説明

紙およびボードの生産用乾燥強度系

本発明は、改善すること乾燥強度ための紙およびボード業界中である架橋したポリアミドおよびそれらの使用に関する。ジまたはトリ第1級アミンと、ジまたはトリまたはテトラカルボン酸との反応からのポリアミドは、2または3官能性架橋化合物と反応して、反応基のないカチオン性またはアニオン性生成物を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド薬剤系架橋ポリマー、および乾燥強度を改善するための紙およびボード業界でのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
大量の古紙およびボードがリサイクルされ、紙のためのセルロース繊維原料の供給源を与える。湿潤強度樹脂で予め処理された古紙は、パルプ工程で壊すのが難しく、したがって、紙製造用の有望な原料ではない。他方では、リサイクルの増加により、古紙中の繊維の品質は悪化しており、そして紙シートの乾燥強度は、必然的に結果として劣る。乾燥強度に関連して、今日バージンの繊維で達成される値近くに水準を上げる要求がある。紙製造の大部分は、今日、6.0〜8.0の数値で定量化される中性のpH条件で行われ、そして新技術は、これらの条件下で効率的に機能することが好ましい。
【0003】
乾燥強度添加物は、長年、紙業界において有用であった。澱粉等の天然ポリマーは、その生来の、または化学的に改質された形態のいずれかであり、それらの豊富さおよび低コストによって、比較的成功裏に用いられてきた。コストの低さにもかかわらず、1トンのセルロース繊維当たりの乾燥キログラム当たりでの、澱粉の強度性能が、合成乾燥強度ポリマーより5〜10倍低いので、過剰に大量の澱粉を加えることへの衝動があった。澱粉は、そのカチオン化された形態においてさえ、紙繊維に対し低い親和性を有し、そしてバクテリアの栄養源として機能し、そして他の製紙添加物の親和性を妨げる大量の可溶化された材料が抄紙機の水路に残留する。
【0004】
紙の乾燥強度を改善するための第1の合成技術の1つは、アクリルアミドコポリマーに基づいていた。紙繊維上での吸着を補助するために、通常カチオン性促進剤と組み合わせて、この薬剤のアニオンバージョンが、今日最も使用される。2種の薬剤への要求は、そのうちの1つは強度に貢献できないが、多くの場合コストの制約である。
【0005】
ポリアクリルアミド技術は、アルデヒドの反応性を加えることで高められた。80〜100℃での紙シートの乾燥の間に、ポリマー間架橋を受ける潜在的に反応性のアルデヒド基の使用を通して強度を改善させるために、グリオキシレート化ポリアクリルアミドが導入された。グリオキサルの反応性は制御が難しく、そしてポリマーは貯蔵中に粘度が増加し続けて、保存期間を短縮させる。アルデヒド反応はpH特異的であり、そしてpH6.5より上では性能が低い。これらのポリマーの反応性があまりに高い場合、処理した紙の湿潤強度が強くなりすぎ、そして再パルプ工程を妨げる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
エピクロルヒドリンとさらに反応したポリアミドアミンポリマーは、湿潤強度樹脂として紙業界で長年の間、成功裏に使用されてきた。これらの添加物は、特に6.0超のpH値および80℃超の温度で非常に反応性であり。ポリマー鎖間の架橋は、処理された紙シート内で起こり、樹脂の溶解度を低下させそして水が繊維間の水素結合を分裂させるのを防止する。この薬剤はまた、高レベルの乾燥強度を提供するが、この事実は、多くの場合、消費による廃棄の前または後の形態の紙が再パルプ化できない場合、重要でないことは明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある架橋ポリアミドが、紙およびボードの生産ための乾燥強度系として優れた特性を有することが、見いだされた。
【0008】
ジまたはトリ第1級アミンとジまたはトリカルボン酸との反応は、次に2または3官能性架橋化合物とさらに反応して、その分子量を増加させる3次元構造を有するポリアミドを与える。3次元ポリマー構造の増大した体積は、セルロース繊維間の隙間の架橋にとってさらに効率的であり、繊維間結合に寄与する多数の水素結合を可能にする。多くの場合、望ましくないそうした反応性が、湿潤強度に寄与することが知られているので、架橋剤とポリアミドポリマーの反応は、最終製品中におけるあらゆる自由な反応基を除くために、注意深く制御される。それらの設計された構成によって、主にカチオン性またはアニオン性である架橋ポリアミドポリマー溶液は、水溶性セルロース繊維のスラリーに適用され、湿った織物にスプレーされ、またはサイズプレスまたはフィルムプレスで部分的に乾燥されたシートに加えることができる。カチオン性ポリマーの変化形は、自己保持性であり、そして、それらのセルロース繊維上への吸着は、pHと無関係である。カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの変化形の組み合わせが適用される場合、この新技術はまた、乾燥強度において相乗的な改善を提供する。
【0009】
本発明は、湿潤強度樹脂と関連する望ましくない反応性のない、ポリアミド薬剤のすべての利点を用いようとする。3次元ポリマーは、長い保存期間、20%の活性含有量、6〜7のpHを有し、そしてAOXフリーである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
したがって本発明の目的は、ジもしくはトリ第1級アミンまたはそれらの混合物と、ジもしくはトリもしくはテトラカルボン酸またはそれらの混合物との反応生成物である、側鎖を有するかまたは有さない、ポリアミドポリマー主鎖(a)と、トリクロロ薬剤系、トリエポキシ薬剤系またはトリビニル薬剤系の3官能性架橋剤(b)と間の反応によって生成された架橋ポリマーである。
【0011】
(a)と(b)との反応によって生成されたポリマーの主要な電荷は、カチオン性またはアニオン性である。
【0012】
ジまたはトリ第1級アミンは、その構造内に第2級または第3級アミン基を有することができる。
【0013】
ジ第1級アミンは、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ヘキサンジアミン、イミノビスプロピルアミン、N−メチルビス−(アミノプロピル)アミン、ビスヘキサメチレントリアミン、4,4'−メチレンジアニリン、1,4−フェニレンジアミンまたは4−アミノフェニルスルホンから選択される。好ましくは、4,4'−メチレンジアニリンまたはジエチレントリアミンである。
好ましいトリ第1級アミンはトリス(2−アミノエチル)アミンである。また、好ましくは、
【0014】
【化1】

