説明

紫外線照射装置

【課題】紫外線透過窓やその周辺部材の熱劣化を抑制し、その部品の交換頻度を低減できる、メンテナンス性の高い紫外線照射装置を提供する。
【解決手段】実施形態の紫外線照射装置100は、内部に被処理水Bを満たすことが可能な処理槽1と、処理槽1に被処理水Bを供給する流入手段15と、
処理槽1から被処理水Bを排出する排出手段16と、紫外線透過窓31を有し、処理槽1の上部を覆う蓋部21と、紫外線透過窓31を介して、処理槽1内に紫外線を照射する紫外線照射ユニット4と、処理槽1に被処理水Bが貯水された際に、紫外線透過窓31と被処理水Bとの間に発生する気体層Cを抜き、紫外線透過窓31と被処理水Bを接液させる気体抜き手段5と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、紫外線光源を用いて地下水、水道水、下水、海水、養殖用水、または、再生水等の流体の殺菌、不活化、または、有機物分解等の光処理を行う紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線照射装置の一例として、紫外線照射ユニットを使用して、処理槽内の被処理水に紫外線を照射し、被処理水を光処理する装置がある。紫外線処理装置の光処理能力を高めるため、高出力の紫外線照射ユニットを処理槽の外部に配置し、紫外線透過窓を介して光処理する外照方式がある。しかし、この方式では、紫外線照射ユニットの紫外線光源や点灯回路からの熱により、紫外線透過窓やその周辺部材が温度上昇し、熱劣化する。そのため、熱劣化した部品の交換を要するため、装置のメンテナンス性が低下する課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−45808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、紫外線透過窓やその周辺部材の熱劣化を抑制し、その部品の交換頻度を低減できる、メンテナンス性の高い紫外線照射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するために、実施形態の紫外線照射装置は、内部に被処理水を満たすことが可能な処理槽と、前記処理槽に前記被処理水を供給する流入手段と、前記処理槽から前記被処理水を排出する排出手段と、紫外線透過窓を有し、前記処理槽の上部を覆う蓋部と、前記紫外線透過窓を介して、前記処理槽内に紫外線を照射する紫外線照射ユニットと、前記処理槽に被処理水が貯水された際に、前記紫外線透過窓と前記被処理水との間に発生する気体層を抜き、前記紫外線透過窓と前記被処理水を接液させる気体抜き手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】紫外線照射装置に関する第1の実施形態について説明するための分解斜視図である。
【図2】図1の組み立て状態を説明するための断面図である。
【図3】図2の紫外線照射装置の動作、及び、被処理水の位置関係を説明するための断面図である。
【図4】紫外線照射装置に関する第2の実施形態について説明するための断面図である。
【図5】紫外線照射装置に関する第3の実施形態について説明するための断面図である。
【図6】紫外線照射装置に関する第4の実施形態について説明するための断面図である。
【図7】紫外線照射装置に関する第5の実施形態について説明するための断面図である。
【図8】紫外線照射装置に関する第6の実施形態について説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明を実施するための実施形態について説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の紫外線照射装置を、図面を参照して説明する。図1は分解斜視図で、図2は図1の組み立て状態の断面図である。
【0009】
図1および図2において、100は、例えば、地下水、水道水、下水、海水、養殖用水、または、再生水等の被処理水に、紫外線を照射することで、流体の殺菌、不活化、または、有機物分解等の光処理を行う紫外線照射装置である。
【0010】
