説明

紡績機及びつなぎ合わせ工程の前に紡績糸の端部を除去する方法

【課題】紡績糸の端部を除去可能な紡績機及びその除去方補を提供する
【解決手段】紡績機の紡績部(1)は、繊維材料(4)の引き入れ口(3)及び繊維材料(4)から製造された紡績糸(6)の引き出し口(5)を具備する紡績装置(2)、紡績装置(2)に繊維材料(4)を供給する供給装置(7)、製造した紡績糸(6)を巻き取る巻き取り装置(8)、及び紡績装置(2)の引き出し口(5)と巻き取り装置(8)との間に一部が設置され紡績糸(6)の端部を除去する紡績糸端部除去手段(9)を有する。紡績糸(6)の端部は、後段のつなぎ合わせ工程の前に、紡績糸端部除去手段(9)により、紡績糸(6)の端部が把持され、切断されて紡績糸(6)の残りの部分から分離され、紡績部(1)から除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維材料の引き入れ口と紡績装置内で繊維材料から製造された紡績糸の引き出し口とを備えた紡績装置を有する少なくとも1つの紡績部(紡績ポイント)を有し、また、繊維材料を紡績装置の中に供給する供給装置、及び、製造された紡績糸を巻き取る巻き取り装置を有する紡績機に関する。
さらにまた、本発明は、紡績機の紡績部において後段のつなぎ合わせ工程に先だって紡績糸の端部を取り除く方法を開示する。当該方法においては、紡績部は、繊維材料の引き入れ部と紡績装置内で繊維材料から製造された紡績糸の引き出し部とを有する紡績装置、繊維材料を紡績装置の中に供給する供給装置、及び、製造された紡績糸を巻き取る巻き取り装置を有し、紡績工程の中断に続いて、少なくとも除去されるべき紡績糸の端部が、巻き取り装置によって巻き戻される。
【背景技術】
【0002】
紡績工程においては、意図的でも意図的でなくとも、紡績糸製造の際に紡績機(例えば、ロータ紡績機あるいはエアジェット紡績機)がしばしば停止する。(例えば、品質のための切断や紡績糸の破断による)これらの製造の停止により発生する紡績糸の端部は、巻き取り装置のまだ回転しているボビンに巻きつく。つなぎ合わせ工程のためには、紡績糸の端部を実際の紡績方向に沿って紡績部の方に引き戻して再度供給することを可能とするために、例えば適切な吸引装置により、紡績糸の端部をボビンの表面から離さなければならない。さらにまた、規則として、紡績糸の規定の長さの部分となる端部は、つなぎ合わせ工程に先だって取り除かなければならない。その結果、特に、紡績糸を所定の位置に戻すこと及びこれに続く端部の取り除きは、主に保守ロボットにより実行される。これは紡績部各々に対して駆動されなければならないため、紡績工程を継続する際にかなりの遅れが発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、紡績機、及び、続くつなぎ合わせ工程に先立って紡績機内の紡績糸端部を取り除く方法を提供することにあり、当該本発明によれば、従来に比してつなぎ合わせ時間を短縮することができる。
【発明が解決しようとする手段】
【0004】
この目的は、独立請求項の特徴を有する紡績機及び方法によって達成することができる。
【0005】
本発明によれば、紡績部は、少なくとも部分的に(例えば紡績ノズルあるいは紡績ロータ含んでいる)紡績機の引き出し部と巻き取り装置との間に配置され、これにより製造された紡績糸の端部を紡績糸の残りから切断し除去することのできる紡績糸端部除去手段を含む。紡績糸のつなぎ合わせ装置のために適切でない部分の除去は、このように、紡績部において直接に、すなわち保守ロボットあるいは保守員の到着の前に各紡績部において、実行されることができる。
【0006】
例えば(1つのあるいは多数の検査した紡績糸のパラメータが仕様値に対応していない時に意図的に実行される)品質のための切断、あるいは計画していない紡績糸の破断、との関係において紡績工程に中断が生じた時、続くつなぎ合わせ工程の準備が、中断の後、直接始めることができる。紡績糸の端部をボビンの表面から離し、続いて紡績糸端部除去手段に供給することが(例えば、分離グリッピング装置によって)紡績糸の切断の後に通常必要であるとき、本発明にかかる紡績部の設計は、特に品質のための切断の実行の為に、非常に大きな長所をもたらす。事前に定義した紡績糸のパラメータから逸脱していることを検出したことに続いて、紡績糸の製造を遅くすることは、原理上は可能である。この場合は、送り出し装置、巻き取りの配置、及び、もし存在するなられにより紡績糸が紡績装置から引き出される引き出し装置の移送速度を徐々に減速することが想像できる。各転送速度の所定の減速に続いて、供給速度が紡績糸の製造が維持されるべき最小の値を下回ると、紡績糸の製造は中断される。品質のための切断の期間は、従って、本質的に切断工程を含まない。むしろ、定義された紡績糸パラメータの不備のために引き起こされる紡績工程の中断は含まれる。
【0007】
仮に、例えばモニタリングユニット紡績装置の外部に配置されたモニタリングユニットによって、ある地点(例えば、紡績装置の引き出し口の位置)において紡績糸の端部の通過が検出されたら、前述のユニット(供給装置、巻き取り装置、引き出し装置)は、完全に停止できる。紡績糸の端部は、例えば、引き出し装置(12)のローラ対により、今度は所定の位置に配置され、要求があればそれに応じて保持される。仮に、紡績糸の端部が、本発明に従って紡績糸端部除去手段のエリアに保持されているなら、紡績糸の端部は、さらに他のハンドリング装置が必要となることなく、紡績糸端部除去手段により確実に把持される。
