説明

細胞培養装置

細胞培養装置であって、
- 内室(5)を有する容器本体(2)であって、当該内室(5)がある量の培養細胞を収容し、当該内室(5)内に配置される当該細胞のための培養面(3A、120)を有する容器本体(2)、
- 当該内室(5)内で培養される当該細胞を投入するための投入開口(6、106)、
を有する細胞培養装置において、
当該容器本体(2)が、
- 取り外しできる固定手段(8、108、108´)によって相互対面固定することができ、一緒になって当該内室(5)と当該培養面(3A、120)とを定める、第一の半外殻手段(3、103)と第二の半外殻手段(4、104)、
- 当該細胞の移送および/または培養流体のための、少なくとも一つの送出開口(7、107)、
を有すること、
を特徴とする細胞培養装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞培養のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公知のように、従来、細胞は、細胞培養のために特別に設計された容器内で培養されている。
【0003】
先行技術においては、培養すべき所定数の細胞が、溶液内に懸濁させられ、これがあとで特殊な容器に投入され、その容器内で、細胞増殖のために特に準備された環境条件で、細胞増殖が起こるようにされる。このとき、場合によっては、細胞は特別な支持体に付着させられる。
【0004】
培養のためのこの環境条件として、細胞に酸素を供給し、また所定の温度に加熱することが必要となりうる。
【0005】
そのため、培養すべき細胞を容器に投入し、そのあと、この容器が、無菌状態の環境が維持され、かつ温度とガス組成とが制御された培養器内に入れられる。
【0006】
細胞培養は、事実上、二種類の方法すなわち静的方法と動的方法とで実施することができる。
【0007】
簡単に言えば、静的方法においては、細胞含有溶液が培養容器内に投入され、細胞が所定の量に増殖するまで、当該容器内で第二の培養溶液とともに放置される。一方、動的な方法においては、培養すべき細胞を含有する溶液が、培養容器に投入され、そのあと、当該容器内を、第二の培養溶液が当該容器の入口と出口との間で循環し、またこのとき、適当な支持構造物が細胞を当該容器内に保持し、その一方で潅流培養溶液が流出するようにされる。
【0008】
この溶液は特殊な管回路によって再循環させることができ、あるいは廃棄されるようにする。
【0009】
支持構造物が使用されるのは、溶液の流れが細胞付着要素、すなわち、その形態的構造または物理的-化学的性質が細胞の付着を促進するような要素を必要とする場合である。
【0010】
細胞培養により容器の面上と付着要素の面上との両方で必要な量の細胞が得られたら、細胞は、化学的または生物学的薬剤によって採取され、この薬剤は、あとで、洗浄、または洗浄と組み合わされた機械的削り取り操作によって取り除かれる。
【0011】
前記先行技術はいくつかの欠点を有する。
【0012】
第一の欠点は、取り扱い中に細胞培養物が環境薬剤による汚染を受けるということである。というのは、容器は、頻繁に開放され、あるいは栓によって閉鎖されるようになっているが、細胞培養時に無菌状態を維持するための装置を備えていないからである。
【0013】
もう一つの欠点は、培養細胞を患者のところに移送または患者に投与する前に、培養細胞を適当な容器に移す必要があるが、これは投与または使用まで細胞の機能にできるだけ小さな影響しか与えないようになされなければならない、ということである。
【0014】
しかし、無菌連鎖はそのような移送時に遮断される。というのは、細胞を入れて移送する容器は何回か開放されるからである。
【0015】
もう一つの欠点は、先行技術の容器は静的または動的培養のどちらかのために構成または設計されているため、両方の培養のために使用することができない、ということである。
【0016】
もう一つの欠点は、先行技術の容器は細胞がガス特に酸素を簡単には交換することができない、ということである。これは、特に、細胞が酸素の入口点から遠くにある容器領域にある場合にそうである。
【0017】
もう一つの欠点は、細胞付着要素を使用する場合、これらの要素は細胞が懸濁している溶液内に完全に浸漬して保持しなければならないが、当該溶液の液面は、当該要素よりも高すぎてはならない、ということである。というのは、この溶液は、酸素(またはその他のガス)が細胞に到達する通路の障壁として作用するため、容器内の液面が高いほど、細胞によるガス交換がなされにくくなるからである。
【0018】
この点で注意すべきことは、一般に細胞は、そのライフサイクルの間に、酸素を吸収して、二酸化炭素を放出し、この二酸化炭素は、容器から排出して、飽和するのを避けなければならない、ということである。
【0019】
