説明

細胞の再プログラミングのための方法とその用途

本明細書に記載されたものは、細胞退行分化、形質転換及び真核細胞再プログラミングのための方法である。更に本明細書に記載されたものは、インヴィトロ退行分化及びインヴィトロ再プログラミングの工程後に、患者に移植され得る細胞、細胞系、及び組織である。特定の実施形態では、細胞は、神経幹様細胞(NSLCs)を含む幹様細胞(SLCs)である。更に本明細書に記載されたものは、これら細胞をヒト体細胞及び他の型の細胞から再生させるための方法である。更に、本明細書に提供されたものは、ヒト治療及び他の分野において、このように生成された細胞を使用する組成物及び方法である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の型の細胞を異なる型の所望の細胞へと形質転換する方法であって、
i)第1の型の細胞を提供することと、
ii)前記第1の型の細胞中で、少なくとも1つの再プログラミング剤の細胞内レベルを一過性的に増加させて、これによって前記一過性増加が少なくとも1つの遺伝子調節因子の内因性発現を直接的又は間接的に誘導させることと、
iii)前記細胞を、前記所望の細胞の形質転換を支援するための条件中に配置させて、並びに前記再プログラミング剤の不在下において前記少なくとも1つの遺伝子調節因子を安定して発現させるために十分な期間時間で、前記少なくとも1つの再プログラミング剤の細胞内レベルを維持することと、
iv)その発現が前記所望の細胞の表現型的及び/又は機能的特徴の特性を有するような複数個の第2の遺伝子を安定して発現させるのに十分な期間時間で、前記所望の細胞の形質転換を支援する培養条件中で前記細胞を維持すること、とを含み、前記第2の遺伝子の少なくとも1つが、胚幹細胞の表現型的及び機能的特徴の特性を有さない方法であり、これによって前記期間時間の最終にて、前記第1の型の細胞が前記異なる型の所望の細胞へ形質転換される、方法。
【請求項2】
取得された前記異なる型の所望の細胞が、前記第1の型の細胞中で発現される複数個の遺伝子の安定した抑制によって特性評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの再プログラミング剤が、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、化合物又は小分子である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの再プログラミング剤がポリヌクレオチド又はポリペプチドであり、並びに前記ポリヌクレオチド又はポリペプチドが、その受入番号が表Aに表示されている、GenBank、UniProt/Swiss-Prot又はUniGene配列から選択される配列を含む、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの再プログラミング剤が、次のMusashi1(Msi1)、Msi1及びNeurogenin2(Ngn2)、Msi1及びメチル-CpG結合ドメイン蛋白質2(MBD2)、Ngn2及びMBD2、並びにMsi1、Ngn2及びMBD2からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの再プログラミング剤がポリペプチドであり、前記少なくとも1つの再プログラミング剤の細胞内レベルを増加させることが、前記ポリペプチドを細胞内に送達させることを含む、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリペプチドを送達させることが、トランスフェクションによって細胞内に送達される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの再プログラミング剤がポリヌクレオチド又はポリペプチドであり、前記ポリヌクレオチド又はポリペプチドが、その受入番号が表Aに表示されている、GenBank、UniProt/Swiss-Prot又はUniGene配列から選択される配列を含む、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数個の第2の遺伝子が、その受入番号が表Aに提供されたGenBank、UniProt/Swiss-Prot又はUniGene受入番号中に表示されているポリヌクレオチド又はポリペプチド配列に関して、ポリヌクレオチドを含む遺伝子又はポリペプチドをコ-ド化する遺伝子から選択される、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記所望の細胞の表現型的及び/又は機能的特徴の特性を有する第2の遺伝子の発現が、以下の表によって定義された1つ又はそれ以上のマ-カ-の発現によって特性評価される、請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の方法。