処理槽1は、例えば、ステンレス等の耐腐食性の金属で形成された本体部11と、本体部11の下部の開口面11aを気密に塞ぐ底部12とから構成され、内部には被処理水を充填する内部空間14が形成されている。処理槽1の大きさは、例えば、外径が150mmから400mm、内径が140mmから390mm、高さが150mmから700mmである。本体部11と底部12との接合は、水漏れしないように、例えば、溶接により直接接合するか、予め一体的に成型するか、または、パッキンを介在させてネジ等により固定する方法を採る。
【0011】
処理槽の底部12の一部に貫通孔が設けられ、処理槽1内に被処理水を流入するための流入手段15が接続されている。また、処理槽1の本体部11の上部の一部に貫通孔が設けられ、被処理水を外部に排出するための排出手段16が接続されている。流入手段15及び排出手段16は、例えば、ステンレス、鉄、または銅等の金属管、ポリ塩化ビニルやポリエチレン等のプラスチック管、または、金属とプラスチックから成る複合管等を使用する。
【0012】
処理槽1の上部の開口面11bには、例えば、ステンレス製の蓋部21が接合されている。本体部11と蓋部21との接合は、水漏れしないように、例えば、溶接により直接接合するか、予め一体的に成型するか、または、パッキンを介在させてネジ等により固定する方法を採る。
【0013】
蓋部21には、例えば、中央部に、外部から紫外線を処理槽1の内部空間14に導くための開口部22が設けられる。開口部22には、例えば、処理槽1の外部からのゴミ等による被処理水の汚染防止を目的として、紫外線透過窓31が設けられる。紫外線透過窓31は、例えば、光処理を行うための紫外線波長の透過率が高い石英ガラスやソーダガラス等の紫外線透過部材が使用され、開口部22の周囲で、例えば、パッキン等を介して、水漏れしないように気密に固定される。
【0014】
紫外線透過窓31を介して、処理槽1の外部には、処理槽1内の内部空間14に紫外線を照射するための紫外線照射ユニット4が配置される。
【0015】
紫外線照射ユニット4は、例えば、ステンレスやアルミ等の金属製の筐体41内に、リフレクタ42と、リフレクタ42によって形成された空間内に配置された紫外線光源43と、紫外線光源43からの紫外線およびリフレクタ42で反射された紫外線を筐体41の外部に取り出すための照射部44と、紫外線光源43を点灯するための点灯回路45とを、収納した構成である。
【0016】
紫外線光源43は、例えば、石英ガラスからなる紫外線透過性の円筒形状のバルブで、バルブの発光空間内には、例えば、不活性ガスとそれに水銀と鉄を主成分とする放電媒体が封入される。ランプの外径φは15±1mm程度、長さLは240mm程度である。このときの点灯回路45は、例えば、周波数2.45GHzのマイクロ波を照射するマグネトロンを使用し、マイクロ波を紫外線光源43に導くことにより、バルブ内に封入された放電媒体が放電し、波長180〜400nmの紫外線を発生させる構成である。これに伴い、リフレクタ42は、紫外線を反射し、マイクロ波を通過するよう、例えば、表面に反射膜を形成したガラスで構成されている。
【0017】
照射部44には、例えば、紫外線光源43からの光を拡散または集光させる光学機能や、紫外線光源43や点灯回路45から発生するノイズを遮断する機能を持たせることが出来る。また、装置構成を簡略化するため、前記の部材の設置を省略し、筐体41に開口部を設けた構成にすることも可能である。
【0018】
蓋部21の一部には、貫通孔23が設けられており、蓋部21の上方に突出するように、円筒管51が接続されている。円筒管51は、例えば、金属製の筒で、その一端を気密に封止することにより、内部に空間部52を有する。この空間部52は、紫外線透過窓31の最下部Aに対して上方に位置する構成であり、紫外線透過窓31下部に介在する気体層の気体抜き手段5として作用する。
【0019】
紫外線照射装置100の動作、及び、被処理水の位置関係について図3を用いて説明する。
【0020】
処理槽1内への被処理水の導入は、ポンプ(図示無)を用いて被処理水を揚水し、流入手段15に送水することにより行われ、処理槽1内の被処理水Bの水位は、図3(a)、図3(b)に示すように、上昇する。
【0021】
被処理水Bの水位が、図3(c)に示すように、排出手段16の排出位置に達すると、被処理水Bの一部が排出手段16から外部に排出されるが、紫外線透過窓31と被処理水Bの間に気体層Cとして、例えば、空間中の空気が介在する状態となる。この介在する気体層Cは、経路Dを経て、紫外線透過窓31の最下部Aより上方に位置する気体抜き手段5の空間部52に移動させることが可能である。ここで、経路D上には、気体層Cが紫外線透過窓31の下部で滞留させるような障害部、例えば、段差等が無い構成で、容易に気体層Cが移動できる流路が確保されている。
