説明

紙葉類処理装置、及び紙葉類処理方法

【課題】より効率的に処理を行う紙葉類処理装置、及び紙葉類処理方法を提供する。
【解決手段】紙葉類処理装置は、画像取得部、特徴量抽出部、標準パターン記憶部、選択部、類似度算出部、比較部、判定部および制御部を備える。画像取得部は紙葉類から画像を取得し、特徴量抽出部は取得した画像から特徴量を抽出する。標準パターン記憶部は券種毎の標準パターンを異なる汚損度毎に記憶する。選択部は1つの標準パターン群を選択し、類似度算出部は選択された標準パターンと、特徴量抽出部により抽出した特徴量と、に基づいて類似度を算出し、比較部は算出された類似度と予め設定される閾値とを比較し、判定部は比較結果基づいて紙葉類の券種を判定する。制御部は類似度が閾値未満である場合、まだ選択されていない1つの標準パターン群を選択するように前記選択部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、紙葉類処理装置、及び紙葉類処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の紙葉類の検査を行う紙葉類処理装置が実用化されている。紙葉類処理装置は、紙葉類の画像を読み取る画像読取装置を有する。紙葉類処理装置は、投入部に投入された紙葉類を1枚ずつ取り込み、検査部に搬送する。
【0003】
検査部は、紙葉類の特徴を検知する検知部を備える。検査部は、検知部により所定の方向に搬送される紙葉類から特徴量を検知する。例えば、検査部は、検知結果に基づいて紙葉類の券種(category)を判定する。また、例えば、検査部は、検知結果に基づいて紙葉類の搬送状態を判定する。また、例えば、検査部は、検知結果に基づいて紙葉類の真偽(authentication)を判定する。また、例えば、検査部は、検知結果に基づいて紙葉類が再流通可能であるか否かを判定する。
【0004】
検査部は、例えば、検査する紙葉類のカテゴリ毎に標準パターンを辞書として予め記憶する。検査部は、検知部の検知結果と、辞書の標準パターンとを比較し、比較結果に基づいて各種の判定を行う。
【0005】
しかし、流通時に疲弊及び汚損(soil)などの原因により、紙葉類が有する特徴が変動する場合がある。紙葉類の特徴の変動に対応する為に、検査部は、カテゴリ毎に複数の標準パターンを辞書として備える場合がある。この場合、検査部は、辞書として記憶されている全ての標準パターンと検知部の検査結果とを比較する。この為、処理に時間がかかるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−288627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、より効率的に処理を行う紙葉類処理装置、及び紙葉類処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る紙葉類処理装置は、紙葉類の券種を判定する紙葉類処理装置であって、画像取得部と、特徴量抽出部と、標準パターン記憶部と、選択部と、類似度算出部と、比較部と、判定部と、制御部とを備える。画像取得部は、前記紙葉類から画像を取得する。特徴量抽出部は、前記画像取得部により取得する画像から特徴量を抽出する。標準パターン記憶部は、券種毎の標準パターンを有する標準パターン群を異なる汚損度毎に予め記憶する。選択部は、前記標準パターン記憶部に記憶されている複数の標準パターン群のうち、1つの標準パターン群を選択する。類似度算出部は、前記選択部により選択される標準パターン群が有する少なくとも1つの標準パターンと、前記特徴量抽出部により抽出した特徴量と、に基づいて類似度を算出する。比較部は、前記類似度算出部により算出される類似度と予め設定される閾値とを比較する。判定部は、前記比較部による比較結果において、類似度が閾値以上である場合、前記紙葉類の券種を判定する。制御部は、前記比較部による比較結果において、類似度が閾値未満である場合、前記標準パターン記憶部に記憶されている複数の標準パターン群のうち、まだ選択されていない1つの標準パターン群を選択するように前記選択部を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、一実施形態に係る紙葉類処理装置の構成例について説明するための説明図である。
【図2】図2は、一実施形態に係る券種検知部の構成例について説明するための説明図である。
【図3】図3は、一実施形態に係る辞書の構成例について説明する為の説明図である。
【図4】図4は、一実施形態に係る紙葉類処理装置の動作について説明するための説明図である。
【図5】図5は、一実施形態に係る券種検知部の構成例について説明するための説明図である。
【図6】図6は、一実施形態に係る紙葉類処理装置の動作について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る紙葉類処理装置、及び紙葉類処理方法について詳細に説明する。
【0011】
図1は、一実施形態に係る紙葉類処理装置100の構成例について説明するための説明図である。
紙葉類処理装置100は、操作員の操作に基づいて、紙葉類Pの検査を行う。紙葉類処理装置100は、検査を行った紙葉類Pを集積部により集積及び/又は施封する。
