説明

紅麹ヤマイモの製造方法

【課題】紅麹ヤマイモの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、紅麹ヤマイモの製造方法を開示し、そのステップには、適当比率の水量を新鮮なヤマイモ、または、乾燥ヤマイモ内に加えることと、次に滅菌を施すことと、滅菌を終えてヤマイモが冷やした後、紅麹の種菌をヤマイモ内に接種することと、種菌接種済みヤマイモを適当な温度、適当な湿度、及び、適当な震盪旋回速度内で適当な培養時間を培養すること、及び、最後に培養を終えた紅麹ヤマイモを乾燥させ、適当な水分含有量にさせることとを、含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紅麹ヤマイモの製造方法に関し、特に、固体培養方法或いは液体培養方法を利用して紅麹ヤマイモを製造する方法を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
高コレステロールで生じる高血圧症は、近年普遍的な文明病となってきたが、医学が進歩してきても、中高年世代の人口増大に伴い、また中高年世代の代謝機能が下がり、スーパーオキシドラジカルを消去しにくく、容易にガン、心臓病等の中高年疾患の発生が引き起きてしまう。血液中のコレステロールが高すぎることで心血管病変(脳卒中、虚血性心疾患及び高血圧を含む)が起きている。しかし健康的な食生活を求めるため、健康食品が非常に流行している。紅麹がコレステロール合成の抑制及び血圧低下作用を兼ね備え、現在最も注目されている健康食品である。
【0003】
近年の多くの研究においても高脂血症(hyperlipidemia)にあるハムスターを試験群として紅麹米を食べさせた後、明らかに降脂作用が見られた。これにより紅麹米がコレステロールを下げる薬の成分とできるため、この種の病変を効果的に改善できると実証されてきた。
【0004】
紅麹米が上記の働きを有することは、紅麹米が多種多彩な二次代謝産物を生成できるからで、例えばコレステロール合成の抑制剤、血圧低下物質及び発癌抑制物質等である。紅麹菌の二次代謝産物に対する以前の研究からも二次代謝産物の生成量及び形態は直接または間接的に培養環境及び培養方法の影響を受けると指摘されてきた。
【0005】
従来、紅麹の関連製品は、均しく米を発酵基質としてきたが、紅麹米は抗炎症物質(モナコリン)、発癌抑制物質(アンカフラビン)とコレステロール低下物質(モナコリンK)の生成量が比較的低く、これにより発酵基質向けが着手され、効果が好ましい基質を選別し、また好適な培養条件を調整することで、血中脂質低下、血圧低下及びアテローム性動脈硬化の予防効果を引き上げていた。この場合、紅麹菌の米における成長に代替する新しい発酵基質を製造工程で培養できれば、更に高いモナコリンとアンカフラビンを生成することが、急がれていた課題とであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の問題点に鑑み、本発明者は、長年に渡る累積してきた経験により、想像力と創造力を発揮させ、絶え間ない試験と鋭意検討した結果、本発明の紅麹ヤマイモ製造方法を完成させるに至った。
【0007】
本発明の第1の目的は、異なる培養条件によると、紅麹菌が生成する各種二次代謝産物の含有量も異なるため、本発明で提供する紅麹ヤマイモ製造方法及びその各種培養条件により、機能性の二次代謝産物、例えば抗炎症物質(モナコリン)、発癌抑制物質(アンカフラビン)とコレステロール低下物質(モナコリンK)の生成量が高まり、血中脂質低下、血圧低下及びアテローム性動脈硬化予防の薬の成分として用いることができる紅麹ヤマイモの製造方法を提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、紅麹菌が異なる基質内で生成される二次代謝産物の含有量も異なるため、本発明においてヤマイモを紅麹菌の培養基質として使用し、機能性の二次代謝産物、例えば抗炎症物質(モナコリン)、発癌抑制物質(アンカフラビン)とコレステロール低下物質(モナコリンK)の生成量が高まり、血中脂質低下、血圧低下及びアテローム性動脈硬化予防の薬の成分として用いることができる紅麹ヤマイモの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明で開示する紅麹ヤマイモの製造方法は、固体培養方法により紅麹菌を培養する。