細胞性のナイアシンアミドモノヌクレオチド生成の阻害剤及びそれらの癌治療における使用
【課題】細胞のナイアシンアミドモノヌクレオチド生成を阻害する生物学的に活性な化合物を提供する。
【解決手段】HepG2細胞、U−87MG細胞、MCF−7 M1細胞等、特定の培養細胞を、[14C]ナイアシンアミドおよび細胞のナイアシンアミドモノヌクレオチド生成の阻害活性を試験される化合物の存在下に培養し、ラベルされたナイアシンアミドモノヌクレオチド、NADおよびNADPの生成量を測定することにより、生物学的に活性な化合物をスクリーニングした結果、N−(4−{1−[4−(1−ベンズヒドリル−ピペリジン−4−イル)−ブチル]−ピペリジン−4−イル}−ブチル)−3−ピリジン−3−イルプロパン酸アミド;N−{2−[5−(4−ベンズヒドリル−ピペラジン−1−イル−メチル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル]−エチル}−3−ピリジン−3−イルアクリルアミド等の化合物。
【解決手段】HepG2細胞、U−87MG細胞、MCF−7 M1細胞等、特定の培養細胞を、[14C]ナイアシンアミドおよび細胞のナイアシンアミドモノヌクレオチド生成の阻害活性を試験される化合物の存在下に培養し、ラベルされたナイアシンアミドモノヌクレオチド、NADおよびNADPの生成量を測定することにより、生物学的に活性な化合物をスクリーニングした結果、N−(4−{1−[4−(1−ベンズヒドリル−ピペリジン−4−イル)−ブチル]−ピペリジン−4−イル}−ブチル)−3−ピリジン−3−イルプロパン酸アミド;N−{2−[5−(4−ベンズヒドリル−ピペラジン−1−イル−メチル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル]−エチル}−3−ピリジン−3−イルアクリルアミド等の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、細胞中でのNAD(P)生合成において必須の中間体の一つであるナイアシンアミドモノヌクレオチドの細胞生成を阻害する新規な生理活性化合物に関するものである。また、本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびに特に癌、白血病の治療または免疫抑制のためのそれらの用途に関するものである。さらに、本発明は、上記の活性化合物を見つけるための、またそれらのNAD(P)合成経路に関してセルタイプを試験するための道具としてのスクリーニング方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
NADは、図1に示されるように、トリプトファンから出発してキノリン酸を経由するか、ナイアシン(ニコチン酸ともいわれる)から出発するか、あるいはナイアシンアミド(ニコチンアミドともいわれる)から出発する、3つの異なった経路によりヒトの細胞中で合成される。
【0003】
ホスホリボシル部分の添加は、相当するモノヌクレオチド類、ナイアシンモノヌクレオチド(dNAM)およびナイアシンアミドモノヌクレオチド(NAM)の生成をもたらす。キノリン酸は、ホスホリボシルピロホスフェート(PRPP)との反応に用いられてナイアシンモノヌクレオチド(dNAM)を形成する。この反応に触媒作用を及ぼす酵素、キノリン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(3)は、肝臓、腎臓および脳の中に見出される。
【0004】
ナイアシンはPRPPと反応して、ナイアシンモノヌクレオチド(dNAM)を形成する。この反応に触媒作用を及ぼす酵素は、ナイアシンホスホリボシルトランスフェラーゼ(2)であり、種々の組織中に広く分布している。トリプトファンから出発するか、あるいはNAD前駆体としてのナイアシンから出発するどちらの経路も、ナイアシンモノヌクレオチドの形成段階で一緒になる。
【0005】
ナイアシンアミドはPRPPと反応してナイアシンアミドモノヌクレオチド(NAM)となる。この反応に触媒作用を及ぼす酵素は、ナイアシンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(1)である。この酵素はナイアシンアミドに特異的であり、ナイアシンホスホリボシルトランスフェラーゼ(2)とは全く異なっている。この酵素も種々の組織中に広く分布している。
【0006】
モノヌクレオチドにアデノシンモノホスフェートを続いて添加すると、相当するジヌクレオチド類の形成をもたらす:ナイアシンモノヌクレオチドおよびナイアシンアミドモノヌクレオチドは、ATPと反応してナイアシンアデニンジヌクレオチド(dNAD)およびナイアシンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)をそれぞれもたらす。両反応は、2つの異なった経路で起こっているにもかかわらず、同じ酵素、NADピロホスホリラーゼ(4)によって触媒作用を及ぼされている。
【0007】
ナイアシンアデニンジヌクレオチド(dNAD)をナイアシンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)に変換するのに、さらなるアミド化工程が必要である。この反応に触媒作用を及ぼす酵素は、NADシンセターゼ(5)である。NADはナイアシンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)への直前の前駆体である。この反応は、NADキナーゼにより触媒作用を及ぼされる。詳細は、例えば、Cory,J.G.Purine and pyrimidine nucleotide metabolism.In:Textbook of Biochemistry and Clinical Correlations,第3版、編集 Devlin,T.,Wiley Brisbane 1992,529−574頁を参照されたい。
【0008】
正常な細胞はNAD(P)合成のための両前駆体、ナイアシンおよびナイアシンアミドを典型的に利用することができ、多くの場合さらにトリプトファンまたはその代謝物をも利用することができる。このようなことは種々の正常な組織について明らかになっている:したがって、ムリン・グライアル(Murine glial)細胞(コルテックス(cortex)およびヒポカンパス(hipocampus)=脳)は、ナイアシン、ナイアシンアミドおよびキノリン酸を利用する(Grantら、(1998),J.Neurochem.70:1759−1763)。ヒトのリンフォサイトはナイアシンおよびナイアシンアミドを利用する(Carsonら、(1987),J.Immunol.138:1904−1907;Bergerら、(1982),Exp.Cell Res.137:79−88)。ラットの肝細胞はナイアシン、ナイアシンアミドおよびトリプトファンを利用する(山田ら、(1983),Internat.J.Vit.Nutr.Res.53:184−191;Shinら、(1995),Internat.J.Vit.Nutr.Res.65:143−146;Dietrich,(1971),Methods Enzymol.18B:144−149)。ヒトのエリスロサイトはナイアシンおよびナイアシンアミドを利用する(Rocchigianiら、(1991),Purine and pyrimidine metabolism in man VII,Part B,ed.Harknessら、Plenum Press,New York,pp337−340)。ギネアピッグのロイコサイトはナイアシンを利用する(Flechnerら、(1970),Life Science.9:153−162)。
【0009】
NAD(P)は、細胞の生命に関する種々の生化学反応に関与しており、したがって徹底的に研究されている。NAD(P)の鍵となるこの機能は、腫瘍の発生および成長に果たすこの化合物の役割、ならびに腫瘍を阻止するのにNAD(P)の代謝をどのように利用できるかについて、過去にいくつかの研究を喚起してきた。実際、腫瘍疾患の治療を狙った化合物が記述されており、−付随的に他の効果をも示すが−細胞中のNAD(P)レベルの低下をも含む。しかしながら、これらの化合物は、天然のNADから構造的に逸脱したジヌクレオチド誘導体の細胞合成を始めることにより主として作用する。したがって、このアプローチの生化学的な帰結、およびもたらされる細胞損傷の推定メカニズムは、表1に概略が示されているように種々雑多である。
【0010】
【表1−1】
【0011】
【表1−2】
【0012】
したがって、種々のセルタイプにおけるNAD生合成の一次的かつ特異的な阻止の生物学的な効果に関するこれらのデータからは、いかなる予言を下すこともできない。特に、腫瘍治療用の潜在的な医薬の最も重要な特徴である、細胞損傷効果における腫瘍選択性に関して、このメカニズムが上記のジヌクレオチド誘導体の利用よりも有利であるかどうかは、まったく思惑のままである。
【0013】
1970年に公開されたJP-459555は、腫瘍細胞の呼吸およびエリスロサイトのNAD合成を阻害する、ジャガイモ、パン酵母および牛の血液からなる構造未知の抽出物を記載している。その発明者らはこの成分を腫瘍の治療に使うことを提案している。しかしながら、JP-459555に示されたデータは、NAD合成の阻害が癌の治療に有用であるということを明らかにするとか、その可能性があるというには程遠い。その発明者らは、むしろ、該化合物の生物学的活性が多面的であり、NAD生合成の阻止減少のみに限定されないと結論づけている。後に発表された同じ研究グループ(A.Kizu:京都府立医科大学雑誌 80,pp.14−24,1971)の研究において、抽出された化合物(グルコースの誘導体)は、NAD合成の阻害に加えて、数分間で腫瘍細胞の呼吸およびグリコリシスを阻止することが示されている。事実、抽出物で20分間だけ処理された腫瘍細胞は、未処理のコントロール細胞とは対照的に、マウスの腹腔内で成長しないほどの重い障害を受けている。この発見とは対照的に、本発明者らは、細胞内でのNAD合成を速やかにかつ選択的に阻害する化合物が、20分間曝しただけでは濃度に関係なく全く無効であるのに、3−4日曝しただけで腫瘍細胞に対して有害な作用を示すことを観察した。かくして、JP-459555に開示された抽出物は、NAD生合成阻害によって腫瘍細胞にダメージを与えているのではないようである。むしろ、NADレベルの低下は、細胞に対する全般的な障害による二次的な効果であって、その他のメカニズムが一次的に細胞の死に関与していると推測される。この抽出物によりもたらされる腫瘍細胞に対する速やかな有害作用は、したがって、明らかに細胞呼吸の阻害によるものである。
【0014】
また、抽出物の殺細胞作用が腫瘍に優先的に表れるのは、JP-459555に記載されているように、この作用が腫瘍細胞には顕著であるが、肝細胞には見られないので、抽出物の呼吸阻害作用という特徴によって容易に説明され得る(A.Kizuにおける図2)。かくして、JP-459555は、NAD合成阻害により腫瘍細胞に影響を与えるいかなる手段も開示していない。
【0015】
DNAを損傷する細胞毒性の化合物が細胞のNAD濃度を低下させているということも知られている。幾人かの著者が、細胞のNADレベルの低下が、その結果生じる細胞内のATPの不足とともに、これらの化合物によってもたらされる細胞死のメカニズムにおいてある役割を果たしているかもしれないと推測した(Daniel S.Martin およびGary K. Schwartz,Oncology Research,Vol.9,pp.1−5,1997)。しかしながら、細胞内のNAD濃度に対するこれらの化合物の効果は、DNA修復に与かる酵素により高められたNAD消費から、間接的にもたらされている(表1参照)。
【0016】
これらの化合物の一次的な効果、すなわちDNAに対する損傷は、細胞のNADレベルの低下に加えて、多くの重要性を有している。知られているように、DNAは細胞が生きていくのに重要なたんぱく質や酵素のような多くの細胞成分の合成を制御している。かくして、DNA損傷の結果は種々雑多であり、細胞のNAD濃度の低下はそれらのうちの一つに過ぎない。したがって、NAD生合成の特異的な阻害という効果の側面は、これらの化合物についてなされた観察から結論づけることはできない。
【0017】
NAD生合成の特異的阻害から予測し得るわずかな情報として、ナイアシンアミドおよびナイアシン不足に関する総体症状がある。ビタミンB類は、上記で概説されたように、NAD生合成の前駆体である。これらの前駆体の長期にわたる欠乏は、ペラグラとして知られている疾患をもたらす。主な症候は皮膚の変質および痴呆である。この症候群は、上記で議論された化合物による慢性中毒との類似性を示さない。
【0018】
WO97/48695は、新規なピリジルアルカン酸アミン、それらの製造法、これらの化合物を含む医薬およびそれらの用途、特に腫瘍症状の治療および/または細胞増殖抑制剤もしくは免疫抑制剤としての用途を記載している。
【0019】
WO97/48696は、新規なピリジルアルケンおよびピリジルアルキン酸アミン、それらの製造法、これらの化合物を含む医薬およびそれらの用途、特に腫瘍症状の治療および/または細胞増殖抑制剤もしくは免疫抑制剤としての用途を記載している。
【0020】
WO97/48397には、ピリジルアルカン、ピリジルアルケンおよび/またはピリジルアルキン酸アミンの用途、特に腫瘍の症状および/または細胞増殖抑制剤もしくは免疫抑制剤としての用途、ならびにこれらの化合物の所定量と他の細胞増殖抑制剤もしくは免疫抑制剤との組み合わせからなる医薬が開示されている。
【0021】
1999年6月24日に公開されたWO99/31063は、カルボン酸部分に飽和された、または一もしくは複数不飽和の炭化水素残基がある、新規なピペラジニル−置換ピリジル−アルカン、アルケンおよびアルキンカルボキサミド類、これらの化合物の合成方法、これらを含む医薬ならびにそれらの治療用途、特に細胞増殖抑制剤および免疫抑制剤としての用途、例えば種々のタイプの腫瘍の治療もしくは予防ならびに免疫反応の調節、例えば自己免疫疾患の治療としての用途を記載している。
【0022】
1999年6月24日に公開されたWO99/31060は、カルボン酸部分に飽和された、または一もしくは複数不飽和の炭化水素残基がある、新規なピペリジニル−置換ピリジル−アルカン、アルケンおよびアルキンカルボキサミド類、これらの化合物の合成方法、これらを含む医薬およびそれらの製造ならびにそれらの治療用途、特に細胞増殖抑制剤および免疫抑制剤としての用途、例えば種々のタイプの腫瘍の治療もしくは予防および免疫反応の調節、例えば自己免疫疾患の治療としての用途について報告している。
【0023】
1999年6月24日に公開されたWO99/31087の課題は、カルボン酸部分が環状イミドおよび飽和された、または一もしくは複数不飽和の炭化水素残基で置換された、新規なピリジルアルカン、アルケンおよびアルキンカルボキサミド類、これらの化合物の合成方法、これらを含む医薬およびそれらの製造ならびにそれらの治療用途、特に細胞静止剤および免疫抑制剤としての用途、例えば種々のタイプの腫瘍の治療もしくは予防、異常細胞の成長の阻止および免疫反応の調節、例えば自己免疫疾患の治療である。
【0024】
1999年6月24日に公開されたWO99/31064には、カルボン酸部分が飽和された、または一もしくは複数不飽和の炭化水素残基で置換された、新規なピリジルアルカン、アルケンおよびアルキンカルボキサミド類、これらの化合物の合成方法、これらを含む医薬およびそれらの製造ならびにそれらの治療用途、特に細胞増殖抑制剤および免疫抑制剤としての用途、例えば種々のタイプの腫瘍の治療もしくは予防、免疫反応の調節、例えば自己免疫疾患の治療が開示されている。
【0025】
これらの特許出願はいずれも細胞増殖抑制作用を有し、そして/または腫瘍症状の治療に有用な化合物およびそれらの化合物の用途を開示しているが、これらの特許出願はNADの生合成がこれらの化合物によって阻害されることを示しておらず、それらの化合物がナイアシンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAPRT)阻害剤であることを暗示してもいない。
【0026】
以上、要するに、細胞のNAD濃度を低下させることが知られている化合物は、それら自身によって細胞の生き残りに影響を及ぼしているかもしれないその他の一次的な効果を示すので、技術水準は、細胞のNAD合成の一次的かつ特異的な阻害から何が予測され得るかについて結論を導き出すことを許容していない。NAD合成を特異的に阻害するという用途以外に、この疑問を解くのに信頼し得る手段は何も存在しない。しかし、そのような化合物は過去には入手できなかった。
【0027】
Morton(R.K.Morton:Nature 181,pp.540−543,1958)は、NADピロホスホリラーゼ(図1における酵素4)の作用がNAD合成の制限要素であると予測されたので、ヒトの癌の治療のために、この酵素を阻害する化合物を狙うことを提案した。異なった前駆体であるトリプトファン、ナイアシンまたはナイアシンアミドから出発して当初は分かれていた経路が既に統合されているか、または同等に影響を受ける生合成経路の終末段階でNADピロホスホリラーゼが作用するので、ナイアシンおよびナイアシンアミドの両者から、そしてトリプトファンからの生合成の経路がNADピロホスホリラーゼの阻害によってブロックされるということに留意しなければならない。この酵素を特異的に阻害するものは今まで見出されていない。したがって、この推測が正しいことを立証するものはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】JP−459555
【特許文献2】WO97/48695
【特許文献3】WO97/48696
【特許文献4】WO97/48397
【特許文献5】WO99/31063
【特許文献6】WO99/31060
【特許文献7】WO99/31087
【特許文献8】WO99/31064
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】Cory,J.G.Purine and pyrimidine nucleotide metabolism.In:Textbook of Biochemistry and Clinical Correlations,第3版、編集 Devlin,T.,Wiley Brisbane 1992,529−574頁
【非特許文献2】J.Neurochem.70:1759−1763(1998)
【非特許文献3】J.Immunol.138:1904−1907(1987)
【非特許文献4】Exp.Cell Res.137:79−88(1982)
【非特許文献5】Internat.J.Vit.Nutr.Res.53:184−191(1983)
【非特許文献6】Internat.J.Vit.Nutr.Res.65:143−146 (1995)
【非特許文献7】Methods Enzymol.18B:144−149(1971)
【非特許文献8】Purine and pyrimidine metabolism in man VII,Part B,ed.Harknessら、Plenum Press,New York,pp337−340 (1991)
【非特許文献9】Life Science.9:153−162 (1970)
【非特許文献10】京都府立医科大学雑誌 80,pp.14−24,1971
【非特許文献11】Oncology Research,Vol.9,pp.1−5,1997
【非特許文献12】Nature 181,pp.540−543,1958
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0030】
この発明は、特定のセルタイプにおいて、細胞のNAD(P)生合成のためのナイアシンアミドの利用が生きていくのに重要であるという、驚くべき発見に基づいている。従来、研究されてきた他の多くのセルタイプにおける代替的な前駆体を構成するナイアシンまたはトリプトファンは、細胞の生き残りのために利用され得ないか、あるいは少なくとも十分な程度ではない。
【発明の効果】
【0031】
したがって、この発明は、細胞のナイアシンアミドモノヌクレオチド形成を阻害する生物学的に活性な化合物を提供する。この活性を有する化合物は、以下に記載するスクリーニング試験(以下、NAPRT試験ともいう)によって容易に同定される。本発明の化合物は、かかる試験において、前駆体ナイアシンアミドからの細胞NAD生合成に対して、≦10μMの濃度で、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも80%、そして最も好ましくは少なくとも90%阻害活性を示す。
【0032】
本発明の化合物でもって、ナイアシンまたはトリプトファンからNADをさらに合成することのできる細胞を救う、NAD生合成のための前駆体としてのナイアシンアミドを主に利用する細胞に専ら損傷を与えることが初めて可能になる(図1)。
【0033】
これらの化合物を用いることによって、有害でない細胞は救われるが、多くの有害な細胞は影響をこうむることが明らかになった。同じことが、免疫反応において役割を果たしているある種のリンホサイトに適用できる。この作用はこれまで観察されておらず、まったく驚くべきことである:3種のすべての前駆体を典型的に利用することのできる正常な体細胞が、トリプトファンおよびナイアシンを支給する能力を失うか、あるいは少なくともそれらが細胞の生き残りのために十分な程度の能力を失って、有害となったときにナイアシンアミド依存型になるということは、先行技術に示されておらず、公知のデータに基づいて予測することもできなかった。
【0034】
かくして、NAD生合成のナイアシンアミド分枝を選択的にブロックする、すなわち細胞レベルでのナイアシンアミドモノヌクレオチドの生成を阻害する生物学的に活性な化合物は、選択的な腫瘍治療のための新しいアプローチを提供するだろう:主な前駆体または唯一の前駆体としてナイアシンアミドに依存している有害な細胞は、そのような損傷を受けて、ナイアシンアミドモノヌクレオチドの生成阻害およびそれに引き続いて起こるNAD(P)の枯渇により、最終的には死滅する。他方、正常な体細胞は、細胞の生き残りを保証するのに十分なNADレベルを提供する、前駆体としてのナイアシンおよび/またはトリプトファンをなお利用することにより、阻害されたナイアシンアミド分枝の埋め合わせをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】NAD(P)+生合成の生化学的経路である。
【図2】異なった濃度における6−アミノニコチンアミドの、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図3】異なった濃度におけるチアゾフリン(Tiazofurin)の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図4】異なった濃度におけるセレナゾフリン(Selenazofurin)の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図5】異なった濃度におけるアザセリン(Azaserine)の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図6】異なった濃度における6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシンの、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図7】異なった濃度におけるK22130の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図8】異なった濃度におけるK22132の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図9】異なった濃度におけるK22133の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図10】異なった濃度におけるK22158の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図11】異なった濃度におけるK22234の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図12】異なった濃度におけるK22265の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図13】異なった濃度におけるK22299の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図14】異なった濃度におけるK22316の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図15】異なった濃度におけるK22339の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図16】異なった濃度におけるK22350の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図17】異なった濃度におけるK22365の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図18】異なった濃度におけるK22387の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図19】異なった濃度におけるK22408の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図20】異なった濃度における6−アミノニコチンアミドの細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図21】異なった濃度におけるチアゾフリンの細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図22】異なった濃度におけるセレナゾフリンの細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図23】異なった濃度におけるアザセリンの細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図24】異なった濃度における6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシンの細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図25】異なった濃度におけるドキソルビシン(Doxorubicin)の細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図26】異なった濃度におけるK22339の細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図27】異なった濃度におけるK22387の細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図28】HepG2細胞における[14C]ナイアシンアミドからのNAD(P)生合成に対するK22234の阻害作用を示す図である。細胞抽出物の放射性代謝物は0.05M LiClを溶媒として用いてPEIセルロース上で分離された。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の化合物は、ナイアシンアミドからのNAD生合成を一次的にかつ特異的に阻害する最初のものである。したがって、これらの化合物は、身体の腫瘍細胞およびその他の細胞の生き残りに関する、この最初の出来事の影響を調べるための道具として使用することができる。
