説明

紙筒苗群分離装置

【課題】本発明は、苗供給者の身体的負担を小さくしながら、移植機に対する紙筒苗列の供給作業を簡単、確実かつ正確で効率良く実行できるようにする。
【解決手段】上下支持片11の前端で支持された当板12と上下支持片11の後端で支持された縦ハンドル13とからなる固定枠体KW1と、当板12に固定された右側支持片15にその前端が回動自在に支承されると共に、その後端が右側横ハンドル23を支持し、その右側中央横架軸21に多数の湾曲する右側係合針22が植設されてなる右側回動枠体RW1Rと、当板12に固定された左側支持片16にその前端が回動自在に支承されると共に、その後端が左側横ハンドル26を支持し、その左側中央横架軸24に多数の湾曲する左側係合針25が植設されてなる左側回動枠体RW1Lとを備えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙筒苗群分離装置に関し、特に、紙筒苗分離器の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図5に示すように紙筒苗分離器100においては、上下支持片101の前端で当板102を支持すると共に後端で縦ハンドル103を支持してなる固定枠体KWと、当該当板102に固定された左右支持片105に対してその前端が回動自在に支承される一方、その後端が横ハンドル106を支持し、かつ中央横架軸107に対して多数の湾曲した係合針108が植設されてなる回動枠体RWとから構成され、更に当板102にはその上端に前向き屈曲片110が延出されている。
【0003】
この紙筒苗分離器100では、紙筒苗群(図示せず)における最前列の紙筒苗列の側面に当板102が当接されると共に当該紙筒苗列の上面に前向き屈曲片110が乗載され、すなわち当板102の上端部と前向き屈曲片110とにより形成される直角隅角部111が紙筒苗列の上端部に当接嵌合された固定状態において、回動枠体RWを回動して複数の係合針108をそれぞれ複数の紙筒内に挿入係合させ、その状態で、紙筒苗分離器100全体が手前側へ引かれることにより、当該最前列の紙筒苗列を次順位列のものから分離させるようになされたものである(例えば特許文献1参照)。
【0004】
一方、半自動ビート用移植機においては、左右2つの苗植付部を有するタイプのものがあり、左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに紙筒苗列をそれぞれ載せる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−55825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、左右2つの苗植付部を有するタイプの半自動ビート用移植機を1名の苗供給者だけで操作する際、左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトの間に所定距離の間隔が開いているため、苗供給者が着座している座席中央の位置から紙筒苗分離器100を用いて左右2つの苗搬送ベルトの上に紙筒苗列を載せる際、苗供給者が身体を左右へ大きく捻る必要があり、身体的負担が大きいと共に、作業効率が悪いという問題があった。
【0007】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、苗供給者の身体的負担を小さくしながら、移植機に対する紙筒苗列の供給作業を簡単、確実かつ正確で効率良く実行し得る紙筒苗群分離装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る本発明の紙筒苗群分離装置においては、上下支持片の前端で支持された当板と上下支持片の後端で支持されたハンドルとからなる固定枠体と、当板に固定された第1支持片にその前端が回動自在に支承されると共に、その後端が第1ハンドルを支持し、その第1中央横架軸に多数の湾曲する第1係合針が植設されてなる第1回動枠体と、当板に固定された第2支持片にその前端が回動自在に支承されると共に、その後端が第2ハンドルを支持し、その第2中央横架軸に多数の湾曲する第2係合針が植設されてなる第2回動枠体とを備えるように構成されたものである。
【0009】
これにより紙筒苗群分離装置は、半自動ビート用移植機における複数の苗植付部に対応した複数の苗搬送ベルトの間に間隔が開いていても、複数の苗搬送ベルトに第1回動枠体及び第2回動枠体をそれぞれ対応させた状態で個別に回動動作することができるので、苗供給者が身体を左右へ捻ることなく、第1回動枠体により保持された第1紙筒苗列、第2回動枠体により保持された第2紙筒苗列を複数の苗搬送ベルトに簡単、確実かつ正確で効率良く供給することができる。
【0010】
また、請求項2に係る紙筒苗群分離装置においては、第1回動枠体又は第2回動枠体がその回動方向とは直交する長手方向へスライドするようにした。
【0011】
これにより紙筒苗群分離装置は、半自動ビート用移植機における複数の苗植付部に対応した複数の苗搬送ベルトの間に間隔が開いていても、第1回動枠体又は第2回動枠体がその回動方向とは直交する長手方向へスライドするので、苗供給者が身体を左右へ捻ることなく、複数の苗搬送ベルトに対して第1回動枠体及び第2回動枠体をそれぞれ位置的に対応させた状態で、第1回動枠体により保持された第1紙筒苗列、第2回動枠体により保持された第2紙筒苗列を複数の苗搬送ベルトに簡単、確実かつ正確で効率良く供給することができる。
【0012】
さらに、請求項3に係る紙筒苗群分離装置において、当板は、第1回動枠体及び第2回動枠体にそれぞれ対応した第1当板及び第2当板を有し、第1回動枠体及び第1当板が一体化した状態で、かつ第2回動枠体及び第2当板が一体化した状態で、第1回動枠体又は第2回動枠体の回動方向とは直交する長手方向へスライドするようにした。