【0008】
その後、仕様に適合していない紡績糸の端部は、巻き取り装置により巻き取られ、供給速度の減速の時、その端部は、減速の開始の時に製造された端部に対応するのが好適である。巻き取られた端部は、例えば、巻き取られるか、紡績糸端部除去手段により吸引され、そして切断され、最終的に除去される(例えば中央収集エリアの領域において)。
【0009】
保守ロボットが紡績部のエリアに近づいている時に、適切に準備された紡績糸の端部が既に検出され、好都合にも紡績糸端部除去手段の出口のエリア辺りの所定の位置に保持されているであろう。その結果、ロボットは、従来の場合のように、巻き取り装置の表面の紡績糸の端部を探し巻き戻す必要がない。紡績糸の、つなぎ合わせ工程のために適切ではない端部のロボットによる除去の時間消費ももはや不要とされる。その結果、つなぎ合わせ工程の為にロボットにより要求される時間は著しく短縮される。
【0010】
また、好適には、紡績糸端部除去手段は吸引管を有する。これにより、紡績糸の端部を吸引することができ、及び/又は、切断された端部を除外すことができる。吸引管紡績機の中央真空源に接続することができる。吸引管がそれ自身の真空源、例えばベンチュリノズル、を具備することももちろん有り得ることであり、それは、紡績糸の端部を個々の紡績部で除去しなければならない時にのみ作動される。
【0011】
また、特に好適には、紡績糸端部除去手段は切断ユニットを有する。これを用いて、除去されるべき紡績糸の端部を紡績糸の残りの部分から分離することができる。特に、切断ユニットが前述した吸引管に一体化されている時、それはコンパクトなユニットとなり、これを用いることにより、除去されるべき端部は分離されるだけでなく除去、すなわち、廃棄処分されてしまう。切断ユニットは、要求された時に、紡績糸の端部に近接した位置に移動してきて、動作可能あるいは動作不能とされることができる。
【0012】
これに代えて、紡績糸切断装置を、要求があれば切断ユニットとして設計することも可能である紡績糸モニタリングユニットに(“クリアラー(不要物を片づける人・もの)”として)適用することも可能であることは当然理解されるところである。紡績糸切断ユニットは、この場合、紡績糸端部除去手段の吸引管と引き出し装置との間に配置されることが好適であり、紡績糸モニタリングユニットのエリアで、製造された紡績糸の所定の特性及び存在をモニタする。この形態では、吸引管内の独立した切断ユニットは不要とされる。
【0013】
また、好適には、紡績部は、例えば引き出しローラ対により形成され、紡績装置からの紡績糸を引き出す引き出し装置を有する。紡績糸端部除去手段は、紡績装置の引き出し口と引き出し装置との間に配置される。既にインプリメントしたように、いわゆる品質のための切断を実行するために、紡績糸の製造の中断が発生するような範囲に、特に供給装置の供給速度が減速するまで、紡績装置を選択的に減速することが可能である。その結果として生じた紡績糸の端部は、要求があれば、引き出し装置のローラの間に保持することができる。その保持は、引き出しローラが連携して停止するものであり、紡績装置の引き出し口の下流の所定の位置で紡績糸の存在をモニタしているセンサによって実現される。
【0014】
引き出しローラは、(巻き取り装置の中に支持されているボビンの対応する反対回転の動きの下で)紡績糸の端部が紡績糸を移送する手段により把持され、例えば吸引管の中に吸引される前に、紡績糸の端部を再度解放する。
これに代えて、紡績糸を常に引き出しローラの間に常に保持することも可能である。引き出しローラも、紡績糸の端部が巻き取り装置から巻き戻されるまで、巻き取り装置の回転方向に応じて反対回転を実行する(すなわち、実際の紡績工程の間の回転方向とは反対の方向に回転をする)。ここでの利点は、紡績糸の端部は、紡績糸端部除去手段から分離され除去される時、紡績糸の端部は、まだ、引き出し装置により、所定の地点で保持されているという事実にある。ロボットは、もし要求があって到着したなら、実際のつなぎ合わせ工程の前に、紡績糸の端部を選択的に把持する。その結果、紡績糸の端部を探索することによる時間のロスを回避することができる。
【0015】
また、特に好適には、巻き取り装置及び/又は(各)引き出し装置は、可逆的に駆動可能な駆動ユニットを有する。除去されるべき紡績糸の端部の巻き戻しの為に、前記ユニットを自由走行装置に適用しさえすれば、紡績工程の間主となる移送方向に対向する有効な駆動が可能となり好適である。このような方法において、紡績糸の端部のコントロールされた巻き戻しが可能となり、各ボビンの走行の後の規定されていない状態を回避することができる。
【0016】
また、好適には、紡績機は、多数の隣接して配置された紡績部を有する。各紡績部は、別個の紡績糸端部除去手段を有する。紡績部は、お互いに独立しており、その結果、各紡績部において、つなぎ合わせ工程が実行され、つなぎ合わせに不適切な紡績糸の端部は、各々除去される。
