素子収納用パッケージおよび光半導体装置
【課題】耐久性や気密性の良好な信頼性の高い素子収納用パッケージを提供する。
【解決手段】素子収納用パッケージ1は、上面に光半導体素子11が載置される載置領域を有する基板3と、前記載置領域を囲むように基板3の上面に配設された、内側面および外側面に開口する貫通孔を有する枠体5と、前記貫通孔の内周面にロウ材を介して接合された筒状の第1の部分および枠体5の外側に位置する筒状の第2の部分を有し、前記第1の部分の内周面および前記第2の部分の内周面が連続している光ファイバ保持部材9とを備えている。そして、前記第2の部分の外周面に、前記貫通孔の貫通方向に沿って溝が形成されている。
【解決手段】素子収納用パッケージ1は、上面に光半導体素子11が載置される載置領域を有する基板3と、前記載置領域を囲むように基板3の上面に配設された、内側面および外側面に開口する貫通孔を有する枠体5と、前記貫通孔の内周面にロウ材を介して接合された筒状の第1の部分および枠体5の外側に位置する筒状の第2の部分を有し、前記第1の部分の内周面および前記第2の部分の内周面が連続している光ファイバ保持部材9とを備えている。そして、前記第2の部分の外周面に、前記貫通孔の貫通方向に沿って溝が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PD(フォトダイオード)あるいはLD(レーザダイオード)のような光半導体素子が収納される素子収納用パッケージおよびこれを用いた光半導体装置に関する。このような光半導体装置は、例えば光通信機器に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
光半導体素子を収納する素子収納用パッケージ(以下、単にパッケージともいう)としては、例えば、特許文献1に記載された光モジュールに用いられているパッケージが知られている。特許文献1に記載のパッケージは、光ファイバが固定されたフェルールを保持するためのフェルールホルダがパッケージ本体に取り付けられている。フェルールホルダによってパッケージ本体に固定された光ファイバは、光半導体素子と光学的に結合される。フェルールホルダは、一般的にロウ材のような接合部材を用いてパッケージ本体に接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−204107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フェルールホルダをパッケージ本体に強固に接合するため、これらの部材を接合するロウ材は一般的に多めに用いられる。しかしながら、余剰となったロウ材が、パッケージ本体の表面あるいはフェルールホルダの表面における予想外の領域に濡れ広がる可能性がある。パッケージ本体あるいはフェルールホルダを構成する材料とロウ材を構成する材料との熱膨張係数の差に起因して、余剰となったロウ材からパッケージ本体あるいはフェルールホルダに予想外の応力が加わる可能性がある。そのため、パッケージの耐久性や気密性が低下する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、耐久性や気密性の良好な信頼性の高い素子収納用パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に基づく素子収納用パッケージは、上面に光半導体素子が載置される載置領域を有する基板と、前記載置領域を囲むように前記基板の上面に配設された、内側面および外側面に開口する貫通孔を有する枠体と、前記貫通孔の内周面にロウ材を介して接合された筒状の第1の部分および前記枠体の外側に位置する筒状の第2の部分を有し、前記第1の部分の内周面および前記第2の部分の内周面が連続している光ファイバ保持部材とを備えている。そして、前記第2の部分の外周面に、前記貫通孔の貫通方向に沿って溝が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
上記態様の素子収納用パッケージにおいては、上述の通り、枠体の外側に位置する光ファイバ保持部材の筒状の第2の部分に、貫通孔の貫通方向に沿って溝が形成されている。そのため、第1の部分に隣接する第2の部分における上記の溝に枠体と光ファイバ保持部材とを接合するロウ材の余剰分を溜めることができる。従って、ロウ材が予想外の領域に濡れ広がることを抑制できる。また、溝に上記のロウ材の余剰分を溜めることができることから、過度に多量のロウ材を用いることなく安定して枠体と光ファイバ保持部材とを接
合できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態の素子収納用パッケージおよびこれを備えた光半導体装置を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示す素子収納用パッケージの平面図である。
【図3】図2に示す素子収納用パッケージのX−X断面における断面図である。
【図4】図3における領域Aを示す拡大断面図である。
【図5】図1に示す素子収納用パッケージの側面図である。
【図6】図5における領域Bを示す拡大側面図である。
【図7】図6に示す素子収納用パッケージの第1の変形例を示す側面図である。
【図8】図4に示す素子収納用パッケージの第2の変形例を示す側面図である。
【図9】図6に示す素子収納用パッケージの第3の変形例を示す側面図である。
【図10】第2の実施形態の素子収納用パッケージの断面図である。
【図11】図10における領域Cを示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各実施形態の素子収納用パッケージ(以下、単にパッケージともいう)およびこれを備えた光半導体装置について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明に係るパッケージおよび光半導体装置は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0010】
図1〜6に示すように、第1の実施形態のパッケージ1は、基板3と、この基板3の上面に配設され、内側面および外側面に開口する貫通孔7aを有する枠体5と、この枠体5の貫通孔7aに取り付けられた光ファイバ保持部材9とを備えている。
【0011】
本実施形態における基板3は、四角板形状の平板部およびこの平板領域の四隅からそれぞれ側方に引き出されたネジ止め部を有している。平板部は、上面に光半導体素子11が載置される載置領域3aを有している。ネジ止め部には、それぞれネジ止め孔13が形成されている。このネジ止め孔13によってパッケージ1を実装基板(不図示)にネジ止め固定することができる。
【0012】
なお、本実施形態において載置領域3aとは、基板3を平面視した場合に光半導体素子11と重なり合う領域を意味している。基板3の大きさとしては、例えば、平板部の一辺を5mm〜50mmに設定することができる。また、基板3の厚みとしては、例えば、0.3mm〜3mmに設定することができる。
【0013】
本実施形態においては載置領域3aが基板3の上面の中央部に形成されているが、光半導体素子11が載置される領域を載置領域3aとしていることから、例えば、基板3の上面の端部に載置領域3aが形成されていても何ら問題ない。また、本実施形態の基板3は一つの載置領域3aを有しているが、基板3が複数の載置領域3aを有し、それぞれの載置領域3aに光半導体素子11が載置されていてもよい。
【0014】
基板3の上面における載置領域3aには光半導体素子11が配設される。光半導体素子11としては、例えば、LD素子に代表される、光ファイバに対して光を出射する発光素子、PD素子に代表される、光ファイバからの光を受光する受光素子が挙げられる。このような光半導体素子11は、後述する光ファイバとの間で光学結合が行われる。
【0015】
