説明

紙質調カード及びその製造方法

【課題】外観上、使用上は木質調のカードであるが、紙基材のカードよりは耐折性が高くカード表面が平滑であって、且つ接着剤を用いずに低圧力の熱ラミネート法で製造可能な紙質調カードの提供を目的とした。
【解決手段】熱可塑性樹脂からなるコアシート2の両面、あるいは片面に、植物繊維に夏可塑性繊維を配合したオーバーコート基材4を融着したことを特徴とする紙質調カードである。熱可塑性繊維が、線径が2〜4μmのポリエステル繊維、コアシート2は、PET−G又はPVC、植物繊維は線径が1〜2μmのウッドパルプであることを特徴とする。融着はコアシートのガラス転移温度以上の加熱温度で熱ラミネートするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気カードやICカード等の基材となる紙質調カードの構成とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、磁気カードは、キャッシュカード、クレジットカード、IDカード、又はドアの錠等に広く利用されるものであり、専用機に通したりかざしたりして日常頻繁に利用されるものであるため、主として剛性のある樹脂製基材が用いられている。このカードの樹脂製基材としては、磁気ストライプ等の表面に凹凸が表れ得るものを面一状に埋設することを考慮して、熱可塑性樹脂が用いられてきた。
【0003】
このカード1の外観及び構成を図1に示したが、コアシート2、接着層5、オーバーコート基材4、磁気ストライプ3、印刷層6からなる。コアシート2として用いられる熱可塑性樹脂は、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニル−ポリ酢酸ビニル共重合体、テレフタル酸と、シクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールとの共重合体、テレフタル酸とイソフタル酸及びエチレングリコールとの共重合体、またはその共重合体とポリカーボネート及び、またはポリアリレートとのポリマーアロイからなる非晶性ポリエステル、ABS等の非晶性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の結晶性樹脂が使用される。
【0004】
また、カード1は、JISX6301の規格である厚み0.68〜0.84mmを満たせば良いが、コスト面から0.68〜0.80mmとすることが好適である。オーバーコート基材の厚みは±10%でありコア材と比べその厚みのばらつきは大きい。情報伝達と意匠性を高めるためにオーバーコート基材表面に印刷が行われる。
【0005】
接着層5はポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、またはこれらの混合物や共重合体等が好適であるがこれらに限定するものではない。カード基材の片側、もしくは両側に、磁気ストライプ3を熱転写により接着配置する。磁気ストライプ3の厚みは10〜30μmである。
【0006】
しかし、近年、使用済みカードの廃棄時における自然環境への配慮、即ち樹脂製品の高温焼却処理や、地中における分解性が低い樹脂材料の埋め立て処理等の回避の観点から、剛性を有するように加工された天然素材の紙基材を用いたカードが用いられるようになってきている。このような紙基材を用いた情報記録カード等に適合する積層体の構成としては、下記特許文献1に開示されたものが知られている。
【0007】
特許文献1に開示された積層体は、コアシートとして天然パルプ材が使用され、該コアシート上に基紙と類似かあるいは材質および形態が異なる基材のシートを積層し、その後線圧200〜3500kg/cmの加圧条件でプレスしたものである。基材は、具体的には、合成高分子又は半合成高分子で、その形態はフィルム又は繊維シートが使用されている。
【0008】
基紙としては、例えば、針葉樹晒クラフトパルプや広葉樹晒クラフトパルプの化学パルプ、GP、BCTMP、MP等の機械パルプが例示されている。基材としての合成高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVA、ポリスチレン等が例示されている。
【0009】
ところで、コアシートとオーバーコート基材が同系の熱可塑性樹脂であれば、熱ラミネ
ートにより比較的容易に接合できるが、PVA等の熱可塑性樹脂からなるコアシートとポリエチレン、ポロプロピレン等のポリオレフィン系フィルムからなるオーバーコート基材を積層するような、異質な基材の接合は、単に熱ラミネートするだけでは接合せず、図1に示したように、何らかのホットメルト系接着剤を基材間に介在させる必要がある。
【0010】
しかしまた、多種多様な要求に応えるために異質な材料を用いたカードに対する要望も強い。この場合に、好適な接着剤を選定するには、ラミネート条件(温度、圧力、硬化剤の添加量)の決定、接着剤のポットライフ等を考慮しなければならず、多大なコストと手間が必要になるという問題がある。
【0011】
