紙幣整位機構および紙幣処理装置
【課題】長手方向の縁部に折れ曲がりや湾曲が生じている紙幣も整位できるようにする。
【解決手段】集積部に集積された紙幣の長手方向を整位する紙幣整位機構において、集積部に集積された紙幣Pの長手方向における一方の縁部が当接する基準面25と、紙幣の長手方向における他方の縁部に当接および離間可能であり、他方の縁部に当接する係合部221が形成された整位部材22cとを備え、係合部221は、紙幣の高さと略同じ高さに位置する境界部22dを上下方向の境として異なる形状を有する突出部で形成されている。
【解決手段】集積部に集積された紙幣の長手方向を整位する紙幣整位機構において、集積部に集積された紙幣Pの長手方向における一方の縁部が当接する基準面25と、紙幣の長手方向における他方の縁部に当接および離間可能であり、他方の縁部に当接する係合部221が形成された整位部材22cとを備え、係合部221は、紙幣の高さと略同じ高さに位置する境界部22dを上下方向の境として異なる形状を有する突出部で形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積される紙幣の整位を行う紙幣整位機構および紙幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の紙幣整位機構および紙幣処理装置は、計数や結束などの処理がされる複数の紙幣を集積手段内に積み重ねるようにして収容する際、給送される紙幣を集積手段内に順次積み重ねるように投入し、その紙幣の先端を先端規制部材によって規制した状態で給送される紙幣を載置部材上に順次集積し、堆積する紙幣の短手方向を強制的に整列するようにしている。また、給送される紙幣を集積する間、レバーの自由端に垂設された棒状または板状等の整位部材によって、給送される紙幣を先端規制部材の配置方向と直交する紙幣の長手方向に配置された側縁規制部材へ付勢させて紙幣の長手方向を強制的に整列するようにしている。
【0003】
一般に、紙幣は、使用されることにより、その表面に微細な毛羽立ちが発生し、また利用者の手垢等により汚損されるなどして、未使用の紙幣と比較して使用された紙幣にあっては、その表面の摩擦係数が増大され、積み重ねられた紙幣の相互間の摺動は必ずしも円滑であるとは限らない。また、紙幣は折り畳んで財布等に収納されることが繰り返して行われるため、紙幣自体に折り癖が付けられることとなり、なおかつ紙幣のコシもなくなる。
このような使用された紙幣を整位するとき、紙幣の折れ曲がりを防止するため、整位部材の外表面に、その縦断面形状において概ね鋸歯状をなし、内端を下方として一方向に傾斜する傾斜面を連続して形成するようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−270717号公報(段落「0017」〜段落「0018」、図3、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術においては、長手方向の縁部に折れ曲がりや湾曲が生じている紙幣を整位することができないことがあるという問題がある。
例えば、図13(a)に示すように、上方向に折れ曲がりや湾曲が生じている紙幣を整位部材122cで付勢すると、図13(b)に示すように、その紙幣は内端を下方として一方向に傾斜する傾斜面が連続して形成された鋸歯状の整位部材122cの溝に係止されず整位部材122cに乗り上げてしまい、図13(c)に示すように、集積される紙幣を整列することができないことがある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、長手方向の縁部に折れ曲がりや湾曲が生じている紙幣も整位できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、集積部に集積された紙幣の長手方向を整位する紙幣整位機構において、集積部に集積された紙幣の長手方向における一方の縁部が当接する基準面と、前記紙幣の長手方向における他方の縁部に当接および離間可能であり、前記他方の縁部に当接する係合部が形成された整位部材とを備え、前記係合部は、前記紙幣の高さと略同じ高さに位置する境界部を上下方向の境として異なる形状を有する突出部で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、長手方向の縁部に折れ曲がりや湾曲が生じている紙幣を、折れ曲がりや湾曲の状態に影響されずに整位できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例における紙幣処理装置の構成を示す概略側面図
【図2】実施例における紙幣処理装置の上部の構成を示す概略側面図
【図3】実施例における紙幣処理装置の外観斜視図
【図4】実施例における操作部の拡大平面図
【図5】実施例における集積機構の側面図
【図6】実施例における一時集積部の斜視図
【図7】実施例における移送機構の斜視図
【図8】実施例における紙幣結束機構の側面図
【図9】実施例における紙幣処理装置の制御構成を示すブロック図
【図10】実施例における一時集積部および長手整位機構の正面図
【図11】実施例における整位部材の係合部の断面図
【図12】実施例における変形例の一時集積部の正面図
【図13】従来例における一時集積部の正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による紙幣整位機構および紙幣処理装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、第1の実施例における紙幣処理装置の構成を示す概略側面図、図2は第1の実施例における紙幣処理装置の上部の構成を示す概略側面図、図3は第1の実施例における紙幣処理装置の外観斜視図、図4第1の実施例における操作部の拡大平面図である。
図1〜図4において、1は紙幣の投入部で、装置正面の上部に設けられている。2は紙幣の真偽や、金種、正損、表裏等の鑑別、及び計数を行うと共に、搬送異常の検出を行う鑑別部で、装置内に設けられている。3は紙幣の搬送路で、この搬送路3については後で説明する。4は紙幣の表裏反転を行う表裏反転部で、装置内の鑑別部2の後段に位置するように設けられている。
【0011】
5は結束対象外の金種の紙幣を集積するオープンポケットで、装置の上面に設けられており、このオープンポケット5に集積された紙幣はオペレータが直接アクセスできるものとなっている。本実施例では、オープンポケット5は一つであるが、二つ以上あっても良い。
【0012】
6は集積機構で、本実施例において、この集積機構6には縦1列に4つの一時集積部6a〜6dが並べて装置内に設けられており、各一時集積部6a〜6dにそれぞれ予め定められた枚数、例えば本実施例では100枚の紙幣が集積できるようになっている。なお、本実施例では、各一時集積部6a〜6dには、鑑別部2で鑑別された金種毎の紙幣を集積するものとし、また各一時集積部は、4つに限られることなく、3つ以下または5つ以上であってもよい。
【0013】
7は前記投入部1の一側に設けられた操作部で、この操作部7には紙幣の計数を指示する計数開始ボタン7a、装置の障害復旧時に装置を再稼働させるためのリセットボタン7b、計数及び結束処理の完了を指示する完了ボタン7cが設けられている。