【0022】
排出手段16の内径部における最も上部の位置Eに対して、上方にある処理槽1の内部空間14と円筒管51内の空間部52との体積の総計をV1、紫外線透過窓31の最下部Aに対して上方にある空間部52の体積をV2とした場合に、被処理水Bの水圧PをV1/V2[気圧]以上に調整することで、図3(d)に示すように、理論上全ての気体層Cを空間部52内に収納させることができる。ここで、水圧Pは、処理槽1内の気密度や水温、また、排出手段16から一部排出される気体層Cの割合等で補正した値を使用することも出来る。被処理水の水圧Pは、例えば、ポンプの揚水圧、流入手段15からの給水速度、排出手段16からの排出速度等により調整することができる。気体層Cを、気体抜き手段5の空間部52に収納させることにより、紫外線透過窓31と被処理水Bを接液させることができる。この状態で、紫外線照射ユニット4からの紫外線が被処理水Bに照射され、被処理水Bの光処理が行われる。
【0023】
本実施形態では、紫外線透過窓31下部に介在する気体層Cを上方に抜くための気体抜き手段5の空間部52を、紫外線透過窓31の最下部Aより上方に設けたことにより、紫外線透過窓31下部の気体層Cを減少させ、紫外線透過窓31と被処理水Bを接液状態にできる。
【0024】
紫外線照射ユニット4の消費電力は、例えば、1000Wから7000Wであり、高負荷のため、紫外線光源43と点灯回路45は発熱し、高温となる。紫外線光源43や点灯回路45からの発熱が伝熱され温度上昇する紫外線透過窓31を、被処理水Bで水冷却できるので、紫外線透過窓31の温度上昇を抑制し、熱歪による割れ・変形を低減できる。また、紫外線透過窓31の周辺部材、例えば、紫外線透過窓31と蓋部21の接合用のパッキンや、蓋部21と処理槽1の本体11との接合用パッキン等の、熱劣化や変形を抑制することも出来る。その結果、紫外線照射装置100の熱劣化に伴う部品の交換頻度を低減でき、装置のメンテナンス性を高めることが可能である。
(第2の実施形態)
図4は、紫外線照射装置に関する第2の実施形態について説明するためのものである。この第2の実施形態の各部について、第1の実施形態の紫外線照射装置の各部と同一部分は同一符号で示す。
【0025】
この実施形態では、蓋部21自身に、上方に突出する突出部21aを一体的に形成し、この突出部21a内の空間部52a、52bが気体抜き手段5として作用する構成である。
【0026】
空間部52a、52bは、紫外線透過窓31の最下部Aより上方に位置している。処理槽1内に被処理水Bを充填した際に、第1の実施形態と同様に、被処理水の水圧Pや、空間部52a、52bの体積、排出手段16の位置等の調整を行い、紫外線透過窓31と被処理水Bの間の気体層Cを上方に抜き、気体層Cを空間部52a、52bに収容させ、紫外線透過窓31と被処理水Bを接液させる。
【0027】
上述した第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、紫外線透過窓31とその周辺部材の熱劣化を抑制することが出来、熱劣化に伴う部品の交換頻度を低減でき、装置のメンテナンス性を高めることが可能である。
(第3の実施形態)
図5は、紫外線照射装置に関する第3の実施形態について説明するためのものである。
【0028】
この実施形態では、蓋部21自身に、被処理水B側に突出に突出する突出部21bを一体的に形成し、その先端部に平面形状の紫外線透過窓31を気密に接続した構成である。この蓋部21の突出部21b、蓋部21の上面、及び、処理槽1の本体部11との間には空間部52a、52bが形成される。空間部52a、52bは、紫外線透過窓31の最下部Aより上方に位置しており、これが気体抜き手段5として作用する。処理槽1内に被処理水Bを充填した際に、第1の実施形態と同様に、被処理水の水圧Pや、空間部52a、52bの体積、排出手段16の位置等の調整を行い、紫外線透過窓31と被処理水Bの間の気体層Cを上方に抜き、気体層Cを空間部52a、52bに収容させ、紫外線透過窓31と被処理水Bを接液させる。
【0029】
