説明

純水供給システム

【課題】要求水質基準を満たす純水の使用料に基づいた純水の使用料金を容易に算出できる純水供給システムを提供する。
【解決手段】純水貯槽2から純水使用場所6aに純水を供給する送り分配管11aに流量計Fなどの送水量計測手段を設ける。また、純水使用場所6aで使用されなかった未使用純水を、純水貯槽2に返送する戻し分配管12aに流量計に含まれる水処理ユニット10を構成する逆浸透膜装置5や脱塩装置7などの水処理機器に、流量計Fなどの返送水量計測手段を設ける。管理システム20は、送水量計測手段により計測された送水量と、返送水量計測手段により計測された返送水量の差から、実際の純水使用量を算出する使用料算出手段を備え、実際の純水使用量を算出する。送り分配管11aに水質計測手段5を設けることにより、要求水質を満たさない不良純水を除いた、適正な水質の純水だけの使用料金を算出できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、純水製造装置で製造された純水を、純水使用場所に供給する純水供給システムに関し、純水使用場所で使用されなかった未使用純水を純水製造装置の入り口に循環させる構成を備えた純水供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
純水製造装置は、製造される純水の使用目的や、純水の原料となる原水の性状などに応じて異なる構成であることが多い。このため、従来は、純水を利用する利用者に純水製造装置を販売し、利用者自らが、純水製造装置を操作して純水を製造し、これを利用していた。しかし、純水製造装置は構成が複雑で、また、維持管理に熟練を要する。このため、純水製造装置の製造者が、純水製造装置を管理して純水を製造し、製造された純水を純水利用者に販売する形態の純水提供方法が求められていた。
【0003】
ところで、純水製造装置内で純水が滞留すると、純水製造装置から有機物や金属イオンなどが溶出して純水を汚染する恐れがあるため、純水製造装置内では、純水が常に流動する状態が保持されている。具体的には、例えば特許文献1に示すように、純水製造装置は、純水の使用状況とは無関係に、常に純水を製造して純水使用場所に供給するように運転され、純水使用場所で使用されなかった未使用純水は、循環配管を通じて、純水製造装置の入り口に設けられたタンクなどに戻される。
【0004】
このため、純水製造装置においては、純水製造装置で製造され、純水使用場所に供給される純水量と、実際に純水使用場所で使用される純水の量とが一致しない。また、上述した通り、純水製造装置は、使用者のニーズに応じて構成が異なることが多く、特に、半導体製品の製造工場などに設置される大型の純水製造装置は各工場のニーズに応じて設計される。このため、純水製造装置の製造費用は各純水製造装置によって異なり、定額化することは極めて困難である。
【0005】
このように、純水は、水道水などとは異なり、使用量の算定が困難であるばかりでなく、純水の単価の設定も困難である。さらに、純水に対する水質要求基準は厳しく、要求水質を満たさない不良純水は、商品としての価値がないにも係らず、このような不良純水を選別することが困難なため、不良純水もそのまま純水使用場所に供給されることになる。従来の純水供給装置では、このような不良純水を除外して水質基準を満たす純水のみを商品として提供すること困難であった。このため、純水については、水道水のように、水処理を行う事業者が処理装置を管理し、利用者に水を販売する形態での利用は困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−145148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、純水の実際の使用量に応じて純水の販売料金を確定することができる純水供給システムを提供することを目的とする。本発明は、特に、要求水質基準を満たした純水のみの販売料金を確定することができる純水供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、請求項1から5に記載された発明を提供する。請求項1から5に記載された発明は、それぞれ、以下のような技術的特徴を備えている。
【0009】
本発明では、純水製造装置で製造された純水の内、純水使用場所で使用されなかったもの(「未使用純水」という)は、戻し配管を介して純水製造装置の入り口に設けられた純水貯槽に返送される。請求項1に記載された発明では、送水量計測手段と返送水量計測手段とにより得られた送水量と返送水量とを元に、実際の純水使用量を自動的に算出する使用量算出手段を備える。送水量と返送水量の情報は、任意の時間単位(例えば、1分間隔、10分間隔、または1時間間隔など)で、使用量算出手段に備えられたデータベースに蓄積することができ、使用量の算出処理も任意の時間単位で行うことができる。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、純水の実際の使用量とは無関係に純水が製造され、純水使用場所に供給されるという純水製造装置の特性を考慮し、実際の純水使用量を高精度で自動的に算出する機能を持った純水製造システムを構築することができる。このため、実際の純水使用量に基づいて、純水の販売金額を求めることが可能となる。
【0011】
請求項2記載の発明では、純水製造装置の建設費用を建設費用データベースに記憶させるとともに、純水製造装置の減価をもデータベースに入力し、記憶させる。そして、この建設費用と減価の値とに基づいて、純水の使用基本料を算出する。
【0012】
建設費用データベースには、初期建設費用の情報のみならず、維持管理に要した費用や増設費用なども入力し、建設費用データベースに記憶させるとよい。また、純水製造装置の使用年数や、純水製造装置の稼働時間、または純水製造量などを基に、純水製造装置の減価を決定し、数値化してデータベースに記憶させる。基本料金算出手段は、建設費用データベースに記憶された建設費用に、純水製造装置の減価情報を与えることで使用基本料を算出する。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、定額化が困難な純水の単価を容易に確定することができ、また、純水の単価に、設備の増設や保守点検に要した費用、さらには設備の使用年数などの使用状態を容易に反映させることができる。
【0014】
