説明

紙葉類識別装置及び紙葉類処理装置

【課題】紙葉類識別装置での消費電力を低減する。
【解決手段】識別対象となる紙葉類を検知するセンサと、このセンサによって検知された紙葉類の画像を撮像する画像撮像部と、この画像撮像部によって撮像された紙葉類画像により紙葉類を識別する識別処理部と、センサによって紙葉類を検知してから識別処理部による紙葉類の識別処理が完了するまでの間は画像撮像部及び前記識別処理部を通常通り動作させるとともに識別処理の完了後は画像撮像部及び識別処理部の動作を停止させる電源制御部とにより紙葉類識別装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙幣や小切手等の紙葉類を識別する紙葉類識別装置及びこれを備える紙葉類処理装置に関し、特に、消費電力の低い省電力モードで動作可能な紙葉類識別装置及びこれを備える紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣の金種や真偽を識別して入出金処理を行う紙幣処理装置の中には、省電力モードで動作するものがある。例えば、特許文献1には、通信部を備え、この通信部による通信が所定時間行われない場合に、通常モードから省電力モードへ移行する自動取引装置(ATM:Automatic Teller Machine)が開示されている。
【0003】
自動取引装置では、装置外部にある端末との間で口座や入出金額に関する情報を送受信しながら処理が行われる。特許文献1では、これを利用して、通信部によってデータの送受信が行われている場合は通常モードで動作し、データの送受信が行われなくなると通常モードから省電力モードへ移行する。省電力モードは、各部への供給電力を制御することにより実現されている。具体的には、紙幣を収納する入出金庫のシャッタ、紙幣を搬送する搬送部及び処理中の紙幣を一時的に保管する一時保留部等を駆動するモータへの供給電力が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−176601
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の装置では、識別装置によって紙幣を識別した後も、入金又は出金に関する処理が完了するまで省電力モードへ移行せず、この間は動作しない識別部にも電力供給が継続されるという問題がある。
【0006】
具体的には、例えば、自動取引装置で紙幣の入金処理を行う場合には、識別装置によって入金された紙幣の金種や真偽等が識別される。そして、識別結果に基づき、正常な紙幣は一時保留部に一時的に保管され、それ以外の紙幣は返却される。次に、一時保留部に紙幣を保管した状態で、外部にある上位端末等との間で入金額データの送信や送信データに基づく口座更新等に関する処理が行われる。入金処理が完了した後、一時保留部に保管された紙幣は収納部へ搬送されて保管される。このように、入金紙幣の識別処理を行った後、紙幣処理に係る一連の処理が行われる間は動作しないにも拘わらず、この間も識別装置には電力が供給されている。
【0007】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、紙幣を含む紙葉類の識別処理を正確に行いながら消費電力を低減することができる紙葉類識別装置及びこれを備える紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、通過する紙葉類の種類を識別する紙葉類識別装置であって、識別対象となる紙葉類を検知するセンサと、センサによって検知された紙葉類の画像を撮像する画像撮像部と、画像撮像部によって撮像された紙葉類画像により紙葉類の種類を識別する識別処理部と、センサによって紙葉類が検知されてから識別処理部による紙葉類の識別が完了するまでの間は通常モードとして画像撮像部及び識別処理部を動作させるとともに、識別処理の完了後は省電力モードとして画像撮像部及び識別処理部の動作を停止させて消費電力を制御する消費電力制御部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、識別処理部の動作に必要なデータを保存するメモリと、メモリへのデータの書き込み及び読み出しを制御するメモリ制御部とをさらに備え、消費電力制御部は、省電力モードではメモリ及びメモリ制御部を通常モードより消費電力が低い状態で動作させて保存済みデータを保持させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、画像撮像部及び識別処理部の動作に利用されるクロックを発振するクロック発振器をさらに備え、消費電力制御部は、クロック発振器からのクロック供給を制御することによって通常モード及び省電力モードを切り替えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、紙葉類識別装置を備える紙葉類処理装置であって、紙葉類識別装置は、識別対象となる紙葉類を検知するセンサと、このセンサによって検知された紙葉類の画像を撮像する画像撮像部と、この画像撮像部によって撮像された紙葉類画像により紙葉類の種類を識別する識別処理部と、センサによって紙葉類が検知されてから識別処理部による紙葉類の識別が完了するまでの間は通常モードとして画像撮像部及び識別処