8は鑑別部2で金種不明と鑑別されたり、あるいは搬送異常が検知されたりしたリジェクト紙幣を集積するリジェクトポケットで、前記投入部1の上方に設けられており、このリジェクトポケット8に集積された紙幣にオペレータが直接アクセスできるものとなっている。9は移送機構、10は紙幣結束機構で、両者とも装置内に設けられており、この両者については後で説明する。
【0014】
11は紙幣束の放出口、12は装置正面に設けられた扉で、この扉12を開けることでオペレータは集積機構にアクセスできるものとなっている。13は装置上面においてオープンポケット5の後方に位置するように設けられた操作表示部で、ディスプレイとその表面に配置したタッチパネルによって構成されており、オペレータはこの操作表示部13を操作してモードの指定や、一時集積部6a〜6dに集積する紙幣の金種や紙幣の種類、集積順序等の設定を行うものとなっている。
【0015】
また、この操作表示部13には鑑別部2で鑑別された紙幣の金種や正損及び計数結果等の表示も行われる。ここで搬送路3について説明する。装置内の上部において搬送路3は図2に示したように3a〜3eから成り、搬送路3aは投入部1から鑑別部2を経て分岐点Aにいたるように設けられ、搬送路3bは分岐点Aからリジェクトポケット8にいたるように設けられている。
【0016】
また、搬送路3cは分岐点Aから表裏反転部4を経て分岐点Bにいたるように設けられており、そして搬送路3dは分岐点Bから図1に示したように装置の下部に伸びて集積機構6の一時集積部6a〜6dに沿うように設けられ、更に搬送路3eは分岐点Bからオープンポケット5にいたるように設けられている。尚、分岐点A、Bのそれぞれの近傍には紙幣の搬送方向を切替える図示しない切替えブレードが設けられ、後述する制御部により動作制御されるものとなっている。
【0017】
図5は第1の実施例における集積機構の側面図である。
集積機構6には、前記のように4つの集積部としての一時集積部6a〜6dが上下方向に並べて配置されており、これらの一時集積部6a〜6dは同一の構造を有しているので、以下に一時集積部6aを例に取って説明する。搬送路3dにより搬送されてきた紙幣は、一時集積部6aの振り分けゲート27により集積板21に向かって取り込まれ、これにより一時集積部6aに侵入した紙幣は叩き車20により後部が叩かれて集積板21の上に集積されるものとなっている。また、以降侵入してくる紙幣に関しては、同様の動作で集積板21上に集積した紙幣の上に集積される。
【0018】
集積板21は、給送される紙幣を集積するものであり、図示しない回転角(一時集積部の移動量)を制御できるステッピングモータ等の駆動手段と、その駆動を伝達するギア等の駆動伝達手段と、集積板21上に集積された最上位の紙幣の位置(高さ)を検知する高さセンサとにより構成された昇降手段により、上下動(昇降)可能に構成されている。
したがって、集積板21上に紙幣が集積して行き、その集積された最上位の紙幣の高さが図示しない高さセンサにより基準値を越えたことが検知されると、後述する制御部は集積板21を昇降手段により下降させることができるようになっている。
【0019】
図6は第1の実施例における一時集積部の斜視図である。一時集積部6aに進入した紙幣は、前記叩き車20により叩かれるだけでなく、一時集積部6aの一側に設けられた長手整位機構22により長手方向の位置が揃えられ、更に一時集積部6aの前端側に設けられた短手整位機構23により短手方向の位置が揃えられる。
【0020】
一時集積部6aに集積された紙幣の長手方向を整位する紙幣整位機構としての長手整位機構22は、正逆両方向への回転が可能なモータ22aと、このモータに連結部材22bを介して連結されて紙幣の長手方向における一方の縁部に当接および離間可能に構成され、棒あるいは板状等の整位部材22cを備え、進入してくる紙幣を検知する図示しない進入センサの検知信号にタイミングをとってモータ22aにより整位部材22cを回動させることにより、反対側に設置され、一時集積部6aに集積された紙幣の長手方向における一方の縁部が当接する基準面25に、紙幣の縁部を押しつけることで紙幣の長手方向を整位するものとなっている。
【0021】
ここで、長手整位機構22を図10の実施例における一時集積部および長手整位機構の正面図を用いて説明する。なお、図10は、図6における一時集積部および長手整位機構を図中矢印Cが示す方向から見た図であり、一時集積部に集積された紙幣Pと整位部材22cとを示している。
【0022】
図10において、一時集積部の集積板21に積層された紙幣Pの長手方向の縁部に当接する整位部材22cの外表面には、紙幣Pと係合する係合部221が形成されている。この係合部221は、縦断面形状において略鋸歯状の凹凸部が連続した形状をなしており、集積板21上に積層された紙幣Pの積層方向(図中上下方向)における集積位置(高さ)と略同じ高さに位置する境界部22dを境として上下方向で異なる形状を有する突出部で形成されている。
【0023】
図11は、実施例における整位部材の係合部の断面図である。
図11において、整位部材22cの外表面に形成された係合部221は、境界部22dを境として境界部22dの上方向に紙幣の縁部に向けて突出した凸部(第1の凸部)222a、境界部22dの下方向に紙幣の縁部に向けて突出した凸部(第2の凸部)223aが、それぞれ所定の隙間を保持し、連続して複数配設されている。
【0024】
凸部222aは、集積される紙幣に向けて突出した形状に形成され、境界部22dに向いた面222bと、面222bの反対側の面222cと、境界部22dに近い部位が整位部材22cから離れ、境界部22dから離れた部位が整位部材22cに近づくように傾斜する傾斜面222dとが形成されている。
【0025】
また、凸部223aも集積される紙幣に向けて突出した形状に形成され、境界部22dに向いた面223bと、面223bの反対側の面223cと、境界部22dに近い部位が整位部材22cから離れ、境界部22dから離れた部位が整位部材22cに近づくように傾斜する傾斜面223dとが形成されている。
【0026】
境界部22dは、略矩形状に形成され、一時集積部に集積された紙幣に向けて平面状の当接部22eが形成されている。また、境界部22dは、上述した凸部222aと凸部223aとの間に隙間なく隣接して配置され、境界部22dの当接部22eと、上述した傾斜面222dおよび傾斜面223dとが連続するように形成されている。
なお、本実施例では、境界部22dの当接部22eは平面状に形成されたものとして説明するが、それに限られることなく、円弧形状や三角形状等であっても良い。
【0027】
図10(a)に示すように、上方に湾曲した紙幣Pを集積した場合、上方へ湾曲した紙幣Pの縁部が、図11に示す整位部材22cの凸部222aの面222b(水平面が下方を向いた面)に係合し、図10(b)に示すように、整位部材22cの外表面に折れ曲がって乗り上げることなく、既に集積された紙幣の縁部と整合される位置まで円滑に移動され、他方の縁部が基準面25に突き当てられて紙幣Pの長手方向が整位される。
【0028】
また、図10(c)に示すように、下方に湾曲した紙幣Pを集積した場合、下方へ湾曲した紙幣Pの縁部が、図11に示す整位部材22cの凸部223aの面223b(水平面が上方を向いた面)に係合し、図10(b)に示すように、整位部材22cの外表面に折れ曲がって巻き込まれることなく、既に集積された紙幣の縁部と整合される位置まで円滑に移動され、他方の縁部が基準面25に突き当てられて紙幣Pの長手方向が整位される。