その製造方法には、新鮮なヤマイモをきれいに洗い、また一定の大きさに角切るステップと、該新鮮なヤマイモの角切りを乾燥化或いは硫黄燻蒸により乾燥させ、乾燥後のヤマイモを特定の水分含有量にさせるステップと、特定水量を乾燥ヤマイモに加え、乾燥ヤマイモと該水量を特定比率にさせ、また特定時間浸け置くステップと、浸け込んだヤマイモに滅菌ステップを施し、また特定温度まで冷やすステップと、紅麹の種菌をヤマイモ内に接種するステップと、種菌接種済みヤマイモを特定の培養温度及び特定の培養湿度内で特定の培養時間培養するステップと、前ステップの産物に特定時間の嫌気性処理ステップを施すステップ、及び前ステップの産物に乾燥化ステップを施し、特定の水分含有量にさせて、紅麹ヤマイモの製造を完成するステップとを含む。
【0010】
本発明では更に別に開示する紅麹ヤマイモの製造方法は、液体培養方法により紅麹菌を培養する。この製造方法には、特定水量をヤマイモ原料内に加え、該ヤマイモ原料と該水量を特定比率にさせるステップと、特定比率の水分を含んだヤマイモに滅菌ステップを施し、また特定温度にまで冷やすステップと、紅麹の種菌をヤマイモ内に接種するステップと、種菌接種済みヤマイモを特定の培養温度及び特定の震盪旋回速度内で特定の培養時間培養するステップと、前ステップの産物に特定時間の嫌気性処理ステップを施すステップと、前ステップの産物に遠心処理ステップを施すステップ(省略も可能)、及び前ステップの産物に乾燥化ステップを施し、特定の水分含有量にさせて、紅麹ヤマイモの製造を完成するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好ましい実施例1の紅麹ヤマイモ製造フローである。
【図2】本発明の好ましい実施例2の紅麹ヤマイモ製造フローである。
【図3】本発明の好ましい実施例3の紅麹ヤマイモ製造フローである
【図4】本発明の好ましい実施例4の紅麹ヤマイモ製造フローである。
【図5】紅麹米と紅麹ヤマイモ培養過程中の黄色素と紅色素の生成傾向線である。
【図6】紅麹米と紅麹ヤマイモ培養過程中のモナコリンKの生成傾向線である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記の目的と効果を達成するため、本発明者は紅麹とヤマイモを結び付け、また製造方法と培養条件の改良と修正を行ったことで、本発明の紅麹ヤマイモの製造方法を見出すことに至った。またそれぞれ本発明の好ましい実施例1の紅麹ヤマイモ製造フロー、好ましい実施例2の紅麹ヤマイモ製造フロー、好ましい実施例3の紅麹ヤマイモ製造フロー及び好ましい実施例4の紅麹ヤマイモ製造フローにより本発明の紅麹ヤマイモの製造方法についてそれぞれ詳細に説明していく。
【実施例1】
【0013】
図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の該好ましい実施例1の紅麹ヤマイモ製造フローで、その製造方法には次のステップが含まれる。即ち、新鮮なヤマイモをきれいに洗い、また一定の大きさに角切り(ステップ101)、その角切りの該一定の大きさとは2〜20mmで、好適な大きさが2mmである。該新鮮なヤマイモの角切りを乾燥化させ、乾燥後のヤマイモを特定の水分含有量(ステップ102)にさせ、該特定の水分含有量を15%以下とし、好適な水分含有量とは7%である。特定水量を乾燥ヤマイモ内に加え、乾燥ヤマイモと該水量を特定比率にさせ、また特定時間(ステップ103)浸け置き、該特定比率とは1:0.5%〜1:1.5%とし、好適な比率が1:0.75%で、浸け置く該特定時間を60分間以内とし、好適な時間が30分間である。浸け込んだヤマイモに滅菌ステップを施し、また特定温度(ステップ104)まで冷やし、該滅菌方法には高温滅菌法を用いることができ、該滅菌法の滅菌温度が121℃で、滅菌時間を10〜60分間とする。紅麹種菌をヤマイモ内(ステップ105)に接種する。また種菌接種済みヤマイモを特定の培養温度及び特定の培養湿度で特定の培養時間(ステップ106)培養し、該特定の培養温度を25〜37℃とし、好適な培養温度が30℃で、該特定の培養湿度を50%〜80%とし、好適な培養湿度が60%で、該特定の培養時間を8〜20日間とし、好適な培養時間が10日間である。前ステップの産物に特定処理時間の嫌気性処理ステップ(ステップ107)を施し、該特定処理時間を3日以内とし、好適な処理時間が2日間である。及び前ステップの産物に乾燥化ステップを施し、特定の水分含有量(ステップ108)にさせ、該特定の水分含有量を15%以下とし、好適な水分含有量が6%で、これで紅麹ヤマイモの製造完成となる。
