紙幣自動入出金機
【課題】紙幣を1枚ずつ分離して集積することができる紙幣収納部を有し、収納された紙幣を1枚ずつ繰り出す紙幣自動入出金機は、紙幣の折り癖、めくれ形状等の紙幣の変形状態によって、羽根車が配置されていない個所に変形およびめくれがある場合、集積済の紙幣を平坦に押えることができず、次の紙幣がその変形している紙幣の側端部に衝突することによって集積不良が発生するという問題があった。
【解決手段】紙幣の走行ガイド内に実装され、紙幣を叩き落すと共に集積紙幣を押える羽根車の放射状体の各羽根を、その先部が左右に拡がるように複数に分割して形成したことを特徴とする。
【解決手段】紙幣の走行ガイド内に実装され、紙幣を叩き落すと共に集積紙幣を押える羽根車の放射状体の各羽根を、その先部が左右に拡がるように複数に分割して形成したことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣収納部に収納されている紙幣を一枚ずつ繰り出し、搬送されてくる紙幣を集積位置に1枚ずつ分離して集積させるための羽根車を有するに紙幣自動入出金機に関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣自動入出金機は、紙幣は入金口から1枚または複数枚一括して挿入され、複数枚挿入時は分離部により紙幣は1枚ずつ分離して認識部に搬送され、真偽を判定し、真券と判断すると一時保留部へ搬送する。取引確定後、分離部より紙幣を1枚ずつ分離し、認識部にて金種を判別して分岐部にて各紙幣収納部へ紙幣を搬送して収納を行う。
出金時は、紙幣収納部より紙幣を1枚ずつ分離して入出金部へ紙幣を搬送して集積を行う。その後、シャッタ開にして紙幣を受け取り状態とする。
【0003】
このような紙幣自動入出金機の構成を図面を用いて説明する。図10は装置の説明図、図11は分離部の詳細図である。
入金取引において、入出金口102のシャッタ104が開いて挿入紙幣101を挿入すると、入出金口内の図示しないセンサが挿入紙幣101を確認した後、シャッタ104を閉じる。その後、分離部で紙幣を1枚ずつ分離し、分離後、紙幣101は認識部105にて判別され、判別後、一時保留部106に搬送され、集積部103に集積される。
【0004】
一時保留部106および入出金口102は集積口と分離口が異なり、同様の分離部を有している。分離部から紙幣101を1枚ずつ分離して認識部105にて紙幣の金種判別を行い、図示しない分岐部によって各紙幣収納部107へ搬送し、集積を行う。
紙幣収納部107は集積口と分離口が共通な分離部108を有しており、出金取引においては紙幣101を1枚ずつ分離し、入出金口102に紙幣を搬送し、集積部103にて集積した後、シャッタ104が開いて排出完了となる。
【0005】
上記分離部108の構成の詳細を図11を用いて説明する。
分離部108は、フィードローラ110、リバースローラ111、繰り出しローラ114から構成され、これら各ローラは紙幣を繰り出すため、分離/集積方向に回転可能となっており、リバースローラ111は集積方向のみに回転するようにクラッチを実装している。フィードローラ110とリバースローラ111は図示しないアクチュエータによって連動して駆動する。
【0006】
集積紙幣の叩き落しおよび既集積紙幣を押える役割の羽根車113が集積時にリバースローラ111と同軸位置に図示しないアクチュエータにより駆動する。また、羽根車113は図12、図13に示すような放射状に羽根があり、その羽根によって集積時の紙幣後端を叩き落し、かつ集積済紙幣が浮かないように押え、次の紙幣が集積できるスペースを確保する位置に実装されている。
【0007】
また、リバースローラ111と同様クラッチを実装しており、集積方向のみに回転する。分離時は図示しない退避機構により退避する構造となっている。