【0012】
紙葉類処理装置100は、供給部2、取り込み部3、搬送状態検知部4、検査部5、厚さ検知部6、集積部7、制御部8、排除券集積部9、及び搬送部41を備える。さらに、紙葉類処理装置100は、紙葉類Pの搬送先を切り替える為の第1のゲートG1及び第2のゲートG2を備える。
【0013】
供給部2は、紙葉類処理装置100に取り込む紙葉類Pをストックする。供給部2は、重ねられた状態の紙葉類Pをまとめて受け入れる装填口を備える。
【0014】
取り込み部3は、分離ローラを備える。分離ローラは、供給部2の上端に設置される。供給部2に紙葉類Pが投入される場合、分離ローラは、投入された紙葉類Pの集積方向の上端に接する。分離ローラは、回転することにより、供給部2に装填される紙葉類Pを集積方向の上端から1枚ずつ紙葉類処理装置100の内部に取り込む。
【0015】
分離ローラは、たとえば、1回転するごとに1枚の紙葉類Pを取り込む。これにより、分離ローラは、紙葉類Pを一定の間隔で取り込む。分離ローラにより取り込まれた紙葉類Pは、搬送部41に導入される。
【0016】
搬送部41は、紙葉類Pを紙葉類処理装置100内の各部に搬送する搬送部である。搬送部41は、図示しない搬送ベルト及び図示しない駆動プーリなどを備える。搬送部41は、図示しない駆動モータにより駆動プーリを駆動する。搬送ベルトは、駆動プーリにより動作する。
【0017】
搬送部41は、取り込み部3の分離ローラにより取り込まれる紙葉類Pを搬送ベルトにより一定速度で搬送する。なお、搬送部41において取り込み部3に近い側を上流側、逆側を下流側として説明する。
【0018】
搬送状態検知部4は、搬送部41により搬送される紙葉類Pの搬送状態を検知する。搬送状態検知部4は、搬送路上における紙葉類Pの位置、スキュー量、及びギャップなどを検知する。
【0019】
例えば、搬送状態検知部4は、紙葉類Pの中心を特定し、特定した中心からのズレを計測することにより、搬送ズレを検知する。また、例えば、搬送状態検知部4は、紙葉類Pの搬送方向に対する傾きを計測することにより、スキュー量を検知する。また、例えば、搬送状態検知部4は、紙葉類Pの搬送方向における後端と、次に搬送される紙葉類Pの搬送方向における先端との距離を測定することにより、ギャップを検知する。
【0020】
検査部5は、真偽検知部51、正損検知部52、及び券種検知部53を備える。
真偽検知部51は、紙葉類Pが真券(legal sheet)であるか、偽券(illegal sheet)であるかを検知する。真偽検知部51は、例えば紙葉類Pの物理的特性(特徴)を検知する物理特性検知部、及び/または、磁気検知部などを備える。物理特性検知部は、例えば、紙葉類Pから蛍光特性、または赤外線特性などを検知する。磁気検知部は、例えば、紙葉類Pから磁気特性を検知する。真偽検知部51は、物理特性検知部、及び/または磁気検知部における検知結果に基づいて紙葉類Pの真偽(authentication)を判定する。
【0021】
正損検知部52は、紙葉類Pの正損(recirculatable/unrecirculatable)を検知する。即ち、正損検知部52は、紙葉類Pが再流通可能(recirculatable)な正券(fit sheet)であるか、再流通不可能(unrecirculatable)な損券(unfit sheet)であるかを検知する。例えば、正損検知部52は、紙葉類Pの物理的特性を検知し、検知結果に基づいて、紙葉類Pの正損を判定する。なお、正損検知部52は、真偽検知部51により真券であると判定された紙葉類Pに対して正損を判定する。
【0022】
券種検知部53は、紙葉類Pの券種(category)を検知する。券種検知部53は、紙葉類Pの両面から光学的特徴を検知する。また、券種検知部53は、標準パターンを券種毎に記憶する辞書を備える。
【0023】
券種検知部53は、例えば、紙葉類Pに対して光を投光する照明部と、紙葉類Pの一方の面から画像を取得するセンサと、紙葉類Pの他方の面から画像を取得するセンサと、を備える。各センサは、それぞれ搬送部41を挟んで互いに対向する位置に配置される。センサは、例えば、Charge Coupled Device(CCD)などの受光素子と、光学系とを備える。なお、センサは、紙葉類Pの一方の面から画像を取得する構成であってもよい。
【0024】
券種検知部53は、照明部により紙葉類Pに対して光を投光する。各センサは、紙葉類Pを透過する光、または、紙葉類Pの面で反射する光を光学系により受光する。光学系は、受光した光を受光素子に結像(image−form)させる。受光素子は、結像される光に基づいて、電気信号(画像)を生成する。
【0025】
券種検知部53は、紙葉類Pから画像を取得する。券種検知部53は、紙葉類Pから取得した画像に基づいて、特徴量(feature value)を抽出する。券種検知部53は、抽出した特徴量と、辞書に記憶されている標準パターンとの類似度を算出する。券種検知部53は、算出した類似度と、予め設定される閾値とに基づいて、紙葉類Pの券種を検知する。さらに、券種検知部53は、紙葉類Pの表/裏、正向き/逆向きを検知する。なお、以下、紙葉類Pの表裏、及び正逆をまとめて券種と称する。
【0026】
