説明

紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法

【課題】紙葉類処理装置の構造を改造することなく、効率よく紙葉類の装填処理や精査処理を実行する。
【解決手段】複数種類の紙葉類を扱う紙葉類処理装置11は、紙葉類を種別毎に収納し、紙葉類の繰り出しと受け入れとを実行する複数の種別収納部C1〜C3と、複数種類の紙葉類を収納し、紙葉類の繰り出しと受け入れとを実行する少なくとも1つの混合収納部C4と、紙葉類処理装置11の稼働前に、種別収納部C1〜C3または混合収納部C4に収納された紙葉類を識別及び計数して、識別及び計数された紙葉類を、紙葉類の種別毎に種別収納部C1〜C3に収納する装填処理と、紙葉類処理装置11の稼働後に、種別収納部C1〜C3に収納されている紙葉類を種別毎に計数し、該計数した紙葉類を種別収納部C1〜C3または混合収納部C4のいずれかに収納する精査処理とを制御する制御部31と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法に関し、紙葉類を効率的に装填したり精査したりする紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法に適用して好適なるものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、金融機関等に設置される自動預金支払機(ATM)や自動両替機等の自動取引装置においては、事前に自動取引装置に備わる紙葉類処理装置に金券等の紙葉類を装填し、一定期間経過後に紙葉類処理装置内に残留している紙葉類を計数して、紙葉類の残量を精査するという運用が行われている。ここで、紙葉類の装填とは、自動取引装置の運用を開始する前に、予め係員等により紙葉類が手詰めされたカセットが紙葉類処理装置に設置され、当該紙葉類の識別及び計数が行われた後、紙葉類毎に適切なカセットに収納されることをいう。また、紙葉類の残量の精査とは、自動取引装置の運用を終了する場合に、紙葉類処理装置の紙葉類毎に収納されている紙葉類が識別されて紙葉類毎に残量が計数されることをいう。
【0003】
従来、紙葉類処理装置内に残留している紙葉類の精査を行う際には、紙葉類処理装置内に装着された紙葉類の複数種類のカセット内の紙葉類を、各カセットからすべて繰り出して、紙葉類の識別や、計数及び残量の精査を実施していた。このように、精査処理を行う際に各カセットからすべての紙葉類を繰り出す必要があるため、繰り出し先のカセットの紙葉類収納可能量が紙葉類の残量より少ない場合には、複数回に亘って紙葉類の精査処理を行わなければならず、精査処理が中断してしまうという問題があった。
【0004】
そこで、特許文献1には、紙葉類の繰り出し先のカセットの紙葉類収納可能量に応じて、精査処理の実施可否を判断する技術が開示されている。具体的には、繰り出し先のカセットの紙葉類収納可能量が各紙葉類のカセットの残量より多い、または等しい場合には、精査処理実行可能と判断する。一方、繰り出し先のカセットの紙葉類収納可能量が各紙葉類のカセットの残量より少ない場合には、精査処理実行不可能と判断する。
【0005】
また、特許文献2には、精査処理の途中で繰り出し先のカセットが満杯になった場合に、精査処理を中断させずに精査処理を完了させる技術が開示されている。具体的には、紙葉類毎のカセットや精査用のカセットの収納空間の上部に一時的に紙葉類を収納する一時保留部を備え、紙葉類の精査時に精査用のカセットが満杯になった場合に、精査対象の紙葉類以外の一時保留部に紙葉類の搬送先を変更することにより、精査処理を中断させずに精査処理を完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−16030号公報
【特許文献2】特開2009−151354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1では、紙葉類収納可能量が各紙葉類のカセットの残量よりも少ない場合に、精査処理が実施されないため、効率が悪いという問題があった。また、特許文献2では、一時保留部を設けることで、精査処理時に収納先のカセットが満杯になった場合でも、精査処理を続行させることができるが、精査処理時の収納先のカセットを大容量にしたり、各カセットの上部に一時保留部を設けたりしなければならず、紙葉類処理装置の構造が複雑になるという問題があった。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、紙葉類処理装置の構造を改造することなく、効率よく紙葉類の装填処理や精査処理を実行することが可能な紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するために本発明においては、複数種類の紙葉類を扱う紙葉類処理装置であって、紙葉類を種別毎に収納し、前記紙葉類の繰り出しと受け入れとを実行する複数の種別収納部と、複数種類の紙葉類を収納し、前記紙葉類の繰り出しと受け入れとを実行する少なくとも1つの混合収納部と、前記紙葉類処理装置の稼働前に、前記種別収納部または前記混合収納部に収納された前記紙葉類を識別及び計数して、前記識別及び計数された前記紙葉類を、前記紙葉類の種別毎に前記種別収納部に収納する装填処理と、前記紙葉類処理装置の稼働後に、前記種別収納部に収納されている前記紙葉類を種別毎に計数し、該計数した紙葉類を前記種別収納部または前記混合収納部のいずれかに収納する精査処理とを制御する制御部と、を備えることを特徴とする紙葉類処理装置が提供される。
【0010】
かかる構成によれば、装填処理において、種別収納部及び混合収納部のいずれに紙葉類が収納されているかによって紙葉類の計数元を決定し、決定した計数元の収納部の紙葉類を種別毎に識別及び計数して、紙葉類の種別に対応する種別収納部に収納する。また、精査処理において、紙葉類の残量に応じて収納先を決定し、決定した収納先の収納部に識別及び計数した紙葉類を収納する。これにより、装填処理の開始時に、紙葉類が種別収納部または混合収納部のいずれに収納されているかを自動的に判断することができる。すなわち、装填したい紙葉類が混合収納部の紙葉類収納可能量以下の場合は、混合収納部に紙葉類を詰めて装填処理を行うことにより、1個のカセットによって一度の装填処理で紙葉類の装填が可能となり、装填したい紙葉類が混合収納部の紙葉類収納可能量より多い場合は、種別収納部に紙葉類を詰めて装填処理を行うことにより、係員が途中で介在することなく一度の装填処理で紙葉類の装填を行うことができるとともに、装填したい紙葉類の量により準備するカセットの数を最少にすることが可能となる。また、精査処理時には、精査処理の途中で混合収納部に収納された紙葉類を係員が取出すなどの精査処理の中断を回避し、精査時の紙葉類の残量により紙葉類を収納するカセットの数を最少にして、効率的に紙葉類の回収を行うことを可能としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、紙葉類処理装置の構造を改造することなく、効率よく紙葉類の装填処理や精査処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る自動取引装置の前面の外観を示す斜視図である。
【図2】同実施形態にかかる自動取引装置の後面の外観を示す斜視図である。
