説明

索道システムおよびその運転方法

【課題】索道システムの安全確認動作に付随して発生する運転中断を回避できる運転方法を提供する。
【解決手段】チェア3は、搬送ケーブル2に連結され、ステーションの入口で切り離され、制御タイヤ4によりガイドレール40に沿って案内され出口で搬送ケーブル2に再び連結される。安全バー31は、乗客がチェア3に乗るとすぐに、第1調整装置5により閉位置へ調整されてロックされ、乗客のチェア3からの滑落を防止する。第1調整装置5の下流には、安全バー31のロックを確認するセンサ60を含む第2調整装置6がステーションの出口に設けられている。第2調整装置6は、安全バー31がロックされていない場合に、安全バー31を閉位置のロック状態に旋回させる。また、センサ60が第2調整装置6を通過後に、安全バー31がロックされていないことを確認すると索道システムが停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、索道システムの二つのターミナルステーションにおいてそれぞれ逆転プーリを介して案内される搬送ケーブルを有すると共に、連結装置と移送ギヤ機構とを備えるト共に搬送ケーブルに連結されるチェアを有する索道システムに関する。チェアは、索道システムの経路に沿って搬送ケーブルに連結され、ステーションの入口で搬送ケーブルから切り離され、途中で乗客がチェアに乗降するステーションにおいて制御タイヤによりガイドレールに沿って案内され、ステーションの出口で搬送ケーブルに再び連結される。チェアは少なくとも一つの安全バーを備えており、システムは、安全バーを閉位置へ調整してロックするための装置と、ステーションの出口に配設されて適切なロックを確認するための装置と、をさらに含む。本発明は、このような索道システムの運転方法にも関する。
【0002】
(背景技術の相互参照)
本出願は、合衆国法典第35巻第119条に基づき、2010年7月29日に出願されたオーストリア特許出願第A1275/2010号の優先権を主張する。この先行出願の全体は参照によりここに取り入れられる。
【背景技術】
【0003】
同一出願人による特許文献1及び対応の特許文献2、並びに同一出願人による特許文献3には、チェアを備えるよう設計されると共に、チェアの安全バーを調整して閉位置にロックするための装置をステーションの出口に備える索道システムが記載されている。上記した装置には、安全バーのロックを確認するための装置が割り当てられる。チェアの安全バーがロックされていないとチェック装置が判断すると、すぐに索道システムが停止され、関連の安全バーがロックされる。しかし、これにより運転が中断されてしまう。
【0004】
このような索道システムの運転中、安全バーを閉位置に調整してロックするための装置によっても、安全バーは必ずしもすぐに閉位置へと移動してロックされるわけではないが、この装置に割り当てられたチェック装置が、乗客の措置によって実際には安全バーがその直後に閉位置に移っていると表示するか制御コマンドを発信していても、この安全バーはなおもロックされなければならないと判断されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,690,313 B2号明細書
【特許文献2】欧州特許第1 780 091 B1号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/003751 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、この従来周知の一般的なタイプの装置および方法の上述した短所を克服して、結果的に生じる運転の中断をできる限り回避するための技術的手段を備えた索道システムおよび関連の運転方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上および他の目的を考慮して、本発明により、索道システムの二つのターミナルステーションにおいて偏向プーリの間に延在してその周囲を案内される搬送ケーブルと、搬送ケーブルに連結するための連結装置と移送ギヤ機構とが形成されたチェアであって、索道システムの経路に沿って搬送ケーブルに連結され、ステーションの入口で搬送ケーブルから切り離され、乗客がチェアから降りたりチェアに乗ったりするステーションにおいてガイドレールに沿って案内され、ステーションの出口で搬送ケーブルに連結されるチェアと、を含み、チェアの各々が、開位置と閉位置との間で移動可能に取り付けられた少なくとも一つの安全バーを有し、さらに、安全バーを調整して閉位置にロックするための第1調整装置と、安全バーが閉位置にロックされたかどうかを確認するための関連の第1チェック装置と、安全バーを調整して閉位置にロックするための第2調整装置であって、チェアの移送方向において第1調整装置からある距離に設置されて動作位置へ移動可能である第2調整装置と、安全バーが閉位置にロックされているかどうかをステーションの出口で確認するための、第2調整装置と関連する第2チェック装置と、を含み、第1調整装置によるロックが行われていないと第1チェック装置が判断した時に、第1チェック装置が、安全バーを調整およびロックするための第2調整装置を動作位置へ移動させる索道システムが設けられる。
【0008】
安全バーのロックを確認するための装置であって安全バーを調整するための装置に割り当てられた装置の反応時に索道システムの運転が中断されなければならないという状況を回避するため、安全バーを調整およびロックするための第1装置と、安全バーのロックを確認するための関連の装置、そしてチェアの移送方向に見て安全バーを調整およびロックするための第1装置からある距離を置いて、安全バーを調整およびロックするための第2装置と、同様に安全バーのロックを確認するための関連の装置が、ステーションの出口に設けられ、ロックが行われていない場合には、安全バーを調整およびロックするための第1装置に割り当てられた安全バーのロックを確認するための装置が、安全バーを調整およびロックするための第2装置を動作位置へ移動させる。
【0009】
安全バーを調整およびロックするための第1装置によって関連する(relevant)チェアの安全バーが閉位置へ移動してロックされていなくても、索道システムの運転が即座に中断される必要はない。むしろ、関連するチェアが安全バーを調整およびロックするための第2装置を通過すると、その際に安全バーのロックが再び確認される。安全バーがまだロックされていないならば、第2チェック装置によって索道システムの運転が中断される。
【0010】
好ましくは、安全バーを調整およびロックするための第1装置が安全バーをロックしていない場合には、安全バーを調整およびロックするための第1装置に割り当てられた安全バーを確認およびロックするための装置が、関連チェアの駆動速度を付加的に低下させる。この目的のため、索道システムの搬送速度が全体的に低下することが好ましい。しかし、索道システムの運転に関係なく制御タイヤの駆動速度を低下させることも可能である。さらに、安全バーのロックが行われていない場合には、安全バーを調整およびロックするための第1装置に割り当てられた安全バーのロックを確認するための装置が、音響および/または光学信号を発信させる。
【0011】
さらに、安全バーを調整およびロックするための装置に割り当てられてチェアに配置されるとともに非動作位置から動作位置へ旋回できるガイドレールによって、安全バーを調整およびロックするための第2装置が形成されることが好ましい。
【0012】
このような索道システムを運転する好適な方法によれば、安全バーを調整およびロックするための第1装置によって関連チェアの安全バーが調整され、その後、安全バーを調整およびロックするための第1装置に割り当てられた安全バーのロックを確認するための装置によって、安全バーのロックが検査され、その後、関連の安全バーがロックされていない場合には、安全バーを調整およびロックするための第2装置が動作位置へ移動し、好ましくは関連チェアの駆動速度が低下し、その結果、安全バーを調整およびロックするための第2装置に割り当てられた安全バーのロックを確認するための装置が関連チェアのロックを確認し、その後、安全バーがロックされていない場合には、索道システムの運転が停止される。
【0013】
代替的に、第1チェック装置が反応した場合には、索道システムの運転が停止されて、関連チェアの安全バーを閉位置へと移動させてもよい。その後、索道システムの運転が再開され、安全バーのための第2調整装置によって関連チェアの安全バーがロックされる。
【0014】
本発明の特色であると考えられる他の特徴は、添付の請求項に提示される。
【0015】
