説明

紡績工場においてケンス無し繊維スライバ・パッケージを搬送する装置

【課題】ケンス無し繊維スライバ・パッケージの搬送を簡素な様式で行う。
【解決手段】紡績工場において、たとえば練篠フレームなどのスライバを吐出する紡機または格納手段と、更なる処理デバイスまたは更なる格納手段との間でケンス無し繊維スライバ・パッケージを搬送する装置であって、該装置はケンス無し繊維スライバ・パッケージを受容する支持体を有し、上記支持体は概ね非囲繞であり、上記支持体および上記ケンス無し繊維スライバ・パッケージは共通して搬送可能であるという装置が提供される。ケンス無し繊維スライバ・パッケージの簡素な搬送を行うべく、少なくともひとつの繊維スライバ・パッケージを受容する上記支持体は、上記スライバを吐出する紡機又は上記格納手段へともたらされ、上記パッケージが受容された後で、上記支持体は安定的に位置決めされた上記繊維スライバ・パッケージと一体的に、上記更なる処理デバイス又は上記更なる格納手段に供給され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡績工場において、たとえば練篠フレームなどのスライバを吐出する紡機または格納手段と、更なる処理デバイスまたは更なる格納手段との間でケンス無し繊維スライバ・パッケージを搬送する装置であって、該装置はケンス無し繊維スライバ・パッケージを受容する支持体を有し、上記支持体は概ね非囲繞(unenclosed)であり、上記支持体および上記ケンス無し繊維スライバ・パッケージは搬送可能であるという装置に関する。
【背景技術】
【0002】
斯かる装置はDE10205061Aから公知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、ケンス無し繊維スライバ・パッケージの搬送が簡素な様式で行われる様に、斯かる装置を改善するに在る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
該目的は、請求項1の特徴部分の特徴により達成される。
すなわち1番目の発明によれば、紡績工場において、たとえば練篠フレームなどのスライバを吐出する紡機または格納手段と、特にスライバの供給を受ける機械である更なる処理デバイスまたは更なる格納手段との間でケンス無し繊維スライバ・パッケージを搬送する装置であって、該装置はケンス無し繊維スライバ・パッケージを受容する支持体を有し、上記支持体は概ね非囲繞であり、上記支持体および上記ケンス無し繊維スライバ・パッケージは一緒に搬送可能であるという装置において、上記支持体(25;25a〜25c;25’、25”;25a〜25h;25〜2512)は、上記スライバを吐出する紡機(1;1a〜1f;52;80;90)又は上記格納手段(30;30a〜30f;55a〜55c;58、25)まで供給されて、少なくともひとつの繊維スライバ・パッケージ(5;5a〜5e;5’、5”;5.1〜5.8;5〜512)を受容し、上記パッケージが受容された後で、上記支持体(25;25a〜25c;25’、25”;25a〜25h;25〜2512)は安定的に位置決めされた上記繊維スライバ・パッケージ(5;5a〜5e;5’、5”;5.1〜5.8;5〜512)と一緒に、上記更なる処理デバイス(1;51a〜51d;75;80;90;41)又は上記更なる格納手段(58)まで供給され得ることを特徴とする、装置が提供される。
【0005】
上記ケンス無し繊維スライバ・パッケージはそれらが安定的に位置決めされる如き様式で上記支持体上に着座せしめられることから、少なくとも2個の繊維スライバ・パッケージを下流の処理機械又は格納手段まで高い信頼性で確実に搬送することができる。格別の利点は、スライバの供給を受ける紡機において、パッケージの形態である供給材料は上記支持体から、紡績位置に配備された供給位置まで直接的に転送可能なことである。上記繊維材料は上記供給位置においても安定的に位置決めされる。
【0006】
請求項2乃至92は、本発明の好適な発展例を包含する。
2番目の発明によれば、1番目の発明において、前記繊維スライバ・パッケージは、たとえば搬送パレットなどの搬送デバイスへと変位可能(降荷可能)である。
3番目の発明によれば、1番目または2番目の発明において、前記繊維スライバ・パッケージを移動(降荷)した後で、例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイスは、更なる繊維スライバ・パッケージを受容するために横方向に移動可能である。
4番目の発明によれば、1番目から3番目のいずれかの発明において、一つ以上の繊維スライバ・パッケージを、例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイス上へと変位可能(降荷可能)である。
5番目の発明によれば、1番目から4番目のいずれかの発明において、たとえば搬送パレットなどの前記搬送デバイスにおける前記繊維スライバ・パッケージの個数、例えば3個、4個、6個または8個は、下流の処理デバイスに供給されるべき繊維スライバ・パッケージの個数に対応する。
6番目の発明によれば、1番目から5番目のいずれかの発明において、例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイスには、一側にて取付けられた支持壁などの支持要素が関連付けられる。
7番目の発明によれば、1番目から6番目のいずれかの発明において、前記支持要素には、最初に投入載置(deposit)(降荷)された繊維スライバ・パッケージの側面が関連付けられる。
8番目の発明によれば、1番目から7番目のいずれかの発明において、前記支持要素は固定位置に在る。
9番目の発明によれば、1番目から8番目のいずれかの発明において、前記支持要素は例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイスに取付けられる。
10番目の発明によれば、1番目から9番目のいずれかの発明において、前記支持要素は壁部、ロッド、搬送ベルトなどの形態である。
11番目の発明によれば、1番目から10番目のいずれかの発明において、前記支持要素は摺動を促進する材料から成る。
12番目の発明によれば、1番目から11番目のいずれかの発明において、前記支持要素は摺動を促進する材料により被覆される。
13番目の発明によれば、1番目から12番目のいずれかの発明において、たとえば支持壁などの前記支持要素は約5〜10°だけ傾斜可能である。
14番目の発明によれば、1番目から13番目のいずれかの発明において、たとえば支持壁などの前記支持要素は約5〜10°だけ傾斜される。
15番目の発明によれば、1番目から14番目のいずれかの発明において、たとえば搬送パレットなどの前記搬送デバイスは好適には5〜10°の角度だけ傾斜可能であるかまたは傾斜される。
16番目の発明によれば、1番目から15番目のいずれかの発明において、たとえば搬送パレットなどの前記搬送デバイスはその下側面に、たとえばフォークリフト・トラックなどの搬送装置のための挿入開口および/または搬送装置を連結するための挿入開口を有する。
17番目の発明によれば、1番目から16番目のいずれかの発明において、たとえば搬送パレットなどの前記搬送デバイスは、駆動要素、フォークなどを進入させられるスロット、案内手段などを有する。
18番目の発明によれば、1番目から17番目のいずれかの発明において、繊維スライバ・パッケージを例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイス上に投入載置した後で、上記格納デバイスまたは上記搬送デバイスは、次の繊維スライバ・パッケージを受容するために側方移動により横方向に変位可能である。
19番目の発明によれば、1番目から18番目のいずれかの発明において、例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイス上には、繊維スライバ・パッケージのための少なくともひとつの未積載格納位置、または、繊維スライバ・パッケージを有する少なくともひとつの格納位置が必要に応じて在る。
20番目の発明によれば、1番目から19番目のいずれかの発明において、夫々の場合において、繊維スライバ・パッケージが当該未積載格納位置上へと変位可能(降荷可能)である未積載格納位置が在る。
21番目の発明によれば、1番目から20番目のいずれかの発明において、夫々の場合において、投入載置された繊維スライバ・パッケージのための少なくともひとつの予備格納位置が在る。
22番目の発明によれば、1番目から21番目のいずれかの発明において、夫々の場合において、変位(降荷)されるべき繊維スライバ・パッケージのための少なくともひとつの未積載格納位置が在る。
23番目の発明によれば、1番目から22番目のいずれかの発明において、投入載置された繊維スライバ・パッケージを備えた(積載した)例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイスは、未積載格納位置を備えた格納デバイスおよび/または搬送デバイスと交換可能である。
24番目の発明によれば、1番目から23番目のいずれかの発明において、投入載置された繊維スライバ・パッケージを備えた(積載した)例えばベルト式格納手段などの格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの搬送デバイスは、たとえば水平方向の押圧などの変位作用により前記放出領域外へと移動可能である。
25番目の発明によれば、1番目から24番目のいずれかの発明において、例えばベルト式格納手段などの未積載格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの搬送デバイスは、たとえば水平方向の押圧などの変位作用により前記放出領域内へと移動可能である。
26番目の発明によれば、1番目から25番目のいずれかの発明において、投入載置された繊維スライバ・パッケージを備えた(積載した)例えばベルト式格納手段などの格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの搬送デバイスは、たとえば紡機などの更なる繊維機械へと、または、格納部へと搬送可能である。
27番目の発明によれば、1番目から26番目のいずれかの発明において、前記搬送作用は例えばフォークリフト・トラックなどにより手動的に行われる。
28番目の発明によれば、1番目から27番目のいずれかの発明において、前記搬送作用は搬送装置により行われる。
29番目の発明によれば、1番目から28番目のいずれかの発明において、前記搬送装置は、たとえばレール案内式などの様に軌道案内式である。
30番目の発明によれば、1番目から29番目のいずれかの発明において、前記搬送装置は自由に移動可能である。
31番目の発明によれば、1番目から30番目のいずれかの発明において、投入載置された繊維スライバ・パッケージを備えた(積載した)例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または搬送デバイスは、搬送装置において直接的に位置決め可能である。
32番目の発明によれば、1番目から31番目のいずれかの発明において、前記搬送装置はワゴンなどである。
33番目の発明によれば、1番目から32番目のいずれかの発明において、前記搬送装置はフォークリフト・トラックなどである。
34番目の発明によれば、1番目から33番目のいずれかの発明において、前記搬送装置は例えば駆動モータなどの駆動手段により往復駆動可能である。
35番目の発明によれば、1番目から34番目のいずれかの発明において、前記繊維スライバ・パッケージは、たとえばベール・プレス機などのプレス機内へと変位可能(降荷可能)である。
36番目の発明によれば、1番目から35番目のいずれかの発明において、前記変位作用は押圧により行われる。
