説明

紡績用前処理機もしくはシステムを通過する繊維材料の質量を測定する装置

【課題】 繊維材料の質量の測定法を改善する。
【解決手段】 紡績用前処理機もしくはシステムを通過し又は不織布製造デバイスを通過する繊維材料の質量を測定する装置において、少なくとも一個のマイクロ波共振器と、該共振器に対して整合すべく協働する測定用電子ユニットとが配備される。特にベールオープナとカード機との間の精選システムにおいて繊維材料の質量の測定法を改善し、且つ、その測定値を閉ループおよび/または開ループの制御に対して使用し得るという装置を提供するために、上記繊維材料は繊維フロックの形態で存在し、且つ、上記繊維フロックは少なくとも一個のマイクロ波共振器を有する測定デバイスを有する測定経路を通過する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡績用前処理機もしくはシステムを通過し又は不織布製造デバイスを通過する繊維材料の質量を測定する装置であって、少なくとも一個のマイクロ波共振器と、該共振器に対して整合すべく協働する測定用電子ユニットとが配備された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の装置(WO 00/12974)においてはカード機(carding machine)が提供され、未処理の原料繊維材料は低速で該カード機に進入すると共に、カーディングされて繊維スライバ(fibre sliver)もしくは繊維ウェブ(fibre web)の形態とされた繊維材料は高速にて上記カード機を離脱する。カーディング済み繊維材料は、上記カード機の出口に配置されたマイクロ波共振器であって上記繊維材料の質量(密度)を測定するマイクロ波共振器を通過する。その測定値は、中間生成物を形成するカーディング済み繊維材料を精細に調整するに適している。更に、上記カード機に対する入口にては未処理の原料繊維材料の吸湿量に対する測定デバイスが選択的に配備され;これは概略的な調整を許容することが意図される。相当の不都合は、概略的調整によると上記カード機の上流における精選システム(cleaning system)においては繊維材料の厳密で均一な流れが達成され得ないことである。たとえば上記公知装置を用いると、厳密な割合で異なる繊維成分を有する繊維混合体(fibre blend)は製造され得ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
故に本発明の基礎となる課題は、冒頭に記述された種類の装置であって、言及された上記不都合を回避し、特に、ベールオープナ(bale opener)とカード機との間の精選システムにおいて繊維材料の質量の測定法を改善し、且つ、その測定値を閉ループおよび/または開ループの制御に対して使用し得るという装置を提供するに在る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述した目的を達成するために1番目の発明によれば、紡績用前処理機もしくはシステムを通過し又は不織布製造デバイスを通過する繊維材料の質量を測定する装置であって、少なくとも一個のマイクロ波共振器と、該共振器に対して整合すべく協働する測定用電子ユニットとが配備された装置において、上記繊維材料(F;16;19;21、25’、25”)は繊維フロックの形態で存在し、且つ上記繊維フロックは少なくとも一個のマイクロ波共振器を有する測定デバイス(12;12a、12b;12〜12)を有する測定経路を通過することを特徴とする、装置が提供される。
【0005】
本発明に係る解決策に依れば、精選機もしくは精選システムにおいて厳密で均一な繊維材料の流れが達成され得る。特に吸湿量を補正した繊維フロックの量の測定値は、開ループおよび/または閉ループ制御に対して使用される。特に、精選システムにおいて処理される比較的に大量の繊維材料が正確に測定され得る。本発明に依れば更に、繊維材料は厳密な量で供与され得る。特定の利点は、本発明に係る上記装置に依れば異なる繊維成分の繊維質量が簡素な手段により非接触様式で確定され得る結果、たとえば60%の綿および40%のポリエステルなどの厳密な割合の繊維混合体が製造され得ることである。
【0006】
2番目の発明によれば、1番目の発明において、前記繊維フロックの吸湿量が測定され得ることを特徴とする。
3番目の発明によれば、1番目または2番目の発明において、前記繊維フロックの質量を測定するときに吸湿量を補正することが可能であることを特徴とする。
4番目の発明によれば、1番目から3番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックの質量の測定値は、少なくとも一台の紡績用前処理機の開ループ制御に対して使用されることを特徴とする。
5番目の発明によれば、1番目から4番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックの質量の測定値は、少なくとも一台の紡績用前処理機の閉ループ制御に対して使用されることを特徴とする。
