説明

紙葉類計数仕分機

【課題】 スタッカを容易に増設可能であり、作業性を向上することができる紙葉類計数仕分機を提供する。
【解決手段】 機体と、機体に設けられ、複数種類の紙葉類を載置可能なホッパと、ホッパに載置される紙葉類を繰出す繰出手段と、繰出手段によって繰出された紙葉類の情報を読取る読取手段と、機体に増設可能に設けられる複数の増設スタッカと、繰出手段から増設スタッカに紙葉類を搬送する搬送手段と、機体に設けられ、電子機器によって設定される増設スタッカへ仕分けする紙葉類の種類又はバッチ枚数を受信する通信手段と、通信手段で受信した紙葉類の種類又はバッチ枚数、及び読取手段で読取られた情報に基づいて、複数の増設スタッカへ仕分けする制御手段と、を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投票用紙、商品券およびアンケート用紙などの紙葉類を種類別に計数すると共に、複数のスタッカへ仕分けする紙葉類計数仕分機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術の紙葉類計数仕分機では、スタッカの数は、たとえば4個以上6個以下と固定されている。したがってスタッカの数より多い種類が存在する紙葉類を仕分けする場合は、仕分け処理を複数回行っていた。つまり、数が多そうな種類の紙葉類を、それぞれスタッカに仕分けされるように順次設定し、余った1つのスタッカに、残余の種類の紙葉類が仕分けされるように設定する。これによって1回目の仕分け作業が終了した後、仕分けされていない混合状態の紙葉類を再びホッパにセットし、1回目と同様に、スタッカの仕分けを設定して、前述のような仕分け作業を行う。このような作業を繰り返すことによって、種類が多い紙葉類を種類別に仕分けしている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−62753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のような従来の技術では、複数種類の紙葉類を仕分けする場合、スタッカの数が仕分けする紙葉類の種類より少ないとき、前述のように複数回にわたって仕分け作業を行う必要がある。したがって作業効率が悪く、作業時間が長くなるという問題がある。
【0005】
したがって本発明の目的は、スタッカを容易に増設可能であり、作業性を向上することができる紙葉類計数仕分機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、機体と、
前記機体に設けられ、複数種類の紙葉類を載置可能なホッパと、
前記ホッパに載置される紙葉類を繰出す繰出手段と、
前記繰出手段によって繰出された紙葉類の情報を読取る読取手段と、
前記機体に増設可能に設けられる複数の増設スタッカと、
前記繰出手段から前記増設スタッカに紙葉類を搬送する搬送手段と、
前記機体に設けられ、電子機器によって設定される前記増設スタッカへ仕分けする紙葉類の種類又はバッチ枚数を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した紙葉類の種類又はバッチ枚数、及び前記読取手段で読取られた情報に基づいて、前記複数の増設スタッカへ仕分けする制御手段と、を設けたことを特徴とする紙葉類計数仕分機である。
【0007】
また本発明は、前記機体は、前記紙葉類を集積するスタッカを備え、
前記通信手段は、前記電子機器によって設定される前記スタッカへ仕分けする紙葉類の種類、又はバッチ枚数を受信することを特徴とする。
【0008】
さらに本発明は、前記増設スタッカは、前記機体の横方向に増設され、前記スタッカと同じ一方向へ開放されていることを特徴とする。
【0009】
さらに本発明は、前記電子機器は、前記ホッパの紙葉類を全て計数した後、その後の累積加算を行うか行わないかを選択することができることを特徴とする。
【0010】
さらに本発明は、前記制御手段は、前記通信手段で受信した設定及び前記読取手段で読取られた情報に基づいて、仕分けされた紙葉類の枚数の情報を、前記通信手段を介して前記電子機器へ送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、紙葉類は、スタッカの数が少ないこと、またはスタッカの集積空間が小さいことによって、紙葉類を各スタッカに仕分けできない場合であっても、機体に他のスタッカを増設することによって、増設した他のスタッカに仕分けすることができる。したがって仕分け可能なスタッカの数、および仕分け可能な紙葉類の枚数を多くできる。
【0012】
さらに、通信手段で受信した紙葉類の種類又はバッチ枚数、及び前記読取手段で読取られた情報に基づいて、前記複数の増設スタッカへ仕分けするので、増設スタッカを増設した場合であっても、その作業性が低下することなく、紙葉類を仕分けおよび計数することができ、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の一形態の紙葉類計数仕分機1を示す斜視図であって、第1増設スタッカユニット3および第2増設スタッカユニット4が増設された状態の紙葉類計数仕分機1を簡略化して示す斜視図である。
【図2】紙葉類計数仕分機1を示す斜視図であって、第1増設スタッカユニット3および第2増設スタッカユニット4が増設されていない状態の紙葉類計数仕分機1を簡略化して示す斜視図である。
【図3】紙葉類計数仕分機1の内部構成を簡略化して示す側面図である。
【図4】紙葉類計数仕分機1の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】第1方向変換部20を構成する下方Z2の部分を簡略化して示す平面図である。
【図6】第1方向変換部20を構成する上方Z1の部分を簡略化して示す平面図である。
【図7】第1方向変換部20を簡略化して示す側面図である。
【図8】第1増設スタッカユニット3を簡略化して示す斜視図である。
【図9】第1増設スタッカユニット3の内部構成を簡略化して示す側面図である。
【図10】第1増設スタッカユニット3の電気的構成を示すブロック図である。
【図11】第2方向変換部33を構成する下方Z2の部分を簡略化して示す平面図である。
【図12】計数仕分処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の実施の一形態の紙葉類計数仕分機1を示す斜視図であって、第1増設スタッカユニット3および第2増設スタッカユニット4が増設された状態の紙葉類計数仕分機1を簡略化して示す斜視図である。図2は、紙葉類計数仕分機1を示す斜視図であって、第1増設スタッカユニット3および第2増設スタッカユニット4が増設されていない状態の紙葉類計数仕分機1を簡略化して示す斜視図である。紙葉類計数仕分機1は、第1増設スタッカユニット3などが増設されている状態と、単体で用いられる状態とがある。
【0015】
単体の紙葉類計数仕分機1は、紙葉類が載置されるホッパ5と、紙葉類が集積されるスタッカ部6と、これらが設けられる機体9とを含んで構成される。第1増設スタッカユニット3は、機体9の一側面9b(図2参照)に連結され、紙葉類が集積される第1増設スタッカ部7を含んで構成される。第2増設スタッカユニット4は、第1増設スタッカユニット3の一側面50c(図8参照)に連結され、紙葉類が集積される第2増設スタッカ部8を含んで構成される。
【0016】
単体の紙葉類計数仕分機1は、ホッパ5に載置される紙葉類を、その種類毎に仕分け、スタッカ部6または第1増設スタッカユニット3に搬送する。第1増設スタッカユニット3は、機体9から搬送される紙葉類を、その種類毎に仕分け、第1増設スタッカ部7または第2増設スタッカユニット4に搬送する。第2増設スタッカユニット4は、第1増設スタッカユニット3から搬送される紙葉類を、その種類毎に仕分け、第2増設スタッカ部8に搬送する。このように紙葉類計数仕分機1は、ホッパ5に載置される紙葉類を、その種類毎に仕分けし、スタッカ部6、第1増設スタッカ部7または第2増設スタッカ部8に搬送する。
【0017】
紙葉類計数仕分機1は、紙葉類計数仕分機1を制御するための電子機器(図示せず)とケーブルなどを介して電気的に接続される。作業者は、電気機器を操作することによって、紙葉類計数仕分機1の各種の設定を行うことができる。まず、単体の紙葉類計数仕分機1に関して説明し、順次、第1増設スタッカユニット3、第2増設スタッカユニット4および電子機器に関して説明する。
