説明

細孔内フィルムを備える医療デバイス

【課題】医療デバイスの可撓性および取り扱い特性に不利な影響を与えないポリマーフィルムを有する医療デバイスを提供すること。
【解決手段】複数の細孔を有する基材であって、該細孔のうちの少なくとも2つが、該細孔内に配置された細孔内フィルムを備え、該細孔内フィルムが互いに対して不連続である、基材、を備える、医療デバイス。ある実施形態において、前記基材が、複数のヤーンを備えるメッシュを備え、該ヤーンが該ヤーンの間に前記複数の細孔を規定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2011年1月14日に出願された米国仮特許出願番号61/432,870の利益および優先権を主張する。この米国仮特許出願の全内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、医療デバイスに関し、特に、ポリマーフィルムを組み込む医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
移植物、特に、ポリマーフィルムを有する移植物などの医療デバイスは、当該分野において記載されている。ポリマーフィルムは、例えば、移植物に強度を与えるため、治療剤を送達するため、または組織の内方成長を増強するために使用され得る。しかし、このポリマーフィルムは硬さを増大させ得、そしてその移植物の取り扱い特性を低下させ得る。さらに、このポリマーフィルムはしばしば、移植物の表面にわたって均一である。
【0004】
医療デバイスの可撓性および取り扱い特性に不利な影響を与えないポリマーフィルムを有する医療デバイスを提供することが有利である。種々の濃度および/または型の治療剤を、その医療デバイスの異なるセグメントから送達し得るポリマーフィルムを備える医療デバイスを提供することもまた、有利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
複数の細孔を有する基材であって、該細孔のうちの少なくとも2つが、該細孔内に配置された細孔内フィルムを備え、該細孔内フィルムが互いに対して不連続である、基材、
を備える、医療デバイス。
(項目2)
上記基材が、複数のヤーンを備えるメッシュを備え、該ヤーンが該ヤーンの間に上記複数の細孔を規定している、上記項目に記載の医療デバイス。
(項目3)
上記細孔内フィルムが複数のヤーンによって分離されている、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目4)
上記基材が、発泡体、アンカー、スリットシート、ステント、足場、外科用綿撒糸、および組織移植片からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目5)
上記細孔内フィルムが約100平方ミクロン〜約15平方ミリメートルの面積を有する、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目6)
上記細孔内フィルムの各々の面積が約1平方ミリメートル〜約10平方ミリメートルである、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目7)
上記細孔内フィルムの各々の面積が約3平方ミリメートル〜約5平方ミリメートルである、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目8)
上記細孔内フィルムが、吸収性ポリマーおよび非吸収性ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種のポリマーを含む、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目9)
上記細孔内フィルムが、多糖類、ポリラクトン、ビニルポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の生分解性ポリマーから形成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目10)
鎮痛剤、麻酔剤、抗生物質、抗菌剤、抗血液凝固剤、止血剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される治療剤をさらに含む、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目11)
上記複数の細孔のうちの約10%〜約100%が、該細孔内に配置された少なくとも1つの細孔内フィルムを備える、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目12)
基材を備える医療デバイスであって、該基材は、
第一の細孔内に配置された第一の細孔内フィルムを有する第一の細孔;および
第二の細孔内に配置された第二の細孔内フィルムを有する第二の細孔、
を備え、該第一の細孔内フィルムと該第二の細孔内フィルムとが互いに対して不連続である、医療デバイス。
(項目13)
鎮痛剤、麻酔剤、抗生物質、抗菌剤、抗血液凝固剤、止血剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の治療剤をさらに含む、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目14)
上記第一の細孔内フィルムおよび上記第二の細孔内フィルムが、上記少なくとも1種の治療剤を異なる濃度で含む、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目15)
上記第一の細孔内フィルムおよび上記第二の細孔内フィルムが、同じ材料または異なる材料を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目16)
医療デバイスを形成する方法であって、
第一のフィルム形成組成物を基材の第一の細孔内に堆積させる工程;
第二のフィルム形成組成物を該基材の第二の細孔内に堆積させる工程;
該第一のフィルム形成組成物を乾燥させて、該第一の細孔内に配置された第一の細孔内フィルムを形成する工程;および
該第二のフィルム形成組成物を乾燥させて、該第二の細孔内に配置された第二の細孔内フィルムを形成する工程、
を包含し、該第一の細孔内フィルムと該第二の細孔内フィルムとが互いに対して不連続である、方法。
(項目17)
上記第一のフィルム形成組成物を堆積させる工程および上記第二のフィルム形成組成物を堆積させる工程のうちのいずれかまたは両方が、溶媒キャスティング、成形、スプレーコーティング、浸漬コーティング、押出しおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、上記項目に記載の方法。
(項目18)
上記第一の細孔内フィルムおよび上記第二の細孔内フィルムが、約100平方ミクロン〜約15平方ミリメートルの面積を有する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目19)
上記第一の細孔内フィルムおよび上記第二の細孔内フィルムが、鎮痛剤、麻酔剤、抗生物質、抗菌剤、抗血液凝固剤、止血剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の治療剤を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目20)
上記第一の細孔内フィルムおよび上記第二の細孔内フィルムが、同じ材料または異なる材料を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0006】
(摘要)
本開示は、医療デバイスおよびその作製方法に関する。この医療デバイスは、多孔性基材および少なくとも1つのフィルムを備える。このフィルムは、この基材の細孔内に形成される。このフィルムは細孔内にあり、そして隣接する細孔ともフィルムとも接触しない。
【0007】
(特許請求の範囲による要旨)
