紙容器
【課題】繰り返し容器を押すことにより、内容物を強制的に排出する操作を可能にした紙容器を提供する。
【解決手段】少なくとも紙層からなる基材層と、ガスバリアー層からなる中間層と、熱接着性樹脂層からなる内層とを備えた積層体で構成される紙容器P1。紙容器の胴部を構成する一つの側面板3の両側位置の2箇所に、基材層のみが切り欠かれた切欠部11、11が形成されている。
【解決手段】少なくとも紙層からなる基材層と、ガスバリアー層からなる中間層と、熱接着性樹脂層からなる内層とを備えた積層体で構成される紙容器P1。紙容器の胴部を構成する一つの側面板3の両側位置の2箇所に、基材層のみが切り欠かれた切欠部11、11が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清酒、焼酎、ウイスキー、ワイン、シャンプー、リンス、ドレッシング、ケチャップ、マヨネーズ、あるいは、各種洗浄液等の液状物や粘稠物等の内容物を収容する紙容器に関し、さらに詳しくは、内容物を押し出すための押し出し機能を備えた、特にゲーベルトップ型の紙容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、清酒、焼酎、ウイスキー、ワイン、シャンプー、リンス、ドレッシング、ケチャップ、マヨネーズ、あるいは、各種洗浄液等の液状物や粘稠物等の内容物を収容する紙容器は、成形のし易さや保形性、あるいは、光遮断性の点から紙基材を使用し、また、ガスバリアー性の点からアルミニウム箔、あるいは、アルミニウム、酸化珪素、酸化アルミ等の無機物の蒸着を施したプラスチックフィルムが一般的に用いられている。
【0003】
具体的に紙容器に用いられる構成としては、たとえば、高圧法低密度ポリエチレン層(以下、LDPE層と呼称する)/紙層/LDPE層/アルミニウム箔/接着剤/二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと呼称する)/LDPE層又は中密度ポリエチレン層(以下、MDPE層と呼称する)からなるものが一般的であるし、また、上記構成において、アルミニウム箔とPETフィルムとの積層工程を省略した低価格の、LDPE層/紙層/LDPE層/アルミニウム蒸着層/PETフィルム/LDPE層、ないしは、LDPE層/紙層/LDPE層/酸化珪素蒸着層(又は酸化アルミ蒸着層)/PETフィルム/LDPE層からなるものが使用されている。
【0004】
しかしながら、上記した構成からなる紙容器は、殆ど変形しないために、内容物を排出する際には、紙容器を傾ける操作しか行えず、たとえば、ペットボトル等の容器のように、容器を押して変形させ、内容物を強制的に排出するという操作が行えないという問題があり、特に内容物の粘度が高い場合には排出に時間が掛かるという問題があった。
【0005】
この問題を解決するものとして、紙容器の胴部を構成する稜線部等に押込み部を設けた紙容器が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に開示された紙容器は、一度、押込み部を押し込むと、それ以上押し込むことができないし、繰り返し押し込むためには、押込み部をその都度、元に戻さなければならないという煩雑さがあった。
【特許文献1】特開2000−109057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、繰り返し容器を押すことにより内容物を強制的に排出する操作を可能にした紙容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、少なくとも紙層からなる基材層と、ガスバリアー層からなる中間層と、熱接着性樹脂層からなる内層とを備えた積層体からなる傾斜屋根部に注出口となる注出部材を有するゲーベルトップ型紙容器であって、該ゲーベルトップ型紙容器の胴部を構成する一つの側面板を挟むように前記基材層のみが切り欠かれた切欠部が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を備えた傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板と、該側面板に連接する二つの側面板により形成される稜線およびこれを少なくとも含む所定領域に、前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3記載の本発明は、請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を備えた傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板と該側面板と対向する位置にある側面板と、前記両側面板を繋ぐ側面板とにより形成される稜線およびこれを少なくとも含む所定領域に、前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項4記載の本発明は、請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を備えた傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板の両端部に前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項5記載の本発明は、請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を有する傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板と直交する方向にある二つの側面板の前記注出口となる注出部材を有する傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する前記側面板側の両端部に前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項6記載の本発明は、請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を有する傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板の一方の端部と、他方の端部に連接する側面板の前記他方の端部側の端部とに前記切欠部が前記胴部の上下方向の位置を同じくして設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項7記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記切欠部が前記胴部の天地方向の天部から略1/3の位置に前記切欠部の天地方向の中心が位置するように設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項8記載の本発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記両切欠部を最短で結ぶ位置にある側面板に前記切欠部を繋ぐ罫線が少なくとも1つ設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項9記載の本発明は、請求項1〜8のいずれかに記載のゲーベルトップ型の紙容器が40mm角〜70mm角の範囲の角形からなる胴部を有する紙容器であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明のゲーベルトップ型紙容器は、容器を片手で持って、側面板の切欠部に挟まれた箇所を手指で繰り返し押すことが可能となり、内容物を強制的に排出することができるという優れた効果を奏するものである。
【0017】
前記両切欠部を、側面板を挟んで、容器胴部の天地方向における高さ位置を互いにずらして形成した場合には、容器の剛性が全体に渡って小さくなり、容器の変形および内容物の排出がスムーズになるというメリットがある。
前記切欠部を容器稜線に沿って断続的に形成する場合には、折曲げ力が折罫(稜線)の全体に作用し易くなり、容器の組立工程がスムーズになるというメリットがある。