【0013】
これにより紙筒苗群分離装置は、第1回動枠体及び第1当板が一体化した状態で、かつ第2回動枠体及び第2当板が一体化した状態で、第1回動枠体又は第2回動枠体の回動方向とは直交する長手方向へスライドすることにより、半自動ビート用移植機における複数の苗植付部に対応した複数の苗搬送ベルトの間に間隔が開いていても、苗供給者が身体を左右へ捻ることなく、複数の苗搬送ベルトに対して第1回動枠体及び第2回動枠体をそれぞれ位置的に対応させた状態で、第1回動枠体及び第2回動枠体を個別に回動動作させることができるので、第1回動枠体により保持された第1紙筒苗列、第2回動枠体により保持された第2紙筒苗列を複数の苗搬送ベルトに簡単、確実かつ正確で効率良く供給することができる。
【0014】
さらに、請求項4に係る紙筒苗群分離装置においては、第1回動枠体及び第2回動枠体が所定のスライド軸を介して相互に連結されているようにした。
【0015】
これにより紙筒苗群分離装置は、半自動ビート用移植機における複数の苗植付部に対応した複数の苗搬送ベルトの間に間隔が開いていても、第1回動枠体及び第2回動枠体が所定のスライド軸を介して相互に連結されているので、スライド後の1回の回動動作だけで、苗供給者が身体を左右へ捻ることなく、複数の苗搬送ベルトに対して同時に第1紙筒苗列及び第2紙筒苗列を簡単、確実かつ正確で効率良く供給することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、半自動ビート用移植機における複数の苗植付部に対応した複数の苗搬送ベルトの間に間隔が開いていても、複数の苗搬送ベルトに第1回動枠体及び第2回動枠体がそれぞれ対応した状態で個別に回動動作することができるので、苗供給者が身体を左右へ捻ることなく、第1回動枠体により保持された第1紙筒苗列、第2回動枠体により保持された第2紙筒苗列を複数の苗搬送ベルトに簡単、確実かつ正確で効率良く供給し得る紙筒苗群分離装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一の実施の形態における紙筒苗群分離装置の全体構成を示す上面図、正面図及び側面図である。
【図2】本発明の第二の実施の形態における紙筒苗群分離装置の全体構成を示す上面図、正面図及び側面図である。
【図3】本発明の第三の実施の形態における紙筒苗群分離装置の全体構成を示す上面図、正面図及び側面図である。
【図4】本発明の第四の実施の形態における紙筒苗群分離装置の全体構成を示す上面図、正面図及び側面図である。
【図5】従来の紙筒苗分離器の全体構成を示す上面図、正面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(1)第一の実施の形態
図1において、10は全体として本発明の第一の実施の形態における紙筒苗群分離装置を示し、上下支持片11の前端で紙筒苗群(図示せず)における最前列の紙筒苗列の側面に押し当てるための当板12を支持すると共に、その後端で縦ハンドル13を支持してなる固定枠体KW1を有する。
【0019】
また紙筒苗群分離装置10は、縦ハンドル13を中心にして当該当板12の長手方向の右側及び左側に振り分けられて固定された右側支持片15及び左側支持片16を有する。
【0020】
紙筒苗群分離装置10は、右側支持片15に対してその前端が回動自在に支承される一方、その後端が右側横ハンドル23を支持し、かつ右側中央横架軸21に対して多数の湾曲した右側係合針22が植設されてなる右側回動枠体RW1Rを有すると共に、左側支持片16に対してその前端が回動自在に支承される一方、その後端が左側横ハンドル26を支持し、かつ左側中央横架軸24に対して多数の湾曲した左側係合針25が植設されてなる左側回動枠体RW1Lを有している。
【0021】
これら右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lは、あたかも従来の回動枠体RW(図5)をその中心部分から2つに分割したかのようであり、右側中央横架軸21、左側中央横架軸24に対する右側横ハンドル23、左側横ハンドル26の取付状態が左右対称となっている以外、基本的に同じ構造となっているが、互いに独立した状態で、右側支持片15及び左側支持片16に対して回動自在に操作できるようになされている。
【0022】
ところで紙筒苗分離器10では、当板12の上端に前向き屈曲片18が延出されており、紙筒苗群(図示せず)における最前列の紙筒苗列の側面に当板12が当接されると共に当該紙筒苗列の上面に前向き屈曲片18が乗載される。
【0023】
すなわち紙筒苗群分離装置10は、当板12の上端部と前向き屈曲片18とにより形成される直角隅角部19が紙筒苗列の上端部に当接嵌合された固定状態において、右側回動枠体RW1Rの右側中央横架軸21、左側回動枠体RW1Lの左側中央横架軸24に対して植設された多数の湾曲した右側係合針22、左側係合針25をそれぞれ複数の紙筒内に挿入係合させ、その状態で、紙筒苗群分離装置10全体が手前側へ引かれることにより最前列の紙筒苗列を次順位列のものから分離させるようになされている。
【0024】
その後、紙筒苗群分離装置10は、左右2つの苗植付部を有するタイプの半自動ビート用移植機における当該左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対し、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lにより保持している最前列の紙筒苗列を倒置して載せる。
【0025】
