紙幣入出金装置および紙幣入出金制御方法
【課題】入金取引中に故障が発生した場合でも、顧客が投入した紙幣と装置内の紙幣とを確実に区別することが可能な紙幣入出金装置を提供する。
【解決手段】本発明の紙幣入出金装置は、ユーザとの紙幣の取引をするための接客口から投入された紙幣を鑑別する鑑別部と、紙幣の記番号を取得する記番号取得部と、装置内における紙幣の搬送を制御する制御部と、装置内の紙幣が収納される１または複数の収納カセット毎に、収納カセットに収納されている紙幣の記番号および当該紙幣の収納順序を管理情報として記憶する記憶部と、を備え、制御部は、鑑別部による鑑別結果に基づいて紙幣を対応する収納カセットへ搬送するとともに、紙幣の記番号および収納カセットにおける当該紙幣の収納順序とを管理情報として記憶部に記録することを特徴とする。
【解決手段】本発明の紙幣入出金装置は、ユーザとの紙幣の取引をするための接客口から投入された紙幣を鑑別する鑑別部と、紙幣の記番号を取得する記番号取得部と、装置内における紙幣の搬送を制御する制御部と、装置内の紙幣が収納される１または複数の収納カセット毎に、収納カセットに収納されている紙幣の記番号および当該紙幣の収納順序を管理情報として記憶する記憶部と、を備え、制御部は、鑑別部による鑑別結果に基づいて紙幣を対応する収納カセットへ搬送するとともに、紙幣の記番号および収納カセットにおける当該紙幣の収納順序とを管理情報として記憶部に記録することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、紙幣入出金装置および紙幣入出金制御方法に関し、より詳細には顧客が投入した紙幣と装置が保持する紙幣とを区別して管理可能な紙幣入出金装置および紙幣入出金制御方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
銀行業務等において用いられる紙幣入出金装置は、通常、紙幣の収納前に一時保留部に紙幣を保留し、取引が確定した後に一時保留部から収納カセットに紙幣を収納する。一時保留部を備える紙幣入出金装置では、取引確定前の紙幣と装置内に既に収納されている紙幣との区別を容易に行うことができるが、装置を簡単な構成にするために一時保留部を有しない紙幣入出金装置も用いられている。一時保留部を有しない紙幣入出金装置においても、顧客が投入した紙幣と装置が保持する紙幣とを区別する手法が提案されている。
【０００３】
例えば特許文献１には、入金時におけるジャム等の故障が発生した場合、集積部の全紙幣を取り出し、１枚ずつ再鑑別して紙幣の枚数を数えることで入金紙幣を特定する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−７４４６４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、上記特許文献１に記載の手法では、紙幣入出金装置の故障の度合いによって再鑑別できない状況では、紙幣の枚数を特定することができない。また、集積部内に残存する全紙幣について再鑑別するので、顧客が投入した紙幣を特定するまでに時間を要するという問題がある。
【０００６】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、入金取引中に故障が発生した場合でも、顧客が投入した紙幣と装置内の紙幣とを確実に区別することが可能な、新規かつ改良された紙幣入出金装置および紙幣入出金制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ユーザとの紙幣の取引をするための接客口から投入された紙幣を鑑別する鑑別部と、紙幣の記番号を取得する記番号取得部と、装置内における紙幣の搬送を制御する制御部と、装置内の紙幣が収納される１または複数の収納カセット毎に、収納カセットに収納されている紙幣の記番号および当該紙幣の収納順序を管理情報として記憶する記憶部と、を備え、制御部は、鑑別部による鑑別結果に基づいて紙幣を対応する収納カセットへ搬送するとともに、紙幣の記番号および収納カセットにおける当該紙幣の収納順序とを管理情報として記憶部に記録することを特徴とする、紙幣入出金装置が提供される。
【０００８】
本発明によれば、接客口から投入された紙幣を鑑別部による鑑別結果に基づいて収納カセットに収納する際に、制御部により、収納先となる収納カセット毎に、紙幣の記番号と収納順序とが管理情報として記憶部に記録される。このように、装置内に取り込まれた紙幣の記番号と収納カセットにおける収納順序とを管理することで、紙幣の返却処理を行う場合や装置が故障して取引中に停止してしまいその後復旧された場合に、紙幣の記番号を取得することで、各紙幣の搬送先や収納先を正確に認識することができる。
【０００９】
ここで、記憶部は、ユーザとの紙幣の取引が確定した時点で、管理情報の更新を確定してもよい。これにより、ユーザとの紙幣の取引が確定する前において、今回入金された紙幣と既に装置内に収納されていた紙幣とを区別して管理できる。
【００１０】
制御部は、今回の取引における紙幣の返却要求に応じて、収納カセットに収納されている今回の取引における紙幣を接客口へ搬送するときに、鑑別部により紙幣の搬送異常の有無を検出し、鑑別部により紙幣の搬送異常が検出された場合、収納カセットから接客口に搬送された紙幣の記番号を１枚ずつ取得し、管理情報に基づいて、今回の取引における紙幣のみを接客口に搬送してもよい。
【００１１】
あるいは、制御部は、今回の取引における紙幣の返却要求に応じて、収納カセットに収納されている今回の取引における紙幣を接客口へ搬送するときに、鑑別部により紙幣の搬送異常の有無を検出し、鑑別部により紙幣の搬送異常が検出された場合、収納カセットから接客口に搬送された紙幣のうち、今回の取引における紙幣において最初に収納カセットに収納されていた紙幣以外の紙幣を一旦収納カセットに収納し、収納カセットに残存する紙幣について記番号を１枚ずつ取得して、管理情報に基づいて、今回の取引における紙幣以外の紙幣が接客口の紙幣繰出口側に位置するように収納カセットに残存する紙幣の収納順序を変更させ、収納カセットに一旦収納された今回の取引における紙幣を接客口へ再度搬送したのち、接客口の紙幣繰出口側に位置する今回の取引における紙幣以外の紙幣を収納カセットへ搬送してもよい。
【００１２】
本発明の紙幣入出金装置は、ユーザに情報を通知する通知部をさらに備えることもできる。制御部は、紙幣入出金装置に異常が発生したとき、異常発生後紙幣の再鑑別が可能な状態となった場合には、今回の取引における紙幣のみを接客口へ搬送し、異常発生後紙幣の再鑑別が不可能な状態となった場合には、通知部を介してユーザに今回の取引における紙幣の記番号および収納箇所を通知する。
【００１３】
本発明の紙幣入出金装置は、接客口と、接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える接客ユニットと、紙幣を収納する収納部と、接客ユニットおよび隣接する他のユニットとの間を接続する第１の搬送路と、第１の搬送路と収納部との間で双方向に紙幣を搬送する第２の搬送路と、紙幣の走行経路を切替える切替機構と、収納部から繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える１または複数の収納カセットと、接客ユニットおよび収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、を備えるように構成することができる。
【００１４】
あるいは、紙幣入出金装置は、接客口と、接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部と、接客口へ繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える接客ユニットと、紙幣を収納する収納部と、接客ユニットおよび隣接する他のユニットとの間を接続する第１の搬送路と、第１の搬送路と収納部との間で双方向に紙幣を搬送する第２の搬送路と、紙幣の走行経路を切替える切替機構とを備える１または複数の収納カセットと、接客ユニットおよび収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、を備えるように構成してもよい。
【００１５】
または、紙幣入出金装置は、接客口と、接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える接客ユニットと、紙幣を収納する収納部と、収納部に対して双方向に紙幣を搬送する搬送路とを備える１または複数の収納カセットと、接客ユニットと各収納カセットとの間を接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える１または複数の切替機構と、収納カセットから繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える搬送ユニットと、接客ユニットおよび収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、を備えるように構成してもよい。
【００１６】
さらに、紙幣入出金装置は、接客口と、隣接するユニットと接客口とを接続する搬送路とを備える接客ユニットと、接客ユニットと紙幣の収納先とを接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える鑑別搬送ユニットと、紙幣を収納する収納部と、収納部に対して双方向に紙幣を搬送する搬送路とを備える１または複数の収納カセットと、鑑別搬送ユニットと各収納カセットとの間を接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える１または複数の切替機構と、収納カセットから繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える搬送ユニットと、接客ユニットおよび収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、を備えるように構成してもよい。
【００１７】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザとの紙幣の取引をするための接客口から投入された紙幣を鑑別する鑑別ステップと、紙幣の記番号を取得する記番号取得ステップと、装置内における紙幣の搬送を制御する制御ステップと、装置内の紙幣が収納される１または複数の収納カセット毎に、収納カセットに収納されている紙幣の記番号および当該紙幣の収納順序を管理情報として記憶部に記録する記録ステップと、を含み、制御ステップは、鑑別ステップにおける鑑別結果に基づいて紙幣を対応する収納カセットへ搬送するとともに、紙幣の記番号および収納カセットにおける当該紙幣の収納順序とを管理情報として記憶部に記録することを特徴とする、紙幣入出金制御方法が提供される。
【発明の効果】
【００１８】
以上説明したように本発明によれば、金取引中に故障が発生した場合でも、顧客が投入した紙幣と装置内の紙幣とを確実かつ短時間で区別することが可能な紙幣入出金装置および紙幣入出金制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明の実施形態に係る紙幣入出金装置の構成を示すブロック図である。
【図２】同実施形態に係る紙幣入出金装置での記番号管理を説明する説明図である。
【図３】同施形態に係る紙幣入出金装置による紙幣返却処理を示すフローチャートである。
【図４】図３のステップＳ１７０の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図５】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図６】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図７】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図８】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図９】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１０】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１１】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１２】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１３】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１４】第２の紙幣返却処理における図３のステップＳ１７０の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図１５】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１６】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１７】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１８】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１９】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図２０】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図２１】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図２２】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図２３】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図２４】紙幣入出金装置の他の一構成例を示す説明図である。
【図２５】紙幣入出金装置の他の一構成例を示す説明図である。
【図２６】紙幣入出金装置の他の一構成例を示す説明図である。
【図２７】紙幣入出金装置の他の一構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００２０】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【００２１】
＜１．紙幣入出金装置の構成＞
まず、図１および図２に基づいて、本発明の実施形態に係る紙幣入出金装置の構成について説明する。なお、図１は、本実施形態に係る紙幣入出金装置の構成を示すブロック図である。図２は、本実施形態に係る紙幣入出金装置での記番号管理を説明する説明図である。
【００２２】
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、顧客が投入した紙幣を受け入れ、紙幣の鑑別および枚数カウントをして収納カセットに収納するとともに、顧客からの支払い要求あるいは返却要求に応じて紙幣の枚数をカウントして要求された紙幣を支払う機能を有する。具体的には、紙幣入出金装置１００は、図１に示すように、入出金部１０と、鑑別部２０と、リジェクト取込み部３０と、紙幣収納庫４０と、搬送部５０と、制御部６０と、トリガーセンサ７０と、記憶部８０とを備える。
【００２３】
入出金部１０は、顧客から紙幣の入金を受け、また、顧客に対して紙幣を出金する接客ユニットである。入出金部１０は、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口を有しており、接客口には顧客からの紙幣の投入時および顧客への紙幣の引渡し時等に開閉するシャッタが設けられている。また、入出金部１０は、接客口と他の機能部を接続する搬送路が設けられている。接客口に投入された紙幣は、搬送路を介してリジェクト取込み部３０（リジェクト・取込みユニット）あるいは紙幣収納庫４０（収納カセット）へ搬送され、また、リジェクト取込み部３０あるいは紙幣収納庫４０に収納された紙幣を接客口へ搬送する。
【００２４】
鑑別部２０は、搬送路を搬送されている紙幣を鑑別する。鑑別部２０は、例えば、紙幣の真偽や正損、金種等を識別したり、重送や連鎖、接近、スキュー等を検出したりする。また、鑑別部２０は、ＯＣＲ（Ｏｐｔｉｃａｌ Ｃｈａｒａｃｔｅｒ Ｒｅｃｏｇｎｉｔｉｏｎ）等の文字認識手段を用いて、搬送路を搬送されている紙幣の記番号を認識検出する記番号取得部としても機能する。
【００２５】
リジェクト取込み部３０は、リジェクトされた紙幣や取忘れられた紙幣が収納されるリジェクト・取込みユニットである。リジェクト取込み部３０は、後述するように、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫（図５の符号１３２）と、入金取引や出金取引時に顧客が接客口に忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫（図５の符号１３４）とを備える。リジェクト媒体収納庫および取忘れ媒体収納庫は、搬送された紙幣を集積する集積機構をそれぞれ備えている。
【００２６】
紙幣収納庫４０は、鑑別部２０により正常紙幣を、例えば金種別に収納する収納カセットである。紙幣収納庫４０は、複数の金種の紙幣をそれぞれ管理するため、各金種に対応する収納カセットから構成されている。各収納カセットには、紙幣を１枚毎に分離して繰出すと共に、搬送された紙幣を集積する分離集積機構を有している。
【００２７】
搬送部５０は、紙幣入出金装置内において紙幣を搬送する機構であって、例えばベルトやローラ等で紙幣を挟持して送り出す搬送機構と、当該搬送機構や搬送路の各分岐部に設けられ、紙幣の搬送方向を切替える切替機構等を駆動する駆動機構とからなる。搬送部５０が機能することにより、入出金部１０とリジェクト取込み部３０または紙幣収納庫４０との間での紙幣の移動や、鑑別部２０による紙幣の鑑別を行うことができる。
【００２８】
制御部６０は、紙幣入出金装置１００の上位装置からの指令を元に各部を制御して、紙幣の取込処理や収納処理、出金処理等の紙幣処理を実行する。例えば、制御部６０は、入出金部１０への紙幣の投入が検知されると、搬送部５０を機能させて紙幣収納庫４０へ搬送すると共に、鑑別部２０に対して搬送路を搬送されている紙幣の鑑別を行わせる。また、制御部６０は、入出金部１０から紙幣収納庫４０に収納された紙幣および紙幣収納庫４０から出金された紙幣を管理し、紙幣の記番号と紙幣の収納先、収納順序を記憶部８０に記憶する。
【００２９】
トリガーセンサ７０は、搬送路を搬送されている紙幣の厚みを検出するセンサである。制御部６０は、トリガーセンサ７０に紙幣の厚みを検出させることにより、紙幣の搬送状況に異常がないか確認することができ、その確認結果に応じて紙幣の搬送先を変更させることができる。
【００３０】
記憶部８０は、紙幣入出金装置１００の機能を実現させるための各種プログラムを予め記憶すると共に紙幣の管理情報を記憶する。記憶部８０には、例えば、上位装置からの指令によって出金取引における紙幣の出金処理、入金取引における紙幣の入金処理等の処理を実行する紙幣処理プログラムや、搬送路を搬送されている紙幣の管理を行い、鑑別部２０により紙幣の重送や連鎖等の搬送異常を検知したときに異常を修正する紙幣管理プログラム等が記憶されている。
【００３１】
また、記憶部８０は、鑑別部２０で識別された紙幣の記番号、当該紙幣の収納先、および収納先での収納順序を管理情報として記憶する。管理情報の一管理例を図２に示す。図２に示すように、管理情報は、紙幣収納庫４０の各収納ユニット（Ａ〜Ｄ）に収納されている紙幣の記番号からなる。このとき、記番号は、収納ユニットに収納されている順に記録される。例えば、図２の「記番号１」の紙幣が収納カセットの最下部に収納された紙幣、すなわち最初に当該収納カセットに収納された紙幣であり、その後、収納された紙幣の記番号を順に「記番号２」、「記番号３」、・・・とする。紙幣を収納していない収納カセット（図２では収納カセットＣ）については、管理情報は記録されていない。記憶部８０に記憶されたプログラムの実行や管理情報の書込／読出処理は、例えば制御部６０によって行われる。
【００３２】
＜２．紙幣入出金装置の紙幣返却処理＞
次に、図３および図４に基づいて、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による紙幣返却処理について説明する。なお、図３は、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による紙幣返却処理を示すフローチャートである。図４は、図３のステップＳ１７０の処理の詳細を示すフローチャートである。ここで、紙幣返却処理とは、顧客が接客口から投入した紙幣に対する顧客からの返却要求があった場合あるいは入金取引中で装置が故障した場合に、接客口を介して投入した現物を顧客に返却する処理をいう。
【００３３】