【実施例2】
【0014】
次に、図2を参照しながら説明し、図2は、本発明の該好ましい実施例2の紅麹ヤマイモ製造フローである。その製造方法のステップ(ステップ201とステップ203〜208)は大まかに好ましい実施例1のステップ(ステップ101とステップ103〜108)と同じで、異なるところは、好ましい実施例1内の新鮮なヤマイモの乾燥化ステップ(ステップ102)に一般的な乾燥法を利用し、その目的は新鮮なヤマイモの水分含有量のみを減らすことにあり、また好ましい実施例2の乾燥化ステップで該新鮮なヤマイモの角切りに硫黄燻蒸による乾燥化を施すことで、乾燥後のヤマイモを特定の水分含有量及び特定の硫黄含有量(ステップ202)にさせ、本ステップに特殊な硫黄燻蒸による乾燥法を用い、その目的はヤマイモに微量の硫化物を含有させることで、微生物の成長を抑制し、保存効果を増すことができることである。好ましい実施例2において、硫黄燻蒸による乾燥法を利用してヤマイモを乾燥させた後、乾燥後のヤマイモが特定の水分含有量及び特定の硫黄含有量にさせ、該特定の水分含有量を15%以下とし、好適な水分含有量が7%で、該特定の硫黄含有量を160ppm以下とし、好適な硫黄含有量が120ppmとする。
【0015】
上記に示した好ましい実施例1と好ましい実施例2は、特定水量を乾燥ヤマイモに加えた後、ヤマイモと水量の比率が1:0.5%〜1:1.5%となり、少量の水のみを加え、ヤマイモが高温滅菌を経た後でも依然として固体形態のヤマイモ基質を明らかに保持するため、該2種類の固体形態のヤマイモ基質を利用して紅麹菌を培養する方法は、固体培養方法と呼ぶこともできる。
【実施例3】
【0016】
次に、図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の該好ましい実施例3の紅麹ヤマイモ製造フローで、その製造方法には次のステップが含まれる。即ち、特定水量をヤマイモ原料に加え、該ヤマイモ原料と該水量を特定比率(ステップ301)にさせ、該特定比率が1:10〜1:200とする。特定比率の水分を含有したヤマイモに滅菌ステップを施し、また特定温度(ステップ302)まで冷やし、該滅菌方法として高温滅菌法を利用することができ、該滅菌法の滅菌温度は少なくとも121℃で、滅菌時間を少なくとも30分間とする。紅麹の種菌をヤマイモ内(ステップ303)に接種する。種菌接種済みヤマイモを特定の培養温度及び特定の震盪旋回速度で特定の培養時間(ステップ304)培養し、該特定の培養温度を25〜37℃とし、好適な培養温度が30℃で、該特定の震盪旋回速度を50〜300rpmとし、好適な震盪旋回速度が200rpmで、該特定の培養時間を8〜20日間とし、好適な培養時間が10日間である。前ステップの産物に特定処理時間の嫌気性処理ステップ(ステップ305)を施し、該特定処理時間を3日以内とし、好適な処理時間が2日間である。及び前ステップの産物に乾燥化ステップを施し、特定の水分含有量(ステップ306)にさせ、該特定の水分含有量を15%以下とし、好適な水分含有量が6%で、これで紅麹ヤマイモの製造完成となる。
【0017】
該好ましい実施例3において、初めのステップに使用するヤマイモ原料は下記の原料の中から一種類を選んで使用できる。即ち、1本の新鮮なヤマイモ、大きさ2〜20mmに角切った新鮮なヤマイモ、水分含有量が15%以下とする乾燥ヤマイモ、及び水分含有量が15%以下、硫黄含有量が160ppm以下とする硫黄含有乾燥ヤマイモである。
【実施例4】
【0018】
次に、図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の該好ましい実施例4の紅麹ヤマイモ製造フローである。その製造方法のステップ(ステップ401〜405とステップ407)が大まかに好ましい実施例3のステップ(ステップ301〜306)と同じであるが、異なるところは好ましい実施例4においてステップ405を行った後、比較的高純度の産物を得るため、まず遠心処理ステップ(ステップ407)を施してから、最終的な乾燥化ステップ(ステップ407)を施すことで、紅麹ヤマイモの製造を完成させることにある。
【0019】
該好ましい実施例4において、初めのステップに使用するヤマイモ原料は下記の原料の中から一種類を選んで使用できる。即ち、1本の新鮮なヤマイモ、大きさ2〜20mmに角切った新鮮なヤマイモ、水分含有量が15%以下とする乾燥ヤマイモ、及び水分含有量が15%以下、硫黄含有量が160ppm以下とする硫黄含有乾燥ヤマイモである。
