説明

紡績機

【課題】パッケージと制動部の接触時間を調節することによって、該パッケージの回転を確実に停止できる紡績機を提供することを目的としている。
【解決手段】紡績糸Yを巻き取ってパッケージPを作成する紡績ユニット10を複数備えた紡績機100であって、回転中の前記パッケージPと接触して該パッケージPの回転を制動できる制動部21と、前記制動部21を前記パッケージPに接触又は離間自在に駆動できる駆動部22と、前記駆動部22に制御信号を送信して、前記パッケージPと前記制動部22の接触時間を調節するように前記駆動部22を制御する制御部40と、を具備する、とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡績機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、繊維束を牽伸するとともに、牽伸された繊維束を撚ることで紡績糸を製造する紡績ユニットが知られている(例えば特許文献1参照)。紡績ユニットには、紡績糸の欠点部を検出できる欠点検出部と、紡績糸を巻き取ってパッケージを作成する巻取部と、が設けられている。
【0003】
また、従来より、紡績ユニットを複数備えた紡績機が知られている(例えば特許文献2参照)。紡績機には、一の紡績ユニットで紡績糸の連続状態が分断された場合に、該紡績ユニットまで走行して糸継作業を行なう作業台車が設けられている。作業台車には、パッケージの回転を制動できる制動部と、紡績糸を捕捉して案内する案内部と、紡績糸の糸端どうしを継ぎ合わせる糸継部と、が設けられている。
【0004】
紡績ユニットは、欠点検出部が紡績糸の欠点部を検出した場合、該紡績糸を切断してパッケージの作成を中断する。そして、作業台車は、紡績ユニットに到着すると、制動部をパッケージに接触させて該パッケージの回転を停止させる。その後、作業台車は、案内部によって紡績糸を捕捉して所定の位置まで案内し、糸継部によって欠点部を除去した後に紡績糸の糸端どうしを継ぎ合わせる。このような一連の工程を経ることで、紡績ユニットは、パッケージの作成を再開できる。
【0005】
しかし、巻き取られた紡績糸によってパッケージの外径が大きくなっている場合など、パッケージの慣性モーメントが大きいときは、所定の時間だけ制動部をパッケージに接触させても、該パッケージの回転を停止できない場合があった。また、作業台車が短時間で紡績ユニットに到着したときは、パッケージの回転速度が低下していないことから、所定の時間だけ制動部をパッケージに接触させても、該パッケージの回転を停止できない場合があった。
【0006】
なお、作業台車は、案内部がパッケージに巻き取られた紡績糸を捕捉できるように、逆転ローラを用いてパッケージを解舒方向に回転(逆転)させる。なお、解舒方向とは、パッケージの巻取方向とは逆方向であることから、本明細書では、この回転を「逆転」と称することがある。また、パッケージの巻取方向の回転を単に「回転」と称することがある。パッケージの回転を停止できなかった場合は、巻取方向(正方向)に回転し続けるパッケージに逆転ローラが接触して該パッケージを逆転させようとする。この場合、パッケージに巻かれている紡績糸の品質が悪化することがあった。更に、パッケージの回転を停止できなかった場合は、逆転ローラを用いてもパッケージを逆転させることができず、案内部がパッケージに巻き取られた紡績糸を捕捉できない場合もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−99192号公報
【特許文献2】特開2011−84854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題を解決すべくなされたものであり、パッケージと制動部の接触時間を調節することによって、該パッケージの回転を確実に停止できる紡績機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
次に、この課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
第1の発明は、紡績糸を巻き取ってパッケージを作成する紡績ユニットを複数備えた紡績機であって、制動部と、駆動部と、制御部と、を具備する。制動部は、回転中の前記パッケージと接触して該パッケージの回転を制動できる。駆動部は、前記制動部を前記パッケージに接触又は離間自在に駆動できる。制御部は、前記駆動部に制御信号を送信して、前記パッケージと前記制動部の接触時間を調節するように駆動部を制御する。
【0011】
第2の発明は、第1の発明に係る紡績機であって、前記制御部は、前記パッケージの外径に基づいて前記接触時間を調節する。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2の発明に係る紡績機であって、前記制御部は、前記パッケージに導かれる紡績糸の走行速度に基づいて前記接触時間を調節する。