理部を動作させるとともに識別処理の完了後は省電力モードとして画像撮像部及び識別処理部の動作を停止させて消費電力を制御する消費電力制御部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、紙葉類識別装置の動作を設定するための操作部をさらに備え、この操作部によって省電力モードへの移行を禁止する設定がなされた場合には、消費電力制御部は、紙葉類識別装置を常に通常モードで動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、識別対象となる紙葉類をセンサによって検知した後、この紙葉類の画像を取得して識別結果を得られるまでの間を通常モードとして、通常モードの間のみ、識別に係る一連の処理を行う画像撮像部及び識別処理部を動作させ、識別に係る処理を行わないときは省電力モードに移行してこれら画像撮像部及び識別処理部の動作を停止させるので、従来装置と同様の速度で正確に紙葉類の識別処理を行いながら、紙葉類識別装置における消費電力を低減することができる。
【0014】
また、本発明によれば、全ての機能部の動作を停止させるのではなく、メモリやメモリ制御部等の一部の機能部については、省電力モードの間も低消費電力状態での動作を継続させることができるので、消費電力を低減しながらも、保存されたデータを保持することができる。
【0015】
また、本発明によれば、電力供給を停止することにより動作を停止させる他、供給されるクロックに基づいて動作する機能部については、クロック供給を停止することにより動作を停止させたり、クロック供給を開始することで動作を開始させることができるので、プログラミング可能な集積回路を利用して、省電力モードと通常モードの切り替えを容易に制御することができる。
【0016】
また、本発明によれば、消費電力を低減可能な紙葉類識別装置を紙葉類処理装置に組み込んで利用することで、従来装置と同様の速度で、正確に紙葉類の識別処理を行いながら紙葉類処理装置における消費電力を低減することができる。
【0017】
また、本発明によれば、紙葉類処理装置の備える操作部からの設定操作により、紙葉類識別装置を構成する全ての機能部を常に通常モードで動作させることができるので、紙葉類を高速に処理する場合等、目的に応じて設定を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、第1実施例に係る紙幣処理装置の構成を示す模式図である。
【図2】図2は、第1実施例に係る紙幣識別装置の外観図及び内部構成を示す模式図である。
【図3】図3は、第1実施例に係る紙幣識別装置の構成概略を示すブロック図である。
【図4】図4は、第1実施例に係る紙幣識別装置のモード切替の制御タイミングを示すタイミングチャートである。
【図5】図5は、第1実施例に係るモード切替の方法を示すフローチャートである。
【図6】図6は、第2実施例に係る紙幣処理装置の構成概略を示すブロック図である。
【図7】図7は、第2実施例に係る紙幣処理装置における省電力モード設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る紙葉類識別装置及びこれを備える紙葉類処理装置の好適な実施例を詳細に説明する。紙葉類識別装置では、紙幣、小切手、商品券等の様々な紙葉類を処理対象とすることができるが、以下では、紙葉類の一例として紙幣を処理対象とし、紙幣の金種等を識別可能な紙幣識別装置と、当該識別装置を備える紙幣処理装置について説明する。
【実施例1】
【0020】
本実施例に係る紙幣識別装置はユニット化されており、紙幣処理装置に組み込まれて利用される。まず、紙幣識別装置が組み込まれる紙幣処理装置の概要について説明する。なお、以下では、ユニット化された紙幣識別装置を単に「識別ユニット」と記載する。
【0021】
図1は、紙幣処理装置1の内部構成を示す模式図である。この紙幣処理装置1では、入金処理及び出金処理を行うことができる。
【0022】
入金処理を行う場合には、投入口3に紙幣が載置される。載置された紙幣は一枚ずつ筐体2内部に繰り込まれて搬送路30に沿って搬送される。紙幣は、搬送路30の途中に設けられた識別ユニット10によって識別された後、識別結果に基づいて、例えば金種別に紙幣を収納するように設けられた複数の収納部21のいずれかへ収納される。搬送路30上では、複数箇所に設けられたセンサ42によって紙幣の位置が検出される。搬送路30が分岐する位置には分岐爪41が設けられており、センサ42によって検出された紙幣の位置情報と識別ユニット10による識別結果に基づいて、紙幣の分岐先が切り替えられる。
【0023】
出金処理を行う場合には、収納部21に収納された紙幣が繰り出される。搬送路30は、正逆両方向に紙幣を搬送可能になっており、収納部21から繰り出された紙幣は投出口4から出金される。
【0024】
カセット式収納部5は、筐体2に対して着脱可能に設けられており紙幣の回収や補充に利用される。紙幣処理装置1から紙幣を回収する場合には、収納部21から繰り出した紙幣を搬送路30に沿って搬送してカセット式収納部5に収納する。そして、カセット式収納部5を筐体2から取り外して収納された紙幣を回収する。また、紙幣処理装置1へ紙幣を補充する場合には、筐体2から取り外したカセット式収納部5に紙幣を補充して筐体2へ戻し、カセット式収納部5から紙幣を繰り出して収納部21へ補充する。