光半導体素子11には、ボンディングワイヤ(不図示)が電気的に接続される。光半導体素子11は、このボンディングワイヤおよびリード端子(不図示)などを介して外部の配線回路(不図示)との間で信号の入出力を行うことができる。このように、基板3の上面には光半導体素子11が配設される。そのため、基板3としては、少なくとも光半導体素子11が配設される部分には高い絶縁性を有していることが求められる。
【0016】
高い絶縁性を有する基板3は、複数の絶縁性部材を積層することによって作製できる。そして、この基板3の載置領域3aに光半導体素子11が載置される。絶縁性部材としては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体および窒化珪素質焼結体のようなセラミック材料を用いることができる。また、これらのセラミック材料の代わりにガラスセラミック材料を用いてもよい。
【0017】
これらのガラス粉末およびセラミック粉末を含有する原料粉末、有機溶剤並びにバインダを混ぜることにより混合部材を作製する。この混合部材をシート状に成形することにより複数のセラミックグリーンシートを作製する。作製された複数のセラミックグリーンシートを積層することにより複数の積層体を作製する。複数の積層体をそれぞれ約1600度の温度で一体焼成することにより基板3が作製される。
【0018】
なお、基板3としては、複数の絶縁性部材が積層された構成に限られるものではない。一つの絶縁性部材により基板3が構成されていてもよい。また、基板3として、少なくとも光半導体素子11が配設される部分に高い絶縁性を有していることが求められることから、例えば、金属部材上に絶縁性部材を積層した構成としてもよい。特に、基板3に対して高い放熱性が求められる場合、基板3が上記の構成であることが好ましい。金属部材は高い放熱性を有しているからである。金属部材上に絶縁性部材を積層した構成とすることで、基板3の放熱性を高めることができる。
【0019】
具体的には、本実施形態における基板3のように、絶縁性の載置基板15を備えていてもよい。本実施形態における基板3では、基板3が金属部材からなり、この基板3の載置領域3a上に載置基板15が配設されている。そして、この載置基板15上に光半導体素子11が載置されている。
【0020】
金属部材としては、具体的には、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルトおよびタングステンのような金属部材、あるいはこれらの金属からなる合金を用いることができる。このような金属部材のインゴットに圧延加工法、打ち抜き加工法のような金属加工法を施すことによって基板3を構成する金属部材を作製することができる。
【0021】
また、載置基板15としては、絶縁性部材と同様に絶縁性の良好な部材を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体および窒化珪素質焼結体のようなセラミック材料、またはガラスセラミック材料を用いることができる。
【0022】
本実施形態のパッケージ1は、載置領域3aを囲むように基板3の上面に配設された枠体5を備えている。枠体5は、内側面および外側面に開口する貫通孔7a(第1の貫通孔7a)を有している。枠体5は、平面視した場合の内周面および外周面がそれぞれ四角形の筒形状であり、4つの側壁部分によって構成されている。枠体5は、銀ロウのような接合部材を介して基板3に接合されている。
【0023】
枠体5は、平面視した場合の外周を一辺5mm以上50mm以下に設定することができる。また、外周と内周との間の幅で示される枠体5の厚みは、例えば0.5mm以上2m
m以下に設定することができる。また、枠体5の高さとしては、例えば3mm以上30mm以下に設定することができる。
【0024】
枠体5としては、例えば、基板3と同様に、絶縁性の良好な部材、あるいは金属部材を用いることができる。絶縁性の良好な部材としては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体および窒化珪素質焼結体のようなセラミック材料を用いることができる。また、金属部材としては、例えば、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルトおよびタングステンのような金属材料、あるいはこれらの金属材料からなる合金を用いることができる。
【0025】
第1の貫通孔7aには、第1の部分9aおよび第2の部分9bを有する筒状の光ファイバ保持部材9(以下、単に保持部材9ともいう)が取り付けられている。具体的には、第1の部分9aは、第1の貫通孔7a内に位置して、第1の貫通孔7aの内周面にロウ材17を介して接合されている。また、第2の部分9bは、枠体5の外側に位置している。第1の部分9aの内周面と前記第2の部分9bの内周面とは連続している。そして、第2の部分9bの外周面に、第1の貫通孔7aの貫通方向に沿って溝19が形成されている。
【0026】
保持部材9は光ファイバを保持して固定するための部材である。保持部材9は、光ファイバを固定して位置決めを図るとともに、筒状であることによって、この筒形状の中空部分で光半導体素子11と光ファイバとの間での光の伝達を行うことができる。
【0027】
本実施形態のパッケージ1においては、枠体5の外側に位置する第2の部分9bに、第1の貫通孔7aの貫通方向に沿って溝19が形成されている。そのため、第1の部分9aに隣接する第2の部分9bにおける上記の溝19に、枠体5と光ファイバ保持部材9とを接合するロウ材17の余剰分を溜めることができる。従って、ロウ材17が予想外の領域に濡れ広がることを抑制できる。また、溝19に上記のロウ材17の余剰分を溜めることができることから、過度に多量のロウ材17を用いることなく安定して枠体5と光ファイバ保持部材9とを接合できる。
【0028】
このとき、第1の貫通孔7aの中心軸Xから溝19の底部までの距離L1が、第1の部分9aの内径L2よりも大きく、かつ第1の部分9aの外径L3よりも小さいことが好ましい。これは、第1の貫通孔7aの内周面と第1の部分9aとを接合するロウ材17が安定して溝19に溜まるようにするためである。本実施形態のパッケージ1においては、溝19の深さD1が第1の部分9aの厚みと第2の部分9bの厚みとの差D2よりも大きく、第1の部分9aの側端面がパッケージ1の側方に露出している。そのため、上記のロウ材17が溝19に流れ出やすくなるので、安定してロウ材17を溝19に溜めることができる。
【0029】
さらに、第1の部分9aの側端面は、第1の貫通孔7aの周囲における枠体5の内周面と面一であってもよい。結果、第1の貫通孔7aと第1の部分9aの外周部との隙間に充填されるロウ材17は、枠体5の内側に露出される表面で作用する表面張力により、第1の部分9aに漏れ広がり難くなるとともに保持部材9の内周面への濡れ広がりが抑制される。よって、第1の部分9aの内径がロウ材17によって小さくなることが抑制され、フェルールが第1の貫通孔7a内に挿入固定できなくなったり、透光性の窓材やレンズ部材等の光学部材が第1の貫通孔7a内に挿入固定できなくなったりすることが抑制される。
【0030】
また、第1の貫通孔7aの中心軸Xから溝19の底部までの距離L1が、第1の部分9aの内径L2よりも大きいことから、溝19に溜まったロウ材17が第1の貫通孔7aの内周面に流れ出ることを抑制できる。そのため、第1の貫通孔7aの内周面に流れ出たロウ材17により、第1の部分9aの内径が小さくなり、フェルールが第1の貫通孔7a内
に挿入固定できなくなったり、透光性の窓材やレンズ部材等の光学部材が第1の貫通孔7a内に挿入固定できなくなったりすることを抑制することができるとともに、光半導体素子11と光ファイバとの間での光の伝達を良好なものにできる。
【0031】