なお、図10に示す集積板21は、上述した昇降手段により上下動可能に構成されているため、その昇降手段や高さセンサにより、集積板21に積層された紙幣Pの高さと、整位部材22cの境界部22dの高さとを整合させることができるようになっている。
【0029】
また、本実施例の変形例として図12に示すように、整位部材22cの外表面に、紙幣と係合するブラシまたは毛状の部材で構成された係合部224を形成するようにしても良い。この係合部224は、縦断面形状において一方向に傾斜して配設され、集積板上に積層された紙幣Pの積層方向(図中上下方向)における境界部22dを境界にして境界部22dより上方では、下方、すなわち境界部22dに向けて傾斜するように、連続して紙幣の縁部に向けて突出した毛状部材224a(第1の毛状部材)が複数配設され、また境界部22dより下方では、上方、すなわち境界部22dに向けて傾斜するように、連続して紙幣の縁部に向けて突出した毛状部材224b(第2の毛状部材)が複数配設される。
【0030】
図6の説明に戻り、短手整位機構23は、図示しないトーションスプリング等の付勢手段によって付勢された棒状部材により構成され、集積された紙幣を進入口側に付勢することにより整位するものとなっている。集積板21上に紙幣が集積して行き、その集積高さが図示しない高さセンサにより基準値を超えたことが検知されると、集積板21は自動的に下降して一時集積部6aの空間を広げ、この動作により皺や折り目等に起因する紙幣の状態によって集積高さが違っても安定して集積が行えるようになっている。
【0031】
なお、本実施例においては、高さセンサにより基準値を超えたことが検知されると集積板21を下降させるものとしているが、例えば進入センサにより一時集積部6aに進入する紙幣を検知するたび、または所定回数紙幣を検知すると集積板21を下降させるようにしても良い。
【0032】
集積板21の上方には押さえ板24が対向するように設けられ、この押さえ板24は集積板21上への紙幣の集積中は一時集積部6aの上端に待機しており、順次取り込まれる紙幣の進入の邪魔にならないようになっている。一時集積部6aの集積板21上に予め定められた枚数の紙幣、例えば100枚の紙幣が集積されると、ゲート振り分け機構27が紙幣を取り込まない姿勢に動作させ、101枚目以降の紙幣は一時集積部6b〜6dのいずれかへ集積するように制御される。
【0033】
紙幣の進入が停止した一時集積部6aでは集積板21を上昇させ、押さえ板24を下降させることにより紙幣を挟持する。この動作により皺等の紙幣の状態によって集積高さの異なる紙幣の厚みを一定にし、移動機構9への受渡しを容易にするようになっている。集積板21と押さえ板24により挟持された紙幣は、後述する移動機構9のハンド部が短手整位機構23側から一時集積部6aに進入して引き抜かれるようになっている。
尚、一時集積部6b〜6dも一時集積部6aと同様の構造になっているので、一時集積部6aと同様に紙幣を整位、集積、挟持することが可能である。
【0034】
図7は第1の実施例における移送機構の斜視図である。この移送機構9は、紙幣クランプ部30、クランプ部移動手段31、上下動手段32を備えている。
紙幣クランプ部30は上下方向に開閉するクランプ爪35a、35bを有し、この紙幣クランプ部30はクランプ部移動手段31上に搭載されていて、一時集積部6a〜6bからクランプ爪35a、35bで紙幣をクランプして引き抜くときは、クランプ部移動手段31がクランプ部30を一時集積部6a〜6bに対して押し出し、100枚の紙幣をクランプできる位置まで移動させるようになっている。
【0035】
クランプ部30とクランプ部移動手段31は上下動手段32により一時集積部6a〜6dの間を一体に上昇及び下降し、紙幣100枚の集積が完了した一時集積部6a〜6bのいずれか1つの前で停止するように制御されるものとなっている。そのため、上下動手段32のフレームには、一時集積部6a〜6dのそれぞれの位置に対応してポジションセンサ33a〜33dが配設されており、例えば、一時集積部6aに集積された紙幣を抜き取るときは、ポジションセンサ33aの位置まで上下動手段32によりクランプ部移動手段31が引き上げられる。
【0036】
引き上げられたクランプ部移動機構31は、クランプ部30が紙幣を一時集積部6aから抜き取る間、この位置に固定する必要があるので、ポジションセンサ33aで停止した位置で回転可能なストッパカム34がクランプ部移動手段31に係止して落下を防止するようになっている。この移送機構9の一連の動作を説明すると、例えば一時集積部6aに集積された紙幣を引き抜く場合、まず上下動手段32により紙幣クランプ部30をクランプ部移動機構31と共にポジションセンサ33aの位置まで上昇させ、ポジションセンサ33aがクランプ部移動機構31を検知した位置で上昇を停止させると同時にストッパカム34を回転させてクランプ部移動手段31に係止させる。
【0037】
これによってクランプ部移動手段31を一時集積部6aと対応する位置に固定し、この状態でクランプ移動機構31により紙幣クランプ部30のクランプ爪35a、35bを上下方向に開いて100枚の紙幣をクランプする準備を行い、更にクランプ移動機構31により紙幣クランプ部30を一時集積部6aの方向に押し出す。
【0038】
押し出された紙幣クランプ機構30のクランプ爪35a、35bは、一時集積部6aの短手整位機構23側に設けられている開口部に挿入され、集積板21と押さえ板24により挟持されている紙幣を上下から挟みつけて把持する。次に、集積板21と押さえ板24を開くことで、両者による紙幣の挟持を解除すると、これにより100枚の紙幣が紙幣クランプ部30に渡されたことになるので、クランプ爪35a、35bで紙幣を把持した紙幣クランプ部30をクランプ部移動手段31により引き戻す。
【0039】
このときクランプ爪35a、35bに把持された紙幣は一時集積部6aの短手整位機構23に当たるが、そのまま紙幣クランプ部30を引き戻すと短手整位機構23は紙幣の押圧力により付勢手段に抗して整位方向と逆の方向に倒れ、これにより紙幣は一時集積部6aからスムーズに抜き取られる。そして、紙幣クランプ部30が元の位置まで引き戻されると、クランプ部移動手段31に係止してストッパカム34が回転してその係止が解除され、紙幣を把持した紙幣クランプ部30と共にクランプ移動手段31が上下動手段32により移動経路の最下端に位置する紙幣結束機構10まで移動し、紙幣クランプ部30のクランプ爪35a、35bに把持された紙幣が紙幣結束機構10に引き渡される。
【0040】
図8は第1の実施例における紙幣結束機構の側面図である。この紙幣結束機構10は、ローラ及びベルト等から成る搬送手段40と、結束帯としての紙テープ等による結束用のテープ41と、印字手段42と、テープ41を供給する供給手段43と、テープ41を所定の長さに切断するカッター44と、図示しない結束手段とを備えており、以下のように紙幣を結束する。
【0041】
まず、紙幣結束機構10が移送機構9の紙幣クランプ部30から100枚の紙幣を一括して紙幣束として受け取り、その紙幣束を、長手方向と直交する短手方向に移動させる紙幣束搬送路で、紙幣束の短手方向にテープ41を巻き回して結束する位置に搬送する。テープ供給手段43はテープ41を前記結束手段に供給し、その際、印字手段42はテープ41に結束する紙幣の金種等を、インクリボンを介して印字する。印字されたテープ41は所定の長さにカッター44で切断され、この切断されたテープを結束手段が結束位置に搬送された100枚の紙幣に巻き掛けて結束することにより紙幣束を作る。このようにして作られた紙幣束は、さらに紙幣束搬送路としての搬送手段40により搬送され、図1に示す放出口11へ送られる。この紙幣結束機構10は、紙幣処理装置に対して可動に構成されているが、その構成は後述する。