【0017】
また、特に好適には、紡績糸端部除去手段の吸引管は、供給装置の吸引装置に接続されている。この種の吸引装置は、通常、エアジェット紡績機の、供給装置を形成する引き伸ばしユニットのエリア、あるいは、ロータ紡績機の冒頭ローラ(オープニングローラ)のエリアに設置されており、糸くず、埃その他の不純物の除去に使用されている。仮に、吸引管がこの種の吸引装置に接続されているなら、別個の吸引装置は不要である。吸引管と供給装置の吸引装置の間の接続は、例えばパイプ結合により、及び/又は、分流器により行うことができる。
【0018】
また、好適には、バルブ及び/又は分流器が吸引管に配置される。これを用いることにより、吸引管の中の空気圧を調節することができる。吸引管は、中央吸引設備と接続することができる。つなぎ合わせに不適切な紡績糸の端部を各紡績部において除去される必要があるか無いかという点に依存して、吸引管は低圧とされるか、あるいは、紡績糸の端部の吸引の作用を有するエアーストリームが供されるかになる。バルブあるいは分流器は、例えば順次紡績糸センサに接続することのできる適切な制御装置により制御されるのが好ましい。
【0019】
また、非常に好適には、巻き取り装置は、紡績糸縦走装置を有する。紡績糸持ち上げ装置が紡績糸縦走装置に設置されており、紡績糸持ち上げ装置を用いることにより、紡績糸は、紡績糸縦走装置の作用する範囲の外に移動されることができる。紡績糸を持ち上げることにより、紡績糸の端部の巻き取り装置からの巻き戻し工程の間の、紡績糸の切断あるいは紡績糸縦走装置に対する損傷が、この状況の間はもはや紡績糸と紡績糸縦走装置とは接触しないので、防止される。
【0020】
また、好適には、紡績糸持ち上げ装置は、紡績糸に対して移動可能な持ち上げエレメントを有する。持ち上げエレメントは、このましくは、空気圧シリンダにより駆動される。紡績糸は、持ち上げエレメントを介して走行し、紡績糸縦走装置の縦走エレメントとはもはや接触しないでいることができる。いくら遅くとも、少なくともつなぎ合わせ工程が完了した時には、持ち上げエレメント及び空気圧シリンダは各々初期位置に戻り、その状態で、縦走エレメントが紡績糸の縦走動作を実行し、紡績糸は、巻き取り装置に巻き取られる。
【0021】
また、持ち上げエレメントは、少なくとも巻き取り装置の幅方向を覆うように延伸して形成されていれば一層好適である。これは、持ち上げエレメントが有効な時には、持ち上げエレメントにより紡績糸が確実に把持されることを保証するものである。従って、持ち上げエレメントの巻き取り装置の幅方向(すなわち、設置されているボビンの軸方向)の移動は、必要ではない。持ち上げ装置は、ここにおいて、例えばロッド形状で、例えば前述した空気圧シリンダのような駆動エレメントに接続されているものであってよい。
【0022】
他の方法としては、1つ以上の縦走エレメント(例えば紡績糸ガイドのような形態で)を有する紡績糸縦走装置を用いてよいことは明らかであり、要求があれば、縦走エレメントは、それらは、紡績糸が(巻き取り装置から)巻き戻されている間、紡績糸に接触しない位置に配置することができるというように、移動可能か、自在軸受けで実装されているかあるいは他の方法で移動自在にされている。例えば、これに関してはいわゆるフライヤ縦走装置が適用されることは十分にあり得る。フライヤ縦走装置は、標準で、2つ以上の反対方向に回転可能なフライヤエレメントを有する。それらは、交互に巻き取られる紡績糸に接触し、巻き取られている間、それに応じて紡績糸を行ったり来たり移動させる。巻き戻し工程の間、縦走エレメントが紡績糸に接触することを避けるために(これは、巻き戻し工程におけるネガティブ効果を有する)、各縦走エレメントは、いわゆる巻き戻しポジションに移動可能なように設置されている。巻き戻しポジションは、縦走エレメントが、巻き取り装置と引き出し装置との間を走行する紡績糸に接触しない位置である。仮に、いわゆるフライヤ縦走装置が適用されたら、それらは、巻き取りの間紡績糸に接触する部分が、巻き戻しの際に紡績糸の走行通路の外部となるようなエリアに配置されるように回転される。
【0023】
本発明によれば、紡績機において後段のつなぎ合わせ工程の前に紡績糸の端部を排出する方法は、紡績糸の端部は紡績工程の中断の後に巻き取り装置から巻き戻され、端部は紡績糸端部除去手段という形態の紡績部の構成部分を用いて把持され紡績糸の残りの部分から分離された後紡績部のエリアから排出される、という特徴を有するもので、また、紡績糸端部除去手段は少なくとも部分的に紡績装置の引き出し口と巻き取り装置との間に配置されるという特徴を有するものである。従って、各紡績糸は、各紡績部において、つなぎ合わせ工程を実行する保守ロボットあるいは保守員が到着する前に、処理される。これに加えて、紡績糸の端部は、つなぎ合わせ工程に不適当な紡績糸の端部の除去の後に、所定の場所に配置される。すなわち、好適にも紡績糸端部除去手段のエリアに配置され、要求があればそこに保持される。紡績糸端部除去手段は、前述した1つあるいは多数の特徴に基づいて設計されているが、これは絶対的に必要なものではない。
【0024】