【0018】
図3は、紙葉類計数仕分機1の内部構成を簡略化して示す側面図である。図4は、紙葉類計数仕分機1の電気的構成を示すブロック図である。単体の紙葉類計数仕分機1は、機体9と、機体9の前面9aに設けられるホッパ5と、機体9の前面9aに設けられるスタッカ部6とを含んで構成される。また単体の紙葉類計数仕分機1は、センサ部14、繰出部15、読取部16、判別部17、分類部18、第1搬送部19、通信部21および制御部22をさらに含んで構成される。仕分けすべき紙葉類は、まずホッパ5に載置され、仕分けされると、スタッカ部6に集積される。機体9は、紙葉類計数仕分機1を構成する各構成要素を収納するためのケーシングであって、たとえば直方体状の箱体に形成される。
【0019】
以下、図1に示す機体9の縦長の方向を上下方向Z1,Z2と称する。また機体9の上下方向Z1,Z2に対して垂直な方向のうち、各増設スタッカユニット3,4が増設される方向を左右方向X1,X2と称する。また、機体9の上下方向Z1,Z2および左右方向X1,X2に対して垂直な方向を前後方向Y1,Y2と称する。紙葉類計数仕分機1は、予め定める設置場所に設置された状態では、上下方向Z1,Z2と鉛直方向とが略平行となるように配置されることが好ましい。
【0020】
また、上下方向Z1,Z2の一方であって、ホッパ5が設けられる方向を下方Z2と称し、他方を上方Z1と称する。また前後方向Y1,Y2の一方であって、ホッパ5およびスタッカ部6が設けられる方向を前方Y1と称し、他方を後方Y2と称する。また左右方向X1,X2のうち、機体9を前方Y1から見て、右側を右方X2と称し、左側を左方X1と称する。
【0021】
ホッパ5は、機体9の前面9aの下方Z2である前面9a下部に設けられる。ホッパ5は、複数種類の紙葉類を載置可能な載置空間10aを形成し、載置空間10aを前方Y1へ開放する。この載置空間10aは、たとえば500枚の紙葉類を載置することができる。
【0022】
スタッカ部6は、機体9の前面9aに設けられ、複数のスタッカ11を含んで構成される。各スタッカ11は、ホッパ5の上方Z1に複数配列されて設けられる。各スタッカ11は、複数種類の紙葉類を集積可能な集積空間10bを形成し、集積空間10bを前方Y1へ開放する。この集積空間10bは、たとえば100枚の紙葉類を集積することができる。このようにホッパ5とスタッカ部6とは、機体9の同一の面9aに設けられる。スタッカ部6は、複数、本実施の形態では、4段のスタッカ11から構成される。複数のスタッカ11のうち、少なくともいずれか1つのスタッカ11、たとえば最下段のスタッカ11は無効な紙葉類および読取不能な紙葉類などが収容されるリジェクト専用に設定される。
【0023】
各スタッカ11は、カバー部12および表示部13をそれぞれ備える。各スタッカ11は、構成が互いに同一であり、1つのスタッカ11の構成を説明し、他のスタッカ11の構成については、説明を省略する。
【0024】
カバー部12は、開閉可能であり、開状態では、集積空間10bの前方Y1部分を開放し、閉状態では、集積空間10bの前方Y1部分を閉塞するように構成される。具体的には、カバー部12は、上下方向Z1,Z2に揺動可能であり、自然状態で、集積空間10bに集積される紙葉類の前方Y1および上方Z1への変位を規制する。カバー部12は、下方Z2に向かって、ばね部材などの押圧手段(図示せず)によって押圧されており、押圧力に抗してカバー部12を上方Z1へ角変位させることによって、紙葉類を集積空間10bからの変位を許容することができる。したがって作業者は、カバー部12を上方Z1へ角変位させることによって、集積空間10bに仕分け搬送される紙葉類を抜き出すことができる。これによって前方Y1に仕分け搬送される紙葉類は、カバー部12によって、前方Y1および上方Z1に不所望に放出することなく、集積空間10bに集積される。
【0025】
表示部13は、各スタッカ11に集積される紙葉類に関する情報を表示する。表示部13が表示する紙葉類に関する情報は、たとえば紙葉類の集積状態である。表示部13は、たとえば発光ダイオード(Light Emitting Diode:略称LED)によって実現される。表示部13は、紙葉類が予め定める枚数または満杯になると、表示形態を変更するように制御部22によって制御される。具体的には、表示部13は、対応するスタッカ11に集積される紙葉類が満杯または規定のバッチ枚数に近づくと点灯し、満杯またはバッチ枚数に達すると点滅し、残余の状態では消灯するように制御される。また表示部13は、液晶ディスプレイで構成し、紙葉類の種類および紙葉類に記載されている情報を文字情報などによって表示するように構成してもよい。
【0026】
センサ部14は、複数、本実施の形態では少なくとも第1センサ14a〜第5センサ14eを含んで構成される。第1センサ14aは、ホッパ5に繰出すべき紙葉類が存在しているか否かを検出するためのセンサである。第2センサ14bは、繰出部15によって紙葉類が繰出され、読取部16に紙葉類が搬送されたことを検出すると共に、紙葉類の長さを測定するためのセンサである。第3センサ14cは、読取部16を通過した紙葉類を検出するためのセンサである。第4センサ14dは、各スタッカ11にそれぞれ設けられ、各スタッカ11に搬送された紙葉類の枚数を計数するためのセンサである。第5センサ14eは、各スタッカ11にそれぞれ設けられ、紙葉類が各スタッカ11に存在しているか否かを検出するためのセンサである。センサ部14は、ここでは理解を容易にするため5つのセンサのみ示すが、この5つのセンサを除く残余のセンサも、その目的に応じて適宜用いられる。
【0027】
繰出部15は、繰出手段であって、ホッパ5に載置される複数種類の紙葉類を、1枚ずつ繰出す。
【0028】
読取部16は、読取手段であって、繰出部15によって繰出される紙葉類の少なくとも一部の情報を読取る。読取部16は、紙葉類の画像を読取るイメージセンサ16aを含み、第2センサ14bによって紙葉類が繰出されたことを検出すると、繰出された紙葉類全体をイメージセンサ16aによって読取り、読取ったイメージ情報を判別部17に与える。
【0029】
判別部17は、判別手段としての機能を有し、読取部16から与えられるイメージ情報に基づいて、紙葉類の種類を判別する。判別部17は、たとえば紙葉類が投票用紙である場合、その投票用紙の種類とは、投票者が投票用紙に記載した情報が異なるとき、異なる種類と判別し、具体的には、投票用紙のイメージから候補者名または政党名を判別したり、有権者が付けた選択マークがどの候補者あるいは政党に付けられたものであるかなどを判別する。
【0030】
第1搬送部19は、搬送手段であって、繰出部15によってホッパ5から繰り出される紙葉類を、繰出方向と同じ第1搬送方向のまま、複数のスタッカ11のうちいずれか1つのスタッカ11へ搬送すると共に、第1搬送方向から90度方向変換して、機体9の左右方向X1,X2外方であって、本実施の形態では左方X1に放出可能である。ここで第1搬送方向は、紙葉類が繰出部15によって繰出される繰出方向であって、紙葉類から見た方向である。したがって紙葉類が、たとえば長方形状であり、その長手方向が左右方向X1,X2と平行にホッパに配置される場合、繰出方向は紙葉類の短手方向となる。したがって第1搬送方向は、常に紙葉類の短手方向となる。したがって第1搬送方向から90度方向変換されることによって、紙葉類の短手方向に搬送されていた紙葉類が、紙葉類の長手方向に搬送される。
【0031】
第1搬送部19は、複数の搬送路を備えており、各搬送路は第1増設スタッカユニット3または複数のスタッカ11のうちいずれか1つのスタッカ11に達するように構成される。第1搬送部19は、分類部18によって制御されて、いずれか1つの搬送路が選択される。
【0032】
第1搬送部19は、第1方向変換部20を含んで構成される。第1方向変換部20は、繰出部15によってホッパ5から繰り出される紙葉類を、第1搬送方向から90度方向変換して、左方X1に放出する。したがって第1方向変換部20は、左方X1の面9bに連結される第1増設スタッカユニット3に、紙葉類を搬送する。
【0033】