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、紙幣をリジェクト取込み部３０あるいは紙幣収納庫４０に収納する際に、鑑別部２０で鑑別された紙幣の記番号を読み取り、収納先における収納順序が特定できるように記憶部８０に管理情報として記録する。これにより、顧客が投入した紙幣と同一の紙幣の収納先や搬送状況を特定することが可能となる。したがって、例えば入金取引の途中でジャム等の故障が発生した場合にも、今回の入金取引で収納カセットに集積された紙幣のみを繰出し、顧客へ返却することも可能となる。以下では、少数の紙幣を返却する際の第１の紙幣返却処理と、多数の紙幣を返却する際の第２の紙幣返却処理とについて、具体例に沿って説明する。なお、第１の紙幣返却処理および第２の紙幣返却処理は、いずれも返却する紙幣の枚数によらず用いることができる。
【００３４】
［２−１．第１の紙幣返却処理］
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による第１の紙幣返却処理を、図３、図４、および図５〜図１３に基づき説明する。図５〜図１３は、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【００３５】
（紙幣入出金装置の一構成例）
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による第１の紙幣返却処理の説明に先立ち、図５に基づいて、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００の一構成例を説明する。例えば、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、図５に示すように、接客ユニット１１０と、収納カセット１２０（１２０ａ〜１２０ｄ）と、リジェクト・取込みユニット１３０とからなる。
【００３６】
接客ユニット１１０は、ユーザとの紙幣の受け渡しを行うユニットであり、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口１１１と、接客口１１１と収納カセット１２０、リジェクト・取込みユニット１３０とを接続する搬送路１１２とを備える。また、接客ユニット１１０の搬送路１１２の路上には、切替機構１１３ａ、１１３ｂ、１１３ｃと、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ１１４、厚みセンサ１１５、反射型イメージセンサ１１６、磁気センサ１１７が設けられている。透過型イメージセンサ１１４、厚みセンサ１１５、反射型イメージセンサ１１６、磁気センサ１１７をまとめて鑑別部２０ともいう。また、反射型イメージセンサ１１６は、紙幣５の記番号を取得する記番号取得部として機能する。
【００３７】
さらに、本実施形態に係る接客ユニット１１０は、隣接する収納カセット１２０ａと切替機構１１３ｃとの間に、収納カセット１２０から出金された紙幣の厚みを識別する厚みセンサ１１８を備える。厚みセンサ１１８は、紙幣の搬送状態（重送、連鎖、接近、スキュー等）を検出する走行センサと同一のセンサ、あるいは、異なるセンサのいずれかで構成することとしても良い。これらのセンサは、例えば、光学センサ、超音波センサ、または磁気センサ等のセンサ部品、あるいはこれらのセンサ部品とローラ等の厚み検出機構との組合せで構成される。この厚みセンサ１１８により、各収納カセット１２０ａ〜１２０ｄから繰出された紙幣の厚みを識別することができるので、各収納カセット１２０ａ〜１２０ｄにそれぞれ厚みセンサを設ける必要がない。これにより、装置の部品数を削減することができ、より構成を簡略化できるとともに安価な装置を実現することができる。
【００３８】
接客ユニット１１０の搬送路１１２は、接客口１１１の紙幣繰出口から繰出される紙幣の搬送路と接客口１１１の紙幣繰出口へ繰入れられる紙幣の搬送路とがある。これらの搬送路は、接客ユニット１１０の搬送路１１２上に設けられた第１の切替機構１１３ａにより、接客口１１１側で分岐し、収納カセット１２０側で合流している。接客ユニット１１０の搬送路１１２上には、第１の切替機構１１３ａから収納カセット１２０側に向かって第２の切替機構１１３ｂと第３の切替機構１１３ｃとが設けられている。第２の切替機構１１３ｂは、接客ユニット１１０の鑑別部２０または厚みセンサ１１８により異常が検知された異常紙幣がリジェクト・取込みユニット１３０のリジェクト媒体収納庫１３２へ搬送されるように搬送路１１２を切替える。第３の切替機構１１３ｃは、接客口１１１から取忘れられた紙幣がリジェクト・取込みユニット１３０の取忘れ媒体収納庫１３４へ搬送されるように搬送路１１２を切替える。
【００３９】
これらの切替機構１１３ａ〜１１３ｃによって紙幣の走行経路を切替えることができるので、搬送路１１２および搬送路１１２上に設けられる各センサの配置の自由度が増す。
【００４０】
接客ユニットの鑑別部２０を構成する透過型イメージセンサ１１４は紙幣の真偽判定処理を行い、厚みセンサ１１５は紙幣の重送を識別する。また、反射型イメージセンサ１１６は例えば紙幣の番号チェックを行い、この検出結果より現物を管理することができる。なお、本実施形態に係る鑑別部２０はこれらの４つのセンサから構成されるが、本発明はかかる例に限定されず、鑑別処理に応じて適宜変更することができる。鑑別部２０を構成する各センサは、データ処理に時間を要するセンサほど接客口１１１側に配置される。本実施形態では、紙幣の真偽判定に用いる透過型イメージセンサ１１４が最も接客口１１１側に配置される。これは、優先度の高いデータから順に取得して、紙幣の分岐判定処理前に当該処理を完了させることができるので、装置全体として搬送路の短縮化（最適化）を図ることができる。
【００４１】
このように各センサを搬送路１１２上に配置することで、搬送処理に応じて必要なセンサを通過した時点で紙幣を所定の搬送経路に導くことができる。これにより、搬送路１１２を短縮し、簡素化することができる。また、本実施形態に係る接客ユニット１１０は紙幣を鑑別する機能を備えているため、従来のように別途鑑別部ユニットを設ける必要がない。これにより装置を構成するユニット数を削減することができ、搬送経路も短縮することができる。
【００４２】
収納カセット１２０は、紙幣を収納する収納部１２１と、紙幣を接客ユニット１１０や前後に配置されている収納カセット１２０との間で双方向の紙幣の受け渡しを可能にする第１の搬送路１２２と、収納部１２１から紙幣を繰出す繰出機構および収納部１２１へ紙幣を集積する集積機構を備える第２の搬送路１２３とを備える。また、収納カセット１２０は、紙幣の搬送先を切替えるための切替機構１２４を備える。本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、４つの収納カセット１２０ａ〜１２０ｄが水平方向に配列された状態で設けられており、各収納カセット１２０ａ〜１２０ｄは同一に構成されている。なお、紙幣入出金装置１００に設けられる収納カセット１２０の数はかかる例に限定されず、例えば紙幣の種別数に応じて設置することができる。また、収納カセット１２０ａ〜１２０ｄのうち少なくとも１つは、当該収納カセット１２０の切替機構１２４を紙幣の走行を３方向に切替可能な切替機構としてもよい。
【００４３】
リジェクト・取込みユニット１３０は、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫１３２と、ユーザが取忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫１３４とを備える。接客ユニット１１０の切替機構１１３ｂ、１１３ｃによる切替によりリジェクト・取込みユニット１３０にリジェクトされた紙幣や取忘れられた紙幣が収納される。
【００４４】
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００では、例えば接客ユニット１１０の下部にリジェクト・取込みユニット１３０が配置され、接客ユニット１１０の下部側の一側面と収納カセット１２０ａの上部側の一側面とが対向するように収納カセット１２０ａが配置される。収納カセット１２０ａ〜１２０ｄは、上述したように水平方向に隣接して配置される。このように接客ユニット１１０、収納カセット１２０ａ〜１２０ｄおよびリジェクト・取込みユニット１３０を配置することで、接客ユニット１１０内で紙幣を搬送する過程で異常が検知された紙幣やユーザが取忘れた紙幣をリジェクト・取込みユニット１３０へ搬送することができるとともに、収納カセット１２０に収納可能な紙幣のみを収納カセット１２０へ搬送することができる。また、各収納カセット１２０ａ〜１２０ｄの上部側にて各カセットの第１の搬送路１２２を連結することで、別途の搬送ユニットを設けることなく、搬送されている紙幣を対応する収納カセット１２０に搬送し収納することができる。
【００４５】
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、少ない構成ユニットで当該装置に要求される処理を実施することができる。装置を構成するユニット数を削減することで紙幣の搬送路長が短くなり、搬送モータや搬送ローラ、駆動伝達部品、搬送ガイド、走行センサ等の部品も削減することができるので、装置の構成が簡略化することができ安価な装置を実現することができる。また、ユニット数を削減することで、ユニットの開閉作業やジャム除去作業が必要となる箇所が少なくなり、操作性も向上させることができる。さらに、搬送路長を短くすることで、装置から発生する音も小さくすることができる。
【００４６】
また、収納カセット１２０の上方にユニットが存在しないように各ユニットを配置することで、収納カセット１２０の脱着操作性が向上するだけでなく、上部のユニットと下部のユニットとを別々に引き出す必要がなくなり、レール部材やロック機構部材をそれぞれ設ける必要もなくなる。さらに、上部のユニットの動作を制御する基板と下部のユニットの動作を制御する基板とが別々に設けられている場合には、基板を一体にすることが可能となる。このため、機能が重複する電子部品や基板間を接続するコードやコードガイド部材を削除することができるので、装置の構成を簡略化することができ安価な装置を実現することができる。ユーザの要求に合わせて収納カセットを増設する場合に、軽微な変更で対応できるという利点もある。
【００４７】
さらに、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００では、収納カセット１２０から出金される紙幣の厚みを識別する厚みセンサを接客ユニット１１０に１つにまとめる構成としたため、装置の部品数をより少なくすることができ、簡略化された安価な装置を実現することが可能となる。
【００４８】
（紙幣返却処理）
次に、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００における第１の紙幣返却処理について、具体的に説明する。まず、図３に示すように、紙幣入出金装置１００の接客口１１１に紙幣５が投入されたとする（Ｓ１００）。例えば図５に示すように、紙幣入出金装置１００の接客口１１１に、収納カセット１２０ｄに収納されるべき記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」の紙幣５が投入されたとする。このとき、収納カセット１２０ｄには、記番号「Ａ０００１」、・・・、「Ａ００９８」、「Ａ００９９」の紙幣５が既に収納されているとする。
【００４９】
接客口１１１に投入された紙幣５（以下、「投入紙幣６」とする）は、搬送路１１２を搬送され、搬送路上に設けられた接客ユニット１１０内の透過型イメージセンサ１１４、厚みセンサ１１５、反射型イメージセンサ１１６、磁気センサ１１７により鑑別されると共に、搬送されている投入紙幣６の記番号が読み取られる（Ｓ１１０）。そして、紙幣入出金装置１００の制御部６０は、鑑別部２０の鑑別結果に基づいて、搬送部５０を駆動制御し、投入紙幣６の金種に対応する収納カセット１２０に投入紙幣６を収納する（Ｓ１２０）。例えば、図５に示した記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」の投入紙幣６が収納カセット１２０ｄに収納される場合には、制御部６０は、搬送部５０を駆動制御し、記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」の投入紙幣６を図６に示すように収納カセット１２０ｄに収納する。
【００５０】
また、紙幣入出金装置１００の制御部６０は、ステップＳ１１０にて読み取った投入紙幣６の記番号を、当該投入紙幣６の収納先における集積順序とともに記憶部８０に記録する（Ｓ１３０）。例えば図６に示すように収納カセット１２０ｄに記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」の投入紙幣６が収納された場合、記憶部８０には、収納カセット１２０ｄに関する管理情報（紙幣の記番号、および収納順序）として、既に収納カセット１２０ｄに収納されている紙幣５（以下、「装置内紙幣７」とする）の記番号「Ａ０００１」、・・・、「Ａ００９８」、「Ａ００９９」の次に投入紙幣６の記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」を記録する。なお、投入紙幣６が入金される以前に、装置内紙幣７のうち、最上部に位置する（すなわち最も新しく収納された）装置内紙幣７の記番号「Ａ００９９」と、投入紙幣６の記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」とは、異なる管理情報として記憶されているものとする。これにより、制御部６０は、収納カセット１２０ｄ内に集積された投入紙幣６と装置内紙幣７の境界が把握できる。
【００５１】
その後、紙幣入出金装置１００の制御部６０は、入金処理が確定する前に、投入紙幣６の返却要求があったか否かを判定する（Ｓ１４０）。ステップＳ１４０の返却要求としては、当該投入紙幣６を入金した顧客からの返却要求や、入金取引の途中で装置が故障したことによる制御部６０からの返却指令等が考えられる。入金処理が確定する前に、投入紙幣６の返却要求があった場合には、紙幣返却処理が実行される（Ｓ１５０）。
【００５２】
例えば、図６のように収納カセット１２０ｄに投入紙幣６が収納されているとき、制御部６０は、投入紙幣６を収納カセット１２０ｄから接客ユニット１１０の接客口１１１へ搬送するため、まず、収納カセット１２０ｄから記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」の投入紙幣６を繰出す。そして、収納カセット１２０ｃ〜１２０ａの搬送路１２２を経由して接客ユニット１１０へ搬送される。
【００５３】
接客ユニット１１０へ搬送された投入紙幣６は、厚みセンサ１１８にてその厚みが検出され、また鑑別部２０により収納カセット１２０ｄから接客口１１１へ搬送される投入紙幣６の記番号が読み取られる。制御部６０は、これらの情報のうち少なくともいずれか１つを用いて、投入紙幣６とともに装置内紙幣７が誤って接客口１１１に搬送されていないか否かを判定する（Ｓ１６０）。すなわち、ステップＳ１６０では、重送等により搬送すべき投入紙幣６とともに収納カセット１２０ｄ内に収納されておくべき装置内紙幣７が連れ出されていないか否かを判定する。
【００５４】
連れ出された装置内紙幣７の有無は、例えば、厚みセンサ１１８により検出された厚みが紙幣５の１枚分の厚みより大きいか否かにより判別できる。厚みセンサ１１８により検出された厚みが紙幣５の１枚分の厚みより大きい場合には、複数の紙幣５が重送している可能性が高く、投入紙幣６に連れ出された装置内紙幣７があると判定することができる。あるいは、鑑別部２０により取得された記番号に基づいて投入紙幣６の記番号以外の記番号があるか否かを判定し、投入紙幣６の記番号以外の記番号がある場合には、投入紙幣６に連れ出された装置内紙幣７があると判定することができる。
【００５５】
ステップＳ１６０にて収納カセット１２０ｄ内に収納されておくべき装置内紙幣７が連れ出されていると判定した場合、制御部６０は、連れ出された装置内紙幣７を今回入金された返却すべき投入紙幣６から剥がして収納カセット１２０ｄに再び収納する処理を行う（Ｓ１７０）。例えば、図７に示すように、今回入金された投入紙幣６のうち、最初に収納カセット１２０ｄに収納された記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６に隣接していた記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７が連れ出されたとする。記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７は顧客に返却すべき投入紙幣６ではないため、ステップＳ１７０の処理により、記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７を元々収納されていた収納カセット１２０ｄへ搬送し収納する。
【００５６】
連れ出された装置内紙幣７の剥し処理は、図４に示すように、まず、接客口１１１の紙幣５の１枚を鑑別部２０へ搬送する（Ｓ１７１）。制御部６０は、例えば図７に示す接客口１１１内の紙幣５のうち接客口１１１の紙幣繰出口側にある紙幣５の１枚（すなわち、図７における記番号「Ａ０１０１」の投入紙幣６）を、紙幣繰出口から繰出し搬送路１１２へ搬送する。接客口１１１から搬送された紙幣５の１枚は、鑑別部２０へ搬送され、その記番号が読み取られる（Ｓ１７２）。次いで、制御部６０は、ステップＳ１７２で読み取られた紙幣５の記番号が、紙幣入出金装置１００内に既に収納されていた装置内紙幣７の記番号であるか否かを判定する（Ｓ１７３）。このとき制御部６０は、記憶部８０に記憶された管理情報としての紙幣の記番号、および収納順序等を参照し、ステップＳ１７２で読み取られた紙幣５の記番号が、装置内紙幣７の記番号（管理情報）と一致するか否かにより判定を行なう。あるいは、ステップＳ１７２で読み取られた紙幣５の記番号が投入紙幣６の記番号（管理情報）と一致するか否かにより判定することとしてもよい。
【００５７】
ステップＳ１７３において、ステップＳ１７２で読み取られた紙幣５の記番号が投入紙幣６の記番号と一致しない場合（すなわち、管理情報としての装置内紙幣７の記番号と一致する場合）には、当該紙幣５は投入紙幣６ではないと判定し、元々収納されていた収納カセット１２０へ搬送する（Ｓ１７４）。一方、ステップＳ１７３において、ステップＳ１７２で読み取られた紙幣５の記番号が投入紙幣６の記番号と一致する場合（すなわち、管理情報としての装置内紙幣７の記番号と一致しない場合）には、当該紙幣５は投入紙幣６であると判定し、接客口１１１へ搬送する（Ｓ１７５）。
【００５８】
１枚の紙幣５について記番号の確認を終えると、制御部６０は、接客口１１１に収納されている紙幣５から連れ出された装置内紙幣７が全て収納カセット１２０に戻されたか否かを判定する（Ｓ１７６）。連れ出された装置内紙幣７が全て収納カセット１２０に戻されたか否かは、収納カセット１２０から接客口１１１に搬送された紙幣５の記番号から判定することができる。ステップＳ１７６にて収納カセット１２０にまだ戻されていない連れ出された装置内紙幣７が存在すると判定した場合には、ステップＳ１７１からの処理を繰り返す。一方、ステップＳ１７６にて連れ出された装置内紙幣７は全て収納カセット１２０に戻されたと判定した場合には、図４の処理を終了し、図３のステップＳ１８０の処理を実行する。
【００５９】
例えば、図７に示す例では、まず、図８に示すように接客口１１１の紙幣繰出口側にある記番号「Ａ０１０１」の紙幣５が繰出されて搬送路１１２へ搬送される。そして、鑑別部２０にて記番号が読み取られると、管理情報にて管理されている記番号のマッチング処理が行われる。記番号「Ａ０１０１」の紙幣５は今回入金された投入紙幣６であるから、制御部６０は、図９に示すように、厚みセンサ１１８まで搬送された記番号「Ａ０１０１」の紙幣５をスイッチバックして接客口１１１の搬送路１１２を通り、紙幣繰入口から接客口１１１へ繰入れる。これにより、接客口１１１の内部には、紙幣繰出口側から順に、記番号「Ａ０１００」、「Ａ００９９」、「Ａ０１０１」の紙幣５が収納される。この時点で、連れ出された紙幣「Ａ００９９」はまだ収納カセット１２０ｄに戻されていないので、制御部６０は、接客口１１１の紙幣繰出口側にある記番号「Ａ０１００」の紙幣５の確認処理を続いて行う。
【００６０】
図１０に示すように、接客口１１１の紙幣繰出口側にある記番号「Ａ０１００」の紙幣５が繰出されて搬送路１１２へ搬送される。そして、鑑別部２０にて記番号が読み取られると、管理情報にて管理されている記番号のマッチング処理が行われる。記番号「Ａ０１００」の紙幣５も今回入金された投入紙幣６であるから、制御部６０は、図１１に示すように、厚みセンサ１１８まで搬送された記番号「Ａ０１００」の紙幣５をスイッチバックして接客口１１１の搬送路１１２を通り、紙幣繰入口から接客口１１１へ繰入れる。これにより、接客口１１１の内部には、紙幣繰出口側から順に、記番号「Ａ００９９」、「Ａ０１０１」、「Ａ０１００」の紙幣５が収納される。この時点でも、連れ出された記番号「Ａ００９９」の紙幣５はまだ収納カセット１２０ｄに戻されていないので、制御部６０は、接客口１１１の紙幣繰出口側にある記番号「Ａ００９９」の紙幣５の確認処理を続いて行う。