37番目の発明によれば、1番目から36番目のいずれかの発明において、前記繊維スライバ・パッケージのスライバ端部は相互に結合可能である。
38番目の発明によれば、1番目から37番目のいずれかの発明において、前記繊維スライバ・パッケージのスライバ端部は結合のために位置決めされる。
39番目の発明によれば、1番目から38番目のいずれかの発明において、前記スライバ端部は手動で互いに結合可能である。
40番目の発明によれば、1番目から39番目のいずれかの発明において、前記スライバ端部はデバイスにより互いに結合可能である。
41番目の発明によれば、1番目から40番目のいずれかの発明において、順次に配置された繊維スライバ・パッケージの場合には、ひとつの繊維スライバ・パッケージの最下層のスライバ端部は他の(隣接する)繊維スライバ・パッケージの最上層のスライバ端部に結合可能である。
42番目の発明によれば、1番目から41番目のいずれかの発明において、前記スライバ端部同士を一体的に結合させることにより、複数の個別の繊維スライバ・パッケージから成る単一の集合的な繊維スライバ・パッケージが生成され得る。
43番目の発明によれば、1番目から42番目のいずれかの発明において、たとえば壁部などの少なくともひとつの側部要素は約5〜10°だけ傾斜可能である。
44番目の発明によれば、1番目から43番目のいずれかの発明において、たとえば壁部などの少なくともひとつの側部要素は約5〜10°だけ傾斜される。
45番目の発明によれば、1番目から44番目のいずれかの発明において、当該装置はケンス無し装置である。
46番目の発明によれば、1番目から45番目のいずれかの発明において、前記繊維スライバ・パッケージについて、前記機械からの放出および/または引き続く処理デバイスもしくは格納手段への搬送は、ケンス、容器などを用いることなしに行われる。
47番目の発明によれば、1番目から46番目のいずれかの発明において、前記投入載置された繊維スライバ(スライバ束)は、付加的なケンス、容器などを用いることなしに前記放出領域からの上記繊維スライバ(スライバ束)の外方変位を行う機械的手段により移動可能である。
48番目の発明によれば、1番目から47番目のいずれかの発明において、前記繊維スライバはリング形態で投入載置可能である。
49番目の発明によれば、1番目から48番目のいずれかの発明において、前記スライバ束は水平に移動可能である。
50番目の発明によれば、1番目から49番目のいずれかの発明において、前記機械的手段は例えば押圧器などの圧力デバイスである。
51番目の発明によれば、1番目から50番目のいずれかの発明において、前記繊維スライバ・パッケージは支持体上へと搬送される。
52番目の発明によれば、1番目から51番目のいずれかの発明において、前記繊維スライバ・パッケージのための前記支持体には、たとえば吊下コンベアなどの搬送デバイスが関連づけられる。
53番目の発明によれば、1番目から52番目のいずれかの発明において、前記繊維スライバ・パッケージは揺動なし又は殆ど揺動なしで変位可能である。
54番目の発明によれば、1番目から53番目のいずれかの発明において、加速用経路および制動用経路上での前記変位デバイスの速度の変更は概ね連続的に(無段階的に)行われる。
55番目の発明によれば、1番目から54番目のいずれかの発明において、前記変位デバイスには例えば駆動モータなどの制御可能な駆動デバイスが関連づけられる。
56番目の発明によれば、1番目から55番目のいずれかの発明において、前記制御可能な駆動デバイスは電子的開ループ/閉ループ制御デバイスに接続される。
57番目の発明によれば、1番目から56番目のいずれかの発明において、前記駆動される変位デバイスは前記繊維スライバ・パッケージを安定的に変位させられる。
58番目の発明によれば、1番目から57番目のいずれかの発明において、前記繊維スライバ・パッケージはケンス無しである。
59番目の発明によれば、1番目から58番目のいずれかの発明において、前記繊維スライバ・パッケージは断面が長寸である。
60番目の発明によれば、1番目から59番目のいずれかの発明において、前記支持壁などおよび/または前記側部要素は水平軸心の回りで傾斜可能又は傾斜される。
61番目の発明によれば、1番目から60番目のいずれかの発明において、前記繊維スライバ・パッケージは安定的に支持された状態で変位可能である。
62番目の発明によれば、1番目から61番目のいずれかの発明において、前記繊維スライバ・パッケージは重心において又は重心の上方において支持可能である。
63番目の発明によれば、1番目から62番目のいずれかの発明において、前記搬送デバイスは、前記ケンス無し繊維スライバ・パッケージを受容する例えば搬送パレットなどの支持体を有する。
64番目の発明によれば、1番目から63番目のいずれかの発明において、前記支持体および前記支持要素は略L形状である。
65番目の発明によれば、1番目から64番目のいずれかの発明において、前記支持体は、前記支持要素から離間した側で上昇され得る。
66番目の発明によれば、1番目から65番目のいずれかの発明において、上昇のために空気圧シリンダなどが使用され得る。
67番目の発明によれば、1番目から66番目のいずれかの発明において、前記上昇の結果として、前記支持要素および/または更なる繊維スライバ・パッケージに対して傾斜可能である前記繊維スライバ・パッケージは、安定的位置へと移行可能である。
68番目の発明によれば、1番目から67番目のいずれかの発明において、前記受容支持表面を変位させる駆動デバイスが在る。
69番目の発明によれば、1番目から68番目のいずれかの発明において、前記駆動デバイスは歯付きベルトおよび歯付きベルト用ホィールを有する。
70番目の発明によれば、1番目から69番目のいずれかの発明において、前記駆動デバイスは空気圧シリンダなどを備える。
71番目の発明によれば、1番目から70番目のいずれかの発明において、前記支持体は標準的パレットである。
72番目の発明によれば、1番目から71番目のいずれかの発明において、更なる処理に適した個数の繊維スライバ・パッケージをたとえば搬送パレットなどの前記支持体に一体的に搬送可能である。
73番目の発明によれば、1番目から72番目のいずれかの発明において、たとえば搬送パレットなどの前記支持体と、安定的に位置決めされた少なくともひとつの繊維スライバ・パッケージとを共通して搬送する搬送デバイスが配備される。
74番目の発明によれば、1番目から73番目のいずれかの発明において、前記搬送デバイスはフォークリフト・トラックである。
75番目の発明によれば、1番目から74番目のいずれかの発明において、前記搬送デバイスはレール案内式である。
76番目の発明によれば、1番目から75番目のいずれかの発明において、前記搬送デバイスは、たとえば誘導ループなどによる軌道案内式である。
77番目の発明によれば、1番目から76番目のいずれかの発明において、前記搬送デバイスは自由に移動可能である。
78番目の発明によれば、1番目から77番目のいずれかの発明において、たとえば機械および/または格納手段などの複数台の処理デバイスは、レール案内式または軌道案内式の搬送デバイスにより受け持たれ得る(can be served)。
79番目の発明によれば、1番目から78番目のいずれかの発明において、たとえば機械および/または格納手段などの前記処理デバイスは、前記搬送デバイスのための共通経路に沿って配置される様に位置決めされる。
80番目の発明によれば、1番目から79番目のいずれかの発明において、たとえば搬送パレットなどの前記支持体は、格納デバイスまで搬送される。
81番目の発明によれば、1番目から80番目のいずれかの発明において、たとえば搬送パレットなどの前記支持体は、更なる処理機械上に配備された供給位置(巻出し位置)まで搬送される。
82番目の発明によれば、1番目から81番目のいずれかの発明において、前記供給位置は練篠フレームのラティス(送給テーブル)である。
83番目の発明によれば、1番目から82番目のいずれかの発明において、前記供給位置はフライヤのラティス(送給テーブル)である。
84番目の発明によれば、1番目から83番目のいずれかの発明において、前記供給位置はコーミング前処理機のラティス(送給テーブル)である。
85番目の発明によれば、1番目から84番目のいずれかの発明において、前記供給位置は紡機(直紡)の紡績位置である。
86番目の発明によれば、1番目から85番目のいずれかの発明において、たとえば搬送パレットなどの前記支持体は、前記繊維スライバ・パッケージを圧縮するプレス機まで搬送される。
87番目の発明によれば、1番目から86番目のいずれかの発明において、前記繊維スライバ・パッケージは、たとえばバーコード、色付きマーカなどの識別マークを備える。
88番目の発明によれば、1番目から87番目のいずれかの発明において、前記識別マークは製造条件に関する。
89番目の発明によれば、1番目から88番目のいずれかの発明において、前記識別マークは繊維材料品質に関する。
90番目の発明によれば、1番目から89番目のいずれかの発明において、前記識別マークは繊維材料品質に関する。
91番目の発明によれば、1番目から90番目のいずれかの発明において、前記識別マークによって、繊維スライバ・パッケージの混合体を前記供給位置において組立てられる。
92番目の発明によれば、1番目から91番目のいずれかの発明において、繊維スライバ・パッケージを組立てて混合体を形成することは、前記供給位置の内の所定位置において行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下において本発明は、図面に示された実施例を参照して相当に詳細に記述される。
図1(a)、図1(b)は、たとえばTruetzschler練篠フレームTD 03などの練篠フレーム1を示している。上流のラチス(lattice)(送給テーブル)から到来する複数の繊維スライバは、牽伸システム2に進入し、其処で牽伸(けんしん)され、牽伸システム2の吐出口の後で組み合わされて繊維スライバ12を形成する。繊維スライバ12は、回転プレート3を通過して、基部上においてリング状に投入載置(deposit)されてケンス無し繊維スライバ・パッケージ5を形成する。矢印AおよびBの方向に往復移動する基部は、例えば矩形の頂面4を有する支持プレート4である。支持プレート4は、たとえば機械制御器などの電子制御/調整デバイス7に接続された制御可能駆動モータ6により駆動される(図4参照)。参照番号8は、回転プレート・パネル9により結合されたスライバ投入載置デバイスのカバー・シート8を表している。文字Kは、繊維スライバが回転プレート3により概ね鉛直方向に吐出される間における練篠フレーム1における作動方向K(繊維材料の流れ)を表している。参照番号10は投入載置領域10を表し、参照番号11は投入載置領域10の外側にある外側領域11を表している。繊維スライバのための投入載置領域10は、図1(b)に係る経路gを備える。支持プレート4は、繊維スライバ12が投入載置される間に回転プレート3の下方で水平に往復移動する。図1(a)は、繊維スライバ12の投入載置の間に回転プレート3の下方で方向A、Bに水平に往復移動する支持プレート4の一方の終端位置を示しており、図1(b)はその他方の終端位置を示している。繊維スライバ・パッケージ5は、回転プレート3の下方において方向A、Bに対応する矢印C、Dの方向に往復移動される。図1(a)に示された終端位置に一旦到達すると、支持プレート4は矢印Aの方向に進行し、該支持プレート4は加速され、一定速度で駆動されてから制動される。また、図1(b)に示された終端位置に一旦到達すると、支持プレート4は矢印Bの方向に戻るべく進行し、該支持プレート4は加速され、一定速度で駆動されてから制動される。往復移動の切換えは、駆動モータ6と協働する制御デバイス7により行われる(図4参照)。