【0037】
さらに、腫瘍細胞中のNADを数時間で枯渇させるナイアシンアミド経由のNAD合成を阻害する新規で特定の阻害剤が、公知のNAD合成「阻害剤」で示されているように(表1参照)細胞を速やかに殺さなかったばかりか、むしろあるレベル、すなわちDCD−レベル以上に与えられたときに、それらの細胞において特徴的な「遅延された細胞死」をもたらし:実際にすべての細胞が細胞枯死に至る前に、新規化合物の存在下に3日間までの継続的な成長が観察されたということは、まったく驚くべきことであった。さらに、多くの非有害細胞が新規で特定のNAD生合成阻害剤の枯死誘発効果に対してきわめて抵抗性が強いということも驚くべきことであった。例えば、ヒトの骨髄細胞を殺すのに、最も多く試験されたヒトの癌のセルラインに比べて、10000倍高い濃度が必要である。かくして、「細胞死遅延」という特徴は、本発明による化合物のスクリーニング試験に用いられ得る。
【0038】
ナイアシンアミドからのNAD生合成を阻害するという本発明の化合物の能力は、NADおよびNADPへの放射性ナイアシンアミドの結合を測定するという、容易に再現できる試験系で示され得る。この試験は、細胞のナイアシンアミドモノヌクレオチド生成を選択的に阻害する能力のために化学物質を試験するスクリーニング系をも提供する。この試験は、特定の構造的な特徴に捉われないで本発明の阻害性化合物をスクリーニングし選択することを許容する。したがって、かかる特異的な阻害活性を示すかぎり、これらの化合物の化学構造に対する限定はなく、いかなる公知の製造法も採用され得る。
【0039】
これらの化合物によって起こされた腫瘍細胞の死がナイアシンアミドからのNAD生合成の阻害だけによるものであり、その他のいかなる作用によるものでもないという事実は、明確に検証された:in vitroで細胞が成長する細胞外媒体へのナイアシンアミドの過剰添加は、新規化合物の枯死誘発効果を完全に取り消す。
【0040】
高密度条件下での細胞成長に対する、本発明による化合物の効果は、固形腫瘍のin vivo状況によく似せて真似るために調査された。この目的のために、本発明者らは、高細胞数を接種し、下記の表2に示された化合物を用いて、高密度細胞培養試験を行った。細胞の成長は、下記の試験の部に記載されているように、10日目まで時々監視された。例えば、ヒトのヘパトカルシノーマ細胞(HepG2)が用いられた。
【0041】
化合物の作用の時間曲線は、毒性化合物を適用した後に起こる細胞数の速やかな減少とは明らかに区別できる「細胞死遅延」の誘発によって特徴づけられる。「細胞死遅延」現象は、例えばK22339で得られた結果を用いて記載されている。図2Nは、化合物K22339による成長阻害の特徴的な時間曲線を示している。少なくとも0.3・濃度のK22339とともに培養している間、HepG2細胞の数は3日目まで増加し、その後、培養物は成長することができず、細胞数は7日から10日にかけて減少した。細胞死が4日目に起こり、細胞は10日目まで徐々に分離した。対照的に、毒性化合物は高密度培養では活性が低く、その有効濃度は、1〜3日間の培養で速やかに観察されたコントロールに比べて、細胞数の急速な減少をもたらした。図5参照、ここでアザセリンの有効(毒性)濃度は100・である。しかしながら、K22339を用いると、0.3・の濃度がフル−ブラウン(full-blown)効果を生じさせるのに十分である。10倍高い濃度でも、急性細胞毒性を示さず、細胞数が徐々に減少するまでの時間を早めることもできなかった。この特徴的な作用が細胞死遅延(delayed cell death)と呼ばれる。HepG2細胞の成長に対する作用の時間曲線が、コントロールおよび内部標準と比較して、図2〜7として、また図8〜19として、毒性化合物に対して、また本発明による特別に効果の高い化合物の例に対して、それぞれ示されている。
【0042】
【表2−1】
【0043】
【表2−2】
【0044】
【表2−3】
【0045】
【表2−4】
【0046】
DCD−値は、−培養物の初期の成長にもかかわらず−最初に接種された細胞の数以下となる細胞死を誘発する、個々の化合物の最低濃度と定義された。すべての化合物が、3μMまたはそれより低い濃度で、HepG2細胞の高密度培養に対して活性であった。したがって、本発明の化合物は、好ましくは3μMまたはそれより低い濃度で、特に好ましくは1μMまたはそれより低い濃度で、「細胞死遅延」試験において活性である。表2に挙げられた化合物は、当技術分野で公知の標準的な方法に従って製造された。毒性化合物の有効(毒性)濃度は表5に挙げられている。
【0047】
好ましい形態において、本発明による化合物は、環の3位において置換されたピリジル基に相当する構造的な特徴を有する。換言すれば、本発明による生物学的に活性な化合物は、一般式(A):
【0048】
【化1】
【0049】
[式中、
ZはCHまたはNであり、
R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、N、O、P、F、Cl、BrおよびIから選ばれる1またはそれ以上の元素を任意に含んでいてもよい炭化水素基から選択される]
で表される化合物、および医薬的に許容されるそれらの塩である。
【0050】
好ましい形態において、R4は式(B)で表される。
【0051】
【化2】
【0052】
[式中、
Aは結合手またはN、O、P、F、Cl、BrおよびIから選ばれる1またはそれ以上の元素を任意に含んでいてもよい2価の炭化水素基であり;
XはO、SまたはNR8であり;
R5、R6、R7およびR8は式(A)におけるR1と同じ意味を有し;
a、bおよびcは、それぞれ独立して0または1であるが、aおよびcがそれぞれ1であるときはbも1である]
化合物の効果の経時的な経過は、腫瘍細胞に対して急性の非特異的な毒性がないことを示唆している。経時的な経過はJP−459555に記載された結果とは著しく対照的である。その著者らは、開示された抽出物とともに腫瘍細胞を20分間培養すると細胞死を誘発するのに十分であったと記述している。他方、本発明の化合物は、コントロールされていない壊死が起こる前に、制限を知覚し自滅を犯すのに十分な時間を残すべきである細胞に対して、ある種の生理学的な制限を課しているようである。本発明の化合物により誘発される「細胞死遅延」は、周辺の組織に細胞の内容物が無制限に放出されるのを避けるという意味で、もはや生育しえない細胞を除去するのに好ましい方法である、枯死の形態で起こる。
【0053】
本発明による化合物の好ましい形態において、該化合物により誘発される「細胞死遅延」は、図20〜27に見られるように、ナイアシンアミドの添加によって拮抗され得る。6−アミノ−ニコチンアミド、チアゾフリン、セレナゾフリン、アザセリン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシンおよびドキソルビシンについては、細胞成長に対するこれらの毒性化合物の作用に対して、ニコチンアミドの添加による測定可能な影響は見られない。それなのに、例えばK22339およびK22387により引き起こされるDCDは、ニコチンアミド可逆性試験に記載されているように、拮抗され得る。
【0054】
ナイアシンアミドから出発するNAD(P)合成に対する本発明の化合物の効果が、下記の実験の部に記載されている技術に従って、例えば腫瘍セルラインHepG2を用いて調べられた。表3aに示されているように、本発明による化合物の例では、その前駆体・ナイアシンアミドからのde novo NAD(P)合成をほとんど完全に阻害した。表3bに挙げられている毒性化合物は、コントロールと比較してその最大阻止率が常に30%以下であるので、その前駆体・ナイアシンアミドからのde novo NAD(P)合成に対してわずかに影響しているか、あるいはほとんど影響していない。
【0055】
【表3a−1】
【0056】
【表3a−2】
【0057】
【表3b】
【0058】
これらの化合物によるナイアシンアミドからのNAD(P)合成の阻害は、「材料および方法」の部分に記載されているように、HepG2細胞において調べられた。表3aの化合物は濃度10-5Mで用いられた。ドキソルビシンについては濃度が0.3×10-5Mであったほかは、表3bの化合物は少なくとも濃度10-5Mで用いられた。コントロールとして、媒体で処理された、または未処理の細胞が用いられた。
【0059】
これらの試験では、化合物とともに行う前培養が17時間であったが、前培養の期間を例えば2時間に短縮できること、あるいは前培養なしでも阻害プロファイルに影響を与えないことが分かった。放射性標識ナイアシンアミド代謝物を分析したところ、化合物がナイアシンアミドモノヌクレオチドの生成を排他的に阻止していることが分かった。図28は媒体およびK22234処理HepG2細胞から抽出された[14C]ナイシンアミド代謝物の代表的なクロマトグラムを示している。同様の結果がその他の特定の化合物でも得られた。
【0060】
図28の2つのクロマトグラムを比較すれば、化合物が前駆体・ナイアシンアミドからのNAD(P)合成を阻害していることが明らかである。媒体および化合物処理細胞からの抽出物中に見られる放射性標識ナイアシンは、[14C]ナイシンアミドの酵素的脱アミド化の結果である。クロマトグラムにおけるNADとナイアシンのピークは互いに接近しているが、本発明者らは、「材料および方法」の項に記載されているように、2次薄層クロマトグラフィのシステムによりそれらの同一性を確認した。中間体であるナイアシンアミドモノヌクレオチドの蓄積は、化合物−処理細胞中に検出されなかったので、化合物はナイアシンアミドモノヌクレオチドの生成段階でNAD(P)生合成を阻害している。かくして、化合物は、酵素ナイアシンアミド・ピロホスフェート・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ([EC 2.4.2.12]、NAPRT;この酵素の2番目の名前は、ナイアシンアミド・モノヌクレオチド・ピロホスホリラーゼである)を阻害している。前駆体として[14C]ナイアシンアミドの代わりに[14C]ナイシンを用いて同じ種類の試験を行ったところ、化合物は、ナイアシン経路を利用できる細胞中で前駆体ナイアシンからのNAD(P)合成を阻止していないことが分かった。NAD(P)合成におけるナイアシン経路が化合物によって阻止されていないという観察からして、トリプトファンから出発する経路は化合物によって抑制されていないようである。
【0061】
酵素ナイアシンアミド・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(NAPRT、[EC 2.4.2.12])に対する化合物の効果は、下記の試験の部に記載のNAPRT試験に従って、酵素源として例えばプロタミンで処理されたK−562細胞の細胞質フラクションを用いて調べられた。K22387およびK22133の濃度が1μMであったのを除いて、試験化合物は濃度10μMで用いられた。
【0062】
試験は、14C−標識ナイアシンアミドからナイアシンアミド・モノヌクレオチド(NAM)への放射性結合の量に基づいている。NAMは次いで薄層クロマトグラフィによりナイアシンアミド(NA)から分離され、その量はオートラジオグラフィにより測定される。表4に示されるように、化合物は前駆体ナイアシンアミドからNAD(P)のde novo合成を完全に阻害した。
【0063】
【表4】
【0064】
本発明による化合物の例の結果の要約は、公知の毒性の細胞増殖抑制剤について得られた結果とともに、次の表5に挙げられている。明らかに見られるように、試験されたすべての例が求められた制限を満たしている。
【0065】
【表5】
【0066】
表5:試験された毒性化合物についての結果および本発明による化合物の例についての結果の要約(n.t.:試験されなかった)
本発明の好ましい形態において、WO97/48695に開示されている式(I)の化合物は、本発明に含まれていない:
【0067】
【化3】
【0068】
[式中、
R1は、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノカルボニル、カルボキシ、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ピリジルオキシ、ピリジルチオ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、
アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、
ヒドロキシアルキル、特にC1−C6−ヒドロキシアルキル、
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシ、
アルケニルオキシ、特にC3−C6−アルケニルオキシ、
アルキニルオキシ、特にC3−C6−アルキニルオキシ、
アルカノイルオキシ、特にC1−C7−アルカノイルオキシ、
アルコキシカルボニルオキシ、特にC2−C7−アルコキシカルボニルオキシ
アルキルチオ、特にC1−C6−アルキルチオ、
アルケニルチオ、特にC3−C6−アルケニルチオ、
アルキニルチオ、特にC3−C6−アルキニルチオ、
シクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、
シクロアルキルオキシ、特にC3−C8−シクロアルキルオキシ、
シクロアルキルチオ、特にC3−C8−シクロアルキルチオ、
アルコキシカルボニル、特にC2−C7−アルコキシカルボニル、
アルキルアミノカルボニル、特にC2−C7−アルキルアミノカルボニル、
ジアルキルアミノカルボニル、特にC3−C13−ジアルキルアミノカルボニル、または
NR5R6であり、ここで
R5および
R6は、それぞれ独立して、水素
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニルおよび
アルキニル、特にC3−C6−アルキニルから選択される、
【0069】
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ベンジルオキシ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシまたは
アルカノイルオキシ、特にC1−C7−アルカノイルオキシであり、
ここで、R1およびR2は、もしそれらが隣接しているならば、
−(CH2)4−、−(CH=CH)2−および−CH2O−CR7R8−O−から選択される結合を任意に形成していてもよく、ここで
R7および
R8は、それぞれ独立して水素またはアルキル、特にC1−C6−アルキルであり、
R3は、水素、ハロゲン、アルキル、特にC1−C6−アルキル、トリフルオロメチルまたはヒドロキシアルキル、特にC1−C6−ヒドロキシアルキルであり、そして
R4は、水素、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、
アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、
シクロアルキル、特にC3−C6−シクロアルキルまたは
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシであり、
kは、0または1であり、
【0070】
Aは、アルキレン、特にC1−C6−アルキレンであり、これはアルキル、特にC1−C3−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、特にC1−C3−アルコキシ、フッ素またはフェニルで1〜3回任意に置換されていてもよい、または
1,2−シクロプロピレン、あるいは
少なくとも2つの炭素原子をもったアルキレン、特にC2−C6−アルキレンであり、その中のメチレン単位はO、S、NR9、CO、SOまたはSO2によって等価的に置き換えられていてもよく、=COを除いて置換はアミド基に隣接することはできず、ここで
R9は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、アシル、特にC1−C6−アシルまたはアルキルスルホニル、特にC1−C6−アルキルスルホニルから選択され、
Dは、アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよいアルキレン、特にC1−C10−アルキレン、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよく、2重結合が環Eに結合していてもよい、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C10−アルケニレン、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよく、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニレン、特にC3−C10−アルキニレン、
1〜3のメチレン単位がO、S、NR10、CO、SOまたはSO2でそれぞれ等価的に置き換えられている、アルキレン、特にC1−C10−アルキレン、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C10−アルケニレンまたは、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニレン、特にC3−C10−アルキニレン
から選択され、ここで
R10は、R9と同じ意味を有するが、それらから独立して選択され、
Eは、
【0071】
【化4】
【0072】
または
【0073】
【化5】
【0074】
から選択され、ここで複素環は任意に2重結合を有していてもよく、そして
nおよび
pは、n+p≦4という条件で、それぞれ独立して0、1、2または3であることができ、
qは、2または3であり、
R11は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、カルボキシ、少なくとも2つの炭素原子を有するアルコキシカルボニル、特にC2−C7−アルコキシカルボニルであり、そして
R12は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、または窒素原子に隣接しているオキソ基であり、ここで
R11およびR12は、任意に一緒になって、1、2、3、4または5の炭素原子を有するアルキレン架橋、特にC1−C3−アルキレン架橋を形成して、2環式系を形成していてもよく、
Gは、水素、G1、G2、G3、G4およびG5から選択され、ここで
G1は、残基
−(CH2)r−(CR14R15)s−R13 (G1)
を表し、ここで
rは、1〜3の整数または0であり、そして
sは、0または1であり、
【0075】
R13は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、少なくとも3つの炭素原子を有するアルケニル、特にC3−C6−アルケニル、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニル、特にC3−C6−アルキニル、少なくとも3つの炭素原子を有するシクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群からの1つまたは2つの複素原子を含むことのできる5〜7員の飽和複素環式基、
ベンジルまたはフェニル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群からの1〜3の複素原子を含むことができ、直接またはメチレン基を介して結合している、5〜6員の単環式芳香複素環式基、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された炭素環式基であって、芳香族の環または水素化された環を介して、直接またはメチレン基を介して結合することができる、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された複素環式基であって、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択され、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
から選択され、
【0076】
R14は、R13と同じ意味を有するが、それらから独立して選択され、
R15は、水素、ヒドロキシ、メチル、ベンジル、フェニル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群から選択される1〜3の複素原子を含むことができ、直接またはメチレン基を介して結合している、5〜6員の単環式芳香複素環式基、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された炭素環式基であって、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された複素環式基であって、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択され、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
から選択され、
G2は、残基
【0077】
【化6】
【0078】
または
【0079】
【化7】
【0080】
であり、ここで置換基R13およびR15は、上記の意味を有するか、または基
−NR13R15
は、必須の窒素原子のほかに、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1つまたは2つの複素原子をさらに任意に含んでいてもよい、飽和もしくは不飽和の、単環式の、4〜8員の複素環式基、
必須の窒素原子のほかに、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1つまたは2つの複素原子をさらに任意に含んでいてもよい、飽和もしくは不飽和の、2−もしくは3−環式の、縮合もしくは架橋した、8〜16の環原子を有する複素環式基
から選択される含窒素複素環式基であり、該窒素原子を介して結合しており、
G3は、残基
−SO2−(CH2)rR13 (G3)
であり、そして
G4は、残基
【0081】
【化8】
【0082】
であり、ここで
Ar1およびAr2は、それぞれ独立して、フェニル、ピリジルまたはナフチルから選択され、そして
G5は、残基
−COR16 (G5)
であり、ここで
R16は、トリフルオロメチル、アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、アルケニルオキシ、特にC3−C6−アルケニルオキシ、またはベンジルオキシから選択される。
【0083】
上記において、置換基R1、R2、R4、R13、R14、R15、R16、Ar1およびAr2ならびに環式基−NR13R15におけるアリール残基および/または芳香族環式基は、いずれもそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アルキル、特にC1−C6アルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、全体的にもしくは部分的にフッ素で置換されたアルコキシ、置換アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、メルカプト、アルキルチオ、特にC1−C6アルキルチオ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、特にC1−C6アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、特にモノ−C1−C6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、特にジ−(C1−C6アルキル)−アミノおよび芳香族環もしくは環式基上の2つの隣接した基に対するメチレンジオキシから選択される、1〜3の、同一または異なった基で置換され得る。
【0084】
また、上記において、置換基R1〜R14のそれぞれの置換基、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキレン、アシル、アルキルスルホニル、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルまたはジアルキルアミノカルボニルは、それらの構造によって、1〜2または4、6、8、10もしくは12の炭素原子および/または2もしくは3〜5、7、9、11もしくは13および/または15の炭素原子、あるいは4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15の炭素原子を有することができ、
ならびに立体異性体および/またはそれらの混合物、ならびに医薬的に許容される酸付加塩。
【0085】
本発明のもう一つの好ましい形態において、WO97/48696に開示されている式(II)の化合物は、本発明に含まれない:
【0086】
【化9】
【0087】
[式中、
R1は、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノカルボニル、カルボキシ、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ピリジルオキシ、ピリジルチオ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、
アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、
ヒドロキシアルキル、特にC1−C6−ヒドロキシアルキル、
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシ、
アルケニルオキシ、特にC3−C6−アルケニルオキシ、
アルキニルオキシ、特にC3−C6−アルキニルオキシ、
アルカノイルオキシ、特にC1−C7−アルカノイルオキシ、
アルコキシカルボニルオキシ、特にC2−C7−アルコキシカルボニルオキシ
アルキルチオ、特にC1−C6−アルキルチオ、
アルケニルチオ、特にC3−C6−アルケニルチオ、
アルキニルチオ、特にC3−C6−アルキニルチオ、
シクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、
シクロアルキルオキシ、特にC3−C8−シクロアルキルオキシ、
シクロアルキルチオ、特にC3−C8−シクロアルキルチオ、
アルコキシカルボニル、特にC2−C7−アルコキシカルボニル、
アルキルアミノカルボニル、特にC2−C7−アルキルアミノカルボニル、
ジアルキルアミノカルボニル、特にC3−C13−ジアルキルアミノカルボニル、または
NR5R6であり、ここで
【0088】
R5および
R6は、それぞれ独立して、水素
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、および
アルキニル、特にC3−C6−アルキニルから選択される、
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ベンジルオキシ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシまたは
アルカノイルオキシ、特にC1−C7−アルカノイルオキシであり、
ここで、R1およびR2は、もしそれらが隣接しているならば、
−(CH2)4−、−(CH=CH)2−および−CH2O−CR7R8−O−から選択される結合を任意に形成していてもよく、ここで
R7および
R8は、それぞれ独立して、水素またはアルキル、特にC1−C6−アルキルであり、
R3は、水素、ハロゲン、アルキル、特にC1−C6−アルキル、トリフルオロメチルまたはヒドロキシアルキル、特にC1−C6−ヒドロキシアルキルであり、そして
R4は、水素、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、
アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、
シクロアルキル、特にC3−C6−シクロアルキルまたは
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシであり、
【0089】
kは、0または1であり、
Aは、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C6−アルケニレンであり、これはC1−C3−アルキル、ヒドロキシ、C1−C3−アルコキシ、フッ素、シアノまたはフェニルで1〜3回任意に置換されていてもよい、または
少なくとも4つの炭素原子を有するアルカジエニレン、特にC4−C6−アルカジエニレンであり、これはC1−C3−アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルで1〜2回任意に置換されていてもよい、
C1−C3−アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルで任意に置換されていてもよい1,3,5−ヘキサトリエニレン
エチニレンであり、
Dは、アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよいアルキレン、特にC1−C10−アルキレン、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよく、2重結合が環Eに結合していてもよい、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C10−アルケニレン、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよく、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニレン、特にC3−C10−アルキニレン、
1〜3のメチレン単位がO、S、NR9、CO、SOまたはSO2でそれぞれ等価的に置き換えられている、アルキレン、特にC1−C10−アルキレン、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C10−アルケニレンまたは、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニレン、特にC3−C10−アルキニレン
から選択され、ここで
R9は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、アシル、特にC1−C6−アシルまたはアルキルスルホニル、特にC1−C6−アルキルスルホニルから選択され、
Eは、
【0090】
【化10】
【0091】
または
【0092】
【化11】
【0093】
から選択され、ここで複素環は任意に2重結合を有していてもよく、そして
nおよび
pは、n+p≦4という条件で、それぞれ独立して0、1、2または3であることができ、
qは、2または3であり、
R10は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、カルボキシまたは少なくとも2つの炭素原子を有するアルコキシカルボニル、特にC2−C7−アルコキシカルボニルであり、そして
R11は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、または窒素原子に隣接しているオキソ基であり、ここで
R10およびR11は、任意に一緒になって、1、2、3、4または5の炭素原子を有するアルキレン架橋、特にC1−C3−アルキレン架橋を形成して、2環式系を形成していてもよく、
Gは、水素、G1、G2、G3、G4およびG5から選択され、ここで
G1は、残基
−(CH2)r−(CR13R14)s−R12 (G1)
を表し、ここで
rは、1〜3の整数または0であり、そして
sは、0または1であり、
【0094】
R12は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、少なくとも3つの炭素原子を有するアルケニル、特にC3−C6−アルケニル、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニル、特にC3−C6−アルキニル、少なくとも3つの炭素原子を有するシクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群からの1つまたは2つの複素原子を含むことのできる5〜7員の飽和複素環式基、
ベンジルまたはフェニル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群からの1〜3の複素原子を含むことができ、直接またはメチレン基を介して結合している、5〜6員の単環式芳香複素環式基、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された炭素環式基であって、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された複素環式基であって、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択され、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
から選択され、
【0095】
R13は、R12と同じ意味を有するが、それらから独立して選択され、
R14は、水素、ヒドロキシ、メチル、ベンジル、フェニル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群から選択される1〜3の複素原子を含むことができ、直接またはメチレン基を介して結合している、5〜6員の単環式芳香複素環式基、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された炭素環式基であって、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された複素環式基であって、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択され、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
から選択され、
G2は、残基
【0096】
【化12】
【0097】
または
【0098】
【化13】
【0099】
であり、ここで置換基R12およびR14は、上記の意味を有するか、または基
−NR12R14
は、必須の窒素原子のほかに、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1つまたは2つの複素原子をさらに任意に含んでいてもよい、飽和もしくは不飽和の、単環式の、4〜8員の複素環式基、
必須の窒素原子のほかに、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1つまたは2つの複素原子をさらに任意に含んでいてもよい、飽和もしくは不飽和の、2−もしくは3−環式の、縮合もしくは架橋した、8〜16の環原子を有する複素環式基
から選択される含窒素複素環式基であり、該窒素原子を介して結合しており、
G3は、残基
−SO2−(CH2)rR12 (G3)
であり、そして
G4は、残基
【0100】
【化14】
【0101】
であり、ここで
Ar1およびAr2は、それぞれ独立して、フェニル、ピリジルまたはナフチルから選択され、そして
G5は、残基
−COR15 (G5)
であり、ここで
R15は、トリフルオロメチル、アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、アルケニルオキシ、特にC3−C6−アルケニルオキシ、またはベンジルオキシから選択される。
【0102】
上記において、置換基R1、R2、R4、R12、R13、R14、R15、Ar1およびAr2ならびに/または環式基−NR12R14におけるアリール残基および/または芳香族環式基は、いずれもそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アルキル、特にC1−C6アルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、全体的にもしくは部分的にフッ素で置換されたアルコキシ、置換アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、メルカプト、アルキルチオ、特にC1−C6アルキルチオ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、特にC1−C6アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、特にモノ−C1−C6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、特にジ−(C1−C6アルキル)−アミノおよび芳香族環もしくは環式基上の2つの隣接した基に対するメチレンジオキシから選択される、1〜3の、同一または異なった基で置換され得る。
【0103】
また、上記において、置換基R1〜R13のそれぞれの置換基、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキレン、アシル、アルキルスルホニル、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルまたはジアルキルアミノカルボニルは、それらの構造によって、1〜2または4、6、8、10もしくは12の炭素原子および/または2もしくは3〜5、7、9、11もしくは13および/または15の炭素原子、あるいは4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15の炭素原子を有することができ、
ならびに立体異性体および/またはそれらの混合物、ならびに医薬的に許容される酸付加塩、
ただし、(E)−3−(3−ピリジル)−N−[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]−2−プロペンアミドの塩酸塩を除く。
【0104】
本発明のさらに好ましい形態において、WO97/48697に開示されている式(III)の化合物は、本発明に含まれない:
【0105】
【化15】
【0106】
[式中、
R1は、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノカルボニル、カルボキシ、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ピリジルオキシ、ピリジルチオ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、
アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、
ヒドロキシアルキル、特にC1−C6−ヒドロキシアルキル、
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシ、
アルケニルオキシ、特にC3−C6−アルケニルオキシ、
アルキニルオキシ、特にC3−C6−アルキニルオキシ、
アルカノイルオキシ、特にC1−C7−アルカノイルオキシ、
アルコキシカルボニルオキシ、特にC2−C7−アルコキシカルボニルオキシ
アルキルチオ、特にC1−C6−アルキルチオ、
アルケニルチオ、特にC3−C6−アルケニルチオ、
アルキニルチオ、特にC3−C6−アルキニルチオ、
シクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、
シクロアルキルオキシ、特にC3−C8−シクロアルキルオキシ、
シクロアルキルチオ、特にC3−C8−シクロアルキルチオ、
アルコキシカルボニル、特にC2−C7−アルコキシカルボニル、
アルキルアミノカルボニル、特にC2−C7−アルキルアミノカルボニル、
ジアルキルアミノカルボニル、特にC3−C13−ジアルキルアミノカルボニル、または
【0107】
NR5R6であり、ここで
R5および
R6は、それぞれ独立して、水素
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、および
アルキニル、特にC3−C6−アルキニルから選択される、
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ベンジルオキシ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシまたは
アルカノイルオキシ、特にC1−C7−アルカノイルオキシであり、
ここで、R1およびR2は、もしそれらが隣接しているならば、
−(CH2)4−、−(CH=CH)2−および−CH2O−CR7R8−O−から選択される結合を任意に形成していてもよく、ここで
R7および
R8は、それぞれ独立して、水素またはアルキル、特にC1−C6−アルキルであり、
R3は、水素、ハロゲン、アルキル、特にC1−C6−アルキル、トリフルオロメチルまたはヒドロキシアルキル、特にC1−C6−ヒドロキシアルキルであり、そして
【0108】
R4は、水素、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、
アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、
シクロアルキル、特にC3−C6−シクロアルキルまたは
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシであり、
kは、0または1であり、
Aは、アルキレン、特にC1−C6−アルキレンであり、これはアルキル、特にC1−C3−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、特にC1−C3−アルコキシ、フッ素またはフェニルで1〜3回任意に置換されていてもよい、または
1,2−シクロプロピレン、あるいは
少なくとも2つ以上の炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C6−アルケニレンであり、これはC1−C3−アルキル、ヒドロキシ、C1−C3−アルコキシ、フッ素、シアノまたはフェニルで1〜3回任意に置換されていてもよい、または少なくとも4つの炭素原子を有するアルカジエニレン、特にC4−C6−アルカジエニレンであり、これはC1−C3−アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルで1〜2回任意に置換されていてもよい、
C1−C3−アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルで任意に置換されていてもよい1,3,5−ヘキサトリエニレン
エチニレン、あるいは
【0109】
1つのメチレン単位がO、S、NR9、CO、SOまたはSO2でそれぞれ等価的に置き換えられていてもよい(ただし、=COはアミド基に隣接することができない)、少なくとも2つの炭素原子を有するアルキレン、特にC2−C6−アルキレンであり、
R9は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、アシル、特にC1−C6−アシルまたはアルキルスルホニル、特にC1−C6−アルキルスルホニルから選択され、
Dは、アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよいアルキレン、特にC1−C10−アルキレン、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよく、2重結合が環Eに結合していてもよい、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C10−アルケニレン、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよく、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニレン、特にC3−C10−アルキニレン、
1〜3のメチレン単位がO、S、NR10、CO、SOまたはSO2でそれぞれ等価的に置き換えられている、アルキレン、特にC1−C10−アルキレン、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C10−アルケニレンまたは、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニレン、特にC3−C10−アルキニレン、
から選択され、ここで
R10は、R9と同じ意味を有するが、それからは独立して選択され、
Eは、
【0110】
【化16】
【0111】
または
【0112】
【化17】
【0113】
から選択され、ここで複素環は任意に2重結合を有していてもよく、そして
nおよび
pは、n+p≦4という条件で、それぞれ独立して0、1、2または3であることができ、
qは、2または3であり、
R11は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、カルボキシまたは少なくとも2つの炭素原子を有するアルコキシカルボニル、特にC2−C7−アルコキシカルボニルであり、そして
R12は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、または窒素原子に隣接しているオキソ基であり、ここで
R11およびR12は、任意に一緒になって、1、2、3、4または5の炭素原子を有するアルキレン架橋、特にC1−C3−アルキレン架橋を形成して、2環式系を形成していてもよく、
Gは、水素、G1、G2、G3、G4およびG5から選択され、ここで
G1は、残基
−(CH2)r−(CR14R15)s−R13 (G1)
を表し、ここで
rは、1〜3の整数または0であり、そして
sは、0または1であり、
【0114】
R13は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、少なくとも3つの炭素原子を有するアルケニル、特にC3−C6−アルケニル、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニル、特にC3−C6−アルキニル、少なくとも3つの炭素原子を有するシクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群からの1つまたは2つの複素原子を含むことのできる5〜7員の飽和複素環式基、
ベンジルまたはフェニル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群からの1〜3の複素原子を含むことができ、直接またはメチレン基を介して結合している、5〜6員の単環式芳香複素環式基、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された炭素環式基であって、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された複素環式基であって、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択され、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
から選択され、
【0115】
R14は、R13と同じ意味を有するが、それから独立して選択され、
R15は、水素、ヒドロキシ、メチル、ベンジル、フェニル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群から選択される1〜3の複素原子を含むことができ、直接またはメチレン基を介して結合している、5〜6員の単環式芳香複素環式基、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された炭素環式基であって、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された複素環式基であって、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択され、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
から選択され、
G2は、残基
【0116】
【化18】
【0117】
または
【0118】
【化19】
【0119】
であり、ここで置換基R13およびR15は、上記の意味を有するか、または基
−NR13R15
は、必須の窒素原子のほかに、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1つまたは2つの複素原子をさらに任意に含んでいてもよい、飽和もしくは不飽和の、単環式の、4〜8員の複素環式基、
必須の窒素原子のほかに、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1つまたは2つの複素原子をさらに任意に含んでいてもよい、飽和もしくは不飽和の、2−もしくは3−環式の、縮合もしくは架橋した、8〜16の環原子を有する複素環式基
から選択される含窒素複素環式基であり、該窒素原子を介して結合しており、
G3は、残基
−SO2−(CH2)rR13 (G3)
であり、そして
G4は、残基
【0120】
【化20】
【0121】
であり、ここで
Ar1およびAr2は、それぞれ独立して、フェニル、ピリジルまたはナフチルから選択され、そして
G5は、残基
−COR16 (G5)
であり、ここで
R16は、トリフルオロメチル、アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、アルケニルオキシ、特にC3−C6−アルケニルオキシ、またはベンジルオキシから選択される。
【0122】
上記において、置換基R1、R2、R4、R13、R14、R15、R16、Ar1およびAr2ならびに/または環式基−NR13R15におけるアリール残基および/または芳香族環式基は、いずれもそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アルキル、特にC1−C6アルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、全体的にもしくは部分的にフッ素で置換されたアルコキシ、置換アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、メルカプト、アルキルチオ、特にC1−C6アルキルチオ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、特にC1−C6アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、特にモノ−C1−C6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、特にジ−(C1−C6アルキル)−アミノおよび芳香族環もしくは環式基上の2つの隣接した基に対するメチレンジオキシから選択される、1〜3の、同一または異なった基で置換され得る。
【0123】
また、上記において、置換基R1〜R14のそれぞれの置換基、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキレン、アシル、アルキルスルホニル、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルまたはジアルキルアミノカルボニルは、それらの構造によって、1〜2または4、6、8、10もしくは12の炭素原子および/または2もしくは3〜5、7、9、11もしくは13および/または15の炭素原子、あるいは4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15の炭素原子を有することができる。
【0124】