【００６１】
図１２に示すように、接客口１１１の紙幣繰出口側にある記番号「Ａ００９９」の紙幣５が繰出されて搬送路１１２へ搬送される。そして、鑑別部２０にて記番号が読み取られると、管理情報にて管理されている記番号のマッチング処理が行われる。記番号「Ａ００９９」の紙幣５は既に収納カセット１２０ｄに収納されていた装置内紙幣７であるから、制御部６０は、当該紙幣５（記番号「Ａ００９９」）を図１３に示すように収納カセット１２０ａ〜１２０ｄの搬送路１２２を介して、収納カセット１２０ｄへ収納する。このように、紙幣の記番号と当該紙幣の収納カセット１２０における収納順序に基づいて、連れ出された装置内紙幣７を収納カセット１２０へ搬送することができる。これにて連れ出された全ての装置内紙幣７が収納カセット１２０ｄに戻されたことになる。
【００６２】
図３の説明に戻り、ステップＳ１７０にて連れ出された全ての装置内紙幣７が収納カセット１２０に戻されると、現在収納カセット１２０に収納されている装置内紙幣７の記番号および収納順序を確定する（Ｓ１８０）。これにより、記憶部１８０の管理情報（装置内紙幣７の記番号および収納順序）が更新される。ステップＳ１５０〜Ｓ１７０の処理により投入紙幣６が顧客に返却された場合には、管理情報は今回の入金取引が行われる前の状態で確定される。一方、ステップＳ１４０にて紙幣５の返却要求がない場合、あるいはステップＳ１６０にて紙幣の連れ出しがないと判定された場合には、管理情報（装置内紙幣７の記番号および収納順序）はステップＳ１８０によって今回入金された投入紙幣６を含めた情報に更新される。このようにして、収納カセット１２０に現在収納されている装置内紙幣７を正確に把握することができる。
【００６３】
以上、第１の紙幣返却処理について説明した。本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、紙幣５の入金取引時に、収納カセット１２０に収納されている装置内紙幣７の記番号と収納順序とを管理情報として記憶部８０に管理情報として記憶している。取引が完了するまでは、今回入金された投入紙幣６と収納カセット１２０に既に収納されていた装置内紙幣７とを区別している。第１の紙幣返却処理では、投入紙幣６の返却要求を受けて収納カセット１２０に収納された投入紙幣６を接客口１１１へ搬送する際に、今回入金された投入紙幣６とともに返却対象ではない装置内紙幣７が連れ出されたことを厚みセンサ１１８で検知すると、制御部６０は、接客口１１１に搬送された紙幣５に対して１枚ずつ記番号を読み取る。そして、制御部６０は、記憶部８０に記憶された管理情報に基づいて、連れ出された装置内紙幣７を特定し、収納カセット１２０へ戻す。このように、収納カセット１２０内の全ての装置内紙幣７を再鑑別することなく、今回の入金取引で投入された投入紙幣６、および連れ出された装置内紙幣７のみを再鑑別することにより、顧客の投入紙幣６を短時間で特定することが可能となる。
【００６４】
［２−２．第２の紙幣返却処理］
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による第２の紙幣返却処理を、図３および図１４〜図２３に基づき説明する。図１４は、第２の紙幣返却処理における図３のステップＳ１７０の処理の詳細を示すフローチャートである。図１５〜図２３は、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。第２の紙幣返却処理も、図３のフローチャートに沿って行われるが、第１の紙幣返却処理と比較してステップＳ１７０の処理が相違する。以下では、第１の紙幣返却処理と相違するステップＳ１７０の処理について主に説明し、第１の紙幣返却処理と同一の処理については簡単に説明する。また、図１５〜図２３に示す紙幣入出金装置１００の構成は、図６〜図１３に示した装置と同一構成である。
【００６５】
（紙幣返却処理）
まず、図３に示すように、紙幣入出金装置１００の接客口１１１に紙幣５が投入されたとする（Ｓ１００）。例えば図１５に示すように、紙幣入出金装置１００の接客口１１１に、収納カセット１２０ｄに収納されるべき記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の投入紙幣６が投入されたとする。このとき、収納カセット１２０ｄには、記番号「Ａ０００１」、・・・、「Ａ００９８」、「Ａ００９９」の装置内紙幣７が既に収納されているとする。
【００６６】
接客口１１１に投入された投入紙幣６は、搬送路１１２を搬送され、搬送路上に設けられた接客ユニット１１０内の透過型イメージセンサ１１４、厚みセンサ１１５、反射型イメージセンサ１１６、磁気センサ１１７により鑑別されると共に、搬送されている投入紙幣６の記番号が読み取られる（Ｓ１１０）。そして、紙幣入出金装置１００の制御部６０は、鑑別部２０の鑑別結果に基づいて、搬送されている投入紙幣６の金種が収納されている収納カセット１２０へ紙幣５を搬送するように搬送部５０を駆動制御し、投入紙幣６を収納カセット１２０へ収納する（Ｓ１２０）。例えば、図１５に示した記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の金種の投入紙幣６が収納カセット１２０ｄに収納される場合には、制御部６０は、記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の投入紙幣６が収納カセット１２０ｄに収納されるように搬送部５０を駆動制御する。これにより、図１６に示すように、投入された記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の投入紙幣６は収納カセット１２０ｄに収納される。
【００６７】
また、紙幣入出金装置１００は、ステップＳ１１０にて読み取った投入紙幣６の記番号を、当該投入紙幣６の収納先における集積順序とともに記憶部８０に記録する（Ｓ１３０）。例えば図１６に示すように収納カセット１２０ｄに記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の投入紙幣６が収納された場合、記憶部８０には、収納カセット１２０ｄに関する管理情報（紙幣の記番号、および収納順序）として、装置内紙幣７の記番号「Ａ０００１」、・・・、「Ａ００９８」、「Ａ００９９」の次に投入紙幣６の記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」を記録する。なお、この段階では、投入紙幣６が入金される以前に、既に収納カセット１２０ｄに収納されている装置内紙幣７のうち、最上部に位置する（すなわち最も新しく収納された）装置内紙幣７の記番号「Ａ００９９」と、投入紙幣６の記番号記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」とは、異なる管理情報として記憶されているものとする。これにより、制御部６０は、収納カセット１２０ｄ内に集積された投入紙幣６と装置内紙幣７の境界が把握できる。
【００６８】
その後、紙幣入出金装置１００の制御部６０は、入金処理が確定する前に、投入紙幣６の返却要求があったか否かを判定する（Ｓ１４０）。入金処理が確定する前に、紙幣５の返却要求があった場合には、紙幣返却処理が実行される（Ｓ１５０）。
【００６９】
例えば、図１６のように収納カセット１２０ｄに今回入金された投入紙幣６が収納されているとき、制御部６０は、投入紙幣６を収納カセット１２０ｄから接客ユニット１１０の接客口１１１へ搬送するため、まず、収納カセット１２０ｄから記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の投入紙幣６を繰出す。そして、収納カセット１２０ｃ〜１２０ａの搬送路１２２を経由して接客ユニット１１０へ搬送される。
【００７０】
接客ユニット１１０へ搬送された投入紙幣６は、厚みセンサ１１８にてその厚みが検出され、また鑑別部２０により収納カセット１２０ｄから接客口１１１へ搬送される投入紙幣６の記番号が読み取られる。制御部６０は、これらの情報のうち少なくともいずれか１つを用いて、投入紙幣６とともに既に装置内に収納されていた装置内紙幣７が誤って接客口１１１に搬送されていないか否かを判定する（Ｓ１６０）。
【００７１】
ステップＳ１６０にて収納カセット１２０ｄ内に収納されておくべき装置内紙幣７が連れ出されていると判定した場合、制御部６０は、連れ出された装置内紙幣７を今回入金された返却すべき投入紙幣６から剥がして収納カセット１２０ｄに再び収納する処理を行う（Ｓ１７０）。例えば、図１７に示すように、今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０ｄに収納された記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６に隣接していた記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７が連れ出されたとする。記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７は顧客に返却すべき投入紙幣６ではないため、ステップＳ１７０の処理により、記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７を元々収納されていた収納カセット１２０ｄへ搬送し収納する。
【００７２】
連れ出された装置内紙幣７の剥し処理は、図１４に示すように、まず、接客口１１１にある紙幣５から、投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された投入紙幣６の直前の投入紙幣６までを収納カセット１２０へ再搬送する（Ｓ２７１）。制御部６０は、例えば図１７に示す接客口１１１内の紙幣５について、接客口１１１の紙幣繰出口側にある投入紙幣６のうち、最初に収納カセット１２０に収納された記番号「Ａ０１００」の直前の記番号「Ａ０１０１」の投入紙幣６までを、紙幣繰出口から繰出し搬送路１１２へ搬送する。すなわち、図１８に示すように、記番号「Ａ０１９９」、・・・、「Ａ０１０１」の投入紙幣６が収納カセット１２０ｄへ搬送され収納される。これらの投入紙幣６が搬送されるとき、制御部６０は鑑別部２０で記番号を読み取り、管理情報を参照して投入紙幣６であることを確認するとともに、記番号「Ａ０１０１」までの投入紙幣６が収納カセット１２０ｄに搬送されたことを確認する。ステップＳ２７１の処理により、接客口１１１には、２枚の紙幣５（すなわち、記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６と、記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７）が残る。
【００７３】
次いで、制御部６０は、接客口１１１の紙幣繰出口側にある１枚の紙幣５を鑑別部２０へ搬送する（Ｓ２７２）。図１９に示す例では、記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６が鑑別部２０へ搬送される。そして、鑑別部２０に搬送された投入紙幣６の記番号が読み取られる（Ｓ２７３）。さらに、制御部６０は、ステップＳ２７３で読み取られた投入紙幣６の記番号が、今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された紙幣５の記番号であるか否かを判定する（Ｓ２７４）。このとき制御部６０は、記憶部８０に記憶された管理情報としての紙幣の記番号、および収納順序等を参照し、ステップＳ２７３で読み取られた投入紙幣６の記番号が今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された投入紙幣６の記番号と一致するか否かを判定する。
【００７４】
ステップＳ２７４において、ステップＳ２７３で読み取られた投入紙幣６の記番号が、今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された紙幣５の記番号と一致しない場合には、当該投入紙幣６を収納していた収納カセット１２０へ搬送する（Ｓ２７５）。すなわち、今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された紙幣５ではないため、ステップＳ２７１の処理の続きとして、当該投入紙幣６を収納カセット１２０へ搬送する。そして、ステップＳ２７２からの処理を繰り返す。一方、ステップＳ２７４において、ステップＳ２７３で読み取られた投入紙幣６の記番号が今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された投入紙幣６の記番号（管理情報）と一致する場合には、当該投入紙幣６を接客口１１１へ搬送する（Ｓ２７６）。
【００７５】
図１９に示す例では、記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６は投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された投入紙幣６であることから、厚みセンサ１１８まで搬送された記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６をスイッチバックして接客口１１１の搬送路１１２を通り、紙幣繰入口から接客口１１１へ繰入れる。これにより、接客口１１１の内部には、図２０に示すように、紙幣繰出口側から順に記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７、記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６が収納される。すなわち、連れ出された記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７が接客口１１１の紙幣繰出口側に位置することになる。
【００７６】
その後、制御部６０は、投入紙幣６のうち収納カセット１２０に再搬送されていた投入紙幣６を接客口１１１へ再び搬送する（Ｓ２７７）。これにより、図２１に示すように、収納カセット１２０に退避されていた投入紙幣６が接客口１１１に搬送されて、紙幣繰出口側から順に、記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７、記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の投入紙幣６と並んで収納されるようになる。
【００７７】
次いで、制御部６０は、接客口１１１の紙幣繰出口側にある１枚の紙幣５を鑑別部２０へ搬送する（Ｓ２７８）。図２１に示す例では、記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７が鑑別部２０へ搬送される。そして、鑑別部２０に搬送された装置内紙幣７の記番号が読み取られる（Ｓ２７９）。さらに、制御部６０は、ステップＳ２７９で読み取られた装置内紙幣７の記番号が、既に収納カセット１２０に収納されていた装置内紙幣７の記番号であるか否かを判定する（Ｓ２８０）。このとき制御部６０は、記憶部８０に記憶された管理情報としての紙幣の記番号、および収納順序等を参照し、ステップＳ２７９で読み取られた装置内紙幣７の記番号が既に収納カセット１２０に収納されていた装置内紙幣７の記番号と一致するか否かを判定する。
【００７８】
ステップＳ２８０にて、ステップＳ２７９で取得した記番号が既に収納カセット１２０に収納されていた装置内紙幣７の記番号（管理情報）のものと一致する場合には、連れ出された装置内紙幣７であるから、元々収納されていた収納カセット１２０へ当該装置内紙幣７を搬送し（Ｓ２８１）、図１４に示す処理を終了する。一方、仮にステップＳ２８０にて、ステップＳ２７９で取得した記番号が既に収納カセット１２０に収納されていた装置内紙幣７の記番号（管理情報）と一致しない場合には、ステップＳ２７８からの処理を繰り返す。
【００７９】
例えば、図２２に示すように、接客口１１１の紙幣繰出口側にある記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７が繰出されて搬送路１１２へ搬送される。そして、鑑別部２０にて記番号が読み取られると、管理情報にて管理されている記番号のマッチング処理が行われる。記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７は既に収納カセット１２０ｄに収納されていた装置内紙幣７であるから、制御部６０は、当該記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７を図２３に示すように収納カセット１２０ａ〜１２０ｄの搬送路１２２を介して、収納カセット１２０ｄへ収納する。このように、紙幣の記番号と当該紙幣の収納カセット１２０における収納順序に基づいて、連れ出された装置内紙幣７を収納カセット１２０へ搬送することができる。これにて連れ出された全ての装置内紙幣７が収納カセット１２０ｄに戻されたことになる。
【００８０】
図３の説明に戻り、ステップＳ１７０にて連れ出された全ての装置内紙幣７が収納カセット１２０に戻されると、現在収納カセット１２０に収納されている装置内紙幣７の記番号および収納順序を確定する（Ｓ１８０）。これにより、記憶部１８０の管理情報が更新される。ステップＳ１５０〜Ｓ１７０の処理により今回入金された紙幣５が顧客に返却された場合には、管理情報は今回の入金取引が行われる前の状態で確定される。一方、ステップＳ１４０にて紙幣５の返却要求がない場合、あるいはステップＳ１６０にて紙幣の連れ出しがないと判定された場合には、管理情報はステップＳ１８０によって装置内紙幣７に今回入金された投入紙幣６を含めた情報に更新される。このようにして、収納カセット１２０に現在収納されている装置内紙幣７を正確に把握することができる。
【００８１】
以上、第２の紙幣返却処理について説明した。本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、紙幣５の入金取引時に、収納カセット１２０に収納されている装置内紙幣７の記番号と収納順序とを管理情報として記憶部８０に管理情報として記憶している。取引が完了するまでは、今回入金された投入紙幣６と収納カセット１２０に既に収納されていた装置内紙幣７とを区別している。第２の紙幣返却処理では、投入紙幣６の返却要求を受けて収納カセット１２０に収納された投入紙幣６を接客口１１１へ搬送する際に、今回入金された投入紙幣６とともに返却対象ではない装置内紙幣７が連れ出されたことを厚みセンサ１１８で検知すると、制御部６０は、連れ出された装置内紙幣７を元々収納されていた収納カセット１２０へ戻し、今回入金された投入紙幣６のみが接客口１１１に収納されるようにする。
【００８２】
このため、制御部６０は、まず、今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された投入紙幣６の直前の投入紙幣６までを収納カセット１２０へ再搬送する。次いで、接客口１１１に残されている紙幣５について、収納カセット１２０から連れ出された装置内紙幣７が接客口１１１の紙幣繰出口側に位置するようにした後、収納カセット１２０に再搬送された今回入金された投入紙幣６を接客口１１１へ再び搬送する。その後、接客口１１１の紙幣繰出口側に位置する収納カセット１２０から連れ出された装置内紙幣７を、収納カセット１２０に戻す。
【００８３】
このように、収納カセット１２０内の全ての装置内紙幣７を再鑑別することなく、今回の入金取引で投入された投入紙幣６のみを再鑑別することにより、顧客の投入紙幣を短時間で特定することが可能となる。特に、第２の紙幣返却処理では、今回入金された投入紙幣６の一部をまとめて一時退避させることで、第１の紙幣返却処理のように接客口１１１の装置内紙幣７を１枚ずつ鑑別して搬送する処理をしなくともよい。したがって、第１の紙幣返却処理に比べて処理時間をさらに短縮することができるので、返却対象の投入紙幣６の枚数が多いほど第２の紙幣返却処理を用いることによる効果が大きい。
【００８４】
［２−３．紙幣返却処理の利用］
第１の紙幣返却処理および第２の紙幣返却処理は、上述したように、顧客からの投入紙幣６の返却要求だけでなく、入金取引の途中でジャム等の故障が発生した場合にも用いることができる。故障発生後に装置が再鑑別可能な状態となれば、今回の入金取引により収納カセット１２０に集積された投入紙幣６だけを繰出して顧客へ返却する。この際、重送等により返却対象ではない装置内紙幣７が連れ出されても、上述の第１の紙幣返却処理または第２の紙幣返却処理を用いることで、返却対象の投入紙幣６のみを返却できる。なお、再鑑別が可能な状態とは、故障により装置が停止した場合に自動復旧動作によって搬送途中の紙幣５を接客口１１１に戻すリジェクト処理が可能であり、装置の運用を継続できる状態をいう。
【００８５】