【0025】
カセット式収納部5及び収納部21は、テープ式収納部であり、内部には、テープ61及び62が巻き付けられた2つのテープリール51及び52と、このテープリール51及び52からテープを巻き取るローラ53とが設けられている。搬送路30に沿って搬送されてきた紙幣はローラ53が時計回りに回転することにより、2つのテープ61及び62の間に挟まれる形で、ローラ53に巻き取られて収納される。また、収納した紙幣を繰り出すときには、ローラ53が反時計方向に回転することによって、巻き取られた紙幣が搬送路30上に繰り出されるようになっている。
【0026】
次に、本実施例に係る識別ユニット10の概要について説明する。識別ユニット10は、図1に示すように、紙幣処理装置1内の搬送路30の一部を形成するように設けられている。図2(A)には識別ユニット10の外観を、同図(B)には識別ユニット10内部を識別対象となる紙幣が通過する様子を示している。
【0027】
図2(A)に示すように、識別ユニット10は、該ユニットを形成する上部ユニット11と下部ユニットの間に紙幣500を受け入れる。同図(B)に示すように、下部ユニット12には、コンタクトイメージセンサ(Contact Image Sensor)100と、該センサに対して上流側(投入口3側)に配置されたローラ102と、下流側に配置されたローラ103とが設けられている。なお、以下では、コンタクトイメージセンサを単に「CIS」と記載する。
【0028】
図1に示すように、上部ユニット11には、下部ユニット12のローラ102及び103に対して上下方向に対向する位置に、同じくローラ102及び103が設けられている。このローラ102及び103が回転することによって識別ユニット10に受け入れた紙幣500をCIS100を経て搬送し、ユニット外へ送り出す。送り出された紙幣500は、引き続き紙幣処理装置1内の搬送路30に沿って搬送される。
【0029】
また、上部ユニット11には、CIS100に対して上下方向に対向する位置に透過光源101が設けられている。このローラ102及び103によって搬送される紙幣500に、透過光源101から光を照射して、CIS100により紙幣500の透過画像を取得することができる。
【0030】
また、図2(B)に示したように、識別ユニット10は、上流側から搬送されてきた紙幣500を検知するための通過センサ104を備えている。通過センサ104は、例えば投光部及び受光部から構成され、投光部から投光される光が搬送される紙幣500によって遮光されることにより紙幣500を検知する。識別ユニット10は、通過センサ104によって紙幣500が来たことを検知し、所定タイミングでCIS100を動作させて紙幣500の透過画像を取得する。
【0031】
識別ユニット10は、取得した透過画像を利用して紙幣500の金種、真偽及び正損を識別する。紙幣500の識別処理は、紙幣500を撮像した画像から抽出された特徴データと、予め準備されている識別用の特徴データであるテンプレートデータとを比較することによって行われる。具体的には、例えば、画像から抽出された特徴データが千円札のテンプレートデータと所定の誤差範囲内で一致するとともに、他金種のテンプレートデータと所定以上の差違を有する場合に、この画像が得られた紙幣500を千円札であると判定する。
【0032】
なお、入金、出金、回収及び補充等の紙幣処理について、紙幣処理装置1の構成、機能及び動作は従来装置と同様であるため詳細な説明を省略する。また、金種、真偽及び正損等の紙幣500の識別処理についても、識別ユニット10の構成、機能及び動作は従来装置と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0033】
また、識別ユニット10における識別処理では、図示しない反射画像用の光源を利用してCIS100により取得した反射画像も利用されるが、説明を簡単にするため、以下では透過画像を取得する場合を例に説明を続ける。
【0034】
本実施例は、紙幣500の金種、真偽及び正損等の識別処理を従来同様に行いながら、識別ユニット10における消費電力を低減する点に一つの特徴がある。よって以下では、これを実現するための構成及び動作について詳細を説明する。
【0035】
まず、本実施例に係る識別ユニット10の構成について説明する。図3は、識別ユニット10の構成概略を示すブロック図である。識別ユニット10は、従来同様に動作する通常モードと、消費電力を抑えて動作する省電力モードの2つのモードで動作することができる。なお、図3では、これらの各モードでの動作内容と、モード間の切り替え動作を説明するために必要な構成要素を示し、従来同様の機能部等の構成要素は省略されている。
【0036】
