説明

紙又は板紙成形機内のロール内の機械的振動を制動するための制動配置

本発明は、紙又は板紙成形機内のロール内の機械的周辺振動及びビーム状振動を制動するための制動構造に関する。ロール(1)は、本質的に剛的なシェル(2)を含む。制動構造は、追加的に、内部シェル(3)と、シェル(1)と内部シェル(3)との間に配置された制動構造(4)とを含む。ロール(1)振動の期間中、シェル(2)と内部シェル(3)との間の運動差によって引き起こされる力は、製造構造内で、剪断力に変換され、剪断力は制動構造(4)内で本質的に消滅する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙又は板紙成形機内のロール内の機械的周辺振動及びビーム状振動のための制動構造に関し、ロールは本質的に剛的なシェルを含む。
【背景技術】
【0002】
今日、200Hz未満の周波数で発生するロールの機械的振動が、紙又は板紙成形機において益々問題になっている。これは、主として、紙成形機の継続的な速度増大に起因する。具体的には、ロール外周の接線方向における振動、所謂周辺振動によって引き起こされる問題が、機械の速度増大と共に増大している。それ故に、周辺振動は、他の種類のロールの機械的振動、即ち、ロールの長手のビーム状振動と同様に、紙又は板紙成形機の運転性に関する深刻な問題である。
【0003】
振動は紙及び板紙の製造を著しく妨げ、よって、機械速度の増大を制限する。振動問題は、速度上昇と共に指数関数的に増大する。振動は、特にロールニップにおいて、以前よりも深刻になっている。今のところ、多くの紙及び板紙成形機において障害であるのは振動するロールである。振動が有害なレベルまで増大しないよう紙及び板紙成形機をゆっくり運転することが単に必要である。
【0004】
今日、紙及び板紙成形機のロールシェルは、鋳造又は鋼板の曲げ加工によって製造される。シェルは機械加工によって丸められ、もし必要であれば、それは機械加工された溝を備え、被覆される。しかしながら、ロールは振動に対する特別な制動を欠き、その代わりに、制動は単に鋼又は鋳造の固有の特性に基づく。
【0005】
ロール表面上の組成は制振に含まれないが、制振はその他の場所で行われる。もし、特にニップにおいて、振動を最小限化することが望ましければ、ロールの表面材料は実際上如何なる重要性も有さない。
【0006】
実際には、特にゴムのような及び類似の弾性の材料は、むしろロールの外面上で振動を発生する傾向がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、特に上述の2つの機械的ロール振動の種類、即ち、ロールのビーム状振動及びロールの周辺振動のための効率的な制動を生成し得る制動配置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、制動配置が、追加的に、少なくとも1つの本質的に剛的な内部シェルと、シェルと内部シェルとの間に配置された制動構造とを含み、内部シェルは、シェル内面から離間してロールの径方向に配置され、且つ、本質的にシェルと同軸であり、制動構造の最外側面は、シェル内面に対して不動に配置され、制動構造の最内側面は、内部シェルの外面に対して不動に配置されることで、ロールの振動期間中にシェルと内部シェルとの間の運動差によって引き起こされる力は、制動構造内で剪断力に変換され、剪断力は制動構造内で本質的に消滅されることを特徴とする。
【0009】
本発明の好適実施態様は従属項中に記載されている。
【0010】
よって、本発明に従った制動配置は、2つの本質的に剛的なシェルと、それらの間に配置された制振構造とを含む。その結果、2つの剛的なシェルの曲げに起因して生成される運動差は剪断力に変換され、次に、剪断力は製造構造内で消滅される。制動構造を制振材料で構成可能であり、その剛性特性は、ロールシェル及び内部シェルの剛性特性よりも本質的に低い。急激に復帰する応力が、高い内部摩擦を有するこの種類の可撓性材料に導かれると、応力は本質的に消滅する。他方、可能な限り大きな部分の応力を剪断力に変換する中間構造を用いることが可能である。
【0011】
本制動配置によれば、好ましくは、本質的に剛的な内部シェルと、内部シェルの外面上に配置された制振制動層とを含む制動素子を第一に形成し、さらに、この制動素子を全体的に制動されるべきロールの内部に取り付けることが可能である。本発明に従った解決策の重要な特徴は、ロールシェル及び内部シェルの最大可能な剛性並びにシェルの剛性が内部シェルの剛性よりも高いような、ロールシェル及び内部シェルの剛性差である。これはシェルの動作に対するシェル間の最大剪断力をもたらす。よって、本発明は、制動素子の内面、即ち、この場合には、内部シェルも、剛的であり且つ連続的である。よって、内部シェルは、たわみが特に制動材料内で起こるよう剛的であるべきである。剪断応力を生み且つ消滅することは、制動材料の仕事であって、シェルの仕事ではない。
