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細胞分離容器
説明

細胞分離容器

【課題】遠心分離により得られた濃縮細胞を、再浮遊させることなく、塊状の細胞ペレットとして取り出し、容易に患部に移植することができる細胞分離容器を提供することを目的とする。
【解決手段】底部に開口部を有する有底筒状の容器本体と、底部に着脱可能に取り付けられ、開口部を密閉するキャップ部3とを備え、キャップ部3は、容器本体に取り付けられた状態で、容器本体内の空間に連絡する収容部5と、収容部5を外部に開放する連通孔4と、連通孔4に設けられた逆止弁8とを備え、逆止弁8が、収容部5から外側への流体の流れを禁止する一方、外部から収容部5への流体の流れを許容する細胞分離容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞分離容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、再生医療の分野では、治療を目的として組織に細胞を注入する手法がとられている。例えば、特許文献1には、細胞懸濁液を遠心処理して濃縮した後、濃縮された細胞塊沈殿物を吸引し、患部に移植することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−136168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
患部に細胞を移植する際、ある程度、沈殿濃縮物を、細胞塊にした状態で組織に移植した方が、組織への定着率が高くなることが知られている。しかし、特許文献1に記載の技術では、細胞沈殿物を処理容器からマイクロチューブへ移し替える必要があり、その際、細胞沈殿物を再浮遊させる必要があった。このため、沈殿濃縮物を細胞塊として組織に移植することは不可能であった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、遠心分離により得られた濃縮細胞を、再浮遊させることなく、細胞塊として取り出し、容易に患部に移植することができる細胞分離容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、底部に開口部を有する有底筒状の容器本体と、前記底部に着脱可能に取り付けられ、前記開口部を密閉するキャップ部とを備え、該キャップ部は、前記容器本体に取り付けられた状態で、容器本体内の空間に連絡する収容部と、該収容部を外部に開放する連通孔と、該連通孔に設けられた逆止弁とを備え、該逆止弁が、前記収容部から外部への流体の流れを禁止する一方、外部から前記収容部への流体の流れを許容する細胞分離容器を提供する。
【0007】
本発明によれば、容器本体の底部にキャップ部を取り付けた状態で、容器本体内に懸濁液を収容し、底部を半径方向外方に向かうように回転させて懸濁液に遠心力を作用させると、懸濁液内の成分が比重に応じて分離され、比重の大きな成分が底部の開口部からキャップ部の収容部内に移動する。このとき、連通孔は逆止弁によって閉止されており、比重の大きな成分は収容部内に堆積させられる。そして、容器本体からキャップ部を取り外し、外側から収容部に向かう方向に流体を供給することにより、逆止弁を開放して収容部に堆積された比重の大きな成分をキャップ部内から容易に排出することが可能となる。
【0008】
例えば、懸濁液として細胞懸濁液を容器本体内に収容して遠心処理することにより、比重の大きな細胞をキャップ部の収容部内に堆積させ、その後、容器本体から取り外したキャップ部の連通孔に外側から流体、例えば、空気を供給することにより、逆止弁を開放して、収容部に堆積されていた細胞塊をキャップ部から容易に排出することができる。これにより、細胞懸濁液から濃縮した細胞塊を簡易に患部に移植することが可能となる。
【0009】
また、前記キャップ部には、前記連通孔を介して外部から流体を供給する流体供給手段を接続する接続部が設けられていてもよい。
【0010】
このようにすることで、例えば流体供給手段としてシリンジ等を接続部に接続し、空気等の流体をキャップ部内部に供給することにより、収容部に堆積されていた細胞塊をキャップ部から容易に排出することができる。これにより、細胞塊を簡易に患部に移植することが可能となる。
【0011】
本発明は、底部に開口部を有する有底筒状の容器本体と、前記底部に着脱可能に取り付けられ前記開口部を密閉するキャップ部とを備え、該キャップ部が、前記容器本体に取り付けられた状態で、容器本体内の空間に連絡する収容部と、該収容部に、該収容部の容積を増減させるように移動可能に設けられた押圧部材とを備える細胞分離容器を提供する。