ならびに立体異性体および/またはそれらの混合物、ならびに医薬的に許容される酸付加塩。
【0125】
本発明のさらに好ましい形態において、WO99/31063に開示されている式(IV)の化合物は、本発明に含まれない:
【0126】
【化21】
【0127】
[式中、
R1は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノカルボニル、カルボキシ、
アルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルのような、飽和、1〜数個の不飽和、分岐状もしくは直鎖状もしくは環式炭化水素残基、
フェニルのようなアリールまたはピリジルのようなヘテロアリール、
アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アルケニルオキシ、またはアルキニルオキシ、またはベンジルオキシ基のようなアラルキルオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、フェノキシのようなアリールオキシ、ピリジルオキシのようなヘテロアリールオキシ、フェニルチオのようなアリールチオ、ピリジルチオのようなヘテロアリールチオ、
トリフルオロメチル、
ヒドロキシアルキル、
NR5R6[式中、R5およびR6は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニルのような飽和もしくは不飽和炭化水素残基またはフェニルのようなアリールおよびベンジルのようなアラルキルから互いに独立して選択される]
から選択され;
【0128】
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキルのような飽和炭化水素残基、またはトリフルオロメチルのようなハロゲン化炭化水素残基、ヒドロキシ、アルコキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ残基ならびにアルカノイルオキシから選択され、
ここで、R1およびR2が、互いに隣接している場合には、−(CH2)4−および−(CH=CH)2−および−CH2O−CR7R8−O−[式中、R7およびR8は互いに独立して水素およびアルキル残基から選択される]から選択される橋かけを任意に形成し;
R3は、水素、ハロゲン、アルキルのような飽和炭化水素残基、またはトリフルオロメチルのようなハロゲン化炭化水素残基、またはヒドロキシアルキルから選択され;
R4は、水素、ヒドロキシ、またはアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはシクロアルキルのような1〜数個の不飽和、分岐状もしくは直鎖状もしくは環式炭化水素残基、アルコキシおよびベンジルオキシのようなアラルキルオキシから選択され;
kは、0または1であり;
【0129】
Aは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素のようなハロゲン、またはフェニルのようなアリールのような直鎖状もしくは分岐状炭化水素残基で、1〜3個任意に置換されているアルキレン、
アルキレン[式中、メチレン単位が、等配電子的にO、S、NR9、CO、SOまたはSO2で置きかえられており、COを除いて、等配電子的な置換はアミド基に隣接することができず、NR9において、残基R9は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアルカンスルホニルから選択される];
1,2−シクロプロピレンのようなシクロアルキレン;
アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素、シアノまたはフェニルのようなアリールで1〜3個任意に置換されているアルケニレン;
アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルのようなアリールで1または2個任意に置換されたアルカジエニレン、
アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルのようなアリールで任意に置換された1,3,5−ヘキサトリエニレンならびに
エチニレンから選択され;
Dは、アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシで1または2個任意に置換されたアルキレン;
アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシで1または2個任意に置換されたアルケニレン;
アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシで1または2個任意に置換されたアルキニレンならびに、
アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン[式中、1〜3のメチレン単位が各々等配電子的に、O、S、NR10、CO、SOまたはSO2で置きかえられている[式中、R10は、R9と同じ意味を有するが、そこから独立して選択される]]から選択され;
Eは、
【0130】
【化22】
【0131】
[ここで、
qは、1、2または3であり;
R11は、水素、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、カルボキシもしくはアルコキシカルボニルから選択され、
R12は水素、アルキルもしくは窒素原子に隣接したオキソ基から選択されるか、または、
R11およびR12は一緒になって、2環式環系を形成するアルキレン橋かけを任意に形成する]であり;
Gは、G1、G2、G3、G4またはG5から選択され
ここで、
G1は、
−(CH2)r−(CR14R15)s−R13 (G1)
[ここで、
rは、意味0〜3を有し、
sは、0または1であり;
R13は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル;
Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1または2のヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和、4〜8員のヘテロ環;
ベンジル、フェニル;
Nおよび/またはSおよび/またはOから選択された1〜3のヘテロ−原子を含んでもよく、直接結合するか、またはメチレン基を介して結合した、単環式芳香族5−または6−員のヘテロ環;
【0132】
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有し、縮合2および3環式芳香族または部分的に水素化された炭化水素環系[ここで、その結合は芳香環もしくは水素化された環を介して起こるか、または直接もしくはメチレン基を介して起きてもよい];
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合2および3環式芳香族または部分的に水素化されたヘテロ環式環系[ここで、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択されてもよく、結合は芳香環もしくは水素化された環を介して起こるか、または直接もしくはメチレン基を介して起きてもよい]
から選択され;
R14は、R13と同じ意味を有するが、そこから独立して選択され;
R15は、水素、ヒドロキシ、C1−C3−アルキル、ベンジルのようなアラルキルまたはフェニルのようなアリール、
群Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1〜3のヘテロ原子を含んでもよく、直接結合するかまたはメチレン基を介して結合した単環式芳香族5もしくは6員のヘテロ環、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合2および3環式芳香族もしくは部分的に水素化された炭化水素環系[式中、連結は芳香環または水素化された環を介して起こるか、または直接もしくはメチレン基を介して起こる]、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合2および3環式芳香族もしくは部分的に水素化されたヘテロ環式環系[式中、1〜3の環原子は、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択されてもよく、連結は、芳香環もしくは水素化された環を介して起きるか、または直接もしくはメチレン基を介して起きてもよい]
から選択される]であり、
【0133】
ただし、
Gが以下の意味
−(CH2)r−(CR14R15)s−R13 (G1)
[以下の置換基が同時に意味する場合、
R13が、ピリジルまたは(任意にハロゲン−、アルキル−、アルコキシ−もしくはトリフルオロメチル−置換された)フェニル、
R14が、水素またはハロゲン−、アルキル−、アルコキシ−もしくはトリフルオロメチルで任意に置換されたフェニル、
R15が、水素であり、
Aが、アルキレン、任意に置換されたエテニレンまたはブタジエニレンを意味し、
Dが、アルキレンまたはアルケニレン、ならびに
Eが、ピペラジンまたはホモピペラジンおよび
s=1]を有する化合物を除く;
G2は、
【0134】
【化23】
【0135】
[ここで、rおよびsならびに置換基R13〜R15は、上記の意味を有するか、または基
−NR13R15
は、必須の窒素原子のほかに、さらにNおよび/またはSおよび/またはOから選択されるヘテロ原子をさらに1または2を任意に含んでもよい飽和もしくは不飽和単環式、4〜8員のヘテロ環、または
必須の窒素原子のほかに、さらにNおよび/またはSおよび/またはOから選択されるヘテロ原子の1または2を任意に含んでもよい8〜16の環原子を有する、飽和もしくは不飽和、2もしくは3環式、縮合もしくは橋かけヘテロ環、
から選択される、窒素原子を介して結合した窒素ヘテロ環であってもよい]から選択され;
G3は、意味−SO2−(CH2)r−R13 (G3)
[式中、rおよびR13は上記の定義を有する]を有し、
G4は、意味
【0136】
【化24】
【0137】
[ここで、Ar1およびAr2は、フェニル、ピリジルまたはナフチルから互いに独立して選択される]を有し;
G5は、意味
【0138】
−COR16 (G5)
[ここで、
R16は、トリフルオロメチル、アルコキシ、アルケニルオキシおよびベンジルオキシのようなアラルキルオキシから選択される]を有し、
ここで、置換基R1、R2、R4、R5、R6、R13、R14、R15、R16、Ar1およびAr2ならびに/または環系−NR13R15中の芳香族環系は、
ハロゲン、シアノ、アルキル、トリフルオロメチルのようなハロゲン化アルキル、シクロアルキル、フェニルのようなアリール、ベンジルのようなアリールアルキル;ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フッ素で全体にもしくは部分的に置換されたアルコキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ、フェノキシのようなアリールオキシ; メルカプト、アルキルチオ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ならびに芳香環上の2つの隣接する残基の場合、メチレンジオキシも、
から選択される1〜3の同一もしくは異なる置換基で互いに独立に置換されてもよく、
ここで、基G1、G2およびG3中のアルキル−、アルケニル−およびシクロアルキル残基は、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される1もしくは2の同一もしくは異なる基で置換されていてもよい]
の化合物、
それらのシス−およびトランス−異性体、E−およびZ−異性体、特にAがシクロプロパン環であるか、もしくはDが1つもしくはそれ以上の2重結合を含む場合には、鏡像異性体、ジアステレオマーおよびその他の異性体を含み、さらにそれらのラセミもしくは非ラセミ混合物、ならびに環系Eが2環式である場合、相当するエンド−およびエキソ異性体;
それらの互変異性化合物;
ならびにそれらの水和物および溶媒和物を含むそれらの酸付加塩。
【0139】
本発明のさらに好ましい形態において、WO99/31060に開示されている式(V)の化合物は、本発明に含まれない:
【0140】
【化25】
【0141】
[式中、R1は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、カルボキシ;
アルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルのような、飽和、1〜数個の不飽和、分岐状もしくは直鎖状もしくは環式炭化水素残基;
トリフルオロメチル又はヒドロキシアルキル;
フェニルのようなアリールまたはピリジルのようなヘテロアリール;
アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、またはベンジルオキシ基のようなアラルキルオキシ、アルコキシカルボニル;アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ;
アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ;
フェノキシのようなアリールオキシ、ピリジルオキシのようなヘテロアリールオキシ、ピリジルチオのようなヘテロアリールチオ、及びNR5R6[式中、R5およびR6は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニルのような飽和もしくは不飽和炭化水素残基またはフェニルのようなアリールおよびベンジルのようなアラルキルから互いに独立して選択される]
から選択され;
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキルのような飽和炭化水素残基、またはトリフルオロメチルのようなハロゲン化炭化水素残基、ヒドロキシ、アルコキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ残基ならびにアルカノイルオキシから選択され、
【0142】
ここで、R1およびR2が、互いに隣接している場合には、−(CH2)4−および−(CH=CH)2−および−CH2O−CR7R8−O−[式中、R7およびR8は互いに独立して水素およびアルキル残基から選択される]から選択される橋かけを任意に形成し;
R3は、水素、ハロゲン、アルキルのような飽和炭化水素残基、またはトリフルオロメチルのようなハロゲン化炭化水素残基、またはヒドロキシアルキルから選択され;
R4は、水素、ヒドロキシ、またはアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはシクロアルキルのような1〜数個の飽和、不飽和、分岐状もしくは直鎖状もしくは環式炭化水素残基、アルコキシおよびベンジルオキシのようなアラルキルオキシから選択され;
kは、0または1であり;
Aは、少なくとも2個の炭素原子を有し、アルキルのような直鎖状もしくは分岐状炭化水素残基、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素のようなハロゲン、またはフェニルのようなアリールで、1〜3個任意に置換されているアルキレン、
少なくとも2個の炭素原子を有するアルキレン[式中、メチレン単位が、等配電子的にO、S、NR9、CO、SOまたはSO2で置きかえられており、COを除いて、等配電子的な置換はアミド基に隣接することができず、NR9において、残基R9は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアルカンスルホニルから選択される];
【0143】
1,2−シクロプロピレンのようなシクロアルキレン;
少なくとも2個の炭素原子を有し、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素、シアノまたはフェニルのようなアリールで1〜3個任意に置換されているアルケニレン;
少なくとも4個の炭素原子を有し、アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルのようなアリールで1または2個任意に置換されたアルカジエニレン;
アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルのようなアリールで任意に置換された1,3,5−ヘキサトリエニレン;ならびに
エチニレン
から選択され、
Dは、少なくとも2個の炭素原子を有し、アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシで1または2個任意に置換されたアルキレン;
少なくとも4個の炭素原子を有し、アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシで1または2個任意に置換されたアルケニレン;
少なくとも4個の炭素原子を有し、アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシで1または2個任意に置換されたアルキニレンならびに、
それぞれ少なくとも2個又は4個の炭素原子を有するアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン[式中、1〜3のメチレン単位が各々等配電子的に、O、S、NR10、CO、SOまたはSO2で置きかえられている[式中、R10は、R9と同じ意味を有するが、独立して選択される]]から選択され;
Eは、
【0144】
【化26】
【0145】
及び
【0146】
【化27】
【0147】
[ここで、複素環は、任意に二重結合を有していてもよく、かつ
nとpは、互いに独立して0、1、2又は3であってもよく、但しn+p≦4であり、
qは、1、2または3であり;
R11は、水素、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、カルボキシもしくは少なくとも2個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルから選択され、
R12は、水素、アルキルもしくは窒素原子に隣接したオキソ基から選択され、または、
R11およびR12は一緒になって、2環式環系を形成するC1−C3アルキレン橋かけを任意に形成する]から選択され、
Gは、G1、G2、G3、G4またはG5から選択され、
【0148】
ここで、G1は、基
−(CH2)r−(CR14R15)s−R13 (G1)
[rは、0〜3の数であり、
sは、0または1であり;
R13は、水素、飽和又は環式基に少なくとも3個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル、アルキニル、シクロアルキル;
Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1または2個のヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和、4〜7員のヘテロ環;
ベンジル、フェニル;
Nおよび/またはSおよび/またはOから選択された1〜3個のヘテロ原子を含んでもよく、直接結合するか、またはメチレン基を介して結合した、単環式芳香族5−または6−員のヘテロ環;
8〜18、好ましくは16個までの環原子および少なくとも1つの芳香環を有する縮合2もしくは3環式芳香族または部分的に水素化された炭化水素環系[ここで、その結合は芳香環もしくは水素化された環を介するか、または直接もしくはメチレン基を介していてもよい];
8〜18、好ましくは16個までの環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合2および3環式芳香族または部分的に水素化されたヘテロ環式環系[ここで、1〜3個の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択されてもよく、結合は芳香環もしくは水素化された環を介するか、または直接もしくはメチレン基を介していてもよい]
から選択され;
【0149】
R14は、R13と同じ意味を有するが、独立して選択され;
R15は、水素、ヒドロキシ、メチル、ベンジル、フェニル;
Nおよび/またはSおよび/またはOの基から選択される1〜3個のヘテロ原子を含んでもよく、直接結合するかまたはメチレン基を介して結合した単環式芳香族5もしくは6員のヘテロ環;
8〜18、好ましくは16個までの環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合2および3環式芳香族もしくは部分的に水素化された炭化水素環系[式中、連結は芳香環または水素化された環を介するか、または直接もしくはメチレン基を介する];
8〜18、好ましくは16個までの環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合2および3環式芳香族もしくは部分的に水素化されたヘテロ環式環系[式中、1〜3個の環原子は、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択されてもよく、連結は、芳香環もしくは水素化された環を介するか、または直接もしくはメチレン基を介する]
から選択される}であり、
【0150】
G2は、
=(C)uR13R15 (G2)
{ここで、R13とR15は上記の意味を有し、かつ
uは、0もしくは1の数を示すか、又はu=1である場合に二重結合によってEに結合される基
=CR13R15
を意味するか、又は少なくとも3個の炭素原子を有するシクロアルキル;N及び/又はS及び/又はOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含むことができる4〜7員の飽和された複素環;8〜18、好ましくは16個までの環原子と少なくとも1つの芳香環を有する縮合された二-及び三環式の部分的に水素化された炭素環式環系;1〜3個の環原子がN及び/又はS及び/又はOから選択され、8〜18、好ましくは16個までの環原子と少なくとも1つの芳香環を有する縮合された二-及び三環式の部分的に水素化された複素環式環系から選択される、炭素原子を介して結合する環系を意味するか、又は
u=0である場合に、2つの本来の置換基R13とR15が、シクロアルキル、N及び/又はS及び/又はOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含むことができる飽和した4〜7員の複素環;8〜18、好ましくは16個の環原子と少なくとも1つの芳香環を有する縮合された二-及び三環式の部分的に水素化された炭素環式環系;1〜3個の環原子がN及び/又はS及び/又はOから選択され、8〜18、好ましくは16個までの環原子と少なくとも1つの芳香環を有する縮合された二-及び三環式の部分的に水素化された複素環式環系から選択される環Eの結合原子とともに、スピロ環を形成できる}を意味し、
G3は、
【0151】
【化28】
【0152】
または
【0153】
【化29】
【0154】
{ここで、rおよびsならびに置換基R13、R14およびR15は、上記の意味を有するか、または基
−NR13R15
は、必須の窒素原子のほかに、さらにNおよび/またはSおよび/またはOから選択されるヘテロ原子をさらに1または2を任意に含んでもよい飽和もしくは不飽和単環式、4〜8員のヘテロ環、または
必須の窒素原子のほかに、さらにNおよび/またはSおよび/またはOから選択されるヘテロ原子の1または2を任意に含んでもよい8〜18、好ましくは16までの環原子を有する、飽和もしくは不飽和、2もしくは3環式、縮合もしくは橋かけヘテロ環、
から選択される、窒素原子を介して結合した窒素ヘテロ環であってもよい}から選択され;
G4は、
−NR16−(CH2)r−(CR14R15)s-R13 (G4a)又は
【0155】
【化30】
【0156】
又は
【0157】
【化31】
【0158】
又は
−NR16−SO2−(CH2)r−R13 (G4d)
又は
【0159】
【化32】
【0160】
又は
−NR16−COR17 (G4f)
{ここで、rおよびsならびに置換基R13、R14およびR15は上記の意味を有し、かつ、
R16は、R5と同じ意味を有するが、個々に選択され、
R17は、少なくとも3個の炭素原子を有するトリフルオロメチル、アルコキシ、アルケニルオキシ;又はベンジルオキシから選択され、かつ、
Ar1とAr2は、互いに独立してフェニル、ピリジル又はナフチルから選択される}を意味し、
G5は、
−W−(CH2)r−(CR14R15)s-R13 (G5a)
又は
【0161】
【化33】
【0162】
{ここで、rおよびsならびに置換基R13、R14、R15、Ar1とAr2は上記の意味を有し、かつ、
Wは0又はSである}を意味し、
ここで、置換基R1、R2、R4、R5、R6、R13、R14、R15、R16、R17、Ar1とAr2における環系 =CR13R15、−NR13R15及び任意にER13R15ならびに芳香環系は、ハロゲン、シアノ、アルキル、トリフルオロメチル、少なくとも3個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フッ素で完全にもしくは部分的に置換されたアルコキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、メルカプト、アルキルチオ、カルボキシ、カルボキシアルキル、少なくとも2個の炭素原子を有するカルボキシアルケニルもしくは少なくとも2個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ及び芳香環の2つの隣り合う基に対しては、メチレンジオキシから選択される同じ又は異なる1〜3個の基で互いに独立して置換されていてもよく、かつ基G1〜G5でのアルキル、アルケニル及びシクロアルキル基は、ヒドロキシ、カルボキシ、少なくとも2個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アミノ、モノアルキルアミノ及びジアルキルアミノから選択される同じか又は異なる1もしくは2個の基で置換されていてもよく、
【0163】
ここで、Gは、同時に、
R13が、水素、アルキル又はハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシもしくはトリフルオロメチルで任意に置換されるフェニルであり、
R14及び/又はR15が、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシもしくはトリフルオロメチルで任意に置換されるピリジルもしくはフェニルであり、