分類部18は、制御手段としての機能を有し、判別部17での判別結果に応じて、第3センサ14cに紙葉類が来た時点で、該当するスタッカ11,51へ紙葉類を搬送するように第1搬送部19を制御する。ここで該当するスタッカ11,51は、第1増設スタッカユニット3に設けられる第1増設スタッカ51および第2増設スタッカユニット4に設けられる第2増設スタッカ51を含む。
【0034】
通信部21は、通信手段であって、紙葉類を仕分けする制御情報を、第1増設スタッカユニット3および第2増設スタッカユニット4と通信する。紙葉類を仕分けする制御情報は、たとえば判別部17の判別結果に基づく情報、および判別された紙葉類の枚数に基づく情報である。
【0035】
制御部22は、制御手段としての機能を有し、紙葉類計数仕分機1全体の制御、および各スタッカ11に仕分けされた紙葉類の枚数を第4センサ14dに基づいて計数する。
【0036】
次に、第1方向変換部20に関して説明する。図5は、第1方向変換部20を構成する下方Z2の部分を簡略化して示す平面図である。図6は、第1方向変換部20を構成する上方Z1の部分を簡略化して示す平面図である。図7は、第1方向変換部20を簡略化して示す側面図である。図5〜図7では、理解を容易にするため、機体9の一部を省略して示す。
【0037】
第1方向変換部20は、機体9の上方Z1に設けられ、ホッパ5から第1搬送方向に沿って搬送される紙葉類を、90度方向変換して、機体9の左方X1へ搬送する。第1方向変換部20は、紙葉類検出部23a〜23c、一対の第1搬送ローラ24、一対の第2搬送ローラ25、一対の第1補助搬送ローラ59、一対の第2補助搬送ローラ26および切換部27を含んで構成される。
【0038】
一対の第1補助搬送ローラ59(以下、単に「第1補助搬送ローラ59」ということがある)は、各第1補助搬送ローラ59が第1搬送方向と直交し、かつ互いに平行な2つの軸線L59a,L59b回りにそれぞれ回転可能であり、紙葉類を挟持可能に構成される。第1補助搬送ローラ59は、複数、本実施の形態では2つ設けられる。一対の第1補助搬送ローラ59のうち、一方の搬送ローラ59aは、下方Z2側の予め定める位置に固定して設けられ、第1補助下軸線L59a回りに回転可能である。一対の第1補助搬送ローラ59のうち、他方の搬送ローラ59bは、一方の搬送ローラ59aの上方Z1側の予め定める位置に固定して設けられ、第1補助上軸線L59b回りに回転可能である。第1補助搬送ローラ59は、第1搬送ローラ24の後方Y2側に設けられ、ホッパ5から繰出される紙葉類を第1搬送方向のまま、前方Y1に向かって第1搬送ローラ24に搬送する。
【0039】
一対の第1搬送ローラ24(以下、単に「第1搬送ローラ24」ということがある)は、第1搬送方向と直交し、かつ互いに平行な2つの軸線L1a,L1b回りにそれぞれ回転可能であり、紙葉類を挟持状態と非挟持状態とにわたって互いに変位可能に構成される。第1搬送ローラ24は、複数、本実施の形態では2つ設けられ、紙葉類を安定して搬送できるようにそれぞれ配置される。一対の第1搬送ローラ24のうち、一方の搬送ローラ24aは、下方Z2側の予め定める位置に固定して設けられ、第1下軸線L1a回りに回転可能である。他方の搬送ローラ24bは、一方の搬送ローラ24aの上方Z1側に設けられ、第1上軸線L1b回りに回転可能である。この他方の搬送ローラ24bは、一方の搬送ローラ24aに対して、紙葉類を挟持している挟持状態と挟持していない非挟持状態とにわたって変位可能に設けられる。第1搬送ローラ24は、挟持状態で紙葉類を搬送することによって、第1補助搬送ローラ59によって前方Y1に搬送される紙葉類を第1搬送方向のまま、前方Y1に向かって搬送する。
【0040】
一対の第2搬送ローラ25(以下、単に「第2搬送ローラ25」ということがある)は、第1搬送ローラ24の各軸線L1a,L1bと直交し、かつ互いに平行な2つの軸線L2a,L2b回りにそれぞれ回転可能であり、紙葉類を挟持状態と非挟持状態とにわたって互いに変位可能に構成される。第2搬送ローラ25は、複数、本実施の形態では3つ設けられ、左右方向X1,X2に間隔をあけて配置される。一対の第2搬送ローラ25のうち、一方の搬送ローラ25aは、下方Z2側の予め定める位置に固定して設けられ、第2下軸線L2a回りに回転可能である。他方の搬送ローラ25bは、一方の搬送ローラ25aの上方Z1側に設けられ、第2上軸線L2b回りに回転可能である。この他方の搬送ローラ25bは、一方の搬送ローラ25aに対して、紙葉類を挟持している挟持状態と非挟持状態とにわたって変位可能に設けられる。第2搬送ローラ25は、第1搬送ローラ24の前方Y1側に設けられ、挟持状態で紙葉類を搬送することによって、第1搬送ローラ24によって前方Y1に搬送される紙葉類を、左方X1に向かって搬送する。第2搬送ローラ25は、後方Y2の周縁に面取りが施されており、第1搬送ローラ24によって前方Y1へ搬送される紙葉類の搬送方向先端が第2搬送ローラ25に引掛ることなくスムーズに第2搬送ローラ25上へ移行するよう構成される。
【0041】
一対の第2補助搬送ローラ26(以下、単に「第2補助搬送ローラ26」ということがある)は、第2搬送ローラ25の各軸線L2a,L2bと平行な2つの軸線L26a,L26b回りにそれぞれ回転可能であり、紙葉類を挟持可能に構成される。第2補助搬送ローラ26は、複数、本実施の形態では3つ設けられる。一対の第2補助搬送ローラ26のうち、一方の搬送ローラ26aは、下方Z2側の予め定める位置に固定して設けられ、第2補助下軸線L26a回りに回転可能である。他方の搬送ローラ26bは、一方の搬送ローラ26aの上方Z1側の予め定める位置に固定して設けられ、第2補助上軸線L26b回りに回転可能である。第2補助搬送ローラ26は、第2搬送ローラ25の左方X1側に設けられ、第2搬送ローラ25によって左方X1に搬送される紙葉類を、さらに左方X1に搬送する。機体9には、第2補助搬送ローラ26と対応する位置に、左右方向X1,X2に貫通する第1挿通孔38(図2参照)が形成されており、第2補助搬送ローラ26によって、紙葉類が前記第1挿通孔38を通過して、機体9の左方X1に放出される。第1搬送ローラ24の一方の搬送ローラ24a、第2搬送ローラ25の一方の搬送ローラ25a、第1補助搬送ローラ59の一方の搬送ローラ59aおよび第2補助搬送ローラ26の一方の搬送ローラ26aは、1つのベルト28を介して回転が常時伝達され、同期回転するように構成される。
【0042】
紙葉類検出部23a〜23cは、第1搬送部19によって搬送される紙葉類が、予め定める通過位置を通過したか否かを検出するセンサである。紙葉類検出部23a〜23cは、複数、本実施の形態では3つの第1検出部23a〜第3検出部23cを含む。第1検出部23aは、第1搬送ローラ24の近傍に設けられ、第1搬送ローラ24によって搬送される紙葉類を検出するためのセンサである。第2検出部23bは、第2搬送ローラ25の近傍に設けられ、第2搬送ローラ25によって搬送される紙葉類を検出するためのセンサである。第3検出部23cは、第2補助搬送ローラ26の近傍に設けられ、第2補助搬送ローラ26によって搬送される紙葉類を検出するためのセンサである。
【0043】
切換部27は、第1搬送ローラ24および第2搬送ローラ25に係合し、第1搬送ローラ24が挟持状態であり、第2搬送ローラ25が非挟持状態である第1搬送状態と、第1搬送ローラ24が非挟持状態であり、第2搬送ローラ25が挟持状態である第2搬送状態とにわたり切換え動作する。切換部27は、支持体29と、支持体29を予め定める支持軸線L30回りに揺動可能に支持するリンク部材30と、リンク部材30を前記支持軸線L30回りに揺動させるソレノイド31とを含む。
【0044】
支持体29は、第1搬送ローラ24の他方の搬送ローラ24b、および第2搬送ローラ25の他方の搬送ローラ25bをそれぞれ回転可能に支持する。支持体29は、各他方の搬送ローラ24b,25bを前後方向Y1,Y2に間隔をあけて、それぞれ支持する。
【0045】
リンク部材30は、左右方向X1,X2に沿って延びる支持軸線L30回りに揺動可能であり、支持体29と一体に設けられる。第2搬送ローラ25は、リンク部材30の前方Y1側に配置され、第1搬送ローラ24は、リンク部材30の後方Y2側に配置される。したがってリンク部材30は、前後方向Y1,Y2に関して、第1搬送ローラ24と第2搬送ローラ25との間に配置される。