その際、紙筒苗群分離装置10は、右側支持片15及び左側支持片16に対して右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lが互いに独立して回動可能であるため、例えば苗供給者が着座している半自動ビート用移植機の座席中央位置から右側回動枠体RW1Rを回動させて右側紙筒苗列から右側係合針22を引き抜くことにより、当該右側回動枠体RW1Rにより保持されている右側紙筒苗列だけを右側の苗搬送ベルトに載せて供給することができる。
【0026】
その後、紙筒苗群分離装置10は、苗供給者が着座している半自動ビート用移植機の座席中央位置から左側回動枠体RW1Lを回動させて左側紙筒苗列から左側係合針22を引き抜くことにより、当該左側回動枠体RW1Lにより保持されている左側紙筒苗列だけを左側の苗搬送ベルトに載せて供給することができる。
【0027】
このとき紙筒苗群分離装置10は、右側の苗搬送ベルトに対しては右側回動枠体RW1Rだけを回動させて右側紙筒苗列だけを供給することができるし、かつ、左側の苗搬送ベルトに対しては左側回動枠体RW1Lだけを回動させて左側紙筒苗列だけを供給することができるので、身体を左右へ捻る割合を大幅に減少させて苗供給者の身体的負担を軽減し得、かくして容易かつ正確に紙筒苗列を右側及び左側の苗搬送ベルトへ供給し得るようになされている。
【0028】
以上の構成において、第一の実施の形態における紙筒苗群分離装置10は、半自動ビート用移植機における左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトにそれぞれ対応して個別に回動動作可能な右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lを設けたことにより、右側の苗搬送ベルトに対しては右側回動枠体RW1Rだけを回動させて右側紙筒苗列だけを供給することができ、かつ、左側の苗搬送ベルトに対しては左側回動枠体RW1Lだけを回動させて左側紙筒苗列だけを供給することができる。
【0029】
すなわち第一の実施の形態における紙筒苗群分離装置10では、苗供給者に対して、右側の苗搬送ベルトに対しては右側回動枠体RW1Rだけを回動させ、左側の苗搬送ベルトに対しては左側回動枠体RW1Lだけを回動させるようにしたことにより、苗供給者が着座している座席中央位置から右側の苗搬送ベルト及び左側の苗搬送ベルトに紙筒苗列を載せる際に身体を左右へ捻る割合を約半分以下に低減し、紙筒苗列の供給作業を簡単かつ正確に効率良く実行することができる。
【0030】
以上の構成によれば、第一の実施の形態における紙筒苗群分離装置10は、右側支持片15及び左側支持片16に対して右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lを互いに独立して回動可能な構成としたことにより、半自動ビート用移植機における左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対して紙筒苗列を供給するときの身体的負担を大幅に軽減し、かつ紙筒苗列の供給作業を簡単かつ正確に効率良く実行することができる。
【0031】
(2)第二の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付した図2において、30は全体として本発明の第二の実施の形態における紙筒苗群分離装置を示し、上下支持片11の前端で紙筒苗群(図示せず)における最前列の紙筒苗列の側面に押し当てるための当板12を支持すると共に、その後端で縦ハンドル13を支持してなる固定枠体KW1を有する。
【0032】
また紙筒苗群分離装置30は、縦ハンドル13を中心にして当該当板12の長手方向の右側及び左側に固定された右側支持片15及び左側支持片16を有する。
【0033】
紙筒苗群分離装置30は、右側支持片15に対してその前端が回動自在に支承される一方、その後端が右側横ハンドル23を支持し、かつ右側中央横架軸21に対して多数の湾曲した右側係合針22が植設されてなる右側回動枠体RW1Rを有すると共に、左側支持片16に対してその前端が回動自在に支承される一方、その後端が左側横ハンドル26を支持し、かつ左側中央横架軸24に対して多数の湾曲した左側係合針25が植設されてなる左側回動枠体RW1Lを有している。
【0034】
これら右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lは、右側中央横架軸21、左側中央横架軸24に対する右側横ハンドル23、左側横ハンドル26の取付状態が左右対称となっている以外、基本的に同じ構造となっており、右側支持片15及び左側支持片16に対して同時に回動操作できるようになされている。
【0035】
実際上、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lは、中空のパイプ状に形成された右側横ハンドル23及び左側横ハンドル26に対して棒状でなるスライド軸31が挿通されたことにより相互に連結され、右側横ハンドル23、左側横ハンドル26がスライド軸31に対して長手方向に沿ったスライド方向及び当該スライド軸31を中心とした回転方向へ摺動可能に取り付けられている。
【0036】
さらに左側回動枠体RW1Lについては、左側支持片16の間に取り付けられた軸32A、及び当該軸32Aに対してスライド方向及び回転方向に摺動可能に取り付けられた円筒状のスライダー32Bにより構成されるスライドユニット32を有し、当該スライドユニット32のスライダー32Bが、2本のステー32Cを介して左側中央横架軸24に固定されている。
【0037】