【0042】
図9は第1の実施例における紙幣処理装置の制御構成を示すブロック図である。
図9において、50は本紙幣処理装置全体の動作処理制御を行う制御部、51a〜51dはカウンタで、このカウンタ51a〜51dは一時集積部6a〜6dに1対1で対応し、例えば一時集積部6aに集積された紙幣の枚数はカウンタ51aにカウントされ、同様に一時集積部6bに集積された紙幣の枚数はカウンタ51b、一時集積部6cに集積された紙幣の枚数はカウンタ51c、一時集積部6dに集積された紙幣の枚数はカウンタ51dにカウントされる。
【0043】
52は記憶部で、一時集積部6a〜6dに集積される紙幣の金種や、計数された金種毎の紙幣の枚数等を記憶するものである。また、記憶部52には、紙幣処理装置全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)が記憶され、制御部50がその制御プログラムに基づいて紙幣処理装置全体の動作を制御する。
【0044】
また、制御部50は一時集積部の昇降手段を制御して集積板を上下動させ、図10に示す集積板21に集積される紙幣Pの高さを整位部材22cの境界部22dの高さと略同じ高さに整合する。
このように構成された紙幣処理装置は、図1に示すように紙幣結束機構10で移送機構9により移送された所定枚数の紙幣束の長手方向と直交する短手方向に結束帯を巻回して紙幣束を結束する。
【0045】
上述した構成の作用について説明する。
図9に示す制御部50は、一時集積部に紙幣を送り出すと、一時集積部の昇降手段を制御し、図10に示す集積板21に積層される紙幣Pの高さと、整位部材22cの境界部22dの高さとを整合させ、その後、図6に示す長手整位機構22のモータ22a等を制御して整位部材22cを一時集積部に集積された紙幣の縁部に当接させる。
【0046】
このときの動作を、図10を用いて説明する。
図10(a)に示すように、上方に湾曲した紙幣Pを一時集積部に集積した場合、整位部材22cの境界部22dの高さは、集積板21に積層された紙幣Pの高さと整合され、略同じ高さになっているため、上方へ湾曲した紙幣Pの縁部は、図11に示す整位部材22cの凸部222aの面222b(水平面が下方を向いた面)に係合し、その凸部222aの面222bより上方に移動することが規制される。
【0047】
このように規制された紙幣Pの縁部は、整位部材22cの外表面に折れ曲がって乗り上げることがなく、図10(b)に示すように、既に集積された紙幣の縁部と上下方向が整合される位置まで円滑に略水平方向に移動され、他方の縁部が基準面25に突き当てられて紙幣Pの長手方向が整位される。
【0048】
また、図10(c)に示すように、下方に湾曲した紙幣Pを一時集積部に集積した場合、整位部材22cの境界部22dの高さは、集積板21に積層された紙幣Pの高さと整合され、略同じ高さになっているため、下方へ湾曲した紙幣Pの縁部は、図11に示す整位部材22cの凸部223aの面223b(水平面が上方を向いた面)に係合し、その凸部223aの面223bより下方に移動することが規制される。
【0049】
このように規制された紙幣Pの縁部は、整位部材22cの外表面に折れ曲がって巻き込まれることがなく、図10(b)に示すように、既に集積された紙幣の縁部と上下方向が整合される位置まで円滑に略水平方向に移動され、他方の縁部が基準面25に突き当てられて紙幣Pの長手方向が整位される。
【0050】
さらに、図12に示すように、整位部材22cの外表面に、紙幣と係合するブラシまたは毛状の部材で構成された係合部224を形成した場合も、上方または下方に湾曲した紙幣Pの縁部は、係合部224により上方または下方に移動することが規制され、既に集積された紙幣の縁部と上下方向が整合される位置まで円滑に略水平方向に移動され、他方の縁部が基準面25に突き当てられて紙幣Pの長手方向が整位される。
【0051】
以上説明したように、本実施例では、集積部に集積された紙幣の長手方向における縁部に当接して係合する整位部材の外表面に、当該紙幣の高さと同じ高さに位置する紙幣集積位置部を境界として上下方向に異なる形状の係合部を形成したことにより、集積する紙幣の縁部が上方または下方に湾曲している場合であっても、その係合部により紙幣の縁部が上方または下方に移動することを規制し、当該紙幣の長手方向を整位することができるという効果が得られる。
【符号の説明】
【0052】
1 投入部
2 鑑別部
3 搬送路
5 オープンポケット
6 集積機構
6a〜6d 一時集積部
9 移送機構
10 紙幣結束機構
21 集積板
22 長手整位機構
22a モータ
22b 連結部材
22c 整位部材
22d 境界部
221、224 係合部
222a、223a 凸部
222b、223b 面
222c、223c 面
222d、223d 傾斜面
23 短手整位機構
24 押さえ板
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積される紙幣の整位を行う紙幣整位機構および紙幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の紙幣整位機構および紙幣処理装置は、計数や結束などの処理がされる複数の紙幣を集積手段内に積み重ねるようにして収容する際、給送される紙幣を集積手段内に順次積み重ねるように投入し、その紙幣の先端を先端規制部材によって規制した状態で給送される紙幣を載置部材上に順次集積し、堆積する紙幣の短手方向を強制的に整列するようにしている。また、給送される紙幣を集積する間、レバーの自由端に垂設された棒状または板状等の整位部材によって、給送される紙幣を先端規制部材の配置方向と直交する紙幣の長手方向に配置された側縁規制部材へ付勢させて紙幣の長手方向を強制的に整列するようにしている。
【0003】
一般に、紙幣は、使用されることにより、その表面に微細な毛羽立ちが発生し、また利用者の手垢等により汚損されるなどして、未使用の紙幣と比較して使用された紙幣にあっては、その表面の摩擦係数が増大され、積み重ねられた紙幣の相互間の摺動は必ずしも円滑であるとは限らない。また、紙幣は折り畳んで財布等に収納されることが繰り返して行われるため、紙幣自体に折り癖が付けられることとなり、なおかつ紙幣のコシもなくなる。
このような使用された紙幣を整位するとき、紙幣の折れ曲がりを防止するため、整位部材の外表面に、その縦断面形状において概ね鋸歯状をなし、内端を下方として一方向に傾斜する傾斜面を連続して形成するようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−270717号公報(段落「0017」〜段落「0018」、図3、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術においては、長手方向の縁部に折れ曲がりや湾曲が生じている紙幣を整位することができないことがあるという問題がある。