請求項3記載の発明では、純水使用場所に供給される純水の水質を計測し、水質情報に応じて、使用水量の補正を行う。すなわち、純水使用場所に供給された純水が、所定の水質を満たさない場合、使用水量を「ゼロ」とするなどの補正を行う。補正内容は、所定の水質を満たさない場合に、純水提供者にペナルティ料金を課す内容としてもよい。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、水質計測に基づく純水使用量の補正により、結果として商品価値のない不良純水を除外して適正な水質の純水のみを選別して商品として、純水利用者に供給することができることになる。すなわち、これまで不可能であった「不良純水の選別」ができることとなる。
【0016】
請求項4記載の発明では、原水情報により、使用水量を補正するため、原水水質に応じて増減する水処理費用(例えば、凝集剤やpH調整剤の添加に要する費用など)を反映させることができる。また、原水を純水利用者が提供する場合において、純水利用者が所定の水質基準を満たす原水を提供しなかった場合、上記ペナルティ料金の適否を変更するように構成することもできる。
【0017】
請求項5記載の発明では、純水貯槽に複数の送り分配管を接続し、これら送り分配管の各々に二次純水製造装置を接続する。複数の二次純水製造装置の構成、および機能は異なっていてよく、例えば純水貯槽から送出される純水をさらに処理して、より不純物濃度の低い純水(超純水)を製造する装置とすることができる。あるいは、純水に炭酸ガス、水素ガス、またはオゾンガスなどを添加し、半導体製品の洗浄力を高めた純水(機能性純水)を製造する装置としてもよい。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、異なる種類の純水を製造し、それぞれの純水の実際の使用量と単価とから純水の使用額を容易に求めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、純水製造装置の特性を反映し、実際の純水使用量に基づいた純水の販売料金を容易に確定できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る純水供給システムの模式図である。
【図2】純水供給システムの管理システムを説明するための図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、図面を用いて本発明について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る純水供給システム1を示す模式図である。
【0022】
純水供給システム1は、純水貯槽2、純水貯槽2から3箇所の純水使用場所6a、6b、および6cへ純水を供給する3系統の送り分配管11a、11b、11cを備えている。送り分配管11aには、第2純水貯槽であるサブタンク3aおよび二次純水製造装置4a、送水量計測手段である第1流量計Fが設けられている。また、送り分配管11bの途中には、サブタンク3bおよび二次純水製造装置4b、送水量計測手段である第2流量計Fが設けられている。同様に、送り分配管11cの途中には、サブタンク3cおよび二次純水製造装置4c、送水量計測手段である第3流量計Fが設けられている。
【0023】
送り分配管11a、11b、11cには、さらに、水質計測手段5a、5b、5cが設けられている。二次純水製造装置4a、4b、4cは、それぞれ、異なる水質の純水を製造するように構成されており、水質計測手段5a、5b、5cはそれぞれ異なる機能を備えた水質計を備えている。
【0024】
具体的には、二次純水製造装置4aは、比抵抗18MΩ・cm以上で、有機物濃度(TOC)が0.1mg/L(ppm)以下の純水を製造する装置であり、水質計測手段5aは電気伝導度計(図示せず)およびTOC計(図示せず)を含む。二次純水製造装置4bは、上記水質を満たし、さらに溶存酸素濃度1ng/L(ppb)以下の純水を製造する装置であり、水質計測手段5bは、水質計測手段5aにさらに溶存酸素計(図示せず)を加えたものである。二次純水製造装置4cは、比抵抗18MΩ・cm以上の純水に、水素ガスを添加した機能性純水を製造する装置であり、水質計測手段5cは電気伝導度計(図示せず)を含む。
【0025】
純水使用場所6a、6b、6cには、それぞれ、戻し分配管12a、12b、12cが接続されている。戻し分配管12a、12b、12cは、それぞれ、サブタンク3a、3b、3cと接続され、戻し分配管12a、12b、12cには、それぞれ、返送水量計測手段である第4流量計F、第5流量計F、第6流量計Fが設けられている。
【0026】
純水供給システム1は、管理システム端末21に格納された管理システム20を含み、管理システム20は後述する算出手段を含む。管理システム端末21とは、例えばコンピュータであり、算出手段とは、例えば、コンピュータに内蔵されたCPU(中央演算処理装置)である。水質計測手段5a、5b、5c(これらをまとめて「水質計測手段5」という)で得られた水質情報は、電気信号として管理システム20に送られ、管理システム20に格納された水質データベースに記憶される。また、第1流量計F、第2流量計F、第3流量計F(これらをまとめて「送水量計測手段」という)で得られた送水量の値、および第4流量計F、第5流量計F、第6流量計F(これらをまとめて「返送水量計測手段」という)で得られた返送水量の値は、電気信号として管理システム20に送られ、管理システム20に格納された送水量データベースおよび返送水量データベースに記憶される。
【0027】
表1は、所定の時間ごとに管理システム20に送信される、純水使用場所6aについての純水の水質、送水量、および返送水量情報が記憶される水質データテーブル、送水量データテーブル、および返送水量データテーブルを示す。水質、送水量、および返送水量情報は、例えば1分、10分、1時間などの所定の時間間隔で管理システム20に送信され、表1に示すデータテーブルで表されるデータベースに蓄積される。表1は、例えば2004年03月31日18時00分00秒に計測された送水量、返送水量、水質A(比抵抗)、水質B(TOC濃度)、水質C(溶存酸素濃度)の値がそれぞれ、入力され、記憶される。なお、以下の表では、実際の水量や水質に関する値(例えば「10.15」など)に代えて「×」印が記載されている。
【0028】
なお、管理システム20は、他の純水使用場所6bおよび6cについても、各純水使用場所の水質保証項目に応じた水質データ、送水量、および返送水量情報を記憶する各データテーブルを備えている。
【0029】
【表1】