動的培養のもう一つの欠点は、溶液流の連続通過により、容器内に乱流が発生し、したがって細胞増殖が阻害されうる、ということである。
【0020】
もう一つの欠点は、培養された細胞をその培養面から分離するステップにおいて、分離された細胞の一部が損傷を受けることがあり、培養効率が低下する、ということである。
【0021】
もう一つの欠点は、従来の装置では、使用できる細胞スペースが限られている、ということである。
【0022】
もう一つの欠点は、培養装置の内容積のかなりの部分を自由なガス循環のために空けておかなければならない、ということである。
【0023】
もう一つの欠点は、ある種の培養容器では、培養面に特殊な処理を加えて、培養細胞の付着を促進する必要がある、ということである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の目的は、先行技術を改良することである。
【0025】
本発明のもう一つの目的は、培養サイクルのはじめから終わりまで、培養領域を無菌に維持する細胞培養装置を提供することである。
【0026】
本発明のもう一つの目的は、培養装置の全体において、培養細胞のタイプによって必要になる場合にはいつでも、細胞と培地との間の均一なガス交換ができるようにして、非常に短い培養時間で、多数の使用可能細胞を得ることである。
【0027】
本発明のもう一つの目的は、培養領域の無菌性に影響を与えることなく、また補助容器で細胞を移送または輸送することを必要としないで、培養細胞を患者に投与することができるようにする、ということである。
【0028】
本発明のもう一つの目的は、静的および動的培養のどちらにも使用できる一つの容器で、静的または動的培養ができるようにすることである。
【0029】
本発明のもう一つの目的は、なんら特別な変更を加えることなく、また特殊構成の装置を使用することなく、公知の培養および投与手順にしたがって使用することができる細胞培養装置を提供することである。
【0030】
本発明のもう一つの目的は、動的培養の場合に、かなりの程度乱流を制限し、また空気排出を促進することである。
【0031】
本発明のもう一つの目的は、簡単かつ直接に患者に使用できる細胞培養装置を提供することである。
【0032】
本発明のもう一つの目的は、非常に高い培養効率、すなわち、培養装置によって与えられる表面の寸法に比して大きな数の細胞を保証し、培養手段の容積必要性が低下する細胞培養装置を提供することである。
【0033】
本発明のもう一つの目的は、従来の培養器の使用を必要としない細胞培養装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明は、その一つの側面において、
細胞培養装置であって、
- 内室を有する容器本体であって、当該内室がある量の培養細胞を収容し、当該内室内に配置される当該細胞のための培養面を有する容器本体、
- 当該内室内で培養される当該細胞を投入するための投入開口、
を有する細胞培養装置において、
当該容器本体が、
- 取り外しできる固定手段によって相互対面固定することができ、一緒になって当該内室と当該培養面とを定める、第一の半外殻手段と第二の半外殻手段、
- 当該細胞の移送および/または培養流体のための、少なくとも一つの送出開口、
を有すること、
を特徴とする細胞培養装置、
を提供する。
【発明の効果】
【0035】
この細胞培養装置、たとえば幹細胞の培養のための装置は、次のことを可能にする。
- 完全に無菌の条件で、すなわち外部からの汚染を避けて、培養を実行する。
- 使用たとえば患者への投与のための準備のできた細胞の迅速かつ便利な提供。
- 保存および移送のために補助容器を使用することなく、細胞培養中に装置を移送する。
- 装置の寸法に比して、大きな培養面を与える。
- 装置のすべての培養領域において、すべての培養細胞に対して実質的に均一に酸素供給する。
- 公知の培養、輸液および潅流装置とともに使用する。
- 培養装置からの細胞培養支持体の無菌取り出し。
- 動的培養の場合の乱流の防止。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明のその他の特徴と利点とは、添付の図面に非限定的実施形態として示す、細胞培養装置の好ましい非排他的実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことによってよりはっきりするであろう。
【0037】
図1および2において、番号1は細胞培養装置の第一の実施形態を示す。
【0038】
この実施形態においては、装置1は、容器本体2を有し、当該本体は、相互対面配置で、それぞれのシート要素からなる二つの半外殻3および4を接合することによって得られる。
【0039】
