説明

紙幣識別機の紙幣引き抜き防止機構

【課題】 設置スペースが少なくて済む小型でコンパクトな紙幣識別機の紙幣引き抜き防止機構を提案すること。
【解決手段】 紙幣識別機の紙幣引き抜き防止機構11は、紙幣搬送路3からの紙幣Pの引き抜きを防止可能な突出位置13Aおよび当該紙幣搬送路3から退避した退避位置13Bの間を揺動可能な揺動部材13と、紙幣搬送路3の幅方向に往復移動可能な直線移動部材14と、直線移動部材14に形成した突起16と、揺動部材13に形成され、紙幣搬送路3の幅方向に傾斜している傾斜面部分17aを備えた摺動面17と、突起16および摺動面17の当接状態を保持している捩じりばね18とを有している。直線移動部材14が移動すると、突起16が傾斜面部分17aに沿って摺動面から下りて揺動部材13が退避位置13Bから突出位置13Aに揺動して、紙幣Pの引き抜きが阻止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技台用台間機、自動販売機、両替機などに組み込まれている紙幣識別機に関し、特に、紙幣挿入口から挿入されて紙幣搬送路内に留まっている紙幣が不正に抜き取られることを防止するための紙幣引き抜き防止機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店などの遊技店においては、多数台の遊技台が台間機を挟み配列され、遊技者が遊技台から離れることなく、隣接する台間機から遊技媒体の貸し出しを受けることができるようになっている。台間機としては、紙幣により遊技媒体の貸し出しを行うことができるように、紙幣識別機を備えたものが知られている。
【0003】
紙幣識別機は、一般に、紙幣挿入口から挿入された紙幣を搬送する紙幣搬送機構と、挿入された紙幣の真偽、種類などを判別するための判別機構と、真札であると判断された紙幣を収納するストッカとを備えている。紙幣挿入口から挿入された紙幣は、紙幣搬送機構によって搬送され、所定の紙幣搬送路上において一時的に留まり、真偽の判別を経た後に、ストッカに収納される。
【0004】
このような紙幣識別機では、挿入されて真偽の判別を経た後に紙幣搬送路に一時的に留まっている紙幣が、不正行為により、紙幣挿入口を介して引き抜かれるおそれがある。そこで、従来においては、紙幣搬送路にシャッタ手段を配置して、挿入された紙幣が不正に引き抜かれないようにしている。シャッタ手段を備えた紙幣引き抜き防止機構は、例えば、下記の特許文献1に開示されている。
【0005】
ここに開示されているシャッタ手段は、紙幣搬送路に形成されているスリットを、上下方向(紙幣搬送路に直交する方向)にスライド自在なプレートと、このプレートをスライドさせるためのラック・ピニオン機構とを備えている。挿入された紙幣がシャッタ手段の下流側に通過すると、ラック・ピニオン機構によってプレートがスリットを貫通して移動して、紙幣搬送路を封鎖する。この結果、紙幣を引き出すことが不可能になる。
【特許文献1】特開平07−129816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、一般的な自動販売機や両替機などに紙幣識別機を組み込む場合には、その設置スペースを十分に確保できることが多い。しかし、遊技店などにおける遊技台の間あるいは隣接位置に設置される台間機において、多数台の遊技台を設置できるようにするために台間機の設置スペースが極めて制限される。よって、小さな設置スペースに設置される台間機に組み込まれる紙幣識別機の設置スペースも自ずと小さくなる。
【0007】
このような限れられた設置スペースに設置される紙幣識別機は可能な限り小型化を図ることが望ましい。このためには、各構成部分の小型化、コンパクト化を図る必要がある。ここで、従来における紙幣引き抜き防止機構は、紙幣搬送路に直交する方向に移動するプレートを備えているので、プレートの移動範囲を包含する設置スペースが必要である。また、プレートを移動させるための機構もラック、ピニオンなどの複数の部品が必要である。よって、従来の紙幣引き抜き防止機構は所定の設置スペースが必要であり、台間機に組み込む紙幣識別機に搭載するためには、更なる小型化、コンパクト化を図ることが望ましい。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、小型化およびコンパクト化を図るのに適した紙幣識別機の紙幣引き抜き防止機構を提案することにある。
【0009】
また、本発明の課題は、小型でコンパクトな紙幣引き抜き防止機構を備えた小型でコンパクトな紙幣識別機を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、紙幣識別機の紙幣搬送路から紙幣が引き抜かれることを防止するための紙幣引き抜き防止機構において:前記紙幣搬送路の幅方向に延びる揺動中心線を中心として、前記紙幣搬送路からの紙幣の引き抜きを防止可能な突出位置、および当該紙幣搬送路から退避した退避位置の間を揺動可能な揺動部材と;前記紙幣搬送路の幅方向に往復移動可能な直線移動部材と;前記揺動部材および前記直線移動部材の一方の部材に形成された突起と;前記揺動部材および前記直線移動部材の他方の部材に形成され、前記紙幣搬送路の幅方向に傾斜している傾斜面部分を備えた摺動面と;前記突起および前記摺動面の当接状態を保持している付勢部材とを有し;前記直線移動部材が移動すると、前記突起が前記摺動面の前記傾斜面部分に沿って摺動して、前記揺動部材が、前記退避位置から前記突出位置、あるいは、前記突出位置から前記退避位置に揺動することを特徴としている。
【0011】
ここで、前記揺動部材を、前記紙幣搬送路の幅方向に平行に配置された揺動板と、この揺動板の後端部分の幅方向の両側に形成した揺動軸と、前記揺動板の前記紙幣搬送路に対峙している表面における先端部分に形成した引き抜き防止用の爪と、前記揺動板の前記表面に形成した前記摺動面とを備えた構成とすることができる。また、前記直線移動部材を、前記紙幣搬送路と前記揺動板の間において、前記紙幣搬送路の幅方向に平行に配置された細長い直線移動板と、この直線移動板の前記揺動板側の表面における前記摺動面に対峙している部位に形成した前記突起とを備えた構成とすることができる。さらに、前記付勢部材を、前記揺動部材を前記紙幣搬送路の側に向けて付勢しているばね部材とすることができる。この場合には、前記直線移動板が第1位置から第2位置に移動すると、前記突起が前記摺動面の傾斜面部分に乗り上げて前記揺動板が前記退避位置まで揺動して、前記爪が前記紙幣搬送路から退避し、前記直線移動板が前記第2位置から前記第1位置に移動すると、前記突起が前記傾斜面部分に沿って前記摺動面から下りて前記揺動板が前記突出位置まで揺動作して、前記爪が前記紙幣搬送路内に突出するようにすればよい。
【0012】
次に、本発明は紙幣識別機に関するものであり、上記構成の紙幣引き抜き防止機構を有していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の紙幣識別機の紙幣引き抜き防止機構では、揺動部材を用いて紙幣の引き抜きを防止している。揺動部材の設置スペースおよびその揺動のためのスペースは、プレートを紙幣搬送路に直交する方向に移動させる場合に比べて小さくて済む。また、揺動部材および直線移動部材を紙幣搬送路の幅方向に向けて当該紙幣搬送路と平行に配置することにより、紙幣搬送路の直交方向におけるこれらの部材の設置スペースが少なくて済む。さらに、双方の部材の一方に形成した突起と、他方の部材に形成した傾斜面部分を備えた摺動面との機械的係合によって、揺動部材を揺動させているので、ラック、ピニオン等の部品を備えている場合に比べて機構が簡単になり、設置スペースも少なくて済む。よって、本発明によれば、従来に比べて設置スペースが少なくて済む小型でコンパクトな紙幣引き抜き防止機構を実現できる。
【0014】
したがって、本発明による紙幣引き抜き防止機構を備えた紙幣識別機は、紙幣引き抜き防止機構の設置スペースが少なくて済むので、全体として小型化、コンパクト化を達成することができる。このため、特に設置スペースが限られている遊技台用の台間機などに搭載するのに適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した紙幣識別機の一例を説明する。
【0016】
図1は本例の紙幣識別機の紙幣引き抜き防止機構が組み込まれている部分を示す部分裏面図であり、図2はそのII−II線で切断した部分を示す説明図である。紙幣識別機1の基本構成は、従来のものと同様であり、紙幣挿入口2と、挿入された紙幣Pを搬送するための紙幣搬送路3と、紙幣搬送路3上において紙幣Pの真偽および金種などを判別するための判別機構(図示せず)と、真札であると判別された紙幣Pを収納するためのストッカ(図示せず)を有している。紙幣搬送路3には、当該紙幣搬送路上にある紙幣Pが紙幣挿入口2から引き抜かれることを防止するための紙幣引き抜き防止機構11が付設されている。
【0017】
紙幣搬送路3は、一定の間隔で対向配置した上側ガイド板4および下側ガイド板5の間に形成されており、それらの端部に上下に広がった紙幣挿入口2が形成されている。下側ガイド板5が取り付けられているシャーシ6における紙幣搬送方向Aに離れた位置には、左右一対の駆動プーリ7aおよび左右一対の従動プーリ7bが配置され、これらの間にはそれぞれ搬送ベルト7cが架け渡されている。駆動プーリ7aは搬送モータ8によって駆動される。搬送ベルト7cの表面は下側ガイド板5から紙幣搬送路3に露出しており、当該搬送ベルト7cには、上側ガイド板4の側に配置された複数のガイドローラ9が連れ回り可能な状態で当接している。紙幣挿入口2から紙幣Pを所定量だけ差し込むと、内蔵のセンサ(図示せず)によって紙幣Pが検知されて、搬送モータ8によって下側の左右一対の搬送ベルト7cが駆動を開始し、これらの搬送ベルト7cと、これらに接している上側のガイドローラ9との間に挟まれた状態で、紙幣Pが紙幣搬送路3に沿って内部に送り込まれる。
【0018】
図3(a)は紙幣引き抜き防止機構11を示す裏面図であり、図3(b)および(c)はその動作を示すための側面図である。これらの図も参照して説明すると、本例の紙幣引き抜き防止機構11は、紙幣搬送路3における従動プーリ7bが配置されている下側ガイド板5の裏面側に配置されており、紙幣搬送路3の幅方向に向けて紙幣搬送路3と平行に延びる揺動中心線12を中心として、紙幣搬送路3からの紙幣Pの引き抜きを防止可能な突出位置13A、および当該紙幣搬送路3から退避した退避位置13Bの間を揺動可能な揺動部材13を備えている。また、紙幣搬送路3の幅方向に沿って当該紙幣搬送路3に平行な方向に往復直線運動が可能な状態に保持されている直線移動部材14と、この直線移動部材14を直線往復移動させるためのソレノイド15とを備えている。
【0019】
揺動部材13および直線移動部材14の一方の部材には、紙幣搬送路3にほぼ直交する方向に延びる紙幣引き抜き防止用の突起16が形成されている。本例では、直線移動部材14の側に一対の突起16が形成されている。また、揺動部材13および直線移動部材14の他方の部材には、紙幣搬送路3の幅方向に傾斜している傾斜面部分17aを備えた摺動面17が形成されている。本例では、揺動部材13の側に一対の摺動面17が形成されている。さらに、突起16および摺動面17の当接状態を保持するための付勢部材として、捩じりばね18を備えている。
【0020】
各部の構造を詳細に説明する。まず、揺動部材13は、紙幣搬送路3の幅方向に沿って当該紙幣搬送路に平行となるように配置された揺動板21を備えている。揺動板21の後端部の左右の側面には、揺動中心線12を中心とする揺動軸22が一体形成されており、これらの揺動軸22がシャーシ64によって回転自在の状態で支持されている。また、一方の揺動軸22には捩じりばね18が取り付けられており、揺動板21を常に、紙幣搬送路3の方向、すなわち、下側ガイド板4に向かう方向に所定のばね力によって付勢している。
【0021】