【0020】
上記に示した好ましい実施例3と好ましい実施例4は、特定水量を乾燥ヤマイモに加えた後、ヤマイモと水量の比率が1:10〜1:200となり、明からに多量の水を加え、ヤマイモが高温滅菌を経た後、液体形態のヤマイモ基質になり、且つ培養ステップを行う時、更に震盪処理を施すため、この液体形態のヤマイモ基質を利用して紅麹菌を培養する方法は、液体培養方法と呼ぶこともできる。
【0021】
近年、紅麹菌の二次代謝産物が徐々に注目されるようになり、黄色素物質であるモナスシンとアンカフラビンが抗炎症物質と発癌率を引き下げる効果を持つ成分で、モナコリンKが有効なコレステロール低下物質であると実証され、紅麹発酵産物内のモナスシン、アンカフラビンとモナコリンKが現在紅麹の研究発展の重要な目標となっている。従来の紅麹の関連製品は均しく米を発酵基質としてきたが、紅麹米の抗炎症物質であるモナスシン、アンカフラビンとモナコリンKの生成量が比較的低かった。本発明ではこの2種類の効果を持つ成分の生成量を引き上げるため、ヤマイモを紅麹菌の発酵基質とした。過去の研究文献では均しくヤマイモを紅麹の発酵基質としてはいないが、ヤマイモには豊富な澱粉質が含まれると共に好ましい保水性があり、紅麹菌の成長に適している。
【0022】
本発明の紅麹ヤマイモの製造方法によれば、紅麹ヤマイモの製造生産に成功でき、紅麹ヤマイモと紅麹米は外観的には大きな違いがあり、最大の異なるところとは紅麹米の主に生成する色素が赤色で、また紅麹ヤマイモの外観は橙黄色になることである。
【0023】
次に、図5を参照しながら説明し、図5は、紅麹米(黒丸記号)と紅麹ヤマイモ(白丸記号)培養過程中の黄色素と赤色素の生成傾向線である。紅麹ヤマイモは培養初期に大量の黄色素を生成し、その生成量は明らかに紅麹米よりも高い。また赤色素の生成面において、紅麹ヤマイモの生成量が紅麹米より低い。この結果はヤマイモで発酵した紅麹菌が大量の黄色素を生成できることを示し、またこれら黄色素には効果を持つ成分であるモナスシンとアンカフラビンが含まれる。
【0024】
次に、下記表1を参照し、表1は、異なる培養方法の下で紅麹ヤマイモと紅麹米中のモナスシン、アンカフラビンとGABAの生成量を比較したものである。
【0025】
【表1】

【0026】
表1に示すように、固体培養の紅麹ヤマイモのモナスシン生成量は固体培養の紅麹米の4.23倍で、アンカフラビンが顕著に6.30倍高めることができ、これからも分かる通り固体培養の紅麹ヤマイモは固体培養の紅麹米より明らかに比較的高いモナスシンとアンカフラビンを有する。液体培養で生成した紅麹ヤマイモもまた同じような効果であり、液体培養の紅麹ヤマイモ中のモナスシンとアンカフラビンの生成量も明らかに液体培養の紅麹米よりも4.30倍と5.16倍高かった。GABAの生成部分において、紅麹ヤマイモで培養した産物も比較的高い生成量のGABAがあった。
【0027】
次に、図6を参照にして説明する。図6は、紅麹米(黒丸記号)と紅麹ヤマイモ(白丸記号)培養過程中におけるモナコリンKの生成傾向線である。図の中からも分かるように紅麹米が培養の2日目からモナコリンKをゆっくり生成し、6日目になってから生成の停滞が始まる。また紅麹ヤマイモではモナコリンKが継続的に生成され、10日目になってから停滞が始まり、5日目から10日目までの間において顕著な急速生成傾向がある。その他、培養を終えた後、紅麹ヤマイモ中のモナコリンKの生成量は紅麹米の5倍以上であった。
【0028】
下記表2を参照にし、表2は、比較多種類の異なる基質のモナコリンK、赤色素及び黄色素に対する生成量の違いを比較したものである。
【0029】
【表2】

【0030】
表2に示されるように、明らかに紅麹ヤマイモのモナコリンKの生成量がそれぞれ紅麹米の5.27倍、キャッサバの4.95倍、サツマイモの13.18倍及びジャガイモの5.22倍となり、これによりこれら基質において、ヤマイモがモナコリンKを生成する好適な基質であることが分かる。その他、表2中からも比較で紅麹ヤマイモの黄色素の生成量が均しく他の基質より高く、このため、紅麹ヤマイモが確かに黄色素成分、例えばモナスシンとアンカフラビンの生成量が高まったことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
