説明

紙葉類取扱装置及びその制御方法

【課題】装置の設置環境や検知対象によらずにセンサの用途に応じて適切に感度を設定することが可能な技術を提供する。
【解決手段】発光素子11から発せられた光を受光素子12において受光することに基づき検知対象を検知する利用者センサ2を備えるATM1において、物体検知部31は、利用者センサ2が検知対象を検知するか否かを判定し、判定結果を通知する。物体検知部31の判定結果に基づき、利用者センサ2の感度を段階的に上げていった場合に利用者センサ2が検知対象を非検知の状態から検知状態へと切り替わったときの感度より、利用者センサ2の第1の設定感度を決定し、利用者センサ2の感度を段階的に下げていった場合に利用者センサ2が検知対象を検知状態から非検知の状態へと切り替わったときの感度より、利用者センサ2の第2の設定感度を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類取扱装置及びその制御方法に関し、特に、発光素子から発せられた光を受光素子において受光することに基づき被検知物を検知するセンサを備える紙葉類取扱装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関等に設置される紙葉類取扱装置には、利用者を検知する利用者センサを備えるものが広く知られている。例えば、自動取引装置(ATM)は、利用者がATMに近づいたことを利用者センサにより検知して、省電力モードから復帰する。あるいは、通帳等の媒体をATMから取り出す前に利用者がATMから離れると、取り忘れを検知して警告を行う等の処理を実行する(例えば、特許文献1)。
【0003】
図12に示すように、ATM100の利用者センサ102の感度としては、2種類の値を設定する。利用者の接近を検知するためには、遠距離検知限界105を利用し、利用者が媒体を取り忘れてATM100から離れようとしていることを検知するためには、近距離検知限界104を利用する。
【0004】
光センサを用いて媒体検知を行う技術としては、例えば、使用当初から長期に亙る使用に至るまで、常時感度や閾値を検知して最適値に自動調整を行う技術が知られている。これによれば、光検出装置は、発光部と受光部を有する光センサと、受光部側から出力する出力電圧と閾値とを比較して通帳等の記録媒体を検知する比較器とを備える。光検出装置の自動調整装置は、閾値となる基準電圧を段階的に順次切り替えて出力し、受光部側の感度を切り替えることにより、光センサの感度調整等を実行する(例えば、特許文献2)。
【0005】
従来は、手動で、あるいは上記の特許文献2に記載されている技術等を利用して、ATM等の装置に備えられるセンサの検知感度を設定していた。センサの検知感度の設定値は、ATM等の装置の設置環境により異なる。すなわち、装置を狭い空間に設置する場合や、装置の前方に、回避できない設置物が置かれている場合等には、利用者センサの検知範囲内に常に検知対象物が存在することとなる。
【0006】
例えば図13に示すように、ATM100が設置ブース101内に設けられ、ブース101で入口の扉103から利用者が出入りするような場合には、ブース101の大きさによっては、ブース101の壁が利用者センサ102の検知範囲に含まれてしまうことがある。このような場合には、利用者を正確に検知するために、壁や設置物については検知しないように検知感度を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−299745号公報
【特許文献2】特開2006−058262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ATM等の装置の設置時に、作業者が手動にてセンサの検知感度を設定するような場合には、ATM等の装置においては、作業者を被検知物として、センサの感度設定値の正誤を判断する。しかし、例えば赤外線の発光/受光部位を備える赤外線センサ等では、検知対象の大きさ・色・材質等により、検知し易さが大きく変わることが、検証により判明している。
【0009】
このため、作業時に作業者自身を検知することには問題がなくとも、異なる服装や背格好をした利用者がATM等の装置前に立った場合にこれを検知しない場合が発生することがある。特に、媒体取り忘れ防止動作等のため、センサの検知感度を弱くする方へ切り替える必要がある場合には、このような事象の発生が顕著である。
【0010】
また、設置作業者によるセンサの検知感度の設定ミスにより、センサがATM等と対面する壁等を検知してしまう、あるいは、感度が弱く利用者を検知できない、といった事象が発生することもある。
【0011】