再鑑別不可能な状態であれば、すなわち、装置を自動復旧させることができず紙幣５の搬送ができない状態であれば、オペレータに今回の入金取引で集積した投入紙幣６の記番号と収納された収納カセット１２０とを通知する。これにより、オペレータは顧客が投入した投入紙幣６を確実に特定することができ、当該投入紙幣６の返却が可能となる。この際、紙幣入出金装置１００には、オペレータに今回の入金取引で集積した投入紙幣６の記番号および収納された収納カセット１２０を通知するための通知部が設けられているとする。通知部としては、例えば情報を表示する表示部や音声情報を出力する音声出力部等を用いることができる。
【００８６】
また、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００のように、鑑別部２０により紙幣の記番号を取得して、入金された投入紙幣６の記番号と収納先での収納順序とを管理情報として記憶部８０に記憶することで、装置内における投入紙幣６の状態を把握することができる。したがって、例えば停電等によって装置の機能がダウンしても、装置の機能が復旧した後に鑑別部２０のイメージセンサで搬送路上にある紙幣５の記番号を読み取ることで、接客口１１１に取り忘れられた投入紙幣６の有無を認識することができる。
【００８７】
＜３．紙幣入出金装置の変形例＞
本実施形態に係る第１の紙幣返却処理および第２の紙幣返却処理は、例えば図５等に示した構成の紙幣入出金装置１００以外の紙幣入出金装置においても適用することができる。紙幣入出金装置の他の構成例を図２４〜図２７に示す。以下では、上述した紙幣入出金装置１００との相違点について主に説明し、同一の構成箇所については詳細な説明を省略する。
【００８８】
［３−１．構成例１］
まず、図２４に示す紙幣入出金装置２００は、図５等に示す紙幣入出金装置１００と比較して、接客ユニット１１０に１つ設けられていた厚みセンサ１１８の代わりに、各収納カセット２２０ａ〜２２０ｄにそれぞれ厚みセンサ２２４を設けた点で相違する。すなわち、紙幣入出金装置２００は、図２４に示すように、接客ユニット２１０と、収納カセット２２０（２２０ａ〜２２０ｄ）と、リジェクト・取込みユニット２３０とからなる。
【００８９】
接客ユニット２１０は、顧客との紙幣の受け渡しを行うユニットである。接客ユニット２１０は、図２４に示すように、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口２１１を有しており、接客口２１１と収納カセット２２０、リジェクト・取込みユニット２３０とは搬送路２１２により接続されている。搬送路２１２の路上には、紙幣の搬送先を切替えるための切替機構２１３ａ、２１３ｂ、２１３ｃが設けられており、さらに、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ２１４、厚みセンサ２１５、反射型イメージセンサ２１６、磁気センサ２１７が設けられている。透過型イメージセンサ２１４、厚みセンサ２１５、反射型イメージセンサ２１６、磁気センサ２１７をまとめて鑑別部２０ともいう。接客ユニット２１０は、厚みセンサ１１８の機能以外については、紙幣入出金装置１００の接客ユニット１１０と同様に機能する。
【００９０】
収納カセット２２０は、紙幣を収納する収納部２２１と、紙幣を接客ユニット２１０や前後に配置されている収納カセット２２０との間で双方向の紙幣の受け渡しを可能にする第１の搬送路２２２と、収納部２２１から紙幣を繰出す繰出機構および収納部２２１へ紙幣を集積する集積機構を備える第２の搬送路２２３とを備える。また、収納カセット２２０は、入出金される紙幣の厚みを識別する厚みセンサ２２４と、紙幣の搬送先を切替えるための切替機構２２５とを備える。紙幣入出金装置２００には４つの収納カセット２２０ａ〜２２０ｄが水平方向に配列された状態で設けられており、各収納カセット２２０ａ〜２２０ｄは同一に構成されている。ここで、厚みセンサ２２４は、紙幣入出金装置１００の厚みセンサ１１８と同様に構成することができる。
【００９１】
なお、紙幣入出金装置２００に設けられる収納カセット２２０の数はかかる例に限定されず、例えば紙幣の種別数に応じて設置することができる。また、収納カセット２２０ａ〜２２０ｄのうち少なくとも１つは、当該収納カセット２２０の切替機構２２５を紙幣の走行を３方向に切替可能な切替機構としてもよい。
【００９２】
リジェクト・取込みユニット２３０は、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫２３２と、顧客が取忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫２３４とを備える。接客ユニット２１０の切替機構２１３ｂ、２１３ｃによる切替によりリジェクト・取込みユニット２３０にリジェクトされた紙幣や取忘れられた紙幣が収納される。
【００９３】
［３−２．構成例２］
次に、図２５に示す紙幣入出金装置３００は、図２４等に示す紙幣入出金装置２００と比較して、各収納カセット２２０ａ〜２２０ｄに設けられていた第１の搬送路２２２、厚みセンサ２２４および切替機構２２５を収納カセットと別のユニットにまとめた点で相違する。紙幣入出金装置３００は、図２５に示すように、接客ユニット３１０と、収納カセット３２０（３２０ａ〜３２０ｄ）と、リジェクト・取込みユニット３３０と、搬送ユニット３４０とからなる。
【００９４】
接客ユニット３１０は、顧客との紙幣の受け渡しを行うユニットであり、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口３１１と、接客口３１１と搬送ユニット３４０、リジェクト・取込みユニット３３０とを接続する搬送路３１２とを備える。また、接客ユニット３１０の搬送路３１２の路上には、切替機構３１３ａ、３１３ｂ、３１３ｃと、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ３１４、厚みセンサ３１５、反射型イメージセンサ３１６、磁気センサ３１７が設けられている。
【００９５】
収納カセット３２０は、紙幣を収納する収納部３２１と、収納部３２１から紙幣を繰出す繰出機構および収納部３２１へ紙幣を集積する集積機構を備える搬送路３２２とを備える。紙幣入出金装置３００にも４つの収納カセット３２０ａ〜３２０ｄが水平方向に配列された状態で設けられており、各収納カセット３２０ａ〜３２０ｄは同一に構成されている。なお、紙幣入出金装置３００に設けられる収納カセット３２０の数はかかる例に限定されず、例えば紙幣の種別数に応じて設置することができる。
【００９６】
リジェクト・取込みユニット３３０は、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫３３２と、顧客が取忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫３３４とを備える。リジェクト・取込みユニット３３０は、図５等のリジェクト・取込みユニット１３０と同様に構成することができる。
【００９７】
搬送ユニット３４０は、接客ユニット３１０と各収納カセット３２０ａ〜３２０ｄとを接続し、双方向に紙幣を搬送する機構を有する。具体的には、搬送ユニット３４０は、図２５に示すように、搬送路３４２と、切替機構３４４ａ、３４４ｂ、３４４ｃと、厚みセンサ３４６とからなる。搬送路３４２は、各収納カセット３２０へ紙幣を繰入れ、または、各収納カセット３２０から繰出された紙幣を接客ユニット３１０へ搬送する。切替機構３４４ａ、３４４ｂ、３４４ｃは、搬送路３４２を各収納カセット３２０ａ〜３２０ｄに選択切替する。なお、搬送ユニット３４０の切替機構３４４ａ、３４４ｂ、３４４ｃのうち少なくとも１つを、紙幣の走行を３方向に切替可能な切替機構としてもよい。
【００９８】
［３−３．構成例３］
次に、図２６に示す紙幣入出金装置４００は、図２５等に示す紙幣入出金装置３００と比較して、接客ユニットの機能を２つに分離した点で相違する。紙幣入出金装置４００は、図２６に示すように、接客ユニット４１０と、収納カセット４２０（４２０ａ〜４２０ｄ）と、リジェクト・取込みユニット４３０と、第１の搬送ユニット４４０と、第２の搬送ユニット４５０とからなる。収納カセット４２０、リジェクト・取込みユニット４３０および第１の搬送ユニット４４０は、収納カセット３２０、リジェクト・取込みユニット３３０および搬送ユニット３４０と同一の構成・機能であるため、ここでは説明を省略する。
【００９９】
接客ユニット４１０および第２の搬送ユニット４５０は、図２５に示す接客ユニット３１０に対応する。接客ユニット３１０は大きなユニットであることから、図２６の紙幣入出金装置４００では各種センサ等が故障し保守員によるユニット交換作業が発生した場合の保守作業性を向上すべく、接客ユニット３１０を２つのユニットに分離している。これにより、各種センサの調整作業のようにユニット単位で作業を行う場合に、調整に使用するユニットが小さくなるため、調整作業性を向上させることができる。
【０１００】
具体的には、接客ユニット４１０は、顧客との紙幣の受け渡しを行うユニットであり、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口４１１と、接客口４１１と第２の搬送ユニット４５０とを接続する搬送路４１２とを備える。また、第２の搬送ユニット４５０は、紙幣を搬送する搬送路４５１と、搬送路４５１の路上に設けられた切替機構４５２ａ、４５２ｂ、４５２ｃ、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ４５３、厚みセンサ４５４、反射型イメージセンサ４５５、磁気センサ４５６とが設けられている。この際、接客ユニット４１０の接客口４１１の集積ローラの駆動伝達のため、接客口４１１の紙幣繰入口に接続される搬送路が接客ユニット４１０と搬送ユニット４５０とで分割される部分にジョイント機構（図示せず。）が追加されている。
【０１０１】
［３−４．構成例４］
図２７に示す紙幣入出金装置５００は、上記紙幣入出金装置１００、２００、３００、４００と比較して、残留紙幣収納庫５６０を備え、収納カセットまたは搬送ユニット内の少なくとも１つの切替機構が紙幣の走行を３方向に切替え可能である点で相違する。以下では、図２６に示す紙幣入出金装置４００と同一の構成および機能についての説明は簡潔に説明し、紙幣入出金装置４００との相違点について重点的に説明する。
【０１０２】
紙幣入出金装置５００は、図２７に示すように、接客ユニット５１０と、収納カセット５２０（５２０ａ〜５２０ｃ）と、リジェクト・取込みユニット５３０と、第１の搬送ユニット５４０と、第２の搬送ユニット５５０と、残留紙幣収納庫５６０とからなる。接客ユニット５１０、リジェクト・取込みユニット５３０および第２の搬送ユニット５５０は、接客ユニット４１０、リジェクト・取込みユニット４３０および第２の搬送ユニット４５０と同一の構成・機能であるため、ここでは説明を省略する。また、収納カセット５２０は、図２６の収納カセット４２０より１つ少ないが、各収納カセット５２０ａ〜５２０ｃの構成は収納カセット４２０ａ〜４２０ｄと同一の構成・機能であるため、この説明も省略する。
【０１０３】
紙幣入出金装置５００は、顧客が取引中にジャムなどのトラブルが発生し、保守員が装置内に残留した紙幣を除去しなければならなくなった場合に、顧客に返却する紙幣と、装置内の紙幣として顧客に返却しない紙幣とを切り分ける処理を容易にするために、残留紙幣収納庫５６０を備えている。残留紙幣収納庫５６０は、図２７に示すように、収納カセット４２０と同一の構成とすることができ、収納部５６１と搬送路５６２とを備える。そして、残留紙幣収納庫５６０を収納カセット４２０とともに水平方向に配列し、最も接客ユニット５１０に近い側に設けることで、一時的に紙幣を収納する収納庫として容易に機能させることができる。
【０１０４】
また、残留紙幣収納庫５６０を設けたことにより、第１の搬送ユニット５４０の切替機構のうち、残留紙幣収納庫５６０へ紙幣を搬送する切替機構５４３のみ、第２の搬送ユニット５５０、残留紙幣収納庫５６０および収納カセット５２０の３方向へ紙幣を移動できるように３方向切替機構となっている。他の切替機構５４４ａおよび５４４ｂは少なくとも２方向に切替可能であればよい。その他の第１の搬送ユニット５４０の構成は、図２６に示した第１の搬送ユニット４４０の構成と同一である。
【０１０５】
図２４〜図２７に示した構成の紙幣入出金装置２００〜５００に対して、図５等に示した紙幣入出金装置１００と同様に、図１に示す機能を備えさせることにより、図３、図４または図１４に示す紙幣返却処理を実現することができる。
【０１０６】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【０１０７】
例えば、上記実施形態では、紙幣返却処理を紙幣入出金装置に適用した場合について説明したが、本発明はかかる例に限定されず、例えば銀行の窓口装置（テラーマシン）にも適用可能である。
【０１０８】
また、上記実施形態では、取り扱う媒体を紙幣としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、上記実施形態に係る紙幣入出金装置は紙葉状の媒体に対して用いることができ、紙幣以外にも例えば債権や証券等のように、紙幣の記番号のように媒体個々を識別する情報を保持している媒体についても適用可能である。
【符号の説明】
【０１０９】
５ 紙幣
６ 投入紙幣
７ 装置内紙幣
１０ 入出金部
２０ 鑑別部
３０ リジェクト取込み部
４０ 紙幣収納庫
５０ 搬送部
６０ 制御部
７０ トリガーセンサ
８０ 記憶部
１００、２００、３００、４００、５００ 紙幣入出金装置
１１０、２１０、３１０、４１０、５１０ 接客ユニット
１２０、２２０、３２０、４２０、５２０ 収納カセット
１３０、２３０、３３０、４３０、５３０ リジェクト・取込みユニット
３４０、４４０、５４０ 搬送ユニット（第１の搬送ユニット）
４５０、５５０ 第２の搬送ユニット
５６０ 残留紙幣収納庫
【技術分野】
【０００１】
本発明は、紙幣入出金装置および紙幣入出金制御方法に関し、より詳細には顧客が投入した紙幣と装置が保持する紙幣とを区別して管理可能な紙幣入出金装置および紙幣入出金制御方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
銀行業務等において用いられる紙幣入出金装置は、通常、紙幣の収納前に一時保留部に紙幣を保留し、取引が確定した後に一時保留部から収納カセットに紙幣を収納する。一時保留部を備える紙幣入出金装置では、取引確定前の紙幣と装置内に既に収納されている紙幣との区別を容易に行うことができるが、装置を簡単な構成にするために一時保留部を有しない紙幣入出金装置も用いられている。一時保留部を有しない紙幣入出金装置においても、顧客が投入した紙幣と装置が保持する紙幣とを区別する手法が提案されている。
【０００３】
例えば特許文献１には、入金時におけるジャム等の故障が発生した場合、集積部の全紙幣を取り出し、１枚ずつ再鑑別して紙幣の枚数を数えることで入金紙幣を特定する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−７４４６４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、上記特許文献１に記載の手法では、紙幣入出金装置の故障の度合いによって再鑑別できない状況では、紙幣の枚数を特定することができない。また、集積部内に残存する全紙幣について再鑑別するので、顧客が投入した紙幣を特定するまでに時間を要するという問題がある。
【０００６】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、入金取引中に故障が発生した場合でも、顧客が投入した紙幣と装置内の紙幣とを確実に区別することが可能な、新規かつ改良された紙幣入出金装置および紙幣入出金制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ユーザとの紙幣の取引をするための接客口から投入された紙幣を鑑別する鑑別部と、紙幣の記番号を取得する記番号取得部と、装置内における紙幣の搬送を制御する制御部と、装置内の紙幣が収納される１または複数の収納カセット毎に、収納カセットに収納されている紙幣の記番号および当該紙幣の収納順序を管理情報として記憶する記憶部と、を備え、制御部は、鑑別部による鑑別結果に基づいて紙幣を対応する収納カセットへ搬送するとともに、紙幣の記番号および収納カセットにおける当該紙幣の収納順序とを管理情報として記憶部に記録することを特徴とする、紙幣入出金装置が提供される。
【０００８】
本発明によれば、接客口から投入された紙幣を鑑別部による鑑別結果に基づいて収納カセットに収納する際に、制御部により、収納先となる収納カセット毎に、紙幣の記番号と収納順序とが管理情報として記憶部に記録される。このように、装置内に取り込まれた紙幣の記番号と収納カセットにおける収納順序とを管理することで、紙幣の返却処理を行う場合や装置が故障して取引中に停止してしまいその後復旧された場合に、紙幣の記番号を取得することで、各紙幣の搬送先や収納先を正確に認識することができる。
【０００９】
ここで、記憶部は、ユーザとの紙幣の取引が確定した時点で、管理情報の更新を確定してもよい。これにより、ユーザとの紙幣の取引が確定する前において、今回入金された紙幣と既に装置内に収納されていた紙幣とを区別して管理できる。
【００１０】
制御部は、今回の取引における紙幣の返却要求に応じて、収納カセットに収納されている今回の取引における紙幣を接客口へ搬送するときに、鑑別部により紙幣の搬送異常の有無を検出し、鑑別部により紙幣の搬送異常が検出された場合、収納カセットから接客口に搬送された紙幣の記番号を１枚ずつ取得し、管理情報に基づいて、今回の取引における紙幣のみを接客口に搬送してもよい。
【００１１】
あるいは、制御部は、今回の取引における紙幣の返却要求に応じて、収納カセットに収納されている今回の取引における紙幣を接客口へ搬送するときに、鑑別部により紙幣の搬送異常の有無を検出し、鑑別部により紙幣の搬送異常が検出された場合、収納カセットから接客口に搬送された紙幣のうち、今回の取引における紙幣において最初に収納カセットに収納されていた紙幣以外の紙幣を一旦収納カセットに収納し、収納カセットに残存する紙幣について記番号を１枚ずつ取得して、管理情報に基づいて、今回の取引における紙幣以外の紙幣が接客口の紙幣繰出口側に位置するように収納カセットに残存する紙幣の収納順序を変更させ、収納カセットに一旦収納された今回の取引における紙幣を接客口へ再度搬送したのち、接客口の紙幣繰出口側に位置する今回の取引における紙幣以外の紙幣を収納カセットへ搬送してもよい。
【００１２】
本発明の紙幣入出金装置は、ユーザに情報を通知する通知部をさらに備えることもできる。制御部は、紙幣入出金装置に異常が発生したとき、異常発生後紙幣の再鑑別が可能な状態となった場合には、今回の取引における紙幣のみを接客口へ搬送し、異常発生後紙幣の再鑑別が不可能な状態となった場合には、通知部を介してユーザに今回の取引における紙幣の記番号および収納箇所を通知する。
【００１３】
本発明の紙幣入出金装置は、接客口と、接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える接客ユニットと、紙幣を収納する収納部と、接客ユニットおよび隣接する他のユニットとの間を接続する第１の搬送路と、第１の搬送路と収納部との間で双方向に紙幣を搬送する第２の搬送路と、紙幣の走行経路を切替える切替機構と、収納部から繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える１または複数の収納カセットと、接客ユニットおよび収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、を備えるように構成することができる。
【００１４】
あるいは、紙幣入出金装置は、接客口と、接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部と、接客口へ繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える接客ユニットと、紙幣を収納する収納部と、接客ユニットおよび隣接する他のユニットとの間を接続する第１の搬送路と、第１の搬送路と収納部との間で双方向に紙幣を搬送する第２の搬送路と、紙幣の走行経路を切替える切替機構とを備える１または複数の収納カセットと、接客ユニットおよび収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、を備えるように構成してもよい。
【００１５】
または、紙幣入出金装置は、接客口と、接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える接客ユニットと、紙幣を収納する収納部と、収納部に対して双方向に紙幣を搬送する搬送路とを備える１または複数の収納カセットと、接客ユニットと各収納カセットとの間を接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える１または複数の切替機構と、収納カセットから繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える搬送ユニットと、接客ユニットおよび収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、を備えるように構成してもよい。