または
【化2】

(式中、Aは、−(CH22〜6−であり、そしてXは、ベンゼンである。)
である。
【0015】
ポリアミド主鎖ポリマー中のジ第1級アミン:トリ第1級アミンのモル比率は、1:0〜0.5:0.5である。
【0016】
ジカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から選択される。好ましくは、アジピン酸またはテレフタル酸である。
【0017】
トリカルボン酸は、クエン酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ニトリロ三酢酸またはN−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミントリ酢酸から選択される。好ましくは、1,2,4−ベンゼントリカルボキン酸またはニトリロ三酢酸である。
【0018】
ジおよびトリカルボン酸は、それらの対応するエステル、ハロゲン化物または無水物誘導体の形態で使用されてもよい。
【0019】
ポリアミド主鎖ポリマー中のジカルボン酸;トリカルボン酸のモル比率は、1:0〜0.5:0.5である。
【0020】
ポリアミドポリマーの調製ためのカルボン酸:第1級アミンのモル比率は、0.9:1.0〜1.0:0.9である。
【0021】
内部に第2級アミン基を有するポリアミドポリマーは、塩化ベンジル、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、グリシドールまたはC4〜C18アルケニル無水コハク酸とさらに反応することができ、主に側鎖を有するカチオン性のポリマー主鎖を生成する。
【0022】
内部に第2級アミン基を有するポリアミドポリマーは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの存在下で、アクリル酸、クロロ酢酸、グリオキシル酸または3−クロロ−2−ヒドロキシ−l−プロパンスルホン酸ナトリウム塩とさらに反応でき、pH値>6.0で主にアニオン性のポリマー主鎖を生成する。
【0023】
内部に第2級アミン基を有さないポリアミドポリマーは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの存在下で、グリオキシル酸とさらに反応でき、アニオン性側鎖を有する非イオン性のポリマー主鎖を生成する。
ポリマー主鎖:側鎖構成部分のモル比率は、1:0〜1:0.7である。
【0024】
3官能性架橋化合物(b)は、トリス−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−2−ヒドロキシプロパノール、トリス−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−ソルビトール、トリス−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−1,2,3−プロポキシグリセロール、グリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジル−4−グリシジロキシアニリン、N,N−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−4−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−オキシアニリン、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリフェニロールメタントリグリシジルエーテルおよびトリス(2,3−エポキシプロピルイソシアヌレートから選択できる。好ましくは、N,N−ジグリシジル−4−グリシジロキシアニリンまたはグリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテルである。
【0025】
また(b)として好ましいのは、
【化3】