これにより紙筒苗群分離装置30は、右側回動枠体RW1Rに対して左側回動枠体RW1Lがスライドユニット32により長手方向に沿ってスライドし得るようになされている。このとき左側回動枠体RW1Lのスライド可能範囲は、スライドユニット32のスライダー32Bが軸32Aを介して左右に摺動可能な左側支持片16の間である。
【0038】
実際上、左側回動枠体RW1Lがスライドして右側回動枠体RW1Rから最も遠くに離れた位置まで移動したときでも、スライド軸31が所定の長さに選定されているため、当該スライド軸31が左側横ハンドル26から外れてしまうことがなく、当該スライド軸31を介して右側横ハンドル23と左側横ハンドル26との連結状態が維持される。
【0039】
かくして紙筒苗群分離装置30では、左側支持片16の間で左側回動枠体RW1Lがスライドして、当該左側回動枠体RW1Lが右側回動枠体RW1Rから所定距離だけ離れた状態であっても、右側横ハンドル23、左側横ハンドル26がスライド軸31を介して連結されているため、右側横ハンドル23又は左側横ハンドル26に対する1回の回動操作に応じて、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lを同時に回動させ得るようになされている。
【0040】
ところで紙筒苗群分離装置30は、当板12の上端に前向き屈曲片18が延出されており、紙筒苗群(図示せず)における最前列の紙筒苗列の側面に当板12が当接されると共に当該紙筒苗列の上面に前向き屈曲片18が乗載される。
【0041】
すなわち紙筒苗群分離装置30は、当板12の上端部と前向き屈曲片18とにより形成される直角隅角部19が紙筒苗列の上端部に当接嵌合された固定状態において、右側回動枠体RW1Rの右側中央横架軸21、左側回動枠体RW1Lの左側中央横架軸24に対して植設された多数の湾曲した右側係合針22、左側係合針25をそれぞれ複数の紙筒内に挿入係合させ、その状態で、紙筒苗群分離装置30全体が手前側へ引かれることにより、最前列の紙筒苗列を次順位列のものから分離させるようになされている。
【0042】
その後、紙筒苗群分離装置30は、左右2つの苗植付部を有するタイプの半自動ビート用移植機における当該左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対し、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lにより保持している最前列の紙筒苗列を倒置して載せる。
【0043】
その際、紙筒苗群分離装置30は、右側回動枠体RW1Rと左側回動枠体RW1Lとの間隔が左右2つの苗搬送ベルトの間隔とほぼ同じ程度の所定距離だけ離れた状態で、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lを同時に回動させることができる。
【0044】
従って紙筒苗群分離装置30では、例えば苗供給者が着座している半自動ビート用移植機の座席中央位置から右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lを同時に回動させて右側係合針22、左側係合針25を引き抜くことにより、当該右側回動枠体RW1Rにより保持されている右側紙筒苗列及び当該左側回動枠体RW1Lにより保持されている左側紙筒苗列を左右2つの苗搬送ベルトに載せて同時に供給することができる。
【0045】
このとき紙筒苗群分離装置30は、苗供給者が着座している座席中央位置から身体を左右へ捻る必要が殆ど無いため、苗供給者の身体的負担を軽減し得、かくして右側紙筒苗列及び左側紙筒苗列を右側及び左側の苗搬送ベルトへ同時に、しかも容易かつ正確に供給し得るようになされている。
【0046】
以上の構成において、第二の実施の形態における紙筒苗群分離装置30は、半自動ビート用移植機における左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対向するように配置でき、かつ、同時に回動動作可能な右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lを設けたことにより、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lを介した1回の回動動作だけで右側の苗搬送ベルト及び左側の苗搬送ベルトへ同時に右側紙筒苗列、左側紙筒苗列を供給することができる。
【0047】
すなわち第二の実施の形態における紙筒苗群分離装置30では、右側回動枠体RW1Rに対して左側回動枠体RW1Lがスライドし、半自動ビート用移植機における左右2つの苗搬送ベルトと位置的に対応した状態で同時に回動動作できるようにしたことにより、苗供給者が着座している座席中央位置のまま身体を左右へ捻ることなく、紙筒苗列の供給作業を同時、簡単かつ正確に効率良く実行することができる。
【0048】
以上の構成によれば、第二の実施の形態における紙筒苗群分離装置30は、左側回動枠体RW1Lに対して右側回動枠体RW1Rをスライド可能とし、かつ右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lを同時に回動動作可能な構成としたことにより、半自動ビート用移植機における左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対して紙筒苗列を供給するときの身体的負担を大幅に軽減し、かつ紙筒苗列の供給作業を同時、簡単かつ正確に効率良く実行することができる。
【0049】
(3)第三の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付した図3において、40は全体として本発明の第三の実施の形態における紙筒苗群分離装置を示し、大きく分けて、右側分離部41及び左側分離部42によって構成されている。
