説明

細胞単離器具

【課題】生体組織から単離された細胞を効率的に回収可能な細胞単離器具を提供する。
【解決手段】第1の容器は、上部に開口を有する。濾過部材は、第1の容器の下部の少なくとも一部を形成する。単離部材は、組織に衝突して細胞を単離すべく第1の容器内において移動可能に収容される。第2の容器は、第1の容器を取り出し可能に収容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生医療の臨床・研究の分野や細胞培養の分野において用いられる細胞単離器具に関し、特に組織(生体組織)から細胞を高生存率で単離するために用いられる細胞単離器具に関する。
【背景技術】
【0002】
生存した単離細胞を得るために、組織を鋭利な刃物でミンスし、コラゲナーゼ等による酵素処理を行なって細胞外マトリクスを消化する手法が知られている。
【0003】
上記手法においては酵素処理と細胞回収の手技を繰り返し行なう必要があり、手間と時間を要する。また刃物によるミンスの仕方や酵素処理中の浸透速度等の差異を原因に、細胞の回収率にばらつきが生じるという問題がある。
【0004】
特許文献1には上記のミンスおよび酵素処理を自動化した装置が記載されている。当該装置が備える容器の内部には、当該容器の中心軸周りに回転可能な刃体と、当該刃体の動きに対して相対的に抵抗を付与するバッフルとが配置されている。容器内部に単離細胞を得るための組織を投入して刃体を回転させると、組織は刃体が食い込んだ状態で共に回転し、バッフルに衝突する。バッフルにより与えられる抵抗により組織は刃体によって切断される。刃体の回転を所定時間継続することにより、切断が繰り返されて組織がミンスされる。容器内には酵素処理液が予め投入されており、酵素処理も併行して行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2007−505631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の構成によれば、ミンスおよび酵素処理の自動化が可能であるものの、単離細胞を回収するためには、ミンスおよび酵素処理の結果として得られる細胞浮遊液を容器外に取り出して濾過処理を行なう必要がある。ここで大量に安定して単離細胞を回収する自動化したシステムを実現するにあたり、人的負荷の軽減や回収される単離細胞の数や質への人的手技の影響を削減する必要があるため、人的処理を極力削減する必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の構成は人的処理の削減が不十分であり、自動化したシステムの実現には適さない。
【0007】
本発明は上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、人的処理を極力削減し、組織(生体組織)から単離された細胞を効率的に回収可能な細胞単離器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明によれば、以下に掲げる態様を採り得る。
【0009】
(1)本発明の一態様は、細胞単離器具であって、(A)上部に開口を有する第1の容器と、(B)前記第1の容器の下部の少なくとも一部を形成する濾過部材と、(C)組織に衝突して細胞を単離すべく前記第1の容器内において移動可能に収容された単離部材と、(D)前記第1の容器を取り出し可能に収容する第2の容器とを備える。
【0010】
第1の容器が第2の容器に収容された状態で、組織と酵素処理液が第1の容器に投入される。単離部材の移動によって組織から細胞の単離がなされ、第1の容器内にはミンスされた組織片と単離細胞とを含む懸濁液が得られる。この状態で第1の容器を第2の容器から取り出すと、第1の容器下部の濾過部材を単離細胞を含む細胞浮遊液のみが通過し、第2の容器に回収される。不要な組織片は第1の容器内に残存する。
【0011】
(2)本発明の一態様においては、前記単離部材は、刃体と、前記刃体を前記第1の容器内において回転可能に支持する軸体とを備えている。前記軸体の上端部は、当該軸体を回転させる細胞単離装置と接続可能に構成されている。
【0012】