本発明は、索道システムおよびその運転方法に具体化されたものとして図示、説明されるが、本発明の趣旨を逸脱することなく請求項の同等物の範囲内で様々な変形および構造変更が可能であり、ここに示される詳細に限定されることは意図されていない。
【0016】
しかし、特定の実施形態に関する以下の説明を添付図面と関連させて読むと、本発明の構造および運転方法がその付加的な目的および長所と共に最も良く理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】本発明による索道システムのターミナルステーションのうち一つの斜視図であって、索道システムのチェアは第1動作位置に位置し、チェアの安全バーを調整、ロックするための二つの装置を有する。
【図1B】図1Aの詳細を示す図1Aの拡大図である。
【図1C】他の側から見た図1Bの詳細を示す。
【図1D】図1Aの別の詳細を示す図1Aの拡大図である。
【図2A】図1Aのターミナルステーションの斜視図であり、チェアは第2動作位置に位置し、チェアの安全バーを調整、ロックするための第2装置が第1動作位置に位置している。
【図2B】図2Aの詳細を示す図2Aの拡大図である。
【図2C】他の側から見た図2Bの詳細を示す。
【図3A】図2Aのステーションの斜視図であり、チェアの安全バーを調整、ロックするための第2装置が第2動作位置に位置している。
【図3B】図3Aの詳細を示す図3Aの拡大図である。
【図3C】他の側から見た図3Bの詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
さて、図面の図、まず特に図1Aを詳細に参照すると、支持体1,1aにより支承されると共に、ヘッドホイール20とも呼ばれる耐荷重構造10を備えた、索道システムのターミナルステーションが示されている。耐荷重構造10には、索道システムの搬送ケーブル2のためのケーブル逆転またはケーブル偏向プーリ20が、略垂直軸を中心に回転可能に装着されている。索道システムに配置された偏向プーリ20の少なくとも一つを介して、搬送ケーブル2が駆動される。索道システムの経路に沿って、多数のチェア3が搬送ケーブル2に連結されている。チェア3は、それぞれが2人、3人、4人、6人、または8人以上の乗客を収容する多人数チェアである。搬送ケーブル2の移動方向は、矢印AおよびBで記されている。チェア3がターミナルステーションに進入すると、これらのチェアは搬送ケーブル2から切り離され、その後、制御タイヤ4によりガイドレール40に沿ってこのステーション内を移動する。制御タイヤ4は、搬送ケーブル2に沿って支承されるように搬送ケーブルの少なくとも一つの支持ローラに連結されることで駆動される。第1グループの制御タイヤ4は、ここでは例えば6m/秒から例えば0.3m/秒までチェア3の速度を低減させるための減速タイヤ41として機能する。チェア3は、乗客のための乗降領域では、搬送タイヤ42として機能する第2グループの制御タイヤ4によって、およそ0.3m/秒の速度で移動する。この途中で乗客は、チェアから降りたり、チェアに乗ったりする。加速タイヤ43として機能する第3グループの制御タイヤ4により、チェア3は搬送ケーブル2の移送速度、例えば6m/秒まで加速され、その後、ステーションの出口で搬送ケーブル2に連結される。
【0019】
このような既知の索道システムの場合、チェア3は安全バー31を備えるよう構成されており、安全バー31は、乗客がチェア3に乗るとすぐに閉位置へ調整されてロックされると共に、チェア3からの乗客の滑落を防止するように機能する。耐荷重構造10に設けられた第1調整装置5は、安全バー31を閉位置へ調整してロックするように機能する。調整装置5は制御レール51を有する。制御レール51はチェア3の移動方向に対して斜めの配向を有し、チェア3に配置されたカムローラまたは制御ローラ32は、制御レール51に沿って転動する。その結果、制御ローラ32が旋回し、この旋回運動が安全バー31を閉位置へと移動させてロックする。
【0020】
このような装置は、前記した特許文献1及び特許文献2に記載されており、これらは参照によりここに取り込まれる。
【0021】
さらに、カムローラまたは制御ローラ32の移動経路には、チェック装置(checking device)―ここでは例えば旋回ロッドの形態のセンサ50―が設けられている。安全バー31が閉位置に位置してロックされる旋回位置に制御ローラ32があるとき、このセンサは制御信号を発信する。反対に、制御ローラ32がこの旋回位置に位置しておらず、安全バー31が閉位置にあってもロックされていないことが保証されない場合、周知の索道システムは運転が中断される。