上述した第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、紫外線透過窓31とその周辺部材の熱劣化を抑制することが出来、熱劣化に伴う部品の交換頻度を低減でき、装置のメンテナンス性を高めることが可能である。
(第4の実施形態)
図6は、紫外線照射装置に関する第4の実施形態について説明するためのものである。
【0030】
この実施形態では、蓋部21が、第1の実施形態と同様に平坦形状であるが、紫外線透過窓31が、被処理水B側に突出した形状である。紫外線透過窓31は、例えば、ガラスを型等で熱成型した加工ガラスで、半楕円形状や、半球形状、凸レンズ形状等のものが使用される。紫外線透過窓31の最下部Aより上方に位置する紫外線透過窓31、蓋部21、及び、処理槽1との本体11との間に空間部52a、52bが形成される。空間部52a、52bは、紫外線透過窓31の最下部Aより上方に位置しており、これが気体抜き手段5として作用する。処理槽1内に被処理水Bを充填した際に、第1の実施形態と同様に、被処理水の水圧Pや、空間部52a、52bの体積、排出手段16の位置等の調整を行い、紫外線透過窓31と被処理水Bの間の気体層Cを上方に抜き、気体層Cを空間部52a、52bに収容させ、紫外線透過窓31と被処理水Bを接液させる。
【0031】
上述した第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、紫外線透過窓31とその周辺部材の熱劣化を抑制することが出来、熱劣化に伴う部品の交換頻度を低減でき、装置のメンテナンス性を高めることが可能である。また、紫外線透過窓31を被処理水B側に突出させた湾曲形状としたことにより、紫外線照射ユニット2からの紫外線を拡散することができ、処理槽1内での紫外線照射エリアを増やし、被処理水の光処理効果を高めることができる。
(第5の実施形態)
図7は、紫外線照射装置に関する第5の実施形態について説明するためのものである。
【0032】
この実施形態では、空間部52a、52bの構成は図2の第1の実施形態と類似しているが、円筒管51の上部に、空間部52a、52からの気体を外部に逃がす貫通孔53が設けられており、これらが気体抜き手段5として作用する。
【0033】
第1の実施形態では、空間部52a、52bが閉空間のため、空間部52a、52b内に気体層Cを収納させるための被処理水の水圧Pを高める必要があったが、第5の実施形態では、貫通孔53により、空間部52a、52b内の気体層Cが外部に逃げるため、被処理水の水圧Pを低減できる。そのため、揚水圧力の低いポンプの使用が可能となる。
【0034】
また、貫通孔53から被処理水が外部へ漏れることを防止するため、貫通孔53に気体の気圧の調整機構(図示無)を設ける構成を追加しても良い。
【0035】
上述した第5の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、紫外線透過窓31とその周辺部材の熱劣化を抑制することが出来、熱劣化に伴う部品の交換頻度を低減でき、装置のメンテナンス性を高めることが可能である。
(第6の実施形態)
図8は、紫外線照射装置に関する第6の実施形態について説明するためのものである。
【0036】
この実施形態の気体抜き手段5は、処理槽1内の被処理水Bを排出するための排出手段と兼用される構造である。気体抜き手段5の排出位置は、例えば、紫外線透過窓31の最下部Aと同等の水平位置で、蓋部21に配置される。また、気体抜き手段5の排出位置は、流入手段15の入水位置に対して、処理槽1の内部空間14の上下斜め方向に対向するよう配置され、紫外線透過窓31の下部を水流が横断するような位置関係である。
【0037】
気体抜き手段5の排出位置は、例えば、図4、図5または図6に示す実施形態においては、紫外線透過窓31の最下部Aより上方の位置に設ける構成でも良い。
【0038】
被処理水Bを充填した際に、気体層Cは、気体抜き手段5から被処理水Bと共に排出され、紫外線透過窓31と被処理水Bは接液した状態となる。また、紫外線透過窓31の下部を横断する水流により、紫外線透過窓31の下部に生じる気体層Cを押し流し、気体抜き手段5側に効率よく排出することができる。
【0039】
上述した第6の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、紫外線透過窓31とその周辺部材の熱劣化を抑制することが出来、熱劣化に伴う部品の交換頻度を低減でき、装置のメンテナンス性を高めることが可能である。