一方、コアシートとオーバーコート基材に天然パルプ系材料を使用するエコ指向の場合には、熱ラミネートは不要であるが、現在のところ相当の高圧(線圧200〜3500kg/cm)で加圧しないと、天然パルプ材料自体や磁気ストライプに由来する凹凸を抑制して、カードして必要な表面平滑性や寸法安定性が得られないという問題がある。また、コアシートに紙パルプが入ってしまうと剛性が低下して耐折性が得られないという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平11−70630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで本発明は、外観上、触覚上は繊維質のカードであるが、紙基材のカードよりは耐折性が高くカード表面が平滑であって、且つ接着剤を用いずに低圧力のプレス法で製造可能な紙質調カードの提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供している。
請求項1に記載の発明は、熱可塑性樹脂からなるコアシートの両面、あるいは片面に、植物繊維に熱可塑性繊維を配合したオーバーコート基材を融着したことを特徴とする紙質調カードとしたものである。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記熱可塑性繊維は、線径が2〜4μmのポリエステル繊維であることを特徴とする請求項1に記載の紙質調カードとしたものである。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記コアシートは、PET−G又はPVCであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紙質調カードとしたものでる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記植物繊維は、線径が1〜2μmのウッドパルプであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の紙質調カードとしたものである。
【0018】
請求項5に記載の発明は、前記オーバーコート基材の植物繊維と熱可塑性繊維の重量比率が30:70〜80:20であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の紙質調カードとしたものである。
【0019】
請求項6に記載の発明は、熱可塑性樹脂からなるコアシートの両面、あるいは片面に、植物繊維に熱可塑性繊維を配合したオーバーコート基材を配置して、コアシートのガラス転移温度以上の加熱温度で熱ラミネートしたことを特徴とする紙質調カードの製造方法と
したものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の紙質調カードによれば、カードの体積の大半を占めるコアシート基材部分に熱可塑性樹脂を使用し、その両面を被覆するオーバーコート基材として、ポリエステル繊維を含有する植物繊維とした構成を採用したことで、オーバーコート基材の樹脂成分とコアシートの樹脂成分が、双方のガラス転移温度以上であれば親和性が増大し、接着剤を介在せずとも、天然パルプだけを使用したものに比べて、低い圧力で容易に接合にいたるという効果を奏する。その結果、機械的にニップに圧を加える方式でなくとも、平プレスで十分な接合と表面平滑性が得られる。
【0021】
また、オーバーコート基材の表面に凹凸がある場合や基材間に磁気テープがある場合でも、コアシート基材が軟化することで、表面の凹凸を吸収して、カード表面の平滑性を得ることができため、印刷に適したものとすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)は、磁気カードの斜視図であり、(b)は磁気カードの構成を説明する断面視の図である。
【図2】本発明になる、磁気テープ部を備えるカードの構成を説明する断面視の図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1(a)は、磁気カード1の斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態を示す磁気カード1の断面視の模式図である。
【0024】
図2に示すように、磁気カード1は、熱可塑性樹脂からなるコアシート2が磁気ストライプ3を備えたオーバーコート基材4、4によって上下から挟み込まれてなるものである。コアシート2とその上下両面に配されるオーバーコート基材4、4とは、一体的に接合されている。オーバーコート基材4の表面には、絵柄による意匠が含まれた印刷層6、6を施してもよい。
【0025】
コアシート2は、略矩形に形成された磁気カード1の芯となる部分で、PET−GやPVC等の熱可塑性樹脂が用いられている。コアシート2の厚さは、0.4mm〜0.7mmの範囲であって、好ましくは0.6mm程度である。この範囲内であれば、十分な剛性、硬度、機械強度を有し耐折性が優れたものとなる。
【0026】
オーバーコート基材4は、コアシート2と同じ寸法で矩形に形成されコアシート2の上下に外装されるものである。オーバーコート基材4は、植物繊維に熱可塑性繊維を配合させてシート状に成型したもので、厚さは、0.05〜0.25mmが好ましく、より好ましくは0.2mm程度である。
尚、オーバーコート基材4は、用途によってはコアシートの片面だけに形成することができる。
【0027】
植物繊維としては、線径が1〜2μmの範囲で、長さが1インチ程度のウッドパルプであるのが好ましい。具体的には、上質紙、中質紙等があげられるが、使用されているパルプとしては、例えば針葉樹晒クラフトパルプや広葉樹晒クラフトパルプの化学パルプ、GP、BCTMP、MP等の機械パルプがあげられる。熱可塑性繊維をそのまま紙の上に所定量乗せてもいいし、前記パルプ類と混合してからシート状に成型してもよい。
【0028】