【0050】
右側分離部41は、上下支持片11の前端で紙筒苗群(図示せず)における最前列の紙筒苗列の側面に押し当てるための右側当板12Aを支持すると共に、その後端で縦ハンドル13を支持してなる固定枠体KW1を有する。
【0051】
この右側分離部41は、右側当板12Aの裏側に固定された右側支持片15を有し、当該右側支持片15に対してその前端が回動自在に支承される一方、その後端が中空のパイプ状に形成された右側横ハンドル23を支持し、かつ右側中央横架軸21に対して多数の湾曲した右側係合針22が植設されてなる右側回動枠体RW1Rを有している。
【0052】
一方、左側分離部42は、紙筒苗群(図示せず)における最前列の紙筒苗列の側面に押し当てるためであり、右側当板12Aと同一のサイズ、形状及び機能を有する左側当板12Bを有する。
【0053】
この左側分離部42は、左側当板12Bの裏側に固定された左側支持片16を有し、当該左側支持片16に対してその前端が回動自在に支承される一方、その後端が中空のパイプ状に形成された左側横ハンドル26を支持し、かつ左側中央横架軸24に対して多数の湾曲した左側係合針25が植設されてなる左側回動枠体RW1Lを有している。
【0054】
これら右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lは、右側中央横架軸21、左側中央横架軸24に対する右側横ハンドル23、左側横ハンドル26の取付状態が左右対称となっている以外、基本的に同じ構造となっており、右側支持片15及び左側支持片16に対して個別に独立して回動操作できるようになされている。
【0055】
ところで右側分離部41及び左側分離部42は、スライドユニット51によりスライド自在に連結されており、右側当板12A及び左側当板12Bがお互いの端部で接合された状態から、当該スライドユニット51のスライド可能範囲内で右側当板12A及び左側当板12Bが所定距離だけ離れるようになされている。
【0056】
実際上、スライドユニット51は、右側分離部41の右側当板12Aに対してネジ58、59によりスライドレール52の一端側が取付固定されると共に、左側分離部42の左側当板12Bに対してスライドレール52の他端側がスライド長穴52Aを介してネジ53、54により当該左側当板12Bの長手方向へスライド自在に取り付けられている。
【0057】
すなわち紙筒苗群分離装置40では、ネジ53、54を介して左側当板12Bとスライドレール52とが取り付けられるものの、当該ネジ53、54のネジ軸部分がスライド長穴52A内に位置しているため、当該スライドユニット51のスライド長穴52Aの長さ範囲内で左側当板12Bを長手方向へスライドし得るようになされている。
【0058】
この場合、ネジ53、54は、左側当板12Bがスライドユニット51のスライド長穴52Aの長さ範囲内でスライドする際のストッパの役割を担うことにもなり、右側当板12Aと左側当板12Bとの間隔が必要以上に拡がり過ぎないように設定されている。
【0059】
このように紙筒苗群分離装置40は、右側分離部41に対して左側分離部42が長手方向に沿ってスライドし、このとき右側当板12Aに対して右側回動枠体RW1Rが回動自在に取り付けられていると共に、左側当板12Bに対して左側回動枠体RW1Lが回動自在に取り付けられている。
【0060】
かくして紙筒苗群分離装置40は、右側分離部41に対して左側分離部42がスライドし、半自動ビート用移植機における左右2つの苗搬送ベルトと位置的に対応した状態で、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lを互いに独立して回動させ得るようになされている。
【0061】
ところで紙筒苗群分離装置40は、右側当板12A、左側当板12Bの上端に右側前向き屈曲片18A、左側前向き屈曲片18Bが延出されており、紙筒苗群(図示せず)における最前列の紙筒苗列の側面に右側当板12A、左側当板12Bが当接されると共に当該紙筒苗列の上面に右側前向き屈曲片18A、左側前向き屈曲片18Bが乗載される。
【0062】
すなわち紙筒苗群分離装置40は、右側当板12A、左側当板12Bの上端部と右側前向き屈曲片18A、左側前向き屈曲片18Bとにより形成される右側直角隅角部19A、左側直角隅角部19Bが紙筒苗列の上端部に当接嵌合された固定状態において、右側回動枠体RW1Rの右側中央横架軸21、左側回動枠体RW1Lの左側中央横架軸24に対して植設された多数の湾曲した右側係合針22、左側係合針25をそれぞれ複数の紙筒内に挿入係合させ、その状態で、紙筒苗群分離装置40全体が手前側へ引かれることにより、最前列の紙筒苗列を次順位列のものから分離させるようになされている。
【0063】
その後、紙筒苗群分離装置40は、左右2つの苗植付部を有するタイプの半自動ビート用移植機における当該左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対し、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lにより保持している最前列の右側紙筒苗列及び左側紙筒苗列を倒置して載せる。
【0064】
その際、紙筒苗群分離装置40は、左右2つの苗搬送ベルトの間隔とほぼ同じ程度に設定された距離だけ、左側当板12Bを右側当板12Aから長手方向へスライドさせた後、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lをそれぞれ個別に独立して回動させることができる。
【0065】