6番目の発明によれば、1番目から5番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックの質量の測定値は、紡績用前処理機に対して供給を行う過程で計量的に供与を行うべく使用されることを特徴とする。
7番目の発明によれば、1番目から6番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックの質量の測定値は、たとえばコンベア・ベルト、シュートなどの搬送デバイスに対して供給を行うために使用されることを特徴とする。
8番目の発明によれば、1番目から7番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックの質量の測定値は、たとえば空気式繊維フロック移送デバイス、パイプライン、シャフトなどの移送デバイスに対して供給を行うために使用されることを特徴とする。
9番目の発明によれば、1番目から8番目のいずれかの発明において、前記測定デバイスはホッパフィーダの出口に配置されることを特徴とする。
10番目の発明によれば、1番目から9番目のいずれかの発明において、前記ホッパフィーダは、たとえば上昇用ニードル付きラチスなどの被動コンベア・ベルトを有することを特徴とする。
11番目の発明によれば、1番目から10番目のいずれかの発明において、前記ホッパフィーダの前記コンベア・ベルトに対してはたとえば平滑化シリンダなどの被動ストリッピング・デバイスが組合されることを特徴とする。
12番目の発明によれば、1番目から11番目のいずれかの発明において、前記測定デバイスは、たとえばコンベア・ベルト、シュートなどの搬送デバイスと組合されることを特徴とする。
13番目の発明によれば、1番目から12番目のいずれかの発明において、前記測定デバイスはコンデンサの出口に配置されることを特徴とする。
14番目の発明によれば、1番目から13番目のいずれかの発明において、前記測定デバイスは繊維フロック装入シャフトと組合されることを特徴とする。
15番目の発明によれば、1番目から14番目のいずれかの発明において、前記測定デバイスは、前記コンデンサおよび/または繊維フロック装入シャフトの少なくとも一個の低速取出しローラの下流に配置されることを特徴とする。
16番目の発明によれば、1番目から15番目のいずれかの発明において、前記測定デバイスは高速オープナ・ローラの下流に配置されることを特徴とする。
17番目の発明によれば、1番目から16番目のいずれかの発明において、前記オープナ・ローラは前記少なくとも一個の取出しローラの下流に配置されることを特徴とする。
18番目の発明によれば、1番目から17番目のいずれかの発明において、前記ホッパフィーダの下流には被動コンベア・ベルトが配置されることを特徴とする。
19番目の発明によれば、1番目から18番目のいずれかの発明において、前記繊維フロック装入シャフトの下流には被動コンベア・ベルトが配置されることを特徴とする。
20番目の発明によれば、1番目から19番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックは飛翔して前記マイクロ波共振器を通過することを特徴とする。
21番目の発明によれば、1番目から20番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックは前記マイクロ波共振器を通り落下することを特徴とする。
22番目の発明によれば、1番目から21番目のいずれかの発明において、繊維混合体の形成のために、異なる等級の繊維フロックを夫々事前特定可能な量で供与する手段が配備されることを特徴とする。
23番目の発明によれば、1番目から22番目のいずれかの発明において、混合体の各繊維フロック成分は、混合機の夫々の装入シャフト内へと導入され、且つ、夫々の場合において装入シャフトの下端部にて少なくとも一個の取出しローラによりコンベア・ベルト(混合用ベルト)上へと載置されることを特徴とする。
24番目の発明によれば、1番目から23番目のいずれかの発明において、前記コンベア・ベルト(混合用ベルト)は可変様式で駆動されるべく配置されることを特徴とする。
25番目の発明によれば、1番目から24番目のいずれかの発明において、前記繊維質量は連続的に測定されるべく設定されることを特徴とする。
26番目の発明によれば、1番目から25番目のいずれかの発明において、繊維の供給は連続的に行われることを特徴とする。
27番目の発明によれば、1番目から26番目のいずれかの発明において、混合のために閉ループ式の体積流量制御が行われることを特徴とする。
28番目の発明によれば、1番目から27番目のいずれかの発明において、前記ホッパフィーダの傾斜ラチスの速度は調節可能であることを特徴とする。
29番目の発明によれば、1番目から28番目のいずれかの発明において、前記ホッパフィーダのストリッパ・ローラの速度は調節可能であることを特徴とする。