【0030】
本実施形態では、管理システム20は、上記データベースに基づき、純水の使用量を求める使用量算出手段を備えており、送水量と返送水量の差から純水使用量を算出する。管理システム20は、例えば、一日ごとに表2に示す日報を作成し、さらに一ヶ月ごとに表3に示す月報を作成するプログラムを備え、日報などに純水使用量を自動的に入力、記憶するように構成されている。表2に示す日報を記憶する日報データテーブルは、例えば午前0時から1時間ごとの計測値が記憶されるように構成され、合計、平均、最大、最小の値は、例えば夜間(午前0時)にバッチ処理で計算する。
【0031】
【表2】

【0032】
【表3】

【0033】
管理システム20は、表1に示されたデータテーブルに記憶された水質の値が保証値であるか否かを判断する判定機構を備え、日報の「保証値判断」の項目に、水質値が保証値内であるか否かの情報が自動的に記憶される。保証値判断の項目は、例えば保証値内の場合「1」、保証値外の場合「0」といった数値情報が記録される。保証値判断に使用する水質値は、所定時間内(例えば1時間ごと)の値の平均値であることが好ましい。
【0034】
管理システム20は、さらに、保証値判断に応じて、使用水量を補正する補正手段を備えている。すなわち、表2の「保証値判断」の項目に記憶された情報を乗じて、適正な水質の純水の使用水量を算出する。日報の平均値は、表3に示す月報に蓄積し、月報の平均値は、表4に示す年報に蓄積し、これらのデータを一定期間、保存することができる。
【0035】
【表4】