【図3】同実施形態にかかる自動取引装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態にかかる紙葉類処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5A】同実施形態にかかる装填処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図5B】同実施形態にかかる装填処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図6A】同実施形態にかかる精査処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図6B】同実施形態にかかる精査処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態にかかる精査処理の具体例を示す概念図である。
【図8】同実施形態にかかる精査処理の具体例を示す概念図である。
【図9】同実施形態にかかる顧客操作部の表示例を示す概念図である。
【図10】同実施形態にかかる顧客操作部の表示例を示す概念図である。
【図11A】第2の実施形態にかかる精査処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図11B】同実施形態にかかる精査処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】同実施形態にかかる精査処理の具体例を示す概念図である。
【図13】同実施形態にかかる精査処理の具体例を示す概念図である。
【図14】同実施形態にかかる顧客操作部の表示例を示す概念図である。
【図15A】第3の実施形態にかかる精査処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図15B】同実施形態にかかる精査処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図16】同実施形態にかかる精査処理の具体例を示す概念図である。
【図17】同実施形態にかかる顧客操作部の表示例を示す概念図である。
【図18】第4の実施形態にかかる係員操作部の表示例を示す概念図である。
【図19】同実施形態にかかる係員操作部の表示例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0014】
(1)第1の実施の形態
(1−1)自動取引装置の外観構成
本実施の形態では、本発明にかかる紙葉類処理装置を備えた自動取引装置を例示して説明する。まず、自動取引装置1の外観構成について説明する。自動取引装置1は、紙葉類、包装硬貨及び硬貨を取り扱う装置であって、自動取引装置1は、主に、紙葉類を取り扱う紙葉類処理装置11、包装硬貨を取り扱う包装硬貨処理装置12及び硬貨を取り扱う硬貨処理装置13を含んで構成されている。紙葉類としては、紙幣や商品券などの金券を例示することができる。
【0015】
図1は、自動取引装置1の前面の外観を示している。図1に示すように、自動取引装置1は、主に、紙葉類入出金口2、包装硬貨取出口3、硬貨取出口4、硬貨入金処理装置5、カード挿入口6、明細票取出口7及び顧客操作部8を備えて構成される。
【0016】
紙葉類入出金口2には、両替される紙葉類が投入されると共に、両替された紙葉類が放出される。包装硬貨取出口3には両替された包装硬貨が放出され、硬貨取出口4には両替された硬貨が放出される。硬貨入金処理装置5には、両替手数料等の硬貨が投入される。カード挿入口6には、両替時に利用者により利用者の取引カードなどが挿入される。明細票取出口7には、両替取引の内容等が印字された明細票が放出される。顧客操作部8は、操作部と表示部を兼ね、例えば、顧客操作部8上で利用者により両替する金種が設定されたり、顧客操作部8に入金結果や両替結果が表示されたりする。
【0017】
図2は、自動取引装置1の後面の外観を示している。図2に示すように、自動取引装置1は、紙葉類処理装置11、包装硬貨処理装置12、硬貨処理装置13及び係員操作部9を備えて構成される。紙葉類処理装置11は、紙葉類を取り込んだり、識別したり、搬送したり、繰り出したりする装置である。包装硬貨処理装置12は、包装硬貨を識別したり、搬送したり、放出したりする装置であり、硬貨処理装置13は、硬貨を識別したり、搬送したり、放出したりする装置である。係員操作部9は、操作部と表示部を兼ね、例えば、係員操作部9上で係員により紙葉類の装填処理や精査処理開始の指示操作が行われる。
【0018】
(1−2)自動取引装置のハードウェア構成
次に、自動取引装置1のハードウェア構成について説明する。図3に示すように、自動取引装置1は、紙葉類処理装置11、包装硬貨処理装置12、硬貨処理装置13、硬貨入金処理装置5、カード処理装置14、明細票処理装置15、顧客操作部8、係員操作部9及びこれら各部を制御する主制御部30から構成されている。主制御部30は、演算処理装置及び制御装置として機能し、メモリ(図示せず)に格納されている各種プログラムに従って、自動取引装置1内の動作全般を制御する。具体的に、主制御部30は、顧客操作部8及び係員操作部9への案内表示や入力受付を指示したり、紙葉類処理装置11への入金や出金などを指示したり、包装硬貨処理装置12及び硬貨処理装置13への出金等を指示したり、硬貨入金処理装置5への入金受付等を指示したりする。また、カード処理装置14にカードの受付や、読込みや返却等を指示したり、明細票処理装置15に明細票の印刷を指示したりする。また、主制御部30は、各部の処理結果を確認したり判断したりすることにより顧客により指示された各種取引や係員により指示された各種処理を実行する。
【0019】
紙葉類処理装置11は、制御部31、紙葉類搬送部34及び紙葉類収納部35から構成される。
【0020】
制御部31は、演算処理装置及び制御装置として機能し、自動取引装置1の主制御部30からの指示に従って、各種動作を実行し、実行結果を主制御部30に返す。
【0021】
また、紙葉類搬送群34は、紙葉類入出金口2、識別部32及び一時保留部33から構成される。紙葉類入出金口2には紙葉類が入金される。識別部32は紙葉類を識別し、一時保留部33には一時的に紙葉類を保留される。
【0022】
また、紙葉類収納群35は、種別収納部C1、C2及びC3、混合収納部C4、不良紙葉類収納部C5及び入金紙葉類収納部C6から構成される。種別収納部C1〜C3には、利用客の要望に応じて両替金を出金するために準備された出金用紙葉類が収納される。種別収納部C1〜C3には、それぞれ、単一の紙葉類を集積したり繰り出したりする機能を有し、紙葉類の種別毎にまとめて収納される。例えば、紙葉類が紙幣の場合には、種別収納部C1に千円が収納され、種別収納部C2に五千円が収納され、種別収納部C3に万円が収納される。ただし、精査処理が行われる際には、一つの種別収納部に複数の種別の紙葉類を集積したり繰り出したりする機能を備えてもよい。例えば、種別収納部C1に千円と五千円が収納され、種別収納部C2に万円が収納されてもよい。また、混合収納部C4は、係員が紙葉類を装填したり精査したりする際に使用される。混合収納部C4は、複数の種別の紙葉類を集積したり繰り出したりする機能を有している。例えば、紙葉類が紙幣の場合には、混合収納部C4に千円、五千円及び万円が収納される。不良紙葉類収納部C5には、識別部32によって正常に識別できなかった不良紙葉類が収納される。入金紙葉類収納部C6は、顧客により入金された紙葉類が収納される。
【0023】