また、第2の部分9bの外径が、第1の部分9aの外径よりも大きいことが好ましい。第2の部分9bがこのような構成である場合、第2の部分9bと枠体5の外側面との間に隙間が形成されるので、この部分にもロウ材17を留めることができる。また、この隙間を伝ってロウ材17が溝19に流れ出やすくなる。従って、ロウ材17が予想外の領域に濡れ広がることを抑制できる。さらには、保持部材9は、第1の貫通孔7aに挿入固定される際の貫通方向に沿った位置決めが、第1の部分9aの外径よりも大きい第2の部分9bによって行われることにより、保持部材9は枠体5の所望の部位に接合されるとともに光ファイバを所望の位置に固定することができる。
【0032】
また、本実施形態のパッケージ1においては、溝19が、上方に向かって開口している。このように溝19が形成されている場合には、溝19に溜まったロウ材17が下方に向かって流れることを抑制でき、安定してロウ材17を溝19に留めることができるとともに、ロウ材17と保持部材9との接合面積が大きくならないことから、ロウ材17と保持部材9との熱膨張係数の違いに起因して生じる熱応力を小さくすることができる。
【0033】
図6に示す溝19は、側面視した場合の形状が2つの平らな側面からなるV字形状であるがこれに限られるものではない。例えば、図7に示すように、側面視した場合に、少なくとも底部が曲線形状であることが好ましい。
【0034】
ロウ材17と保持部材9との熱膨張係数の違いに起因して、ロウ材17から保持部材9に熱応力が加わる場合がある。溝19がV字形状である場合、溝19の底部に上記の熱応力が集中する可能性がある。しかしながら、保持部材9を側面視した際、あるいは、第1の貫通孔7aの貫通方向に垂直な断面において断面視した際に、溝19の少なくとも底部が曲線形状である場合には、上記の応力集中を抑制できる。そのため、保持部材9の耐久性を向上させることができる。
【0035】
本実施形態のパッケージ1における溝19は、第1の貫通孔7aの貫通方向に沿って、第2の部分9bの一端から他端にかけて突っ切るように形成されているが、このような形状に限られるものではない。上述のように、ロウ材17が安定して溝19に流れるようにするため、第2の部分9bにおける第1の部分9aと連続する端部側に溝19が開口している必要があるが、第2の部分9bにおける反対側の端部に溝19が開口している必要はない。
【0036】
しかしながら、多量のロウ材17を溝19に溜めることが求められている場合には、本実施形態における溝19のように第2の部分9bの一端から他端にかけて突っ切るように形成されていることが好ましい。一方、用いられるロウ材17が比較的少なく、第2の部分9bにおける第1の部分9aと連続する端部とは反対側の端部からロウ材17が流れ出ることを抑制するためには、溝19が図8に示すような形状であることが好ましい。
【0037】
また、本実施形態のパッケージ1において溝19は、側面視において枠体5の上面からの保持部材9までの距離が最短となる位置、即ち、側面視において保持部材9の頂部に形成されてもよい。これにより、蓋体103を枠体9に取着する際に生じる、保持部材9と枠体5とロウ材17および蓋体103との熱膨張係数差に起因して生じる熱応力が溝部19で緩和され、保持部材9に熱応力が加えられることによって生じる、保持部材9および光ファイバの位置ズレが抑制される。その結果、保持部材9および光ファイバは、光半導体装置101内の光半導体素子11との位置ズレが抑制されるとともに光信号の入出力が
円滑に行なわれ、光半導体装置101を正常かつ安定して作動させることができる。
【0038】
また、本実施形態のパッケージ1においては溝19が1つ形成されているが、これに限られるものではない。例えば、図9に示すように、複数の溝19が形成されていてもよい。なお、図9においては、枠体5の外側に位置する第2の部分9bに、第1の貫通孔7aの貫通方向に沿って3つの溝19が形成されている。
【0039】
保持部材9としては、少なくとも光ファイバを固定できる程度の強度を有していることが好ましい。具体的には、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルトおよびタングステンのような金属部材、あるいはこれらの金属からなる合金を用いることができる。このような金属部材のインゴットに圧延加工法、打ち抜き加工法のような金属加工法を施すことによって筒状の保持部材9を作製することができる。
【0040】
特に、枠体5と保持部材9とが、同じ金属部材を用いて形成されていることが好ましい。枠体5と保持部材9との熱膨張差を小さくすることができるので、枠体5と保持部材9との間に生じる応力を小さくすることができるからである。
【0041】
ロウ材17としては、保持部材9を第1の貫通孔7aに良好に接合できるものであれば特に限定されない。例えば、金−錫ロウあるいは銀ロウを用いることができる。
【0042】
本実施形態の光半導体装置101の使用時においては、保持部材9の他方の端部にフェルール(不図示)が固定される。フェルールは、保持部材9の筒の内部に対して一方の端部が開口する第1の貫通孔7aを有している。そして、この第1の貫通孔7aに光ファイバが挿入固定される。このようにフェルールが保持部材9に挿入固定されることによって、光ファイバと光半導体素子11との光学結合を行うことができる。
【0043】
フェルールとしては、例えば、ジルコニア、アルミナ等のセラミック材料をもちいることができる。また、光ファイバとしては、石英ガラスのような透光性の材料を用いることができる。フェルールは筒状の保持部材9の内周面に接合されても保持部材9の他方の端部の端面に接合されてもどちらでもよい。
【0044】
本実施形態のパッケージ1における枠体5は、上記第1の貫通孔7aとは別に第2の貫通孔7bを有している。第2の貫通孔7bには、入出力部材21が挿入固定されている。第2の貫通孔7bは、上記の第1の貫通孔7aと同様に内側面から外側面にかけて貫通する貫通孔7aの形状であっても良いが、枠体5の基体と接合する下面側であって、基板3および枠体5の間に部分的に枠体5の内周側および外周側に開口する形状であってもよい。
【0045】
入出力部材21は、絶縁部材23および絶縁部材23の上面に配設された複数の配線導体25を有している。これらの配線導体25を介して光半導体素子11と外部の配線回路との間で信号の入出力を行うことができる。このように、絶縁部材23の上面には配線導体25が配設されることから、絶縁部材23としては、高い絶縁性を有していることが求められる。絶縁部材23の例示的な大きさとしては、平面視した場合の一辺が1〜20mm程度であって、厚みが0.3〜3mm程度である四角板形状の部材を用いることができる。
【0046】
絶縁部材23としては、基板3と同様に、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体および窒化珪素質焼結体のようなセラミック材料、またはガラスセラミック材料を用いることができる。配線導体25としては、導電性の良好な部材を用いることが好ましい。具体的には、タングステン、モ
リブデン、ニッケル、銅、銀および金のような金属材料を配線導体25として用いることができる。上記の金属材料を単一で用いてもよく、また、合金として用いてもよい。
【0047】
次に、第2の実施形態の素子収納用パッケージ1について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態にかかる各構成において、第1の実施形態と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。なお、図10は、第1の実施形態のパッケージの断面図である図3における断面に対応する断面での断面図うを示している。
【0048】