【表1】

【請求項11】
その発現が安定して抑制される前記複数個の遺伝子が、表Cに表示された遺伝子に従って選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の細胞中で発現された複数個の遺伝子の安定した抑制が、表Cで定義されたような相当する細胞マ-カ-の消失によって特性評価される、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
工程ii)が工程iii)へ連続して実行されるか、又は工程iii)と同時に実行される、請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の型の細胞のクロマチン及び/又はDNAを、前記細胞のクロマチン及び/又はDNAの再構築を可能にする薬剤と接触させることを更に含む、請求項1〜13のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記クロマチン及び/又はDNAの再構築を可能にする薬剤が、ヒストンアセチル化剤、ヒストン脱アセチル化の阻害剤、DNA脱メチル化剤、DNAメチル化の阻害剤及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記DNAメチル化の阻害剤が、5-アザシチジン、5-アザ-2-デオキシシチジン、1-β-D-アラビノフラノシル-5-アザシトシン、ジヒドロ-5-アザシチジン、ゼブラリン、及びRG108からなる群から選択されて、前記ヒストン脱アセチル化の阻害剤が、バルプロン酸、酪酸フェニル、トリコスタチンA、酪酸ナトリウム、ベンズアミド、及び環式テトラペプチドからなる群から選択されて、並びにDNA脱メチル化剤がMBD2である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の型の細胞を細胞骨格崩壊剤と接触させることを更に含む、請求項1〜16のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の型の細胞が、生殖細胞、胚幹細胞及びそれらの由来物、成幹細胞及びそれらの由来物、プロジェニタ-細胞及びそれらの由来物、中胚葉、内胚葉又は外胚葉に由来する細胞、及び中胚葉、内胚葉又は外胚葉系統の細胞からなる群から選択される、請求項1〜17のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の型の細胞が、脂肪細胞由来幹細胞、間葉幹細胞、造血幹細胞、皮膚由来前駆体細胞、毛胞細胞、繊維芽細胞、角化細胞、表皮細胞、内皮細胞、上皮細胞、顆粒膜上皮細胞、メラニン形成細胞、脂肪細胞、軟骨細胞、肝細胞、Bリンパ球、Tリンパ球、顆粒細胞、マクロファ-ジ、単球、単核細胞、膵臓島細胞、セルトリ細胞、ニュ-ロン、グリア細胞、心筋細胞、及び他の筋肉細胞からなる群から選択される、請求項1〜17のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の異なる型の細胞が、生殖細胞、胚幹細胞及びそれらの由来物、成幹細胞及びそれらの由来物、プロジェニタ-細胞及びそれらの由来物、中胚葉、内胚葉又は外肺葉に由来する細胞、及び中胚葉、内胚葉又は外胚葉系統の細胞からなる群から選択される、請求項1〜17のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の異なる型の細胞が、脂肪細胞由来幹細胞、間葉幹細胞、造血幹細胞、皮膚由来前駆体細胞、毛胞細胞、繊維芽細胞、角化細胞、表皮細胞、内皮細胞、上皮細胞、顆粒膜上皮細胞、メラニン形成細胞、脂肪細胞、軟骨細胞、肝細胞、Bリンパ球、Tリンパ球、顆粒細胞、マクロファ-ジ、単球、単核細胞、膵臓島細胞、セルトリ細胞、ニュ-ロン、グリア細胞、心筋細胞、及び他の筋肉細胞からなる群から選択される、請求項1〜17のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記所望の細胞が神経幹様細胞(NSLC)であり、NSLCの形質転換を支援するための培養条件中に前記細胞を配置することが、レチノイド化合物、神経栄養因子、bFGF、EGF、SHH、Wnt3a、形質転換成長因子α、神経ペプチドY、エストロゲン、リチウム及びL-アスコルビン酸からなる群から選択される1つまたはそれ以上の因子を含む培養培地に前記細胞を接触させることを含む、請求項1〜17のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の型の細胞が、脂肪細胞由来幹細胞、造血幹細胞、繊維芽細胞、及び核化細胞からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第1の型の細胞を異なる型の所望の細胞へと形質転換させる方法であって、
所望の第2の細胞の形態的及び/又は機能的特性の発現を直接的又は間接的に誘導するために選択された、少なくとも1つの再プログラミング剤の細胞内レベルを増加させることと、
その発現が前記所望の細胞の表現型的及び/又は機能的特徴の特性を有する複数個の第2の遺伝子を安定して発現させるような十分な期間時間で、前記所望の細胞の形質転換を支援するための培養条件中で前記細胞を維持すること、とを含み、前記第2の遺伝子の少なくとも1つは、胚幹細胞の表現型的及び/又は機能的特徴の特性を有さない方法であり、これによって、前記期間時間の最終にて、前記異なる型の所望の細胞が取得され、並びに前記取得された細胞が、前記第1の型の細胞中で発現された複数個の遺伝子の安定な抑制によって更に特性評価される、方法。
【請求項25】
幹様細胞(SLC)を取得する方法であって、
i)第1の型の細胞を提供することと、
ii)前記細胞中で、少なくとも1つの再プログラミング剤の細胞内レベルを一過性的に増加させて、これによって前記一過性増加が少なくとも1つの遺伝子調節因子の内因性発現を直接的又は間接的に誘導させることと、
iii)前記細胞を、幹様細胞の形質転換を支援するための条件中に配置させて、並びに前記再プログラミング剤の不在下において前記少なくとも1つの遺伝子調節因子を安定して発現させるために十分な期間時間で、前記少なくとも1つの再プログラミング剤の細胞内レベルを維持することと、
iv)その発現が前記幹様細胞の表現型的及び/又は機能的特徴の特性を有するような複数個の第2の遺伝子を安定して発現させるのに十分な期間時間で、前記幹様細胞の形質転換を支援する培養条件中で前記細胞を維持すること、とを含み、前記第2の遺伝子の少なくとも1つが、胚幹細胞の表現型的及び機能的特徴の特性を有さない方法であり、これによって前記期間時間の最終にて、幹様細胞が取得される、方法。
【請求項26】
前記幹様細胞が神経幹様細胞(NSLC)であり、前記少なくとも1つの再プログラミング剤が、Musashi1(Msi1)、Msi1及びNeurogenin2(Ngn2)、Msi1及びメチル-CpG結合ドメイン蛋白質2(MBD2)、Ngn2及びMBD2、並びにMsi1、Ngn2及びMBD2からなる群から選択され、並びに前記少なくとも1つの遺伝子調節因子が、Sox2、ネスチン、及びMsi1からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
神経幹様細胞(NSLC)を取得する方法であって、
第1の型の細胞を提供することと、
前記細胞に、以下のポリペプチド、Musashi1(Msi1)ポリペプチド、Musasgi1(Msi1)及びNeurogenin2(Ngn2)ポリペプチド、Musashi1(Msi1)及びメチル-CpG結合ドメイン蛋白質2(MDBD2)ポリペプチド、Musashi1(Msi1)、Neurogenin2(Ngn2)ポリペプチド、Neurogenin2(Ngn2)及びメチル-CpG結合ドメイン蛋白質2(MDBD2)、並びにMusashi1(Msi1)、Neurogenin2(Ngn2)ポリペプチド、及びメチル-CpG結合ドメイン蛋白質2(MDBD2)ポリペプチドのうちの1つまたはそれ以上の一過性発現が可能である1つまたはそれ以上のポリヌクレオチドを導入することと、並びに、