なお、紙容器はゲーベルトップ型のものに限定されるものではなく、例えば、天面および底面がいずれもフラットな容器であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第1実施形態を示す斜視図、図2は図1に示す第1実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図、図3は図2のX−X線の断面を図解的に示す図、図4は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第2実施形態を示す斜視図、図5は図4に示す第2実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図、図6は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第3実施形態を示す斜視図、図7は図6に示す第3実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図、図8は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第4実施形態を示す斜視図、図9は図8に示す第4実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図、図10は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第5実施形態を示す斜視図、図11は図10に示す第5実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図、図12は本発明にかかる第1実施形態のゲーベルトップ型紙容器の使用状態を説明する概略図であり、図中の1,2,3,4は側面板、5は糊代片、6は注出部材取付孔、10は注出部材、11は切欠部、12は罫線、1a,2a,3a,4aは傾斜屋根部形成板、1b,2b,3b,4bは底部形成板、20,20’はLDPE層、21は紙層、22はEMAA層、23は酸化珪素蒸着層、24はPETフィルム、25はエチレン−αオレフィン共重合体層、Aは基材層、Bは中間層、Cは内層、P1〜P5はゲーベルトップ型紙容器、P1’〜P5’はブランク板をそれぞれ示す。
【0019】
最初に、本発明のゲーベルトップ型紙容器に用いる積層体の構成について説明する。積層体の構成としては、背景技術の項で記載した構成、すなわち、LDPE層/紙層/LDPE層/アルミニウム箔/接着剤/PETフィルム/LDPE層又はMDPE層、LDPE層/紙層/LDPE層/アルミニウム蒸着層/PETフィルム/LDPE層、あるいは、LDPE層/紙層/LDPE層/酸化珪素蒸着層(又は酸化アルミ蒸着層)/PETフィルム/LDPE層等の構成のものを使用することができるが、上記構成はゲーベルトップ型紙容器に用いる積層体の一例を記載したものであり、これに限るものではないことはいうまでもないことである。なお、上記構成例において、本願でいうところの基材層とは下線で示したLDPE層/紙層の部分であり、中間層とはアルミニウム箔、アルミニウム蒸着層/PETフィルムおよび酸化珪素蒸着層(又は酸化アルミ蒸着層)/PETフィルムの部分であり、内層とはLDPE層やMDPE層の部分である。
【0020】
図1は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第1実施形態を示す斜視図であって、ゲーベルトップ型紙容器P1は傾斜屋根部に注出口となる注出部材10を有し、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材10を備えた傾斜屋根部形成板3aに連接する胴部を構成する側面板3と、該側面板3に連接する二つの側面板2(図2参照)および側面板4により形成される稜線およびこれを少なくとも含む所定領域に、基材層A(図3参照)のみが切り欠かれた、角部が曲面状に面取りされた略矩形状の切欠部11が対向する位置に設けれると共に前記側面板3に前記切欠部11を繋ぐ1本の罫線12が設けられたものである。
【0021】
図2は図1に示す第1実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図であって、ブランク板P1’は側面板1と側面板2と側面板3と側面板4と糊代片5とが折罫を介してそれぞれ連接すると共に、側面板1の上下端には傾斜屋根部形成板1aと底部形成板1bが、側面板2の上下端には傾斜屋根部形成板2aと底部形成板2bが、側面板3の上下端には中央部に注出部材10を取り付ける注出部材取付孔6が形成された傾斜屋根部形成板3aと底部形成板3bが、側面板4の上下端には傾斜屋根部形成板4aと底部形成板4bがそれぞれ折罫を介して連接し、傾斜屋根部形成板2a,4aおよび底部形成板2b,3b,4bの所定位置に折罫が形成されたものであり、このブランク板P1’は周知の工程を経て組み立てられて、容器完成時に前記注出部材取付孔6に注出部材10が取り付けられるものである。なお、前記側面板2と前記側面板3、および、前記側面板3と前記側面板4を連接する折罫(請求項上は稜線)およびこれを少なくとも含む所定領域に、前記基材層A(図3参照)のみが切り欠かれた角部が曲面状に面取りされた略矩形状の切欠部11が対向する位置に設けられていると共に前記側面板3に前記切欠部11を繋ぐ1本の罫線12が設けられている。
【0022】
図3は図2のX−X線の断面を図解的に示す図であって、ブランク板P1’は表層側(図2の紙面表側)から、たとえば、LDPE層20と紙層21とエチレン−メタクリル酸共重合体層(以下、EMAA層と呼称する)22と酸化珪素蒸着層23とPETフィルム24とLDPE層20’とエチレン−αオレフィン共重合体層25とからなる積層体であって、この場合において本願でいうところの基材層AとしてはLDPE層20と紙層21であり、ガスバリアー層からなる中間層Bとしては酸化珪素蒸着層23とPETフィルム24であり、熱接着性樹脂層からなる内層Cとしてはエチレン−αオレフィン共重合体層25であり、EMAA層22とLDPE層20’とは基材層Aと中間層Bと内層Cを積層するための接着層である。そして、図3からも明らかなように、切欠部11は表層側のLDPE層20から紙層21を貫通するように形成されている。なお、これ以降に説明する第2〜5実施形態は第1実施形態と比べて切欠部11を設ける位置や形状が異なるのみで、その他については第1実施形態と同じであり、実施の態様についてのみ説明する。
【0023】
図4は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第2実施形態を示す斜視図、図5は図4に示す第2実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図であって、ゲーベルトップ型紙容器P2は傾斜屋根部に注出口となる注出部材10を有し、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材10を有する傾斜屋根部形成板3aに連接する胴部を構成する側面板3と該側面板3と対向する位置にある側面板1(図5参照)と、前記両側面板3、1(図5参照)を繋ぐ側面板2とにより形成される稜線(折罫)およびこれを少なくとも含む所定領域に、角部が曲面状に面取りされた略矩形状の切欠部11が対向する位置に設けられると共に側面板2に前記切欠部11を繋ぐ1本の罫線12が設けられているものである。
【0024】
図6は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第3実施形態を示す斜視図、図7は図6に示す第3実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図であって、ゲーベルトップ型紙容器P3は傾斜屋根部に注出口となる注出部材10を有し、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材10を備えた傾斜屋根部形成板3aに連接する胴部を構成する側面板3の両端部に、断面略鏡餅形状の切欠部11が対向する位置に対向して設けられているものである。
【0025】
図8は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第4実施形態を示す斜視図、図9は図8に示す第4実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図であって、ゲーベルトップ型紙容器P4は傾斜屋根部に注出口となる注出部材10を有し、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材10を有する傾斜屋根部形成板3aに連接する胴部を構成する側面板3と直交する方向にある二つの側面板4、2(図9参照)の前記注出口となる注出部材10を備えた傾斜屋根部形成板3aに連接する胴部を構成する前記側面板3側の両端部に、断面略鏡餅形状の切欠部11が対向する位置に対向して設けられているものである。
【0026】
図10は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第5実施形態を示す斜視図、図11は図10に示す第5実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図であって、ゲーベルトップ型紙容器P5は傾斜屋根部に注出口となる注出部材10を有し、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材10を有する傾斜屋根部形成板3aに連接する胴部を構成する側面板3の一方の端部と、他方の端部に連接する側面板4の前記他方の端部側の端部とに、断面略鏡餅形状の切欠部11が前記胴部の上下方向の位置を同じくして設けられているものである。
【0027】