【0046】
ソレノイド31は、制御部22によって制御され、ソレノイド31が解磁されている解磁状態では、ソレノイド31のプランジャ31aが前方Y1の予め定める第2搬送位置に突出して配置される。ソレノイド31は、ソレノイド31が励磁された励磁状態では、プランジャ31aが後方Y2に向かって引き込まれて、プランジャ31aが第1搬送位置に配置される。したがってプランジャ31aは、前後方向Y1,Y2に沿って第1搬送位置と第2搬送位置とにわたって変位可能である。
【0047】
プランジャ31aは、リンク部材30に連結して設けられる。プランジャ31aは、前後方向Y1,Y2に変位することによって、リンク部材30を支持軸線L30回りに揺動させる。リンク部材30は、支持体29と一体に設けられるので、リンク部材30がプランジャ31aによって引かれると、支持体29がリンク部材30の支持軸線L30回りに揺動する。
【0048】
プランジャ31aが第1搬送位置に配置された状態では、第1搬送ローラ24が挟持状態であり、第2搬送ローラ25が非挟持状態となるように、第1搬送ローラ24の他方の搬送ローラ24bおよび第2搬送ローラ25の他方の搬送ローラ25bがそれぞれ配置される。またプランジャ31aが第2搬送位置に配置された状態では、第2搬送ローラ25が挟持状態であり、第1搬送ローラ24が非挟持状態となるように、第1搬送ローラ24の他方の搬送ローラ24bおよび第2搬送ローラ25の他方の搬送ローラ25bがそれぞれ配置される。図7では、理解を容易にするために、第1搬送ローラ24および第2搬送ローラ25が共に挟持状態にある場合を示すが、前述したように、実際は、第1搬送ローラ24および第2搬送ローラ25のうちいずれか一方が非挟持状態にあるときは、他方が挟持状態にある。このように切換部27は構成されるので、切換部27は、前述の第1搬送状態と第2搬送状態とにわたり切換え動作することができる。
【0049】
制御部22は、紙葉類検出部23a〜23cによって検出される検出情報に基づいて、切換部27の第1搬送状態と第2搬送状態とを切換えるタイミングを制御する。したがって制御部22は、ソレノイド31の解磁状態と励磁状態とを切換えるタイミングを制御し、第1搬送状態と第2搬送状態とを切換えるタイミングを制御する。このようなタイミングは、紙葉類検出部23a〜23cによって検出される検出情報、すなわち第1搬送部19によって搬送される紙葉類が、予め定める通過位置を通過したか否かに基づく情報によって制御される。制御部22は、たとえば第2搬送状態にて、第1検出部23aによって紙葉類を検出すると、第1搬送状態とし、第1搬送状態において、第2検出部23bによって紙葉類を検出すると、第2搬送状態とするように切換部27を制御する。これによって第1搬送ローラ24によって前方Y1に搬送される紙葉類を、第2搬送ローラ25によって左方X1へ搬送することができる。
【0050】
次に、第1増設スタッカユニット3に関して説明する。図8は、第1増設スタッカユニット3を簡略化して示す斜視図である。図9は、第1増設スタッカユニット3の内部構成を簡略化して示す側面図である。図10は、第1増設スタッカユニット3の電気的構成を示すブロック図である。第1増設スタッカユニット3は、その構成が前述の単体の紙葉類計数仕分機1と類似しており、異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する場合がある。第1増設スタッカユニット3は、図1を参照して、単体の紙葉類計数仕分機1からホッパ5を除く残余の部分から構成される点に特徴を有する。また第1増設スタッカユニット3は、機体9から搬送される紙葉類を第1増設スタッカ部7または第2増設スタッカユニット4に仕分け搬送する点に特徴を有する。
【0051】
第1増設スタッカユニット3は、第1増設機体50および第1増設スタッカ部7を含んで構成される。第1増設スタッカユニット3は、第1増設機体50の右方X2の面50bと、機体9の左方X1の面9bとが連結可能に構成される。第1増設スタッカ部7は、第1増設機体50の前面50aに設けられ、複数の第1増設スタッカ51を含んで構成される。各第1増設スタッカ51は、第1増設機体50の前面50aに上下方向Z1,Z2に沿って複数配列されて設けられる。各第1増設スタッカ51は、その構成がスタッカ11と同一であり、複数種類の紙葉類を集積可能な集積空間10bを形成し、集積空間10bを前方Y1へ開放する。第1増設スタッカ部7は、複数、本実施の形態では、8段の第1増設スタッカ51から構成される。複数の第1増設スタッカ51のうち、いずれか1つの第1増設スタッカ51をリジェクト専用に設定してもよい。
【0052】
また第1増設スタッカユニット3は、第1増設機体50の右方X2の面50bであって、左右方向X1,X2に貫通し、紙葉類を挿入可能な第2挿通孔52(図8参照)が形成される。第2挿通孔52は、第1増設スタッカユニット3が連結された状態では、機体9に形成される第1挿通孔38(図2参照)に対応する位置に形成される。これによって紙葉類が第1方向変換部20によって左方X1に搬送され、第1挿通孔38を通過すると、その紙葉類は第2挿通孔52を通過して、第1増設機体50内に搬送される。
【0053】
また第1増設スタッカユニット3は、第1増設機体50の左方X1の面50cであって、左右方向X1,X2に貫通し、紙葉類を挿入可能な第3挿通孔53(図8参照)が形成される。第3挿通孔53は、第1増設スタッカユニット3に第2増設スタッカユニット4が連結された状態では、第2増設スタッカユニット4の第2増設機体58の左方X1の面50cに臨んで開口する位置に形成される。これによって紙葉類を第3挿通孔53を介して、第1増設スタッカユニット3の左方X1の外方に放出し、紙葉類は第2増設スタッカユニット4に搬送することができる。
【0054】
第1増設スタッカユニット3は、増設センサ部54、増設分類部55、第2搬送部32、増設通信部56および増設制御部57をさらに含んで構成される。増設センサ部54は、前述したセンサ部14に含まれる第3センサ14c〜第5センサ14eを含んで構成される。第3センサ14cは、第1増設スタッカ51に搬送される紙葉類を検出するためのセンサである。第4センサ14dは、各第1増設スタッカ51にそれぞれ設けられ、各第1増設スタッカ51に搬送された紙葉類の枚数を計数するためのセンサである。第5センサ14eは、各第1増設スタッカ51にそれぞれ設けられ、紙葉類が各第1増設スタッカ51に存在しているか否かを検出するためのセンサである。増設センサ部54は、ここでは理解を容易にするため3つのセンサのみ示すが、この3つのセンサを除く残余のセンサも、その目的に応じて適宜用いられる。
【0055】
第2搬送部32は、第1搬送部19とともに搬送手段を構成し、第1搬送部19によって第1増設機体50の第2挿通孔52を通過して第1増設機体50内に搬送される紙葉類を、前記複数の第1増設スタッカ51のうちいずれか1つの第1増設スタッカ51へ搬送すると共に、第1増設機体50の左右方向X1,X2外方であって、本実施の形態では左方X1に放出可能である。第2搬送部32は、複数の搬送路を備えており、各搬送路は第2増設スタッカユニット4または複数の第1増設スタッカ51のうちいずれか1つの第1増設スタッカ51に達するように構成される。第2搬送部32は、増設分類部55によって制御されて、いずれか1つの搬送路が選択される。
【0056】
第2搬送部32は、さらに第2方向変換部33を含んで構成される。第2方向変換部33は、第2挿通孔52から挿入される紙葉類を、90度方向変換して、下方Z2に設けられる第1増設スタッカ部7に搬送する。
【0057】
増設通信部56は、増設通信手段であって、その構成が通信部21と類似しており、紙葉類を仕分けする制御情報を、前記通信部21および第2増設スタッカユニット4と通信する。
【0058】
増設分類部55は、増設制御手段としての機能を有し、その構成が分類部18と類似しており、増設通信部56によって受信した制御情報に応じて、第3センサ14cに紙葉類が来た時点で、該当する第1増設スタッカ51へ紙葉類を搬送するように、第2搬送部32を制御する。したがって増設分類部55は、受信した制御情報に応じて、複数の第1増設スタッカ51のうちいずれか1つの第1増設スタッカ51へ紙葉類を仕分けするように制御すると共に、紙葉類を第1増設機体50の外方へ仕分けするように、第2搬送部32を制御する。