厚さ検知部6は、搬送部41により搬送される紙葉類Pの厚さを検知する。厚さ検知部6は、紙葉類Pの厚さに基づいて、紙葉類Pが複数枚重なっている旨、及び紙葉類Pの折れなどを検知する。
【0027】
集積部7は、紙葉類Pを検査部5により検知する券種毎に区分して集積する。集積部7は、正券集積部71と損券集積部72とを備える。正券集積部71は、検査部5により真券であり、且つ正券であると判定された紙葉類Pを集積する。さらに、正券集積部71は、集積した紙葉類Pの枚数が所定枚数に達する場合、紙葉類Pを所定枚数毎に施封する。損券集積部72は、検査部5により真券であり、且つ損券であると判定された紙葉類Pを集積する。
【0028】
制御部8は、紙葉類処理装置100の各部の動作を統合的に制御する。制御部8は、主制御部81、総合判定部82、及び操作部83などを備える。主制御部81は、総合判定部82による判定結果に基づいて、搬送部41、第1のゲートG1、及び第2のゲートG2の動作を制御する。
【0029】
総合判定部82は、搬送状態検知部4、検査部5、及び厚さ検知部6の検知結果に基づいて、紙葉類Pの搬送先を総合的に判定する。
【0030】
例えば、総合判定部82は、真偽検知部51により真券であると判定され、正損検知部52により正券であると判定された紙葉類Pの搬送先を正券集積部71に決定する。主制御部81は、紙葉類Pを正券集積部71に搬送するように第1のゲートG1及び第2のゲートG2を制御する。即ち、主制御部81は、第1のゲートG1を反時計回りに回動し、第2のゲートG2を時計回りに回動するように制御する。
【0031】
また、総合判定部82は、真偽検知部51により真券と判定され、正損検知部52により損券であると判定された紙葉類Pの搬送先を損券集積部72に決定する。主制御部81は、紙葉類Pを損券集積部72に搬送するように第1のゲートG1及び第2のゲートG2を制御する。即ち、主制御部81は、第1のゲートG1を反時計回りに回動し、第2のゲートG2を反時計回りに回動するように制御する。
【0032】
またさらに、総合判定部82は、真偽検知部51により偽券、または排除券と判定された紙葉類Pの搬送先を排除券集積部9に決定する。主制御部81は、紙葉類Pを排除券集積部9に搬送するように第1のゲートG1を制御する。即ち、主制御部81は、第1のゲートG1を時計回りに回動するように制御する。
【0033】
またさらに、総合判定部82は、厚さ検知部6により紙葉類Pが複数枚重なっている事、または、紙葉類Pの折れを検知する場合、紙葉類Pの搬送先を排除券集積部9に決定する。主制御部81は、紙葉類Pを排除券集積部9に搬送するように第1のゲートG1を制御する。即ち、主制御部81は、第1のゲートG1を時計回りに回動するように制御する。
【0034】
操作部83は、例えばキーボード、表示部と一体に形成されるタッチパネル、または操作者による操作に応じた操作信号を受け付ける入力部などを備える。操作部83は、入力される操作に基づいて操作信号を生成する。操作部83は、生成した操作信号を主制御部81に入力する。主制御部81は、入力される操作信号に基づいて、種々の処理を実現する為の制御信号を生成する。
【0035】
排除券集積部9は、検査部5の真偽検知部51により偽券と判定された紙葉類P、厚さ検知部6により複数枚重なっていると判定された紙葉類P、及び、厚さ検知部6により折れが存在すると判定された紙葉類Pを集積する。
【0036】
図2は、図1に示す券種検知部の構成例について説明するための説明図である。
券種検知部53は、センサ501、データ記憶部502、特徴抽出部503、類似度演算部504、判定部505、及び標準パターン記憶部506を備える。また、券種検知部53は、券種検知部53の各部の動作を統合的に制御する図示しない制御部を備える。
【0037】
センサ501は、上記したように、CCDなどの受光素子と、光学系とを備える。 券種検知部53は、搬送部41により矢印Aの方向(搬送方向)に搬送される紙葉類Pに対して図示しない照明部により光を投光する。センサ501は、反射光または透過光を受光し、画像を取得する。センサ501は、取得した画像をデータ記憶部502に入力する。
【0038】
データ記憶部502は、センサ501から入力される画像を一時的に記憶する。
特徴抽出部503は、データ記憶部502に入力される画像データに基づいて紙葉類Pの特徴量を抽出する。データ記憶部502に入力される画像データは、例えば、二次元的に画素が配列された画像である。各画素は、濃淡値を有する。特徴抽出部503は、例えば、画像データの濃淡値に基づいて特徴量を抽出する。特徴抽出部503は、抽出した特徴量を類似度演算部504に伝送する。
【0039】
なお、特徴抽出部503は、画像の濃淡値の微分値に基づいて特徴量を抽出する構成であってもよい。
【0040】
類似度演算部504は、特徴抽出部503により抽出される特徴量と、標準パターン記憶部506に記憶されている標準パターンとの類似度を算出する。類似度演算部504は、例えば、単純類似度法、または複合類似度法などを用いることにより類似度を算出する。
【0041】