ところで、実施形態においては、切欠部11を角部が曲面状に面取りされた略矩形状や断面略鏡餅形状としたものを示したが、切欠部11の切欠形状はこれに限るものではなく、適宜の形状を採ることができるものである。また、2つの切欠部11の切欠形状は対称であっても非対称であってもよいし、切欠形状が異なっていてもよいものである。また、側面板2ないし側面板3は切欠部11に挟まれた箇所を手指で繰り返し押すことと、押し込む深さを考慮すると、切欠部11は切欠部11の天地方向の略中心において出来る限り切欠部11が接近する構成することが望ましい。また、前記切欠部11を設ける位置としては、ゲーベルトップ型紙容器P1〜P5の胴部の天地方向の天部から略1/3の位置に前記切欠部11の天地方向の中心が位置するように設けることが適当であり、また、切欠部11の天地方向の寸法としては、ゲーベルトップ型紙容器P1〜P5の胴部の天地方向の長さの50%未満で20%以上、好ましくは30%以上である。この理由としては、50%以上であると、製函時に切欠部11を設けた折罫で折れない虞があり、20%未満では十分な押し込む深さを得られない虞がある。
【0028】
また、実施形態においては、前記側面板2ないし側面板3に前記切欠部11を繋ぐ1本の罫線12を設けたものを示したが、この罫線12についても1本に限ることはなく、た
えば、紙層の坪量が大きい場合や繰り返し押す力をより小さなものとしたい場合には2本以上の複数の罫線であってもよいし、また、直線に限ることはなく、への字形状や円弧形状であってもよいし、また、への字状や円弧状の罫線2本を中央部が乖離するように、あるいは、中央部が接近するように配置したものであってもよいものである。
【0029】
図12は本発明にかかる第1実施形態のゲーベルトップ型紙容器の使用状態を説明する概略図であって、ゲーベルトップ型紙容器P1の注出部材10を開封して注出口を設け、その後にゲーベルトップ型紙容器P1を片手で持って、側面板3の切欠部11に挟まれた箇所を手指で繰り返し押す(図の矢印方向)ことにより内容物を強制的に排出することができる。そして、本発明のゲーベルトップ型紙容器は片手で持って手指で繰り返し押す(図の矢印方向)ことにより内容物を強制的に排出する操作を行うものであり、本発明は40mm角〜70mm角の範囲の角形からなる胴部を有するゲーベルトップ型紙容器に特に好適である。なお、図示はしないが、第2実施形態〜第5実施形態についても使い方は第1実施形態と同様であって、側面板2ないし側面板3の切欠部11に挟まれた箇所を手指で繰り返し押すことにより内容物を強制的に排出することができる。
【0030】
上記したように、従来のゲーベルトップ型紙容器においては、流通時や使用時の形状を確保する意味から層構成中の紙層は坪量が200g/m2〜480g/m2の厚紙を用いるために、結果として剛性の強い容器とならざるを得ず、内容物を強制的に排出するということが極めて困難であったが、本発明により強制的に内容物を排出することができるゲーベルトップ型紙容器とすることができ、強制的に内容物を排出することができるという機能を付与することによりゲーベルトップ型紙容器の用途範囲を拡大することができ、社会生活への寄与度は計り知れないものがある。
【0031】
≪切欠部の高さ位置をずらして形成する例≫
図13に示した容器P7は、図1に示した第1実施形態の容器P1に対して、2つの切欠部11、11の高さ位置を互いにずらして構成している点が異なる。すなわち、図13中、左側の切欠部11を相対的に低い位置に、右側の切欠部11を相対的に高い位置に、それぞれ配置している。
罫線12は、図13では、左右の切欠部11、11のオーバーラップする高さ位置において水平に形成している。しかし、斜め方向に罫線を形成する等してもよい。
左右の切欠部の高さ位置を異ならせることにより、左右同位置にある場合に比べて、容器胴部を形成するパネル側面板3の強度を高めることができ、容器の潰れ等を防ぐことができ、かつ強制的に内容物を排出する機能も維持できるというメリットがある。
【0032】
他の実施形態の容器についても、同様に、左右の切欠部の高さ位置をずらして配置してもよい。
【0033】
≪切欠部を断続的に形成する例≫
図14に示した容器P8は、図1に示した第1実施形態の容器P1に対して、切欠部を容器稜線15、16に沿って断続的に形成している点が異なる。すなわち、図1の容器P1が備える各切欠部11をそれぞれ、稜線15、16に沿って上下に2つ(11a、11b)とすることで、図14の容器P8が得られる。切欠部を断続的に設けることのメリットは、次の通りである。
容器は例えば図2に示した平坦なブランク板P1’から組み立てられるが、そのとき、切欠部が形成されている稜線15、16も、ブランク板上の折罫を折り曲げることによって形成される。折罫を折り曲げるとき、(a)当該折罫が大きな切欠部で分断されているよりも、(b)小さな切欠部で分断されている方が、折りを綺麗に形成できる。
すなわち、製造工程中で胴部を貼り合わせる際、すなわちフレームシールを行う際、当該罫線部を屋根部側あるいは底部側から順次、側面板1および5を重ね合わせる様にガイド部材で絞り込んで折っていく。このため、後者(b)のように、切欠部と切欠部との間に折れの進行を案内する基材の紙部15β、16β(図14参照)が存在する方が、折れが蛇行することなく綺麗に折れるというメリットがある。
【0034】
図14の例では、隣接する切欠部同士を繋ぐ罫線12a、12bを上下に2つ形成しているが、いずれか一方だけ、あるいは省略することも可能である。なお、切欠部は、3つまたは4つ以上に分断してもよく、その数は任意である。
他の実施形態の容器についても、同様に、切欠部を分断することで、胴部を貼り合わせる際(フレームシール時)に、折りが蛇行せず、綺麗に折り曲げることが可能となる。
【0035】
≪ゲーベルトップ型以外の容器≫
以上に説明した例では、紙容器はいずれも、上部に傾斜屋根を有するゲーベルトップ型のものであるが、本発明において、容器の全体的な形状は特定のものに限定されず、例えば、天面および底面がいずれもフラットな容器であってもよい。また、内容物を取り出す注出部の形態についても、別部材である注出部材10を取り付ける構成に限らず、容器の一部を破り開ける構成であってもよい。
図15(a)〜(c)の各容器P11、P17、P18は、ぞれぞれ、容器P1、P7、P8に対する変形例であって、いずれも天面がフラットであり、当該天面を破り開ける構成を採用している。他の実施形態の容器P2〜P5についても、同様に、ゲーベルトップ型以外の形態を採用してもよい。
【0036】
≪ゲーベルトップタイプであって、変則傾斜屋根を設けた例≫
例えば図1に示したゲーベルトップタイプの容器においては、傾斜屋根3aの面積は、一般的に、図15(a)のように平坦屋根を有するものと比べて、小さくなる。
ゲーベルトップ容器において、注出部材10は傾斜屋根3aに設けられるので、傾斜屋根3aの面積が小さくなると、注出部材10も必然的に小径となってしまう。注出部材10が小径であると、プルタブに指がかからず、開封しにくくなるという問題が生じる。特に、容器の径(水平横断面積)が小さい場合、すなわち容器が細い場合に、そのようなことが問題となりやすい。
【0037】
この問題を解決するための構成を図16(a)に示している。図16(a)のゲーベルトップ容器P20では、ゲーベルトップを構成する2つの傾斜屋根3a、3bを変則的に構成している。ゲーベルトップ容器の場合、一般的には図16(b)に示したように、2つの傾斜屋根は面積が等しく、同じ角度をもって傾斜しているが、図16(a)のゲーベルトップ容器P20においては、一方の傾斜屋根3aと他方の傾斜屋根3bとの傾斜角度を異ならせている。
これにより、2つの傾斜屋根を同一角度で傾斜させた図16(b)の場合と比較して、一方の傾斜屋根3aの面積を大きく確保することができる(他方の傾斜屋根3bの面積は小さくなるが)。そして、面積が大きい方の傾斜屋根3aに注出部材110を配置することで、できるだけ大径の注出部材110を使用できるように工夫している。
図16(a)、(b)を比較すれば分かるように、図16(a)においては、傾斜屋根3aの面積が大きい分だけ、注出部材110の径が大きくなっている。
【0038】
≪容器内が見やすくなるように、切欠部を工夫した例≫
既に説明した本発明の各実施形態における切欠部11は、容器の強度を部分的に弱くして、その部分を繰り返し押すことで内容物を排出し易くするために設けたものである。したがって、切欠部11を介して容器内部を目視できることは必ずしも必要ではない。
しかし、図3において、切欠部11の下方側に残存する容器壁面(中間層Bおよび内層C)に透光性を持たせ、当該切欠部11を窓のように構成すれば、容器内を目視することが可能となり、残量等が確認できるというメリットが追加される。その場合、切欠部11(窓)は、少なくとも2つ設けることが好ましく、当該2つの窓が容器周壁上の対向する位置(ほぼ180°反対側)に存在することがさらに好ましい。そのように構成することで、一方の切欠部(窓)から光を採り入れながら、他方の窓から容器内を明瞭に目視確認できる。
【0039】
このような条件を満たす、切欠部(窓)11の配置例を図17に例示的に示した。いずれの容器においても、切欠部(窓)11が少なくとも2つあり、ほぼ180°対向して配置された2つの切欠部(窓)11を含んでいる。なお、図17においては、いずれの容器もゲーベルトップタイプであるが、平坦屋根の容器であってもよい。
【0040】
図17(a)では、切欠部(窓)が合計4つ設けられていて、11dと11dが対向する位置にあり、11eと11eも対向する位置にある。図17(b)では、切欠部(窓)は合計2つで、11dと11dが対向する位置にある。