集積部103は集積口と分離口が異なるため分離部108同様の羽根車が搬送系の最終ローラと同軸に実装されている。羽根車軸は図示しないアクチュエータにより搬送系の駆動と連結して回転する。このような羽根車の羽根には上記図示した他にも種々の形状のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−206266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の技術においては、紙幣の折り癖、めくれ形状等の紙幣の変形状態によって、図14に示す如く、羽根車が配置されていない個所に変形およびめくれがある場合、集積済の紙幣を平坦に押えることができず、次の紙幣がその変形している紙幣の側端部に衝突することによって集積不良が発生するという問題があった。
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明は、紙幣を1枚ずつ分離して集積することができる紙幣収納部を有し、収納された紙幣を1枚ずつ繰り出す紙幣自動入出金機において、紙幣の走行ガイド内に実装され、紙幣を叩き落すと共に集積紙幣を押える羽根車の放射状体の各羽根を、その先部が左右に拡がるように複数に分けて形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このようにした本発明は、羽根車の羽根が左右に分かれて拡がった状態になるように形成したことにより、左右に拡がった羽根がとどく範囲まで集積紙幣を押えることができ、折れぐせやめくれ等のある状態の悪い紙幣も平坦状に押えることができ、集積不良をなくすと共に安定した集積性能を実現することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は装置の構成を示す説明図、図2は分離部の詳細図である。
紙幣自動入出金機は、入金取引において、入出金口2のシャッタ4が開いて挿入紙幣1を挿入すると、入出金口内の図示しないセンサが挿入紙幣1を確認した後、シャッタ4を閉じる。その後、分離部で紙幣を1枚ずつ分離し、分離後、紙幣1は認識部5にて判別され、判別後、一時保留部6に搬送され、集積部3に集積される。
【0013】
一時保留部6および入出金口2は集積口と分離口が異なり、同様の分離部を有しており、分離部から紙幣1を1枚ずつ分離して認識部5にて紙幣の金種判別を行い、図示しない分岐部によって各紙幣収納部7へ搬送し、集積を行う。
紙幣収納部7は集積口と分離口が共通な分離部8を有しており、出金取引においては紙幣1を1枚ずつ分離し、入出金口2に紙幣を搬送し、集積部3にて集積した後、シャッタ4が開いて排出完了となる。
【0014】
上記分離部8の構成の詳細を図2を用いて説明する。
分離部8は、フィードローラ10、リバースローラ11、繰り出しローラ14から構成され、これら各ローラは紙幣を繰り出すため、分離/集積方向に回転可能となっており、リバースローラ11は集積方向のみに回転するようにクラッチを実装している。フィードローラ10とリバースローラ11は図示しないアクチュエータによって連動して駆動する。
【0015】
集積紙幣の叩き落しおよび既集積紙幣を押える役割の羽根車13が集積時にリバースローラ11と同軸位置に図示しないアクチュエータにより駆動する。
また、リバースローラ11と同様クラッチを実装しており、集積方向のみに回転する。分離時は図示しない退避機構により退避する構造となっている。
集積部3は集積口と分離口が異なるため分離部8同様の羽根車13が搬送系の最終ローラと同軸に実装されている。羽根車軸は図示しないアクチュエータにより搬送系の駆動と連結して回転する。
【0016】
つぎに、上記羽根車13について説明する。図2は集積口と分離口が共通の分離部の説明図であり、分離部8には、図3、図4に示すようなゴムや合成樹脂等の弾性材製で放射状の羽根車13が実装されている。この羽根車13の各羽根131は、その先部が左右に拡がるように二又に分かれて形成されている。
また、羽根車13が実装される側の紙幣の走行ガイド15は、羽根車13の分かれて拡がった羽根131が納まる走行ガイド15の開口151を断面形状をテーパー状(面取り状)にして口広としてある。
【0017】
これによって、図6、図7に示す如く、羽根車13の羽根131が集積紙幣を押えた後、回転動作によって口広の走行ガイド15の開口151によって案内されて無理なく閉じた細い状態となり、従来の羽根車と同様に細くなって回転することができる。
以上の実施例の構成によると、羽根車13の羽根131が二又に分かれて左右に拡がった状態に形成されていることにより、図5に示す如く、羽根車13の左右に拡がった羽根131がとどく範囲まで集積紙幣を押えることができ、折れぐせやめくれ等のある状態の悪い紙幣も平坦状に押えることができ、次の集積紙幣が悪い状態の集積済紙幣の側端面に衝突するような集積不良をなくすと共に集積スペースを確保して安定した集積性能を実現することができることになる。
【0018】
また、羽根車の走行ガイド15の開口151を口広に形成したことにより、走行ガイド内に羽根車が納まる際に拡がっている2枚の羽根は無理なくまとまって閉じた状態となり、従来と同様のせまい幅の走行ガイドのスペースで回転が可能となる。
【実施例2】
【0019】
本実施例は、上記実施例1における羽根車の構造が異なるものである。
つまり、図8、図9に示すようなゴムや合成樹脂等の弾性材製の羽根車13の羽根132は先部が中央および左右に拡がるように三又に分かれている。
また、羽根車13が実装される側の走行ガイド15は、上記実施例と同様に羽根車13の分かれて拡がった羽根132が納まる走行ガイド15の開口151を断面形状がテーパー状(面取り状)にして口広としてある。
【0020】
これによって本実施例も上記実施例1と同様に、羽根車13の羽根132が集積紙幣を抑えた後、回転動作によってテーパー状の走行ガイド15の開口151に案内されて無理なく閉じた状態となり、従来の羽根車と同様に細くなって回転することができる。
以上の実施例の構成によると、羽根車13の羽根132が中央、左右と三又に分かれて左右に拡がった状態に形成したことにより、羽根車13の中央および左右の羽根132がとどく範囲まで集積紙幣を押えることができ、折れぐせやめくれ等のある状態の悪い紙幣も平坦状に押えることができ、集積不良をなくすと共に安定した集積性能を実現することができることになる。
【0021】
また、羽根車の走行ガイド15の開口151を口広に形成したことにより、上記実施例1と同様に走行ガイド内に羽根車が納まる際に拡がっている3枚の羽根は無理なくまとまって閉じた状態となり、従来と同様のせまい幅の走行ガイドのスペースで回転が可能となる。
なお、上記各実施例の説明は、紙幣自動入出金機として紙幣の取扱い装置で説明を行ったが、本発明は必ずしも紙幣の取扱い装置に限るものではなく、紙幣と同様の紙葉類を扱う装置における羽根車においてすべて適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】装置の構成を示す説明図
【図2】分離部の詳細図
【図3】実施例1の羽根車の正面図
【図4】実施例1の羽根車の斜視図
【図5】実施例1の羽根車の作用説明図
【図6】走行ガイドと羽根車を示す断面説明図
【図7】走行ガイドと羽根車を示す側面説明図
【図8】実施例2の羽根車の正面図
【図9】実施例2の羽根車の斜視図
【図10】装置の構成を示す説明図
【図11】分離部の詳細図
【図12】従来例の羽根車の正面図
【図13】従来例の羽根車の斜視図
【図14】従来例の羽根車の作用説明図
【符号の説明】
【0023】
1 紙幣
2 入出金口
3 集積部
4 シャッタ
5 認識部
6 一時保留部
7 紙幣収納部
8 分離部
10 フィードローラ
11 リバースローラ
13 羽根車
131、132 羽根
14 繰り出しローラ
15 走行ガイド
151 開口
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣収納部に収納されている紙幣を一枚ずつ繰り出し、搬送されてくる紙幣を集積位置に1枚ずつ分離して集積させるための羽根車を有するに紙幣自動入出金機に関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣自動入出金機は、紙幣は入金口から1枚または複数枚一括して挿入され、複数枚挿入時は分離部により紙幣は1枚ずつ分離して認識部に搬送され、真偽を判定し、真券と判断すると一時保留部へ搬送する。取引確定後、分離部より紙幣を1枚ずつ分離し、認識部にて金種を判別して分岐部にて各紙幣収納部へ紙幣を搬送して収納を行う。
出金時は、紙幣収納部より紙幣を1枚ずつ分離して入出金部へ紙幣を搬送して集積を行う。その後、シャッタ開にして紙幣を受け取り状態とする。
【0003】
このような紙幣自動入出金機の構成を図面を用いて説明する。図10は装置の説明図、図11は分離部の詳細図である。
入金取引において、入出金口102のシャッタ104が開いて挿入紙幣101を挿入すると、入出金口内の図示しないセンサが挿入紙幣101を確認した後、シャッタ104を閉じる。その後、分離部で紙幣を1枚ずつ分離し、分離後、紙幣101は認識部105にて判別され、判別後、一時保留部106に搬送され、集積部103に集積される。
【0004】
一時保留部106および入出金口102は集積口と分離口が異なり、同様の分離部を有している。分離部から紙幣101を1枚ずつ分離して認識部105にて紙幣の金種判別を行い、図示しない分岐部によって各紙幣収納部107へ搬送し、集積を行う。
紙幣収納部107は集積口と分離口が共通な分離部108を有しており、出金取引においては紙幣101を1枚ずつ分離し、入出金口102に紙幣を搬送し、集積部103にて集積した後、シャッタ104が開いて排出完了となる。
【0005】
上記分離部108の構成の詳細を図11を用いて説明する。
分離部108は、フィードローラ110、リバースローラ111、繰り出しローラ114から構成され、これら各ローラは紙幣を繰り出すため、分離/集積方向に回転可能となっており、リバースローラ111は集積方向のみに回転するようにクラッチを実装している。フィードローラ110とリバースローラ111は図示しないアクチュエータによって連動して駆動する。
【0006】
集積紙幣の叩き落しおよび既集積紙幣を押える役割の羽根車113が集積時にリバースローラ111と同軸位置に図示しないアクチュエータにより駆動する。また、羽根車113は図12、図13に示すような放射状に羽根があり、その羽根によって集積時の紙幣後端を叩き落し、かつ集積済紙幣が浮かないように押え、次の紙幣が集積できるスペースを確保する位置に実装されている。
【0007】
また、リバースローラ111と同様クラッチを実装しており、集積方向のみに回転する。分離時は図示しない退避機構により退避する構造となっている。
集積部103は集積口と分離口が異なるため分離部108同様の羽根車が搬送系の最終ローラと同軸に実装されている。羽根車軸は図示しないアクチュエータにより搬送系の駆動と連結して回転する。このような羽根車の羽根には上記図示した他にも種々の形状のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−206266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の技術においては、紙幣の折り癖、めくれ形状等の紙幣の変形状態によって、図14に示す如く、羽根車が配置されていない個所に変形およびめくれがある場合、集積済の紙幣を平坦に押えることができず、次の紙幣がその変形している紙幣の側端部に衝突することによって集積不良が発生するという問題があった。
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明は、紙幣を1枚ずつ分離して集積することができる紙幣収納部を有し、収納された紙幣を1枚ずつ繰り出す紙幣自動入出金機において、紙幣の走行ガイド内に実装され、紙幣を叩き落すと共に集積紙幣を押える羽根車の放射状体の各羽根を、その先部が左右に拡がるように複数に分けて形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このようにした本発明は、羽根車の羽根が左右に分かれて拡がった状態になるように形成したことにより、左右に拡がった羽根がとどく範囲まで集積紙幣を押えることができ、折れぐせやめくれ等のある状態の悪い紙幣も平坦状に押えることができ、集積不良をなくすと共に安定した集積性能を実現することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は装置の構成を示す説明図、図2は分離部の詳細図である。
紙幣自動入出金機は、入金取引において、入出金口2のシャッタ4が開いて挿入紙幣1を挿入すると、入出金口内の図示しないセンサが挿入紙幣1を確認した後、シャッタ4を閉じる。その後、分離部で紙幣を1枚ずつ分離し、分離後、紙幣1は認識部5にて判別され、判別後、一時保留部6に搬送され、集積部3に集積される。
【0013】
一時保留部6および入出金口2は集積口と分離口が異なり、同様の分離部を有しており、分離部から紙幣1を1枚ずつ分離して認識部5にて紙幣の金種判別を行い、図示しない分岐部によって各紙幣収納部7へ搬送し、集積を行う。
紙幣収納部7は集積口と分離口が共通な分離部8を有しており、出金取引においては紙幣1を1枚ずつ分離し、入出金口2に紙幣を搬送し、集積部3にて集積した後、シャッタ4が開いて排出完了となる。
【0014】
上記分離部8の構成の詳細を図2を用いて説明する。
分離部8は、フィードローラ10、リバースローラ11、繰り出しローラ14から構成され、これら各ローラは紙幣を繰り出すため、分離/集積方向に回転可能となっており、リバースローラ11は集積方向のみに回転するようにクラッチを実装している。フィードローラ10とリバースローラ11は図示しないアクチュエータによって連動して駆動する。
【0015】
集積紙幣の叩き落しおよび既集積紙幣を押える役割の羽根車13が集積時にリバースローラ11と同軸位置に図示しないアクチュエータにより駆動する。
また、リバースローラ11と同様クラッチを実装しており、集積方向のみに回転する。分離時は図示しない退避機構により退避する構造となっている。
集積部3は集積口と分離口が異なるため分離部8同様の羽根車13が搬送系の最終ローラと同軸に実装されている。羽根車軸は図示しないアクチュエータにより搬送系の駆動と連結して回転する。
【0016】
つぎに、上記羽根車13について説明する。図2は集積口と分離口が共通の分離部の説明図であり、分離部8には、図3、図4に示すようなゴムや合成樹脂等の弾性材製で放射状の羽根車13が実装されている。この羽根車13の各羽根131は、その先部が左右に拡がるように二又に分かれて形成されている。
また、羽根車13が実装される側の紙幣の走行ガイド15は、羽根車13の分かれて拡がった羽根131が納まる走行ガイド15の開口151を断面形状をテーパー状(面取り状)にして口広としてある。
【0017】
これによって、図6、図7に示す如く、羽根車13の羽根131が集積紙幣を押えた後、回転動作によって口広の走行ガイド15の開口151によって案内されて無理なく閉じた細い状態となり、従来の羽根車と同様に細くなって回転することができる。
以上の実施例の構成によると、羽根車13の羽根131が二又に分かれて左右に拡がった状態に形成されていることにより、図5に示す如く、羽根車13の左右に拡がった羽根131がとどく範囲まで集積紙幣を押えることができ、折れぐせやめくれ等のある状態の悪い紙幣も平坦状に押えることができ、次の集積紙幣が悪い状態の集積済紙幣の側端面に衝突するような集積不良をなくすと共に集積スペースを確保して安定した集積性能を実現することができることになる。
【0018】
また、羽根車の走行ガイド15の開口151を口広に形成したことにより、走行ガイド内に羽根車が納まる際に拡がっている2枚の羽根は無理なくまとまって閉じた状態となり、従来と同様のせまい幅の走行ガイドのスペースで回転が可能となる。
【実施例2】
【0019】
本実施例は、上記実施例1における羽根車の構造が異なるものである。
つまり、図8、図9に示すようなゴムや合成樹脂等の弾性材製の羽根車13の羽根132は先部が中央および左右に拡がるように三又に分かれている。
また、羽根車13が実装される側の走行ガイド15は、上記実施例と同様に羽根車13の分かれて拡がった羽根132が納まる走行ガイド15の開口151を断面形状がテーパー状(面取り状)にして口広としてある。
【0020】
これによって本実施例も上記実施例1と同様に、羽根車13の羽根132が集積紙幣を抑えた後、回転動作によってテーパー状の走行ガイド15の開口151に案内されて無理なく閉じた状態となり、従来の羽根車と同様に細くなって回転することができる。
