説明

紙用柔軟剤

【課題】紙用柔軟剤に関し、更に詳しくは、貯蔵時の多層分離を起こさず、かつ、水への希釈分散性に優れ、パルプスラリーに添加した際に、紙力の低下が少なく、優れた柔軟性付与効果を有する紙用柔軟剤を提供する。
【解決手段】(A)成分:ポリアルキレンポリアミン類とモノカルボン酸類との反応で得られるアミド系化合物と、エピハロヒドリンとの反応物、(B)成分:炭素数が4〜20のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する乳化剤、及び(C)成分:水とを含有し、前記(A)成分のモノカルボン酸類が炭素数6〜14の飽和モノカルボン酸類及び炭素数18の不飽和モノカルボン酸類を少なくとも60重量%含有し、前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分の重量比が特定の割合であり、粘度が10〜1000mPa・sであり、かつ、透過率が60%以上であることを特徴とする紙用柔軟剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙用柔軟剤に関し、更に詳しくは、貯蔵時の多層分離を起こさず、かつ、水への希釈分散性に優れ、パルプスラリーに添加した際に、紙力の低下が少なく、優れた柔軟性付与効果を有する紙用柔軟剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ティシュペーパー、トイレットペーパー及びキッチンペーパー等の家庭用薄葉紙は、その重要な物性のひとつに柔軟性があり、特に近年の高品質化の要求により、高い柔軟性が求められるようになってきている。また、家庭用薄葉紙以外でも、書籍用紙やコート紙などの一般紙においても、触わった時の風合を良くするために、紙の柔軟性が求められるようになりつつある。
【0003】
紙に柔軟性を付与する薬品としては、ジ長鎖アルキル型4級アンモニウム塩(例えば、特許文献1参照)に代表されるカチオン性柔軟剤や、ポリアルキレンアルキルエーテルなどの非イオン性活性剤(例えば、特許文献2,3参照)などが公知である。しかしながら、カチオン性柔軟剤は紙の強度の低下が大きくてその使用量に制限があった。また非イオン性界面活性剤は、パルプスラリーに添加した場合に、紙への定着が悪く、その柔軟効果は充分に満足されるものではなかった。またカチオン性のアミド系成分と非イオン性成分とを組み合わせた柔軟剤(例えば、特許文献4,5,6,7参照)や、4級アンモニウム塩とアミド化合物の組み合わせ(例えば、特許文献8参照)も公知であるが、強度の低下は依然として大きく、またその柔軟性も充分に満足されないものではなかった。
【0004】
また、ポリアルキレンポリアミン類と、モノカルボン酸との反応で得られるアミド系化合物と、エピハロヒドリンとの反応物(以下、「CAE樹脂」と略することがある)が紙のサイズ剤の主要成分として、有用であることは、公知(例えば、特許文献9,10参照)である。またCAE樹脂のサイズ剤以外の用途として不透明度向上剤、多孔性向上剤(例えば、特許文献11,12参照)として公知であり、紙のドライヤードラムからの剥離性改良に有用であること(例えば、特許文献13参照)も公知であり、またCAE樹脂と非イオン性の化合物からなる紙用添加剤も公知(例えば、特許文献14参照)であるが、柔軟性についての記載はなく、またそれらの柔軟性は満足されるレベルではなかった。また、これらのCAE樹脂は、それ自身では水への希釈分散性がよくないため、予め水に乳化したエマルジョンとする必要があった。エマルション化をした場合、工程が増えるばかりか、輸送コストがかかるなどの問題があり、また貯蔵安定性が問題になるケースもあった。
【0005】
【特許文献1】特開昭63−165597号公報
【特許文献2】特公昭41−9801号公報
【特許文献3】特開昭56−107072号公報
【特許文献4】特開2004−44058号公報
【特許文献5】WO2006/025576号公報
【特許文献6】特開2006−70371号公報
【特許文献7】特開2007−2388号公報
【特許文献8】特開2006−28670号公報
【特許文献9】特公昭42−2922号公報
【特許文献10】特開昭47−11306号公報
【特許文献11】特開昭61−252400号公報
【特許文献12】特開平2000−273792号公報
【特許文献13】特開昭59−30997号公報
【特許文献14】特開2005−344229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は貯蔵時の多層分離を起こさず、かつ、水への希釈分散性に優れ、パルプスラリーに添加した際に、紙力の低下が少なく、優れた柔軟性付与効果を有する紙用柔軟剤を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、特定のCAE樹脂と特定の乳化剤と水とを予め混合して成る混合物が貯蔵時の多層分離を起こさず、かつ、水への希釈分散性に優れ、パルプスラリーに添加した際に、紙力の低下が少なく、優れた柔軟性付与効果を有することを見出し本発明の完成に至った。
