説明

納豆のたれ

【課題】納豆の有する機能性をさらに高め、納豆のたれに水溶性イソフラボンを適量添加することで、年々増加し続ける生活習慣病の予防に役立てる。納豆は夕食時に食べることで効果を発揮する。
【解決手段】納豆のたれに機能性を持たせることを目的として、水溶性イソフラボンを納豆のたれに適量添加する。そのことにより、納豆の有する機能性を高めることになる。これからの高齢化社会の食生活を考える上で、機能性を高めた納豆は高齢者の不可欠商品になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
水溶性イソブラボンを適量添加した機能性を有する納豆のたれの製品化
【背景技術】
【0002】
現在、市販されている納豆には味付けたれがついている。元来、納豆にはたれは付いていなかった。自分で醤油等の味付けをして納豆を食べていた。しかし、納豆の栄養面、機能面に優れていることは分かっていたが、独身男性が納豆を美味しく食べることが出来ず、困っていたことを納豆業者が知り、納豆に味付けたれを考えたことが納豆の売り上げを大きく伸ばす要因になった。
【0003】
納豆そのものはいまや機能性食品の代表格で、数多くのすばらしい機能性を有している。その機能的要因をさらに効果的な食品にするために、考案されたのが水溶性イソフラボンを適量添加した納豆のたれである。納豆のたれに機能性を有した製品化は、いまだ市販されていない。
【発明の開示】