次に、自動取引装置1に備わる紙葉類処理装置11の内部構成について説明する。図4に示すように、紙葉類処理装置11は、紙葉類Sの搬送及び識別を行う紙葉類搬送群34が装置の上部側に設けられ、紙葉類Sを収納する紙葉類収納群35が装置の下部側に設けられている。このように、紙葉類処理装置11の構成を、紙葉類の搬送系と収納系とに分けることにより、内部構造を簡素化することができる。また、紙葉類搬送群34と紙葉類収納群35との間に搬送路Lを設けることにより、紙葉類処理装置11内で紙葉類Sを搬送させている。また、紙葉類収納群35の各収納部に収納されている紙葉類Sの残量情報は、紙葉類処理装置11の制御部31が保持している。
【0024】
(1−3)自動取引装置の動作
ここで、図4を参照して、自動取引装置1の運用開始から終了までの紙葉類処理装置11の動作について説明する。
【0025】
(1−3−1)装填処理の概要
まず、自動取引装置1の運用開始前の紙葉類の装填処理について説明する。自動取引装置1の運用開始にあたり、係員により、紙葉類処理装置11に紙葉類が装填される。具体的に、係員は、予め紙葉類が手詰めされた出金用の紙葉類を種別収納部C1〜C3または混合収納部C4を紙葉類処理装置11にセットして、係員操作部9を操作して装填開始の指示ボタンを押下する。係員により装填開始の指示ボタンが押下されると、装填開始指示が主制御部30から紙葉類処理装置11の制御部31に通知され、紙葉類処理装置11により装填処理が開始される。装填処理とは、上記したように、自動取引装置1における運用が開始される前に、紙葉類が手詰めされたカセットが紙葉類処理装置11に設置され、当該紙葉類の識別及び計数が行われた後、紙葉類毎に適切なカセットに収納されることをいう。
【0026】
紙葉類処理装置11において、装填処理が開始されると、種別収納部C1〜C3または混合収納部C4から紙葉類が繰り出され、搬送路Lを通って識別部32で紙葉類が識別される。例えば、装填用紙葉類を種別収納部C1〜C3に手詰めされていた場合、C1〜C3に収納されている紙葉類は一旦混合収納部C4に収納される。そして、混合収納部C4の紙葉類が識別部32で紙葉類の種別が識別されて、識別された種別に対応する種別収納部C1〜C3のいずれかに収納される。なお、識別部32により識別された結果、正常ではないと判断された紙葉類は、不良紙葉類として不良紙葉類収納部C5に収納される。このように、種別収納部C1〜C3または、混合収納部C4に手詰めされた紙葉類がすべて繰り出されて装填処理が終了すると、装填結果が紙葉類処理装置11の制御部31から主制御部30に通知される。そして、主制御部30に通知された装填結果が係員操作部9に表示されて、係員が係員操作部9にて稼働開始を指示するボタンを押下することにより、自動取引装置1の稼働が開始される。
【0027】
(1−3−2)両替取引処理の概要
次に、紙葉類の両替取引処理について説明する。両替取引処理が開始され、利用客により両替元金が紙葉類入出金口2に投入されると、主制御部30は、紙葉類処理装置11に入金指令を送信する。そして、紙葉類処理装置11は、紙葉類入出金口2に投入された紙葉類を収納し、識別部32に搬送して、紙葉類の真偽、金種、枚数を識別した後、紙葉類を一時保留部33に導いて一時的に保持する。このとき、識別部32により紙葉類が識別不良であると判定されたり、一時保留部が満杯となって紙葉類の受け入れができなかったりする場合には、紙葉類を紙葉類入出金口2に返送する。
【0028】
主制御部30は、紙葉類処理装置11からの入金指令に対する処理結果に基づいて、利用客に返却する紙葉類があると判定した場合には、紙葉類入出金口2から利用客に紙葉類を返却する。また、返却すべき紙葉類がないと判定した場合には、顧客操作部8に両替設定画面を表示し、利用客により要望された両替内容を受け付ける。
【0029】
顧客操作部8を介して、両替内容が利用客により指定されると、主制御部30は紙葉類処理装置11に両替金の出金指令を通知する。紙葉類処理装置11は、主制御部30からの出金指令によって、利用客により指定された金種、枚数にしたがって、該金種を収納している種別収納部C1〜C3から種別毎に1枚ずつ紙葉類を繰り出して、識別部32で識別した後、紙葉類入出金口2に放出する。このとき、識別部32によって識別不良と判断された紙葉類は、不良紙葉類収納部C5に収納される。そして、紙葉類処理装置11は、出金指令に対する動作が完了すると、主制御部30に出金指令に対する処理結果を返送する。
【0030】
主制御部30は、紙葉類処理装置11からの出金指令に対する処理結果に基づいて、利用客に渡すべき紙葉類の種別、枚数が正常に放出できたと判定した場合には、紙葉類入出金口2に放出された両替金を利用客に渡すために紙葉類入出金口2の開閉口を開ける。
【0031】
なお、入金処理時に一時保留部33に一時的に保持された入金紙葉類は、運用上の最適な収納タイミングで主制御部30から紙葉類処理装置11に対して収納指令が送出されて、紙葉類収納群35に収納される。この場合、利用客により挿入された両替元金である紙葉類は入金紙葉類収納部C6に収納したり、種別収納部C1〜C3に収納して両替元金を出金用として再度収納したりしてもよい。以上の処理によって紙葉類の両替処理が完了する。
【0032】
(1−3−3)精査処理の概要
次に、自動取引装置1の運用を終了する場合の紙葉類の精査処理について説明する。自動取引装置1の運用を終了する場合、係員により係員操作部9上の精査開始の指示ボタンが押下され、主制御部30から精査開始指示が紙葉類処理装置11の制御部31に通知されて、精査処理が開始する。ここで、精査処理とは、上記したように、自動取引装置1の運用を終了する場合に、紙葉類処理装置11の紙葉類毎に収納されている紙葉類が識別された紙葉類毎に残量が計数されることをいう。
【0033】
紙葉類処理装置11において精査処理が開始されると、紙葉類の種別ごとに精査処理が実行される。精査処理では、例えば、種別収納部C1から紙葉類が繰出され、搬送路Lを通って識別部32で紙葉類が識別される。そして、識別部32で識別された結果、正常な紙葉類であると判定された場合には、搬送路Lを通って混合収納部C4に収納される。一方、識別部32で識別された結果、異常な紙葉類であると判定された場合には、搬送路Lを通って不良紙葉類収納部C5に収納される。種別収納部C1からの繰り出しが終了すると、種別収納部C1に収納されている紙葉類と同様に、種別収納部C2に収納されている紙葉類の精査処理が実行される。このように、精査処理が終了すると、精査結果が紙葉類処理装置11の制御部31から主制御部30に通知され、係員操作部9に精査結果が表示される。自動取引装置1は、装填結果、入金結果、出金結果から、自動取引装置1内に保有している現金保有量を主制御部30で管理している。したがって、主制御部30により管理されている現金保有量と、紙葉類処理装置11から通知された精査結果と、不良紙葉類収納部C5に収納されている紙葉類とから、紙葉類の入出金を確認することができる。すなわち、係員により、精査結果により判明した紙葉類の総数と、不良紙葉類収納部C5内の紙葉類の総数との合計が、現金保有量の総数と一致することが確認された場合に、精査処理が正常に完了したこととなる。
【0034】
(1−3−1)装填処理の詳細
次に、本実施の形態にかかる装填処理の詳細について説明する。図5Aに示すように、まず、紙葉類処理装置11の制御部31(以下、単に制御部31として説明する場合もある。)は、種別収納部C1〜C3または混合収納部C4のいずれかに紙葉類がセットされたことを認識する(S101)。例えば、種別収納部C1〜C3または混合収納部C4内の紙幣の厚みを厚みセンサなどにより検出して、紙幣がカセットにセットされたこを認識する。また、係員が種別収納部C1〜C3または混合収納部C4のいずれかに紙葉類を手詰めして、係員操作部9の手詰め完了ボタン等が押下される。手詰め完了ボタンが押下されることにより、制御部31は紙葉類がセットされたことを認識するようにしてもよい。