【0012】
本発明の他の重要な特徴は、制動層の最大厚さである。換言すれば、目標とされるシェルと内部シェルとの間のロール径方向における最大可能距離である。即ち、制動層の厚さは、制動素子の制振能力と直接的に相関することが発見された。これは、とりわけ、ロール径方向におけるシェル間の相互距離が大きければ大きいほど、ロール振動期間中のそれらの間の運動差が大きいという事実に起因する。運動差が大きいとき、機械的応力も制動層を通じて接続されたシェル間で増大する。応力は再び制動層内で剪断応力を生成する。制動層内で、これらの急激に復帰する剪断力は消滅され、よって、ロールの振動運動は制動される。
【0013】
本質的なことは、最大制動がロールの長手方向及びロール周辺の接線方向において達成されるよう、制動特性が制動層に向けられていることでもある。より詳細には、制動材料の剛性は、ロールの長手方向及びロール周辺の接線方向の双方において最大である。
【0014】
実際上は、ゴムが制動層における最良の可能な制動材料であることが分かった。しかしながら、他の材料も本発明に従った解決策に適用し得る。例えば、軽量で高い内部摩擦を有するポリウレタンも、制動層の材料として良好に適用可能である。様々なエラストマも用い得る。
【0015】
他の利点も本発明に従った解決策を用いて達成される。第一に、それは現在及び新規のロールの双方に適用可能である。換言すれば、制動素子を制動されるべきロール内部に持ち込む前にさえ、制動素子を好適に完全に形成し得る。制動層は第一に内部シェルの外面上に取り付けられ、制動層の外面は外部シェルの内面への締結のために処理に晒され、最終的に、このようにして形成された制動素子はロール内部に案内され、そこで、シェルの内面への制動層の外面の取り付けが行われる。
【0016】
このようにして、制動素子を完成物としてシェルの内面に直接的に適合し得る。本発明に従った制動配置を様々な大きさのロールのために容易に適合し得る。この種類のモジュール構造は、特に古いロールの場合に有利である。他方、本配置を全てのニップロール及び処理ロールに適合し得る。
【0017】
構造の故に、追加的な横断シームを回避することも可能であり、よって、構造の耐久性及び強度を向上する。加えて、単一ロールの内部に、それぞれがロールの長手方向における距離の一部のみに亘って延在する、幾つかの隣接する制動素子を適合することも可能である。
【0018】
本発明の一部の実施態様を例証する添付の図面を参照して、本発明を以下に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、ロール1の断面図であり、内部シェル3及び制動層4'によって形成される制動構造4を用いて制振が施されている。制動構造は、制動されるべきロール1の寸法に適合する制動素子13であり、その全体をロール1内部に案内し得る。制動層4'の外面は、締着のために、例えば、図1に示されるターンバックルネジ6を用いて、十分な力を加えることで、シェル2の内壁10に対して押し付けられる。これは図2に示されるロール1の断面により良好に例証されている。制動層及び内部シェル3の表面は互いに不動に付着されている。表面を接着又は加硫処理によって付着し得る。内部シェルの引き伸ばし後、例えば、長手溶接7によって、それは形式的に係止される。
【0020】
シェル2及び内部シェル3の双方の撓みは、可能な限り少なくあるべきである。ロール1の振動期間中、シェル2及び内部シェル3は振動に相応して曲がる傾向があるが、それらの異なる構造の故に様々な方法で曲がる。その結果、動作の相違によって引き起こされる応力によって生成される剪断力が制動構造4に伝えられ、それらはそこで除去され、よって、制振される。ロールの径方向におけるシェル2と内部シェル3との間の距離、よって、それらの相互の運動差が可能な限り大きいとき、ロール1の制振が最良である。
【0021】
よって、制動に関して本質的なことは、制動層の厚さであり、その最大化が目標とされる。これは正にシェル2と内部シェル3との間の大きな運動差を達成するためである。シェル2の厚さに対する制動層4'の厚さの比率は、好ましくは6〜60%であり、より好ましくは30〜50%である。図1の実施態様において、制動層4'の最適化された厚さは50mmである。
【0022】
制動構造における他の重要な特徴は、シェル及び内部シェルの高い剛性、並びに、シェルと内部シェルとの間の剛性差である。ロールが振動しがちであるとき、これはシェル間に最大の剪断力をもたらす。内部シェル3及びシェル2の厚さの比率は、1〜10%等級であり、好ましくは3〜6%等級である。図1に従った本発明の1つの実施態様において、シェル2の厚さは120mmに構成され、内部シェル3の厚さは5mmに構成されている。
【0023】