(3)本発明の一態様においては、前記開口を閉塞すべく前記第1の容器に嵌合する蓋体を更に備えている。前記蓋体には前記軸体が挿通する挿通孔が形成されている。前記軸体において前記蓋体の下方に位置する部分の少なくとも一部は、前記挿通孔よりも径大である。
【0013】
(4)本発明の一態様においては、前記蓋体は、(A)前記軸体が挿通する第1の挿通孔と、少なくとも1つの開口とが形成された第1の蓋体と、(B)前記軸体が挿通する第2の挿通孔が形成され、前記第1の蓋体の上方において前記少なくとも1つの開口を覆う第2の蓋体を有する。
【0014】
(5)本発明の一態様においては、前記第1の容器の外壁と、前記第2の容器の内壁の少なくとも一方に溝が形成されている。
【0015】
(6)本発明の一態様においては、前記第1の容器が前記第2の容器に収容された状態において、前記第2の容器の上端部は、前記第1の容器の上端部よりも上方に位置する。
【発明の効果】
【0016】
上記(1)の構成によれば、第1の容器を第2の容器から取り出すのみで濾過済みの細胞浮遊液を第2の容器に回収可能である。したがって単離された細胞を効率的に回収することができる。
【0017】
上記(2)の構成によれば、軸体の回転を細胞単離装置側で制御可能であり、組織のミンスおよび酵素処理を含む細胞の単離工程を容易に自動化することができる。さらに、組織に応じて硬さや大きさなどの特性が異なるため、生きた細胞を回収するに当たり、微調整が必要となる。しかし、上記(2)の構成によれば、刃体の回転速度や回転時間や刃体の種類などを回収する組織に応じて調整すればよく、同一の細胞単離器具により、様々な細胞を生きた状態で回収できる。
【0018】
上記(3)の構成によれば、軸体を持ち上げるのみで第1容器を取り出すことが可能であり、濾過済み細胞浮遊液の回収工程までを容易に自動化することができる。また第1容器を持ち上げて細胞浮遊液を取得した後に新たな酵素液を第2容器に注入し、第1容器を再度第2容器に収容して酵素処理を複数回実施するといった作業を容易に自動化できる。これにより単離された細胞が酵素液中に長時間浸っていることによる当該細胞へのダメージを軽減させることができる。
【0019】
上記(4)の構成によれば、必要最小限の開口を通じて組織や酵素処理液を第1容器の内部に投入し、その後は第2の蓋体によって開口が覆われるため、細胞の単離処理および回収処理時における器具への異物侵入を防止することができる。
【0020】
上記(5)の構成によれば、第1の容器と第2の容器の隙間に進入した酵素処理液や細胞浮遊液が溝に導かれるため、液体が第1の容器の外側へ漏れ出すのを防止できる。
【0021】
上記(6)の構成によれば、酵素処理液や細胞浮遊液が万一第1の容器から漏れ出しても、第2の容器の上端部を越えることはできないため、第2の容器の外側すなわち細胞単離器具の外側へ漏れ出すことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る細胞単離器具を示す分解斜視図である。
【図2】図1の細胞単離器具について組立て途中の状態を示す縦断面図である。
【図3】図1の細胞単離器具を組み立てた状態を示す縦断面図である。
【図4】図1の細胞単離器具を細胞単離装置に接続した状態を示す縦断面図である。
【図5】図1の細胞単離器具を用いて濾過済み細胞浮遊液を回収する状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態を添付の図面を参照しつつ以下詳細に説明する。
【0024】
本発明の一実施形態に係る細胞単離器具1を分解した状態を図1に示す。細胞単離器具1は、単離部材10と、内側容器20(第1の容器)と、外側容器30(第2の容器)と、内蓋40(蓋体、第1の蓋体)と、外蓋50(第2の蓋体)とを備えて構成されている。各部材は、エチレンオキサイトガスによる滅菌に対して耐性のある材料(樹脂等)により形成されている。
【0025】
単離部材10は、軸体11と、複数の刃体12とを備えている。軸体11は、大径部11aと、小径部11bと、接続部11cを備えている。刃体12は大径部11aの下端部に支持されている。小径部11bの直径は大径部11aの直径よりも小さく形成されており、大径部11aと小径部11bの境界に段部11dが形成されている。接続部11cは小径部11bの上端に設けられ、後述する細胞単離装置60と接続される部分である。