図3に示すように、識別ユニット10は、通過センサ104と、透過光源101と、CIS100と、CIS100からの信号をA/D変換するためのA/D変換部303と、透過光源101を制御するための光源制御部304と、第1メモリ301と、第2メモリ302と、これらの各部を制御するための制御部200とを備えている。また、制御部200は、全体制御部201と、この全体制御部201と接続された通信インターフェイス(以下では「I/F」と記載する)206と、第2メモリ制御部202と、CIS制御部203と、通過センサ制御部204と、識別処理部205と、消費電力制御部210とを有している。さらに、制御部200は、各部の動作に利用されるクロックを生成するクロック発振器211と、クロック発振器211から各部へのクロックの供給を制御するためのクロックゲート212を有している。クロック発振器211としては一般にPLL(Phase Locked Loop)等が多用される。なお、図3ではクロック発振器211から各部へのクロック供給線を省略し、本実施例で後述するパワーダウンモードの説明に必要なクロック供給線のみを示している。
【0037】
通信I/F206は、識別ユニット10に対する命令信号の受信や、外部への識別結果の送信等を含むデータ通信を行う機能を有する。ユニット化された識別ユニット10は、通信I/F206を介して紙幣処理装置1の制御部と接続されることによって、紙幣処理装置1の一部として動作することができる。
【0038】
制御部200は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)によって実現される機能部品である。制御部200に含まれる全体制御部201が、SDRAM等から成る第1メモリ301に記憶されているソフトウェアプログラムを読み出して実行し、各部を制御することにより、各部の機能及び動作が実現される。このとき、各部の制御や動作に必要なデータが、第2メモリ制御部202によって、第2メモリ302内に保存される。
【0039】
制御部200を構成する各部は、クロック発振器211で発振されるクロックの供給を受けて動作しており、このクロック供給が停止されると各部の動作は停止する。クロックの供給はクロック発振器211と各部の間に設けられたクロックゲート212によって制御される。クロックが供給される間は各部にはダイナミック消費電流が流れ、クロックの供給を停止するとスタティック消費電流が流れる。一般にダイナミック消費電流はスタティック消費電流に比べて格段に大きいので、クロック供給を停止することにより各部での消費電力を抑えることができる。
【0040】
通過センサ制御部204は、通過センサ104によって紙幣500が来たことを検知して、これを全体制御部201に知らせるための信号を出力する機能を有する。通過センサ制御部204から信号を受けた全体制御部201は、識別処理部205に識別処理の開始を命令する信号を出力する。
【0041】
識別処理部205は、全体制御部201からの命令を受けて、通過センサ104によって検知された紙幣500の金種等の種類を識別する処理を開始し、CIS制御部203に紙幣500の画像取得を命令する信号を出力する。
【0042】
CIS制御部203は、識別処理部205からの命令を受けて、光源制御部304によって透過光源101から紙幣500に向けて所定波長の光を照射させるとともに、CIS100を動作させて紙幣500の透過光の計測を開始する。
【0043】
A/D変換部303は、CIS100によって読取られた各画素データがアナログ信号としてシリアルに出力されると、このアナログ信号をデジタル信号に変換してCIS制御部203に入力する機能を有する。CIS制御部203は、A/D変換部303から入力されたデジタル信号を識別処理部205へ入力する。
【0044】
識別処理部205は、CIS100で計測されA/D変換部303及びCIS制御部203を経て入力されたデジタル信号から紙幣500の透過画像データを生成するとともに、全体制御部201を介して第1メモリ301内に保存されていた識別用のテンプレートデータを取得する。そして、上述したように画像から抽出した特徴データと識別用のテンプレートデータとを比較することにより紙幣500の金種等を決定する識別処理を行う。
【0045】
このように、紙幣500の画像取得から、取得した紙幣画像に基づいて紙幣500の金種等を識別して識別結果を得るまでの一連の処理、すなわち識別処理を行う際の動作モードが通常モードである。通常モードでは、各部が、従来装置と同様に電力を消費しながら動作する。これに対し、消費電力制御部210によって消費電力を抑えた省電力モードが実現される。
【0046】
消費電力制御部210は、通常モードと省電力モードとの間で、識別ユニット10の動作モードを切り替える機能を有する。省電力モードは、所定タイミングで、所定機能部の動作を停止させたりパワーダウンモードで動作させたりすることによって実現される。
【0047】
以下では、識別ユニット10で実現される省電力モードの詳細について説明した後、通常モードと省電力モードの切り替えタイミングの詳細について説明する。
【0048】
省電力モードでは、消費電力制御部210によって、CIS制御部203、識別処理部205、光源制御部304、透過光源101及びCIS100に対するクロック供給が停止される。具体的には、クロック発振器211と各部の間に設けられたクロックゲート21を制御することによってクロック供給を停止する。これにより、これらの各部は動作を停止したオフ状態となる。
【0049】
また、省電力モードでは、消費電力制御部210によって、A/D変換部303、第2メモリ制御部202及び第2メモリ302の動作がパワーダウンモード動作に切り替えられる。これにより、これらの各部は内部のデータ保持のみを行うパワーダウン状態となる。
【0050】