【0022】
しかしながら、このような索道システムの運転中には、センサ50を通過してすぐに安全バー31が閉位置へ移されたという場合が生じることもある。この場合、安全バー31がロックされた旋回位置へと制御ローラ32もまた調整されたのであれば、運転が中断される必要はない。
【0023】
図1A,2A,3Aから分かるように、本発明による索道システムにおいては、索道ステーションが、安全バー31を閉位置へ調整してロックするための第1装置5の下流に、第2調整装置6を含む。作用時、第2調整装置6は、安全バー31が閉位置へ移動してロックされる旋回位置に制御ローラ32が位置していない場合には、制御ローラ32をこの位置へと旋回させる。さらに、この第2調整装置6には制御ローラ32の旋回位置、ひいては安全バー31の閉位置およびロックを確認するセンサ60が割り当てられている。センサ60は、例えば旋回ロッドの形態である。第2調整装置6を通過した後であっても、安全バー31が閉位置に配置されてロックされる旋回位置に制御ローラ32が配置されていない場合には、索道システムが停止する。
【0024】
図1Aおよび2Aでは、安全バー31のための第2調整装置6は非動作位置にある。反対に、図3Aでは第2調整装置6が動作位置にある。
【0025】
図1Bおよび1Cには、第1調整装置5の一部分が拡大図で描かれている。これから分かるように、制御レール51は、水平面上で略水平軸を中心として、調整モータ52により旋回可能である。そのため、駆動モータ52により長手方向に調整されると共に、駆動モータ52と反対の端部に横ガイドボルト54を備えるように設計された伸縮ロッド53が用いられる。制御レール51には、ガイドボルト54が通るガイドスロット56を備えるよう設計された三角形支承プレート55が、締結されている。制御レール51には、複数のバー57もまた配置されており、複数のバー57はおもり(weight)として機能すると共に、伸縮ロッド53により定められるそれぞれの最下位置へと制御レール51を旋回させる。乗客のリュックサックなどによるチェア3の障害のため、対応するチェア3の安全バー31が閉位置へ移っていないと、おもりバー57の作用に反して、制御ローラ32により制御レール51が持ち上げられる。これは、ガイドスロット56内でガイドボルト54が調整可能であることによって可能となっている。チェア3の移動方向に配置された制御レール51の端部には、センサ50が配置されている。
【0026】
索道システムの搬送運転中、調整装置5は常に動作位置にある。チェア3の回送のため、制御レール51は駆動モータ52によって上方の非動作位置へと旋回する。
【0027】
図1Dは、チェア3に配置された制御ローラ32の三つの位置を示す。制御ローラ32は、第1の上方旋回位置と第2の下方旋回位置との間で調整可能な調整アングルレバー33に装着されている。調整レバー33にはボーデンケーブル34が連接されており、これによりチェア3の安全バー31が調整およびロックされる。制御ローラ32が矢印Cの方向にロックレール51へと転動するとすぐに、制御ローラ32とともに調整レバー33が時計方向に旋回する結果、安全バー31が閉位置へ旋回する。結果的に、制御レバー33が制御ローラ32と共に上死点位置(over-dead-center position)へ移動し、安全バー31が閉位置にロックされる。
【0028】
しかしながら、チェア3における障害に起因して、制御ローラ32が上死点位置にあると共に安全バー31がロックされる位置へと安全バー31が調整できない場合、調整レバー33と制御ローラ32は、点線で描かれた中央位置となる。安全バー31が調整されるように障害が除去されて初めて、安全バー31のロックが行われる。
【0029】
安全バー31がロックされている下方旋回位置に制御ローラ32が位置する場合には、制御ローラの移動によってセンサ50が起動し、索道システムの運転が継続されていることを意味する制御信号がセンサにより発信される。対照的に、制御ローラ32が他の旋回位置にある際にはセンサ50は制御信号を発信せず、第2制御レール61が動作位置へ旋回して、好ましくは索道システムの駆動速度が低下する。
【0030】