【0008】
可変速度電気モータ6は、揺動なし又は殆ど揺動なしの速度で支持プレート4を駆動する。特に、加速および制動は揺動なし又は殆ど揺動なしである。加速と制動との間における速度は一定である。そのような手段によって繊維スライバ・パッケージ5は、図1(a)および図1(b)に係る投入載置領域10内における往復移動の間、および、図2に係る投入載置領域10からの外方移動の間の両方において安定したままである。繊維スライバ・パッケージ5(スライバ束)が滑動することなしに、および転倒することなしに、達成される製造速度が可及的に高くなる様に、上記移動は制御されている。
【0009】
繊維スライバ12が投入載置されている間に、制御デバイス7(図4参照)は、安定的なケンス無し繊維スライバ・パッケージ5を製造するために支持プレート4の往復移動を制御する。一つの実施形態に依れば、回転プレート3は固定位置において回転すると共に、概ね一定の投入載置力にて繊維スライバ12を支持プレート4上に投入載置させる。上記一定の投入載置力は特に、繊維スライバ12の繊維材料層毎に一定量の繊維スライバ12を吐出することにより達成される。たとえば回転プレート3が支持プレート4上に又はすでに投入載置された繊維スライバ・リングの頂部上に繊維スライバ12を投入載置する場合には、繊維スライバ・リングの各層は、前方への往路移動の間または後方への復路移動の間のいずれかにおいて概ね一定量の繊維スライバ12を受容する。層毎の繊維スライバ12の量は一定であることから、繊維スライバ・パッケージ5の安定性が達成される。
【0010】
支持プレート4が往復移動する量は、繊維スライバ・パッケージ5の次第に増大する安定性によっても制御される。支持プレート4が往路または復路移動のいずれかの折り返し点に到達する毎に、制御手段7は支持プレート4を制動し、該支持プレート4は繊維スライバ・パッケージ5の境界領域402aまたは402bに到達し、且つ、該制御手段は支持プレート4が境界領域402aまたは402bを離脱する毎に支持プレート4を加速する。繊維スライバ・パッケージ5の各側における境界領域402aおよび402bの間においては、制御手段7は支持プレート4を一定速度で制御する。境界領域402aまたは402bは、繊維スライバ・パッケージ5のそれぞれの端部における箇所であって、支持プレート4上に投入載置された繊維スライバ・リングが完全には相互に重なり合わないという箇所である(図3(a)、図3(b)を参照)。
【0011】
境界領域402aまたは402bは、繊維スライバ・パッケージ5の各端部において支持プレート4の移動の折り返し点よりも僅かながら手前に位置している。対照的に、非境界領域404においては、支持プレート4の往路移動の間または復路移動の間のいずれにおいても、各繊維スライバ・リングの後側縁部は、先行して投入載置された繊維バンド・リングの前側縁部上に上方から配置される。
【0012】
境界領域402aまたは402bにおいて投入載置される少量の繊維スライバに関し、制御デバイス7は、境界領域402aまたは402bにおいて更なる繊維スライバ12を投入載置可能な様に支持プレート4を制動し、且つ、該制御デバイスは非境界領域404においては支持プレート4を一定速度で加速する。支持プレート4を制動する結果として境界領域402aまたは402bにおいて投入載置される繊維スライバの量は増加する。その理由は、回転プレート3は支持プレート4の移動に関わりなく繊維スライバ12を一定割合で吐出するからである。支持プレート4が制動される毎に、更に多くの繊維スライバ12がその箇所において投入載置され、この投入載置された繊維スライバ12は、各折り返し点の近くにおいて重なり合わない繊維スライバ・リングに対応する。該支持プレート4の往復移動の間において繊維スライバ12の各層についての繊維スライバ・パッケージ5の境界領域402aおよび402bの両方と非境界領域404とにおいて投入載置される繊維スライバ12の量は、支持プレート4の非均一な速度によって概ね均一とされ得る。支持プレート4が非均一な速度である結果、繊維スライバ・パッケージ5の全ての箇所において繊維スライバ12の密度は概ね均一になる。繊維スライバ12が均一な密度であるので、繊維スライバ・パッケージ5を支持表面5上に安定的に形成できると共に、該繊維スライバ・パッケージ5を往復して加速および制動させられ、それにより、側方では支持されないケンス無し繊維スライバ・パッケージ5が不安定となる可能性または転倒するリスクを回避できる。
【0013】
繊維スライバ・パッケージ5を表面4上に投入載置するのが完了した後で、図2に依り支持プレート4は繊維スライバ・パッケージ5と共に上記スライバ吐出デバイスを矢印Iの方向に外方へ移動する。制御手段7は、スライバ投入載置のための往復移動(矢印A、B)から、投入載置領域10から放出領域11への外方移動(矢印I)へと切換えが為される様に、支持プレート4の移動を制御する。
【0014】
図3(a)は、支持プレート4の頂面4上に自由に投入載置されたリング状の繊維スライバ・パッケージ5の平面図である。図3(b)は、支持プレート4上に自由に配置された繊維スライバ・パッケージ5の側面図である。図3(c)は、支持プレート4上に自由に位置決めされた繊維スライバ・パッケージ5の正面図である。図3(a)乃至図3(c)に示されたように、繊維スライバ・パッケージ5は複数の繊維スライバ・リングから矩形をなすように形成される。矩形状の繊維スライバ・パッケージ5は、繊維スライバ12が投入載置された様式により形成される。繊維スライバ12が吐出される回転プレート3の回転によって、重なり合う繊維スライバ12のリングから成る層が支持プレート4の受容表面4a上に形成され、制御デバイス7の制御下における支持プレート4の往復移動によって、繊維スライバ・リングが形成される箇所が受容表面4上に確立される。支持プレート4の移動により以下の効果が得られる。すなわち、投入載置された繊維スライバ・リングが、支持プレート4の受容表面4上において相互に交互配置されかつ相互に部分的に重なり合いながら配置され、それにより、平面視から分かるように矩形の形状の繊維スライバ・パッケージ5が生成されるという効果が得られる。支持プレート4の往復移動の方向の変換により生じる繊維スライバ・パッケージ5の各端部においては、図3(a)により明確に示されたように繊維スライバ・パッケージ5は矩形状に対して丸み付けられた端部を有する。矩形状の繊維スライバ・パッケージ5は好適である、と言うのも、円錐状もしくは円筒状に整形された繊維スライバ・パッケージと比較して、矩形状の繊維スライバ・パッケージ5は繊維スライバ・パッケージ5の安定性を促進するからである。
【0015】
図3(a)は、リング状に配置された繊維スライバ12からなる繊維スライバ・パッケージ5の平面図を示している。図3(b)および図3(c)は夫々側面図および正面図であり、ケンス、コンテナなどを用いることなしに、支持プレート4の上側面4上に自由に起立している繊維スライバ・パッケージ5を示している。繊維スライバ・パッケージ5の寸法に関し、長さは図3(a)により参照符号aで、幅は図3(c)により参照符号bで、且つ、高さは図3(c)により参照符号cで表される。支持プレート4の寸法に関し、長さは図3(a)により参照符号dで、幅は図3(a)により参照符号eで、且つ、高さは図3(c)により参照符号fで表される。参照番号5(図3(a))は、概ね矩形の断面である概ね直方体形状の繊維スライバ・パッケージ5の上側面を、参照番号5(図3(b))は長寸側面を、参照番号5(図3(c))は短寸側面を表している。他方の長寸側面5、他方の短寸側面5および基部表面5は示されていない。
【0016】
図4に依れば、支持プレート4の水平変位のための制御可能駆動モータ6、支持プレート4の鉛直変位のための制御可能駆動モータ13、および、回転プレート3のための制御可能駆動モータ14が接続されているたとえば機械制御器などの電子制御/調整デバイス7が存在している。フレーム構造と、案内ローラと、矢印LおよびMの方向に移動され得る撓曲可能な搬送要素とから成る昇降デバイスがキャリッジ20上に取付けられている。鉛直に変位可能である(図1(a)における矢印E、Fを参照)支持プレート4は、2つの駆動要素15a、15bを備えている。支持プレート4の両方の狭幅側部に夫々配置された駆動要素15a、15bは、支持要素16a、16b上に着座している。これら支持要素16a、16bは歯付きベルト用ホィール回りを循環するたとえば歯付きベルト17a、17bなどの様に鉛直に配置された撓曲可能な搬送要素に取付けられている。一方の案内ローラ18aはモータ13により駆動される。モータ13は、種々の速度にて両方の回転方向に動作し得る可逆モータの形態である。未積載の支持プレート4の到達時には、駆動要素15a、15bは底部に配置された支持要素16a、16bに位置しており、それにより、支持要素16a、16bが上方変位することによって駆動要素15a、15bおよび支持プレート4が上方に移動するようになる。支持要素16a、16bは上記フレーム構造の保持要素19a、19bによりキャリッジ20に取付けられる。キャリッジ20は、たとえば歯付きベルト用ホィールの回りを循環する歯付きベルトなどの循環搬送要素21により矢印O、Pの方向に水平に往復移動される。
【0017】
固定された回転プレート・パネル9により保持される回転プレート3は繊維スライバ12を支持プレート4上に投入載置させ、結果的に形成された繊維スライバ・パッケージ5は支持プレート4上に起立すると共に矢印A、Bの方向(図1(a)参照)に往復移動される。繊維スライバの投入載置が進行する間、繊維スライバ・パッケージ5の上側の繊維スライバ・リングは、回転プレート・パネル9の下側面9aに連続的に接触する。投入載置された繊維スライバ・パッケージ5の繊維スライバ12は、下側面9aおよび回転プレート3の下側カバー面3aに押圧される。所定の一定の押圧力が投入載置された繊維スライバ12に対して鉛直に及ぼされる様に、制御/調整デバイス7は繊維スライバ12の最上層により及ぼされる力が一定のままである様にモータ13の速度を調整する。言い換えれば、モータ13の速度は、撓曲可能な搬送要素17a、17bに取付けられた支持要素16a、16bの下方移動の割合(量)が、モータ14により駆動される回転プレート3による繊維スライバ投入載置の速度と協働して、下方移動する支持プレート4の夫々の高さ位置において繊維スライバ12を均一に圧縮させるようになっている。水平方向における各ストロークg(図1(b)参照)の後、支持プレート4は事前設定量だけ下方に変位する。繊維スライバ12に特有の弾性の結果として且つ変位可能な支持プレート4の押圧力の結果として、ケンス無し繊維スライバ・パッケージ5は、水平な往復移動の間において回転プレート・パネル9の下側面9aおよび回転プレート3の下側カバー面3aに押圧される。従って、繊維スライバ・パッケージ5は、水平な往復移動の間において積極的にも非積極的にも安定化される。
【0018】
図4は、たとえばフレーム構造19などの保持デバイス19a、19bを備えたキャリッジ20を示している。保持要素19a、19bは、矢印L、Mの方向において支持プレート4を上方もしくは下方に移動させ得る2つのコンベア・ベルト17a、17bを保持する。ケンス無し繊維スライバ・パッケージ5は、支持プレート4の頂面4上に配置される。繊維スライバの投入載置の間において、支持プレート4は矢印A、Bの方向に往復移動される。それぞれに対応する終端位置(図1(a)、図1(b)を参照)に一旦到達すると、支持プレート4は、駆動モータ13の助勢により、繊維スライバの厚さ未満だけ、例えば10mmだけ基本的に方向Eに下方へと変位され、それにより、投入載置されるべき繊維スライバ材料の次層に対して概ね一定のスペース(もしくは余裕)を形成する。上記概ね一定の余裕は、側方では支持されない繊維スライバ・パッケージ5の上側部と回転プレート3の基部表面3aとの間の領域に関連すると共に、投入載置された繊維スライバ層毎に一定の力を生成する。上記の概ね一定なスペースによって、各繊維スライバ層に対して投入載置された繊維スライバ12のための概ね一定の余裕のみが形成される。繊維スライバ層とは、支持プレート4の個々の移動折り返し点同士の間(すなわち支持プレート4の移動が方向を変換する点から、次の折り返し点まで)において投入載置された繊維スライバ12の量を表す。繊維スライバ12を上記の概ね一定なスペースに投入載置すると、繊維スライバ・パッケージ5内における全ての箇所における繊維スライバ12の密度を概ね一定にでき、このことによって、繊維スライバ・パッケージ5の安定性を促進できる。
