説明

紫外線透過キセノン放電管及びこの紫外線透過キセノン放電管を用いた照明装置

【課題】本発明は、紫外線を発生することができる紫外線源としての安価、かつ耐久性に優れた紫外線透過キセノン放電管を得る。
【解決手段】本発明の紫外線透過キセノン放電管1は、外囲器2の両端に、外囲器内部にキセノンガス5を封入した状態でビードガラス3を介して放電電極A,Kを構成する電極ピン4を気密封着してなるキセノン放電管であって、外囲器として熱膨張係数が3〜3.3(10−6−1)のホウケイ酸ガラスを用い、電極ピン4として熱膨張係数4.4(10−6−1)のタングステンを用い、ビードガラスとして熱膨張係数が外囲器の熱膨張係数とタングステンの熱膨張係数の間となる3.8〜4.1(10−6−1)のホウケイ酸ガラスを用いて構成される。また、ビードガラスの熱膨張係数は、外囲器との間の熱膨張係数の差が金属電極との間の熱膨張系数の差より大きくなるように設定されることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、両端に放電電極が気密封着された外囲器内にキセノンガスを封入し、この封入キセノンガスを閃光発光させることにより発生する紫外線を外部に射出できる紫外線透過キセノン放電管および前記紫外線透過キセノン放電管を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線は、多種多様な分野・業界で利用され、例えば紫外線硬化樹脂と組合された印刷分野や各種の殺菌・除菌分野、あるいは治療分野等で利用されていることは周知である。
また、紫外線を発生する紫外線源についても同様に周知であり、紫外線を連続して出力できる水銀ランプや蛍光灯、あるいは閃光発光動作により少ない消費エネルギーで瞬間的に強力な紫外線を出力できる紫外線透過キセノン放電管などが一般的である。
ところで上記の水銀ランプや紫外線透過キセノン放電管の構成についてみてみると、連続、瞬間の違いはあるもののいわゆる放電発光により発生する紫外線をランプや放電管の外部に導出する必要があり、このため放電発光の空間を形成するランプや放電管の器となる外囲器としては紫外線透過機能に優れた石英ガラスが採用されている。
この石英ガラスは、周知のように主に二酸化ケイ素から形成されるガラスであり、上記のように紫外線透過機能に優れている他、熱膨張係数が極めて小さく高耐熱衝撃性を有している。
【0003】
また、外囲器である石英ガラスの両端に気密封着される放電電極は、例えば紫外線透過キセノン放電管の場合、電極ピンと焼結電極とからなるカソード電極と電極ピン自体にて形成されるアノード電極とから構成され、さらに気密封着作業が通常は加熱工程にて実現されることから、電極ピンとしては石英ガラスの融点約2000℃より十分に高い融点約3200℃を有するタングステンが採用されている。
【0004】
しかしながら、上記石英ガラスとタングステンの熱膨張係数を見てみると、石英ガラスのそれは約0.55(10−6−1)、タングステンのそれは4.4〜4.5(10−6−1)と著しく異なり、両者を、石英ガラスを加熱溶融することにより直接溶着しようとすると先の熱膨張係数の差により石英ガラスに大きな歪が発生し、クラックが生じてしまうことが知られており、このため例えば石英ガラス管の軸方向もしくは径方向に熱膨張係数が順次変化するように複数の熱膨張係数の異なるガラスを配置して構成される中間ガラス体を予め準備し、この中間ガラス体を介して石英ガラスとタングステンを間接的に気密封着する方法などが採用されている。
具体例を述べると、石英ガラスとの熱膨張係数の差が1(10−6−1)未満に制御された第1のガラス材料と、タングステンからなる電極ピンとの熱膨張係数の差が1(10−6−1)未満に制御された第2のガラス材料との間に、さらにこの第1、第2のガラス材料の夫々との熱膨張係数差が1(10−6−1)未満に制御された第3のガラス材料を設けて中間ガラス体を形成し、石英ガラス及び電極ピンを、この中間ガラス体を形成する第1、第2のガラス材料の夫々と加熱溶着することにより石英ガラスと電極ピンの両者の気密封着を間接的に実現している。(例えば、特開2010−232126号公報)