図17(c)では、11dと11dが対向する位置にある。11eに対向する位置に第4の切欠部(窓)を設けても、設けなくてもよい。図17(d)では、切欠部(窓)は合計2つで、11dと11dが対向する位置にある。
いずれの場合も、「切欠部(窓)が少なくとも2つ」および「ほぼ180°対向して配置された2つの切欠部(窓)」という条件を満たしている。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第1実施形態を示す斜視図。
【図2】図1に示す第1実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図。
【図3】図2のX−X線の断面を図解的に示す図。
【図4】本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第2実施形態を示す斜視図。
【図5】図4に示す第2実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図。
【図6】本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第3実施形態を示す斜視図。
【図7】図6に示す第3実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図。
【図8】本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第4実施形態を示す斜視図。
【図9】図8に示す第4実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図。
【図10】本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第5実施形態を示す斜視図。
【図11】図10に示す第5実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図。
【図12】本発明にかかる第1実施形態のゲーベルトップ型紙容器の使用状態を説明する概略図。
【図13】左右の切欠部の高さ位置をずらして配置した例を説明する斜視図。
【図14】切欠部を容器稜線に沿って断続的に形成した例を説明する斜視図。
【図15】ゲーベルトップ型ではなく、容器天面をフラットに構成した例を示す斜視図。
【図16】変則屋根のゲーベルトップを採用した例を説明する図。
【図17】容器内部を目視確認することを容易にした例を説明する図。
【符号の説明】
【0042】
1,2,3,4 側面板
5 糊代片
6 注出部材取付孔
10、110 注出部材
11、11a、11b 切欠部
11d、11e 切欠部
12 罫線
15、16 稜線
15β、16β 分断された稜線部分
1a,2a,3a,4a 傾斜屋根部形成板
1b,2b,3b,4b 底部形成板
20,20’ LDPE層
21 紙層
22 EMAA層
23 酸化珪素蒸着層
24 PETフィルム
25 エチレン−αオレフィン共重合体層
A 基材層
B 中間層
C 内層
P1〜P5、P7,P8、P20 ゲーベルトップ型紙容器
P11,P17,P18 天面がフラットな紙容器
P1’〜P5’ ブランク板
【技術分野】
【0001】
本発明は、清酒、焼酎、ウイスキー、ワイン、シャンプー、リンス、ドレッシング、ケチャップ、マヨネーズ、あるいは、各種洗浄液等の液状物や粘稠物等の内容物を収容する紙容器に関し、さらに詳しくは、内容物を押し出すための押し出し機能を備えた、特にゲーベルトップ型の紙容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、清酒、焼酎、ウイスキー、ワイン、シャンプー、リンス、ドレッシング、ケチャップ、マヨネーズ、あるいは、各種洗浄液等の液状物や粘稠物等の内容物を収容する紙容器は、成形のし易さや保形性、あるいは、光遮断性の点から紙基材を使用し、また、ガスバリアー性の点からアルミニウム箔、あるいは、アルミニウム、酸化珪素、酸化アルミ等の無機物の蒸着を施したプラスチックフィルムが一般的に用いられている。
【0003】
具体的に紙容器に用いられる構成としては、たとえば、高圧法低密度ポリエチレン層(以下、LDPE層と呼称する)/紙層/LDPE層/アルミニウム箔/接着剤/二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと呼称する)/LDPE層又は中密度ポリエチレン層(以下、MDPE層と呼称する)からなるものが一般的であるし、また、上記構成において、アルミニウム箔とPETフィルムとの積層工程を省略した低価格の、LDPE層/紙層/LDPE層/アルミニウム蒸着層/PETフィルム/LDPE層、ないしは、LDPE層/紙層/LDPE層/酸化珪素蒸着層(又は酸化アルミ蒸着層)/PETフィルム/LDPE層からなるものが使用されている。
【0004】
しかしながら、上記した構成からなる紙容器は、殆ど変形しないために、内容物を排出する際には、紙容器を傾ける操作しか行えず、たとえば、ペットボトル等の容器のように、容器を押して変形させ、内容物を強制的に排出するという操作が行えないという問題があり、特に内容物の粘度が高い場合には排出に時間が掛かるという問題があった。
【0005】
この問題を解決するものとして、紙容器の胴部を構成する稜線部等に押込み部を設けた紙容器が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に開示された紙容器は、一度、押込み部を押し込むと、それ以上押し込むことができないし、繰り返し押し込むためには、押込み部をその都度、元に戻さなければならないという煩雑さがあった。
【特許文献1】特開2000−109057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、繰り返し容器を押すことにより内容物を強制的に排出する操作を可能にした紙容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、少なくとも紙層からなる基材層と、ガスバリアー層からなる中間層と、熱接着性樹脂層からなる内層とを備えた積層体からなる傾斜屋根部に注出口となる注出部材を有するゲーベルトップ型紙容器であって、該ゲーベルトップ型紙容器の胴部を構成する一つの側面板を挟むように前記基材層のみが切り欠かれた切欠部が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を備えた傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板と、該側面板に連接する二つの側面板により形成される稜線およびこれを少なくとも含む所定領域に、前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3記載の本発明は、請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を備えた傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板と該側面板と対向する位置にある側面板と、前記両側面板を繋ぐ側面板とにより形成される稜線およびこれを少なくとも含む所定領域に、前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項4記載の本発明は、請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を備えた傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板の両端部に前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項5記載の本発明は、請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を有する傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板と直交する方向にある二つの側面板の前記注出口となる注出部材を有する傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する前記側面板側の両端部に前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項6記載の本発明は、請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を有する傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板の一方の端部と、他方の端部に連接する側面板の前記他方の端部側の端部とに前記切欠部が前記胴部の上下方向の位置を同じくして設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項7記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記切欠部が前記胴部の天地方向の天部から略1/3の位置に前記切欠部の天地方向の中心が位置するように設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項8記載の本発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のゲーベルトップ型紙容器において、前記両切欠部を最短で結ぶ位置にある側面板に前記切欠部を繋ぐ罫線が少なくとも1つ設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項9記載の本発明は、請求項1〜8のいずれかに記載のゲーベルトップ型の紙容器が40mm角〜70mm角の範囲の角形からなる胴部を有する紙容器であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明のゲーベルトップ型紙容器は、容器を片手で持って、側面板の切欠部に挟まれた箇所を手指で繰り返し押すことが可能となり、内容物を強制的に排出することができるという優れた効果を奏するものである。