本発明は、センサを搭載する装置の設置環境や検知対象によらずに、センサの用途に応じて自動的に適切な感度を設定することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、発光素子から発せられた光を受光素子において受光することに基づき検知対象を検知するセンサを備える紙葉類取扱装置であって、前記センサが検知対象を検知するか否かを判定し、判定結果を通知する物体検知部と、前記物体検知部の判定結果に基づき、前記センサの感度を段階的に上げていった場合に該センサが検知対象を非検知の状態から検知状態へと切り替わったときの感度より、該センサの第1の設定感度を決定する第1の設定感度決定部と、前記物体検知部の判定結果に基づき、前記センサの感度を段階的に下げていった場合に該センサが検知対象を検知状態から非検知の状態へと切り替わったときの感度より、該センサの第2の設定感度を決定する第2の設定感度決定部と、を備える。
【0013】
また、本発明の一態様によれば、発光素子から発せられた光を受光素子において受光することに基づき検知対象を検知するセンサを備える紙葉類取扱装置の制御方法であって、前記センサが検知対象を検知するか否かを判定し、判定結果を通知し、前記判定結果に基づき、前記センサの感度を段階的に上げていった場合に該センサが検知対象を非検知の状態から検知状態へと切り替わったときの感度より、該センサの第1の設定感度を決定し、前記判定結果に基づき、前記センサの感度を段階的に下げていった場合に該センサが検知対象を検知状態から非検知の状態へと切り替わったときの感度より、該センサの第2の設定感度を決定する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、センサを搭載する装置の設置環境や検知対象によらずに、センサの用途に応じて自動的に適切な感度を設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ATM装置の外観図である。
【図2】実施形態に係るATMの構成図である。
【図3】利用者センサの構成例を示す図である。
【図4】スキャン動作と検知感度との関係を説明する図である。
【図5】利用者センサの感度の設定値と検知距離との相関関係を説明する図である。
【図6】ATMの設置時に設定する利用者センサの設定感度の利用方法を説明する図である。
【図7】表示部に表示する画面例である。
【図8】取引時に設定する利用者センサの設定感度の利用方法を説明する図である。
【図9】実施形態に係るATMによるスキャン動作処理を示したフローチャートである。
【図10A】ATM設置時の利用者センサの感度設定処理を示したフローチャート(その1)である。
【図10B】ATM設置時の利用者センサの感度設定処理を示したフローチャート(その2)である。
【図11】取引時の利用者センサの感度設定処理を示したフローチャートである。
【図12】利用者センサの検知限界を説明する図である。
【図13】従来における利用者センサの感度設定について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳しく説明する。以下においては、紙葉類取扱装置の一例として、ATMを挙げ、ATMが反射型赤外線センサを利用する場合を例に説明する。
【0017】
図1は、ATM装置の外観図である。図1のATM1の前面には、例えば、利用者センサ2、利用者カメラ3、画面4及び媒体排出口5等が設けられる。
利用者センサ2は、ATM1の利用者を検知し、実施例では、反射型赤外線センサを用いる。利用者カメラ3は、ATM1を利用する利用者の画像を取得する。画面4は、例えばディスプレイやタッチパネル等であり、取引画面や保守画面を出力する。媒体排出口5を通じて、ATM1は、通帳やキャッシュカードをATM1の装置外へと排出する。
【0018】
ATM1は、利用者センサ2により、ATM1に利用者が接近していることや、ATM1から利用者が離れようとしていることを検出して、ATM1の待機状態からの復帰や、利用者が通帳やカード、通貨等を取り忘れていることの通知を行う。
【0019】
図2は、本実施形態に係るATM1の構成図である。図2に示すATM1は、主制御部21、表示部22、入力部23、入出金処理部24、レシート発行部25、通信処理部26、記憶部27、音声処理部28、カード読み取り部29、通帳記入部30及び利用者センサ部31を有する。
【0020】
表示部22は、ATM1の利用者や設置作業者等に、各種の情報やインターフェースを提供し、入力部23は、ATM1の利用者や設置作業者等に対して取引操作画面や設定画面等を表示し、利用者等により入力される情報を受け付ける。
【0021】
入出金処理部24、レシート発行部25、カード読み取り部29及び通帳記入部30は、ATM1の取引処理において必要な各種の処理を実行する。具体的には、入出金処理部24は、入出金に係わる処理を実行する。レシート発行部25は、取引の内容や預金残高等の記載されたレシートを発行する。カード読み取り部29は、ATM1に挿入されたキャッシュカード等から情報の読み取りを行う。通帳記入部30は、通帳への記帳等の処理を行う。
【0022】
通信処理部26は、ネットワーク50を介してホストコンピュータ等との通信に係わる処理を実行する。
音声処理部28は、ATM1の利用者や設置作業者等に音声にて案内するための各種処理を実行する。
【0023】