【0012】
本発明によれば、容器本体からキャップ部を取り外し、外側から収容部に向かう方向に押圧部材を移動させることにより、収容部の容積を減少させて、収容部内に堆積された比重の大きな成分をキャップ部内から容易に排出させることが可能となる。これにより、細胞懸濁液から濃縮した細胞塊を簡易に患部に移植することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、遠心分離後の濃縮細胞を、再浮遊させることなく、細胞塊として取り出し、容易に患部に移植することができる細胞分離容器を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る細胞分離容器を示す全体構造図であって(a)は、全体構造図、(b)は容器本体からキャップ部を取り外した状態の部分拡大図、(c)はキャップ部から蓋部材を取り外した状態を示した図、(d)はキャップ部にシリンジを装着する際の動作を示した図である。
【図2】図1の細胞分離容器のキャップ部に、シリンジを装着した状態を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る細胞分離容器を示す全体構造図であって(a)は、全体構造図、(b)は容器本体からキャップ部を取り外した状態の部分拡大図、(c)はキャップ部の動作を示した図である。
【図4】図3のキャップ部の拡大図であって、ピストンを押し出してキャップ部に設けられた収容部内の濃縮沈殿物を射出する過程を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1の実施形態に係る細胞分離容器について、図1〜図2を参照して説明する。
本実施形態に係る細胞分離容器1は、図1(a)に示されるように、底部に開口部を有する有底筒状であって、細胞懸濁液を遠心分離処理して細胞を濃縮する容器本体2と、容器本体2の底部に、スクリューキャップ方式により着脱可能に取り付けられ、容器本体2の開口部を密閉するキャップ部3とを備えている。これにより、遠心分離処理中には、キャップ部3を容器本体2に装着して容器本体2内部を密閉状態に保つことができる一方、細胞ペレットAの取り出しの際には、容器本体2からキャップ部3を取り外すことができるようになっている。
【0016】
また、図1(c)に示されるように、キャップ部3は、容器本体2に取り付けられた状態で容器本体2内の空間に連絡し、濃縮された細胞ペレット(濃縮沈殿物)Aを収容する収容部5と、収容部を外部に開放する連通孔4と、この連通孔4に設けられた逆止弁8を備えている。逆止弁8は、収容部5から外部への流体の流れを禁止する一方、外部から収容部5への流体の流れを許容するようになっている。
【0017】
また、連通孔4には、キャップ部3を密閉可能に着脱される蓋部材9が設けられている。これにより、遠心分離処理中には、連通孔4に蓋部材9を装着することで、キャップ部3内部を密閉状態に保つことができるとともに、細胞ペレットAを取り出す際には、連通孔4から蓋部材9を取り外すことで、後述するシリンジ(流体供給手段)6を直接装着することができるようになっている。
【0018】
キャップ部3の連通孔4には、図1(d)に示されるように、蓋部材9を取り外した際にシリンジ6が着脱可能に取り付けられるよう、スクリュー状にネジ切りが施された接続部10が設けられている。したがって、シリンジ6は、連通孔4から抜け落ちず、確実に装着できるようになっている。
連通孔4は、その内部に逆止弁8を備えている。この逆止弁8は、細胞懸濁液の遠心処理過程においては、容器本体2内部の液体が外部に流れないよう連通孔4を閉鎖するが、後述する細胞懸濁液を、シリンジ6を用いて射出させる過程においては、連通孔4を開放するように構成されている。
【0019】
このように構成された第1の実施形態に係る細胞分離容器1の動作および作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る細胞分離容器1を用いて細胞ペレットAを採取するには、まず、組織を分解して細胞を単離させた細胞懸濁液を、容器本体2内に収容し、図示しない遠心分離機を作動させて遠心処理を施す。これにより、細胞懸濁液内の比重の大きな細胞が、容器本体2のキャップ部3に設けられた収容部5に集められる。また、容器本体2内に生成された上清は、吸引されて排出される。このようにして収容部5に集められた細胞は、塊状の細胞ペレットAとなる。