【0013】
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明に係る紡績機であって、一の前記紡績ユニットで紡績糸の連続状態が分断された場合に該紡績ユニットまで走行して糸継作業を行なう作業台車を具備する。前記制御部は、紡績糸の連続状態が分断されてから前記作業台車が前記紡績ユニットに到着するまでの時間に基づいて前記接触時間を調節する。
【0014】
第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明に係る紡績機であって、前記接触時間を入力できる入力部と、入力された前記接触時間を記憶できる記憶部と、を具備する。前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記接触時間となるように前記駆動部を制御する。
【0015】
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明に係る紡績機であって、前記パッケージと接触して該パッケージを解舒方向に回転させる逆転ローラを具備する。前記逆転ローラは、前記接触時間の経過後に前記パッケージに接触して該パッケージを解舒方向に回転させる。
【0016】
第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明に係る紡績機であって、前記制御部は、前記制動部が前記パッケージに接触してから該パッケージの回転が停止するまでの制動時間と同等以上の時間を前記接触時間として前記駆動部を制御する。
【0017】
第8の発明は、第6の発明に係る紡績機であって、前記作業台車は、前記制動部と、前記駆動部と、前記逆転ローラと、分断された紡績糸を捕捉して所定の位置まで案内する案内部と、分断された紡績糸の糸端どうしを継ぎ合わせる糸継部と、を具備する。
【0018】
第9の発明は、第1から第8のいずれかの発明に係る紡績機であって、前記紡績ユニットは、空気の旋回気流によって繊維束を撚る紡績部を具備する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0020】
第1の発明によれば、パッケージと制動部の接触時間を調節できるため、該パッケージの回転を確実に停止することが可能となる。
【0021】
第2の発明によれば、パッケージの外径に基づいて接触時間を調節できるため、該パッケージの回転を確実に停止することが可能となる。
【0022】
第3の発明によれば、パッケージに導かれる紡績糸の走行速度に基づいて接触時間を調節できるため、該パッケージの回転を確実に停止することが可能となる。
【0023】
第4の発明によれば、紡績糸の連続状態が分断されてから作業台車が紡績ユニットに到着するまでの時間に基づいて接触時間を調節できるため、作業台車が糸継作業を行なう前にパッケージの回転を確実に停止することが可能となる。その結果、作業台車による糸継作業を確実に行なうことができる。
【0024】
第5の発明によれば、記憶部に記憶された接触時間となるように制御部が駆動部を制御できるため、接触時間を任意に変更して、最適な接触時間で制動部をパッケージに接触させることが可能となる。
【0025】
第6の発明によれば、接触時間の経過後に逆転ローラがパッケージに接触して該パッケージを逆転させるため、逆転ローラが回転中のパッケージに接触することを回避できる。これにより、逆転ローラがパッケージに巻かれている紡績糸の品質を悪化させることを防止することが可能となる。
【0026】
第7の発明によれば、接触時間を制動時間と同等以上の時間としているため、パッケージの回転を更に確実に停止することが可能となる。接触時間を制動時間と同等にしている場合は、パッケージの回転が停止した後も制動部がパッケージに接触し続けることを回避できるので、紡績機の運転効率を向上することができる。
【0027】
第8の発明によれば、作業台車が制動部と、駆動部と、逆転ローラと、案内部と、糸継部と、を具備するため、各紡績ユニットの構成を簡素化でき、ひいては紡績機の構成を簡素化することが可能となる。
【0028】
第9の発明によれば、紡績ユニットが空気の旋回気流によって繊維束を撚る紡績部を具備するため、各紡績ユニットにおける紡績糸の製造効率を向上でき、ひいては紡績機におけるパッケージの生産効率を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】紡績機100の全体構成を示す図。
【図2】紡績ユニット10と作業台車20の構成を示す図。
【図3】パッケージPの回転を停止させる際の動作態様を示す図。
【図4】パッケージPを逆転させる際の動作態様を示す図。
【図5】分断された紡績糸Yを捕捉する際の動作態様を示す図。
【図6】分断された紡績糸Yを案内する際の動作態様を示す図。