利用者センサ部31は、図1の利用者センサ2を有し、利用者センサ2からの信号に基づき、利用者センサ2が利用者等の検知対象を検出しているか(検知状態)、あるいは利用者センサ2の検知範囲内には検知対象が存在しないか(非検知状態)を主制御部21に通知する。
【0024】
主制御部21は、ATM1の各部の制御を行う。主制御部21のうち、利用者センサ制御部32は、利用者センサ部31の制御に係わる各種の処理を実行する。
記憶部27は、ATM1の制御に必要な各種情報や、利用者センサ制御部32により実行される、利用者センサ2の感度自動設定プログラム等の各種のプログラムを記憶する。
【0025】
次に、利用者センサ2の構成及び動作について説明する。
図3は、利用者センサ2の構成例を示す図である。図3に示すように、利用者センサ2は、発光素子11、受光素子12及び制御回路13を有する。
【0026】
発光素子11は、赤外線発光LED(Light Emitting Diode)等からなり、赤外光を発する。発光素子11から発せられた光は、検知対象において反射する。受光素子12は、フォトダイオード等からなり、発光素子11から発せられた光の反射光を受光する。
【0027】
制御回路13は、アンプ14及び制御IC部15を有し、発光素子11や受光素子12の制御を行う。具体的には、アンプ14は、受光素子12において得られた光電流を増幅し、制御IC部15に与える。制御IC部15は、発光素子11からの発光オン/オフの制御を行う。また、制御IC部15は、コンパレータを備え、コンパレータは、アンプ14において増幅した光電流と所定の設定値との比較に基づき、検知対象の検知の有無を判定する。
【0028】
アンプ14の増幅率は、ATM1の主制御部21において決定する。主制御部21は、利用者センサ2の制御回路13において検知対象を検知したときのアンプ14の増幅率より、利用者センサ2の感度を決定する。
【0029】
本実施形態に係るATM1では、ATM1の設置時や取引時等の所定のタイミングでスキャン動作を実行し、2種類の検知感度を設定する。具体的には、(1)まず、利用者センサ2の感度を段階的に上げてゆき、検知状態から非検知状態へと切り替わるときの検知感度により、第1の感度を決定する。以下においては、ATM1において設定する感度を「設定感度」とし、例えば(1)で決定した第1の感度については、以下「第1の設定感度」とする。(2)次に、利用者センサ2の感度を段階的に下げてゆき、非検知状態から検知状態へと切り替わるときの検知感度により、第2の設定感度を決定する。本実施形態に係るATM1によるスキャン動作について、より具体的に説明する。
【0030】
図4は、スキャン動作と検知感度との関係を説明する図である。図4の縦軸は、利用者センサ2と検知対象との間の距離を示し、横軸は、利用者センサ2の感度を示す。図4中の(1)及び(2)は、上記のスキャン動作の手順(1)及び(2)とそれぞれ対応する。
【0031】
スキャン動作においては、(1)まず、検知感度を上げてゆき、検知対象が非検知の状態から検知状態へと切り替わるときの検知感度v1に基づいて、ATM1に近づく利用者の検知を行うときの検知感度を設定する。(2)次に、検知感度を下げてゆき、検知対象が検知状態から非検知状態へと切り替わるときの検知感度v2に基づいて、ATM1で取引中の利用者が通帳等の媒体を取り忘れたままATM1から離れようとしたことを検知するときの検知感度を設定する。以下においては、利用者センサ2が検知状態から非検知状態へ、あるいは非検知状態から検知状態へと切り替わるときの検知感度を、「最小検知感度」とする。これは、利用者センサ2は、検知/非検知の状態が切り替わるときの感度v1、v2以上の感度において「検知状態」であり、検知感度v1、v2が、検知対象を検知可能な感度のうち最小値であることによる。
【0032】
反射型センサは、ヒステリシス特性により、検知感度を上げていった場合と、下げていった場合とでは、同一の距離の検知対象の検知感度が異なる。反射型センサのこのような特性を利用して、本実施形態に係るATM1では、スキャン動作において利用者センサ2が非検知状態から検知状態へと切り替わるときの最小検知感度(v1)より第1の設定感度を決定し、これを用いてATM1に利用者が近づいてきたことを検知する。また、スキャン動作において利用者センサ2が検知状態から非検知状態へと切り替わるときの最小検知感度(v2)より第2の設定感度を決定し、これを用いてATM1から利用者が離れようとしていることを検知する。
【0033】
図5は、利用者センサ2の感度の設定値と検知距離との相関関係を説明する図である。図5の縦軸は、検出距離、すなわち、利用者センサ2から検出対象までの検出距離(単位はセンチメートル)を示し、横軸は、利用者センサ2の感度の設定値を示す。利用者センサ2の感度は、0〜255の256段階で設定可能とする。図5に示すとおり、利用者センサ2の検出距離とその感度の設定値とは比例関係にあり、直線で表される。
【0034】