Aが、エテニレン又はブタジエニレンで任意に置換されるアルキレン、
Dがアルキレン、かつ
Eが4位で置換されたピペリジン
である際に、
−CHR14−R13 又は −C(OH)R14−R13 又は
=CR13R15 又は −O−CHR14−R13
を意味することができない]
の化合物、
それらのシス−およびトランス−異性体、上記化合物のE−およびZ−異性体、特にAがシクロプロパン環であるか、もしくはDが1以上の二重結合を含む場合には、上記化合物の鏡像異性体、ジアステレオマーおよびその他の異性体を含み、さらにそれらのラセミもしくは非ラセミ混合物、ならびに上記化合物の純粋なエンド−及び/又はエキソ異性体、さらにその混合物;
それらのそれぞれの互変異性化合物;及び
それらの水和物および溶媒和物を含む上記化合物の酸付加塩。
【0164】
本発明のさらに好ましい形態において、WO99/31087に開示されている式(VI)の化合物は、本発明に含まれない:
【0165】
【化34】
【0166】
[式中、置換基は次の意味を有する:
R1は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ、アルカノイルオキシ、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、カルボキシ、フェニルのようなアリール、フェノキシのようなアリールオキシ、フェニルチオのようなアリールチオ、ピリジルオキシのようなヘテロアリールオキシ、ピリジルチオのようなヘテロアリールチオ及びNR4R5(ここで、R4及びR5は互いに独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジルのようなアラルキル及びフェニルのようなアリールから選択される)から選択され、
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ及びベンジルオキシのようなアラルキルオキシから選択され、
R3は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ及びベンジルオキシのようなアリールオキシから選択され、
kは、0又は1であり、
【0167】
Aは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素もしくはフェニルのようなアリールで任意に1〜3個置換されたアルキレン、
メチレン単位がO、S、NR6、CO、SOもしくはSO2で等配電子的に置き換えられたアルキレン(ここで、COを除いて、等配電子的な置換はアミン基には隣接することはできず、R6は水素、アルキル、アルケニル、アシルもしくはアルカンスルホニルから選択される);
1,2−シクロプロピレン;
アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素、シアノもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換されたアルケニレン;
アルキル、フッ素、シアノもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換されたアルカジエニレン;
C1−C3−アルキル、フッ素、シアノもしくはフェニルで任意に置換されたヘキサトリエニレン;及び
エチニレンから選択され、
【0168】
Dは、アルキル、ヒドロキシもしくはアルコキシで1もしくは2回任意に置換されたアルキレン;
アルキル、ヒドロキシもしくはアルコキシで1もしくは2回任意に置換されたアルケニレン;
アルキル、ヒドロキシもしくはアルコキシで1もしくは2回任意に置換されたアルキニレン;及び
1〜3個のメチレン単位がO、S、NR7、CO、SOもしくはSO2で等配電子的に置き換えられているアルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(ここで、R7はR6と同じ意味であるが、独立して選ばれる)から選択され;
Eは、5〜7個の環原子を有する飽和もしくは不飽和の単環式イミド(ここで、必須のイミド窒素原子のほかに、N及び/又はS及び/又はOから選択されるヘテロ原子がこのイミド環中にさらに1又は2個あってもよい);
8〜18個の環原子を有する飽和、不飽和もしくは芳香族の、縮合した2−、3−もしくは4−環式イミド(ここで、必須のイミド窒素原子のほかに、N及び/又はS及び/又はOから選択されるヘテロ原子がさらに1〜3個あってもよい);
8〜22個の環原子を有する飽和もしくは不飽和の架橋した2−、3−、4−もしくは5−環式イミド(ここで、必須のイミド窒素原子のほかに、N及び/又はS及び/又はOから選択されるヘテロ原子がさらに1〜3個あってもよい);
任意に1もしくは2回縮合しており、全部で9〜23個の環原子を有する飽和もしくは不飽和のスピロ環式イミド(ここで、必須のイミド窒素原子のほかに、N及び/又はS及び/又はOから選択されるヘテロ原子がさらに1〜3個あってもよい);
から選択されるDにイミド窒素原子を介して結合している一般式
【0169】
【化35】
【0170】
又は
【0171】
【化36】
【0172】
の環状イミドであり、
ここで、これらの環状イミドは、
ハロゲン、シアノ、アルキル、アルキリデン、トリフルオロメチル、シクロアルキル、シクロアルキリデン、フェニルアルキル、フェニルアルキリデン、ジフェニルアルキル、ジフェニルアルキリデン、トリフェニルメチル、フェニルのようなアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フッ素で完全にもしくは部分的に置換されたアルコキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ、フェノキシ、ナフチルオキシのようなアリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオもしくはナフチルチオのようなアリールチオ、ピリジルチオのようなヘテロアリールチオ、アルカンスルホニル、フェニルスルホニルもしくはナフチルスルホニルのようなアリールスルホニル、ピリジルスルホニルのようなヘテロアリールスルホニル、スルホ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、モノ−アルキルアミノ、ジ−(アルキル)アミノ、フェニルアミノのようなアリールアミノ、フェニルアルキルアミノのようなアリールアルキルアミノ、ピリジルアミノのようなヘテロアリールアミノ、
N及び/又はS及び/又はOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含むことができ、直結合しているか、又はメチレン基もしくはメチン基を介して結合している、4〜7員の飽和もしくは不飽和の複素環、
N及び/又はS及び/又はOから選択される1〜3個のヘテロ原子を含むことができ、直接結合しているか、又はメチレン基もしくはメチン基を介して結合している、5もしくは6員の単環式芳香複素環、
直接結合しているか、又はメチレン基もしくはメチン基を介して結合している、8〜12個の環原子を有する縮合2環式の芳香族もしくは部分的に水素化された炭素環の環系、
1〜3個の環原子がN及び/又はS及び/又はOから選択され、直接結合しているか、又はメチレン基もしくはメチン基を介して結合している、8〜12個の環原子を有する縮合2環式の芳香族もしくは部分的に水素化された複素環系、
から互いに独立して選択される同一もしくは異なる1〜5個の基で置換されていてもよく、
【0173】
かつ、環状イミドの置換基としてのアリール及びヘテロアリール基は、それら自体が、ハロゲン、シアノ、アルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、ベンジルのようなアラルキル、フェニルのようなアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フッ素で完全にもしくは部分的に置換されたアルコキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ、フェノキシのようなアリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオのようなアリールチオ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、モノ−アルキルアミノ、ジ−(アルキル)アミノ、及び2個の隣接する基に対してはメチレンジオキシから選択される同一もしくは異なる1〜3個の基で置換されていてもよい]
で表されるイミド−置換ピリジルアルカン、アルケン及びアルキン酸アミド類、それらのシス−及びトランス−異性体、上記で定義された化合物のE−及びZ−異性体、特にAがシクロプロパン環であるか、もしくはDが二重結合を1以上含む場合には、上記で定義された化合物の鏡像異性体、ジアステレオマー及びその他の異性体を含み、さらにそれらのラセミ及び/又は非ラセミ混合物、ならびにイミド環系が2環式である場合には上記で定義された化合物の純粋なエンド−及び/もしくはエキソ異性体及びそれらの混合物;
Eが遊離のヒドロキシ、メルカプトもしくはアミノ基で同時に置換された複素環式芳香環を含む最適の場合には、それらの互変異性化合物;ならびに
水和物及び溶媒和物を含む上記で定義された化合物の酸付加塩。
【0174】
本発明のさらに好ましい形態において、WO99/31064に開示されている式(VII)の化合物は、本発明に含まれない:
【0175】
【化37】
【0176】
[式中、置換基は次の意味を有する:
R1は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、トリフルオロメチルのようなフルオロアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ、アルカノイルオキシ、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、カルボキシ、フェニルのようなアリール、フェノキシのようなアリールオキシ、フェニルチオのようなアリールチオ、ピリジルオキシのようなヘテロアリールオキシ、ピリジルチオのようなヘテロアリールチオ及びNR4R5から選択され(ここで、R4及びR5は互いに独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジルのようなアラルキル及びフェニルのようなアリールから選択される)、
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、トリフルオロメチルのようなフルオロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ及びベンジルオキシのようなアラルキルオキシから選択され、
R3は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ及びベンジルオキシのようなアラルキルオキシから選択され、
kは、0又は1であり、
【0177】
Aは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素もしくはフェニルのようなアリールで任意に1〜3個置換されたアルキレン;
メチレン単位がO、S、NR6、CO、SOもしくはSO2で等配電子的に置換されたアルキレン(ここで、COを除いて、等配電子的な置換はアミド基には隣接することはできず、R6は水素、アルキル、アルケニル、アシルもしくはアルカンスルホニルから選択される);
1,2−シクロプロピレン;
アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素、シアノもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換されたアルケニレン;
アルキル、フッ素、シアノもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換されたアルカジエニレン;
アルキル、フッ素、シアノ、フェニルのようなアリールで任意に置換された1,3,5−ヘキサトリエニレン;及び
エチニレンから選択され、
Dは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換された、少なくとも炭素原子3つのアルキレン;
アルキル、ヒドロキシ、アルコキシもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換された、少なくとも炭素原子3つのアルケニレンもしくは少なくとも炭素原子5つのアルカジエニレン;
アルキル、ヒドロキシ、アルコキシもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換された、少なくとも炭素原子3つのアルキニレンもしくは少なくとも炭素原子5つのアルケニニレン;及び
(G)−末端メチレン基を除く1〜3のメチレン単位が、O、S、NR7、CO、SOもしくはSO2で等配電子的に置換された、それぞれ少なくとも炭素原子3つのアルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(ここで、R7はR6と同じ意味)(これらは独立して選ばれる)から選択され;
Gは、G1、G2、G3、G4、G5又はG6から選択され、但しGは少なくとも一つの芳香環を含むものとし、
【0178】
G1は、
−(CR9R10)m−R8 (G1)
を意味し、ここでmは0又は1、及び
R8は、ベンジル又はジフェニルメチルのようなアラルキル、フェニルのようなアリール;
N及び/又はS及び/又はOから選択された1〜3の異原子を含有でき、直接又はメチレン基を介して結合している単環式の芳香族5又は6員ヘテロ環;
8〜18の環原子及び少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2及び3環式の芳香族又は部分的に水素化された炭素環式環系であって、連結は芳香環又は水素化された環上に、直接又はメチレン基を介して存在することができる;
8〜18の環原子及び少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2及び3環式の芳香族又は部分的に水素化されたヘテロ環式環系であって、1〜3の環原子はN及び/又はS及び/又はOから選ばれ、連結は芳香環又は水素化された環のいずれにあってもよく、直接又はメチレン基を介して存在することができる;から選ばれ、
R9は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル;
ベンジルのようなアラルキル、フェニルのようなアリール;
N及び/又はS及び/又はOから選ばれる1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよく、飽和又は不飽和の4〜6員のヘテロ環;
N及び/又はS及び/又はOから選ばれる1〜3のヘテロ原子を含んでいてもよく、直接又はメチレン基を介して存在することができ、単環式芳香族5又は7員のヘテロ環;
8〜18の環原子及び少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2及び3環式の芳香族又は部分的に水素化された炭素環式環系であって、連結は芳香環又は水素化された環のいずれにあってもよく、直接又はメチレン基を介して存在することができ;
8〜18の環原子及び少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2及び3環式の芳香族又は部分的に水素化されたヘテロ環式環系であって、1〜3の環原子はN及び/又はS及び/又はOから選ばれ、連結は芳香環又は水素化された環上のいずれかに、直接又はメチレン基を介して存在することができ;から選ばれる、
【0179】
R10は、R9と同義であるがそれらから独立して選択することができ、及びヒドロキシであってもよく;
G2は、二重結合によってDと結合する基
=CR8R9 (G2)
(式中、R8及びR9は上記と同義、もしくはこの基=CR8R9は炭素原子を介して結合した環系であってもよく;
8〜18の環原子を有し、少なくとも1つの芳香環を有する縮合された2又は3環式の部分的に水素化された炭素環式系;
8〜18の環原子を有し、少なくとも1つの芳香環を有する縮合された2又は3環式の部分的に水素化されたヘテロ環式系であって、N及び/又はS及び/又はOから選ばれる1又は3のヘテロ原子をさらに含んでいてもよい;から選ばれる)、
G3は、
−X−(CH2)n−(CR9R10)m−R8 (G3a)
又は
−NR8R9 (G3b)
(式中、m及び置換基R8、R9及びR10は上記と同義であることができ、及び
nは、0、1又は2であり、
Xは、NR11、O又はSであり、ここで
R11は、R4と同義であるがそれらから独立して選択することができ、もしくは基−NR8R9は窒素原子を介して結合した窒素へテロ環であってもよく、
8から18の環原子と少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2又は3環式の芳香族又は部分的に水素化されたヘテロ環式系であって、必須の窒素原子のほかは、N及び/又はS及び/又はOから選択された一つ又は二つのさらなる異原子を含んでいてもよい;から選ばれる)、
G4は、
−NR11−C(=O)−Y−(CR9R10)m−R8 (G4a)
又は
−NR11−C(=Z)−NR8R9 (G4b)
ただし、構造要素D−Gは合計1以上のアミド基を含有することはできない(>N−CO−C 又はC−CO−N<)、m及び置換基R8、R9、R10、R11及び基NR8R9は上記と同義、ただし、残基
【0180】
【化38】
【0181】
及び
−C(=O)−Y−(CR9R10)m−R8
は同一であることができない、及び
Yは、メチレン、エチレン、エテニレン、シクロアルキレンから選択されるか、又は結合を示し、及び
ZはO又はSの意味を有し、から選択され、
G5は
−NR11−SO2−R12 (G5)
(式中、R11は上記と同義及び
R12は、アルキル、フェニルのようなアリール;
N及び/又はS及び/又はOから選ばれる1〜3のヘテロ原子を含んでいてもよく、単環式芳香族5又は6員のヘテロ環;
8〜18の環原子及び少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2及び3環式の芳香族又は部分的に水素化された炭素環式環系であって、連結は芳香環又は水素化された環のいずれにあってもよい;
8〜18の環原子及び少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2及び3環式の芳香族又は部分的に水素化されたヘテロ環式環系であって、1〜3の環原子はN及び/又はS及び/又はOから選ばれ、連結は芳香環又は水素化された環上のいずれかに存在することができ;から選択され)、から選ばれる、
G6は、
【0182】
【化39】
【0183】
(ここでXは上記と同義であることができ、及び
Ar1とAr2は互いに独立して、フェニル又はナフチルのようなアリールならびにピリジルのようなヘテロアリールから選択され)、から選択され、及び
置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、Ar1及びAr2及び/又は環系=CR8R9 及び−NR8R9における芳香環系は、互いに独立して、1から3つの同一又は異なった
ハロゲン、シアノ、アルキル、トリフルオロメチルのようなフルオロアルキル、シクロアルキル、ベンジルのようなアラルキル、フェニルのようなアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フッ素で全部又は部分的に置換されていてもよいアルコキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ、フェノキシのようなアリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオのようなアリールチオ、スルホ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及び芳香環上の隣接する2つの残基のためのメチレンジオキシから選ばれ、及び
【0184】
基Gにおけるアルキル及びシクロアルキル残基は、1又は2つの同一又は異なった
ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル、アミノ、モノアルキルアミノ及びジアルキルアミノから選ばれ;
シス−及びトランス−異性体、上記で定義された化合物のE−及びZ−異性体、特にAがシクロプロパン環であるか、もしくはDが1つもしくはそれ以上の2重結合を含む場合には、上記で定義された化合物の鏡像異性体、ジアステレオマー及びその他の異性体を含み、任意に純粋か又はそれらのラセミ及び/もしくは非ラセミ混合物;
Gが遊離のヒドロキシ、メルカプトもしくはアミノ基で同時に置換された複素環式芳香環を含む任意の場合には、それらの互変異性化合物;ならびに
水和物及び溶媒和物を含む上記で定義された化合物の酸付加塩。
【0185】
本発明が生まれるまで、NAD(P)合成をこの段階でもっぱら阻止する化合物は記載されていなかった。したがって、この作用のモードは癌治療のためにMorton(Nature 181:540−543,1958)により提唱されたのとは全く異なっている。彼は酵素NADピロホスホリラーゼを阻害することを示唆したが、この酵素の阻害は3つの前駆体(ナイアシンアミド、ナイアシンおよびトリプトファン、図1参照)すべてからのNAD(P)の合成を阻止する。ナイアシンアミド経路におけるナイアシンアミドモノヌクレオチドの生成段階でのNAD合成の阻害が、ほとんどの腫瘍細胞を殺すのに十分であったということは、まったく驚くべきことであった。本発明の化合物は、腫瘍細胞におけるナイアシンアミド経路の重要性を研究するための最初の道具である。本発明者らは、ほとんどの腫瘍細胞、例えばHepG2(肝臓癌)、U−87 MG(神経膠質母細胞腫、星状細胞腫)、U−373 MG(神経膠質母細胞腫、星状細胞腫)、Caki−1(腎臓クリア・セル癌)、KG−1a(原始骨髄細胞の白血病)、HL−60(顆粒性白血病)、A549(肺癌)、MCF−7 M1(乳癌)、PC3(前立腺癌)が、NAD(P)合成のナイアシンアミド経路上でのみ利用できるということを見出した。この発見から、これらの化合物は相当する癌(例えば、乳、前立腺、肺、結腸、子宮頚管、卵巣、皮膚、CNS、膀胱、膵臓ならびに白血病およびリンパ様組織腫)の治療に使用できると結論づけられる。上記のセルラインは公知であり、商業的に入手可能である。
【0186】
さらに、ナイアシンアミド経路だけを阻止することは、前駆体としてのナイアシンまたはトリプトファンを利用することもできるそれらの細胞を化合物の作用から保護している。これらの細胞は、典型的な健康な身体の細胞、例えば肝臓の細胞、クッペル氏細胞、肺の上皮細胞、腎臓の上皮細胞、リンパ細胞、結腸の上皮細胞または皮膚の繊維母細胞である。副作用に関して、この本質的にナイアシンアミド経路だけを阻害することは、癌の治療にとってきわめて有利である。
【0187】
ナイアシンアミドモノヌクレオチドの生成の阻害剤を発見するには、次の工程:すなわちHepG2細胞、U−87 MG細胞、MCF−7 M1細胞、Caki−1細胞、HL−60細胞、PC3細胞、U−373 MG細胞、A549細胞およびKG−1a細胞から選択される培養細胞を、[14C]ナイアシンアミドおよび細胞のナイアシンアミドモノヌクレオチド生成の阻害活性を試験される化合物の存在下に培養し;細胞溶解を生じさせ、[14C]ラベル化合物を単離し、ラベルされたナイアシンアミドモノヌクレオチド、NADおよびNADPの生成量を測定することからなるスクリーニング試験が特に有用である。より具体的には、培養細胞を培養器中に所定の密度に接種し、次いで試験化合物の存在下に、[14C]ナイアシンアミドを加え、約0.1〜6時間培養する。次いで、細胞を過塩素酸で溶解し、得られる抽出物を中和する。最後に、[14C]ラベル化合物をセルロース・マトリスの薄層クロマトグラフィ、UV検波およびオートラジオグラフィで分離する。非放射性ナイアシンアミド誘導体をスタンダードとして用いる。この試験により、本発明の化合物を簡単に効果的にスクリーニングし、選別することができる。
【0188】
本発明は、NAD合成のための前駆体としてのナイアシンアミドに対する、セルタイプの依存性を試験する方法も提供する。この方法により、本発明の化合物に対して、どの(悪性の)セルタイプが特に感受性であるかを決定することができ、種々の腫瘍を退治するために適した治療法を開発するのに役立つ。したがって、かかる試験は、テストされるべき細胞を、NAD合成の前駆体としてのナイアシンアミドだけを含む培地中で、本発明の化合物の存在下に培養し;培養期間経過後に細胞毒性試験を行うことからなる。かかる細胞毒性試験は、例えば、試験の部に記載の「高密度細胞試験」である。
【0189】
ナイアシンンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAPRT)に対する特定の阻害剤を見つけるには、実施例の部分で「ニコチンアミド可逆性試験」と呼ばれる試験が、本発明の好ましい形態として用いられる。
【0190】
ナイアシンンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAPRT)に対する特定の阻害剤を見つけるには、実施例の部分で「ナイアシンンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAPRT)試験」と呼ばれる試験が、本発明の好ましい形態として用いられる。
【実施例】
【0191】
材料および方法
トリプシン/EDTA: 0.05%(w/v)トリプシン(Difco Detroit,
USA)+0.016%(w/v)EDTA(Sigma
,Deisenhofen,Germany)
[14C]ナイアシンアミド: ARC794,American Radiolabeled
Chemicals Inc.,St.Louis,MO,USA,
0.25mCi/ml;特定活性50 mCi/mmol
溶解緩衝液: 0.5M過塩素酸(Merck,Darmstadt,
Germany)
中和試薬: 0.5mM塩化カリウム、2.0M水酸化カリ
ウム、精製水に溶解、化学物質はMerck,
Darmstadt,Germanyから入手した
【0192】
TLCフォイル: セルロースF,Art.1.05565,Merck,
Darmstadt,Germany
ポリ(エチレンイミン)セルロースF,Art.