30番目の発明によれば、1番目から29番目のいずれかの発明において、少なくとも一台のホッパフィーダの下流に配置された前記コンベア・ベルトの速度は調節可能であることを特徴とする。
31番目の発明によれば、1番目から30番目のいずれかの発明において、前記繊維フロック装入シャフトの少なくとも一個の取出しローラの速度は調節可能であることを特徴とする。
32番目の発明によれば、1番目から31番目のいずれかの発明において、前記少なくとも一本の繊維フロック装入シャフトの下流に配置された前記コンベア・ベルトの速度は調節可能であることを特徴とする。
33番目の発明によれば、1番目から32番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックの質量の測定値は、少なくとも2台の精選機、好適には複数台の精選機を有する精選システムの開ループ制御および/または閉ループ制御に対して使用されることを特徴とする。
34番目の発明によれば、1番目から33番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックの質量の測定値は、少なくとも一台のカード機、好適には複数台のカード機を有するカード・システムの開ループ制御および/または閉ループ制御に対して使用されることを特徴とする。
35番目の発明によれば、1番目から34番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックの質量の測定値は、繊維材料を搬送するパイプラインなどの通過流速度を決定するために使用されることを特徴とする。
36番目の発明によれば、1番目から35番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックの搬送は空気的に行われることを特徴とする。
37番目の発明によれば、1番目から36番目のいずれかの発明において、当該装置は繊維廃棄物に対するパイプラインなどの通過流速度を決定するために使用されることを特徴とする。
38番目の発明によれば、1番目から37番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックの質量の測定値は、繊維フロック装入シャフト内における生成量を決定するために使用されることを特徴とする。
39番目の発明によれば、1番目から38番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックの質量の測定値は、たとえば多重混合器などの繊維フロック混合器内における生成量を決定するために使用されることを特徴とする。
40番目の発明によれば、1番目から39番目のいずれかの発明において、前記繊維フロックの質量の測定値は、たとえば上側貯留シャフトと下側供給シャフトとを有する繊維フロック供給器内における生成量を決定するために使用されることを特徴とする。
41番目の発明によれば、1番目から40番目のいずれかの発明において、前記各繊維材料成分の混合は空気流内で行われることを特徴とする。
【0007】
”繊維質量の測定”、”繊維フロック質量”などの語句は、特に繊維フロックの密度、繊維フロックの重量などの等価的なパラメータの測定、ならびに、これらのパラメータにおける変形例も包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下において本発明は、図面中に示された実施例に関して相当に詳細に記述される。
【0009】
図1(a)に依れば、たとえばTRUETZSCHLER BO−U汎用ベールオープナなどの繊維材料用の供給デバイスの動作に対する装置は、方向A、Bに無限に回転するコンベア・ベルトの形態で上方に傾斜された供給テーブル1を有する。該供給テーブルは、戻りローラ2a、2bの回りを無限に回転するニードル付きラチス(needled lattice)2cから成るニードル・テーブル2に対して(矢印31により記号的に示された)繊維材料15を供給する。戻りローラ2a、2bは夫々、矢印2’および2”の方向に回転する。ニードル5の助勢により、繊維材料32は方向Cに搬送されると共に、上側の戻りローラ2aの回りを通過する。上側の戻りローラ2aの下流にて該ローラに関して略々水平にストリッピング・ローラ6が配置され、その回転方向6aは戻りローラ2aの回転方向2’と逆である。ストリッピング・ローラ6はニードル6bを備えると共にニードル付きラチス2から繊維材料を剥離し、且つ、それを案内部材9に沿い部分的に漏斗形状の供給要素10に向けて搬送するが、該供給要素の下方には無限に回転するコンベア・ベルト11が配置される。供給要素10の出口と送給コンベア・ベルト11の上側ベルト領域11aとの間には、マイクロ波共振器(マイクロ波測定装置)を有する測定デバイス12が配置される。測定デバイス12に対しては繊維フロック(fibre flock)33が飛翔して通過し、それと同時に、通過しつつある繊維材料33の質量が確定される。測定デバイス12は、電子制御/調整デバイス13に対して電気的に接続される(図7および図8を参照)。繊維フロック33は空気中(繊維/空気の混合物)を通り、ベルト領域11a上へと落下する。参照番号7は保持ローラを表し、且つ、参照番号8は該保持ローラ用のストリッピング・ローラを表す。繊維フロック33の質量は、上記空気流中で測定される。