【0017】
前記両切欠部を、側面板を挟んで、容器胴部の天地方向における高さ位置を互いにずらして形成した場合には、容器の剛性が全体に渡って小さくなり、容器の変形および内容物の排出がスムーズになるというメリットがある。
前記切欠部を容器稜線に沿って断続的に形成する場合には、折曲げ力が折罫(稜線)の全体に作用し易くなり、容器の組立工程がスムーズになるというメリットがある。
なお、紙容器はゲーベルトップ型のものに限定されるものではなく、例えば、天面および底面がいずれもフラットな容器であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第1実施形態を示す斜視図、図2は図1に示す第1実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図、図3は図2のX−X線の断面を図解的に示す図、図4は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第2実施形態を示す斜視図、図5は図4に示す第2実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図、図6は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第3実施形態を示す斜視図、図7は図6に示す第3実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図、図8は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第4実施形態を示す斜視図、図9は図8に示す第4実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図、図10は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第5実施形態を示す斜視図、図11は図10に示す第5実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図、図12は本発明にかかる第1実施形態のゲーベルトップ型紙容器の使用状態を説明する概略図であり、図中の1,2,3,4は側面板、5は糊代片、6は注出部材取付孔、10は注出部材、11は切欠部、12は罫線、1a,2a,3a,4aは傾斜屋根部形成板、1b,2b,3b,4bは底部形成板、20,20’はLDPE層、21は紙層、22はEMAA層、23は酸化珪素蒸着層、24はPETフィルム、25はエチレン−αオレフィン共重合体層、Aは基材層、Bは中間層、Cは内層、P1〜P5はゲーベルトップ型紙容器、P1’〜P5’はブランク板をそれぞれ示す。
【0019】
最初に、本発明のゲーベルトップ型紙容器に用いる積層体の構成について説明する。積層体の構成としては、背景技術の項で記載した構成、すなわち、LDPE層/紙層/LDPE層/アルミニウム箔/接着剤/PETフィルム/LDPE層又はMDPE層、LDPE層/紙層/LDPE層/アルミニウム蒸着層/PETフィルム/LDPE層、あるいは、LDPE層/紙層/LDPE層/酸化珪素蒸着層(又は酸化アルミ蒸着層)/PETフィルム/LDPE層等の構成のものを使用することができるが、上記構成はゲーベルトップ型紙容器に用いる積層体の一例を記載したものであり、これに限るものではないことはいうまでもないことである。なお、上記構成例において、本願でいうところの基材層とは下線で示したLDPE層/紙層の部分であり、中間層とはアルミニウム箔、アルミニウム蒸着層/PETフィルムおよび酸化珪素蒸着層(又は酸化アルミ蒸着層)/PETフィルムの部分であり、内層とはLDPE層やMDPE層の部分である。
【0020】
図1は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第1実施形態を示す斜視図であって、ゲーベルトップ型紙容器P1は傾斜屋根部に注出口となる注出部材10を有し、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材10を備えた傾斜屋根部形成板3aに連接する胴部を構成する側面板3と、該側面板3に連接する二つの側面板2(図2参照)および側面板4により形成される稜線およびこれを少なくとも含む所定領域に、基材層A(図3参照)のみが切り欠かれた、角部が曲面状に面取りされた略矩形状の切欠部11が対向する位置に設けれると共に前記側面板3に前記切欠部11を繋ぐ1本の罫線12が設けられたものである。
【0021】
図2は図1に示す第1実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図であって、ブランク板P1’は側面板1と側面板2と側面板3と側面板4と糊代片5とが折罫を介してそれぞれ連接すると共に、側面板1の上下端には傾斜屋根部形成板1aと底部形成板1bが、側面板2の上下端には傾斜屋根部形成板2aと底部形成板2bが、側面板3の上下端には中央部に注出部材10を取り付ける注出部材取付孔6が形成された傾斜屋根部形成板3aと底部形成板3bが、側面板4の上下端には傾斜屋根部形成板4aと底部形成板4bがそれぞれ折罫を介して連接し、傾斜屋根部形成板2a,4aおよび底部形成板2b,3b,4bの所定位置に折罫が形成されたものであり、このブランク板P1’は周知の工程を経て組み立てられて、容器完成時に前記注出部材取付孔6に注出部材10が取り付けられるものである。なお、前記側面板2と前記側面板3、および、前記側面板3と前記側面板4を連接する折罫(請求項上は稜線)およびこれを少なくとも含む所定領域に、前記基材層A(図3参照)のみが切り欠かれた角部が曲面状に面取りされた略矩形状の切欠部11が対向する位置に設けられていると共に前記側面板3に前記切欠部11を繋ぐ1本の罫線12が設けられている。
【0022】
図3は図2のX−X線の断面を図解的に示す図であって、ブランク板P1’は表層側(図2の紙面表側)から、たとえば、LDPE層20と紙層21とエチレン−メタクリル酸共重合体層(以下、EMAA層と呼称する)22と酸化珪素蒸着層23とPETフィルム24とLDPE層20’とエチレン−αオレフィン共重合体層25とからなる積層体であって、この場合において本願でいうところの基材層AとしてはLDPE層20と紙層21であり、ガスバリアー層からなる中間層Bとしては酸化珪素蒸着層23とPETフィルム24であり、熱接着性樹脂層からなる内層Cとしてはエチレン−αオレフィン共重合体層25であり、EMAA層22とLDPE層20’とは基材層Aと中間層Bと内層Cを積層するための接着層である。そして、図3からも明らかなように、切欠部11は表層側のLDPE層20から紙層21を貫通するように形成されている。なお、これ以降に説明する第2〜5実施形態は第1実施形態と比べて切欠部11を設ける位置や形状が異なるのみで、その他については第1実施形態と同じであり、実施の態様についてのみ説明する。
【0023】
図4は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第2実施形態を示す斜視図、図5は図4に示す第2実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図であって、ゲーベルトップ型紙容器P2は傾斜屋根部に注出口となる注出部材10を有し、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材10を有する傾斜屋根部形成板3aに連接する胴部を構成する側面板3と該側面板3と対向する位置にある側面板1(図5参照)と、前記両側面板3、1(図5参照)を繋ぐ側面板2とにより形成される稜線(折罫)およびこれを少なくとも含む所定領域に、角部が曲面状に面取りされた略矩形状の切欠部11が対向する位置に設けられると共に側面板2に前記切欠部11を繋ぐ1本の罫線12が設けられているものである。
【0024】