本発明に従った解決法において、目標は、周辺振動及びビーム状振動の双方に関して、制動層4'の制動特性を好ましくは最適化することである。これは制動層内に可能な孔又は開口を形成するときにも考慮される。この場合には、制動層のためにネット状構造が目標とされる。孔は、それらの形状及び大きさに関して、制動層の剛性がロールの長手方向及びロール周辺の正に接線方向において最大であるよう構成される。これによって、これらの方向における制振のために、制動層の能力を最大限化することが可能である。
【0024】
図1において、制動層4'を形成するゴム製マットは孔5を備え、それはこの実施態様では制動層4'の全体を通じて延在している。孔5の実際の目的は、制動層の質量を減少することである。制動材料の質量は制動効率自体に関して重要性を有さないことは注目すべきである。
【0025】
もし1つの連続的な制動素子のみがロール内に配置されるならば、図1に示されるように、それは本質的にロール全長に亘って延在すべきである。これは効率的な制振をもたらす。加えて、内部シェル3は両端で開放され、ロール1のヘッド構成部材から分離されていることが留意されるべきである。しかしながら、ロール長手方向の一部の距離に亘ってのみ延在する2つ又はそれ以上の別個の制動素子を、1つのロールの内部に使用することも可能である。この場合には、制動は特に周辺振動に向けられている。もし、ロールの長手方向における距離の一部にのみ延在し、且つ、本質的に互いに分離された幾つかの素子が用いられるならば、各素子は特定の周波数範囲内で制振する。よって、もし所望であれば、正確に特定の周波数範囲内で制動するために、各素子を配置し得る。勿論、この場合には、制動はロールのビーム状振動にも向けられているが、制動は効率的ではない。もし、1つのロールの内部で幾つかの制動素子を用いるときに、ビーム状振動の効率的な制動を達成することが望ましいならば、素子は互いに連続的に接続されて構成されなければならない。
【0026】
具体的には、もし制動層のために用いられる材料が、本発明の1つの実施態様に従ってポリウレタンであるならば、制動素子は、取付場所でさえ、シェルに容易に射出し得る。本発明に従った構成では、完全に異なる段階においてさえ、ロール内部への制動層及び内部シェルの取付けを自然に遂行し得ることが留意されるべきである。
【0027】
本発明の他のさらなる実施態様によれば、ロール均衡化において一般的に用いられる均衡化環の代わりに、均衡化素子を制動素子の両側面に配置することによって均衡化が遂行されるよう構成することも可能である。
【0028】
他方、所謂管ロールにおいて、均衡化は今日ポリウレタン組成を用いて遂行される。ポリウレタン組成は、ネットグリッドを用いて、一度にロールの4分の1毎に、ロールシェルの内面に射出される。本発明の他のさらなる実施態様によれば、均衡化ネット及びポリウレタン組成を、例えば、2つの制動素子と置換可能であり、別個の均衡化素子を制動素子との関係で位置付け得る。
【0029】
図3は、本発明に従った2つの制動素子13を有するロール1の断面図を示している。双方の制動素子13は、上述の内部シェル3と制動構造4とを有する。しかしながら、ここでは、制動構造4は、制動材料から成る制動成分9を用いてシェル10の内面10及び/又内部シェル3の外面11に接続された中間構造8から成る。中間構造は、応力を剪断力に変換するために用いられ、剪断力は制動成分中で効率的に制動される。左側の制動素子13では、リング状制動成分9及び中間構造8が用いられている。機能的に類似の部材は同一の参照番号を用いて参照されている。リング状成分は製造及び取付けが容易である。加えて、それらはロールに良好な硬化鋼かをもたらすが、主として制動材料の量及び剪断力の減少の故に、制動は減少する。長手の中間構造を用いて、制動材料を加えることができ、それは図3の右側に示されている。ここでは、制動素子13は、シェル2両端からシェルの4分の1の長さの距離にある地点に配置されている。この位置決めは比較的小さな制動素子でビーム状振動に対する優れた制動をもたらす。本発明によれば、内部シェル3の長さは、この場合には500〜2000mmであり、より好ましくは1000〜1500mmである。類似の制動素子もドクタービームのような非回転構造において用い得る。
【0030】
図4aは、図3の断面図である。本発明によれば、中間構造8は、1つ又はそれ以上のプロファイル成分12から成る。加えて、プロファイル成分12は、ロール1の径方向から逸れる少なくとも1つの部分を含む。この構造は、運動差によって引き起こされる応力の90%を越えるぐらいを剪断力に変える。よって、制動材料は最適に作用し、良好な制動をもたらす。同時に、制動構造の総質量を減少する薄い制動成分も用い得る。本発明によれば、制動成分の厚さは、シェルと内部シェルとの間の5〜30%、より好ましくは10〜20%である。
【0031】