図2Bおよび2Cと図3Bおよび3Cから分かるように、安全バー31のための第2調整装置6は制御レール61をも有する。制御レール61は、チェア3の移動方向に延在して、構造体装着ピン68を中心として駆動モータ62により垂直方向に旋回する。伸縮ロッド63と、制御レール61に締結された支承プレート65に設けられたガイドスロット66を通って案内される横ガイドボルト64と、を介して制御レール61が駆動モータ62に連結される点につき、調整装置6も同様である。さらに、制御レール61もおもりバー67を備えるように設計されている。
【0031】
制御レール61は通常、図2Bおよび2Cに図示された第1旋回位置に配置されている。第1旋回位置は制御レール61の上方非動作位置であり、この場合にはチェア3の制御ローラ32が制御レール上を転動しない。対照的に、図3A,3B,3Cに描かれた第2の下方旋回位置へ制御レール61が移動した場合には、制御レール61が動作位置に位置することになり、対応するチェア3に配置された制御ローラ32が制御レール上を転動する。その結果、制御レール61が旋回され、対応するチェア3の安全バー31がまだ閉位置に配置されていない場合には閉位置へ移動して、ロックされる。
【0032】
制御レール61の旋回運動は調整可能ストップ69によって制限される。さらに、制御ロッドの形態等であるセンサ60が制御レール61に配置される。このセンサは、安全バー31がロックされている旋回位置に制御ローラ32がある時に起動する。その結果、対応するチェア3の安全バー31が閉位置にあり、ロックされていることを意味する制御信号が発信され、このとき索道システムの運転は継続可能である。
【0033】
この索道システムは以下のように動作する。
【0034】
チェア3は、搬送タイヤ42によって乗降領域を移動してからすぐ、安全バー31のための第1調整装置5に到達する。ここで、チェア3に配置されたローラである安全バー31のための制御ローラ32が制御レール51上を転動して旋回される結果、安全バー31が閉位置へと調整されて、ここでロックされる。その結果、制御ローラ32がセンサ50を起動し、センサは、索道システムの運転が継続しているという意味の信号を発信する。その後、それぞれのチェア3は、加速タイヤ43により上昇した速度で索道ステーションの出口へ移動した後、搬送ケーブル2に連結される。
【0035】
この時、安全バー31のための第2調整装置6は非動作位置にある。
【0036】
しかしながら、対応するチェアが移送される際に、安全バー31が閉位置に位置してロックされている旋回位置に制御ローラ32が位置していないために、安全バー31用の第1調整装置5に割り当てられたセンサ50が起動せずに運転信号を発信しない場合、一方では、調整モータ62により第2旋回位置へと移動する制御レール61により安全バー31用の第2調整装置6が起動する。他方では、搬送ケーブル2の速度、ひいては搬送ケーブルに沿って支承されるように搬送ケーブル2に連結された加速タイヤ43の駆動速度が低減される。制御レール61は、対応するチェア3に配置された制御ローラ32の移動経路へと旋回によって入り、結果として制御ローラが旋回する。安全バー31がまだ閉位置に配置されていない場合には、この旋回動作により、安全バー31の当該位置への移動とロックとが引き起こされる。第2調整装置6に割り当てられたセンサ60は、制御ローラ32の旋回位置を調べる。安全バー31がロックされている旋回位置に制御ローラ32が位置している場合には、第2センサ60が起動する。これは運転信号を発信し、これにより索道システムの正常運転が再開される。対照的に、安全バー31のロックに必要な旋回位置に制御ローラ32が位置していないためにセンサ60が運転信号を発信しない場合には、索道システムは停止される。
【0037】
第2調整装置6が搬送タイヤ42の領域に位置している場合、第1調整装置5に割り当てられたセンサ50の反応時に索道システムの駆動速度を低下させる必要はない。しかしながら、第1調整装置5と第2調整装置6との間でチェア3が加速される場合に、センサ50が反応した場合には、対応するチェア3が第2調整装置6を案内される際の速度を正常運転速度よりも低減させる必要がある。
【0038】