この揺動板21の紙幣搬送路3に対峙している側の表面21aにおける先端部分には、幅方向に沿って所定の間隔で引き抜き防止用の爪23が一体形成されている。また、当該表面21aにおける後端に近い部分には、左右一対の摺動面17が一体形成されている。摺動面17は、表面21aから幅方向に向けて徐々に隆起している傾斜面部分17aと、この傾斜面部分17aに連続した頂面部分17bとを備えた台形状のものである。
【0022】
次に、直線移動部材14は、紙幣搬送路3の下側ガイド板5と揺動板21の間において、紙幣搬送路3の幅方向に沿って当該紙幣搬送路と平行に配置された細長い直線移動板31を備えている。この直線移動板31の揺動板21に対峙している表面31aには、揺動板側の各摺動面17に対峙している部位に突起16が一体形成されている。突起16は直線移動板31の表面31から垂直に突出した円柱状突起であり、その先端面は半球面とされ、揺動板側の摺動面17上を幅方向に向けて滑らかに摺動可能となっている。さらに、直線移動板31の一端は直角に折れ曲がった取付部32とされており、ここに、ソレノイド15のプランジャ15aの先端部が連結されている。
【0023】
この構成の紙幣識別機1の紙幣引き抜き防止機構11の動作を説明する。初期状態においては、図2の想像線、および図3(b)に示すように、直線移動部材14の突起16は、揺動部材13の摺動面17から外れた揺動板表面31aに当っている。この状態は捩じりばね18のばね力によって保持され、揺動部材13の紙幣引き抜き防止用の爪23が下側ガイド板5に形成されているスリット5a(図1参照)を通って紙幣搬送路3内に突出して、紙幣の引き抜きができない突出位置13Aとなっている。
【0024】
紙幣挿入口2から紙幣Pが挿入されたことが検出されると、ソレノイド5が励磁され、そのプランジャ15aが吸引されて、直線移動部材14が紙幣搬送路3の幅方向に引かれるので(直線移動部材14が第1位置から第2位置に移動するので)、そこに形成されている突起16は、揺動部材13の側の摺動面17の傾斜面部分17aに沿って摺動してその頂面17bに乗り上げる。この結果、揺動部材13はばね力に逆らって紙幣搬送路3から遠ざかった退避位置13Bに揺動して、その紙幣引き抜き防止用の爪23が紙幣搬送路3から退避する。よって、紙幣挿入口2から挿入された紙幣Pを紙幣搬送路3に沿って搬送することが可能になる。図2の実線および図3(c)はこの状態を示してある。
【0025】
紙幣挿入口2から挿入された紙幣Pは、紙幣搬送路3に沿って内部に送り込まれ、内蔵の判別機構(図示せず)によってその真偽などが判別される。図2においては、この状態における紙幣Pの紙幣搬送路上の位置を示してある。紙幣Pの後端縁Paは紙幣引き抜き防止用の爪23よりも搬送方向Aの下流側(内部)に位置している。
【0026】
紙幣Pの後端縁Paが爪23よりも下流側に到ると、紙幣引き抜き防止機構11のソレノイド15が消磁されて、そのプランジャ15aが突出位置に復帰する。この結果、直線移動部材14が紙幣搬送路3の幅方向に押し出されるので(直線移動部材14が第2位置から第1位置に移動するので)、そこに形成されている突起16は、揺動部材13の側の摺動面17における頂面17bから傾斜面部分17aに沿って摺動して、揺動板表面31aに到る。揺動部材13は捩じりばね18によって直線移動部材14の側に付勢されているので、これに伴って、直線移動部材14の側に揺動して、図2の想像線および図3(b)に示す突出位置13Aに到る。この結果、揺動部材13の紙幣引き抜き防止用の爪23が下側ガイド板5に形成されているスリット5a(図1参照)を通って紙幣搬送路3内に突出して、紙幣の引き抜きができない状態が形成される。この後に、紙幣Pの真偽の判別動作が終了して、紙幣Pが不図示のストッカに収納される。
【0027】
このように、本例の紙幣識別機1の紙幣引き抜き防止機構11は、揺動部材13、直線移動部材14、ソレノイド15および捩じりばね16から構成でき、これらの部品の移動範囲も極めて少なくて済む。また、揺動部材13、直線移動部材14は紙幣搬送路3の裏面側においてそれに平行に幅方向に配置されているので、それらの設置スペース、特に紙幣搬送路に直交する方向の設置スペースが少なくて済む。よって、従来の紙幣引き抜き機構に比べて、設置スペースが少なくて済む小型でコンパクトな紙幣引き抜き機構を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を適用した紙幣識別機の紙幣引き抜き防止機構を示す部分裏面図である。