【0010】
図1(b)に依れば供給要素10の下流には供給シャフト14が配置されるが、該シャフトは、送給コンベア・ベルト11の上側ベルト領域11a上に繊維フロック33を緩やかな(開繊された)繊維フロック層16の形態で載置する。繊維フロック33は、供給シャフト14を通り落下する(繊維/空気混合物)。測定デバイス12は、上側ベルト領域11aが繊維フロック層16と共に矢印Eの方向において測定デバイス12の内部12aを通過する如き様式で、送給コンベア・ベルト11に対して組合される。繊維フロック16の質量は、(無孔表面を有し得るか穿孔ベルトの形態とされ得る)送給コンベア・ベルト11上で測定される。
【0011】
図2に依ればシャフトを有する供給器が提供され、その場合に送給コンベア・ベルト11に対してはコンデンサ(condenser)17およびTruezschler FD−T供給シャフト18により供給が行われる。コンデンサ17により送給された繊維フロック19は漏斗形状の上側進入領域18aを通り下側供給領域18b内へと落下し、そこで該繊維フロックは、送給コンベア・ベルト11の上側ベルト領域11a上へと載置されて到達する。測定デバイス12(マイクロ波測定装置)は、繊維フロック19と空気の混合物が該測定デバイス12の内部12aを通過すると同時に空気流中の繊維フロック19の質量が測定される如き様式で、進入領域18aに対して組合される。
【0012】
図3に依ると、供給シャフト18の(垂直に配置されて平行な壁部表面を有する)供給領域18bの下端部には、供給シャフト18から繊維フロック21を取り出すべく互いに逆方向(矢印G、Hを参照)に低速で回転する2個の取出しローラ20a、20bが配置される。繊維フロック21は該繊維フロック21と空気との混合物の形態で測定デバイス12(マイクロ波測定装置)の内部12aを通過して送給コンベア・ベルト11の上側ベルト領域11aに到達し、其処に繊維フロックは繊維フロック層16の形態で載置される。繊維フロック21の質量は、空気流内で測定される。
【0013】
図4は複数の混合デバイスを備える混合システムを示す図であり、繊維混合体を形成すべく異なる等級(または種類もしくは成分)の繊維材料1乃至nが処理される。製造されるべき混合体における所望の混合比に従い、x%の繊維成分1、y%の繊維成分2およびn%の繊維成分nが配備される。たとえば、60%の綿および40%のポリエステルの混合体が製造され得る。
【0014】
図5に依ると2種類の繊維材料成分に対する供給装置が配備され、その場合に2台の供給デバイス22a、22bは、該デバイスの下方に配置された共通の繊維フロック混合ベルト23に対して異なる繊維材料成分を送給する。供給デバイス22a、22bは夫々、供給シャフト18’および18”、4個の取出しローラ20’および20”、ならびに、高速のオープナ・ローラもしくは精選ローラ24’および24”を有する。オープナ・ローラもしくは精選ローラ24’、24”の各々の下流には測定デバイス(マイクロ波測定装置)12’および12”が配置されることから、繊維フロック25’および25”は飛翔してもしくは空気流中で個々の内部12aを通過してから、相互に重ねられた層(2つの層)の形態で、繊維フロック混合ベルト23の上側ベルト領域23a上に載置される。(方向Eに見られる)繊維フロック混合ベルト23の端部に対しては、上記の2つの繊維フロック層を取出して分散させる高速ローラ36が組合わされる。
【0015】
図6に依る例えばTruezschler MX−I一体化混合器などの多重混合器26は、空気的に繊維フロック27が供給される6本の装入シャフト26a〜26fを有し、各シャフトの下端部には夫々、一対の取出しローラ20a、20b(図3参照)と、高速オープナ・ローラ24a〜24f(図5参照)とが配置される。オープナ・ローラ24a〜24fは開繊された繊維フロックを共通の繊維フロック混合ベルト23上へと送給し、該ベルトの上側ベルト領域23a上には6種類の異なる繊維材料成分から成る6つの層が載置される(不図示)。オープナ・ローラ24a〜24fの各々と上側ベルト領域23aとの間、すなわちオープナ・ローラ24a〜24fの下方であり且つベルト領域23aの上方には、測定デバイス12〜12が在り、開繊された繊維フロックはそれらの内部12aを通過すると同時に夫々の繊維フロックの質量が測定される。測定デバイス12〜12は、電子制御/調整デバイス13(図7、図8参照)に対して接続される。上記手段を用いると図4に示された混合原理に依り、開ループ制御(図7参照)もしくは閉ループ制御(図8参照)により個々の異なる繊維成分を厳密な割合とした繊維混合体が製造され得る。
【0016】