第2メモリ302内部には制御部200を構成する各部の動作に必要なデータが記憶されているので、通常モードのみならず省電力モードにあるときも、内部の記憶内容を保持し続ける必要がある。このため、第2メモリ制御部202は、省電力モード中も、第2メモリ302を当該メモリが備える省電力モードで動作を継続するよう設定する。
【0051】
具体的には、識別ユニット10の動作モードを省電力モードに切り替えるときに、消費電力制御部210から第2メモリ制御部202に対して、動作モードを変更するよう指示コマンドが発せられる。指示コマンドを受けた第2メモリ制御部202は、省電力モードでの動作であるセルフリフレッシュ動作を指示するコマンドを第2メモリ302に書き込む。この結果、第2メモリ302は、省電力モードの間もセルフリフレッシュ動作を行って記憶内容を保持するようになっている。なお、第2メモリ302を通常モードでの動作に戻す場合には、通常動作を指示するコマンドを第2メモリ302に書き込む。
【0052】
また、A/D変換部303では、CIS100から入力される信号を変換する際に必要となるオフセット及びゲインに関する設定値が記憶されている。このため、A/D変換部303についても同様に、省電力モードの間も設定値を保持する動作のみが継続して行われる。
【0053】
このように、省電力モードで動作が切り替えられる対象となるのは、紙幣500の画像取得から識別結果を得られるまでの識別処理のみに関わる機能部である。識別処理を行うとき以外も動作する必要がある機能部に対しては、省電力モードの間も通常モードと同様の動作が継続される。
【0054】
具体的には、動作モードを切り替える消費電力制御部210と、紙幣500を検知するための通過センサ104及び通過センサ制御部204と、外部からの信号を受信する通信I/F206と、これらを含む全体の動作を制御する全体制御部201と、各部で利用されるデータの保存に利用される第1メモリ301と、各部に動作クロックを供給するためのクロック発振器211及びクロックゲート212については、省電力モードでも通常モードと同様の動作が継続される。
【0055】
なお、識別ユニット10がFPGA200によって構成され、クロック供給の制御により所定機能部の動作を停止させる例を示したが、本実施例がこれに限定されるものではない。例えば、消費電力制御部210が、図示しない電源からの電力供給を停止して動作を停止させたり供給電力を低くしてパワーダウン状態とする態様であってもよい。識別ユニット10内で実行される処理内容に応じて、各部の動作を停止させたり、通常よりも低い消費電力で動作させるものであれば、その方法は特に限定されない。
【0056】
次に、通常モードと省電力モードの切り替え処理について説明する。図4は、動作モードの切り替えを説明するためのタイミングチャートである。同図では、横軸が時間(T)を表している。通過センサについては、紙幣を検知していない状態をOFF、紙幣が検知された状態をONとして表している。また、省電力モードで動作が停止したりパワーダウン状態となる各部の動作として、通常モードにある状態をON、省電力モードにある状態をOFFとして表している。
【0057】
図4(A)に示すように、各部が省電力モード(OFF)にあるときに、通過センサ104によって紙幣500が検知されると(T=t)、紙幣500を識別するため、消費電力制御部210によって、各部の動作モードが省電力モードから通常モードへ切り替えられる。
【0058】
これにより、省電力モードでクロック供給が停止され動作を停止していた識別処理部205等の機能部では、モード切替直後(T=t)から通常モードでの動作が開始されるが、パワーダウン状態のA/D変換部303等の機能部では、モード切替後暫くした後に(T=t)、通常モードでの動作が開始される。すなわちモード切換後にイニシャル動作を行って、所定時間後に、識別ユニット10全体で通常モードでの動作が可能な状態となる。ただし、時間tからtまでの時間は短く、例えば、モード切替後5mSec以内に通常モードでの動作が開始される。
【0059】
通常モードでの動作が開始されると、通過センサ104によって検知された紙幣500について、画像取得及び識別の処理が行われる。図4(A)に示すように、紙幣が通過センサ104のある位置を通過して、通過センサ104がOFFとなった後も、紙幣500の識別に係る処理が行われる間、各部は通常モードでの動作を継続する。そして、消費電力制御部210が、紙幣500の識別結果を得て識別処理が完了したことを認識すると、このタイミングで(T=t)、動作モードが通常モードから省電力モードへ切り替えられる。すなわち、画像処理部205等へのクロック供給を停止し、透過光源101をオフにし、CISからの信号の読み出しを中止し、A/D変換部303等の動作をパワーダウン状態に変更して、所定機能部をON状態からOFF状態とする。
【0060】
このように、通過センサ104によって紙幣500を検知すると省電力モードから通常モードに移行し、この紙幣500が通過センサ104を通過した後、識別処理が完了し紙幣500の識別結果が得られると通常モードから省電力モードへ移行する。紙幣が連続して搬送されて来るときにも、一枚の紙幣毎に動作モードを切り替えて省電力モードへ移行するので、識別ユニット10における電力消費を細かく制御することができる。その結果、識別ユニット10における消費電力を低減することができる。