【0026】
内側容器20は、本体21と、フィルタ22(濾過部材)とを備えている。本体21は上部と下部が開口した円筒状の部材である。フィルタ22は、細胞毒性のない材料によって形成されている。本実施形態では、目開き50μmのナイロンメッシュをフィルタ22として使用している。フィルタ22は、本体21の下部の開口全体を覆うように本体21に接着または溶着されている。
【0027】
外側容器30は、本体31と、台部32とを備えている。本体31は上部が開口した円筒状の部材である。本体31の内側は、第1内壁33aと第2内壁33bとを備えている。第2内壁33bには複数の溝34が本体31の周方向について等間隔に形成されている。
【0028】
第1内壁33aは、本体31の上端部において第1の内径を有している。第2内壁33bは、第1の内径よりも小さく、内側容器20の本体21の外径よりも大きな第2の内径を有している。第1内壁33aと第2内壁33bの境界には内側段部33cが画成されており、第2内壁33bは内側段部33cより本体31の下端部まで連続している。
【0029】
内蓋40は、上面40aと下面40b(図2参照)を有する円板状の部材である。内蓋40の中心部には上面40aと下面40bを連通する挿通孔41(挿通孔、第1の挿通孔)が形成されている。さらに挿通孔41を包囲するように、上面40aと下面40bを連通する複数の開口42が形成されている。挿通孔41の内径は、単離部材10の軸体11における小径部11bの外径よりも大きく、大径部11aよりも小さい。
【0030】
内蓋40の外径は、外側容器30の本体31における第1内壁31の内径(第1の内径)に略等しい。上面40aの周縁部には円環状の上側嵌合壁43が形成されている。下面40bの周縁部よりやや内側には円環状の下側嵌合壁44が形成され、その外側に段部45を画成している(図2参照)。下側嵌合壁44の外径は、内側容器20の本体21の内径と略等しい。
【0031】
外蓋50は上面50aと下面50b(図3参照)を有する円板上の部材である。外蓋50の中心部には上面50aと下面50bを連通する挿通孔51(第2の挿通孔)が形成されている。挿通孔51の内径は、単離部材10の軸体11における小径部11bの外径よりも大きい。外蓋50の外径は、内蓋40における上側嵌合壁43の内径と略等しい。上面50aの周縁部には円環状の嵌合壁52が設けられている。
【0032】
次に図2および図3を用いて本実施形態に係る細胞単離器具の組立て方法および細胞単離処理の工程の一部について説明する。
【0033】
先ず内側容器20が、フィルタ22が下方を向く姿勢で外側容器30に収容される。このとき内側容器20の外壁21aが、外側容器30の第2内壁33bと僅かな隙間を介して対向する。また本体21の上端面21bが、本体31の内側段部33cと面一となる。
【0034】
また内側容器20が外側容器30に収容された状態において、外側容器30の上端面31a(上端部)は、内側容器20の上端面21b(上端部)よりも上方に位置する。
【0035】
次に単離部材10が内側容器20に収容される。このとき軸体11の下端部がフィルタ22上に載置される。
【0036】
次に、単離部材10における軸体11の小径部11bが挿通孔41を通過するように、内蓋40が装着される。このとき内側容器20の上端面21bと外側容器30の内側段部33c上に、内蓋40の段部45が載置される。さらに内蓋40の下側嵌合壁44は、内側容器20の内壁21cと嵌合し、上側嵌合壁43は、外側容器30の第1内壁33aと嵌合する。
【0037】
図2に示されるこの状態において、予め活性温度に加温した所定量の酵素処理液が、開口42を通じて内側容器20内に流し込まれる。また細胞を単離するために生体より摘出した組織が、同様に開口42を通じて内側容器20内に投入される。
【0038】
次に、単離部材10における軸体11の小径部11bが挿通孔51を通過するように、外蓋50が装着される。このとき外蓋50の下面50bが内蓋40の開口42を覆い、以降の工程における内側容器20内への異物侵入を阻止する。また外蓋50の嵌合壁52が、内蓋40の上側嵌合壁43の内側と嵌合する。図3はこの状態を示している。軸体11の小径部11bと挿通孔41、51の間には僅かな隙間が形成されている。