(式中、Aは、−(CH22〜6−であり、そしてXはベンゼンまたは−(CH22〜6−である。)
である。
架橋ポリアミドポリマーは、それぞれの成分の乾燥質量に基づいて、1:0.05〜1:0.7に等しい(a):(b)の比率を使用して調製される。
【0026】
さらに本発明の目的は、即時に架橋するポリマーを含む水溶液の調製、セルロース繊維材料の処理中に添加物として、好ましくは紙または不織布の生産中に添加物として、任意選択的に該水溶液調製物の形で、即時に架橋するポリマーの使用である。
【0027】
即時架橋ポリマーはまた、紙または不織布の乾燥強度および湿潤強度を改善するために使用される。
【0028】
本発明のさらなる目的は、即時架橋ポリマーを加えることを含む改善された乾燥強度を有する紙の製造方法である。
【0029】
即時架橋ポリマーの水溶液調製物は、紙がセルロース繊維のスラリーの形態、セルロースの繊維、または部分的に乾燥されたシートの湿潤した織物である段階にある場合に、紙に適用できる。
【0030】
主にカチオン主鎖を有する即時架橋ポリマーの水溶液調製物は、乾燥繊維の質量で、0.05〜1.0%、さらに好ましくは0.05〜0.4%の乾燥ポリマーの添加レベルでセルロース繊維のスラリーに加えることができる。
【0031】
主にカチオン性、アニオン性または非イオン性主鎖を有する即時架橋ポリマーの水溶液調製物は、乾燥繊維の質量で、0.05〜1.0%、さらに好ましくは0.05〜0.2%の乾燥ポリマーの添加レベルで、湿ったセルロース織物の表面上に、微細ノズルを通してスプレーできる。
【0032】
主にカチオン性、アニオン性または非イオン性主鎖を有する即時架橋ポリマーの水溶液調製物は、乾燥繊維の質量上に0.05〜1.0%、さらに好ましくは0.05〜0.15%の乾燥ポリマーの添加レベルで、サイズプレスまたはフィルムプレスで部分的に乾燥した紙シートに適用できる。
【0033】
主にカチオン性主鎖を有する即時架橋ポリマーの水溶液調製物が、セルロース繊維のスラリーに加えられ、そして次に主にアニオン性電荷を有する即時架橋ポリマーの第2の水溶液調製物が、処理された湿潤したセルロースの織物の表面上に微細ノズルを通してスプレーされ、またはサイズプレスまたはフィルムプレスで部分的に乾燥した処理紙シートに適用される。
【0034】
第2の架橋ポリマーは、主にアニオン性主鎖、アクリルアミドとアクリル酸またはメタクリル酸とのコポリマー、アニオン性グアー、カルボキシメチルセルロースまたはアニオン性フェノール樹脂で生成できる。
【0035】
カチオン性架橋ポリマーは、乾燥繊維の質量で0.05〜0.8%、さらに好ましくは0.05〜0.20%の乾燥ポリマーの添加レベルで適用され、そして、アニオン性架橋ポリマーは、乾燥繊維の質量で0.05〜0.7%、さらに好ましくは0.05〜0.15%の乾燥ポリマーの添加レベルで適用される。
【0036】
以下の例は、本発明をさらに詳細に示すであろう。
【実施例】
【0037】
例1(従来技術の参照)
本例は、次に二次元のジクロロ誘導体と架橋する、二次元のポリアミドアミン主鎖を使用するポリマーの製造を記載する。
【0038】
ジエチレントリアミン(108g)と水(25g)とを攪拌機、蒸留カラム、温度プローブおよび不活性ガス用入口を備えた反応フラスコ中で混合した。次に、アジピン酸(146g)を攪拌しながら加えた。混合物を、窒素ガスの一定流下170℃まで徐々に加熱した。元の水および反応で追加された水は、約120℃で蒸留し始め、そして受け用フラスコ内に集められた。蒸留が終了するまで170℃で、攪拌をさらに7時間続けた。加熱源を除去し、そして蒸留装置を還流のために設定した。主鎖ポリマーを希釈し、そして安定な低粘度の40%溶液(542g生成)を生成させるために、70〜75℃の温度で最初に、水(330g)をゆっくり加えた。次に、主鎖ポリマー(542g)を水(450g)でさらに希釈し、そして段階的に、12時間の以上の期間をかけて、エピクロルヒドリン(全量で45g)をゆっくりと添加して、架橋させた。架橋反応を、ポリマー溶液の粘度を測定することで監視し、そして150mPa・s(Brookfield RVT、スピンドル3、速度100rpm)の値に達した場合、エピクロルヒドリンをさらに添加しなかった。ポリマー溶液を40℃まで冷却し、そして、50%硫酸(75g)でpHをpH6.0〜6.5に調整した。さらに水を加えると20%の固体含有量を有するポリマー溶液を生じる生成物(1496g)が得られた。
【0039】
比較例1中の手順を使用して、異なる原料およびモル比を使用して、架橋ポリマーの幾つかの変化物を生成させた。調製例は同じ物理的仕様、すなわち20%の固体含有量、6.0〜6.5のpH値および(BrookfieldRVT、スピンドル3、速度100rpm)で、200〜300mP・sの粘度で仕上げた。粘度の増加無く、長い保存期間を確かにし、そして紙シートの湿潤強度への乾燥強度ポリマーの寄与を最小化する、自由な反応性架橋剤を有さない完了したポリマーを提供することが本発明の明確な意図である。調製例を下記表1(例1〜15)内にまとめる
表1:例1〜15、調製
【0040】
【表1】