【0059】
増設制御部57は、増設制御手段としての機能を有し、その構成が制御部22と類似しており、第1増設スタッカユニット3全体の制御、および各第1増設スタッカ51に仕分けされる紙葉類の枚数を第4センサ14dに基づいて計数する。
【0060】
次に、第2方向変換部33に関して説明する。図11は、第2方向変換部33を構成する下方Z2の部分を簡略化して示す平面図である。図11では、理解を容易にするため、第1増設機体50の一部を省略して示す。第2方向変換部33は、その構成が前述の第1方向変換部20と類似しており、異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する場合がある。特に、第2方向変換部33を構成する上方Z1の部分は、前述の第1方向変換部20における上方Z1の部分と類似しているので、図示を省略する。第2方向変換部33は、右方X2から与えられる紙葉類を、前方Y1または左方X1のいずれか一方に搬送するように構成される点に特徴を有する。
【0061】
第2方向変換部33は、第1増設機体50の上方Z1側に設けられ、第1方向変換部20によって第2挿通孔52を介して、右方X2から挿入されて搬送される紙葉類を、第1増設機体50の左方X1または前方Y1へ搬送する。したがって第2方向変換部33は、紙葉類を搬送する方向を90度変換、またはそのまま変換せずに搬送する。
【0062】
したがって紙葉類が、たとえば長方形状であり、その長手方向が左右方向X1,X2と平行にホッパ5に配置される場合、機体9から第1増設機体50には紙葉類の長手方向に搬送される。紙葉類が搬送される方向が90度方向変換される場合、紙葉類の長手方向に搬送されていた紙葉類が、第2方向変換部33によって紙葉類の短手方向に搬送される。方向を変換しない場合、第2方向変換部33によってそのまま紙葉類の長手方向に搬送して、第1増設機体50の左方X1に搬送する。
【0063】
第2方向変換部33は、増設紙葉類検出部23d,23e、一対の第3搬送ローラ34、一対の第4搬送ローラ35、一対の第1増設補助搬送ローラ60、一対の第2増設補助搬送ローラ36および増設切換部(図示せず)を含んで構成される。
【0064】
一対の第3搬送ローラ34(以下、単に「第3搬送ローラ34」ということがある)は、第1搬送部19が紙葉類を放出する放出方向と直交し、かつ互いに平行な2つの軸線L3回りにそれぞれ回転可能であり、第3搬送ローラ34によって紙葉類を挟持している挟持状態と挟持していない非挟持状態とにわたって互いに変位可能に構成される。第3搬送ローラ34の各軸線L3は、前述の第2搬送ローラ25の各軸線L2a,L2bと互いに平行な軸線である。第3搬送ローラ34は、複数、本実施の形態では3つ設けられ、左右方向X1,X2に間隔をあけて配置される。一対の第3搬送ローラ34のうち、一方の搬送ローラ34aは、下方Z2側の予め定める位置に固定して設けられ、第3下軸線L3回りに回転可能である。他方の搬送ローラ(図示せず)は、一方の搬送ローラ34aの上方Z1側に設けられ、第3上軸線(図示せず)回りに回転可能である。この他方の搬送ローラは、一方の搬送ローラ34aに対して、紙葉類を挟持している挟持状態と挟持していない非挟持状態とにわたって変位可能に設けられる。第3搬送ローラ34は、挟持状態において、紙葉類計数仕分機1から第1方向変換部20によって搬送される紙葉類を、そのまま左方X1に向かって搬送する。
【0065】
一対の第4搬送ローラ35(以下、単に「第4搬送ローラ35」ということがある)は、第3搬送ローラ34の各軸線L3と直交し、かつ互いに平行な2つの軸線L4回りにそれぞれ回転可能であり、紙葉類を挟持している挟持状態と挟持していない非挟持状態とにわたって互いに変位可能に構成される。第4搬送ローラ35は、複数、本実施の形態では2つ設けられ、紙葉類を安定して搬送できるようにそれぞれ配置される。一対の第4搬送ローラ35のうち、一方の搬送ローラ35aは、下方Z2側の予め定める位置に固定して設けられ、第4下軸線L4回りに回転可能である。他方の搬送ローラ(図示せず)は、一方の搬送ローラ35aの上方Z1側に設けられ、第4上軸線(図示せず)回りに回転可能である。この他方の搬送ローラは、一方の搬送ローラ35aに対して、紙葉類を挟持している挟持状態と挟持していない非挟持状態とにわたって変位可能に設けられる。第4搬送ローラ35は、第3搬送ローラ34の前方Y1側に設けられ、挟持状態において、第3搬送ローラ34によって左方X1に搬送される紙葉類を、前方Y1に向かって搬送する。第4搬送ローラ35は、後方Y2の周縁に面取りが施されており、第3搬送ローラ34によって左方X1へ搬送される紙葉類の搬送方向先端が第4搬送ローラ35に引掛ることなくスムーズに第4搬送ローラ35上へ移行するよう構成される。
【0066】
一対の第1増設補助搬送ローラ60(以下、単に「第1増設補助搬送ローラ60」ということがある)は、第4搬送ローラ35の各軸線L4と平行な2つの軸線L60回りにそれぞれ回転可能であり、紙葉類を挟持可能に構成される。第1増設補助搬送ローラ60は、複数、本実施の形態では2つ設けられる。一対の第1増設補助搬送ローラ60のうち、一方の搬送ローラ60aは、下方Z2側の予め定める位置に固定して設けられ、第1増設補助下軸線L60回りに回転可能である。他方の搬送ローラ(図示せず)は、一方の搬送ローラ60aの上方Z1側の予め定める位置に固定して設けられ、第1増設補助上軸線(図示せず)回りに回転可能である。第1増設補助搬送ローラ60は、第4搬送ローラ35の前方Y1側に設けられ、第4搬送ローラ35によって前方Y1に搬送される紙葉類を、さらに前方Y1に搬送する。これによって紙葉類が90度方向変換され、該当する第1増設スタッカ51に紙葉類が搬送される。
【0067】
一対の第2増設補助搬送ローラ36(以下、単に「第2増設補助搬送ローラ36」ということがある)は、第3搬送ローラ34の各軸線L3と平行な2つの軸線L36回りに回転可能であり、紙葉類を挟持可能に構成される。第2増設補助搬送ローラ36は、本実施の形態では1つ設けられる。一対の第2増設補助搬送ローラ36のうち、一方の搬送ローラ36aは、下方Z2側の予め定める位置に固定して設けられ、第2増設補助下軸線L36回りに回転可能である。他方の搬送ローラ(図示せず)は、一方の搬送ローラの上方Z1側の予め定める位置に固定して設けられ、第2増設補助上軸線(図示せず)回りに回転可能である。第2増設補助搬送ローラ36は、第3搬送ローラ34の左方X1側に設けられ、第3搬送ローラ34によって左方X1に搬送される紙葉類を、さらに左方X1に搬送する。第1増設機体50には、第2増設補助搬送ローラ36と対応する位置に、左右方向X1,X2に貫通する第3挿通孔53(図8参照)が形成されており、第2増設補助搬送ローラ36によって、紙葉類が前記第3挿通孔53を通過して、第1増設機体50の左方X1に放出される。第3搬送ローラ34の一方の搬送ローラ34a、第4搬送ローラ35の一方の搬送ローラ35a、第1増設補助搬送ローラ60の一方の搬送ローラ60aおよび第2増設補助搬送ローラ36の一方の搬送ローラ36aは、1つのベルト37を介して回転が常時伝達され、同期回転するように構成される。
【0068】
増設紙葉類検出部23d,23eは、その構成が紙葉類検出部23b,23cと類似しており、搬送される紙葉類が、第2方向変換部33内の予め定める通過位置を通過したか否かを検出するセンサである。紙葉類検出部23d,23eは、複数、本実施の形態では2つの第4検出部23dおよび第5検出部23eを含む。第4検出部23dは、第4搬送ローラ35の近傍に設けられ、第4搬送ローラ35によって搬送される紙葉類を検出するためのセンサである。第5検出部23eは、第2増設補助搬送ローラ36の近傍に設けられ、第2増設補助搬送ローラ36によって搬送される紙葉類を検出するためのセンサである。
【0069】
増設切換部(図示せず)は、その構成が切換部27と類似しており、第3搬送ローラ34および第4搬送ローラ35に係合し、第3搬送ローラ34が挟持状態であり、第4搬送ローラ35が非挟持状態である第3搬送状態と、第3搬送ローラ34が挟持状態であり、第4搬送ローラ35が非挟持状態である第4搬送状態とにわたり切換え動作する。このような増設切換部は、前述の切換部27と同様の構成によって実現される。
