説明

紙葉類取扱装置

【課題】複数の被駆動装置を駆動装置に係脱自在に駆動連結して異なる複数の被駆動装置を駆動装置により駆動する。
【解決手段】電動装置(17)と、電動装置(17)に駆動連結される動力伝達装置(8)と、動力伝達装置(8)を介して電動装置(17)の駆動力により回転される前駆動歯車(11)と後駆動歯車(12)とを紙葉類取扱装置に設ける。外部の第1の被駆動装置(2)を係脱自在に前駆動歯車(11)に駆動連結すると共に、外部の第2の被駆動装置(3)を係脱自在に後駆動歯車(12)に駆動連結して、電動装置(17)の動力により第1及び第2の被駆動装置(2,3)を駆動して、電動装置(17)の作動により複数の被駆動装置(2,3)を有機的に連動して駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニット化された異なる複数の被駆動装置にユニット化された駆動装置を係脱自在に駆動連結して、複数の被駆動装置を駆動装置により駆動する紙葉類取扱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、投入される紙幣の真贋を識別するための鑑別センサを有する鑑別センサ装置と、鑑別センサ装置の出力信号に基づき投入された紙幣を真紙幣か否か判断する鑑別制御回路と、鑑別制御回路の出力に基づいて真紙幣と判定した紙幣を収納するスタッカ装置と、スタッカ装置を支持するフレームと、投入された紙幣をスタッカ装置に搬送する搬送装置とを備える紙幣取扱装置を示す。この紙幣取扱装置では、フレーム内に鑑別制御回路を配置し、フレームの前方からフレームに鑑別センサ装置を取り付ける連結装置がフレームと鑑別センサ装置との間に設けられる。フレーム及び鑑別センサ装置の一方に設けられる案内部材並びにフレーム及び鑑別センサ装置の他方に設けられかつフレームの前部で案内部材に着脱されるピンとが連結装置に設けられる。フレームの前方から鑑別センサ装置をフレームに接近させてピンを案内部材に嵌合した後、鑑別センサ装置内の鑑別センサとフレーム内に設けられた鑑別制御回路とがコネクタにより電気的に接続され、コネクタを通じて鑑別センサ装置の出力がフレーム内の鑑別制御回路に送出される。特許文献1では、コネクタを介して鑑別装置が搬送装置から電力の供給を受けると共に、紙幣取扱装置の搬送装置の原動歯車に鑑別装置の従動歯車を分離可能に作動連結して、搬送装置から動力を受けて鑑別装置が作動される。しかしながら、特許文献1に示される構造では、搬送装置及びスタッカ装置をフレームから取り外すことができない。
【0003】
下記特許文献2は、投入された紙幣の真贋を判定する紙幣鑑別装置と、紙幣鑑別装置を通過した紙幣を搬送通路に沿って搬送する搬送装置と、着脱自在に配置されかつ搬送装置から供給された紙幣を紙幣収納部に収納するスタッカと、スタッカに組み込まれかつ搬送装置からの駆動力を受けてスタッカ内に収納された紙幣を紙幣収納部側に押し出す押込装置とを備えた紙幣取扱装置を示す。この紙幣取扱装置では、スタッカを構成するケースに開口部が設けられ、開口部に隣接してケース内に押込装置を配置する収容空間を設けて押込装置がスタッカに対して着脱可能に設けられると共に、搬送装置の搬送通路出口に接続されるスリット状の取入口が押込装置に設けられる。このように、特許文献2では、搬送装置から供給される紙幣を紙幣収納部に収納するスタッカは、フレームに対して着脱自在に配置され、スタッカ内に着脱自在に取り付けられる押込装置は、搬送装置からの駆動力を受けてスタッカ内に収納された紙幣を紙幣収納部側に押し出すことができる。しかしながら、特許文献2では、搬送装置から鑑別装置を取り外すことができない。
【0004】
下記特許文献3は、フレーム本体と、フレーム本体に対して取り外し可能に装着される動力インターフェイスと、フレーム本体に取り外し可能に装着されるカセットと、フレーム本体の溝に取り外し可能に装着される鑑別ヘッドとを備える鑑別機を示す。特許文献3に示される構造では、フレーム本体と動力インターフェイスとの間及びフレーム本体と鑑別ヘッドとの間に分離可能な電気的接続装置が設けられて、フレーム本体と動力インターフェイス及びフレーム本体と鑑別ヘッドは、互いに分離することができるが、分離可能に接続される動力伝達装置は、これらの間に設けられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2922441号
【特許文献2】実用新案登録第2568833号
【特許文献3】米国特許第6619461号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、ユニット化された異なる複数の被駆動装置をユニット化された駆動装置に係脱自在に駆動連結して、複数の被駆動装置を駆動装置により駆動する紙葉類取扱装置を提供することを目的とする。また、本発明は、各ユニットを構成する異なる駆動装置、鑑別装置及び収納装置を互いに分離可能にかつ有機的に連動可能に相互に連結して、鑑別装置と収納装置とを駆動装置により駆動する紙葉類取扱装置を提供することを目的とする。更に、本発明は、ユニット化された鑑別装置、駆動装置及び収納装置とを互いに分割可能にかつ有機的に連動可能に接続して、駆動装置を通り鑑別装置に投入する紙葉類を収納装置に連続的に搬送する紙葉類取扱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による紙葉類取扱装置は、電動装置(17)と、電動装置(17)に駆動連結される動力伝達装置(8)と、動力伝達装置(8)を介して電動装置(17)の駆動力により回転される前駆動歯車(11)及び後駆動歯車(12)とを有する駆動装置(1)を備える。前駆動歯車(11)に鑑別装置(2)を係脱自在に駆動連結すると共に、後駆動歯車(12)に収納装置(3)を係脱自在に駆動連結して、電動装置(17)の動力により鑑別装置(2)及び収納装置(3)を有機的に連動して駆動することにより、鑑別装置(1)に形成される鑑別搬送通路(10)、駆動装置(1)に形成される中間搬送通路(48)及び収納装置(3)に形成される待機室(78)を通じて紙葉(35)を搬送すると共に、鑑別装置(2)及び収納装置(3)をそれぞれ前駆動歯車(11)及び後駆動歯車(12)から分離して、分解、修理、保守、点検又は交換等を行うことができる。
【0008】
本発明による別の紙葉類取扱装置は、電動装置(17)と、動力伝達装置(8)と、単一の駆動ユニット(13)として電動装置(17)及び動力伝達装置(8)を一体に支持する支持フレーム(22)と、駆動ユニット(13)を一体に収容するケース(15)とを備える。支持フレーム(22)は、円筒状又は半円筒状の一対のヒンジ筒(160)を備える。ケース(15)に形成される一対の枢軸支持部(161)にヒンジ筒(160)を着脱自在に係止して、ケース(15)内に向って駆動ユニット(13)を回転することにより駆動ユニット(13)をケース(15)内の所定の取付位置に容易に取り付けることができる。
【0009】
本発明による紙葉類取扱装置は、電動装置(17)及び電動装置(17)に駆動連結される動力伝達装置(8)を有する駆動装置(1)と、駆動装置(1)の電動装置(17)に個別に駆動連結される鑑別装置(2)及び収納装置(3)とを備える。異なる複数のユニットとして構成される駆動装置(1)、鑑別装置(2)及び収納装置(3)を互いに着脱自在にかつ有機的に連動可能に駆動連結して、駆動装置(1)を通り鑑別装置(2)内に挿入される紙葉(35)を収納装置(3)に連続的に搬送すると共に、個別のユニットを構成する駆動装置(1)、鑑別装置(2)及び収納装置(3)を分離して容易に取り外し、組立、保守、点検及び交換を行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
例えば、鑑別装置と収納装置等の複数の被駆動装置内に別途駆動装置を設けずに、駆動装置内に取り付けられる電動装置により駆動装置と、複数の被駆動装置とを有機的に連動させて、鑑別装置及び収納装置等の複数の被駆動装置と駆動装置とを互いに同期して駆動することができる。また、独立するユニットとして構成される駆動装置と複数の被駆動装置とを係脱自在に駆動連結できるので、駆動装置と各被駆動装置の組立、分解、保守、点検、交換の容易性を向上し、部品数を削減し、装置の軽量化及び製造価格の低減を図ることができる。更に、駆動装置と鑑別装置及び駆動装置と収納装置とを着脱自在にかつ有機的に連動可能に駆動連結して、駆動装置を通り鑑別装置内に挿入される紙葉を収納装置に連続的に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による紙葉類取扱装置の正面図
【図2】図1の側面図
【図3】図1の後方底面斜視図
【図4】図1の前方底面斜視図
【図5】駆動連結装置と後駆動歯車との関係を示す部分断面図
【図6】本発明による紙幣鑑別装置の分解斜視図
【図7】鑑別装置を取り付けた駆動装置の断面図
【図8】駆動装置の駆動ユニットを取り外した底面斜視図
【図9】駆動装置のケースの枢軸支持部に駆動ユニットを取り付ける状態を示す断面図
【図10】図9の状態から駆動ユニットをケース内に回転した状態を示す断面図
