波状の交流に変換するローパスフィルタ構造を構成した出力フィルタ2と、を備え、コイル3は、各相の第1巻線32aおよび第2巻線32bと、第1巻線32aと第2巻線32bとが近接した状態で巻きつけられたコア31と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、系統連系インバータに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電システムや燃料電池などといった直流電源の出力を交流に変換して電力系統に連系させる系統連系インバータでは、高周波スイッチング化が進んでおり、それに伴う高調波漏れ電流や電磁ノイズ(EMI:Electro-Magnetic Interference)を抑制することが望まれている。
【0003】
漏れ電流やEMIはインバータの制御や他の機器に影響を与えたり、漏電遮断器を誤動作させたりする恐れがある。日本国内では、漏れ電流の許容量は電気用品安全法で規定されており、EMIはVCCI(Voluntary Control Council for Information Technology Equipment:情報処理装置等電波障害自主規制協議会)などによって規制されているが、特にEMIに関しては、近年、規制強化の動きが加速しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−119188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たとえば太陽光発電システムにおいては、太陽電池パネルと大地に接続された太陽電池パネルのフレームとの間に浮遊容量が存在し、この浮遊容量が高周波のコモンモードノイズの経路となり得る。一般に、太陽電池パネルの表面にはガラス板から成る絶縁層が形成されており、このガラス板は比較的大きな平面を有するため、雨で濡れると太陽電池パネルとフレーム間の浮遊容量が増大し、高周波コモンモード電流も増大する。
【0006】
コモンモードの高周波電圧変動は、インバータが半導体素子のスイッチングにより直流を交流に変換する際に発生する。このため、インバータにおいては、漏れ電流や高周波ノイズは避けて通れない課題である。
【0007】
例えば、直流電源からインバータに流れるコモンモード電流を抑制するコモンモードチョークコイルを用いる場合、効果的にコモンモード電流を抑制するにはコモンモードチョークコイルのコアを大きくする必要があるが、コアの体積はコモンモードチョークコイルの体積に大きく影響するため、系統連系インバータが大型化し、設置場所が制約されたりコストが上昇したりすることがあった。
【0008】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、漏れ電流および高周波ノイズを抑制する小型の系統連系インバータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、直流電源の出力をパルス幅変調するインバータと、前記インバータの入力側に配置され、中性点を形成するように直列に接続されたコンデンサによる第1コンデンサ対と、前記インバータの出力側に配置され、中性点を形成するように接続されたコンデンサによる第2コンデンサ対と、前記第1コンデンサ対の中性点と前記第2コンデンサ対の中性点とを接続する中性点接続線と、前記第1コンデンサ対と前記第2コンデンサ対との間で、且つ、前記インバータの入力側もしくは出力側に配置され前記インバータで発生したコモンモード電流を抑制する少なくとも1つのコモンモードチョークコイルと、前記インバータから出力されるパルス幅変調された電圧を正弦波状の単相または三相交流に変換するためにリアクトルとコンデンサによりローパスフィルタ構造を構成した出力フィルタと、を備え、前記コモンモードチョークコイルは、正極側の第1巻線と、負極側の第2巻線と、前記第1巻線と前記第2巻線とが近接した状態で巻きつけられたコアと、を備えることを特徴とする系統連系インバータが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施形態の系統連系インバータの一構成例を説明するためのブロック図である。
【図2】図2は、図1に示す系統連系インバータのコモンモードチョークコイルの一構成例を説明するための図である。
【図3】図3は、実施形態の系統連系インバータの他の構成例を説明するためのブロック図である。
【図4】図4は、実施形態の系統連系インバータの他の構成例を説明するためのブロック図である。
【図5】図5は、図4に示す系統連系インバータのコモンモードチョークコイルの一構成例を説明するための図である。
【図6】図6は、インバータが3レベルPWM制御方式で駆動された場合に出力されるPWM電圧波形の一例を示す図である。
【図7】図7は、インバータが2レベルPWM制御方式で駆動された場合に出力されるPWM電圧波形の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態の系統連系インバータについて、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、第1実施形態の系統連系インバータの一構成例を説明するためのブロック図である。本実施形態の系統連系インバータは、直流電源と系統トランス7との間に接続され、半導体スイッチング素子により構成されたインバータ1と、出力フィルタ2と、コモンモードチョークコイル3と、第1コンデンサ対41と、第2コンデンサ対42と、昇圧回路8と、コンデンサ9と、を備えている。