【0035】
次に、制御部31は、紙葉類が詰められている収納部が、種別収納部C1〜C3か混合収納部C4のいずれであるかを判定する(S102)。
【0036】
ステップS102において、紙葉類が詰められている収納部が種別収納部C1〜C3であると判定された場合には、制御部31は、計数元を種別収納部C1〜C3とする(S103)。一方、ステップS102において、紙葉類が詰められている収納部が混合収納部C3であると判定された場合には、制御部31は、計数元を混合収納部C4とする(S104)。
【0037】
そして、ステップS103またはステップS104において設定した計数元からの紙葉類の繰り出しを各種別収納部に指示する(S105)。さらに、ステップS105において繰り出した紙葉類の識別及び計数を識別部32及び各種別収納部に指示する(S106)。
【0038】
続いて、計数元の収納部が、種別収納部C1〜C3か混合収納部C4のいずれであるかを判定する(S107)。
【0039】
ステップS107において、計数元の収納部が種別収納部C1〜C3であると判定された場合には、ステップS105において繰り出した紙葉類を一旦混合収納部C4に収納するよう各収納部に指示する(S108)。
【0040】
続いて、制御部31は、紙葉類繰出し中の種別収納部が空か否かを判定する(S109)。例えば、種別収納部内に、種別収納部内が空であるかを検知する空検知センサが備えられている場合に、制御部31は、空検知センサから通知される検知結果に応じて、種別収納部が空か否かを判定する。ステップS109において、紙葉類繰出し中の種別収納部が空であると判定された場合には、制御部31は、ステップS110以降の処理を実行する。一方、ステップS109において紙葉類繰出し中の種別収納部が空ではないと判定された場合には、制御部31は、該当する種別収納部が空になるまでステップS105からステップS108までの処理を繰り返す。
【0041】
そして、制御部31は、混合収納部C4に収納されている紙葉類について、該当金種の収納部に装填するよう混合収納部C4に指示する(S110)。そして、制御部31は、計数元のすべての紙葉類を処理したかを判断し(S111)、紙葉類が計数元に残っていると判断された場合には、未処理金種についてステップS105以降の処理を実行するよう計数元の収納部に指示する(S112)。一方、ステップS111において、紙葉類が計数元に残っていないと判断された場合には、制御部31は、紙葉類の装填処理を終了する。
【0042】
上記紙葉類の装填処理では、計数元が種別収納部C1〜C3の場合、一旦、混合収納部C4に収納していたが、かかる例に限定されず、一時保留部33や紙葉類入出金口2に一旦収納してから、該当する金種の種別収納部に収納するようにしてもよい。
【0043】
(1−3−2)精査処理の詳細
次に、本実施の形態にかかる精査処理の詳細について説明する。図6Aに示すように、まず、紙葉類処理装置11の制御部31は、混合収納部C4が空かを判定する(S201)。例えば、混合収納部内に、混合収納部内が空であるかを検知する空検知センサが備えられている場合に、制御部31は、空検知センサから通知される検知結果に応じて、混合収納部が空か否かを判定する。ステップS201において、混合収納部C4が空ではないと判定された場合には、制御部31は、混合収納部C4を空にする必要がある旨を係員に案内して(S202)、ステップS201の処理を繰り返す。ステップS202において、制御部31は、係員操作部9に案内表示をさせてもよいし、音声出力により案内するようにしてもよい。例えば、紙葉類の装填時などに、種別収納部C1〜C4に正しく装填されず、混合収納部C4に紙葉類の一部が残留してしまう場合がある。精査処理時に混合収納部C4内に紙葉類が残留していると、正しく精査処理を行うことができなくなってしまうため、ステップS202において混合収納部C4を空にする必要がある旨を係員に案内して、係員により混合収納部C4に残留している紙葉類を取り除かせている。
【0044】
そして、ステップS201において、混合収納部C4が空であると判定された場合には、制御部31は、種別収納部C1〜C3の紙幣残量より混合収納部C4の収納可能量が少ないかを判定する(S203)。ステップS203において、種別収納部C1〜C3の紙幣残量より混合収納部C4の収納可能量が少ないと判定された場合には、制御部31は、紙葉類の収納先を種別収納部C1〜C3に設定する(S204)。一方、ステップS203において、種別収納部C1〜C3の残量より混合収納部C4の収納可能量が多いかまたは等しいと判定された場合には、制御部31は、紙葉類の収納先を混合収納部C4に設定する(S205)。
【0045】
ここで、紙葉類の残量及び収納可能量について説明する。図7に示すように、種別収納部C1〜C3及び混合収納部C4の紙葉類の収納可能量がそれぞれ3400枚であるとする。また、紙葉類の精査時において、紙葉類が、種別収納部C1に3200枚、種別収納部C2に2500枚、種別収納部C3に2500枚収納されている場合には、種別収納部C1〜C3の合計枚数8200枚がC4の収納可能量の3400枚より多い。この場合、混合収納部C4にすべての紙葉類を収納することができないため、収納先は種別収納部C1〜C3に設定される。
【0046】
また、図8に示すように、紙葉類の精査時において、紙葉類が、種別収納部C1に1000枚、種別収納部C2に500枚、種別収納部C3に500枚収納されている場合には、種別収納部C1〜C3の合計枚数2000枚がC4の収納可能量3400枚より少ない。この場合、混合収納部C4にすべての紙葉類を収納することができるため、収納先は混合収納部C4に設定される。
【0047】
このように、本実施の形態では、紙葉類の残量に応じて、紙葉類を回収する収納部を切り替えている。これにより、紙葉類の残量が混合収納部C4の収納可能量より多い場合に、精査処理の途中で混合収納部C4に収納された紙葉類を係員が取出すなど、精査処理が中断することを回避している。また、紙葉類の残量が混合収納部C4の収納可能量より少ない場合には、精査処理後に係員が1つの収納部のみから紙葉類を取り出せばよいため、効率的に紙葉類の回収を行うことを可能としている。
【0048】
図6Aに戻り、制御部31は、種別収納部C1〜C3に対して、種別収納部から紙葉類の繰出しを指示し(S206)、種別収納部C1〜C3から繰出された紙葉類の識別及び計数を指示する(S207)。
【0049】
そして、制御部31は、ステップS204またはS205において設定した紙葉類の収納先が種別収納部C1〜C3か、混合収納部C4かを判定する(S208)。ステップS208において、紙葉類の収納先が種別収納部C1〜C3であると判定された場合には、制御部31は、種別収納部C1〜C3のいずれかから繰り出した紙葉類を一旦混合収納部C4に収納するよう各収納部に指示し(S209)、紙葉類を繰出し中の種別収納部が空になったかを判定する(S210)。ステップS210において、紙葉類を繰出し中の種別収納部が空になったと判定された場合には、制御部31は、ステップS211以降の処理を実行する。一方、ステップS210において、紙葉類を繰出し中の種別収納部が空になっていないと判定された場合には、制御部31は、ステップS206〜S210の処理を繰り返す。
【0050】
続いて、制御部31は、紙葉類の収納先となる収納部に紙葉類を収納するよう各収納部に指示する(S211)。紙葉類の収納先となる収納部とは、例えば、収納先が種別収納部C1〜C3のいずれかであれば、紙葉類の種別に対応する種別収納部C1〜C3のいずれかに収納する。また、収納先が混合収納部C4であれば、紙葉類を混合収納部C4に収納する。