【図11】図10の状態を示す斜視図
【図12】駆動装置のケース内に駆動ユニットを完全に係止する状態を示す断面図
【図13】収納搬送装置を示す収納装置の断面図
【図14】押込装置を示す収納装置の断面図
【図15】本発明による紙幣取扱装置の斜視図
【図16】本発明による駆動装置の底面斜視図
【図17】収納装置の上面斜視図
【図18】駆動装置をフレームに取り付けるカム連結装置の断面図
【図19】カム連結装置の拡大断面図
【図20】カム案内部の側面図
【図21】従動部の断面図
【図22】カム案内部に従動部を挿入する状態を示す断面図
【図23】駆動装置の後駆動歯車と収納装置の駆動歯車とが離間する状態を示す断面図
【図24】カム案内部に従動部を更に挿入した状態を示す断面図
【図25】駆動装置の後駆動歯車と収納装置の駆動歯車とが噛み合う状態を示す断面図
【図26】フレームのブラケットに係止するラッチ装置の斜視図
【図27】図26の側面図
【図28】フレームのブラケットとの係合が解除されたラッチ装置の斜視図
【図29】図28の側面図
【図30】引抜防止ユニットのロータの断面図
【図31】引抜防止ユニットのローラの斜視図
【図32】糸がローラのフィンに係止した状態を示す部分斜視図
【図33】図32の正面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明による紙葉類取扱装置との実施の形態を図1〜図33について説明する。これらの図面では、同一の部分には同一の参照符号を付する。本明細書で使用する用語「係脱」は、「係合及び離脱」を意味し、「係脱自在」は、「係合可能及び離脱可能」を意味する。また、「係脱」は、「着脱」、「取り付け及び取り外し」又は「結合及び分離」と同義語である。
【0013】
[1] 駆動装置の構成
図1〜図4に示すように、本発明による紙葉類取扱装置は、電動装置(17)と、電動装置(17)に駆動連結される動力伝達装置(8)と、電動装置(17)及び動力伝達装置(8)を一体に支持する支持フレーム(22)とを備えるほぼ三角断面の駆動ユニット(13)を備える。図6及び図7に示すように、駆動装置(1)は、駆動ユニット(13)を収容するケース(15)を備え、駆動ユニット(13)に電気的に接続されて駆動ユニット(13)の動作を制御する図示しない駆動制御装置もケース(15)内に収容される。図7に示すように、鑑別装置(2)を駆動する駆動装置(1)は、第1の被駆動装置を構成する鑑別装置(2)の鑑別搬送装置(5)に駆動連結される。
【0014】
図7に示すように、駆動装置(1)は、部分的に湾曲する中間搬送通路(48)と、動力伝達装置(8)を介して電動装置(17)に駆動連結される第4の被駆動装置を構成する駆動搬送装置(9)とを備え、駆動搬送装置(9)は、駆動装置(1)内で中間搬送通路(48)に沿って紙幣(35)を搬送する。中間搬送通路(48)の一端は、鑑別装置(2)の鑑別搬送通路(10)に接続され、他端は、収納装置(3)の待機室(78)(図13及び図14)に接続される。
【0015】
本実施の形態では、電動装置(17)は、いずれも正転及び逆転が可能な少なくともリバーシブル型の搬送モータ(701)と、押込モータ(702)とを備える。搬送モータ(701)の駆動軸には、ピニオン(23)が固定され、ピニオン(23)には、動力伝達装置(8)が駆動連結される。搬送モータ(701)に駆動接続される動力伝達装置(8)には、駆動搬送装置(9)と後駆動歯車(12)の一方を構成する駆動搬送歯車(201)とに駆動連結され、更に、駆動搬送装置(9)は、抜取防止ユニット(41)及び前駆動歯車(11)に順次駆動連結される。ピニオン(23)及び動力伝達装置(8)と同一又は類似の構成を有しかつ固定されず同軸上に回転可能に支持される図示しない動力伝達装置を介して、押込モータ(702)は、後駆動歯車(12)の他方を構成する駆動押込歯車(202)に駆動連結されるが、駆動押込歯車(202)に接続される動力伝達装置の減速比、即ち歯車の歯数は、動力伝達装置(8)の減速比又は歯数と相違することがある。
【0016】
駆動搬送装置(9)及び後駆動歯車(12)は、動力伝達装置(8)に対し並列に駆動連結され、抜取防止ユニット(41)及び前駆動歯車(11)は、駆動搬送装置(9)に並列に駆動連結される。本実施の形態では、動力伝達装置(8)、駆動搬送装置(9)、後駆動歯車(12)、抜取防止ユニット(41)及び前駆動歯車(11)を電動装置(17)に対して前記順序で駆動連結したが、当業者は、前記駆動順序を必要に応じて適宜変更できよう。前駆動歯車(11)は、出力歯車(39)を介して鑑別搬送装置の入力歯車(第1の被駆動歯車)(21)に駆動連結され(図7)、後駆動歯車(12)を構成する駆動搬送歯車(201)と駆動押込歯車(202)は、収納装置(3)の収納搬送装置(6)の駆動歯車(76)を構成する搬送歯車(761)と押込装置(7)を構成する押込歯車(762)にそれぞれ駆動連結される。搬送歯車(761)は、収納装置(3)内の収納搬送装置(6)を駆動して、駆動装置(1)から収納装置(3)の待機室(78)内に紙幣を搬送し、押込歯車(762)は、押込装置(7)を駆動して、待機室(78)内の紙幣を収納室(79)内に押込む。
【0017】
各動力伝達装置(8)は、搬送モータ(701)と押込モータ(702)の各ピニオン(23)に噛合う第3の歯車(63)と、第3の歯車(63)の軸に固定される第4の歯車(64)と、第4の歯車(64)に噛合う第5の歯車(65)と、第5の歯車(65)の軸に固定される第6の歯車(66)と、第6の歯車(66)に噛合う第7の歯車(67)と、第7の歯車(67)の軸に固定される第8の歯車(68)と、第8の歯車(68)に噛合う第9の歯車(69)と、第9の歯車(69)の軸に固定される第10の歯車(70)と、第10の歯車(70)に噛合う図5に示す第11の歯車(71)とを備える。図5に示すように、第11の歯車(71)は、後駆動歯車(12)の駆動搬送歯車(201)及び駆動押込歯車(202)と駆動搬送装置(9)を構成する第12の歯車(72)とに駆動連結される。
【0018】
図5に示すように、駆動搬送装置(9)は、第11の歯車(71)に噛合う第12の歯車(72)と、第12の歯車(72)のヒンジ軸(73)に固定される第1のプーリ(74)(図1)と、第1のプーリ(74)に捲回される駆動ベルト(36)と、駆動ベルト(36)を捲回して駆動ベルト(36)を所定の位置に保持する複数のアイドルローラ(38)と、前駆動歯車(11)を固定する軸に固定される第2のプーリ(75)と、抜取防止ユニット(41)を構成する軸(140)に固定されて駆動ベルト(36)を捲回する駆動プーリ(32)とを備える。駆動ユニット(13)内の第2のプーリ(75)の軸に回転可能に固定される前駆動歯車(11)は、ケース(15)内に回転可能に取り付けられる出力歯車(39)に分離可能に噛合う(図7)。このように、動力伝達装置(8)を介して、第1の被駆動装置を構成する鑑別装置(2)の鑑別搬送装置(5)に駆動連結される前駆動歯車(11)、第2の被駆動装置を構成する収納装置(3)の収納搬送装置(6)に駆動連結される後駆動歯車(12)の駆動搬送歯車(201)及び駆動押込歯車(202)、第4の被駆動装置を構成する駆動搬送装置(9)の第1のプーリ(74)及び第5の被駆動装置となる引抜防止ユニット(41)のロータ(42)を電動装置(17)に駆動連結して、少なくとも2つの電動装置(17)により5つの被駆動装置を駆動することができる。
【0019】
[2] 第1の被駆動装置=鑑別搬送装置
図7に示すように、第1の被駆動装置を構成する鑑別装置(2)の鑑別搬送装置(5)の入力歯車(21)は、駆動装置(1)の出力歯車(39)に分離可能に駆動連結される。従って、入力歯車(21)は、動力伝達装置(8)、前駆動歯車(11)及び出力歯車(39)を介して電動装置(17)の回転により駆動される。鑑別装置(2)内に設けられる鑑別搬送通路(10)の入口(14)に紙幣(35)が挿入され、紙幣(35)の挿入を検出する図示しない入口センサの信号により搬送モータ(701)が正転されるので、鑑別搬送装置(5)が正転され、鑑別搬送通路(10)に沿って紙幣(35)が駆動装置(1)に向って搬送される。鑑別装置(2)内に設けられる図示しない鑑別センサが紙幣(35)の光学的信号又は磁気的信号を検出して、検出した信号に基づいて駆動制御装置が紙幣(35)の真贋を判断し、駆動制御装置が紙幣(35)を真札と判断しないとき、搬送モータ(701)を逆転するので、鑑別搬送装置(5)も逆転され、紙幣(35)は、鑑別装置(2)の入口(14)に戻される。
【0020】
[3] 鑑別搬送装置と駆動装置との分離可能な駆動連結