これらの二つの半外殻3および4のうち少なくとも一つ、たとえば図1で番号4で示すものは、通気性の材料たとえば半透膜(membrane)で作られている。
【0040】
しかし、両方の半外殻3および4を、疎水性の材料で作り、液体不透過性とする。
【0041】
内室5が二つの半外殻3および4の間に定められ、移送溶液に含まれる培養すべき細胞を収容するようになっている。この溶液は、装置1内を通って、矢印“A”および“B”の向きに、番号6で示される入口ラインセグメントから番号7で示される出口ラインセグメントに向かって流れる。
【0042】
注意すべきことは、この実施形態の場合、二つのラインセグメント6および7、すなわち入口および出口部分(これらは入れ代わりうる)は、容器本体2の両側に対向配置され、以下で詳細に述べる機能を果たすようになっている。
【0043】
図1および2に示すように、二つの半外殻3および4は、可剥性の接着テープ(bead)8によってそれぞれの周縁に沿って接合されており、二つの半外殻3および4が損傷なしで分離することができるようになっている。
【0044】
そのような分離を容易にするために、二つの半外殻のうち少なくとも一つすなわち半外殻3は、タブ9を備え、このタブ9は、対向半外殻4に接着されておらず、容易につかんで引っ張ることができ、二つの半外殻3および4の漸進的相互分離が可能になる。
【0045】
二つのラインセグメント6および7は、医療用回路たとえば注入回路または注射器の管の対応する端との接続のために、外側の端に標準特性を有するコネクター10および11(たとえば、“ルアー(luer)”と呼ばれているもの)、を有することができる。
【0046】
この実施形態の細胞培養装置1の場合、半外殻3は培養面をなす内表面3Aを定め、培養時に細胞がこの面に付着するようになっている。
【0047】
図3、4、5には、細胞培養装置の第二の実施形態を番号100で示す。
【0048】
この場合も、装置100は、容器本体102を有し、当該本体は、相互対面配置で、二つの硬質または半硬質半外殻103、104を接合することによって得られ、間に内室105を定める。
【0049】
前述の実施形態と同様に、二つの半外殻103および104は、取り外しできないようなやり方で相互に接着されるか、または内室105の周縁に備えられる可剥性接着テープ108によって相互接着される。
【0050】
内室105は、実質的に平坦な形の培養要素120を収容するようになっている。この培養要素は、実質的に多孔質または粗い培養面を有し、培養すべき細胞の付着を促進するようになっている。
【0051】
二つの半外殻103および104は、表面開口121および122を有し、これらにより、内室105および培養要素120へのアクセスが可能になる。
【0052】
二つの表面開口121および122は、対応する可剥性接着テープ108によってそれぞれの半外殻103および104に接着させられるシート要素123および124によって密封することができる。
【0053】
これらのシート要素123および124のうちすくなくとも一つは、通気性の材料、すなわち酸素および二酸化炭素に対して通気性の材料からなり、この材料はまた液体流の通過を防止するために疎水性とする。
【0054】
そのような疎水性材料の細孔の寸法は、たとえば0.005〜0.45μmとする。
【0055】
これらのシート要素のうち少なくとも一つたとえばシート要素123は、タブ109を有し、このタブは、対応する半外殻103に接着せず、使用者が、対応する半外殻103からシート要素123を取り外すことにより、内室105を開放するために、つまむことができるようになっている。
【0056】
また、この実施形態は、二つのラインセグメント106および107をも有し、これらはそれぞれ入口および出口として作用する(場合によっては、役割交換できるようにする)。
【0057】
ラインセグメント106は、輸送溶液に懸濁した培養すべき細胞を受けとるようになっており、ラインセグメント107は、培養細胞が培養要素120上に解放されたとき、溶液の流出のために使用できるようになっている。
【0058】
注意すべきことは、培養要素120は、両方の半外殻103、104に接触するように保持され、そのため、シート要素123、124が両方とも通気性である場合には、これらのシート要素の細孔を通っての、酸素の交換と二酸化炭素の除去とが促進される、ということである。
【0059】
図7、8、10において注意すべきことは、培養要素120を支持するようになっている実質的に平坦な支持要素125は、培養要素120と半外殻の一つたとえば半外殻104との間に配置されている、ということである。
【0060】
第一の実施形態においては、図7に示すように、この支持要素125は、縦横の直交ワイヤ配列からなる格子状体126を有する。
【0061】