【図7】紡績部3の構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
まず、紡績機100の全体構成について簡単に説明する。
【0031】
図1は、紡績機100の全体構成を示す図である。図中に示す黒塗りの矢印は、作業台車20の走行方向を示している。また、図中に示す白塗りの矢印は、玉揚台車30の走行方向を示している。
【0032】
紡績機100は、主に複数台の紡績ユニット10で構成される。また、紡績機100には、作業台車20と、玉揚台車30と、制御部40と、が設けられている。
【0033】
紡績ユニット10は、繊維束Fを牽伸するとともに、牽伸された繊維束Fを撚ることで紡績糸Yを製造できる。また、紡績ユニット10は、紡績糸Yを巻き取ることでパッケージPを作成できる。なお、紡績ユニット10の詳細な構成については後述する。
【0034】
作業台車20は、各紡績ユニット10の並び方向に延設されたレールR1に沿って走行できる。作業台車20は、一の紡績ユニット10で紡績糸Yの連続状態が分断された場合に、該紡績ユニット10まで走行して糸継作業を行なう。なお、作業台車20の詳細な構成については後述する。
【0035】
玉揚台車30は、各紡績ユニット10の並び方向に延設されたレールR2に沿って走行できる。玉揚台車30は、一の紡績ユニット10でパッケージPが満巻状態となった場合に、該紡績ユニット10まで走行してパッケージPを回収できる。また、玉揚台車30は、紡績ユニット10に新たなボビンBを装着できる。なお、玉揚台車30は、満巻状態となったパッケージPを回収する作業だけを行なうように構成されていても良い。また、パッケージPの回収と新たなボビンBの装着とを作業者が手動で行なう場合は、玉揚台車30を省略しても良い。
【0036】
制御部40は、各紡績ユニット10や作業台車20等を制御できる。制御部40は、例えば、一の紡績ユニット10で紡績糸Yの連続状態が分断された場合に、該紡績ユニット10を制御してパッケージPの作成を中断させる。そして、制御部40は、作業台車20を制御して糸継作業を行なわせた後に、紡績ユニット10を制御してパッケージPの作成を再開させる。
【0037】
次に、紡績ユニット10と作業台車20の構成について詳細に説明する。
【0038】
図2は、紡績ユニット10と作業台車20の構成を示す図である。図中に示す黒塗りの矢印は、繊維束Fならびに紡績糸Yの送り方向を示している。また、図中に示す白塗りの矢印は、パッケージPの回転方向を示している。
【0039】
まず、紡績ユニット10について説明する。紡績ユニット10は、繊維束Fならびに紡績糸Yの送り方向に沿って、主にスライバ供給部1と、ドラフトユニット部2と、紡績部3と、欠点検出部4と、張力安定部5と、巻取部6と、を備えている。
【0040】
スライバ供給部1は、繊維束Fをドラフトユニット部2へ供給する。スライバ供給部1は、スライバケース11と、スライバガイド(図示せず)と、を備えている。スライバケース11に貯溜された繊維束Fは、スライバガイドによって案内されてドラフトユニット部2へ導かれる。
【0041】
ドラフトユニット部2は、繊維束Fを牽伸して該繊維束Fの太さを均一化する。ドラフトユニット部2は、繊維束Fの送り方向に沿って、バックローラ対2aと、サードローラ対2bと、ミドルローラ対2cと、フロントローラ対2dと、の四組のドラフトローラ対2a・2b・2c・2dを備えている。ドラフトローラ対2a・2b・2c・2dは、動力機構を介して回転されるボトムローラと、該ボトムローラに接触した状態で従動回転するトップローラと、で構成される。また、ミドルローラ対2cを構成するボトムローラとトップローラには、エプロンバンドが巻回されている。ドラフトローラ対2a・2b・2c・2dは、ボトムローラとトップローラが繊維束Fを把持した状態で回転するため、該繊維束Fを送り出すことができる。このため、ドラフトユニット部2は、互いに隣接するドラフトローラ対2a・2b・2c・2dの送り出し速度の差異によって繊維束Fを牽伸できる。
【0042】
紡績部3は、牽伸された繊維束Fを撚ることで紡績糸Yを製造する。紡績部3は、ドラフトユニット部2の下流側に配置されている。このため、紡績部3は、適度に牽伸された繊維束Fから紡績糸Yを製造することができる。なお、紡績部3の構造については後述する。
【0043】
欠点検出部4は、製造された紡績糸Yの欠点部を検出する。具体的に説明すると、欠点検出部4は、発光ダイオード(図示せず)を光源として紡績糸Yを照射し、該紡績糸Yからの反射光量を検出する。欠点検出部4は、アナライザ(図示せず)を介して制御部40に接続されている。このため、制御部40は、欠点検出部4からの検出信号に基づいて欠点部の有無を判断できる。なお、欠点検出部4の近傍には、紡績糸Yを切断できるカッタ41が付設されている。紡績糸Yの欠点部とは、紡績糸Yの一部が太過ぎる(太糸)若しくは細過ぎる(細糸)異常の他、紡績糸Yに異物が介在している場合が含まれる。欠点検出部4は、本実施形態に係る光学式センサ以外にも、静電容量式のセンサ等を採用することが可能である。
