細胞及び生物の寿命を延ばし、ストレス耐性を増す方法及び組成物
【課題】真核及び原核細胞の寿命を調節したり、細胞を熱ショックなどの特定のストレスから保護するための方法及び組成物を提供する。
【解決手段】細胞内のNAD+再利用経路を通る流れを、例えば、NPT1、PNC1、NMA1及びNMA2から成る群より選択される1つ以上のタンパク質のレベル又は活性を調節するなどにより、調節するステップを含む。別の方法は、細胞内のニコチンアミドのレベルを調節するステップを含む。
【解決手段】細胞内のNAD+再利用経路を通る流れを、例えば、NPT1、PNC1、NMA1及びNMA2から成る群より選択される1つ以上のタンパク質のレベル又は活性を調節するなどにより、調節するステップを含む。別の方法は、細胞内のニコチンアミドのレベルを調節するステップを含む。
Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞の寿命又はそのストレス耐性を調節する方法であって、前記細胞内のNAD+再利用経路を通る流れを調節するステップを含む、方法。
【請求項2】
NAD+再利用経路を調節する前記ステップが、NPT1、PNC1、NMA1 及びNMA2から成る群より選択されるタンパク質のレベル又は活性を調節するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
調節が増加させることであり、前記方法が、NPT1、PNC1、NMA1 及びNMA2から成る群より選択されるタンパク質のレベル又は活性を増加させるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
NPT1、PNC1、NMA1 及びNMA2 から成る群より選択されるタンパク質をコードする少なくとも1つの核酸、又は、細胞内の前記NAD+再利用経路を通る流れを増加させるために充分な、少なくともその一部分、を細胞内に導入するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
NPT1、PNC1、NMA1 及びNMA2 から成る群より選択される一種以上のタンパク質をコードする少なくとも5つのヌクレオチド配列、又は、細胞内の前記NAD+再利用経路を通る流れを増加させるために充分な、少なくともその一部分、を細胞内に導入するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
NPT1、PNC1、NMA1 及びNMA2 から成る群より選択される少なくとも1つのタンパク質、又は、細胞内の前記NAD+再利用経路を通る流れを増加させるために充分な、少なくともその一部分、を細胞内に導入するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
細胞の寿命又はそのストレス耐性を調節する方法であって、前記細胞内のニコチンアミドのレベルを調節するステップを含む、方法。
【請求項8】
調節が増加させることであり、前記方法が、細胞をニコチンアミド又はその類似体に接触させるステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
細胞の寿命を、少なくとも約40%、延ばす、請求項2又は7に記載の方法。
【請求項10】
前記細胞がin vitroにある、請求項1又は7に記載の方法。
【請求項11】
前記細胞が真核細胞である、請求項1又は7に記載の方法。
【請求項12】
前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記細胞が酵母細胞である、請求項1又は7に記載の方法。
【請求項14】
ストレスが熱ショック浸透圧ストレス;DNA損傷性作用因子;不適切な塩レベル;不適切な窒素レベル、又は不適切な栄養レベルである、請求項1又は7に記載の方法。
【請求項15】
NAD+再利用経路を通る流れを調節するステップが、基本的にNAD+及びNADHの定常状態レベルを変えずに行われる、請求項1又は7に記載の方法。
【請求項16】
細胞の寿命又はそのストレス耐性を調節する化合物を特定する方法であって、
(i)NPT1、PNC1、NMA1、NMA2、NNMT、NAMPRT、NMNAT-1、及びNMNAT-2
から成る群より選択されるタンパク質を、検査化合物に、前記タンパク質の活性に影響するのに充分であろう時間、接触させるステップと、
(ii) 前記酵素の活性を判定するステップであって、但しこの場合、前記検査化合物の非存在下に比較したときの、前記検査化合物の存在下での前記酵素の活性の違いは、前記検査化合物が、細胞の寿命又はそのストレス耐性を調節する化合物であることを示す、ステップと
を含む方法。
【請求項17】
細胞の寿命、又は、そのストレス耐性を調節する化合物を特定する方法であって、
(i)NPT1、PNC1、NMA1、NMA2、NNMT、NAMPRT、NMNAT-1、及びNMNAT-2
から成る群より選択される遺伝子の転写調節核酸を、レポータ遺伝子に作動上連結させて含む細胞又はライセートを、検査化合物に、前記転写調節核酸に影響するのに充分であろう時間、接触させるステップと、(ii)
前記レポータ遺伝子のレベル又は活性を判定するステップであって、但しこの場合、前記検査化合物の非存在下に比較したときの、前記検査化合物の存在下での前記レポータ遺伝子のレベル又は活性の違いは、前記検査化合物が、細胞の寿命、又は、そのストレス耐性を調節する化合物であることを示す、ステップと
を含む方法。