例えば、図13(a)に示すように、上方向に折れ曲がりや湾曲が生じている紙幣を整位部材122cで付勢すると、図13(b)に示すように、その紙幣は内端を下方として一方向に傾斜する傾斜面が連続して形成された鋸歯状の整位部材122cの溝に係止されず整位部材122cに乗り上げてしまい、図13(c)に示すように、集積される紙幣を整列することができないことがある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、長手方向の縁部に折れ曲がりや湾曲が生じている紙幣も整位できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、集積部に集積された紙幣の長手方向を整位する紙幣整位機構において、集積部に集積された紙幣の長手方向における一方の縁部が当接する基準面と、前記紙幣の長手方向における他方の縁部に当接および離間可能であり、前記他方の縁部に当接する係合部が形成された整位部材とを備え、前記係合部は、前記紙幣の高さと略同じ高さに位置する境界部を上下方向の境として異なる形状を有する突出部で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、長手方向の縁部に折れ曲がりや湾曲が生じている紙幣を、折れ曲がりや湾曲の状態に影響されずに整位できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例における紙幣処理装置の構成を示す概略側面図
【図2】実施例における紙幣処理装置の上部の構成を示す概略側面図
【図3】実施例における紙幣処理装置の外観斜視図
【図4】実施例における操作部の拡大平面図
【図5】実施例における集積機構の側面図
【図6】実施例における一時集積部の斜視図
【図7】実施例における移送機構の斜視図
【図8】実施例における紙幣結束機構の側面図
【図9】実施例における紙幣処理装置の制御構成を示すブロック図
【図10】実施例における一時集積部および長手整位機構の正面図
【図11】実施例における整位部材の係合部の断面図
【図12】実施例における変形例の一時集積部の正面図
【図13】従来例における一時集積部の正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による紙幣整位機構および紙幣処理装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、第1の実施例における紙幣処理装置の構成を示す概略側面図、図2は第1の実施例における紙幣処理装置の上部の構成を示す概略側面図、図3は第1の実施例における紙幣処理装置の外観斜視図、図4第1の実施例における操作部の拡大平面図である。
図1〜図4において、1は紙幣の投入部で、装置正面の上部に設けられている。2は紙幣の真偽や、金種、正損、表裏等の鑑別、及び計数を行うと共に、搬送異常の検出を行う鑑別部で、装置内に設けられている。3は紙幣の搬送路で、この搬送路3については後で説明する。4は紙幣の表裏反転を行う表裏反転部で、装置内の鑑別部2の後段に位置するように設けられている。
【0011】
5は結束対象外の金種の紙幣を集積するオープンポケットで、装置の上面に設けられており、このオープンポケット5に集積された紙幣はオペレータが直接アクセスできるものとなっている。本実施例では、オープンポケット5は一つであるが、二つ以上あっても良い。
【0012】
6は集積機構で、本実施例において、この集積機構6には縦1列に4つの一時集積部6a〜6dが並べて装置内に設けられており、各一時集積部6a〜6dにそれぞれ予め定められた枚数、例えば本実施例では100枚の紙幣が集積できるようになっている。なお、本実施例では、各一時集積部6a〜6dには、鑑別部2で鑑別された金種毎の紙幣を集積するものとし、また各一時集積部は、4つに限られることなく、3つ以下または5つ以上であってもよい。
【0013】
7は前記投入部1の一側に設けられた操作部で、この操作部7には紙幣の計数を指示する計数開始ボタン7a、装置の障害復旧時に装置を再稼働させるためのリセットボタン7b、計数及び結束処理の完了を指示する完了ボタン7cが設けられている。
8は鑑別部2で金種不明と鑑別されたり、あるいは搬送異常が検知されたりしたリジェクト紙幣を集積するリジェクトポケットで、前記投入部1の上方に設けられており、このリジェクトポケット8に集積された紙幣にオペレータが直接アクセスできるものとなっている。9は移送機構、10は紙幣結束機構で、両者とも装置内に設けられており、この両者については後で説明する。
【0014】
11は紙幣束の放出口、12は装置正面に設けられた扉で、この扉12を開けることでオペレータは集積機構にアクセスできるものとなっている。13は装置上面においてオープンポケット5の後方に位置するように設けられた操作表示部で、ディスプレイとその表面に配置したタッチパネルによって構成されており、オペレータはこの操作表示部13を操作してモードの指定や、一時集積部6a〜6dに集積する紙幣の金種や紙幣の種類、集積順序等の設定を行うものとなっている。
【0015】
また、この操作表示部13には鑑別部2で鑑別された紙幣の金種や正損及び計数結果等の表示も行われる。ここで搬送路3について説明する。装置内の上部において搬送路3は図2に示したように3a〜3eから成り、搬送路3aは投入部1から鑑別部2を経て分岐点Aにいたるように設けられ、搬送路3bは分岐点Aからリジェクトポケット8にいたるように設けられている。
【0016】
また、搬送路3cは分岐点Aから表裏反転部4を経て分岐点Bにいたるように設けられており、そして搬送路3dは分岐点Bから図1に示したように装置の下部に伸びて集積機構6の一時集積部6a〜6dに沿うように設けられ、更に搬送路3eは分岐点Bからオープンポケット5にいたるように設けられている。尚、分岐点A、Bのそれぞれの近傍には紙幣の搬送方向を切替える図示しない切替えブレードが設けられ、後述する制御部により動作制御されるものとなっている。
【0017】
図5は第1の実施例における集積機構の側面図である。
集積機構6には、前記のように4つの集積部としての一時集積部6a〜6dが上下方向に並べて配置されており、これらの一時集積部6a〜6dは同一の構造を有しているので、以下に一時集積部6aを例に取って説明する。搬送路3dにより搬送されてきた紙幣は、一時集積部6aの振り分けゲート27により集積板21に向かって取り込まれ、これにより一時集積部6aに侵入した紙幣は叩き車20により後部が叩かれて集積板21の上に集積されるものとなっている。また、以降侵入してくる紙幣に関しては、同様の動作で集積板21上に集積した紙幣の上に集積される。
【0018】
集積板21は、給送される紙幣を集積するものであり、図示しない回転角(一時集積部の移動量)を制御できるステッピングモータ等の駆動手段と、その駆動を伝達するギア等の駆動伝達手段と、集積板21上に集積された最上位の紙幣の位置(高さ)を検知する高さセンサとにより構成された昇降手段により、上下動(昇降)可能に構成されている。
したがって、集積板21上に紙幣が集積して行き、その集積された最上位の紙幣の高さが図示しない高さセンサにより基準値を越えたことが検知されると、後述する制御部は集積板21を昇降手段により下降させることができるようになっている。
【0019】
図6は第1の実施例における一時集積部の斜視図である。一時集積部6aに進入した紙幣は、前記叩き車20により叩かれるだけでなく、一時集積部6aの一側に設けられた長手整位機構22により長手方向の位置が揃えられ、更に一時集積部6aの前端側に設けられた短手整位機構23により短手方向の位置が揃えられる。