図7に依ると測定デバイス12は、電子制御/調整デバイス13により開ループ制御式駆動モータ28に対して接続される。図8に依ると測定デバイス12は、傾斜ラチス2に対する閉ループ制御式駆動モータ29と、ストリッピング・ローラ6に対する閉ループ制御式駆動モータ30とに対して接続される。図7および図8に示された配置構成は夫々、開ループ制御式供与デバイスおよび閉ループ制御式供与デバイスを形成し、各々の場合において送給コンベア・ベルト11上へと送給が行われる。斯かる供与デバイスの複数台、すなわち複数台の送給コンベア・ベルト11a〜11nの各々は所定割合の繊維混合体を製造するために、共通の繊維フロック混合ベルト23(図5および図6参照)上へと異なる繊維材料成分を所望の割合にて送給し得る。
【0017】
本発明に係る上記装置は、マイクロ波共振器を用いて特に繊維フロックの質量などの誘電特性を測定する少なくとも一個のマイクロ波センサ12、12’、12”、12〜12を備え、共振器内へと導入された繊維フロック16、19、21、25’、25”、33は、適切な測定パラメータを確定すべく、該共振器内に生成された共振的マイクロ波フィールドと相互作用を行う。
【0018】
”共振器(resonator)”とは、定常マイクロ波フィールドが伝搬し得ると共に囲繞されもしくは実質的に囲繞された空洞共振器とされ得る空間領域を指している。
【0019】
その密度が測定される繊維材料は、センサ12、12’、12”、12〜12の作動時に上記共振器の空間領域に対して固定的な空間的関係とされて”製品空間”と称される空間領域12a内に配置される。マイクロ波は、繊維材料と相互作用を行うために上記製品空間に進入する。上記マイクロ波共振器は、製品空間の方向におけるマイクロ波に対して透過的である。繊維材料は例えば、繊維/空気流19、21、25’、25”、33の形態、または、特に精選機などの紡績用前処理機における繊維フロック層16の形態の繊維フロックの様に、連続的な且つ/又は無限の製品流とされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)本発明に係る装置が傾斜ラチスおよびストリッピング・ローラの下流に配置された、送給コンベア・ベルトを備えるベールオープナ(ホッパフィーダ[hopper feeder])の概略的側面図である。(b)本発明に係る上記装置が上記送給コンベア・ベルトに対して組合された図1(a)に係るベールオープナ(ホッパフィーダ)を示す図である。
【図2】本発明に係る装置が下流に配置されたコンデンサを示す図である。
【図3】本発明に係る装置が取出しローラの下流に配置された繊維フロック装入シャフトを示す図である。
【図4】異なる繊維材料成分の混合体を製造する混合システムを示す図である。
【図5】各々が本発明に係る装置を備えたオープナもしくは精選器と、たとえば2種類の繊維材料成分に対する共通の繊維フロック混合ベルトとを備えた2台の供給デバイスを示す図である。
【図6】装入シャフトの各々に対して本発明に係る装置が組合された多重混合器を示す図である。
【図7】本発明に係る装置が送給コンベア・ベルトの開ループ制御に対して使用されるという図1(a)に係るベールオープナ(ホッパフィーダ)を示す図である。
【図8】本発明に係る装置が傾斜ラチスおよびストリッピング・ローラの閉ループ制御に対して使用されるという図1(b)に係るベールオープナ(ホッパフィーダ)を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1 供給テーブル
2 ラチス
2a、2b 戻りローラ
5 ニードル
6 ローラ
6a 回転方向
6b ニードル
7 保持ローラ
8 ストリッピング・ローラ
9 案内部材
10 供給要素
11 ベルト
11a ベルト領域
12、12’、12”、12〜12 マイクロ波センサ(測定デバイス)
12a 空間領域
13 電子制御/調整デバイス
14 供給シャフト
15 繊維材料
16、19、21、25’、25”、33 繊維フロック
17 コンデンサ
18、18’ 供給シャフト
18a 進入領域
18b 供給領域
20a、20b 取出しローラ
21 繊維フロック
22a、22b 供給デバイス
23 繊維フロック混合ベルト
23a ベルト領域
24’、24” 精選ローラ
24a〜24f ローラ
26 多重混合器
26a〜26f 装入シャフト
28 開ループ制御式駆動モータ
29 閉ループ制御式駆動モータ
30 閉ループ制御式駆動モータ
36 高速ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紡績用前処理機もしくはシステムを通過し又は不織布製造デバイスを通過する繊維材料の質量を測定する装置であって、少なくとも一個のマイクロ波共振器と、該共振器に対して整合すべく協働する測定用電子ユニットとが配備された装置において、