特に好適には、紡績部は、紡績装置から紡績糸を引き出す引き出し装置を有する。送り出し装置、引き出し装置及び巻き取り装置の移送速度は、全て、紡績糸の端部が巻き戻される前に停止するまで、徐々に減速することができる。減速は、好適には、減速の後、製造された紡績糸の端部が紡績装置の引き出し口と巻き取り装置との間に、好ましくは、紡績装置の引き出し口と引き出し装置との間に配置されるように行われる。このましくは、紡績糸端部除去手段の少なくとも一部の構成(例えば吸引管)は、この領域に設置される。紡績糸の端部は、送り出し速度の減速の結果、この場合は前述したユニットの停止の後、規定された場所に配置されることとなり、紡績糸端部除去手段により、例えば吸引手段によって、確実に把持される。その後、既に巻き取り装置に巻き取られている紡績糸の後ろ方向への移送が、指定した端部が戻されるまで、紡績糸端部除去手段により行われる。続いて、端部は切断されて廃棄される(例えば、吸引管に接続された紡績機の吸引設備より)。仮に、紡績糸が引き出し装置の引き出しローラにより引き続き把持されていた場合には、紡績糸の巻き戻しの後、紡績糸の端部の除去の間に、紡績糸の端部の除去によって生成された紡績糸が、引き出し装置のエリアに配置される。この紡績糸の端部が、保守ロボットあるいは保守員により選択的に把持されて、続くつなぎ合わせ工程に供される。
【0025】
好適には、除去されるべき紡績糸の端部が紡績糸端部除去手段の吸引管により吸引され、紡績糸の残りの部分から分離された後に除去される。その吸引管は、紡績機の他の部門、構成からも知られており、所定の構成あるいはコンピュータによりコントロールされた計測により、それぞれ低圧にされている。
【0026】
特に好適には、バルブ及び/又は分流器が吸引管に配置されており、バルブ及び/又は分流器により、吸引管内の空気圧が調節されている。従って、吸引管の空気の流れは、個々に調整される。空気の流れは、紡績糸の端部が除去される時にのみ生成されるのが好ましい。通常の紡績工程においては、バルブは閉じられており、分流器は、エネルギーを消費する空気の流れが吸引管内に流れないように稼動されている。
【0027】
また好適には、紡績部は、紡績装置から紡績糸を引き出す引き出し装置を有し、紡績糸の端部の除去は、紡績装置の引き出し口と引き出し装置との間で行われる。そのエリアは、通常簡単にアクセス可能で、従って、ロボットあるいは保守員は、紡績糸の端部を確実に把持し、実際に紡績工程を継続する前に紡績糸の端部を供給装置から来る繊維材料と結合するつなぎ合わせ工程に供することができる。
【0028】
また好適には、紡績糸の端部の除去の後、紡績糸は、紡績糸端部除去手段、及び/又は、引き出し装置であって例えばその引き出しローラ対、により保持される。この場合、紡績糸の端部の探索は不要となり、つなぎ合わせ工程のために要する時間をさらに短縮することができる。
【0029】
また好適には、除去されるべき紡績糸の端部は、巻き取り装置のボビンから、ボビンの駆動装置が紡績工程の間の巻き取り方向とは反対方向に駆動されて、巻き戻される。そのような制御された巻き戻し工程の結果、紡績糸が輪形態となることや、あるいは、その他の望まない紡績糸のテンションの低下を防ぐことができる。この場合、例えばボビンは直接に駆動されてよいが、ボビンの表面に設置された巻き取りローラを介した駆動や、間接的な駆動ももちろん可能である。
【0030】
非常に好適なことには、巻き取り装置が紡績糸縦走装置を有し、紡績糸縦走装置に対して紡績糸持ち上げ装置が配置されていることである。紡績糸は、少なくとも除去されるべき端部の巻き戻しの間、紡績糸持ち上げ装置により、紡績糸縦走装置の作動範囲から退避される。製造された紡績糸が知られた方法によりボビンに付着されている状態を縦走装置が提供している間、巻き戻し工程として縦走装置と紡績糸とが接触することは、紡績糸及び/又は縦走装置への損傷を避けるために望まれない。これは、紡績糸持ち上げ装置によって、縦走装置の動作エリアにある紡績糸が、縦走装置との接触が生じないところまで移動されるという簡単な方法により達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明に係るエアジェット紡績機の紡績工程の間の状態を示す模式的な側面図である。
【図2】図2は、本発明に係るエアジェット紡績機の紡績工程の中断の後の状態を示す模式的な側面図である。
【図3】図3は、本発明に係るエアジェット紡績機の紡績糸の端部の除去の間の状態を示す模式的な側面図である。
【図4】図4は、本発明に係るエアジェット紡績機の紡績糸の端部の除去の後の状態を示す模式的な側面図である。
【図5】図5は、本発明に係るエアジェット紡績機の他の実施形態の模式的な側面図である。
【図6】図6は、本発明に係る紡績機の巻き取りエリアを示す側面図である。
【図7】図7は、図6のエリアの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、(本発明に係る紡績機の例としての)エアージェット紡績機の紡績部(紡績ポイント)1の紡績工程の際の模式的な側面図を表している。エアージェット紡績機は、通常、便利な同一の構成で、引き出し面に対して直角に一列に配置されている多数の紡績部1を含む。
【0033】
