説明

紙葉類処理装置

【課題】
安定して紙葉類の位置を変位させることができる紙葉類処理装置を提案する。
【解決手段】
紙葉類を処理する紙葉類処理装置に、入出金口と、入出金口から搬送される紙葉類を鑑別等する識別部と、紙葉類を一時的に保管する一時保管庫と、紙葉類を収納する収納庫とを有し、一時保管庫から識別部に至る搬送路上に、紙葉類のシフトを修正するシフト手段を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば紙葉類を搬送中に位置寄せするような紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙幣を集積や繰り出し等する装置が提供されており、ATM等の紙幣を取り扱う装置に組み込まれている。
【0003】
紙幣には複数の種類が存在し、種類によってサイズも異なっている。従って、様々な種類の紙幣を処理する場合に、種類別にそのサイズに適したカセットに保留しようとすると、カセットに入るよう搬送路内で位置調整することが必要となる。
【0004】
このような位置調整を行う措置として、直行搬送ローラを搬送路の中央に備え、その両横に紙幣(媒体)を中央寄せする斜行搬送ローラを備えた媒体処理装置が提案されている
(特許文献1参照)。
【0005】
この媒体処理装置は、中央の直行搬送ローラで紙幣を搬送し、紙幣を中央寄せする場合には、直行搬送ローラを退避して斜行搬送ローラ(例えば右側)を付勢し、紙幣を中央寄せする。
【0006】
しかし、中央寄せする際には、紙幣が直行搬送ローラと斜行搬送ローラのいずれにも接触せず自由に開放される一瞬が生じるため、処理の安定性が損なわれる問題があった。
【0007】
仮に斜行搬送ローラを付勢してから直行搬送ローラを退避させる構成とすれば、回転方向の異なる両ローラによって紙幣が変形し紙詰まりになるという問題があった。
【0008】
さらに、斜行搬送ローラは搬送している紙幣の途中から付勢してシフトを行うため、搬送方向の紙幣の長さに対してシフトが有効となる長さが短く、シフト量が少ない問題があった。
【0009】
また、中央寄せ時に使用する斜行搬送ローラが1つであるため、中央寄せ時にスキューが発生してしまうことがあった。すなわち、斜行搬送ローラは適度の幅を有しているが、紙幣に付勢した際には機械精度によっていずれか一方のローラ端部の付勢力が強くなってしまい、一点に圧力が集中してスキューしてしまうことがあった。
【0010】
さらに、シフト補正が正常に行えたかどうかというシフト補正実行後の紙幣状態を監視する構成を設けていないため、収納時に障害が発生したり、一旦収納した紙幣を再繰出しする機能を有する循環式入出金処理装置においては、シフト補正が正しく行なわれなかったことで繰り出し障害が発生するという課題があった。
【0011】
また、位置調整を行う他の先行技術として、首振り搬送ベルトを備えたものが提案されている(特許文献2参照)。しかし、首振り搬送ベルトでは質量が大きいため、シフト補正中の紙幣の動きを測定しながらシフト機構をフィードバック制御して、正確なシフトを得ることが困難であった。
【0012】
【特許文献1】特開平9-194081号公報
【特許文献2】特開平5-12529号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
この発明は、上述の問題に鑑みて、安定して紙葉類の位置をシフトさせることができる紙葉類処理装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、紙葉類を搬送する搬送路を含む搬送手段と、搬送された紙葉類の真偽および金種を判別する識別部と、紙葉類を一時的に保留する保留部と、前記紙葉類の搬送幅方向の位置をシフトさせるシフト手段とを備え、該シフト手段を保留部と前記識別部を接続する搬送路上に設けた紙葉類処理装置であることを特徴とする。
【0015】
前記シフト手段を設けることで、紙幣の出金時においては、識別部で正常と判断された紙幣を整列させた状態で出金口(又は入出金口)へ搬送できる。あるいは、紙幣の収納時においては、識別部で正常と判断された紙幣を整列させた状態で収納カセットへ収納できる。
【0016】
上述のように紙幣を整列させる作用により、例えば取扱う紙幣の紙幣幅の異なる紙幣を混合で取扱ったとしても、目的箇所に紙幣を整列した状態で集積することが可能である。
【0017】
また、前記識別部に搬送された紙葉類の搬送幅方向の位置検知手段を設け、該検知手段で検知された結果に基づいて、前記紙葉類の収納先を振分ける構成とすることで、入金されてきた紙幣を一旦、一時保留部で受け、内部に収納する時に、該シフト手段で紙幣のシフト補正を行ない、搬送路の下流に位置する識別部で前記シフト補正が正しく行なわれたどうかをチェックし、正しく行なわれたと判断した場合は、金種別収納箱に、シフト補正が不完全であるあるいは異常であると判断した場合は、回収箱に前記紙幣を振分けるため、金種別収納箱に収納された紙幣は再繰出し可能な整列された状態になっている。
【0018】
また、前記シフト手段を、前記紙葉類処理装置の最上部に位置する搬送路に設けた構成としたので、たとえシフト手段によりシフト補正が正常に行なわれず、該搬送紙幣が搬送中に紙詰まりして搬送障害が生じた場合においても、該紙詰まりした紙幣を簡単に除去することが出来る。
【0019】
また、この発明は、紙葉類を搬送する搬送手段と、前記紙葉類を搬送方向に対し斜め方向へ回転することで該紙葉類に接触した前記紙葉類の搬送幅方向の位置を変位させる変位手段と、該変位手段により前記紙葉類の変位を実行する変位実行状態と該変位を実行しない変位不実行状態とを切り替える変位有無切替手段とを備え、前記変位手段が前記紙葉類の面上に接触する接触部位の少なくとも一部を、変位中も搬送力を有する前記搬送手段より変位方向側に位置させると共に、前記紙葉類に対する上記変位手段の変位実行時の摩擦力を、前記紙葉類に対する前記搬送手段の摩擦力より強く設定した紙葉類処理装置であることを特徴とする。
【0020】
前記搬送手段は、対向させて設けた搬送ベルトで紙葉類を両面から挟持して搬送する搬送ベルト対、金属板や樹脂板等の滑りやすい表面の固定板状部材に対向させて設けた搬送ベルト、対向させて設けた搬送ローラを搬送方向に複数備えて紙葉類を両面から挟持して搬送する搬送ローラ対、又は、金属板や樹脂板等の滑りやすい表面の固定板状部材に対向させて搬送方向に複数設けた搬送ローラ等、紙葉類を搬送する手段で構成することを含む。
なお、製造コストを考慮すると搬送ベルトを使用することが望ましく、さらに安定性を考慮すると搬送ベルト対を使用することが望ましい。
【0021】
前記変位手段は、1以上の回転体で形成することを含む。該回転体は、円筒形のローラ、円盤、又は複数のローラに張架して回転するベルトで構成することを含む。
なお、製造コストや小型化の観点からローラ又は円盤を使用することが望ましく、紙葉類の損傷防止の観点からローラを使用することが望ましい。
【0022】
前記変位有無切替手段は、変位実行状態で前記変位手段により搬送する紙葉類を必要な圧力で押圧し、変位不実行状態で前記変位手段の紙葉類への押圧力を下げて紙葉類から離間させるか変位させない程度に軽く接触する構成とすることを含む。
【0023】
変位実行中の前記搬送手段の搬送速度と前記変位手段の回転の搬送方向成分の回転速度は、同一速度に構成する、搬送速度より変位手段の回転速度を高速に構成する、若しくは搬送速度より変位手段の回転速度を低速に構成することを含む。
【0024】
なお、変位手段を1つの回転体で形成した場合は、該回転体の搬送方向成分の回転速度と搬送手段の搬送速度とを同一に構成してスキューを防止することが望ましい。
【0025】
また、変位手段を2つ以上の回転体で形成した場合は、該回転体の搬送方向成分の回転速度を搬送手段の搬送速度より高速に設定して、搬送中の紙葉類を抜き取るように変位させることが望ましい。
【0026】
前記変位中も搬送力を有する搬送手段は、通常の搬送状態と同一の状態若しくはこれに近い状態で搬送動作を継続している搬送手段で構成することを含む。従って搬送手段は、この変位中も搬送力を有する搬送手段のみで構成する、あるいはこれに加えて、変位中だけ退避させる等により変位中は搬送力を有しない搬送手段も含めて構成することを含む。
【0027】
前記構成により、搬送中の紙葉類の搬送幅方向の位置を変位させる際に、搬送手段を紙葉類から離間等させるといった必要がなく、安定して変位させることができる。すなわち、搬送手段は継続して搬送を行い、変位中のみ変位手段が搬送手段より強い摩擦力で紙葉類を強引に変位させることができるため、従来のように変位の前後で紙葉類を一瞬開放してしまって紙葉類が不安定となることを防止できる。従って、中央寄せ、右寄せ、左寄せ、又はその他の位置への寄せを安定して行うことが可能となる。
【0028】
この発明の態様として、前記搬送手段を、適宜の回転部材に張架した搬送ベルトと上記回転部材を回転駆動する駆動部とで形成することができる。
これにより、紙葉類の搬送をより安定させることができ、搬送中の意図しない位置ズレを防止することができる。
【0029】
またこの発明の態様として、前記変位手段を、搬送幅方向に並設した2以上の回転体で形成することができる。
これにより、紙葉類を変位させる際に紙葉類がスキューすることを防止することができる。なお、スキューとは、紙葉類の向きがずれることを指し、紙幣の長手方向を搬送幅方向へ向けて真っ直ぐ平行搬送して処理する紙葉類が、処理に問題を生じない範囲を超えて傾いていることを言う。