植物繊維中に占めるポリエステル繊維は、多分岐状で線径が2〜4μの範囲のものが好ましく、割合は、植物繊維の10〜90重量%が好ましい。10%未満であると、ポリエステル成分の効果が現れにくく、コアシートとの接合が弱くなり、寸法安定性も劣る。逆に、増えるにつれて紙としての質感が失われることになる。好ましくは55%程度である。
【0029】
磁気ストライプ3は、PETフィルム等の片面の全面に磁気記録材料が塗布されたものであり、このオーバーコート基材4の表面に配置され、加圧によりオーバーコート基材4と面一状になるように埋設されている。磁気ストライプの厚みは一般的に10〜20μmである。磁気ストライプ3により形成される表面の凹凸は、JISX6302−6(ISO/IEC 7811−6)により計測した場合、−5μm≦h≦38μm(垂直変位量)、0.40μm以下(平均表面粗さ)となるようにされている。
【0030】
この構成において、オーバーコート基材4は、磁気ストライプ3を外面にしてコアシート2の上下に積層され、オーバーコート基材が加圧されると磁気テープの厚み分、オーバーコート基材がコアシート側に凹む場合には、その凹みは樹脂製のコアシートが変形して吸収されて、磁気カード2があってもオーバーコート基材表面が平滑になるようにしている。
【0031】
コアシート2とオーバーコート基材4の張り合わせは、コアシート2の両面又は片面にオーバーコート基材4を当接し、加熱圧着(ラミネート)することで融着する。加熱温度は、少なくともコアシートの熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上であることが好ましく、加えて熱可塑性繊維のガラス転移温度以上であることがより好ましい。また、熱可塑性樹脂及び熱可塑性繊維のガラス転移温度は、等しいか、差が50℃以下であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂よりも熱可塑性繊維のガラス転移温度が大きい方が、熱可塑性繊維の変形を抑え、紙質調を保つことができる。例えばポリエステル繊維とPET−Gのガラス転移温度は、それぞれ70℃、55℃程度であるので70℃程度で加熱プレスするのが好ましい。
【0032】
次に、磁気カード1の作製方法について説明する。本発明による磁気カード1は、予めオーバーコート基材4に磁気ストライプ3を埋設しておく方法(1)と、オーバーコート基材4をコアシート2に加圧貼着させる際に磁気ストライプ3を埋設する方法(2)との2つの方法があるので、両方の作製方法について説明する。
【0033】
(1)予めオーバーコート基材4に磁気ストライプ3を埋設しておく方法
各シート基材等を接合するにあたっては、各基材を最終製品とする寸法に形成した上で行っても構わないが、作業効率及び材料の利用効率を考慮して、下記全判シートを用いて各基材等を接合し、作製の最終過程で最終製品の寸法に切り出すこととする。後述する(2)の方法についても同様である。
【0034】
まず、図1(a)に示すように、オーバーコート基材4の所定の位置に磁気ストライプ3を熱転写により配置させ、図2又は図1(b)に示すように、磁気ストライプ3を配した側からオーバーコート基材4に圧力をかけ、磁気ストライプ3をオーバーコート基材4に埋設させ、磁気ストライプ3の面とオーバーコート基材4の面とを面一状にする。
【0035】
この際、圧力のかけ方は、平板等による面圧によっても、ロール等による線圧によってもいずれでも良いが、オーバーコート基材4が樹脂成分を含むので平板プレスで十分であった。また、磁気ストライプ3の接着性を向上させるために圧力と同時に熱を加えても良い。
【0036】
次に、コアシート2の上下両側に、磁気ストライプ3が埋設された側と反対側の面が当接にするようにオーバーコート基材4、4を配置させて、加熱・加圧により1枚の板状にする(図示せず)。この際の温度は、80℃〜160℃が好ましく、100℃〜140℃がより好適である。圧力は、0.5〜5.0MPaが好ましく、1.0〜3.5MPaがより好適である。
【0037】
次に、磁気カード1の表面に印刷を行う。印刷方式は、例えば、オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等が可能である。インキは、UV硬化性、油性、水性が使用可能である。磁気カード1に保護層を印刷で形成する場合は、最表層となるようにする。
【0038】
このようにして1枚の板状となった全判シートは、雄雌型のパンチや刃物により磁気カード1の寸法に切り出され、図1(a)、図2に示すような磁気カード1が得られる。
【0039】
(2)オーバーコート基材4をコアシート2に加圧貼着させる際に磁気ストライプ3を埋設する方法
オーバーコート基材4をコアシート2に加圧貼着させる際に磁気ストライプ3を埋設する場合には、まず、オーバーコート基材4の外表面の所定の位置に磁気ストライプ3を熱転写により配置させ、コアシート2に貼着する内表面側をオーバーコート基材4、4を磁気ストライプ3側が外面になるようにしてコアシート2の上下に配置する。
【0040】
次に、オーバーコート基材4の磁気ストライプ3側の外面から圧力を掛け、磁気ストライプ3をオーバーコート基材4内に埋設すると同時に、それに伴う凸部をオーバーコート基材4に吸収させて1枚の板状体とする。
このようにして作製された磁気ストライプ3を有する板状体を雄雌型のパンチや刃物により磁気カード1の寸法に切り出し、表面に適宜印刷を行うことによって、図1(a)、図2に示すような磁気カード1が得られる。