図4bは、図4aの部分拡大図を示している。ここでは、2つの異なる厚さの制動成分が用いられている。最外側の制動成分は、プロファイル成分12をシェル2の内面10に取り付けることが主として意図されている。その代わり、最内側の制動成分は、十分な制動をもたらすために厚い。加えて、プロファイル成分は傾斜区画を有し、その故に、シェルの相互運動によって引き起こされる応力は、制動成分の剪断力に変換される。この実施態様において、傾斜区画は、ロール半径に対して45°の角度を形成している。加えて、シェル及び内部シェルの厚さは、それぞれ90mm及び5mmである。最内側の制動成分は10mmの厚さである。制動成分は、プロファイル成分に取り付けられた細長区画であるのが好ましい。他方、制動成分は、例えば、プロファイル成分の長手方向に適切な間隔で設置された四角形の小片であり得る。他の形態の制動成分も用い得る。
【0032】
よって、内部シェルを薄板材料から形成し得る。加えて、本発明によれば、同様に薄板材料から形成される1つのプロファイル成分のみが用いられる。この場合には、例えば、レーザ切断又は溶接を用い、内部シェル及びプロファイル成分の寸法的及びプロファイル的な正確性を達成し得る。提案されている実施態様において、プロファイル成分の厚さは2mmである。板及び材料厚さは、要件及び用途に基づいて寸法取られる。提案されている実施態様において、長手セルはロールに成形され、ロール温度を調節するために媒体をそこに伝導し得る。他方、媒体はそれ自体に関する限り制動材料として作用し得る。
【0033】
図5a及び5bに従った制動構造において、図4a及び4bに例証された解決法と比べると、追加的な硬化リング16及びテンションネジ15があり、各テンションネジは硬化リング16に含まれるリブ16'内に取り付けられている。ここでも、中間構造8は、内部シェル3をシェル2に結合している。制動成分9は、中間構造8に含まれる波形板の内面及び外面に締付られ、接着され、或いは、ネジ止めされている。制動成分は、エラストマ、又は、例えば、ゴムから成り、その層圧は約10mmである。制動成分を備える波形板は、例えば、上述の硬化リングを用いて、外部シェルに対して引き伸ばされる。この後、中間構造8の波形板はその長手方向に一体的に溶接される。
【0034】
次に、内部シェル3のブランクを中間構造8の内部に持ち込まれ、ブランクは、硬化リング16及び硬化リングのリブ16'に位置するテンションネジ15を利用して、所定場所で引き伸ばされる。連続形を生成するために、内部シェル3も溶接される。テンションネジ15は、制動構造を所定位置に引張り且つ中心化するために用いられ、全体構造はテンションネジのプレテンション方式を用いて所定位置に保持される。もし所望であれば、接着も用い得る。この構造は、例えば、ロール内部で水を循環することを可能にする。硬化リング間の距離は、内部シェル直径の約35%(±10%)である。
【0035】
上述の構造は、計算上及び実地試験上の双方において、単なる制動層(図1)よりも良好な制動をもたらす。一般的に、良好な制動は、成功的な機構及び良好な制動媒体の双方を必要とする。この実施例の場合には、本機構はロール振動の96%程をエラストマの剪断力に変換し得る。例えば、ゴムは良好な制動能力を有する。
【0036】
内部シェル3の製造方法は図6から明らかであり、円筒状に曲げられたブランクの両端はフィンガージョイントを具備する。内部シェル3のブランクは、周辺の両端に、シーム長に亘って交互する切込み18又は突起19を有する。直線的なアバットメントジョイントとは違って、両端が互いに移動し得るとき、これはブランクの寸法精度のための適度な公差をもたらす。内部シェル3のブランクが所定場所に引き伸ばされるや否や、突起19を反対端にある切込み18に溶接することによって、両端を結合するシームをもたらし得る。
【0037】
本発明に従った制動構造は実施が容易であり、様々なロールと共に用い得る。加えて、既存のロールに後付さえし得る特別な制動素子を製造することが可能である。さらに、本発明に従った製造構造の製造を単純化する薄板技法を利用することが可能である。しかしながら、本質的なことは、構造間の運動差の形成、及び、それらによって引き起こされる応力の剪断力への変換であり、剪断力は制動材料内で消滅されることである。本発明に従ったロールを、とりわけ、例えば、塗布ロール、カレンダロール、カッターのキングロールのようなニップロールとして用い得る。ニップ無し用途は、例えば、カレンダの拡散ロール及び収縮ロールである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に従った制動構造を備えるロールを示す断面図である。
【図2】切断線A−Aに沿う図1のロールの断面図である。
【図3】本発明に従った制動構造を備えるロールの他の実施態様を示す断面図である。
【図4a】切断線B−Bに沿う図3のロールの断面図である。
【図4b】図4aの部分拡大図である。
【図5a】図4aの制動構造の変更を示す部分断面図である。
【図5b】図5aの構造を示す部分断面図である。