【0044】
張力安定部5は、紡績糸Yに掛かる張力を適度に保ち安定させる。張力安定部5は、解舒部材51と、ローラ52と、を備えている。解舒部材51は、紡績糸Yに掛かる張力が低い場合にローラ52とともに回転し、該ローラ52に紡績糸Yを巻き付ける。また、解舒部材51は、紡績糸Yに掛かる張力が高い場合にローラ52から独立して回転し、該ローラ52に巻き付けられた紡績糸Yを解舒する。このため、張力安定部5は、紡績糸Yに掛かる張力を適度に保ち安定させることができる。なお、ローラ52は、図示しないモータによって回転駆動される。
【0045】
巻取部6は、紡績糸Yを巻き取ってパッケージPを作成する。巻取部6は、駆動ローラ61と、クレードル62と、を備えている。駆動ローラ61は、クレードル62によって回転自在に把持されたボビンBを回転させる。巻取部6は、図示しない綾振装置によって紡績糸Yを綾振する。これにより、巻取部6は、紡績糸Yを綾振りしながら巻き取ってパッケージPを作成することができる。
【0046】
次に、作業台車20について説明する。作業台車20は、主に制動部21と、駆動部22と、逆転ローラ23と、案内部24と、糸継部25と、を備えている。
【0047】
制動部21は、回転中のパッケージPと接触して該パッケージPの回転を制動できる。本実施形態において、制動部21は、パッケージPの外周面に接触するプレート21aと、該プレート21aを支持するアーム21bと、で構成される。但し、制動部21は、パッケージPに接触して該パッケージPの回転を制動できれば良く、形状や構成等について限定するものではない。
【0048】
駆動部22は、制動部21をパッケージPに接触又は離間自在に駆動できる。詳細に説明すると、駆動部22は、制動部21のプレート21aをパッケージPの外周面に接触又は離間自在に駆動できる(図3及び図4参照)。駆動部22は、電動モータ等により構成される。なお、駆動部22は、制御部40からの制御信号に基づいて制動部21を駆動する。
【0049】
逆転ローラ23は、パッケージPと接触して該パッケージPを巻取方向とは反対方向である解舒方向に回転(逆転)させる。詳細に説明すると、逆転ローラ23は、制動部21のプレート21aがパッケージPの外周面から離間した後に、パッケージPと接触して該パッケージPを逆転させる(図4、図5及び図6参照)。本実施形態において、逆転ローラ23は、図示しない駆動部の電動モータ(サーボモータ等)によって駆動される。また、逆転ローラ23は、図示しない空気アクチュエータがアーム23bを回動することによって、パッケージPの外周面に接触又は離間自在とされる。なお、逆転ローラ23は、制御部40からの制御信号に基づいて駆動される。
【0050】
案内部24は、連続状態が分断された紡績糸Yを捕捉して所定の位置まで案内できる。案内部24は、パッケージP側の紡績糸Yを捕捉して所定の位置まで案内できる第一案内部24aと、紡績部3から紡出される紡績糸Yを捕捉して所定の位置まで案内できる第二案内部24bと、で構成される。なお、第一案内部24aと第二案内部24bの動作態様については後述する。
【0051】
糸継部25は、連続状態が分断された紡績糸Yの糸端どうしを継ぎ合わせる。詳細に説明すると、糸継部25は、第一案内部24aによって案内された紡績糸Yの糸端と第二案内部24bによって案内された紡績糸Yの糸端を継ぎ合わせる(図6参照)。ここで、「連続状態が分断された紡績糸Y」とは、カッタ41によって切断された紡績糸Yや異常な張力が掛かって切れた紡績糸Yを含む概念である。なお、糸継部25は、旋回気流によって紡績糸Yの糸端どうしを継ぎ合わせるエアスプライサ装置の他、機械式スプライサ装置等を採用することが可能である。
【0052】
このように、作業台車20が制動部21、駆動部22、逆転ローラ23、案内部24、及び糸継部25を具備するため、各紡績ユニット10の構成を簡素化でき、ひいては紡績機100の構成を簡素化することが可能となる。
【0053】
次に、パッケージPの回転を停止させる際の動作態様について詳細に説明する。
【0054】
図3は、パッケージPの回転を停止させる際の動作態様を示す図である。図中に示す黒塗りの矢印は、紡績ユニット10及び作業台車20を構成する各部材の動作方向を示している。また、図中に示す白塗りの矢印は、パッケージPの回転方向を示している。
【0055】
紡績ユニット10は、欠点検出部4が紡績糸Yの欠点部を検出した場合、カッタ41を用いて紡績糸Yを切断する。これにより、分断された紡績糸Yの一端(カッタ41よりも下流側の紡績糸Y)は、パッケージPに巻き取られる。また、分断された紡績糸Yの他端(カッタ41よりも上流側の紡績糸Y)は、カッタ41の近傍に設けられた吸引口に吸い込まれて保持される。
【0056】