【００１６】
さらに、紙幣入出金装置は、接客口と、隣接するユニットと接客口とを接続する搬送路とを備える接客ユニットと、接客ユニットと紙幣の収納先とを接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える鑑別搬送ユニットと、紙幣を収納する収納部と、収納部に対して双方向に紙幣を搬送する搬送路とを備える１または複数の収納カセットと、鑑別搬送ユニットと各収納カセットとの間を接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える１または複数の切替機構と、収納カセットから繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える搬送ユニットと、接客ユニットおよび収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、を備えるように構成してもよい。
【００１７】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザとの紙幣の取引をするための接客口から投入された紙幣を鑑別する鑑別ステップと、紙幣の記番号を取得する記番号取得ステップと、装置内における紙幣の搬送を制御する制御ステップと、装置内の紙幣が収納される１または複数の収納カセット毎に、収納カセットに収納されている紙幣の記番号および当該紙幣の収納順序を管理情報として記憶部に記録する記録ステップと、を含み、制御ステップは、鑑別ステップにおける鑑別結果に基づいて紙幣を対応する収納カセットへ搬送するとともに、紙幣の記番号および収納カセットにおける当該紙幣の収納順序とを管理情報として記憶部に記録することを特徴とする、紙幣入出金制御方法が提供される。
【発明の効果】
【００１８】
以上説明したように本発明によれば、金取引中に故障が発生した場合でも、顧客が投入した紙幣と装置内の紙幣とを確実かつ短時間で区別することが可能な紙幣入出金装置および紙幣入出金制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明の実施形態に係る紙幣入出金装置の構成を示すブロック図である。
【図２】同実施形態に係る紙幣入出金装置での記番号管理を説明する説明図である。
【図３】同施形態に係る紙幣入出金装置による紙幣返却処理を示すフローチャートである。
【図４】図３のステップＳ１７０の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図５】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図６】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図７】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図８】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図９】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１０】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１１】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１２】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１３】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１４】第２の紙幣返却処理における図３のステップＳ１７０の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図１５】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１６】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１７】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１８】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図１９】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図２０】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図２１】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図２２】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図２３】同実施形態に係る紙幣入出金装置による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【図２４】紙幣入出金装置の他の一構成例を示す説明図である。
【図２５】紙幣入出金装置の他の一構成例を示す説明図である。
【図２６】紙幣入出金装置の他の一構成例を示す説明図である。
【図２７】紙幣入出金装置の他の一構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００２０】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【００２１】
＜１．紙幣入出金装置の構成＞
まず、図１および図２に基づいて、本発明の実施形態に係る紙幣入出金装置の構成について説明する。なお、図１は、本実施形態に係る紙幣入出金装置の構成を示すブロック図である。図２は、本実施形態に係る紙幣入出金装置での記番号管理を説明する説明図である。
【００２２】
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、顧客が投入した紙幣を受け入れ、紙幣の鑑別および枚数カウントをして収納カセットに収納するとともに、顧客からの支払い要求あるいは返却要求に応じて紙幣の枚数をカウントして要求された紙幣を支払う機能を有する。具体的には、紙幣入出金装置１００は、図１に示すように、入出金部１０と、鑑別部２０と、リジェクト取込み部３０と、紙幣収納庫４０と、搬送部５０と、制御部６０と、トリガーセンサ７０と、記憶部８０とを備える。
【００２３】
入出金部１０は、顧客から紙幣の入金を受け、また、顧客に対して紙幣を出金する接客ユニットである。入出金部１０は、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口を有しており、接客口には顧客からの紙幣の投入時および顧客への紙幣の引渡し時等に開閉するシャッタが設けられている。また、入出金部１０は、接客口と他の機能部を接続する搬送路が設けられている。接客口に投入された紙幣は、搬送路を介してリジェクト取込み部３０（リジェクト・取込みユニット）あるいは紙幣収納庫４０（収納カセット）へ搬送され、また、リジェクト取込み部３０あるいは紙幣収納庫４０に収納された紙幣を接客口へ搬送する。
【００２４】
鑑別部２０は、搬送路を搬送されている紙幣を鑑別する。鑑別部２０は、例えば、紙幣の真偽や正損、金種等を識別したり、重送や連鎖、接近、スキュー等を検出したりする。また、鑑別部２０は、ＯＣＲ（Ｏｐｔｉｃａｌ Ｃｈａｒａｃｔｅｒ Ｒｅｃｏｇｎｉｔｉｏｎ）等の文字認識手段を用いて、搬送路を搬送されている紙幣の記番号を認識検出する記番号取得部としても機能する。
【００２５】
リジェクト取込み部３０は、リジェクトされた紙幣や取忘れられた紙幣が収納されるリジェクト・取込みユニットである。リジェクト取込み部３０は、後述するように、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫（図５の符号１３２）と、入金取引や出金取引時に顧客が接客口に忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫（図５の符号１３４）とを備える。リジェクト媒体収納庫および取忘れ媒体収納庫は、搬送された紙幣を集積する集積機構をそれぞれ備えている。
【００２６】
紙幣収納庫４０は、鑑別部２０により正常紙幣を、例えば金種別に収納する収納カセットである。紙幣収納庫４０は、複数の金種の紙幣をそれぞれ管理するため、各金種に対応する収納カセットから構成されている。各収納カセットには、紙幣を１枚毎に分離して繰出すと共に、搬送された紙幣を集積する分離集積機構を有している。
【００２７】
搬送部５０は、紙幣入出金装置内において紙幣を搬送する機構であって、例えばベルトやローラ等で紙幣を挟持して送り出す搬送機構と、当該搬送機構や搬送路の各分岐部に設けられ、紙幣の搬送方向を切替える切替機構等を駆動する駆動機構とからなる。搬送部５０が機能することにより、入出金部１０とリジェクト取込み部３０または紙幣収納庫４０との間での紙幣の移動や、鑑別部２０による紙幣の鑑別を行うことができる。
【００２８】
制御部６０は、紙幣入出金装置１００の上位装置からの指令を元に各部を制御して、紙幣の取込処理や収納処理、出金処理等の紙幣処理を実行する。例えば、制御部６０は、入出金部１０への紙幣の投入が検知されると、搬送部５０を機能させて紙幣収納庫４０へ搬送すると共に、鑑別部２０に対して搬送路を搬送されている紙幣の鑑別を行わせる。また、制御部６０は、入出金部１０から紙幣収納庫４０に収納された紙幣および紙幣収納庫４０から出金された紙幣を管理し、紙幣の記番号と紙幣の収納先、収納順序を記憶部８０に記憶する。
【００２９】
トリガーセンサ７０は、搬送路を搬送されている紙幣の厚みを検出するセンサである。制御部６０は、トリガーセンサ７０に紙幣の厚みを検出させることにより、紙幣の搬送状況に異常がないか確認することができ、その確認結果に応じて紙幣の搬送先を変更させることができる。
【００３０】
記憶部８０は、紙幣入出金装置１００の機能を実現させるための各種プログラムを予め記憶すると共に紙幣の管理情報を記憶する。記憶部８０には、例えば、上位装置からの指令によって出金取引における紙幣の出金処理、入金取引における紙幣の入金処理等の処理を実行する紙幣処理プログラムや、搬送路を搬送されている紙幣の管理を行い、鑑別部２０により紙幣の重送や連鎖等の搬送異常を検知したときに異常を修正する紙幣管理プログラム等が記憶されている。
【００３１】
また、記憶部８０は、鑑別部２０で識別された紙幣の記番号、当該紙幣の収納先、および収納先での収納順序を管理情報として記憶する。管理情報の一管理例を図２に示す。図２に示すように、管理情報は、紙幣収納庫４０の各収納ユニット（Ａ〜Ｄ）に収納されている紙幣の記番号からなる。このとき、記番号は、収納ユニットに収納されている順に記録される。例えば、図２の「記番号１」の紙幣が収納カセットの最下部に収納された紙幣、すなわち最初に当該収納カセットに収納された紙幣であり、その後、収納された紙幣の記番号を順に「記番号２」、「記番号３」、・・・とする。紙幣を収納していない収納カセット（図２では収納カセットＣ）については、管理情報は記録されていない。記憶部８０に記憶されたプログラムの実行や管理情報の書込／読出処理は、例えば制御部６０によって行われる。
【００３２】
＜２．紙幣入出金装置の紙幣返却処理＞
次に、図３および図４に基づいて、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による紙幣返却処理について説明する。なお、図３は、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による紙幣返却処理を示すフローチャートである。図４は、図３のステップＳ１７０の処理の詳細を示すフローチャートである。ここで、紙幣返却処理とは、顧客が接客口から投入した紙幣に対する顧客からの返却要求があった場合あるいは入金取引中で装置が故障した場合に、接客口を介して投入した現物を顧客に返却する処理をいう。
【００３３】
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、紙幣をリジェクト取込み部３０あるいは紙幣収納庫４０に収納する際に、鑑別部２０で鑑別された紙幣の記番号を読み取り、収納先における収納順序が特定できるように記憶部８０に管理情報として記録する。これにより、顧客が投入した紙幣と同一の紙幣の収納先や搬送状況を特定することが可能となる。したがって、例えば入金取引の途中でジャム等の故障が発生した場合にも、今回の入金取引で収納カセットに集積された紙幣のみを繰出し、顧客へ返却することも可能となる。以下では、少数の紙幣を返却する際の第１の紙幣返却処理と、多数の紙幣を返却する際の第２の紙幣返却処理とについて、具体例に沿って説明する。なお、第１の紙幣返却処理および第２の紙幣返却処理は、いずれも返却する紙幣の枚数によらず用いることができる。
【００３４】
［２−１．第１の紙幣返却処理］
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による第１の紙幣返却処理を、図３、図４、および図５〜図１３に基づき説明する。図５〜図１３は、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による第１の紙幣返却処理を説明する説明図である。
【００３５】
（紙幣入出金装置の一構成例）
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による第１の紙幣返却処理の説明に先立ち、図５に基づいて、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００の一構成例を説明する。例えば、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、図５に示すように、接客ユニット１１０と、収納カセット１２０（１２０ａ〜１２０ｄ）と、リジェクト・取込みユニット１３０とからなる。
【００３６】
接客ユニット１１０は、ユーザとの紙幣の受け渡しを行うユニットであり、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口１１１と、接客口１１１と収納カセット１２０、リジェクト・取込みユニット１３０とを接続する搬送路１１２とを備える。また、接客ユニット１１０の搬送路１１２の路上には、切替機構１１３ａ、１１３ｂ、１１３ｃと、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ１１４、厚みセンサ１１５、反射型イメージセンサ１１６、磁気センサ１１７が設けられている。透過型イメージセンサ１１４、厚みセンサ１１５、反射型イメージセンサ１１６、磁気センサ１１７をまとめて鑑別部２０ともいう。また、反射型イメージセンサ１１６は、紙幣５の記番号を取得する記番号取得部として機能する。
【００３７】
さらに、本実施形態に係る接客ユニット１１０は、隣接する収納カセット１２０ａと切替機構１１３ｃとの間に、収納カセット１２０から出金された紙幣の厚みを識別する厚みセンサ１１８を備える。厚みセンサ１１８は、紙幣の搬送状態（重送、連鎖、接近、スキュー等）を検出する走行センサと同一のセンサ、あるいは、異なるセンサのいずれかで構成することとしても良い。これらのセンサは、例えば、光学センサ、超音波センサ、または磁気センサ等のセンサ部品、あるいはこれらのセンサ部品とローラ等の厚み検出機構との組合せで構成される。この厚みセンサ１１８により、各収納カセット１２０ａ〜１２０ｄから繰出された紙幣の厚みを識別することができるので、各収納カセット１２０ａ〜１２０ｄにそれぞれ厚みセンサを設ける必要がない。これにより、装置の部品数を削減することができ、より構成を簡略化できるとともに安価な装置を実現することができる。
【００３８】
接客ユニット１１０の搬送路１１２は、接客口１１１の紙幣繰出口から繰出される紙幣の搬送路と接客口１１１の紙幣繰出口へ繰入れられる紙幣の搬送路とがある。これらの搬送路は、接客ユニット１１０の搬送路１１２上に設けられた第１の切替機構１１３ａにより、接客口１１１側で分岐し、収納カセット１２０側で合流している。接客ユニット１１０の搬送路１１２上には、第１の切替機構１１３ａから収納カセット１２０側に向かって第２の切替機構１１３ｂと第３の切替機構１１３ｃとが設けられている。第２の切替機構１１３ｂは、接客ユニット１１０の鑑別部２０または厚みセンサ１１８により異常が検知された異常紙幣がリジェクト・取込みユニット１３０のリジェクト媒体収納庫１３２へ搬送されるように搬送路１１２を切替える。第３の切替機構１１３ｃは、接客口１１１から取忘れられた紙幣がリジェクト・取込みユニット１３０の取忘れ媒体収納庫１３４へ搬送されるように搬送路１１２を切替える。
【００３９】
これらの切替機構１１３ａ〜１１３ｃによって紙幣の走行経路を切替えることができるので、搬送路１１２および搬送路１１２上に設けられる各センサの配置の自由度が増す。
【００４０】
接客ユニットの鑑別部２０を構成する透過型イメージセンサ１１４は紙幣の真偽判定処理を行い、厚みセンサ１１５は紙幣の重送を識別する。また、反射型イメージセンサ１１６は例えば紙幣の番号チェックを行い、この検出結果より現物を管理することができる。なお、本実施形態に係る鑑別部２０はこれらの４つのセンサから構成されるが、本発明はかかる例に限定されず、鑑別処理に応じて適宜変更することができる。鑑別部２０を構成する各センサは、データ処理に時間を要するセンサほど接客口１１１側に配置される。本実施形態では、紙幣の真偽判定に用いる透過型イメージセンサ１１４が最も接客口１１１側に配置される。これは、優先度の高いデータから順に取得して、紙幣の分岐判定処理前に当該処理を完了させることができるので、装置全体として搬送路の短縮化（最適化）を図ることができる。
【００４１】
このように各センサを搬送路１１２上に配置することで、搬送処理に応じて必要なセンサを通過した時点で紙幣を所定の搬送経路に導くことができる。これにより、搬送路１１２を短縮し、簡素化することができる。また、本実施形態に係る接客ユニット１１０は紙幣を鑑別する機能を備えているため、従来のように別途鑑別部ユニットを設ける必要がない。これにより装置を構成するユニット数を削減することができ、搬送経路も短縮することができる。
【００４２】
収納カセット１２０は、紙幣を収納する収納部１２１と、紙幣を接客ユニット１１０や前後に配置されている収納カセット１２０との間で双方向の紙幣の受け渡しを可能にする第１の搬送路１２２と、収納部１２１から紙幣を繰出す繰出機構および収納部１２１へ紙幣を集積する集積機構を備える第２の搬送路１２３とを備える。また、収納カセット１２０は、紙幣の搬送先を切替えるための切替機構１２４を備える。本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、４つの収納カセット１２０ａ〜１２０ｄが水平方向に配列された状態で設けられており、各収納カセット１２０ａ〜１２０ｄは同一に構成されている。なお、紙幣入出金装置１００に設けられる収納カセット１２０の数はかかる例に限定されず、例えば紙幣の種別数に応じて設置することができる。また、収納カセット１２０ａ〜１２０ｄのうち少なくとも１つは、当該収納カセット１２０の切替機構１２４を紙幣の走行を３方向に切替可能な切替機構としてもよい。
【００４３】
リジェクト・取込みユニット１３０は、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫１３２と、ユーザが取忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫１３４とを備える。接客ユニット１１０の切替機構１１３ｂ、１１３ｃによる切替によりリジェクト・取込みユニット１３０にリジェクトされた紙幣や取忘れられた紙幣が収納される。
【００４４】
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００では、例えば接客ユニット１１０の下部にリジェクト・取込みユニット１３０が配置され、接客ユニット１１０の下部側の一側面と収納カセット１２０ａの上部側の一側面とが対向するように収納カセット１２０ａが配置される。収納カセット１２０ａ〜１２０ｄは、上述したように水平方向に隣接して配置される。このように接客ユニット１１０、収納カセット１２０ａ〜１２０ｄおよびリジェクト・取込みユニット１３０を配置することで、接客ユニット１１０内で紙幣を搬送する過程で異常が検知された紙幣やユーザが取忘れた紙幣をリジェクト・取込みユニット１３０へ搬送することができるとともに、収納カセット１２０に収納可能な紙幣のみを収納カセット１２０へ搬送することができる。また、各収納カセット１２０ａ〜１２０ｄの上部側にて各カセットの第１の搬送路１２２を連結することで、別途の搬送ユニットを設けることなく、搬送されている紙幣を対応する収納カセット１２０に搬送し収納することができる。
【００４５】