本開示は、複数の細孔を有する基材を備える医療デバイスを提供し、これらの細孔のうちの少なくとも2つは、その細孔内に配置された細孔内フィルムを備え、これらの細孔内フィルムは、互いに対して不連続である。
【0008】
本開示はまた、第一の細孔内に配置された第一の細孔内フィルムを有する第一の細孔、および第二の細孔内に配置された第二の細孔内フィルムを有する第二の細孔を備える、基材を備える医療デバイスを提供し、この第一の細孔内フィルムとこの第二の細孔内フィルムとは、互いに対して不連続である。
【0009】
医療デバイスを形成する方法もまた、本開示により想定される。この方法は、第一のフィルム形成組成物を基材の第一の細孔内に堆積させる工程;第二のフィルム形成組成物をこの基材の第二の細孔内に堆積させる工程;この第一のフィルム形成組成物を乾燥させて、この第一の細孔内に配置された第一の細孔内フィルムを形成する工程;およびこの第二のフィルム形成組成物を乾燥させて、この第二の細孔内に配置された第二の細孔内フィルムを形成する工程を包含し、この第一の細孔内フィルムとこの第二の細孔内フィルムとは、互いに対して不連続である。
【0010】
本開示の種々の実施形態が、図面を参照しながら本明細書中で以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本開示の1つの実施形態による医療デバイスの上面図を示す。
【図2】図2は、図1の医療デバイスの斜視断面図を示す。
【図3】図3は、本開示の1つの実施形態による医療デバイスの上面図を示す。
【図4A】図4Aは、本開示の1つの実施形態による医療デバイスの斜視図である。
【図4B】図4Bは、本開示の1つの実施形態による医療デバイスの斜視図である。
【図4C】図4Cは、本開示の1つの実施形態による医療デバイスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(詳細な説明)
本開示は、細孔内に配置された細孔内フィルムを有する1つ以上の基材を備える医療デバイスを製造するための、組成物および方法を提供する。具体的には、この基材は、複数の細孔を有し、これらの細孔の各々が、ポリマー性細孔内フィルムを含み得る。ある実施形態において、この医療デバイスは、多層構造体として構成された、2つ以上の基材を備え得る。
【0013】
この基材の各細孔は、1つ以上の細孔内フィルムを含み得る。各細孔内フィルムは、この基材の1つの細孔を占有し得、これによって、連続フィルムによりもたらされる硬さを回避し得る。各細孔内フィルムはまた、異なる分解特性を示し得、そして類似かまたは異なる材料および/または治療剤(これらは、様々な濃度で存在し得る)からなり得る。ある実施形態において、各細孔内フィルムは、その基材における細孔の位置に依存して、異なる治療剤を含み得る。
【0014】
本開示の医療デバイスは、多孔性基材(例えば、メッシュ、フィルム、発泡体、アンカー、スリットシート、ステント、足場、外科用綿撒糸、および組織移植片(例えば、脈管、皮膚、骨など)など)を備える。
【0015】
特定の実施形態において、この多孔性基材は、メッシュを備え得る。本開示において使用するために適切なメッシュとしては、例えば、PARIETEXTM複合メッシュ(Tyco Healthcare Group LG(Covidienとして事業実施中)から市販されている)などのコラーゲン複合メッシュが挙げられる。PARIETEXTM複合メッシュは、再吸収性コラーゲンフィルムが片面に結合している、三次元ポリエステル織物である。別の適切なメッシュとしては、PARIETEX PROGRIPTM自己固定メッシュ(これもまた、Covidienから市販されている)が挙げられる。PARIETEX PROGRIPTMは、ポリ乳酸(PLA)マイクログリップを備えるポリエステルメッシュである。他の適切なメッシュとしては、PARIETENE(登録商標)、PARIETEXTM、SURGIPROTM(全て、Covidienから市販されている);PROLENETM(Ethicon,Inc.から市販されている);MARLEX(登録商標)、DULEX(登録商標)、3D MAX(登録商標)メッシュ、PERFIX(登録商標)プラグ、VENTRALEX(登録商標)、およびKUGEL(登録商標)パッチ(全て、C.R.Bard,Inc.から市販されている);PROLITETM、PROLITE ULTRATM(全て、Atrium Medicalから市販されている);COMPOSIX(登録商標)、SEPRAMESH(登録商標)、およびVISILEX(登録商標)(全て、Davol,Inc.から市販されている);ならびにDUALMESH(登録商標)、MYCROMESH(登録商標)、およびINFINIT(登録商標)メッシュ(全て、W.L.Goreから市販されている)の名称で販売されているものが挙げられる。さらに、本開示の範囲および文脈におけるメッシュは、同種移植片(すなわち、Lifecell製のALLODERM(登録商標)再生組織マトリックス)、自家移植片、および異種移植片(すなわち、Covidien製のPERMACOLTM)などの生物学的材料を含み得る。代替の実施形態において、加工/精製された組織もまた使用され得る。メッシュを作製するための方法は、当業者の知識の範囲内である。ある実施形態において、PARIETEXTM複合メッシュまたはPARIETEX PROGRIPTMが、本発明に従って利用され得る。
【0016】
ここで図1および図2を参照すると、多孔性メッシュ基材11を備える医療デバイス10が図示されている。基材11は、繊維、フィラメント、糸またはヤーン12から形成され得、それらの間に複数の細孔14を規定し得る。図2に示されるように、ある実施形態において、基材11のヤーン12は、複数のフィラメント38から作製され得る。細孔14は、1つ以上の細孔内フィルム16を含み得る。本開示の細孔内フィルム16は、互いに対して不連続であり、各細孔内フィルム16は、多孔性基材11の1つの細孔14内に位置する。ある実施形態において、複数の細孔内フィルム16がまた、基材11の細孔14の各々の中に形成され得る。用語「不連続」とは、本明細書中で使用される場合、対応する細孔14に含まれたフィルム16であって、従来のフィルムコーティングされた多孔性基材(この基材において、フィルムが複数の細孔にわたって広がっている)と比較して、他のいずれの細孔14の別の細孔内フィルム16とも物理的に接触していない、1つ以上のフィルム16を意味するために使用される。細孔内フィルム16は、有利には、基材の細孔内に単独で/完全に含まれる。すなわち、この細孔内フィルムは、基材のヤーン12にわたって、実質的な程度にまたがらない。本発明のさらなる実施形態において、この細孔内フィルムは、個々のフィルムが他のいずれの細孔の1つ以上の細孔内フィルムとも物理的に接触しない限り、この基材のヤーンにわたってまたがってもよい。すなわち、細孔内フィルム16は不連続であり、基材全体にわたってフィルムを付けることにより橋架けされるのではなく、むしろ、細孔内フィルム16は、個々の細孔内で不連続な位置で作製される。
【0017】
細孔内フィルム16は、細孔14内で、基材11の面に対して任意の面で形成され得、その結果、細孔内フィルム16は、いずれの隣接する細孔内フィルム16とも接触しない。ある実施形態において、細孔内フィルム16は、テクスチャー加工され得、滑らかであり得、そして/または多孔性であり得る。
【0018】
図1に記載される本発明の1つの実施形態に図示されるように、全ての細孔14が細孔内フィルムを含むわけではなくてもよい。特定の実施形態において、細孔内フィルムを含む細孔は、これらの細孔のうちの約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%〜約95%であり得る。さらなる実施形態において、この基材の細孔のうちの約15%〜約90%が、少なくとも1つの細孔内フィルムを含む。他の実施形態において、この基材の細孔のうちの約25%〜約75%が、少なくとも1つの細孔内フィルムを含む。他の実施形態において、この基材の細孔の全てが、細孔内フィルムを含み得る。