【請求項18】
細胞を前記検査化合物に接触させるステップと、細胞の寿命又はそのストレス耐性が調節されたかどうかを判定するステップとを含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項19】
Sir2ファミリ・メンバの活性の阻害剤を特定する方法であって、
(i)コンピュータ・モデリング・アプリケーションに、分子又は分子複合体の一組の構造座標を提供するステップであって、前記分子又は分子複合体が、Cポケットを含むSir2ファミリ・メンバの少なくとも一部分を含む、ステップと、
(ii)前記コンピュータ・モデリング・アプリケーションに、ある化学的実体の一組の構造座標を提供するステップと、
(iii)前記化学的実体が、前記分子又は分子複合体に結合する又は干渉すると予測される阻害剤であるかどうかを判定するステップであって、前記分子又は分子複合体に結合又は干渉することは、Sir2ファミリ・メンバの活性の潜在的阻害の指標である、ステップと
を含む方法。
【請求項20】
前記化学的実体がニコチンアミドの類似体である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
Sir2ファミリ・メンバの活性の阻害剤を特定する方法であって
(i)少なくともCポケットを含むSir2ファミリのタンパク質を、検査化合物に、前記検査化合物が前記Sir2ファミリのタンパク質のCポケットにおそらくは結合するのに充分な時間、接触させるステップと、
(ii)タンパク質の活性を判定するステップであって、但しこの場合、前記検査化合物の非存在下に比べたときに、前記検査化合物の存在下で、前記タンパク質の活性が低いことは、前記検査化合物が、Sir2ファミリ・メンバの活性の阻害剤であることを示す、ステップと
を含む方法。
【請求項22】
対象の細胞死又は老化に関連する障害を治療又は予防する方法であって、細胞死又は老化に易罹患性又は罹患性の細胞においてNAD+再利用経路を通る流れを増加させる、又は、細胞内のニコチンアミドレベルを下げる作用薬を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項23】
細胞の寿命を下げる、又は細胞をストレスに対してより感受性とすることが有益であるような障害を治療又は予防する方法であって、対象のNAD+再利用経路を通る流れを減らす、又は、細胞内のニコチンアミドレベルを増加させる作用薬を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項1】
細胞の寿命又はそのストレス耐性を調節する方法であって、前記細胞内のNAD+再利用経路を通る流れを調節するステップを含む、方法。
【請求項2】
NAD+再利用経路を調節する前記ステップが、NPT1、PNC1、NMA1 及びNMA2から成る群より選択されるタンパク質のレベル又は活性を調節するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
調節が増加させることであり、前記方法が、NPT1、PNC1、NMA1 及びNMA2から成る群より選択されるタンパク質のレベル又は活性を増加させるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
NPT1、PNC1、NMA1 及びNMA2 から成る群より選択されるタンパク質をコードする少なくとも1つの核酸、又は、細胞内の前記NAD+再利用経路を通る流れを増加させるために充分な、少なくともその一部分、を細胞内に導入するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
NPT1、PNC1、NMA1 及びNMA2 から成る群より選択される一種以上のタンパク質をコードする少なくとも5つのヌクレオチド配列、又は、細胞内の前記NAD+再利用経路を通る流れを増加させるために充分な、少なくともその一部分、を細胞内に導入するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
NPT1、PNC1、NMA1 及びNMA2 から成る群より選択される少なくとも1つのタンパク質、又は、細胞内の前記NAD+再利用経路を通る流れを増加させるために充分な、少なくともその一部分、を細胞内に導入するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
細胞の寿命又はそのストレス耐性を調節する方法であって、前記細胞内のニコチンアミドのレベルを調節するステップを含む、方法。
【請求項8】
調節が増加させることであり、前記方法が、細胞をニコチンアミド又はその類似体に接触させるステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
細胞の寿命を、少なくとも約40%、延ばす、請求項2又は7に記載の方法。
【請求項10】
前記細胞がin vitroにある、請求項1又は7に記載の方法。
【請求項11】
前記細胞が真核細胞である、請求項1又は7に記載の方法。
【請求項12】
前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記細胞が酵母細胞である、請求項1又は7に記載の方法。
【請求項14】
ストレスが熱ショック浸透圧ストレス;DNA損傷性作用因子;不適切な塩レベル;不適切な窒素レベル、又は不適切な栄養レベルである、請求項1又は7に記載の方法。
【請求項15】