図1に示す例において、エアージェット紡績機は、引き伸ばしユニットとして設計された供給装置7を有する。供給装置7には、例えばダブリングされたスライバー形態の繊維材料4が供給される。図示の紡績部1は、さらに、供給装置7から少し離れて、繊維材料4の引き入れ口、及び、内部にエアー渦巻きチャンバ(図示しない)を有する紡績装置2を有する。
【0034】
エアー渦巻きチャンバ内では、高質な紡績糸6の製造のために、繊維材料4あるいは繊維素材4の繊維の少なくとも一部の各々に、知られた方法により撚りが与えられる。
撚りは、この中で、スピンドル先端エリアの特別なエアーストリームにより引き起こされる。このエアーストリームは、エアー渦巻きチャンバの中に接線方向に流入されるエアージェットにより生成される。
【0035】
図示の紡績部1は、引き出しローラ対により形成される引き出し装置12をさらに有し、紡績部1から引き出し口5を取って引き出された紡績糸6を巻き取る巻き取り装置8をさらに有する。前記巻き取り装置8は、引き出しローラ対の下流に配置されており、交換可能なボビン20を有する。
【0036】
さらに、紡績機には、紡績糸モニタリングユニット21を実装することができる。紡績糸モニタリングユニット21は、紡績糸6の品質及び/または各位置における紡績糸6の存在を表す紡績糸6の所定のパラメータ(例えば、紡績糸の厚み、紡績糸の強さあるいはその他のパラメータ)をモニタする。紡績糸モニタリングユニット21は、好適なことに非接触装置である。
【0037】
本発明に係る配置は、図示のように、引き伸ばしユニットを有することを必要としない。引き出しローラ対も、絶対的に必要とするものではない。本発明に係る紡績機は、ロータ紡績機として設計可能である。この場合、紡績装置2が、供給及び冒頭ローラ(オープニングローラ)の引き伸ばしユニットに代わるロータ及び供給装置を含む。
【0038】
図面はまた、前述した構成要素に加えて、これによりボビン20が回転運動をすることができる巻き取りローラ22を示している。(例えば、フライヤ縦走装置の形の)紡績糸縦走装置16も設けられており、これを用いて紡績糸6は、ボビン20に巻き取られている間、引き出し面に対して直角な方向に行ったり来たり移動され、その結果、紡績糸の偏った巻き取りが回避される。
【0039】
本発明に係る方法のために不可欠な構成要素は、以下に詳細に開示される。
【0040】
紡績糸モニタリングユニット21(他の位置に配置することも可能である)が、モニタをされた紡績糸パラメータあるいはセットされた値からのパラメータの中に所定の偏差を検出した時、あるいは、ドフィング工程が行われた直後には、供給装置7、引き出し装置122及び巻き取り装置8の移送速度(移動速度)は徐々に低減される。速度の低減は、紡績機が停止する前にも実行される。
【0041】
ここにおける速度の低減は、必ずしも同時に或いは連続して実行されない。いくつかのケースでは、紡績工程ができる限り継続可能であるような方法で、ともかく、個々の移送速度がスローダウンされるべきである。紡績糸6のコントロールされていない破断は、この方法において回避され得る。さらには、移送速度の低減の目的は、安定した紡績工程を、所定の移送速度以下に落ちることによる停止に持ち込むことであり、その結果、ある時点からは、それ以上紡績糸6は繊維素材4から生成されなくなる。この時点で、紡績糸製造の望まれた中断が達成され、これにおいて紡績糸6は、追加的に力を作用されることなく、繊維材料4から解放される。これは、例えば、紡績糸6を形成するために十分な量の繊維材料4が供給されなくなるほどまでに、供給装置7の移送速度が低減される状態において達成されることができる。
【0042】
紡績糸の製造が中断した後、供給装置7、引き出し装置12及び巻き取り装置8の最終的な停止の後、図2に示すように、発生した紡績糸6の端部が所定の位置に巻き取られるまで、引き出しローラ対は、短期間の間さらに動作することができる。
【0043】
引き出し装置12を停止するために、あるいは、巻き取り装置8を正しい位置で時間内に停止するために、例えば、紡績糸モニタリング装置21内に一体的に実装できる、あるいは、別個の位置に設置されるセンサを、紡績機に設置するのが望ましい。そのセンサは、紡績糸6の端部を検出できるように設計されたものである。紡績糸の端部がセンサに達した時、コントロール及び調整ユニットにより、引き出し装置12及び巻き取り装置8は、直ちに、あるいは、あるい時間遅れて停止することができ、その結果、紡績糸6の端部は、紡績部1の引き出し口5と引き出し装置12との間に位置される。
【0044】
結局、つなぎ合わせ工程に必要な紡績糸6の端部は、紡績部1の引き出し口5と巻き取り装置8のボビン20との間の所定の場所に位置することとなり、本発明に係る方法を、紡績糸6の端部を例えば巻き取り装置20のボビン20の表面を探索する動作なく開始することができる。本発明に係るプロセスに代わるプロセス、すなわち、ボビン表面の紡績糸の端部を把持し、紡績糸端部除去手段9の場所に移動させ、そこに引き渡すという紡績糸を扱う追加の構成の用いることでプロセスを実行できることは自明である。紡績糸端部除去手段については後述する。
【0045】