【0008】
前記課題を解決しようとする手段は、
(1)(A)成分:ポリアルキレンポリアミン類とモノカルボン酸類との反応で得られるアミド系化合物と、エピハロヒドリンとの反応物、
(B)成分:炭素数が4〜20のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する乳化剤、及び
(C)成分:水
とを含有し、
前記(A)成分のモノカルボン酸類が炭素数6〜14の飽和モノカルボン酸類及び炭素数18の不飽和モノカルボン酸類を少なくとも60重量%含有し、
前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分の重量比が(A)成分/(B)成分/(C)成分=70〜25/25〜70/3〜20であり、
25℃における粘度が10〜1000mPa・sであり、かつ
25℃における透過率が60%以上であることを特徴とする紙用柔軟剤、
(2)(B)成分乳化剤がアルキレンオキサイド付加物であり、かつノニオン性であることを特徴とする前記(1)の紙用柔軟剤、
(3)(B)成分乳化剤を少なくとも2種類以上使用することを特徴とする前記(1)又は(2)の紙用柔軟剤、
(4)(D)多価アルコールを含有していることを特徴とする前記(1)ないし(3)のいずれかの紙用柔軟剤
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、貯蔵時の多層分離を起こさず、かつ、水への希釈分散性に優れる特定のCAE樹脂と特定の乳化剤と水とを予め混合して成る混合物よりなる紙用柔軟剤を提供することができ、パルプスラリーに添加することで、紙力の低下が少なく、優れた柔軟性付与効果を発揮する紙用柔軟剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、
(A)成分:ポリアルキレンポリアミン類とモノカルボン酸類との反応で得られるアミド系化合物と、エピハロヒドリンとの反応物、
(B)成分:炭素数が4〜20のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する乳化剤、及び
(C)成分:水
とを含有するものであり、
前記(A)成分のモノカルボン酸類が炭素数6〜14の飽和モノカルボン酸類及び炭素数18の不飽和モノカルボン酸類を少なくとも60重量%含有し、
前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分の重量比が(A)成分/(B)成分/(C)成分=70〜25/25〜70/3〜20であり、
25℃における粘度が10〜1000mPa・sであり、かつ
25℃における透過率が60%以上であることを特徴とする紙用柔軟剤である。
【0011】
(A)成分ポリアルキレンポリアミン類と炭素数6〜14の飽和モノカルボン酸類及び炭素数18の不飽和モノカルボン酸類を少なくとも60重量%含有するモノカルボン酸類との反応で得られるアミド系化合物と、エピハロヒドリンとの反応物は、ポリアルキレンポリアミン類とモノカルボン酸類とを通常用いられる反応条件にてアミド系化合物とし、これにエピハロヒドリンを通常用いられる反応条件にて反応することであることができる。
【0012】
本発明の(A)成分に使用される、モノカルボン酸類は、モノカルボン酸だけでなく、ポリアルキレンポリアミン類と反応することによりアミド系化合物を形成できるモノカルボン酸のエステルなどの誘導体であればよく、モノカルボン酸類が炭素数6〜24のモノカルボン酸類であり、かつ炭素数6〜14の飽和モノカルボン酸類及び炭素数18の不飽和モノカルボン酸類を少なくとも60重量%含有するモノカルボン酸類である。炭素数6〜14の飽和モノカルボン酸類及び炭素数18の不飽和モノカルボン酸類を60重量%未満では優れた柔軟性付与効果を発揮することができない。
【0013】
炭素数6〜24のモノカルボン酸類は、炭素数6〜24である直鎖飽和モノカルボン酸、分岐鎖を有する飽和モノカルボン酸、不飽和カルボン酸の何れでも良く、ポリアルキレンポリアミン類と反応することによりアミド系化合物を形成できる炭素数6〜24のモノカルボン酸のエステルなどの誘導体であればよい。これら各種のモノカルボン酸の中でも特に、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸が好ましく、オレイン酸が更に好ましい。これらはその一種を単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
【0014】
本発明の(A)成分に使用される、ポリアルキレンポリアミン類としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、イミノビスプロピルアミン及びこれらのアミン類のアルキレンオキシド付加物が挙げられ、これらは、モノカルボン酸類と反応することによりアミド系化合物を形成できるものである。これらはその一種を単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。これらの中で、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンが好ましく、さらにはテトラエチレンペンタミンが特に好ましい。これらはその一種を単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