【0020】
一時集積部6aに集積された紙幣の長手方向を整位する紙幣整位機構としての長手整位機構22は、正逆両方向への回転が可能なモータ22aと、このモータに連結部材22bを介して連結されて紙幣の長手方向における一方の縁部に当接および離間可能に構成され、棒あるいは板状等の整位部材22cを備え、進入してくる紙幣を検知する図示しない進入センサの検知信号にタイミングをとってモータ22aにより整位部材22cを回動させることにより、反対側に設置され、一時集積部6aに集積された紙幣の長手方向における一方の縁部が当接する基準面25に、紙幣の縁部を押しつけることで紙幣の長手方向を整位するものとなっている。
【0021】
ここで、長手整位機構22を図10の実施例における一時集積部および長手整位機構の正面図を用いて説明する。なお、図10は、図6における一時集積部および長手整位機構を図中矢印Cが示す方向から見た図であり、一時集積部に集積された紙幣Pと整位部材22cとを示している。
【0022】
図10において、一時集積部の集積板21に積層された紙幣Pの長手方向の縁部に当接する整位部材22cの外表面には、紙幣Pと係合する係合部221が形成されている。この係合部221は、縦断面形状において略鋸歯状の凹凸部が連続した形状をなしており、集積板21上に積層された紙幣Pの積層方向(図中上下方向)における集積位置(高さ)と略同じ高さに位置する境界部22dを境として上下方向で異なる形状を有する突出部で形成されている。
【0023】
図11は、実施例における整位部材の係合部の断面図である。
図11において、整位部材22cの外表面に形成された係合部221は、境界部22dを境として境界部22dの上方向に紙幣の縁部に向けて突出した凸部(第1の凸部)222a、境界部22dの下方向に紙幣の縁部に向けて突出した凸部(第2の凸部)223aが、それぞれ所定の隙間を保持し、連続して複数配設されている。
【0024】
凸部222aは、集積される紙幣に向けて突出した形状に形成され、境界部22dに向いた面222bと、面222bの反対側の面222cと、境界部22dに近い部位が整位部材22cから離れ、境界部22dから離れた部位が整位部材22cに近づくように傾斜する傾斜面222dとが形成されている。
【0025】
また、凸部223aも集積される紙幣に向けて突出した形状に形成され、境界部22dに向いた面223bと、面223bの反対側の面223cと、境界部22dに近い部位が整位部材22cから離れ、境界部22dから離れた部位が整位部材22cに近づくように傾斜する傾斜面223dとが形成されている。
【0026】
境界部22dは、略矩形状に形成され、一時集積部に集積された紙幣に向けて平面状の当接部22eが形成されている。また、境界部22dは、上述した凸部222aと凸部223aとの間に隙間なく隣接して配置され、境界部22dの当接部22eと、上述した傾斜面222dおよび傾斜面223dとが連続するように形成されている。
なお、本実施例では、境界部22dの当接部22eは平面状に形成されたものとして説明するが、それに限られることなく、円弧形状や三角形状等であっても良い。
【0027】
図10(a)に示すように、上方に湾曲した紙幣Pを集積した場合、上方へ湾曲した紙幣Pの縁部が、図11に示す整位部材22cの凸部222aの面222b(水平面が下方を向いた面)に係合し、図10(b)に示すように、整位部材22cの外表面に折れ曲がって乗り上げることなく、既に集積された紙幣の縁部と整合される位置まで円滑に移動され、他方の縁部が基準面25に突き当てられて紙幣Pの長手方向が整位される。
【0028】
また、図10(c)に示すように、下方に湾曲した紙幣Pを集積した場合、下方へ湾曲した紙幣Pの縁部が、図11に示す整位部材22cの凸部223aの面223b(水平面が上方を向いた面)に係合し、図10(b)に示すように、整位部材22cの外表面に折れ曲がって巻き込まれることなく、既に集積された紙幣の縁部と整合される位置まで円滑に移動され、他方の縁部が基準面25に突き当てられて紙幣Pの長手方向が整位される。
なお、図10に示す集積板21は、上述した昇降手段により上下動可能に構成されているため、その昇降手段や高さセンサにより、集積板21に積層された紙幣Pの高さと、整位部材22cの境界部22dの高さとを整合させることができるようになっている。
【0029】
また、本実施例の変形例として図12に示すように、整位部材22cの外表面に、紙幣と係合するブラシまたは毛状の部材で構成された係合部224を形成するようにしても良い。この係合部224は、縦断面形状において一方向に傾斜して配設され、集積板上に積層された紙幣Pの積層方向(図中上下方向)における境界部22dを境界にして境界部22dより上方では、下方、すなわち境界部22dに向けて傾斜するように、連続して紙幣の縁部に向けて突出した毛状部材224a(第1の毛状部材)が複数配設され、また境界部22dより下方では、上方、すなわち境界部22dに向けて傾斜するように、連続して紙幣の縁部に向けて突出した毛状部材224b(第2の毛状部材)が複数配設される。
【0030】
図6の説明に戻り、短手整位機構23は、図示しないトーションスプリング等の付勢手段によって付勢された棒状部材により構成され、集積された紙幣を進入口側に付勢することにより整位するものとなっている。集積板21上に紙幣が集積して行き、その集積高さが図示しない高さセンサにより基準値を超えたことが検知されると、集積板21は自動的に下降して一時集積部6aの空間を広げ、この動作により皺や折り目等に起因する紙幣の状態によって集積高さが違っても安定して集積が行えるようになっている。
【0031】
なお、本実施例においては、高さセンサにより基準値を超えたことが検知されると集積板21を下降させるものとしているが、例えば進入センサにより一時集積部6aに進入する紙幣を検知するたび、または所定回数紙幣を検知すると集積板21を下降させるようにしても良い。
【0032】
集積板21の上方には押さえ板24が対向するように設けられ、この押さえ板24は集積板21上への紙幣の集積中は一時集積部6aの上端に待機しており、順次取り込まれる紙幣の進入の邪魔にならないようになっている。一時集積部6aの集積板21上に予め定められた枚数の紙幣、例えば100枚の紙幣が集積されると、ゲート振り分け機構27が紙幣を取り込まない姿勢に動作させ、101枚目以降の紙幣は一時集積部6b〜6dのいずれかへ集積するように制御される。
【0033】
紙幣の進入が停止した一時集積部6aでは集積板21を上昇させ、押さえ板24を下降させることにより紙幣を挟持する。この動作により皺等の紙幣の状態によって集積高さの異なる紙幣の厚みを一定にし、移動機構9への受渡しを容易にするようになっている。集積板21と押さえ板24により挟持された紙幣は、後述する移動機構9のハンド部が短手整位機構23側から一時集積部6aに進入して引き抜かれるようになっている。
尚、一時集積部6b〜6dも一時集積部6aと同様の構造になっているので、一時集積部6aと同様に紙幣を整位、集積、挟持することが可能である。
【0034】
図7は第1の実施例における移送機構の斜視図である。この移送機構9は、紙幣クランプ部30、クランプ部移動手段31、上下動手段32を備えている。
紙幣クランプ部30は上下方向に開閉するクランプ爪35a、35bを有し、この紙幣クランプ部30はクランプ部移動手段31上に搭載されていて、一時集積部6a〜6bからクランプ爪35a、35bで紙幣をクランプして引き抜くときは、クランプ部移動手段31がクランプ部30を一時集積部6a〜6bに対して押し出し、100枚の紙幣をクランプできる位置まで移動させるようになっている。