【0030】
またこの発明の態様として、前記紙葉類の変位中も搬送力を有する前記搬送手段を、並設した前記回転体の間に配設することができる。
【0031】
これにより、搬送手段で搬送している紙葉類を、並設した回転体にて強引に位置変位させることができ、この位置変位の際に紙葉類に折れや曲がりやスキューが生じることを防止することができる。
【0032】
すなわち、並設した回転体は搬送手段より強い摩擦力で紙葉類と接触するため、搬送手段が紙葉類を搬送中であってもその左右の回転体により紙葉類が2点でしっかり押さえられている状態となる。
【0033】
従って位置変位中の紙葉類は2点で引っ張られているような状態となり、その間の搬送手段の摩擦力に逆らって姿勢を保持したまま位置変位し、紙葉類に折れや曲がりが生じずスキューも防止できる。
【0034】
またこの発明の態様として、前記紙葉類の変位中も搬送力を有する前記搬送手段を、前記2以上の回転体のいずれよりも該回転体による変位方向と反対側に配設することができる。
【0035】
これにより、位置変位中の紙葉類は搬送手段にて引っ張られる状況となるため、搬送手段が紙葉類の位置変位を妨げることがなく、紙葉類を安定して位置変位させることができる。
【0036】
またこの発明の態様として、変位中も搬送力を有する前記搬送手段を第1搬送手段とし、変位方向側の前記回転体よりもさらに変位方向側に第2搬送手段を備えると共に、該第2搬送手段を、前記紙葉類を変位させない場合は紙葉類に対する押圧力を上げて前記第1搬送手段と共に前記紙葉類を搬送させ、前記紙葉類を変位させる場合は前記紙葉類に対する押圧力を下げて前記紙葉類の変位を妨げないようにする押圧力切替手段を備えることができる。
【0037】
前記押圧力切替手段は、第2搬送手段を適宜のローラに張架した搬送ベルトが対向して設けられている搬送ベルト対で構成した場合に、一方の搬送ベルトの一部又は全部のローラを他方の搬送ベルトと反対方向へ移動させる移動手段で構成することを含む。このとき、対向する搬送ベルトが小さい押圧力で接触している状態とする、押圧力なく軽く接触している状態とする、あるいは離間している状態とすることを含む。
【0038】
前記構成により、複数の搬送手段によって紙葉類が搬送中にスキューしないよう安定して搬送することができると共に、位置変位の際に変位方向にある搬送手段が位置変位を妨げることを防止することができる。
【0039】
またこの発明の態様として、前記搬送ベルトを上下に対設し搬送面を互いに当接させて搬送ベルト対を形成し、該搬送ベルト対を搬送幅方向に2つ並設し、各搬送ベルト対に、搬送面の押圧力を切り替える押圧力切替手段を備え、前記変位手段を、回転体を上下に対設した回転体対を搬送方向に対して回転方向を内側へ傾けて4つ備えて構成すると共に、各回転体対を、前記搬送ベルト対のそれぞれについて、該搬送ベルト対を2つの回転体対で搬送幅方向に挟む位置に配設し、前記変位有無切替手段を、搬送ベルト対を挟む2つの回転体対毎に、上下の回転体を近接させて前記紙葉類の変位を実行する変位実行状態と、上下の回転体を離間させて前記紙葉類の変位を実行しない変位不実行状態とを切り替える構成とし、
右側に寄っている紙葉類を中央に寄せる場合には、右側の搬送ベルト対を挟む2つの回転体対を変位実行状態に切り替えると共に、左側の搬送ベルト対の押圧力を下げ、左側に寄っている紙葉類を中央に寄せる場合には、左側の搬送ベルト対を挟む2つの回転体対を変位実行状態に切り替えると共に、右側の搬送ベルト対の押圧力を下げる構成とすることができる。
【0040】
これにより、搬送する紙葉類が左右いずれの位置に寄っていても、安定して中央に寄せることが可能となる。
【0041】
この発明により、紙葉類の搬送幅方向の位置を安定して変位させることができる。
【発明の効果】
【0042】
この発明により、紙葉類の搬送幅方向の位置を安定してシフトさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まず、図1に示す上側機構の断面平面図、図2に示す下側機構の断面平面図、図3に示す下側機構の部分拡大平面図、図4に示す搬送機構の断面右側面図、及び図5に示す変位機構の断面右側面図および図22に示す紙幣処理機の機能配置図、図23に示す紙幣処理機の各処理の紙幣経路図と共に、紙幣シフト装置1の制御及び全体構成について説明する。
【0044】
紙幣処理機(ATM内部に設けられた紙幣ユニット)は、図22に示すように外部から紙幣の入金を受付ける或いは内部に集積された紙幣を外部へ出金するための受付口である入出金口108(或いは入金口)と、該受付けた入金紙幣或いは出金紙幣の真偽及び金種を識別する識別部109と、該識別部で識別された正規紙幣を一時的に保留する一時保留部110と、一時保留部に保留された入金紙幣を金種別(或いは一括)に収納ずる或いは金種別(或いは一括)に集積した紙幣を出金紙幣として前記入出金口108を介して外部に繰り出す収納カセット111(111a〜111d)と、前記収納カセット111(111a〜111d)から出金紙幣として外部へ繰り出し時に前記識別部で不適正紙幣或いは識別不可能であった場合に該紙幣を回収するリジェクト回収箱112等から構成されている。
【0045】
そして、この紙幣処理機には、紙幣シフト装置1がその内部に設けられており、図示するとおり出金口108(又は出金口)と一時保留部110との間の搬送路上に配置する。
図23は紙幣処理機にて実行される入金計数処理、入金収納処理、出金処理時の紙幣の搬送経路を矢印にて示した図であり、以下、各処理を説明する。
【0046】
最初に、入金時の制御について説明する。図23(A)は入金時の計数処理における搬送経路を示したものである。入出金口108へ投入された紙幣は識別部109へ導かれ、該識別部109で正規紙幣と判定された場合は一時保留部110へ搬送され、該紙幣を一時保留される。また、識別部109で正規紙幣と判断されない場合は該紙幣を入出金口108へ返却される。該紙幣を入出金口108へ返却される場合に紙幣シフト装置1を通過するが、この処理時においては該紙幣シフト装置1では何ら動作を起こさない。
【0047】
次に一時保留部110に一時的に保留された紙幣を各カセットに収納する入金収納時の制御について説明する。図23(B)は収納時における搬送経路を示したものである。一時保留部110で一時保留された紙幣は紙幣シフト装置1を通過して、再び識別部109で識別されてから後段(図示下側)に配置された収納カセットに搬送される。この時、紙幣が紙幣シフト装置1を通過時にシフト補正が必要な紙幣はシフト補正され、後段に設けた識別部109において、シフト補正が正常に行なわれたかどうかを判定する。該識別部109でシフト補正が正常に行なわれた場合は該紙幣を収納カセットへ収納し、シフト補正が不完全あるいは異常であると判断された場合は、振分け機構113aで振分けられ、リジェクト回収箱112に収納させる制御を行う構成としている。
【0048】
このような構成を設けてあるため、金種別収納箱に収納された紙幣は再繰出し可能な整列された状態になっている。特に取扱う紙幣が異なる紙幣幅を有する複数紙幣であっても、本機能により、整列された状態で収納カセット111(11a〜111d)へ収納され、紙幣出金時等の再繰り出し可能な状態を保つことが出来る。また、紙幣シフト装置1を識別部の後段に備えた構成であっても紙幣シフト装置1の機能自体を損なう恐れは生じないため、差し支えない。
【0049】
次に紙幣の出金時の制御について説明する。図23(C)は出金時における搬送経路を示したものである。予め収納カセット111(111a〜111d)へ集積された紙幣は識別部109に搬送され、該識別部109で不適正紙幣或いは識別不可能であるかどうか判定される。該紙幣が不適正紙幣或いは識別不可能であった場合は振分け機構113bによってリジェクト回収箱112に回収され、正規紙幣であった場合は紙幣シフト装置1へ搬送される。該紙幣シフト装置1でシフト補正が必要な紙幣はシフト補正され、入出金口108へ搬送される。
【0050】
この場合、シフト補正が正常に行なわれたどうかの判定は実施されていないが、入出金口108へ搬送されるだけであり、再度繰り出しを必要としないため、仮にシフト補正が正常に行なわれなかったとしても支障は生じない。
【0051】
このように、紙幣シフト装置1を紙幣処理機に配置するに当たり、(1)一時保留部110から識別部109に至る途中の搬送路に設けている、(2)紙幣処理機の最上部に位置する搬送路に設けている、という構造上の特徴を有している。
【0052】
(1)により、識別部109の識別結果によって紙幣の姿勢を修正するのではなく、後述の紙幣シフト装置1にて説明のとおり、独自のセンサで紙幣の姿勢(変位)を検知して修正するので、その後に修正した結果を識別部109で確認できる。これにより、収納先、すなわちリジェクトか否かの搬送先を切り替えることができるし、また仮に紙幣シフト1にて紙幣を修正し損ねてもその紙幣をリジェクト回収庫12に収納できる、との効果がある。
【0053】
また(2)により、紙幣のジャム除去を容易に行うことができる。紙幣シフト装置1は紙幣の姿勢を正しくする機能を有している一方、後述のとおり、複雑な機構である。そのことから、当該機構によって紙幣の修正を失敗した場合、ここで紙幣のジャムが発生してしまう。そこで、最上部に紙幣シフト装置1を配置することで、紙幣のジャムが発生した場合でも係員はそのジャム紙幣を容易に取り除くことができる。
【0054】