【0015】
ポリアルキレンポリアミン類と、モノカルボン酸類との反応比は、好ましくはポリアルキレンポリアミン類の1つのアミノ基に対してモノカルボン酸類の反応量が、0.3〜0.8当量である。0.3当量よりも少ない場合には、柔軟性付与効果が十分でなく、0.8当量を超えた場合にも、パルプへの定着性が悪化し、柔軟性付与効果が十分でない場合がある。
【0016】
本発明のポリアルキレンポリアミン類とモノカルボン酸の反応で得られるアミド系化合物の、モノカルボン酸の一部を二塩基性カルボン酸に置き換えることもできる。二塩基性カルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ドデカン二酸などが挙げられ、工業的には炭素数5〜10の二塩基性カルボン酸が好ましい。二塩基性カルボン酸類で工業的に特に好ましいものとしては、アジピン酸、グルタル酸ジメチルエステル、アジピン酸ジメチルエステルが挙げられる。上記の二塩基性カルボン酸類は1種又は2種以上を併用して使用することができる。
【0017】
本発明に使用されるエピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリンなどが挙げられ、その中でもエピクロロヒドリンが好ましい。
【0018】
本発明の(A)成分に使用される、エピハロヒドリンのモル量は、アミド系化合物の残存アミノ基の活性水素に対して、0.05〜1.0当量であり、好ましくは、0.1〜0.6当量である。本発明の紙用柔軟剤とした際に、エピハロヒドリンのモル量が0.05当量よりも少ないと経時での安定性が悪くなる場合があり、また1.0当量を超えると粘度が高くなり、水への分散性が悪くなる場合がある。
【0019】
ここで、残存アミノ基は、アミノ系化合物のアミン価を測定して算出することができる。
残存アミノ基=アミン価=(V ×F ×0.5 ×56.1 )/S
但し、V :1 /2 規定塩酸メタノール液の滴定量(cc)
F :1 /2 規定塩酸メタノール液の力価
S :採取した試料の固形分量(g)
【0020】
本発明の(B)成分炭素数の4〜20がアルキル基及び/又はアルケニル基を有する乳化剤は、アルキル基及び/又はアルケニル基の炭素数が4〜20である官能基を有しているとともに乳化剤としての機能を有している限り、他の官能基を有していてもよく、例えば、アルキルアリール基のようなものもアルキル基の部分を有しているため含まれる。これらの一種を単独で使用することができ、またその二種以上を併用することもできる。また、乳化剤のイオン性はアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性のいずれであってもよいが、ノニオン性、カチオン性が好ましく、工業的に安価なノニオン性が更に好ましい。これらの一種を単独で使用することができ、またその二種以上を併用することもできる。
【0021】
ノニオン性乳化剤としては、例えば、炭素数の4〜20がアルキル基及び/又はアルケニル基を有する脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミド、各種ポリアルキレンオキサイド型ノニオン性界面活性剤(脂肪酸アルキレンオキサイドソルビタンエステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレン脂肪族アルコール、ポリオキシアルキレン脂肪族アミン、ポリオキシアルキレン脂肪族メルカプタン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアラルキルアリールエーテル等)が挙げられる。これらの中でも乳化分散性に優れるアルキレンオキサイド付加物であることが好ましく、さらにアルキレンオキサイドとして乳化剤1分子当たり1〜20モル付加していることが好ましい。アルキレンオキサイドのアルキル基の炭素数が2〜4であることが特に好ましい。
【0022】
カチオン性乳化剤としては、例えば、炭素数の4〜20がアルキル基及び/又はアルケニル基を有する長鎖アルキルアミン塩、ポリオキシアルキレンアミン、テトラアルキル4級アンモニウム塩、トリアルキルベンジル4級アンモニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルキノリウム塩、アルキルホスホニウム塩、アルキルスルホニウム塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては各種ベタイン系界面活性剤が挙げられる。これらの中でもテトラアルキル4級アンモニウム塩および/またはアルキレンオキサイド付加物であることが好ましく、さらにアルキレンオキサイドとして乳化剤1分子当たり1〜20モル付加していることが好ましい。アルキレンオキサイドのアルキル基の炭素数が2〜4であることが特に好ましい。