標準パターン記憶部506は、券種毎に標準パターンを記憶する。なお、この券種毎の標準パターンを標準パターン群と称する。また、標準パターン群が備える標準パターンの種類は、すくなくとも1つ以上であればいくつであってもよい。標準パターン記憶部506は、この標準パターン群を異なる汚損度(soil level)毎に有する。
【0042】
汚損度は、例えば、紙葉類Pの疲弊及び汚損の度合いを示すパラメータである。紙葉類Pの特徴量は、汚損度により変動する。本実施形態に係る紙葉類処理装置100は、異なる汚損度毎に標準パターン群を備えることにより、疲弊及び汚損を持つ紙葉類Pに対して安定して処理を行うことができる。
【0043】
本実施形態では、例えば、図3に示すように、標準パターン記憶部506は、発行時の紙葉類(新券)から生成される標準パターン群を第1の標準パターン群507として記憶する。また、標準パターン記憶部506は、正損検知部52において正券と判定される紙葉類(流通券)から生成される標準パターン群を第2の標準パターン群508として記憶する。なお、標準パターン記憶部506が保持する標準パターン群の数は、如何なる数であってもよい。
【0044】
標準パターン記憶部506は、汚損度a乃至nに対応する標準パターン群を備える。なお、各標準パターン群の汚損度は、a<b<c・・・<nという関係を有する。また、各標準パターン群は、券種1乃至Nに対応する標準パターンを備える。
【0045】
この場合、汚損度が「a」であり、券種が「1」である標準パターンを「a1」と称する。また、汚損度が「a」であり、券種が「2」である標準パターンを「a2」と称する。また、汚損度が「b」であり、券種が「1」である標準パターンを「b1」と称する。またさらに、汚損度が「n」であり、券種が「N」である標準パターンを「nN」と称する。
【0046】
この場合、汚損度が「a」であり、券種が「1」である標準パターンを「a1」と特徴抽出部503により抽出した特徴量との類似度を「Sa1」とする。また、汚損度が「a」であり、券種が「2」である標準パターンを「a2」と特徴抽出部503により抽出した特徴量との類似度を「Sa2」とする。また、汚損度が「b」であり、券種が「1」である標準パターンを「b1」と特徴抽出部503により抽出した特徴量との類似度を「Sb1」とする。またさらに、汚損度が「n」であり、券種が「N」である標準パターンを「nN」と特徴抽出部503により抽出した特徴量との類似度を「SnN」とする。
【0047】
類似度演算部504は、まず、最も汚損度の低い標準パターン群を用いて類似度の演算を行う。即ち、券種検知部53は、標準パターン記憶部506に記憶されている複数の標準パターン群のうち、最も汚損度が低く、且つ、まだ選択されていない1つの標準パターン群を選択するように類似度演算部504を制御する。この場合、券種検知部53の制御部は、選択部として機能する。
【0048】
図3に示す例では、第2の標準パターン群508より第1の標準パターン群507の方が汚損度が低い為、類似度演算部504は、第1の標準パターン群507を選択する。
【0049】
類似度演算部504は、特徴抽出部503により抽出した特徴量と第1の標準パターン群507が有する各標準パターンa1乃至aNと類似度を算出する。これにより、類似度演算部504は、類似度Sa1乃至SaNを算出する。さらに類似度演算部504は、類似度Sa1乃至SaNのうちの最大の類似度を特定する。類似度演算部504は、特定した最大類似度を判定部505に伝送する。
【0050】
判定部505は、類似度演算部504から伝送される最大類似度と、予め標準パターン記憶部506に記憶される閾値とを比較する。この為に、標準パターン記憶部506は、各標準パターン群毎に閾値を予め記憶する。
【0051】
例えば、第1の標準パターン群507は、さらに第1の閾値T1を有する。また、第2の標準パターン群508は、さらに第2の閾値T2を有する。また、N番目の標準パターン群は、閾値SNを有する。
【0052】
判定部505は、類似度演算部504から伝送される最大類似度と、第1の閾値T1とを比較する。即ち、判定部505は、類似度演算部504から伝送される最大類似度と、この類似度の算出に用いられた標準パターン群が有する閾値とを比較する。
【0053】
類似度演算部504から伝送される最大類似度が第1の閾値T1以上である場合、判定部505は、紙葉類Pの券種の判定を行う。この場合、判定部505は、最大類似度の算出に用いられた標準パターンの券種が紙葉類Pの券種に対応すると判定する。この結果、判定部505は、紙葉類Pの券種を特定することが出来る。判定部505は、紙葉類Pの券種を示す判定結果を制御部8の総合判定部82に伝送する。
【0054】
また、類似度演算部504から伝送される最大類似度が第1の閾値T1未満である場合、判定部505は、次の標準パターン群を用いる処理に移行する。判定部505は、次に汚損度の低い標準パターン群を用いて類似度の演算を行うように類似度演算部504を制御する。
【0055】
類似度演算部504は、特徴抽出部503により抽出した特徴量と第2の標準パターン群508が有する各標準パターンb1乃至bNと類似度を算出する。これにより、類似度演算部504は、類似度Sb1乃至SbNを算出する。さらに類似度演算部504は、類似度Sb1乃至SbNのうちの最大の類似度を特定する。類似度演算部504は、特定した最大類似度を判定部505に伝送する。