第二の実施形態においては、図8に示すように、この支持要素125は、毛管セグメント127からなるたて糸を有し、これらのたて糸は、同様の端により、二つの連結要素128および129からなるよこ糸に連結している。
【0062】
これらの連結要素128および129はそれぞれ、130および131で示す入口または出口を有する。これらの入口および出口は、二つの連結要素128および129ならびに毛管セグメント127に流入するようになっている補助液体たとえば加熱された補助液体を受けることができる。
【0063】
格子状体126と毛管セグメント127のたて糸と連結要素128および129とはいずれも、シート要素123または124の一つの外側に配置することができる。この場合、シート要素は多孔質材料では作られていない。
【0064】
細胞培養のためのこの装置は、次のように操作される。
【0065】
第一の実施形態の場合、懸濁している培養細胞を含む溶液は、ラインセグメント6が細胞たとえば幹細胞を満たした当該溶液を送出する供給源にあらかじめ接続されているときには、容器本体2の内室5に流入させられる。このとき、ラインセグメント7は、からの装置に含まれる空気の排出のために開放されたままである。
【0066】
細胞は、内室5にあるとき、半外殻3の内表面である培養面3Aに付着する傾向を有する。
【0067】
他の半外殻4は、多孔質材料たとえばシリコーン、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、またはポリマー材料または通気性ポリオレフィンの層の組合せで作られ、外部と内室5との間の有効なガス交換ができるが、すなわち細胞生存のために必要な酸素の進入ができるが、溶液の通過したがってまた損失を防止し、内室5を無菌に保つようになっている。
【0068】
同時に、培養サイクル中に細胞が発生させる二酸化炭素が半外殻4の細孔を通して排出される。
【0069】
細胞または細胞の大部分を含まない溶液が、所定の時間後にラインセグメント7を通して排出され、細胞培養液で置き換えられるか、または場合によっては適当な再循環回路によって再循環させられる。このことは、当業者には公知であり、ここではこれ以上述べない。
【0070】
内室5内の培養物が所定量の細胞を含むようになったら、装置1は、患者に使用するか、または生成細胞を捕集することができる。
【0071】
装置1を、静的培養状態で移送すべき場合には、当該装置は、対応するコネクター10および11に栓を取り付けて、外部から遮断し、別の補助移送装置の必要なしで、首尾よく移送され、しかも装置内に収容されている細胞培養物は無菌に保たれる。
【0072】
装置1が、たとえば細胞の局部投与が必要な疾患を生じている領域に細胞を投与するために、患者のところに運ばれると、作業者は、タブ9を引っ張って半外殻3を半外殻4から分離し、培養面3Aを、当該培養面を疾患を生じている領域に直接に当てるように近づけて、当該培養面を当該領域に接触配置する。
【0073】
もう一つの実施形態の培養装置100の場合、内室105における細胞接種は前述のように行われるが、細胞は培養要素120の三次元表面に付着し、一方溶液は当該要素内を流入ラインセグメント106から流出ラインセグメント107まで通過する。
【0074】
大部分の溶液は培養要素120内を通るように強制されるので、細胞は当該要素に付着することができ、実質的に溶液の層流が維持され、渦または乱流が生成されることはない。
【0075】
この場合にも、ラインセグメント106および107の端が特殊な栓で閉じられ、所定時間後に所定量の細胞が得られたならば、装置100は、患者への使用ができ、または生成細胞の捕集ができるようになる。
【0076】
ここでも、装置100は、細胞の培養を可能にし、患者のところに運ぶことができ、また、内室105したがって細胞培養環境を無菌状態に保つことができる。このとき、別の移送要素および細胞に有害でありうる微温または低酸素処理の必要はない。
【0077】
使用において、使用者は、単にタブ109を引っ張って、シート要素123全体を半外殻103からはがして、表面開口121を通じて、内室105と培養要素120にアクセスする。
【0078】
それから、使用者は、培養要素120を取り出して、疾患領域に直接接触させる。
【0079】
注意すべきことは、培養要素120は、分解性の材料で作り、時間経過によって崩壊するようにして、自動的に細胞を解放し、かなりの数の細胞に損傷を与えうる、化学薬品および/または機械的削り取りの使用による分離ステップの必要がないようにすることもできる、ということである。
【0080】
さらに、ある種の用途においては、生体吸収性の材料を、培養要素120に使用することができる。
【0081】
場合によっては、装置100は、半外殻103または104の一つと培養要素120との間に配置される(またはこれら両方の外部に配置される)培養要素120を支持するための格子状支持要素126を有することができる。