【0023】
アニオン性乳化剤としては、例えば、炭素数の4〜20がアルキル基及び/又はアルケニル基を有するアルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアラルキルアリール硫酸エステル塩、アルキル─アリールスルホン酸塩及び各種スルホコハク酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも乳化分散性に優れるアルキレンオキサイド付加物であることが好ましく、さらにアルキレンオキサイドとして乳化剤1分子当たり1〜20モル付加していることが好ましい。アルキレンオキサイドのアルキル基の炭素数が2〜4であることが特に好ましい。
【0024】
両性乳化剤としては、例えば、炭素数の4〜20がアルキル基及び/又はアルケニル基を有するアルキルベタイン、アルキルアミノカルボン酸塩系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも乳化分散性に優れるアルキレンオキサイド付加物であることが好ましく、さらにアルキレンオキサイドとして乳化剤1分子当たり1〜20モル付加していることが好ましい。アルキレンオキサイドのアルキル基の炭素数が2〜4であることが特に好ましい。
【0025】
炭素数の4〜20がアルキル基及び/又はアルケニル基を有する乳化剤の具体例としては、例えば、グリセロールモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン (20)ソルビタンヤシ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン (6)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン (20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(6)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(160)ソルビタントリイソステアレート、ポリオキシエチレン(20) ソルビタンヤシ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(30)ソルビトールテトラオレエート、ポリオキシエチレン(40) ソルビトールテトラオレエート、ポリオキシエチレン(60) ソルビトールテトラオレエート等の脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(5)デシルエーテル、ポリオキシエチレン(8)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ヤシアルコールエーテル、ポリオキシエチレン(5)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(7)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(4)2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン(6)イソデシルエーテル、ポリオキシエチレン(8)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(15)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(4)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(7)オレイルアミド、ポリオキシエチレン(4)モノオレエート、ポリオキシエチレン(4)モノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ヒマシ油、オレイン酸ジエタノールアマイド、ポリオキシエチレン(6)ポリオキシプロピレン(4)デシルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ポリオキシプロピレン(2)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ポリオキシプロピレン(3)トリデシルエーテル、オレイン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン(4)ポリオキシプロピレン(12)オレイルエーテルのオレイン酸エステル、ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(9)のオレイン酸ジエステル等のノニオン性乳化剤、ポリオキシエチレン(5)ラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリル(7)アミン、ポリオキシエチレンプロピレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−シクロヘキシルアミン、1−ヒドロキシエチル−1−エチル−2−オレイルイミダゾリンエチル硫酸塩、ジメチルジラウリルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性乳化剤、ポリオキシエチレン(6)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(8)ラウリルエーテルリン酸カリウム等のアニオン性乳化剤、2−オレイル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等の両性乳化剤などが挙げられる。これらの一種を単独で使用することができ、またその二種以上を併用することもできる。