【0056】
判定部505は、類似度演算部504から伝送される最大類似度と、第2の閾値T2とを比較する。
【0057】
類似度演算部504から伝送される最大類似度が第2の閾値T2以上である場合、判定部505は、紙葉類Pの券種の判定を行う。判定部505は、紙葉類Pの券種を示す判定結果を制御部8の総合判定部82に伝送する。
【0058】
また、類似度演算部504から伝送される最大類似度が第2の閾値T2未満である場合、判定部505は、紙葉類Pを排除券であると判定する。即ち、類似度演算部504から伝送される最大類似度が第2の閾値T2未満であり、且つ、標準パターン記憶部506にさらに標準パターン群が記憶されていない場合、判定部505は、紙葉類Pを排除券であると判定する。この場合、判定部505は、紙葉類Pが排除券である旨を示す判定結果を制御部8の総合判定部82に伝送する。
【0059】
総合判定部82は、各検知部から伝送される検知結果に基づいて、紙葉類Pの搬送先を総合的に判定する。主制御部81は、総合判定部82により判定される搬送先に紙葉類Pを搬送するように第1のゲートG1及び第2のゲートG2を制御する。
【0060】
なお、上記の例では、標準パターン記憶部506に汚損度の異なる第1の標準パターン群507と第2の標準パターン群508とが記憶されている構成について説明したが、この構成に限定されない。標準パターン記憶部506に記憶される標準パターン群の数は、少なくとも2以上であれば如何なる数であってもよい。
【0061】
図4は、図1に示す紙葉類処理装置100の券種検知部53の動作について説明するための説明図である。
券種検知部53は、図1に示す搬送状態検知部4、または図示しない位置検出センサを用いて紙葉類Pの搬送位置を認識する(ステップS11)。搬送状態検知部4、または位置検出センサの検知位置に紙葉類Pが存在しない場合の検出信号と、紙葉類Pが存在する場合の検出信号とのレベル差に基づいて、紙葉類Pの搬送位置を認識する。
【0062】
券種検知部53は、図2に示すセンサ501の検出位置に紙葉類Pが到達したと判断する場合、センサ501により紙葉類Pから画像を取得する(ステップS12)。
【0063】
券種検知部53は、特徴抽出部503により特徴量を抽出する対象領域を特定する(ステップS13)。特徴抽出部503は、例えば、紙葉類Pの輪郭をセンサ501により取得した画像に基づいて特定する。特徴抽出部503は、特定した輪郭により囲まれる紙葉類領域の重心を特定する。
【0064】
例えば、特徴抽出部503は、特定した紙葉類領域の重心を基準として、紙葉類領域の全面を対象領域として設定する。また、例えば、特徴抽出部503は、紙葉類領域を複数のブロックに分割し、分割された複数のブロックのうちの任意のブロックを対象領域として設定する。
【0065】
券種検知部53は、センサ501により取得した画像と、設定された対象領域とに基づいて、特徴量を抽出する(ステップS14)。即ち、券種検知部53は、センサ501により取得した画像上の対象領域の画像を抽出する。券種検知部53は、抽出した画像の濃淡値、濃淡値の微分値、または他の値に基づいて特徴量を抽出する。
【0066】
券種検知部53は、特徴抽出部503により抽出される特徴量と、標準パターン記憶部506に記憶されている標準パターンとの類似度を算出する(ステップS15)。ここで、券種検知部53は、標準パターン記憶部506に記憶されている標準パターン群のうちで最も汚損度の低い標準パターン群を選択する。本実施形態では、券種検知部53は、第1の標準パターン群507を選択する。券種検知部53は、第1の標準パターン群507が有する各標準パターンと特徴抽出部503により抽出される特徴量との類似度を算出する。
【0067】
さらに、券種検知部53は、算出した類似度に基づいて、最大類似度を特定する。券種検知部53は、選択した第1の標準パターン群507が有する閾値T1と、特定した最大類似度とを比較する。即ち、券種検知部53は、最大類似度が閾値T1以上であるか否か判定する(ステップS16)。
【0068】
最大類似度が閾値T1以上である場合、券種検知部53は、紙葉類Pの券種の判定を行う(ステップS17)。即ち、券種検知部53は、最大類似度の算出に用いられた標準パターンの券種が紙葉類Pの券種に対応すると判定する。
【0069】
また、最大類似度が閾値T1未満である場合、券種検知部53は、次に汚損度の低い標準パターン群を用いて類似度の演算を行う(ステップS18)。ここで、券種検知部53は、第1の標準パターン群507の次に汚損度の低い第2の標準パターン群508を選択する。券種検知部53は、選択した第2の標準パターン群508が有する各標準パターンと特徴抽出部503により抽出される特徴量との類似度を算出する。
【0070】
さらに、券種検知部53は、算出した類似度に基づいて、最大類似度を特定する。券種検知部53は、選択した第2の標準パターン群508が有する閾値T2と、特定した最大類似度とを比較する。即ち、券種検知部53は、最大類似度が閾値T2以上であるか否か判定する(ステップS19)。
【0071】
最大類似度が閾値T2以上である場合、券種検知部53は、紙葉類Pの券種の判定を行う(ステップS20)。即ち、券種検知部53は、最大類似度の算出に用いられた標準パターンの券種が紙葉類Pの券種に対応すると判定する。