上記繊維材料(F;16;19;21、25’、25”)は繊維フロックの形態で存在し、且つ上記繊維フロックは少なくとも一個のマイクロ波共振器を有する測定デバイス(12;12a、12b;12〜12)を有する測定経路を通過することを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記繊維フロックの吸湿量が測定され得ることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記繊維フロックの質量を測定するときに吸湿量を補正することが可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記繊維フロックの質量の測定値は、少なくとも一台の紡績用前処理機の開ループ制御に対して使用されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記繊維フロックの質量の測定値は、少なくとも一台の紡績用前処理機の閉ループ制御に対して使用されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記繊維フロックの質量の測定値は、紡績用前処理機に対して供給を行う過程で計量的に供与を行うべく使用されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記繊維フロックの質量の測定値は、たとえばコンベア・ベルト、シュートなどの搬送デバイスに対して供給を行うために使用されることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記繊維フロックの質量の測定値は、たとえば空気式繊維フロック移送デバイス、パイプライン、シャフトなどの移送デバイスに対して供給を行うために使用されることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記測定デバイスはホッパフィーダの出口に配置されることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記ホッパフィーダは、たとえば上昇用ニードル付きラチスなどの被動コンベア・ベルトを有することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ホッパフィーダの前記コンベア・ベルトに対してはたとえば平滑化シリンダなどの被動ストリッピング・デバイスが組合されることを特徴とする、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記測定デバイスは、たとえばコンベア・ベルト、シュートなどの搬送デバイスと組合されることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記測定デバイスはコンデンサの出口に配置されることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記測定デバイスは繊維フロック装入シャフトと組合されることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記測定デバイスは、前記コンデンサおよび/または繊維フロック装入シャフトの少なくとも一個の低速取出しローラの下流に配置されることを特徴とする、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記測定デバイスは高速オープナ・ローラの下流に配置されることを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記オープナ・ローラは前記少なくとも一個の取出しローラの下流に配置されることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ホッパフィーダの下流には被動コンベア・ベルトが配置されることを特徴とする、請求項14または15に記載の装置。
【請求項19】
前記繊維フロック装入シャフトの下流には被動コンベア・ベルトが配置されることを特徴とする、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記繊維フロックは飛翔して前記マイクロ波共振器を通過することを特徴とする、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記繊維フロックは前記マイクロ波共振器を通り落下することを特徴とする、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
繊維混合体の形成のために、異なる等級の繊維フロックを夫々事前特定可能な量で供与する手段が配備されることを特徴とする、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