1.05579,Merck,Darmstadt,Germany
TLC溶媒: 0.05M塩化リチウムまたは
1M酢酸アンモニウムpH5.0 3部+
エタノール 7部(Merck,Darmstadt,
Germany)
標準: 次のナイアシンアミド誘導体の10〜20mg/ml
溶液を調製した:ナイアシン、ナイアシンアミド
、ナイアシンモノヌクレオチド(dNAM)、
ナイアシンアミドモノヌクレオチド(NAM)、
ナイシンアデニンジヌクレオチド(dNAD)、
ナイシンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)
、ナイシンアミドアデニンジヌクレオチドホス
フェート(NADP)。すべての標準をSigma,
Deisenhofen,Germanyから購入した。
【0193】
TCA溶液: 500gトリクロロ酢酸、水約2lに溶解
(25%w/v)
10mMトリス緩衝液: 121.1mgトリスヒドロキシメチルアミノメ
タン(Sigma,Deisenhofen,Germany)
水100mlに溶解。NaOHでpH=10.4に滴定
。
SRB溶液: 400mgスルホロダミンB(Sigma,
Deisenhofen,Germany)、1%(v/v)酢酸
100mlに溶解。
試験化合物: K−22化合物は、Klinge Pharma GmbH,
Munich,GermanyのDepartment of Chemistryによ
って合成された。
【0194】
ストック溶液: 10mM溶液はジメチルスルホキサイド(DMSO)
中で調製され、−18℃で貯蔵された;さらな
る希釈工程はエタノール中で行われた。
セルライン: ヒト由来の腫瘍セルラインHepG2(肝臓癌)は
American Type Culture Collection(ATCC
),Rockville,Maryland,USAから入手した。
【0195】
成長培地
リヒター(Richter’s)改良最小必須培地、亜鉛オプション(IMEM-ZO)を、Gibco BRL,Life Technologies (Eggenstein,Germany)から購入した(Richter,A.,Sanford,K,K.およびEvans,V.J.(1972),J.Natl.Cancer Inst.49:1705−1712)。培地粉末を脱イオン水に溶解し、HCl/NaOHでpH7.2に滴定し、濾過により滅菌した。培地に5%又は10%牛胎児血清(FCS)(PAN Systems GmbH,Aidenbach,Germany);インシュリン100μg/l(Boehringer, Mannheim,Germany)および50,000IU/lペニシリン+50mg/lストレプトマイシン(Sigma,Deisenhofen,Germany)を加えた。
HEPES−緩衝 IMEM−ZO:HepG2細胞を放射性標識前駆体とともに培養するのにこの培地を用いた。上記のリヒターIMEM−ZOとは対照的に、この培地は、ナイアシンアミド、NaHCO3およびFCSを含んでいなかった。この培地は、Gibco BRL,Life Technologies (Eggenstein,Germany)によって特別に調製された。培地は20mM HEPES(Sigma,Deisenhofen,Germany)で緩衝され、pHは7.2に調整された。培地は濾過により滅菌された。
【0196】
[14C]ナイアシンアミドからのNAD(P)合成の決定
細胞培養
成長培地を除去し、各フラスコにトリプシン/EDTA溶液3mlを加えて、75cm2フラスコから細胞を分離した。37℃で約5分間培養した後、深皿の表面から細胞が分離されたとき、10%FCSを含むリヒターIMEM−ZO培地3mlを加えて、トリプシナイゼーションを止めた。繰り返しピペットして細胞を懸濁させた。予め希釈するために、Sysmex 自動希釈装置 Type AD−260(東亜医用電子株式会社、神戸、日本)を用いて、20μlアリコートを、Casyton 等張溶液10ml(No,043−90037P,Schaerfe System,Reutlingen,Germany) に加えた。60μmキャピラリーを備えたCASY 1 セルカウンター+アナライザーシステム、モデルTTC(Schaerfe System,Reutlingen,Germany)で、電子細胞量測定および計数により、細胞数が決定された。10%FCSを含むIMEM−ZO中での希釈に続いて、φ10cmの組織培養深皿(Greiner,Frickenhausen,Germany)中、サンプル当たり4×106/10mlの密度で細胞を接種し、空気中5%CO2の加湿雰囲気下、37℃で培養した。
【0197】
1日後、細胞が深皿に付着したとき、5%FCS+試験化合物または担体を含むIMEM−ZOで培地を補充した。試験化合物を加えた後の培地中の有機溶媒の濃度は、いずれのケースでも0.1%を超えなかった。次いで、空気中5%CO2の加湿雰囲気下、37℃で17時間、細胞を培養した。この予備培養期間は、化合物の明確な阻害作用を達成するのに必要でなく、例えば2または0時間に短縮することができる。この期間の経過後、培地を再び捨て、試験化合物または担体および0.5μCi/ml[14C]ナイアシンアミドを含むHEPES−緩衝IMEM−ZO 4mlを加え、37℃、湿度100%でさらに5時間培養した。セルスクレーパーで細胞を取り、15mlポリプロピレンチューブへ移す直前に、100μlアリコートを培地から取り、放射能を測定した。ナイアシンアミド10mMを加えた食塩水4mlで培養深皿をすすぎ、溶液をそれぞれの細胞懸濁液とともにプールした。4℃、250gで5分間遠心分離して細胞を集めた。
【0198】
ピリジンヌクレオチドの抽出
Chatterjeeら(Chatterjee,S.,Hirschler,N.V.,Petzold,S.J.,Berger,N.A.(1988)Mutant Cells Defective in Poly(ADP−ribose)Synthesis due to Stable Alterations in Enzyme Activity or Substrate Availability.Exp.Cell Res.184:1−15)の手順の変法で、ピリジンヌクレオチドを抽出した。つまり、各セルペレットを氷冷した0.5M過塩素酸200μlに懸濁し、氷上で20分間培養した。その後、酸抽出物にKCl/KOH溶液55μlを加えて中和し、4℃、2500gで10分間遠心分離した。上澄液を集め、クロマトグラフィで分離するまで、−20℃で保存した。10μlアリコートを各上澄液から取り、細胞抽出物中の放射能の総量を測定した。
【0199】
薄層クロマトグラフィ
細胞抽出物の14C標識成分を分離し、2つの薄層クロマトグラフィ(TLC)システムを用いて同定した。DC−Probenautomat III(CAMAG,Muttenz,Switzerland)を用いて、各細胞抽出物2μlをセルロースおよびポリ(エチレンイミン)(PEI)セルロースTLC薄膜に移した。溶媒として1M酢酸アンモニウム:エタノール(3:7)を用いて、セルロース薄膜を展開した(Pinder,S.,Clark,J.B.およびGreenbaum,A.L.(1971)The Assay of Intermediates and Enzyme Involved in the synthesis of the Nicotinamide Nucleotides
in Mammalian Tissues.Methods in Enzymology.Academic Press,New
York.Vol.XVIIIB pp.20−46)。PEIセルロースプレートを0.05M塩化リチウムで展開した(Barton,R.A.,Schulman,A.,Jacobson,E.L.およびJacobson,M.K.(1977)Chromatographic Separation of Pyridine and Adenine Nucleotides on Thin Layers of Poly(ethyleneimine)Cellulose.J.Chromatogr.130:145−150)。
【0200】
付加されたNAD、NADP、NAM、dNAM、dNAD、ナイアシンおよびナイアシンアミドの非放射性標準とともに、クロマトグラムを進め、スポットをUV吸収で同定した。RF値については表6を参照されたい。平均±S.D.として結果を表した。オートラジオグラフィについては、ハイパーカセット(Amersham Buchler
GmbH & Co. KG,Braunschweig,Germany)中で、クロマトグラムをイメージプレートBAS−IIIs(富士フィルム株式会社、日本)に少なくとも2日間曝した。高いバックグラウンド作用を避けるために、カセットを鉛の箱に入れた。曝した後、イメージプレートをバイオ−イメージングアナライザー FUJIFILM BAS−1500(富士フィルム株式会社、日本)中で読んだ。ソフトウェアTINA2.0(raytest Isotopenmessgerate GmbH,Straubenhardt, Germany)を用いて、細胞抽出物中の各[14C]標識成分の部分を、総放射能の%として決定した。
【0201】
表6:NAD、NADP、NAM、dNAM、dNAD、ナイアシンおよびナイアシンアミドについてのRF−値
【表6】
【0202】
14C標識誘導体の量は、各誘導体中で回収された%により、細胞抽出物の総放射能を累積して、計算された。前記の表3aおよび表3bに示されたように、試験の結果は、pmol[14C]NAD(P)/106細胞およびpmol[14C]NAD(P)/mgプロテインで表されている。細胞カウントおよび細胞プロテインは、並行して放射性前駆体なしで調製された培地から決定された。
【0203】
プロテイン決定
細胞プロテインは、Pierce,Rockford,IL,USAから購入したビシンコニン酸(bicinchoninic acid)(BCA)試験で、製造者の指示に従って決定された。反応から生成したサンプルの色は、分光測光(COBAS FARA II,F.Hoffmann−La
Roche AG,Basel,Swtzerland)で測定された。
【0204】
高密度条件下での細胞成長の決定(SRB試験)
細胞培養
成長培地を除去し、各ウェルにトリプシン/EDTA溶液3mlを加えて、75cm2フラスコから細胞を分離した。37℃で5分間培養した後、深皿の表面から細胞が分離されたとき、10%FCSを含むリヒターIMEM−ZO培地3mlを加えて、トリプシナイゼーションを止めた。繰り返しピペットして細胞を懸濁させた。予め希釈するために、Sysmex 自動希釈装置 Type AD−260(東亜医用電子株式会社、神戸、日本)を用いて、20μlアリコートを、Casyton 等張溶液10ml(No.043−90037P,Schaerfe System,Reutlingen,Germany)に加えた。CASY 1 セルカウンター+60μmキャピラリーを備えたアナライザーシステム、モデルTTC(Schaerfe System,Reutlingen,Germany)で、電子細胞量測定および計数により、細胞数が決定された。成長培地中での希釈に続いて、mlおよび24−ウェル培養深皿(Greiner,Frickenhausen,Germany)中のウェル当たり200,000細胞濃度で、細胞を接種した。さらに、3つのネガティブコントロールウェルが、細胞なしの成長培地で培養された。
【0205】
1日後、細胞が深皿に付着したとき、5%FCS+異なった濃度の試験化合物または担体を含む新鮮な培地で培地を補充した。各濃度から3組のサンプルを調製し、空気中5%CO2の加湿雰囲気下、37℃で細胞を培養した。試験化合物を加えた後の培地中の有機溶媒の濃度は、いずれのケースでも0.1%を超えなかった。
【0206】
スルホロダミンB試験(SRB)
細胞成長の決定は、非特異的プロテンをスルホロダミンBで染色することにより、Skehanらの方法に従って行われた(Skehan,P.ら、(1990)New Colorimetric Cytotoxicity Assay for Anticancer−Drug Screening.J. Natl. Cancer Inst. 82:1107−1112)。
【0207】
細胞の医薬培養期間は、氷冷TCA溶液250μlを成長培地に加えることにより止められた。冷蔵庫中で1時間培養した後、上澄液を捨て、深皿を脱イオン水で5回すすぎ、室温(RT)で乾燥し、最後に染色するまで冷蔵庫中で保管した。SRB溶液0.5mlを各ウェルに加え、室温で30分間培養した;その後で染色溶液をデカントし、深皿1%(v/v)酢酸で4回洗浄し、再び室温で乾燥した。ウェル当たり10mMトリス緩衝液1mlを加え、5分間緩く振って、プロテインに不特定に結合したSRBステインを離した。各ウェルの100μlアリコートを96−ウェルマイクロタイタープレートに移し、波長490nmまたは515nmにおける軽い消失をELISA−リーダー(Bio‐Tek,Deelux,Godensdorf,Germany)で読んだ。ネガティブコントロールウェルの平均値をテストサンプルの読み取り値から差し引いた。
【0208】
ニコチンアミド可逆性試験
ヒトの肝臓癌由来のHepG2細胞を、プラスチック深皿の12ウェル中に、20,000細胞/mlの密度でプレートした。組織培養インキュベータ中、牛胎児血清(FCS)5%を含むリヒターIMEM−ZO栄養培地中、5%CO2と95%空気との混合ガス中、37℃で培養した。プレートしてから1日後、培地を細胞から吸い出し、それぞれの濃度の試験化合物および場合によってはニコチンアミドを含む新鮮な培地で置き換えた。個々の濃度および試験化合物なしのコントロールについて、それぞれ3倍バッチ(three−fold batches)を行った。処理開始から3日後、試験化合物および場合によってはニコチンアミドで培地を再び更新した。化合物をインキュベートしてから6日後、試験を終了し、個々のウェル中のプロテイン量をスルホロダミン−B−法(P.Skehanら、:New Colorimetric Cytotoxicity Assay for Anticancer−Drug Screening.J. Natl. Cancer Inst. 82:1107−1112,1980による)で決定した。IC50値をドース−リスポンス曲線から求め、試験化合物の活性に対する比較測定として与えた。
【0209】
ナイアシンアミド・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(NAPRT)試験
材料および方法
セルライン:
ヒトのセルラインK−562(慢性の骨髄性白血病)は、American Type Culture Collection(ATCC CCL 243),Rockville,Maryland,USAから入手する。このK‐562細胞を、10%牛胎児血清(PAN Systems GmbH,Aidenbach,Germany)、NaHCO3 2.2g/l(Merck,Darmstadt,Germany)、50,000IU/lペニシリンおよびストレプトマイシン(Sigma)50mg/lを含む RPMI(Sigma,Deisenhofen,Germany,製品No.:R6504)中で、培養する。
【0210】
細胞培養フラスコ: 2つのサイズの細胞培養フラスコをGriner,
Frickenhausen,Germanyから購入する:75cm2(製品No.
:658175)、182cm2(製品No.:660175)
チューブ: 2mlEppendorf チューブ(Eppendorf−Netheler−
Hinz,Hamburg,Germany,製品No.:0030 120.094)
15mlポリプロピレンチューブ(Greiner,製品No.:
188271)
50mlポリプロピレンチューブ(Greiner,製品No.:
210270)
遠心分離: Megafuge 1.0(Heraeus Sepatech,Munich Germany)
.
Allegra 64R(Beckman Coulter,Munich Germany)
.
【0211】
反応試剤:
CMF−PBS: Ca2+Mg2+を含まない燐酸緩衝食塩水を次のように
して調製する:溶液A:KH2PO4(製品No.:4873.0250)
1g、NaCl(製品No.:6400)40g、KCl(製品No.:4933)
1g およびNa2HPO4×2H2O(製品No.:6580)5.75gを精
製水 400mlに溶解する。化学物質はすべてMerckから入
手する。ワーキング溶液: 溶液A 320ml、ゲンタマイ
シンサルフェート133.4mg、ペニシリンG 606.1mg、
精製水約4リットル。pHを7.2に調整し、溶液を濾過
により滅菌する。
【0212】
細胞溶解緩衝液: 0.01M NaH2PO4×H2O(Merck,製品No.:6346),pH7.
4,(MW=137.99,1.38g/l精製水)
プロタミンサルフェート:1% w/vプロタミンサルフェート(Sigma,製品
No.P4020)、(100mg/10ml精製水) 溶液は室温で保
存する。
水は、Milli−Q UF Plusシステム(Millipore,Eschborn,Germany)で
精製する。
【0213】
方法
10%FCSを加えたRPMI中、5%CO2雰囲気下、37℃、湿度100%で、K‐562細胞を、密度2×106細胞/mlになるまで成長させる。この条件下で、世代時間24時間で対数的に成長する。細胞をアスピレーションにより収集し、遠心分離(250×g、10分間、RT)する。その後、遠心分離(250×g、10分間、RT)を少なくとも3回繰り返して洗浄し、CMF−PBS中に再懸濁する。ヘマトサイトメータ中で細胞懸濁を数えた後、細胞を緊密なペレット(390×g、10分間、RT)に引き伸ばし、上澄液をパスツールピペットで注意深く引き出す。次いで、最終濃度が3×107細胞/mlとなるように、細胞を十分な溶解緩衝液中で攪拌して懸濁する。懸濁液を−80℃で少なくとも1日間凍結し、室温でゆっくり解かして、細胞を破壊する。破壊は通常、トリパン(trypan)ブルー・エクスクルージョンにより決定されるように、95%より大きい。23,000×g、0℃で90分間遠心分離したのち、清澄な上澄液を氷上に回収し、上澄液1ml当たり1%プロタミンサルフェート70μlを加える。氷の上で15分間経過した後、曇った上澄液をさらに23,000×g、0℃で30分間遠心分離する。最終的な上澄液を小さなアリコート中、−80℃で貯蔵する。上澄液は1ml当たり約950〜1440μgのプロテインを含む。1サンプル当たり120〜140μgのプロテインをNAPRT試験で用いる(総試験量:0.5ml)
【0214】
酵素試験
材料
加熱ブロック: 2mlのEppendorfチューブQB‐E2(CLF,Emersacker,
Germany)に対して、アルミニウムが挿入されたGrant
QBT 1(RT−150℃)
遠心分離: Minifuge T(Heraeus Sepatech)
チューブ: 2ml Eppendorf チューブ(Eppendorf−Netheler−Hinz
,製品No.:0030 120.094)キャップ(製品No.WAT094174
)を有する250μl スクリュー・ネック・ポリプロピレン
・バイアル(Waters,Eschborn,Germany,製品
No.WAT094172)
ベータ−カウンター: 液体シンチレーションアナライザー 2500 TR(
Canberra−Packard,Dreieich,Germany)
シンチレーション流体:Ultra Gold MV(Canberra−Packard)
【0215】
反応試剤
ATP:20mMアデノシントリホスフェート(Sigma,製品No.:A7699),(MW=551.1,110.2mg/10ml精製水)。溶液は−20℃で貯蔵する。
PRPP: 5mMホスホリボシルピロホスフェート(約80%,Sigma,製品No.:P8296),(MW=390.1,25mg/10.25ml精製水)。溶液は−70℃で貯蔵する。
MgCl2:500mM MgCl2×6H2O(Sigma,製品No.:M0250),(MW=203.3,10.17g/100ml精製水)。溶液は4℃で貯蔵する。
トリス緩衝液:250mM TRIS−HCl pH8.8(Preset pH8.6、(Sigma,製品No.:T5503),(MW=129.6,3.24g/100ml精製水)。溶液は4℃で貯蔵する。
[14C]ナイアシンアミド:0.25mCi/ml(American Radiolabeled Chemicals Inc.,St.Louis,MO,USA,製品No.:ARC 794,特定活性:50mCi/mmol)。貯蔵溶液は5×10-3Mナイアシンアミドの濃度を有し、精製水で希釈して所望の濃度とする。
ナイアシンアミド:100mMナイアシンアミド(Sigma,製品No.:N0636)、(MW=1221,1.22g/100ml精製水)。溶液は−20℃で貯蔵する。
【0216】
方法
ナイアシンアミド・ホスホリボシルトランスフェラーゼ活性は、50mM トリス緩衝液pH8.8(試験における最終濃度)中の5mM MgCl2、2mM ATP、0.5mM PRPP、および[14C]ナイアシンアミド(10-5M〜10-7M)からなる反応溶液0.5ml中で決定される。100〜120μlの細胞抽出物を加えることにより反応が始まる。37℃で1時間インキュベートした後、コールド(cold)ナイアシンアミド(反応混合物0.5ml当たり100mMナイアシンアミド溶液50μl)を加え、加熱ブロック上で加熱(2分間、105℃)することにより、酵素反応を止める。析出物を遠心分離(2,500×g、10分間、4℃)により除去し、上澄液をスクリューキャップ付きの250μlポリプロピレンバイアル中に集め、さらなる分析まで−20℃で貯蔵する。上澄液から10μlアリコートを取り、放射能の全量を決定する。
【0217】
14C標識化合物の定量
材料
自動化されたサンプル DC−Probenautomat III(CAMAG,Muttenz,Switzerland)。
バイオイメージングアナライザー:FUJIFILM BAS−1500(富士フィルム株式会社、日本)
イメージングプレート:BAS−IIIs(富士フィルム株式会社)
ハイパーカセット:(Amersham Buchler GmbH & Co.KG,Braunschweig,Germany)
TLCフォイル: Cellulose F 20×20cm(Merck,製品No.:1.05565)
TLCチャンバー:22×22×12cmグラスチャンバー(Desaga,Heidelberg Germany)
【0218】
反応試剤
TLC溶媒:1M酢酸アンモニウム(Sigma,製品No.:A7330)pH5.0 3部+無水エタノール(Merck,製品No.:1.00983) 7部
標準: 次のナイアシンアミド誘導体の20mg/ml溶液が調製された:ナイアシンアミド、ナイアシンアミドモノヌクレオチド、ナイアシンアミドアデニンジヌクレオチド、ナイアシンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート。標準はすべてSigmaから購入された。
【0219】
方法
薄層クロマトグラフィ(TLC)を用いて、反応混合物中の14C標識成分を分離し同定する自動化されたサンプルアプリケータを用いて、各サンプルの5〜7.5μlをセルロースTLCフォイルに移す。1M酢酸アンモニウム:エタノール(3:7)を溶媒として用いてセロースフォイルを展開する。
【0220】