【0039】
上記の工程を経て組織および酵素処理液を収容した細胞単離器具1が細胞単離装置60内に設けられたステージ(図示せず)上に載置される。図4に示されるように、細胞単離装置60は、軸受部材61と、回転機構62と、制御部63と、設定部64と、高さ調節機構65とを備えている。設定部64を通じてユーザにより設定された撹拌条件(回転数、回転方法、継続時間等)に応じて、制御部63が回転機構62を制御して軸受部材61を回転させる。
【0040】
制御部63は、ユーザの指示に応じあるいは自動的に、高さ調節機構65を制御してステージと軸受部材61の少なくとも一方を上下動させる。この動作により、単離部材10における軸体11の接続部11cが軸受部材61に接続される。また単離部材10は、軸体11の下端部がフィルタ22から離間し、かつ軸体11の段部11dが内蓋40の下面40bに接触しない位置に固定される。単離部材10は軸受部材61により支持され、軸受部材61の回転に伴い刃体12が内側容器20の内部で回転可能とされる。図4はこの状態を示している。
【0041】
ユーザが設定部64を通じて撹拌条件を設定し、処理開始指示を入力すると、制御部63が設定された撹拌条件に応じて回転機構62を制御し、軸受部材61を介して刃体12が内側容器20の内部で回転する。これにより組織のミンス処理および酵素処理が自動的に進行する。
【0042】
なお外側容器30内の酵素処理液は、単離された細胞が長時間浸ると細胞にダメージを与えることがあるため、複数回に分けて酵素処理を行う場合があり得る。具体的には、内側容器20を上昇させて一旦濾過した細胞浮遊液を取得した後、外側容器30に新たな酵素処理液を注入し、内側容器20を下降させることで、再度単離及び酵素処理を行なう。従来はこれらの作業を手作業で行なう必要があったが、本実施形態の構成によれば、ユーザが設定部64で複数回の酵素処理を適宜設定することにより、自動かつ適切なタイミングで所望の酵素処理を実行しうる。
【0043】
撹拌動作中に酵素処理液が内側容器20と外側容器30の隙間に進入することがある。しかしながら外側容器30の第2内壁33bに形成された溝34が、進入した酵素処理液の逃げ道として機能する。したがって進入した酵素処理液が毛管力によって隙間内を上昇し、内側容器20の外側へ漏れ出してくる事態を回避できる。万一酵素処理液が漏れ出したとしても、外側容器30の上端面31aが内側容器20の上端面21bよりも上方に位置しているため、酵素処理液は外蓋50の上面50aに留まり、外側容器30の外側面へ漏れ出すことはない。
【0044】
撹拌動作が終了すると、細胞単離器具1内には酵素処理液中にミンスされた組織片と単離された細胞が浮遊している懸濁液が得られる。次に図5を参照しつつ、当該懸濁液から単離した細胞を回収する工程について説明する。
【0045】
先ず細胞単離器具1と細胞単離装置60との接続を解除して細胞単離器具1を細胞単離装置60から取り出す。次に、外側容器30を保持しながら単離部材10の軸体11を把持して上方に引き上げると、軸体11の大径部11aが内蓋40の挿通孔41よりも径大であるため、段部11dが内蓋40の下面40bに当接する。さらに軸体11を上方に引き上げると、内蓋40が内側容器20に嵌入した状態のまま、内側容器20を上方に引き上げることができる。
【0046】
このとき懸濁液に含まれている不要な組織片71は、フィルタ22の目開きよりも大きいためにフィルタ22を通過できず、内側容器20の内部に残存する。一方、フィルタ22の目開きよりも小さな単離細胞を含む細胞浮遊液70は、フィルタ22を通過して外側容器30の内部に流れ落ちる。
【0047】
すなわち、本実施形態の構成によれば、内側容器20を上方に引き上げて外側容器30から取り出すという簡単な操作のみで、単離された細胞を含む細胞浮遊液70を外側容器30内に容易かつ確実に回収することができる。したがって単離細胞の回収工程を大幅に効率化することができる。
【0048】
上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる事は勿論である。
【0049】