図1及び図2から明白なように、紡績部1は、紡績糸端部除去手段9を有する。これは、図示の実施形態においては、例えば、紡績機の吸引設備の部分23に、分流器15を介して、あるいは直接(図示しない)に、接続されている吸引管11を有する。分流器15は、さらに、図示のように、供給装置7の吸引装置13と結合されることができる。分流器15を介することによって、供給装置7の吸引装置13を、通常の紡績工程の間、低い圧力にすることができる。紡績糸6の端部の除去(後述するように)の過程においては(例えば、品質のための切断の後に)、同時的に起こる供給装置7の吸引装置13の無効化に対して、吸引管11は吸引設備23に接続される。加えて、或いは代わりとして、吸引管11にバルブ14を設けることも可能であり、これにより吸引管11を流れるエアの量の調整も可能である。
【0046】
吸引管11は、紡績工程が終了し、紡績糸端部が図2に示すような位置に位置するとすぐに、ともかく低圧力に曝されるべきである。引き出し装置12のローラ対及びボビン20は、同時に、あるいは時間を遅らせて、紡績工程の間に行われている回転の方向(回転矢印参照)に対して反対方向に駆動され、紡績糸6はボビン20から巻きも戻される(この目的の為に、引き出し装置12及び巻き取り装置8は、反対回転方向を達成するために好適なシングル駆動を有する)。
【0047】
さらに、紡績糸6の紡績糸縦走装置16との衝突を防ぐために、このエリアの紡績糸6に対して紡績糸持ち上げ装置17を配置しておくことが望ましい。その紡績糸持ち上げ装置17は、例えば、ボビン20の幅方向の範囲を覆うように延在した持ち上げエレメント18、及び、持ち上げエレメント18に接続された空気圧シリンダ19を有する。図2から理解できるように、紡績糸6は、紡績糸縦走装置16の反対方向に、紡績糸6が紡績糸縦走装置16が作用する範囲に届くことができなくなるまで遠くに移動される(図2及び4参照)。
【0048】
紡績糸6は、続くつなぎ合わせ工程には好ましくない紡績糸6の端部が吸引管11の内部に位置するまで、ボビン20から巻き戻される(ほどかれる)。ここで、紡績糸6の長さは、対応する所定の長さに計られる。それは、センサにより計算される、あるいはボビン20又は引き出し装置12のローラの各回転数を介して計算される。もし、紡績糸の製造が供給速度のスローダウンによって中断されると、前述したように、少なくともスローダウンの間に製造された部分は、品質が要求にほとんど合致しないので、実際に取り除かれる。
【0049】
端部の前述した吸引に続く紡績糸の扱いを図3に示す。もし、除去すべき全ての部分が吸引管11の中に吸引されたら、その部分は、紡績糸から分離される。これは、例えば、切断ユニット10により実行することができる。切断ユニットは、例えば、吸引管11の中に一体化することができ、これにより、除去されるべき紡績糸の端部は、紡績糸6の残りの部分から切り離される。
【0050】
切断ユニット10に関して、もちろん切断ユニットを紡績糸モニタリングユニット21の中に一体化することも可能である。紡績糸モニタリングユニット21は、この場合、図2〜4に示した配置には反して、吸引管11と引き出し装置12との間に配置するべきである。この配置を図5に示す。その結果、及び、必要であれば、独立した切断ユニット10は紡績糸端部除去手段9内において、あるいは、吸引管11内において、不要とすることができる。
【0051】
紡績糸6からの端部の切断の後、紡績糸端部除去手段9は、再度無効化される。すなわち、バルブ14は閉じられ、分流器は吸引装置13のサポートに調節され、吸引管11内のエアの流れは、吸引設備23を無効化する手段により遮断される。
【0052】
続くつなぎ合わせ工程の為に、引き出し装置12により引き続き保持され、紡績糸端部除去手段9からは解放された紡績糸の端部は、保守ロボット、あるいは、紡績部の紡績糸ハンドリング装置を用いて移動され、あるいは、手動で把持されて、例えば、紡績部1における実際の紡績方向とは反対に移動され、紡績部1の引き入れ口3と供給装置7との間、あるいは、供給装置7の隣接したローラ対の間、に移動される。そして、紡績糸の端部は、繊維材料4と接する状態におかれ、再度紡績部1に導入される。紡績工程が再度開始される。
【0053】
図6及び7は、さらに他の縦走装置16を示す。縦走装置16は、このケースにおいては、共通の回転軸の周りを反対方向に回転可能な2つの縦走エレメント24(フライや縦走装置も)を有する。紡績糸6の巻き取り装置8のボビン20への巻き取りの間、2つの縦走エレメント24の各々は、所望の縦走(横断)動作、すなわち紡績糸6の横道移動であって偏向エレメント25によりさらに案内される横断移動、を確実にするために、交互に紡績糸6に接触し、これを右から左へ(そして左から右へ)移動させる(図7に関係する)。
【0054】
仮に、つなぎ合わせの前に、ボビン20に既に巻かれた紡績糸6の一部が巻き戻されたら(前述したように)、縦走エレメント24は、例えば、基本的に水平に配置された縦走エレメント24が再開する位置に配置されるのが好ましい。この位置であれば紡績糸6と縦走エレメント24の接触の余地がないので、所望の巻き取り工程の間、相互に不都合な結果が生じない。紡績糸6がボビン20に再度巻き取られるとすぐ、縦走エレメント24は、前述した反対方向に再度回転し、紡績糸6に所望の縦走の動きをもたらす。