第1調整装置5に割り当てられたセンサ50が信号を発信しない場合、代替的には、索道システムの運転を停止させるとともに、対応するチェア3の安全バー31を閉位置に移動させることが可能である。索道システムの運転が再開されると、すぐに制御ローラ32が第2ロックレール61を転動する。その結果、制御ローラ32が上死点位置へ旋回し、安全バー31がロックされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
索道システムであって、
前記索道システムの二つのターミナルステーション間に延在して偏向プーリの周囲を案内される搬送ケーブルと、
前記搬送ケーブルに連結するための連結装置と、移送ギヤ機構と、が形成されたチェアであって、前記索道システムの経路に沿って前記搬送ケーブルに連結され、前記ステーションの入口で前記搬送ケーブルから切り離され、前記チェアに乗客が乗降する前記ステーションではガイドレールに沿って案内され、前記ステーションの出口で前記搬送ケーブルに連結されるチェアと、を含み、
個々の前記チェアが、開位置と閉位置との間で可動に取り付けられた少なくとも一つの安全バーを有し、
前記安全バーを調整して前記閉位置にロックするための第1調整装置と、
前記安全バーが前記閉位置にロックされているかどうかを確認するための、前記第1調整装置に対応する第1チェック装置と、
前記安全バーを調整して前記閉位置にロックするための第2調整装置であって、前記チェアの移送方向において前記第1調整装置からある距離に設置され、動作位置へと移動可能である第2調整装置と、
前記ステーションの前記出口において前記安全バーが前記閉位置にロックされているかどうかを確認するための、前記第2調整装置に対応する第2チェック装置と、をさらに含み、
前記第1調整装置によりロックされていないと前記第1チェック装置により判断された場合、前記第1チェック装置は、前記安全バーを調整およびロックするための前記第2調整装置の前記動作位置への移動を引き起こす、索道システム。
【請求項2】
前記第1調整装置が前記安全バーをロックしていない場合、前記第1チェック装置がさらに個々の前記チェアの駆動速度を低下させる、請求項1に記載の索道システム。
【請求項3】
前記第1調整装置が前記安全バーをロックしていない場合、前記第1チェック装置が音響および/または光学信号を発信する、請求項1に記載の索道システム。
【請求項4】
前記安全バーを調整およびロックするための前記第2調整装置が、前記安全バーのための制御ローラに割り当てられた制御レールを含み、
前記制御ローラが前記チェアに配置され、
前記制御レールが非動作位置と動作位置との間で旋回可能に取り付けられる、請求項1に記載の索道システム。
【請求項5】
索道システムの運転方法であって、
請求項1に記載の索道システムを設けるステップと、
前記安全バーを調整およびロックするための前記第1調整装置により、個々の前記チェアの前記安全バーを調整およびロックするステップと、
前記第1調整装置に対応する前記第1チェック装置により、前記安全バーがロックされているかどうかを確認するステップと、
個々の前記安全バーが前記閉位置へ移動してロックされていないと前記第1チェック装置が判断した場合に、前記安全バーを調整およびロックするための前記第2調整装置を前記動作位置へ移動させるステップと、
前記安全バーを調整およびロックするための前記第2調整装置に対応する前記第2チェック装置により、個々の前記チェアの前記安全バーがロックされているかどうかを確認するステップと、
前記安全バーがロックされていないと前記第2チェック装置が判断した場合に、前記索道システムの運転を停止させるステップと、を含む方法。
【請求項6】
前記個々の安全バーが前記閉位置にロックされていないと前記第1チェック装置が判断した場合に、前記ステーションで前記チェアを移動させる制御タイヤの駆動速度を低下させるステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【公開番号】特開2012−30781(P2012−30781A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−133095(P2011−133095)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(500579431)インノヴァ・パテント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (31)