その発現がNSLCの表現型的及び/又は機能的特徴の特性を有するような複数個の遺伝子を安定して発現させるのに十分な期間時間で、NSLCへの形質転換を支援する培養条件中に、前記細胞を配置させること、とを含む方法であり、前記期間時間の最終にて、NSLCが取得され、並びに前記取得されたNSLCが、前記第1の型の細胞中で発現される複数個の遺伝子の安定な抑制によって更に特性評価される方法。
【請求項28】
NSLCの形質転換を支援するための培養条件中に前記細胞を配置させることが、レチノイド化合物、神経栄養因子、bFGF、EGF、SHH、Wnt3a、形質転換成長因子α、神経ペプチドY、エストロゲン、リチウム及びL-アスコルビン酸からなる群から選択される1つまたはそれ以上の因子を含む培養培地に前記細胞を接触させることを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
神経幹様細胞(NSLC)を取得する方法であって、
NSLCではない第1の型の細胞を提供することと、
前記第1の型の細胞のNSLCへの形質転換を直接的又は間接的に操作することが可能である、少なくとも1つの神経幹細胞特異的ポリペプチドの細胞内レベルを増加させることと、並びに、
前記第1の型の細胞のクロマチン及び/又はDNAを、ヒストンアセチル化剤、ヒストン脱アセチル化の阻害剤、DNA脱メチル化剤、及び/又はDNAメチル化の化学的阻害剤と接触させること、とを含む方法であり、これによってNSLCが取得される方法。
【請求項30】
前記第1の型の細胞を、細胞骨格崩壊剤で処理することを更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも1つの神経幹細胞特異的ポリペプチドの細胞内レベルを増加させることが、Musashi1(Msi1)ポリペプチド、Musasgi1(Msi1)及びNeurogenin2(Ngn2)ポリペプチド、Musashi1(Msi1)及びメチル-CpG結合ドメイン蛋白質2(MDBD2)ポリペプチド、Neurogenin2(Ngn2)及びメチル-CpG結合ドメイン蛋白質2(MDBD2)ポリペプチド、又はMusashi1(Msi1)、Neurogenin2(Ngn2)ポリペプチド、及びメチル-CpG結合ドメイン蛋白質2(MDBD2)ポリペプチドの発現を可能にする発現ベクタ-で、前記第1の型の細胞を一過性トランスフェクトすることを含む、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記DNAメチル化の阻害剤が、5-アザシチジン、5-アザ-2-デオキシシチジン、1-β-D-アラビノフラノシル-5-アザシトシン、ジヒドロ-5-アザシチジン、ゼブラリン、及びRG108からなる群から選択されて、前記ヒストン脱アセチル化の阻害剤が、バルプロン酸、酪酸フェニル、トリコスタチンA、酪酸ナトリウム、ベンズアミド、及び環式テトラペプチドからなる群から選択されて、並びにDNA脱メチル化剤がMBD2である、請求項29〜31のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
NSLCの形態的及び機能的特性を維持、支援及び/又は誘導するために適切な1つ又はそれ以上の因子を含む培地中で、前記細胞を培養することを更に含む、請求項29〜32のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記1つ又はそれ以上の因子が、レチノイド化合物、神経栄養因子、bFGF、EGF、SHH、Wnt3a、形質転換成長因子α、神経ペプチドY、エストロゲン、リチウム及びL-アスコルビン酸からなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
このように取得された前記NSLCが、以下の特性の1つまたはそれ以上を所有し、特性が、
Sox2、ネスチン、GFAP、Msi1及びNgn2からなる群から選択される1つ又はそれ以上の神経幹細胞マ-カ-の発現と、
前記第1の型の細胞に特異的な1つ又はそれ以上の遺伝子の低減された発現と、
神経球コロニ-形成アッセイにおける神経球の形成と、
懸濁液中で培養されること又は接着培養として培養されることが可能であることと、
外因性再プログラミング剤の存在なしに、一か月間を超えて増殖することが可能であることと、