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、少ない構成ユニットで当該装置に要求される処理を実施することができる。装置を構成するユニット数を削減することで紙幣の搬送路長が短くなり、搬送モータや搬送ローラ、駆動伝達部品、搬送ガイド、走行センサ等の部品も削減することができるので、装置の構成が簡略化することができ安価な装置を実現することができる。また、ユニット数を削減することで、ユニットの開閉作業やジャム除去作業が必要となる箇所が少なくなり、操作性も向上させることができる。さらに、搬送路長を短くすることで、装置から発生する音も小さくすることができる。
【００４６】
また、収納カセット１２０の上方にユニットが存在しないように各ユニットを配置することで、収納カセット１２０の脱着操作性が向上するだけでなく、上部のユニットと下部のユニットとを別々に引き出す必要がなくなり、レール部材やロック機構部材をそれぞれ設ける必要もなくなる。さらに、上部のユニットの動作を制御する基板と下部のユニットの動作を制御する基板とが別々に設けられている場合には、基板を一体にすることが可能となる。このため、機能が重複する電子部品や基板間を接続するコードやコードガイド部材を削除することができるので、装置の構成を簡略化することができ安価な装置を実現することができる。ユーザの要求に合わせて収納カセットを増設する場合に、軽微な変更で対応できるという利点もある。
【００４７】
さらに、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００では、収納カセット１２０から出金される紙幣の厚みを識別する厚みセンサを接客ユニット１１０に１つにまとめる構成としたため、装置の部品数をより少なくすることができ、簡略化された安価な装置を実現することが可能となる。
【００４８】
（紙幣返却処理）
次に、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００における第１の紙幣返却処理について、具体的に説明する。まず、図３に示すように、紙幣入出金装置１００の接客口１１１に紙幣５が投入されたとする（Ｓ１００）。例えば図５に示すように、紙幣入出金装置１００の接客口１１１に、収納カセット１２０ｄに収納されるべき記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」の紙幣５が投入されたとする。このとき、収納カセット１２０ｄには、記番号「Ａ０００１」、・・・、「Ａ００９８」、「Ａ００９９」の紙幣５が既に収納されているとする。
【００４９】
接客口１１１に投入された紙幣５（以下、「投入紙幣６」とする）は、搬送路１１２を搬送され、搬送路上に設けられた接客ユニット１１０内の透過型イメージセンサ１１４、厚みセンサ１１５、反射型イメージセンサ１１６、磁気センサ１１７により鑑別されると共に、搬送されている投入紙幣６の記番号が読み取られる（Ｓ１１０）。そして、紙幣入出金装置１００の制御部６０は、鑑別部２０の鑑別結果に基づいて、搬送部５０を駆動制御し、投入紙幣６の金種に対応する収納カセット１２０に投入紙幣６を収納する（Ｓ１２０）。例えば、図５に示した記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」の投入紙幣６が収納カセット１２０ｄに収納される場合には、制御部６０は、搬送部５０を駆動制御し、記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」の投入紙幣６を図６に示すように収納カセット１２０ｄに収納する。
【００５０】
また、紙幣入出金装置１００の制御部６０は、ステップＳ１１０にて読み取った投入紙幣６の記番号を、当該投入紙幣６の収納先における集積順序とともに記憶部８０に記録する（Ｓ１３０）。例えば図６に示すように収納カセット１２０ｄに記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」の投入紙幣６が収納された場合、記憶部８０には、収納カセット１２０ｄに関する管理情報（紙幣の記番号、および収納順序）として、既に収納カセット１２０ｄに収納されている紙幣５（以下、「装置内紙幣７」とする）の記番号「Ａ０００１」、・・・、「Ａ００９８」、「Ａ００９９」の次に投入紙幣６の記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」を記録する。なお、投入紙幣６が入金される以前に、装置内紙幣７のうち、最上部に位置する（すなわち最も新しく収納された）装置内紙幣７の記番号「Ａ００９９」と、投入紙幣６の記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」とは、異なる管理情報として記憶されているものとする。これにより、制御部６０は、収納カセット１２０ｄ内に集積された投入紙幣６と装置内紙幣７の境界が把握できる。
【００５１】
その後、紙幣入出金装置１００の制御部６０は、入金処理が確定する前に、投入紙幣６の返却要求があったか否かを判定する（Ｓ１４０）。ステップＳ１４０の返却要求としては、当該投入紙幣６を入金した顧客からの返却要求や、入金取引の途中で装置が故障したことによる制御部６０からの返却指令等が考えられる。入金処理が確定する前に、投入紙幣６の返却要求があった場合には、紙幣返却処理が実行される（Ｓ１５０）。
【００５２】
例えば、図６のように収納カセット１２０ｄに投入紙幣６が収納されているとき、制御部６０は、投入紙幣６を収納カセット１２０ｄから接客ユニット１１０の接客口１１１へ搬送するため、まず、収納カセット１２０ｄから記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」の投入紙幣６を繰出す。そして、収納カセット１２０ｃ〜１２０ａの搬送路１２２を経由して接客ユニット１１０へ搬送される。
【００５３】
接客ユニット１１０へ搬送された投入紙幣６は、厚みセンサ１１８にてその厚みが検出され、また鑑別部２０により収納カセット１２０ｄから接客口１１１へ搬送される投入紙幣６の記番号が読み取られる。制御部６０は、これらの情報のうち少なくともいずれか１つを用いて、投入紙幣６とともに装置内紙幣７が誤って接客口１１１に搬送されていないか否かを判定する（Ｓ１６０）。すなわち、ステップＳ１６０では、重送等により搬送すべき投入紙幣６とともに収納カセット１２０ｄ内に収納されておくべき装置内紙幣７が連れ出されていないか否かを判定する。
【００５４】
連れ出された装置内紙幣７の有無は、例えば、厚みセンサ１１８により検出された厚みが紙幣５の１枚分の厚みより大きいか否かにより判別できる。厚みセンサ１１８により検出された厚みが紙幣５の１枚分の厚みより大きい場合には、複数の紙幣５が重送している可能性が高く、投入紙幣６に連れ出された装置内紙幣７があると判定することができる。あるいは、鑑別部２０により取得された記番号に基づいて投入紙幣６の記番号以外の記番号があるか否かを判定し、投入紙幣６の記番号以外の記番号がある場合には、投入紙幣６に連れ出された装置内紙幣７があると判定することができる。
【００５５】
ステップＳ１６０にて収納カセット１２０ｄ内に収納されておくべき装置内紙幣７が連れ出されていると判定した場合、制御部６０は、連れ出された装置内紙幣７を今回入金された返却すべき投入紙幣６から剥がして収納カセット１２０ｄに再び収納する処理を行う（Ｓ１７０）。例えば、図７に示すように、今回入金された投入紙幣６のうち、最初に収納カセット１２０ｄに収納された記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６に隣接していた記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７が連れ出されたとする。記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７は顧客に返却すべき投入紙幣６ではないため、ステップＳ１７０の処理により、記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７を元々収納されていた収納カセット１２０ｄへ搬送し収納する。
【００５６】
連れ出された装置内紙幣７の剥し処理は、図４に示すように、まず、接客口１１１の紙幣５の１枚を鑑別部２０へ搬送する（Ｓ１７１）。制御部６０は、例えば図７に示す接客口１１１内の紙幣５のうち接客口１１１の紙幣繰出口側にある紙幣５の１枚（すなわち、図７における記番号「Ａ０１０１」の投入紙幣６）を、紙幣繰出口から繰出し搬送路１１２へ搬送する。接客口１１１から搬送された紙幣５の１枚は、鑑別部２０へ搬送され、その記番号が読み取られる（Ｓ１７２）。次いで、制御部６０は、ステップＳ１７２で読み取られた紙幣５の記番号が、紙幣入出金装置１００内に既に収納されていた装置内紙幣７の記番号であるか否かを判定する（Ｓ１７３）。このとき制御部６０は、記憶部８０に記憶された管理情報としての紙幣の記番号、および収納順序等を参照し、ステップＳ１７２で読み取られた紙幣５の記番号が、装置内紙幣７の記番号（管理情報）と一致するか否かにより判定を行なう。あるいは、ステップＳ１７２で読み取られた紙幣５の記番号が投入紙幣６の記番号（管理情報）と一致するか否かにより判定することとしてもよい。
【００５７】
ステップＳ１７３において、ステップＳ１７２で読み取られた紙幣５の記番号が投入紙幣６の記番号と一致しない場合（すなわち、管理情報としての装置内紙幣７の記番号と一致する場合）には、当該紙幣５は投入紙幣６ではないと判定し、元々収納されていた収納カセット１２０へ搬送する（Ｓ１７４）。一方、ステップＳ１７３において、ステップＳ１７２で読み取られた紙幣５の記番号が投入紙幣６の記番号と一致する場合（すなわち、管理情報としての装置内紙幣７の記番号と一致しない場合）には、当該紙幣５は投入紙幣６であると判定し、接客口１１１へ搬送する（Ｓ１７５）。
【００５８】
１枚の紙幣５について記番号の確認を終えると、制御部６０は、接客口１１１に収納されている紙幣５から連れ出された装置内紙幣７が全て収納カセット１２０に戻されたか否かを判定する（Ｓ１７６）。連れ出された装置内紙幣７が全て収納カセット１２０に戻されたか否かは、収納カセット１２０から接客口１１１に搬送された紙幣５の記番号から判定することができる。ステップＳ１７６にて収納カセット１２０にまだ戻されていない連れ出された装置内紙幣７が存在すると判定した場合には、ステップＳ１７１からの処理を繰り返す。一方、ステップＳ１７６にて連れ出された装置内紙幣７は全て収納カセット１２０に戻されたと判定した場合には、図４の処理を終了し、図３のステップＳ１８０の処理を実行する。
【００５９】
例えば、図７に示す例では、まず、図８に示すように接客口１１１の紙幣繰出口側にある記番号「Ａ０１０１」の紙幣５が繰出されて搬送路１１２へ搬送される。そして、鑑別部２０にて記番号が読み取られると、管理情報にて管理されている記番号のマッチング処理が行われる。記番号「Ａ０１０１」の紙幣５は今回入金された投入紙幣６であるから、制御部６０は、図９に示すように、厚みセンサ１１８まで搬送された記番号「Ａ０１０１」の紙幣５をスイッチバックして接客口１１１の搬送路１１２を通り、紙幣繰入口から接客口１１１へ繰入れる。これにより、接客口１１１の内部には、紙幣繰出口側から順に、記番号「Ａ０１００」、「Ａ００９９」、「Ａ０１０１」の紙幣５が収納される。この時点で、連れ出された紙幣「Ａ００９９」はまだ収納カセット１２０ｄに戻されていないので、制御部６０は、接客口１１１の紙幣繰出口側にある記番号「Ａ０１００」の紙幣５の確認処理を続いて行う。
【００６０】
図１０に示すように、接客口１１１の紙幣繰出口側にある記番号「Ａ０１００」の紙幣５が繰出されて搬送路１１２へ搬送される。そして、鑑別部２０にて記番号が読み取られると、管理情報にて管理されている記番号のマッチング処理が行われる。記番号「Ａ０１００」の紙幣５も今回入金された投入紙幣６であるから、制御部６０は、図１１に示すように、厚みセンサ１１８まで搬送された記番号「Ａ０１００」の紙幣５をスイッチバックして接客口１１１の搬送路１１２を通り、紙幣繰入口から接客口１１１へ繰入れる。これにより、接客口１１１の内部には、紙幣繰出口側から順に、記番号「Ａ００９９」、「Ａ０１０１」、「Ａ０１００」の紙幣５が収納される。この時点でも、連れ出された記番号「Ａ００９９」の紙幣５はまだ収納カセット１２０ｄに戻されていないので、制御部６０は、接客口１１１の紙幣繰出口側にある記番号「Ａ００９９」の紙幣５の確認処理を続いて行う。
【００６１】
図１２に示すように、接客口１１１の紙幣繰出口側にある記番号「Ａ００９９」の紙幣５が繰出されて搬送路１１２へ搬送される。そして、鑑別部２０にて記番号が読み取られると、管理情報にて管理されている記番号のマッチング処理が行われる。記番号「Ａ００９９」の紙幣５は既に収納カセット１２０ｄに収納されていた装置内紙幣７であるから、制御部６０は、当該紙幣５（記番号「Ａ００９９」）を図１３に示すように収納カセット１２０ａ〜１２０ｄの搬送路１２２を介して、収納カセット１２０ｄへ収納する。このように、紙幣の記番号と当該紙幣の収納カセット１２０における収納順序に基づいて、連れ出された装置内紙幣７を収納カセット１２０へ搬送することができる。これにて連れ出された全ての装置内紙幣７が収納カセット１２０ｄに戻されたことになる。
【００６２】
図３の説明に戻り、ステップＳ１７０にて連れ出された全ての装置内紙幣７が収納カセット１２０に戻されると、現在収納カセット１２０に収納されている装置内紙幣７の記番号および収納順序を確定する（Ｓ１８０）。これにより、記憶部１８０の管理情報（装置内紙幣７の記番号および収納順序）が更新される。ステップＳ１５０〜Ｓ１７０の処理により投入紙幣６が顧客に返却された場合には、管理情報は今回の入金取引が行われる前の状態で確定される。一方、ステップＳ１４０にて紙幣５の返却要求がない場合、あるいはステップＳ１６０にて紙幣の連れ出しがないと判定された場合には、管理情報（装置内紙幣７の記番号および収納順序）はステップＳ１８０によって今回入金された投入紙幣６を含めた情報に更新される。このようにして、収納カセット１２０に現在収納されている装置内紙幣７を正確に把握することができる。
【００６３】
以上、第１の紙幣返却処理について説明した。本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、紙幣５の入金取引時に、収納カセット１２０に収納されている装置内紙幣７の記番号と収納順序とを管理情報として記憶部８０に管理情報として記憶している。取引が完了するまでは、今回入金された投入紙幣６と収納カセット１２０に既に収納されていた装置内紙幣７とを区別している。第１の紙幣返却処理では、投入紙幣６の返却要求を受けて収納カセット１２０に収納された投入紙幣６を接客口１１１へ搬送する際に、今回入金された投入紙幣６とともに返却対象ではない装置内紙幣７が連れ出されたことを厚みセンサ１１８で検知すると、制御部６０は、接客口１１１に搬送された紙幣５に対して１枚ずつ記番号を読み取る。そして、制御部６０は、記憶部８０に記憶された管理情報に基づいて、連れ出された装置内紙幣７を特定し、収納カセット１２０へ戻す。このように、収納カセット１２０内の全ての装置内紙幣７を再鑑別することなく、今回の入金取引で投入された投入紙幣６、および連れ出された装置内紙幣７のみを再鑑別することにより、顧客の投入紙幣６を短時間で特定することが可能となる。
【００６４】
［２−２．第２の紙幣返却処理］
本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による第２の紙幣返却処理を、図３および図１４〜図２３に基づき説明する。図１４は、第２の紙幣返却処理における図３のステップＳ１７０の処理の詳細を示すフローチャートである。図１５〜図２３は、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００による第２の紙幣返却処理を説明する説明図である。第２の紙幣返却処理も、図３のフローチャートに沿って行われるが、第１の紙幣返却処理と比較してステップＳ１７０の処理が相違する。以下では、第１の紙幣返却処理と相違するステップＳ１７０の処理について主に説明し、第１の紙幣返却処理と同一の処理については簡単に説明する。また、図１５〜図２３に示す紙幣入出金装置１００の構成は、図６〜図１３に示した装置と同一構成である。
【００６５】
（紙幣返却処理）
まず、図３に示すように、紙幣入出金装置１００の接客口１１１に紙幣５が投入されたとする（Ｓ１００）。例えば図１５に示すように、紙幣入出金装置１００の接客口１１１に、収納カセット１２０ｄに収納されるべき記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の投入紙幣６が投入されたとする。このとき、収納カセット１２０ｄには、記番号「Ａ０００１」、・・・、「Ａ００９８」、「Ａ００９９」の装置内紙幣７が既に収納されているとする。
【００６６】
接客口１１１に投入された投入紙幣６は、搬送路１１２を搬送され、搬送路上に設けられた接客ユニット１１０内の透過型イメージセンサ１１４、厚みセンサ１１５、反射型イメージセンサ１１６、磁気センサ１１７により鑑別されると共に、搬送されている投入紙幣６の記番号が読み取られる（Ｓ１１０）。そして、紙幣入出金装置１００の制御部６０は、鑑別部２０の鑑別結果に基づいて、搬送されている投入紙幣６の金種が収納されている収納カセット１２０へ紙幣５を搬送するように搬送部５０を駆動制御し、投入紙幣６を収納カセット１２０へ収納する（Ｓ１２０）。例えば、図１５に示した記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の金種の投入紙幣６が収納カセット１２０ｄに収納される場合には、制御部６０は、記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の投入紙幣６が収納カセット１２０ｄに収納されるように搬送部５０を駆動制御する。これにより、図１６に示すように、投入された記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の投入紙幣６は収納カセット１２０ｄに収納される。
【００６７】
また、紙幣入出金装置１００は、ステップＳ１１０にて読み取った投入紙幣６の記番号を、当該投入紙幣６の収納先における集積順序とともに記憶部８０に記録する（Ｓ１３０）。例えば図１６に示すように収納カセット１２０ｄに記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の投入紙幣６が収納された場合、記憶部８０には、収納カセット１２０ｄに関する管理情報（紙幣の記番号、および収納順序）として、装置内紙幣７の記番号「Ａ０００１」、・・・、「Ａ００９８」、「Ａ００９９」の次に投入紙幣６の記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」を記録する。なお、この段階では、投入紙幣６が入金される以前に、既に収納カセット１２０ｄに収納されている装置内紙幣７のうち、最上部に位置する（すなわち最も新しく収納された）装置内紙幣７の記番号「Ａ００９９」と、投入紙幣６の記番号記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」とは、異なる管理情報として記憶されているものとする。これにより、制御部６０は、収納カセット１２０ｄ内に集積された投入紙幣６と装置内紙幣７の境界が把握できる。
【００６８】
その後、紙幣入出金装置１００の制御部６０は、入金処理が確定する前に、投入紙幣６の返却要求があったか否かを判定する（Ｓ１４０）。入金処理が確定する前に、紙幣５の返却要求があった場合には、紙幣返却処理が実行される（Ｓ１５０）。
【００６９】
例えば、図１６のように収納カセット１２０ｄに今回入金された投入紙幣６が収納されているとき、制御部６０は、投入紙幣６を収納カセット１２０ｄから接客ユニット１１０の接客口１１１へ搬送するため、まず、収納カセット１２０ｄから記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の投入紙幣６を繰出す。そして、収納カセット１２０ｃ〜１２０ａの搬送路１２２を経由して接客ユニット１１０へ搬送される。
【００７０】
接客ユニット１１０へ搬送された投入紙幣６は、厚みセンサ１１８にてその厚みが検出され、また鑑別部２０により収納カセット１２０ｄから接客口１１１へ搬送される投入紙幣６の記番号が読み取られる。制御部６０は、これらの情報のうち少なくともいずれか１つを用いて、投入紙幣６とともに既に装置内に収納されていた装置内紙幣７が誤って接客口１１１に搬送されていないか否かを判定する（Ｓ１６０）。
【００７１】