本実施形態のパッケージ1は、第1の実施形態のパッケージ1と比較して、光ファイバ保持部材9の形状が異なっている。具体的には、本実施形態のパッケージ1における保持部材9は、筒状であって、枠体5の外側面における貫通孔7aの周囲にロウ材17を介して接合されている。すなわち、第1の実施形態における保持部材9は、枠体5の貫通孔7aにロウ材17を介して接合された第1の部分9aを有しているが、本実施形態における保持部材9は、この第1の部分9aを有していない。そして、本実施形態における保持部材9は、上記の通り、枠体5の外側面における貫通孔7aの周囲にロウ材17を介して接合されている。
【0049】
そして、本実施形態における保持部材9もまた、第1の実施形態における保持部材9と同様に、溝19を有している。つまり、本実施形態のパッケージ1は、上面に光半導体素子11が載置される載置領域3aを有する基板3と、載置領域3aを囲むように基板3の上面に配設された、内側面および外側面に開口する貫通孔7aを有する枠体5と、枠体5の外側面における貫通孔7aの周囲にロウ材17を介して接合された筒状の光ファイバ保持部材9とを備え、光ファイバ保持部材9の外周面に、貫通孔7aの貫通方向に沿って溝19が形成されていることを特徴としている。
【0050】
そのため、この溝19に枠体5と光ファイバ保持部材9とを接合するロウ材17の余剰分を溜めることができる。従って、ロウ材17が予想外の領域に濡れ広がることを抑制できる。また、溝19に上記のロウ材17の余剰分を溜めることができることから、過度に多量のロウ材17を用いることなく安定して枠体5と光ファイバ保持部材9とを接合できる。
【0051】
本実施形態のパッケージ1において、貫通孔7aの中心軸から溝19の底部までの距離が、貫通孔7aの内径よりも大きいことが好ましい。溝19に溜まったロウ材17が貫通孔7aの内周面に流れ出ることを抑制できるからである。そのため、第1の貫通孔7aの内周面に流れ出たロウ材17により、第1の部分9aの内径が小さくなり、フェルールが第1の貫通孔7a内に挿入固定できなくなったり、透光性の窓材やレンズ部材等の光学部材が第1の貫通孔7a内に挿入固定できなくなったりすることを抑制することができるとともに、光半導体素子11と光ファイバとの間での光の伝達を良好なものにできる。
【0052】
また、図10に示す溝19は、側面視した場合の形状が2つの平らな側面からなるV字形状であるが、第1の貫通孔7aの貫通方向に垂直な断面において断面視した場合に、少なくとも底部が曲線形状であることが好ましい。第1の実施形態のパッケージ1において示したように、溝19の底部に応力が集中することを抑制して保持部材9の耐久性を向上させることができるからである。
【0053】
次に、一実施形態の光半導体装置101について、図面を用いて詳細に説明する。本実施形態の光半導体装置101は、上記の実施形態に代表される素子収納用パッケージ1と、素子収納用パッケージ1の載置領域3a内に載置された光半導体素子11と、枠体5と接合された、光半導体素子11を封止する蓋体103とを備えている。なお、図1には第
1の実施形態のパッケージ1を備えた光半導体装置101を例示している。
【0054】
本実施形態の光半導体装置101においては、基板3の載置領域3aに光半導体素子11が載置されている。光半導体素子11は、ボンディングワイヤを介して入出力部材21の配線導体25に電気的に接続される。この光半導体素子11に配線導体25などを介して外部信号を入出力することによって光半導体素子11から所望の入出力を得ることができる。
【0055】
蓋体103は、枠体5と接合され、光半導体素子11を封止するように設けられている。蓋体103は、枠体5の上面に接合されている。そして、基板3、枠体5および蓋体103で囲まれた空間において光半導体素子11を封止している。このように光半導体素子11を封止することによって、長期間のパッケージ1の使用による光半導体素子11の劣化を抑制することができる。
【0056】
蓋体103としては、例えば、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルトおよびタングステンのような金属部材、あるいはこれらの金属からなる合金を用いることができる。また、枠体5と蓋体103は、例えばシーム溶接法によって接合することができる。また、枠体5と蓋体103は、例えば、金−錫ロウを用いて接合してもよい。
【0057】
特に、金−錫ロウなどのロウ材を用いて蓋体103を枠体5に接合する場合であって、溝19が上方に向かって開口している場合には、枠体5と蓋体103とを接合するロウ材もまた溝19に溜めることができる。そのため、枠体5と蓋体103とを接合するロウ材が予想外の領域に流れ出ることも抑制できる。
【0058】
また、枠体5と蓋体103とは直接に接合されていても良いが、例えば、平面視した場合に枠体5と重なり合うようなリング形状である金属部材、いわゆるシールリング105を間に挟んで接合されていても良い。
【0059】
以上、各実施形態の素子収納用パッケージ1およびこれを備えた光半導体装置101について説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更や実施形態の組み合わせを施すことは何等差し支えない。
【符号の説明】
【0060】
1・・・素子収納用パッケージ(パッケージ)
3・・・基板
3a・・・載置領域
5・・・枠体
7a・・・貫通孔(第1の貫通孔)
7b・・・第2の貫通孔
9・・・光ファイバ保持部材(保持部材)
9a・・・第1の部分
9b・・・第2の部分
11・・・光半導体素子
13・・・ネジ止め孔
15・・・載置基板
17・・・ロウ材
19・・・溝
21・・・入出力部材
23・・・絶縁部材
25・・・配線導体
101・・・光半導体装置
103・・・蓋体
105・・・シールリング
【技術分野】
【0001】
本発明は、PD(フォトダイオード)あるいはLD(レーザダイオード)のような光半導体素子が収納される素子収納用パッケージおよびこれを用いた光半導体装置に関する。このような光半導体装置は、例えば光通信機器に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
光半導体素子を収納する素子収納用パッケージ(以下、単にパッケージともいう)としては、例えば、特許文献1に記載された光モジュールに用いられているパッケージが知られている。特許文献1に記載のパッケージは、光ファイバが固定されたフェルールを保持するためのフェルールホルダがパッケージ本体に取り付けられている。フェルールホルダによってパッケージ本体に固定された光ファイバは、光半導体素子と光学的に結合される。フェルールホルダは、一般的にロウ材のような接合部材を用いてパッケージ本体に接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−204107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フェルールホルダをパッケージ本体に強固に接合するため、これらの部材を接合するロウ材は一般的に多めに用いられる。しかしながら、余剰となったロウ材が、パッケージ本体の表面あるいはフェルールホルダの表面における予想外の領域に濡れ広がる可能性がある。パッケージ本体あるいはフェルールホルダを構成する材料とロウ材を構成する材料との熱膨張係数の差に起因して、余剰となったロウ材からパッケージ本体あるいはフェルールホルダに予想外の応力が加わる可能性がある。そのため、パッケージの耐久性や気密性が低下する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、耐久性や気密性の良好な信頼性の高い素子収納用パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に基づく素子収納用パッケージは、上面に光半導体素子が載置される載置領域を有する基板と、前記載置領域を囲むように前記基板の上面に配設された、内側面および外側面に開口する貫通孔を有する枠体と、前記貫通孔の内周面にロウ材を介して接合された筒状の第1の部分および前記枠体の外側に位置する筒状の第2の部分を有し、前記第1の部分の内周面および前記第2の部分の内周面が連続している光ファイバ保持部材とを備えている。そして、前記第2の部分の外周面に、前記貫通孔の貫通方向に沿って溝が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