図6に示すように、駆動装置(1)のケース(15)と鑑別装置(2)のハウジング(20)との間に設けられる滑動連結装置(16)を介して、鑑別装置(2)のハウジング(20)は、駆動装置(1)のケース(15)に着脱自在又は分離可能に取り付けられる。滑動連結装置(16)は、ケース(15)に固定されるL字形断面を有する一対のレール(52)と、ハウジング(20)に固定される図示しないスライダとを備える。スライダは、レール(52)の断面と相補的形状を有し、着脱自在にレール(52)に嵌合されて、レール(52)上を摺動する。鑑別装置(2)のスライダをレール(52)に嵌合して、スライダをレール(52)に沿って滑動させて、鑑別装置(2)は、駆動装置(1)のケース(15)の奥に移動される。鑑別装置(2)が正しい装着位置に到達すると、鑑別装置(2)の入力歯車(21)は、駆動装置(1)の出力歯車(39)に自動的にかつ分離可能に噛合わされる。このとき、図7に示すように、鑑別装置(2)の鑑別搬送通路(10)の出口は、駆動装置(1)の中間搬送通路(48)の一端に自動的に接続される。また、駆動装置(1)から離間する逆方向に鑑別装置(2)を移動すると、入口歯車(21)と出力歯車(39)との係合が解除され、鑑別装置(2)を駆動装置(1)から分離することができる。入口歯車(21)が出力歯車(39)に係合する状態で駆動装置(1)からの鑑別装置(2)の不測の脱落を阻止するため、図26〜図29に示すラッチ装置と同一又は類似する構造の係止装置を設けることができる。
【0021】
[4] 第2の被駆動装置=収納搬送装置
図13及び図14に示す収納装置(3)の収納搬送装置(6)及び押込装置(7)は、それぞれ第2及び第3の被駆動装置を構成し、駆動装置(1)の後駆動歯車(12)の駆動搬送歯車(201)と駆動押込歯車(202)に分離可能に駆動連結される搬送歯車(761)と押込歯車(762)とを備える。収納搬送装置(6)は、搬送歯車(761)と、搬送歯車(761)に噛み合う中間歯車(767)と、中間歯車(767)に噛み合うプーリ歯車(763)と、プーリ歯車(763)と一体に回転するプーリ(764)と、プーリ(764)に捲回されるベルト(765)が捲回されるプーリ(768)及びアイドラ(766)とを備える。リバーシブルモータで構成する搬送モータ(701)の正転時に、駆動装置(1)の駆動搬送装置(9)は、鑑別搬送通路(10)及び中間搬送通路(48)を通じて紙幣(35)を搬送し、収納搬送装置(6)の搬送歯車(761)が回転される。また、駆動搬送歯車(201)の回転により、搬送歯車(761)、中間歯車(767)、プーリ歯車(763)及びプーリ(764)が回転して、ベルト(765)は、中間搬送通路(48)から供給される紙幣(35)を受け取り、収納装置(3)内の待機室(78)に搬送する。搬送モータ(701)の逆転時に、駆動装置(1)の駆動搬送装置(9)は逆転され、中間搬送通路(48)及び鑑別搬送通路(10)内の紙幣(35)が入口(14)に戻される。
【0022】
押込装置(7)は、押込歯車(762)に噛み合う一連の歯車(710〜713)と、歯車(713)に固定されるピン(714)が嵌合される開口部(716)が形成されるアーム(715)を備えるリンク装置(717)とを備える。押込モータ(702)の回転により、押込歯車(762)が回転し、歯車(713)と共にピン(714)が回転すると、リンク装置(717)が伸縮する。紙幣(35)が待機室(78)内に搬送されたとき、押込モータ(702)の回転により、図示の収縮位置から突出位置にリンク装置(717)が伸張して、待機室(78)内の紙幣(35)は、収容室(79)内に押し込まれる。更に、押込モータ(702)の更なる正転又は逆転により、リンク装置(717)は、突出位置から収縮され、押込装置(7)を図示の待機位置に戻すことができる。待機室(78)内の紙幣を収納室(79)内に押込む押込装置の詳細は、特許文献1及び2に開示されるため、押込装置(7)の詳細な説明を省略する。
【0023】
図18に示すように、カム連結装置(19)を介して着脱自在にかつ動力伝導可能に駆動装置(1)をフレーム(4)に取り付けることができる。図19に示す実施の形態では、カム連結装置(19)は、垂直に配置されるフレーム(4)の一対の側壁(40)の各々に形成される図20に示すカム案内部(80)と、垂直に配置される駆動装置(1)の一対の側壁(51)の各々に形成されかつカム案内部(80)に接触する図21に示す従動部(81)とを備える。図6に示すように、ブラケット(82)は、フレーム(4)の一対の側壁(40)に直角に取り付けられる。カム連結装置(19)は、成型される樹脂若しくは金属又は成型される樹脂と金属との組み合わせ材料により形成される。図20に示すように、カム案内部(80)は、フレーム(4)の側壁(40)に水平に形成される遠位通路(83)と、遠位通路(83)に続き傾斜する接近通路(84)と、接近通路(84)に続く係止通路(85)とを備える。
【0024】
遠位通路(83)は、遠位面(86)と、遠位面(86)に対向して突出する突起面(87)と、突起面(87)の前部に形成される入口傾斜面(88)とにより形成される。遠位通路(83)と係止通路(85)との間に設けられる接近通路(84)は、遠位面(86)から連続して傾斜する第1の傾斜面(89)と、第1の傾斜面(89)に平行に突起面(87)から連続して傾斜する第2の傾斜面(90)とにより形成される。係止通路(85)は、遠位面(86)に平行にかつ第2の傾斜面(90)に連続して延伸する近位面(91)と、遠位面(86)に平行にかつ第1の傾斜面(89)に連続して延伸する係止面(92)と、近位面(91)と係止面(92)との間に形成される当接面(93)とにより形成される。フレーム(4)に固定されるブラケット(82)は、入口傾斜面(88)の前方に配置され、遠位面(86)とブラケット(82)は、遠位通路(83)の案内入口(105)を構成する。
【0025】
図21に示す従動部(81)は、第1の従動面(94)と、第1の従動面(94)に対し平行で一定間隔離間する第2の従動面(95)と、第2の傾斜面(90)に対し平行で第1の従動面(94)に連続する第3の傾斜面(96)と、第1の従動面(94)に対し平行で第3の傾斜面(96)に連続する第3の従動面(97)と、第3の従動面(97)に連続する第4の傾斜面(98)と、第3の従動面(97)に対して平行で第4の傾斜面(98)に連続する第4の従動面(99)と、第3の傾斜面(96)に平行に第2の従動面(95)に連続する第5の傾斜面(100)と、第2の従動面(95)に平行でかつ第5の傾斜面(100)に連続する第5の従動面(101)と、第5の従動面(101)の端部に設けられて遠位通路(83)の案内入口(105)の縁部(102)に当接又は対向する突起(103)と、第1の従動面(94)と第2の従動面(95)とを接続する端面(104)とを備える。端面(104)は、係止通路(85)の当接面(93)と相補的な湾曲形状を有する。
【0026】
図22に示すように、駆動装置(1)の従動部(81)をフレーム(4)のカム案内部(80)に装着するとき、従動部(81)の端面(104)を遠位通路(83)の案内入口(105)内に挿入すると、端面(104)が入口傾斜面(88)に当接し、入口傾斜面(88)に沿って突起面(87)上に案内される。従動部(81)の第1の従動面(94)は、突起面(87)に当接して摺動され、従動部(81)の第2の従動面(95)は、遠位通路(83)の遠位面(86)に対向し又は接触して遠位通路(83)に沿って摺動される。このとき、従動部(81)は、ブラケット(82)に対する突起面(87)の高さ分だけ収納装置(3)から離間してカム案内部(80)に沿ってフレーム(4)の奥に移動される。従動部(81)の第1の従動面(94)がカム案内部(80)の突起面(87)上に当接する状態では、図23に示すように、駆動装置(1)の後駆動歯車(12)は、収納搬送装置(6)の駆動歯車(76)から分離し、鑑別装置(2)の下蓋(15a)及び下蓋(15a)から突出する一対の後駆動歯車(12)及び複数の防御突起(58)は、収納装置(3)の上面(62)には接触しない。
【0027】
図22に示す状態から図24に示す状態に更に駆動装置(1)の従動部(81)をフレーム(4)のカム案内部(80)内の奥に押込むと、図24に示すように、従動部(81)の端面(104)が第1の傾斜面(89)に接触し、従動部(81)の第3の傾斜面(96)が第2の傾斜面(90)に接触して摺動し、従動部(81)及び鑑別装置(2)全体は、図24の矢印方向で示すように、第1及び第2の傾斜面(89,90)により形成される接近通路(84)に沿って収納装置(3)に向って斜めに移動する。従動部(81)が係止通路(85)に到達して、従動部(81)の第1の従動面(94)が近位面(91)に接触すると、同時に、鑑別装置(2)の下蓋(15a)から突出する1対の後駆動歯車(12)及び複数の防御突起(58)は、収納装置(3)の上面(62)の複数の係合溝(53)内に嵌合される。このとき、図19及び図25に示すように、駆動装置(1)の後駆動歯車(12)は、収納搬送装置(6)の駆動歯車(76)に噛み合う。
【0028】