前述のとおり、実施例では、利用者センサ2には反射型赤外線センサを用いている。反射型センサの検知感度は、検知対象の色や材質等、すなわち、利用者の服装の色や材質等ごとの反射率による。利用者センサ2は、利用者の服装の反射率が大きいほど、小さい感度で利用者を検知することができる。
【0035】
図5に示すとおり、利用者の服装の反射率が大きいものから順に、凡例A〜Dとする。凡例A〜Dごとの利用者センサ2の検出距離−感度の設定値の関係を表す直線については、それぞれ直線A〜Dとする。
【0036】
例えば、凡例「D」の取引時、すなわち、ATM1で引出、預入あるいは振込等の取引を行う凡例「D」の服装の利用者に対して媒体の取り忘れを通知する場合に使用する利用者センサ2の(第1の)設定感度を例に説明する。
【0037】
ATM1を利用するときの利用者と利用者センサ2との距離はほぼ一定であるので、まず、当該距離として、所定値を設定する。直線D上の、利用者−利用者センサ2間の距離として設定した所定値と対応する感度が、上記手順(2)により求まる最小検知感度(v2_Dとする)である。凡例Dの利用者のATM1からの離脱を検知するための設定感度は、最小検知感度v2_DにマージンM2を加えることにより得られる値がこれに相当する。凡例Dの利用者が設定感度と対応する検出距離を超えてATM1から離れようとした場合には、利用者センサ2が検知状態から非検知状態に切り替わり、ATM1の主制御部21は、利用者の離脱を検知する。凡例Dの利用者についてのATM1からの離脱を検知するときの距離を、図5においては「Dの離脱検知距離」として示す。
【0038】
利用者がATM1に接近していることを検知する場合に使用する利用者センサ2の(第2の)設定感度については、図13に示したような設置ブース101へATMを設置する場合を例に説明する。
【0039】
第2の設定感度を設定する際には、利用者センサ2がブース101の壁面などの設置物を検知することのないよう設定感度を決定する。図5の例では、網掛け区間の左端が利用者センサ2と壁の距離に対応する感度となる。これは上記手順(1)により求められる最小検知感度(v1_wallとする)である。この最小検知感度v1_wallからマージンM1を減産して得られる値が、利用者がATM1に接近していることを検知する場合に使用する第2の設定感度である。凡例Aを例にとると、凡例Aの利用者が設定感度と対応する検出距離以内の位置までATM1に近づいた場合には、利用者センサ2が非検知状態から検知状態に切り替わり、ATM1の主制御部21は、利用者の接近を検知する。凡例Aの利用者についてのATM1への接近を検知するときの距離を、図5においては「Aの接近検知距離」として示す。また凡例B〜Dの利用者については、それぞれに対応する直線B〜D上の「遠距離設定値」に対応する距離が、B〜D各々の接近検知距離となる。
【0040】
なお、上記のとおり、利用者センサ2の有するヒステリシスにより、利用者センサ2の検知感度を上げてゆき、センサの状態が非検知から検知状態へと切り替わる場合の検出距離−感度の設定値の関係を示す直線と、センサの状態が検知状態から非検知状態へと切り替わる場合のそれとは一致しない。しかし、図面の説明の簡単のため、図5においては凡例Aについても1つの直線のみを示して、Aの接近検知距離について説明している。
【0041】
なお、上記においては、取引時の利用者の利用者センサ2からの距離が一定として、凡例A〜Dの最小検知感度v2を決定しているが、これには限定されない。例えば、個々の取引において利用者を検知したときの検知距離に対応する感度を最小検知感度v2とし、これにマージンM2を加算することで、設定感度を決定する構成としてもよい。
【0042】
上記の方法により設定した2種類の設定感度をどのように利用するかについて、図6〜図8を参照して説明する。
図6は、ATM1の設置時に設定する利用者センサ2の設定感度の利用方法を説明する図である。図6に示すATM1の構成のうち、図2と対応するものについては同一の符号を付している。物体検知部31は、図2の利用者センサ部31に相当する。
【0043】
図6に示すとおり、ATM1の設置時には、表示部22に、作業者に対して設定操作画面を表示するとともに、入力部23を介して入力された情報を受け付ける。
図7は、表示部22に表示する画面例である。ATM1の設置を行う作業者により、画面中のスキャニング実行ボタン34等が押下されると、図4等を参照して説明したスキャン動作を開始する。スキャン動作により求めた検知感度の値を表示し、作業者によりOKボタン35が押下された場合には、表示した値を検知感度として設定する。キャンセルボタン36が押下された場合には、再度のスキャン動作を実行する。
【0044】
なお、作業時には、音声処理部28により、ATM1の設定に関する操作を案内する構成としてもよい。物体検知部31は、利用者センサ2において壁・設置物等の遮蔽物(以下、遮蔽物)60を検知すると、主制御部21に検知状態になったことを通知する。前述のとおり、主制御部21は、遮蔽物60を検知したときの検知感度にマージンM1を減算して、第1の設定感度を決定する。これにより、利用者センサ2の検知範囲に遮蔽物60が存在する場合であっても、利用者センサ2の設定感度として、遮蔽物60を検知しないよう適切な値が設定される。