【0013】
太陽電池5は、本実施形態において直流電源に対応し、直流電圧を発生する。太陽電池5で発生された直流電圧は、第1コンデンサ対41、コモンモードチョークコイル3、および直流ラインコンデンサ9を経由してインバータ1に供給される。なお、本実施形態において直流電源としては、太陽電池に限らず、燃料電池、その他の直流電圧を発生する電池を使用することができる。
【0014】
コモンモードチョークコイル3は、インバータ1の入力側に設けられ、インバータ1に流れるコモンモード電流を抑止する。
【0015】
インバータ1は、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)またはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などといった半導体スイッチング素子によるブリッジ回路から構成されている。インバータ1は、2レベルPWM制御方式あるいは3レベルPWM制御方式で駆動される。
【0016】
3レベルPWM制御方式の場合、太陽電池5から供給される直流電圧Eを、例えば図6に示すような、+Eから0まで、または、0から−Eまで変化する振幅を有し、パルス幅が順次に変化するパルス波形を有するPWM電圧に変換して出力フィルタ2に送る。
【0017】
2レベルPWM制御方式の場合、太陽電池5から供給される直流電圧を、例えば図7に示すような、+Eから−Eまで変化する振幅を有し、パルス幅が順次変化するパルス波形を有するPWM信号に変換して出力フィルタに送る。
【0018】
出力フィルタ2は、入力端がインバータ1の一方の出力端子に接続されたリアクトル21a、入力端がインバータ1の他方の出力端子に接続されたリアクトル21bおよびリアクトル21aの出力端とリアクトル21bの出力端との間に接続されたコンデンサ22から構成されている。出力フィルタ2は、インバータ1から送られてくるPWM電圧を、図6および図7の破線で示すような正弦波交流電圧に変換して系統トランス7に送る。
【0019】
第1コンデンサ対41は、コンデンサ41aとコンデンサ41bとが直列に接続されて構成されており、コモンモードチョークコイル3の入力端子間(太陽電池5の出力端子間)abに配置されている。a点には直流ライン正電圧が、b点には直流ライン負電圧がそれぞれ現れる。これらコンデンサ41aとコンデンサ41bとの接続点に直流ライン中性点cが形成されており、直流ライン中性点cは、中性点接続線gによって、後述する第2コンデンサ対42の交流出力中性点fに接続されている。
【0020】
第2コンデンサ対42は、コンデンサ42aとコンデンサ42bとが直列に接続されて構成されており、系統トランス7の入力端子間(出力フィルタ2の出力端子間)deに配置されている。d点とe点との間には正弦波交流(交流出力電圧)が現れる。これらコンデンサ42aとコンデンサ42bとの接続点に交流出力中性点fが形成されており、交流出力中性点fは、上述したように、中性点接続線gによって、第1コンデンサ対41の直流ライン中性点cに接続されている。
【0021】
系統トランス7は、系統連系インバータから供給される正弦波交流を変圧し、電力系統端hに接続する。系統トランス7の中性点は、中性点接地線iにより大地に接続されている。
【0022】
上記のように構成された系統連系インバータにおいては、系統トランス7の中性点接地線i→大地→太陽電池5の浮遊容量6といった経路でコモンモード電流が流れる「漏れ電流路」が形成される。また、インバータ1の出力→第2コンデンサ対42→中性点接続線g→第1コンデンサ対41→インバータ1の入力といった線路でコモンモード電流が流れる「バイパス路」が形成される。コモンモード電流のバイパス路は、コモンモード電流の周波数(インバータ1のスイッチング周波数に等しい)において、漏れ電流路よりも十分に小さいインピーダンスを有し、コモンモードチョークコイル3は、漏れ電流路およびバイパス路よりも大きなインピーダンスを有する。
【0023】
したがって、コモンモード電流の殆どはバイパス路を流れることになり、その大きさはコモンモードチョークコイル3によって抑制される。その結果、系統連系インバータの外へ流れ出る漏れ電流は抑制される。
【0024】
図2に、コモンモードチョークコイル3の一構成例を概略的に示す。コモンモードチョークコイル3はバイファイラ巻きのコモンモードチョークコイルである。本実施形態のコモンモードチョークコイル3は、各相の巻線と、前記各相の巻線が近接した状態で巻きつけられたコア31と、を備える。図2に示す場合では、コモンモードチョークコイル3は、コア31と、正極側の巻線(第1巻線)32aと、負極側の巻線(第2巻線)32bとを備えている。正極側の巻線32aと負極側の巻線32bとは、2本まとめて近接させた状態でコア31に巻いている。近接した巻線32aと巻線32bとの組同士は、互いに間隔をおいてコア31に巻かれている方が、近接効果と巻線間容量を低減できて望ましい。
【0025】
上記コモンモードチョークコイル3にコモンモード電流34が流れた場合、コア31内において磁束は矢印33で示すように発生し強めあいインダクタンスを示すが、ノーマルモード電流35が流れた場合、磁束は打ち消しあい発生せずインダクタンスは示さない。
【0026】