【0019】
支持プレート4を下降させる(図1における矢印E)ことにより形成された概ね一定なスペースは、回転プレート3から定常的に流入する繊維スライバ12により直接的にかつ即時に充填される。スライバ投入載置の間において、繊維スライバ・パッケージ5の上側部は、間隔なしで、回転プレート3の基部表面3aおよび回転プレート・パネル9の基部表面9aに押圧される。つまり、定常的な接触が在る。投入載置された繊維スライバ・パッケージ5の繊維スライバ塊は、繊維スライバ12に特有の弾性の結果および変位可能な支持プレート4の付勢力の結果として、下面3aおよび9cに押圧される。同時に、このことは、繊維スライバ・パッケージ5を予備圧縮することになり、この予備圧縮は、繊維スライバ・パッケージ5を更に放出および更に搬送するのに有利である。
【0020】
図5は、投入載置領域10でのスライバ投入載置の間における支持プレート4上の繊維スライバ・パッケージ5aを示している。参照番号20は、水平に往復移動するキャリッジ(案内デバイス、保持デバイス)を表している。繊維スライバ・パッケージ5aは、その長手軸心の方向C、Dにおいて、すなわちその長寸側面の方向において水平に変位される。固定側壁22aが長寸側面51に対して平行で且つ長寸側面51から離間されて配置されている。固定側壁22aは、キャリッジ20から独立しており、落下する繊維材料などが上記機械に進入するのを阻止している。経路g(図1(b)参照)の長さ(ストローク長)はモータ6(図4参照)により変更可能であることから、繊維スライバ・パッケージ5aの長さa(図3(b)参照)を調節することができる。投入載置領域10の下流には、2つの繊維スライバ・パッケージ5b、5cが順次に格納された搬送パレット25が配置される放出領域11がある。
【0021】
図6(a)、図6(b)に依れば、支持プレート4.1の頂面4aには複数の貫通孔4.1.1が配置されている。図6(a)によれば、頂面4から離間した方の側4bに配置されたプレート23の頂面に取付けられた円錐状突起部の先端23.1がこれら貫通孔4.1.1を通って突出している。プレート23は矢印Q1、Q2の方向に昇降され得ることから、プレート23が方向Q2に下降されたとき、図6(b)のように先端23.1は孔4.1.1から係合解除される。図6(a)に依れば先端23.1は繊維スライバの投入載置の開始時における短時間だけ孔4.1.1を貫通して突出することから、投入載置された繊維スライバの第1層は規則的に円滑な頂面4上に保持され且つ頂面4から摺動離脱はしない。上記繊維スライバの層が頂面4上に安定的に位置すると直ちに、先端23.1は方向Q2に下降されて係合解除されることから、放出の間における後段階においては繊維スライバ・パッケージ5は問題なく頂面4から摺動し得る。
【0022】
図7(a)乃至図7(c)に依れば、支持プレート4.2の頂面4aには長手溝4.2.1が配置されている。図7(b)に依れば、繊維スライバ・パッケージ5の下側部5の下側において長寸の揚動ロッド24a、24bが方向R1、R2において長手溝4.2.1内に挿入可能である。図7(c)に依れば揚動ロッド24a、24bは方向S1、S2に上昇することができ、その結果、繊維スライバ・パッケージ5の下側部5は支持プレート4の頂面4から揚動離間されるので、該繊維スライバ・パッケージ5と摩擦接触することなしに、支持プレート4を繊維スライバ・パッケージ5の下方で方向Wに変位させられる(図10(d)参照)。
【0023】
図8(a)に依れば支持プレート4は繊維スライバ・パッケージ5dと一体的に、搬送パレット25の頂面25の上方において放出領域11に配置される。繊維スライバ・パッケージ5b、5cの長手軸心を横切る方向、すなわち繊維スライバ・パッケージ5b、5cの短辺または端面5、5の方向において、搬送パレット25は水平面に対して角度、たとえば7°などにて傾斜される。図8(b)に依れば上記基部に近い方の搬送パレット25の側面25上には、該搬送パレット25の頂面25に対して90°の角度をなす例えば円滑な板金壁部などの支持壁26が取付けられている。その結果、繊維スライバ・パッケージ5cは支持壁26に当接して傾斜する。また繊維スライバ・パッケージ5bは、傾斜された繊維スライバ・パッケージ5cに接触して、該パッケージ5cに当接して傾斜する。繊維スライバ・パッケージ5b、5cが傾斜することによって、これらパッケージ5b、5cは搬送パレット25上に安定的に支持され、且つ、転倒などから保証される。同様に図8(b)に示された如く、円滑側壁22bは、繊維スライバ・パッケージ5dの放出の間に矢印T1、T2の方向に変位可能であり、それにより、格納済み繊維スライバ・パッケージ5bとの面倒な摩擦接触を回避できるようになる。図8(c)に依れば、たとえば鉛直な支持壁などの支持要素98が在る。格納されていて傾斜された繊維スライバ・パッケージ5bに放出済み繊維スライバ・パッケージ5aを押し当てて傾斜させるために、支持要素98は枢動軸受99の回りで水平方向に約5〜10°だけ傾斜され得る。
【0024】
図9に依れば格納手段はベルト式格納手段であり、その場合、モータ27により駆動される2つの案内ローラ28a、28bの回りで無限に循環するコンベア・ベルト29が設けられる。上側ベルト部分29上には、未積載の搬送パレット25aと、一つの繊維スライバ・パッケージ5cが積載された搬送パレット25bと、4個の繊維スライバ・パッケージ5b、5c、5d、5eが完全に積載された搬送パレット25cとが、方向U1において順番にかつ水平に配置されている。各搬送パレット25a、25b、25cの一方の端面25上には、鉛直方向に対して約5°〜10°の角度βで傾斜して配置された支持壁26a、26b、26cなどが取付けられている。支持壁26が傾斜することによって、繊維スライバ・パッケージ5b、5c、5d、5eは搬送パレット25b、25c上に安定的に位置決めされる。繊維スライバ・パッケージ5が搬送パレット25bに降荷される毎に上側ベルト部分29は、繊維スライバ・パッケージ5の幅b(図3(c)参照)だけ方向U1に移動する。搬送パレット25bの積荷の間にまたはその後に、既に満杯である搬送パレット25cを搬送して離間させられる。搬送パレット25bが4個の繊維スライバ・パッケージ5により一旦積載されると、上側ベルト部分29は方向U1に移動させ、それにより、満杯の搬送パレット25bは搬送されて離間した位置まで移動され、未積載の搬送パレット25aが繊維スライバ・パッケージ5の放出に対する(中央)位置まで移動するようになる。次に、上側ベルト部分29上には、新たな未積載の搬送パレット25a’が配置される。
【0025】
図10(a)に依れば、スライバ投入載置領域10から放出される過程において、モータ6により駆動される支持プレート4は、ケンス無し繊維スライバ・パッケージ5dと共に方向Iにおいて水平に移動される。該支持プレートは、搬送パレット25の頂面25の上方に距離hだけ離間された位置(図10(f)参照)へと、頂面25上に既に格納されている繊維スライバ・パッケージ5cに隣接して平行となる様に到達する(図10(b))。次に抑制要素27は、搬送パレット25の外側の位置(図10(b))から、繊維スライバ・パッケージ5dの端面5の手前の位置であって支持プレート4の頂面4の上方に距離iだけ離間された位置(図10(f)参照)まで(不図示の駆動デバイスにより)方向V1において水平に変位される(図10(c))。次にモータ6により駆動される支持プレート4は繊維スライバ・パッケージ5dなしで単独で、抑制要素27の下方にて方向Jに水平に戻り移動される(図10(d))。方向Jにおける移動の過程において、抑制要素27により所定位置に保持された繊維スライバ・パッケージ5dは支持プレート4の円滑表面4から摺動離脱することから、繊維スライバ・パッケージ5dは支持プレート4から取外される。同時に、図10(d)に示された如く繊維スライバ・パッケージ5dは、搬送パレット25の表面25上に投入載置される。支持プレート4の下面4と搬送パレット25の上側部25との間の距離h(図10(f)参照)は比較的小さいことから、支持プレート4を摺動離脱するときに繊維スライバ・パッケージ5dは問題なく搬送パレット25上へと下降される。最終的に、抑制要素27は方向V2に水平に戻り移動される(図10(e))。
【0026】
図10(c)に係る位置においては、支持プレート4はその長手軸心の回りで約5°〜10°の角度だけ回転され得る(不図示)ことから、繊維スライバ・パッケージ5dは、投入載置されて傾斜された繊維スライバ・パッケージ5bの側面5に向かう方向において、該側面に対して平行に傾斜される。支持プレート4の回転によって、頂面4から繊維スライバ・パッケージ5dが下方に摺動移動するのが助勢される。
【0027】
あるいは(または付加的に)、長手軸心の回りで傾斜され得る板金壁部などが搬送パレット25の上方の領域内まで水平に移動され得ることから、繊維スライバ・パッケージ5dは、繊維スライバ・パッケージ5の側面52に向かう方向において、該側面に対して平行に傾斜される。
【0028】
図11に依れば、4個のケンス無し繊維スライバ・パッケージ5a〜5dが搬送パレット25の頂面25上に順次に配置されている。頂部層(頂面5)のスライバの端部、すなわち、該頂部層の繊維スライバの最後のリングの端部は、隣接する繊維スライバ・パッケージの基部層(基部表面5)のスライバ端部、すなわち、該基部層の繊維スライバの最初のリングの端部に結合される。図11に示された例においては、繊維スライバ・パッケージ5aの頂部層(頂面5)の繊維スライバの最後のリングのスライバ端部は、繊維スライバ・パッケージ5bの基部層(基部表面5)の繊維スライバの最初のリングのスライバ端部に結合されている。このことは、更なる繊維スライバ・パッケージ5cおよび5dに関するスライバ端部およびそれらを結合させることも当てはまる。この様に、各スライバ端部を一体的に結合することにより、複数の個別の繊維スライバ・パッケージ5a〜5dから成る単一の集合的な繊維スライバ・パッケージが製造される。スライバの供給を受ける機械(図15〜図17および図19〜図21)へと供給されて取り出されるときに、繊維スライバ・パッケージ5dの頂部層(頂面56)から始まる上記集合的な繊維スライバ・パッケージからなる全ての繊維スライバ・パッケージは、単一動作において且つ中断なしで、相次いで取り出され得る。
【0029】
図12に依れば、頂面25上に配置された繊維スライバ・パッケージ5a〜5dと共に搬送パレット25を搬送するフォークリフト・トラック31が在る。繊維スライバ・パッケージ5a〜5dの長手軸心を横切る方向、すなわち繊維スライバ・パッケージ5a〜5dの短寸側面5および5に対して平行に、搬送パレット25は水平面に対して角度γにて傾斜される。対応して傾斜されたフォークリフト・トラック31のフォーク32は、繊維スライバ・パッケージ5a〜5dの長手軸心を横切る方向において搬送パレット25の下側で係合する。繊維スライバ・パッケージ5a〜5dの側面5、5および支持壁26は、鉛直方向に対して所定角度で傾斜される。繊維スライバ・パッケージ5a〜5dから構成される束5’は、特に該束5’が鉛直方向に対して傾斜され、支持壁26に押し当たって傾斜されると共に、該束5’の重心の上方にて支持される。すなわち該束は支持手段の下方における低位置の重心を有する。従って、繊維スライバ・パッケージ5a〜5dから構成される束5’は搬送するのに安定して支持されると共に、滑動、転倒などから守られるようになる。