【図2】図1のII−IIで切断した部分を示す説明図である。
【図3】(a)は図1の紙幣引き抜き防止機構を示す裏面図であり、(b)および(c)はその動作を説明するための側面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 紙幣識別機
2 紙幣挿入口
3 紙幣搬送路
4 上側ガイド板
5 下側ガイド板
6 シャーシ
7c 搬送ベルト
8 搬送モータ
9 ガイドローラ
11 紙幣引き抜き防止機構
12 揺動中心線
13 揺動部材
13A 突出位置
13B 退避位置
21 揺動板
21a 表面
22 揺動軸
23 爪
14 直線移動部材
31 直線移動板
31a 表面
32 取付部
15 ソレノイド
16 突起
17 摺動面
17a 傾斜面部分
17b 頂面
18 捩じりばね
P 紙幣
Pa 紙幣の後端縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣識別機の紙幣搬送路から紙幣が引き抜かれることを防止するための紙幣引き抜き防止機構において、
前記紙幣搬送路の幅方向に延びる揺動中心線を中心として、前記紙幣搬送路からの紙幣の引き抜きを防止可能な突出位置、および当該紙幣搬送路から退避した退避位置の間を揺動可能な揺動部材と、
前記紙幣搬送路の幅方向に往復移動可能な直線移動部材と、
前記揺動部材および前記直線移動部材の一方の部材に形成された突起と、
前記揺動部材および前記直線移動部材の他方の部材に形成され、前記紙幣搬送路の幅方向に傾斜している傾斜面部分を備えた摺動面と、
前記突起および前記摺動面の当接状態を保持している付勢部材とを有し、
前記直線移動部材が移動すると、前記突起が前記摺動面の前記傾斜面部分に沿って摺動して、前記揺動部材が、前記退避位置から前記突出位置、あるいは、前記突出位置から前記退避位置に揺動することを特徴とする紙幣識別機の紙幣引き抜き防止機構。
【請求項2】
請求項1において、
前記揺動部材は、前記紙幣搬送路の幅方向に平行に配置された揺動板と、この揺動板の後端部分の幅方向の両側に形成した揺動軸と、前記揺動板の前記紙幣搬送路側の表面における先端部分に形成した引き抜き防止用の爪と、前記揺動板の前記表面に形成した前記摺動面とを備えており、
前記直線移動部材は、前記紙幣搬送路と前記揺動板の間において、前記紙幣搬送路の幅方向に平行に配置された細長い直線移動板と、この直線移動板の前記揺動板側の表面における前記摺動面に対峙している部位に形成した前記突起とを備えており、
前記付勢部材は、前記揺動部材を前記紙幣搬送路の側に向けて付勢しているばね部材であり、
前記直線移動板が第1位置から第2位置に移動すると、前記突起が前記摺動面の傾斜面部分に乗り上げて前記揺動板が前記退避位置まで揺動して、前記爪が前記紙幣搬送路から退避し、
前記直線移動板が前記第2位置から前記第1位置に移動すると、前記突起が前記傾斜面部分に沿って前記摺動面から下りて前記揺動板が前記突出位置まで揺動作して、前記爪が前記紙幣搬送路内に突出することを特徴とする紙幣識別機の紙幣引き抜き防止機構。
【請求項3】
請求項1または2に記載の紙幣引き抜き防止機構を有していることを特徴とする紙幣識別機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−79158(P2006−79158A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−259354(P2004−259354)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(000128946)マミヤ・オーピー株式会社 (122)
【Fターム(参考)】