説明

紙鍋

【課題】紙鍋の四隅の継ぎ目をポリエチレン熱溶着による接合構成とすることにより、紙鍋の中身が継ぎ目から漏れ出したりすることを確実に防ぐ上に、飲料を熱することはもちろん食品を高温としても有害物質が出ない、人体に無害である紙鍋を提供することにある。
【解決手段】耐熱紙により構成される方形鍋底部と側面部と蓋部からなるとともに、相対向する一組の側面部はその上辺が底辺より長い逆台形状となる形状を備え、折線に沿って折りたたみ自在とするとともに、組み立てると方形鍋底部の四方に側面部が拡開状に立設する紙鍋において、隣り合う側面部と側面部にそれぞれのりしろ部を設け、人体に安全な耐熱性シール材により接着したものである。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウトドア、特に車で荷物を運搬できない場所、たとえば山行ハイキングや登山などに携行すると便利な紙鍋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、先に特開2009−136545号公報に開示される紙鍋と紙鍋ホールダーを提案している。紙鍋ホールダーは、組み立てると箱状となる耐熱紙により構成される紙鍋が、底枠内に折り畳み平面収容自在であるとともに組み立てると底枠の四方に上部開口部が底面より拡開状に立設して形成される箱枠内に収容自在とされ、かつ使用される素材がステンレスのごとき軽量耐熱素材である。また紙鍋は、耐熱紙により構成される方形鍋底部と側面部と蓋部からなるとともに、相対向する一組の側面部はその上辺が底辺より長い逆台形状となる形状を備え、折線に沿って折りたたみ自在とするとともに、組み立てると方形鍋底部の四方に側面部が拡開状に立設するものである。
しかしながら、上記の紙鍋には、四隅の継ぎ目の接合構成について触れていないという課題が残されていたものである。
【特許文献1】特開2009−136545号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ポリエチレンのようなヒートシール加工に適し、加熱により溶け出す温度が110度前後、またかりに体内に入っても吸収されることなく体外に排出され、紙コップや紙皿などに使用されている人体に安全な耐熱性シール材が存在することに着目し、紙鍋の四隅の継ぎ目をポリエチレン熱溶着による接合構成とすることにより、紙鍋の中身が継ぎ目から漏れ出したりすることを確実に防ぐ上に、お湯を沸かしたり、高温の食品を調理したりでき、しかも有害物質が出ない、人体に無害である紙鍋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る紙鍋は、耐熱紙により構成される方形鍋底部と側面部と蓋部からなるとともに、相対向する一組の側面部はその上辺が底辺より長い逆台形状となる形状を備え、折線に沿って折りたたみ自在とするとともに、組み立てると方形鍋底部の四方に側面部が拡開状に立設する紙鍋において、隣り合う側面部と側面部にそれぞれのりしろ部を設け、人体に安全な耐熱性シール材により接着したものである。
また、本発明に係る紙鍋は、耐熱紙により構成される方形鍋底部と側面部と蓋部からなるとともに、相対向する一組の側面部はその上辺が底辺より長い逆台形状となる形状を備え、折線に沿って折りたたみ自在とするとともに、組み立てると方形鍋底部の四方に側面部が拡開状に立設する紙鍋において、隣接する三面をカットした略直方体形状の補助片を紙鍋の四隅に人体に安全な耐熱性シール材により接着したものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、紙鍋の四隅の継ぎ目をのりしろあるいは/および補助片を用い、ポリエチレンのごとき人体に安全な耐熱性シール材によりシール加工を施すことにより、紙鍋の中身が継ぎ目から漏れ出したりすることを確実に防ぐ上に、お湯を沸かしたり、高温の食品を調理したりでき、しかも加熱によりシール材が溶けても有害物質が出ない、人体に無害である紙鍋が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は本発明に係る紙鍋の一例を示す展開図である。
【図2】図2は図1の紙鍋の組立図である。
【図3】図3は補助片の概略斜視図である。
【図4】図4は補助片を使用した紙鍋の組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る紙鍋は、紙鍋の四隅の継ぎ目をのりしろあるいは/および補助片を用いてポリエチレンのごとき人体に安全な耐熱性シール材によりシール加工を施すことにある。
【実施例1】
【0008】
以下、本発明の紙鍋について、実施例に基づき説明する。
本発明に係る紙鍋1の実施の一例の展開図を図1に示す。図面において縦長の四角紙2は、上から同幅に横方向に山折り、山折り、谷折り、山折りの折れ線が付されることによって上から長側面3、鍋底4、長側面5、二幅にまたがる鍋蓋6を形成し、かつ鍋底4の中央は横方向に谷折りの折れ線が付されるとともに、鍋蓋6には蓋のヘリ7が付属している。また四角紙の鍋底4部分の両側には逆台形状短側面8が付設され、各逆台形状短側面8には中心線に短めな谷折とそれに続く長めの山折りの折れ線が付され、その谷折りと山折りとの分岐部9と鍋底側部両端とに結ばれる両斜め線には谷折りの折れ線が付されている。そして、前記各逆台形状短側面8の両側部10は前記長側面3と長側面5の両側部11,12に接合されて使用される。
そして、前記長側面3,5と各台形状短側面8の両側にはそれぞれのりしろ13を設け、図2に示されるように、組立時にポリエチレン熱溶着により前記長側面3,5と各台形状短側面8とを接着している。
【実施例2】
【0009】
図3に隣接する三面をカットした略直方体形状の補助片14を示している。これを実施例1に示すような構成の紙鍋15の四隅に外側からポリエチレン熱溶着により接着している。
【0010】
尚、上記実施例においては、のりしろおよび補助片をポリエチレン熱溶着したが、人体に安全な耐熱性シール材であればポリエチレンに限定されない。また、のりしろと補助片はそれぞれ単独で使用してもよいし、また併用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明に係る紙鍋は、アウトドア、特に車で荷物を運搬できない場所、たとえば山行ハイキングや登山などに携行したときに、携帯用ガスバーナーなどを用いて加熱しても、紙鍋の中身が継ぎ目から漏れ出したりすることがないため、お湯を沸かしたり、高温の食品を調理したりでき、しかもその素材も人体に無害であるから安心して使用できる。
【符号の説明】
【0012】
1 紙鍋
2 四角紙
3 長側面
4 鍋底
5 長側面
6 鍋蓋
7 蓋のヘリ
8 逆台形状短側面
9 分岐部
10 逆台形状短側面両側部
11 側面両側部
12 側面両側部
13 のりしろ
14 補助片
15 紙鍋
16 のりしろ







【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐熱紙により構成される方形鍋底部と側面部と蓋部からなるとともに、相対向する一組の側面部はその上辺が底辺より長い逆台形状となる形状を備え、折線に沿って折りたたみ自在とするとともに、組み立てると方形鍋底部の四方に側面部が拡開状に立設する紙鍋において、隣り合う側面部と側面部にそれぞれのりしろ部を設け、ポリエチレンのごとき人体に安全な耐熱性シール材により接着してなることを特徴とする紙鍋。
【請求項2】
耐熱紙により構成される方形鍋底部と側面部と蓋部からなるとともに、相対向する一組の側面部はその上辺が底辺より長い逆台形状となる形状を備え、折線に沿って折りたたみ自在とするとともに、組み立てると方形鍋底部の四方に側面部が拡開状に立設する紙鍋において、隣接する三面をカットした略直方体形状の補助片を紙鍋の四隅に、ポリエチレンのごとき人体に安全な耐熱性シール材により接着してなることを特徴とする紙鍋。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−120806(P2011−120806A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282470(P2009−282470)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(507403584)
【Fターム(参考)】