図16に示すように、駆動装置(1)内の中間搬送通路(48)の出口となる排出口(55)がケース(15)の底壁(15b)に設けられ、駆動装置(1)の駆動搬送装置(9)の後駆動歯車(12)の駆動搬送歯車(201)と駆動押込歯車(202)は、ケース(15)の底壁(15b)に設けられる歯車開口部(56a,56b)から突出し、歯車開口部(56a,56b)の周囲には底壁(15b)から突出する複数の防御突起(58)が後駆動歯車(12)の周辺に設けられる。防御突起(58)の突出量は、後駆動歯車(12)の突出量と同一か又はそれ以上に設定され、後駆動歯車(12)の周辺を包囲する。防御突起(58)は、紙幣(35)の排出口(55)に対して直角にかつ互いに平行に延伸する。図17に示すように、鑑別装置(2)の下蓋(15a)に平行に設けられる収納装置(3)の上面(62)には、搬送される紙幣(35)を受け入れる取入口(59)と、上面(62)上で取入口(59)に対して直角方向に帯状に伸びる複数の係合溝(53)とが設けられる。収納装置(3)の上面(62)から内側に窪む係合溝(53)は、収納装置(3)の上面(62)に長さ方向に延伸する。収納搬送装置(6)の駆動歯車(761)を外部に露出させる歯車開口部(57a)及び押込装置(7)の押込歯車(762)を外部に露出させる歯車開口部(57b)が係合溝(53)に設けられ、係合溝(53)の内側に細長い複数の突起(65)が設けられる。
【0029】
フレーム(4)に駆動装置(1)を装着すると、図23に示すように、駆動装置(1)の防御突起(58)は、係合溝(53)に係合されると共に、駆動装置(1)の後駆動歯車(12)は、収納搬送装置(6)の駆動歯車(76)に噛み合い、駆動装置(1)の排出口(55)と収納装置(3)の取入口(59)とが整合されせる。後駆動歯車(12)の中間歯車(201)及びプーリ歯車(202)の少なくとも各一部は、歯車開口部(57)から突出して、それぞれ収納装置(3)の駆動歯車(761)及び押込歯車(762)に駆動連結される。また、図20に示すように、収納搬送装置(6)の駆動歯車(761)が収納装置(3)内に設けられる。例えば、当接面(93)に接触する係止通路(85)の最奥部に従動部(81)が配置されて、鑑別装置(2)と収納装置(3)とをフレーム(4)に正しく取り付けた図18及び図19に示す装着位置では、後駆動歯車(12)の駆動搬送歯車(201)及び駆動押込歯車(202)は、図25に示すように、それぞれ駆動歯車(761)及び押込歯車(762)に噛合って、収納装置(3)内で紙幣(35)を搬送する収納搬送装置(6)及び紙幣(35)を押込む押込装置(7)を駆動する。
【0030】
例えば、後駆動歯車(12)の駆動搬送歯車(201)は、電動装置(17)の搬送モータ(701)の正転時に収納搬送装置(6)を駆動して、紙幣(35)を収納装置(3)の待機室(78)内に取り込み、搬送モータ(701)の逆転時に中間搬送通路(48)及び鑑別搬送通路(10)内の紙幣(35)を入口(14)に戻すことができる。また、紙幣(35)が待機室(78)内に配置されているとき、押込モータ(702)を駆動することにより、動力伝達装置(8)及び後駆動歯車(12)の駆動押込歯車(202)を回転して、押込装置を作動し、紙幣(35)を待機室(78)から収納室(79)内に押込むことができる。
【0031】
[5] ラッチ装置
図26〜図29に示すように、鑑別装置(2)のラッチ装置(120)は、軸(121)に回転可能に取り付けられる係止レバー(122)と、回転可能に軸(123)に固定される作動レバー(124)と、軸(123)に固定されるハンドル(125)とを備える。係止レバー(122)は、ブラケット(82)に形成される開口部(82a)に係止するストッパ(126)と、引張弾性力を発生するスプリング(127)の一端が接続される付勢端部(128)と、作動レバー(124)に回転可能に連結されるピン(129)が嵌合される長孔(130)とを有する。駆動装置(1)のケース(15)の側壁(51)に固定されるスプリング(127)は、係止レバー(122)を軸(121)の周りに反時計方向に付勢する。駆動装置(1)をフレーム(4)に装着する際に、ストッパ(126)がブラケット(82)の上面を摺動するとき、スプリング(127)の弾力に抗して係止レバー(122)を時計方向に回転させるレバー傾斜面(126a)を有する。また、ハンドル(125)が引張操作されたときも同様に係止レバー(122)を時計方向に回転させる。
【0032】
本実施の形態では、カム案内部(80)と従動部(81)との間に付加的構成部品を設けずに、フレーム(4)と駆動装置(1)との外側形状により連結装置(4)を形成できる。また、駆動装置(1)と収納装置(3)との間に従来必要とされた連結装置を設ける必要がないため、紙幣(35)を収容する収納装置(3)の高さ方向又は長手方向の容量を拡張できる。収納装置(3)を長さ方向に拡張すると、従来では収納できない長さの紙幣(35)も収納でき、紙幣取扱装置の活用幅を広げる事ができる。駆動装置(1)の後駆動歯車(12)は、外部物体との衝突に対して防御突起(58)により保護され、収納装置(3)の駆動歯車(76)が収納装置(3)の上面よりも突出しないため、駆動装置(1)の着脱操作による後駆動歯車(12)の損傷を防止でき、紙幣取扱装置の使用寿命を延長することができる。
【0033】
図24に示すように、ストッパ(126)がブラケット(82)の表面に当接しながら従動部(81)が遠位通路(83)を通過するとき又は第1の傾斜面(89)及び第2の傾斜面(90)に沿って従動部(81)が接近通路(84)を通過して、従動部(81)がカム案内部(80)に沿って下降するとき、ストッパ(126)は、ブラケット(82)の表面に当接する。この場合に、ラッチ装置(120)のストッパ(126)のレバー傾斜面(126a)がブラケット(82)の縁部(82b)に当接するため、係止レバー(122)は、スプリング(127)の弾力に抗して軸(121)の周りに時計方向に回転され、ブラケット(82)の表面上を摺動する。従動部(81)の端面(104)が係止通路(85)の当接面(93)に接触すると、スプリング(127)の弾力により係止レバー(122)が反時計方向に回転されて、ストッパ(126)は、ブラケット(82)に形成される開口部(82a)に係止されるため、ラッチ装置(120)は、フレーム(4)の所定の位置に駆動装置(1)を位置決めすると共に、フレーム(4)からの駆動装置(1)の引抜を阻止する。
【0034】
駆動装置(1)をフレーム(4)から引出すには、スプリング(127)の弾力に抗してハンドル(125)を手動で下方に回転すると、作動レバー(124)が軸(123)の周りに反時計方向に回転されるので、ピン(129)を介して係止レバー(122)が時計方向に上方に回転される。係止レバー(122)が時計方向に回転されると、ストッパ(126)と開口部(82a)との係合が解除されるため、駆動装置(1)を手前に引いて、従動部(81)をカム案内部(80)から分離し、駆動装置(1)をフレーム(4)から取り外すことができる。
【0035】
[6] 駆動装置と収納装置との駆動連結
駆動装置(1)のケース(15)をフレーム(4)に向って奥に押込むと、図22に示すように、従動部(81)は、カム案内部(80)の係止通路(85)に沿って僅かに水平に移動し、従動部(81)の端面(104)は、係止通路(85)の当接面(93)に接触して、駆動装置(1)は、正しく装着位置に配置され、従動部(81)の進行方向への更なる移動が阻止される。駆動装置(1)が正しく装着位置に配置されると、後駆動歯車(12)は、駆動歯車(76)に駆動連結される。また、従動部(81)の第4の傾斜面(98)は、入口傾斜面(88)に接触又は対向し、従動部(81)の突起(103)は、案内入口(105)の縁部(102)に対向し又は接触する。同時に、図23に示すように、従動部(81)の第3の傾斜面(96)とカム案内部(80)の第2の傾斜面(90)との間に間隙が形成される。別法として、従動部(81)が係止通路(85)に到達して、従動部(81)の第1の従動面(94)が近位面(91)に接触する時点で、後駆動歯車(12)と駆動歯車(76)とを駆動連結してもよく、更に、後駆動歯車(12)と駆動歯車(76)との少なくとも一方をバネ等の弾性体により付勢して、弾性的に緩衝連結させても良い。
【0036】
このように、駆動装置(1)をフレーム(4)に装着するとき、遠位通路(83)に沿って従動部(81)を移動することにより、ブラケット(82)及び収納装置(3)から離間する位置に駆動装置(1)を保持しながら、駆動装置(1)の後駆動歯車(12)をブラケット(82)又は収納装置(3)に接触させずに、収納装置(3)の上面(62)に対して駆動装置(1)を相対的に平行に水平に移動し、その後、収納装置(3)に接近させながら、接近通路(84)に沿って従動部(81)を斜めに移動して、係止通路(85)に達する。このとき、従動部(81)の第1の従動面(94)は、カム案内部(80)の近位面(91)に当接する。従動部(81)が係止通路(85)に達したとき又は係止通路(85)に沿って従動部(81)を僅かに奥に移動して、係止通路(85)の装着位置に従動部(81)が到達したとき、駆動装置(1)の後駆動歯車(12)を収納装置(3)の駆動歯車(76)に直接駆動連結させて、後駆動歯車(12)の損傷を防止することができる。また、従動部(81)が係止通路(85)に達したとき、駆動装置(1)の下蓋(15a)の防御突起(58)を収納装置(3)の上面(62)の係合溝(53)内に嵌合させると共に、駆動装置(1)の排出口(55)と収納装置(3)の取入口(59)とを整合させて、駆動装置(1)を正しく装着位置に配置することができる。図示の実施の形態では、フレーム(4)にカム案内部(80)を形成し、駆動装置(1)の一対の側壁(51)に従動部(81)を形成する例を示したが、逆にフレーム(4)に従動部(81)を形成し、駆動装置(1)の一対の側壁(51)にカム案内部(80)を形成することもできる。