さらに、例えば特開2011−49094号公報に開示されているような電極ピンの一部と溶接した金属箔を、その溶接部を含んで石英ガラスにて直接圧着するピンチシール方法も周知である。
【0005】
一方で、紫外線透過率の高い、かつタングステンに近い熱膨張係数を備えたガラスも例えば特開2011−32162号公報に提案されている。
特開2011−32162号公報には、低減されたホウ素含有量を有し、熱膨張係数が特に好ましくは3.8〜4.5(10−6−1)の範囲にある紫外線透過ランプへの使用が特に好ましい高紫外線透過性ホウケイ酸ガラスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−232126号公報
【特許文献2】特開2011−49094号公報
【特許文献3】特開2011−32162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、紫外線透過キセノン放電管を得る場合、通常は、放電発光の空間を形成するランプや放電管の器となる外囲器には紫外線透過機能に優れた石英ガラスが採用されることから、放電電極との気密封着を実現するために中間ガラス体もしくは金属箔等を用いる複雑な工程を必要とし、紫外線透過キセノン放電管のコストアップを招いていた。
【0008】
また、紫外線透過率の高い、かつ放電電極の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有するガラスを用いる場合、石英ガラス採用時のような気密封着のための工程の複雑化は防止できることになるが、熱膨張係数を放電電極のそれに近似させるために石英ガラスのそれに比して大きくなるようにガラス組成が設計されることから、石英ガラスの他の大きな特徴である高耐熱衝撃性についてはどうしても劣ってしまい、結果として石英ガラス採用時に比して紫外線透過キセノン放電管としての耐久性低下を招いていた。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑み、外囲器と放電電極との気密封着に複雑な加工工程を必要としない安価な、かつ放電管としての耐久性にも優れた紫外線透過キセノン放電管を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記した耐久性にも優れた紫外線透過キセノン放電管を光源として用いることにより、上記放電管の特性を装置に導入して耐久性を向上させた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の紫外線透過キセノン放電管は、外囲器の両端に外囲器内部にキセノンガスを封入した状態でビードを介して放電電極を気密封着してなる紫外線透過キセノン放電管であって、外囲器として、タングステンの熱膨張係数に近似している3.8〜4.1(10−6−1)の熱膨張係数を有するホウケイ酸ガラスであるタングステンガラスの上記熱膨張係数に比して小さい3.0〜3.3(10−6−1)の熱膨張係数を有し、高い紫外線透過機能並びに高耐熱衝撃性を備えたホウケイ酸ガラスを用い、放電電極を構成する電極ピンとして、熱膨張係数が4.4〜4.5(10−6−1)のタングステンを用い、ビードとして、熱膨張係数が外囲器の熱膨張係数とタングステンの熱膨張係数の間となる3.8〜4.1(10−6−1)のホウケイ酸ガラスである上記タングステンガラスを用いて構成したことを特徴としている。
【0011】
かかる構成によれば、電極ピンであるタングステンの熱膨張係数に対してビードの熱膨張係数が近似していることから、ビードはバーナー、カーボンヒータ等の周知の加熱源を用いる加工方法にてタングステンに直接加熱溶着することができる。
【0012】
さらに、ビードの熱膨張係数が外囲器となるホウケイ酸ガラスの比較的小さい熱膨張係数に近似していることから、ビードと外囲器との加熱溶着もカーボンヒータ等の周知の加熱源を用いた通常の気密封着工法にて外囲器に大きな歪を生じることなく直接加熱溶着できることになる。
この結果、夫々の熱膨張係数の差が1.0(10−6−1)以上有り、直接の加熱溶着では大きな歪発生によるクラック発生が懸念される外囲器(熱膨張係数が比較的小さく高耐熱衝撃性を有するホウケイ酸ガラス)と電極ピンであるタングステンの両者を、一種類のビードを介して気密封着できることになる。