【0051】
そして、制御部31は、精査対象である種別収納部C1〜C3に収納されている紙葉類のすべてを処理したかを判定する(S212)。ステップS212において、紙葉類のすべてを処理したと判定された場合には、制御部31は、紙葉類の収納先を案内するよう顧客操作部8等に指示する(S213)。一方、ステップS212において、紙葉類のすべてを処理していないと判定された場合には、制御部31は、ステップS206以降の処理を繰り返す。
【0052】
ここで、ステップS213において顧客操作部8に表示される紙葉類の収納先の案内について説明する。上記では、顧客操作部8に紙葉類の収納先を表示するようにしたが、音声出力により紙葉類の収納先を案内するようにしてもよい。
【0053】
図9に示すように、例えば、紙葉類が紙幣であって、種別収納部C1が千円を収納するカセット(千円収納カセット)であり、種別収納部C2が五千円を収納するカセット(五千円収納カセット)であり、種別収納部C3が万円を収納するカセット(万円収納カセット)あり、混合収納部C4が運用カセットであり、入金紙葉類収納部C6が入金収納カセットであるとする。
【0054】
ステップS204において、紙葉類の収納先が種別収納部C1〜C3に設定された場合には、最終的に紙葉類が種別収納部C1〜C3、すなわち、千円収納カセット、五千円収納カセット、万円収納カセットにそれぞれ千円、五千円、万円が回収される。この場合、図9に示す顧客操作部8の表示部に、紙幣が収納されている千円カセット、五千円カセット及び万円カセットの位置を係員が直感的に把握できるように表示し、さらに、収納カセット(千円カセット、五千円カセット、万円カセット)及び収納カセットに収納されている紙幣の内訳(千円カセットに千円、五千円カセットに五千円、万円カセットに万円)を表示する。
【0055】
また、ステップS205において、紙葉類の収納先が混合収納部C4に設定された場合には、最終的に紙葉類が混合収納部C4、すなわち、運用カセットに千円、五千円及び万円のすべてが回収される。この場合、図10に示す顧客操作部8の表示部に、紙幣が収納されている運用カセットの位置を係員が直感的に把握できるように表示し、さらに、運用カセット及び運用カセットに収納されている紙幣の内訳(運用カセットに千円、五千円、万円)を表示する。
【0056】
このように、複数の収納カセットのうち、回収先の収納カセットを明示することにより、係員が効率よく精査された紙葉類を回収することが可能となる。
【0057】
また、上記実施の形態では、紙葉類の残量情報を紙葉類の枚数としていたが、かかる例に限定されず、紙葉類の残量情報を紙葉類の厚み情報としてもよい。例えば、各種別収納部内に厚みを検出するセンサを設けて、当該センサにより検出した結果を制御部31に通知するようにする。制御部31は、各収納部から通知された厚み情報から、各種別収納部が保有している残量情報を算出して、紙葉類の残数を把握する。さらに、入金紙葉類収納部C6内に残留する紙葉類を精査対象として、種別収納部C1〜C3と同様に精査処理を実施してもよい。
【0058】
(1−4)本実施の形態の効果
以上のように、本実施の形態では、装填処理において、種別収納部C1〜C3及び混合収納部C4のいずれに紙葉類が収納されているかによって紙葉類の計数元を決定し、決定した計数元の収納部の紙葉類を種別毎に識別及び計数して、紙葉類の種別に対応する種別収納部に収納する。また、精査処理において、紙葉類の残量に応じて収納先を決定し、決定した収納先の収納部に識別及び計数した紙葉類を収納する。これにより、装填処理の開始時に、紙葉類が種別収納部または混合収納部のいずれに収納されているかを自動的に判断することができる。また、精査処理時には、紙葉類の残量が混合収納部C4の収納可能量より多い場合に、精査処理の途中で混合収納部に収納された紙葉類を係員が取出すなどの精査処理の中断を回避し、紙葉類の残量が混合収納部C4の収納可能量より少ない場合には、精査処理後に係員が1つの収納部のみから紙葉類を取り出せばよいため、効率的に紙葉類の回収を行うことを可能としている。
【0059】
(2)第2の実施の形態
(2−1)自動取引装置の外観構成及びハードウェア構成
本実施の形態にかかる自動取引装置1の外観構成及びハードウェア構成は、第1の実施の形態とほぼ同様のため詳細な説明は省略する。以下では、第1の実施の形態と異なる構成について特に詳細に説明する。本実施の形態では、精査処理時において、種別収納部C1〜C3に紙葉類を回収する場合に、回収先の種別収納部の数を最少とする点で第1の実施の形態と異なる構成となっている。
【0060】
(2−2)自動取引装置の動作
装填処理については、第1の実施の形態と同様のため詳細な説明は省略する。以下では、精査処理のうち、第1の実施の形態と異なる処理について特に詳細に説明し、第1の実施の形態と同様の処理については詳細な説明を省略する。
【0061】
(2−2−1)精査処理の詳細
図11Aに示すように、まず、紙葉類処理装置11の制御部31は、混合収納部C4が空かを判定する(S301)。ステップS301において、混合収納部C4が空ではないと判定された場合には、制御部31は、混合収納部C4を空にする必要がある旨を係員に案内して(S302)、ステップS301の処理を繰り返す。
【0062】
そして、ステップS301において、混合収納部C4が空であると判定された場合には、制御部31は、種別収納部C1〜C3の紙幣残量より混合収納部C4の収納可能量が少ないかを判定する(S303)。ステップS303において、種別収納部C1〜C3の紙幣残量より混合収納部C4の収納可能量が少ないと判定された場合には、制御部31は、紙葉類の収納先を種別収納部C1〜C3に設定する(S304)。一方、ステップS303において、種別収納部C1〜C3の残量より混合収納部C4の収納可能量が多いかまたは等しいと判定された場合には、制御部31は、紙葉類の収納先を混合収納部C4に設定する(S307)。
【0063】
そして、ステップS304において、紙葉類の収納先が種別収納部C1〜C3に設定された場合には、制御部31は、紙葉類を収納する際に必要な種別収納部の個数が最小となる収納部の数を計算する(S305)。具体的に、制御部31は、以下の数式により、収納部の数を計算する。
【0064】
(C1の残量+C2の残量+C3の残量)/3400・・・(数式1)
【0065】
例えば、上記数式1により計算した結果が0.7であれば収納に必要なカセットの数は1、除算した数が1.5であれば収納に必要なカセットの数は2となる。そして、ステップS305において計算された個数分の種別収納部を収納先に設定する(S306)。
【0066】
ここで、図12を参照して、ステップS305における種別収納部の個数の計算結果について説明する。図12に示すように、種別収納部C1〜C3及び混合収納部C4の紙葉類の収納可能量がそれぞれ3400枚であるとする。また、紙葉類の精査時において、紙葉類が種別収納部C1に2500枚、種別収納部C2に2000枚、種別収納部C3に1000枚収納されているとする。この場合、以下の数式により収納に必要なカセットの数は2つであることがわかる。
【0067】
(2500+2000+1000)/3400=1.6・・・(数式2)
【0068】