従って紙筒苗群分離装置40は、例えば苗供給者が着座している半自動ビート用移植機の座席中央位置から右側回動枠体RW1R、左側回動枠体RW1Lを順番に回動させて右側係合針22、左側係合針25を引き抜くことにより、当該右側回動枠体RW1Rにより保持されている右側紙筒苗列及び当該左側回動枠体RW1Lにより保持されている左側紙筒苗列を左右2つの苗搬送ベルトにそれぞれ載せて供給することができる。
【0066】
このとき紙筒苗群分離装置40は、苗供給者が着座している座席中央位置から身体を左右へ捻る必要が殆ど無いため、苗供給者の身体的負担を軽減し得、かくして右側紙筒苗列及び左側紙筒苗列を右側及び左側の苗搬送ベルトへ容易かつ正確に供給し得るようになされている。
【0067】
なお、紙筒苗群分離装置40は、スライドユニット51により左側当板12Bを右側当板12Aから長手方向へスライドさせた状態で、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lをそれぞれ個別に独立して回動させることができるので、左右2つの苗搬送ベルトの前にそれぞれ苗供給者が着座している場合にも対応することができ、1人用及び2人用に供することができる。
【0068】
以上の構成において、第三の実施の形態における紙筒苗群分離装置40は、右側回動枠体RW1Rと右側当板12Aとが一体化され、左側回動枠体RW1Lと左側当板12Bとが一体化された状態で、右側当板12Aから左側当板12Bがスライドする。
【0069】
このため紙筒苗群分離装置40は、右側係合針22、左側係合針25により係合された右側紙筒苗列、左側紙筒苗列を、当該右側係合針22と右側当板12Aとの間、及び左側係合針25と左側当板12Bとの間に挟み付けたままの強固な状態で保持することが出来る。
【0070】
従って紙筒苗群分離装置40は、半自動ビート用移植機における左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対向するように右側当板12Aから左側当板12Bを配置したとき、当該左右2つの苗搬送ベルトへ右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lから右側紙筒苗列、左側紙筒苗列を供給する前に落下させてしまう事態を未然に回避することができる。
【0071】
また紙筒苗群分離装置40は、右側当板12Aから左側当板12Bをスライドさせて分離すると共に、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lをそれぞれ独立して回動させることができるので、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lにより右側の苗搬送ベルト及び左側の苗搬送ベルトに対して右側紙筒苗列、左側紙筒苗列を独立して供給することができる。
【0072】
すなわち第三の実施の形態における紙筒苗群分離装置40では、右側当板12A及び右側回動枠体RW1Rと、左側当板12B及び左側回動枠体RW1Lとが互いに所定距離だけ離れた状態でそれぞれ個別に回動動作できるようにしたことにより、苗供給者が着座している座席中央位置のまま身体を左右へ捻ることなく、右側紙筒苗列、左側紙筒苗列の供給作業を確実かつ正確に効率良く実行することができる。
【0073】
以上の構成によれば、第三の実施の形態における紙筒苗群分離装置40は、一体化した右側当板12A及び右側回動枠体RW1Rに対して、一体化した左側当板12B及び左側回動枠体RW1Lをスライド可能とし、かつ右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lをそれぞれ独立して回動動作可能な構成としたことにより、半自動ビート用移植機における左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対して紙筒苗列を供給するときの身体的負担を大幅に軽減し、かつ紙筒苗列の供給作業を確実かつ正確に効率良く実行することができる。
【0074】
(4)第四の実施の形態
図3との対応部分に同一符号を付した図4において、60は全体として本発明の第四の実施の形態における紙筒苗群分離装置を示し、大きく分けて、右側分離部41及び左側分離部42によって構成されている。
【0075】
この第四の実施の形態における紙筒苗群分離装置60は、第三の実施の形態における紙筒苗群分離装置40と比べてスライド構造が異なる以外、右側分離部41及び左側分離部42については紙筒苗群分離装置40と同じ構造を有しており、ここでは便宜上その説明を省略する。
【0076】
紙筒苗群分離装置60では、右側分離部41及び左側分離部42が蛇腹式スライドユニット63により伸縮自在に連結されており、右側当板12A及び左側当板12Bがお互いの端部で接合された状態から、当該蛇腹式スライドユニット63の伸縮範囲内で右側当板12A及び左側当板12Bが所定距離だけ離れることができるようになされている。
【0077】
実際上、スライドユニット63は、いわゆる蛇腹構造でなり、右側端部63Aが当板12Aの一端に保持プレート64を介して取り付けられると共に、左側端部63Bが当板12Bの他端に当該保持プレート64を介して取り付けられ、右側端部63A及び左側端部63Bの間にある蛇腹部分63Cが伸縮することにより、右側当板12A及び左側当板12Bの間隔を自在に変更し得るようになされている。
【0078】
ここで、右側当板12A及び左側当板12Bは、保持プレート64を介してスライドユニット63の右側端部63A及び左側端部63Bに取り付けられているため、右側当板12A及び左側当板12Bとの間隔が拡げられたときに、当該保持プレート64により、ぐらついてしまうことを未然に防止し、右側分離部41及び左側分離部42が横一列に並んだ状態を保つようになされている。