【0070】
増設制御部57は、増設紙葉類検出部23d,23eによって検出される検出情報および増設通信部56から与えられる制御情報に基づいて、増設切換部の第3搬送状態と第4搬送状態とを切換えるタイミングを制御する。増設制御部57は、制御情報に基づいて搬送方向を90度変換する場合、たとえば第3搬送状態にて、第4検出部23dによって紙葉類を検出すると、第4搬送状態とし、第4搬送状態において、第4検出部23dによって紙葉類が未検出になると、第3搬送状態とするように増設切換部を制御する。これによって第3搬送ローラ34によって左方X1に搬送される紙葉類を、第4搬送ローラ35および第1増設補助搬送ローラ60によって前方Y1へ搬送することができる。
【0071】
また増設制御部57は、制御情報に基づいて搬送方向を変換しない場合、すなわち左方X1にそのまま搬送する場合、たとえば第3搬送状態にて、第4検出部23dによって紙葉類を検出しても継続して、第3搬送状態を維持するように増設切換部を制御する。これによって第3搬送ローラ34によって左方X1に搬送される紙葉類は、第2増設補助搬送ローラ36によってさらに左方X1へ搬送することができる。
【0072】
次に、第2増設スタッカユニット4に関して説明する。第2増設スタッカユニット4は、その構成が前述の第1増設スタッカユニット3と同様の構成によって実現することができる。第2増設スタッカユニット4は、第1増設スタッカユニット3から搬送される紙葉類を第2増設スタッカ部8に仕分け搬送する点に特徴を有する。
【0073】
第2増設スタッカユニット4は、第2増設機体58および第2増設スタッカ部8を含んで構成される。第2増設機体58は、第1増設機体50と同一の構成であり、図1を参照して、第2増設機体58の右方X2の面50bと、第1増設機体50の左方X1の面50cとが連結可能に構成される。第2増設スタッカ部8は、第1増設スタッカ部7と同一の構成であり、複数の第2増設スタッカ51を有する。第1増設スタッカ51と第2増設スタッカ51とは、同一の構成であるので、同一の参照符号を付す。
【0074】
第2増設スタッカユニット4は、図8を参照して説明すると、第1増設スタッカユニット3と同様に、その右方X1の面50bに第2挿通孔52が形成され。第2挿通孔52は、第1増設スタッカユニット3に第2増設スタッカユニット4が連結された状態では、前述の第1増設スタッカユニット3に形成される第3挿通孔53に対応する位置に形成される。これによって紙葉類が第1増設スタッカユニット3の第2搬送部32によって左方X1に搬送され、第1増設スタッカユニット3の第3挿通孔53を通過すると、その紙葉類は第2増設スタッカユニット4の第2挿通孔52を通過して、第2増設機体58内に搬送される。第2増設スタッカユニット4の残余の構成に関しては、第1増設スタッカユニット3と同様の構成であるので、同一の参照符号を付し説明を省略する。
【0075】
次に、電子機器(図示せず)に関して説明する。電子機器は、本実施の形態ではパーソナルコンピュータ(Personal Computer略称:PC)などによって実現される。PCのデ
ィスプレイには、各種の設定、集計の経過、および集計の結果が表示される。具体的には、ディスプレイは、たとえば各スタッカ11、各第1増設スタッカ51および各第2増設スタッカ51(以下、これらのスタッカを総称して「スタッカ11,51」ということがある)のバッチ設定枚数を表示する。またディスプレイは、たとえば各スタッカ11,51に割り当てられた紙葉類の各種類名、および仕分けした紙葉類の総枚数を表示する。
【0076】
またPCのキーボードまたはマウスなどの入力手段を操作することによって、各種設定も行うことができる。たとえば各スタッカ11,51に仕分けする紙葉類の種類を設定することができる。このような設定をする場合、各スタッカ11,51に互いに異なる種類の紙葉類を仕分けするように設定してもよく、また複数のスタッカ11,51に同じ種類の紙葉類を仕分けするように設定してもよい。またたとえば単なる計数を行う計数モードと仕分けも行う仕分けモードの切換えを行うことができる。また1回の計数単位であるバッチ枚数を、たとえば10,20,25,50,100と、適当な枚数に設定することができる。各スタッカ11,50は、100枚がフル収容であるので、バッチ枚数はたとえば100に設定される。またホッパ5の紙葉類をすべて計数した後、その後の累積加算を行うか行わないかを選択することも可能である。
【0077】
次に紙葉類計数仕分機1の動作に関して、フローチャートを用いて説明する。フローチャートの動作は、紙葉類計数仕分機1の制御部22によって行われる。図12は、紙葉類計数仕分機1の制御部22による計数仕分処理を示すフローチャートである。ここでは、加算がオンでバッチ枚数が100枚に設定される。また紙葉類は、予め候補者名または政党名およびこれらに対する選択マーク記入欄を有する投票用紙とする。本フローチャートは、電源投入状態で開始され、ステップa1に移行する。
【0078】
ステップa1では、第1センサ14aによってホッパ5に投票用紙が載せられたか否かが判断され、投票用紙が載せられている場合、ステップa2に移り、載せられていない場合、ステップa1を繰り返す。ステップa2では、投票用紙が検知されたときに、スタート操作がされたか否かが判断され、スタート操作された場合、ステップa3に移り、されてない場合、ステップa2を繰り返す。
【0079】
ステップa3では、スタート操作がされたので、繰出部15によってホッパ5に載置されている投票用紙の繰出しが開始され、ステップa4に移る。ステップa4では、読取部16によって、繰出された投票用紙の記入内容が読取られ、ステップa5に移る。ステップa5では、判別部17によって、記入内容が判別され、ステップa6に移る。
【0080】
ステップa6では、判別部17の判別結果に基づき、仕分けおよび計数の処理がされ、ステップa7に移る。つまりステップa6では、分類部18によって、判別部17の判別結果に基づき投票用紙を、その記入内容に従って該当するスタッカ11,50へ仕分け搬送するための制御が行われる。またステップa6では、判別部17の判別結果に基づき、該当スタッカ11,51へ仕分けされる投票用紙の枚数を計数するための制御が行われる。この計数した情報は、PCに与えられる。また各スタッカ11,51に仕分けされた投票用紙の枚数が、満杯に近づくか、またはバッチ枚数に近づくと該当するスタッカ11,51のLEDを点灯するための制御が行われる。
【0081】
前述の判別部17の判別結果によって、投票用紙の仕分け先のスタッカ11,51が、単体の紙葉類計数仕分機1のスタッカ11である場合、第1搬送部19によって、該当するスタッカ11に投票用紙を搬送するための制御が行われる。
【0082】
また前述の判別部17の判別結果によって、投票用紙の仕分け先のスタッカ11,51が、第1増設スタッカユニット3の第1増設スタッカ51である場合、第1増設スタッカ51に投票用紙を搬送するための制御が行われる。まず、通信部21によって、第1増設スタッカユニット3の増設通信部56に制御情報を送信する。第1搬送部19は、第1増設スタッカユニット3に投票用紙を搬送する。次に、第1増設スタッカユニット3は、受信した制御情報に基づいて、搬送される投票用紙を、第1増設スタッカユニット3の第2搬送部32によって該当する第1増設スタッカ51へ搬送する。
【0083】
また前述の判別部17の判別結果によって、投票用紙の仕分け先のスタッカ11,51が、第2増設スタッカユニット4の第2増設スタッカ51である場合、第2増設スタッカ51に投票用紙を搬送するための制御が行われる。まず、通信部21によって、第1増設スタッカユニット3および第2増設スタッカユニット4の各増設通信部56に制御情報を送信する。第1搬送部19は、第1増設スタッカユニット3に投票用紙を搬送する。次に、第1増設スタッカユニット3は、受信した制御情報に基づいて、搬送される投票用紙を、第1増設スタッカユニット3の第2搬送部32によって第2増設スタッカユニット4に搬送する。次に、第2増設スタッカユニット4は、受信した制御情報に基づいて、第1増設スタッカユニット3から搬送される投票用紙を、第2増設スタッカユニット4の第2搬送部32によって該当する第2増設スタッカ51へ搬送する。
【0084】