上記コモンモードチョークコイル3にノーマルモード電流35が流れた場合、それぞれの巻線32a、32bに発生する漏れ磁束36a、36bは、2本の巻線32a、32bが近接した状態で巻いてあるため、互いに打ち消しあう。よって漏れ磁束は2本の巻線32a、32bをそれぞれコア31の異なる領域に巻いた場合よりも小さくなる。漏れ磁束が低減されるので、コア31内の磁束も低減し、コア31をより小型化して系統連系インバータの小型化を図ることができる。
【0027】
このように、漏れ電流やノイズの流出をバイパス路により抑制する図6のような回路において、コモンモードチョークコイル3の巻線の巻き方を、各相の線をまとめて近接させて巻く事で、コモンモードチョークコイル3のコア31を小型化し、系統連系インバータを小型化する事ができる。
【0028】
特に、太陽光発電システムの系統連系インバータは、電源である太陽電池の電圧が変動するため、変動する電圧を一定に調節する昇圧回路を備えている物が殆どである。太陽電池の電圧が低い時には昇圧回路が動作して電圧を上げるが、その分系統連系インバータに流れ込む電流は大きくなる。すると、コモンモードチョークコイル31に流れるノーマルモード電流も大きくなるため、発生する漏れ磁束も大きくなる。漏れ磁束によりコモンモードチョークコイル3のコア31が磁気飽和しないよう、コアを大きく設計する必要がある。ここに本発明を適用すると、ノーマルモード電流による漏れ磁束を低減できるので、コアを小さくする事ができる。
【0029】
図3は、上記実施形態の系統連系インバータの他の例を示すブロック図である。この系統連系インバータは、コモンモードチョークコイル3がインバータ1と出力フィルタ2との間に配置されている。
【0030】
このような構成においても、ノーマルモード電流によりコモンモードチョークコイル3に発生する漏れ磁束はコア31の大型化を招くため、コモンモードチョークコイル3の巻線を図2のように各相の線をまとめて近接させて巻く事で、漏れ磁束を低減し、コア31を小型化し、回路を小型化することが出来る。
【0031】
すなわち、コモンモードチョークコイル3が配置される場所は、第1コンデンサ対41と第2コンデンサ対42との間であればよい。また、インバータ1の入力側と出力側との両方に複数配置されていても良い。コモンモードチョークコイル3が複数ある場合は、一部のコモンモードチョークコイル3のみが図2のような巻線の巻き方となっていてもよく、全てのコモンモードチョークコイル3が図2の巻線の巻き方となっていてもよい。
【0032】
また、上述の実施形態は、単相の系統連系インバータに適用した例であるが、三相の系統連系インバータに適用することもできる。三相の系統連系インバータに適用する場合、インバータ1より出力側が三相構成となる。従って、コモンモードチョークコイル3をインバータ1より入力側に配置する場合は、コモンモードチョークコイル3の巻線の巻き方は図2と同様となるが、コモンモードチョークコイル3をインバータ1より出力側に配置する場合は、三相分の巻線3本をまとめて近接させてコア31に巻きつけることにより上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0033】
また、本実施形態では、系統連系インバータは昇圧回路8を備えているが、昇圧回路8は省略可能である。昇圧回路8を省略した場合でも上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0034】
次に第2実施形態の系統連系インバータについて図面を参照して説明する。なお、以下の説明において上述の第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
図4は、第2実施形態の系統連系インバータの一構成例を説明するためのブロック図である。本実施形態の系統連系インバータは、第1実施形態の系統連系インバータの出力フィルタ2を構成するリアクトル21a、21bに代えて、磁気結合させたリアクトル21cを用いて構成されている。リアクトル21cの磁気結合は、コモンモード電流に対して低いインピーダンスを有するとともにノーマルモード電流に対して高いインピーダンスを有するように結合している。
【0036】
リアクトル21cは、ノーマルモード電流による磁束は合わさるためインダクタンスを示すが、コモンモード電流による磁束が打ち消しあいインダクタンスを示さない。よってリアクトルを21a、21bの時のように別個に構成する場合と比べ、コモンモード電流による磁束を低減でき、リアクトル21cのコアを小型化できる。
【0037】
したがって、本実施形態によれば、コモンモードチョークコイル3のコア31を小型化するとともに、リアクトル21cのコアを小型化できるため、系統連系インバータをより小型化する事ができる。
【0038】
なお、本実施形態の系統連系インバータについても上述の第1実施形態と同様に、コモンモードチョークコイル3はインバータ1の出力側に位置していても良いし、インバータ1の入力側と出力側との両方に複数配置されていても良い。一部のコモンモードチョークコイル3のみを図2に示す巻線の巻き方としてもよく、全てを図2に示す巻き方としてもよい。また、本実施形態の系統連系インバータを三相の系統連系インバータに変形することができ、昇圧回路8は省略することが可能である。
【0039】