【0036】
本実施形態に係る管理システム20は、純水製造装置の建設費用を記憶した建設費用データベースと、純水製造装置の減価を記憶するデータベースとを備え、建設費用と減価とに基づいて、純水の単価を算出する基本料金算出手段を備えている。表5は、建設費用と原価とから基本料金を算出して記憶するデータテーブルを示している。
【0037】
【表5】

【0038】
表5の「建設費用」の項目には、初期建設費用、補修費用、および増設費用など、建設に関する費用が入力される。「減価」の項目には、建設費用を減価率で補正した値が入力される。例えば、2000年に100の値で示される費用で純水製造装置が建設され、減価率が毎年20%(すなわち、5年で設備価値がゼロになる)とすると、各年の使用値は「20」と入力される。そして、2002年に200の値で示される増設を行い、この増設の減価率が20%の場合、各年の減価は、「20+40」と入力される。このようにして、各年の建設費用と減価に基づき、料金算出手段を用いて純水の基本使用料金が算出され、記憶される。
【0039】
上記のようにして算出された純水の基本使用料金と、純水使用料は、以下のような式に組み込み、を基にして、この使用水量を基にして純水使用料を算出する。純水使用料は、例えば以下の式を用いて算出できる。
【0040】
【数1】

【0041】
ここで、FLGとは、水質保証値範囲外の純水を送水したことのペナルティを課すか否かの値で、ペナルティを課す場合は「1」、課さない場合は「0」として入力する。このFLGは、原水水質や計測器の状態に基づき、時間毎や二次純水毎に人が入力できるようにしておく。また、純水単価や単位純水量当たりのペナルティ料金、つまりペナルティ単価は、製造される純水の水質に応じて設定することができる。
【0042】
上記の管理システム20を図2に示す。図2に示すように、送水量計測手段、返送水量計測手段、および水質計測手段5で計測され、管理システム20に送信された情報は、流量・水質生データ(以下、「生データ」という)として、表1に示すデータベースに入力および記憶される。管理システム20に備えられた使用量算出手段は、この生データを時間ごとに集計するとともに、純水使用量を算出し、表2に示す日報を作成する。以下、この機能を「日報作成機能」と称する。また、日報を一日ごとに集計し、表3に示す月報を作成し(この機能を「月報作成機能」という)、さらに、月報を月ごとに集計して表4に示す年報を作成(この機能を「年報作成機能」という。)する。
【0043】
日報、月報および年報などは、保存の際に、作成時間認証システムを利用して、作成時間認証スタンプを埋め込んだ後に保存することが好ましい。また、管理システム20には、日報などを管理システム端末21の表示画面に表示する画面表示データを別途、保存するデータベースを設け、この画面表示データをデータ作成日時とともに表示できるように構成しておくことが好ましい。
【0044】
このように、日報などに作成時間認証スタンプなどを埋め込んで保存するとともに、この作成日時を管理システム端末21の表示画面に表示するように構成することで、データ改ざんの有無を、純水製造者および利用者の双方が容易にチェックすることができる。さらに、同様の趣旨から、管理システム20には、画面表示データと、日報などのデータとを定期的に照合して変更履歴をチェックできる機能(「データ変更チェック機能」)を設けることが好ましい。
【0045】
なお、原水水質(例えば、懸濁性浮遊物質、電気伝導率、およびTOC濃度など)を測定し、原水水質に応じて純水の使用量を補正する原水補正手段を設ける場合、原水水質に基づき、一次純水製造装置10などの負荷量を算出して、負荷量に応じた純水の単価を補正することが好ましい。原水水質に基づき補正して純水使用料金を求める場合、例えば以下の式を用いて純水使用料金を算出できる。
【0046】
【数2】