また、上述のとおり、紙幣の入金処理には、入金計数と入金収納とがある。そして、紙幣シフト装置1はそのうち、入金収納のみで紙幣の修正を行っている。これにより、紙幣のリサイクルに最適な装置を提供でき、必要以上の紙幣ジャムを避けることができる。
【0055】
なお、ATMには、各種制御処理を行う制御部、表示機能と入力操作機能を有するタッチモニタ、通帳を処理する通帳処理部、磁気カードを処理するカード処理部、硬貨の真偽判別と金種判別をする硬貨処理部、紙幣の真偽判別と金種判別をする紙幣処理部、明細票の発行を行う明細票処理部、明細票と同一の情報を記録するジャーナル処理部、センタと通信するセンタ通信処理部、遠隔監視装置(CRMC)と通信して障害復旧等を行う遠隔監視装置通信処理部、係員による復旧等を許容する係員パネル処理部を備えている。 また、紙幣シフト装置1は、ATM(取引処理装置)に限らず、両替機、券売機、メダル販売機、又は商品自動販売機等、紙幣を取り扱う他の装置に備えても良い。
【0056】
紙幣シフト装置1は、図1に示すように上方に左右2本の搬送ベルト15,17(上方側の一部は図示省略)を備えている。該搬送ベルト15,17は、図4に示すように、表面をゴム製部材で形成したローラ21(21a,21b),23,25(25a,25b) ,27(27a,27n),29(29a,29b),31,33(33a,33b), 35(35a,35b)に張架しており、後述するモータM3(図13)の回転力を得て搬送方向に回転するように構成している。
【0057】
各ローラは、図1及び図4に示すように、適宜シャフト等に回転自在に挿着して左右対称に備えている。すなわち、図1に示すようにローラ21a,21bはシャフト22に備えている。ローラ25a,25bはシャフト26に備えている。ローラ33a,33bはシャフト34に備えている。ローラ35a,35bはシャフト36に備えている。また図4に示すように、ローラ23,23はシャフト24に備えている。ローラ31,31はシャフト32に備えている。
【0058】
ローラ27a,27bとローラ29a,29bについては、図1に陰線で示すように筐体に回転自在に直接取り付け、自由に回転するように備えている。詳述すると、筐体には搬送ベルト15,17や各種センサ(検知手段)等の必要部位に孔を空けて搬送路を形成するカバー(図示省略)を設けている。このカバーにローラ27a,27bとローラ29 a,29bを取り付けている。
【0059】
これらのローラ21,23,25,27,29,31,33,35は、定位置で回転するように位置を固定して備えている。そして、図4に示すようにローラ27とローラ29 は同一の高さになるよう水平に備えている。また、ローラ25とローラ33が同一の高さになるよう水平に備え、該ローラ25,33が上記ローラ27,29の高さより少し低くなるように段差を設けて備えている。
【0060】
また図1に示す上側機構には、表面をゴム製部材で形成した斜行実行ローラ43(43 a,43b)及び斜行実行ローラ47(47a,47b)を備えている。
【0061】
斜行実行ローラ43は、シャフト41に固定した各アーム42(42a,42b)の先端に、回転自在に備えている。斜行実行ローラ43の位置は、前記ローラ27の横位置となるように備えており、搬送方向(図1では上から下方向)に対して排出側(図1では下方)が内側(図1では左側)となるよう回転方向を傾けて構成している。2つの斜行実行ローラ43a,43bの傾きは同一角度に設定し、両者の回転方向が平行になるように構成している。
【0062】
また、斜行実行ローラ43a,43bは、右側の搬送ベルト17の左右を挟むようにして並設している。シャフト41にはソレノイドS2を連結している。これにより、ソレノイドS2によってアーム42,42を同時に同距離だけ連動して上下方向へ枢動させ、これによって斜行実行ローラ43を同時に同距離だけ連動して上下動させるように構成している。
【0063】
斜行実行ローラ47は、シャフト45に固定したアーム46(46a,46b)の先端に、自由に回転するように備えている。斜行実行ローラ47の位置は、前記ローラ29の横位置となるように備えており、搬送方向(図1では上から下方向)に対して排出側(図1では下方)が内側(図1では右側)となるよう回転方向を傾けて構成している。2つの斜行実行ローラ47a,47bの傾きは同一角度に設定し、両者の回転方向が平行になるように構成している。
【0064】
また、斜行実行ローラ47a,47bは、左側の搬送ベルト15の左右を挟むようにして並設している。シャフト45にはソレノイドS1を連結している。これにより、ソレノイドS1によってアーム46,46を同時に同距離だけ連動して上下方向へ枢動させ、これによって斜行実行ローラ47a,47bを同時に同距離だけ連動して上下動させるように構成している。
【0065】
上側機構の搬送路上方位置には、紙幣の取込側(図1では上方側)から順番に、札間検知用LED11a、スキュー検知用LED12a、シフト実行用投光部(61a,62a, 66a,67a)、左シフト終了用LED群68a,右シフト終了用LED群63aをこの順で備えている。
【0066】
シフト実行用投光部は、右シフト開始用LED群61a、及び左シフト開始用LED群66a を搬送路の側壁近傍に左右対称に備え、その内側に左シフト停止用LED群62a、及び右シフト停止用LED群67aを左右対称に備えて、これらが横一列に並ぶように配設している。
【0067】
また、右シフト開始用LED群61aと左シフト停止用LED群62aを対にして搬送路左側に備え、右シフト停止用LED群67aと左シフト開始用LED群66aを対にして搬送路右側に備えている 右シフト開始用LED群61a、左シフト停止用LED群62a、左シフト開始用LED群6 6a、及び右シフト停止用LED群67aは、いずれも3つのLEDを横並びに並設して形成している。
【0068】
左シフト終了用LED群68aは、斜行実行ローラ43の右横位置に配設しており、左変位開始用LED群66aと搬送幅方向が同じ位置に、3つのLEDを横並びに並設して形成している。
【0069】
右シフト終了用LED群63aは、斜行実行ローラ47の左横位置に配設しており、右変位開始用LED群61aと搬送幅方向が同じ位置に、3つのLEDを横並びに並設して形成している。
【0070】
紙幣シフト装置1の下側機構は、図2に示すように下方に左右2本の搬送ベルト16,1 8を備えている。該搬送ベルト16,18は、図4に示すように、表面をゴム製部材で形成したローラ71(71a,71b),73,75(75a,75b),77(77a, 77b),79(79a,79b),81,83(83a,83b),85に張架しており、後述するモータM4(図13)の回転力を得て搬送方向に回転するように構成している。
【0071】
各ローラは、図2及び図4に示すように、適宜シャフト等に回転自在に挿着して左右対称に備えている。すなわち、図2に示すように、ローラ71a,71bはシャフト72に備えている。ローラ75a,75bはシャフト76に備えている。ローラ77a,77b はシャフト78に備えている。ローラ79a,79bはシャフト80に備えている。ローラ83a,83bはシャフト84に備えている。また図4に示すように、ローラ73,73はシャフト74に備えている。ローラ81,81はシャフト82に備えている。ローラ85,85はシャフト86に備えている。
【0072】
ローラ71,73,81,83,85については、定位置で回転するように位置を固定して備えている。ローラ75,77,79については、後述するように連結ガイド122 に接続したシャフト76,78,80を傾けることで、同時に同距離だけ高さを変更できるように構成し、上下動ローラとして機能させる。また、図4に示すようにローラ75,77,79は同一の高さになるよう平行に備えている。
【0073】
なお、この実施形態では連結ガイド122に3列のローラ75,77,79を備えているが、2列に構成する、あるいは4列以上に構成するなど、複数列の他の列数で構成しても良い。
【0074】
下側機構には、図3の拡大平面図に示すように、表面をゴム製部材で形成した斜行搬送ローラ93(93a,93b)及び斜行搬送ローラ97(97a,97b)を備えている。
【0075】
斜行搬送ローラ93a,93bは、搬送ベルト18の左右に並設しており、それぞれの回転軸に挿着したギヤ94,94を、ギヤ85を介して連結している。左側の斜行搬送ローラ93aの回転軸には、ねじ歯車92,92を介して回転シャフト91を接続している。これにより、回転シャフト91に接続した後述するモータM1(図13)の回転力を受けて、斜行搬送ローラ93a,93bを同時に同速度で同方向に回転駆動する。
【0076】
この斜行搬送ローラ93a,93bの回転速度は、搬送ベルト15,16,17,18 の回転速度より早く設定しており、搬送中の紙幣を抜き取るようにシフトさせる構成としている。
【0077】
斜行搬送ローラ97a,97bは、搬送ベルト16の左右に並設しており、それぞれの回転軸に挿着したギヤ98,98を、ギヤ99を介して連結している。右側の斜行搬送ローラ97bの回転軸には、ねじ歯車100,100を介して回転シャフト96を接続している。これにより、回転シャフト96に接続した後述のモータM2(図13)の回転力を受けて、斜行搬送ローラ97a,97bを同時に同速度で同方向に回転駆動する。
【0078】
この斜行搬送ローラ97a,97bの回転速度は、搬送ベルト15,16,17,18の回転速度より早く設定しており、搬送中の紙幣を抜き取るようにシフトさせる構成としている。
【0079】