以上の実施例の構成によると、羽根車13の羽根132が中央、左右と三又に分かれて左右に拡がった状態に形成したことにより、羽根車13の中央および左右の羽根132がとどく範囲まで集積紙幣を押えることができ、折れぐせやめくれ等のある状態の悪い紙幣も平坦状に押えることができ、集積不良をなくすと共に安定した集積性能を実現することができることになる。
【0021】
また、羽根車の走行ガイド15の開口151を口広に形成したことにより、上記実施例1と同様に走行ガイド内に羽根車が納まる際に拡がっている3枚の羽根は無理なくまとまって閉じた状態となり、従来と同様のせまい幅の走行ガイドのスペースで回転が可能となる。
なお、上記各実施例の説明は、紙幣自動入出金機として紙幣の取扱い装置で説明を行ったが、本発明は必ずしも紙幣の取扱い装置に限るものではなく、紙幣と同様の紙葉類を扱う装置における羽根車においてすべて適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】装置の構成を示す説明図
【図2】分離部の詳細図
【図3】実施例1の羽根車の正面図
【図4】実施例1の羽根車の斜視図
【図5】実施例1の羽根車の作用説明図
【図6】走行ガイドと羽根車を示す断面説明図
【図7】走行ガイドと羽根車を示す側面説明図
【図8】実施例2の羽根車の正面図
【図9】実施例2の羽根車の斜視図
【図10】装置の構成を示す説明図
【図11】分離部の詳細図
【図12】従来例の羽根車の正面図
【図13】従来例の羽根車の斜視図
【図14】従来例の羽根車の作用説明図
【符号の説明】
【0023】
1 紙幣
2 入出金口
3 集積部
4 シャッタ
5 認識部
6 一時保留部
7 紙幣収納部
8 分離部
10 フィードローラ
11 リバースローラ
13 羽根車
131、132 羽根
14 繰り出しローラ
15 走行ガイド
151 開口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣を1枚ずつ分離して集積することができる紙幣収納部を有し、収納された紙幣を1枚ずつ繰り出す紙幣自動入出金機において、
紙幣の走行ガイド内に実装され、紙幣を叩き落すと共に集積紙幣を押える羽根車の放射状体の各羽根を、その先部が左右に拡がるように複数に分割して形成したことを特徴とする紙幣自動入出金機。
【請求項2】
請求項1において、羽根車の各羽根の先部が左右に拡がるように二又に分かれて形成されていることを特徴とする紙幣自動入出金機。
【請求項3】
請求項1において、羽根車の各羽根の先部が中央および左右に拡がるように三又に分かれて形成されていることを特徴とする紙幣自動入出金機。
【請求項4】
請求項1において、走行ガイドの開口を、断面形状をテーパー状にした口広としたことを特徴とする紙幣自動入出金機。
【請求項1】
紙幣を1枚ずつ分離して集積することができる紙幣収納部を有し、収納された紙幣を1枚ずつ繰り出す紙幣自動入出金機において、
紙幣の走行ガイド内に実装され、紙幣を叩き落すと共に集積紙幣を押える羽根車の放射状体の各羽根を、その先部が左右に拡がるように複数に分割して形成したことを特徴とする紙幣自動入出金機。
【請求項2】
請求項1において、羽根車の各羽根の先部が左右に拡がるように二又に分かれて形成されていることを特徴とする紙幣自動入出金機。
【請求項3】
請求項1において、羽根車の各羽根の先部が中央および左右に拡がるように三又に分かれて形成されていることを特徴とする紙幣自動入出金機。
【請求項4】
請求項1において、走行ガイドの開口を、断面形状をテーパー状にした口広としたことを特徴とする紙幣自動入出金機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−207906(P2008−207906A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−44463(P2007−44463)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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