【0019】
この基材は、少なくとも中央および外周を備える。この基材の細孔のうちの100%未満が細孔内フィルムを含む実施形態において、これらの細孔内フィルムの位置は、無作為であってもパターン付けされていてもよい。例えば、これらの細孔内フィルムを含む基材の細孔が主にこの基材の中央に配置されても、これらの細孔内フィルムを含む細孔が主にこの基材の外周に配置されてもよい。他の実施形態において、細孔内フィルムの位置は、様々であり得る(例えば、無作為、パターン付けなど)。これは、その基材の意図される用途に依存し得る。これらの細孔内フィルムは、この基材の表面の断続的な部分を覆う、不連続な層を形成し得る。1つの例において、これらの細孔内フィルムは、この基材の表面上に不連続な層を形成し得、この場合、この基材の多孔性は、これらの細孔内フィルムの不連続な層によって維持される。さらなる実施形態において、これらの細孔内フィルムは、この基材の、外周の少なくとも一部分、およびまた、中央の少なくとも一部分を覆う、不連続な層を形成する。
【0020】
基材11の各細孔内フィルム16は、同じ材料から作製されても異なる材料から作製されてもよい。具体的には、細孔内フィルム16のうちの1つ以上が1つの材料から形成され得、一方で、1つ以上の異なる細孔内フィルム16が別の材料から形成され得る。細孔内フィルム16は、永続的(例えば、非生体吸収性)であっても、生分解性であっても、天然材料、合成材料、生分解性材料および非生分解性材料の任意の適切な組み合わせから形成されてもよい。本願において、用語「生分解性」、「生体再吸収性」、および「生体吸収性」は、交換可能に使用され、そして移植物および/または材料が生物学的組織および周囲の流体によって少なくとも部分的に再吸収され、その結果、所定の期間後にインビボで少なくとも部分的に消失する、特性を意味することが意図される。この期間は、移植物および/またはこの移植物を形成するために利用される材料の化学的性質に依存して、約1分間、2分間、5分間、10分間、20分間、30分間、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間から、1週間、2週間、4週間、6週間〜約数ヶ月間まで、またはより長期間までで、変わり得る。
【0021】
代替の実施形態において、この基材は、様々な分解速度を有する細孔内フィルムを備え得、その結果、これらの細孔内フィルムのうちのいくつかは、他の細孔内フィルムとは異なる速度で分解する。フィルムを形成するために使用される材料の型、その材料の濃度、およびそのフィルムの構造は、このフィルムの分解時間に影響を与え得る数個の要因である。
【0022】
本開示の医療デバイスを形成するために使用され得る適切な非生体吸収性材料のいくつかの非限定的な例としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン(アタクチック、アイソタクチック、シンジオタクチック、およびこれらのブレンドを含む));ポリエチレングリコール;ポリエチレンオキシド;超高分子量ポリエチレン;ポリエチレンとポリプロピレンとのコポリマー;ポリイソブチレンとエチレン−αオレフィンとのコポリマー;フッ素化ポリオレフィン(例えば、ポリフルオロエチレン、ポリフルオロプロピレン、フルオロPEG、およびポリテトラフルオロエチレン);ポリアミド(例えば、ナイロンおよびポリカプロラクタム);ポリアミン;ポリイミン;ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート);脂肪族ポリエステル;ポリエーテル;ポリエーテル−エステル(例えば、ポリブタエステル);ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,4−ブタンジオール;ポリウレタン;アクリルポリマーおよびアクリルコポリマー;メタクリル類;ハロゲン化ビニルのポリマーおよびコポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル);ポリビニルアルコール;ポリビニルエーテル(例えば、ポリビニルメチルエーテル);ポリハロゲン化ビニリデン(例えば、ポリフッ化ビニリデンおよびポリ塩化ビニリデン);ポリアクリロニトリル;ポリアリールエーテルケトン;ポリビニルケトン;ポリビニル芳香族(例えば、ポリスチレン);ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル);ビニルモノマー同士のコポリマーおよびビニルモノマーとオレフィンとのコポリマー(例えば、エチレン−メタクリル酸メチルコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂、およびエチレン−酢酸ビニルコポリマー);アルキド樹脂;ポリカーボネート;ポリオキシメチレン;ポリホスファジン;ポリイミド;エポキシ樹脂;アラミド、レーヨン;レーヨン−トリアセテート;スパンデックス;シリコーン;ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
本開示の医療デバイスを形成するために使用され得る、適切な生分解性ポリマーとしては、脂肪族ポリエステル;ポリアミド;ポリアミン;ポリアルキレンオキサレート;ポリ(酸無水物);ポリアミドエステル;コポリ(エーテル−エステル);ポリ(カーボネート)(チロシン由来のカーボネートが挙げられる);ポリ(ヒドロキシアルカノエート)(例えば、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、およびポリ(ヒドロキシブチレート));ポリイミドカーボネート;ポリ(イミノカーボネート)(例えば、ポリ(ビスフェノールA−イミノカーボネート)など);ポリオルトエステル;ポリオキサエステル(アミン基を含むものが挙げられる);ポリホスファゼン;ポリ(フマル酸プロピレン);ポリウレタン;ポリマー薬物(例えば、ポリジフルニサル、ポリアスピリン、およびタンパク質製剤);生物学的に修飾された(例えば、タンパク質、ペプチド)生体吸収性ポリマーからなる群より選択されるポリマー;ならびにこれらのコポリマー、ブロックコポリマー、ホモポリマー、ブレンド、および組み合わせなどのポリマーが挙げられる。
【0024】
より具体的には、本開示の目的で、利用され得る脂肪族ポリエステルとしては、ラクチド(乳酸、D−ラクチド、L−ラクチドおよびメソラクチドが挙げられる);グリコリド(グリコール酸が挙げられる);ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン);トリメチレンカーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン);トリメチレンカーボネートのアルキル誘導体;δ−バレロラクトン;β−ブチロラクトン;γ−ブチロラクトン;ε−デカラクトン;ヒドロキシブチレート;ヒドロキシバレレート;1,4−ジオキセパン−2−オン(その二量体である1,5,8,12−テトラオキサシクロテトラデカン−7,14−ジオンを含む);1,5−ジオキセパン−2−オン;6,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン;2,5−ジケトモルホリン;ピバロラクトン;α,α−ジエチルプロピオラクトン;エチレンカーボネート;エチレンオキサレート;3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン;3,3−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン;6,8−ジオキサビシクロオクタン−7−オンのホモポリマーおよびコポリマー;ならびにそのポリマーブレンドおよびコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