【0013】
また、請求項2記載の発明において、ビードの熱膨張係数は、外囲器との間の熱膨張係数の差が電極ピンとの間の熱膨張系の数の差より大きくなるように設定されている。
【0014】
かかる構成によれば、気密封着工程の条件を、電極ピンであるタングステンの熱膨張係数に合せたいわゆるタングステンガラスを外囲器及びビードに採用している通常のキセノン放電管製造工程における加熱条件に極めて近似した条件に設定することができる。
また、請求項3記載の発明において、請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載の紫外線透過キセノン放電管を照明用光源とし、さらにこの紫外線透過キセノン放電管と被写体との間に配置され400nm以下の短波長領域の光を遮断する光学部材を備え、先の被写体を必ず光学部材を介した光にて照明することを特徴とする照明装置が構成される。
【0015】
かかる構成によれば、熱膨張係数が比較的小さく高耐熱衝撃性を有する紫外線透過キセノン放電管における外囲器の性能を、被写体を照明する照明装置としての耐久性の向上に適用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の紫外線透過キセノン放電管によれば、一種類のビードを介して放電電極を構成するタングステンである電極ピンと、比較的小さい熱膨張係数を有し高耐熱衝撃性を有するホウケイ酸ガラスである外囲器とを直接加熱溶着できる。すなわち、中間ガラス体や金属箔を用いる複雑な工程を実施しなくても良いことから、安価、かつ高耐熱衝撃性を備えた紫外線透過キセノン放電管を得ることができる。
また、本発明の照射装置によれば、耐久性に優れた照射装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る紫外線透過キセノン放電管の一実施形態を示す概略正面図
【図2】同実施形態に係る紫外線透過キセノン放電管の製造工程例を示す概略図
【図3】本発明に係る紫外線透過キセノン放電管を用いた照明装置の一実施形態を示す概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る紫外線透過キセノン放電管について、図面を参酌しつつ説明する。
図1は、本発明に係る紫外線透過キセノン放電管の一実施形態を示す概略正面図であり、図示のように、紫外線透過キセノン放電管1は、外囲器2の両端に、この外囲器2の内部にキセノンガス5を封入した状態でビード3を介して放電電極A(アノード電極)並びにC(カソード電極)の一部を構成する電極ピン4、4を気密封着して構成されている。
本発明に係る紫外線透過キセノン放電管の外囲器2は、紫外線透過率が高く、かつ熱膨張係数が先に述べたタングステンガラスの熱膨張係数に比して小さい3〜3.3(10−6−1)のホウケイ酸ガラスにて構成している。(例えば、SCHOTT社Glass8347等)
放電電極Aはアノード電極を示し、図示のようにビード3が溶着される電極ピン4とこの電極ピン4に溶接された接続ピン7で構成されており、さらにこの電極ピン4は熱膨張係数が4.4〜4.5(10−6−1)であり融点が極めて高いタングステンから構成している。なお、接続ピン7としては例えばニッケルであるニッケル系金属を採用している。
放電電極Cはカソード電極を示し、図示のようにビード3が溶着される電極ピン4とこの電極ピン4にカシメ等の工法にて取付けられた焼結電極6と電極ピン4に溶接された接続ピン7とで構成している。なお、この電極ピン4並びに接続ピン7も、夫々タングステン、ニッケル系金属にて構成している。
本発明に係る紫外線透過キセノン放電管のビード3は、熱膨張係数が外囲器2の熱膨張係数と電極ピン4(タングステン)の熱膨張係数の間となる3.8〜4.1(10−6−1)のホウケイ酸ガラスを用いて構成している。(例えば、日本電気硝子社キセノンランプ用ガラス管BX−38、SCHOTT社Glass8487、等)
なお、この時、ビード3の熱膨張係数は、外囲器2との間の熱膨張係数の差が電極ピン4との間の熱膨張係数の差より大きくなるように設定されることが、加熱加工条件を、タングステンガラスを用いている通常のキセノン放電管の製造条件に比して大きく変更することなく設定できることになり、好ましい。