【0030】
図12に係るフォークリフト・トラック31または対応する搬送車両が使用されるという図13に係る構成に依れば、繊維スライバ・パッケージ5a〜5dを担持する搬送パレット25が存在している。該搬送パレットは繊維スライバ・パッケージ5a〜5dの長手軸心の方向を横切る方向に角度δで傾斜され、フォークリフト・トラック31のフォーク32a、32bは繊維スライバ・パッケージ5a〜5dの長手軸心の方向において該パッケージの下側に係合する。フォーク32a、32bは、これらフォーク32a、32bの長手配向に延在する共通の長手軸心の回りで回動可能である。
【0031】
図14に依れば、たとえばTruetzschler TD 03などの6台の練篠フレーム1a〜1fが順次に一列に配置されている。練篠フレーム1a〜1fの各々の取入口においては、6個の丸形ケンス36を備えた夫々のラチス35(供給テーブル)が在る(練篠フレーム1aに対するラチス35の位置および丸形ケンス36の位置のみが示されている)。牽伸されるべき6本の繊維スライバが6個の丸形ケンス36から夫々の練篠フレーム1a〜1fの牽伸システム2まで供給される。各練篠フレーム1a〜1fの吐出口においては、ケンス無し繊維スライバ・パッケージ5が夫々の投入載置領域10において製造される(特に図1、図2、図4および図5を参照)。練篠フレーム1a〜1fは、スライバが供給されてスライバを吐出する紡機である。各練篠フレーム1a〜1fの吐出口の後には夫々の格納デバイス30a〜30fが存在する。練篠フレーム1a〜1fにおいて製造されたケンス無し繊維スライバ・パッケージ5が各格納デバイスの一側において各格納デバイス内へと放出される。該格納デバイスにおいては、ケンス無し繊維スライバ・パッケージ5は搬送パレット25上に格納される。格納デバイス30a〜30fの夫々の他側においては、レール案内手段37がこれら格納デバイスに沿って配置される。(図14に示された例に依れば)レール案内手段においては、2台の搬送車両38a、38bが矢印W1、W2の方向に往復移動される。そのような手段を用いるために、格納デバイス30a〜30fは、搬送車両38a、38bの共通経路に存在する様に位置決めされる。レール案内手段37の端部領域(図14においては格納デバイス30fの後の領域)においては、繊維スライバ・パッケージ5が積載された搬送パレット25(満杯のパレット)のためのコンベア・デバイス39、たとえばローラ・コンベア、コンベア・ベルトなどと、未積載の搬送パレット25(未積載パレット)のためのコンベア・デバイス40、たとえばローラ・ベルト、コンベア・ベルトなどとが配置されている。コンベア・デバイス39は結束デバイス42を有するプレス機41まで延びており、その下流には、重量計43およびラベル付けデバイス44が配置されている。さらにその下流には、複数の個別の繊維スライバ・パッケージの束5’から成り得る結束済みの繊維スライバ・パッケージ5を前進させて搬送する更なるコンベア・デバイス45が配備されている。
【0032】
図14に示された例においては、搬送車両38aは、4個のケンス無し繊維スライバ・パッケージ5から成る束5’、5”を夫々が有する2個の搬送パレット25a、25bを担持している。これら搬送パレット25a、25bは格納デバイス30aから運び出されて搬送車両38aに積載される。従って、格納デバイス30aにおいては、2つの未積載の搬送パレット25’についての2つの未積載の格納位置が存在する。格納デバイス30b〜30eの各々においては、ケンス無し繊維スライバ・パッケージ5または束5’を受容するための2つの未積載の搬送パレット25’が存在している。格納デバイス30fにおいては、2つの未積載の搬送パレット25’についての2つの未積載の格納位置が示されている。搬送車両38b上には、2つの未積載のパレット25’、25”が配置される。作動時に、搬送車両38aはコンベア・デバイス39の一端まで進行し、コンベア・デバイス39の一端においては束5’、5”を備えたパレット25a、25bが相次いで積載されてプレス機41まで矢印Xの方向に転送される。プレス機41においては、基部板材(base board)およびカバー板材(不図示)、たとえば波形状の厚紙、繊維板などが束5’、5’’に取付けられ、加圧成形され、結束され、且つ、搬送パレット25から取り外されて、結束された束の形態をなしてコンベア・デバイス45上に放出される。束5’、5”から分離された未積載の搬送パレット25’は交差コンベア46によりコンベア・デバイス40まで搬送され、これらパレット25’は其処から方向Yにおいて搬送車両38aまたは38bの一方に積載される。
【0033】
図15に依れば、たとえばTruetzschler TD 03などの練篠フレーム1の取入口においては、2つの搬送パレット25a、25bが組み合わされた送給テーブル35(ラチス)が配置されている。搬送パレット25a上には4つの独立したケンス無し繊維スライバ・パッケージ5.1〜5.4が順次に安定的に配置され、搬送パレット25b上には4つの独立したケンス無し繊維スライバ・パッケージ5.5〜5.8が順次に安定的に配置される。繊維スライバ・パッケージ5.1〜5.8は個別的に取り出される。このため、搬送パレット25aおよび25b上の夫々における4つの繊維スライバ・パッケージ5.1〜5.4および5.5〜5.8の場合には、4つの取出し点が存在する。8本の繊維スライバが練篠フレーム1に供給される(図20における繊維スライバ82を参照)。斯かる配置構成によれば、空間が最適化された形態を提供できる。
【0034】
図16に依れば、たとえばTruetzschler TD 03などの練篠フレーム1の取入口の上流には、送給テーブル35(ラチス)が同様に配置されており、該送給テーブルには8個の搬送パレット25a〜25hが関連付けられている。各搬送パレット25a〜25h上には、4つのケンス無し繊維スライバ・パッケージ、たとえば図11に係る実施例においては搬送パレット25a上でスライバ端部により相互に結合された繊維スライバ・パッケージ5.1、5.2、5.3、5.4などが順次に安定的に配置されている。この様にして、搬送パレット上の繊維スライバ・パッケージ、たとえば搬送パレット25a上の繊維スライバ・パッケージ5.1、5.2、5.3、5.4などは、中断されることなしに相次いで巻出されることから、長寸のスライバの長さ部分を巻出すのに有利である。4つの繊維スライバ・パッケージが各搬送パレット上に在る場合には、集合的な繊維スライバ・パッケージに対する動作時間は4倍になる。斯かる配置構成によれば、動作効率が最適化することのできる形態を提供できる。
【0035】
スライバが供給されてスライバを吐出する紡機である図14に示された練篠フレーム1a〜1fにおいては、丸形ケンス36が供給される代わりに、ケンス無し繊維スライバ・パッケージ5がたとえば図15および図16に示された様式で各ラチス35に供給され得る。
【0036】
図17に依れば、本発明に係る装置はいわゆる直紡において用いられる。特にロータ紡機を有する紡績工場(spinning mill)におけるヤーン製造プロセス(yarn production process)を自動化する方法において、長寸の断面を有するケンス無し繊維スライバ・パッケージ5を使用するのが有利である。長寸支持体25上の斯かる繊維スライバ・パッケージ5は、容易に実現可能な手段により、ロータ紡機の選択動作位置上へと厳密に配向されて安定的に位置決めされ得る。ヤーン製造の自動プロセスは、制御センタ50により制御される。制御センタ50は、たとえば、紡績位置の所定紡績時間が達成または超過され、それにより、該紡績位置において紡績動作が中断されたという2つの論理信号の和に基づき、ロータ紡機51a〜51dの紡績位置の下側に在る搬送パレット25などの支持体の交換を決定する。支持体25を交換するプロセスを最適化するために、制御センタ50は、問題となる紡績位置の支持体25の最後の交換に基づいて、個々の紡績位置における純粋な紡績時間に関する情報の知見を利用する。支持体25のための積載ステーションとして上記紡績工場は、たとえばTruetzschler TC 03などの少なくとも一台のフラット・カード52a〜52cを有している。各々のフラット・カード52a〜52cは、たとえばTruetzschler IDFなどの一体化牽伸システム53a〜53cと、回転プレート54a〜54cとを包含する。各フラット・カード52a〜52cには、繊維スライバ・パッケージ5が積載された搬送パレット25’と未積載の搬送パレット25”とに対する格納デバイス55a、55bおよび55cが関連付けられている。格納デバイス55a、55b、55cは、たとえば図9に示された様式のベルト格納手段の形態とされ得る。ロータ紡機51a〜51dと格納デバイス55a〜55cとの間において紡績工場の床部の平面には誘導ループ56が設置される。誘導ループ56によって、制御センタ50からの信号と、ケンス無し繊維スライバ・パッケージ5の各々に対する少なくとも一個の搬送パレット25を有する少なくともひとつの自動制御搬送キャリッジ57からの/に対するセンサの反応とが送信される。参照番号58は、ケンス無し繊維スライバ・パッケージ5を有する搬送パレット25と未積載の搬送パレット25’とのための中間格納手段(バッファ)を表す。ロータ紡機51a〜51dは、スライバの供給を受ける紡機である。
【0037】
図18は、送給ローラ60、送給テーブル61、テーカイン62a、62b、62c、シリンダ63、ドッファ64、ストリッパ・ローラ65、ニップ・ローラ66、67、ウェブ案内要素68、ウェブ用ファネル69、吐出ローラ70、71およびカード回転頂部59を有する、スライバを吐出する紡績機械としての例えばTruetzschlerフラット・カードTC 03などのフラット・カード52を示している。フラット・カード52の吐出口の下流にはスライバ投入載置デバイス72が配置されている。スライバ投入載置デバイス内においては、回転している回転プレート54が回転プレート・パネル73内に配置され、回転プレート・パネル73の上方には例えばTruetzschler IDFなどの牽伸システム53が配置されている。フラット・カード52により製造された繊維スライバ74は、スライバ・ファネルを経由して牽伸システム53を通り、吐出ローラを備えたスライバ・ファネルを通り、次に回転プレート54のスライバ・チャネルを通り、ケンス無し繊維スライバ・パッケージ5の形態で支持プレート4上に投入載置される。支持プレート4は、投入載置の間において方向A、Bに水平に往復移動され、各ストロークの後で方向Eに下降される。繊維スライバ・パッケージ5は、特に図1(a)、図1(b)および図4に示された様式に対応する様式で安定的に位置決めされる。
【0038】
図19に依れば、スライバの供給を受ける紡績機械であるフライヤ75は、スピンドル/スプール・デバイス76、フライヤ牽伸システム77、および上流の送給テーブル35(ラチス)を有する。ラチス35の下方には4つのケンス無し繊維スライバ・パッケージ5a〜5dが在る。繊維スライバ・パッケージ5a、5bは搬送パレット25a上に安定的に位置決めされており、繊維スライバ・パッケージ5c、5dは搬送パレット25b上に安定的に位置決めされている。
【0039】