【0061】
なお、識別ユニット10では、ノイズ等を原因とする紙幣の誤検知があった場合の対策も施されている。具体的には、図4(B)に示すように、誤検知により通過センサ104がONになった場合(T=t)、実際には紙幣は存在しないので、すぐに通過センサ104からの信号はOFFになる。すでに説明した通り、消費電力制御部210は、通過センサ104がONとなったことを受けて動作モードを省電力モードから通常モードへ切り替える。このとき、消費電力制御部210は、通過センサ104がONとなった後、例えば5mSec等の所定タイミング(T=t)で、再度、通過センサ104からの信号の状態を確認する。ここで消費電力制御部210が、通過センサ104の信号がOFFであることを認識すると、動作モードが通常モードから省電力モードへ切り替えられる。
【0062】
このように、通過センサ104がONになった後、所定タイミングで再度通過センサ104の状態を確認することにより、誤検知であった場合には、再び省電力モードに戻るので、無駄な電力消費を回避することができる。
【0063】
図5は、図4で説明したモード切替の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、識別ユニット10で識別対象媒体である紙幣が検出されると(ステップS1)、消費電力制御部210により省電力モードから通常モードへの移行処理が開始される(ステップS2)。ここで行われる処理が、消費電力制御部210により、所定機能部へのクロック供給又は電力供給を開始して各部の電源をオン状態とし、通常モードでの動作を開始させるための処理である。
【0064】
この後、所定タイミングで、再度通過センサ104の状態を確認し、処理対象である紙幣が存在すれば(ステップS3;Yes)、識別処理を開始する(ステップS4)。一方、通過センサ104の状態がOFFであり、処理対象である紙幣が存在しない場合には(ステップS3;No)、消費電力制御部210により直ちに省電力モードへ戻すための処理が開始される(ステップS6)。
【0065】
処理対象である紙幣が存在し(ステップS3;Yes)、識別処理が開始された場合には(ステップS4)、識別結果が得られるまで処理が続けられる(ステップS5;No)。識別処理が完了した後は(ステップS5;Yes)、消費電力制御部210により通常モードから省電力モードへの移行処理が開始される。ここで行われる処理が、消費電力制御部210により、所定機能部へのクロック供給又は電力供給を停止して電源をオフ状態としたり、所定機能部をパワーダウンモードでの動作へ切り替えて省電力モードでの動作を開始させるための処理である。
【0066】
上述してきたように、本実施例では、紙幣500の識別処理の開始及び完了のタイミングを識別ユニット10内で判断し、通常モードと通常モードに対して消費電力を抑えた省電力モードとの間で動作モードを切り替える。このため、識別処理を行う間は通常モードでの動作を行うとともに、識別処理を行わないときには省電力モードに移行して消費電力を低減することができる。また、動作モードを一枚の紙幣毎に切り替えることができるので、電力消費を細かく制御して効率よく消費電力を低減することができる。また、識別ユニット10が独自に判断して動作モードの切り替えを行うので、識別ユニット10が組み込まれる紙幣処理装置1の機能に拘わらず消費電力の低減を実現することができる。
【0067】
また、通常モードでの動作開始後に、所定タイミングで紙幣の識別処理が必要であることを再確認し、識別処理が不要であったときは直ちに省電力モードに戻るように制御されるので電力が無駄に消費されることを回避することができる。
【0068】
また、省電力モードでは、識別ユニット10を構成する機能部を、通常モードと同様に動作を続ける機能部と、消費電力を抑えて動作する機能部と、動作を停止する機能部とに分けて、各々の動作を制御することができるので、従来装置と同様の動作を実現しながら消費電力を低減することができる。
【0069】
また、省電力モードでは、識別制御部205等へのクロック供給が停止される。このため全ての機能部へクロックを供給する場合に比べて不要電波の輻射が抑制され、各部の信号処理に影響を及ぼすノイズを低減できるという効果も得られる。また、消費電力が抑制されるので発熱量も低下し、安定動作のために必要な冷却ファン等の冷却装置が不要となる。その結果、識別ユニット10の構成部品点数が減り、製造に係るコストの抑制や重量の軽量化という効果を得ることもできる。
【実施例2】
【0070】
実施例1で上述したように、識別ユニット10は、紙幣500が搬送されてきたことを検知して、紙幣500の識別処理が完了するまでは通常モードで動作するとともに、識別処理が完了すると次に紙幣500を検知するまでの間は省電力モードに移行する。
【0071】
しかし、識別ユニット10は、従来の識別装置と同様に、省電力モードへ移行することなく、常に通常モードで動作することもできる。識別ユニット10に対して省電力モードへの移行を許可するか否かは、紙幣処理装置上での操作によって設定することができる。
【0072】
本実施例では、省電力モードに関する設定を行う方法について説明する。なお、本実施例では、実施例1と同一の機能及び動作に係る説明は省略する。