フィルタ22は、必ずしも内側容器20の下部における開口全体を覆う必要はない。濾過による単離細胞の回収に差し支えない範囲において、フィルタ22は内側容器20の下部の少なくとも一部を形成するように設けられていればよい。
【0050】
単離部材10は、必ずしも刃体12を回転可能に支持する軸体11である必要はない。組織に衝突して細胞を単離可能であれば、スターラ等を用いた種々の構成を採用することができる。
【0051】
内蓋40は必ずしも必要でない。その場合、外蓋50の挿通孔51の内径は、単離部材10の軸体11における大径部11aよりも小さくする。軸体11を引き上げた際に、段部11dを外蓋50の下面50bに当接させる必要があるためである。
【0052】
単離細胞の回収工程を自動化することも可能である。例えば細胞単離装置60内のステージに外側容器30を保持する構造を設け、撹拌動作の終了後に軸受部材61を上方に引き上げる動作を、制御部63を通じて高さ調節機構65に実行させる構成とすればよい。軸受部材61に接続された状態の軸11が上方に引き上げられ、内側容器20を外側容器30から取り出すことができる。
【0053】
内蓋40の開口42は、必ずしも複数形成されている必要はない。酵素処理液や組織の投入作業性を損なわない範囲において、少なくとも1つの開口42の数と大きさを適宜定めることができる。
【0054】
溝34は、必ずしも外側容器30の第2内壁33bに形成されている必要はない。第2内壁33bに対向する内側容器20の外壁21aに形成されていても、酵素処理液の漏れ出しを防止することができる。また第2内壁33bと外壁21aの双方に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1:細胞単離器具、10:単離部材、11:軸体、11a:径大部、11b:径小部、11c:接続部、12:刃体、20:内側容器、21a:外壁、21b:上端面、30:外側容器、31a:上端面、33b:第2内壁、34:溝、40:内蓋、41:挿通孔、42:開口、50:外蓋、51:挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口を有する第1の容器と、
前記第1の容器の下部の少なくとも一部を形成する濾過部材と、
組織に衝突して細胞を単離すべく前記第1の容器内において移動可能に収容された単離部材と、
前記第1の容器を取り出し可能に収容する第2の容器とを備える、細胞単離器具。
【請求項2】
前記単離部材は、
刃体と、
前記刃体を前記第1の容器内において回転可能に支持する軸体とを備え、
前記軸体の上端部は、当該軸体を回転させる細胞単離装置と接続可能に構成されている、請求項1に記載の細胞単離器具。
【請求項3】
前記開口を閉塞すべく前記第1の容器に嵌合する蓋体を更に備え、
前記蓋体には前記軸体が挿通する挿通孔が形成されており、
前記軸体において前記蓋体の下方に位置する部分の少なくとも一部は、前記挿通孔よりも径大である、請求項2に記載の細胞単離器具。
【請求項4】
前記蓋体は、
前記軸体が挿通する第1の挿通孔と、少なくとも1つの開口とが形成された第1の蓋体と、
前記軸体が挿通する第2の挿通孔が形成され、前記第1の蓋体の上方において前記少なくとも1つの開口を覆う第2の蓋体を有する、請求項3に記載の細胞単離器具。
【請求項5】
前記第1の容器の外壁と、前記第2の容器の内壁の少なくとも一方に溝が形成されている、請求項1ないし4の何れか1項に記載の細胞単離器具。
【請求項6】
前記第1の容器が前記第2の容器に収容された状態において、前記第2の容器の上端部は、前記第1の容器の上端部よりも上方に位置する、請求項1ないし5の何れか1項に記載の細胞単離器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−22008(P2013−22008A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163166(P2011−163166)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000230962)日本光電工業株式会社 (179)
【出願人】(591173198)学校法人東京女子医科大学 (48)
【Fターム(参考)】