【0055】
なお、本発明は、開示した実施形態に限られない。さらに、特許請求の範囲及び明細書に記載したような、及び、図面に図示あるいは記載したような、前述した個々の特徴の全ての組合せは、可能であり各々実際に実現される組合せである範囲において、本発明の対象である。図面に図示したような紡績糸持ち上げ装置は、絶対的に必要なものではなく、適用する紡績糸縦走装置に依存する。吸引管は、バルブを有する必要はなく、あるいは、供給装置の吸引設備と分流器を介して結合する必要もない。むしろ、吸引管の真空源あるいは対応する流体装置との直接の接続も可能である。
【符号の説明】
【0056】
1. 紡績部(紡績ポイント)
2. 紡績装置
3. 引き入れ口
4. 繊維材料
5. 引き出し口
6. 紡績糸
7. 供給装置
8. 巻き取り装置
9. 紡績糸端部除去手段
10. 切断ユニット
11. 吸引管
12. 引き出し装置
13. 吸引装置
14. バルブ
15. 分流器
16. 紡績糸縦走装置
17. 紡績糸持ち上げ装置
18. 持ち上げエレメント
19. 空気圧シリンダ
20. ボビン
21. 紡績糸モニタリングユニット
22. 巻き取りローラ
23. 吸引設備
24. 縦走エレメント
25. 偏向エレメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの紡績部(1)を有する紡績機であって、
前記紡績部(1)は、
紡績装置(2)であって、繊維材料(4)の引き入れ口(3)、及び、当該紡績装置(2)で前記繊維材料(4)から製造された紡績糸(6)の引き出し口(5)を具備する当該紡績装置(2)、
前記繊維材料(4)を前記紡績装置(2)に供給する供給装置(7)、及び
前記紡績糸(6)を巻き取る巻き取り装置(8)
を有し、
前記紡績部(1)は、少なくとも一部が前記紡績装置(2)の前記引き出し口(5)と前記巻き取り装置(8)との間に配置される手段であって、前記紡績糸(6)の端部を前記紡績糸(6)の残りの部分から分離して除去する紡績糸端部除去手段(9)を有する
ことを特徴とする紡績機。
【請求項2】
前記紡績糸端部除去手段(9)は、前記紡績糸(6)の前記端部を吸引し、分離された前記紡績糸(6)の前記端部を除去する吸引管(11)を含むことを特徴とする請求項1に記載の紡績機。
【請求項3】
前記紡績糸端部除去手段(9)は、除去されるべき前記前記紡績糸(6)の前記端部を紡績糸(6)の残りの部分から分離する切断ユニット(10)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の紡績機。
【請求項4】
前記紡績部(1)は、前記紡績糸(6)を前記紡績装置(2)から引き出す引き出し装置(12)を有し、
当該紡績機は、前記紡績糸(6)の物理的特徴をモニタするユニットであって、紡績糸分離装置を有し、少なくとも部分的に前記引き出し装置(12)と前記紡績糸端部除去手段(9)の前記吸引管(11)との間に配置される前記紡績糸モニタリングユニット(21)を有する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の紡績機。
【請求項5】
前記紡績部(1)は、前記紡績糸(6)を前記紡績装置(2)から引き出す引き出し装置(12)を有し、
前記紡績糸端部除去手段(9)は、前記紡績装置(2)の前記引き出し口(5)と前記引き出し装置(12)との間に配置される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紡績機。
【請求項6】
前記巻き取り装置(8)及び/又は前記引き出し装置(12)は、可逆的に駆動される駆動ユニットを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紡績機。
【請求項7】
前記紡績機は、隣接して配置される複数の前記紡績部(1)を有し、各前記紡績部(1)は、別個の前記紡績糸端部除去手段(9)を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の紡績機。
【請求項8】
前記紡績糸端部除去手段(9)の前記吸引管(11)は、前記供給装置(7)の前記吸引装置(13)に接続されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の紡績機。
【請求項9】
前記吸引管(11)には、当該吸引管(11)内の空気圧を調整可能なバルブ(14)及び/又は分流器(15)が設置されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の紡績機。
【請求項10】
前記巻き取り装置(8)は、紡績糸縦走装置(16)を有し、前記紡績糸縦走装置(16)に対しては、前記紡績糸縦走装置(16)の作用範囲外に前記紡績糸(6)を移動させる紡績糸持ち上げ装置(17)が設置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の紡績機。
【請求項11】
前記紡績糸持ち上げ装置(17)は、選択的に空気圧シリンダ(19)により前記紡績糸(6)に対して移動される持ち上げエレメント(18)を有することを特徴とする請求項10に記載の紡績機。