図6は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第3実施形態を示す斜視図、図7は図6に示す第3実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図であって、ゲーベルトップ型紙容器P3は傾斜屋根部に注出口となる注出部材10を有し、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材10を備えた傾斜屋根部形成板3aに連接する胴部を構成する側面板3の両端部に、断面略鏡餅形状の切欠部11が対向する位置に対向して設けられているものである。
【0025】
図8は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第4実施形態を示す斜視図、図9は図8に示す第4実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図であって、ゲーベルトップ型紙容器P4は傾斜屋根部に注出口となる注出部材10を有し、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材10を有する傾斜屋根部形成板3aに連接する胴部を構成する側面板3と直交する方向にある二つの側面板4、2(図9参照)の前記注出口となる注出部材10を備えた傾斜屋根部形成板3aに連接する胴部を構成する前記側面板3側の両端部に、断面略鏡餅形状の切欠部11が対向する位置に対向して設けられているものである。
【0026】
図10は本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第5実施形態を示す斜視図、図11は図10に示す第5実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図であって、ゲーベルトップ型紙容器P5は傾斜屋根部に注出口となる注出部材10を有し、前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材10を有する傾斜屋根部形成板3aに連接する胴部を構成する側面板3の一方の端部と、他方の端部に連接する側面板4の前記他方の端部側の端部とに、断面略鏡餅形状の切欠部11が前記胴部の上下方向の位置を同じくして設けられているものである。
【0027】
ところで、実施形態においては、切欠部11を角部が曲面状に面取りされた略矩形状や断面略鏡餅形状としたものを示したが、切欠部11の切欠形状はこれに限るものではなく、適宜の形状を採ることができるものである。また、2つの切欠部11の切欠形状は対称であっても非対称であってもよいし、切欠形状が異なっていてもよいものである。また、側面板2ないし側面板3は切欠部11に挟まれた箇所を手指で繰り返し押すことと、押し込む深さを考慮すると、切欠部11は切欠部11の天地方向の略中心において出来る限り切欠部11が接近する構成することが望ましい。また、前記切欠部11を設ける位置としては、ゲーベルトップ型紙容器P1〜P5の胴部の天地方向の天部から略1/3の位置に前記切欠部11の天地方向の中心が位置するように設けることが適当であり、また、切欠部11の天地方向の寸法としては、ゲーベルトップ型紙容器P1〜P5の胴部の天地方向の長さの50%未満で20%以上、好ましくは30%以上である。この理由としては、50%以上であると、製函時に切欠部11を設けた折罫で折れない虞があり、20%未満では十分な押し込む深さを得られない虞がある。
【0028】
また、実施形態においては、前記側面板2ないし側面板3に前記切欠部11を繋ぐ1本の罫線12を設けたものを示したが、この罫線12についても1本に限ることはなく、た
えば、紙層の坪量が大きい場合や繰り返し押す力をより小さなものとしたい場合には2本以上の複数の罫線であってもよいし、また、直線に限ることはなく、への字形状や円弧形状であってもよいし、また、への字状や円弧状の罫線2本を中央部が乖離するように、あるいは、中央部が接近するように配置したものであってもよいものである。
【0029】
図12は本発明にかかる第1実施形態のゲーベルトップ型紙容器の使用状態を説明する概略図であって、ゲーベルトップ型紙容器P1の注出部材10を開封して注出口を設け、その後にゲーベルトップ型紙容器P1を片手で持って、側面板3の切欠部11に挟まれた箇所を手指で繰り返し押す(図の矢印方向)ことにより内容物を強制的に排出することができる。そして、本発明のゲーベルトップ型紙容器は片手で持って手指で繰り返し押す(図の矢印方向)ことにより内容物を強制的に排出する操作を行うものであり、本発明は40mm角〜70mm角の範囲の角形からなる胴部を有するゲーベルトップ型紙容器に特に好適である。なお、図示はしないが、第2実施形態〜第5実施形態についても使い方は第1実施形態と同様であって、側面板2ないし側面板3の切欠部11に挟まれた箇所を手指で繰り返し押すことにより内容物を強制的に排出することができる。
【0030】
上記したように、従来のゲーベルトップ型紙容器においては、流通時や使用時の形状を確保する意味から層構成中の紙層は坪量が200g/m2〜480g/m2の厚紙を用いるために、結果として剛性の強い容器とならざるを得ず、内容物を強制的に排出するということが極めて困難であったが、本発明により強制的に内容物を排出することができるゲーベルトップ型紙容器とすることができ、強制的に内容物を排出することができるという機能を付与することによりゲーベルトップ型紙容器の用途範囲を拡大することができ、社会生活への寄与度は計り知れないものがある。
【0031】
≪切欠部の高さ位置をずらして形成する例≫
図13に示した容器P7は、図1に示した第1実施形態の容器P1に対して、2つの切欠部11、11の高さ位置を互いにずらして構成している点が異なる。すなわち、図13中、左側の切欠部11を相対的に低い位置に、右側の切欠部11を相対的に高い位置に、それぞれ配置している。
罫線12は、図13では、左右の切欠部11、11のオーバーラップする高さ位置において水平に形成している。しかし、斜め方向に罫線を形成する等してもよい。
左右の切欠部の高さ位置を異ならせることにより、左右同位置にある場合に比べて、容器胴部を形成するパネル側面板3の強度を高めることができ、容器の潰れ等を防ぐことができ、かつ強制的に内容物を排出する機能も維持できるというメリットがある。
【0032】
他の実施形態の容器についても、同様に、左右の切欠部の高さ位置をずらして配置してもよい。
【0033】
≪切欠部を断続的に形成する例≫
図14に示した容器P8は、図1に示した第1実施形態の容器P1に対して、切欠部を容器稜線15、16に沿って断続的に形成している点が異なる。すなわち、図1の容器P1が備える各切欠部11をそれぞれ、稜線15、16に沿って上下に2つ(11a、11b)とすることで、図14の容器P8が得られる。切欠部を断続的に設けることのメリットは、次の通りである。
容器は例えば図2に示した平坦なブランク板P1’から組み立てられるが、そのとき、切欠部が形成されている稜線15、16も、ブランク板上の折罫を折り曲げることによって形成される。折罫を折り曲げるとき、(a)当該折罫が大きな切欠部で分断されているよりも、(b)小さな切欠部で分断されている方が、折りを綺麗に形成できる。
すなわち、製造工程中で胴部を貼り合わせる際、すなわちフレームシールを行う際、当該罫線部を屋根部側あるいは底部側から順次、側面板1および5を重ね合わせる様にガイド部材で絞り込んで折っていく。このため、後者(b)のように、切欠部と切欠部との間に折れの進行を案内する基材の紙部15β、16β(図14参照)が存在する方が、折れが蛇行することなく綺麗に折れるというメリットがある。
【0034】
図14の例では、隣接する切欠部同士を繋ぐ罫線12a、12bを上下に2つ形成しているが、いずれか一方だけ、あるいは省略することも可能である。なお、切欠部は、3つまたは4つ以上に分断してもよく、その数は任意である。
他の実施形態の容器についても、同様に、切欠部を分断することで、胴部を貼り合わせる際(フレームシール時)に、折りが蛇行せず、綺麗に折り曲げることが可能となる。
【0035】
≪ゲーベルトップ型以外の容器≫
以上に説明した例では、紙容器はいずれも、上部に傾斜屋根を有するゲーベルトップ型のものであるが、本発明において、容器の全体的な形状は特定のものに限定されず、例えば、天面および底面がいずれもフラットな容器であってもよい。また、内容物を取り出す注出部の形態についても、別部材である注出部材10を取り付ける構成に限らず、容器の一部を破り開ける構成であってもよい。
図15(a)〜(c)の各容器P11、P17、P18は、ぞれぞれ、容器P1、P7、P8に対する変形例であって、いずれも天面がフラットであり、当該天面を破り開ける構成を採用している。他の実施形態の容器P2〜P5についても、同様に、ゲーベルトップ型以外の形態を採用してもよい。
【0036】
≪ゲーベルトップタイプであって、変則傾斜屋根を設けた例≫
例えば図1に示したゲーベルトップタイプの容器においては、傾斜屋根3aの面積は、一般的に、図15(a)のように平坦屋根を有するものと比べて、小さくなる。
ゲーベルトップ容器において、注出部材10は傾斜屋根3aに設けられるので、傾斜屋根3aの面積が小さくなると、注出部材10も必然的に小径となってしまう。注出部材10が小径であると、プルタブに指がかからず、開封しにくくなるという問題が生じる。特に、容器の径(水平横断面積)が小さい場合、すなわち容器が細い場合に、そのようなことが問題となりやすい。