【0020】
この状態で、図1(b)に示されるように、細胞ペレットAが収容部5内に収容されたキャップ部3のみを容器本体2から取り外す。次に、図1(d)に示すように、連通孔4から蓋部材9を取り外し、空気を吸引したシリンジ6を直接装着する。この状態で、シリンジ6のピストン7を押し込むと、収容部5’内に堆積された塊状の細胞ペレットAがキャップ部内から射出される。このように、細胞ペレットAは、キャップ部3上部の開放部分から、容易に取り出すことができる。
また、このようにして取り出された細胞ペレットAは、そのまま患部に搬送され、容易に移植することができる。
【0021】
次に、本発明の第2の実施形態に係る細胞分離容器について、図3〜図4を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る細胞分離容器1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0022】
本実施形態においては、キャップ部3に連通孔4を設けた第1の実施形態に係る細胞分離容器1に対して、キャップ部3がシリンジ状の部材として構成されている点で異なっている。
具体的には、本実施形態に係る細胞分離容器1は、図4に示されるように、キャップ部3には、細胞ペレットAを収容する収容部5’と、収容部5’に嵌合されて摺動可能なピストン(押圧部材)7’とが設けられている。
【0023】
このように構成された第2の実施形態に係る細胞分離容器1の動作および作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る細胞分離容器1のキャップ部3はシリンジ状に構成されており、図4に示されるように、遠心分離処理後の濃縮細胞が、キャップ部3の収容部5’内部に収容されるようになっている。
容器本体2からキャップ部3を取り外し、外側から収容部5’に向かう方向にピストン7’を移動させることにより、収容部5’の容積を減少させて、収容部5’内に堆積された塊状の細胞ペレットAを、キャップ部3内から容易に取り出すことができる。
したがって、細胞ペレットを、患部に容易に移植することができる。
【0024】
なお、本発明においては、収容部3に細胞ペレットAを収容する収容部5’と、収容部5’に嵌合されて摺動可能なピストン7’とを備えることとしたが、これに代えて、例えば、キャップ部3全体を弾性変形可能な樹脂等の素材により構成し、キャップ部3を指等でつまんで押圧することにより、キャップ部3の収容部5’内部の細胞ペレットAを射出させて取り出すこととしてもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 細胞分離容器
2 容器本体
3 キャップ部
4 連通孔
5,5’ 収容部
6 シリンジ(流体供給手段)
7,7’ ピストン(押圧部材)
8 逆止弁
10 接続部
A 細胞ペレット(細胞濃縮沈殿物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に開口部を有する有底筒状の容器本体と、
前記底部に着脱可能に取り付けられ、前記開口部を密閉するキャップ部とを備え、
該キャップ部は、
前記容器本体に取り付けられた状態で、容器本体内の空間に連絡する収容部と、
該収容部を外部に開放する連通孔と、該連通孔に設けられた逆止弁とを備え、
該逆止弁が、前記収容部から外側への流体の流れを禁止する一方、外部から前記収容部への流体の流れを許容する細胞分離容器。
【請求項2】
前記キャップ部には、前記連通孔を介して外部から流体を供給する流体供給手段を接続する接続部が設けられている請求項1に記載の細胞分離容器。
【請求項3】
底部に開口部を有する有底筒状の容器本体と、
前記底部に着脱可能に取り付けられ前記開口部を密閉するキャップ部とを備え、
該キャップ部が、
前記容器本体に取り付けられた状態で、容器本体内の空間に連絡する収容部と、
該収容部に、該収容部の容積を増減させるように移動可能に設けられた押圧部材とを備える細胞分離容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−254037(P2012−254037A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128948(P2011−128948)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】