【0037】
[7] 第4の被駆動装置=駆動搬送装置
図2及び図3に示すように、駆動搬送装置(9)は、動力伝達装置(8)を介して電動装置(17)に駆動連結されて引抜防止ユニット(41)を一体に回転する駆動プーリ(32)と、駆動プーリ(32)に捲回されて中間搬送通路(48)に沿って紙葉、即ち紙幣(35)を搬送する駆動ベルト(36)とを備える。鑑別装置(2)の鑑別搬送通路(10)を通り搬送される紙幣(35)は、駆動装置(1)内の中間搬送通路(48)に供給され、駆動装置(1)内に回転可能に設けられる押圧ローラ(33)と駆動プーリ(32)、アイドルローラ(38)及び第1のプーリ(74)に捲回される駆動ベルト(36)との間に挟持されて、中間搬送通路(48)に沿って収納装置(3)に搬送される。
【0038】
[8] 第5の被駆動装置=引抜防止ユニット
引抜防止ユニット(41)は、駆動ベルト(36)により回転されるロータプーリ(34)を有するロータ(42)を備える。図34に示すように、ロータ(42)は、支持フレーム(22)に支持される支持軸(140)と、支持軸(140)が配置される貫通孔(142)が形成されて支持軸(140)上で回転されるローラ(43)とを備える。
【0039】
図30に示すように、ローラ(43)は、円筒部(44)と、同軸上に一列にかつ互いに間隔を空けて円筒部(44)に固定されかつ円筒部(44)から径方向外側に延伸するフランジ状の複数のディスク(151)とを備える。各ディスク(151)の両面の各々には、間隔を空けて隣り合うディスク(151)の対向する径方向面(152)に向って軸方向に突出するフィン(143)が形成される。フィン(143)の径方向外側縁に先細となる案内面(144)が各フィン(143)に形成され、フィン(143)の径方向内側縁には、顎(145)が形成され、案内面(144)と顎(145)との間のフィン(143)の先端には、フック(146)が形成されるので、各フィン(143)は、全体的にほぼ矢羽根状又は三角形状に形成される。
【0040】
図31に示すように、フィン(143)の先端に形成されるフック(146)は、幅方向かつ内側に、即ち円周方向にかつ径方向内側にフィン(143)から突出して、顎(145)とローラ(43)の円筒部(44)との間に形成される捕捉空間(147)から引抜手段(170)となる糸、紐又はテープ等が抜け出ることを防止し、これにより、紙幣(35)の不正な引抜を阻止することができる。
【0041】
搬送される紙幣(35)に接触するディスク(151)の外縁に沿って紙幣(35)が搬送されるとき、ロータプーリ(34)は、電動装置(17)の作動によりロータ(42)と一体に回転される。紙幣(35)が引抜防止ユニット(41)を通過したとき、駆動ベルト(36)は、中間搬送通路(48)に沿って収納装置(3)に向って紙幣(35)を更に搬送する機能がある。
【0042】
[9] 紙幣鑑別装置の組立
電動装置(17)に駆動接続される第3及び第5の被駆動装置としてそれぞれ駆動搬送装置(9)と引抜防止ユニット(41)とが動力伝達装置(8)に設けられかつ支持フレーム(22)に取り付けられるほぼ三角断面の駆動ユニット(13)を図8〜図12に示すように、ケース(15)内に容易に装着することができる。図8に示すように、支持フレーム(22)は、動力伝達装置(8)を構成するヒンジ軸(73)を回転可能に支持する図示しない軸受を固定する円筒状又は半円筒状の一対のヒンジ筒(160)を備え、ケース(15)内に形成される半円形断面の対応する枢軸支持部(161)に各ヒンジ筒(160)を着脱自在に装着すると同時に、ヒンジ軸(73)を受ける切欠部(162)がケース(15)内に形成される。駆動ユニット(13)をケース(15)内に装着する際に、図12に示すように、駆動ユニット(13)のヒンジ筒(160)を対応する枢軸支持部(161)内に嵌合した後、図9〜図12に示すように、ヒンジ筒(160)を支点として、駆動ユニット(13)を時計方向に回転すると、図7及び図9に示すように、駆動ユニット(13)をケース(15)内の所定の位置に配置することができ、この状態で取付ねじ(163)をケース(15)にねじ連結することにより、駆動ユニット(13)をケース(15)内の所定の位置に固定することができる。ケース(15)内の所定の位置に駆動ユニット(13)を配置すると、引抜防止ユニット(41)のロータ(42)及びロータプーリ(34)に捲回される駆動ベルト(36)は、湾曲する中間搬送通路(48)に面して自動的に正しく配置されると同時に、前駆動歯車(11)を自動的に正しく出力歯車(39)に噛み合わせることができる。ここで、ケース(15)の底面に下蓋(15a)を蓋ねじ(164)により固定することができる。
【0043】
図15は、本発明の実施の形態による紙幣鑑別装置を完全に組み立てた状態を示し、図6は、紙幣鑑別装置を組み立てる前の状態を示し、図8は、駆動ユニット(13)を駆動装置(1)に組み込む前の状態を示す。組立の際に、まず駆動ユニット(13)を前記の通りケース(15)内に正しく装着した後に、取付ねじ(163)で駆動ユニット(13)をケース(15)内に固定し、下蓋(15a)をケース(15)の底面に取り付けて、下蓋(15a)を蓋ねじ(164)でケース(15)に固定する。
【0044】
次に、滑動連結装置(16)により鑑別装置(2)のハウジング(20)を駆動装置(1)のケース(15)に着脱可能に取り付け、カム連結装置(19)により駆動装置(1)のケース(15)をフレーム(4)に着脱可能に取り付け、収納装置(3)をフレーム(4)に着脱可能に取り付ける。駆動装置(1)のケース(15)をフレーム(4)に取り付けるとき、ラッチ装置(120)の係止レバー(122)は、ブラケット(82)の開口部(82a)に自動的に係止され、フレーム(4)からのケース(15)の引抜が阻止される。駆動装置(1)、鑑別装置(2)、収納装置(3)及びフレーム(4)の前記取付順序には優先順位がなく、必要な装置から互いに着脱自在に取り付けることができる。例えば、滑動連結装置(16)により鑑別装置(2)のハウジング(20)を駆動装置(1)のケース(15)に着脱可能に取り付けることにより、鑑別搬送装置の入力歯車(21)を出力歯車(39)に自動的に噛み合わせて、鑑別搬送装置を駆動装置(1)に着脱自在に駆動連結すると同時に、鑑別装置(2)の鑑別搬送通路を駆動装置(1)の中間搬送通路に自動的に連結することができる。
【0045】
また、カム連結装置(19)により駆動装置(1)のケース(15)をフレーム(4)に着脱可能に取り付けることにより、フレーム(4)のブラケット(82)及び収納装置(3)に当接させずに、駆動装置(1)の後駆動歯車(12)を収納装置(3)の収納搬送装置(6)の駆動歯車(76)に自動的にかつ分離可能に噛み合わせると同時に、駆動装置(1)の排出口(55)を収納装置(3)の取入口(59)に分離可能に整合させると共に、駆動装置(1)の防御突起(58)を収納装置(3)の上面(62)の係合溝(53)に係合させることができる。この場合に、収納装置(3)を着脱自在にフレーム(4)に取り付けた後に、カム連結装置(19)により駆動装置(1)をフレーム(4)に着脱自在に取付ても、逆に、カム連結装置(19)により駆動装置(1)をフレーム(4)に着脱自在に取り付けた後に、フレーム(4)に着脱自在に収納装置(3)を取り付けても、駆動装置(1)と収納装置(3)との駆動連結及び搬送通路連結を達成することができる。このように、駆動装置(1)、搬送装置(2)、収納装置(3)及びフレーム(4)を分離する個別のユニットとして取り扱いかつ組立ることができる。図15は、本発明による紙幣鑑別装置を組み立てた状態を示す。
【0046】
[10] 紙幣鑑別装置の使用
紙幣鑑別装置を組み立て後に、鑑別装置(2)の投入口(49)に紙幣(35)を挿入すると、投入口(49)への紙幣(35)の挿入を光学式入口センサが検出して、ケース(15)内の駆動制御装置に検出信号を発生するので、駆動制御装置は、搬送モータ(701)を正転させる。これにより、搬送モータ(701)の駆動力が動力伝達装置(8)、前駆動歯車(11)、出力歯車(39)を通じて入力歯車(21)に伝達されて鑑別搬送装置(5)が駆動されると同時に、動力伝達装置(8)を通じて駆動搬送装置(9)の駆動ベルト(36)が正転駆動されて、紙幣(35)が鑑別搬送通路(10)に沿って駆動装置(1)に向って搬送される。このとき、後駆動歯車(12)と収納装置(3)の駆動歯車(76)とを通じて電動装置(17)の動力が収納装置(3)の収納搬送装置(6)に伝達されるので、収納搬送装置(6)も同時に正転される。鑑別搬送通路(10)に沿って移動される紙幣(35)の光学的特徴又は磁気的特徴が、図示しない鑑別センサにより検出され、鑑別センサは、紙幣(35)の光学的信号又は磁気的信号を発生する。駆動制御装置は、鑑別センサからの紙幣(35)の光学的信号又は磁気的信号を受信し、受信した信号に基づいてが紙幣(35)の真贋を判断する。駆動制御装置が紙幣(35)を真札とすると、鑑別搬送装置(5)を継続して正転して、紙幣(35)を駆動装置(1)に送出する。駆動制御装置は、紙幣(35)を真札と判断しないとき、搬送モータ(701)を逆転して、動力伝達装置(8)を逆転するので、駆動搬送装置(9)の駆動ベルト(36)と鑑別搬送装置(5)とが逆転されて、紙幣(35)は、鑑別装置(2)の投入口(49)に戻される。