図20に依れば、スライバが供給されてスライバを吐出する紡績機械であるコーミング前処理機80は、互いに平行に配置された2つの送給テーブル35a、35b(ラチス)と、送給テーブル35aの下方に安定的に位置決めされたケンス無し繊維スライバ・パッケージ5〜5(5のみが示される)を担持する6個の搬送パレット25〜25と、送給テーブル35bの下方に安定的に位置決めされたケンス無し繊維スライバ・パッケージ5〜512を担持する6個の搬送パレット25〜2512とを有している。送給テーブル35a、35bは、案内プーリ81を繊維スライバ・パッケージ5〜512の各々の上方に有している。繊維スライバ・パッケージ5〜512から引き出された繊維スライバ82は、案内プーリ81により案内された後、コーミング前処理機80において順次に配置された2つの牽伸システム83a、83bへと通過する。形成された繊維スライバ・ウェブは牽伸システム83aからウェブ・テーブル84上を案内され、牽伸システム83bの吐出口においては、繊維スライバ・ウェブは該牽伸システム内で製造された繊維スライバ・ウェブと相互に(on top of the other)重ね合わされて布置される。2本の繊維スライバ・ウェブは下流の牽伸システム83c内へと引き込まれ、牽伸システム83cにおいて製造された繊維材料は、長手方向に往復移動可能な概ね矩形の支持プレート4上に、下流回転プレート84によってリング状に投入載置されて、ケンス無し繊維スライバ・パッケージ5を形成する。繊維スライバ・パッケージ5は、特に図1(a)、図1(b)および図4に示された様式に対応する様式で安定的に位置決めされる。次にケンス無し繊維スライバ・パッケージ5は、コーミング機(図21参照)に供給される。
【0040】
図21に依ればコーミング機90は、隣接して一列に配置された6つのコーミング・ヘッド(combing head)91a〜91fを有している。各コーミング・ヘッド91a〜91fには搬送パレット25〜25が関連付けられ、各搬送パレット25〜25上には2つのケンス無し繊維スライバ・パッケージ5〜512がそれぞれ存在している(5のみが示される)。リング状に投入載置された繊維スライバ92は、平面視において概ね矩形状である繊維スライバ・パッケージ5〜512から引き出される。その目的のために、繊維スライバ・パッケージ5〜512上には、案内プーリを備えたラチス・フレーム構造93が在る(図20参照)。繊維スライバ92はコーミング・ヘッド91a〜91fにおいてコーミングされると共に、スライバ・テーブル94を経由して牽伸システム95に供給され、牽伸システム95において繊維スライバ92は組み合されて単一の繊維スライバ96を形成する。下流のスライバ投入載置段階においては、回転プレート97はリング形態の繊維スライバ96を、ケンス無し繊維スライバ・パッケージ5の形態で、長手方向に往復移動可能である概ね矩形状の支持プレート4上に投入載置する。繊維スライバ・パッケージ5は、特に図1(a)、図1(b)および図4に示された様式に対応する様式で安定的に位置決めされる。上記ケンス無し繊維スライバ・パッケージは次に、紡機または格納手段へと供給される。
【0041】
上述の各構成要素ならびに繊維スライバ・パッケージ5は、必要に応じて単一個または複数個で配備され得る。同様に、選択された構成要素の名称は語句の狭義の意味で解釈されるのではなく、一定種類の機械またはシステムの構成要素に対する同義語であるとして理解されるべきである。たとえば、本発明に関して”練篠フレーム”1という用語は、スライバを吐出またはスライバを製造する一台以上の機械を表す。繊維スライバ・パッケージ5は、図示された構成において概ね矩形の形状を有している。またスライバの供給を受ける(すなわちスライバを処理する)種々の紡機、たとえば、リング精紡機またはオープンエンド精紡機だけでなく、繊維構造(粗紡糸、巻回されたラップ、繊維スライバ、ヤーン)を製造するために繊維スライバの供給を受ける練篠フレーム、フライヤ、コーミング前処理機またはコーミング機などが使用され得る。図17における説明のために、単に代表的実施例としてオープンエンド精紡機が選択されている。上記格納デバイスの特定の構成もまた、本発明に対して基本的に重要でなく、繊維スライバ・パッケージ5のための格納位置は、基本的にその目的を達成できれば十分である。練篠フレーム1において製造された繊維スライバ・パッケージ5は支持体上に群として配置されるのが好ましい。該支持体によって各パッケージは常に、上記システムの個々の構成要素間において完全なユニットとして往復搬送される。図14および図17に示された代表的実施例に依れば、複数台の搬送車両が配備され、各々の搬送車両はユニットの形態である一群のケンス無し繊維スライバ・パッケージ5を受容可能であり、上記車両は該ユニットを、(スライバを吐出しまたはスライバを製造している)練篠フレーム1から、更なる処理のためにスライバを処理しまたはスライバを消費する繊維機械まで、または、中間格納部へと搬送する。図14および図17に示された代表的実施例において上記搬送車両は、図面の明確化のために駆動手段が示されず且つ上記システムの個々の構成要素間の経路に沿い進行し得る自動ユニットの形態である。”経路”または”軌道”という用語は該語句の狭義の意味で理解されるべきでなく、それは赤外線式または超音波式の案内手段なども包含することが意図される。もし上記搬送車両が手動で操縦されるなら、”経路”という用語は、当該ルートに沿い上記搬送車両が移動される又は移動され得るという任意の種類のルートも包含する。
【0042】
紡績において、紡績用ケンス(spinning can)とも称されるケンスは、繊維スライバを投入載置、収容および取出すのに用いられる中空体(容器)である。上記ケンスは転送され、搬送され、繊維スライバが格納され、供給される。斯かるケンスは、繊維スライバの充填および取出し用の開口として使用される開放上側部を除いて、全ての側部が壁部により囲繞された矩形状のケンスの形態をなしている。すなわち、そのようなケンスは4つの側壁と1つの基壁部とを有している。対照的に本発明はケンス無し繊維スライバ・パッケージ5に関しており、すなわち、繊維スライバのためのケンス、容器などは使用されない。繊維スライバはケンス無し繊維スライバ・パッケージ5の形態で投入載置され、引き出され、転送され、格納され、且つ、供給される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】(a)回転プレートの下方における一方の終端位置においてケンス無し繊維スライバ・パッケージの形態で繊維スライバを投入載置する支持プレートを用いる本発明に係る装置を有する練篠フレームの概略的側面図である。(b)図1(a)に係る上記装置を上記回転プレートの下方の他方の終端位置において示す図である。
【図2】スライバ吐出デバイスの外側とされた図1(a)に係る装置を示す図である。
【図3】(a)上記支持プレート上に投入載置されたケンス無し繊維スライバ・パッケージの平面図である。(b)上記支持プレート上に投入載置されたケンス無し繊維スライバ・パッケージの側面図である。(c)上記支持プレート上に投入載置されたケンス無し繊維スライバ・パッケージの前面図である。
【図4】上記支持プレートの水平変位デバイスに対する制御可能駆動モータと、上記支持プレートの垂直変位デバイスに対する制御可能駆動モータと、上記回転プレートに対する制御可能駆動モータとが接続された電子制御/調整デバイスを備えたブロック回路図を以て本発明に係る上記装置の実施例を示す図である。
【図5】支持プレートを有する練篠フレームの吐出口領域、および、スライバ投入載置領域におけるケンス無し繊維スライバ・パッケージの斜視図である。
【図6】(a)円錐形状固定要素に対する貫通開口を備えると共に係合位置とされた支持プレートを示す図である。(b)円錐形状固定要素に対する貫通開口を備えると共に係合解除位置とされた上記支持プレートを示す図である。
【図7】(a)溝状凹所を備えた支持プレートを示す図である。(b)繊維スライバ・パッケージに対する揚動要素が下降されて係合解除された図7(a)に係る支持プレートを示す図である。(c)繊維スライバ・パッケージに対する揚動要素が上昇されて係合された図7(a)に係る支持プレートを示す図である。
【図8】(a)支持プレートおよびケンス無し繊維スライバ・パッケージが搬送パレットの上方とされた、上記練篠フレームの下流における放出領域の吐出口領域の斜視図である。(b)搬送パレット上の支持壁の方から見た図8に係る放出領域の斜視図である。(c)放出されたスライバ・パッケージに対して傾斜姿勢を取らせるデバイスの斜視図である。
【図9】夫々の場合において傾斜支持壁を備えた、未積載の搬送パレット、繊維スライバ・パッケージが部分的に積載された搬送パレット、および、繊維スライバ・パッケージが完全に積載された搬送パレットが相次いで配置されるコンベア・ベルトを備えた格納デバイスを示す図である。
【図10】(a)搬送パレット上へのケンス無し繊維スライバ・パッケージの放出様式を示す概略的平面図である。(b)搬送パレット上へのケンス無し繊維スライバ・パッケージの放出様式を示す概略的平面図である。(c)搬送パレット上へのケンス無し繊維スライバ・パッケージの放出様式を示す概略的平面図である。(d)搬送パレット上へのケンス無し繊維スライバ・パッケージの放出様式を示す概略的平面図である。(e)搬送パレット上へのケンス無し繊維スライバ・パッケージの放出様式を示す概略的平面図である。(f)図10(c)に係る前面図の一部である。
【図11】搬送パレット上に順次に配置されると共に隣接する繊維スライバ・パッケージの最下層と最上層との夫々のスライバ端部は互いに結合されるという4個のケンス無し繊維スライバ・パッケージを示す図である。
【図12】フォークリフト・トラック上で繊維スライバ・パッケージの長手軸心の方向を横切る方向に傾斜された搬送パレットであってフォークは上記長手軸心を横切る方向で搬送パレットの下側に係合するという搬送パレット示す図である。
【図13】繊維スライバ・パッケージの長手軸心の方向を横切る方向に傾斜された搬送パレットであってフォークリフト・トラックのフォークは繊維スライバ・パッケージの長手軸心の方向において搬送パレットの下側に係合するという搬送パレット示す図である。
【図14】6台の練篠フレーム、2台の搬送車両、および、ケンス無し繊維スライバ・パッケージに対するプレス機を有するシステムの概略図である。
【図15】2個の搬送パレット上に8個の(独立した)ケンス無し繊維スライバ・パッケージが在るという上流送給テーブル(ラチス)を有する練篠フレームの概略図である。
【図16】一体的に結合された8個のケンス無し繊維スライバ・パッケージが8個の夫々の搬送パレット上に在るという上流送給テーブルを有する練篠フレームの概略図である。
【図17】フラット・カード牽伸システムと、当該システムの内側にてケンス無し繊維スライバ・パッケージを搬送する複数の支持体を有する複数の格納手段と、複数の紡機(直紡)とを各々が備えた複数のフラット・カードを有するシステムの概略図である。
【図18】本発明に係る装置を有するフラット・カードの概略的側面図である。
【図19】本発明に係る装置を有するフライヤの概略的側面図である。
【図20】本発明に係る装置を有するコーミング前処理機の概略的平面図である。
【図21】本発明に係る装置を有するコーミング機の概略的平面図である。
【符号の説明】
【0044】
1a〜1f 練篠フレーム
2 牽伸システム
3 回転プレート
3a 下側カバー面
4、4.1、4.2 支持プレート
4a 受容表面
5、5.1〜5.8、5a〜5e、5〜512 繊維スライバ・パッケージ
5’、5’’ 束
6 駆動モータ
7 電子制御/調整デバイス
8 シート
9 パネル
9a 下側面
10 スライバ投入載置領域
11 外側領域
12 繊維スライバ
13 制御可能駆動モータ
14 制御可能駆動モータ
15a、15b 駆動要素
16a、16b 支持要素
17a、17b 歯付きベルト
18a 案内ローラ
19 フレーム構造
19a、19b 保持デバイス、保持要素
20 キャリッジ
21 循環搬送要素
22a 固定側壁