斜行搬送ローラ93は、図5に示すように、斜行実行ローラ43の下方位置に対向させて備えている。 同様に斜行搬送ローラ97は、斜行実行ローラ47の下方位置に対向させて備えている。
【0080】
なお、上述した斜行実行ローラ43,47と斜行搬送ローラ93,97は、斜行搬送時の紙幣との摩擦力が、搬送ベルト15,17と搬送ベルト16,18による紙幣との摩擦力より強くなるように構成している。
【0081】
この構成は、斜行実行ローラ43,47及び斜行搬送ローラ93,97の表面材料に、搬送ベルト15,17,16,18より摩擦計数が高い材料を使用する、又は、搬送ベルト15,17,16,18により紙幣を挟む押圧力より斜行実行ローラ43,47と斜行搬送ローラ93,97で紙幣を挟む押圧力を強くする、あるいは上記摩擦計数を高くすることと押圧力を強くすることの両方を行うことで実現すると良い。
【0082】
下側機構の搬送路下方位置には、図2に示したように、紙幣の取込側(図2では上方側)から順番に、札間検知用フォトトランジスタ11b、スキュー検知用フォトトランジスタ12b、シフト実行用受光部(61b,62b,66b,67b)、左シフト終了用フォトトランジスタ群68b,63bをこの順で備えている。
【0083】
シフト実行用受光部は、右シフト開始用フォトトランジスタ群61b、及び左シフト開始用フォトトランジスタ群66bを搬送路の側壁近傍に左右対称に備え、その内側に左シフト停止用フォトトランジスタ群62b、及び右シフト停止用フォトトランジスタ群67bを左右対称に備えて、これらが横一列に並ぶように配設している。
【0084】
また、右シフト開始用フォトトランジスタ群61bと左シフト停止用フォトトランジスタ群62bを対にして搬送路左側に備え、右シフト停止用フォトトランジスタ群67bと左シフト開始用フォトトランジスタ群66bを対にして搬送路右側に備えている 右シフト開始用フォトトランジスタ群61b、左シフト停止用フォトトランジスタ群62b 、左シフト開始用フォトトランジスタ群66b、及び右シフト停止用フォトトランジスタ群67bは、いずれも3つのフォトトランジスタを横並びに並設して形成している。
【0085】
左シフト終了用フォトトランジスタ群68bは、斜行搬送ローラ93の右横位置に配設しており、左シフト開始用フォトトランジスタ群66bと搬送幅方向が同じ位置に、3つのフォトトランジスタを横並びに並設して形成している。
【0086】
右シフト終了用フォトトランジスタ群63bは、斜行搬送ローラ97の左横位置に配設しており、右シフト開始用フォトトランジスタ群61bと搬送幅方向が同じ位置に、3つのフォトトランジスタを横並びに並設して形成している。
【0087】
以上の構成により、紙葉類を搬送ベルト15と搬送ベルト16、及び搬送ベルト17と搬送ベルト18にて挟持し、搬送することができる。このとき、図4に示したようにローラ27,29の底面の高さより、ローラ75,77,79の頂点の高さが少し高くなるようにしているため、搬送ベルト15,17と搬送ベルト16,18が接触した状態で少し波打ち、接触部分に十分な押圧力が得られる。
【0088】
従って、搬送する紙幣をしっかり挟持することができ、普通人の肉眼では搬送する紙幣が見えず残像がかろうじて認識できる程度の高速で安定して搬送することが可能となる。
【0089】
また、斜行実行ローラ43,47を上下動させることができるため、搬送する紙幣を斜行させて横位置をシフトさせる場合には、斜行実行ローラ43又は斜行実行ローラ47のいずれか一方を下方へ移動させて、対向する斜行搬送ローラ93又は斜行搬送ローラ97に押し当てて付勢することができる。
【0090】
これにより、搬送ベルト15,16,17,18よりも摩擦力の強い斜行実行ローラ43,47及び斜行搬送ローラ93,97で紙幣を挟持し、後述するように紙幣を斜行して搬送し、横方向の位置をシフトさせることができる。
【0091】
なお、各ローラ25,77,29,79,33間の距離は、処理する最小紙幣の搬送方向の長さ(すなわち紙幣の短手方向の長さ)より短くするか、この長さに近い距離に設定することが好ましい。
【0092】
次に、図6、図7に示す右側面図、及び図8に示す正面図と共に、シャフト76,78,80を水平状態と傾斜状態に切り替えて搬送ベルト15,16,17,18の紙幣保持力を変化させるベルト傾斜駆動部90の構造について説明する。
【0093】
図6は、紙幣シフト装置1の右側に備えたベルト傾斜駆動部90のシフト不実行状態での形状を示しており、シャフト76,78,80のそれぞれを、左右を規制して上下へ移動可能なように縦長の孔120に挿通し、端部を駆動板118の下部に挿着している。
【0094】
駆動板118の中央部には、枢軸117を装着し、該枢軸117を連結ガイド122に枢着している。
【0095】
駆動板118の上部にはU字型の溝116を備え、該溝116に駆動板111の左下部に備えた枢軸113を係合している。
【0096】
駆動板111の下部は、枢軸117に枢着し、駆動板111の上部は、それぞれシャフト41,45,49(図1,図6)を挿通している。
【0097】
シャフト41を挿着した駆動板111は、上部にソレノイド連結板126を固定して接続している。
【0098】
ソレノイド連結板126の上部には、ソレノイドS3をつるまきバネ128と接続する接続版125を枢軸127で接続している。
【0099】
以上の構成により、ソレノイドS3が電源オフの間は、つるまきバネ128の弾性力によってシャフト41,45,49のそれぞれを枢軸としてソレノイド連結板126及び駆動板111が図示時計回りに少し回動した位置で停止する。従って、駆動板118は半時計回りに少し回動した位置で停止し、シャフト76,78,80が上方位置で停止することとなる。
【0100】
ソレノイドS3を電源オンにすると、図7に示すシフト実行状態でのベルト傾斜駆動部90に示すように、ソレノイド連結板126及び駆動板111がシャフト41,45,49のそれぞれを枢軸として半時計回りに少し回動する。従って、駆動板118が時計回りに少し回動して、シャフト76,78,80が下方位置で停止することとなる。
【0101】
このベルト傾斜駆動部90は、シャフト76,78,80の両端に左右対称に備えている。従って、通常の搬送状態では、両方のベルト傾斜駆動部90を、シャフト76,78,80が上方位置となるようにして紙幣の搬送を実行する。
【0102】
シフトを行う際には、一方のベルト傾斜駆動部90のソレノイドを電源オンにし、図8の正面図に示すように、シャフト76,78,80の一方の端部を下方へ移動させ、シャフト76,78,80が傾斜した状態とする。
【0103】
これにより、シャフト76,78,80に備えたローラ75,77,79のうち、下方へ移動した側(図示の例では右側)に備えたローラ75b,77b,79b(図2)が下がり、これに張架した搬送ベルトの位置も下方へ下がることとなる。
【0104】
詳述すると、シャフト76,78,80の両端を上方へ移動した通常状態では、図9の(A)の右側面図に示すように、搬送ベルト17,18のうち、ローラ25b,27b,29bとローラ75b,77b,79bにて張架されている部分が、これらのローラによって波打った状態となっている。
【0105】
つまり、この状態では図10の説明図の(A)の拡大右側面図に示すように、ローラ25b,27b,29bの最下点の位置から搬送ベルト17,18の厚み分下方の位置より、ローラ75b,77b,79bの最上点の位置が上方に位置している。
【0106】
このため、搬送ベルト17,18は、ローラ25b,27b,29bとローラ75b,77b,79bにより少し曲がっており、この曲がっている部分に搬送ベルト17,18の張力がかかることで紙幣をしっかり挟んで押圧し、搬送することができる。
【0107】
この状態から、前述したようにシャフト76,78,80の一方の端部、この例では右側の短部を下方へ移動させると、図9の(B)の右側面図に示すように、右側のローラ75b,77b,79bが下方へ下がり、ローラ25b,33b間の搬送ベルト17,18が真っ直ぐな状態となる。
【0108】
つまり、この状態では図10の(B)の拡大右側面図に示すように、ローラ25b,27b,29bの最下点の位置から搬送ベルト17,18の厚み分下方の位置より、ローラ75b,77b,79bの最上点の位置が下方に位置している。
【0109】
このため、ローラ25b,33b間の搬送ベルト17,18は、互いに接触してはいるものの、この途中でローラによって曲がっている部分がなく、ベルト17,18の張力が強くかかっている部分がない。従って、搬送ベルト17,18によって挟まれた紙葉類は、ローラ25b,33bの間では少ない力で自由に水平方向へ移動できる状態となる。
【0110】
このようにして、紙幣シフト装置1の左右両側に備えたベルト傾斜駆動部90により、シャフト76,78,80を、上方位置で水平な状態、右下がりに傾斜させた状態、及び左下がりに傾斜させた状態の3つの状態に切り替えることができる。
【0111】
なお、図9中の矢印は、紙幣の搬送方向を示している。また、左側のローラ75a,77a,79a、及び左側の搬送ベルト15,16は図示省略している。
【0112】
以上の構成により、紙幣の搬送の際には、搬送ベルト15,16,17,18によって紙幣を安定して搬送することができる。紙幣のシフトを行う際には、シャフト76,78,80を傾斜させ、上下動可能なローラ75a,77a,79a又はローラ75b,77b ,79bのいずれか一方を下方へ移動させることができる。これにより、シフト側の搬送ベルト15,16、又は搬送ベルト17,18のいずれか一方の押圧力を緩め、シフトを妨げないようにすることができる。