低継代にて、36時間ごとに分裂することが可能であることと、
テロメラ-ゼ活性に対して陽性であることと、
ニュ-ロン様細胞、星状様細胞、希突起神経膠様細胞及びそれらの組み合わせへと分化することが可能であることと、
テロメラ-ゼ及び1つ又はそれ以上の神経幹細胞マ-カ-の低減された発現と、
長さで1つの細胞直径よりも大きな1つ又はそれ以上の形態的神経突起様過程(軸索及び/又は樹状突起)を有することと、
神経特異的チュ-ブリン、微小管関連蛋白質2、NCAM、及び神経伝達物質のためのマ-カ-からなる群から選択される少なくとも1つの神経特異的抗原の発現と、
1つ又はそれ以上の機能的神経マ-カ-の発現と、
1つ又はそれ以上の神経栄養因子の放出が可能であることと、
腫瘍コロニ-形成アッセイにおける陰性であることと、
SCIDマウスでの腫瘍成長に関して陰性であることと、
SCIDマウスでの奇形腫成長に関して陰性であることと、
脳アブレ-ションモデルへの空隙中へのNSLCsの適当数の配置後における1つ又はそれ以上の機能的測定を著しく改善する可能性があることと、
NSLCsの適当数のEAEモデルへの注入投与後における1つ又はそれ以上の機能的測定を著しく改善又は維持する可能性があること、並びに、
CNS損傷又は神経変性モデルにおけるhNPCsよりもなおいっそう顕著に1つ又はそれ以上の機能的測定を改善する可能性があること、である、請求項29〜34のうちのいずれか一項に記載された方法。
【請求項36】
このようにして取得された前記NSLCsが、以下の特性の全てを所有し、特異性は、
体細胞よりも著しく長く自己再生する能力と、
それが癌性細胞ではないことと、
それが安定であり、かつ強制的遺伝子発現又は同様な手段によって人工的に維持されず、並びに標準神経幹細胞培地中で維持され得ることと、
プロジェニタ-、前駆体、体細胞へ、又は同一の系統の別のより分化した細胞型へと分化することができることと、
特定のマ-カ-又は遺伝子発現或いは形態的外観だけではない幹細胞の特性を有することと、並びに、
インヴィヴォにおける制御されない成長、奇形腫形成、及び腫瘍形成を表さないこと、である、請求項29〜34のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
複数個のNSLCsが取得され、並びに前記複数個のNSLCsが、三次元構造内に組み立てられる、請求項29〜35のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
非NSLCから神経幹様細胞(NSLC)を取得するための方法であって、
非NSLCを得ることと、
MBD2ポリペプチドをコ-ド化する第1のポリヌクレオチドと、MUSASHI1ポリペプチド及び/又はNGN2ポリペプチドをコ-ド化する少なくとも1つの第2のポリヌクレオチドで、前記非NSLCをコトランスフェクトすることと、
NSLCへの形質転換を支援するための培養条件中に、前記コトランスフェクトされた細胞をNSLCが取得されるまで配置させること、とを含む方法。
【請求項39】
前記非NSLCが、角化細胞、脂肪細胞由来幹細胞(ADSCs)及びヒト造血幹細胞から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
請求項1〜38のうちのいずれか一項に記載の方法を用いて取得された細胞系。
【請求項41】
以下の特性を所有する幹様細胞であって、特性が、
体細胞よりも著しく長く自己再生する能力と、
それが癌性細胞ではないことと、
それが安定であり、かつ強制的遺伝子発現又は同様な手段によって人工的に維持されず、並びに標準神経幹細胞培地中で維持され得ることと、
プロジェニタ-、前駆体、体細胞へ、又は同一の系統の別のより分化した細胞型へと分化することができることと、
特定のマ-カ-又は遺伝子発現或いは形態的外観だけではない幹細胞の特性を有することと、並びに、
インヴィヴォにおける制御されない成長、奇形腫形成、及び腫瘍形成を表さないこと、である幹様細胞。
【請求項42】
以下の特性を所有する神経幹様細胞(NSLC)であって、特性が
Sox2、ネスチン、GFAP、Msi1及びNgn2からなる群から選択される1つ又はそれ以上の神経幹細胞マ-カ-の発現と、
前記第1の型の細胞に特異的な1つ又はそれ以上の遺伝子の低減された発現と、
神経球コロニ-形成アッセイにおける神経球の形成と、