【請求項12】
前記持ち上げエレメント(18)は、前記巻き取り装置(8)の幅方向の全体を覆う範囲に延在することを特徴とする請求項11に記載の紡績機。
【請求項13】
前記巻き取り装置(8)は、紡績糸縦走装置(16)を有し、
前記紡績糸縦走装置(16)は、前記紡績糸(6)に接触可能な少なくとも1つの縦走エレメント(24)を有し、
前記縦走エレメント(24)は、前記紡績糸(6)が前記巻き取り装置(8)から巻き戻される間は、前記紡績糸(6)と接触しない位置に移動される
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の紡績機。
【請求項14】
紡績機の紡績部(1)においてつなぎ合わせ工程の前に紡績糸(6)の端部を除去する方法であって、
前記紡績部(1)は、
紡績装置(2)であって、繊維材料(4)の引き入れ口(3)、及び、当該紡績装置(2)で前記繊維材料(4)から製造された紡績糸(6)の引き出し口(5)を有する当該紡績装置(2)、
前記繊維材料(4)を前記紡績装置(2)に供給する供給装置(7)、及び
前記紡績糸(6)を巻き取る巻き取り装置(8)
を有し、
紡績工程の中断の後、前記紡績糸(6)の少なくとも除去されるべき端部が前記巻き取り装置(8)から巻き戻され、
前記端部は、前記紡績部(1)の構成要素であり少なくとも一部が前記紡績装置(2)の前記引き出し口(5)と前記巻き取り装置(8)との間に配置される紡績糸端部除去手段(9)により、把持され、前記紡績糸(6)の残りの部分から分離され、最終的に前記紡績部(1)から除去される
ことを特徴とする紡績糸(6)の端部を除去する方法。
【請求項15】
前記紡績部(1)は、前記紡績糸(6)を前記紡績装置(2)から引き出す引き出し装置(12)を有し、
前記供給装置(7)、前記引き出し装置(12)及び引き出し装置(8)における前記紡績糸(6)の移送は、除去されるべき前記紡績糸(6)の端部の巻き戻しに先だって、移送速度が徐々に低減された後に停止され、
当該移送速度の低減は、製造された前記紡績糸(6)の前記端部が、前記紡績部(1)の前記引き出し口(5)と前記巻き取り装置(8)との間に配置されて前記移送が停止されるように行われる
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
除去されるべき前記紡績糸(6)の前記端部は、前記紡績糸端部除去手段(9)の吸引管(11)により吸引され、前記紡績糸(6)の残りの部分から分離された後、除去されることを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記吸引管(11)にはバルブ(14)及び/又は分流器(15)が設置されており、前記バルブ(14)及び/又は前記分流器(15)により、前記吸引管(11)の中の空気圧が調節されることを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記紡績部(1)は前記紡績装置(2)から前記紡績糸(6)を引き出す引き出し装置(12)を有し、
前記紡績糸端部の除去は、前記紡績装置(2)の前記引き出し口(5)と前記引き出し装置(12)との間で行われる
ことを特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記紡績糸(6)は、前記端部の分離の後、当該紡績糸(6)が手動あるいは保守ロボットにより引き継がれてつなぎ合わせ工程に供されるまで、前記紡績糸端部除去手段(9)及び/又は前記引き出し装置(12)により保持されていることを特徴とする請求項14〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
除去されるべき前記紡績糸(6)の前記端部は、前記ボビン(20)の少なくとも1つの駆動装置が、紡績工程において主となっている巻き取り方向とは反対方向に駆動されることにより前記巻き取り装置(8)のボビン(20)から巻き戻されることを特徴とする請求項14〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記巻き取り装置(8)は、紡績糸縦走装置(16)及びを有し、前記紡績糸縦走装置(16)に対して紡績糸持ち上げ装置(17)が設置されており、前記紡績糸(6)は、除去されるべき前記紡績糸(6)の前記端部の巻き戻しの間、前記紡績糸持ち上げ装置(17)により前記紡績糸縦走装置(16)の作用範囲外に移動されることを特徴とする請求項14〜20のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−67934(P2013−67934A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−208193(P2012−208193)
【出願日】平成24年9月21日(2012.9.21)
【出願人】(512013754)マスチネンファブリック ライター アーゲー (3)
【氏名又は名称原語表記】MASCHINENFABRIK RIETER AG
【住所又は居所原語表記】Klosterstr. 20, 8406 Winterthur Swizerland
【Fターム(参考)】