【0041】
紙シート上でのそれらの乾燥強度性能を評価するために、例1〜15から生成されたサンプルを製紙実験室内で評価した。
【0042】
400gの漂白した硬材繊維、19.6リットルの水道水を加え、そして20分間攪拌して、2%パルプスラリーを25リットルの実験室パルプ製造機中で調製した。
【0043】
1リットルの繊維スラリーを、攪拌機を有する好適な容器内に配置し、そして必要量の乾燥強度ポリマーを加えた。500rpmで攪拌を60秒間続けた。0.2および0.4%(乾燥繊維の質量に基づく乾燥ポリマー)の添加レベルの調製例1〜16を、テストで使用した。次に、処理された貯蔵物の200mlサンプルを取り、そして英国基準シート形成装置を使用してハンドシートに形成した。それぞれのテストで、有意な平均を得るために、4つのハンドシートを作成した。"対照"シートは、乾燥強度ポリマーを含まなかった。2つのブロッターを使用して形成ワイヤーでコーチングした後で、次に、シートを、4.0バールで4分間、ステンレススチール板上でプレスし、乾燥リングに配置し、そしてオーブン内で、30分間100℃で乾燥した。50°RHおよび23℃で、12時間の最小の期間の調整後、シートは、以下の方式で行われる強度評価の準備ができた:
【0044】
破壊強度
シートを、乾燥破壊強度試験(TAPPI基準T403OM−91、紙の破壊強度)に曝した。結果を、破壊インデックス(=グラムのシート質量/平方メートルで割ったkPaでの破壊値)として記録した。
【0045】
引っ張り強度
シートを、湿潤および乾燥引っ張り強度試験に曝し、LloydWRK5引張試験機を使用して評価した。3つの15mm幅のストリップをそれぞれのサンプルシートから裁断した。乾燥強度測定では、ストリップをLloydWRK5の口でクランプし、そして張力テストを開始した。湿潤強度測定では、ストリップを最初に脱イオン水に60秒間つけた。次に、過剰な水を除去し、そして湿潤したストリップを、上記の張力テスト方法に曝した。結果を張力インデックス(=グラムでのシート質量/平方メートルで割ったニュートンでの張力値)で記録した。
表2:例1〜15適用テスト結果
【0046】
【表2】