懸濁液中で培養されること又は接着培養として培養されることが可能であることと、
外因性再プログラミング剤の存在なしに、一か月間を超えて増殖することが可能であることと、
低継代にて、36時間ごとに分裂することが可能であることと、
テロメラ-ゼ活性に対して陽性であることと、
ニュ-ロン様細胞、星状様細胞、希突起神経膠様細胞及びそれらの組み合わせへと分化することが可能であることと、
テロメラ-ゼ及び1つ又はそれ以上の神経幹細胞マ-カ-の低減された発現と、
長さで1つの細胞直径よりも大きな1つ又はそれ以上の形態的神経突起様過程(軸索及び/又は樹状突起)を有することと、
神経特異的チュ-ブリン、微小管関連蛋白質2、NCAM、及び神経伝達物質のためのマ-カ-からなる群から選択される少なくとも1つの神経特異的抗原の発現と、
1つ又はそれ以上の機能的神経マ-カ-の発現と、
1つ又はそれ以上の神経栄養因子の放出が可能であることと、
腫瘍コロニ-形成アッセイにおいて陰性であることと、
SCIDマウスでの腫瘍成長に関して陰性であることと、
SCIDマウスでの奇形腫成長に関して陰性であることと、
脳アブレ-ションモデルへの空隙中へのNSLCsの適当数の配置後における1つ又はそれ以上の機能的測定を著しく改善する可能性があることと、
NSLCsの適当数のEAEモデルへの注入投与後における1つ又はそれ以上の機能的測定を著しく改善又は維持する可能性があること、並びに、
CNS損傷又は神経変性モデルにおけるhNPCsよりもなおいっそう顕著に1つ又はそれ以上の機能的測定を改善する可能性があること、である神経幹様細胞(NSLC)。
【請求項43】
このように取得された前記NSLCが、以下のすべての特性を有し、特性が
体細胞よりも著しく長く自己再生する能力と、
それが癌性細胞ではないことと、
それが安定であり、かつ強制的遺伝子発現又は同様な手段によって人工的に維持されず、並びに標準神経幹細胞培地中で維持され得ることと、
プロジェニタ-、前駆体、体細胞へ、又は同一の系統の別のより分化した細胞型へと分化することができることと、
特定のマ-カ-又は遺伝子発現或いは形態的外観だけではない幹細胞の特性を有することと、並びに、
インヴィヴォにおける制御されない成長、奇形腫形成、及び腫瘍形成を表さないこと、である、請求項42に記載の神経幹様細胞。
【請求項44】
前記NSLCが、体細胞、プロジェニタ-細胞又は幹細胞の退行分化、形質転換又は再プログラミングから誘導される、請求項42又は43に記載のNSLC。
【請求項45】
インヴィトロで培養された細胞を含む3D組み立て品人工組織構造であって、前記3D組み立て品が、請求項1〜24に記載された方法のいずれか1つの方法を使用して得られた複数個の所望の細胞と、請求項25又は26に記載されたいずれか1つの方法を使用して得られた複数個のSLCと、請求項27〜39に記載されたいずれか1つの方法を使用して得られた複数個の神経幹様細胞(NSLC)と、請求項41で定義されたような複数個のSLCと、及び/又は請求項42〜44のうちのいずれか一項で定義されたような複数個のNSLCと、これら細胞によって生成された細胞外マトリックスとを含む、人工組織構造。
【請求項46】
哺乳類組織または臓器を再生する方法であって、請求項1〜24に記載された方法のいずれか1つの方法を使用して得られた複数個の所望の細胞と、請求項25又は26に記載されたいずれか1つの方法を使用して得られた複数個のSLCと、請求項27〜39に記載されたいずれか1つの方法を使用して得られた複数個の神経幹様細胞(NSLC)と、請求項41で定義されたような複数個のSLCと、及び/又は請求項42〜44のうちのいずれか一項で定義されたような複数個のNSLCとを提供することと、再生される前記組織または臓器を前記複数個の所望の細胞、SLC、及び/又はNSLCと接触させること、とを含む方法。
【請求項47】
前記所望の細胞、SLC、及び/又はNSLCが、再生される組織又は臓器の近接に配置される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
それを必要とする対象者の組織または臓器を修復または再生させる方法であって、前記方法が、前記組織または臓器を、請求項1〜24に記載された方法のいずれか1つの方法を使用して得られた複数個の所望の細胞と、請求項25又は26に記載されたいずれか1つの方法を使用して得られた複数個のSLCと、請求項27〜39に記載されたいずれか1つの方法を使用して得られた複数個の神経幹様細胞(NSLC)と、請求項41で定義されたような複数個のSLCと、及び/又は請求項42〜44のうちのいずれか一項で定義されたような複数個のNSLCと、及び/又は請求項45で定義されたような人工組織構造とに接触させることを含む、方法。
【請求項49】
それを必要とする被験者の組織または臓器を修復または再生させる方法であって、前記方法が、前記対象者に、前記組織又は臓器の細胞中で少なくとも1つの遺伝子調節因子の内因性発現を直接的または間接的に誘導する化合物及び/又は前記被験者のインヴォヴォにて、形質転換、退行分化又は再プログラムされることが可能な細胞中で、少なくとも1つの遺伝子調節因子の内因性発現を誘導する化合物を投与することを含む方法であり、前記少なくとも1つの遺伝子調節因子の発現が、前記細胞を所望の異なる型の細胞へと再プログラムし、並びに前記異なる型の細胞が、前記組織又は臓器の修復または再生において効果的であるような、方法。
【請求項50】
前記所望の異なる型の細胞が、幹様細胞である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記組織又は臓器が、脳、脊髄、心臓、眼、網膜、内耳、皮膚、筋肉、腸、膵臓、腎臓、肝臓、肺、骨、骨髄、軟骨板、毛胞、歯、血管、内分泌腺、外分泌腺、卵巣、生殖器、乳房組織及び胸部組織からなる群から選択される、請求項49又は50に記載の方法。
【請求項52】
第1の型の細胞が所望の異なる型の細胞へ再プログラムされるような工程であって、
少なくとも1つの再プログラミング剤の細胞内レベルの一過性増加であって、前記少なくとも1つの再プログラミング剤が、少なくとも1つの遺伝子調節因子の内因性発現を直接的又は間接的に誘導し、並びに前記少なくとも1つの遺伝子調節因子の内因性発現が、前記異なる型の所望の細胞の存在に必要である、一過性増加と、
前記少なくとも1つの遺伝子調節因子の安定な発現と、
複数個の第2の遺伝子の安定な発現であって、前記複数個の第2の遺伝子の前記安定な発現が、前記少なくとも1つの遺伝子調節因子の前記安定な発現の結果であり、並びに(i)複数個の第2の遺伝子の安定な発現が、前記所望の細胞の表現型的及び/又は機能的特徴の特性であり、(ii)前記少なくとも1つの第2の遺伝子の安定な発現が、胚幹細胞の表現型的及び/又は機能的特徴の特性ではなく、並びに(i)及び(ii)が、前記第1の型の細胞の前記異なる型の所望の細胞への成功した再プログラミングの指標であるような安定な発現を含む、工程。
【請求項53】
前記少なくとも1つの再プログラミング剤が、Msi1ポリペプチド、又はNgn2ポリペプチド及びMDB2ポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチドである、請求項52に記載の工程。
【請求項54】
前記少なくとも1つの遺伝子調節因子が、Sox2、Msi1及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリペプチドである、請求項52又は53に記載の工程。
【請求項55】
前記所望の細胞が神経幹様細胞(NSLC)であって並びに前記第1の型の細胞が、角化細胞、脂肪細胞由来幹細胞(ADSCVs)及びヒト造血幹細胞から選択される細胞である、請求項52〜54のうちのいずれか一項に記載の工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2013−509159(P2013−509159A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535565(P2012−535565)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001727
【国際公開番号】WO2011/050476
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(510308621)ニュー・ワールド・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】NEW WORLD LABORATORIES INC.
【Fターム(参考)】