付加されたNAD、NADP、NAMおよびナイアシンアミドの非放射性標準とともに、クロマトグラムを進め、スポットをUV吸収で同定した(RF値は表7を参照されたい)。オートラジオグラフィのために、ハイパーカセット中で、クロマトグラムをイメージプレートBAS−IIIsに少なくとも2日間曝す。高いバックグラウンド作用を避けるために、カセットを鉛の箱に入れる。曝した後、イメージプレートをバイオ−イメージングアナライザー FUJIFILM BAS−1500)中で読んだ。ソフトウェアTINA2.0(raytest Isotopenmessgerate GmbH,Straubenhardt, Germany)を用いて、サンプル中の各14C標識成分の部分を、総放射能の%として決定する。細胞抽出物の総放射能を累積することにより、各誘導体に回収された%により、14C標識誘導体の量を計算する。
【0221】
【表7】
【0222】
表7:ナイシンアミドおよびその誘導体のRF値。
結果を平均±S.D.として表す。
nは測定の数である。
【0223】
NAMの定量のための代替法として、次の記載に従ったアセトン沈殿が適用できる。
Elliottら、Anal.Biochem.107:199−205(1980)
・NAPRT試験終了後、反応混合物のサンプル50・のデュプリケートを除去して、アセトンの2mlアリコートを分離する。(この手順は酵素反応を止めるだろう。反応混合物へのコールド ナイアシンアミドの添加および100℃での加熱はもはや必要ではない。)
・アセトンに予備浸漬された、各サンプル用のWhatman GF/Aフィルター2.5cmを吸引マニフォルドに置く。
・サンプルをフィルターに通す前に、フィルターをアセトン2mlで1回すすぐ。2mlのアセトンが3〜5秒間にフィルターを通過するように、緩やかな吸引を維持する。
【0224】
・サンプルを混合し(vortex)、それをフィルターに通す。
・フィルターをアセトン2mlアリコートで2回すすぐ。
・上記のようにして次のサンプルを処理する。
・フィルターを空のシンチレーションバイアルに移し、乾燥させる。
・シンチレーション流体15mlを加え、バイアルを完全に攪拌する。
ベータ−カウンター中で放射能を測定する。
【0225】
参考文献:
Pinder,S.,Clark,J.B.およびGreenbaum,A.L.(1971)The Assay of Intermediates and Enzymes Involved in the Synthesis of the Nicotinamide Nucleotides in Mammalian Tissues.Methods in Enzymology. Academic Press,New York.Vol.XVIIIB pp.20−46
Elliott,G.C.,Rechsteiner,M.C.(1982)Evidence for a Physiologically Active Niacinamide Phosphoribosyltransferase in Cultured Human Fibroblasts.Biochem。Biophys.Res.Commun.104:996−1002
【0226】
略号
ATP アデノシントリホスフェート
CME−PBS Ca2+−およびMg2+−フリー燐酸緩衝食塩水
g 重力
Min 分
NAD ナイアシンアミド・アデニン・ジヌクレオチド
NADP ナイアシンアミド・アデニン・ジヌクレオチド・ホスフェート
NAM ナイアシンアミド・モノヌクレオチド
Pi,PPi 無機ホスフェート
PRPP ホスホリボシルピロホスフェート
RT 室温
TLC 薄層クロマトグラフィ
【0227】
治療上の投与形態
本発明による1以上の化合物の所定量を有する薬剤の製造及び/又は本発明の適用におけるそれらの使用は、一般的な製薬技術方法による慣習的な手段で行なわれる。このため、活性成分は、それ自体又はそれらの塩の形態において適切な医薬的に許容されるアジュバント及び担体とともに、様々な適応症及び適用形態に適した医薬形態に製剤化される。それによって、薬剤は、個々の所望の放出速度が得られるような方法、例えば速効性及び/又は持効性又は遅効作用となるように製造することができる。
【0228】
注射剤及び注入剤が属する非経口的な使用のための製剤は、腫瘍の治療ならびに他の適応症について、全身的に用いられる最も重要な薬剤の一つである。
【0229】
腫瘍の治療には注射剤の投与が好ましい。これらはバイアル形態又はいわゆる即使用型注射製剤、例えば多取り出し用穿孔ボトルに加えて即使用型シリンジ又は使い捨て型シリンジとして製造される。注射製剤は、皮下 (s.c.)、筋肉内(i.m.)、静脈内(i.v.)又は皮内(i.c.)の投与形態で投与することができる。個々に適切な注射製剤の形態は、特に溶液、結晶懸濁液、微小粒子又は例えばハイドロゾルのようなコロイド分散系として製造することができる。
【0230】
注射可能な製剤は、水性の等張性希釈剤で所望の活性成分の投与量に調整できる濃縮物としても製造することができる。さらに、それらは、適切な希釈剤で使用の直前に溶解又は分散させることが好ましい粉末、例えば凍結乾燥物として製造することもできる。注入剤は、等張溶液、脂肪性エマルジョン、リポソーム製剤、マイクロエマルジョン、ならびに例えばリン脂質のような混合ミセルをベースとした液体の形態で製剤化することもできる。注射製剤と同様に、注入製剤は希釈用の濃縮物の形態で製造することもできる。注射可能な製剤は、入院患者ならびに外来患者の治療で、例えばミニポンプの形で、連続的な注入剤の形態で使用することもできる。
【0231】
アルブミン、血漿増量剤、界面活性化合物、有機溶媒、pH作用性化合物、錯体形成化合物又はポリマー化合物は、特にタンパク質又はポリマーへの活性成分の吸着に作用する物質として、又は例えばプラスチック又はガラスのような注射器具もしくはパッケージ材質への活性成分の吸着を減少させることも目的として、非経口の薬剤形態に加えることができる。
【0232】
活性成分は、非経口的に使用する製剤中の微粒子、例えばポリ(メタ)アクリレート、ポリアセテート、ポリグリコレート、ポリアミノ酸又はポリエーテルウレタンをベースとした細かく分散した粒子に結合することができる。非経口製剤は、例えば、マルチプルユニット原理では、活性成分が、もっとも細かく分配及び/又は分散した懸濁形態中に、又は結晶懸濁液として混合されたデポ製剤として構造的に改変することができる。あるいはシングルユニット原理では、活性成分が、例えば錠剤もしくはその後インプラントされるシード(seed)などの医薬形態に封入されたデポ製剤として構造的に改変することができる。シングルユニット及びマルチプルユニットの医薬形態での、これらの埋込又はデポ薬剤は、しばしば、いわゆる生物分解性ポリマー、例えば乳酸及びグリコール酸のポリエーテルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリアミノ酸、ポリ(メタ)アクリレート又はポリサッカライドからなる。
【0233】
滅菌水、例えば有機酸及び無機酸、又は塩基ならびにそれらの塩などのpH値作用性物質、pH値設定用緩衝物質、塩化ナトリウム、炭酸一ナトリウム、グルコース及びフラクトースなどの等張化剤、界面活性剤及び/又は表面活性物質、ポリオキシエチレンソルビタンの部分脂肪酸エステル(Tween(登録商標))又はポリオキシエチレンの脂肪酸エステル(Cremophor(登録商標))などの乳化剤、落花生油、大豆油及びヒマシ油などの脂肪油、エチルオレート、イソプロピルミリステート及び中性油(Myglyol(登録商標))のような合成脂肪酸エステル、ゼラチン、デキストラン、ポリビニルピロリドンのようなポリマーアジュバント、プロピレングリコール、エタノール、N,N-ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールなどの溶解性を増大させる有機溶媒添加剤、クエン酸塩及び尿素などの錯体形成化合物、ヒドロキシプロピルベンゾエート及びヒドロキシメチルベンゾエート、ベンジルアルコールなどの保存剤、亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤、及びEDTAなどの安定化剤は、非経口的に使用される製剤の製造におけるアジュバント及び担体として適切である。
【0234】
懸濁剤では、界面活性剤及び釈解剤(ペプタイザー)からの活性成分の沈降を防止し、振盪されるべき沈降物又はEDTAなどの錯体形成剤の能力を確保するために、シックニング剤が添加される。これは、様々な重合剤の複合物、例えばポリエチレングリコール、ポリスチロール、カルボキシメチルセルロース、プルロニックス(Pluronics(登録商標))、又はポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルを用いても達成され得る。活性成分は、例えばシクロデキストリンを有する包接化合物の形態で液状製剤に組み込むこともできる。別のさらなるアジュバントとして、分散剤もまた適切である。凍結乾燥製剤の製造には、例えばマンニット、デキストラン、サッカロース、ヒトアルブミン、ラクトース、PVP又はゼラチンなどのビルダーも使用される。
【0235】
活性成分が、塩基の形態で液状の医薬製剤に用いられないかぎり、それらは非経口的に用いる製剤において、それらの酸付加塩、水和物又は溶媒和物の形態で使用される。
【0236】
さらに別の重要な全身的使用形態は、錠剤、硬ゼラチンカプセル又は軟ゼラチンカプセル、被覆錠剤、粉末剤、ペレット、マイクロカプセル、長楕円形圧縮剤、顆粒剤、チュアブル錠、ロゼンジ、ガム又は薬袋としての経口投与である。これら固形状の経口投与形態は、持続作用性及び/又は貯留系として製造することもできる。これらには例えば脂肪、ワックス様及び/又はポリマー化合物、又はいわゆる貯蔵系を用いて、マトリクスに基づいた1またはそれ以上の微小活性成分、拡散形態及び侵食形態の量を有する薬剤が含まれる。抑制剤及び/又は放出制御剤として、例えばエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(メタ)アクリレート誘導体(例えばオイドラギット(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどのフィルム又はマトリクス形成物質が、有機溶液ならびに水性分散剤の形態において適切である。これと関連して、体の粘膜に強く接触させることによって体内持続時間が増加する、いわゆる生物付着性製剤も挙げられる。生物付着性ポリマーとしては、カルボマー(Carbomers(登録商標))の群が挙げられる。
【0237】
舌下投与には、活性成分の放出が遅く、適切な大きさの長楕円形状の非崩壊錠剤などの圧縮剤が特に適切である。胃腸管の様々な部位で活性成分の標的放出を行うためには、様々な場所で放出されるペレットの混合物を使用することができる。その例として例えば胃液で可溶なペレットと小腸で可溶なペレットの混合物及び/又は胃液抵抗性のペレットと大腸で可溶なペレットの混合物が挙げられる。胃腸管の様々な部位で放出させるという同じ目的は、適切に生産されたコアを有する層状錠剤によってもなし得る。この場合、製剤のコーティングが胃液中で迅速に放出され、かつ製剤のコアが小腸の環境でゆっくりと放出される。胃腸管の様々な部位での放出を制御するという目的は、多層錠剤によっても達成することができる。別々に放出される薬剤を有するペレット混合物を硬ゼラチンカプセルに充填することができる。
【0238】
抗固着剤、潤滑剤及び分離剤、フレーム(flame)分散シリコンジオキシドのような分散剤、様々な澱粉タイプのような崩壊剤、PVC、例えばオイドラギット(登録商標)、セルロース又はクレモホル(登録商標)をベースとしたワックス様及び/又はポリマー化合物のような顆粒剤又は抑制剤としてのセルロースエステルは、例えば錠剤又は硬ゼラチンカプセル及び軟ゼラチンカプセルならびに被覆錠剤及び顆粒剤のような圧縮剤の製造のためのさらなるアジュバントとして用いられる。
【0239】
抗酸化剤、例えばショ糖、キシリット又はマンニットなどの甘味剤、マスキング用の香料、芳香剤、保存剤、着色剤、緩衝物質、例えば微晶質セルロース、澱粉及び澱粉加水分解物(例えばセルタブ(Celutab(登録商標)))、ラクトース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン及びリン酸二カルシウム塩のような直接打錠剤、潤滑剤、ラクトース又は澱粉などの充填剤、ラクトース、例えば小麦又はとうもろこし及び/又は米の澱粉のような澱粉等、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース誘導体、又はシリカ、タルク粉末、例えばマグネシウムステアレート、アルミニウムステアレート、カルシウムステアレートのようなステアレート、タルク、シリコン化タルク、ステアリン酸、アセチルアルコール及び脂肪水和物の形態の結合剤が用いられる。
【0240】
これに関連し、例えばGIT(胃腸治療システム)又はOROS(経口浸透システム)のような浸透原理に基づいて特に構成される経口治療システムも、述べられるべきである。
【0241】
水に迅速に溶解もしくは懸濁され、すぐに飲むことができるインスタントの医薬形態を代表する発泡性の錠剤又は錠剤tabsoluteは、経口的に投与可能な圧縮剤である。例えば滴剤、ジュース及び懸濁液などの溶液もまた、経口的に投与可能な形態である。これらは上記の所定の方法にしたがって製造することができ、安定性を増大させる保存剤及び服用をより容易にするための任意の芳香剤、及びより良く識別するための着色剤ならびに抗酸化剤及び/又はビタミン類及び砂糖又は人工甘味料のような甘味剤をさらに含むこともできる。これは、摂取前に水で製剤化される濃縮ジュースでもよい。1又はそれ以上の活性成分と組合わされたイオン交換樹脂もまた、液状の摂取可能な製剤の製造のために述べられるべきである。
【0242】
特別な放出形態は、例えば、体液との接触後に気体を生じ、それ故に胃液の表面で浮遊する錠剤又はペレットをベースとしたいわゆる浮遊(floating)の医薬形態の製剤である。さらに、いわゆる電気的に制御された放出システムも製剤化することができ、活性成分の放出が個々の必要性に応じて選択的に調整できる。
【0243】
全身投与及び任意に局所的にも有効な医薬形態のさらなる群は、直腸に適用可能な薬剤によって代表される。坐薬及び浣腸製剤が、これらに含まれる。浣腸製剤は、この投与形態を製造するための水性溶媒を用いて錠剤をベースとして製造することができる。直腸のカプセルは、ゼラチン又は他の担体をベースとして入手することができる。
【0244】
例えばウィテプゾル(Witepsol(登録商標))、マッサ・エスタリナム(Massa Estarinum(登録商標))、ノバタ(Novata(登録商標))、ココナツ脂、グリセロール-ゼラチン塊、グリセロール-石鹸-ゲル及びポリエチレングリコールなどの硬化脂肪が、坐薬の基剤として適切である。
【0245】
数週間にわたって全身的な活性成分の放出を伴う長期間の適用には、いわゆる生物分解性ポリマーを基剤として製剤化するのが好ましい圧縮埋込剤が適切である。
【0246】
全身的に活性な薬剤のさらに重要な群として、上記の直腸形態と同様、肝循環系及び/又は肝代謝を回避することを特徴とする経皮システムも強調されるべきである。これらのプラスターは、より長期間又はより短期間で制御する方法で活性成分を放出することができる経皮システムとして、種々の層及び/又は適切なアジュバント及び担体の混合物を基剤に用いて特別に製造することができる。例えば溶媒及びオイドラギット(登録商標)をベースとしたポリマー成分などの適切なアジュバント及び担体のほかに、例えばオレイン酸、アゾン(Azone(登録商標))、アジピン酸誘導体、エタノール、尿素、プロピルグリコールなどの膜浸潤促進物質及び/又は浸透促進剤が、浸透を改善及び/又は促進するためのこの種の経皮システムの製造に適している。
【0247】
局所的、局部的あるいは部位的に投与される薬剤としては、以下のものが特別な製剤として適当である:膣又は性器に使用可能なエマルジョン、クリーム、発泡錠剤、貯留インプラント、卵子又は経尿道の滴下投与溶液。眼科学的使用には、高度に滅菌された眼軟膏、溶液及び/又は滴剤、あるいはクリーム及びエマルジョンが適している。
【0248】
同様にして、対応する耳科学的滴剤、軟膏又はクリームは、耳に塗布することができる。上記適用のいずれにおいて、例えばカーボポール(Carbopols(登録商標))又はポリビニルピロリドン及びセルロース誘導体などの他のポリマー化合物をベースとしたゲル等の半固形製剤の投与もまた可能である。
【0249】
皮膚又は粘膜への慣例的な塗布形態としては、通常のエマルジョン、ゲル、軟膏、クリーム又は混合相及び/又は両親媒性のエマルジョンシステム(油/水−水/油の混合相)ならびにリポソーム及びトランスファソーム(transfersomes)が挙げられる。適切な基礎又はセルロース誘導体を製造するためのゲルビルダーであるグアール又はキサンテンガム等のナトリウムアルギネート(algenate)、水酸化アルミニウム又はベントナイト(いわゆるチキソトロピーのゲルビルダー)等の無機ゲルビルダー、カーボポール(登録商標)、ポリビニルピロリドン、微晶質セルロース又はカルボキシメチルセルロース等のポリアクリル酸誘導体が、アジュバント及び/又は担体として適切である。さらに、両親媒性の低分子量化合物及び高分子量化合物、ならびにリン脂質が適切である。ゲルは水をベースとしたヒドロゲル、又は例えば低分子及び高分子のパラフィン炭化水素とワセリンの混合物をベースとした疎水性有機ゲルのいずれかとして存在することができる。
【0250】
陰イオン性、陽イオン性又は中性の界面活性剤を乳化剤として用いることができる。その例として、アルカリ性石鹸、メチル石鹸、アミン石鹸、スルホン化化合物、陽イオン性石鹸、高脂肪アルコール、例えばラネッテ(lanette) タイプ、ウールワックス、ラノリン等のソルビタン及びポリオキシエチレンソルビタンの部分脂肪酸エステル又は油/水及び/又は水/油のエマルジョン製造用のその他の合成品が挙げられる。
【0251】
親水性の有機ゲルは、例えば高分子ポリエチレングリコールをベースとして製剤化することができる。これらのゲル様製剤は洗浄可能である。ワセリン、天然ワックスまたは合成ワックス、脂肪酸、脂肪アルコール、モノグリセライド、ジグリセライド又はトリグリセライド等の脂肪酸エステル、パラフィン油又は植物油、硬化ヒマシ油又はココナツ油、豚の脂肪、アクリル酸、カプリン酸、ラウリン酸及びステアリン酸等をベースとする、例えばソフチザン(Softisan(登録商標))等の合成油脂、又はミグリオール(登録商標)のようなトリグリセリド混合物が、脂肪及び/又は油及び/又はワックス様成分の形態で脂質として軟膏、クリーム又はエマルジョンの製造に使用される。
【0252】
pH値を調節するために、塩酸、クエン酸、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、炭酸一ナトリウム塩等の浸透性の有効な酸及び塩基、さらにクエン酸塩、ホスフェート、トリス緩衝液又はトリエタノールアミンのような緩衝系が用いられる。
【0253】
安定性を増すために、メチル又はプロピルベンゾエート(パラベン)又はソルビン酸等の保存剤を加えることができる。
【0254】
さらに局所的に塗布可能な形態としてペースト、粉末又は溶液が挙げられる。ペーストは、粘度を付与するためのベースとして非常に大量の脂肪物質を有する親油性及び親水性の補助剤をしばしば含むことがある。
【0255】
粉末又は局所塗布可能な粉末は、浮遊性ならびに潤滑性を増大させ、塊状になるのを防ぐための希釈剤として、例えば小麦澱粉又は米澱粉等の種々の澱粉、フレーム分散シリコンジオキシド又はシリカを含むことができる。
【0256】
点鼻薬又は鼻スプレーは、経鼻塗布形態に利用できる。
これに関連し、ネブライザー又は鼻用クリーム、あるいは軟膏を使用することができる。
【0257】
さらに、鼻スプレー又は乾燥粉末製剤ならびに調整投与量のエアロゾルもまた、活性成分の全身投与に適している。
【0258】
圧力及び/又は投与量を調整したこれらのエアロゾル及び乾燥粉末製剤は、吸入及び/又は吹送することができる。この種の投与形態は、肺又は気管支及び喉頭への直接的、局部的な適用において重要であることは間違いない。そのため、乾燥粉末の組成物は、活性成分- 軟質ペレットとして、例えばラクトース及び/又はグルコースのような適切な担体を有する活性成分- ペレット混合物として製剤化することができる。吸入又は吹送においては、鼻、口及び/又は咽頭の治療に適した一般的なアプリケーターが適当である。活性成分は超音波ネブライザー装置を用いて適用することもできる。エアロゾルスプレー製剤及び/又は調整投与量エアロゾル用の噴射ガスとしては、テトラフルオロエタンまたはHFC 134a 及び/又はヘプタフルオロプロパンまたはHFC 227が適当であり、例えばプロパン、ブタン又はジメチルエーテル等の常圧かつ室温で気体状の非フッ素化炭化水素又は他の噴射剤が好ましい。調整投与量のエアロゾルに代えて、噴射剤を使用しない手動のポンプ系を使用することもできる。
【0259】
また、噴射ガスのエアロゾルは、例えばイソプロピルミリステート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタントリオレエート、レシチン又は大豆レシチンなどの界面活性アジュバントを好適に含むことができる。
【0260】
その場での局部的な適用には、例えば膀胱腫瘍又は性器腫瘍に対する経尿道投与用の点滴溶液、又は肝臓腫瘍もしくは他器官の癌腫瘍に対するプロフュージョンの溶液が適切である。
表1の参考文献
【0261】
【表8−1】
【0262】
【表8−2】
【0263】
【表8−3】
【技術分野】
【0001】
この発明は、細胞中でのNAD(P)生合成において必須の中間体の一つであるナイアシンアミドモノヌクレオチドの細胞生成を阻害する新規な生理活性化合物に関するものである。また、本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびに特に癌、白血病の治療または免疫抑制のためのそれらの用途に関するものである。さらに、本発明は、上記の活性化合物を見つけるための、またそれらのNAD(P)合成経路に関してセルタイプを試験するための道具としてのスクリーニング方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
NADは、図1に示されるように、トリプトファンから出発してキノリン酸を経由するか、ナイアシン(ニコチン酸ともいわれる)から出発するか、あるいはナイアシンアミド(ニコチンアミドともいわれる)から出発する、3つの異なった経路によりヒトの細胞中で合成される。
【0003】
ホスホリボシル部分の添加は、相当するモノヌクレオチド類、ナイアシンモノヌクレオチド(dNAM)およびナイアシンアミドモノヌクレオチド(NAM)の生成をもたらす。キノリン酸は、ホスホリボシルピロホスフェート(PRPP)との反応に用いられてナイアシンモノヌクレオチド(dNAM)を形成する。この反応に触媒作用を及ぼす酵素、キノリン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(3)は、肝臓、腎臓および脳の中に見出される。
【0004】
ナイアシンはPRPPと反応して、ナイアシンモノヌクレオチド(dNAM)を形成する。この反応に触媒作用を及ぼす酵素は、ナイアシンホスホリボシルトランスフェラーゼ(2)であり、種々の組織中に広く分布している。トリプトファンから出発するか、あるいはNAD前駆体としてのナイアシンから出発するどちらの経路も、ナイアシンモノヌクレオチドの形成段階で一緒になる。