【0019】
次に、本発明の第1実施形態に係る紫外線透過キセノン放電管を製造する工程例について、図2(a)〜(f)を参酌しつつ説明する。
【0020】
図2(a)、(b)はアノード電極である放電電極Aの、また図2(c)、(d)はカソード電極である放電電極Cの製造工程例を示す概略図である。
放電電極A及びC共に、接続ピン7が溶接された電極ピン4である熱膨張係数が4.4〜4.5(10−6−1)であるタングステンに、中空円筒形状を呈し熱膨張係数が3.8〜4.1(10−6−1)のホウケイ酸ガラスからなるビード3を、図2(a)、図2(c)中に矢印で示した方向に移動させて破線で示したように挿通させ、その後、例えば図2(b)、図2(d)に示したようにビード加熱用の第1バーナー8にて加熱することにより電極ピン4に直接加熱溶着している。
この時、電極ピン4とビード3の夫々の熱膨張係数の差を小さく、具体的には両者の熱膨張係数差が1(10−6−1)以下になるように設定していることから、上記直接の加熱溶着による不都合の発生を防止できることになる。
放電電極Cは、図2(d)に示したようにさらに焼結電極6を電極ピン4にカシメ工程を経て取付けている。
【0021】
次に、図2(e)に示したように、上記のようにして構成された放電電極Aのビード3を、外囲器2である膨張係数が3〜3.3(10−6−1)のホウケイ酸ガラスの端部2aに挿入し、その状態で例えば外囲器加熱用の第2バーナー9にて外囲器2の端部2aを加熱して外囲器2の端部2aとビード3とを溶融することにより両者2,3を加熱溶着する。この時、ビード3の熱膨張係数は先にも述べたように3.8〜4.1(10−6−1)であることから、外囲器2の熱膨張係数との差が小さく、結果、外囲器2の一端2aに放電電極Aを直接封着できることになる。
【0022】
次に、図2(f)に示したように、放電電極Aが封着された端部2aとは反対側の外囲器2の他方の端部2bに放電電極Cのビード3を挿入する。
その状態で外囲器2の内部に所望量のキセノンガス5を充填しつつ例えば封着バーナー10にて外囲器2の端部2bを加熱して外囲器2の端部2bとビード3とを溶融することにより両者2,3を加熱溶着する。これにより、上記した放電電極Aの場合と同様に外囲器2の一端2bに放電電極Cが封着され、以降、図示はしないが接続ピン7の長さを所望長さにカットする工程や同接続ピン7に予備半田を施す工程等を経て図1に示した本発明に係る紫外線透過キセノン放電管1が完成することになる。
なお、上記した放電電極Cの外囲器2の内部にキセノンガス5を封入しつつの気密封着工程の他例としては、封着バーナー10に代えて例えばカーボンヒータを用い、具体的には封着バーナー10を除く図2(f)に示した放電電極Aが封着された外囲器2と放電電極C及びカーボンヒータとを、内部を真空にできると共に所定圧力のキセノンガスを充填できる作業空間を備えた真空容器内に配置し、この真空容器内にてキセノンガスの充填並びにカーボンヒータによる放電電極Cのビード3と外囲器2の一端2bとの溶着を行う工法を採用することもできる。
【0023】
次に、本発明の実施形態に係る照明装置11について説明する。
【0024】
図3は本発明に係る紫外線透過キセノン放電管1を用いた照明装置11の一実施形態であるストロボ装置を示す概略構成図である。なお、ストロボ装置は、写真撮影の際に被写体を照明するための人工光源として有用されている照明装置である。
【0025】
図示したように、本発明による照明装置11の一実施形態であるストロボ装置は、本体12内に、照明用の光源となる本発明に係る紫外線透過キセノン放電管1、この紫外線透過キセノン放電管1が発光により射出する光を被写体17方向に向けて導く反射傘13、紫外線透過キセノン放電管1と被写体17との間に配置され短波長領域の光、例えば400nm以下の波長の光を遮断する光学部材14、光学部材14を介して入射する光の射出方向、射出角度等を制御する光学制御手段15、紫外線透過キセノン放電管1の発光動作を制御する発光制御手段16等を備えて構成されている。
【0026】