22b 円滑側壁
23 プレート
23.1 先端
24a、24b 揚動ロッド
25、25’、25”、25a〜25h、25〜2512 搬送パレット、支持体
26、26a、26b、26c、26 支持壁
28a、28b 案内ローラ
29 ベルト
30a〜30f 格納デバイス
31 トラック
32、32a、32b フォーク
35 ラチス
35a、35b 送給テーブル
36 丸形ケンス
37 レール案内手段
38a、38b 搬送車両
39、40 コンベア・デバイス
41 プレス機
42 結束デバイス
43 重量計
44 ラベル付けデバイス
45 コンベア・デバイス
46 交差コンベア
50 制御センタ
51a〜51d ロータ紡機
52、52a〜52c フラット・カード
53、53a〜53c 牽伸システム
54、54a〜54c 回転プレート
55a〜55c 格納デバイス
56 誘導ループ
57 自動制御搬送キャリッジ
58 中間格納手段
59 カード回転頂部
60 送給ローラ
72 スライバ投入載置デバイス
73 パネル
74 繊維スライバ
75 フライヤ
76 スピンドル/スプール・デバイス
80 コーミング前処理機
81 案内プーリ
82 繊維スライバ
83a、83b、83c 牽伸システム
84 回転プレート
90 コーミング機
91a〜91f ヘッド
92 繊維スライバ
93 フレーム構造
94 テーブル
95 牽伸システム
96 繊維スライバ
97 回転プレート
98 支持要素
99 枢動軸受
402a、402b 境界領域
404 非境界領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紡績工場において、たとえば練篠フレームなどのスライバを吐出する紡機または格納手段と、特にスライバの供給を受ける機械である更なる処理デバイスまたは更なる格納手段との間でケンス無し繊維スライバ・パッケージを搬送する装置であって、該装置はケンス無し繊維スライバ・パッケージを受容する支持体を有し、上記支持体は概ね非囲繞であり、上記支持体および上記ケンス無し繊維スライバ・パッケージは一緒に搬送可能であるという装置において、
上記支持体(25;25a〜25c;25’、25”;25a〜25h;25〜2512)は、上記スライバを吐出する紡機(1;1a〜1f;52;80;90)又は上記格納手段(30;30a〜30f;55a〜55c;58、25)まで供給されて、少なくともひとつの繊維スライバ・パッケージ(5;5a〜5e;5’、5”;5.1〜5.8;5〜512)を受容し、
上記パッケージが受容された後で、上記支持体(25;25a〜25c;25’、25”;25a〜25h;25〜2512)は安定的に位置決めされた上記繊維スライバ・パッケージ(5;5a〜5e;5’、5”;5.1〜5.8;5〜512)と一緒に、上記更なる処理デバイス(1;51a〜51d;75;80;90;41)又は上記更なる格納手段(58)まで供給され得ることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記繊維スライバ・パッケージは、たとえば搬送パレットなどの搬送デバイスへと変位可能(降荷可能)であることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記繊維スライバ・パッケージを移動(降荷)した後で、例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイスは、更なる繊維スライバ・パッケージを受容するために横方向に移動可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
一つ以上の繊維スライバ・パッケージを、例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイス上へと変位可能(降荷可能)であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
たとえば搬送パレットなどの前記搬送デバイスにおける前記繊維スライバ・パッケージの個数、例えば3個、4個、6個または8個は、下流の処理デバイスに供給されるべき繊維スライバ・パッケージの個数に対応することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイスには、一側にて取付けられた支持壁などの支持要素が関連付けられることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記支持要素には、最初に投入載置(降荷)された繊維スライバ・パッケージの側面が関連付けられることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記支持要素は固定位置に在ることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記支持要素は例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイスに取付けられることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記支持要素は壁部、ロッド、搬送ベルトなどの形態であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記支持要素は摺動を促進する材料から成ることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記支持要素は摺動を促進する材料により被覆されることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
たとえば支持壁などの前記支持要素は約5〜10°だけ傾斜可能であることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
たとえば支持壁などの前記支持要素は約5〜10°だけ傾斜されることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
たとえば搬送パレットなどの前記搬送デバイスは好適には5〜10°の角度だけ傾斜可能であるかまたは傾斜されることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
たとえば搬送パレットなどの前記搬送デバイスはその下側面に、たとえばフォークリフト・トラックなどの搬送装置のための挿入開口および/または搬送装置を連結するための挿入開口を有することを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
たとえば搬送パレットなどの前記搬送デバイスは、駆動要素、フォークなどを進入させられるスロット、案内手段などを有することを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
繊維スライバ・パッケージを例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイス上に投入載置した後で、上記格納デバイスまたは上記搬送デバイスは、次の繊維スライバ・パッケージを受容するために側方移動により横方向に変位可能であることを特徴とする、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイス上には、繊維スライバ・パッケージのための少なくともひとつの未積載格納位置、または、繊維スライバ・パッケージを有する少なくともひとつの格納位置が必要に応じて在ることを特徴とする、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
夫々の場合において、繊維スライバ・パッケージが当該未積載格納位置上へと変位可能(降荷可能)である未積載格納位置が在ることを特徴とする、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
夫々の場合において、投入載置された繊維スライバ・パッケージのための少なくともひとつの予備格納位置が在ることを特徴とする、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
夫々の場合において、変位(降荷)されるべき繊維スライバ・パッケージのための少なくともひとつの未積載格納位置が在ることを特徴とする、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
投入載置された繊維スライバ・パッケージを備えた(積載した)例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの前記搬送デバイスは、未積載格納位置を備えた格納デバイスおよび/または搬送デバイスと交換可能であることを特徴とする、請求項1乃至22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
投入載置された繊維スライバ・パッケージを備えた(積載した)例えばベルト式格納手段などの格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの搬送デバイスは、たとえば水平方向の押圧などの変位作用により前記放出領域外へと移動可能であることを特徴とする、請求項1乃至23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
例えばベルト式格納手段などの未積載格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの搬送デバイスは、たとえば水平方向の押圧などの変位作用により前記放出領域内へと移動可能であることを特徴とする、請求項1乃至24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
投入載置された繊維スライバ・パッケージを備えた(積載した)例えばベルト式格納手段などの格納デバイスおよび/または例えば搬送パレットなどの搬送デバイスは、たとえば紡機などの更なる繊維機械へと、または、格納部へと搬送可能であることを特徴とする、請求項1乃至25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記搬送作用は例えばフォークリフト・トラックなどにより手動的に行われることを特徴とする、請求項1乃至26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記搬送作用は搬送装置により行われることを特徴とする、請求項1乃至27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記搬送装置は、たとえばレール案内式などの様に軌道案内式であることを特徴とする、請求項1乃至28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
前記搬送装置は自由に移動可能であることを特徴とする、請求項1乃至29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