【0047】
真札と判断される紙幣(35)は、鑑別搬送通路(10)から駆動装置(1)の中間搬送通路(48)内に送出され、正転する駆動ベルト(36)と押圧ローラ(33)との間に挟持されて中間搬送通路(48)に沿って収納装置(3)に向って搬送される。駆動ベルト(36)と押圧ローラ(33)により中間搬送通路(48)を通る紙幣(35)は、中間搬送通路(48)の排出口(55)及び収納装置(3)の取入口(59)を通り収納装置(3)の待機室(78)内に搬送される。紙幣(35)が収納装置(3)の待機室(78)内に搬送されたとき、押込モータ(702)を駆動することにより、収納搬送装置(6)が作動されて、紙幣(35)は、待機室(78)から収納室(79)内に押し込まれる。
【0048】
紙幣(35)の後端が引抜防止ユニット(41)を通過したとき、糸、紐又はテープ等の引抜手段が紙幣(35)の後端に接続されていると、紙幣(35)の前進移動に伴い、糸も鑑別搬送通路(10)及び中間搬送通路(48)内に牽引され、紙幣(35)に接続される糸は、フィン(143)の傾斜する案内面(144)に沿って径方向内側に移動されて、フィン(143)の顎(145)に係合する。この場合に、鑑別搬送通路(10)から円弧状の中間搬送通路(48)を通って糸(170)が延伸し、駆動ベルト(36)と押圧ローラ(33)の前進運動により、紙幣(35)と糸を牽引する引張力が発生する。場合により重力と共に引張力により、直線距離又は最短距離で延伸させる作用が湾曲する中間搬送通路(48)内の糸に与えられるので、引張力と重力は、円弧状の中間搬送通路(48)内のフィン(143)の案内面(144)の周りに糸(170)を押し付けて、フィン(143)の案内面(144)上で糸(170)を滑動させ、最終的に図7、図32及び図33に示すように、捕捉空間(147)内に糸を追い込み係止させることができる。
【0049】
換言すれば、ロータ(42)の回転により、フィン(143)の周囲に形成される傾斜間隙及び円周方向間隙を通り紙幣(35)に接続される糸を移動させて、少なくとも1つのフィン(143)又はフィン(143)の少なくとも1つの顎(145)に係合させることができる。このとき発生する緊張力により、フィン(143)の案内面(144)に可撓性の糸が押し付けられ、案内面(144)に沿って糸が径方向内側に滑動して、傾斜間隙及び円周方向間隙を通り、顎(145)と円筒部(44)との間の捕捉空間(147)内に糸が押込まれる。従って、可撓性の糸(170)は、捕捉空間(147)内に円滑に押込まれ、ロータ(42)の回転により円筒部(44)と単一又は複数のフィン(143)に可撓性の糸を絡めることができる。
【0050】
[11] 紙幣鑑別装置の分解
駆動装置(1)、鑑別装置(2)、収納装置(3)及びフレーム(4)の取外順序には優先順位がなく、必要な装置を必要なときに、取り外すことができる。例えば、ラッチ手段の解除後に又はラッチ手段を操作せずに、駆動装置(1)のケース(15)から鑑別装置(2)のハウジング(20)を引き出して滑動連結装置(16)を開放すれば、鑑別装置(2)の入力歯車(21)と駆動装置(1)の出力歯車(39)との係合が解除され、鑑別装置(2)を駆動装置(1)から取り外すことができる。また、ラッチ装置(120)のハンドル(125)を下方に引張操作すると、係止レバー(122)とブラケット(82)の開口部(82a)との係合が解除されるため、従動部(81)をカム案内部(80)から取り外して、駆動装置(1)の後駆動歯車(12)と収納装置(3)の駆動歯車(76)との係合を解除して、駆動装置(1)をフレーム(4)から分離することができる。収納装置(3)もフレーム(4)に対して着脱自在に取り付けることができ、必要に応じて収納装置(3)をフレーム(4)及び駆動装置(1)から分離することができる。フレームに対して着脱可能に取り付ける収納装置は、例えば、特許文献2に開示されている。このように、本発明の実施の形態では、検査、修理及び部品又はユニット交換のため、組立作業とは逆の操作により紙幣鑑別装置を構成する駆動装置(1)、搬送装置(2)、収納装置(3)及びフレーム(4)を分離する個別のユニット毎に分離することができる。
【0051】
[12] 作用効果
本実施の形態による紙幣鑑別装置は、下記の作用及び効果を生ずる。
[1] 駆動装置(1)、鑑別装置(2)、収納装置(3)及びフレーム(4)をユニット化して個別に製造、組立、点検、分解及び交換することができる。
[2] 組み立て後に、駆動装置(1)に設けられる電動装置(17)を構成する搬送モータ(701)及び押込モータ(702)を鑑別装置(2)及び収納装置(3)にそれぞれ設けられる鑑別搬送装置(5)、収納搬送装置(6)及び押込装置(7)に分離可能にかつ有機的に連動して駆動連結できる。
[3] 駆動連結した全ての搬送装置及び押込装置を同期させて連動させて、鑑別装置(2)に設けられる鑑別搬送通路(10)、駆動装置(1)に設けられる中間搬送通路(48)及び収納装置(3)に設けられる待機室(78)を通じて紙葉(35)を搬送し、収納することができる。
[4] 単一の駆動装置(1)に設けられる搬送モータ(701)、押込モータ(702)及び駆動制御装置により鑑別搬送装置(5)、収納搬送装置(6)及び押込装置(7)を集中駆動するので、動力及び制御装置を設ける必要のない鑑別装置(4)及び収納装置(3)を軽量化することができる。
[5] 駆動装置(1)内に設けられる駆動搬送装置(9)及び引抜防止ユニット(41)も搬送モータ(701)により連動して駆動することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、複数の被駆動装置を分離可能に電動装置に駆動連結して駆動すると共に、必要に応じて各被駆動装置を駆動装置から分離することができる装置、特に、互いに分離可能な駆動装置、鑑別装置及び収納装置を備える紙葉類取扱装置の構造に適する。
【符号の説明】
【0053】
(1)・・紙葉類取扱装置、 (2)・・鑑別装置、 (3)・・収納装置、 (4)・・フレーム、 (5)・・鑑別搬送装置(第1の被駆動装置)、 (6)・・収納搬送装置(第2の被駆動装置)、 (7)・・押込装置(第3の被駆動装置)、 (8)・・動力伝達装置、 (9)・・駆動搬送装置(第4の被駆動装置)、 (10)・・鑑別搬送通路、 (11)・・前駆動歯車、 (12)・・後駆動歯車、 (13)・・駆動ユニット、 (14)・・入口、 (15)・・ケース、 (16)・・滑動連結装置、 (17)・・電動装置、 (19)・・カム連結装置、 (20)・・ハウジング、 (21)・・入力歯車(第1の被駆動歯車)、 (22)・・支持フレーム、 (23)・・ピニオン、 (32)・・駆動プーリ、 (33)・・押圧ローラ、 (34)・・ロータプーリ、 (35)・・紙幣、 (36)・・駆動ベルト、 (38)・・アイドルローラ、 (39)・・出力歯車、 (40)・・側壁、 (41)・・回転式引抜防止ユニット(第5の被駆動装置)、 (42)・・ロータ、 (43)・・ローラ、 (44)・・円筒部、 (45)・・ディスク、 (45a)・・径方向面、 (48)・・中間搬送通路、 (49)・・投入口、 (51)・・側壁、 (52)・・レール、 (53)・・係合溝、 (55)・・排出口、 (57)・・開口部、 (58)・・防御突起、 (59)・・取入口、 (62)・・上面、 (63)・・第3の歯車、 (64)・・第4の歯車、 (65)・・第5の歯車、 (66)・・第6の歯車、 (67)・・第7の歯車、 (68)・・第8の歯車、 (69)・・第9の歯車、 (70)・・第10の歯車、 (71)・・第11の歯車、 (72)・・第12の歯車、 (73)・・ヒンジ軸、 (74)・・第1のプーリ、 (75)・・第2のプーリ、 (76)・・駆動歯車、 (78)・・待機室、 (80)・・カム案内部、 (81)・・従動部、 (82)・・ブラケット、 (83)・・遠位通路、 (84)・・接近通路、 (85)・・係止通路、 (86)・・遠位面、 (87)・・突起面、 (88)・・入口傾斜面、 (89)・・第1の傾斜面、 (90)・・第2の傾斜面、 (91)・・近位面、 (92)・・係止面、 (93)・・当接面、 (94)・・第1の従動面、 (95)・・第2の従動面、 (96)・・第3の傾斜面、 (97)・・第3の従動面、 (98)・・第4の傾斜面、 (99)・・第4の従動面、 (100)・・第5の傾斜面、 (101)・・第5の従動面、 (102)・・縁部、 (103)・・突起、 (104)・・端面、 (120)・・ラッチ装置、 (121)・・軸、 (122)・・係止レバー、 (123)・・軸、 (124)・・作動レバー、 (125)・・ハンドル、 (126)・・ストッパ、 (127)・・スプリング、 (128)・・付勢端部、 (129)・・ピン、 (130)・・長孔、 (140)・・支持軸、 (142)・・貫通孔、 (143)・・フィン、 (144)・・案内面、 (145)・・顎、 (146)・・フック、 (147)・・捕捉空間、 (150)・・、 (151)・・ディスク、 (152)・・径方向面、 (160)・・ヒンジ筒、 (161)・・枢軸支持部、 (162)・・切欠部、 (163)・・取付ねじ、 (164)・・蓋ねじ、 (170)・・糸(引抜手段)、 (201)・・駆動搬送歯車、 (202)・・駆動押込歯車、 (701)・・搬送モータ、 (702)・・押込モータ、 (710〜713)・・歯車、 (714)・・ピン、 (715)・・アーム、 (716)・・開口部、 (717)・・リンク装置、 (761)・・搬送歯車、 (762)・・押込歯車、 (763)・・プーリ歯車、 (764)・・プーリ、 (765)・・ベルト、 (766)・・アイドラ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動装置と、電動装置に駆動連結される動力伝達装置と、動力伝達装置を介して電動装置の駆動力により回転される前駆動歯車及び後駆動歯車とを有する駆動装置を備え、