【0113】
また、下方移動させない側のローラ75a,77a,79a又はローラ75b,77b,79bについても、シャフト76,78,80の傾斜によって僅かに下方へ移動する。しかし、それでも搬送ベルト15,16又は搬送ベルト17,18は波打った状態を保つため、通常状態よりも押圧力が少し弱いが搬送に十分な押圧力を有し、紙幣を搬送することができる。このとき、搬送力を有しつつ押圧力が僅かに小さくなることで、シフトを容易にしている。
【0114】
次に、図11に示す説明図と共に、紙幣の位置シフトを行うための斜行実行ローラ43,47の構造について説明する。
【0115】
通常の搬送状態では、(A)の右側面拡大図に示すように、アーム42,46は水平な状態となって斜行実行ローラ43,47を上方位置へ持上げている。この持上げは、ソレノイドS1,S2(図1)を電源オフすることで、適宜のバネの弾性力で引き上げて実現
している。
【0116】
右側の紙幣を中央に寄せる場合は、(B)に示すように右側の搬送ベルト17,18を挟んでいる斜行実行ローラ43を下方位置へ下げる。この動作は、ソレノイドS2(図1)を電源オンすることでアーム42を少し回動させて実行する。
【0117】
このとき、前述したシャフト76,78,80は左下がりに傾斜させており、図示している搬送ベルト17,18は通常搬送状態とほぼ同一の波打った状態であり、図示省略している搬送ベルト15,16が水平な状態となっている。
【0118】
左側の紙幣を中央に寄せる場合は、(C)に示すように左側の搬送ベルト15,16を挟んでいる斜行実行ローラ47を下方位置へ下げる。この動作は、ソレノイドS1(図1)を電源オンすることでアーム46を少し回動させて実行する。
【0119】
このとき、前述したシャフト76,78,80は右下がりに傾斜させており、図示している搬送ベルト17,18は水平な状態であり、図示省略している搬送ベルト15,16は通常搬送状態とほぼ同一の波打った状態となっている。
【0120】
以上の構造により、左右に寄っている小さな紙幣を中央に寄せて、小さなサイズのカセットに適切に収納することが可能となる。
【0121】
次に、図12に示す説明図と共に、センサの位置とカセットサイズとの関係について説明する。
【0122】
この図では、最もサイズの小さいカセットである#9カセット及びその次に小さいカセットである#8カセットと、これに対応する小サイズ右シフト開始用センサ613、小サイズ左シフト停止用センサ623、小サイズ右シフト停止用センサ673、小サイズ左シフト開始用センサ663の関係について説明している。
【0123】
ここで、小サイズ右シフト開始用センサ613は、右シフト開始用LED群61a(図1)として3つ横並びに備えたLEDの右端のLEDと、右シフト開始用フォトトランジスタ群61b(図2)として3つ横並びに備えたLEDの右端のフォトトランジスタで構成している。
【0124】
小サイズ左シフト停止用センサ623は、左シフト停止用LED群62a(図1)として3つ横並びに備えたLEDの右端のLEDと、左シフト停止用フォトトランジスタ群62b(図2)として3つ横並びに備えたLEDの右端のフォトトランジスタで構成している。
【0125】
小サイズ右シフト停止用センサ673は、右シフト停止用LED群67a(図1)として3 つ横並びに備えたLEDの右端のLEDと、右シフト停止用フォトトランジスタ群67b(図2)として3つ横並びに備えたLEDの右端のフォトトランジスタで構成している。
【0126】
小サイズ左シフト開始用センサ663は、左シフト開始用LED群66a(図1)として3つ横並びに備えたLEDの右端のLEDと、左シフト開始用フォトトランジスタ群66b(図2)として3つ横並びに備えたLEDの右端のフォトトランジスタで構成している。
【0127】
中央寄せを想定している紙幣位置範囲の左端から小サイズ右シフト停止用センサ673までの距離(上記紙幣位置範囲の右端から小サイズ左シフト停止用センサ623までの距離と同一)をCmaxとし、このCmaxを#9カセットの幅より少し狭く設定している。
【0128】
なお、上記紙幣位置範囲は、一時保留部の紙幣放出口の幅と同一かそれより少し広く設定しており、紙幣シフト装置1の搬送フレーム幅より狭い設定としている。これは、搬送フレーム幅には余裕を設けているが、一時保留部から放出された紙幣の位置はシフトせずに搬送されることから、上記紙幣位置範囲内に収まることにようるものである。
【0129】
小サイズ右シフト開始用センサ613から小サイズ右シフト停止用センサ673までの距離(小サイズ左シフト開始用センサ663から小サイズ左シフト停止用センサ623までの距離と同一)をBmaxとし、このBmaxを上記Cmaxより少し狭く設定している。
【0130】
またこのBmaxは、大きい方のカセットである#8カセットに収納する種類の紙幣の長手方向の長さよりわずかに長く設定している。
【0131】
小サイズ右シフト開始用センサ613及び小サイズ左シフト開始用センサ663は、大きいほうのカセットである#8カセットの両側端の位置よりわずかに外側に備えている。なお、#8カセットの内幅の位置と同じ位置に備える、あるいはこれよりわずかに内側に備えて、シフト距離を調整する構成としても良い。
【0132】
小サイズ左シフト停止用センサ623及び小サイズ右シフト停止用センサ673は、小さい側のカセットである#9カセットの両側端の位置より内側に備えている。
【0133】
以上の位置設定により、上述した小サイズ右シフト開始用センサ613、小サイズ左シフト停止用センサ623、小サイズ右シフト停止用センサ673、及び小サイズ左シフト開始用センサ663を使用して、収納目的の#9カセット及び#9カセットに確実に紙幣を収納することが可能となる。
【0134】
すなわち、小サイズ右シフト開始用センサ613がONで、小サイズ左シフト停止用センサ623がONで、かつ小サイズ右シフト停止用センサ673がOFFで、かつ小サイズ左変位開始用センサ663がOFFであれば、#8カセットか#9カセットに収納するサイズであることが解り、右寄せして中央寄せすることができる。
【0135】
同様に、小サイズ左シフト開始用センサ663がONで、小サイズ右シフト停止用センサ673がONで、小サイズ左シフト停止用センサ623がOFFで、かつ小サイズ右シフト開始用センサ613がOFFであれば、#8カセットか#9カセットに収納するサイズであることが解り、左寄せして中央寄せすることができる。
【0136】
各センサのON/OFF状況がこれ以外のパターンである場合は、紙幣がサイズの大きい紙幣である、あるいは紙幣がスキューしている等、中央寄せ対象でない紙幣あるいは状態であるため、中央寄せを実行しない。これにより、異常な状態の紙幣を中央寄せして詰まりが発生するといったことを防止することができる。
【0137】
次に、図13に示すブロック図と共に、紙幣シフト装置1の構成について説明する。紙幣シフト装置1は、制御部10に接続して、札間検知センサ11、スキュー検知センサ12、右シフト開始用センサ61、左シフト停止用センサ62、右シフト終了用センサ63、左シフト開始用センサ66、右シフト停止用センサ67、左シフト終了用センサ68、ソレノイドS1〜S4、及びモータM1〜M4を備えている。
【0138】
制御部10は、CPU、ROM、RAMを備えており、各種制御動作を実行する。この制御動作として、搬送ベルト15,16,17,18による紙幣の搬送速度を、一時保留部に中央寄せの必要な紙幣がなかった場合は秒7枚程度とし、一時保留部に中央寄せの必要な紙幣が存在した場合は秒5枚程度として搬送速度を落とす制御も実行する。
【0139】
札間検知センサ11は、札間検知用LED11a(図1)と札間検知用フォトトランジスタ11b(図2)で構成している。制御部10からの投光信号に従って札間検知用LED11aが投光し、該投光を札間検知用フォトトランジスタ11bが検知し、検知信号を制御部へ送信する。
【0140】
スキュー検知センサ12は、スキュー検知用LED12a(図1)とスキュー検知用フォトトランジスタ12b(図2)で構成している。制御部10からの投光信号に従ってスキュー検知用LED12aが投光し、該投光をスキュー検知用フォトトランジスタ12bが検知し、検知信号を制御部へ送信する。
【0141】
右シフト開始用センサ61は、横方向に3つ並設したLEDで形成する右シフト開始用LED群61a(図1)と、横方向に3つ並設したフォトトランジスタで形成する右シフト開始用フォトトランジスタ群61b(図2)で構成している。
【0142】
各LEDとフォトトランジスタは1つずつが対応しており、搬送路内側から順に小サイズ右シフト開始用センサ613(図12)、中サイズ右シフト開始用センサ612(図16)、及び大サイズ右シフト開始用センサ611(図16)を構成する。
【0143】
制御部10からの投光信号に従って右シフト開始用LED群61aが投光し、該投光を右シフト開始用フォトトランジスタ群61bがそれぞれ検知し、検知信号を制御部へ送信する。
【0144】
左シフト停止用センサ62は、横方向に3つ並設したLEDで形成する左シフト停止用LED群62a(図1)と、横方向に3つ並設したフォトトランジスタで形成する左シフト停止用フォトトランジスタ群62b(図2)で構成している。
【0145】
各LEDとフォトトランジスタは1つずつが対応しており、搬送路内側から順に小サイズ左シフト停止用センサ623(図12)、中サイズ左シフト停止用センサ622(図16)、及び大サイズ左シフト停止用センサ621(図16)を構成する。