【0073】
図6は、実施例1で示した識別ユニット10の利用例を示すブロック図である。識別ユニット10は、図1に示したように、CIS100を経て紙幣500を搬送するユニット内部の搬送路が、紙幣処理装置1内の搬送路30の一部を形成するように設置して利用される。
【0074】
図6に示すように、識別ユニット10の全体制御部201は、通信I/F206を介して紙幣処理装置1の各部を制御する装置制御部6と接続される。また、紙幣処理装置1にはコンピュータ装置等からなる上位端末400が接続されている。これにより紙幣処理装置1の機能及び動作を上位端末400から操作することができる。また、上位端末400上で表示部402に表示された情報を確認しながら操作部401による操作を行うことにより、識別ユニット10の設定内容を変更することができる。
【0075】
識別ユニット10の設定を行う際に、表示部402に表示される表示内容の例を図7に示す。識別ユニット10の省電力モードに係る設定画面では、同図に示すように、選択可能な複数の動作モードが表示される。例えば、画面上の「省エネモードオフ」を選択すると、識別ユニット10は、省電力モードに移行することなく常に通常モードで動作する。「省エネモード1」又は「省エネモード2」を選択すると、識別ユニット10は、実施例1で上述したように、通常モードと省電力モードの間で動作モードを切り替えながら動作する。なお、省エネモード1及び省エネモード2では、紙幣処理装置1内で搬送される紙幣の搬送速度を個別に設定することができる。
【0076】
識別ユニット10が、省電力モードから通常モードに切り替えられ、通常モードでの動作が可能となるまでの時間が、例えば5mSecであるとする。この場合、通過センサ104によって紙幣500を検知して動作モードを切り替えてから、紙幣500がCIS100に達するまでの時間を5mSec以上とする必要がある。言い換えれば、識別処理の対象となる紙幣500を検知した後、識別処理を開始するまでの間に、CIS100等の各部を通常モードで動作可能な状態とする必要がある。よって、モード切替後に通常モードでの動作が可能となるまでに要する5mSecという時間と、通過センサ104からCIS100までの距離によって、紙幣500の搬送速度の上限値が決まる。
【0077】
具体的には、例えば、通過センサ104からCISセンサまでの距離が5mmである場合に、通過センサ104で検知された紙幣500が5mSec後にCIS100に達する場合の搬送速度は1000mm/Secである。よって搬送速度の上限は1000mm/Secであり、これ以上速い速度で紙幣500を搬送すると動作モードの切り替えが間に合わず、通常モードでの動作を開始する前に、紙幣500の一部がCIS100を通過してしまう。このため省電力モードを利用することができない。
【0078】
図7に示す識別ユニット10の動作モードの詳細設定画面には、こうして算出された搬送速度が上限値として表示される。ただし、分岐爪41による搬送路30の切り替え動作等のために、識別ユニット10の動作によって決定される上記搬送速度より低い搬送速度である必要がある場合には、低い方の搬送速度が上限値として表示される。紙幣処理装置1では、操作部401によって、表示部402に表示された上限値以下の搬送速度を、省エネモード1の搬送速度として設定することができる。このとき搬送速度の上限値よりも高い数値を設定しようとすると、動作モードは自動的に「省エネモードオフ」に設定される。また、画面上の「初期値」のボタンを押すと、自動的に、動作モードは予めデフォルトモードとして設定されたモードに設定され、搬送速度も予め設定された数値に設定される。
【0079】
紙幣処理装置1では、大量の紙幣を高速に処理することが求められるが、搬送速度を低速にすることにより、搬送路30や分岐爪41等を駆動する各駆動部の消費電力を低く抑えることができる。紙幣処理装置1の利用者は、紙幣処理装置1に求める紙幣処理速度と、省電力効果とを考慮して搬送速度を設定することができる。また、省エネモード1及び省エネモード2として複数の省エネモードを有しているので、各々のモードで異なる搬送速度を設定して、省電力効果の異なる動作モードを容易に切り替え可能となっている。
【0080】
なお、表示部402に表示される搬送速度に係る情報は、図7に示すように単位を「mm/Sec」として搬送速度で表示する他、この搬送速度を換算し、単位を「枚/分」等として紙幣処理速度で表示してもよい。また、表示される内容や単位を切り替え可能にしたり、両方が表示されるようにしてもよい。
【0081】
上位端末400上で操作部401を操作し、省エネモード1又は省エネモード2を選択して設定ボタンを押すと、紙幣処理装置1の装置制御部6はこれを認識し、設定された搬送速度で紙幣を搬送するように搬送部を駆動する駆動部等を制御する。また、装置制御部6から通信I/F206を介して設定内容を受信する識別ユニット10の全体制御部201は、同様に、設定された搬送速度で紙幣500を搬送するようにローラ102及び103の回転を制御するとともに、実施例1で上述したように通常モードと省電力モードを切り替える動作を行う。
【0082】
また、上位端末400上で、省エネモードをオフにする設定がなされた場合には、紙幣処理装置1は、設定の前後で搬送速度を変更することなく動作する。また、識別ユニット10は、動作モードを通常モードに切り替えた後、識別処理中であるか否かに拘わらず、常に通常モードで動作する。