このため、発光制御手段16により紫外線透過キセノン放電管1が発光動作を行った場合、紫外線透過キセノン放電管1が射出する発光光は、直接及び反射傘13によって反射されて光学部材14に到達して短波長領域が遮断された光(例えば400nm以下の波長の光を含まない光)に制御され、さらに光学制御手段15によって照射角度等が制御された後に被写体17に照射されることになる。すなわち、被写体17は必ず光学部材14を介することにより、短波長領域の光が遮断された光にて照明されることになる。
【0027】
この時、本発明に係る紫外線透過キセノン放電管1は、先にも述べたように外囲器2としてその熱膨張係数が3〜3.3(10−6−1)であり、熱膨張係数が3.8〜4.1(10−6−1)のタングステンガラスより小さいホウケイ酸ガラスを使用しており、したがって外囲器2は上記タングステンガラスに比して高耐熱衝撃性を有している。
この結果、被写体を照明する照明装置11としての耐久性が、紫外線透過キセノン放電管1の外囲器2における上記高耐熱衝撃性を有する特徴により向上することになる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明に係る紫外線透過キセノン放電管は、一種類のビードを介して放電電極を構成するタングステンである電極ピンと、比較的小さい熱膨張係数を有し高耐熱衝撃性を有するホウケイ酸ガラスである外囲器とを直接加熱溶着することから、中間ガラス体や金属箔を用いる複雑な工程を実施する必要は無く、このため、安価、かつ高耐熱衝撃性を備えた紫外線透過キセノン放電管を得ることができる。
また、本発明の照射装置は、上記紫外線透過キセノン放電管と被写体との間に短波長領域の光を遮断する光学部材を配置して被写体が必ず光学部材を介した光により照明されるように構成して上記紫外線透過キセノン放電管を照明装置の光源として使用できるようにしたことから、耐久性に優れた照明装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 紫外線透過キセノン放電管
2 外囲器
3 ビード
4 電極ピン
5 キセノンガス
6 焼結電極
7 接続ピン
8 第1バーナー
9 第2バーナー
10 封着バーナー
11 照明装置
12 本体
13 反射傘
14 光学部材
15 光学制御手段
16 発光制御手段
17 被写体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の外囲器の両端に、その内部にキセノンガスを封入した状態でビードを介して放電電極を構成する電極ピンを気密封着してなる紫外線透過キセノン放電管であって、外囲器として熱膨張係数が3〜3.3(10−6−1)のホウケイ酸ガラスを用い、電極ピンとして熱膨張係数が4.4〜4.5(10−6−1)のタングステンを用い、ビードとして熱膨張係数が外囲器の熱膨張係数とタングステンの熱膨張係数の間となる3.8〜4.1(10−6−1)のホウケイ酸ガラスを用いて構成したことを特徴とする紫外線透過キセノン放電管。
【請求項2】
ビードの熱膨張係数は、外囲器との間の熱膨張係数の差が電極ピンとの間の熱膨張係数の差より大きくなるように設定される請求項1に記載の紫外線透過キセノン放電管。
【請求項3】
請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載の紫外線透過キセノン放電管から発生・射出される光を被写体に照射する照射装置であって、紫外線透過キセノン放電管と被写体との間に配置されて短波長領域の光を遮断する光学部材を備え、必ず光学部材を介した短波長領域の光が遮断された光にて被写体を照明することを特徴とする照明装置。
【請求項4】
短波長領域の光は、400nm以下の波長を有する光である請求項3に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−62115(P2013−62115A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199305(P2011−199305)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】