説明

紫外線吸収剤

【課題】UV−AおよびUV−B領域における紫外線吸収能に優れ、かつ、可視域に吸収がない低揮発性の紫外線吸収剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(UL)で表される紫外線吸収剤。


(式中、Aは、極大吸収波長が360nm以上400nm以下であり、半値幅が55nm以下であり、極大吸収波長におけるモル吸光係数が20000以上である少なくとも1種の紫外線吸収性残基を表す。Bは、320nmにおける吸光度が極大吸収波長における吸光度の30%以上であり、極大吸収波長が360nm以下である少なくとも1種の紫外線吸収性残基を表す。Laは連結基を表す。yは1以上の整数を表す。)


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(UL)で表される紫外線吸収剤。
【化1】

(式中、Aは、極大吸収波長が360nm以上400nm以下であり、半値幅が55nm以下であり、極大吸収波長におけるモル吸光係数が20000以上である少なくとも1種の紫外線吸収性残基を表す。Bは、320nmにおける吸光度が極大吸収波長における吸光度の30%以上であり、極大吸収波長が360nm未満である少なくとも1種の紫外線吸収性残基を表す。Laは連結基を表す。yは1以上の整数を表す。)
【請求項2】
前記紫外線吸収性残基Bの極大吸収波長が320nm未満であることを特徴とする、請求項1記載の紫外線吸収剤。
【請求項3】
前記紫外線吸収性残基Bの極大吸収波長が320nm以上360nm未満であることを特徴とする、請求項1記載の紫外線吸収剤。
【請求項4】
前記紫外線吸収性残基Aが、下記一般式(2)で表される化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる紫外線吸収性残基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤。
【化2】

(式中、A21及びA22は、水素原子及び炭素原子以外の原子を表す。Y21及びY22は各々独立して水素原子または1価の置換基を表す。ただし、Y21又はY22の少なくとも一方は、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表す。また、Y21及びY22は、互いに結合して環を形成しても良い。(B)はA21、A22および炭素原子と一緒になって5または6員環を形成するのに必要な原子群を表す。)
【請求項5】
前記一般式(2)で表される化合物が下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする、請求項4記載の紫外線吸収剤。
【化3】

(式中、A31及びA32は、各々独立に、酸素原子、窒素原子およびイオウ原子からなる群から選択されるヘテロ原子を表す。Y31及びY32は各々独立して水素原子または1価の置換基を表す。ただし、Y31又はY32の少なくとも一方は、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表す。また、Y31及びY32は、互いに結合して環を形成しても良い。(D)は炭素原子と一緒になって5または6員環を形成するのに必要な原子群を表す。)
【請求項6】
前記一般式(3)で表される化合物が下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする、請求項5記載の紫外線吸収剤。
【化4】

(式中、Y41及びY42は各々独立して1価の置換基を表す。ただし、Y41又はY42の少なくとも一方はシアノ基であり、他方は置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロ環カルボニル基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、又は置換もしくは無置換のアリールスルホニル基である。V41及びV42は各々独立して水素原子または1価の置換基を表す。)
【請求項7】
前記紫外線吸収性残基Aが、下記一般式(B−I)で表される化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる紫外線吸収性残基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤。
【化5】

〔式中、RB1、RB2、RB3及びRB4は、互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。RB5及びRB6は、互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。XB1、XB2、XB3及びXB4は、互いに独立してヘテロ原子を表す。〕
【請求項8】
前記一般式(B−I)で表される化合物が下記一般式(B−Ia)で表される化合物であることを特徴とする、請求項7記載の紫外線吸収剤。
【化6】