次に、紡績ユニット10は、クレードル62を回動させてパッケージPと駆動ローラ61を離間させる(図3中黒塗りの矢印参照)。これにより、パッケージPは、慣性力によって巻取方向に回転し続けることとなる(図3中白塗りの矢印参照)。なお、作業台車20は、カッタ41が紡績糸Yを切断した直後に当該紡績ユニット10まで走行する。
【0057】
次に、作業台車20は、パッケージPの回転を停止させる。具体的に説明すると、作業台車20の駆動部22は、アーム21bを待機位置から作動位置へ回動させて、パッケージPの外周面にプレート21aを接触させる(図3中黒塗りの矢印参照)。このようにして、作業台車20は、パッケージPとプレート21aの摩擦によって、該パッケージPの回転を停止させる。
【0058】
なお、作業台車20は、第一案内部24aがパッケージPに巻き取られた紡績糸Yを捕捉できるように、該パッケージPを逆転させる必要がある。従って、作業台車20の駆動部22は、アーム21bを作動位置から待機位置へ回動させて、パッケージPの外周面からプレート21aを離間させる(図4中黒塗りの矢印参照)。つまり、紡績機100は、制御部40が駆動部22を制御することによって、パッケージPとプレート21aの接触時間を調節できる。
【0059】
このような構成により、本紡績機100は、パッケージPとプレート21a(制動部21)の接触時間を調節できるため、該パッケージPの回転を確実に停止することが可能となる。接触時間の調整方法の詳細については後述する。
【0060】
本紡績機100は、パッケージPの外径に基づいて、パッケージPとプレート21aの接触時間を調節することができる。これにより、パッケージPの外径が大きい、即ち、パッケージPの慣性モーメントが大きい場合であっても、制動部21は、確実にパッケージPの回転を停止させることができる。
【0061】
本紡績機100を構成する各紡績ユニット10は、クレードル62の傾倒角度α(図2参照)を検出できる角度センサ(図示せず)を備えている。クレードル62の傾倒角度αは、パッケージPの外径と相関関係を有する。そのため、角度センサは、クレードル62の傾倒角度αを検出することによって、間接的にパッケージPの外径を検出できる。なお、角度センサは、いわゆるアブソリュート型センサ等の他、インクリメンタル型センサ等であっても良い。
【0062】
具体的に説明すると、パッケージPの外径が大きい場合は、パッケージPの慣性モーメントが大きいため、制御部40は、パッケージPとプレート21aの接触時間が長くなるように駆動部22を制御する。パッケージPの外径が小さい場合は、パッケージPの慣性モーメントが小さいため、制御部40は、パッケージPとプレート21aの接触時間が短くなるように駆動部22を制御する。このような構成により、本実施形態に係る紡績機100は、パッケージPの外径に基づいてパッケージPとプレート21aの接触時間を調節できるため、該パッケージPの回転を確実に停止することが可能となる。
【0063】
また、パッケージPの外径が小さい場合は接触時間を短くできるため、パッケージPの回転が停止した後にも継続してプレート21aをパッケージPに接触させておく必要はない。これにより、紡績機100は、パッケージPの回転を停止させた後、すぐにパッケージPを逆転させて糸継作業等を行なえるため、紡績機100の運転効率を向上させることができる。更に、作業台車20は、ある紡績ユニット10での巻取作業を短時間で再開させることができるため、すぐに他の紡績ユニット10へ走行して、糸継作業のためのパッケージPの回転停止動作を行なうことができる。これにより、紡績機100全体の運転効率が向上する。
【0064】
パッケージPの外径に基づいて接触時間を制御する場合、制御部40は、プレート21aをパッケージPに接触させるときのパッケージPの外径に基づき、接触時間を毎回調整するようにしても良い。また、制御部40に、パッケージPの外径の所定の範囲毎に異なる接触時間を予め設定しておき、制御部40は、設定されている接触時間となるように駆動部22を制御するようにしても良い。
【0065】
更に、別実施形態として、紡績機100は、パッケージPに導かれる紡績糸Yの走行速度に基づいて、パッケージPとプレート21aの接触時間を調節できるとしても良い。紡績ユニット10では、紡績速度(紡績部3が紡績糸Yを製造する速度)は予め設定されているので、パッケージPに導かれる紡績糸Yの走行速度を認識することができる。但し、各紡績ユニット10に、紡績糸Yの走行速度を検出できる速度センサを設けても良い。紡績機100は、紡績糸Yの走行速度と、パッケージPの巻き始めからの経過時間と、パッケージPの巻取条件(ボビンBの径、ボビンBの回転速度、綾振り装置の綾振り速度等)に基づき、パッケージPの外径を認識して、パッケージPとプレート21aの接触時間を制御するように構成されていても良い。紡績糸Yの走行速度が遅い場合、パッケージPの外径が大きくなる速度も遅い。また、紡績糸Yの走行速度が速い場合、パッケージPの外径が大きくなる速度も速い。
【0066】