上記態様の素子収納用パッケージにおいては、上述の通り、枠体の外側に位置する光ファイバ保持部材の筒状の第2の部分に、貫通孔の貫通方向に沿って溝が形成されている。そのため、第1の部分に隣接する第2の部分における上記の溝に枠体と光ファイバ保持部材とを接合するロウ材の余剰分を溜めることができる。従って、ロウ材が予想外の領域に濡れ広がることを抑制できる。また、溝に上記のロウ材の余剰分を溜めることができることから、過度に多量のロウ材を用いることなく安定して枠体と光ファイバ保持部材とを接
合できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態の素子収納用パッケージおよびこれを備えた光半導体装置を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示す素子収納用パッケージの平面図である。
【図3】図2に示す素子収納用パッケージのX−X断面における断面図である。
【図4】図3における領域Aを示す拡大断面図である。
【図5】図1に示す素子収納用パッケージの側面図である。
【図6】図5における領域Bを示す拡大側面図である。
【図7】図6に示す素子収納用パッケージの第1の変形例を示す側面図である。
【図8】図4に示す素子収納用パッケージの第2の変形例を示す側面図である。
【図9】図6に示す素子収納用パッケージの第3の変形例を示す側面図である。
【図10】第2の実施形態の素子収納用パッケージの断面図である。
【図11】図10における領域Cを示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各実施形態の素子収納用パッケージ(以下、単にパッケージともいう)およびこれを備えた光半導体装置について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明に係るパッケージおよび光半導体装置は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0010】
図1〜6に示すように、第1の実施形態のパッケージ1は、基板3と、この基板3の上面に配設され、内側面および外側面に開口する貫通孔7aを有する枠体5と、この枠体5の貫通孔7aに取り付けられた光ファイバ保持部材9とを備えている。
【0011】
本実施形態における基板3は、四角板形状の平板部およびこの平板領域の四隅からそれぞれ側方に引き出されたネジ止め部を有している。平板部は、上面に光半導体素子11が載置される載置領域3aを有している。ネジ止め部には、それぞれネジ止め孔13が形成されている。このネジ止め孔13によってパッケージ1を実装基板(不図示)にネジ止め固定することができる。
【0012】
なお、本実施形態において載置領域3aとは、基板3を平面視した場合に光半導体素子11と重なり合う領域を意味している。基板3の大きさとしては、例えば、平板部の一辺を5mm〜50mmに設定することができる。また、基板3の厚みとしては、例えば、0.3mm〜3mmに設定することができる。
【0013】
本実施形態においては載置領域3aが基板3の上面の中央部に形成されているが、光半導体素子11が載置される領域を載置領域3aとしていることから、例えば、基板3の上面の端部に載置領域3aが形成されていても何ら問題ない。また、本実施形態の基板3は一つの載置領域3aを有しているが、基板3が複数の載置領域3aを有し、それぞれの載置領域3aに光半導体素子11が載置されていてもよい。
【0014】
基板3の上面における載置領域3aには光半導体素子11が配設される。光半導体素子11としては、例えば、LD素子に代表される、光ファイバに対して光を出射する発光素子、PD素子に代表される、光ファイバからの光を受光する受光素子が挙げられる。このような光半導体素子11は、後述する光ファイバとの間で光学結合が行われる。
【0015】
光半導体素子11には、ボンディングワイヤ(不図示)が電気的に接続される。光半導体素子11は、このボンディングワイヤおよびリード端子(不図示)などを介して外部の配線回路(不図示)との間で信号の入出力を行うことができる。このように、基板3の上面には光半導体素子11が配設される。そのため、基板3としては、少なくとも光半導体素子11が配設される部分には高い絶縁性を有していることが求められる。
【0016】
高い絶縁性を有する基板3は、複数の絶縁性部材を積層することによって作製できる。そして、この基板3の載置領域3aに光半導体素子11が載置される。絶縁性部材としては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体および窒化珪素質焼結体のようなセラミック材料を用いることができる。また、これらのセラミック材料の代わりにガラスセラミック材料を用いてもよい。
【0017】
これらのガラス粉末およびセラミック粉末を含有する原料粉末、有機溶剤並びにバインダを混ぜることにより混合部材を作製する。この混合部材をシート状に成形することにより複数のセラミックグリーンシートを作製する。作製された複数のセラミックグリーンシートを積層することにより複数の積層体を作製する。複数の積層体をそれぞれ約1600度の温度で一体焼成することにより基板3が作製される。
【0018】
なお、基板3としては、複数の絶縁性部材が積層された構成に限られるものではない。一つの絶縁性部材により基板3が構成されていてもよい。また、基板3として、少なくとも光半導体素子11が配設される部分に高い絶縁性を有していることが求められることから、例えば、金属部材上に絶縁性部材を積層した構成としてもよい。特に、基板3に対して高い放熱性が求められる場合、基板3が上記の構成であることが好ましい。金属部材は高い放熱性を有しているからである。金属部材上に絶縁性部材を積層した構成とすることで、基板3の放熱性を高めることができる。
【0019】
具体的には、本実施形態における基板3のように、絶縁性の載置基板15を備えていてもよい。本実施形態における基板3では、基板3が金属部材からなり、この基板3の載置領域3a上に載置基板15が配設されている。そして、この載置基板15上に光半導体素子11が載置されている。
【0020】
金属部材としては、具体的には、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルトおよびタングステンのような金属部材、あるいはこれらの金属からなる合金を用いることができる。このような金属部材のインゴットに圧延加工法、打ち抜き加工法のような金属加工法を施すことによって基板3を構成する金属部材を作製することができる。
【0021】
また、載置基板15としては、絶縁性部材と同様に絶縁性の良好な部材を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体および窒化珪素質焼結体のようなセラミック材料、またはガラスセラミック材料を用いることができる。
【0022】
本実施形態のパッケージ1は、載置領域3aを囲むように基板3の上面に配設された枠体5を備えている。枠体5は、内側面および外側面に開口する貫通孔7a(第1の貫通孔7a)を有している。枠体5は、平面視した場合の内周面および外周面がそれぞれ四角形の筒形状であり、4つの側壁部分によって構成されている。枠体5は、銀ロウのような接合部材を介して基板3に接合されている。
【0023】