なお、判別部17は、投票用紙に○印が1箇所のみ記入されている場合に有効と判断し、投票用紙に他のマーク、例えば×印が記入されている場合または○印が複数箇所に記入されている場合には無効と判断し、リジェクト専用のスタッカ11,51に前記投票用紙を搬送するための制御が行われる。また投票用紙が候補者名または政党名を記入する投票用紙である場合、判別した文字に基づいて該当するスタッカ11,51に搬送され、文字が判別不能の場合や文字が記入していない場合には無効と判断し、リジェクト専用のスタッカ11,51に紙葉類が搬送される。
【0085】
ステップa7では、いずれかのスタッカ11,51がバッチ枚数に達するか、または満杯に達するか否かを判断し、達する場合、ステップa11に移り、達しない場合、ステップa8に移る。また複数のスタッカ11,51に同じ記入内容の投票用紙を仕分けするように設定している場合は、設定しているすべてのスタッカ11,51がバッチ枚数に達するか、または満杯に達すると、ステップa8に移る。ステップa8では、ホッパ5内が空になったか否かが判断され、空の場合、ステップa9に移り、空でない場合、ステップa3に戻る。したがって、ホッパ5が空でない場合には、停止操作が行われない限り、ステップa3に戻って繰出動作が続行される。
【0086】
ステップa9では、繰出動作を停止し、ステップa10に移る。したがってスタッカ11,51が満杯でなく、バッチ枚数にも達していない状態で、ホッパ5が空になったときには繰出しが自動的に停止される。ステップa10では、PCのディスプレイに計数結果が表示され、本フローを終了する。ホッパ5に投票用紙が追加されたときには、ステップa1から再び、本フローが開始される。このような投票用紙の追加が行われたときには、表示された計数値は累積される。
【0087】
ステップa11では、繰出動作が停止され、ステップa12に移る。したがって、ステップa11では、いずれかのスタッカ11,51が満杯またはバッチ枚数に達しているので、自動的に繰出しが停止される。繰出し停止されたとき、搬送中の投票用紙であって、満杯またはバッチ枚数に達しているスタッカ11,51に仕分けされる種類の投票用紙は、該当するスタッカ11,51が満杯またはバッチ枚数に達しているので、リジェクト専用のスタッカ11,51に搬送される。また搬送中の投票用紙であって、満杯またはバッチ枚数に達していないスタッカ11,51に仕分けされる種類の投票用紙は、それぞれ該当するスタッカ11,51に搬送される。また繰出が突然停止されることによって、判別することができなかった投票用紙は、リジェクト専用のスタッカ11,51に搬送される。ステップa12では、満杯のスタッカ11,51またはバッチ枚数に達しているスタッカ11,51が備えるLED13を点滅させ、ステップa13に移る。これによって作業者は、所定の量に達しているスタッカ11,51を、LED13によって視認することができる。
【0088】
ステップa13では、LED13が点滅しているスタッカ11,51から、投票用紙が抜かれたか否かを判断し、抜かれた場合、ステップa14に移り、抜かれていない場合、ステップa13の処理を繰り返す。したがってステップa13では、スタッカ11,51のLED13の点滅に応じて、作業者によって該当スタッカ11,51から投票用紙が抜かれたか、否かが検知される。ステップa14では、投票用紙が該当スタッカ11,51から抜かれたので、該当スタッカ11,51のLED13を消灯し、ステップa3に戻る。したがって繰出しが再開される。
【0089】
なお、ホッパ5が空でないのに何らかの理由で作業者などによって停止する操作がされたときは、繰出しが停止され、スタート操作がされたときには繰出しが再開される。
【0090】
前述の図12に示すフローチャートでは、紙葉類は、予め候補者名または政党名およびこれらに対する選択マーク記入欄を有する投票用紙としているが、紙葉類は、たとえば候補者名および政党名を記入する記入欄を有する投票用紙でもよい。このような投票用紙であっても、候補者名および政党名を判別して分類することによって、同様の処理をすることができる。
【0091】
以上説明したように、本実施の形態では、ホッパ5に載置される複数種類の紙葉類が、繰出部15によって1枚ずつ繰出され、繰出された紙葉類の情報が読取部16によって読取られる。判別部17は、読取部16で読取られた情報に基づいて、紙葉類の種類を判別し、制御部22は、その判別結果に応じて複数のスタッカ11のうちいずれか1つのスタッカ11、または機体9の外方へ仕分けするように、第1搬送部19を制御し、各スタッカ11および機体9の外方に仕分けされる紙葉類の枚数を計数する。したがってホッパ5に載置される複数種類の紙葉類を、その種類に基づいて仕分けすることができ、仕分けされる紙葉類毎にその枚数を得ることができる。
【0092】
また本実施の形態では、ホッパ5および各スタッカ11,51は、複数種類の紙葉類を載置可能な載置空間10aおよび集積可能な集積空間10bをそれぞれ形成し、各載置空間10a,10bを前方Y1へ開放するように構成される。これによって作業者は、ホッパ5への紙葉類の載置および取り出しが容易となり、また各スタッカ11,51に集積される紙葉類の取り出しが容易となる。またホッパ5は、機体9の前面9a下部に設けられる。また複数のスタッカ11は、機体9の前面9aであって、前記ホッパ5の上方Z1に複数配列されて設けられる。このようにホッパ5および各スタッカ11が、共に機体9の前面9aに設けられるので、従来の技術のように、ホッパ5および各スタッカ11が互いに異なる面に設けられる構成よりも、作業者の作業空間を小さくすることができる。これによって作業者は、ホッパ5に紙葉類を載置し、各スタッカ11に仕分けされた紙葉類を取り出す作業を、小さい作業空間内であっても容易に実行することができる。これによって作業者の作業効率を向上することができる。また各スタッカ11,51が、機体9の前面9aに設けられるので、作業者は、各スタッカ11,51に仕分けされた紙葉類を取り出す場合、各スタッカ11,51に仕分けされた紙葉類の種類の視認が容易である。これによって作業効率を向上することができる。
【0093】
ホッパ5から繰出部15によって繰出された紙葉類は、第1搬送部19によって搬送され、複数のスタッカ11のうちいずれか1つのスタッカ11へ搬送される。また第1搬送部19は、ホッパ5から繰出された紙葉類を左方X1へ搬送し、機体9の左方X1外方に放出することができる。これによってスタッカ11の数が少ないこと、またはスタッカ11の集積空間10bが小さいことによって、紙葉類を各スタッカ11に仕分けできない場合であっても、紙葉類を機体9の左方X1に放出することができる。したがって機体9の左方X1側に第1増設スタッカ51として機能する第1増設スタッカユニット3を増設することによって、前述のように仕分けできない紙葉類を、第1搬送部19によって、第1増設スタッカユニット3に搬送し仕分けすることができる。したがって仕分け可能なスタッカ11,51の数、および仕分けする紙葉類の枚数を多くすることができる。
【0094】
また紙葉類を左方X1に放出するので、紙葉類を上方Z1に放出して、上方Z1に他のスタッカを増設する構成よりも、設置スペースを容易に確保することができ、作業性が低下することを防ぐことができる。また上方Z1に他のスタッカを増設すると、作業者の上下の運動量が多くなり、立ち座りなどの動作が必要であるが、左右方向X1,X2であって前方Y1に設けられる第1増設スタッカ51を増設することができるので、作業者は座った状態で、仕分け作業を行うことができる。
【0095】
このように本実施の形態の紙葉類計数仕分機1では、スタッカ11,51を適宜増設することができ、さらに前述したように設置スペースが小さく、作業性を向上することができる。したがって種類の数が多く、使用される場所に応じてその種類の数が変動する紙葉類の仕分け、および計数に紙葉類計数仕分機1を好適に用いることができる。
【0096】
またホッパ5を機体9の前面9aの下部に設けることによって、比較的重い構成が機体9の下部に配設され、重心を機体9の下部側に配することができる。したがって機体9を安定させることができる。
【0097】