【0045】
図8は、取引時に設定する利用者センサ2の設定感度の利用方法を説明する図である。図6と同様に、図8に示すATM1の構成のうち、図2と対応するものについては同一の符号を付している。
【0046】
取引時における利用者の検知については、図8に示すとおり、利用者がATM1に近づき、遠距離検知領域内に入った場合(利用者センサ2との距離が図6の接近検知距離以下となった場合)には、利用者センサ2が利用者を検知し、主制御部21は、物体検知部31からの通知に基づき、検知対象を非検知状態から検知状態になったことを認識する。主制御部21は、検知状態になったことを認識すると、表示部22を介して取引操作画面を表示させるとともに、入力部23を介して利用者が行った取引操作の内容を受け付ける。主制御部21は、取引が完了すると、キャッシュカードや通貨、レシートや通帳等の媒体を、図1の媒体排出口5を介してATM1の外部へと排出させる。取引媒体検知部33は、これらの媒体が全て利用者により抜き取られ、非検出となったか否かを判定する。媒体取り忘れの判定処理の詳細については、公知の技術であるため、詳細な説明は割愛する。主制御部21は、いずれかの媒体の取り忘れがあると判定した場合には、例えば、音声処理部28を介し、媒体の取り忘れがある旨の案内メッセージや警告を発する。
【0047】
図9は、本実施形態に係るATM1によるスキャン動作処理を示したフローチャートである。前述のとおり、ATM1の設置時や、利用者によりATM1において取引を開始した場合に、主制御部21の利用者センサ制御部32(図2参照)が、図9に示す一連の処理を開始する。
【0048】
まず、ステップS1で、利用者センサ制御部32が、感度設定値volを初期化して、「0」を設定する。ステップS2で、利用者センサ制御部32は、利用者センサ部31を介して利用者センサ2の検知/非検知状態を読みとり、ステップS3で、利用者センサ2が検知状態であるか否かを判定する。利用者センサ2が非検知状態である場合(ステップS3においてNoの場合)は、処理をステップS4に移行させる。
【0049】
ステップS4で、利用者センサ制御部32は、感度設定値volを1加算し、ステップS5で、感度設定値volが、利用者センサ2の感度の最大値i_maxよりも小さいか否かを判定する。感度設定値volが利用者センサ2の感度の最大値i_maxよりも小さい場合(ステップS5においてYesの場合)には、ステップS2に戻り、上記と同様の処理を繰り返す。ステップS5において、感度設定値volが最大値i_maxとなった場合(ステップS5においてNoの場合)には、ステップS6に進む。ステップS6においては、利用者センサ制御部32は、センサの感度を上げていった場合の最小検知感度SensVolUpに、検知対象が存在しないことを示す値「−1」を設定し、処理をステップS8に移行させる。
【0050】
一方、ステップS3において、利用者センサ2が検知状態である場合(ステップS3においてYseの場合)には、利用者センサ制御部32は、処理をステップS7に移行させる。ステップS7においては、利用者センサ制御部32は、ステップS2〜ステップS5の処理により感度設定値volを上げていった結果、利用者センサ2が非検知状態から検知状態に切り替わったときの感度設定値volを、最小検知感度SensVolUpに設定し、処理をステップS8に移行させる。
【0051】
ステップS8においては、利用者センサ制御部32は、感度設定値volに、ステップS7で設定した最小検知感度SensVolUpを設定する。ステップS9で、利用者センサ制御部32は、利用者センサ部31を介して利用者センサ2の検知/非検知状態を読み取り、ステップS10で、利用者センサ2が検知状態であるか否かを判定する。利用者センサ2が検知状態である場合(ステップS10においてYesの場合)には、処理をステップS11に移行させる。
【0052】
ステップS11で、利用者センサ制御部32は、感度設定値volを1減算し、ステップS12で、感度設定値volが、利用者センサ2の感度の最小値・ゼロよりも大きいか否かを判定する。感度設定値volが利用者センサ2の感度の最小値・ゼロよりも大きい場合(ステップS12においてYesの場合)には、ステップS9に戻り、上記と同様の処理を繰り返す。ステップS12において、感度設定値volが最小値・ゼロとなった場合(ステップS12においてNoの場合)には、ステップS13に進む。ステップS13においては、利用者センサ制御部32は、センサの感度を下げていった場合の最小検知感度SensVolDownに、検知対象が存在しないことを示す値「−1」を設定し、スキャン動作を終了する。
【0053】
一方、ステップS10において、利用者センサ2が検知状態でない(非検知状態)場合(ステップS10においてNoの場合)には、利用者センサ制御部32は、処理をステップS14に移行させる。ステップS14においては、利用者センサ制御部32は、ステップS9〜ステップS12の処理により感度設定値volを下げていった結果、利用者センサ2が検知状態から非検知状態に切り替わったときの感度設定値volに1加算した値を最小検知感度SensVolDownに設定して、スキャン動作を終了する。