【0047】
ここで、「原水補正」とは、例えば下記式で求められる値とする。
【0048】
【数3】

【0049】
ここで、xは原水の電気伝導率、yは原水の懸濁性浮遊物質(SS)濃度、αは電気伝導率を基にした純水単価補正係数、k1は標準電気導電率、βはSS濃度に基づく純水単価補正係数、およびk2は標準SS濃度を意味する。この例では、電気伝導率、SS濃度に基づく純水単価の原水補正を行なう関数を示したが、他の水質項目の追加や、計算方法の変更を必要に応じて行なってもよい。
【0050】
また、図1に示すように、管理システム20は、ネットワーク30を介して、集中管理端末31と接続してもよい。集中管理端末31は、複数の管理システム20の情報を管理および処理できるように構成してもよい。なお、上記の各データテーブルの各パラメータは、コンピュータのハードディスクなどの大容量記憶装置に記憶する。また、上記の各機能は、ソフトウェアプログラムとし、管理システム20に搭載して前記の振る舞いを実行させるようにする。
【0051】
なお、上記の機能を実行するプログラムは、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて上記の機能を実行させてもよい。また、本明細書において、「コンピュータシステム」「管理システム」には、OSや周辺機器などのハードウェアが含まれるものとし、「コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROMなどの可搬媒体、およびコンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置のことをいう。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、LSIやウェハなどの半導体製品の製造や、医薬品製造などに用いられる超純水製造装置に適用できる。
【符号の説明】
【0053】
1…純水供給システム
2…純水貯槽
3a、3b、3c…サブタンク(第2純水貯槽)
5a、5b、5c…水質計測手段
6a、6b、6c…純水使用場所
11a、11b、11c…送り分配管
12a、12b、12c…戻し分配管
、F、F…送水量計測手段
、F、F…返送水量計測手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
純水製造装置で製造した純水を貯留する純水貯槽と、
この純水貯槽から、純水を使用する純水使用場所へ純水を供給する送り配管と、
前記純水使用場所で未使用とされた純水を前記純水貯槽へ返送する戻し配管と、を備える純水供給システムであって、
前記送り配管に設けられ、前記送り配管から前記純水使用場所に供給される純水の流量を計測する送水量計測手段と、
前記戻し配管に設けられ、前記戻し配管から前記純水貯槽へ返送される純水の流量を計測する返送水量計測手段と、
前記送水量計測手段で計測された送水量と、前記返送水量計測手段で計測された返送水量と、に基づき、純水使用量を算出する使用量算出手段と、を備えることを特徴とする純水供給システム。
【請求項2】
前記純水製造装置の建設費用を記憶した建設費用データベースを備え、前記建設費用データベースに記憶された建設費用と前記純水製造装置の減価率とに基づき、純水使用基本料金を算出する基本料金算出手段と、
この基本料金算出手段により得られた純水使用基本料金と、前記純水使用量算出手段により得られた純水使用量と、に基づき、純水使用料金を算出する料金算出手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の純水供給システム。
【請求項3】
前記送り配管に設けられ、前記純水使用場所に供給される純水の水質を計測する水質計測手段と、
この水質計測手段により計測された水質情報に基づき、前記使用量算出手段で得られた使用量を補正する補正手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載の純水供給システム。
【請求項4】
前記純水製造装置に供給される原水の水質を計測する原水水質計測手段と、
この原水水質計測手段により計測された原水水質情報に基づき、前記使用量算出手段で得られた使用量を補正する原水水質補正手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から3いずれか記載の純水供給システム。
【請求項5】
前記送り配管は、2以上の送り分配管から構成され、
各送り分配管は、第2純水貯槽と、二次純水製造装置と、に接続され、各送り配管の途中には送水量計測手段が設けられ、
各二次純水製造装置から二次純水使用場所に純水が供給され、
各二次純水使用場所で未使用とされた純水を前記純水貯槽または前記第2純水貯槽に返送する返送分配管が設けられ、
各返送分配管に、前記戻し分配管から前記純水貯槽または前記第2純水貯槽へ返送される純水の流量を計測する返送水量計測手段が設けられ、
前記使用量算出手段は、各二次純水製造装置で製造される二次純水の単価を記憶する単価データベースを備え、この単価データベースに記憶された二次純水の単価と、前記送水量計測手段で計測された送水量と、前記返送水量計測手段で計測された返送水量と、に基づき、二次純水の使用量を算出するものであることを特徴とする請求項1から4いずれか記載の純水供給システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−115652(P2010−115652A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2504(P2010−2504)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【分割の表示】特願2004−106439(P2004−106439)の分割
【原出願日】平成16年3月31日(2004.3.31)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)