【0037】
この問題を解決するための構成を図16(a)に示している。図16(a)のゲーベルトップ容器P20では、ゲーベルトップを構成する2つの傾斜屋根3a、3bを変則的に構成している。ゲーベルトップ容器の場合、一般的には図16(b)に示したように、2つの傾斜屋根は面積が等しく、同じ角度をもって傾斜しているが、図16(a)のゲーベルトップ容器P20においては、一方の傾斜屋根3aと他方の傾斜屋根3bとの傾斜角度を異ならせている。
これにより、2つの傾斜屋根を同一角度で傾斜させた図16(b)の場合と比較して、一方の傾斜屋根3aの面積を大きく確保することができる(他方の傾斜屋根3bの面積は小さくなるが)。そして、面積が大きい方の傾斜屋根3aに注出部材110を配置することで、できるだけ大径の注出部材110を使用できるように工夫している。
図16(a)、(b)を比較すれば分かるように、図16(a)においては、傾斜屋根3aの面積が大きい分だけ、注出部材110の径が大きくなっている。
【0038】
≪容器内が見やすくなるように、切欠部を工夫した例≫
既に説明した本発明の各実施形態における切欠部11は、容器の強度を部分的に弱くして、その部分を繰り返し押すことで内容物を排出し易くするために設けたものである。したがって、切欠部11を介して容器内部を目視できることは必ずしも必要ではない。
しかし、図3において、切欠部11の下方側に残存する容器壁面(中間層Bおよび内層C)に透光性を持たせ、当該切欠部11を窓のように構成すれば、容器内を目視することが可能となり、残量等が確認できるというメリットが追加される。その場合、切欠部11(窓)は、少なくとも2つ設けることが好ましく、当該2つの窓が容器周壁上の対向する位置(ほぼ180°反対側)に存在することがさらに好ましい。そのように構成することで、一方の切欠部(窓)から光を採り入れながら、他方の窓から容器内を明瞭に目視確認できる。
【0039】
このような条件を満たす、切欠部(窓)11の配置例を図17に例示的に示した。いずれの容器においても、切欠部(窓)11が少なくとも2つあり、ほぼ180°対向して配置された2つの切欠部(窓)11を含んでいる。なお、図17においては、いずれの容器もゲーベルトップタイプであるが、平坦屋根の容器であってもよい。
【0040】
図17(a)では、切欠部(窓)が合計4つ設けられていて、11dと11dが対向する位置にあり、11eと11eも対向する位置にある。図17(b)では、切欠部(窓)は合計2つで、11dと11dが対向する位置にある。
図17(c)では、11dと11dが対向する位置にある。11eに対向する位置に第4の切欠部(窓)を設けても、設けなくてもよい。図17(d)では、切欠部(窓)は合計2つで、11dと11dが対向する位置にある。
いずれの場合も、「切欠部(窓)が少なくとも2つ」および「ほぼ180°対向して配置された2つの切欠部(窓)」という条件を満たしている。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第1実施形態を示す斜視図。
【図2】図1に示す第1実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図。
【図3】図2のX−X線の断面を図解的に示す図。
【図4】本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第2実施形態を示す斜視図。
【図5】図4に示す第2実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図。
【図6】本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第3実施形態を示す斜視図。
【図7】図6に示す第3実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図。
【図8】本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第4実施形態を示す斜視図。
【図9】図8に示す第4実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図。
【図10】本発明にかかるゲーベルトップ型紙容器の第5実施形態を示す斜視図。
【図11】図10に示す第5実施形態のゲーベルトップ型紙容器のブランク板を示す平面図。
【図12】本発明にかかる第1実施形態のゲーベルトップ型紙容器の使用状態を説明する概略図。
【図13】左右の切欠部の高さ位置をずらして配置した例を説明する斜視図。
【図14】切欠部を容器稜線に沿って断続的に形成した例を説明する斜視図。
【図15】ゲーベルトップ型ではなく、容器天面をフラットに構成した例を示す斜視図。
【図16】変則屋根のゲーベルトップを採用した例を説明する図。
【図17】容器内部を目視確認することを容易にした例を説明する図。
【符号の説明】
【0042】
1,2,3,4 側面板
5 糊代片
6 注出部材取付孔
10、110 注出部材
11、11a、11b 切欠部
11d、11e 切欠部
12 罫線
15、16 稜線
15β、16β 分断された稜線部分
1a,2a,3a,4a 傾斜屋根部形成板
1b,2b,3b,4b 底部形成板
20,20’ LDPE層
21 紙層
22 EMAA層
23 酸化珪素蒸着層
24 PETフィルム
25 エチレン−αオレフィン共重合体層
A 基材層
B 中間層
C 内層
P1〜P5、P7,P8、P20 ゲーベルトップ型紙容器
P11,P17,P18 天面がフラットな紙容器
P1’〜P5’ ブランク板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも紙層からなる基材層と、ガスバリアー層からなる中間層と、熱接着性樹脂層からなる内層とを備えた積層体からなる傾斜屋根部に注出口となる注出部材を有するゲーベルトップ型紙容器であって、該ゲーベルトップ型紙容器の胴部を構成する一つの側面板を挟むように前記基材層のみが切り欠かれた切欠部が形成されていることを特徴とするゲーベルトップ型紙容器。
【請求項2】
前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を備えた傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板と、該側面板に連接する二つの側面板により形成される稜線およびこれを少なくとも含む所定領域に、前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項3】
前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を備えた傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板と該側面板と対向する位置にある側面板と、前記両側面板を繋ぐ側面板とにより形成される稜線およびこれを少なくとも含む所定領域に、前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項4】
前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を備えた傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板の両端部に前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項5】
前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を有する傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板と直交する方向にある二つの側面板の前記注出口となる注出部材を有する傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する前記側面板側の両端部に前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項6】
前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を有する傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板の一方の端部と、他方の端部に連接する側面板の前記他方の端部側の端部とに前記切欠部が前記胴部の上下方向の位置を同じくして設けられていることを特徴とする請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項7】
前記切欠部が前記胴部の天地方向の天部から略1/3の位置に前記切欠部の天地方向の中心が位置するように設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項8】