【0082】
さらに、細胞培養環境を、従来の培養法の使用なしで加熱する必要がある場合、支持要素125は、平行隣接配置された毛管セグメント127の組からなり、これらのセグメントの同様のそれぞれの端が二つの連結要素128および129によって連結されるようにされる。
【0083】
したがって、補助加熱液体を、入口130から送り込んで出口131から送り出すことにより、毛管127ならびに二つの連結要素128および129内を循環させることができる。
【0084】
図10に示すように、細胞培養のための装置1または100は、簡単に公知の通常の培養回路内に配置することもできる。この回路は、タンク200、ヒーター300、酸素供給器400およびポンプ500からなり、これらは、番号600で示す溶液輸送ライン内に直列に配置されている。この回路は、細胞培養装置1または100のコネクター10および11、または106および107のそれぞれに接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の細胞培養装置の第一の実施形態の斜視模式図である。
【図2】図1の折れ曲がった面II-IIに沿う図1の装置の縦断面図である。
【図2A】図2の装置の周縁領域の詳細を示す断面図である。
【図3】本発明の細胞培養装置の可能な代替実施形態の斜視分解図である。
【図4】図3の装置の少し拡大した模式斜視分解図である。
【図5】図3の装置の縦断面図である。
【図6A】患者への投与のための内部の培養要素の取り出しのための、図3の装置の三ステップからなる開放過程を示す斜視図である。
【図6B】患者への投与のための内部の培養要素の取り出しのための、図3の装置の三ステップからなる開放過程を示す斜視図である。
【図6C】患者への投与のための内部の培養要素の取り出しのための、図3の装置の三ステップからなる開放過程を示す斜視図である。
【図7】支持要素を有する本発明の装置の第一の実施形態の斜視分解図である。
【図8】支持要素を有する本発明の装置の第二の実施形態の斜視分解図である。
【図9】図8の細胞培養装置の切欠き縦断面図である。
【図10】本発明の細胞培養装置を備えた細胞培養回路の模式図である。
【符号の説明】
【0086】
1 細胞培養装置
2 容器本体
3 半外殻
3A 内表面
4 半外殻
5 内室
6 入口ラインセグメント
7 出口ラインセグメント
8 可剥性接着テープ
9 タブ
10 コネクター
11 コネクター
100 細胞培養装置
102 容器本体
103 硬質または半硬質半外殻
104 硬質または半硬質半外殻
105 内室
106 ラインセグメント
107 ラインセグメント
108 可剥性接着テープ
108´ 可剥性接着テープ
109 タブ
120 培養要素
121 表面開口
122 表面開口
123 シート要素
124 シート要素
125 支持要素
126 格子状体
127 毛管セグメント
128 連結要素
129 連結要素
130 入口
131 出口
200 タンク
300 ヒーター
400 酸素供給器
500 ポンプ
600 輸送ライン
A 溶液の流れの向きを示す矢印
B 溶液の流れの向きを示す矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞培養装置であって、
- 内室(5)を有する容器本体(2)であって、当該内室(5)がある量の培養細胞を収容し、当該内室(5)内に配置される当該細胞のための培養面(3A、120)を有する容器本体(2)、
- 当該内室(5)内で培養される当該細胞を投入するための投入開口(6、106)、
を有する細胞培養装置において、
当該容器本体(2)が、
- 取り外しできる固定手段(8、108、108´)によって相互対面固定することができ、一緒になって当該内室(5)と当該培養面(3A、120)とを定める、第一の半外殻手段(3、103)と第二の半外殻手段(4、104)、
- 当該細胞の移送および/または培養流体のための、少なくとも一つの送出開口(7、107)、
を有すること、
を特徴とする細胞培養装置。
【請求項2】
当該第一の半外殻手段および第二の半外殻手段がそれぞれ柔軟積層シート(3、4;103、104)を有し、これらのシートのうち少なくとも一つが通気性で防水性の微生物不透過性の材料で作られることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
当該培養面が、当該第一の外殻手段(3;103)および第二の外殻手段(4;104)のうち少なくとも一つのものの内表面(3A)からなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