投入載置された繊維スライバ・パッケージを備えた(積載した)例えばベルト式格納手段などの前記格納デバイスおよび/または搬送デバイスは、搬送装置において直接的に位置決め可能であることを特徴とする、請求項1乃至30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記搬送装置はワゴンなどであることを特徴とする、請求項1乃至31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記搬送装置はフォークリフト・トラックなどであることを特徴とする、請求項1乃至32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記搬送装置は例えば駆動モータなどの駆動手段により往復駆動可能であることを特徴とする、請求項1乃至33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記繊維スライバ・パッケージは、たとえばベール・プレス機などのプレス機内へと変位可能(降荷可能)であることを特徴とする、請求項1乃至34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記変位作用は押圧により行われることを特徴とする、請求項1乃至35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
前記繊維スライバ・パッケージのスライバ端部は相互に結合可能であることを特徴とする、請求項1乃至36のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
前記繊維スライバ・パッケージのスライバ端部は結合のために位置決めされることを特徴とする、請求項1乃至37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記スライバ端部は手動で互いに結合可能であることを特徴とする、請求項1乃至38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記スライバ端部はデバイスにより互いに結合可能であることを特徴とする、請求項1乃至39のいずれか一項に記載の装置。
【請求項41】
順次に配置された繊維スライバ・パッケージの場合には、ひとつの繊維スライバ・パッケージの最下層のスライバ端部は他の(隣接する)繊維スライバ・パッケージの最上層のスライバ端部に結合可能であることを特徴とする、請求項1乃至40のいずれか一項に記載の装置。
【請求項42】
前記スライバ端部同士を一体的に結合させることにより、複数の個別の繊維スライバ・パッケージから成る単一の集合的な繊維スライバ・パッケージが生成され得ることを特徴とする、請求項1乃至41のいずれか一項に記載の装置。
【請求項43】
たとえば壁部などの少なくともひとつの側部要素は約5〜10°だけ傾斜可能であることを特徴とする、請求項1乃至62のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
たとえば壁部などの少なくともひとつの側部要素は約5〜10°だけ傾斜されることを特徴とする、請求項1乃至63のいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
当該装置はケンス無し装置であることを特徴とする、請求項1乃至64のいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
前記繊維スライバ・パッケージについて、前記機械からの放出および/または引き続く処理デバイスもしくは格納手段への搬送は、ケンス、容器などを用いることなしに行われることを特徴とする、請求項1乃至45のいずれか一項に記載の装置。
【請求項47】
前記投入載置された繊維スライバ(スライバ束)は、付加的なケンス、容器などを用いることなしに前記放出領域からの上記繊維スライバ(スライバ束)の外方変位を行う機械的手段により移動可能であることを特徴とする、請求項1乃至46のいずれか一項に記載の装置。
【請求項48】
前記繊維スライバはリング形態で投入載置可能であることを特徴とする、請求項1乃至47のいずれか一項に記載の装置。
【請求項49】
前記スライバ束は水平に移動可能であることを特徴とする、請求項1乃至48のいずれか一項に記載の装置。
【請求項50】
前記機械的手段は例えば押圧器などの圧力デバイスであることを特徴とする、請求項1乃至49のいずれか一項に記載の装置。
【請求項51】
前記繊維スライバ・パッケージは支持体上へと搬送されることを特徴とする、請求項1乃至50のいずれか一項に記載の装置。
【請求項52】
前記繊維スライバ・パッケージのための前記支持体には、たとえば吊下コンベアなどの搬送デバイスが関連づけられることを特徴とする、請求項1乃至51のいずれか一項に記載の装置。
【請求項53】
前記繊維スライバ・パッケージは揺動なし又は殆ど揺動なしで変位可能であることを特徴とする、請求項1乃至52のいずれか一項に記載の装置。
【請求項54】
加速用経路および制動用経路上での前記変位デバイスの速度の変更は概ね連続的に(無段階的に)行われることを特徴とする、請求項1乃至53のいずれか一項に記載の装置。
【請求項55】
前記変位デバイスには例えば駆動モータなどの制御可能な駆動デバイスが関連づけられることを特徴とする、請求項1乃至54のいずれか一項に記載の装置。
【請求項56】
前記制御可能な駆動デバイスは電子的開ループ/閉ループ制御デバイスに接続されることを特徴とする、請求項1乃至55のいずれか一項に記載の装置。
【請求項57】
前記駆動される変位デバイスは前記繊維スライバ・パッケージを安定的に変位させられることを特徴とする、請求項1乃至56のいずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
前記繊維スライバ・パッケージはケンス無しであることを特徴とする、請求項1乃至57のいずれか一項に記載の装置。
【請求項59】
前記繊維スライバ・パッケージは断面が長寸であることを特徴とする、請求項1乃至58のいずれか一項に記載の装置。
【請求項60】
前記支持壁などおよび/または前記側部要素は水平軸心の回りで傾斜可能又は傾斜されることを特徴とする、請求項1乃至59のいずれか一項に記載の装置。
【請求項61】
前記繊維スライバ・パッケージは安定的に支持された状態で変位可能であることを特徴とする、請求項1乃至60のいずれか一項に記載の装置。
【請求項62】
前記繊維スライバ・パッケージは重心において又は重心の上方において支持可能であることを特徴とする、請求項1乃至61のいずれか一項に記載の装置。
【請求項63】
前記搬送デバイスは、前記ケンス無し繊維スライバ・パッケージを受容する例えば搬送パレットなどの支持体を有することを特徴とする、請求項1乃至62のいずれか一項に記載の装置。
【請求項64】
前記支持体および前記支持要素は略L形状であることを特徴とする、請求項1乃至63のいずれか一項に記載の装置。
【請求項65】
前記支持体は、前記支持要素から離間した側で上昇され得ることを特徴とする、請求項1乃至64のいずれか一項に記載の装置。
【請求項66】
上昇のために空気圧シリンダなどが使用され得ることを特徴とする、請求項1乃至65のいずれか一項に記載の装置。
【請求項67】
前記上昇の結果として、前記支持要素および/または更なる繊維スライバ・パッケージに対して傾斜可能である前記繊維スライバ・パッケージは、安定的位置へと移行可能であることを特徴とする、請求項1乃至66のいずれか一項に記載の装置。
【請求項68】
前記受容支持表面を変位させる駆動デバイスが在ることを特徴とする、請求項1乃至67のいずれか一項に記載の装置。
【請求項69】
前記駆動デバイスは歯付きベルトおよび歯付きベルト用ホィールを有することを特徴とする、請求項1乃至68のいずれか一項に記載の装置。
【請求項70】
前記駆動デバイスは空気圧シリンダなどを備えることを特徴とする、請求項1乃至69のいずれか一項に記載の装置。
【請求項71】
前記支持体は標準的パレットであることを特徴とする、請求項1乃至70のいずれか一項に記載の装置。
【請求項72】
更なる処理に適した個数の繊維スライバ・パッケージをたとえば搬送パレットなどの前記支持体に一体的に搬送可能であることを特徴とする、請求項1乃至71のいずれか一項に記載の装置。
【請求項73】
たとえば搬送パレットなどの前記支持体と、安定的に位置決めされた少なくともひとつの繊維スライバ・パッケージとを共通して搬送する搬送デバイスが配備されることを特徴とする、請求項1乃至72のいずれか一項に記載の装置。
【請求項74】
前記搬送デバイスはフォークリフト・トラックであることを特徴とする、請求項1乃至73のいずれか一項に記載の装置。
【請求項75】
前記搬送デバイスはレール案内式であることを特徴とする、請求項1乃至74のいずれか一項に記載の装置。
【請求項76】
前記搬送デバイスは、たとえば誘導ループなどによる軌道案内式であることを特徴とする、請求項1乃至75のいずれか一項に記載の装置。
【請求項77】
前記搬送デバイスは自由に移動可能であることを特徴とする、請求項1乃至76のいずれか一項に記載の装置。
【請求項78】
たとえば機械および/または格納手段などの複数台の処理デバイスは、レール案内式または軌道案内式の搬送デバイスにより受け持たれ得ることを特徴とする、請求項1乃至77のいずれか一項に記載の装置。
【請求項79】
たとえば機械および/または格納手段などの前記処理デバイスは、前記搬送デバイスのための共通経路に沿って配置される様に位置決めされることを特徴とする、請求項1乃至78のいずれか一項に記載の装置。
【請求項80】
たとえば搬送パレットなどの前記支持体は、格納デバイスまで搬送されることを特徴とする、請求項1乃至79のいずれか一項に記載の装置。
【請求項81】
たとえば搬送パレットなどの前記支持体は、更なる処理機械上に配備された供給位置(巻出し位置)まで搬送されることを特徴とする、請求項1乃至80のいずれか一項に記載の装置。
【請求項82】
前記供給位置は練篠フレームのラティス(送給テーブル)であることを特徴とする、請求項1乃至81のいずれか一項に記載の装置。
【請求項83】
前記供給位置はフライヤのラティス(送給テーブル)であることを特徴とする、請求項1乃至82のいずれか一項に記載の装置。
【請求項84】
前記供給位置はコーミング前処理機のラティス(送給テーブル)であることを特徴とする、請求項1乃至83のいずれか一項に記載の装置。
【請求項85】
前記供給位置は紡機(直紡)の紡績位置であることを特徴とする、請求項1乃至84のいずれか一項に記載の装置。
【請求項86】
たとえば搬送パレットなどの前記支持体は、前記繊維スライバ・パッケージを圧縮するプレス機まで搬送されることを特徴とする、請求項1乃至85のいずれか一項に記載の装置。
【請求項87】
前記繊維スライバ・パッケージは、たとえばバーコード、色付きマーカなどの識別マークを備えることを特徴とする、請求項1乃至86のいずれか一項に記載の装置。
【請求項88】
前記識別マークは製造条件に関することを特徴とする、請求項1乃至87のいずれか一項に記載の装置。
【請求項89】
前記識別マークは繊維材料品質に関することを特徴とする、請求項1乃至88のいずれか一項に記載の装置。
【請求項90】
前記識別マークは試験値に関することを特徴とする、請求項1乃至89のいずれか一項に記載の装置。
【請求項91】
前記識別マークによって、繊維スライバ・パッケージの混合体を前記供給位置において組立てられることを特徴とする、請求項1乃至90のいずれか一項に記載の装置。
【請求項92】
繊維スライバ・パッケージを組立てて混合体を形成することは、前記供給位置の内の所定位置において行われることを特徴とする、請求項1乃至90のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−106605(P2007−106605A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277673(P2006−277673)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(590002323)ツリュツラー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (85)
【Fターム(参考)】