【0079】
実際上、紙筒苗群分離装置60では、左側分離部41及び右側分離部42の間が蛇腹式スライドユニット63により伸縮し、このとき右側当板12Aに対して右側回動枠体RW1Rが回動自在に一体に取り付けられていると共に、左側当板12Bに対して左側回動枠体RW1Lが回動自在に一体に取り付けられているので、右側当板12Aと左側当板12Bとを互いに所定距離だけ離した状態で、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lを互いに独立して回動させ得るようになされている。
【0080】
これにより紙筒苗群分離装置60は、左右2つの苗植付部を有するタイプの半自動ビート用移植機における当該左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対し、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lにより保持している最前列の紙筒苗列を倒置して載せる際、左右2つの苗搬送ベルトの間隔とほぼ同じ程度の距離となるように、当板12Aと当板12Bとの間隔を蛇腹式スライドユニット63により拡げた後、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lをそれぞれ個別に独立して回動させることができる。
【0081】
従って紙筒苗群分離装置60は、例えば苗供給者が着座している半自動ビート用移植機の座席中央位置から右側回動枠体RW1R、左側回動枠体RW1Lを順番に回動させて右側係合針22、左側係合針25を引き抜くことにより、当該右側回動枠体RW1Rにより保持されている右側紙筒苗列及び当該左側回動枠体RW1Lにより保持されている左側紙筒苗列を左右2つの苗搬送ベルトに載せて供給することができる。
【0082】
このとき紙筒苗群分離装置60は、苗供給者が着座している座席中央位置から身体を左右へ捻る必要が殆ど無いため、苗供給者の身体的負担を軽減し得、かくして右側紙筒苗列及び左側紙筒苗列を右側及び左側の苗搬送ベルトへ容易かつ正確に供給し得るようになされている。
【0083】
なお、紙筒苗群分離装置60は、右側当板12Aと左側当板12Bとの間隔を蛇腹式スライドユニット63により拡げた状態で、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lをそれぞれ個別に独立して回動させることができるので、左右2つの苗搬送ベルトの前にそれぞれ苗供給者が着座している場合にも対応することができ、1人用及び2人用に供することができる。
【0084】
以上の構成において、第四の実施の形態における紙筒苗群分離装置60は、右側回動枠体RW1Rと当板12Aとが一体化され、左側回動枠体RW1Lと当板12Bとが一体化された状態で、半自動ビート用移植機における左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対向するように、当板12Aと当板12Bとの間隔を蛇腹式スライドユニット63により拡げられる構造であるため、係合針22、25により係合された右側紙筒苗列、左側紙筒苗列を当該係合針22、25及び当板12A、12Bにより挟み付けたまま強固な状態で保持することが出来る。
【0085】
従って紙筒苗群分離装置60は、半自動ビート用移植機における左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対向するように右側当板12A及び左側当板12Bを配置したとき、当該左右2つの苗搬送ベルトへ右側紙筒苗列、左側紙筒苗列を供給する前に落下させてしまうことを未然に回避することができる。
【0086】
また紙筒苗群分離装置60は、半自動ビート用移植機における左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対向するように右側当板12Aと左側当板12Bとの間隔を広げると共に、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lをそれぞれ独立して回動させることができるので、右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lにより右側の苗搬送ベルト及び左側の苗搬送ベルトに対してそれぞれ独立して右側紙筒苗列、左側紙筒苗列を供給することができる。
【0087】
すなわち第四の実施の形態における紙筒苗群分離装置60では、半自動ビート用移植機における左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対向するように、右側当板12A及び右側回動枠体RW1Rと、左側当板12B及び左側回動枠体RW1Lとが互いに所定距離だけ離れた状態で、個別に回動動作できるようにしたことにより、苗供給者が着座している座席中央位置のまま身体を左右へ捻ることなく、右側紙筒苗列、左側紙筒苗列の供給作業を確実かつ正確に効率良く実行することができる。
【0088】
以上の構成によれば、第四の実施の形態における紙筒苗群分離装置60は、右側当板12A及び右側回動枠体RW1Rと、左側当板12B及び左側回動枠体RW1Lとの間隔を蛇腹式スライドユニット63により調整可能とし、かつ右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lを独立して回動動作可能な構成としたことにより、半自動ビート用移植機における左右2つの苗植付部に対応した左右2つの苗搬送ベルトに対して右側紙筒苗列及び左側紙筒苗列を供給するときの身体的負担を大幅に軽減し、かつ紙筒苗列の供給作業を確実かつ正確に効率良く実行することができる。