【0026】
本発明の(B)成分乳化剤は、少なくとも2種類以上使用することが好ましい。少なくとも2種類以上使用することで、貯蔵時の多層分離を起こさず、水への希釈分散性に優れた紙用柔軟剤を容易に調製できる。
【0027】
本発明に使用される(C)成分の水は、蒸留水やイオン交換水のようなものだけでなく、通常の工業用水も用いることができるが、そのイオン濃度が高い場合には、紙用柔軟剤が分離することがあるため、できるだけイオン濃度は低いことが好ましい。
【0028】
さらに本発明の紙用柔軟剤は、貯蔵時の安定性をよくする目的や紙用柔軟剤の粘度を下げる目的で(D)多価アルコールを配合することが出来る。
【0029】
(D)成分:多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトールが挙げられ、その中でもプロピレングリコールが好ましい。これらはその一種を単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
【0030】
(D)多価アルコールを使用する場合は、(A)成分〜(C)成分の合計100重量%に対して10重量%以下で使用することができ、好ましくは、5重量%以下で使用する。
【0031】
本発明の紙用柔軟剤は、前記(A)成分〜(C)成分を加えたもの、または、前記(A)成分〜(C)成分にさらに(D)成分などを加えたものを攪拌混合し得られる。攪拌混合する温度および時間は、配合物を均一に混合できればよく特に制限されないが、通常5〜60℃および10分〜5時間である。また、攪拌混合設備についても特に制限はないが、通常羽根型攪拌機、ラインミキサーなどを使用する。
【0032】
本発明における(A)成分は70〜25重量%、好ましくは60〜30重量%であり、(B)成分は25〜70重量%、好ましくは40〜70重量%であり、(C)成分は3〜20重量%である。(A)成分が70重量%を超えた場合、(B)成分が25重量%よりも低い場合、粘度が高くなり、水への希釈分散性が悪くなる場合があり、(A)成分が30重量%よりも低い場合、(B)成分が70重量%よりも高い場合には、充分な柔軟性付与効果が得られない場合がある。(C)成分が3重量%よりも低い場合、貯蔵時の多層分離を引き起こす場合があり、20重量%を超えては貯蔵時の多層分離を引き起こすばかりか、粘度が高くなり、水への希釈分散性が悪くなる場合がある。
【0033】
本発明の紙用柔軟剤の粘度(B型粘度計を用いて25℃にて測定)は、通常、10〜1000mPa・sである。10mPa・sよりも低い場合、貯蔵時の多層分離を引き起こす場合があり、1000mPa・sを越えると水への希釈分散性が劣り、操業の悪化に繋がる恐れがある。
【0034】
本発明の紙用柔軟剤の透過率(分光光度計を用いて620nmにおける透過率を25℃にて測定)が、60%以上100%以下である。60%よりも低い場合、経時で貯蔵時の多層分離を引き起こす場合がある。
【0035】
本発明の紙用柔軟剤としては、(A)成分の製造時に(B)成分、(C)成分を混合した紙用柔軟剤とすることもでき、(A)成分の製造後に(B)成分、(C)成分を混合した紙用柔軟剤とする事もできる。
【0036】
本発明の紙用柔軟剤は前記の割合で(A)成分と(B)成分と(C)成分とを混合することにより紙用柔軟剤を得ることができる。この紙用柔軟剤は、紙料(パルプスラリー)に添加して使用してもよく、原紙の表面に塗工して(即ち、表面塗工して)使用しても良い。更に、本発明の紙用柔軟剤を紙料に添加し、次いで抄紙し、乾燥して得られた原紙の表面に本発明の紙用柔軟剤を塗工するようにして、本発明の紙用柔軟剤を使用しても良い。何れの使用によっても、この紙用柔軟剤は、紙の柔軟性を向上させることができる。いずれにしてもこれらの割合で(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含有する柔軟剤を有する成紙が得られる。(A)成分と(B)成分とを別々に紙料に添加すると本発明の目的は達成できない。このように本発明に係る紙用柔軟剤は、A成分における疎水部とB成分における疎水部とがファンデルワールス力により緩やかに結合し、A成分とB成分からなるミセルが形成されるため、A成分とB成分とを別々に添加乃至塗工したときには得られない本発明の技術的効果が奏されるものと考えられる。
【0037】