【0146】
制御部10からの投光信号に従って左シフト停止用LED群62aが投光し、該投光を左シフト停止用フォトトランジスタ群62bがそれぞれ検知し、検知信号を制御部へ送信する。
【0147】
右シフト終了用センサ63は、横方向に3つ並設したLEDで形成する右シフト終了用LED群63a(図1)と、横方向に3つ並設したフォトトランジスタで形成する右シフト終了用フォトトランジスタ群63b(図2)で構成している。
【0148】
各LEDとフォトトランジスタは1つずつが対応しており、搬送路内側から順に小サイズ右シフト終了用センサ633(図16)、中サイズ右シフト終了用センサ632(図16)、及び大サイズ右シフト終了用センサ631(図16)を構成する。
【0149】
制御部10からの投光信号に従って右シフト終了用LED群63aが投光し、該投光を右シフト終了用フォトトランジスタ群63bがそれぞれ検知し、検知信号を制御部へ送信する。
【0150】
左シフト開始用センサ66は、横方向に3つ並設したLEDで形成する左シフト開始用LED群66a(図1)と、横方向に3つ並設したフォトトランジスタで形成する左シフト開始用フォトトランジスタ群66b(図2)で構成している。
【0151】
各LEDとフォトトランジスタは1つずつが対応しており、搬送路内側から順に小サイズ左シフト開始用センサ663(図12)、中サイズ左シフト開始用センサ662(図16)、及び大サイズ左シフト開始用センサ661(図16)を構成する。
【0152】
制御部10からの投光信号に従って左シフト開始用LED群66aが投光し、該投光を左シフト開始用フォトトランジスタ群66bがそれぞれ検知し、検知信号を制御部へ送信する。
【0153】
右シフト停止用センサ67は、横方向に3つ並設したLEDで形成する右シフト停止用LED群67a(図1)と、横方向に3つ並設したフォトトランジスタで形成する右シフト停止用フォトトランジスタ群67b(図2)で構成している。
【0154】
各LEDとフォトトランジスタは1つずつが対応しており、搬送路内側から順に小サイズ右シフト停止用センサ673(図12)、中サイズ右シフト停止用センサ672(図16)整理番号:O63459 特願2004-266241 提出日:平成16年 9月14日 14 、及び大サイズ右シフト停止用センサ671(図16)を構成する。
【0155】
制御部10からの投光信号に従って右シフト停止用LED群67aが投光し、該投光を右シフト停止用フォトトランジスタ群67bがそれぞれ検知し、検知信号を制御部へ送信する。
【0156】
左シフト終了用センサ68は、横方向に3つ並設したLEDで形成する左シフト終了用LED群68a(図1)と、横方向に3つ並設したフォトトランジスタで形成する左シフト終了用フォトトランジスタ群68b(図2)で構成している。
【0157】
各LEDとフォトトランジスタは1つずつが対応しており、搬送路内側から順に小サイズ左シフト終了用センサ683(図16)、中サイズ左シフト終了用センサ682(図16)、及び大サイズ左シフト終了用センサ681(図16)を構成する。
【0158】
制御部10からの投光信号に従って左シフト終了用LED群68aが投光し、該投光を左シフト終了用フォトトランジスタ群68bがそれぞれ検知し、検知信号を制御部へ送信する。
【0159】
ソレノイドS1は、斜行実行ローラ47(図11)を上下動させる駆動手段であり、制御部10からの駆動信号によってON/OFF駆動する。
【0160】
ソレノイドS2は、斜行実行ローラ43(図11)を上下動させる駆動手段であり、制御部10からの駆動信号によってON/OFF駆動する。
【0161】
ソレノイドS3は、シャフト76,78,80(図11)を右下げする駆動手段であり、制御部10からの駆動信号によってON/OFF駆動する。
【0162】
ソレノイドS4は、シャフト76,78,80(図11)を左下げする駆動手段であり、制御部10からの駆動信号によってON/OFF駆動する。
【0163】
モータM1は、斜行搬送ローラ93(図2)を回転駆動する駆動手段であり、制御部10からの駆動信号によって回転/停止する。
モータM2は、斜行搬送ローラ97(図2)を回転駆動する駆動手段であり、制御部10からの駆動信号によって回転/停止する。
【0164】
モータM3は、搬送ベルト15,17(図1)を回転駆動する駆動手段であり、制御部10からの駆動信号によって回転/停止する。
モータM4は、搬送ベルト16,18(図2)を回転駆動する駆動手段であり、制御部10からの駆動信号によって回転/停止する。
【0165】
以上の構成により、搬送ベルト15,16,17,18による紙幣の搬送を行うことができる。また、右シフト開始用センサ61、左シフト停止用センサ62、左シフト開始用センサ66、及び右シフト停止用センサ67による中央寄せ要否判断を行うことができる。
【0166】
さらに、斜行実行ローラ43,47及び斜行搬送ローラ93,97による中央寄せの実行と、搬送ベルト15,16,17,18が中央寄せを妨げないようにシャフト76,7 8,80の右下げ又は左下げを実行することができる。 また、右シフト終了用センサ63及び左シフト終了用センサ68により、必要量の位置シフトの完了を検知し、位置シフトを停止して、シフト量を調整することができる。
【0167】
次に、図14に示す制御部10の動作を示す処理フロー図と共に、紙幣シフト装置1が紙幣をシフトさせる動作について説明する。
【0168】
札間検知センサ11で札間が正常か、すなわち秒5枚の搬送速度で搬送されているかを検知する(ステップn1)。札間が異常であれば中央寄せを行わずにそのまま搬送する。
【0169】
札間が正常であれば、搬送している紙幣がスキューしていないかスキュー検知センサ12で検知する(ステップn2)。
【0170】
スキューしていた場合は、中央寄せを行わずにそのまま搬送する。スキューしていなかった場合(許容範囲内のスキューである場合を含む)、中央寄せ条件を満たすか判定する(ステップn3)。
【0171】
ここで、中央寄せ条件には、右シフト条件と左シフト条件のいずれかの条件を満たすことを設定している。
【0172】
右シフト条件は、搬送している紙幣のサイズに対応するセンサ(小サイズ用、中サイズ用、大サイズ用のいずれか)について、右シフト開始用センサ61がONで、かつ右シフト停止用センサ67がOFFであることを設定している。
【0173】
左シフト条件は、搬送している紙幣のサイズに対応するセンサ(小サイズ用、中サイズ用、大サイズ用のいずれか)について、左シフト開始用センサ66がONで、かつ左シフト停止用センサ62がOFFであることを設定している。
【0174】
なお右シフト条件は、上記条件に加えて、左シフト停止用センサ62がONであること、又は/及び左シフト開始用センサ66がOFFであることを設定しても良い。 また左シフト条件は、上記条件に加えて、右シフト停止用センサ67がONであること、又は/及び右シフト開始用センサ61がOFFであることを設定しても良い。
【0175】
このように設定した場合は、搬送している紙幣が異常な状態であることも検知でき、このように異常な場合に位置シフトを実行しないようにして、詰まりを防止することができる。
【0176】
前記ステップn3で中央寄せ条件を満たさない場合は、中央寄せを行わずにそのまま搬送する。中央寄せ条件を満たす場合は、位置シフトによる中央寄せを実行する(ステップn4)。
【0177】
中央寄せは、左から右方向へ中央寄せする右シフトの場合、ソレノイドS3を電源オンして右側の搬送ベルト17,18の押圧力を下げ、ソレノイドS1を電源オンして右シフト用の斜行実行ローラ47を下方へ下げ、モータM2を回転させて右シフト用の斜行搬送ローラ97を回転させる。
【0178】
また、右から左方向へ中央寄せする左シフトの場合、ソレノイドS4を電源オンして左側の搬送ベルト15,16の押圧力を下げ、ソレノイドS2を電源オンして左シフト用の斜行実行ローラ43を下方へ下げ、モータM1を回転させて左シフト用の斜行搬送ローラ93を回転させる。
【0179】
このようにシフトを実行する際、図15のタイミングチャート図に示すように、中央寄せを決定した判定タイミングt1から一瞬でソレノイドの動きが行われる。また、斜行搬送ローラ93又は斜行搬送ローラ97の回転も、微少時間で設定した回転速度(最高速度)に到達する。従って、前記判定タイミングt1でシフト要否判定用のセンサ類(61,62,66,67)を通過した紙幣が、搬送時間t2を経過して、シフトを実行する斜行ローラ(43,47,93,97)に到達した到達タイミングt3の際には、シフトの準備が完了しており、斜行ローラに紙幣の端部が接触してすぐにシフトを開始する。
【0180】
なお、このシフトの実行中は、シフト実行前と同様に、搬送ベルト15,16,17,18 全てを搬送方向へ同一速度でローラに沿って回転させている。
【0181】
前記中央寄せは、左シフト終了用センサ68又は右シフト終了用センサ63が紙幣を一旦検知してから検知しなくなるまで継続し(ステップn5)、検知しなくなれば予め設定した所定時間経過後に中央寄せを終了する(ステップn6)。
【0182】
中央寄せの終了は、右シフトを終了する場合、ソレノイドS3を電源オフして右側の搬送ベルト17,18の押圧力を上げ、ソレノイドS1を電源オフして右シフト用の斜行実行ローラ47を上方へ退避し、モータM2を回転停止させて右シフト用の斜行搬送ローラ97の回転を停止させる。
【0183】
