説明

細線状の釣り用錘の長さ計測具

【課題】極めて簡単に細線状の錘を所望の重量となるように計測できる細線状の釣り用錘の長さ計測具を提供する。
【解決手段】細線状の釣り用錘13を切断する場合は、細線状の釣り用錘13を例えば穴7bに挿入し、先端部が穴7bの底に着いたところで押さえて固定し、穴7bの開口から出ている直ぐの部分で切断工具によって切断する。そして、必要に応じてヤスリ9を用い、細線状の釣り用錘13の端部のバリを削り取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は細線状の釣り用錘の長さ計測具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
浮き釣りを行う場合、釣り糸に取り付けた浮きを立った姿勢にするため、浮きの下側に錘を付けて調節する必要がある。この調整を行うためには、特許文献1に記載されている噛み潰し錘と呼ばれる球状のものが使用されることが多い。
噛み潰し錘は、そのほぼ中心部分に切り込みが形成され、この切り込みを開くと開口が形成されるようになっている。
噛み潰し錘を釣り糸に固定する場合は、上記のように切り込みを開いて開口を形成し、この開口から釣り糸を切り込みへ入れる。そして、開口が閉じる方向に加圧して、噛み潰し錘を釣り糸に噛み込ませる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3040990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記噛み潰し錘は、釣り糸に対し強く圧接する仕組みとなっているので、釣り糸が傷付いてしまい、糸切れの原因となる。
また、噛み潰し錘の重さは所定の何種類に限られているため、微妙な重さ調整を行うことはできないという欠点がある。
細線状の錘もあるが、釣り場において物差し等で長さをいちいち計測するのは極めて面倒であり、さりとて目分量で長さを測ることは困難である。
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、極めて簡単に細線状の錘を所望の重量となるように計測できる細線状の釣り用錘の長さ計測具の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、本体と、前記本体に形成され細線状の釣り用錘を挿入できる所定の異なる深さ寸法を有する有底の複数の計測穴とから成ることを特徴とする細線状の釣り用錘の長さ計測具である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載した細線状の釣り用錘の長さ計測具において、計測穴の底には前記計測穴と本体の下面とを連通させ、且つ細線状の釣り用錘の直径より小さい直径の掃除用穴が形成されていることを特徴とする細線状の釣り用錘の長さ計測具である。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した細線状の釣り用錘の長さ計測具において、本体はハンマーのヘッド部であることを特徴とする細線状の釣り用錘の長さ計測具である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の細線状の釣り用錘の長さ計測具では、所望の深さの計測穴へ細線状の釣り用錘を入れて、その長さを計測し、細線状の釣り用錘の計測穴の開口から出ている直ぐの部分で切断すれば、極めて簡単に所望の長さ、すなわち所望の重量の釣り用錘を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る細線状の釣り用錘の長さ計測具を備えたハンマーの斜視図である。
【図2】図1のハンマーの分解斜視図である。
【図3】図1のハンマーのヘッド部の断面図である。
【図4】(A)、(B)本発明の細線状の釣り用錘の長さ計測具を用いて切断した細線状の錘を釣り糸に取り付ける方法を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る細線状の釣り用錘の長さ計測具1を図面にしたがって説明する。
細線状の釣り用錘の長さ計測具1はハンマー3のヘッド部5に設けられている。
ヘッド部5には6個の計測穴7a、7b、7c、7d、7e、7fが形成されており、この順で深さ寸法が小さくなっている。
また、計測穴7a、7b、7c、7d、7e、7fは有底であり、計測穴7a、7b、7c、7d、7e、7fの底には計測穴とヘッド部5下面とを連通させ、且つ細線状の釣り用錘13の直径より小さい直径の掃除用穴8a、8b、8c、8d、8e、8fが形成されている
【0011】
