説明

紙製パネルシートおよびこのパネルシートを用いた構造物

【課題】
軽量で、再利用が容易な紙製材料を用い、椅子、家具、壁構造部,床構造部,屋根裏構造部等の構造物に適用可能な紙製パネルシートおよびこのパネルシートを用いたパネル体を提供することを課題とする。
【解決手段】
単層、または複層の紙製基材に熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、または紫外線硬化性樹脂から選ばれた樹脂を含浸した基材シートを用いた紙製パネルシート、またはこの紙製パネルシートを用いたパネル体とすることにより解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製パネルシートおよびこのパネルシートを用いた椅子、家具、壁構造部,床構造部,屋根裏構造部等の構造物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、家屋における壁構造部,床構造部,屋根裏構造部などの各部位に配されるパネルシート、およびこのパネルシートを用いたパネル体が種々提案されている。
【0003】
しかし、紙素材を用いたパネルシートは、耐水性、各種強度の面で種々の問題があり椅子、家具、壁構造部,床構造部,屋根裏構造部等の構造物の部材として用いられることは極めてまれなことであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、軽量で、再利用が容易な紙製材料を用い、椅子、家具、壁構造部,床構造部,屋根裏構造部等の構造物に適用可能な紙製パネルシートおよびこのパネルシートを用いたパネル体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、紙製基材に熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、または紫外線硬化性樹脂から選ばれた樹脂を含浸した基材シートを用いた紙製パネルシートである。
【0006】
また、本発明は、前記基材シートを複数枚積層したことを特徴とする請求項1に記載の紙製パネルシートである。
【0007】
また、本発明は、前記基材シートを面状部材に用いたことを特徴とする請求項1または2項に記載のパネル体である。
【0008】
また、本発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパネルシート、またはパネル体を壁構造部,床構造部,屋根裏構造部などに配設したことを特徴とする家屋である。
【0009】
また、本発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパネルシート、またはパネル体を扉部、椅子などに配設したことを特徴とする家具である。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上述のように構成したから、前述した従来から提案される技術が持つ問題点を確実に解消し、軽量で一定の強度、硬度を有する極めて商品価値の高い画期的なパネル体、及びこれらを家具、家屋に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0012】
図1に示すように、紙製基材10に、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、または紫外線硬化性樹脂から選ばれた樹脂を塗布、含浸した基材シートを用いた紙製パネルシート11である。
ここで、前記紙製基材10は、単独の材料からなり、この材料に樹脂を塗布、含浸し、硬化した状態で所定の強度および高度を保持できる厚さを有するものを用いる。
【0013】
図1に示すように単独の紙製基材で一定の強度を保持するばかりでなく、図2に示すように、前記紙製基材10を複数枚重ね合わせ、一定の強度を保つ構成の紙製パネルシート11としてもよい。
【0014】
そして、前記パネルシートを適用する具体例として、図3に示すように、前記パネルシート11を表裏の面状部材12、13として用い、この面状部材12、13の間に、複数枚の補強部材15を配置し、一体化したパネル体20として使用することができる。
また、図3に示すように、パネル体20とすることで、面状部材12、13間に一定の空間を形成することができ、壁構造部,床構造部,屋根裏構造部などに適用した場合、断熱効果も発揮することができる。
【0015】
前記紙製パネルシートを適用する具体例として、図4に示すように、エネルギーを加えることで硬化する樹脂を塗布、含浸した紙製パネルシート11を加熱成形して、椅子の座部30と背もたれ部31を備えた本体32を製造することができる。
そして、この本体32に脚部33を取り付けることにより、椅子35として使用することができる。
【0016】
前記紙製基材に塗布、含浸する樹脂は、具体的に、電子線硬化樹脂としては、例えば、分子末端にアクリル基もしくはメタクリル基を有しており、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルメタクリレート、ウレタンメタクリレート、エポキシメタクリレートを使用することができる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等を使用することができる。
そして、上記樹脂を紙製基材に塗布する手段は、ロールコータ、リバースコータ、グラビアコータ等が挙げられる。
【0017】
本実施例は、対向する面状部材11,12によって形成される空間に粒状若しくは粉状の小充填物を収納してもよい。
【0018】
尚、前記パネル体20として家屋の壁構造や床構造に配設されるパネル体を構成しているが、例えば、ベッド、扉体の一部として用いる構成、倉庫の一部として用いる構成とするなどに適用することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】パネルシートの実施形態を示す説明図である。
【図2】パネルシートの他の実施形態を示す説明図である。
【図3】パネル体の実施形態示す説明図である。
【図4】パネル体を配設した家具の使用状態説明図である。
【符号の説明】
【0020】
10・・・紙製基材
11・・・紙製パネルシート
12、13・・・面状部材
15・・・補強部材
20・・・パネル体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙製基材に熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、または紫外線硬化性樹脂から選ばれた樹脂を塗布、含浸した基材シートを用いた紙製パネルシート。
【請求項2】
前記基材シートを複数枚積層したことを特徴とする請求項1に記載の紙製パネルシート。
【請求項3】
前記基材シートを面状部材に用いたことを特徴とする請求項1または2項に記載のパネル体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のパネルシート、またはパネル体を壁構造部,床構造部,屋根裏構造部などに配設したことを特徴とする家屋。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のパネルシート、またはパネル体を扉部、椅子などに配設したことを特徴とする家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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