また、左シフトを終了する場合は、ソレノイドS4を電源オフして左側の搬送ベルト15 ,16の押圧力を上げ、ソレノイドS2を電源オフして左シフト用の斜行実行ローラ43を上方へ退避し、モータM1を回転停止させて左シフト用の斜行搬送ローラ93の回転を停止させる。
【0184】
このシフト終了処理は、図15に示したように、左シフト終了用センサ68又は右シフト終了用センサ63が紙幣を検知しなくなった状態から、所定時間t4が経過した終了タイミングt5で、ソレノイドのオフと斜行搬送ローラの停止を実行する。ここから離脱時間t6 が経過した時点で斜行実行ローラ43,47は紙幣から離れる。このようにして所定時間t4による時間調整をしてからシフトを終了することで、紙幣の搬送幅方向のシフト距離を調整し、位置調整している。
【0185】
すなわち、カセットの幅が紙幣より少し大きいような場合に、紙幣が右か左に少し寄った状態でぎりぎり収納されるのではなく、なるべく中央に寄せて安定して収納できるように構成している。
【0186】
またこのとき、ソレノイドの電源オフによってシフトをしない状態へ切り替えるため、逆に構成してソレノイドの電源オンでシフトしない状態へ切り替えるよりも短時間で切り替えることができ、応答時間によるずれを減少することができる。
【0187】
以上の動作により、右や左に寄っている紙幣を中央寄せし、その紙幣のサイズに対応したカセットに詰まることなく適切に収納することができる。
【0188】
ここで、図16の説明用平面図と共に、#9カセットに収納する紙幣(小)の例で詳述すると、図示上方から下方へ搬送している紙幣(小)を、まず札間検知センサ11で札間を検知し、スキュー検知センサ12でスキューを検知する。
【0189】
次に紙幣(小)は、小サイズ右シフト開始用センサ613を遮光し、小サイズ左シフト開始用センサ663を遮光しないため、中央寄せ条件を満たす。
【0190】
従って、前述したステップn4(図14)の中央寄せ処理にて右シフトを実行し、右シフト用の斜行実行ローラ47a,47bと斜行搬送ローラ97a,97bで構成する右シフトローラ対107a,107bによって紙幣を右方向へ斜行させる。
【0191】
この間、小サイズ右シフト終了用センサ633は、紙幣(小)を検知しており、紙幣(小)が検知されなくなれば、所定時間後に右シフトを終了する。その後、シフト後の位置でまっすぐ紙幣(小)を搬送し、後段にある#9カセットに紙幣(小)を収納する。
【0192】
このように、紙幣のサイズと搬送状態での位置に応じて、紙幣を適切にカセットへ収納するために必要な距離だけ位置シフトさせることができる。
【0193】
また、大型の紙幣については、中央寄せが必要ないため、これを検知してそのまま搬送することができる。
【0194】
また、スキューしている紙幣はシフトを行わないため、紙幣の詰まりの発生を防止することができる。特に、スキューしている紙幣を後段の識別部でリジェクトする構成のATM等では、スキューしている紙幣を中央寄せする必要がないため、不要な処理を排除して効率を高めることができる。
【0195】
紙幣の搬送は、図17の説明図の(A)に塗り模様の有無で示すように、左側の搬送ベルト対19a(15と16の対)と右側の搬送ベルト対19b(17と18の対)により、紙幣の長手方向が搬送路の幅方向と平行となるよう安定して搬送することができる。
【0196】
紙幣を左シフトさせて中央寄せする際には、(B)に示すように搬送ベルト対19aの押圧力を下げ、左シフトローラ対103a(43a,93a),103b(43b,93b)を有効にすることで、安定して中央寄せすることができる。
【0197】
すなわち、右側搬送ベルト対19bの左右で、左シフトローラ対103a,103bにて紙幣を強く押圧してシフトさせるため、左シフトローラ対103a,103bの間で紙幣に折れや皺が発生せず、また搬送ベルト対19aが左シフトを妨げない。
【0198】
また、各ローラの製造精度によってローラ幅の一点に押圧力が集中しても、左シフトローラ対103a,103bの2つで紙幣を押圧するため、シフトの際に紙幣がスキューすることを防止できる。
【0199】
また、左シフト中も右側搬送ベルト対19bが紙幣を搬送できる状態であるため、搬送中の紙幣を開放することなくシフトさせることができ、シフト終了後も紙幣が開放されることなく即座に右側搬送ベルト対19bで搬送できる。従って、紙幣は常に挟持されており、安定して搬送、シフト、搬送の切り替えを行うことができる。
【0200】
紙幣を右シフトさせて中央寄せする際にも、(C)に示すように、上述と左右対称の動作をして、上述の効果を得ることができる。
【0201】
また、シフト終了用センサ63,68とで紙幣が検知されなくなった後、所定時間経過してからシフトを終了することで、シフト後の紙幣の位置を正確に調整することができる。なお、所定時間は0秒に設定しても良く、この場合でもシフト終了用センサ63,68の検知を利用しているため、シフト後の紙幣の位置を正確に調整することができる。
【0202】
また、シフト要否判定用のセンサ類(61,62,66,67)から近いほうの斜行ローラ(43,93)までの間隔を、所定距離に設定している。このため、紙幣が上記センサ類を通過してから上記斜行ローラに到達するまでの間に、シフトに必要な動作を完了させることができ、安定して正確にシフトを行うことができる。
【0203】
特に、上記所定距離として、ソレノイドの応答に必要な距離を確保しておくことで、紙幣の搬送方向前方の端部から斜行ローラ(43,93)が接触することとなり、紙幣の短手方向(搬送方向)の幅を最大限に活用してシフトさせることができる。
【0204】
なお、上の実施形態において、搬送ベルト対19a,19bは2対に限らず、適宜の対数で適宜の配置に構成しても良い。また、左シフトローラ対103a,103bは、上下にローラを対設したローラ対を搬送幅方向に2つ並設して構成したが、これに限らずローラ対を1つ又は2以上等、適宜の数で適宜の配置に構成しても良い。
【0205】
具体的には、図18の説明図に示すように、2対の搬送ベルト対19a,19bの間に、左シフトローラ対103a,103b、及び右シフトローラ対107a,107bを備える構成としても良い。
【0206】
この場合、搬送ベルト対19a,19b、左シフトローラ対103a,103b、及び右シフトローラ対107a,107bの動作は、前述の実施例と同一とすれば良い。
【0207】
また、図19の説明図に示すように、3対の搬送ベルト対19a,19b,19cを使用し、中央の搬送ベルト対19cを左シフトローラ対103a,103b、及び右シフトローラ対107a,107bで挟む構成としても良い。
【0208】
この場合、中央の搬送ベルト対19cは常に押圧力を有して紙幣を搬送し、左右の搬送ベルト対19a,19bの押圧力を切り替える構成とすればよい。
【0209】
またこの実施形態での両端の搬送ベルト対19a,19bは、中央の搬送ベルト対19cと同一速度で搬送方向に回転させておき、紙幣に対する押圧力を常時下げておき、シフトの際に押圧力を切り替えずともシフトを妨げない構成としても良い。
【0210】
また、図20に示すように、1対の搬送ベルト対19cのみを使用し、この搬送ベルト対19cを左シフトローラ対103a,103b、及び右シフトローラ対107a,107bで挟む構成としても良い。 この場合は、搬送ベルト対の押圧力を変更する必要がない。
【0211】
また、図21に示すように、2対の搬送ベルト対19a,19bを並設し、その間に左シフトローラ対103a、及び右シフトローラ対107aを配設する構成としても良い。
【0212】
この場合は、左シフトローラ対103a、及び右シフトローラ対107aで紙幣をシフトさせる場合の搬送方向成分のシフト搬送速度を、搬送ベルト対19a,19bの搬送速度と同一に設定すればよい。
【0213】
また、斜行実行ローラ43,93、及び斜行搬送ローラ93,97は、いずれも適宜の幅を有するローラで形成したが、幅の薄い円盤状の回転体で形成しても良い。この場合でも、上述した実施形態の構成により、シフトの際に紙幣がスキューすることを防止でき、その他の効果も得ることができる。
【0214】
また、搬送ベルト15,16,17,18の替わりに、上下方向にローラを対設した複数のローラ対を、搬送方向に複数配設して、該ローラ対により搬送を行う構成としても良い。
【0215】
この場合、搬送ベルトを使用する場合よりもローラ数は増加するが、上述した実施形態の配置と制御により、紙幣を安定して位置シフトさせることができる。
【0216】
また、シフトとしては中央寄せを行う構成としたが、右寄せあるいは左寄せを行うように構成しても良い。この場合は、右シフト終了用センサ63と左シフト終了用センサ68による検知と、紙幣が検知されなくなった後のシフト終了までの時間を調整することで実現すると
良い。
これにより、中央寄せに限らず、紙幣を所望の位置へ適切にシフトさせることができる。
【0217】
また、シフト要否判定用のセンサ類(61,62,66,67)のLEDとフォトトランジスタの数を、紙幣サイズによって振り分けるカセット数より少ない対の組み合わせで構成したが、カセット数と同一数の対で構成しても良い。 また、シフト要否判定用のセンサ類(61,62,66,67)のLEDとフォトトランジスタの数を、1対の組み合わせで構成しても良い。
【0218】
また、シフト要否判定用のセンサ類(61,62,66,67)、又は/及びシフト終了判定用のセンサ類(63,68)は、LEDとフォトトランジスタの組合せではなく、CCD等の撮像手段で構成した画像処理による検知手段としても良い。
【0219】