ハンマー3のヘッド部5にはヤスリ9が形成されている。また、ヘッド部5には柄11が取り付けられている。
細線状の釣り用錘13は鉛等の金属によって構成され、手で多少力を入れれば、曲げることができる程度の剛性を有している。
【0012】
細線状の釣り用錘13を6個の計測穴7a、7b、7c、7d、7e、7fに対応する寸法で切断した場合の重量は浮きのサイズに対応して次のように設定されている。
7aでは2.65g 7bでは1.85g
7cでは1.20g 7dでは0.95g
7eでは0.75g 7fでは0.55g
【0013】
ハンマー3の柄11には中空部18が形成され、この中空部18の開口21は柄11の下端面に設けられている。柄11の下端面には雌ネジ23が固定されている。
符号25はハーケンを示し、このハーケン25の基部には雄ネジ27が形成され、更に頭部29を有している。
【0014】
次に、細線状の釣り用錘の長さ計測具1の使用方法について説明する。
細線状の釣り用錘13を切断する場合は、細線状の釣り用錘13を例えば計測穴7bに挿入し、先端部が計測穴7bの底に着いたところで押さえて固定し、計測穴7bの開口から出ている直ぐの部分で切断工具によって切断する。
そして、必要に応じてヤスリ9を用い、細線状の釣り用錘13の端部のバリを削り取る。
このように切断した錘は1.85gである。
【0015】
細線状の釣り用錘13を釣り糸15に固定するには、釣り糸15に一対のゴム管17を通し、この一対のゴム管17に細線状の釣り用錘13の両端部を挿入して、釣り糸15に固定する。
このようにすれば、釣り糸15を傷付けるのを完全に防止することができる。
【0016】
なお、ハーケン25は中空部18へ挿入し、雄ネジ27を雌ネジ23に螺合して抜け止めしておく。そして、ハーケン25を使用する場合には、ハーケン25を回して雄ネジ27と雌ネジ23との螺合を解除して、ハーケン25の打ち込み部26を中空部18から抜く。そして、ハンマー3を用いてハーケン25を所望の場所に打ち込む。
また、細線状の釣り用錘13は中空部18に収納しておいてもよい。このようにすればハーケン25を柄11から外すだけで、細線状の釣り用錘13を取り出すことが可能である。
【0017】
計測穴7a、7b、7c、7d、7e、7fに土等が詰まった場合には、掃除用穴8a、8b、8c、8d、8e、8fから針金等を差し込んで、土等を計測穴7a、7b、7c、7d、7e、7fから押し出す。
【0018】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、ハンマーのヘッド部に細線状の釣り用錘の長さ計測具に備えた例を示したが、本発明はこれに限定されず、細線状の釣り用錘の長さ計測具を独立した用具として構成してもよいのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の細線状の釣り用錘の長さ計測具は釣り道具製造において利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0020】
1…釣り用錘の長さ計測具 3…ハンマー
5…ヘッド部
7a、7b、7c、7d、7e、7f…計測穴
8a、8b、8c、8d、8e、8f…掃除用穴
9…ヤスリ 11…柄
13…細線状の釣り用錘 15…釣り糸
17…ゴム管 18…中空部
21…中空部の開口 23…雌ネジ
25…ハーケン
26…打ち込み部 27…雄ネジ
29…ハーケンの頭部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、前記本体に形成され細線状の釣り用錘を挿入できる所定の異なる深さ寸法を有する有底の複数の計測穴とから成ることを特徴とする細線状の釣り用錘の長さ計測具。
【請求項2】
請求項1に記載した細線状の釣り用錘の長さ計測具において、計測穴の底には前記計測穴と本体の下面とを連通させ、且つ細線状の釣り用錘の直径より小さい直径の掃除用穴が形成されていることを特徴とする細線状の釣り用錘の長さ計測具。
【請求項3】
請求項1または2に記載した細線状の釣り用錘の長さ計測具において、本体はハンマーのヘッド部であることを特徴とする細線状の釣り用錘の長さ計測具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−78276(P2013−78276A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219693(P2011−219693)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(508069419)
【Fターム(参考)】