また本実施の形態では、通信部21によって、他の装置と制御情報を通信可能であるので、前記制御情報を用いて、仕分けされた紙葉類の枚数などの情報を、PCに送信することによって、その種類毎に管理することができる。また第1増設スタッカユニット3などを増設する場合、通信部21を用いて第1増設スタッカユニット3に前記制御情報を与えることができる。これによって制御情報を与えられた第1増設スタッカユニット3は、前記制御情報に応じて、紙葉類を複数の第1増設スタッカ51のいずれか1つへ仕分けするように各構成部を制御することができる。これによって第1増設スタッカユニット3を連結した場合であっても、その作業性が低下することなく、紙葉類を仕分けおよび計数することができ、利便性が向上する。
【0098】
また本実施の形態では、第1方向変換部20は、紙葉類を搬送中に、搬送状態に切換えることによって、紙葉類が搬送される方向を、瞬時に90度方向変換することができる。また第1方向変換部20は、前述のような簡単な構成で実現することができるので、小形化することができ、これによって単体の紙葉類計数仕分機1を小形化することができる。同様に、第2方向変換部33は、前述のような簡単な構成で実現することができるので、小形化することができ、これによって第1増設スタッカユニット3および第2増設スタッカユニット4を小形化することができる。
【0099】
また第1および第2増設スタッカユニット3,4を紙葉類計数仕分機1に増設している状態では、リジェクトを含め最大で20種類に分類可能であるが、この数は増設スタッカユニットを増設することによって任意に設定することができる。前述したように第1増設スタッカユニット3と第2増設スタッカユニット4とは同一の構成であるので、同一の構成の増設スタッカユニットを、連続して任意の数だけ増設可能である。例えば、25名の候補者があった場合、前述の紙葉類計数仕分機1に、さらに第1および第2増設スタッカユニット3,4と同一の構成の増設スタッカユニットを1つ増設することによって、合計で28個のスタッカ11,51が紙葉類計数仕分機1に存在するので、1度に25名の候補者の投票用紙を候補者毎に仕分け可能である。
【0100】
また本実施の形態では、左方X1側に第1および第2増設スタッカユニット3,4を増設するように構成されているが、左方X1側に限ることはなく、右方X2側に増設するように構成してもよい。また左右方向X1,X2両方側に第1および第2増設スタッカユニット3,4をそれぞれ増設してもよい。
【0101】
また本実施の形態では、外部に接続されるPCによって紙葉類計数仕分機1を操作可能であるが、このような操作部を紙葉類計数仕分機1と一体に構成してもよい。また本実施の形態では、機体9は、直方体状の箱体であるが、これに限ることはなく、各スタッカ11とホッパ5とが同一の面に設けられるような形状であればよい。
【0102】
また本実施の形態では、増設スタッカユニット3,4を増設した場合、増設スタッカユニット3,4の増設制御部57と単体の紙葉類計数仕分機1の制御部22とが通信することによって仕分け制御をしているが、これに限ることはなく、単体の紙葉類計数仕分機1が備える制御部22によって全ての仕分け制御を行ってもよい。
【0103】
本発明は、次の実施の形態が可能である。
(1)機体と、前記機体に設けられ、複数種類の紙葉類を載置可能なホッパと、前記ホッパに載置される紙葉類を繰出す繰出手段と、前記繰出手段によって繰出された紙葉類の情報を読取る読取手段と、前記機体に設けられ、紙葉類を集積するスタッカと、前記紙葉類が集積され、前記スタッカと同じ一方向へ開放するように前記機体に増設可能に設けられる増設スタッカと、前記スタッカと前記増設スタッカとに設けられた表示部と、前記繰出手段から前記スタッカおよび前記増設スタッカに紙葉類を搬送する搬送手段と、前記読取手段で読取られた情報に基づいて、前記スタッカおよび増設スタッカのうちいずれか1つのスタッカへ仕分けすると共に、前記表示部に集積される紙葉類の情報を表示する制御手段と、を設けたことを特徴とする紙葉類計数仕分機。
【0104】
紙葉類は、スタッカの数が少ないこと、またはスタッカの集積空間が小さいことによって、紙葉類を各スタッカに仕分けできない場合であっても、機体に他のスタッカを増設することによって、増設した他のスタッカに仕分けすることができる。したがって仕分け可能なスタッカの数、および仕分け可能な紙葉類の枚数を多くできる。
【0105】
さらに、作業者は、表示部によって紙葉類が所定の量に達しているかどうかを視認することができる。
【0106】
(2)前記制御手段は、前記スタッカおよび前記増設スタッカに仕分けられる紙葉類が、予め定めた枚数または満杯に達したことを基準に前記表示部の表示形態を変更することを特徴とする紙葉類計数仕分機。
【0107】
(3)前記制御手段は、前記スタッカおよび前記増設スタッカに仕分けられる紙葉類が、予め定めた枚数または満杯に達したときと、残余のあるときとで表示形態を変更することを特徴とする紙葉類計数仕分機。
【0108】
(4)前記制御手段は、前記スタッカおよび前記増設スタッカに仕分けられる紙葉類が、予め定めた枚数または満杯に近づいたとき、前記達したときと残余のあるときとの表示形態と異ならせることを特徴とする紙葉類計数仕分機。
【0109】
(5)前記増設スタッカは、前記機体の横方向に設けられることを特徴とする紙葉類計数仕分機。
【符号の説明】
【0110】
1 紙葉類計数仕分機
3 第1増設スタッカユニット
4 第2増設スタッカユニット
5 ホッパ
9 機体
10a 載置空間
10b 集積空間
11 スタッカ
15 繰出部
16 読取部
17 判別部
18 分類部
19 第1搬送部
20 第1方向変換部
21 通信部
22 制御部
23 紙葉類検出部
24 第1搬送ローラ
25 第2搬送ローラ
27 切換部
32 第2搬送部
33 第2方向変換部
50 第1増設機体
51 第1増設スタッカ
58 第2増設機体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
前記機体に設けられ、複数種類の紙葉類を載置可能なホッパと、
前記ホッパに載置される紙葉類を繰出す繰出手段と、
前記繰出手段によって繰出された紙葉類の情報を読取る読取手段と、
前記機体に増設可能に設けられる複数の増設スタッカと、
前記繰出手段から前記増設スタッカに紙葉類を搬送する搬送手段と、
前記機体に設けられ、電子機器によって設定される前記増設スタッカへ仕分けする紙葉類の種類又はバッチ枚数を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した紙葉類の種類又はバッチ枚数、及び前記読取手段で読取られた情報に基づいて、前記複数の増設スタッカへ仕分けする制御手段と、を設けたことを特徴とする紙葉類計数仕分機。
【請求項2】
前記機体は、前記紙葉類を集積するスタッカを備え、
前記通信手段は、前記電子機器によって設定される前記スタッカへ仕分けする紙葉類の種類、又はバッチ枚数を受信することを特徴とする請求項1に記載の紙葉類計数仕分機。
【請求項3】
前記増設スタッカは、前記機体の横方向に増設され、前記スタッカと同じ一方向へ開放されていることを特徴とする請求項2に記載の紙葉類計数仕分機。
【請求項4】
前記電子機器は、前記ホッパの紙葉類を全て計数した後、その後の累積加算を行うか行わないかを選択することができることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の紙葉類計数仕分機。
【請求項5】
前記制御手段は、前記通信手段で受信した設定及び前記読取手段で読取られた情報に基づいて、仕分けされた紙葉類の枚数の情報を、前記通信手段を介して前記電子機器へ送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の紙葉類計数仕分機。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−150818(P2012−150818A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−29689(P2012−29689)
【出願日】平成24年2月14日(2012.2.14)
【分割の表示】特願2011−30297(P2011−30297)の分割
【原出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】