枠体5は、平面視した場合の外周を一辺5mm以上50mm以下に設定することができる。また、外周と内周との間の幅で示される枠体5の厚みは、例えば0.5mm以上2m
m以下に設定することができる。また、枠体5の高さとしては、例えば3mm以上30mm以下に設定することができる。
【0024】
枠体5としては、例えば、基板3と同様に、絶縁性の良好な部材、あるいは金属部材を用いることができる。絶縁性の良好な部材としては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体および窒化珪素質焼結体のようなセラミック材料を用いることができる。また、金属部材としては、例えば、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルトおよびタングステンのような金属材料、あるいはこれらの金属材料からなる合金を用いることができる。
【0025】
第1の貫通孔7aには、第1の部分9aおよび第2の部分9bを有する筒状の光ファイバ保持部材9(以下、単に保持部材9ともいう)が取り付けられている。具体的には、第1の部分9aは、第1の貫通孔7a内に位置して、第1の貫通孔7aの内周面にロウ材17を介して接合されている。また、第2の部分9bは、枠体5の外側に位置している。第1の部分9aの内周面と前記第2の部分9bの内周面とは連続している。そして、第2の部分9bの外周面に、第1の貫通孔7aの貫通方向に沿って溝19が形成されている。
【0026】
保持部材9は光ファイバを保持して固定するための部材である。保持部材9は、光ファイバを固定して位置決めを図るとともに、筒状であることによって、この筒形状の中空部分で光半導体素子11と光ファイバとの間での光の伝達を行うことができる。
【0027】
本実施形態のパッケージ1においては、枠体5の外側に位置する第2の部分9bに、第1の貫通孔7aの貫通方向に沿って溝19が形成されている。そのため、第1の部分9aに隣接する第2の部分9bにおける上記の溝19に、枠体5と光ファイバ保持部材9とを接合するロウ材17の余剰分を溜めることができる。従って、ロウ材17が予想外の領域に濡れ広がることを抑制できる。また、溝19に上記のロウ材17の余剰分を溜めることができることから、過度に多量のロウ材17を用いることなく安定して枠体5と光ファイバ保持部材9とを接合できる。
【0028】
このとき、第1の貫通孔7aの中心軸Xから溝19の底部までの距離L1が、第1の部分9aの内径L2よりも大きく、かつ第1の部分9aの外径L3よりも小さいことが好ましい。これは、第1の貫通孔7aの内周面と第1の部分9aとを接合するロウ材17が安定して溝19に溜まるようにするためである。本実施形態のパッケージ1においては、溝19の深さD1が第1の部分9aの厚みと第2の部分9bの厚みとの差D2よりも大きく、第1の部分9aの側端面がパッケージ1の側方に露出している。そのため、上記のロウ材17が溝19に流れ出やすくなるので、安定してロウ材17を溝19に溜めることができる。
【0029】
さらに、第1の部分9aの側端面は、第1の貫通孔7aの周囲における枠体5の内周面と面一であってもよい。結果、第1の貫通孔7aと第1の部分9aの外周部との隙間に充填されるロウ材17は、枠体5の内側に露出される表面で作用する表面張力により、第1の部分9aに漏れ広がり難くなるとともに保持部材9の内周面への濡れ広がりが抑制される。よって、第1の部分9aの内径がロウ材17によって小さくなることが抑制され、フェルールが第1の貫通孔7a内に挿入固定できなくなったり、透光性の窓材やレンズ部材等の光学部材が第1の貫通孔7a内に挿入固定できなくなったりすることが抑制される。
【0030】
また、第1の貫通孔7aの中心軸Xから溝19の底部までの距離L1が、第1の部分9aの内径L2よりも大きいことから、溝19に溜まったロウ材17が第1の貫通孔7aの内周面に流れ出ることを抑制できる。そのため、第1の貫通孔7aの内周面に流れ出たロウ材17により、第1の部分9aの内径が小さくなり、フェルールが第1の貫通孔7a内
に挿入固定できなくなったり、透光性の窓材やレンズ部材等の光学部材が第1の貫通孔7a内に挿入固定できなくなったりすることを抑制することができるとともに、光半導体素子11と光ファイバとの間での光の伝達を良好なものにできる。
【0031】
また、第2の部分9bの外径が、第1の部分9aの外径よりも大きいことが好ましい。第2の部分9bがこのような構成である場合、第2の部分9bと枠体5の外側面との間に隙間が形成されるので、この部分にもロウ材17を留めることができる。また、この隙間を伝ってロウ材17が溝19に流れ出やすくなる。従って、ロウ材17が予想外の領域に濡れ広がることを抑制できる。さらには、保持部材9は、第1の貫通孔7aに挿入固定される際の貫通方向に沿った位置決めが、第1の部分9aの外径よりも大きい第2の部分9bによって行われることにより、保持部材9は枠体5の所望の部位に接合されるとともに光ファイバを所望の位置に固定することができる。
【0032】
また、本実施形態のパッケージ1においては、溝19が、上方に向かって開口している。このように溝19が形成されている場合には、溝19に溜まったロウ材17が下方に向かって流れることを抑制でき、安定してロウ材17を溝19に留めることができるとともに、ロウ材17と保持部材9との接合面積が大きくならないことから、ロウ材17と保持部材9との熱膨張係数の違いに起因して生じる熱応力を小さくすることができる。
【0033】
図6に示す溝19は、側面視した場合の形状が2つの平らな側面からなるV字形状であるがこれに限られるものではない。例えば、図7に示すように、側面視した場合に、少なくとも底部が曲線形状であることが好ましい。
【0034】
ロウ材17と保持部材9との熱膨張係数の違いに起因して、ロウ材17から保持部材9に熱応力が加わる場合がある。溝19がV字形状である場合、溝19の底部に上記の熱応力が集中する可能性がある。しかしながら、保持部材9を側面視した際、あるいは、第1の貫通孔7aの貫通方向に垂直な断面において断面視した際に、溝19の少なくとも底部が曲線形状である場合には、上記の応力集中を抑制できる。そのため、保持部材9の耐久性を向上させることができる。
【0035】
本実施形態のパッケージ1における溝19は、第1の貫通孔7aの貫通方向に沿って、第2の部分9bの一端から他端にかけて突っ切るように形成されているが、このような形状に限られるものではない。上述のように、ロウ材17が安定して溝19に流れるようにするため、第2の部分9bにおける第1の部分9aと連続する端部側に溝19が開口している必要があるが、第2の部分9bにおける反対側の端部に溝19が開口している必要はない。
【0036】
しかしながら、多量のロウ材17を溝19に溜めることが求められている場合には、本実施形態における溝19のように第2の部分9bの一端から他端にかけて突っ切るように形成されていることが好ましい。一方、用いられるロウ材17が比較的少なく、第2の部分9bにおける第1の部分9aと連続する端部とは反対側の端部からロウ材17が流れ出ることを抑制するためには、溝19が図8に示すような形状であることが好ましい。
【0037】
また、本実施形態のパッケージ1において溝19は、側面視において枠体5の上面からの保持部材9までの距離が最短となる位置、即ち、側面視において保持部材9の頂部に形成されてもよい。これにより、蓋体103を枠体9に取着する際に生じる、保持部材9と枠体5とロウ材17および蓋体103との熱膨張係数差に起因して生じる熱応力が溝部19で緩和され、保持部材9に熱応力が加えられることによって生じる、保持部材9および光ファイバの位置ズレが抑制される。その結果、保持部材9および光ファイバは、光半導体装置101内の光半導体素子11との位置ズレが抑制されるとともに光信号の入出力が
円滑に行なわれ、光半導体装置101を正常かつ安定して作動させることができる。
【0038】