本発明の紙用柔軟剤を紙料に添加して使用する場合、その使用方法は特に制限はなく、工業水などにより希釈して添加することもでき、そのまま添加することもできる。いずれの場合も、本発明の紙用柔軟剤を用いること以外は、一般的な紙の製造方法と同様の方法を採用できる。
【0038】
本発明の紙用柔軟剤は通常、パルプ固形分に対し固形分で0.005重量%〜0.5重量%の使用割合で添加すればよい。0.005重量%未満では十分な柔軟性向上効果が得られない場合があり、0.5重量%を超えては、紙の強度の低下が大きくなる場合がある。
【0039】
かくして、得られた本発明の紙用柔軟剤は、パルプスラリーに添加した際に、紙の強度の低下が少なく、優れた搾水性向上効果を示す。
【0040】
本発明の紙用柔軟剤を含有する紙としては、特に制限されないが、各種の紙、及び板紙が挙げられる。紙の種類としては、PPC用紙、インクジェット印刷用紙、レーザープリンター用紙、フォーム用紙、熱転写紙、感熱記録原紙、感圧記録原紙等の記録用紙、印画紙及びその原紙、アート紙、キャストコート紙、上質コート紙等のコート原紙、クラフト紙、純白ロール紙等の包装用紙、ティシュペーパー、トイレットペーパー、タオルペーパー、キッチンペーパーなどの家庭用薄葉紙、その他ノート用紙、書籍用紙、各種印刷用紙、新聞用紙等の各種紙(洋紙)、マニラボール、白ボール、チップボール等の紙器用板紙、ライナー、石膏ボード原紙等の板紙が挙げられる。紙以外には改質木材、無機系建築材料が挙げられ、例えばパーティクルボード、ハードボード、インシュレーションボード、ロックウールボード等を挙げることができる。この中でも特に家庭用薄葉紙が好ましく、家庭用薄葉紙の中でも、ティシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパーが特に好ましい。
【0041】
本発明の紙用柔軟剤を含有する紙はパルプ原料としてクラフトパルプあるいはサルファイトパルプなどの晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプあるいはサーモメカニカルパルプなどの晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙あるいは脱墨古紙などの古紙パルプを含有することができる。この中でも特に晒しクラフトパルプが好ましい。また、上記パルプ原料とポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリオレフィン、及びポリビニルアルコール等の合成繊維との混合物を含有してもよい。
【0042】
本発明の紙を製造するにあたって、填料、サイズ剤、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、歩留り向上剤、嵩高剤、紙厚向上剤、不透明化剤及び濾水性向上剤などの添加物も、各々の紙種に要求される物性を発現するために、必要に応じて使用しても良い。これらは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。また、これらを本発明の紙用柔軟剤と予め混合して紙料に添加して使用することもでき、混合の方法は特に制限はない。
【0043】
填料としては、クレー、タルク、及び炭酸カルシウム等が挙げられ、これらは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。
【0044】
サイズ剤としては、ステアリン酸ナトリウムのような脂肪酸石鹸のサイズ剤、ロジン、強化ロジン、及びロジンエステル系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸の水性エマルション、2−オキセタノンの水性エマルション、パラフィンワックスの水性エマルション、カルボン酸と多価アミンとの反応により得られるカチオン性サイズ剤及び脂肪族オキシ酸と脂肪族アミン又は脂肪族アルコールとの反応物の水性エマルション、カチオン性スチレン系サイズ剤等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。
【0045】
乾燥紙力向上剤としては、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、及び両性澱粉等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、二種以上を併用しても良い。
【0046】
湿潤紙力向上剤としては、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、及び尿素・ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、アニオン性ポリアクリルアミドを併用しても良い。また、湿潤紙力向上剤は本発明の紙用柔軟剤を添加する前、添加した後、あるいは同時に添加して使用しても良い。
【0047】
歩留り向上剤としては、アニオン性、カチオン性、又は両性の高分子量ポリアクリルアミド、シリカゾルとカチオン化澱粉の併用、及びベントナイトとカチオン性高分子量ポリアクリルアミドの併用等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。