NAD+再利用経路を通る流れを調節するステップが、基本的にNAD+及びNADHの定常状態レベルを変えずに行われる、請求項1又は7に記載の方法。
【請求項16】
細胞の寿命又はそのストレス耐性を調節する化合物を特定する方法であって、
(i)NPT1、PNC1、NMA1、NMA2、NNMT、NAMPRT、NMNAT-1、及びNMNAT-2
から成る群より選択されるタンパク質を、検査化合物に、前記タンパク質の活性に影響するのに充分であろう時間、接触させるステップと、
(ii) 前記酵素の活性を判定するステップであって、但しこの場合、前記検査化合物の非存在下に比較したときの、前記検査化合物の存在下での前記酵素の活性の違いは、前記検査化合物が、細胞の寿命又はそのストレス耐性を調節する化合物であることを示す、ステップと
を含む方法。
【請求項17】
細胞の寿命、又は、そのストレス耐性を調節する化合物を特定する方法であって、
(i)NPT1、PNC1、NMA1、NMA2、NNMT、NAMPRT、NMNAT-1、及びNMNAT-2
から成る群より選択される遺伝子の転写調節核酸を、レポータ遺伝子に作動上連結させて含む細胞又はライセートを、検査化合物に、前記転写調節核酸に影響するのに充分であろう時間、接触させるステップと、(ii)
前記レポータ遺伝子のレベル又は活性を判定するステップであって、但しこの場合、前記検査化合物の非存在下に比較したときの、前記検査化合物の存在下での前記レポータ遺伝子のレベル又は活性の違いは、前記検査化合物が、細胞の寿命、又は、そのストレス耐性を調節する化合物であることを示す、ステップと
を含む方法。
【請求項18】
細胞を前記検査化合物に接触させるステップと、細胞の寿命又はそのストレス耐性が調節されたかどうかを判定するステップとを含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項19】
Sir2ファミリ・メンバの活性の阻害剤を特定する方法であって、
(i)コンピュータ・モデリング・アプリケーションに、分子又は分子複合体の一組の構造座標を提供するステップであって、前記分子又は分子複合体が、Cポケットを含むSir2ファミリ・メンバの少なくとも一部分を含む、ステップと、
(ii)前記コンピュータ・モデリング・アプリケーションに、ある化学的実体の一組の構造座標を提供するステップと、
(iii)前記化学的実体が、前記分子又は分子複合体に結合する又は干渉すると予測される阻害剤であるかどうかを判定するステップであって、前記分子又は分子複合体に結合又は干渉することは、Sir2ファミリ・メンバの活性の潜在的阻害の指標である、ステップと
を含む方法。
【請求項20】
前記化学的実体がニコチンアミドの類似体である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
Sir2ファミリ・メンバの活性の阻害剤を特定する方法であって
(i)少なくともCポケットを含むSir2ファミリのタンパク質を、検査化合物に、前記検査化合物が前記Sir2ファミリのタンパク質のCポケットにおそらくは結合するのに充分な時間、接触させるステップと、
(ii)タンパク質の活性を判定するステップであって、但しこの場合、前記検査化合物の非存在下に比べたときに、前記検査化合物の存在下で、前記タンパク質の活性が低いことは、前記検査化合物が、Sir2ファミリ・メンバの活性の阻害剤であることを示す、ステップと
を含む方法。
【請求項22】
対象の細胞死又は老化に関連する障害を治療又は予防する方法であって、細胞死又は老化に易罹患性又は罹患性の細胞においてNAD+再利用経路を通る流れを増加させる、又は、細胞内のニコチンアミドレベルを下げる作用薬を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項23】
細胞の寿命を下げる、又は細胞をストレスに対してより感受性とすることが有益であるような障害を治療又は予防する方法であって、対象のNAD+再利用経路を通る流れを減らす、又は、細胞内のニコチンアミドレベルを増加させる作用薬を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−15682(P2011−15682A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162637(P2010−162637)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【分割の表示】特願2004−529297(P2004−529297)の分割
【原出願日】平成15年8月8日(2003.8.8)
【出願人】(502072134)プレジデント アンド フェロウズ オブ ハーバード カレッジ (92)
【氏名又は名称原語表記】President and Fellows of Harvard College
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【分割の表示】特願2004−529297(P2004−529297)の分割
【原出願日】平成15年8月8日(2003.8.8)
【出願人】(502072134)プレジデント アンド フェロウズ オブ ハーバード カレッジ (92)
【氏名又は名称原語表記】President and Fellows of Harvard College
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]