【0047】
結果の解釈
調製例の評価の間に記録したインデックス値は、紙シートの強度に直接的に比例する。最大のインデックス値は、3官能性架橋薬剤を使用してさらに重合した3次元主鎖ポリマーによる。比較例1等の従来技術を表す調製物は、明らかに本発明より劣る。
【0048】
期待したように湿潤張力値は、低すぎて、仕上げ紙のリサイクル性には逆に影響する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジもしくはトリ第1級アミンまたはそれらの混合物と、ジもしくはトリもしくはテトラカルボン酸またはそれらの混合物との反応生成物である、側鎖を有するかもしくは有さないポリアミドポリマー主鎖(a)と、トリクロロ薬剤系、トリエポキシ薬剤系またはトリビニル薬剤系3官能性架橋剤(b)との間の反応によって生成される架橋ポリマー。
【請求項2】
(a)と(b)との反応によって作り出される主な電荷が、カチオン性またはアニオン性のいずれかである、請求項1に記載の架橋ポリマー。
【請求項3】
該ジまたはトリ第1級アミンが、その構造内に第2級または第3級アミン基を有することができる、請求項1に記載の架橋ポリマー。
【請求項4】
該ジ第1級アミンが、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ヘキサンジアミン、イミノビスプロピルアミン、N−メチルビス−(アミノプロピル)アミン、ビスヘキサメチレントリアミン、4,4'−メチレンジアニリン、1,4−フェニレンジアミンまたは4−アミノフェニルスルホンから選択される、請求項1に記載の架橋ポリマー。
【請求項5】
該ジ第1級アミンが、4,4'−メチレンジアニリンまたはジエチレントリアミンである、請求項4に記載の架橋ポリマー。
【請求項6】
該トリ第1級アミンが、トリス(2−アミノエチル)アミンである、請求項1に記載の架橋ポリマー。
【請求項7】
該トリ第1級アミンが、
【化1】

または
【化2】

式中、Aは−(CH22〜6−であり、そしてXはベンゼンである、
である、請求項1に記載の架橋ポリマー。
【請求項8】
該ポリアミド主鎖ポリマー中のジ第1級アミン:トリ第1級アミンのモル比率が、1:0〜0.5:0.5である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の架橋ポリマー。
【請求項9】
該ジカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から選択される、請求項1に記載の架橋ポリマー。
【請求項10】
該ジカルボン酸が、アジピン酸またはテレフタル酸である、請求項9に記載の架橋ポリマー。
【請求項11】
該トリカルボン酸が、クエン酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ニトリロ三酢酸またはN−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミントリ酢酸から選択される、請求項1に記載の架橋ポリマー。
【請求項12】
該トリカルボン酸が、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、ニトリロ三酢酸である、請求項11に記載の架橋ポリマー。
【請求項13】
該ジおよびトリカルボン酸が、それらの対応するエステル、ハロゲン化物または無水物誘導体の形態で使用される、請求項1または請求項9〜12に記載の架橋ポリマー。
【請求項14】
該ポリアミド主鎖ポリマー中のジカルボン酸:トリカルボン酸のモル比率が、1:0〜0.5:0.5である、請求項1または請求項9〜13に記載の架橋ポリマー。
【請求項15】
該ポリアミドポリマーの調製ためのカルボン酸:第1級アミンのモル比率が、0.9:1.0〜1.0:0.9である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の架橋ポリマー。
【請求項16】
内部に第2級アミン基を有する該ポリアミドポリマーが、塩化ベンジル、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、グリシドールまたはC4〜C18−アルケニル無水コハク酸とさらに反応して、側鎖を有する主にカチオン性のポリマー主鎖を生成する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の架橋ポリマー。
【請求項17】
内部に第2級アミン基を有する該ポリアミドポリマーが、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの存在下で、アクリル酸、クロロ酢酸、グリオキシル酸または3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩とさらに反応して、pH値>6.0で主にアニオン性のポリマー主鎖を生成する、請求項1〜15のいずれか一項記載の架橋ポリマー。
【請求項18】
内部に第2級アミン基を有さない該ポリアミドポリマーが、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの存在下で、グリオキシル酸とさらに反応して、アニオン性側鎖を有する非イオン性のポリマー主鎖を生成する、請求項1〜15のいずれ一項に記載の架橋ポリマー。
【請求項19】
ポリマー主鎖:側鎖構成部分のモル比率が、1:0〜1:0.7である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の架橋ポリマー。
【請求項20】
(b)が、トリス−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−2−ヒドロキシプロパノール、トリス−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−ソルビトール、トリス−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−1,2,3−プロポキシグリセロール、グリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジル−4−グリシジロキシアニリン、N,N−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−4−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−オキシアニリン、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリフェニロールメタントリグリシジルエーテルおよびトリス(2,3−エポキシプロピルイソシアヌレートから選択される、請求項1に記載の架橋ポリマー。
【請求項21】
(b)が、N,N−ジグリシジル−4−グリシジロキシアニリンまたはグリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテルである、請求項20に記載の架橋ポリマー。
【請求項22】
(b)が
【化3】