【0048】
濾水性向上剤としては、ポリエチレンイミン、又はカチオン性、両性若しくはアニオン性ポリアクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。
【0049】
また、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、カレンダーなどで、澱粉、ポリビニルアルコール及びアクリルアミド系ポリマー等の表面紙力向上剤、染料、コーティングカラー、表面サイズ剤、並びに防滑剤、多価アルコール系の保湿剤などを必要に応じて塗布しても良い。これらは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。
【実施例】
【0050】
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、各例中、%は特記しない限りすべて重量%である。
【0051】
(製造例1)
温度計、冷却器、撹拌機、及び窒素導入管を備えた500ml四つ口丸底フラスコに、テトラエチレンペンタミン85.5g (アミン価1320 0.4モル)、オレイン酸335g(1.20モル)を仕込み170℃まで昇温し、生成する水を除去しながら7時間反応させた。このアミド化合物200.0gを温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた500mlの四つ口フラスコに仕込み、80℃まで昇温した後、エピクロロヒドリン14.9g(0.16モル 残存アミノ基に対して0.4当量)を加え、80℃にて4時間反応させて、CAE樹脂((A)成分)を得た。
【0052】
製造例2〜9
前記製造例1のモノカルボン酸種類、モノカルボン酸とアミンの比率、エピクロロヒドリンの反応当量を、表1に示したものに代えた以外は、製造例1と同様にしてCAE樹脂を得た。
【0053】
【表1】

【0054】
表1中(*1)は、ヤシ脂肪酸のモノカルボン酸組成:C8/C10/C12/C14/C16/C18=6/6/50/18/10/2(重量%)。ここで、C8は炭素数8の飽和モノカルボン酸であるカプリル酸、C10は炭素数10の飽和モノカルボン酸であるカプリン酸、C12は炭素数12の飽和モノカルボン酸であるラウリン酸、C14は炭素数14の飽和モノカルボン酸であるミリスチン酸、C16は炭素数16の飽和モノカルボン酸であるパルミチン酸、C18は炭素数18の飽和モノカルボン酸であるステアリン酸である。
【0055】
実施例1
製造例1にて得られたCAE樹脂 45gに対して、(B)成分としてポリオキシエチレン (6)ソルビタンモノラウレート 50g、次いで、(C)成分として水5gを加えて、50℃で30分攪拌機にて混合することで(A)成分/(B)成分/(C)成分=50/45/5の紙用柔軟剤を得た。
【0056】
実施例2〜14、比較例1〜6
前記実施例1の(A)成分、(B)成分の種類、(A)成分/(B)成分/(C)成分の比率を、表1に示したものに代えた以外は、製造例2と同様にして紙用柔軟剤を得た。
【0057】
【表2】

【0058】
表2中(*2)は、EOはエチレンオキサイドを、POはプロピレンオキサイドを、( )内の数字は平均付加量(モル)を示している。[ ]内の数字は、(B)成分にしめる重量%を示している。
表2中(*3)は、ポリオキシエチレン ポリオキシプロピレンイソデシルエーテル。平均分子量450、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=65/35(モル比)であることを示している。
表2中(*4)は、ポリオキシエチレン ポリオキシプロピレンラウリルエーテル。平均分子量500、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=70/30(モル比)であることを示している。
【0059】
実施例15
実施例7にて得られた紙用柔軟剤100gに対して、プロピレングリコール 5gを混合攪拌して均一溶液とし、紙用柔軟剤を得た。
【0060】
(実施例16)
<紙質の評価>
広葉樹晒亜硫酸塩パルプ(以下において、LBKPと略す。)を、CSF(カナディアン・スタンダード・フリーネス)420に調整した濃度2.4%の紙料に、表2の実施例1記載の紙用柔軟剤の0.5%水溶液を紙料に対して0.2%になるように添加した。攪拌した後、角型シートマシンにて抄紙して、坪量40g/mの手抄き紙を得た。得られた手抄き紙を23℃、湿度50%の条件下に24時間調湿した後、乾燥引張強度および柔軟性の指標としてヤング率の測定を下記方法により測定した。なお、前記薬品の添加率はパルプ絶乾重量に対する固形分重量比である。測定結果を表3に示す。
乾燥引張強度: JIS P8113に準拠
ヤング率:野村商事製 配向性測定器SST−2500により超音波伝播速度 Vを測定し、下記式よりヤング率を求めた。紙用柔軟剤無添加の紙を100として指数にて表記した。数値が低いほど紙が柔軟になったことを示す。