また、本実施形態のパッケージ1においては溝19が1つ形成されているが、これに限られるものではない。例えば、図9に示すように、複数の溝19が形成されていてもよい。なお、図9においては、枠体5の外側に位置する第2の部分9bに、第1の貫通孔7aの貫通方向に沿って3つの溝19が形成されている。
【0039】
保持部材9としては、少なくとも光ファイバを固定できる程度の強度を有していることが好ましい。具体的には、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルトおよびタングステンのような金属部材、あるいはこれらの金属からなる合金を用いることができる。このような金属部材のインゴットに圧延加工法、打ち抜き加工法のような金属加工法を施すことによって筒状の保持部材9を作製することができる。
【0040】
特に、枠体5と保持部材9とが、同じ金属部材を用いて形成されていることが好ましい。枠体5と保持部材9との熱膨張差を小さくすることができるので、枠体5と保持部材9との間に生じる応力を小さくすることができるからである。
【0041】
ロウ材17としては、保持部材9を第1の貫通孔7aに良好に接合できるものであれば特に限定されない。例えば、金−錫ロウあるいは銀ロウを用いることができる。
【0042】
本実施形態の光半導体装置101の使用時においては、保持部材9の他方の端部にフェルール(不図示)が固定される。フェルールは、保持部材9の筒の内部に対して一方の端部が開口する第1の貫通孔7aを有している。そして、この第1の貫通孔7aに光ファイバが挿入固定される。このようにフェルールが保持部材9に挿入固定されることによって、光ファイバと光半導体素子11との光学結合を行うことができる。
【0043】
フェルールとしては、例えば、ジルコニア、アルミナ等のセラミック材料をもちいることができる。また、光ファイバとしては、石英ガラスのような透光性の材料を用いることができる。フェルールは筒状の保持部材9の内周面に接合されても保持部材9の他方の端部の端面に接合されてもどちらでもよい。
【0044】
本実施形態のパッケージ1における枠体5は、上記第1の貫通孔7aとは別に第2の貫通孔7bを有している。第2の貫通孔7bには、入出力部材21が挿入固定されている。第2の貫通孔7bは、上記の第1の貫通孔7aと同様に内側面から外側面にかけて貫通する貫通孔7aの形状であっても良いが、枠体5の基体と接合する下面側であって、基板3および枠体5の間に部分的に枠体5の内周側および外周側に開口する形状であってもよい。
【0045】
入出力部材21は、絶縁部材23および絶縁部材23の上面に配設された複数の配線導体25を有している。これらの配線導体25を介して光半導体素子11と外部の配線回路との間で信号の入出力を行うことができる。このように、絶縁部材23の上面には配線導体25が配設されることから、絶縁部材23としては、高い絶縁性を有していることが求められる。絶縁部材23の例示的な大きさとしては、平面視した場合の一辺が1〜20mm程度であって、厚みが0.3〜3mm程度である四角板形状の部材を用いることができる。
【0046】
絶縁部材23としては、基板3と同様に、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体および窒化珪素質焼結体のようなセラミック材料、またはガラスセラミック材料を用いることができる。配線導体25としては、導電性の良好な部材を用いることが好ましい。具体的には、タングステン、モ
リブデン、ニッケル、銅、銀および金のような金属材料を配線導体25として用いることができる。上記の金属材料を単一で用いてもよく、また、合金として用いてもよい。
【0047】
次に、第2の実施形態の素子収納用パッケージ1について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態にかかる各構成において、第1の実施形態と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。なお、図10は、第1の実施形態のパッケージの断面図である図3における断面に対応する断面での断面図うを示している。
【0048】
本実施形態のパッケージ1は、第1の実施形態のパッケージ1と比較して、光ファイバ保持部材9の形状が異なっている。具体的には、本実施形態のパッケージ1における保持部材9は、筒状であって、枠体5の外側面における貫通孔7aの周囲にロウ材17を介して接合されている。すなわち、第1の実施形態における保持部材9は、枠体5の貫通孔7aにロウ材17を介して接合された第1の部分9aを有しているが、本実施形態における保持部材9は、この第1の部分9aを有していない。そして、本実施形態における保持部材9は、上記の通り、枠体5の外側面における貫通孔7aの周囲にロウ材17を介して接合されている。
【0049】
そして、本実施形態における保持部材9もまた、第1の実施形態における保持部材9と同様に、溝19を有している。つまり、本実施形態のパッケージ1は、上面に光半導体素子11が載置される載置領域3aを有する基板3と、載置領域3aを囲むように基板3の上面に配設された、内側面および外側面に開口する貫通孔7aを有する枠体5と、枠体5の外側面における貫通孔7aの周囲にロウ材17を介して接合された筒状の光ファイバ保持部材9とを備え、光ファイバ保持部材9の外周面に、貫通孔7aの貫通方向に沿って溝19が形成されていることを特徴としている。
【0050】
そのため、この溝19に枠体5と光ファイバ保持部材9とを接合するロウ材17の余剰分を溜めることができる。従って、ロウ材17が予想外の領域に濡れ広がることを抑制できる。また、溝19に上記のロウ材17の余剰分を溜めることができることから、過度に多量のロウ材17を用いることなく安定して枠体5と光ファイバ保持部材9とを接合できる。
【0051】
本実施形態のパッケージ1において、貫通孔7aの中心軸から溝19の底部までの距離が、貫通孔7aの内径よりも大きいことが好ましい。溝19に溜まったロウ材17が貫通孔7aの内周面に流れ出ることを抑制できるからである。そのため、第1の貫通孔7aの内周面に流れ出たロウ材17により、第1の部分9aの内径が小さくなり、フェルールが第1の貫通孔7a内に挿入固定できなくなったり、透光性の窓材やレンズ部材等の光学部材が第1の貫通孔7a内に挿入固定できなくなったりすることを抑制することができるとともに、光半導体素子11と光ファイバとの間での光の伝達を良好なものにできる。
【0052】
また、図10に示す溝19は、側面視した場合の形状が2つの平らな側面からなるV字形状であるが、第1の貫通孔7aの貫通方向に垂直な断面において断面視した場合に、少なくとも底部が曲線形状であることが好ましい。第1の実施形態のパッケージ1において示したように、溝19の底部に応力が集中することを抑制して保持部材9の耐久性を向上させることができるからである。
【0053】
次に、一実施形態の光半導体装置101について、図面を用いて詳細に説明する。本実施形態の光半導体装置101は、上記の実施形態に代表される素子収納用パッケージ1と、素子収納用パッケージ1の載置領域3a内に載置された光半導体素子11と、枠体5と接合された、光半導体素子11を封止する蓋体103とを備えている。なお、図1には第
1の実施形態のパッケージ1を備えた光半導体装置101を例示している。
【0054】
本実施形態の光半導体装置101においては、基板3の載置領域3aに光半導体素子11が載置されている。光半導体素子11は、ボンディングワイヤを介して入出力部材21の配線導体25に電気的に接続される。この光半導体素子11に配線導体25などを介して外部信号を入出力することによって光半導体素子11から所望の入出力を得ることができる。
【0055】