【0054】
図10A及び図10Bは、ATM1設置時の利用者センサ2の感度設定処理を示したフローチャートである。本実施形態に係るATM1の主制御部21は、設置作業者により図8に示す画面を通じて利用者センサ2の自動設定プログラムの実行が指示されると、図10A及び図10Bに示す一連の処理を開始する。
【0055】
まず、ステップS21で、主制御部21は、画面(図1)や表示部22(図2)、音声処理部28等により、設置作業者に対して利用者センサ2の検知範囲外へと移動するよう指示する。ステップS22で、所定の期間(例えば、T秒間とする)が経過すると、ステップS23に進み、音声アナウンス等により、利用者センサ2の設定を開始する旨を設置作業者に通知する。
【0056】
ステップS24においては、図9のスキャン動作を実行する。スキャン動作処理の詳細については、前述のとおりである。スキャン動作が終了すると、ステップS25へと処理を移行させる。ステップS25においては、主制御部21は、音声アナウンス等により、スキャン動作が終了した旨を設置作業者に通知する。
【0057】
ステップS26で、主制御部21は、ステップS24のスキャン動作において設定した最小検知感度のうち、感度を上げていった場合についての最小検知感度SensVolUpを参照し、値が−1か否かを判定する。SensVolUp=−1である場合(ステップS26においてYesの場合)は、利用者センサ2は検知対象を検知できなかった、すなわち、利用者センサ2の検知範囲には壁等の遮蔽物60は存在しないとして、第1の設定感度OpeVolには、設定感度の初期値である設定感度値DefVolを設定し(ステップS27)、処理を終了する。
【0058】
一方、SensVolUp≠−1である場合(ステップS26においてNoの場合)には、ステップS28へと処理を移行させる。そして、ステップS28において、主制御部21は、最小検知感度SensVolUpが、所定の値ErrorVol1以下であるか否かを判定する。ここで、値ErrorVol1は、利用者センサ2の検知範囲内に物が置かれていること等により、最小検知感度SensVolUpとしては異常に小さい値が設定されていないかを判定するために用いる。
【0059】
最小検知感度SensVolUpが値ErrorVol1を超える場合(ステップS28においてNoの場合)には、最小検知感度SensVolUpの値は正当と判断し、ステップS29に進む。そして、ステップS29で、主制御部21は、最小検知感度SensVolUpに所定の環境変数MarginVol1(=マージンM1)を減算して得られる値を第1の設定感度OpeVolに設定し、処理を終了する。
【0060】
最小検知感度SensVolUpが値ErrorVol1以下である場合(ステップS28においてYesの場合)には、ステップS28から図10BのステップS30に進む。ステップS30においては、主制御部21は、利用者センサ2の感度設定処理においてエラーが発生したこと、及び利用者センサ2の検知範囲に置かれている物を取り除くよう作業者に指示するメッセージを表示部22等に出力する。そして、ステップS31で、主制御部21は、再度スキャンを実行するか否かの判断を作業者に求めるメッセージを表示部22等に出力する。入力部23を介して再度のスキャン実行を行う旨の指示が入力された場合(ステップS31においてYesの場合)は、図10AのステップS22に戻る。再度のスキャンは行わない旨の指示が入力された場合(ステップS31においてNoの場合)は、処理を終了する。
【0061】
なお、ステップS29において用いる環境変数MarginVol1については、最小検知感度SensVolUpと、最大非検知感度との差で定義される。最大非検知感度とは、利用者センサ2が検知対象を検知しない感度のうち、最大値をいう。通常は、環境変数MarginVol1には「1」を設定する。しかし、環境の変動により最小検知感度SensVolUpが変動する可能性を考慮に入れて、大きめの値を設定しておくこととしてもよい。
【0062】
図11は、取引時の利用者センサ2の感度設定処理を示したフローチャートである。本実施形態に係るATM1の主制御部21は、ある利用者による取引を終了して次の利用者による取引を待ち受けているときに、利用者センサ2から通知される検知/非検知状態に変化があったことを契機として、図11に示す処理を開始する。
【0063】
まず、ステップS41で、主制御部21は、利用者センサ2が非検知状態から検知状態へと切り替わったことを認識する。ここで利用する設定感度は、図10AのステップS27またはステップS29において設定した「第1の設定感度OpeVol」である。
【0064】
ステップS42で、主制御部21は、ATM1の待機状態を解除して、ステップS43で、表示部22に取引画面を表示させる。ステップS44で、主制御部21が、利用者により、入力部23を介して引出、預入あるいは振込等の取引開始ボタンが押下されたことを認識すると、ステップS45で、利用者センサ制御部32により、図9のスキャン動作を実行する。