【0083】
上述してきたように、本実施例では、上位端末400を操作することにより識別ユニット10の動作モードを変更することができる。これにより識別ユニット10を省電力モードで動作させることなく、常に通常モードで動作させることができる。
【0084】
また、省電力モードで動作させる場合には、搬送速度を変更することができる。搬送速度を低速にすることにより、識別ユニット10の消費電力を抑制することに加えて、紙幣処理装置1での消費電力を抑制することもできる。また、設定内容が紙幣処理装置1の有する装置制御部6と、識別ユニット10の全体制御部201の両方に入力されるので、紙幣処理装置1と識別ユニット10の搬送速度を同期させることができる。
【0085】
また、省電力モードでは、実施例1で上述したように、識別制御部205等へのクロック供給が停止される。このため全ての機能部へクロックを供給する場合に比べて不要電波の輻射を抑制することができる。その結果、紙幣処理装置1を構成する他の機能部の動作及び機能に影響するノイズを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明は、紙幣等の紙葉類を識別する紙葉類識別装置及びこれを備える紙葉類処理装置における電力消費を低減するために有用である。
【符号の説明】
【0087】
1 紙幣処理装置
2 筐体
3 投入口
4 出金口
5 カセット式収納部
6 装置制御部
10 識別ユニット
21 収納部
30 搬送路
41 分岐爪
42 センサ
101 透過光源
102、103 ローラ
104 通過センサ
200 制御部
201 全体制御部
202 第2メモリ制御部
203 CIS制御部
204 通過センサ制御部
205 識別処理部
206 通信I/F
210 消費電力制御部
301 第1メモリ
302 第2メモリ
303 A/D変換部
304 光源制御部
400 上位端末
401 操作部
402 表示部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
通過する紙葉類の種類を識別する紙葉類識別装置であって、
識別対象となる前記紙葉類を検知するセンサと、
前記センサによって検知された前記紙葉類の画像を撮像する画像撮像部と、
前記画像撮像部によって撮像された紙葉類画像により前記紙葉類の種類を識別する識別処理部と、
前記センサによって前記紙葉類が検知されてから前記識別処理部による前記紙葉類の識別が完了するまでの間は通常モードとして前記画像撮像部及び前記識別処理部を動作させるとともに、前記識別処理の完了後は省電力モードとして前記画像撮像部及び前記識別処理部の動作を停止させて消費電力を制御する消費電力制御部と
を備えたことを特徴とする紙葉類識別装置。
【請求項2】
前記識別処理部の動作に必要なデータを保存するメモリと、
前記メモリへの前記データの書き込み及び読み出しを制御するメモリ制御部と
をさらに備え、
前記消費電力制御部は、前記省電力モードでは、前記メモリ及び前記メモリ制御部を前記通常モードより消費電力が低い状態で動作させて保存済みデータを保持させることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類識別装置。
【請求項3】
前記画像撮像部及び前記識別処理部の動作に利用されるクロックを発振するクロック発振器
をさらに備え、
前記消費電力制御部は、前記クロック発振器からのクロック供給を制御することによって前記通常モード及び前記省電力モードを切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙葉類識別装置。
【請求項4】
紙葉類識別装置を備える紙葉類処理装置であって、
前記紙葉類識別装置は、
識別対象となる前記紙葉類を検知するセンサと、
前記センサによって検知された前記紙葉類の画像を撮像する画像撮像部と、
前記画像撮像部により撮像された紙葉類画像により前記紙葉類の種類を識別する識別処理部と、
前記センサによって前記紙葉類が検知されてから前記識別処理部による前記紙葉類の識別が完了するまでの間は通常モードとして前記画像撮像部及び前記識別処理部を動作させるとともに、前記識別処理の完了後は省電力モードとして前記画像撮像部及び前記識別処理部の動作を停止させて消費電力を制御する消費電力制御部と
を備えたことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項5】
前記紙葉類識別装置の動作を設定するための操作部
をさらに備え、
前記操作部によって前記省電力モードへの移行を禁止する設定がなされた場合には、前記消費電力制御部は、前記紙葉類識別装置を常に前記通常モードで動作させることを特徴とする請求項4に記載の紙葉類処理装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−238201(P2012−238201A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107124(P2011−107124)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】