〔式中、RBa1、RBa2、RBa3及びRBa4は1価の置換基を表す。但し、RBa1、RBa2、RBa3及びRBa4のうち少なくとも1つは、シアノ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、又は置換もしくは無置換のアリールスルホニル基である。
Ba5及びRBa6は各々独立に、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアシルオキシ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアシルアミノ基、又は置換もしくは無置換のカルバモイルアミノ基を表す。〕
【請求項9】
Ba1とRBa2との組およびRBa3とRBa4との組の少なくとも一方が環を形成しないことを特徴とする、請求項8記載の紫外線吸収剤。
【請求項10】
Ba1とRBa2との組およびRBa3とRBa4との組のいずれも環を形成しないことを特徴とする、請求項8記載の紫外線吸収剤。
【請求項11】
前記紫外線吸収性残基Bが、下記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる紫外線吸収性残基であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤。
【化7】

〔前記一般式(IIa)中、
11は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
12は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
13は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、又は−COOR14基(ここで、R14は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基である。)を表す。〕
〔前記一般式(IIb)中、
Tは、水素原子、又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
1は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換のアルコキシ基を表す。
Lは2価の連結基を表し、mは0又は1を表す。mは0のとき、Lは単結合を表す。
nは1〜4の整数を表す。nが1のときT2は、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。また、nが2のときT2は2価の置換基を表し、nが3のときT2は3価の置換基を表し、nが4のときT2は4価の置換基を表す。〕
【請求項12】
前記紫外線吸収性残基Bが、下記一般式(III)で表される化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる紫外線吸収性残基であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤。
【化8】

[前記一般式(III)中、
置換基Y1は、互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換のアルコキシ基を表す。Lfは2価の連結基または単結合を表す。
uは1又は2であり、vは0又は1であり、そしてrは1〜3の整数であり、
uが1のときY2は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基である。また、uが2のときY2は2価の置換基を表す。]
【請求項13】
前記紫外線吸収性残基Bが、下記一般式(IVa)又は(IVb)で表される化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる紫外線吸収性残基であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤。
【化9】

〔前記一般式(IVa)中、X1及びX2は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、スルホン酸基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、又は置換もしくは無置換のアミノ基を表す。s1及びs2は、互いに独立して1〜3の整数を表す。〕
〔前記一般式(IVb)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、スルホン酸基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、又は置換もしくは無置換のアミノ基を表し、s1は1〜3の整数を表す。
Lgは2価の置換基または単なる結合を表し、wは0又は1を表す。
tbは1又は2を表し、tbが1のときX3は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、スルホン酸基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、又は置換もしくは無置換のアミノ基を表す。tbが2のときX3は2価の置換基を表す。〕
【請求項14】
前記紫外線吸収性残基Bが、下記化合物群Bから選ばれる少なくとも1種の化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる紫外線吸収性残基を含むことを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤。
[化合物群B]
・前記一般式(IIa)で表される化合物
(II−1) 2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール
(II−2) 2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
(II−3) 2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール
(II−4) 2−エチルヘキシル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート
(II−5) 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチル−フェノール
(II−6) 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−3−t−ブチルフェノール
(II−7) 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1−3,3−テトラメチルブチル)フェノール
(II−8) 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−3−メチルフェノール
(II−9) 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチル−フェノール
・前記一般式(IIb)で表される化合物
(II−10) 2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]
・前記一般式(III)で表される化合物
(III−1) 2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
(III−2) 2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン
(III−3) 2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン
(III−4) 2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシロキシフェノール
(III−5) ビスエチルヘキシロキシフェノール メトキシフェニルトリアジン
・前記一般式(IVa)又は(IVb)で表される化合物
(IV−1) ヘキシル 2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート
(IV−2) 2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン
(IV−3) 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
(IV−4) 1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)ブタン
(IV−5) 2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン
(IV−6) 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォニックアシッド
(IV−7) 2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤を含むことを特徴とする紫外線吸収剤分散物。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤を含むことを特徴とする紫外線吸収剤溶液。
【請求項17】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤を含むことを特徴とする高分子材料。

【図1】
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【公開番号】特開2009−96984(P2009−96984A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154084(P2008−154084)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】