ステップＳ１６０にて収納カセット１２０ｄ内に収納されておくべき装置内紙幣７が連れ出されていると判定した場合、制御部６０は、連れ出された装置内紙幣７を今回入金された返却すべき投入紙幣６から剥がして収納カセット１２０ｄに再び収納する処理を行う（Ｓ１７０）。例えば、図１７に示すように、今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０ｄに収納された記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６に隣接していた記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７が連れ出されたとする。記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７は顧客に返却すべき投入紙幣６ではないため、ステップＳ１７０の処理により、記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７を元々収納されていた収納カセット１２０ｄへ搬送し収納する。
【００７２】
連れ出された装置内紙幣７の剥し処理は、図１４に示すように、まず、接客口１１１にある紙幣５から、投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された投入紙幣６の直前の投入紙幣６までを収納カセット１２０へ再搬送する（Ｓ２７１）。制御部６０は、例えば図１７に示す接客口１１１内の紙幣５について、接客口１１１の紙幣繰出口側にある投入紙幣６のうち、最初に収納カセット１２０に収納された記番号「Ａ０１００」の直前の記番号「Ａ０１０１」の投入紙幣６までを、紙幣繰出口から繰出し搬送路１１２へ搬送する。すなわち、図１８に示すように、記番号「Ａ０１９９」、・・・、「Ａ０１０１」の投入紙幣６が収納カセット１２０ｄへ搬送され収納される。これらの投入紙幣６が搬送されるとき、制御部６０は鑑別部２０で記番号を読み取り、管理情報を参照して投入紙幣６であることを確認するとともに、記番号「Ａ０１０１」までの投入紙幣６が収納カセット１２０ｄに搬送されたことを確認する。ステップＳ２７１の処理により、接客口１１１には、２枚の紙幣５（すなわち、記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６と、記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７）が残る。
【００７３】
次いで、制御部６０は、接客口１１１の紙幣繰出口側にある１枚の紙幣５を鑑別部２０へ搬送する（Ｓ２７２）。図１９に示す例では、記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６が鑑別部２０へ搬送される。そして、鑑別部２０に搬送された投入紙幣６の記番号が読み取られる（Ｓ２７３）。さらに、制御部６０は、ステップＳ２７３で読み取られた投入紙幣６の記番号が、今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された紙幣５の記番号であるか否かを判定する（Ｓ２７４）。このとき制御部６０は、記憶部８０に記憶された管理情報としての紙幣の記番号、および収納順序等を参照し、ステップＳ２７３で読み取られた投入紙幣６の記番号が今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された投入紙幣６の記番号と一致するか否かを判定する。
【００７４】
ステップＳ２７４において、ステップＳ２７３で読み取られた投入紙幣６の記番号が、今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された紙幣５の記番号と一致しない場合には、当該投入紙幣６を収納していた収納カセット１２０へ搬送する（Ｓ２７５）。すなわち、今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された紙幣５ではないため、ステップＳ２７１の処理の続きとして、当該投入紙幣６を収納カセット１２０へ搬送する。そして、ステップＳ２７２からの処理を繰り返す。一方、ステップＳ２７４において、ステップＳ２７３で読み取られた投入紙幣６の記番号が今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された投入紙幣６の記番号（管理情報）と一致する場合には、当該投入紙幣６を接客口１１１へ搬送する（Ｓ２７６）。
【００７５】
図１９に示す例では、記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６は投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された投入紙幣６であることから、厚みセンサ１１８まで搬送された記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６をスイッチバックして接客口１１１の搬送路１１２を通り、紙幣繰入口から接客口１１１へ繰入れる。これにより、接客口１１１の内部には、図２０に示すように、紙幣繰出口側から順に記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７、記番号「Ａ０１００」の投入紙幣６が収納される。すなわち、連れ出された記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７が接客口１１１の紙幣繰出口側に位置することになる。
【００７６】
その後、制御部６０は、投入紙幣６のうち収納カセット１２０に再搬送されていた投入紙幣６を接客口１１１へ再び搬送する（Ｓ２７７）。これにより、図２１に示すように、収納カセット１２０に退避されていた投入紙幣６が接客口１１１に搬送されて、紙幣繰出口側から順に、記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７、記番号「Ａ０１００」、「Ａ０１０１」、・・・、「Ａ０１９９」の投入紙幣６と並んで収納されるようになる。
【００７７】
次いで、制御部６０は、接客口１１１の紙幣繰出口側にある１枚の紙幣５を鑑別部２０へ搬送する（Ｓ２７８）。図２１に示す例では、記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７が鑑別部２０へ搬送される。そして、鑑別部２０に搬送された装置内紙幣７の記番号が読み取られる（Ｓ２７９）。さらに、制御部６０は、ステップＳ２７９で読み取られた装置内紙幣７の記番号が、既に収納カセット１２０に収納されていた装置内紙幣７の記番号であるか否かを判定する（Ｓ２８０）。このとき制御部６０は、記憶部８０に記憶された管理情報としての紙幣の記番号、および収納順序等を参照し、ステップＳ２７９で読み取られた装置内紙幣７の記番号が既に収納カセット１２０に収納されていた装置内紙幣７の記番号と一致するか否かを判定する。
【００７８】
ステップＳ２８０にて、ステップＳ２７９で取得した記番号が既に収納カセット１２０に収納されていた装置内紙幣７の記番号（管理情報）のものと一致する場合には、連れ出された装置内紙幣７であるから、元々収納されていた収納カセット１２０へ当該装置内紙幣７を搬送し（Ｓ２８１）、図１４に示す処理を終了する。一方、仮にステップＳ２８０にて、ステップＳ２７９で取得した記番号が既に収納カセット１２０に収納されていた装置内紙幣７の記番号（管理情報）と一致しない場合には、ステップＳ２７８からの処理を繰り返す。
【００７９】
例えば、図２２に示すように、接客口１１１の紙幣繰出口側にある記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７が繰出されて搬送路１１２へ搬送される。そして、鑑別部２０にて記番号が読み取られると、管理情報にて管理されている記番号のマッチング処理が行われる。記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７は既に収納カセット１２０ｄに収納されていた装置内紙幣７であるから、制御部６０は、当該記番号「Ａ００９９」の装置内紙幣７を図２３に示すように収納カセット１２０ａ〜１２０ｄの搬送路１２２を介して、収納カセット１２０ｄへ収納する。このように、紙幣の記番号と当該紙幣の収納カセット１２０における収納順序に基づいて、連れ出された装置内紙幣７を収納カセット１２０へ搬送することができる。これにて連れ出された全ての装置内紙幣７が収納カセット１２０ｄに戻されたことになる。
【００８０】
図３の説明に戻り、ステップＳ１７０にて連れ出された全ての装置内紙幣７が収納カセット１２０に戻されると、現在収納カセット１２０に収納されている装置内紙幣７の記番号および収納順序を確定する（Ｓ１８０）。これにより、記憶部１８０の管理情報が更新される。ステップＳ１５０〜Ｓ１７０の処理により今回入金された紙幣５が顧客に返却された場合には、管理情報は今回の入金取引が行われる前の状態で確定される。一方、ステップＳ１４０にて紙幣５の返却要求がない場合、あるいはステップＳ１６０にて紙幣の連れ出しがないと判定された場合には、管理情報はステップＳ１８０によって装置内紙幣７に今回入金された投入紙幣６を含めた情報に更新される。このようにして、収納カセット１２０に現在収納されている装置内紙幣７を正確に把握することができる。
【００８１】
以上、第２の紙幣返却処理について説明した。本実施形態に係る紙幣入出金装置１００は、紙幣５の入金取引時に、収納カセット１２０に収納されている装置内紙幣７の記番号と収納順序とを管理情報として記憶部８０に管理情報として記憶している。取引が完了するまでは、今回入金された投入紙幣６と収納カセット１２０に既に収納されていた装置内紙幣７とを区別している。第２の紙幣返却処理では、投入紙幣６の返却要求を受けて収納カセット１２０に収納された投入紙幣６を接客口１１１へ搬送する際に、今回入金された投入紙幣６とともに返却対象ではない装置内紙幣７が連れ出されたことを厚みセンサ１１８で検知すると、制御部６０は、連れ出された装置内紙幣７を元々収納されていた収納カセット１２０へ戻し、今回入金された投入紙幣６のみが接客口１１１に収納されるようにする。
【００８２】
このため、制御部６０は、まず、今回入金された投入紙幣６のうち最初に収納カセット１２０に収納された投入紙幣６の直前の投入紙幣６までを収納カセット１２０へ再搬送する。次いで、接客口１１１に残されている紙幣５について、収納カセット１２０から連れ出された装置内紙幣７が接客口１１１の紙幣繰出口側に位置するようにした後、収納カセット１２０に再搬送された今回入金された投入紙幣６を接客口１１１へ再び搬送する。その後、接客口１１１の紙幣繰出口側に位置する収納カセット１２０から連れ出された装置内紙幣７を、収納カセット１２０に戻す。
【００８３】
このように、収納カセット１２０内の全ての装置内紙幣７を再鑑別することなく、今回の入金取引で投入された投入紙幣６のみを再鑑別することにより、顧客の投入紙幣を短時間で特定することが可能となる。特に、第２の紙幣返却処理では、今回入金された投入紙幣６の一部をまとめて一時退避させることで、第１の紙幣返却処理のように接客口１１１の装置内紙幣７を１枚ずつ鑑別して搬送する処理をしなくともよい。したがって、第１の紙幣返却処理に比べて処理時間をさらに短縮することができるので、返却対象の投入紙幣６の枚数が多いほど第２の紙幣返却処理を用いることによる効果が大きい。
【００８４】
［２−３．紙幣返却処理の利用］
第１の紙幣返却処理および第２の紙幣返却処理は、上述したように、顧客からの投入紙幣６の返却要求だけでなく、入金取引の途中でジャム等の故障が発生した場合にも用いることができる。故障発生後に装置が再鑑別可能な状態となれば、今回の入金取引により収納カセット１２０に集積された投入紙幣６だけを繰出して顧客へ返却する。この際、重送等により返却対象ではない装置内紙幣７が連れ出されても、上述の第１の紙幣返却処理または第２の紙幣返却処理を用いることで、返却対象の投入紙幣６のみを返却できる。なお、再鑑別が可能な状態とは、故障により装置が停止した場合に自動復旧動作によって搬送途中の紙幣５を接客口１１１に戻すリジェクト処理が可能であり、装置の運用を継続できる状態をいう。
【００８５】
再鑑別不可能な状態であれば、すなわち、装置を自動復旧させることができず紙幣５の搬送ができない状態であれば、オペレータに今回の入金取引で集積した投入紙幣６の記番号と収納された収納カセット１２０とを通知する。これにより、オペレータは顧客が投入した投入紙幣６を確実に特定することができ、当該投入紙幣６の返却が可能となる。この際、紙幣入出金装置１００には、オペレータに今回の入金取引で集積した投入紙幣６の記番号および収納された収納カセット１２０を通知するための通知部が設けられているとする。通知部としては、例えば情報を表示する表示部や音声情報を出力する音声出力部等を用いることができる。
【００８６】
また、本実施形態に係る紙幣入出金装置１００のように、鑑別部２０により紙幣の記番号を取得して、入金された投入紙幣６の記番号と収納先での収納順序とを管理情報として記憶部８０に記憶することで、装置内における投入紙幣６の状態を把握することができる。したがって、例えば停電等によって装置の機能がダウンしても、装置の機能が復旧した後に鑑別部２０のイメージセンサで搬送路上にある紙幣５の記番号を読み取ることで、接客口１１１に取り忘れられた投入紙幣６の有無を認識することができる。
【００８７】
＜３．紙幣入出金装置の変形例＞
本実施形態に係る第１の紙幣返却処理および第２の紙幣返却処理は、例えば図５等に示した構成の紙幣入出金装置１００以外の紙幣入出金装置においても適用することができる。紙幣入出金装置の他の構成例を図２４〜図２７に示す。以下では、上述した紙幣入出金装置１００との相違点について主に説明し、同一の構成箇所については詳細な説明を省略する。
【００８８】
［３−１．構成例１］
まず、図２４に示す紙幣入出金装置２００は、図５等に示す紙幣入出金装置１００と比較して、接客ユニット１１０に１つ設けられていた厚みセンサ１１８の代わりに、各収納カセット２２０ａ〜２２０ｄにそれぞれ厚みセンサ２２４を設けた点で相違する。すなわち、紙幣入出金装置２００は、図２４に示すように、接客ユニット２１０と、収納カセット２２０（２２０ａ〜２２０ｄ）と、リジェクト・取込みユニット２３０とからなる。
【００８９】
接客ユニット２１０は、顧客との紙幣の受け渡しを行うユニットである。接客ユニット２１０は、図２４に示すように、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口２１１を有しており、接客口２１１と収納カセット２２０、リジェクト・取込みユニット２３０とは搬送路２１２により接続されている。搬送路２１２の路上には、紙幣の搬送先を切替えるための切替機構２１３ａ、２１３ｂ、２１３ｃが設けられており、さらに、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ２１４、厚みセンサ２１５、反射型イメージセンサ２１６、磁気センサ２１７が設けられている。透過型イメージセンサ２１４、厚みセンサ２１５、反射型イメージセンサ２１６、磁気センサ２１７をまとめて鑑別部２０ともいう。接客ユニット２１０は、厚みセンサ１１８の機能以外については、紙幣入出金装置１００の接客ユニット１１０と同様に機能する。
【００９０】
収納カセット２２０は、紙幣を収納する収納部２２１と、紙幣を接客ユニット２１０や前後に配置されている収納カセット２２０との間で双方向の紙幣の受け渡しを可能にする第１の搬送路２２２と、収納部２２１から紙幣を繰出す繰出機構および収納部２２１へ紙幣を集積する集積機構を備える第２の搬送路２２３とを備える。また、収納カセット２２０は、入出金される紙幣の厚みを識別する厚みセンサ２２４と、紙幣の搬送先を切替えるための切替機構２２５とを備える。紙幣入出金装置２００には４つの収納カセット２２０ａ〜２２０ｄが水平方向に配列された状態で設けられており、各収納カセット２２０ａ〜２２０ｄは同一に構成されている。ここで、厚みセンサ２２４は、紙幣入出金装置１００の厚みセンサ１１８と同様に構成することができる。
【００９１】
なお、紙幣入出金装置２００に設けられる収納カセット２２０の数はかかる例に限定されず、例えば紙幣の種別数に応じて設置することができる。また、収納カセット２２０ａ〜２２０ｄのうち少なくとも１つは、当該収納カセット２２０の切替機構２２５を紙幣の走行を３方向に切替可能な切替機構としてもよい。
【００９２】
リジェクト・取込みユニット２３０は、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫２３２と、顧客が取忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫２３４とを備える。接客ユニット２１０の切替機構２１３ｂ、２１３ｃによる切替によりリジェクト・取込みユニット２３０にリジェクトされた紙幣や取忘れられた紙幣が収納される。
【００９３】
［３−２．構成例２］
次に、図２５に示す紙幣入出金装置３００は、図２４等に示す紙幣入出金装置２００と比較して、各収納カセット２２０ａ〜２２０ｄに設けられていた第１の搬送路２２２、厚みセンサ２２４および切替機構２２５を収納カセットと別のユニットにまとめた点で相違する。紙幣入出金装置３００は、図２５に示すように、接客ユニット３１０と、収納カセット３２０（３２０ａ〜３２０ｄ）と、リジェクト・取込みユニット３３０と、搬送ユニット３４０とからなる。
【００９４】
接客ユニット３１０は、顧客との紙幣の受け渡しを行うユニットであり、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口３１１と、接客口３１１と搬送ユニット３４０、リジェクト・取込みユニット３３０とを接続する搬送路３１２とを備える。また、接客ユニット３１０の搬送路３１２の路上には、切替機構３１３ａ、３１３ｂ、３１３ｃと、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ３１４、厚みセンサ３１５、反射型イメージセンサ３１６、磁気センサ３１７が設けられている。
【００９５】
収納カセット３２０は、紙幣を収納する収納部３２１と、収納部３２１から紙幣を繰出す繰出機構および収納部３２１へ紙幣を集積する集積機構を備える搬送路３２２とを備える。紙幣入出金装置３００にも４つの収納カセット３２０ａ〜３２０ｄが水平方向に配列された状態で設けられており、各収納カセット３２０ａ〜３２０ｄは同一に構成されている。なお、紙幣入出金装置３００に設けられる収納カセット３２０の数はかかる例に限定されず、例えば紙幣の種別数に応じて設置することができる。
【００９６】
リジェクト・取込みユニット３３０は、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫３３２と、顧客が取忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫３３４とを備える。リジェクト・取込みユニット３３０は、図５等のリジェクト・取込みユニット１３０と同様に構成することができる。
【００９７】
搬送ユニット３４０は、接客ユニット３１０と各収納カセット３２０ａ〜３２０ｄとを接続し、双方向に紙幣を搬送する機構を有する。具体的には、搬送ユニット３４０は、図２５に示すように、搬送路３４２と、切替機構３４４ａ、３４４ｂ、３４４ｃと、厚みセンサ３４６とからなる。搬送路３４２は、各収納カセット３２０へ紙幣を繰入れ、または、各収納カセット３２０から繰出された紙幣を接客ユニット３１０へ搬送する。切替機構３４４ａ、３４４ｂ、３４４ｃは、搬送路３４２を各収納カセット３２０ａ〜３２０ｄに選択切替する。なお、搬送ユニット３４０の切替機構３４４ａ、３４４ｂ、３４４ｃのうち少なくとも１つを、紙幣の走行を３方向に切替可能な切替機構としてもよい。
【００９８】
［３−３．構成例３］
次に、図２６に示す紙幣入出金装置４００は、図２５等に示す紙幣入出金装置３００と比較して、接客ユニットの機能を２つに分離した点で相違する。紙幣入出金装置４００は、図２６に示すように、接客ユニット４１０と、収納カセット４２０（４２０ａ〜４２０ｄ）と、リジェクト・取込みユニット４３０と、第１の搬送ユニット４４０と、第２の搬送ユニット４５０とからなる。収納カセット４２０、リジェクト・取込みユニット４３０および第１の搬送ユニット４４０は、収納カセット３２０、リジェクト・取込みユニット３３０および搬送ユニット３４０と同一の構成・機能であるため、ここでは説明を省略する。
【００９９】
接客ユニット４１０および第２の搬送ユニット４５０は、図２５に示す接客ユニット３１０に対応する。接客ユニット３１０は大きなユニットであることから、図２６の紙幣入出金装置４００では各種センサ等が故障し保守員によるユニット交換作業が発生した場合の保守作業性を向上すべく、接客ユニット３１０を２つのユニットに分離している。これにより、各種センサの調整作業のようにユニット単位で作業を行う場合に、調整に使用するユニットが小さくなるため、調整作業性を向上させることができる。
【０１００】
具体的には、接客ユニット４１０は、顧客との紙幣の受け渡しを行うユニットであり、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口４１１と、接客口４１１と第２の搬送ユニット４５０とを接続する搬送路４１２とを備える。また、第２の搬送ユニット４５０は、紙幣を搬送する搬送路４５１と、搬送路４５１の路上に設けられた切替機構４５２ａ、４５２ｂ、４５２ｃ、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ４５３、厚みセンサ４５４、反射型イメージセンサ４５５、磁気センサ４５６とが設けられている。この際、接客ユニット４１０の接客口４１１の集積ローラの駆動伝達のため、接客口４１１の紙幣繰入口に接続される搬送路が接客ユニット４１０と搬送ユニット４５０とで分割される部分にジョイント機構（図示せず。）が追加されている。