他の適切な生分解性ポリマーとしては、ポリ(アミノ酸)(コラーゲン(I、IIおよびIII)、エラスチン、フィブリン、フィブリノーゲン、絹、およびアルブミンなどのタンパク質が挙げられる);ラミニンおよびフィブロネクチンの配列を含むペプチド(特にそのRGD部位);多糖類(例えば、ヒアルロン酸(HA)、デキストラン、アルギネート、キチン、キトサン、およびセルロース);グリコサミノグリカン;ガット;ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。コラーゲンは、本明細書中で使用される場合、天然コラーゲン(例えば、動物由来のコラーゲン、ゼラチン化コラーゲン)、または合成コラーゲン(例えば、ヒト組換えコラーゲンもしくは細菌組換えコラーゲン)を包含する。
【0026】
さらに、合成により修飾された天然ポリマー(例えば、セルロース誘導体および多糖類誘導体(アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、およびキトサンが挙げられる))が利用され得る。適切なセルロース誘導体の例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、三酢酸セルロース、および硫酸セルロースナトリウム塩が挙げられる。これらは本明細書中でまとめて、ある実施形態において、「セルロース」と称され得る。
【0027】
例えば、CMCは、細孔内フィルムの約0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%〜約95%(w/w)、そしてより特定すると、細孔内フィルムの約1%〜約75%(w/w)を占め得る。他の実施形態において、コラーゲンは、細孔内フィルムの約0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%〜約95%(w/w)、より特定すると、細孔内フィルムの約1%〜約75%(w/w)を占め得る。
【0028】
いくつかの場合において、これらの細孔内フィルムは、フィルム形成組成物から形成され得、このフィルム形成組成物は、フィルム形成ポリマー、ならびに必要に応じて、溶媒および/または治療剤を含む。適切な材料および/または組成物としては、本明細書中に記載されるものが挙げられる。具体的には、このフィルム形成組成物は、適切なフィルム形成ポリマーを含む、混合物、溶液、エマルジョン、懸濁物、または他の任意の液体もしくはゲルであり得る。さらに、適切な溶媒(極性溶媒と非極性溶媒との両方が挙げられる)は、当業者の知識の範囲内である。
【0029】
いくつかの実施形態において、これらの細孔内フィルムは、疎水性ポリマーおよび治療剤を含む、1つの層を備え得る。他の実施形態において、これらの細孔内フィルムは、疎水性ポリマーを含む第一の層と、治療剤を含む第二の層とを備える。さらに他の実施形態において、これらのフィルムは、三層構造またはさらに多くの層の構造を備え、この場合、治療剤を含む第二の層は、疎水性ポリマーを含む第一の層と、同じかまたは異なる疎水性ポリマーを含む第三の層またはさらなる層との間に配置される。
【0030】
ある実施形態において、これらの細孔内フィルムの疎水性ポリマーは、ラクチド、グリコリド、ジオキサノン、トリメチレンカーボネート、およびε−カプロラクトンの、ホモポリマーまたはコポリマーを含み得る。例えば、本明細書中に記載される治療剤は、ラクチドとグリコリドとのコポリマー、またはグリコリドとε−カプロラクトンとのコポリマー(すなわち、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマー)と合わせられ得る。
【0031】
図3は、本発明の特定の実施形態を図示する。具体的には、図3は、基材102を有する医療デバイス100を示す。ある実施形態において、基材102は、多糖類またはラクトンをベースとする足場であり得る。基材102は、非変性コラーゲンから作製され得るか、または加熱もしくは他の任意の公知の方法によってその螺旋構造を少なくとも部分的に失って、加水分解されていないα鎖を主として有し、そしてある実施形態において約100kDaの分子量を有する、コラーゲンから作製され得る。このコラーゲンは、ネイティブコラーゲンであってもアテロコラーゲン(atelocollagen)(ペプシン消化によって、および/または中度の加熱後に、得られ得る)であってもよい。
【0032】
基材102は、硬化していないコラーゲン、中度に硬化したコラーゲン、高度に硬化したコラーゲン、もしくは極めて高度に硬化したコラーゲン、または任意の割合でのこれらの組み合わせの、コラーゲン懸濁物またはコラーゲン溶液から形成され得る。本明細書中で使用される場合、用語「中度に硬化した」とは、基材102の分解が約3週間の移植の終了時までに(残留重量によって測定される場合に)少なくとも約90%完了することを意味することを意図され;用語「高度に硬化した」とは、基材102の分解が約3ヶ月間の移植の終了時までに(残留重量によって測定される場合に)少なくとも約90%完了することを意味することを意図され;そして用語「極めて高度に硬化した」とは、基材102の分解が約2年間の移植の終了時までに(残留重量によって測定される場合に)少なくとも約90%完了することを意味することを意図される。
【0033】
中度に硬化したコラーゲンは、過ヨウ素酸またはその塩のうちの1つによるコラーゲンの酸化的切断によって、得られ得る。ある実施形態において、高度に硬化したコラーゲンは、グルタルアルデヒドまたは他の任意の公知の架橋剤(例えば、イソシアネート)によって架橋したコラーゲンから作製され得る。架橋度は、高度に硬化した物質と、非常に高度に硬化した物質とを区別する。種々の程度まで硬化させるための技術は、当業者の知識の範囲内である。
【0034】
基材102は、複数の蓄積所または細孔104を有する。細孔104は、基材102の表面に配置され得るか、または一部分は基材102を少なくとも通過し得る。本発明の1つの実施形態において、これらの細孔は、この基材を完全に通過する。細孔104は、基材102の表面にわたって等しく間隔を空け得る。ある実施形態において、細孔104間の距離は、細孔104の寸法(例えば、長さおよび幅)と実質的に等しくあり得る。具体的には、細孔104間の長さ方向の間隔は、細孔104の長さと実質的に等しくあり得、そして細孔104間の幅方向の間隔は、細孔104の幅と実質的に等しくあり得る。
【0035】
細孔104の各々は、細孔内フィルム106を備える。細孔内フィルム106は、図1および図2の細孔内フィルム16と実質的に類似である。フィルム106は、本明細書中に記載される方法を利用して形成され得る。
【0036】
図4A、図4Bおよび図4Cに図示されるように、医療デバイス1010は、多孔性基材1015、基材1015とポリマーフィルム層1025との間に配置された分離可能層1020、および1種以上の治療剤1030を備える。多孔性基材1015は、図1〜図3に関して上に記載された基材11および基材102と実質的に類似であり得る。多孔性基材1015は、複数の細孔を有し得、そして複数の細孔内構成要素(例えば、フィルム)を備え得る。これらの細孔内構成要素は、図1〜図3に関して上で議論されたように、基材1015の細孔内に配置される。治療剤1030は、多孔性基材1015(例えば、細孔内フィルム内)、分離可能層1020、およびポリマーフィルム層1025が挙げられる、医療デバイス1010の構成要素のうちのいずれかの中に配置され得る。
【0037】
医療デバイス1010の移植および/または体内の流体(水、血液、粘液、生理食塩水、およびデキストロースなどが挙げられる)への曝露の後に、分離可能層1020は、分解および/または溶解を起こす。例えば、分離可能層1020は、移植部位に位置する体内の流体との相互作用後に、固体またはゲルから液体に変化し得、これによって、ポリマーフィルム層1025を基材1015から分離する。ある実施形態において、ポリマーフィルム層1025は、分離可能層1020のみに隣接して配置され得る。このような実施形態において、分離可能層1020の溶解は、ポリマーフィルム層1025の基材1015からの完全な解放または分離を可能にする。
【0038】