このような構成により、別実施形態に係る紡績機100は、パッケージPに導かれる紡績糸Yの走行速度に基づいてパッケージPとプレート21aの接触時間を調節できるため、該パッケージPの回転を確実に停止することが可能となる。
【0067】
更に、別実施形態として、紡績機100は、ある紡績ユニット10で紡績糸Yの連続状態が分断されてから作業台車20が当該紡績ユニット10に到着するまでの時間に基づいて、パッケージPとプレート21aの接触時間を調節できるとしても良い。具体的に説明すると、紡績糸Yの連続状態の分断後、短時間で作業台車20が紡績ユニット10に到着した場合は、パッケージPの回転速度が低下していない場合がある。このような場合は、パッケージPとプレート21aの接触時間が長くなるように制御部40が駆動部22を制御する。一方、紡績糸Yの連続状態の分断後、作業台車20が紡績ユニット10に到着するのに所定の時間以上掛かった場合は、パッケージPが駆動ローラ61から離間されてからの時間経過により、パッケージPの回転速度が低下している場合やパッケージPの回転が停止している場合がある。このような場合は、パッケージPとプレート21aの接触時間が短くなるように制御部40が駆動部22を制御する。
【0068】
このような場合、制御部40は、作業台車20が走行を開始してから目標の紡績ユニット10に到着するまでの時間を計測する必要がある。例えば、制御部40は、カッタ41が紡績糸Yを切断してから作業台車20が目標の紡績ユニット10に到着するまでの時間を計測するようにしても良い。
【0069】
このような構成により、当該別実施形態に係る紡績機100は、紡績糸Yの連続状態の分断後、作業台車20が紡績ユニット10に到着するまでの時間に基づいてパッケージPとプレート21aの接触時間を調節できるため、該パッケージPの回転を確実に停止することが可能となる。また、作業台車20が紡績ユニット10に到着したときに既にパッケージPの回転速度が低下しているような場合には、パッケージPとプレート21aとの接触時間を短くすることができるため、パッケージPの回転を停止した後にも継続してプレート21aをパッケージPに接触させておく必要はない。これにより、紡績機100は、パッケージPの回転を停止させた後、すぐにパッケージPを逆転させて糸継作業等を行なえるため、紡績機100の運転効率を向上させることができる。更に、作業台車20は、ある紡績ユニット10での巻取作業を短時間で再開させることができるため、すぐに他の紡績ユニット10へ走行して、糸継作業のためのパッケージPの回転停止動作を行なうことができる。これにより、紡績機100全体の運転効率が向上する。
【0070】
なお、パッケージPとプレート21aの接触時間は、プレート21aがパッケージPに接触してから該パッケージPの回転が停止するまでの制動時間と同等若しくは制動時間よりも長い時間とされる。
【0071】
このように、本実施形態に係る紡績機100は、接触時間を制動時間と同等若しくは制動時間よりも長い時間としているため、パッケージPの回転を更に確実に停止することが可能となる。
【0072】
また、本紡績機100は、オペレータが接触時間を入力できる入力部40Aと、入力された接触時間を記憶できる記憶部40Bと、を備えている(図1参照)。
【0073】
従って、本実施形態に係る紡績機100は、制御部40が記憶部40Bに記憶された接触時間となるように駆動部22を制御できるため、接触時間を任意に変更して最適化を図ることが可能となる。
【0074】
次に、分断された紡績糸Yを捕捉して所定の位置まで案内する際の動作態様について詳細に説明する。
【0075】
図4は、パッケージPを逆転させる際の動作態様を示す図である。図5は、分断された紡績糸Yを捕捉する際の動作態様を示す図である。図6は、分断された紡績糸Yを案内する際の動作態様を示す図である。図中に示す黒塗りの矢印は、紡績ユニット10及び作業台車20を構成する各部材の動作方向を示している。また、図中に示す白塗りの矢印は、パッケージPの回転方向を示している。
【0076】
作業台車20は、第一案内部24aがパッケージPに巻き取られた紡績糸Yを捕捉できるように、パッケージPを逆転させる必要がある。このため、作業台車20は、上記のようにプレート21aによりパッケージPの回転を停止させた後に、逆転ローラ23を用いてパッケージPを逆転させる。具体的に説明すると、作業台車20に設けられた空気アクチュエータ(図示せず)は、アーム23bを回動させてパッケージPの外周面に逆転ローラ23を接触させる(図4中黒塗りの矢印参照)。そして、作業台車20に設けられた駆動部(図示せず)によって逆転ローラ23を駆動させて、パッケージPを逆転させる(図4中白塗りの矢印参照)。
【0077】
このような構成により、本実施形態に係る紡績機100は、逆転ローラ23が接触時間の経過後にパッケージPに接触して該パッケージPを逆転させるため、パッケージPに巻かれている紡績糸Yの品質を悪化させることなく、紡績糸YをパッケージPから解舒することができる。