前駆動歯車に鑑別装置を係脱自在に駆動連結すると共に、後駆動歯車に収納装置を係脱自在に駆動連結して、電動装置の動力により鑑別装置及び収納装置を駆動することにより、鑑別装置に形成される鑑別搬送通路、駆動装置に形成される中間搬送通路及び収納装置に形成される待機室を通じて紙葉を搬送することを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項2】
動力伝達装置を介して電動装置の駆動力により回転される駆動ベルトを備える請求項1に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項3】
動力伝達装置を介して電動装置の駆動力により回転される引抜防止ユニットを備える請求項2に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項4】
単一の駆動ユニットに組立られる請求項1〜3の何れか1項に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項5】
単一の駆動ユニットとして駆動装置の全ての構成要素を支持する支持フレームを備える請求項4に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項6】
電動装置は、少なくとも1つのモータである請求項1〜5の何れか1項に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項7】
電動装置は、正転及び逆転が可能なリバーシブルモータである請求項6に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項8】
電動装置と、動力伝達装置と、単一の駆動ユニットとして電動装置及び動力伝達装置を一体に支持する支持フレームと、駆動ユニットを一体に収容するケースを備え、
支持フレームは、円筒状又は半円筒状の一対のヒンジ筒を備え、
ケースに形成される一対の枢軸支持部にヒンジ筒を着脱自在かつ回転可能に装着して、ケース内に向って駆動ユニットを回転することにより駆動ユニットをケース内に装着することを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項9】
動力伝達装置を介して電動装置の駆動力により回転される前駆動歯車と後駆動歯車とを備え、
電動装置及び動力伝達装置と共に、単一の駆動ユニットとして前駆動歯車及び後駆動歯車を支持フレームにより一体に支持する請求項8に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項10】
ケース内に回転可能に支持される出力歯車を備え、
駆動ユニットをケース内の所定の取付位置に回転したとき、前駆動歯車は、ケース内に回転可能に支持される出力歯車に自動的にかつ分離可能に噛み合う請求項9に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項11】
動力伝達装置を介して電動装置の駆動力により回転される駆動搬送装置を備え、
駆動搬送装置は、駆動ユニットをケース内の所定の取付位置に回転したとき、ケース内に回転可能に支持される押圧ローラに自動的にかつ分離可能に接触する駆動ベルトを備える請求項10に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項12】
電動装置は、少なくとも1つのモータである請求項8〜11の何れか1項に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項13】
電動装置は、正転及び逆転が可能なリバーシブルモータである請求項8〜12の何れか1項に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項14】
駆動装置と、駆動装置に対し分離可能に駆動連結される鑑別装置とを備え、
駆動装置は、電動装置と、動力伝達装置を介して電動装置により駆動される前駆動歯車と、電動装置、動力伝達装置及び前駆動歯車を一体に駆動ユニットとして支持する支持フレームと、駆動ユニットを収容するケースとを備え、
鑑別装置は、鑑別搬送通路と、鑑別搬送通路に沿って紙葉を搬送する鑑別搬送装置とを備え、
駆動装置の前駆動歯車に分離可能に駆動連結される入力歯車を鑑別搬送装置に設けたことを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項15】
鑑別装置は、鑑別搬送装置及び鑑別搬送通路を包囲するハウジングを有し、
駆動装置のケースと鑑別装置のハウジングとの間に分離可能な滑動連結装置を設け、
滑動連結装置を介して鑑別装置のハウジングをケースに着脱自在に係合した請求項14に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項16】
分離可能な滑動連結装置を介して鑑別装置のハウジングをケースに係合することにより、自動的にかつ係脱自在に鑑別装置の鑑別搬送装置の入力歯車を前駆動歯車に直接かつ自動的に駆動連結して、前駆動歯車を介して鑑別搬送装置を駆動する請求項15に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項17】
駆動装置は、紙葉を案内する中間搬送通路を備え、
分離可能な滑動連結装置を介して鑑別装置のハウジングをケースに係合したとき、鑑別装置の鑑別搬送通路は、中間搬送通路に自動的にかつ分離可能に接続される請求項16に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項18】
駆動装置と、駆動装置に対し分離可能に駆動連結される収納装置とを備え、
駆動装置は、電動装置と、動力伝達装置を介して電動装置により駆動される後駆動歯車と、電動装置、動力伝達装置及び後駆動歯車を一体に駆動ユニットとして支持する支持フレームと、駆動ユニットを収容するケースとを備え、
収納装置は、待機室と、駆動装置の中間搬送通路から待機室に紙葉を搬送する収納搬送装置とを備え、
収納搬送装置は、駆動装置の後駆動歯車に分離可能に駆動連結される駆動歯車を有することを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項19】
フレームと、
駆動装置のケースをフレームに着脱自在に連結する着脱自在なカム連結装置とを備え、
カム連結装置を介してケースをフレームに着脱自在に装着したとき、駆動装置の後駆動歯車は、収納搬送装置の駆動歯車に自動的に分離可能に駆動連結される請求項18に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項20】
収納装置は、フレームに着脱自在に取り付けられる請求項18又は19に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項21】
カム連結装置を介してケースをフレームに着脱自在に装着したとき、駆動装置の中間搬送通路の排出口は、収納装置の取入口に自動的に連絡する請求項18〜20の何れか1項に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項22】
電動装置の搬送モータの駆動時に、収納搬送装置は、中間搬送通路から送られる紙葉を待機室に取り込み、
電動装置の押込モータの駆動時に、収納搬送装置は、待機室内の紙葉を収納室に押込む請求項21に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項23】
駆動装置は、中間搬送通路と、収納装置の待機室に向って中間搬送通路に沿って紙葉を搬送する駆動搬送装置とを備え、
動力伝達装置を介して電動装置の駆動力により駆動搬送装置を駆動する請求項18〜22の何れか1項に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項24】