【図6】本発明に従ったロールの内部シェルの製造方法を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙又は板紙成形機内の本質的に剛的なシェルを含むロールの機械的周辺振動及びビーム状振動を制動する制動配置であって、
少なくとも1つの本質的に剛的な内部シェルと、前記シェルと前記内部シェルとの間に配置された制動構造とを含み、
前記内部シェルは、前記シェルの内面から離間して前記ロールの径方向に配置され、且つ、本質的に前記シェルと同軸であり、
前記制動構造の外面は、前記シェルの前記内面に対して不動に配置され、前記制動構造の内面は、前記内部シェルの外面に対して不変に配置されることで、
前記ロールの振動期間中、前記シェルと前記内部シェルとの間の運動差によって引き起こされる力は、前記制動構造内で剪断力に変換され、該剪断力は、前記制動構造内で本質的に消滅されることを特徴とする制動配置。
【請求項2】
前記制動構造は、少なくとも部分的に制振材料から成る制動層から成ることを特徴とする、請求項1に記載の制動配置。
【請求項3】
前記制動構造は、制振材料から成る制動成分によって、前記シェルの内面及び/又は前記内部シェルの外面に接続された中間構造から成ることを特徴とする、請求項1に記載の制動配置。
【請求項4】
前記制振材料は、ゴム、ポリウレタン、又は、それらの類似物である、請求項2又は3に記載の制動配置。
【請求項5】
周辺振動及び/又はビーム状振動を制動するために、前記制動構造の制動特性は、前記ロール周辺の接線方向において及び/又は前記ロールの長手軸方向において最適化されていることを特徴とする、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の制動配置。
【請求項6】
前記制動層は、その質量を削減するために、開口又は貫通孔を有することを特徴とする、請求項2に記載の制動配置。
【請求項7】
前記シェルの厚さに対する前記制動構造の厚さの比率は、6〜60%であり、より好ましくは30〜50%であることを特徴とする、上記請求項のうちいずれか1項に記載の制動配置。
【請求項8】
前記制動層及び前記制動成分は、接着、加硫処理、又は、それらに類似する方法によって、前記シェルの前記内面及び前記内部シェルの前記外面に取り付けられることを特徴とする、請求項2又は3に記載の制動配置。
【請求項9】
前記内部シェルの厚さは、前記シェルの厚さの1〜10%、より好ましくは3〜6%であることを特徴とする、上記請求項のうちいずれか1項に記載の制動配置。
【請求項10】
前記中間構造は、前記ロールの径方向から逸れる少なくとも1つの成分を含む、1つ又はそれ以上のプロファイル成分から成ることを特徴とする、請求項3に記載の制動配置。
【請求項11】
前記制動成分の厚さは、前記シェルと前記内部シェルとの間の距離の5〜30%、より好ましくは10〜20%であることを特徴とする、請求項3に記載の制動配置。
【請求項12】
当該制動配置は、前記シェルの本質的に全長にわたって形成されることを特徴とする、請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の制動配置。
【請求項13】
当該制動配置は、前記ロールの長手方向に互いに離間した2つ又はそれ以上の地点に形成されることを特徴とする、請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の制動配置。
【請求項14】
前記地点は、本質的に前記シェルの両端から前記シェルの長さの4分の1の距離にあることを特徴とする、請求項13に記載の制動配置。
【請求項15】
前記地点で、前記内部シェルの長さは、500〜2000mmであり、より好ましくは1000〜1500mmであることを特徴とする、請求項13又は14に記載の制動配置。
【請求項16】
当該制動配置において、前記内部シェル及び前記制動構造は、後付け制動素子として配置され、該後付け制動素子は、前記シェルの前記内面に締め付けられるよう構成されることを特徴とする、上記請求項のうちいずれか1項に記載の制動配置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−506051(P2007−506051A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526655(P2006−526655)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【国際出願番号】PCT/FI2004/050114
【国際公開番号】WO2005/028884
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(501249157)メッツォ ペーパー インコーポレイテッド (33)
【Fターム(参考)】