【0078】
次に、作業台車20は、分断された紡績糸Yを捕捉して所定の位置まで案内する。具体的に説明すると、第一案内部24aは、待機位置から下方へ回動して、パッケージPに巻き取られた紡績糸Yを捕捉する(図5中黒塗りの矢印参照)。そして、第一案内部24aは、紡績糸Yを吸入保持した状態で上方へ回動し、紡績糸Yを所定の位置まで案内する(図6中黒塗りの矢印参照)。また、第二案内部24bは、待機位置から上方へ回動して、紡績部3から紡出される紡績糸Yを捕捉する(図5中黒塗りの矢印参照)。そして、第二案内部24bは、紡績糸Yを吸入保持した状態で下方へ回動し、紡績糸Yを所定の位置まで案内する(図6中黒塗りの矢印参照)。
【0079】
その後、糸継部25は、第一案内部24aによって所定の位置まで案内された紡績糸Yの糸端と第二案内部24bによって所定の位置まで案内された紡績糸Yの糸端を継ぎ合わせる。このようにして、紡績機100は、パッケージPの作成を再開することが可能としている。なお、詳細な説明は省略するが、張力安定部5のローラ52には、張力安定部5と第二案内部24bとの動作により、紡績糸Yが再び巻き回される。
【0080】
次に、本実施形態に係る紡績機100の他の特徴点について説明する。
【0081】
本紡績機100において、紡績ユニット10を構成する紡績部3は、旋回気流によって繊維束Fを撚る、いわゆる空気紡績装置である。
【0082】
図7は、紡績部3の構造を示す図である。図中に示す黒塗りの矢印は、繊維束Fならびに紡績糸Yの送り方向を示している。図中に示す白塗りの矢印は、供給された空気の流れ方向を示している。
【0083】
紡績部3は、ノズルブロック33に形成されたノズル孔から紡績室SC内に空気を噴射することにより紡績室SC内に旋回気流を形成し、該旋回気流によって繊維束Fを撚る。紡績室SCは、ファイバーガイド31とスピンドル32の間に構成される空間SC1と、スピンドル32とノズルブロック33の間に構成される空間SC2と、に分けられる。
【0084】
空間SC1において、繊維束Fを構成する繊維は、後端部が旋回気流によって反転される(図7中二点鎖線参照)。空間SC2において、反転した繊維の後端部は、旋回気流によって回転される(図7中二点鎖線参照)。そして、旋回気流によって回転された繊維は、次々と中心部の繊維に巻き付いていく。このようにして、紡績部3は、繊維束Fを撚ることができる。
【0085】
なお、本紡績部3は、ファイバーガイド31にニードル31nを備えている。ニードル31nは、繊維束Fを繊維通路32hに導くとともに、繊維束Fの撚りが上流側に伝わることを防ぐ。しかし、紡績部3は、ファイバーガイド31がニードル31nを備えていない構成であっても良い。また、紡績部3は、一方向の旋回気流を発生させるノズル孔により繊維束Fに撚りを掛ける構成に限らず、様々な紡績方法を作用することができる。例えば、紡績部3は、互いに向きが反対方向の旋回気流を発生させる一対のノズルを備え、繊維束Fに対して互いに反対方向の撚りを同時に掛ける構成とすることができる。
【0086】
このように、紡績ユニット10が空気の旋回気流によって繊維束Fを撚る紡績部3を具備するため、各紡績ユニット10における紡績糸Yの製造効率を向上でき、ひいては紡績機100におけるパッケージPの生産効率を向上することが可能となる。
【0087】
以上、本発明の一実施形態に係る紡績機100について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、上記の構成は、例えば、以下の構成に変更することができる。
【0088】
上記実施形態では、パッケージPとプレート21aとを接触させるタイミングは、糸継作業前であるが、例えば、パッケージPが満巻状態となった場合に、プレート21aをパッケージPに接触させるようにしても良い。この場合、作業台車20のプレート21aにより、パッケージPの回転を停止させても良く、また、制動部21と駆動部22と逆転ローラ23を玉揚台車30に設けて、玉揚台車30に設けられたプレート21aにより、パッケージPの回転を停止させても良い。紡績ユニット10は、異なる満巻き径のパッケージPを巻き取ることができるため、予め設定されているパッケージPの満巻き径に基づき、パッケージPとプレート21aの接触時間を制御するようにしても良い。なお、パッケージPが満巻状態となった場合は、パッケージPを解舒方向に回転させる必要がないことから、逆転ローラ23をパッケージPに接触させることは行なわれない。
【0089】
上記実施形態では、逆転ローラ23によりパッケージPを解舒方向に回転させているが、別の手段によりパッケージPを逆転させる場合は、逆転ローラ23を省略することは可能である。
【0090】
上記実施形態では、制動部21と駆動部22と逆転ローラ23は、作業台車20に設けられているが、各紡績ユニット10に設けても良い。また、ドラフトユニット部2の駆動部と巻取部6の駆動部を各紡績ユニット10で独立して設けて、各紡績ユニット10で独立した巻取作業を行なうようにしても良い。