分離可能層1020は、水和して体内の流体に溶解し得、ポリマーフィルム層1025を治療剤1030と一緒に基材1015から分離して、複数の別々の移植可能な医療デバイス(すなわち、図4Bに示されるような、基材1015と、治療剤1030の送達のためのフィルム1025)を作製し得る。経時的に、フィルム1025は分解および/または溶解して、図4Cに示されるように、治療剤1030をフィルム1025および基材1015から放出する。
【0039】
代替の実施形態において、これらの細孔内フィルムは、ヒドロゲルを含み得る。移植ならびに体液および/または水もしくは生理食塩水の取り込みの際に、このヒドロゲルは膨潤し得、そして医療デバイスおよび/またはポリマー層の表面から外れ得る。分離の際に、これらの細孔内フィルムは、この基材の表面との接触から解放される。適切なヒドロゲルは、本明細書中に列挙されるものなどの、生体吸収性ポリマーを含み得る。
【0040】
本開示の医療デバイスは、フィルム形成組成物をこの基材の少なくとも1つの細孔に付け(例えば、スプレーし)、そして乾燥させることによって、調製され得る。このプロセスを繰り返すことによって、各細孔が、細孔内フィルムを個々に与えられ得る。ある実施形態において、フィルム形成ポリマー組成物は、この基材の細孔内に様々な角度で付けられ得、型またはテンプレートの表面を、この基材に適合するように調節し得る。特定の技術(例えば、超音波スプレーコーティング)は、基材の細孔内の正確な位置に、細孔内フィルムを付けることを可能にする。さらに、これらの技術は、移植物の様々な幾何学的制限に適合し得、そして約100平方ミクロン、200平方ミクロン、500平方ミクロン、1000平方ミクロンから、約15平方ミリメートル(mm)までの面積を有する細孔と共に使用され得る。先に議論されたように、これらの細孔内フィルムはまた、数層のフィルムを備えて、多層細孔内フィルムを作製し得る。
【0041】
フィルム形成組成物は、スプレープロセス(例えば、超音波スプレー)の使用によって作製され得る。フィルムを超音波スプレーすることによって、高い治療有効量(payload)の治療剤をこれらの細孔内に配置する、独特の能力がもたらされる。例えば、本明細書中に記載されるような医療デバイスは、疎水性ポリマーを含む第一の溶液と、治療剤を含む第二の溶液とを、超音波スプレーノズルに通して液滴を形成することによって、製造され得る。これらの液滴は、医療デバイスの不活性な基材(例えば、シリコーンシート)または分離可能層の方に落下する間、あるいはそこに堆積する間に混合されて、フィルムを形成し得る。
【0042】
あるいは、これらの細孔内フィルムは、テンプレートを使用して作製され得、その後、溶媒、接着剤または溶接を利用して、基材と合わせられ得る。細孔内フィルムはまた、マスキング技術を使用して作製され得る。この技術において、基材の一部分がマスクまたは遮蔽され、次いで、このフィルムが基材および露出したまたはマスクされていない細孔に付けられる。次いで、このマスクが除去され、これらの細孔内の不連続な正確な位置に配置された、細孔内フィルムを与える。
【0043】
これらの細孔内フィルムは、特定の期間内で溶解するように設計され得る。例えば、これらの細孔内フィルムは、移植後96時間未満以内で溶解するように設計され得る。いくつかの実施形態において、これらの細孔内フィルムは、移植後約5秒以内、10秒以内、20秒以内、30秒以内、1分以内、2分以内、5分以内、10分以内、20分以内、30分以内、1時間以内、2時間以内、6時間以内、12時間〜約24時間以内で溶解し得る。特定の実施形態において、これらの細孔内フィルムは、移植後約30秒間〜約12時間以内で溶解し得る。
【0044】
基材と細孔内フィルムとの両方はまた、1種以上の任意の成分を含み得る。適切な任意の成分のいくつかの例としては、乳化剤、粘度増強剤、色素、顔料、香料、pH調整剤、湿潤剤、可塑剤、酸化防止剤、およびこれらの組み合わせなどが挙げられる。これらの任意の成分は、細孔内フィルムおよび/またはポリマー層の、重量で約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%から、約10%までで存在し得る。
【0045】
いくつかの実施形態において、これらの細孔内フィルムは、少なくとも1種の可塑剤(例えば、グリセロール)を含み得る。例えば、これらの細孔内フィルムは、CMCとグリセロールとの組み合わせを含んで、本明細書中で議論されるような分離可能な細孔内フィルムを形成し得る。
【0046】
細孔および細孔内フィルムは、約100平方ミクロン〜約15平方mmの面積を有し得る。ある実施形態において、細孔および細孔内フィルムは、約1平方mm、2平方mm、3平方mm、4平方mm、5平方mm、6平方mm、7平方mm、8平方mmから約10平方mmの面積を有し得る。他の実施形態において、細孔および細孔内フィルムは、約3平方mm〜約5平方mmの面積を有し得る。これらの面積は、これらの細孔の幾何学的形状に依存して、異なる方法で計算され得ることが理解されるべきである(例えば、円形の細孔はπrの面積を有し、一方で、矩形の細孔は、その長さおよび幅を使用して計算され得る、など)。
【0047】
医療デバイス(基材および細孔内フィルムを備える)はまた、治療剤を含み得る。この医療デバイスの各構成要素(すなわち、基材および細孔内フィルム)が、治療剤を含み得る。治療剤の濃度および型は、各構成要素において(例えば、細孔内フィルムおよび/または基材において)同じであっても異なっていてもよい。治療剤の濃度、ならびに細孔内フィルムおよびまたは基材の分解速度は、治療剤の特定の放出速度を提供するように、改変され得る。
【0048】
ある実施形態において、基材の一部分の細孔内フィルムは、この基材におけるその位置について特定の治療剤を含み得る。例えば、この基材の創傷に接触する部分は、止血剤および/または鎮痛剤を含む1つ以上の細孔内フィルムを備え得、一方で、この基材の健常組織に接触する部分に位置する細孔内フィルムは、接着防止剤を含み得る。ある実施形態において、この基材の中央にある細孔は、治療剤を含み得、一方で、この基材の外周に位置する細孔は、治療剤を含まなくてもよい。または、その逆であってもよい。
【0049】
用語「治療剤」とは、本明細書中で使用される場合、その最も広い意味で使用され、そして有利な効果、治療効果、薬理効果、および/または予防効果を提供する、任意の物質または物質の混合物を包含する。この剤は、薬理学的効果を提供する薬物であり得る。
【0050】
用語「薬物」とは、治療効果を与え得る任意の剤(例えば、接着防止剤、抗菌薬、鎮痛薬、解熱薬、麻酔薬(例えば、局所および全身)、鎮痙薬(antiepileptics)、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、心臓血管薬剤、診断剤、交感神経様作用薬、コリン様作用薬、抗ムスカリン薬、鎮痙薬(antispasmodics)、ホルモン、増殖因子、成長因子、筋弛緩薬、アドレナリン作用性ニューロン遮断薬、抗腫瘍薬、化学療法剤、抗がん剤、免疫原性薬剤、免疫抑制薬、胃腸系に作用する薬物、利尿薬、ステロイド、脂質、リポ多糖類、多糖類、血小板活性化薬物、凝固因子、および酵素が挙げられる。剤の組み合わせが使用され得ることもまた意図される。
【0051】