【0035】
クランプ部30とクランプ部移動手段31は上下動手段32により一時集積部6a〜6dの間を一体に上昇及び下降し、紙幣100枚の集積が完了した一時集積部6a〜6bのいずれか1つの前で停止するように制御されるものとなっている。そのため、上下動手段32のフレームには、一時集積部6a〜6dのそれぞれの位置に対応してポジションセンサ33a〜33dが配設されており、例えば、一時集積部6aに集積された紙幣を抜き取るときは、ポジションセンサ33aの位置まで上下動手段32によりクランプ部移動手段31が引き上げられる。
【0036】
引き上げられたクランプ部移動機構31は、クランプ部30が紙幣を一時集積部6aから抜き取る間、この位置に固定する必要があるので、ポジションセンサ33aで停止した位置で回転可能なストッパカム34がクランプ部移動手段31に係止して落下を防止するようになっている。この移送機構9の一連の動作を説明すると、例えば一時集積部6aに集積された紙幣を引き抜く場合、まず上下動手段32により紙幣クランプ部30をクランプ部移動機構31と共にポジションセンサ33aの位置まで上昇させ、ポジションセンサ33aがクランプ部移動機構31を検知した位置で上昇を停止させると同時にストッパカム34を回転させてクランプ部移動手段31に係止させる。
【0037】
これによってクランプ部移動手段31を一時集積部6aと対応する位置に固定し、この状態でクランプ移動機構31により紙幣クランプ部30のクランプ爪35a、35bを上下方向に開いて100枚の紙幣をクランプする準備を行い、更にクランプ移動機構31により紙幣クランプ部30を一時集積部6aの方向に押し出す。
【0038】
押し出された紙幣クランプ機構30のクランプ爪35a、35bは、一時集積部6aの短手整位機構23側に設けられている開口部に挿入され、集積板21と押さえ板24により挟持されている紙幣を上下から挟みつけて把持する。次に、集積板21と押さえ板24を開くことで、両者による紙幣の挟持を解除すると、これにより100枚の紙幣が紙幣クランプ部30に渡されたことになるので、クランプ爪35a、35bで紙幣を把持した紙幣クランプ部30をクランプ部移動手段31により引き戻す。
【0039】
このときクランプ爪35a、35bに把持された紙幣は一時集積部6aの短手整位機構23に当たるが、そのまま紙幣クランプ部30を引き戻すと短手整位機構23は紙幣の押圧力により付勢手段に抗して整位方向と逆の方向に倒れ、これにより紙幣は一時集積部6aからスムーズに抜き取られる。そして、紙幣クランプ部30が元の位置まで引き戻されると、クランプ部移動手段31に係止してストッパカム34が回転してその係止が解除され、紙幣を把持した紙幣クランプ部30と共にクランプ移動手段31が上下動手段32により移動経路の最下端に位置する紙幣結束機構10まで移動し、紙幣クランプ部30のクランプ爪35a、35bに把持された紙幣が紙幣結束機構10に引き渡される。
【0040】
図8は第1の実施例における紙幣結束機構の側面図である。この紙幣結束機構10は、ローラ及びベルト等から成る搬送手段40と、結束帯としての紙テープ等による結束用のテープ41と、印字手段42と、テープ41を供給する供給手段43と、テープ41を所定の長さに切断するカッター44と、図示しない結束手段とを備えており、以下のように紙幣を結束する。
【0041】
まず、紙幣結束機構10が移送機構9の紙幣クランプ部30から100枚の紙幣を一括して紙幣束として受け取り、その紙幣束を、長手方向と直交する短手方向に移動させる紙幣束搬送路で、紙幣束の短手方向にテープ41を巻き回して結束する位置に搬送する。テープ供給手段43はテープ41を前記結束手段に供給し、その際、印字手段42はテープ41に結束する紙幣の金種等を、インクリボンを介して印字する。印字されたテープ41は所定の長さにカッター44で切断され、この切断されたテープを結束手段が結束位置に搬送された100枚の紙幣に巻き掛けて結束することにより紙幣束を作る。このようにして作られた紙幣束は、さらに紙幣束搬送路としての搬送手段40により搬送され、図1に示す放出口11へ送られる。この紙幣結束機構10は、紙幣処理装置に対して可動に構成されているが、その構成は後述する。
【0042】
図9は第1の実施例における紙幣処理装置の制御構成を示すブロック図である。
図9において、50は本紙幣処理装置全体の動作処理制御を行う制御部、51a〜51dはカウンタで、このカウンタ51a〜51dは一時集積部6a〜6dに1対1で対応し、例えば一時集積部6aに集積された紙幣の枚数はカウンタ51aにカウントされ、同様に一時集積部6bに集積された紙幣の枚数はカウンタ51b、一時集積部6cに集積された紙幣の枚数はカウンタ51c、一時集積部6dに集積された紙幣の枚数はカウンタ51dにカウントされる。
【0043】
52は記憶部で、一時集積部6a〜6dに集積される紙幣の金種や、計数された金種毎の紙幣の枚数等を記憶するものである。また、記憶部52には、紙幣処理装置全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)が記憶され、制御部50がその制御プログラムに基づいて紙幣処理装置全体の動作を制御する。
【0044】
また、制御部50は一時集積部の昇降手段を制御して集積板を上下動させ、図10に示す集積板21に集積される紙幣Pの高さを整位部材22cの境界部22dの高さと略同じ高さに整合する。
このように構成された紙幣処理装置は、図1に示すように紙幣結束機構10で移送機構9により移送された所定枚数の紙幣束の長手方向と直交する短手方向に結束帯を巻回して紙幣束を結束する。
【0045】
上述した構成の作用について説明する。
図9に示す制御部50は、一時集積部に紙幣を送り出すと、一時集積部の昇降手段を制御し、図10に示す集積板21に積層される紙幣Pの高さと、整位部材22cの境界部22dの高さとを整合させ、その後、図6に示す長手整位機構22のモータ22a等を制御して整位部材22cを一時集積部に集積された紙幣の縁部に当接させる。
【0046】
このときの動作を、図10を用いて説明する。
図10(a)に示すように、上方に湾曲した紙幣Pを一時集積部に集積した場合、整位部材22cの境界部22dの高さは、集積板21に積層された紙幣Pの高さと整合され、略同じ高さになっているため、上方へ湾曲した紙幣Pの縁部は、図11に示す整位部材22cの凸部222aの面222b(水平面が下方を向いた面)に係合し、その凸部222aの面222bより上方に移動することが規制される。
【0047】
このように規制された紙幣Pの縁部は、整位部材22cの外表面に折れ曲がって乗り上げることがなく、図10(b)に示すように、既に集積された紙幣の縁部と上下方向が整合される位置まで円滑に略水平方向に移動され、他方の縁部が基準面25に突き当てられて紙幣Pの長手方向が整位される。
【0048】
また、図10(c)に示すように、下方に湾曲した紙幣Pを一時集積部に集積した場合、整位部材22cの境界部22dの高さは、集積板21に積層された紙幣Pの高さと整合され、略同じ高さになっているため、下方へ湾曲した紙幣Pの縁部は、図11に示す整位部材22cの凸部223aの面223b(水平面が上方を向いた面)に係合し、その凸部223aの面223bより下方に移動することが規制される。