【0065】
なお、ステップS45以降の処理は、フォアグラウンドにてステップS44で指定された取引処理を実行する間に、バックグラウンドにて実行される。
ステップS46で、主制御部21は、ステップS45のスキャン動作において設定した最小検知感度のうち、感度を下げていった場合についての最小検知感度SensVolDownを参照し、値が−1か否かを判定する。SensVolDown=−1である場合(ステップS46においてYesの場合)は、ステップS47に進み、「エラー処理1」を実行する。これは、最小検知感度SensVolDownの値によれば、利用者センサ2は検知対象を検知できなかった、すなわち、利用者センサ2の検知範囲には利用者が存在しなかったことを意味する。しかし、ステップS41においては、利用者センサ2が非検知状態から検知状態に切り替わっている。このことから、エラー処理1においては、利用者センサ2による利用者の監視は行わないこととする。例えば、図1の利用者カメラ3等を利用した媒体の取り忘れの監視へと、制御を切り替える。
【0066】
あるいは、エラー処理1において、媒体の取り忘れがあった場合であっても利用者への通知を行わないよう動作を切り替える構成とすることもできる。更には、ステップS45のスキャン動作のログを記録しておいた場合には、エラー処理1においてログを参照し、スキャン動作が正しく行われなかった原因の確認するための処理を実行する構成としてもよい。
【0067】
ステップS46において、SensVolDown≠−1である場合は、ステップS48に進む。ステップS48では、主制御部21は、最小検知感度SensVolDownが、所定の値ErrorVol2以下であるか否かを判定する。ここで、値ErrorVol2は、利用者センサ2の検知範囲内に物が置かれていること等により、最小検知感度SensVolDownとしては異常に小さい値が設定されていないかを判定するために用いる。ErrorVol2には、前述のErrorVol1と同じ値を設定する構成としてもよい。
【0068】
最小検知感度SensVolDownが値ErrorVol2以下である場合(ステップS48においてYesの場合)には、ステップS49に進む。そして、ステップS49で、主制御部21は、「エラー処理2」を実行する。「SensVolDown>ErrorVol2」とは、想定される利用者センサ2−利用者間の距離で検知する場合の検知感度と比べ、異常に近くで検知対象を検知していることを意味する。このことから、エラー処理2では、エラー処理1と同様に、利用者センサ2は利用せず、例えば図1の利用者カメラ3等により媒体の取り忘れを監視するよう制御を切り替える。あるいは、エラー処理1と同様に、媒体の取り忘れの通知を行わない構成に切り替えることもできる。
【0069】
なお、エラー処理2では、予め所定の初期設定値を用意しておき、極端に小さい値にならないよう、適切な値を第2の設定感度(UserVol)として設定する構成としてもよい。
【0070】
一方、最小検知感度SensVolDownが値ErrorVol2を超える場合(ステップS48においてNoの場合)には、ステップS48からステップS49に進む。そして、ステップS49で、主制御部21は、最小検知感度SensVolDownに所定の環境変数MarginVol2(=マージンM2)を加算して得られる値を第2の設定感度UserVolに設定し、処理を終了する。
【0071】
図11に示す一連の処理が終了すると、主制御部21は、第2の設定感度UserVolを用いて、取引処理のバックグラウンドにて、カード等の媒体を全てATM1から抜き取られる前に、利用者がATM1から離れようとしていることを判断する。例えば、所定の時間間隔で利用者センサ2を読み出して検知/非検知のいずれの状態であるかを判定し、全ての媒体が抜き取られる前に利用者を検知しなくなっている場合や、所定の期間内に媒体が抜き取られていないこと等を検出して、表示部22や音声処理部28により、利用者に対してその旨の通知や案内をする。利用者センサ2の検知/非検知状態を利用して媒体の取り忘れを利用者に通知する具体的な方法については、公知の技術であるため、ここでは、詳細な説明は割愛する。
【0072】