治療薬としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:薬物、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ポリサッカライド、ムテイン、免疫グロブリン、抗体、サイトカイン(例えば、リンフォカイン、モノカイン、ケモカイン)、血液凝固因子、造血因子、インターロイキン(1〜18)、インターフェロン(β−IFN、α−IFNおよびγ−IFN)、エリトロポイエチン、ヌクレアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子(例えば、GCSF、GM−CSF、MCSF)、インスリン、抗腫瘍薬および腫瘍抑制薬、血液タンパク質、フィブリン、トロンビン、フィブリノーゲン、合成トロンビン、合成フィブリン、合成フィブリノーゲン、ゴナドトロピン(例えば、FSH、LH、CG、など)、ホルモンおよびホルモンアナログ(例えば、成長ホルモン、黄体化ホルモン放出因子)、ワクチン(例えば、腫瘍性抗原、細菌性抗原およびウイルス性抗原);ソマトスタチン;抗原;血液凝固因子;成長因子(例えば、神経発育因子、インスリン様成長因子);骨形成タンパク質(bone morphogenic proteins)、TGF−B、タンパク質阻害剤、タンパク質アンタゴニスト、およびタンパク質アゴニスト;核酸、例えばアンチセンス分子、DNA、RNA、RNAi;オリゴヌクレオチド;ポリヌクレオチド;細胞、ウイルス、およびリボザイム。
【0052】
ある実施形態において、治療剤は、以下の薬物(薬物の組み合わせおよび薬物の代替的な形態(例えば、代替的な塩形態、遊離酸形態、遊離塩基形態、プロドラッグおよび水和物)を含む)のうちの少なくとも1つを含有し得る:鎮痛薬/解熱薬(例えば、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ブプレノルフィン、塩酸プロポキシフェン、プロポキシフェンナプシレート、塩酸メペリジン、塩酸ヒドロモルホン、モルヒネ、オキシコドン、コデイン、酒石酸水素ジヒドロコデイン、ペンタゾシン、酒石酸水素ヒドロコドン、レボルファノール、ジフルニサル、サリチル酸トロラミン、塩酸ナルブフィン、メフェナム酸、ブトルファノール、サリチル酸コリン、ブタルビタール(butalbital)、クエン酸フェニルトロキサミン、クエン酸ジフェンヒドラミン、メトトリメプラジン、塩酸シンナメドリン(cinnamedrine hydrochloride)、カプサイシンおよびメプロバメート);局所麻酔剤(例えば、リドカイン、ブピバカイン、ロピバカインおよびレボブピバカイン(levobupivacaine));喘息治療薬(例えば、ケトチフェンおよびトラキサノクス);抗生物質(例えば、ネオマイシン、ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、セファロスポリン、アンピシリン、ペニシリン、テトラサイクリン、およびシプロフロキサシン);抗うつ薬(例えば、ネオパム、オキシペルチン、ドキセピン、アモキサピン、トラゾドン、アミトリプチリン、マプロチリン、フェネルジン、デシプラミン、ノルトリプチリン、トラニルシプロミン、フルオキセチン、ドキセピン、イミプラミン、イミプラミンパモエート、イソカルボキサジド、トリミプラミン、およびプロトリプチリン);抗糖尿病薬(例えば、ビグアナイド類およびスルホニル尿素誘導体類);抗真菌薬(例えば、グリセオフルビン、ケトコナゾール、イトラコナゾール(itraconizole)、アンホテリシンB、ナイスタチン、およびカンジシジン);抗高血圧薬(例えば、プロプラノロール(propanolol)、プロパフェノン、オキシプレノロール(oxyprenolol)、ニフェジピン、レセルピン、トリメタファン、フェノキシベンザミン、塩酸パルジリン、デセルピジン、ジアゾキシド、硫酸グアネチジン(guanethidine monosulfate)、ミノキシジル、レシンナミン、ニトロプルシドナトリウム、インドジャボク(rauwolfia serpentina)、アルセロキシロン、およびフェントラミン);抗炎症薬(例えば、(非ステロイド性)インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン、イブプロフェン、ラミフェナゾン、ピロキシカム、(ステロイド性)コルチゾン、デキサメタゾン、フルアザコート、セレコキシブ、ロフェコキシブ、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、およびプレドニゾン);抗新生物薬(例えば、シクロホスファミド、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、メトトレキサート、フルオロウラシル、ゲムシタビン、カルボプラチン、カルムスチン(BCNU)、メチル−CCNU、シスプラチン、エトポシド、カンプトテシンおよびその誘導体、フェネステリン、パクリタキセルおよびその誘導体、ドセタキセルおよびその誘導体、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ゴセレリン、ロイプロリド、タモキシフェン、インターフェロンα、レチノイン酸(ATRA)、ナイトロジェンマスタードアルキル化剤、ならびにピポスルファン);抗不安薬(例えば、ロラゼパム、ブスピロン、プラゼパム、クロルジアゼポキシド、オキサゼパム、クロラゼペート二カリウム塩、ジアゼパム、ヒドロキシジンパモエート、塩酸ヒドロキシジン、アルプラゾラム、ドロペリドール、ハラゼパム、クロルメザノン、およびダントロレン);免疫抑制薬(例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、ミゾリビン、およびFK506(タクロリムス));抗片頭痛薬(例えば、エルゴタミン、プロプラノロール(propanolol)、ムチン酸イソメテプテン(isometheptene mucate)、およびジクロラルフェナゾン);鎮静薬/催眠薬(例えば、バルビツール酸類(例えば、ペントバルビタール、ペントバルビタールおよびセコバルビタール);およびベンゾジアゼピン(benzodiazapine)類(例えば、塩酸フルラゼパム、トリアゾラムおよびミダゾラム));抗狭心症薬(例えば、β−アドレナリン遮断薬;カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ニフェジピン、およびジルチアゼム);およびニトレート類(例えば、ニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、ペンタエリスリトールテトラニトレート(pentearythritol tetranitrate)、およびエリトリチルテトラニトレート);抗精神病薬(例えば、ハロペリドール、コハク酸ロクサピン、塩酸ロクサピン、チオリダジン、塩酸チオリダジン、チオチキセン、フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、トリフルオペラジン、クロルプロマジン、パーフェナジン、クエン酸リチウム、およびプロクロルペラジン);抗躁病薬(例えば、炭酸リチウム);抗不整脈薬(例えば、ブレチリウムトシレート、エスモロール、ベラパミル、アミオダロン、エンカイニド、ジゴキシン、ジギトキシン、メキシレチン、リン酸ジソピラミド、プロカインアミド、硫酸キニジン、キニジングルコネート(quinidine gluconate)、ポリガラクツロン酸キニジン、酢酸フレカイニド、トカイニド、およびリドカイン);抗関節炎薬(例えば、フェニルブタゾン、スリンダク、ペニシラミン(penicillanine)、サルサラート、ピロキシカム、アザチオプリン、インドメタシン、メクロフェナメート(meclofenamate)、金チオリンゴ酸ナトリウム、ケトプロフェン、オーラノフィン、金チオグルコース、およびトルメチンナトリウム);抗痛風薬(例えば、コルヒチン、およびアロプリノール);抗血液凝固薬(例えば、ヘパリン、ヘパリンナトリウム、およびワルファリンナトリウム);血栓溶解薬(例えば、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、およびアルテプラーゼ);抗線維素溶解薬(例えば、アミノカプロン酸);血液レオロジー剤(例えば、ペントキシフィリン);抗血小板薬(例えば、アスピリン);抗痙攣薬(anticonvulsant)(例えば、バルプロ酸、ジバルプロックスナトリウム、フェニトイン、フェニトインナトリウム、クロナゼパム、プリミドン、フェノバルビタール(phenobarbitol)、カルバマゼピン、アモバルビタールナトリウム、メトスクシミド、メタルビタール、メフォバルビタール、メフェニトイン、フェンスクシミド、パラメタジオン、エトトイン、フェナセミド、セコバルビタールナトリウム(secobarbitol