【0040】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0041】
例えば、処理槽1の形状は、楕円形や方形形状等の任意の形状とすることができる。また、底部12の形状も、半球形状等の曲線形状等、任意の形状とすることができる。
【0042】
流入手段15の個数や形状は、処理槽1の大きさや形状、被処理水の深さに応じて調整をすることができる。流入手段15の設置個所は、図示した処理槽1の底部12以外に、処理槽1の本体部11にも設置することができる。また、流入手段15と排出手段16の水量を微調整するための水量計や水量調整機、または、被処理水の水圧を管理する圧力センサーを設けることができる。また、被処理水の濁度を検出する濁度センサーを設けることができる。
【0043】
紫外線光源43は、被処理水Bに対して光処理を行うのに適切な波長域の紫外線を発光させることができる光源であればよいので、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、中圧ランプ、高圧ランプ、HIDランプ、UV−LED、または、レーザーダイオード等に置き換えが可能である。
【0044】
点灯回路45は、夫々の光源に適した構成とすることができ、また、点灯回路45の全部または一部を紫外線照射ユニット4の筐体41の外部に配置することも可能である。
【0045】
紫外線照射ユニット4の筐体41は、例えば、筐体41の一部に空気を筐体41内に導入及び排出するための開口部を設けて、排気用または吸気用のブロアにより筐体41内に空気を循環させて、紫外線光源43や点灯回路45を空冷させる構成も可能である。
【0046】
紫外線透過窓31の被処理水B側には、被処理水に含まれる不純物成分(鉄、マンガン、カルシウム、マグネシウム等)、油分、浮遊物質等が付着するため、これらを除去するワイパーや超音波洗浄機などの清掃機構を設けても良い。
【0047】
気体抜き手段5で抜く気体は、空間中の空気以外に、被処理水に溶融していた気体が空間に放出されたもの、例えば、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、酸素、窒素、空気、希ガス、その他不純ガス等が含まれた構成でも良い。
【0048】
気体抜き手段5は、複数設けることができる。
【0049】
紫外線透過窓31と気体抜き手段5を結ぶ経路Dは、平坦な形状を示したが、気体抜き手段5が上方向となるように傾斜部を設けて、気体層Cの流れを促進させることも可能である。また、紫外線透過窓31の一部に傾斜部を持たせて、気体層Cを上部に抜きやすくする構成も可能である。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1 処理槽
15 流入手段
16 排出手段
21 蓋部
31 紫外線透過窓
4 紫外線照射ユニット
5 気体抜き手段
51 円筒体
52 空間部
A 紫外線透過窓の最下部
B 被処理水
C 気体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に被処理水を満たすことが可能な処理槽と、
前記処理槽に前記被処理水を供給する流入手段と、
前記処理槽から前記被処理水を排出する排出手段と、
紫外線透過窓を有し、前記処理槽の上部を覆う蓋部と、
前記紫外線透過窓を介して、前記処理槽内に紫外線を照射する紫外線照射ユニットと、
前記処理槽に被処理水が貯水された際に、前記紫外線透過窓と前記被処理水との間に発生する気体層を抜き、前記紫外線透過窓と前記被処理水を接液させる気体抜き手段と、
を備える紫外線照射装置。
【請求項2】
前記気体抜き手段は、前記紫外線透過窓の最下部より上方に位置し、前記蓋部に形成された空間部である請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記気体抜き手段は、更に、前記空間部からの気体を外部に逃がす貫通孔を設けた請求項2に記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記気体抜き手段は、前記紫外線透過窓の最下部に対して同等の水平位置、または、上方の位置で排出する前記排出手段である請求項1に記載の紫外線照射装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate