説明

細胞傷害性インデノおよびイソインドロイソキノロン

ベンゾイソインドロイソキノロン化合物の合成および生物学的活性が記載される。C-11置換インデノイソキノロンの合成および生物学的活性も記載される。C-11において置換されるインデノイソキノロンは、アルデヒドによる11-ケトインデノイソキノロンのマクマリー反応によって調製される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インデノおよびイソインドロイソキノロン、および、細胞傷害剤としてのインデノおよびイソインドロイソキノロンの用法に関する。
【背景技術】
【0002】
トポイソメラーゼI(top1)阻害剤カンプトテシン(3)およびインデノイソキノリン2(図3参照)の細胞傷害性のプロフィールが非特許文献1、2および3に記載されている。なお、これらの文献の開示を引用することにより本明細書に含める。インデノイソキノリン2の合成は、非特許文献4に記載されるように、シス置換イソキノロン1(図3)を塩化チオニルで処理することによって実現される。なお、この文献を引用することにより本明細書に含める。カンプトテシン(3)およびインデノイソキノリン2も共に、酵素によるDNA分断後、すなわち、top1触媒による1本鎖切断後に起こるDNA再連結の阻害剤であることが示された。カンプトテシン(3)もインデノイソキノリン2も、top1抑制剤と言うよりもtop1毒素とする方が分類的に好ましいと思われる。なぜなら、カンプトテシン(3)とインデノイソキノリン2は、分断される複合体を安定化することができることを示したのである。しかしながら、インデノイソキノリン2によって誘発されるDNA1本鎖断点は、カンプトテシン(3)によって誘発されるものよりも安定している。さらに、2の切断部位特異性は、カンプトテシン(3)のものとは異なる。
【非特許文献1】Kohlhagen et al., Mol. Pharmacol. 54:50-58(1998)
【非特許文献2】Pommier et al., Biochem. Biophys. Acta, 1400:83-105(1998)
【非特許文献3】Pommier, Opinion in Oncologic, Endocrine & MetabolicInvestigational Drugs, 1:168-169(1999)
【非特許文献4】Cushman & Cheng, J. Org. Chem. 43:3781-83(1978)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかのカンプトテシン(3)誘導体、例えば、イリノテカンおよびトポテカンは、臨床的に有用な抗ガン剤であるけれども、これらの化合物のそれぞれに存在するラクトン環が開放しているために不安定である。そのために、薬剤除去後、分断複合体の急速な復元が観察される。このような状況において、現在、カンプトテシンと同様にtop1を阻害するが、新しいDNA分断パターンを誘発し、改変された毒性プロフィールと長期の作用期間を持ち、カンプトテシン自身とは異なる抗腫瘍スペクトラムを有する治療薬剤に対する出現が求められている。Strumberg et al., J. Med. Chem. 42:446-457(1999)、Cushman et al., J. Med. Chem. 43:3688-3698(2000)、Jayaraman et al., J. Med. Chem. 45:242-249(2002)に記載されるように、いくつかのインデノイソキノリン2の類縁体は合成されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下に、式Iの化合物を記載する。
【化1】

【0005】
ここで、式中、
Qは酸素または硫黄であり、
Xは水素であり、YはCHR2R3、NHR2、NHOR2、またはNHNR2Rであり、あるいは、XとYとは共に結合されて=CR2R3、=NR2、=NOR2、または=NNR2R3を形成する。
【0006】
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)mZからなるグループから選ばれ、ここで、mは0-6の整数であり、Zは、ハロゲン、ヒドロキシ、フォルミル、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれ、あるいは、Zは、-N3、−CO2R4、−CONR5R6、−P(O)(OR4)2、−P(O)(NR4R5)2、および、-P(O)(NR4R5)(OR4)から成るグループから選ばる。ここで、R4、R5、およびR6は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれる。
【0007】
また、XとYとが共に結合されて=NNR2R3を形成する場合には、R2とR3とは付属の窒素によって共に結合されて任意に置換される複素環を形成する。
【0008】
RAは、1-4個の置換基であって、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’Z’からなるグループから選ばれ、ここで、m’は0-6の整数であり、Z’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれる。あるいは、Z’は、-N3、−CO2R4’、−CONR5’R6’、−P(O)(OR4’)2、−P(O)(NR4’R5’)2、および、-P(O)(NR4’R5’)(OR4’)から成るグループから選ばれ、ここで、R4’、R5’、およびR6’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれる。
【0009】
また、RAは、2-4個の置換基であって、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素によって結合されて任意に置換される炭素環または任意に置換される複素環を形成し、残りの2個の置換基は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’Z’からなるグループから選ばれ、ここで、m’は0-6の整数であり、Z’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれる。また、Z’は、-N3、−CO2R4’、−CONR5’R6’、−P(O)(OR4’)2、−P(O)(NR4’R5’)2、および、-P(O)(NR4’R5’)(OR4’)から成るグループから選ばれる。ここで、R4’、R5’、およびR6’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれる。
【0010】
そして、RBは、1-4個の置換基であって、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’’Z’’からなるグループから選ばる。ここで、m’’は0-6の整数であり、Z’’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれる。また、Z’’は、-N3、−CO2R4’’、−CONR5’’R6’’、−P(O)(OR4’’)2、−P(O)(NR4’’R5’’)2、および、-P(O)(NR4’’R5’’)(OR4’’)から成るグループから選ばれる。ここで、R4’’、R5’’、およびR6’’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれる。
【0011】
また、RBは、2-4個の置換基であって、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素によって結合されて任意に置換される炭素環または任意に置換される複素環を形成し、残りの2個の置換基は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’’Z’’からなるグループから選ばる。ここで、m’’は0-6の整数であり、Z’’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばる。また、Z’’は、-N3、−CO2R4’’、−CONR5’’R6’’、−P(O)(OR4’’)2、−P(O)(NR4’’R5’’)2、および、-P(O)(NR4’’R5’’)(OR4’’)から成るグループから選ばる。ここで、R4’’、R5’’、およびR6’’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれる。
【0012】
式Iの化合物における、一つの例示の実施態様では、Qは酸素であり、RAは2,3-ビス(C1-C6アルコキシ)である。式Iの化合物の、他の例示の実施態様では、Qは酸素であり、R1はC1-C6アルキル、アミノアルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。式Iの化合物の、一つの例示の実施態様では、RBは、2-4個の置換基であって、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素によって結合されて、ジオキソランおよびジオキサンから成るグループから選ばれる複素環を形成する置換基を表す。
【0013】
式Iの化合物における、他の例示の実施態様では、Qは酸素であり、RAは2,3-ビス(C1-C6アルコキシ)であり、RBは8,9-アルキレンジオキシであり、XおよびYは共に結合されて=CR2R3を形成し、ここで、R2は水素、R3は上に記述した通りであり、R1は上に記述した通りである。式Iの化合物における、他の例示の実施態様では、Qは酸素であり、RAは2,3-ビス(C1-C6アルコキシ)であり、RBは8,9-アルキレンジオキシであり、XおよびYは共に結合されて=CR2R3を形成し、ここで、R2は水素、R3は上に記述した通りであり、R1は、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、C3-C8ハロシクロアルキル、アミノ-C1-C6アルキル、C1-C6アルキルアミノ-C1-C6-アルキル、または(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ-C1-C6アルキルである。
【0014】
式Iの化合物における、他の例示の実施態様では、XおよびYは共に結合されて=CR2R3を形成し、ここで、R2およびR3は上に記述した通りである。一態様において、これによって形成される炭素-炭素二重結合はE-二重結合である。他の態様では、形成される炭素-炭素二重結合はZ-二重結合である。式Iの化合物における、他の例示の実施態様では、XおよびYは共に結合されて=CR2R3を形成し、R2はC1-C6ハロアルキルまたはアミノアルキルである。一態様では、R1は水素である。
【0015】
式Iの化合物における、他の例示の実施態様では、Zは、ヒドロキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、およびニトロから選ばれる。式Iの化合物の、他の例示の実施態様では、Z’はC1-C6アルコキシおよびニトロから選ばれる。式Iの化合物における、他の例示の実施態様では、Z’’は、C1-C6アルコキシおよびニトロから選ばれる。
【0016】
式Iの化合物における、他の例示の実施態様では、RBは、2-4個の置換基であって、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素によって結合されて任意に置換される複素環を形成する。式Iの化合物における、他の例示の実施態様では、RBは、2-4個の置換基であって、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素によって結合されて任意に置換される複素環を形成し、かつ、Z’’はC1-C6アルコキシおよびニトロから選ばれる。
【0017】
以下に、式IIの化合物を記載する。すなわち、
【化2】

【0018】
式中、
Qは酸素または硫黄であり、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)mZからなるグループから選ばる。ここで、mは0-6の整数であり、Zは、ハロゲン、ヒドロキシ、フォルミル、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばる。また、Zは、-N3、−CO2R4、−CONR5R6、−P(O)(OR4)2、−P(O)(NR4R5)2、および、-P(O)(NR4R5)(OR4)から成るグループから選ばれ、ここで、R4、R5、およびR6は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれる。
【0019】
また、R1は、水素およびラジカル-(CH2)mZからなるグループから選ばる。ここで、mは0-6の整数であり、Zは、ハロゲン、ヒドロキシ、フォルミル、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばる。また、Zは、-N3、−CO2R4、−CONR5R6、−P(O)(OR4)2、−P(O)(NR4R5)2、および、-P(O)(NR4R5)(OR4)から成るグループから選ばる。ここで、R4、R5、およびR6は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれ、かつ、R2およびR3は付属の炭素によって結合されて任意に置換される炭素環または複素環を形成する。
【0020】
RAは、1-4個の置換基であって、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’Z’からなるグループから選ばれる。ここで、m’は0-6の整数であり、Z’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれる。また、Z’は、-N3、−CO2R4’、−CONR5’R6’、−P(O)(OR4’)2、−P(O)(NR4’R5’)2、および、-P(O)(NR4’R5’)(OR4’)から成るグループから選ばれる。ここで、R4’、R5’、およびR6’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれる。
【0021】
また、RAは、2-4個の置換基であって、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素によって結合されて任意に置換される炭素環または任意に置換される複素環を形成し、残りの2個の置換基は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’Z’からなるグループから選ばれる。ここで、m’は0-6の整数であり、Z’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれる。また、Z’は、-N3、−CO2R4’、−CONR5’R6’、−P(O)(OR4’)2、−P(O)(NR4’R5’)2、および、-P(O)(NR4’R5’)(OR4’)から成るグループから選ばれる。ここで、R4’、R5’、およびR6’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれる。
【0022】
RBは、水素およびラジカル-(CH2)m’’Z’’からなるグループから選ばれる。ここで、m’’は0-6の整数であり、Z’’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれる。また、Z’’は、-N3、−CO2R4’’、−CONR5’’R6’’、−P(O)(OR4’’)2、−P(O)(NR4’’R5’’)2、および、-P(O)(NR4’’R5’’)(OR4’’)から成るグループから選ばれる。ここで、R4’’、R5’’、およびR6’’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれる。
【0023】
また、RCは、1-4個の置換基であって、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’’’Z’’’からなるグループから選ばれる。ここで、m’’’は0-6の整数であり、Z’’’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれる。また、Z’’’は、-N3、−CO2R4’’’、−CONR5’’’R6’’’、−P(O)(OR4’’’)2、−P(O)(NR4’’’R5’’’)2、および、-P(O)(NR4’’’R5’’’)(OR4’’’)から成るグループから選ばれる。ここで、R4’’’、R5’’’、およびR6’’’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれる。
【0024】
また、RCは、2-4個の置換基であって、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素によって結合されて任意に置換される炭素環または任意に置換される複素環を形成し、残りの2個の置換基は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’’’Z’’’からなるグループから選ばれる。ここで、m’’’は0-6の整数であり、Z’’’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれる。また、Z’’’は、-N3、−CO2R4’’’、−CONR5’’’R6’’’、−P(O)(OR4’’’)2、−P(O)(NR4’’’R5’’’)2、および、-P(O)(NR4’’’R5’’’)(OR4’’’)から成るグループから選ばれる。ここで、R4’’’、R5’’’、およびR6’’’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれる。
【0025】
式IIの化合物における、一つの例示の実施態様では、R1、R2、R3、RA、RB、またはRCの内の少なくとも一つは水素ではない。式IIの化合物における、他の例示の実施態様では、RAは2,3-ビス(C1-C6アルコキシ)である。式IIの化合物における、他の例示の実施態様では、Qは酸素であり、RAは2,3-ビス(C1-C6アルコキシ)であり、かつ、RB、RC、R1、R2、およびR3はそれぞれ水素である。
【0026】
式IIの化合物における、他の例示の実施態様では、Z’は、ヒドロキシおよびニトロから成るグループから選ばれる。式IIの化合物における、他の例示の実施態様では、RAは、2-4個の置換基であって、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素によって結合されて任意に置換される炭素環または任意に置換される複素環を形成し、残りの2個の置換基は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’Z’からなるグループから選ばれ、ここで、Z’は、ヒドロキシおよびニトロから成るグループから選ばれる。
【0027】
式IIの化合物における、他の例示の実施態様では、Z’’はニトロである。式IIの化合物における、他の例示の実施態様では、RCは、2-4個の置換基であって、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素によって結合されて任意に置換される炭素環または任意に置換される複素環を形成し、残りの2個の置換基は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2) m’’’Z’’’からなるグループから選ばれ、Z’’’はニトロである。
【0028】
1種以上の式Iの化合物および/または1種以上の式IIの化合物、および、1種以上の製薬学的に受容可能な、その担体、賦形剤、および/または、希釈剤を含む製薬組成物も記載される。
【0029】
ガンを含むが、ガンだけに限定されない病態からの救済を必要とする哺乳動物の治療法も記載される。その方法は、その哺乳動物に、1種以上の式Iの化合物および/または1種以上の式IIの化合物の有効量を投与する工程、または、1種以上の式Iの化合物および/または1種以上の式IIの化合物を含む製薬組成物の有効量を投与する工程を含む。
【0030】
<関連文献とのクロスリファレンス>
本出願は、2003年5月12日出願の米国仮出願第60/469,718号の利益を主張する。なお、この出願の開示を引用することにより本明細書に含める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
一実施態様における、式Iのインデノイソキノロンが本明細書において記載される。
【化3】

【0032】
式中、R1、RA、RB、Q、X、およびYは上述に定義した通りである。
【0033】
式Iの化合物の一実施態様において、本明細書に記載するように、C-11に対してハロアルキル、アミノアルキル、ハロアルケニル、および/または、アミノアルケニル側鎖が付着してもよい。ハロとは、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを指す。式Iの化合物の他の実施態様では、本明細書に記載するように、C-11に対してヘテロアリルアルキル、および/または、ヘテロアリルアルケニル側鎖が付着してもよい。ヘテロアリルとは、炭素および、少なくとも一つのヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、リン、または硫黄を含む任意の環状芳香族構造を指す。例示のヘテロアリルとしては、フラニル、チオフラニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサチアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等が挙げられるが、ただし、これらに限定されない。
【0034】
XとYとは共に結合されて=CR2R3、=NR2、=NOR2、または=NNR2R3を形成する場合、E-二重結合、Z-二重結合、EとZ二重結合異性体の任意の混合物のいずれかが、選択された反応条件に応じて形成されることが認められる。例えば、McMurry結合による二重結合形成は、E二重結合異性体を比較的多く、実質的に多く、またはもっぱらそれだけを形成する傾向がある。他の二重結合形成反応、例えば、Wittigオレフィン化反応、Petersonオレフィン化反応、縮合反応、脱水反応等は、他の複数の二重結合異性体、またはそれらの混合物を好んで形成する。
【0035】
他の実施態様では、本明細書においてイソインドロイソキノロン化合物が記載される。一つの態様では、本明細書においてベンゾ融合イソインドロイソキノロン化合物が記載される。他の態様では、本明細書において式IIのイソインドロイソキノロン化合物が記載される。
【化4】

【0036】
式中、R1、R2、R3、RA、RB、RC、およびQは上に定義した通りである。式Iおよび式IIの化合物は、成長または増殖細胞、例えば、ガン細胞を修飾する活性を、それら化合物がDNAに嵌入することができるその能力から得ていることが認められる。特に、DNAの巻き戻しの研究から、インデノイソキノリンのN-3-アミノアルキル誘導体、例えば、化合物7が嵌入可能であることが示された。理論に拘束されずに述べると、図4に示すように、化合物7のインデノイソキノリン窒素上の陽イオン側鎖がDNAの主溝の中に突出することが示唆されている。DNAが、top1のようなタンパクとの複合体中に存在する場合、化合物7のような化合物のインデノイソキノリン窒素上の側鎖が、DNAの主溝の中に、該タンパクのAsn352残基に向かって突出する可能性がある。式Iの化合物については、理論に拘束されずに述べると、C-11に付着する側鎖、例えば、アルキル、アルキルイデニル、アミノアルキル、アミノアルキルイデニル、ヒドロキシアミノアルキル、ヒドロキシアミノアルキルイデニル、ヒドラジノアルキル、およびヒドラジノアルキルイデニル側鎖が、DNAの副溝に突出することが示唆されている。DNAが、top1のようなタンパクとの複合体中に存在する場合、側鎖が、DNAの副溝の中に、酵素のArg364およびAsp533残基に向かって突出する可能性がある。
【0037】
他の実施態様では、本明細書において製薬組成物および処方が考察される。その製薬組成物および処方は、式Iおよび式IIの、1種以上のインデノイソキノロン、またはイソインドロイソキノロン化合物の、ガンを抱える患者を治療するための有効量を含む。本明細書において使用する場合、インデノイソキノロン、またはイソインドロイソキノロンの有効量とは、患者に投与されると、ガン細胞の成長を抑制し、悪性細胞を抹殺し、腫瘍の容量またはサイズを低減し、あるいは治療患者からその腫瘍を完全に除去する、化合物の量と定義される。
【0038】
患者に投与される有効量は、典型的には、体表面積、患者の体重、および/または患者の状態に基づいている。動物とヒトにおける用量の相互関係(体表面積平方メートル当たりのミリグラムに基づく)については、Freireich, E.J., et al., Cancer Chemother. Rep. 1966, 50(4), 219に記載されている。体表面積は、患者の身長と体重から近似的に求められる(Scientific Tables, Geigy Pharmaceuticals, Ardley、ニューヨーク、537-538ページ(1970)を参照)。本明細書に記載される、インデノイソキノロンまたはイソインドロイソキノロンの有効量は、患者のガン細胞の成長を抑制する(抹殺する)のに有効な、任意の量を含む。典型的には、この有効量は、約5 mg/kgから約500 mg/kg、より好ましくは約5 mg/kgから約250 mg/kg、もっとも好ましくは約5から約150 mg/kgの範囲に渡る。有効量はまた、選択された投与ルート、賦形剤の使用、および/または、抗腫瘍剤および/または放射線療法も含めた、他の治療法との併用に依存して変動することがあることが認められている。
【0039】
この製薬処方は、例えば、皮下、腹腔内、筋肉内、および、静脈内を含めた非経口ルートを通じて投与されてもよい。非経口剤形の例としては、活性剤を、等張生食液、5%グルコース、またはその他の既知の製薬学的に受容可能な液性担体に溶解させた水溶液が挙げられる。本発明の一つの好ましい態様としては、インデノイソキノロン、またはイソインドロイソキノロン化合物は、5%ジメチルスルフォキシドおよび10% Cremphor EL (Sigma Chemical Company)を含む生食液に溶解される。さらにその他に可溶化剤を、例えば、本明細書に記載されるインデノイソキノロンまたはイソインドロイソキノロン化合物と、特異的で、より可溶な複合体を形成することが可能なシクロデキストラン、または、当業者にはよく知られる、その他の可溶化剤を、インデノイソキノロンまたはイソインドロイソキノロン化合物搬送用の製薬学的賦形剤として利用することも可能である。
【0040】
本発明の化合物はまた、既知の方法を用いて他の投与ルートに適した剤形として処方されてもよい。この製薬組成物は、例えば、経口投与に相応しい剤形として、カプセル、ゲル封入剤、または錠剤として処方することが可能である。カプセルは、任意の既知の製薬学的に受容可能な物質、例えば、ゼラチンまたはセルロース誘導体を含んでもよい。錠剤は、通例の工程に従って、活性的インデノイソキノリンまたはイソインドロイソキノリンと固相の担体、および当業者にはよく知られた潤滑剤から成る混合物を圧縮することによって調製されてもよい。固相担体の例としては、でん粉、糖分、およびベントナイトが挙げられる。本発明の化合物はまた、結合剤および通例の充填剤および錠剤用調剤として、例えば、ラクトースおよびマンニトールを含む、堅皮錠剤またはカプセルとして投与することも可能である。
【0041】
下記の実施例は、本発明の各種実施態様を具体的に説明することを意図するもので、本明細書並びに特許請求項に記載される本発明の範囲をいかなる意味でも限定することを意図するものではない。別段に指示しない限り、融点は毛細管において定量され、補正されていない。赤外線スペクトラムはCHCl3を溶媒として用いて得た。1H NMRスペクトラムは、CDCl3を溶媒としてTMSを内部標準として用い300 MHzで定量した。微量分析は、パーデュー大学微量分析室にて行った。反応は、薄層クロマトグラフィー(TLC)で監視し、短波長UV光にて可視化した。化合物は、シリカゲルフラッシュ・クロマトグラフィーにて精製した。
【実施例】
【0042】
[実施例1] 式IIの化合物の一般的合成
ベンゾイソインドロイソキノロン8および、8の2個のメトキシル基を欠く類縁体化合物13の合成法がスキーム1に概観される。
【化5】

【0043】
ジメシレート9のTHF溶液をアンモニア液で処理することで、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-b]キノリン(10)が得られた。これを、そのままの状態で、臭化物11と反応させると、所望の化合物8が得られた。同様に、10を塩化物12と反応させると、対応する未置換の誘導体13が得られた。この他の、合成法の詳細および/または反応条件全般が、Corey et al., J. Org. Chem. 40:2140-41 (1975); Claus & Steinitz, Justus Liebigs Ann. Chem. 282:107-30 (1894); Parrick & Ragunathan, J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 211-16 (1993); Sloan & Koch, J. Org. Chem. 48:635-640 (1983)、およびSlemon et al., Can. J. Chem. 59:3055-60 (1981)に記載される。これらの文献の開示を参照することにより本明細書に含める。例えば、ジメシレート9の調製はClaus & Steinitzに記載されており、臭化物11の調製はSlemon et al.に記載されており、塩化物12の調製はSloan & Kochに記載されている。
【0044】
[実施例2] 式Iの化合物の一般的合成
スキーム2において表されるように、ケトン2とハロアルデヒド14-17とのMcMurry反応を用いて11-インデノイソキノロン18-21を調製した(Cushman & Cheng, J. Org. Chem. 43:3781-3783 (1978)を参照、なお、この文献の開示を参照することにより本明細書に含める)。
【化6】

【0045】
いずれの場合も、単一二重結合異性体の生産が観察された。この二重結合の立体化学は、化合物19の核オーバーハウザー効果(NOE)差異スペクトラムを得ることによって求めた。NOE差異スペクトラムの解釈は、19の1H NMRスペクトラムの信号帰属に基づいている(図1)。HB、HE、L、F、G、およびHのプロトンは、それぞれ、7.89, 6.86, 6.08, 3.00, 2.28、および3.61 ppmの共鳴に割り当てられた(図1参照)。7.89における共鳴はHBに割り当てられた。なぜならこのプロトンはアミドカルボニルに隣接するが、アミドカルボニルは恐らくHBの遮蔽を外し、HBを他の芳香族プロトンに対してもっとも遠い低磁場方向にシフトさせると考えられるからである。6.68 ppmの共鳴はビニルのプロトンHEに割り当てられた。なぜなら、これは、一つのプロトンに合体する唯一の三重線だからである。さらに、6.08 ppmにおける共鳴はLプロトンに割り当てられた。なぜなら、これらのプロトンは、2プロトン1重線として現れると考えられる唯一のプロトンだからである。プロトンのF、G、およびHに対する帰属は、それぞれの化学シフトを評価することによって実現された。Hにおけるプロトンは、臭化物に隣接し、もっとも遠い低磁場3.60 ppmにある。Fにおけるアリル・プロトロンは、さらに高磁場の3.00 ppmにあり、最後に、Gのプロトンはもっとも遠い高磁場の2.28 ppmにある。
【0046】
残りの芳香族共鳴ピークは、NOE差異スペクトロメトリーによって割り当てを行った。Lプロトン(6.08 ppm)の放射は、HDおよびHCに対応する7.39および7.36 ppmの共鳴の強調をもたらした。7.89 ppmの共鳴はHBに割り当てられたのであるから、7.44 ppmにおける共鳴は消去法によってHAに対応しなければならない。HE(6.86 ppm)の放射は、HDではなく、HAに対応する7.44 ppmの共鳴の強い強調をもたらした。従って、インデノイソキノリン4のC-11における二重結合は、割り当てられたE立体化学を支持する。
【0047】
19のNMRスペクトラム(図1)の共鳴ピークの残余のものの割り当ても同様にして実現され、上述の帰属を支持した。具体的に言うと、Fプロトン(3.00 ppm)の放射は、7.36 ppmの強調をもたらした。従って、7.36 ppmの共鳴はHDに対応する。消去法によって、7.39 ppmの共鳴はHCに所属しなければならない。HC(7.39 ppm)の放射は、4.040 ppmの共鳴の強調をもたらし、これによって、この共鳴はメチルアミンKのプロトンに割り当てられた。最後に、HB(7.89 ppm)の放射は、4.023 ppmの共鳴の強調をもたらした。従って、4.023 ppmの共鳴は、Jのプロトンに対応し、消去法によって、4.044の共鳴はIのプロトンに所属する。
【0048】
以上本明細書に例示する通り、McMurry結合法ではE二重結合形態を持つ二重結合しか得られないけれども、他の、通例の二重結合形成反応を用いることによって、Z-二重結合形態、あるいはEおよびZ二重結合異性体から成るさまざまの混合物も獲得することが可能であることが認められる。
【0049】
Finkelstein反応を用いることによって、臭化物19から4-ヨードブテニル化合物24が得られた(スキーム3)。
【化7】

【0050】
ハロアルケン誘導体の場合と同様、Boc-保護βアラニナル(25)によるリード化合物2のMcMurry反応によって、酸性処理後、所望の3-アミノプロペニル化合物26が得られた(スキーム4)。
【化8】

【0051】
アラニナル25は、Blaney et al., Tetrahedron 58:1719-37 (2002)によって記載されるようにして調製してもよい。なお、この開示を引用することにより本明細書に含める。
【0052】
[実施例3] 8,9-ジメトキシ-12H-5,11a-ジアザ-ジベンゾ[b,h]フルオレン-11-オン(8)
無水THF(20 mL)に溶解した9の溶液(200 mg, 0.58 mmol)(Claus & Steinitz, 「β-キナルジン酸のアルキル誘導体」“Alkyl Derivatives of β-Quinaldic Acid,” Justus Liebigs Ann. Chem., 282, 107-130 (1894)に記載するやり方で調製、なお、この開示を引用することにより本明細書に含める)を、その溶液に30分間アルゴンの泡を通気することによってガス抜きした。液相NH3を、コールドフィンガーを通じて約1滴/5秒で5分間添加した。コールドフィンガーを除去し、アルゴン雰囲気下、反応混合物を室温に温めた。反応混合物を室温で12時間攪拌し、その時点で溶液を通じてアルゴンの泡を1.5時間通気し、余分なNH3を除去した。無水THF(10 mL)およびNEt(3 mL)を加え、反応混合物を室温で30分攪拌した。臭化物11(Slemon et al.,「3-ハロピリジンおよび3,4-ジヒドロイソキノリニウム塩からのフタリデイソキノリンの合成」”Synthesis of Phthalideisoquinolines from 3-Halopyridines and 3,4-Dihydroisoquinolinium Salts,” Can. J. Chem., 59, 3055-3060 (1981)に記載するやり方で調製、なお、この開示を引用することにより本明細書に含める)を加え、反応混合物を室温で24時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、10% NaOAc/AcOH (30 mL)にて置換した。反応混合物を室温にて24時間攪拌し、この時点で溶媒を減圧除去した。得られた固体を水(100 mL)に溶解し、CHCl3(3x100 mL)で抽出した。有機相をプールし、飽和NaHCO3(1x100 mL)水溶液、食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、ろ過し、減圧下に濃縮し、褐色固体を得た。精製(シリカゲル、CHCl3)によって8(106 mg, 53%)が黄色固体として得られた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ8.61(s, 1H), 8.12(m, 2H), 7.84(m, 1H), 7.71(s, 1H), 7.82(m, 1H), 7.61(s, 1H), 7.50(s, 1H), 5.32(s, 2H), 3.94(s, 3H), 3.91(s, 3H); ESIMS m/z(相対強度)345.2(100, MH+)。分析、C21H16N2O3・0.5H2Oの計算値C, 71.38; H, 4.85; N, 7.93。観測値C, 71.07; H, 4.72; N, 7.85。
【0053】
[実施例4] 12H-5,11a-ジアザ-ジベンゾ[b,h]フルオレン-11-オン(13)
無水THF(20 mL)に溶解した9の溶液(200 mg, 0.58 mmol)を、その溶液に30分間アルゴンの泡を通気することによってガス抜きした。液相NH3を、コールドフィンガーを通じて約1滴/5秒で5分間添加した。コールドフィンガーを除去し、アルゴン雰囲気下、反応混合物を室温に温めた。反応混合物を室温で12時間攪拌し、その時点で溶液を通じてアルゴンの泡を1.5時間通気し、余分なNH3を除去した。これによって中間体10の溶液が得られた。無水THF(10 mL)およびNEt(3 mL)を加え、反応混合物を室温で30分攪拌した。塩化物12(Sloan & Koch, 「求核性および基脱出能力の、(アシクロキシ)アルキルα-ハロゲン化物を含むアミンのSN2反応に及ぼす作用」”Effect of Nucleophilicity and Leaving Group Ability on the SN2 Reactions of Amines with (Acycloxy)alkyl α-Halides,” J. Org. Chem., 48, 635-640 (1983)に記載するやり方で調製、なお、この開示を引用することにより本明細書に含める)(195 mg, 1.16 mmol)を加え、反応混合物を室温で24時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、10% NaOAc/AcOH (30 mL)にて置換した。反応混合物を室温にて24時間攪拌し、この時点で溶媒を減圧除去した。得られた固体を水(100 mL)に溶解し、CHCl3(3x100 mL)で抽出した。有機相をプールし、飽和NaHCO3(1x100 mL)水溶液、食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、ろ過し、減圧下に濃縮し、褐色固体を得た。精製(シリカゲル、CHCl3)によって13(90 mg, 55%)が黄色固体として得られた。IR(フィルム)3062, 2952, 2839, 1714, 1619, 1566, 1456, 1438, 1256, 1067 cm-11H NMR (300 MHz, CDCl3) δ8.56(d, J=7.56 Hz, 1H), 8.34(s, 1H), 8.23(d, J=8.64 Hz, 1H), 7.91(d, J=8.19Hz, 1H), 7.90-7.71(m, 3H), 7.68(s, 1H), 7.66-7.56(m, 2H), 5,38(d, J=1.07 Hz, 2H); ESIMS m/z(相対強度)285.2(100, MH+)。分析、C19H12N2O・0.25H2Oの計算値C, 79.01; H, 5.46; N, 9.70。観測値C, 79.30; H, 5.36; N, 9.66。
【0054】
[実施例5] 11-(4’-クロロブチリデン)-5,6-ジヒドロ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-8,9-メチレンジオキシ-5-オキソ-11H-インデノ[1,2-c]イソキノリン(18)
TiCl4・2THF(508 mg, 1.52 mmol), Zn粉末(199 mg, 3.04 mmol)、および乾燥THF(15 mL)を、炎で乾燥させた、磁気攪拌棒と還流コンデンサを備えた、2本の枝付きフラスコに加えた。この懸濁液を、アルゴン下で還流しながら3時間加熱し、その後、乾燥THF(15 mL)に溶解した4-クロロブタナール(14)(Li et al., 「マザミンAのABC三環サブユニットの合成」”Synthesis of the Tricyclic ABC Ring Subunit of Mazamine A,” Tetrahedron, 54, 6661-6676 (1998)、なお、この開示を引用によって本明細書に含める)(108.1 mg, 1.01 mmol)およびインデノイソキノリン2(185 mg, 0.51 mmol)を、注射器によって導入した。反応混合物を還流下で2.5時間加熱し、その後4N HCl(20 mL)を加えた。この溶液を室温で1時間攪拌し、3時間放置した。得られたオレンジ色の沈殿を真空ろ過にて収集した。この固体をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、5:1 CHCl3/ヘキサン)によって精製し、18(96.1 mg, 43%)をオレンジ色固体として得た。融点196-201℃。IR(フィルム)2926, 1636, 1610, 1517, 1483, 1255, 1034 cm-11H NMR (300 MHz, CDCl3) δ7.89(s, 1H), 7.78(s, 1H), 7.40(s, 1H), 7.37(s, 1H), 6.88(t, J=7.19 Hz, 1H), 6.04(s, 2H), 4.05(s, 3H), 4.03(s, 3H), 4.02(s, 3H), 3.74(t, J=6.32 Hz, 2H), 3.00(dt, J=7.30およびJ=7.45 Hz, 2H), 2.20(qn, J=6.90 Hz, 2H); ESIMS m/z(相対強度)440.7(100, MH+)、442.6(43, MH+)。分析、C24H22ClNO5.の計算値C, 65.53; H, 5.04; N, 3.18。観測値C, 65.30; H, 4.96; N, 3.08。
【0055】
[実施例6] 11-(4’-ブロモブチリデン)-5,6-ジヒドロ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-8,9-メチレンジオキシ-5-オキソ-11H-インデノ[1,2-c]イソキノリン(19)
磁気攪拌棒、還流コンデンサ、隔壁、およびアルゴンラインを備えた、100 mLの、2本の枝付き丸底フラスコに、亜鉛粉末(537mg, 8.21 mmol)を充填し炎で乾燥させた。THF(30 mL)と、トルエンに溶解したTiCl4の1 M溶液(4.11 mL, 4.11 mmol)を加えた。この懸濁液を還流させながら5時間加熱し、その後、THF(30 mL)に溶解した2(500 mg, 1.37 mmol)および4-ブロモブタナール(15)(413 mg, 2.74 mmol)(Canan Koch & Chamberlin, 「官能基化されたケテンジチオアセタールから得られるβ-アルキル-γ-ブチロラクトンのエナンチオマー選択的調製」”Enantioselective Preparation of β-Alkyl-γ-butyrolactones from Functionalized Ketene Dithioacetals,” J. Org. Chem., 58, 2725-2737 (1993); Somekawa et al.,「オレフィン炭素鎖にエステル基を持つ1-(ω-アルケニル)-2-ピリドンにおける分子内[2+2]光環付加反応」J. Org. Chem., 57, 5708-5712, (1992)、なお、これらの開示を引用によって本明細書に含める)をピペットで添加した。反応混合物を還流下で1時間加熱し、その後4N HCl(40 mL)を加えて反応を停止させた。この溶液を1時間攪拌し、0℃で2時間冷却した。オレンジ色の沈殿を真空ろ過にて収集しオレンジ色の固体を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3)によって精製したところ、19(161.6 mg, 30%)をオレンジ色固体として得た。融点197-199℃。IR(フィルム)2921, 1610, 1517, 1483, 1381, 1296, 1253, 1207, 1033 cm-11H NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.88(s, 1H), 7.44(s, 1H), 7.40(s, 1H), 7.36(s, 1H), 6.83(t, J=7.11 Hz, 1H), 6.05(s, 2H), 4.00(s, 6H), 3.97(s, 3H), 3.57(t, J=6.33 Hz, 2H), 2.97(q, J=7.23 Hz, 2H), 2.25(qn, J=6.80 Hz, 2H); ESIMS m/z(相対強度)486.2(97, MH+)、484.2(100, MH+)。分析、C24H22BrNO5.の計算値C, 59.52; H, 4.58; N, 2.89。観測値C, 59.56; H, 4.56; N, 2.88。
【0056】
[実施例7] 11-(5’-ブロモペンチリデン)-5,6-ジヒドロ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-8,9-メチレンジオキシ-5-オキソ-11H-インデノ[1,2-c]イソキノリン(20)
還流コンデンサおよび磁気攪拌棒を備えた、100 mLの、2本の枝付き丸底フラスコに、亜鉛粉末(537mg, 8.21 mmol)を充填し炎で乾燥させた。THF(30 mL)と、トルエンに溶解したTiCl4の1 M溶液(4.11 mL, 4.11 mmol)をこの丸底フラスコに加え、混合物を還流しながら6時間加熱した。THF(30 mL)、5-ブロモペンタナール(16)(452 mg, 2.74 mmol)、および2(500 mg, 1.37 mmol)をこの反応混合物に添加し、これを還流下で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、4N HCl(40 mL)を加え、この混合物を30分攪拌し、-20℃の冷凍庫で一晩冷却した。得られた黄色の沈殿を真空ろ過にて収集し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製したところ、20(133.7 mg, 33%)をオレンジ色固体として得た。融点196-197℃。IR(フィルム)2932, 1632, 1612, 1517, 1483, 1254, 1032 cm-11H NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.89(s, 1H), 7.46(s, 1H), 7.41(s, 1H), 7.32(s, 1H), 6.86(t, J=6.83 Hz, 1H), 6.05(s, 2H), 4.05(s, 3H), 4.03(s, 3H), 4.01(s, 3H), 3.49(t, J=6.47 Hz, 2H), 2.86 (q, J=7.15 Hz, 2H), 2.06(m, 2H), 1.88(m, 2H); ESIMS m/z(相対強度)500.2(95, MH+)、498.2(100, MH+)。分析、C25H24BrNO5.の計算値C, 60.25; H, 4.85; N, 2.81。観測値C, 60.57; H, 4.90; N, 2.83。
【0057】
[実施例8] 11-(6’-ブロモヘキシリデン)-5,6-ジヒドロ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-8,9-メチレンジオキシ-5-オキソ-11H-インデノ[1,2-c]イソキノリン(21)
還流コンデンサおよび磁気攪拌棒を備えた、100 mLの、2本の枝付き丸底フラスコに、亜鉛粉末(537mg, 8.21 mmol)を充填し炎で乾燥させた。THF(30 mL)と、トルエンに溶解したTiCl4の1 M溶液(4.11 mL, 4.11 mmol)をこの丸底フラスコに加え、混合物を還流しながら4時間加熱した。無水THF(30 mL)、6-ブロモヘキサナール(17)(491 mg, 2.74 mmol)、および2(500 mg, 1.37 mmol)をこの反応混合物に添加し、これを還流下で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、4N HCl(40 mL)を加え、この混合物を30分攪拌し、-20℃の冷凍庫で一晩冷却した。得られた黄色の沈殿を真空ろ過にて収集し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製したところ、21(118.0 mg, 17%)をオレンジ色固体として得た。融点182-185℃。IR(フィルム)2929, 1636, 1610, 1516, 1482, 1296, 1255, 1033 cm-11H NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.88(s, 1H), 7.46(s, 1H), 7.40(s, 1H), 7.32(s, 1H), 6.88(t, J=6.96 Hz, 1H), 6.05(s, 2H), 4.06(s, 3H), 4.02(s, 3H), 4.00(s, 3H), 3.44(t, J=6.62 Hz, 2H), 2.84 (q, J=7.13 Hz, 2H), 1.95(qn, J=7.04 Hz, 2H), 1.74(m, 2H), 1.66(m, 2H); ESIMS m/z(相対強度)514.2(100, MH+)、512.2(91, MH+)。分析、C26H26BrNO5.の計算値C, 60.95; H, 5.11; N, 2.73。観測値C, 60.55; H, 5.08; N, 2.72。
【0058】
[実施例9] 11-(4’-ヨードブチリデン)-5,6-ジヒドロ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-8,9-メチレンジオキシ-5-オキソ-11H-インデノ[1,2-c]イソキノリン(24)
NaI(217 mg, 1.45 mmol)を、アセトン(15 mL)に溶解した臭化物19(70 mg, 0.15 mmol)の懸濁液に加えた。この反応混合物を還流しながら12時間加熱した。その後、得られたオレンジ色の沈殿を真空ろ過によって収集し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3)によって精製したところ、24(73.0 mg, 95%)がオレンジ色固体として得られた。融点173-174.5℃。IR(KBr)2944, 1612, 1522, 1481, 1254, 1033 cm-11H NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.88(s, 1H), 7.43(s, 1H), 7.40(s, 1H), 7.36(s, 1H), 6.84(t, J=7.22 Hz, 1H), 6.05(s, 2H), 4.08(s, 3H), 4.04(s, 3H), 4.00(s, 3H), 3.35(t, J=6.69 Hz, 2H), 2.95 (q, J=7.32 Hz, 2H), 2.19(m, 2H); ESIMS m/z(相対強度)532.1(100, MH+)。分析、C24H22INO5の計算値C, 54.25; H, 4.17; N, 2.64。観測値C, 54.64; H, 4.25; N, 2.60。
【0059】
[実施例10] 11-(3’-アミノプロピリデン)-5,6-ジヒドロ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-8,9-メチレンジオキシ-5-オキソ-11H-インデノ[1,2-c]イソキノリン(26)
TiCl4-THF(1:2)複合体(730 mg, 2.19 mmol)および亜鉛粉末(284 mg, 4.37 mmol)を、3本の枝付き丸底フラスコに投入した。THF(30 mL)を加えた。得られた懸濁液を環流しながら4時間加熱した。この時点で、THF(30 mL)に溶解したアルデヒド25(189 mg, 1.09 mmol)(Blaney et al., 「連鎖的金属-アゾメチン・イリド環付加ラクタム化反応を介して得られる融合および架橋性2および3環ラクタム」”Fused and Bridged Bi- and Tri-Cyclic Lactams via Sequential Metallo-Azomethine Ylide Cycloaddition-Lactamization,” Tetrahedron, 58, 1719-37 (2002)、なお、この開示を引用によって本明細書に含める)、およびインデノイソキノリン2(266 mg, 0.73 mmol)の混合物を注射器によって加えた。反応混合物を環流しながらさらに4時間攪拌した。次に室温に冷却後3N HCl(10 mL)を加え、この混合物を室温で1時間攪拌し、その後0℃で2時間、最後に室温で一晩攪拌した。この混合物を0℃に冷却し、固体のNaHCO3を加えてHClを中和した。溶媒を留去し、残渣を、CHCl3-MeOH(4:1)溶出によるフラッシュクロマトグラフィーで精製したところ、26が黄色粉末(121 mg, 41%)として得られた。融点>180℃(dec)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) 7.68(s, 1H), 7.62(s, 1H), 7.51(s, 1H), 7.48(s, 1H), 6.94(t, J=6.0 Hz, 1H), 6.15(s, 2H), 4.01(s, 3H), 3.95(s, 3H), 3.87(s, 3H), 3.12-3.18(m, 4H); ESIMS m/z(相対強度)407.0(100, MH+)。分析、C23H22N2O5・0.9CHCl3の計算値C, 55.86; H, 4.49; N, 5.45。観測値C, 55.86; H, 4.72; N, 5.24。
【0060】
[実施例11] Top1-仲介性DNA分断反応
Pourquier et al., J. Biol. Chem. 274:8516-23 (1999)の記載に従って、ヒト組み換えtop1をバキュロウィルスから精製した。なお、この開示を引用することにより本明細書に含める。pBluescript SK(-)ファージミドDNA(Stratagene、ラホヤ、カリフォルニア州)の161bp断片を、制限酵素Pvu IIおよびHind III(New England Biolabs、ビバリー、マサチューセッツ州)を用い、支給されたNEバッファー2(10 μL反応)において37℃で1時間分断し、1X TBEバッファーにて調製した1%アガロースゲルの電気泳動によって分離した。この161bp断片をゲルスライス(Amiconによるcentrilutor)から溶出し、centricon 50遠心濃縮器(Amicon, ビバリー、マサチューセッツ州)にて濃縮した。約200 ngの断片をHind III部位において3’-末端標識した。標識は、反応2バッファー(50 mM Tris-HCl, pH 8.0, 100 mM MgCl2, 50 mM NaCl)中にて0.5単位のDNAポリメラーゼI(クレノウ断片)を用い、[アルファ-32P]-dGTP、および0.5 mM dATP, dCTP、およびdTTPとの充填反応を通じて行った。取り込まれなかった32P-dGTPはミニ高速スピンDNAカラムを用いて除去し、3’末端標識161bp断片を含む溶出液を収集した。分液(反応当たり約50,000 dpm)を、試験薬剤の存在下、top1と22℃で30分インキュベートした。反応は、SDS(0.5%最終濃度)を加えて停止させた。サンプル(10 μL)を30μLの負荷バッファー(80%フォルムアミド、10 mM水酸化ナトリウム、1 mMナトリウムEDTA、0.1%キシレンシアノール、および0.1%ブロモフェノールブルー、pH8.0)と混合した。分液を変性ゲル(16%ポリアクリルアミド、7M尿素)中で分離した。ゲルを乾燥し、PhosphoimagerおよびImageQuantソフトウェア(Molecular Dynamics、サニーベイル、カリフォルニア州)を用いて可視化した。
【0061】
本明細書に記載される、選択されたインデノイソキノロンについて、国立ガン研究所スクリーニングでヒトガン細胞系統に対する抗増殖活性の有無に関して調べられた。このスクリーニングでは、様々な腫瘍起源を持つ約55種のガン細胞系統に対して各化合物の活性が評価された。表1に示すグラフ平均中央値(MGM)は、試験した約55種の細胞系統全てにおけるGI50平均値の計算に基づく。この試験では、試験範囲(10-8から10-4モル)未満のGI値、および上回るGI値を、このスクリーニング試験で用いられる薬剤濃度の最小値(10-8モル)および最大値(10-4モル)とした。上記インデノイソキノロン類について選択された細胞系統から得られたGI50値も表1にまとめられている。本明細書に記載される選択されたインデノイソキノリン類の相対的活性は、top1仲介性DNA分断検定から得られ、これらも表1に示される。表1には化合物2および7も含まれる。
【0062】
[実施例12] 式Iの化合物の生物学的活性
ハロゲン化11-アルケニル側鎖誘導体18-21および24は皆、細胞傷害性において、化合物2とほぼ同じ範囲にあった。しかしながら、化合物21および24は、化合物18-20よりもやや細胞傷害性が優っていた。さらに、5炭素臭化物20と6炭素臭化物21は、4炭素アルケニルハロゲン化物である19および24よりも、top1に対してより高い抑制性活性を示した。
【0063】
本シリーズの新規インデノイソキノリン類において、細胞傷害性においてもtop1抑制活性においてももっとも有力な化合物は化合物26であった。すなわち、この化合物は、細胞傷害性において0.34 μMのグラフ平均中央値(MGM)を持ち、ガン細胞培養体における全体的細胞傷害性において大きな増加を示した。さらに、この化合物26は、top1毒素として、化合物2よりも有力であった。
【0064】
理論に拘束されずに述べると、カンプトテシン類縁体トポテカンのヒドロキシル基と、酵素のAsp533のカルボキシル基との間の水素結合相互作用が、カンプトテシンの環システムの結合に寄与している可能性がある。同様に、化合物26の3’-アミノプロピル側鎖が副溝に突入し、そこにおいて、Asp533またはArg364と、またはDNAの、引っ掛かった塩基残基と相互作用を持つことが考えられる。
【0065】
本明細書に記載される化合物の細胞傷害性プロフィールは、可溶性を改変することによって、細胞摂取を促進することによって、および/または、化合物26および7によって示されるように、分断複合体への介入前に、負に帯電するDNAフォスフォジエステルバックボーンに対する、正に帯電するアンモニウム陽イオンの静電気的引力を利用する成分を取り込むことによって改善することが可能であることが認められる。
【0066】
[実施例13] 式IIの化合物の生物学的活性
化合物8(MGM 91.2 μM)と化合物13(MGM 58.9 μM)のいずれも、一般的に、その細胞傷害性は化合物2(MGM 20.0 μM)よりも低かった。ハイブリッド分子13およびリード化合物2は、top1抑制因子として類似の効力を示した。13によって誘発されたtop1-仲介性DNA分断部位のパターンは、カンプトテシンのものよりも、化合物2のものにより近似することが観察された。しかしながら、カンプトテシン(3)と類縁体8および13の間の唯一の相違は、カンプトテシン(3)のラクトン環が、8ではジメトキシベンゼン環によって、13ではベンゼン環によって置換されたことだけである。
【0067】
[実施例14] DNA、top1、および式IIの化合物から成る三重複合体のコンピュータモデル
公表された三重複合体における化合物13の結合の性質を調べるために、公表された三重複合体(Staker et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 99:15387-15392 (2002)を参照、なお、この開示を引用によって本明細書に含める)におけるトポテカンの構造にハイブリッド13の構造を重ね合わせ、次にカンプトテシン構造を消去することによってモデルを構築した(図2)。結晶性三重複合体における合成2本鎖DNAは分断部位にフォスフォロチオレートを含むことが報告された。化合物13は、このモデルにおいて、この三重複合体のカンプトテシン結合部位に、明らかな何の立体的制限を受けることなく組み込まれる。
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、インデノイソキノロン19の1H NMRスペクトラムを示す。
【図2】図2は、DNA、top1、および抑制因子を含む三重複合体におけるイソインドロイソキノロン13の結合モデルを示す。図は、覗き穴視野に対応するようにプログラムされる。
【図3】図3は、各種のインデノイソキノロン、イソインドロイソキノロン、およびその誘導体を示す。
【図4】図4は、top1、DNA、および化合物7を含む三重複合体において、DNAに対する化合物7の相対的方向性を示すモデル図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式の化合物であって、
【化1】

式中、
Qは酸素または硫黄であり、
Xは水素であり、YはCHR2R3、NHR2、NHOR2、またはNHNR2Rであり、あるいは、XとYとは共に結合されて=CR2R3、=NR2、=NOR2、または=NNR2R3を形成し、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)mZからなるグループから選ばれ、ここで、mは0-6の整数であり、Zは、ハロゲン、ヒドロキシ、フォルミル、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれ、あるいは、Zは、-N3、−CO2R4、−CONR5R6、−P(O)(OR4)2、−P(O)(NR4R5)2、および、-P(O)(NR4R5)(OR4)から成るグループから選ばれ、ここで、R4、R5、およびR6は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれ、あるいは、
XとYとが共に結合されて=NNR2R3を形成する場合には、R2とR3とは付属の窒素によって共に結合されて任意に置換される複素環を形成し、
RAは、1-4個の置換基であって、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’Z’からなるグループから選ばれ、ここで、m’は0-6の整数であり、Z’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれ、あるいは、Z’は、-N3、−CO2R4’、−CONR5’R6’、−P(O)(OR4’)2、−P(O)(NR4’R5’)2、および、-P(O)(NR4’R5’)(OR4’)から成るグループから選ばれ、ここで、R4’、R5’、およびR6’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれ、あるいは、
RAは、2-4個の置換基であって、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素によって結合されて任意に置換される炭素環または任意に置換される複素環を形成し、残りの2個の置換基は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’Z’からなるグループから選ばれ、ここで、m’は0-6の整数であり、Z’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれ、あるいは、Z’は、-N3、−CO2R4’、−CONR5’R6’、−P(O)(OR4’)2、−P(O)(NR4’R5’)2、および、-P(O)(NR4’R5’)(OR4’)から成るグループから選ばれ、ここで、R4’、R5’、およびR6’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれ、および、
RBは、1-4個の置換基であって、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’’Z’’からなるグループから選ばれ、ここで、m’’は0-6の整数であり、Z’’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれ、あるいは、Z’’は、-N3、−CO2R4’’、−CONR5’’R6’’、−P(O)(OR4’’)2、−P(O)(NR4’’R5’’)2、および、-P(O)(NR4’’R5’’)(OR4’’)から成るグループから選ばれ、ここで、R4’’、R5’’、およびR6’’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれ、あるいは、
RBは、2-4個の置換基であって、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素によって結合されて任意に置換される炭素環または任意に置換される複素環を形成し、残りの2個の置換基は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’’Z’’からなるグループから選ばれ、ここで、m’’は0-6の整数であり、Z’’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれ、あるいは、Z’’は、-N3、−CO2R4’’、−CONR5’’R6’’、−P(O)(OR4’’)2、−P(O)(NR4’’R5’’)2、および、-P(O)(NR4’’R5’’)(OR4’’)から成るグループから選ばれ、ここで、R4’’、R5’’、およびR6’’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれる、前記式で表される化合物。
【請求項2】
XとYとが共に結合して=CR2R3を形成することを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
XとYとが共に結合して=CR2R3を形成し、それによって形成される炭素-炭素二重結合がE-二重結合であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Zは、ヒドロキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、およびニトロから成るグループから選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Z’は、C1-C6アルコキシおよびニトロから成るグループから選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Z’’は、C1-C6アルコキシおよびニトロから成るグループから選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
XとYとが共に結合して=CR2R3を形成し、R2はC1-C6ハロアルキルまたはアミノアルキルであり、R1は水素であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
RBは、2-4個の置換基を表し、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素が結合して任意に置換される複素環を形成することを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
RBは、2-4個の置換基を表し、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素が結合して、ジオキソランおよびジオキサンから成るグループから選ばれる複素環を形成することを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
RBは、2-4個の置換基を表し、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素が結合して任意に置換される複素環を形成し、かつ、Z’’はC1-C6アルコキシおよびニトロから成るグループから選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
Qは酸素であり、RAは2,3-ビス(C1-C6アルコキシ)であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
Qは酸素であり、R1はC1-C6アルキル、アミノアルキル、またはC1-C6ハロアルキルであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
Qは酸素であり、RAは2,3-ビス(C1-C6アルコキシ)であり、RBは8,9-アルキレンジオキシであり、XおよびYは共に結合されて=CR2R3を形成し、前式中R2は水素であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
Qは酸素であり、RAは2,3-ビス(C1-C6アルコキシ)であり、RBは8,9-アルキレンジオキシであり、XおよびYは共に結合されて=CR2R3を形成し、ここでR2は水素であり、かつ、R1は、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、C3-C8ハロシクロアルキル、アミノ-C1-C6アルキル、C1-C6アルキルアミノ-C1-C6-アルキル、または(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ-C1-C6アルキルであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
下式の化合物であって、
【化2】

式中、
Qは酸素または硫黄であり、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)mZからなるグループから選ばれ、ここで、mは0-6の整数であり、Zは、ハロゲン、ヒドロキシ、フォルミル、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれ、あるいは、Zは、-N3、−CO2R4、−CONR5R6、−P(O)(OR4)2、−P(O)(NR4R5)2、および、-P(O)(NR4R5)(OR4)から成るグループから選ばれ、ここで、R4、R5、およびR6は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれ、あるいは、
R1は、水素およびラジカル-(CH2)mZからなるグループから選ばれ、ここで、mは0-6の整数であり、Zは、ハロゲン、ヒドロキシ、フォルミル、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれ、あるいは、Zは、-N3、−CO2R4、−CONR5R6、−P(O)(OR4)2、−P(O)(NR4R5)2、および、-P(O)(NR4R5)(OR4)から成るグループから選ばれ、ここで、R4、R5、およびR6は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれ、かつ、R2およびR3は付属の炭素によって結合されて任意に置換される炭素環または複素環を形成し、
RAは、1-4個の置換基であって、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’Z’からなるグループから選ばれ、ここで、m’は0-6の整数であり、Z’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれ、あるいは、Z’は、-N3、−CO2R4’、−CONR5’R6’、−P(O)(OR4’)2、−P(O)(NR4’R5’)2、および、-P(O)(NR4’R5’)(OR4’)から成るグループから選ばれ、ここで、R4’、R5’、およびR6’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれ、あるいは、
RAは、2-4個の置換基であって、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素によって結合されて任意に置換される炭素環または任意に置換される複素環を形成し、残りの2個の置換基は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’Z’からなるグループから選ばれ、ここで、m’は0-6の整数であり、Z’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれ、あるいは、Z’は、-N3、−CO2R4’、−CONR5’R6’、−P(O)(OR4’)2、−P(O)(NR4’R5’)2、および、-P(O)(NR4’R5’)(OR4’)から成るグループから選ばれ、ここで、R4’、R5’、およびR6’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれ、
RBは、水素およびラジカル-(CH2)m’’Z’’からなるグループから選ばれ、ここで、m’’は0-6の整数であり、Z’’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれ、あるいは、Z’’は、-N3、−CO2R4’’、−CONR5’’R6’’、−P(O)(OR4’’)2、−P(O)(NR4’’R5’’)2、および、-P(O)(NR4’’R5’’)(OR4’’)から成るグループから選ばれ、ここで、R4’’、R5’’、およびR6’’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれ、および、
RCは、1-4個の置換基であって、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’’’Z’’’からなるグループから選ばれ、ここで、m’’’は0-6の整数であり、Z’’’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれ、あるいは、Z’’’は、-N3、−CO2R4’’’、−CONR5’’’R6’’’、−P(O)(OR4’’’)2、−P(O)(NR4’’’R5’’’)2、および、-P(O)(NR4’’’R5’’’)(OR4’’’)から成るグループから選ばれ、ここで、R4’’’、R5’’’、およびR6’’’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれ、あるいは、
RCは、2-4個の置換基であって、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素が結合して任意に置換される炭素環または任意に置換される複素環を形成し、残りの2個の置換基は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’’’Z’’’からなるグループから選ばれ、ここで、m’’’は0-6の整数であり、Z’’’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、任意に置換されるベンゾイルオキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルコキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシ、C3-C8ハロシクロアルキル、C3-C8ハロシクロアルコキシ、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C1-C6アルキルアミノアルキル、(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C1-C6アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、ニトロ、C1-C6アルキルスルフォニル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるフェノキシ、および、任意に置換されるヘテロアリルから成るグループから選ばれ、あるいは、Z’’’は、-N3、−CO2R4’’’、−CONR5’’’R6’’’、−P(O)(OR4’’’)2、−P(O)(NR4’’’R5’’’)2、および、-P(O)(NR4’’’R5’’’)(OR4’’’)から成るグループから選ばれ、ここで、R4’’’、R5’’’、およびR6’’’は、その出現においてそれぞれ独立に、水素、C1-C6アルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、任意に置換されるフェニル、および任意に置換されるフェニル-C1-C6アルキルから成るグループから選ばれる、前記式で表される化合物。
【請求項16】
R1、R2、R3、RA、RB、またはRCの内の少なくとも一つは水素ではないことを特徴とする、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
RAは2,3-ビス(C1-C6アルコキシ)であることを特徴とする、請求項15に記載の化合物。
【請求項18】
Qは酸素であり、RAは2,3-ビス(C1-C6アルコキシ)であり、かつ、RB、RC、R1、R2、およびR3はそれぞれ水素であることを特徴とする、請求項15に記載の化合物。
【請求項19】
Z’は、ヒドロキシおよびニトロから成るグループから選ばれることを特徴とする、請求項15に記載の化合物。
【請求項20】
RAは、2-4個の置換基を表し、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素によって結合されて任意に置換される炭素環または任意に置換される複素環を形成し、残りの2個の置換基は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’Z’からなるグループから選ばれ、前記式中、Z’は、ヒドロキシおよびニトロから成るグループから選ばれることを特徴とする、請求項15に記載の化合物。
【請求項21】
Z’’はニトロであることを特徴とする、請求項15に記載の化合物。
【請求項22】
Z’’’はニトロであることを特徴とする、請求項15に記載の化合物。
【請求項23】
RCは、2-4個の置換基を表し、その置換基の内の2個は隣接置換基であり、付属の炭素が結合して任意に置換される炭素環または任意に置換される複素環を形成し、残りの2個の置換基は、それぞれ独立に、水素およびラジカル-(CH2)m’’’Z’’’からなるグループから選ばれ、かつ、Z’’’はニトロであることを特徴とする、請求項15に記載の化合物。
【請求項24】
請求項1に記載の化合物または請求項15に記載の化合物、および、製薬学的に受容可能な、その担体、賦形剤、または希釈剤を含む製薬組成物。
【請求項25】
ガンを含む病態からの救済を必要とする哺乳動物の治療法であって、請求項1に記載または請求項15に記載の化合物の有効量、または、請求項24に記載の製薬組成物の有効量を哺乳動物に投与する工程を含む治療法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−528691(P2006−528691A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532921(P2006−532921)
【出願日】平成16年5月11日(2004.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/014581
【国際公開番号】WO2004/100891
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(598063203)パーデュー・リサーチ・ファウンデーション (59)
【氏名又は名称原語表記】PURDUE RESEARCH FOUNDATION
【出願人】(301008213)ザ ガバメント オブ ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ アズ リプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー オブ ザ デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシズ (2)
【Fターム(参考)】