【0072】
また、最大類似度が閾値T2未満である場合、券種検知部53は、紙葉類Pを排除券であると判定する(ステップS21)。
【0073】
また、最大類似度が閾値T2未満であり、且つ、標準パターン群が標準パターン記憶部506にさらに記憶されている場合、券種検知部53は、ステップS18に移行する。即ち、券種検知部53は、次に汚損度の低い標準パターン群を選択し、選択した標準パターン群が有する情報に基づいて、ステップS18及びステップS19の処理を行う。
【0074】
上記したように、本実施形態に係る紙葉類処理装置100は、券種検知部53を備える。券種検知部53は、標準パターン群を異なる汚損度ごとに有する。各標準パターン群は、券種毎の標準パターンと、閾値とを有する。券種検知部53は、汚損度の低い標準パターン群を優先して使用して類似度を算出する。券種検知部53は、算出した類似度が閾値以上である場合、紙葉類Pの券種の判定を行う。
【0075】
これにより、券種検知部53は、閾値以上の類似度を算出する場合、他の標準パターン群を用いる処理行うことなく紙葉類Pの券種を判定することができる。また、汚損度の低い標準パターン群を優先して用いる為、券種検知部53は、識別性能を改善し、且つ、処理時間を抑えることができる。この結果、より効率的に処理を行う紙葉類処理装置、及び紙葉類処理方法を提供することができる。
【0076】
なお、上記した実施形態では、券種検知部53は、標準パターン記憶部506に記憶されている標準パターンを用いて処理を行う構成として説明したが、この構成に限定されない。券種検知部53は、標準パターンを生成し、生成した標準パターンを用いて処理を行う構成であってもよい。
【0077】
図5は、図1に示す券種検知部53の他の構成例について説明するための説明図である。なお、図2に示す構成と同じ構成には、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
券種検知部53は、標準パターン生成部509をさらに備える。標準パターン生成部509は、標準パターン記憶部506に記憶されている標準パターンに基づいて、新たに標準パターン(仮想標準パターン)を生成する。
【0078】
図6は、図5に示す紙葉類処理装置100の券種検知部53の動作について説明するための説明図である。
券種検知部53は、紙葉類Pの搬送位置を認識する(ステップS31)。券種検知部53は、図5に示すセンサ501の検出位置に紙葉類Pが到達したと判断する場合、センサ501により紙葉類Pから画像を取得する(ステップS32)。
【0079】
券種検知部53は、特徴抽出部503により特徴量を抽出する対象領域を特定する(ステップS33)。券種検知部53は、センサ501により取得した画像と、特定した対象領域とに基づいて、特徴量を抽出する(ステップS34)。
【0080】
券種検知部53は、特徴抽出部503により抽出される特徴量と、標準パターン記憶部506に記憶されている標準パターンとの類似度を算出する(ステップS35)。ここで、券種検知部53は、標準パターン記憶部506に記憶されている標準パターン群のうちで最も汚損度の低い標準パターン群を選択する。本実施形態では、券種検知部53は、第1の標準パターン群507を選択する。券種検知部53は、第1の標準パターン群507が有する各標準パターンと特徴抽出部503により抽出される特徴量との類似度を類似度演算部504により算出する。
【0081】
さらに、券種検知部53は、算出した類似度に基づいて、最大類似度を特定する。券種検知部53は、選択した第1の標準パターン群507が有する閾値T1と、特定した最大類似度とを比較する。即ち、券種検知部53は、最大類似度が閾値T1以上であるか否か判定する(ステップS36)。
【0082】
最大類似度が閾値T1以上である場合、券種検知部53は、紙葉類Pの券種の判定を行う(ステップS37)。即ち、券種検知部53は、最大類似度の算出に用いられた標準パターンの券種が紙葉類Pの券種に対応すると判定する。
【0083】
また、最大類似度が閾値T1未満である場合、券種検知部53は、次に汚損度の低い標準パターン群を用いて類似度の演算を行う(ステップS38)。ここで、券種検知部53は、第1の標準パターン群507の次に汚損度の低い第2の標準パターン群508を選択する。券種検知部53は、選択した第2の標準パターン群508が有する各標準パターンと特徴抽出部503により抽出される特徴量との類似度を類似度演算部504により算出する。
【0084】
さらに、券種検知部53は、算出した類似度に基づいて、最大類似度を特定する。券種検知部53は、選択した第2の標準パターン群508が有する閾値T2と、特定した最大類似度とを比較する。即ち、券種検知部53は、最大類似度が閾値T2以上であるか否か判定する(ステップS39)。
【0085】
最大類似度が閾値T2以上である場合、券種検知部53は、紙葉類Pの券種の判定を行う(ステップS40)。即ち、券種検知部53は、最大類似度の算出に用いられた標準パターンの券種が紙葉類Pの券種に対応すると判定する。
【0086】