図5は、本実施形態の系統連系インバータのリアクトル21cの一構成例を概略的に示す図である。リアクトル21cは、バイファイラ巻きのノーマルモードコイルである。本実施形態では、リアクトル21cは、他の相と磁気結合した各相の巻線と、それらの巻線が巻きつけられたコアとを備える。図5に示す場合では、リアクトル21cは、コア211と、コイル巻線212a、212bとを備えている。
【0040】
リアクトル21cは、上記のようにノーマルモード電流による磁束213は合わさるためインダクタンスを示すが、コモンモード電流による磁束が打ち消しあいインダクタンスを示さない。この場合、理想的にはリアクトル21cに流れるコモンモード電流214による磁束は存在しないが、実際には漏れ磁束216a、216bが生じるため、その分リアクトル21cのコア211は大きく設計する必要があった。
【0041】
しかし図5のように、リアクトル21cの各相の巻線212a、212bをまとめて近接させてコア211に巻く事で、コモンモード電流214により発生する漏れ磁束216a、216bは打ち消しあうため、コア211内の磁束は低減し、コア211を小型化できる。
【0042】
正極側の巻線212aと負極側の巻線212bとは近接した状態でコア211に巻かれ、その一端において巻線212aはインバータ1に接続され巻線212bは系統トランス7に接続されるとともに、他端において巻線212aは系統トランス7に接続され巻線212bはインバータ1に接続されている。
【0043】
また、近接した巻線212aと巻線212bとの組同士は、互いに間隔をおいてコア31に巻かれている方が、近接効果と巻線間容量を低減できて望ましい。
【0044】
このように各相の巻線212a、212bをまとめて近接させてコア211に巻く事で、コモンモード電流214により発生する漏れ磁束216a、216bは打ち消しあうため、コア211内の磁束は低減し、コア211を小型化できる。
【0045】
従って、本実施形態によれば、コモンモードチョークコイル3のコア31を小型化するとともに、リアクトル21cのコアを小型化できるため、系統連系インバータをより小型化する事ができる。
【0046】
なお、本実施形態の系統連系インバータも、上述の第1実施形態の系統連系インバータと同様に、コモンモードチョークコイル3はインバータの出力側に位置していても良く、インバータ1の入力側と出力側との両方に複数配置されていても良い。また、複数のコモンモードチョークコイル3を配置する場合には、それらのコモンモードチョークコイル3の一部が図2に示す巻線の巻き方であれば上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態の系統連系インバータも第1実施形態と同様に、三相の系統連系インバータに適用することができ、昇圧回路8を省略することができる。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
c…直流ライン中性点、g…中性点接続線、f…交流出力中性点、1…インバータ、2…出力フィルタ、21c…リアクトル、22…コンデンサ、211…コア、212a…巻線(正極側)、212b…巻線(負極側)、3…コモンモードチョークコイル、31…コア、32a…巻線(正極側)、32b…巻線(負極側)、41…コンデンサ対、41a…コンデンサ、41b…コンデンサ、42…コンデンサ対、42a…コンデンサ、42b…コンデンサ、5…太陽電池(直流電源)、6…浮遊容量、7…系統トランス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源の出力をパルス幅変調するインバータと、
前記インバータの入力側に配置され、中性点を形成するように直列に接続されたコンデンサによる第1コンデンサ対と、
前記インバータの出力側に配置され、中性点を形成するように接続されたコンデンサによる第2コンデンサ対と、
前記第1コンデンサ対の中性点と前記第2コンデンサ対の中性点とを接続する中性点接続線と、
前記第1コンデンサ対と前記第2コンデンサ対との間で、且つ、前記インバータの入力側もしくは出力側に配置され前記インバータで発生したコモンモード電流を抑制する少なくとも1つのコモンモードチョークコイルと、
前記インバータから出力されるパルス幅変調された電圧を正弦波状の交流に変換する出力フィルタと、を備え、
前記コモンモードチョークコイルは、各相の巻線と、前記各相の巻線が近接した状態で巻きつけられたコアと、を備えることを特徴とする系統連系インバータ。
【請求項2】
前記出力フィルタは、リアクトルとコンデンサとを含むローパスフィルタを有し、
前記リアクトルは他の相と磁気結合した各相の巻線と、前記巻線が巻きつけられたコアとを有し、
前記巻線の磁気結合はコモンモード電流に対して低いインピーダンスを有するとともにノーマルモード電流に対して高いインピーダンスを有するように結合していることを特徴とする請求項1記載の系統連系インバータ。
【請求項3】
前記リアクトルの巻線は、各相の巻線をまとめて近接させた状態で前記コアに巻きつけてあることを特徴とする請求項2記載の系統連系インバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−106475(P2013−106475A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250054(P2011−250054)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】