駆動装置をフレームから分離すると、駆動装置の中間搬送通路は、収納装置の待機室から分離される請求項18〜23の何れか1項に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項25】
駆動搬送装置は、駆動ベルトと、駆動ベルトに接触する押圧ローラとを備え、駆動ベルトと押圧ローラとの間に紙葉を挟持して、中間搬送通路に沿って紙葉を搬送する請求項23又は24に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項26】
駆動ユニットは、駆動搬送装置に駆動連結される引抜防止ユニットを備え、
引抜防止ユニットは、動力伝達装置を介して電動装置により回転駆動される請求項23〜25の何れか1項に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項27】
支持フレームは、円筒状又は半円筒状の一対のヒンジ筒を備え、
ケースに形成される一対の枢軸支持部にヒンジ筒を着脱自在に係止して、ケース内に向って駆動ユニットを回転することにより駆動ユニットをケース内に装着する請求項18〜26の何れか1項に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項28】
引抜防止ユニットは、動力伝達装置を介して電動装置により回転されるロータと、
ロータを回転可能に支持する支持フレームとを備え、
ロータは、同軸上に一列にかつ互いに間隔を空けて配置される複数のディスクと、間隔を空けて隣り合うディスクの対向する径方向面に向ってディスクの少なくとも一方の径方向面から軸方向に突出する矢羽根状の複数のフィンとを備え、
各フィンは、フィンの径方向外側縁に形成される径方向外側に先細の案内面と、フィンの径方向内側縁に形成される顎とを備える請求項26に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項29】
紙葉に接続される引抜手段をフィンに係止する請求項28に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項30】
電動装置及び電動装置に駆動連結される動力伝達装置を有する駆動装置と、
駆動装置の電動装置に個別に駆動連結される鑑別装置及び収納装置とを備え、
異なる複数のユニットとして構成される駆動装置、鑑別装置及び収納装置を互いに着脱自在にかつ有機的に連動可能に駆動連結して、鑑別装置内に挿入される紙葉を駆動装置を通り収納装置に連続的に搬送することを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項31】
駆動装置は、動力伝達装置に駆動連結される前駆動歯車と後駆動歯車とを備え、
鑑別装置は、分離可能に中間搬送通路に連結される鑑別搬送通路と、鑑別搬送通路に沿って紙葉を搬送する鑑別搬送装置とを備え、
鑑別搬送装置は、駆動装置の前駆動歯車に分離可能に駆動連結され、
駆動装置は、中間搬送通路と、鑑別搬送通路からの紙葉を受け取って中間搬送通路に沿って紙葉を搬送する駆動搬送装置とを備え、
収納装置は、分離可能に中間搬送通路に連結される待機室と、中間搬送通路からの紙葉を受け取って待機室内に紙葉を取り込む収納搬送装置とを備え、
収納搬送装置は、駆動装置の後駆動歯車に分離可能に駆動連結される請求項30に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項32】
滑動連結装置により鑑別装置のハウジングを駆動装置のケースに取り付けるとき、鑑別装置の入力歯車は、駆動装置の前駆動歯車に分離可能に駆動連結されかつ鑑別搬送通路は、駆動装置の中間搬送通路の一端に分離可能に連絡する請求項30又は31に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項33】
駆動装置及び収納装置を個別にかつ着脱自在に取り付けるフレームを備え、
カム連結装置により駆動装置のケースを着脱自在にフレームに取り付けるとき、駆動装置の後駆動歯車は、収納装置の収納搬送装置に分離可能に駆動連結されかつ駆動装置の中間搬送通路の他端は、収納装置の待機室に分離可能に連絡する請求項30又は31に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項34】
搬送モータの駆動時に、鑑別装置の鑑別搬送通路内、駆動装置の中間搬送通路内及び収納装置の待機室内で紙葉を前方に搬送し、押込モータの駆動時に、収納装置内で紙葉を収納室内に押込む請求項30〜33の何れか1項に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項35】
カム連結装置は、フレームの側壁及び駆動装置のケースの側壁の一方に形成されるカム案内部と、フレームの側壁及び駆動装置のケースの側壁の他方に形成されかつカム案内部に分離可能に係止する従動部とを備える請求項19〜22及び33の何れか1項に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項36】
カム案内部は、鑑別装置を収納装置から離間して従動部の移動を案内する遠位通路と、遠位通路を通過した従動部を有する駆動装置を収納装置の収納搬送装置との駆動連結位置に向かって案内する接近通路とを備える請求項35に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項37】
フレームからの鑑別装置の引抜方向の移動を阻止するラッチ装置をフレームと鑑別装置との間に設けた請求項19〜36の何れか1項に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項38】
フレームと、フレームに着脱自在に取り付けられる駆動装置と、駆動装置に着脱自在に取り付けられる鑑別装置と、フレームに着脱自在に取り付けられる収納装置とを備え、
駆動装置は、電動装置と、電動装置に駆動連結される動力伝達装置とを備え、
鑑別装置は、動力伝達装置に係脱自在に駆動連結される鑑別搬送装置を備え、
収納装置は、動力伝達装置に係脱自在に駆動連結される収納搬送装置を備えることを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項39】
駆動装置は、電動装置と動力伝達装置とを収容するケースを備え、
鑑別装置は、鑑別搬送装置を収容するハウジングを備え、
滑動連結装置を介して鑑別装置のハウジングを駆動装置のケースに着脱自在に係合することにより、鑑別搬送装置を動力伝達装置に自動的にかつ着脱自在に駆動連結する請求項38に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項40】
動力伝達装置は、いずれも電動装置の駆動力により回転される前駆動歯車と後駆動歯車とを備え、
鑑別搬送装置を動力伝達装置の前駆動歯車に分離可能に駆動連結した請求項38又は39に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項41】
駆動装置は、中間搬送通路を備え、
滑動連結装置を介して鑑別装置のハウジングを駆動装置のケースに着脱自在に係合することにより、鑑別装置の鑑別搬送通路に中間搬送通路の一端を分離可能に接続した請求項38〜40の何れか1項に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項42】
駆動装置は、電動装置と動力伝達装置とを収容するケースを備え、
カム連結装置を介してケースをフレームに着脱自在に係合することにより、収納搬送装置を動力伝達装置に着脱自在に駆動連結した請求項38に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項43】
動力伝達装置は、いずれも電動装置の駆動力により回転される前駆動歯車と後駆動歯車とを備え、
収納搬送装置を動力伝達装置の後駆動歯車に駆動連結した請求項38に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項44】
駆動装置は、駆動装置内で紙葉の搬送を案内する中間搬送通路を備え、
カム連結装置を介してケースをフレームに着脱自在に係合することにより、収納装置の待機室に中間搬送通路の他端を取り外し可能に接続した請求項31又は32に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項45】
駆動装置のケースに形成される防御突起を収納装置の係合溝に嵌合して、収納装置の待機室に中間搬送通路の他端を取り外し可能に接続した請求項33に記載の紙葉類取扱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2011−107920(P2011−107920A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261381(P2009−261381)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000230858)日本金銭機械株式会社 (43)
【Fターム(参考)】