【０１０１】
［３−４．構成例４］
図２７に示す紙幣入出金装置５００は、上記紙幣入出金装置１００、２００、３００、４００と比較して、残留紙幣収納庫５６０を備え、収納カセットまたは搬送ユニット内の少なくとも１つの切替機構が紙幣の走行を３方向に切替え可能である点で相違する。以下では、図２６に示す紙幣入出金装置４００と同一の構成および機能についての説明は簡潔に説明し、紙幣入出金装置４００との相違点について重点的に説明する。
【０１０２】
紙幣入出金装置５００は、図２７に示すように、接客ユニット５１０と、収納カセット５２０（５２０ａ〜５２０ｃ）と、リジェクト・取込みユニット５３０と、第１の搬送ユニット５４０と、第２の搬送ユニット５５０と、残留紙幣収納庫５６０とからなる。接客ユニット５１０、リジェクト・取込みユニット５３０および第２の搬送ユニット５５０は、接客ユニット４１０、リジェクト・取込みユニット４３０および第２の搬送ユニット４５０と同一の構成・機能であるため、ここでは説明を省略する。また、収納カセット５２０は、図２６の収納カセット４２０より１つ少ないが、各収納カセット５２０ａ〜５２０ｃの構成は収納カセット４２０ａ〜４２０ｄと同一の構成・機能であるため、この説明も省略する。
【０１０３】
紙幣入出金装置５００は、顧客が取引中にジャムなどのトラブルが発生し、保守員が装置内に残留した紙幣を除去しなければならなくなった場合に、顧客に返却する紙幣と、装置内の紙幣として顧客に返却しない紙幣とを切り分ける処理を容易にするために、残留紙幣収納庫５６０を備えている。残留紙幣収納庫５６０は、図２７に示すように、収納カセット４２０と同一の構成とすることができ、収納部５６１と搬送路５６２とを備える。そして、残留紙幣収納庫５６０を収納カセット４２０とともに水平方向に配列し、最も接客ユニット５１０に近い側に設けることで、一時的に紙幣を収納する収納庫として容易に機能させることができる。
【０１０４】
また、残留紙幣収納庫５６０を設けたことにより、第１の搬送ユニット５４０の切替機構のうち、残留紙幣収納庫５６０へ紙幣を搬送する切替機構５４３のみ、第２の搬送ユニット５５０、残留紙幣収納庫５６０および収納カセット５２０の３方向へ紙幣を移動できるように３方向切替機構となっている。他の切替機構５４４ａおよび５４４ｂは少なくとも２方向に切替可能であればよい。その他の第１の搬送ユニット５４０の構成は、図２６に示した第１の搬送ユニット４４０の構成と同一である。
【０１０５】
図２４〜図２７に示した構成の紙幣入出金装置２００〜５００に対して、図５等に示した紙幣入出金装置１００と同様に、図１に示す機能を備えさせることにより、図３、図４または図１４に示す紙幣返却処理を実現することができる。
【０１０６】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【０１０７】
例えば、上記実施形態では、紙幣返却処理を紙幣入出金装置に適用した場合について説明したが、本発明はかかる例に限定されず、例えば銀行の窓口装置（テラーマシン）にも適用可能である。
【０１０８】
また、上記実施形態では、取り扱う媒体を紙幣としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、上記実施形態に係る紙幣入出金装置は紙葉状の媒体に対して用いることができ、紙幣以外にも例えば債権や証券等のように、紙幣の記番号のように媒体個々を識別する情報を保持している媒体についても適用可能である。
【符号の説明】
【０１０９】
５ 紙幣
６ 投入紙幣
７ 装置内紙幣
１０ 入出金部
２０ 鑑別部
３０ リジェクト取込み部
４０ 紙幣収納庫
５０ 搬送部
６０ 制御部
７０ トリガーセンサ
８０ 記憶部
１００、２００、３００、４００、５００ 紙幣入出金装置
１１０、２１０、３１０、４１０、５１０ 接客ユニット
１２０、２２０、３２０、４２０、５２０ 収納カセット
１３０、２３０、３３０、４３０、５３０ リジェクト・取込みユニット
３４０、４４０、５４０ 搬送ユニット（第１の搬送ユニット）
４５０、５５０ 第２の搬送ユニット
５６０ 残留紙幣収納庫
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ユーザとの紙幣の取引をするための接客口から投入された紙幣を鑑別する鑑別部と、
前記紙幣の記番号を取得する記番号取得部と、
装置内における紙幣の搬送を制御する制御部と、
装置内の紙幣が収納される１または複数の収納カセット毎に、前記収納カセットに収納されている前記紙幣の記番号および当該紙幣の収納順序を管理情報として記憶する記憶部と、
を備え、
前記制御部は、前記鑑別部による鑑別結果に基づいて前記紙幣を対応する収納カセットへ搬送するとともに、前記紙幣の記番号および前記収納カセットにおける当該紙幣の収納順序とを管理情報として記憶部に記録することを特徴とする、紙幣入出金装置。
【請求項２】
前記記憶部は、ユーザとの紙幣の取引が確定した時点で、前記管理情報の更新を確定することを特徴とする、請求項１に記載の紙幣入出金装置。
【請求項３】
前記制御部は、
今回の取引における紙幣の返却要求に応じて、前記収納カセットに収納されている前記今回の取引における紙幣を前記接客口へ搬送するときに、前記鑑別部により前記紙幣の搬送異常の有無を検出し、
前記鑑別部により前記紙幣の搬送異常が検出された場合、前記収納カセットから前記接客口に搬送された前記紙幣の記番号を１枚ずつ取得し、前記管理情報に基づいて、前記今回の取引における紙幣のみを前記接客口に搬送することを特徴とする、請求項１または２に記載の紙幣入出金装置。
【請求項４】
前記制御部は、
今回の取引における紙幣の返却要求に応じて、前記収納カセットに収納されている前記今回の取引における紙幣を前記接客口へ搬送するときに、前記鑑別部により前記紙幣の搬送異常の有無を検出し、
前記鑑別部により前記紙幣の搬送異常が検出された場合、前記収納カセットから前記接客口に搬送された前記紙幣のうち、今回の取引における紙幣において最初に前記収納カセットに収納されていた紙幣以外の紙幣を一旦前記収納カセットに収納し、
前記収納カセットに残存する紙幣について記番号を１枚ずつ取得して、前記管理情報に基づいて、前記今回の取引における紙幣以外の紙幣が前記接客口の紙幣繰出口側に位置するように前記収納カセットに残存する紙幣の収納順序を変更させ、
前記収納カセットに一旦収納された前記今回の取引における紙幣を前記接客口へ再度搬送したのち、前記接客口の紙幣繰出口側に位置する前記今回の取引における紙幣以外の紙幣を前記収納カセットへ搬送することを特徴とする、請求項１または２に記載の紙幣入出金装置。
【請求項５】
ユーザに情報を通知する通知部をさらに備え、
前記制御部は、前記紙幣入出金装置に異常が発生したとき、異常発生後紙幣の再鑑別が可能な状態となった場合には、前記今回の取引における紙幣のみを前記接客口へ搬送し、異常発生後紙幣の再鑑別が不可能な状態となった場合には、前記通知部を介してユーザに前記今回の取引における紙幣の記番号および収納箇所を通知することを特徴とする、請求項１〜４のいずれか１項に記載の紙幣入出金装置。
【請求項６】
前記紙幣入出金装置は、
前記接客口と、前記接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える接客ユニットと、
紙幣を収納する収納部と、前記接客ユニットおよび隣接する他のユニットとの間を接続する第１の搬送路と、前記第１の搬送路と前記収納部との間で双方向に紙幣を搬送する第２の搬送路と、紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記収納部から繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える１または複数の前記収納カセットと、
前記接客ユニットおよび前記収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、
を備えることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか１項に記載の紙幣入出金装置。
【請求項７】
前記紙幣入出金装置は、
前記接客口と、前記接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部と、前記接客口へ繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える接客ユニットと、
紙幣を収納する収納部と、前記接客ユニットおよび隣接する他のユニットとの間を接続する第１の搬送路と、前記第１の搬送路と前記収納部との間で双方向に紙幣を搬送する第２の搬送路と、紙幣の走行経路を切替える切替機構とを備える１または複数の前記収納カセットと、
前記接客ユニットおよび前記収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、
を備えることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか１項に記載の紙幣入出金装置。
【請求項８】
前記紙幣入出金装置は、
前記接客口と、前記接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える接客ユニットと、
紙幣を収納する収納部と、前記収納部に対して双方向に紙幣を搬送する搬送路とを備える１または複数の前記収納カセットと、
前記接客ユニットと前記各収納カセットとの間を接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える１または複数の切替機構と、前記収納カセットから繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える搬送ユニットと、
前記接客ユニットおよび前記収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、
を備えることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか１項に記載の紙幣入出金装置。
【請求項９】
前記紙幣入出金装置は、
前記接客口と、隣接するユニットと前記接客口とを接続する搬送路とを備える接客ユニットと、
前記接客ユニットと紙幣の収納先とを接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える鑑別搬送ユニットと、
紙幣を収納する収納部と、前記収納部に対して双方向に紙幣を搬送する搬送路とを備える１または複数の前記収納カセットと、
前記鑑別搬送ユニットと前記各収納カセットとの間を接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える１または複数の切替機構と、前記収納カセットから繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える搬送ユニットと、
前記接客ユニットおよび前記収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、
を備えることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか１項に記載の紙幣入出金装置。
【請求項１０】
ユーザとの紙幣の取引をするための接客口から投入された紙幣を鑑別する鑑別ステップと、
前記紙幣の記番号を取得する記番号取得ステップと、
装置内における紙幣の搬送を制御する制御ステップと、
装置内の紙幣が収納される１または複数の収納カセット毎に、前記収納カセットに収納されている前記紙幣の記番号および当該紙幣の収納順序を管理情報として記憶部に記録する記録ステップと、
を含み、
前記制御ステップは、前記鑑別ステップにおける鑑別結果に基づいて前記紙幣を対応する収納カセットへ搬送するとともに、前記紙幣の記番号および前記収納カセットにおける当該紙幣の収納順序とを管理情報として記憶部に記録することを特徴とする、紙幣入出金制御方法。
【請求項１】
ユーザとの紙幣の取引をするための接客口から投入された紙幣を鑑別する鑑別部と、
前記紙幣の記番号を取得する記番号取得部と、
装置内における紙幣の搬送を制御する制御部と、
装置内の紙幣が収納される１または複数の収納カセット毎に、前記収納カセットに収納されている前記紙幣の記番号および当該紙幣の収納順序を管理情報として記憶する記憶部と、
を備え、
前記制御部は、前記鑑別部による鑑別結果に基づいて前記紙幣を対応する収納カセットへ搬送するとともに、前記紙幣の記番号および前記収納カセットにおける当該紙幣の収納順序とを管理情報として記憶部に記録することを特徴とする、紙幣入出金装置。
【請求項２】
前記記憶部は、ユーザとの紙幣の取引が確定した時点で、前記管理情報の更新を確定することを特徴とする、請求項１に記載の紙幣入出金装置。
【請求項３】
前記制御部は、
今回の取引における紙幣の返却要求に応じて、前記収納カセットに収納されている前記今回の取引における紙幣を前記接客口へ搬送するときに、前記鑑別部により前記紙幣の搬送異常の有無を検出し、
前記鑑別部により前記紙幣の搬送異常が検出された場合、前記収納カセットから前記接客口に搬送された前記紙幣の記番号を１枚ずつ取得し、前記管理情報に基づいて、前記今回の取引における紙幣のみを前記接客口に搬送することを特徴とする、請求項１または２に記載の紙幣入出金装置。
【請求項４】
前記制御部は、
今回の取引における紙幣の返却要求に応じて、前記収納カセットに収納されている前記今回の取引における紙幣を前記接客口へ搬送するときに、前記鑑別部により前記紙幣の搬送異常の有無を検出し、
前記鑑別部により前記紙幣の搬送異常が検出された場合、前記収納カセットから前記接客口に搬送された前記紙幣のうち、今回の取引における紙幣において最初に前記収納カセットに収納されていた紙幣以外の紙幣を一旦前記収納カセットに収納し、
前記収納カセットに残存する紙幣について記番号を１枚ずつ取得して、前記管理情報に基づいて、前記今回の取引における紙幣以外の紙幣が前記接客口の紙幣繰出口側に位置するように前記収納カセットに残存する紙幣の収納順序を変更させ、
前記収納カセットに一旦収納された前記今回の取引における紙幣を前記接客口へ再度搬送したのち、前記接客口の紙幣繰出口側に位置する前記今回の取引における紙幣以外の紙幣を前記収納カセットへ搬送することを特徴とする、請求項１または２に記載の紙幣入出金装置。
【請求項５】
ユーザに情報を通知する通知部をさらに備え、
前記制御部は、前記紙幣入出金装置に異常が発生したとき、異常発生後紙幣の再鑑別が可能な状態となった場合には、前記今回の取引における紙幣のみを前記接客口へ搬送し、異常発生後紙幣の再鑑別が不可能な状態となった場合には、前記通知部を介してユーザに前記今回の取引における紙幣の記番号および収納箇所を通知することを特徴とする、請求項１〜４のいずれか１項に記載の紙幣入出金装置。
【請求項６】
前記紙幣入出金装置は、
前記接客口と、前記接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える接客ユニットと、
紙幣を収納する収納部と、前記接客ユニットおよび隣接する他のユニットとの間を接続する第１の搬送路と、前記第１の搬送路と前記収納部との間で双方向に紙幣を搬送する第２の搬送路と、紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記収納部から繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える１または複数の前記収納カセットと、
前記接客ユニットおよび前記収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、
を備えることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか１項に記載の紙幣入出金装置。
【請求項７】
前記紙幣入出金装置は、
前記接客口と、前記接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部と、前記接客口へ繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える接客ユニットと、
紙幣を収納する収納部と、前記接客ユニットおよび隣接する他のユニットとの間を接続する第１の搬送路と、前記第１の搬送路と前記収納部との間で双方向に紙幣を搬送する第２の搬送路と、紙幣の走行経路を切替える切替機構とを備える１または複数の前記収納カセットと、
前記接客ユニットおよび前記収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、
を備えることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか１項に記載の紙幣入出金装置。
【請求項８】
前記紙幣入出金装置は、
前記接客口と、前記接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える接客ユニットと、
紙幣を収納する収納部と、前記収納部に対して双方向に紙幣を搬送する搬送路とを備える１または複数の前記収納カセットと、
前記接客ユニットと前記各収納カセットとの間を接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える１または複数の切替機構と、前記収納カセットから繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える搬送ユニットと、
前記接客ユニットおよび前記収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、
を備えることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか１項に記載の紙幣入出金装置。
【請求項９】
前記紙幣入出金装置は、
前記接客口と、隣接するユニットと前記接客口とを接続する搬送路とを備える接客ユニットと、
前記接客ユニットと紙幣の収納先とを接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える鑑別搬送ユニットと、
紙幣を収納する収納部と、前記収納部に対して双方向に紙幣を搬送する搬送路とを備える１または複数の前記収納カセットと、
前記鑑別搬送ユニットと前記各収納カセットとの間を接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える１または複数の切替機構と、前記収納カセットから繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える搬送ユニットと、
前記接客ユニットおよび前記収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、
を備えることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか１項に記載の紙幣入出金装置。
【請求項１０】
ユーザとの紙幣の取引をするための接客口から投入された紙幣を鑑別する鑑別ステップと、
前記紙幣の記番号を取得する記番号取得ステップと、
装置内における紙幣の搬送を制御する制御ステップと、
装置内の紙幣が収納される１または複数の収納カセット毎に、前記収納カセットに収納されている前記紙幣の記番号および当該紙幣の収納順序を管理情報として記憶部に記録する記録ステップと、
を含み、
前記制御ステップは、前記鑑別ステップにおける鑑別結果に基づいて前記紙幣を対応する収納カセットへ搬送するとともに、前記紙幣の記番号および前記収納カセットにおける当該紙幣の収納順序とを管理情報として記憶部に記録することを特徴とする、紙幣入出金制御方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【公開番号】特開２０１３−４１４２５（Ｐ２０１３−４１４２５Ａ）
【公開日】平成２５年２月２８日（２０１３．２．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１７７９７３（Ｐ２０１１−１７７９７３）
【出願日】平成２３年８月１６日（２０１１．８．１６）
【出願人】（００００００２９５）沖電気工業株式会社 (6,645)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年２月２８日（２０１３．２．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年８月１６日（２０１１．８．１６）
【出願人】（００００００２９５）沖電気工業株式会社 (6,645)
【Ｆターム（参考）】
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