当該培養面が、培養要素(120)の二次元または三次元表面からなり、当該培養要素を、当該内室(5)内に、当該第一の外殻手段(3;103)または第二の外殻手段(4;104)の少なくとも一つに付着するように配置することができることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
当該培養要素(120)が生体吸収性の材料で作られることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
当該培養要素(120)が、所定の分解時間に応じて、分解性の材料で作られることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項7】
当該培養面(3A;120)と当該第一の外殻手段(3;103)および第二の外殻手段(4;104)のうち少なくとも一つとの間に、当該培養面(3A;120)の支持要素(125)を配置することができることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
当該支持要素(125)がたて糸とよこ糸の形に配置された糸からなる網状要素(126)からなることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
当該たて糸の当該糸が、毛管セグメント(127)からなり、当該毛管セグメントが、互いに平行に配置された同等のもので、それぞれ同様の反対端を定め、また、当該よこ糸が、少なくとも二つの連結要素(128、129)を有し、当該連結要素のそれぞれが当該毛管セグメントの同様の反対端の同様の端を連結するようになっていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
当該連結要素(128、129)のそれぞれが、補助流体が当該毛管セグメント(127)および当該連結要素(128、129)を通って流れるようにするために、流入手段(130)と流出手段(131)を有することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
当該固定手段が可剥性の接着手段(8;108、108´)からなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置であって、
当該固定手段が、
- 当該内室(5;105)の境界を定め、かつ二つの対向面を定める枠要素(103、104)、
- 当該内室(5;105)の周縁領域において、当該対向面のそれぞれの面に配置されたそれぞれの可剥性の接着テープ(108、108´)であって、当該枠要素(103、104)が当該対向面上で対向配置され、当該第一の外殻手段(3;103)および第二の外殻手段(4;104)を取り外しできる接着状態で受けるようになっている接着テープ、
を有すること、
を特徴とする装置。
【請求項13】
当該培養面(3A)および/または当該培養要素(120)を患者に直接当てることができることを特徴とする請求項1または4に記載の装置。
【請求項14】
当該培養面(3A)および/または当該培養要素(120)を、所定の時間後に分解する材料で作ることができることを特徴とする請求項1または4に記載の装置。
【請求項15】
当該培養面(3A)が当該培養面の寸法を増大させるための寸法増大手段を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
当該寸法増大手段が、当該培養面および当該内室内の起伏によって得られる一連の湾曲からなることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
請求項1から16の中の一つ以上に記載の細胞培養装置(1;100)を有することを特徴とする細胞培養手段。

【図1】
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【図2−2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A−6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−530280(P2011−530280A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521677(P2011−521677)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際出願番号】PCT/IB2009/053424
【国際公開番号】WO2010/016023
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(511031652)リジェネランド エス.アール.エル. (1)
【Fターム(参考)】