【0089】
(5)他の実施の形態
なお上述した第一の実施の形態においては、紙筒苗群分離装置10の右側回動枠体RW1R及び左側回動枠体RW1Lが、あたかも従来の回動枠体RW(図5)をその中心部分から2つに分割したかのような構成であり、右側回動枠体RW1Rと左側回動枠体RW1Lとの間隔が殆ど無い場合を一例として説明したが、本発明はこれに限らず、右側回動枠体RW1Rと左側回動枠体RW1Lとの間隔が半自動ビート用移植機における左右2つの苗搬送ベルトの間隔とほぼ同じ程度に予め設定されるようにしても良い。
【0090】
また上述した第二の実施の形態においては、紙筒苗群分離装置30の左側回動枠体RW1Lがスライドして右側回動枠体RW1Rから最も遠くに離れた位置まで移動したときでも、スライド軸31を介して右側横ハンドル23と左側横ハンドル26との連結状態が維持されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、スライド軸31が存在しない状態で、右側回動枠体RW1Rと左側回動枠体RW1Lとがそれぞれ独立して回動動作できるようにしてもよい。
【0091】
さらに上述した第三の実施の形態においては、紙筒苗群分離装置40の右側回動枠体RW1Rと左側回動枠体RW1Lとがそれぞれ独立して回動動作できるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、紙筒苗群分離装置30(図2)のようなスライド軸31を介して右側横ハンドル23と左側横ハンドル26との連結状態が維持されることにより、右側回動枠体RW1Rと左側回動枠体RW1Lとが所定距離だけ離れた状態で同時に回動動作するようにしても良い。
【0092】
さらに上述した第四の実施の形態においては、紙筒苗群分離装置60の右側回動枠体RW1Rと左側回動枠体RW1Lとがそれぞれ独立して回動動作できるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、紙筒苗群分離装置30(図2)のようなスライド軸31を介して右側横ハンドル23と左側横ハンドル26との連結状態が維持されることにより、右側回動枠体RW1Rと左側回動枠体RW1Lとが所定距離だけ離れた状態で同時に回動動作するようにしても良い。
【0093】
さらに上述した第一の実施の形態乃至第四の実施の形態においては、第1回動枠体としての右側回動枠体RW1Rと、第2回動枠体としての左側回動枠体RW1Lとによって紙筒苗群分離装置10、30、40、60を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、少なくとも、2つ以上の回動枠体を有するのであれば、例えば、右側回動枠体RW1R、左側回動枠体RW1L及び中央回動枠体の3つの回動枠体を有する構成であったり、4つ以上の回動枠体を有する構成であっても良い。
【符号の説明】
【0094】
10、30、40、60……紙筒苗群分離装置、11……上下支持片、12……当板、13……縦ハンドル、15……右側支持片、16……左側支持片、18……前向き折曲片、19……直角隅角部、21……右側中央横架軸、24……左側中央横架軸、22……右側係合針、23……右側横ハンドル、26……左側横ハンドル、25……左側係合針、RW1R……右側回動枠体、RW1L……左側回動枠体、31……スライド軸、32……スライドユニット、41……、42……、51……、52……、53、54、58、59……ネジ、63……蛇腹式スライドユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下支持片の前端で支持された当板と前記上下支持片の後端で支持されたハンドルとからなる固定枠体と、
上記当板に固定された第1支持片にその前端が回動自在に支承されると共に、その後端が第1ハンドルを支持し、その第1中央横架軸に多数の湾曲する第1係合針が植設されてなる第1回動枠体と、
上記当板に固定された第2支持片にその前端が回動自在に支承されると共に、その後端が第2ハンドルを支持し、その第2中央横架軸に多数の湾曲する第2係合針が植設されてなる第2回動枠体と
を備えることを特徴とする紙筒苗群分離装置。
【請求項2】
前記第1回動枠体又は前記第2回動枠体がその回動方向とは直交する長手方向へスライドする
ことを特徴とする請求項1に記載の紙筒苗群分離装置。
【請求項3】
前記当板は、前記第1回動枠体及び前記第2回動枠体にそれぞれ対応した第1当板及び第2当板を有し、
前記第1回動枠体及び前記第1当板が一体化した状態で、かつ前記第2回動枠体及び前記第2当板が一体化した状態で、前記第1回動枠体又は前記第2回動枠体の回動方向とは直交する長手方向へスライドする
ことを特徴とする請求項1に記載の紙筒苗群分離装置。
【請求項4】
前記第1回動枠体及び前記第2回動枠体は、所定のスライド軸を介して相互に連結されている
ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の紙筒苗群分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−231759(P2012−231759A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103820(P2011−103820)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【出願人】(000231981)日本甜菜製糖株式会社 (58)
【出願人】(510243528)サークル機工株式会社 (5)
【Fターム(参考)】