sodium)、クロラゼペート二カリウム塩、およびトリメタジオン);抗パーキンソン病薬(例えば、エトスクシミド);抗ヒスタミン薬/かゆみ止め薬(例えば、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、マレイン酸ブロムフェニルアミン、塩酸シプロヘプタジン、テルフェナジン、フマル酸クレマスチン、トリプロリジン、カルビノキサミン、ジフェニルピラリン、フェニンダミン、アザタジン、トリペレナミン、マレイン酸d−クロルフェニラミン、メトジラジン、および);カルシウム調節に有用な薬剤(例えば、カルシトニン、および副甲状腺ホルモン);抗菌薬(例えば、硫酸アミカシン、アズトレオナム、クロラムフェニコール、パルミチン酸クロラムフェニコール(chloramphenicol palirtate)、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、パルミチン酸クリンダマイシン、リン酸クリンダマイシン、メトロニダゾール、塩酸メトロニダゾール、硫酸ゲンタマイシン、塩酸リンコマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸バンコマイシン、硫酸ポリミキシンB、コリスチンメタナトリウム、および硫酸コリスチン);抗ウイルス薬(例えば、インターフェロンα、βまたはγ、ジドブジン、塩酸アマンタジン、リバビリン、およびアシクロビル);抗微生物薬(例えば、セファロスポリン類(例えば、セファゾリンナトリウム、セフラジン、セファクロル、セファピリンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフロキシム アキセチル(cefuroxime e azotil)、セフォタキシムナトリウム、セファドロキシル一水和物、セファレキシン、セファロチンナトリウム、塩酸セファレキシン一水和物、セファマンドールナファート、セフォキシチンナトリウム、セフォニシドナトリウム、セフォラニド、セフトリアキソンナトリウム、セフタジジム、セファドロキシル、セフラジンおよびセフロキシムナトリウム);ペニシリン類(例えば、アンピシリン、アモキシシリン、ベンザチンペニシリンG、シクラシリン、アンピシリンナトリウム、ペニシリンGカリウム、ペニシリンVカリウム、ピペラシリンナトリウム、オキサシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン、クロキサシリンナトリウム、チカルシリン二ナトリウム、アズロシリンナトリウム、カルベニシリンインダニルナトリウム、ペニシリンGプロカイン、メチシリンナトリウムおよびナフシリンナトリウム);エリスロマイシン類(例えば、エチルコハク酸エリスロマイシン、エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、ラクトビオン酸エリスロマイシン、ステアリン酸エリスロマイシンおよびエチルコハク酸エリスロマイシン);およびテトラサイクリン類(例えば、塩酸テトラサイクリン、ドキシサイクリンハイクラート(doxycycline hyclate)および塩酸ミノサイクリン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン));抗感染症薬(例えば、GM−CSF);気管支拡張薬(例えば、交感神経作用薬(例えば、塩酸エピネフリン、硫酸メタプロテレノール、硫酸テルブタリン、イソエタリン、メシル酸イソエタリン、塩酸イソエタリン、硫酸アルブテロール、アルブテロール、ビトルテロルメシレート、塩酸イソプレテレノール、硫酸テルブタリン、酒石酸水素エピネフリン、硫酸メタプロテレノール、エピネフリンおよび酒石酸水素エピネフリン);抗コリン作用薬(例えば、臭化イプラトロピウム);キサンチン類(例えば、アミノフィリン、ジフィリン、硫酸メタプロテレノール、およびアミノフィリン);肥満細胞安定化剤(例えば、クロモリンナトリウム);吸入用コルチコステロイド(例えば、二プロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)および二プロピオン酸ベクロメタゾン一水和物);サルブタモール;臭化イプラトロピウム;ブデソニド;ケトチフェン;サルメテロール;キナフォエート;硫酸テルブタリン;トリアムシノロン;テオフィリン;ネドクロミルナトリウム;硫酸メタプロテレノール;アルブテロール;フルニソリド;プロピオン酸フルチカゾン);ステロイド化合物およびホルモン(例えば、アンドロゲン類(例えば、ダナゾール、テストステロンシピオネート、フルオキシメステロン、エチルテストステロン、エナント酸テストステロン、メチルテストステロン、フルオキシメステロン、およびテストステロンシピオネート);エストロゲン類(例えば、エストラジオール、エストロピペート(estropipate)、および抱合卵胞ホルモン);プロゲスチン類(例えば、酢酸メトキシプロゲステロン、および酢酸ノルエチンドロン);コルチコステロイド類(例えば、トリアムシノロン、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、酢酸デキサメタゾン、プレドニゾン、酢酸メチルプレドニゾロン懸濁物、トリアムシノロンアセトニド、メチルプレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、トリアムシノロンヘキサセトニド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシピオネート、プレドニゾロン、酢酸フルドロ

コルチゾン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロンテブテート、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、およびコハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム);および甲状腺ホルモン(例えば、レボチロキシンナトリウム));血糖降下薬(例えば、ヒトインスリン、精製ウシインスリン、精製ブタインスリン、グリブリド、クロルプロパミド、グリピジド、トルブタミド(tolbutarnide)、およびトラザミド);高脂質血症治療薬(例えば、クロフィブレート、デキストロサイロキシンナトリウム、プロブコール、プラバスタチン(pravastitin)、アトルバスタチン、ロバスタチン、およびナイアシン);タンパク質(例えば、DNase、アルギナーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、およびリパーゼ);核酸(例えば、治療に有用な任意のタンパク質(例えば、本明細書に記載される任意のタンパク質が挙げられる)をコードするセンスまたはアンチセンス核酸);赤血球生成刺激に有用な薬剤(例えば、エリトロポイエチン);抗潰瘍/抗逆流剤(例えば、ファモチジン、シメチジン、および塩酸ラニチジン);制吐剤/鎮吐剤(例えば、塩酸メクリジン、ナビロン、プロクロルペラジン、ジメンヒドリネート、塩酸プロメタジン、チエチルペラジン、およびスコポラミン);ならびに本明細書中に記載される組成物および方法において有用な他の薬物は以下が挙げられる。