また、最大類似度が閾値T2未満である場合、券種検知部53は、仮想標準パターンを生成する(ステップ41)。標準パターン生成部509は、標準パターン記憶部506に記憶されている標準パターンに基づいて、仮想標準パターンを生成する。
【0087】
標準パターン生成部509は、類似度演算部504により算出する類似度に基づいて、重みパラメータを算出する。標準パターン生成部509は算出した重みパラメータと標準パターン記憶部506に記憶されている標準パターンとに基づいて、仮想標準パターンを生成する。
【0088】
汚損度がnである標準パターン群の重みパラメータをWとし、この標準パターン群が有する各標準パターンと特徴量との類似度をSとする。この場合、標準パターン生成部509は、
【数1】

【0089】
に基づいて重みパラメータWを算出する。
【0090】
また、仮想標準パターンをr´とし、ある汚損度nに対応する標準パターン群の有する各標準パターンをrとする。この場合、標準パターン生成部509は、
【数2】

【0091】
に基づいて仮想標準パターンを算出する。
【0092】
標準パターン生成部509は、上記の処理を各券種に対応する標準パターンに基づいて行うことにより、仮想標準パターン群を生成する。標準パターン生成部509は、生成した仮想標準パターン群を類似度演算部504に伝送する。また、標準パターン生成部509は、予め設定される閾値を有する。
【0093】
類似度演算部504は、標準パターン生成部509から伝送される仮想標準パターン群の各仮想標準パターンと特徴抽出部503により抽出される特徴量との類似度を算出する。さらに、類似度演算部504は、算出した類似度に基づいて、最大類似度を特定する。類似度演算部504は、特定した最大類似度を判定部505に伝送する。
【0094】
判定部505は、類似度演算部504から伝送される最大類似度と、標準パターン生成部509が有する閾値と、を比較する。
【0095】
最大類似度が、標準パターン生成部509が有する閾値以上である場合、判定部505は、紙葉類Pの券種の判定を行う。即ち、判定部505は、最大類似度の算出に用いられた仮想標準パターンの券種が紙葉類Pの券種に対応すると判定する。
【0096】
また、最大類似度が、標準パターン生成部509が有する閾値未満である場合、判定部505は、次の仮想標準パターンを生成するように標準パターン生成部509を制御する。券種検知部53は、新たに仮想標準パターンを生成し、類似度の算出を行う。
【0097】
上記したように、本実施形態に係る紙葉類処理装置100は、券種検知部53を備える。券種検知部53は、標準パターン群を異なる汚損度ごとに有する。各標準パターン群は、券種毎の標準パターンと、閾値とを有する。券種検知部53は、類似度の演算結果と、類似度の演算に用いた標準パターンとに基づいて、仮想標準パターンを生成する。券種検知部53は、生成した仮想標準パターンと特徴量とに基づいて類似度を算出する。券種検知部53は、算出した類似度が予め設定される閾値以上である場合、紙葉類Pの券種の判定を行う。
【0098】
これにより、券種検知部53は、標準パターン記憶部506に記憶されている標準パターンのバリエーションが少ない場合でも、仮想標準パターンを生成することができる。この結果、券種検知部53は、適切な標準パターンを用いて紙葉類Pの券種の検知を行うことができる。この結果、より効率的に処理を行う紙葉類処理装置、及び紙葉類処理方法を提供することができる。
【0099】
なお、券種検知部53は、新たに生成した仮想標準パターンを標準パターン記憶部506に格納する構成であってもよい。また、この場合、券種検知部53は、正損検知部52により検知する汚損度を用いて、仮想標準パターンを汚損度毎に標準パターン記憶部506に格納する構成であってもよい。
【0100】
また、上記した実施形態では、券種検知部53は、重みパラメータを逐次算出する構成として説明したが、この構成に限定されない。券種検知部53は、標準パターン生成部509が重みパラメータの組み合わせを予め保持する構成であってもよい。
【0101】
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0102】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1…券種、2…供給部、3…取り込み部、4…搬送状態検知部、5…検査部、6…検知部、7…集積部、8…制御部、9…排除券集積部、41…搬送部、51…真偽検知部、52…正損検知部、53…券種検知部、71…正券集積部、72…損券集積部、81…主制御部、82…総合判定部、83…操作部、100…紙葉類処理装置、501…センサ、502…データ記憶部、503…特徴抽出部、504…類似度演算部、505…判定部、506…標準パターン記憶部、509…標準パターン生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類の券種を判定する紙葉類処理装置であって、
前記紙葉類から画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得する画像から特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