この場合、撮像手段は、左シフト開始用、左シフト停止用、右シフト開始用、右シフト停止用、左シフト終了用、右シフト終了用にそれぞれ1つずつ備える、又は、左シフト開始用と左シフト停止用は1つにまとめ、右シフト開始用と右シフト停止用は1つにまとめて備える、あるいは、全体で1つ備える構成とすることができる。
【0220】
このように撮像手段によれば、LEDのようなポイントではなく範囲をリニアに検知でき、国内紙幣から外国紙幣といったようように対応紙幣を切り替える際に、ソフトウェアの変更だけで対応することができる。
【0221】
また、例えば斜行実行ローラ43,47の回転軸の軸受け部分にゴム製部材等の弾性部材を使用するといった方法等により、斜行搬送ローラ93,97との押圧面に均等に押圧力がかかるように構成しても良い。
【0222】
この場合は、左シフトローラ対103bと右シフトローラ対107aを省略し、1つのシフトローラ対(103a又は107b)でスキューせずシフトさせることが可能となる。
【0223】
この場合は、調整できるシフト距離の種類を増加させることができる。従って、カセットの内幅を、収納する紙幣の長手方向の長さに上記実施例よりさらに近づけて構成しても、確実に紙幣を収納する設定とすることが可能となる。
【0224】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、この発明の紙葉類処理装置は、実施形態の紙幣シフト装置1に対応し、以下同様に、シフト有無切替手段は、ステップn1〜n3を実行する制御部10に対応し、搬送ベルト対は、搬送ベルト対19a,19bに対応し、搬送手段は、搬送ベルト対19a,19b,19cに対応し、第1搬送手段は、右シフトの場合の搬送ベルト対19a、左シフトの場合の搬送ベルト対19 b、右シフトと左シフトの両方の場合の搬送ベルト対19cに対応し、第2搬送手段は、左シフトの場合の搬送ベルト対19a、右シフトの場合の搬送ベルト対19bに対応し、回転部材は、ローラ21,23,25,27,29,31,33,35、及びローラ71,73,75,77,79,81,83,85に対応し、シフト手段、接触部位、及び回転体は、斜行実行ローラ43,47、斜行搬送ローラ93,97に対応し、押圧力切替手段は、ベルト傾斜駆動部90に対応し、回転体対は、左シフトローラ対103a,103b、右シフトローラ対107a,107bに対応し、駆動部は、モータM1,M2に対応し、紙葉類は、紙幣に対応し、シフト方向側は、搬送幅方向の中央側に対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0225】
【図1】紙幣シフト装置の上側機構の断面平面図。
【図2】紙幣シフト装置の下側機構の断面平面図。
【図3】紙幣シフト装置の下側機構の部分拡大平面図。
【図4】紙幣シフト装置の搬送機構の断面右側面図。
【図5】紙幣シフト装置のシフト機構の断面右側面図。
【図6】ベルト傾斜駆動部の右側面図。
【図7】ベルト傾斜駆動部の右側面図。
【図8】ベルト傾斜駆動部の正面図。
【図9】搬送ベルトの押圧力の変化を説明する右側面図による説明図。
【図10】搬送ベルトの押圧力の変化を説明する拡大右側面図による説明図。
【図11】斜行実行ローラの動作を説明する拡大右側面図による説明図。
【図12】センサの位置とカセットサイズとの関係について説明する説明図。
【図13】紙幣シフト装置のブロック図。
【図14】制御部の動作を示す処理フロー図。
【図15】紙幣シフト装置の動作タイミングを示すタイミングチャート図。
【図16】紙幣のシフトについて説明する説明用平面図。
【図17】紙幣の搬送とシフトについて説明する拡大平面図による説明図。
【図18】他の実施例の説明図。
【図19】他の実施例の説明図。
【図20】他の実施例の説明図。
【図21】他の実施例の説明図。
【図22】紙幣処理機の機能配置図。
【図23】紙幣処理機の各処理の紙幣経路図。
【符号の説明】
【0226】
1…紙幣シフト装置、10…制御部、15,16,17,18…搬送ベルト、19a,19b,19c…搬送ベルト対、21,23,25,27,29,31,33,35,71,73,75,77,79,81,83,85…ローラ、43,47…斜行実行ローラ、93,97…斜行搬送ローラ、90…ベルト傾斜駆動部、103a,103b…左シフトローラ対、107a,107b…右シフトローラ対、M1,M2…モータ、108…入出金口、109…識別部、110…一時保留部、111a,111b,111c,111d…収納カセット、112…リジェクト回収箱、113a,113b…振分け機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を入金、または出金する入出金口と、紙葉類を搬送する搬送手段と、搬送された紙葉類の真偽および金種を判別する識別部と、紙葉類を一時的に保留する一時保留部と、紙葉類を収納する収納部と、紙葉類の搬送幅方向の位置をシフトさせるシフト手段とを備え、該シフト手段を前記一時保留部と前記識別部とを接続する搬送路上に設けた紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記シフト手段は、前記一時保留部より搬送される紙幣のシフトを修正し、
前記識別部は、前記修正された紙幣の修正結果をチェックする
請求項1記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
入出金口から入金された紙幣を前記識別部にて識別して前記一時保留部に一時的に保留する入金計数処理と、前記一時保留部から搬送された紙幣を前記識別部にて識別して前記収納部に収納する入金収納処理とを有し、
前記シフト手段は、前記入金計数処理と前記入金収納処理とのうち、前記入金収納処理のみで紙幣のシフトを修正する
請求項1記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
シフト手段は、前記紙葉類処理装置の最上部に位置する搬送路上に設けた
請求項1記載の紙葉類処理装置。
【請求項5】
前記識別部は、前記シフト手段を介して搬送された紙葉類の搬送幅方向の位置検知手段を有し、該検知手段で検知された結果に基づいて紙葉類の収納先を振分ける
請求項1記載の紙葉類処理装置。
【請求項6】
前記シフト手段は、紙葉類の搬送方向に対し斜め方向へ回転して該紙葉類に接触した前記紙葉類の搬送幅方向の位置をシフトさせる構成とし、
該シフト手段により前記紙葉類のシフトを実行するシフト実行状態と該シフトを実行しないシフト不実行状態とを切り替えるシフト有無切替手段を有し、
前記シフト手段が前記紙葉類の面上に接触する接触部位の少なくとも一部を、シフト中も搬送力を有する前記搬送手段よりシフト方向側に位置させると共に、前記紙葉類に対する上記シフト手段のシフト実行時の摩擦力を、前記紙葉類に対する前記搬送手段の摩擦力より強く設定した
請求項1記載の紙葉類処理装置。
【請求項7】
前記搬送手段を、適宜の回転部材に張架した搬送ベルトと上記回転部材を回転駆動する駆動部とで形成した請求項6記載の紙葉類処理装置。
【請求項8】
前記変位手段を、搬送幅方向に並設した2以上の回転体で形成した請求項6記載の紙葉類処理装置。
【請求項9】
前記紙葉類の変位中も搬送力を有する前記搬送手段を、並設した前記回転体の間に配設した請求項8記載の紙葉類処理装置。
【請求項10】
前記紙葉類の変位中も搬送力を有する前記搬送手段を、前記2以上の回転体のいずれよりも該回転体による変位方向と反対側に配設した請求項8記載の紙葉類処理装置。
【請求項11】
変位中も搬送力を有する前記搬送手段を第1搬送手段とし、
変位方向側の前記回転体よりもさらに変位方向側に第2搬送手段を備えると共に、
該第2搬送手段を、前記紙葉類を変位させない場合は紙葉類に対する押圧力を上げて前記第1搬送手段と共に前記紙葉類を搬送させ、前記紙葉類を変位させる場合は前記紙葉類に対する押圧力を下げて前記紙葉類の変位を妨げないようにする押圧力切替手段を備えた
請求項6記載の紙葉類処理装置。
【請求項12】
前記搬送ベルトを上下に対設し搬送面を互いに当接させて搬送ベルト対を形成し、
該搬送ベルト対を搬送幅方向に2つ並設し、
各搬送ベルト対に、搬送面の押圧力を切り替える押圧力切替手段を備え、
前記変位手段を、回転体を上下に対設した回転体対を搬送方向に対して回転方向を内側へ傾けて4つ備えて構成すると共に、
各回転体対を、前記搬送ベルト対のそれぞれについて、該搬送ベルト対を2つの回転体対で搬送幅方向に挟む位置に配設し、
前記変位有無切替手段を、搬送ベルト対を挟む2つの回転体対毎に、上下の回転体を近接させて前記紙葉類の変位を実行する変位実行状態と、上下の回転体を離間させて前記紙葉類の変位を実行しない変位不実行状態とを切り替える構成とし、
右側に寄っている紙葉類を中央に寄せる場合には、右側の搬送ベルト対を挟む2つの回転体対を変位実行状態に切り替えると共に、左側の搬送ベルト対の押圧力を下げ、
左側に寄っている紙葉類を中央に寄せる場合には、左側の搬送ベルト対を挟む2つの回転体対を変位実行状態に切り替えると共に、右側の搬送ベルト対の押圧力を下げる構成とした
請求項6記載の紙葉類処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−111446(P2006−111446A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−264564(P2005−264564)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】