図12に示すように、種別収納部C1に収納されている紙葉類は、一旦混合収納部C4に収納された後、種別収納部C1に収納する。また、種別収納部C2に収納されている紙葉類は、一旦混合収納部C4に収納された後、2000枚のうち900枚が種別収納部C1に収納され、1100枚が種別収納部C2に収納される。このとき種別収納部C1には、C1の紙葉類2500枚とC2の紙葉類900枚を合計した3400枚が収納されている。また、種別収納部C3に収納されている紙葉類は、一旦混合収納部C4に収納された後、種別収納部C2に収納される。
【0069】
図12の例では、種別収納部C2の紙葉類が種別収納部C1と種別収納部C2に分割された収納されてしまう。そこで、図13の例に示すように、各種別収納部の紙葉類が分割されないように収納先の収納部を設定するようにしてもよい。例えば、図12の例と同様に、紙葉類の精査時において、紙葉類が種別収納部C1に2500枚、種別収納部C2に2000枚、種別収納部C3に1000枚収納されているとする。この場合、上記した数式2により収納に必要なカセットの数は2つである。各種別の紙葉類が分割して収納されないように、種別収納部C1には、種別収納部C1に収納されていた紙葉類2500枚が収納され、種別収納部C2には、種別収納部C2及びC3に収納されていた紙葉類3000枚(2000枚+1000枚)が収納される。
【0070】
このように、本実施の形態では、精査処理において収納部にすべての紙葉類が収納可能なように収納先の収納部を設定し、精査処理が中断しまうことを回避している。さらに、紙葉類の残量に応じて、紙葉類を収納するカセットの数を最少にして、精査処理終了後に係員が効率的に紙葉類の回収を行うことを可能としている。
【0071】
図6Bに戻り、制御部31は、種別収納部C1〜C3に対して、種別収納部から紙葉類の繰出しを指示し(S308)、種別収納部C1〜C3から繰出された紙葉類の識別及び計数を指示する(S309)。
【0072】
そして、制御部31は、ステップS304またはS307において設定した紙葉類の収納先が種別収納部C1〜C3のいずれか、混合収納部C4かを判定する(S310)。ステップS310において、紙葉類の収納先が種別収納部C1〜C3のいずれかであると判定された場合には、制御部31は、種別収納部C1〜C3のいずれかから繰り出した紙葉類を一旦混合収納部C4に収納するよう各収納部に指示し(S311)、紙葉類を繰出し中の種別収納部が空になったかを判定する(S312)。ステップS312において、紙葉類を繰出し中の種別収納部が空になったと判定された場合には、制御部31は、ステップS313以降の処理を実行する。一方、ステップS312において、紙葉類を繰出し中の種別収納部が空になっていないと判定された場合には、制御部31は、ステップS308〜S312の処理を繰り返す。
【0073】
続いて、制御部31は、紙葉類の収納先となる収納部に紙葉類を収納するよう各収納部に指示する(S313)。紙葉類の収納先となる収納部とは、ステップS306において設定された収納部である。また、収納先が混合収納部C4であれば、紙葉類を混合収納部C4に収納する。
【0074】
そして、制御部31は、精査対象である種別収納部C1〜C3に収納されている紙葉類のすべてを処理したかを判定する(S314)。ステップS314にいて、紙葉類のすべてを処理したと判定された場合には、制御部31は、紙葉類の収納先を案内するよう顧客操作部8等に指示する(S315)。一方、ステップS314において、紙葉類のすべてを処理していないと判定された場合には、制御部31は、ステップS308以降の処理を繰り返す。
【0075】
ここで、ステップS315において顧客操作部8に表示される紙葉類の収納先の案内について説明する。図14に示すように、例えば、紙葉類が紙幣であって、種別収納部C1が千円を収納するカセット(千円収納カセット)であり、種別収納部C2が五千円を収納するカセット(五千円収納カセット)であり、種別収納部C3が万円を収納するカセット(万円収納カセット)あり、混合収納部C4が運用カセットであり、入金紙葉類収納部C6が入金収納カセットであるとする。
【0076】
ステップS304において、紙葉類の収納先が種別収納部C1〜C3に設定され、紙葉類の収納先の収納部が種別収納部C1及びC2に設定された場合には、千円収納カセット及び五千円収納カセットに千円、五千円、万円が回収される。この場合、図14に示す顧客操作部8の表示部に、紙幣が収納されている千円カセット及び五千円カセットの位置を係員が直感的に把握できるように表示し、さらに、収納カセット(千円カセット及び五千円カセット)及び収納カセットに収納されている紙幣の内訳(千円カセットに千円、五千円カセットに五千円、万円)を表示する。
【0077】
このように、複数の収納カセットのうち、回収先の収納カセットを明示することにより、係員が効率よく精査された紙葉類を回収することが可能となる。
【0078】
(2−3)本実施の形態の効果
以上のように、本実施の形態では、精査処理において収納部にすべての紙葉類が収納可能なように収納先の収納部を設定し、精査処理が中断しまうことを回避している。さらに、紙葉類の残量に応じて、紙葉類を収納するカセットの数を最少にして、精査処理終了後に係員が効率的に紙葉類の回収を行うことを可能としている。
【0079】
(3)第3の実施の形態
(3−1)自動取引装置の外観構成及びハードウェア構成
本実施の形態にかかる自動取引装置1の外観構成及びハードウェア構成は、第1の実施の形態とほぼ同様のため詳細な説明は省略する。以下では、第1の実施の形態と異なる構成について特に詳細に説明する。本実施の形態では、精査処理時において、種別収納部C1〜C3に紙葉類を回収する場合に、枚数の多い種別の紙葉類については、搬送回数を減らすことにより精査時間を短縮する点で第1の実施の形態と異なる構成となっている。
【0080】
(3−2)自動取引装置の動作
装填処理については、第1の実施の形態と同様のため詳細な説明は省略する。以下では、精査処理のうち、第1の実施の形態と異なる処理について特に詳細に説明し、第1の実施の形態と同様の処理については詳細な説明は省略する。
【0081】
(3−2−1)精査処理の詳細
図15Aに示すように、ステップS401〜ステップS405の処理は、第1の実施の形態の図6Aに示すステップS201〜ステップS205と同様の処理のため、詳細な説明は省略する。
【0082】
ステップS404またはステップS405において紙葉類の収納先が設定された後、制御部31は、紙葉類の収納先の収納部が種別収納部C1〜C3か混合収納部C4かを判定する(S406)。ステップS406において紙葉類の収納先が種別収納部C1〜C3であると判定された場合には、制御部31は、種別収納部C1〜C3への収納の順番を設定する(S407)。具体的に、制御部31は、各種別収納部C1〜C3の紙葉類の残量情報をもとに、収納を実施する種別収納部C1〜C3の収納の順番を決定する。収納する順番は、例えば、種別収納部内の紙葉類の残数が一番多い種別収納部を最後に収納するようにする。
【0083】
そして、制御部31は、種別収納部繰出処理(S409)を実行した後、全紙葉類を処理したかを判定する(S410)。ステップS409における種別収納部繰出処理については後で詳細に説明する。ステップS410において、全紙葉類を処理したと判定された場合には、制御部31は、紙葉類の収納先を案内するよう顧客操作部8等に指示する(S411)。一方、ステップS410において、紙葉類のすべてを処理していないと判定された場合には、制御部31は、ステップS406以降の処理を繰り返す。
【0084】
一方、ステップS406において、紙葉類の収納先が混合収納部C4であると判定された場合には、制御部31は、混合収納部C4の紙葉類を識別、計数した後に、混合収納部C4に収納するよう指示して(S408)、ステップS410以降の処理を実行する。
【0085】
次に、ステップS409において実行される種別収納部繰出処理について説明する。図8Bに示すように、制御部31は、種別収納部からの紙葉類繰出しを指示する(S412)。そして、制御部31は、ステップS412において種別収納部から繰り出した紙葉類の識別及び計数を指示する(S413)。
【0086】
続いて、ステップS407において設定された収納の順番に基づいて、種別収納部C1〜C3のうち、収納の順番が最後の収納部かを判定する(S414)。ステップS414において、収納の順番が最後の種別収納部ではないと判定された場合には、種別収納部C1〜C3のいずれかから繰り出した紙葉類を一旦混合収納部C4に収納するよう各収納部に指示し(S415)、紙葉類を繰出し中の種別収納部が空になったかを判定する(S417)。ステップS417において、紙葉類を繰出し中の種別収納部が空になったと判定された場合には、制御部31は、収納先の種別収納部への収納を指示する(S418)。一方、ステップS417において、紙葉類を繰出し中の種別収納部が空になっていないと判定された場合には、制御部31は、種別収納部が空になるまでステップS415及びステップS417の処理を繰り返す。
【0087】
一方、ステップS414において、収納の順番が最後の種別収納部であると判定された場合には、種別収納部から繰り出した紙葉類を直接混合収納部C4に収納するよう指示する(S416)。
【0088】
次に、図16を参照して、本実施の形態にかかる種別収納部における紙葉類の収納結果について説明する。図16に示すように、種別収納部C1〜C3及び混合収納部C4の紙葉類の収納可能量がそれぞれ3400枚であるとする。また、紙葉類の精査時において、紙葉類が種別収納部C1に3000枚、種別収納部C2に500枚、種別収納部C3に500枚収納されているとする。この場合、種別収納部C1〜C3の収納の順番は、紙葉類の残数が一番多い種別収納部を最後に収納されるため、種別収納部C1の紙葉類が最後に収納される。
【0089】
例えば、種別収納部C2に収納されている紙葉類は、一旦混合収納部C4に収納された後、種別収納部C2に収納される。また、種別収納部C3に収納されている紙葉類は、一旦混合収納部C4に収納された後、種別収納部C3に収納される。そして、種別収納部C1に収納されている紙葉類は、最後に混合収納部C4に収納される。
【0090】
このように、本実施の形態では、紙葉類の残数が一番多い種別収納部C1の紙葉類を最後に混合収納部C4に収納することにより、搬送回数を減らして、効率よく精査処理を実行することを可能としている。ここで、紙葉類の残数が一番多い種別収納部以外の紙葉類をいずれかの種別収納部にまとめて収納するようにしても良い。例えば、種別収納部C2に収納されている紙葉類を、一旦混合収納部C4に収納した後、種別収納部C2に収納し、次に、種別収納部C3に収納されている紙葉類を、一旦混合収納部C4に収納した後、種別収納部C2に収納してもよい。これにより、搬送回数を減らして精査時間を短くするとともに、収納するカセットの数を最少にすることが可能となる。
【0091】
次に、ステップS411において顧客操作部8に表示される紙葉類の収納先の案内について説明する。図17に示すように、例えば、紙葉類が紙幣であって、種別収納部C1が千円を収納するカセット(千円収納カセット)であり、種別収納部C2が五千円を収納するカセット(五千円収納カセット)であり、種別収納部C3が万円を収納するカセット(万円収納カセット)あり、混合収納部C4が運用カセットであり、入金紙葉類収納部C6が入金収納カセットであるとする。
【0092】
例えば、ステップS404において、紙葉類の収納先が種別収納部に設定され、さらに、ステップS407において、千円が最後に収納される紙葉類に設定された場合には、紙葉類の残量の多い千円が運用カセットに収納される。そして、五千円及び万円はそれぞれ五千円カセット及び万円カセットに収納される。
【0093】
このように、運用カセットを回収カセットとして利用することにより、精査処理時間を短縮したり、紙幣の劣化を防止したりすることが可能となる。
【0094】
(3−3)本実施の形態の効果
紙葉類の残数が一番多い種別収納部C1の紙葉類を最後に混合収納部C4に収納することにより、搬送回数を減らして、効率よく精査処理を実行することを可能としている。
【0095】
(4)第4の実施の形態
(4−1)自動取引装置の外観構成及びハードウェア構成
本実施の形態にかかる自動取引装置1の外観構成及びハードウェア構成は、第1の実施の形態とほぼ同様のため詳細な説明は省略する。以下では、第1〜第3の実施の形態と異なる構成について特に詳細に説明する。本実施の形態では、装填処理または、精査処理において、計数元または、収納先の収納部を係員が設定または、指定する点で第1〜第3の実施の形態と異なる構成となっている。
【0096】
(4−2)自動取引装置の動作
装填処理または、精査処理において、第1〜第3の実施の形態と異なる処理について特に詳細に説明し、第1〜第3の実施の形態と同様の処理については詳細な説明を省略する。
【0097】
(4−2−1)各処理の詳細
本実施の形態では、図18に示す画面において、自動取引装置1の運用開始前の装填処理を実施する前に、係員により予め、装填処理の計数元の収納部または精査処理の収納先の収納部が設定された場合に、設定された情報(設定情報)として保持しておく。係員は、図18に示す画面を用いて、装填処理の計数元の収納部または精査処理の収納先の収納部を設定する。自動取引装置1は、装填処理または、精査処理を実施する際には、係員により設定された設定情報を基に、計数元の収納部から計数したり、収納先の収納部へ収納したりする。
【0098】
また、予め設定された設定情報を基に装填処理等を実施する方法の他に、装填処理または精査処理を実施する際に、係員が計数元または収納先の収納部を指定するようにしてもよい。例えば、係員は、図19に示す画面を用いて、装填処理または精査処理を実施する際に、計数元または収納先の収納部を指定する。自動取引装置1は、計数元または収納先の収納部の指定に応じて、装填処理または精査処理を実施する。
【0099】
また、上記2つの設定方法を組み合わせて、収納先を予め設定し設定情報として保持しておき、精査処理を実施中に、再度収納先の収納部を指定できるようにしてもよい。例えば、設定情報を基に精査処理の収納先の収納部を設定し、精査処理を実施する。そして、精査処理中に収納先の収納部が満杯になって精査処理が中断した場合に、精査処理再開後の紙葉類の収納先を図19に示す画面を用いて指定することにより、精査処理を継続させてもよい。
【0100】
(4−3)本実施の形態の効果
装填処理または精査処理の計数元または収納先を予め設定したり、係員が装填処理または精査処理を実施する直前に、計数元または収納先の収納部を指定したりすることにより、係員の要求に合わせた運用が可能となる。また、精査処理を中断した際に、再開後の紙葉類の収納先を指定することで、効率的に紙葉類の回収が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、紙葉類を装填したり精査したりする紙葉類処理装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 自動取引装置
2 紙葉類入出金口
3 包装硬貨取出口
4 硬貨取出口
5 硬貨入金処理装置
6 カード挿入口
7 明細票取出口
8 顧客操作部
9 係員操作部
11 紙葉類処理装置
12 包装硬貨処理装置
13 硬貨処理装置
14 カード処理装置
15 明細票処理装置
30 主制御部
31 制御部
32 識別部
33 一時保留部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の紙葉類を扱う紙葉類処理装置であって、
紙葉類を種別毎に収納し、前記紙葉類の繰り出しと受け入れとを実行する複数の種別収納部と、
複数種類の紙葉類を収納し、前記紙葉類の繰り出しと受け入れとを実行する少なくとも1つの混合収納部と、
前記紙葉類処理装置の稼働前に、前記種別収納部または前記混合収納部に収納された前記紙葉類を識別及び計数して、前記識別及び計数された前記紙葉類を、前記紙葉類の種別毎に前記種別収納部に収納する装填処理と、前記紙葉類処理装置の稼働後に、前記種別収納部に収納されている前記紙葉類を種別毎に計数し、該計数した紙葉類を種別毎に前記種別収納部または前記混合収納部のいずれかに収納する精査処理とを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記装填処理の開始時に、前記種別収納部及び前記混合収納部の前記紙葉類の収納状況に応じて、前記種別収納部または前記混合収納部のいずれかを前記紙葉類の計数元に決定する
ことを特徴とする、請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記装填処理の開始時に、前記種別収納部に前記紙葉類が収納されていた場合に、前記種別収納部を前記紙葉類の計数元に決定する
ことを特徴とする、請求項2に記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記種別収納部を前記紙葉類の計数元に決定した場合に、前記種別収納部に収納されている前記紙葉類を識別及び計数して、前記識別及び計数した紙葉類を前記混合収納部に収納し、前記種別収納部が空になった後に、前記混合収納部に収納した前記紙葉類を前記種別収納部に収納する
ことを特徴とする、請求項3に記載の紙葉類処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記装填処理の開始時に、前記混合収納部に前記紙葉類が収納されていた場合に、前記混合収納部を前記紙葉類の計数元に決定する
ことを特徴とする、請求項2に記載の紙葉類処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記混合収納部を前記紙葉類の計数元に決定した場合に、前記混合収納部に収納されている前記紙葉類を識別及び計数して、前記識別及び計数した紙葉類を前記紙葉類の種別に対応する前記種別収納部に収納する
ことを特徴とする、請求項5に記載の紙葉類処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記精査処理の開始時に、前記紙葉類の残量に応じて、前記種別収納部または前記混合収納部のいずれに収納するかを決定する
ことを特徴とする、請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記精査処理の開始時に、前記種別収納部に収納されている前記紙葉類の残量が前記混合収納部の紙葉類収納可能量よりも少ないかまたは等しい場合、前記紙葉類の収納先を前記混合収納部に決定する
ことを特徴とする、請求項7に記載の紙葉類処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記精査処理の開始時に、前記種別収納部に収納されている前記紙葉類の残量が前記混合収納部の紙葉類収納可能量よりも多い場合、前記紙葉類の収納先を前記種別収納部に決定する
ことを特徴とする、請求項7に記載の紙葉類処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記紙葉類の収納先を前記種別収納部に決定した場合、前記種別収納部に収納されている前記紙葉類を識別及び計数して、前記識別及び計数した紙葉類を前記混合収納部に収納し、前記種別収納部が空になった後に、前記混合収納部に収納した前記紙葉類を、前記紙葉類の種別に対応する前記種別収納部に収納する
ことを特徴とする、請求項9に記載の紙葉類処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記紙葉類の収納先を前記種別収納部に決定した場合、前記紙葉類の残量を収納可能な前記種別収納部の数を算出する
ことを特徴とする、請求項9に記載の紙葉類処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記種別収納部に収納されている前記紙葉類を識別及び計数して、前記識別及び計数した紙葉類を前記混合収納部に収納し、前記算出された数に応じた前記種別収納部に前記紙葉類を収納する
ことを特徴とする、請求項11に記載の紙葉類処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記精査処理の開始時に、前記種別収納部に収納されている前記紙葉類の残量が前記混合収納部の紙葉類収納可能量よりも多い場合、残量の最も多い種別の前記紙葉類の収納先を前記混合収納部に決定し、他の種別の前記紙葉類の収納先を当該紙葉類の種別に対応する前記種別収納部に決定する
ことを特徴とする、請求項7に記載の紙葉類処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、
予め設定された前記紙葉類処理装置の所定の設定情報に基づいて、前記装填処理における前記紙葉類の計数元と、前記精査処理における前記紙葉類の収納先を決定する
ことを特徴とする、請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項15】
前記制御部は、
係員の入力に応じて、前記装填処理における前記紙葉類の計数元と、前記精査処理における前記紙葉類の収納先を決定する
ことを特徴とする、請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項16】
前記制御部は、
前記精査処理後に、前記種別収納部または前記混合収納部のいずれに前記紙葉類が収納されているかと、収納されている前記紙葉類の種別とを表示部に表示させる
ことを特徴とする、請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項17】
複数種類の紙葉類を扱う紙葉類処理装置を用いた紙葉類処理方法であって、
前記紙葉類処理装置は、紙葉類を種別毎に収納し、前記紙葉類の繰り出しと受け入れとを実行する複数の種別収納部と、複数種類の紙葉類を収納し、前記紙葉類の繰り出しと受け入れとを実行する少なくとも1つの混合収納部と、を備え、
前記紙葉類処理装置の稼働前に、前記種別収納部または前記混合収納部に収納された前記紙葉類を識別及び計数して、前記識別及び計数された前記紙葉類を、前記紙葉類の種別毎に前記種別収納部に収納する第1のステップと、
前記紙葉類処理装置の稼働後に、前記種別収納部に収納されている前記紙葉類を種別毎に計数し、該計数した紙葉類を前記種別収納部または前記混合収納部のいずれかに収納する第2のステップと、
を含むことを特徴とする、紙葉類処理方法。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2013−88966(P2013−88966A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227835(P2011−227835)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】