上記研究成果から紅麹ヤマイモには比較的高い生成量のモナコリン、アンカフラビン、GABAとモナコリンKを有し、これら機能性の代謝産物は抗炎症、発癌抑制、血圧低下、神経伝達促進作用とコレステロール低下等の効果を持ち、また良好な血中脂質低下、血圧低下、アテローム性動脈硬化の予防とアルツハイマー病の症状改善効果を示し、これにより将来の健康食製品の研究発展についても高い重要性を備えている。本発明では紅麹米と比べても更に高い生成量の機能性代謝産物を有する紅麹ヤマイモを開発し、将来の紅麹関連製品の発展に役立つことができると望んでいる。
【0032】
上記実施例は、本発明の技術思想と特徴のみを説明し、その目的は当該技術分野における熟練者が本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施することであり、本発明の特許範囲を限定するものができない。本発明で開示した精神を逸脱しない範囲内において種々の改良変更をなし得ることは、本発明の特許範囲に含むものであるのが勿論である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紅麹ヤマイモの製造方法であって、その製造方法のステップには、
新鮮なヤマイモをきれいに洗い、また、一定の大きさに角切るステップ1と、
前記新鮮なヤマイモの角切りを乾燥させ、乾燥後のヤマイモを特定の水分含有量にさせるステップ2と、
特定水量を乾燥ヤマイモ内に加え、乾燥ヤマイモと前記水量を特定比率にさせ、また、特定時間浸け置くステップ3と、
浸け込んだヤマイモに滅菌ステップを施し、また、特定温度まで冷やすステップ4と、
紅麹の種菌をヤマイモ内に接種するステップ5と、
種菌接種済みヤマイモを特定の培養温度、及び、特定の培養湿度内で特定の培養時間培養するステップ6と、
ステップ6の産物に特定処理時間の嫌気性処理ステップを施すステップ7、及び、
ステップ7の産物に乾燥化ステップを施し、特定の水分含有量にさせて、紅麹ヤマイモの製造を完成するステップ8と、を含むことを特徴とする、
紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項2】
ステップ1で記載する角切りの前記特定大きさは、2〜20mmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項3】
ステップ2で記載する前記特定の水分含有量は、15%以下であることを特徴とする請求項1に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項4】
ステップ3で記載する乾燥ヤマイモと水の前記特定比率は、1:0.5%〜1:1.5%であることを特徴とする請求項1に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項5】
ステップ3で記載する浸け置く前記特定時間は、60分間以内であることを特徴とする請求項1に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項6】
ステップ4で記載する前記滅菌方法として高温滅菌法を利用することができ、前記滅菌法の滅菌温度を少なくとも121℃とし、滅菌時間が10〜60分間の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項7】
ステップ6で記載する前記特定の培養温度を25〜37℃とし、前記特定の培養湿度を50〜80%とし、前記特定の培養時間を8〜20日間とすることを特徴とする請求項1に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項8】
ステップ7で記載する前記特定処理時間を3日以内とすることを特徴とする請求項1に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項9】
ステップ8で記載する前記特定の水分含有量を15%以下とすることを特徴とする請求項1に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項10】
ステップ2では更に硫黄燻蒸法により乾燥化を施すことができ、乾燥後のヤマイモを特定の硫黄含有量にさせることを特徴とする請求項1に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項11】
前記特定の硫黄含有量が160ppm以下であることを特徴とする請求項10に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項12】
紅麹ヤマイモの製造方法であって、その製造方法のステップには、
特定水量をヤマイモ原料内に加え、前記ヤマイモ原料と前記水量を特定比率にさせるステップ1と、
特定比率の水分を含んだヤマイモに滅菌ステップを施し、また、特定温度にまで冷やすステップ2と、
紅麹の種菌をヤマイモ内に接種するステップ3と、
種菌接種済みヤマイモを特定の培養温度、及び、特定の震盪旋回速度内で特定の培養時間培養するステップ4と、
ステップ4の産物に特定処理時間の嫌気性処理ステップを施すステップ5、及び、
ステップ5の産物に乾燥化ステップを施し、特定の水分含有量にさせて、紅麹ヤマイモの製造を完成するステップ6と、を含むことを特徴とする、
紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項13】
ステップ1で記載する前記ヤマイモ原料は、1本の新鮮なヤマイモ、角切りの新鮮なヤマイモ、乾燥ヤマイモ、及び、硫黄含有乾燥ヤマイモの中から1つを選んで使用できることを特徴とする請求項12に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項14】
前記角切りの新鮮なヤマイモの大きさは、2〜20mmであることを特徴とする請求項13に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項15】
前記乾燥ヤマイモの水分含有量は、15%以下であることを特徴とする請求項13に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項16】
前記硫黄含有乾燥ヤマイモの水分含有量は15%以下で、硫黄含有量が160ppm以下であることを特徴とする請求項13に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項17】
ステップ1で記載する前記ヤマイモ原料と前記水量の前記特定比率は、1:10〜1:200であることを特徴とする請求項12に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項18】
ステップ2で記載する前記滅菌方法として高温滅菌法を利用することができ、前記滅菌法の滅菌温度を少なくとも121℃とし、滅菌時間を30分間とすることを特徴とする請求項12に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項19】
ステップ4で記載する前記特定の培養温度を25〜37℃とし、前記特定の震盪旋回速度を50〜300rpmとし、前記特定の培養時間を8〜20日間とすることを特徴とする請求項12に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項20】
ステップ5で記載する前記特定処理時間を3日以内とすることを特徴とする請求項12に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項21】
ステップ6で記載する前記特定の水分含有量を15%以下とすることを特徴とする請求項12に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。
【請求項22】
ステップ6を行う前、まずステップ5の産物に対し遠心処理ステップを施すことができることを特徴とする請求項12に記載の紅麹ヤマイモの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−252782(P2010−252782A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6004(P2010−6004)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(507422828)サンウェイ バイオテック シーオー エルティディ (3)
【氏名又は名称原語表記】SUNWAY BIOTECH CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】2F.,No.1,Alley 30,Lane 358,Rueiguang Rd.,Neihu District,Taipei City 114,Taiwan,R.O.C.
【Fターム(参考)】