ヤング率∝ρV2 (ρ:密度)
【0061】
<紙用柔軟剤としての静置安定性の評価試験>
実施例1記載の紙用柔軟剤を25℃で1ヶ月間静置したときの安定性を調べた。調べた結果を表3に示す。評価は、紙用柔軟剤が、25℃で1ヶ月間静置したとき目視で多層分離していない場合を○、多層分離したものと認められる場合を×と評価した。
<分散性の評価試験>
30ミリリットルのビーカーに水20ミリリットルを入れ、回転数300rpm(回転子30×直径7mm)で攪拌しながら、使用液の温度を25℃にし、そのまま攪拌をしつつ、実施例1記載の紙用柔軟剤を100マイクロリットル添加して目視にて均一になるまでの時間を300秒まで測定した。数値の低いほど分散性に優れることを示す。結果を表3に示す。
<透過率の評価>
日立(株)製 分光光度計(U−1000型レシオビーム分光光度計)を用いて、620nmにおける透過率を測定した。結果を表3示した。
【0062】
実施例17〜30 、比較例7〜13
実施例16で用いた紙用柔軟剤を表3に記載のものに変えた以外は実施例16と同様にして紙質の評価、安定性の評価、分散性の評価、透過率の評価を行った。結果を表3に示す。
【0063】
比較例14,15、16
実施例16で用いた紙用柔軟剤の代わりに、製造例1の(A)成分のみを添加した、あるいはポリオキシエチレン ポリオキシプロピレンイソデシルエーテル(平均分子量450、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=65/35(モル比))、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライドのみを添加した以外は実施例16と同様にして紙質の評価、安定性の評価、分散性の評価、透過率の評価を行った。結果を表3に示す。
【0064】
【表3】

【0065】
表3中(*5)は、水に希釈分散しないため、評価系に均一に添加することができなかった。
表3中(*6)は、固形状であり粘度の測定が出来なかった。
表3中(*7)は、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライドの75%溶液。水含有量15〜5%、イソプロピルアルコール含有量10〜20%である。
【0066】
表3の結果より、本発明の紙用柔軟剤の実施例16〜30は、(A)成分の炭素鎖が、あるいは(A)成分、(B)成分、(C)成分の比率が本発明の紙用柔軟剤から外れる比較例7、比較例9〜12に対して、経時での貯蔵安定性、水への希釈分散性に優れ、また、ヤング率を下げることができ柔軟性付与効果が高いことが分かる。また、(A)成分にエピハロヒドリンを反応させていない比較例8に対しては、経時での貯蔵安定性が優れることが分かる。
さらに、本願発明の(A)成分、(B)成分それぞれを単独でパルプに添加した比較例14,15に対しヤング率を下げる効果、水への希釈分散性において、本発明の実施例16〜30の方が顕著に優れることが分かる。また、比較例16は、ヤング率が85.6まで下がっているが、引張強度が1.45まで下がっており、紙力への悪影響が大きいことが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:ポリアルキレンポリアミン類とモノカルボン酸類との反応で得られるアミド系化合物と、エピハロヒドリンとの反応物、
(B)成分:炭素数が4〜20のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する乳化剤、及び
(C)成分:水
とを含有し、
前記(A)成分のモノカルボン酸類が炭素数6〜14の飽和モノカルボン酸類及び炭素数18の不飽和モノカルボン酸類を少なくとも60重量%含有し、
前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分の重量比が(A)成分/(B)成分/(C)成分=70〜25/25〜70/3〜20であり、
25℃における粘度が10〜1000mPa・sであり、かつ
25℃における透過率が60%以上であることを特徴とする紙用柔軟剤。
【請求項2】
(B)成分乳化剤がアルキレンオキサイド付加物であり、かつノニオン性であることを特徴とする請求項1に記載の紙用柔軟剤。
【請求項3】
(B)成分乳化剤を少なくとも2種類以上使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の紙用柔軟剤。
【請求項4】
(D)多価アルコールを含有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の紙用柔軟剤。

【公開番号】特開2010−144271(P2010−144271A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321536(P2008−321536)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(000109635)星光PMC株式会社 (102)
【Fターム(参考)】