ステップS50において用いる環境変数MarginVol2については、最小検知感度SensVolDownと最大非検知感度と差で定義される。設定感度UserVolは、利用者が少し動いただけで利用者センサ2に検知されなくなることのないよう、最小検知感度SensVolDownに環境変数MarginVol2を加算した値を設定している。これにより、媒体の取り忘れを利用者に通知するときに、意図しない離脱検知をしてしまうことを防いでいる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態に係るATM1等の紙葉類取扱装置によれば、利用者センサ2が検知対象を検知するか否かを判定し、通知された判定結果に基づき、まず、利用者センサ2の感度を段階的に上げてゆき、利用者センサ2が非検知状態から検知状態に切り替わったときの感度である最小検知感度から、第1の設定感度を決定する。次に、利用者センサ2の感度を段階的に下げてゆき、利用者センサ2が検知状態から非検知状態に切り替わったときの感度である最小検知感度から、第2の設定感度を決定する。利用者センサ2の持つヒステリシスにより、非検知状態から検知状態に切り替わることを検出するための設定感度(第1の設定感度)、及び検知状態から非検知状態に切り替わることを検出するための設定感度(第2の設定感度)が適切に設定される。例えば利用者センサ2の検知範囲に壁等の遮蔽物60が存在する場合等であっても、装置の設置時に、利用者センサ2が遮蔽物60を検知することのないよう適切な感度が設定される。取引時等において、例えばATM1の媒体取り忘れを利用者に通知する場合であっても、取引を開始するごとに第2の設定感度を決定する。利用者の服装等(の反射率)に応じて適切な設定感度が設定される。このように、利用者センサ2を搭載する装置の設置環境や検知対象によらずに、利用者センサ2の用途に応じて適切に感度を設定することが可能となる。
【0074】
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0075】
1 ATM
2 利用者センサ
3 利用者カメラ
4 画面
5 媒体排出口
11 発光素子(LED)
12 受光素子(フォトダイオード)
13 制御回路
14 アンプ
15 制御IC
21 主制御部
22 表示部
23 入力部
24 入出金処理部
25 レシート発行部
26 通信処理部
27 記憶部
28 音声処理部
29 カード読み取り部
30 通帳記入部
31 利用者センサ部(物体検知部)
32 利用者センサ制御部
33 取引媒体検知部
34 スキャニング実行ボタン
35 OKボタン
36 キャンセルボタン
50 ネットワーク
60 遮蔽物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子から発せられた光を受光素子において受光することに基づき検知対象を検知するセンサを備える紙葉類取扱装置であって、
前記センサが検知対象を検知するか否かを判定し、判定結果を通知する物体検知部と、
前記物体検知部の判定結果に基づき、前記センサの感度を段階的に上げていった場合に該センサが検知対象を非検知の状態から検知状態へと切り替わったときの感度より、該センサの第1の設定感度を決定する第1の設定感度決定部と、
前記物体検知部の判定結果に基づき、前記センサの感度を段階的に下げていった場合に該センサが検知対象を検知状態から非検知の状態へと切り替わったときの感度より、該センサの第2の設定感度を決定する第2の設定感度決定部と、
を備える
ことを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項2】
前記第1の設定感度決定部は、前記紙葉類取扱装置の設置時に前記第1の設定感度を決定する処理を実行し、
前記物体検知部は、前記第1の設定感度を用いて、利用者が前記紙葉類取扱装置に接近しているか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類取扱装置。
【請求項3】
前記第2の設定感度決定部は、利用者が前記使用対取扱装置の利用中に前記第2の設定感度を決定する処理を実行し、
前記物体検知部は、前記第2の設定感度を用いて、利用者が前記紙葉類取扱装置の利用中に該装置から離れようとしているか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項4】
発光素子から発せられた光を受光素子において受光することに基づき検知対象を検知するセンサを備える紙葉類取扱装置の制御方法であって、
前記センサが検知対象を検知するか否かを判定し、判定結果を通知し、
前記判定結果に基づき、前記センサの感度を段階的に上げていった場合に該センサが検知対象を非検知の状態から検知状態へと切り替わったときの感度より、該センサの第1の設定感度を決定し、
前記判定結果に基づき、前記センサの感度を段階的に下げていった場合に該センサが検知対象を検知状態から非検知の状態へと切り替わったときの感度より、該センサの第2の設定感度を決定する
ことを特徴とする紙葉類取扱装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図5】
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【図7】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−230569(P2012−230569A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98773(P2011−98773)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】