ミトーテン、ハロニトロソ尿素、アントラサイクリン(anthrocyclines)、エリプチシン(ellipticine)、セフトリアキソン、ケトコナゾール、セフタジジム、オキサプロジン、アルブテロール、バラシクロビル、尿性卵胞性刺激ホルモン、ファムシクロビル、フルタミド、エナラプリル、メトホルミン(mefformin)、イトラコナゾール、ブスピロン、ガバペンチン、ホシノプリル、トラマドール、アカルボース、ロラゼパム(lorazepan)、ホリトロピン、グリピジド、オメプラゾール、フルオキセチン、リシノプリル、トラマドール(tramsdol)、レボフロキサシン、ザフィルルーカスト、インターフェロン、成長ホルモン、インターロイキン、エリトロポイエチン、顆粒球刺激因子、ニザチジン、ブプロピオン、ペリンドプリル、エルブミン(erbumine)、アデノシン、アレンドロネート、アルプロスタジル、ベナゼプリル、ベタキソロール、硫酸ブレオマイシン、デキスフェンフルラミン、ジルチアゼム、フェンタニル、フレカイニド、ゲムシタビン、酢酸グラチラマー(glatiramer acetate)、グラニセトロン、ラミブジン、マンガフォジピール三ナトリウム(mangafodipir trisodium)、メサラミン、フマル酸メトプロロール、メトロニダゾール、ミグリトール、モエキシプリル(moexiprill)、モンテルカスト、酢酸オクトレオチド、オロパタジン、パリカルシトール(paricalcitol)、ソマトロピン、コハク酸スマトリプタン(sumatriptan succinate)、タクリン、ベラパミル、ナブメトン、トロバフロキサシン(trovafloxacin)、ドラセトロン(dolasetron)、ジドブジン、フィナステリド、トブラマイシン、イスラジピン、トルカポン(tolcapone)、エノキサパリン、フルコナゾール、ランソプラゾール、テルビナフィン、パミドロネート、ジダノシン、ジクロフェナク、シサプリド、ベンラファキシン、トログリタゾン、フルバスタチン、ロサルタン、イミグルセラーゼ、ドネペジル、オランザピン、バルサルタン、フェキソフェナジン、カルシトニン、および臭化イプラトロピウム。いくつかの実施形態において、この治療剤は水溶性であり得る。いくつかの実施形態において、この治療剤は水溶性でなくてもよい。
【0053】
種々の改変が本明細書中に開示される実施形態に対してなされ得ることが理解される。従って、上記説明は、限定であると解釈されるべきではなく、単に、好ましい実施形態の例示であると解釈されるべきである。当業者は、本開示の範囲および趣旨内で、他の改変を予測する。このような改変およびバリエーションは、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の細孔を有する基材であって、該細孔のうちの少なくとも2つが、該細孔内に配置された細孔内フィルムを備え、該細孔内フィルムが互いに対して不連続である、基材、
を備える、医療デバイス。
【請求項2】
前記基材が、複数のヤーンを備えるメッシュを備え、該ヤーンが該ヤーンの間に前記複数の細孔を規定している、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記細孔内フィルムが複数のヤーンによって分離されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記基材が、発泡体、アンカー、スリットシート、ステント、足場、外科用綿撒糸、および組織移植片からなる群より選択される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記細孔内フィルムが約100平方ミクロン〜約15平方ミリメートルの面積を有する、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記細孔内フィルムの各々の面積が約1平方ミリメートル〜約10平方ミリメートルである、請求項5に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記細孔内フィルムの各々の面積が約3平方ミリメートル〜約5平方ミリメートルである、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記細孔内フィルムが、吸収性ポリマーおよび非吸収性ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種のポリマーを含む、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記細孔内フィルムが、多糖類、ポリラクトン、ビニルポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の生分解性ポリマーから形成されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項10】
鎮痛剤、麻酔剤、抗生物質、抗菌剤、抗血液凝固剤、止血剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される治療剤をさらに含む、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記複数の細孔のうちの約10%〜約100%が、該細孔内に配置された少なくとも1つの細孔内フィルムを備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項12】
基材を備える医療デバイスであって、該基材は、
第一の細孔内に配置された第一の細孔内フィルムを有する第一の細孔;および
第二の細孔内に配置された第二の細孔内フィルムを有する第二の細孔、
を備え、該第一の細孔内フィルムと該第二の細孔内フィルムとが互いに対して不連続である、医療デバイス。
【請求項13】
鎮痛剤、麻酔剤、抗生物質、抗菌剤、抗血液凝固剤、止血剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の治療剤をさらに含む、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記第一の細孔内フィルムおよび前記第二の細孔内フィルムが、前記少なくとも1種の治療剤を異なる濃度で含む、請求項13に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記第一の細孔内フィルムおよび前記第二の細孔内フィルムが、同じ材料または異なる材料を含む、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項16】
医療デバイスを形成する方法であって、
第一のフィルム形成組成物を基材の第一の細孔内に堆積させる工程;
第二のフィルム形成組成物を該基材の第二の細孔内に堆積させる工程;
該第一のフィルム形成組成物を乾燥させて、該第一の細孔内に配置された第一の細孔内フィルムを形成する工程;および
該第二のフィルム形成組成物を乾燥させて、該第二の細孔内に配置された第二の細孔内フィルムを形成する工程、
を包含し、該第一の細孔内フィルムと該第二の細孔内フィルムとが互いに対して不連続である、方法。
【請求項17】
前記第一のフィルム形成組成物を堆積させる工程および前記第二のフィルム形成組成物を堆積させる工程のうちのいずれかまたは両方が、溶媒キャスティング、成形、スプレーコーティング、浸漬コーティング、押出しおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第一の細孔内フィルムおよび前記第二の細孔内フィルムが、約100平方ミクロン〜約15平方ミリメートルの面積を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第一の細孔内フィルムおよび前記第二の細孔内フィルムが、鎮痛剤、麻酔剤、抗生物質、抗菌剤、抗血液凝固剤、止血剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の治療剤を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第一の細孔内フィルムおよび前記第二の細孔内フィルムが、同じ材料または異なる材料を含む、請求項16に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate


【公開番号】特開2012−148075(P2012−148075A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−5359(P2012−5359)
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】