【発明を解決しようとする課題】
【0004】
現在、日本の生活習慣病の受療率は1960年に比べて、数十倍にも増えている。特に高血圧疾患は生活習慣病の中でも際立って多く、脳血管疾患の増加を招いている。この脳血管疾患は脳組織を破壊し、半身不随や脳血管性痴呆などの「寝たきり」を含む要介護高齢者の激増の大きな原因になっている。
また、日本人最大の死因である悪性新生物(がん)も脳血管疾患についで増加している。次に多い動脈硬化や肥満の結果起こる心疾患、糖尿病、さらに骨粗鬆症から骨折による「寝たきり老人」の増加も見逃せない。
【0005】
上記の疾患を防ぐことが出来る唯一の食品が納豆である。納豆の機能性はすでに知られている。血栓を溶解する酵素(ナットウキナーゼ)、コレステロールを低下させるレシチン、血液をサラサラにするリノール酸、納豆菌が骨を丈夫にするビタミンK2(メナキノン−7)、病原性大腸菌O−157への抗菌性、納豆のネバネバの部分の制がん効果(KMD1126)、女性ホルモンの効果を有するイソフラボン、眼の網膜中心静脈閉塞症にも有効、月経困難症の自覚症状を軽減など生活習慣病予防に申し分ない食品である。
さらに納豆の機能性を高めることを目的に、納豆に添付されている「たれ」に機能性を有する水溶性のイソフラボンを適量添加することで、生活習慣病の予防に役立てることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
大豆由来のイソフラボンを納豆のたれに適量添加することで、イソフラボンの機能性を高める食品を商品化した。イソフラボンの効能効果はよく知られているが、フラボノイドの一種で、大豆の「えぐ味」を生み出す原因物質として知られている。ところが、女性ホルモンと化学構造が類似していることが明らかになり、ダイエットをしている若い女性や更年期以降の女性の心強い味方として脚光を浴び始めた。
月経が停止する「閉経」前後の数年間は、心身さまざまな不快症状をきらす。不定愁訴と呼ばれるもので一過性の症状ですが、本人の苦痛は大変なもので外出さえ困難になる重症例も少なくありません。この苦しさを乗り越えて、やっと開放された後、更に深刻な問題が待っております。閉経を終えると、それまで血管や骨を保護してきた女性ホルモンの分泌が激減してきます。女性ホルモンの激減は、動脈硬化、骨粗鬆症、骨折、脳卒中、心臓病、乳がんなどが起こりやすくなります。これらは、ボケ、寝たきりを招く最重要因子でもあります。若い女性もダイエットが原因で更年期の女性と同じ症状を引き起します。
男性に於いても女性ホルモン(エストロゲン)と男性ホルモン(テストステロン)のバランスが崩れると、性機能障害を起します。
【0007】
納豆のイソフラボンの効能効果を高めることは、納豆の機能性を何倍にも向上させる食品にすることが出来ます。幸いにも、イソフラボンを水溶性にする技術が開発され、納豆のたれに添加することが可能になりました。納豆のたれが単なる味付けのためだけでなく、機能性を有するたれに生まれ変わったことで、今後の機能性食品に大きな役割を果たすものと確信しております。
【発明の効果】
【0008】
すばらしい機能性を有した納豆と水溶性イソクラボンを適量添加した機能性を有するたれの効能効果は、何の痛みを伴わない、音もなく忍び寄る生活習慣病にすばらしい効果を発揮します。納豆を夕食に添えることで、動脈硬化、高コレステロール血、高血糖、高血圧などの病態に役立ちます。ナットウキナーゼやイソフラボンそして納豆パワーの源「納豆菌・バチルス・ズブチルス」は、活性酸素消去、血栓溶解作用、整腸作用、骨折予防、不定愁訴などに効果的です。今後も増加の一途をたどる生活習慣病の一助になることを確信しております。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
水溶性イソフラボンを適量添加した納豆のたれは、その素材をできる限り天然、自然な状態に維持しかつその新鮮さを保持しつつ素材から商品化への加工工程において、添加物や熱、水、圧力、空気、酸化等の品質劣化要因の少ない商品形態に考慮しなければならない。また、一日摂取量、体内吸収、食べやすさ、取扱い易さ、コスト、関係法規の要因も考慮しなければならない。
水溶性イソフラボン納豆のたれの製品化は、自体公知の食品添加物或は食品成分、賦形剤、医薬担体と自体公知の方法で配合し、薬理薬効を有する加工食品とすることができる。用いる食品添加物は特に限定するものではなく、目的とする薬理薬効の具体的用途に応じて当業者が適宜選択できる。また、形態も特に限定するものではなく、具体的用途に応じていろいろな形状にすることができる。
【実施例】
【0010】
一袋分の納豆のたれに水溶性イソフラボンを50mg配合して試作品を製造した。この水溶性イソフラボンを50mg添加した「たれ」を使用し、毎日、2週間、夕食に納豆を食べてもらった。参加していただいた方々は、高血圧のため降圧剤を服用している62歳の男性、最近眼がかすむ86歳の女性、糖尿病でインスリンを注射している61歳の男性、更年期で悩んでいる57歳の女性。結果、高血圧の男性は、血圧が150−90以下にならなかったのが140−80に低下していった。また、眼がかすむ症状の86歳の女性も目の霞がとれたと報告、更年期障害で悩んでいる57歳の女性は不定愁訴が軽減したと報告があった。糖尿病の61歳の男性はもうすこし時間をかけて観察したいとのことでした。
【産業上の利用可能性】
【0011】
納豆は機能性食品の主役になっています。その「たれ」も年間200億円の売上げを維持している商材です。納豆の欠点を補い、食べやすくした味付けのたれは、納豆の売上げを飛躍的に押し上げた功績は大きいと考えます。
これからの食品は機能性食品の方向に進むとおもわれますので、納豆の機能性にさらに「たれ」の機能性を加えることが出来れば、消費者の関心を高めることは間違いありません。高い機能性を有する食品にすることで、高齢化が進む中、日本の伝統的食品が高い評価を受けることと思います。
納豆業界も機能性を有する「たれ」の開発で、売上げの向上を約束されることと確信しております。水溶性イソフラボン配合の納豆のたれ以外に、さらに機能性を有する原料を検索して、いろいろなたれを開発することが発展につながります。
例えば、現在最も注目されている細胞活性のCoQ10、次に注目される代謝改善のα−リポ酸、高齢化に伴い痴呆症の原料としてフォスファチジルセリンなどすばらしい原料があります。
それらを配合することで、納豆商品が優れた機能性食品に生まれ変わります。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソフラボンを添加した機能性を有する納豆のたれ

【公開番号】特開2006−223278(P2006−223278A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−71843(P2005−71843)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(596069874)株式会社クレッセンドコーポレーション (9)
【Fターム(参考)】