【0091】
上記実施形態では、制御部40により複数の紡績ユニット10、作業台車20及び玉揚台車30を制御しているが、各紡績ユニット10を個別に制御するユニット制御部を各紡績ユニット10に設けても良い。この場合、制御部40は、複数の紡績ユニット10を統括することになる。
【0092】
上記実施形態では、カッタ41により紡績糸Yを切断しているが、紡績部3への空気の供給を停止することにより、紡績部3による紡績糸Yの製造を中断することにより、紡績糸Yを切断するようにしても良い。
【0093】
パッケージPの外径を検出する方法も、上記複数の実施形態以外にも、例えば、欠点検出部4によりパッケージPに巻き取られた紡績糸Yの長さを計測することにより、紡績糸Yの太さ(番手)とパッケージPの巻取条件(綾振り装置の綾振り速度、ボビンBの径等)に基づき、パッケージPの外径を推測するようにしても良い。
【符号の説明】
【0094】
1 スライバ供給部
2 ドラフトユニット部
3 紡績部
4 欠点検出部
5 張力安定部
6 巻取部
10 紡績ユニット
20 作業台車
21 制動部
22 駆動部
23 逆転ローラ
24 案内部
24a 第一案内部
24b 第二案内部
25 糸継部
30 玉揚台車
40 制御部
40A 入力部
40B 記憶部
100 紡績機
F 繊維束
P パッケージ
Y 紡績糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紡績糸を巻き取ってパッケージを作成する紡績ユニットを複数備えた紡績機であって、
回転中の前記パッケージと接触して該パッケージの回転を制動できる制動部と、
前記制動部を前記パッケージに接触又は離間自在に駆動できる駆動部と、
前記駆動部に制御信号を送信して、前記パッケージと前記制動部の接触時間を調節するように前記駆動部を制御する制御部と、を具備する、ことを特徴とする紡績機。
【請求項2】
前記制御部は、前記パッケージの外径に基づいて前記接触時間を調節する、ことを特徴とする請求項1に記載の紡績機。
【請求項3】
前記制御部は、前記パッケージに導かれる紡績糸の走行速度に基づいて前記接触時間を調節する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紡績機。
【請求項4】
一の前記紡績ユニットで紡績糸の連続状態が分断された場合に該紡績ユニットまで走行して糸継作業を行なう作業台車を具備し、
前記制御部は、紡績糸の連続状態が分断されてから前記作業台車が前記紡績ユニットに到着するまでの時間に基づいて前記接触時間を調節する、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の紡績機。
【請求項5】
前記接触時間を入力できる入力部と、
入力された前記接触時間を記憶できる記憶部と、を具備し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記接触時間となるように前記駆動部を制御する、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の紡績機。
【請求項6】
前記パッケージと接触して該パッケージを解舒方向に回転させる逆転ローラを具備し、
前記逆転ローラは、前記接触時間の経過後に前記パッケージに接触して該パッケージを解舒方向に回転させる、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の紡績機。
【請求項7】
前記制御部は、前記制動部が前記パッケージに接触してから該パッケージの回転が停止するまでの制動時間と同等以上の時間を前記接触時間として、前記駆動部を制御する、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の紡績機。
【請求項8】
前記作業台車は、前記制動部と、前記駆動部と、前記逆転ローラと、分断された紡績糸を捕捉して所定の位置まで案内する案内部と、分断された紡績糸の糸端どうしを継ぎ合わせる糸継部と、を具備する、ことを特徴とする請求項6に記載の紡績機。
【請求項9】
前記紡績ユニットは、空気の旋回気流によって繊維束を撚る紡績部を具備する、ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の紡績機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−67483(P2013−67483A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206627(P2011−206627)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】