券種毎の標準パターンを有する標準パターン群を異なる汚損度毎に予め記憶する標準パターン記憶部と、
前記標準パターン記憶部に記憶されている複数の標準パターン群のうち、1つの標準パターン群を選択する選択部と、
前記選択部により選択される標準パターン群が有する少なくとも1つの標準パターンと、前記特徴量抽出部により抽出した特徴量と、に基づいて類似度を算出する類似度算出部と、
前記類似度算出部により算出される類似度と予め設定される閾値とを比較する比較部と、
前記比較部による比較結果において、類似度が閾値以上である場合、前記紙葉類の券種を判定する判定部と、
前記比較部による比較結果において、類似度が閾値未満である場合、前記標準パターン記憶部に記憶されている複数の標準パターン群のうち、まだ選択されていない1つの標準パターン群を選択するように前記選択部を制御する制御部と、
を具備する紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記類似度算出部は、前記選択部により選択される標準パターン群が有する複数の標準パターンと、前記特徴量抽出部により抽出した特徴量と、に基づいて類似度を算出し、
前記比較部は、前記類似度算出部により各標準パターンごとに算出される類似度の最大類似度を特定し、特定された最大類似度と予め設定される閾値とを比較し、
前記判定部は、前記比較部による比較結果において、最大類似度が閾値以上である場合、前記紙葉類の券種を判定し、
前記制御部は、前記比較部による比較結果において、最大類似度が閾値未満である場合、前記標準パターン記憶部に記憶されている複数の標準パターン群のうち、まだ選択されていない1つの標準パターン群を選択するように前記選択部を制御する、
請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記標準パターン記憶部に記憶されている複数の標準パターン群のうち、最も汚損度が低く、且つ、まだ選択されていない1つの標準パターン群を選択するように前記選択部を制御する、
請求項2に記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
前記標準パターン記憶部は、標準パターン群毎に閾値を予め記憶し、
前記比較部は、前記類似度算出部により各標準パターンごとに算出される類似度の最大類似度を特定し、特定された最大類似度と前記標準パターン記憶部により記憶されている閾値とを比較する、
請求項3に記載の紙葉類処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、まだ選択されていない標準パターン群が存在しない場合、前記紙葉類が排除券であると判定する、
請求項3に記載の紙葉類処理装置。
【請求項6】
前記標準パターン記憶部に記憶されている標準パターン群が有する各標準パターンに基づいて仮想標準パターン群を生成する標準パターン生成部をさらに具備し、
前記制御部は、まだ選択されていない標準パターン群が存在しない場合、前記標準パターン生成部により生成される仮想標準パターン群を選択するように前記選択部を制御する、
請求項3に記載の紙葉類処理装置。
【請求項7】
前記標準パターン生成部は、前記類似度算出部により算出される類似度に基づいて重みパラメータを算出し、算出した重みパラメータと前記類似度の算出に用いられた標準パターン群が有する各標準パターンとに基づいて仮想標準パターン群を生成する、
請求項6に記載の紙葉類処理装置。
【請求項8】
前記標準パターン生成部は、予め記憶される重みパラメータと前記標準パターン記憶部に記憶されている標準パターン群が有する各標準パターンとに基づいて仮想標準パターン群を生成する、
請求項6に記載の紙葉類処理装置。
【請求項9】
前記紙葉類を搬送する搬送部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記紙葉類を区分する区分処理部と、
をさらに具備する請求項2に記載の紙葉類処理装置。
【請求項10】
紙葉類の券種を判定する紙葉類処理装置に用いられる紙葉類処理方法であって、
前記紙葉類から画像を取得し、
前記取得された画像から特徴量を抽出し、
券種毎の標準パターンを有する標準パターン群を異なる汚損度毎に予め記憶し、
前記予め記憶されている複数の標準パターン群のうち、1つの標準パターン群を選択し、
前記選択される標準パターン群が有する少なくとも1つの標準パターンと、前記抽出された特徴量と、に基づいて類似度を算出し、
算出される類似度と予め設定される閾値とを比較し、
前記比較結果において、類似度が閾値以上である場合、前記紙葉類の券種を判定し、
前記比較結果において、類似度が閾値未満である場合、前記予め記憶されている複数の標準パターン群のうち、まだ選択されていない1つの標準パターン群を選択するように制御する、
紙葉類処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−64039(P2012−64039A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208487(P2010−208487)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】