【0049】
このように規制された紙幣Pの縁部は、整位部材22cの外表面に折れ曲がって巻き込まれることがなく、図10(b)に示すように、既に集積された紙幣の縁部と上下方向が整合される位置まで円滑に略水平方向に移動され、他方の縁部が基準面25に突き当てられて紙幣Pの長手方向が整位される。
【0050】
さらに、図12に示すように、整位部材22cの外表面に、紙幣と係合するブラシまたは毛状の部材で構成された係合部224を形成した場合も、上方または下方に湾曲した紙幣Pの縁部は、係合部224により上方または下方に移動することが規制され、既に集積された紙幣の縁部と上下方向が整合される位置まで円滑に略水平方向に移動され、他方の縁部が基準面25に突き当てられて紙幣Pの長手方向が整位される。
【0051】
以上説明したように、本実施例では、集積部に集積された紙幣の長手方向における縁部に当接して係合する整位部材の外表面に、当該紙幣の高さと同じ高さに位置する紙幣集積位置部を境界として上下方向に異なる形状の係合部を形成したことにより、集積する紙幣の縁部が上方または下方に湾曲している場合であっても、その係合部により紙幣の縁部が上方または下方に移動することを規制し、当該紙幣の長手方向を整位することができるという効果が得られる。
【符号の説明】
【0052】
1 投入部
2 鑑別部
3 搬送路
5 オープンポケット
6 集積機構
6a〜6d 一時集積部
9 移送機構
10 紙幣結束機構
21 集積板
22 長手整位機構
22a モータ
22b 連結部材
22c 整位部材
22d 境界部
221、224 係合部
222a、223a 凸部
222b、223b 面
222c、223c 面
222d、223d 傾斜面
23 短手整位機構
24 押さえ板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積部に集積された紙幣の長手方向を整位する紙幣整位機構において、
集積部に集積された紙幣の長手方向における一方の縁部が当接する基準面と、
前記紙幣の長手方向における他方の縁部に当接および離間可能であり、前記他方の縁部に当接する係合部が形成された整位部材とを備え、
前記係合部は、前記紙幣の高さと略同じ高さに位置する境界部を上下方向の境として異なる形状を有する突出部で形成されていることを特徴とする紙幣整位機構。
【請求項2】
請求項1に記載の紙幣整位機構において、
前記係合部の突出部は、前記境界部を境として前記紙幣の縁部に向けて突出した第1の凸部および第2の凸部が、それぞれ複数配列され、
前記第1の凸部および第2の凸部は、前記境界部から離れるに連れて前記整位部材に近づく傾斜面が形成されていることを特徴とする紙幣整位機構。
【請求項3】
請求項1に記載の紙幣整位機構において、
前記係合部の突出部は、前記境界部を境として前記紙幣の縁部に向けて突出した第1の毛状部材および第2の毛状部材が、それぞれ複数配列され、
前記第1の毛状部材および第2の毛状部材は、前記境界部の方向へ傾斜していることを特徴とする紙幣整位機構。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の紙幣整位機構において、
前記境界部は、前記第1の凸部および第2の凸部に隣接して配置され、前記紙幣の縁部に向けて形成された当接部を有し、
前記第1の凸部および第2の凸部の傾斜面は、前記当接部から連続して形成されていることを特徴とする紙幣整位機構。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の紙幣整位機構において、
前記集積部に給送される紙幣を集積する集積板と、
前記集積板を昇降させる昇降手段と、
前記昇降手段で前記集積板に集積される紙幣の高さを前記境界部の高さと略同じ高さに移動させる制御部とを備えたことを特徴とする紙幣整位機構。
【請求項6】
集積部に集積された紙幣の長手方向を整位する紙幣整位機構を有する紙幣処理装置において、
集積部に集積された紙幣の長手方向における一方の縁部が当接する基準面と、
前記紙幣の長手方向における他方の縁部に当接および離間可能であり、前記他方の縁部に当接する係合部が形成された整位部材とを備え、
前記係合部は、前記紙幣の高さと略同じ高さに位置する境界部を上下方向の境として異なる形状を有する突出部で形成されている紙幣整位機構を有することを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項1】
集積部に集積された紙幣の長手方向を整位する紙幣整位機構において、
集積部に集積された紙幣の長手方向における一方の縁部が当接する基準面と、
前記紙幣の長手方向における他方の縁部に当接および離間可能であり、前記他方の縁部に当接する係合部が形成された整位部材とを備え、
前記係合部は、前記紙幣の高さと略同じ高さに位置する境界部を上下方向の境として異なる形状を有する突出部で形成されていることを特徴とする紙幣整位機構。
【請求項2】
請求項1に記載の紙幣整位機構において、
前記係合部の突出部は、前記境界部を境として前記紙幣の縁部に向けて突出した第1の凸部および第2の凸部が、それぞれ複数配列され、
前記第1の凸部および第2の凸部は、前記境界部から離れるに連れて前記整位部材に近づく傾斜面が形成されていることを特徴とする紙幣整位機構。
【請求項3】
請求項1に記載の紙幣整位機構において、
前記係合部の突出部は、前記境界部を境として前記紙幣の縁部に向けて突出した第1の毛状部材および第2の毛状部材が、それぞれ複数配列され、
前記第1の毛状部材および第2の毛状部材は、前記境界部の方向へ傾斜していることを特徴とする紙幣整位機構。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の紙幣整位機構において、
前記境界部は、前記第1の凸部および第2の凸部に隣接して配置され、前記紙幣の縁部に向けて形成された当接部を有し、
前記第1の凸部および第2の凸部の傾斜面は、前記当接部から連続して形成されていることを特徴とする紙幣整位機構。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の紙幣整位機構において、
前記集積部に給送される紙幣を集積する集積板と、
前記集積板を昇降させる昇降手段と、
前記昇降手段で前記集積板に集積される紙幣の高さを前記境界部の高さと略同じ高さに移動させる制御部とを備えたことを特徴とする紙幣整位機構。
【請求項6】
集積部に集積された紙幣の長手方向を整位する紙幣整位機構を有する紙幣処理装置において、
集積部に集積された紙幣の長手方向における一方の縁部が当接する基準面と、
前記紙幣の長手方向における他方の縁部に当接および離間可能であり、前記他方の縁部に当接する係合部が形成された整位部材とを備え、
前記係合部は、前記紙幣の高さと略同じ高さに位置する境界部を上下方向の境として異なる形状を有する突出部で形成されている紙幣整位機構を有することを特徴とする紙幣処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−50830(P2013−50830A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188006(P2011−188006)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]