蓋体103は、枠体5と接合され、光半導体素子11を封止するように設けられている。蓋体103は、枠体5の上面に接合されている。そして、基板3、枠体5および蓋体103で囲まれた空間において光半導体素子11を封止している。このように光半導体素子11を封止することによって、長期間のパッケージ1の使用による光半導体素子11の劣化を抑制することができる。
【0056】
蓋体103としては、例えば、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルトおよびタングステンのような金属部材、あるいはこれらの金属からなる合金を用いることができる。また、枠体5と蓋体103は、例えばシーム溶接法によって接合することができる。また、枠体5と蓋体103は、例えば、金−錫ロウを用いて接合してもよい。
【0057】
特に、金−錫ロウなどのロウ材を用いて蓋体103を枠体5に接合する場合であって、溝19が上方に向かって開口している場合には、枠体5と蓋体103とを接合するロウ材もまた溝19に溜めることができる。そのため、枠体5と蓋体103とを接合するロウ材が予想外の領域に流れ出ることも抑制できる。
【0058】
また、枠体5と蓋体103とは直接に接合されていても良いが、例えば、平面視した場合に枠体5と重なり合うようなリング形状である金属部材、いわゆるシールリング105を間に挟んで接合されていても良い。
【0059】
以上、各実施形態の素子収納用パッケージ1およびこれを備えた光半導体装置101について説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更や実施形態の組み合わせを施すことは何等差し支えない。
【符号の説明】
【0060】
1・・・素子収納用パッケージ(パッケージ)
3・・・基板
3a・・・載置領域
5・・・枠体
7a・・・貫通孔(第1の貫通孔)
7b・・・第2の貫通孔
9・・・光ファイバ保持部材(保持部材)
9a・・・第1の部分
9b・・・第2の部分
11・・・光半導体素子
13・・・ネジ止め孔
15・・・載置基板
17・・・ロウ材
19・・・溝
21・・・入出力部材
23・・・絶縁部材
25・・・配線導体
101・・・光半導体装置
103・・・蓋体
105・・・シールリング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に光半導体素子が載置される載置領域を有する基板と、
前記載置領域を囲むように前記基板の上面に配設された、内側面および外側面に開口する貫通孔を有する枠体と、
前記貫通孔の内周面にロウ材を介して接合された筒状の第1の部分および前記枠体の外側に位置する筒状の第2の部分を有し、前記第1の部分の内周面および前記第2の部分の内周面が連続している光ファイバ保持部材とを備えた素子収納用パッケージであって、
前記第2の部分の外周面に、前記貫通孔の貫通方向に沿って溝が形成されていることを特徴とする素子収納用パッケージ。
【請求項2】
前記貫通孔の中心軸から前記溝の底部までの距離が、前記第1の部分の内径よりも大きく、かつ前記第1の部分の外径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の素子収納用パッケージ。
【請求項3】
前記第2の部分の外径が、前記第1の部分の外径よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の素子収納用パッケージ。
【請求項4】
前記溝が、上方に向かって開口していることを特徴とする請求項1に記載の素子収納用パッケージ。
【請求項5】
前記溝は、前記貫通孔の貫通方向に垂直な断面において、少なくとも底部が曲線形状であることを特徴とする請求項1に記載の素子収納用パッケージ。
【請求項6】
上面に光半導体素子が載置される載置領域を有する基板と、
前記載置領域を囲むように前記基板の上面に配設された、内側面および外側面に開口する貫通孔を有する枠体と、
前記枠体の前記外側面における前記貫通孔の周囲にロウ材を介して接合された筒状の光ファイバ保持部材とを備えた素子収納用パッケージであって、
前記光ファイバ保持部材の外周面に、前記貫通孔の貫通方向に沿って溝が形成されていることを特徴とする素子収納用パッケージ。
【請求項7】
前記貫通孔の中心軸から前記溝の底部までの距離が、前記貫通孔の内径よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の素子収納用パッケージ。
【請求項8】
前記溝は、前記貫通孔の貫通方向に垂直な断面において、少なくとも底部が曲線形状であることを特徴とする請求項6に記載の素子収納用パッケージ。
【請求項9】
請求項1または請求項6に記載の素子収納用パッケージと、
該素子収納用パッケージの前記載置領域に載置された光半導体素子と、
前記枠体の上面に接合された、前記光半導体素子を封止する蓋体とを備えた光半導体装置。
【請求項1】
上面に光半導体素子が載置される載置領域を有する基板と、
前記載置領域を囲むように前記基板の上面に配設された、内側面および外側面に開口する貫通孔を有する枠体と、
前記貫通孔の内周面にロウ材を介して接合された筒状の第1の部分および前記枠体の外側に位置する筒状の第2の部分を有し、前記第1の部分の内周面および前記第2の部分の内周面が連続している光ファイバ保持部材とを備えた素子収納用パッケージであって、
前記第2の部分の外周面に、前記貫通孔の貫通方向に沿って溝が形成されていることを特徴とする素子収納用パッケージ。
【請求項2】
前記貫通孔の中心軸から前記溝の底部までの距離が、前記第1の部分の内径よりも大きく、かつ前記第1の部分の外径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の素子収納用パッケージ。
【請求項3】
前記第2の部分の外径が、前記第1の部分の外径よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の素子収納用パッケージ。
【請求項4】
前記溝が、上方に向かって開口していることを特徴とする請求項1に記載の素子収納用パッケージ。
【請求項5】
前記溝は、前記貫通孔の貫通方向に垂直な断面において、少なくとも底部が曲線形状であることを特徴とする請求項1に記載の素子収納用パッケージ。
【請求項6】
上面に光半導体素子が載置される載置領域を有する基板と、
前記載置領域を囲むように前記基板の上面に配設された、内側面および外側面に開口する貫通孔を有する枠体と、
前記枠体の前記外側面における前記貫通孔の周囲にロウ材を介して接合された筒状の光ファイバ保持部材とを備えた素子収納用パッケージであって、
前記光ファイバ保持部材の外周面に、前記貫通孔の貫通方向に沿って溝が形成されていることを特徴とする素子収納用パッケージ。
【請求項7】
前記貫通孔の中心軸から前記溝の底部までの距離が、前記貫通孔の内径よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の素子収納用パッケージ。
【請求項8】
前記溝は、前記貫通孔の貫通方向に垂直な断面において、少なくとも底部が曲線形状であることを特徴とする請求項6に記載の素子収納用パッケージ。
【請求項9】
請求項1または請求項6に記載の素子収納用パッケージと、
該素子収納用パッケージの前記載置領域に載置された光半導体素子と、
前記枠体の上面に接合された、前記光半導体素子を封止する蓋体とを備えた光半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−115149(P2013−115149A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258293(P2011−258293)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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