前記両切欠部を最短で結ぶ位置にある側面板に前記切欠部を繋ぐ罫線が少なくとも1つ設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のゲーベルトップ型の紙容器が40mm角〜70mm角の範囲の角形からなる胴部を有する紙容器であることを特徴とするゲーベルトップ型紙容器。
【請求項10】
前記両切欠部は、側面板を挟んで、容器胴部の天地方向における高さ位置を互いにずらして形成されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項11】
前記切欠部は、容器稜線に沿って断続的に形成されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項12】
少なくとも紙層からなる基材層と、ガスバリアー層からなる中間層と、熱接着性樹脂層からなる内層とを備えた積層体で構成される紙容器であって、
紙容器の胴部を構成する一つの側面板の両側位置の2箇所に、基材層のみが切り欠かれた切欠部が形成されていることを特徴とする紙容器。
【請求項13】
前記切欠部が前記胴部の天地方向の天部から略1/3の位置に前記切欠部の天地方向の中心が位置するように設けられていることを特徴とする、請求項12記載の紙容器。
【請求項14】
前記両切欠部を最短で結ぶ位置にある側面板に前記切欠部を繋ぐ罫線が少なくとも1つ設けられていることを特徴とする、請求項12または13記載の紙容器。
【請求項15】
前記胴部が40mm角〜70mm角の範囲の角形であることを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載の紙容器。
【請求項16】
前記両切欠部は、側面板を挟んで、容器胴部の天地方向における高さ位置を互いにずらして形成されていることを特徴とする、請求項12〜15のいずれかに記載の紙容器。
【請求項17】
前記切欠部は、容器稜線に沿って断続的に形成されていることを特徴とする、請求項12〜16のいずれかに記載の紙容器。
【請求項18】
ゲーベルトップを構成する2つの傾斜屋根について、互いの傾斜角度を異ならせることで、一方の傾斜屋根の面積を相対的に大きくし、当該一方の傾斜屋根に上記注出部材を配置したことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1つに記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項19】
前記切欠部の少なくとも1つに対して、容器周壁上のほぼ180°対向する位置に別の切欠部が配置されていて、
各切欠部においては、中間層および内層が透光性を有していて、容器内が目視可能であることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1つに記載の紙容器。
【請求項1】
少なくとも紙層からなる基材層と、ガスバリアー層からなる中間層と、熱接着性樹脂層からなる内層とを備えた積層体からなる傾斜屋根部に注出口となる注出部材を有するゲーベルトップ型紙容器であって、該ゲーベルトップ型紙容器の胴部を構成する一つの側面板を挟むように前記基材層のみが切り欠かれた切欠部が形成されていることを特徴とするゲーベルトップ型紙容器。
【請求項2】
前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を備えた傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板と、該側面板に連接する二つの側面板により形成される稜線およびこれを少なくとも含む所定領域に、前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項3】
前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を備えた傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板と該側面板と対向する位置にある側面板と、前記両側面板を繋ぐ側面板とにより形成される稜線およびこれを少なくとも含む所定領域に、前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項4】
前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を備えた傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板の両端部に前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項5】
前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を有する傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板と直交する方向にある二つの側面板の前記注出口となる注出部材を有する傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する前記側面板側の両端部に前記切欠部が対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項6】
前記傾斜屋根部の前記注出口となる注出部材を有する傾斜屋根部形成板に連接する胴部を構成する側面板の一方の端部と、他方の端部に連接する側面板の前記他方の端部側の端部とに前記切欠部が前記胴部の上下方向の位置を同じくして設けられていることを特徴とする請求項1記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項7】
前記切欠部が前記胴部の天地方向の天部から略1/3の位置に前記切欠部の天地方向の中心が位置するように設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項8】
前記両切欠部を最短で結ぶ位置にある側面板に前記切欠部を繋ぐ罫線が少なくとも1つ設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のゲーベルトップ型の紙容器が40mm角〜70mm角の範囲の角形からなる胴部を有する紙容器であることを特徴とするゲーベルトップ型紙容器。
【請求項10】
前記両切欠部は、側面板を挟んで、容器胴部の天地方向における高さ位置を互いにずらして形成されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項11】
前記切欠部は、容器稜線に沿って断続的に形成されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項12】
少なくとも紙層からなる基材層と、ガスバリアー層からなる中間層と、熱接着性樹脂層からなる内層とを備えた積層体で構成される紙容器であって、
紙容器の胴部を構成する一つの側面板の両側位置の2箇所に、基材層のみが切り欠かれた切欠部が形成されていることを特徴とする紙容器。
【請求項13】
前記切欠部が前記胴部の天地方向の天部から略1/3の位置に前記切欠部の天地方向の中心が位置するように設けられていることを特徴とする、請求項12記載の紙容器。
【請求項14】
前記両切欠部を最短で結ぶ位置にある側面板に前記切欠部を繋ぐ罫線が少なくとも1つ設けられていることを特徴とする、請求項12または13記載の紙容器。
【請求項15】
前記胴部が40mm角〜70mm角の範囲の角形であることを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載の紙容器。
【請求項16】
前記両切欠部は、側面板を挟んで、容器胴部の天地方向における高さ位置を互いにずらして形成されていることを特徴とする、請求項12〜15のいずれかに記載の紙容器。
【請求項17】
前記切欠部は、容器稜線に沿って断続的に形成されていることを特徴とする、請求項12〜16のいずれかに記載の紙容器。
【請求項18】
ゲーベルトップを構成する2つの傾斜屋根について、互いの傾斜角度を異ならせることで、一方の傾斜屋根の面積を相対的に大きくし、当該一方の傾斜屋根に上記注出部材を配置したことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1つに記載のゲーベルトップ型紙容器。
【請求項19】
前記切欠部の少なくとも1つに対して、容器周壁上のほぼ180°対向する位置に別の切欠部が配置されていて、
各切欠部においては、中間層および内層が透光性を有していて、容器内が目視可能であることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1つに記載の紙容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−96548(P2009−96548A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28840(P2008−28840)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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