混合体の各繊維フロック成分は、混合機の夫々の装入シャフト内へと導入され、且つ、夫々の場合において装入シャフトの下端部にて少なくとも一個の取出しローラによりコンベア・ベルト(混合用ベルト)上へと載置されることを特徴とする、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記コンベア・ベルト(混合用ベルト)は可変様式で駆動されるべく配置されることを特徴とする、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記繊維質量は連続的に測定されるべく設定されることを特徴とする、請求項1乃至24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
繊維の供給は連続的に行われることを特徴とする、請求項1乃至25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
混合のために閉ループ式の体積流量制御が行われることを特徴とする、請求項1乃至26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記ホッパフィーダの傾斜ラチスの速度は調節可能であることを特徴とする、請求項9乃至11または18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記ホッパフィーダのストリッパ・ローラの速度は調節可能であることを特徴とする、請求項9乃至11または18、28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
少なくとも一台のホッパフィーダの下流に配置された前記コンベア・ベルトの速度は調節可能であることを特徴とする、請求項9乃至11または18、28、29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記繊維フロック装入シャフトの少なくとも一個の取出しローラの速度は調節可能であることを特徴とする、請求項14、15または19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記少なくとも一本の繊維フロック装入シャフトの下流に配置された前記コンベア・ベルトの速度は調節可能であることを特徴とする、請求項14、15または19、31に記載の装置。
【請求項33】
前記繊維フロックの質量の測定値は、少なくとも2台の精選機、好適には複数台の精選機を有する精選システムの開ループ制御および/または閉ループ制御に対して使用されることを特徴とする、請求項1乃至32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記繊維フロックの質量の測定値は、少なくとも一台のカード機、好適には複数台のカード機を有するカード・システムの開ループ制御および/または閉ループ制御に対して使用されることを特徴とする、請求項1乃至33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記繊維フロックの質量の測定値は、繊維材料を搬送するパイプラインなどの通過流速度を決定するために使用されることを特徴とする、請求項1乃至34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記繊維フロックの搬送は空気的に行われることを特徴とする、請求項1乃至35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
当該装置は繊維廃棄物に対するパイプラインなどの通過流速度を決定するために使用されることを特徴とする、請求項1乃至36のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
前記繊維フロックの質量の測定値は、繊維フロック装入シャフト内における生成量を決定するために使用されることを特徴とする、請求項1乃至37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記繊維フロックの質量の測定値は、たとえば多重混合器などの繊維フロック混合器内における生成量を決定するために使用されることを特徴とする、請求項1乃至38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記繊維フロックの質量の測定値は、たとえば上側貯留シャフトと下側供給シャフトとを有する繊維フロック供給器内における生成量を決定するために使用されることを特徴とする、請求項1乃至39のいずれか一項に記載の装置。
【請求項41】
前記各繊維材料成分の混合は空気流内で行われることを特徴とする、請求項1乃至40のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−10698(P2006−10698A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−187135(P2005−187135)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(590002323)ツリュツラー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (85)
【Fターム(参考)】