【0041】
上記のようにして形成された磁気カード1は、磁気ストライプ3を配置したオーバーコート基材4でコアシート2を狭持しつつ全体を加圧、又は加圧及び加熱することによって、磁気ストライプ3をオーバーコート基材4に面一状になるように埋設することができる。したがって、磁気ストライプ3に対する引っ掛かりにより当該磁気ストライプ3が傷んだり剥がれ易くなったりすることを防止できるという効果が得られる。また、磁気カード1の表面が平滑にされているため、磁気カード表面の印刷適性が向上するという効果も得られる。
【0042】
また更に、オーバーコート基材4として天然素材の紙基材が用いられているため、可燃物として自然環境に馴染みやすい廃棄方法を採用することができるという効果が得られる。
【0043】
なお、本発明は、磁気ストライプ3のみを配した磁気カード1に限定するものではなく、磁気カード1に加えICチップがコアシート2に埋設されたICカード兼磁気カードとしても適用することができ、一般にカード表面に平滑性を持たせる方法としても採用することが可能である。
【0044】
以下、本発明の磁気カード1を、実施例を用いて説明する。但し、磁気テープはあってもなくても構わない。
【実施例1】
【0045】
先ず、厚み0.2mmの紙質のオーバーコート基材4を用意した。厚さ20μmの磁気
ストライプ3をオーバーコート基材上の所定位置に配置して、2MPaの面圧により160℃の温度で加圧して貼付した。このオーバーコート基材は、Dupont社製の、線径2〜4μmのポリエステル繊維が55重量%含まれているものである。
【0046】
次に、厚さ0.76mmのPET−Gからなるコアシート(三菱樹脂社製のPG−WHI−FG)の表裏面に磁気ストライプ面を上側にして重ね合わせ丁合、仮止めし、平滑な金属板を用いて110℃,1.5MPa,20分の条件で熱ラミネートプレスを施し、コアシート2とオーバーコート基材4を接合した。このオーバーコート基材4の磁気ストライプ3が配置された面をスクリーン印刷することにより磁気テープを隠蔽した後、オフセット印刷により絵柄層を印刷した。
最後に、パンチングにてカード小片に断裁して磁気カード1を得た。
【実施例2】
【0047】
実施例2としては、厚さ0.5mm、発泡倍率5の発泡性紙基材である王子製紙製フワットライトN720100をオーバーコート基材4とし、厚さ20μmの磁気ストライプ3を熱転写により所定の位置に配置した。このオーバーコート基材は、Dupont社製の、線径2〜4μmのポリエステル繊維が55重量%含まれているものである。
【0048】
コアシート2としては、厚さ0.6mmのPVCフィルムを用いた。このコアシート2に対し、磁気ストライプ3が表面側に配されるようにオーバーコート基材4を丁合、仮止めし、平滑な金属板を用いて120℃、2.0MPaにて熱ラミネートプレスを行い、厚さ0.8mmの1枚の板状体とした。その上で、板状体の両側にスクリーン印刷、オフセット印刷により絵柄層を印刷した。その後、同様にもう一度ラミネートプレスを行って、磁気カード1の表面の艶出しを行い、カード小片となるよう断裁した。
【0049】
実施例1と実施例2の磁気カードの磁気テープ部と周辺紙質部の段差を測定したところ1μm以下であった。紙質部のRaを同様に測定したところ0.4μm以下であって十分な平滑性を有していた。印刷品質も良好なものであった。
尚、本発明は、コアシートに凹みを形成し該部位にICチップを備えるICカード等にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1、磁気カード
2、コアシート
3、磁気ストライプ
4、オーバーコート基材
5、接着層
6、絵柄層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂からなるコアシートの両面、あるいは片面に、植物繊維に熱可塑性繊維を配合したオーバーコート基材を融着したことを特徴とする紙質調カード。
【請求項2】
前記熱可塑性繊維は、線径が2〜4μmのポリエステル繊維であることを特徴とする請求項1に記載の紙質調カード。
【請求項3】
前記コアシートは、PET−G又はPVCであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紙質調カード。
【請求項4】
前記植物繊維は、線径が1〜2μmのウッドパルプであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の紙質調カード。
【請求項5】
前記オーバーコート基材の植物繊維と熱可塑性繊維の重量比率が30:70〜80:20であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の紙質調カード。
【請求項6】
熱可塑性樹脂からなるコアシートの両面、あるいは片面に、植物繊維に熱可塑性繊維を配合したオーバーコート基材を配置して、コアシートのガラス転移温度以上の加熱温度で熱ラミネートしたことを特徴とする紙質調カードの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−45720(P2012−45720A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186998(P2010−186998)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】