式中、Aは−(CH22〜6−であり、そしてXはベンゼンまたは−(CH22〜6
である、
である、請求項1に記載の乾燥強度系。
【請求項23】
該架橋したポリアミドポリマーが、それぞれの成分の乾燥質量に基づいて、1:0.05〜1:0.7に等しい(a):(b)の比率を使用して調製される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の架橋ポリマー。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか一項に記載の架橋ポリマーを含む水溶液調製物。
【請求項25】
該セルロース繊維材料の該処理における添加物としての、任意選択的に請求項24に記載の水溶液調製物の形態である、請求項1〜23に記載の架橋ポリマーの使用。
【請求項26】
紙または不織布の生産における添加物としての請求項25に記載の架橋ポリマーの使用。
【請求項27】
改善された乾燥強度を提供するための請求項25または26に記載の架橋ポリマーの使用。
【請求項28】
改善された湿潤強度を提供するための請求項25または26に記載の架橋ポリマーの使用。
【請求項29】
請求項1〜24に記載の架橋ポリマーを加えることを含む、改善された乾燥強度を有する紙の製造方法。
【請求項30】
該紙がセルロース繊維のスラリー、セルロース繊維の湿潤した織物または部分的に乾燥したシートの形態である段階で、該架橋ポリマーの水溶液調製物が、紙に適用される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
主にカチオン性主鎖を有する該架橋ポリマーの水溶液調製物が、乾燥繊維の質量で、0.05〜1.0%、さらに好ましくは0.05〜0.4%の乾燥ポリマーの添加レベルで、該セルロース繊維のスラリーに加えられる、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
主にカチオン性、アニオン性または非イオン性主鎖を有する該架橋ポリマーの水溶液調製物が、微細ノズルを通して、乾燥繊維の質量で、0.05〜1.0%、さらに好ましくは0.05〜0.2%の乾燥ポリマーの添加レベルで、湿潤したセルロース織物の表面にスプレーされる、請求項29または30に記載の方法。
【請求項33】
主にカチオン性、アニオン性または非イオン性主鎖を有する該架橋ポリマーの水溶液調製物が、乾燥繊維の質量で、0.05〜1.0%、さらに好ましくは0.05〜0.15%の乾燥ポリマーの添加レベルで、サイズプレスまたはフィルムプレスで部分的に乾燥した紙シートに適用される、請求項29または30に記載の方法。
【請求項34】
主にカチオン性主鎖を有する該架橋ポリマーの水溶液調製物が、該セルロース繊維のスラリーに加えられ、そして次に主にアニオン性電荷を有する第2の架橋ポリマーを含む第2の水性ポリマー調製物が、微細ノズルを通して、該処理された湿潤セルロースの織物の表面上にスプレーされ、またはサイズプレスもしくはフィルムプレスで部分的に乾燥した該処理紙シートに適用される、請求項29または30に記載の方法。
【請求項35】
該第2の架橋ポリマーが、主にアニオン性主鎖、アクリルアミドとアクリル酸またはメタクリル酸とのコポリマー、アニオン性グアー、カルボキシメチルセルロースまたはアニオン性フェノール樹脂で生成されている、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
該カチオン性架橋ポリマーが、乾燥繊維の質量で、0.05〜0.8%、さらに好ましくは0.05〜0.20%の乾燥ポリマーの添加レベルで適用され、そして該アニオン性架橋ポリマーが、乾燥繊維の質量で、0.05〜0.7%、さらに好ましくは0.05〜0.15%の乾燥ポリマーの添加レベルで適用される、請求項34または35に記載の方法。

【公表番号】特表2009−520849(P2009−520849A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546356(P2008−546356)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2006/069412
【国際公開番号】WO2007/071566
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(596033657)クラリアント インターナショナル リミティド (48)
【Fターム(参考)】