【0005】
ナイアシンアミドはPRPPと反応してナイアシンアミドモノヌクレオチド(NAM)となる。この反応に触媒作用を及ぼす酵素は、ナイアシンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(1)である。この酵素はナイアシンアミドに特異的であり、ナイアシンホスホリボシルトランスフェラーゼ(2)とは全く異なっている。この酵素も種々の組織中に広く分布している。
【0006】
モノヌクレオチドにアデノシンモノホスフェートを続いて添加すると、相当するジヌクレオチド類の形成をもたらす:ナイアシンモノヌクレオチドおよびナイアシンアミドモノヌクレオチドは、ATPと反応してナイアシンアデニンジヌクレオチド(dNAD)およびナイアシンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)をそれぞれもたらす。両反応は、2つの異なった経路で起こっているにもかかわらず、同じ酵素、NADピロホスホリラーゼ(4)によって触媒作用を及ぼされている。
【0007】
ナイアシンアデニンジヌクレオチド(dNAD)をナイアシンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)に変換するのに、さらなるアミド化工程が必要である。この反応に触媒作用を及ぼす酵素は、NADシンセターゼ(5)である。NADはナイアシンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)への直前の前駆体である。この反応は、NADキナーゼにより触媒作用を及ぼされる。詳細は、例えば、Cory,J.G.Purine and pyrimidine nucleotide metabolism.In:Textbook of Biochemistry and Clinical Correlations,第3版、編集 Devlin,T.,Wiley Brisbane 1992,529−574頁を参照されたい。
【0008】
正常な細胞はNAD(P)合成のための両前駆体、ナイアシンおよびナイアシンアミドを典型的に利用することができ、多くの場合さらにトリプトファンまたはその代謝物をも利用することができる。このようなことは種々の正常な組織について明らかになっている:したがって、ムリン・グライアル(Murine glial)細胞(コルテックス(cortex)およびヒポカンパス(hipocampus)=脳)は、ナイアシン、ナイアシンアミドおよびキノリン酸を利用する(Grantら、(1998),J.Neurochem.70:1759−1763)。ヒトのリンフォサイトはナイアシンおよびナイアシンアミドを利用する(Carsonら、(1987),J.Immunol.138:1904−1907;Bergerら、(1982),Exp.Cell Res.137:79−88)。ラットの肝細胞はナイアシン、ナイアシンアミドおよびトリプトファンを利用する(山田ら、(1983),Internat.J.Vit.Nutr.Res.53:184−191;Shinら、(1995),Internat.J.Vit.Nutr.Res.65:143−146;Dietrich,(1971),Methods Enzymol.18B:144−149)。ヒトのエリスロサイトはナイアシンおよびナイアシンアミドを利用する(Rocchigianiら、(1991),Purine and pyrimidine metabolism in man VII,Part B,ed.Harknessら、Plenum Press,New York,pp337−340)。ギネアピッグのロイコサイトはナイアシンを利用する(Flechnerら、(1970),Life Science.9:153−162)。
【0009】
NAD(P)は、細胞の生命に関する種々の生化学反応に関与しており、したがって徹底的に研究されている。NAD(P)の鍵となるこの機能は、腫瘍の発生および成長に果たすこの化合物の役割、ならびに腫瘍を阻止するのにNAD(P)の代謝をどのように利用できるかについて、過去にいくつかの研究を喚起してきた。実際、腫瘍疾患の治療を狙った化合物が記述されており、−付随的に他の効果をも示すが−細胞中のNAD(P)レベルの低下をも含む。しかしながら、これらの化合物は、天然のNADから構造的に逸脱したジヌクレオチド誘導体の細胞合成を始めることにより主として作用する。したがって、このアプローチの生化学的な帰結、およびもたらされる細胞損傷の推定メカニズムは、表1に概略が示されているように種々雑多である。
【0010】
【表1−1】
【0011】
【表1−2】
【0012】
したがって、種々のセルタイプにおけるNAD生合成の一次的かつ特異的な阻止の生物学的な効果に関するこれらのデータからは、いかなる予言を下すこともできない。特に、腫瘍治療用の潜在的な医薬の最も重要な特徴である、細胞損傷効果における腫瘍選択性に関して、このメカニズムが上記のジヌクレオチド誘導体の利用よりも有利であるかどうかは、まったく思惑のままである。
【0013】
1970年に公開されたJP-459555は、腫瘍細胞の呼吸およびエリスロサイトのNAD合成を阻害する、ジャガイモ、パン酵母および牛の血液からなる構造未知の抽出物を記載している。その発明者らはこの成分を腫瘍の治療に使うことを提案している。しかしながら、JP-459555に示されたデータは、NAD合成の阻害が癌の治療に有用であるということを明らかにするとか、その可能性があるというには程遠い。その発明者らは、むしろ、該化合物の生物学的活性が多面的であり、NAD生合成の阻止減少のみに限定されないと結論づけている。後に発表された同じ研究グループ(A.Kizu:京都府立医科大学雑誌 80,pp.14−24,1971)の研究において、抽出された化合物(グルコースの誘導体)は、NAD合成の阻害に加えて、数分間で腫瘍細胞の呼吸およびグリコリシスを阻止することが示されている。事実、抽出物で20分間だけ処理された腫瘍細胞は、未処理のコントロール細胞とは対照的に、マウスの腹腔内で成長しないほどの重い障害を受けている。この発見とは対照的に、本発明者らは、細胞内でのNAD合成を速やかにかつ選択的に阻害する化合物が、20分間曝しただけでは濃度に関係なく全く無効であるのに、3−4日曝しただけで腫瘍細胞に対して有害な作用を示すことを観察した。かくして、JP-459555に開示された抽出物は、NAD生合成阻害によって腫瘍細胞にダメージを与えているのではないようである。むしろ、NADレベルの低下は、細胞に対する全般的な障害による二次的な効果であって、その他のメカニズムが一次的に細胞の死に関与していると推測される。この抽出物によりもたらされる腫瘍細胞に対する速やかな有害作用は、したがって、明らかに細胞呼吸の阻害によるものである。
【0014】
また、抽出物の殺細胞作用が腫瘍に優先的に表れるのは、JP-459555に記載されているように、この作用が腫瘍細胞には顕著であるが、肝細胞には見られないので、抽出物の呼吸阻害作用という特徴によって容易に説明され得る(A.Kizuにおける図2)。かくして、JP-459555は、NAD合成阻害により腫瘍細胞に影響を与えるいかなる手段も開示していない。
【0015】
DNAを損傷する細胞毒性の化合物が細胞のNAD濃度を低下させているということも知られている。幾人かの著者が、細胞のNADレベルの低下が、その結果生じる細胞内のATPの不足とともに、これらの化合物によってもたらされる細胞死のメカニズムにおいてある役割を果たしているかもしれないと推測した(Daniel S.Martin およびGary K. Schwartz,Oncology Research,Vol.9,pp.1−5,1997)。しかしながら、細胞内のNAD濃度に対するこれらの化合物の効果は、DNA修復に与かる酵素により高められたNAD消費から、間接的にもたらされている(表1参照)。
【0016】
これらの化合物の一次的な効果、すなわちDNAに対する損傷は、細胞のNADレベルの低下に加えて、多くの重要性を有している。知られているように、DNAは細胞が生きていくのに重要なたんぱく質や酵素のような多くの細胞成分の合成を制御している。かくして、DNA損傷の結果は種々雑多であり、細胞のNAD濃度の低下はそれらのうちの一つに過ぎない。したがって、NAD生合成の特異的な阻害という効果の側面は、これらの化合物についてなされた観察から結論づけることはできない。
【0017】
NAD生合成の特異的阻害から予測し得るわずかな情報として、ナイアシンアミドおよびナイアシン不足に関する総体症状がある。ビタミンB類は、上記で概説されたように、NAD生合成の前駆体である。これらの前駆体の長期にわたる欠乏は、ペラグラとして知られている疾患をもたらす。主な症候は皮膚の変質および痴呆である。この症候群は、上記で議論された化合物による慢性中毒との類似性を示さない。
【0018】
WO97/48695は、新規なピリジルアルカン酸アミン、それらの製造法、これらの化合物を含む医薬およびそれらの用途、特に腫瘍症状の治療および/または細胞増殖抑制剤もしくは免疫抑制剤としての用途を記載している。
【0019】
WO97/48696は、新規なピリジルアルケンおよびピリジルアルキン酸アミン、それらの製造法、これらの化合物を含む医薬およびそれらの用途、特に腫瘍症状の治療および/または細胞増殖抑制剤もしくは免疫抑制剤としての用途を記載している。
【0020】
WO97/48397には、ピリジルアルカン、ピリジルアルケンおよび/またはピリジルアルキン酸アミンの用途、特に腫瘍の症状および/または細胞増殖抑制剤もしくは免疫抑制剤としての用途、ならびにこれらの化合物の所定量と他の細胞増殖抑制剤もしくは免疫抑制剤との組み合わせからなる医薬が開示されている。
【0021】
1999年6月24日に公開されたWO99/31063は、カルボン酸部分に飽和された、または一もしくは複数不飽和の炭化水素残基がある、新規なピペラジニル−置換ピリジル−アルカン、アルケンおよびアルキンカルボキサミド類、これらの化合物の合成方法、これらを含む医薬ならびにそれらの治療用途、特に細胞増殖抑制剤および免疫抑制剤としての用途、例えば種々のタイプの腫瘍の治療もしくは予防ならびに免疫反応の調節、例えば自己免疫疾患の治療としての用途を記載している。
【0022】
1999年6月24日に公開されたWO99/31060は、カルボン酸部分に飽和された、または一もしくは複数不飽和の炭化水素残基がある、新規なピペリジニル−置換ピリジル−アルカン、アルケンおよびアルキンカルボキサミド類、これらの化合物の合成方法、これらを含む医薬およびそれらの製造ならびにそれらの治療用途、特に細胞増殖抑制剤および免疫抑制剤としての用途、例えば種々のタイプの腫瘍の治療もしくは予防および免疫反応の調節、例えば自己免疫疾患の治療としての用途について報告している。
【0023】
1999年6月24日に公開されたWO99/31087の課題は、カルボン酸部分が環状イミドおよび飽和された、または一もしくは複数不飽和の炭化水素残基で置換された、新規なピリジルアルカン、アルケンおよびアルキンカルボキサミド類、これらの化合物の合成方法、これらを含む医薬およびそれらの製造ならびにそれらの治療用途、特に細胞静止剤および免疫抑制剤としての用途、例えば種々のタイプの腫瘍の治療もしくは予防、異常細胞の成長の阻止および免疫反応の調節、例えば自己免疫疾患の治療である。
【0024】
1999年6月24日に公開されたWO99/31064には、カルボン酸部分が飽和された、または一もしくは複数不飽和の炭化水素残基で置換された、新規なピリジルアルカン、アルケンおよびアルキンカルボキサミド類、これらの化合物の合成方法、これらを含む医薬およびそれらの製造ならびにそれらの治療用途、特に細胞増殖抑制剤および免疫抑制剤としての用途、例えば種々のタイプの腫瘍の治療もしくは予防、免疫反応の調節、例えば自己免疫疾患の治療が開示されている。
【0025】
これらの特許出願はいずれも細胞増殖抑制作用を有し、そして/または腫瘍症状の治療に有用な化合物およびそれらの化合物の用途を開示しているが、これらの特許出願はNADの生合成がこれらの化合物によって阻害されることを示しておらず、それらの化合物がナイアシンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAPRT)阻害剤であることを暗示してもいない。
【0026】
以上、要するに、細胞のNAD濃度を低下させることが知られている化合物は、それら自身によって細胞の生き残りに影響を及ぼしているかもしれないその他の一次的な効果を示すので、技術水準は、細胞のNAD合成の一次的かつ特異的な阻害から何が予測され得るかについて結論を導き出すことを許容していない。NAD合成を特異的に阻害するという用途以外に、この疑問を解くのに信頼し得る手段は何も存在しない。しかし、そのような化合物は過去には入手できなかった。
【0027】
Morton(R.K.Morton:Nature 181,pp.540−543,1958)は、NADピロホスホリラーゼ(図1における酵素4)の作用がNAD合成の制限要素であると予測されたので、ヒトの癌の治療のために、この酵素を阻害する化合物を狙うことを提案した。異なった前駆体であるトリプトファン、ナイアシンまたはナイアシンアミドから出発して当初は分かれていた経路が既に統合されているか、または同等に影響を受ける生合成経路の終末段階でNADピロホスホリラーゼが作用するので、ナイアシンおよびナイアシンアミドの両者から、そしてトリプトファンからの生合成の経路がNADピロホスホリラーゼの阻害によってブロックされるということに留意しなければならない。この酵素を特異的に阻害するものは今まで見出されていない。したがって、この推測が正しいことを立証するものはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】JP−459555
【特許文献2】WO97/48695
【特許文献3】WO97/48696
【特許文献4】WO97/48397
【特許文献5】WO99/31063
【特許文献6】WO99/31060
【特許文献7】WO99/31087
【特許文献8】WO99/31064
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】Cory,J.G.Purine and pyrimidine nucleotide metabolism.In:Textbook of Biochemistry and Clinical Correlations,第3版、編集 Devlin,T.,Wiley Brisbane 1992,529−574頁
【非特許文献2】J.Neurochem.70:1759−1763(1998)
【非特許文献3】J.Immunol.138:1904−1907(1987)
【非特許文献4】Exp.Cell Res.137:79−88(1982)
【非特許文献5】Internat.J.Vit.Nutr.Res.53:184−191(1983)
【非特許文献6】Internat.J.Vit.Nutr.Res.65:143−146 (1995)
【非特許文献7】Methods Enzymol.18B:144−149(1971)
【非特許文献8】Purine and pyrimidine metabolism in man VII,Part B,ed.Harknessら、Plenum Press,New York,pp337−340 (1991)
【非特許文献9】Life Science.9:153−162 (1970)
【非特許文献10】京都府立医科大学雑誌 80,pp.14−24,1971
【非特許文献11】Oncology Research,Vol.9,pp.1−5,1997
【非特許文献12】Nature 181,pp.540−543,1958
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0030】
この発明は、特定のセルタイプにおいて、細胞のNAD(P)生合成のためのナイアシンアミドの利用が生きていくのに重要であるという、驚くべき発見に基づいている。従来、研究されてきた他の多くのセルタイプにおける代替的な前駆体を構成するナイアシンまたはトリプトファンは、細胞の生き残りのために利用され得ないか、あるいは少なくとも十分な程度ではない。
【発明の効果】
【0031】
したがって、この発明は、細胞のナイアシンアミドモノヌクレオチド形成を阻害する生物学的に活性な化合物を提供する。この活性を有する化合物は、以下に記載するスクリーニング試験(以下、NAPRT試験ともいう)によって容易に同定される。本発明の化合物は、かかる試験において、前駆体ナイアシンアミドからの細胞NAD生合成に対して、≦10μMの濃度で、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも80%、そして最も好ましくは少なくとも90%阻害活性を示す。
【0032】
本発明の化合物でもって、ナイアシンまたはトリプトファンからNADをさらに合成することのできる細胞を救う、NAD生合成のための前駆体としてのナイアシンアミドを主に利用する細胞に専ら損傷を与えることが初めて可能になる(図1)。
【0033】
これらの化合物を用いることによって、有害でない細胞は救われるが、多くの有害な細胞は影響をこうむることが明らかになった。同じことが、免疫反応において役割を果たしているある種のリンホサイトに適用できる。この作用はこれまで観察されておらず、まったく驚くべきことである:3種のすべての前駆体を典型的に利用することのできる正常な体細胞が、トリプトファンおよびナイアシンを支給する能力を失うか、あるいは少なくともそれらが細胞の生き残りのために十分な程度の能力を失って、有害となったときにナイアシンアミド依存型になるということは、先行技術に示されておらず、公知のデータに基づいて予測することもできなかった。
【0034】
かくして、NAD生合成のナイアシンアミド分枝を選択的にブロックする、すなわち細胞レベルでのナイアシンアミドモノヌクレオチドの生成を阻害する生物学的に活性な化合物は、選択的な腫瘍治療のための新しいアプローチを提供するだろう:主な前駆体または唯一の前駆体としてナイアシンアミドに依存している有害な細胞は、そのような損傷を受けて、ナイアシンアミドモノヌクレオチドの生成阻害およびそれに引き続いて起こるNAD(P)の枯渇により、最終的には死滅する。他方、正常な体細胞は、細胞の生き残りを保証するのに十分なNADレベルを提供する、前駆体としてのナイアシンおよび/またはトリプトファンをなお利用することにより、阻害されたナイアシンアミド分枝の埋め合わせをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】NAD(P)+生合成の生化学的経路である。
【図2】異なった濃度における6−アミノニコチンアミドの、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図3】異なった濃度におけるチアゾフリン(Tiazofurin)の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図4】異なった濃度におけるセレナゾフリン(Selenazofurin)の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図5】異なった濃度におけるアザセリン(Azaserine)の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図6】異なった濃度における6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシンの、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図7】異なった濃度におけるK22130の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図8】異なった濃度におけるK22132の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図9】異なった濃度におけるK22133の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図10】異なった濃度におけるK22158の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図11】異なった濃度におけるK22234の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図12】異なった濃度におけるK22265の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図13】異なった濃度におけるK22299の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図14】異なった濃度におけるK22316の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図15】異なった濃度におけるK22339の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図16】異なった濃度におけるK22350の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図17】異なった濃度におけるK22365の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図18】異なった濃度におけるK22387の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図19】異なった濃度におけるK22408の、コントロールおよび内部標準と比較した、HepG2細胞の成長に対する、SRB試験によって測定された、作用の時間曲線である。
【図20】異なった濃度における6−アミノニコチンアミドの細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図21】異なった濃度におけるチアゾフリンの細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図22】異なった濃度におけるセレナゾフリンの細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図23】異なった濃度におけるアザセリンの細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図24】異なった濃度における6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシンの細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図25】異なった濃度におけるドキソルビシン(Doxorubicin)の細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図26】異なった濃度におけるK22339の細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図27】異なった濃度におけるK22387の細胞成長阻害に対するニコチンアミドの影響を示す図である。
【図28】HepG2細胞における[14C]ナイアシンアミドからのNAD(P)生合成に対するK22234の阻害作用を示す図である。細胞抽出物の放射性代謝物は0.05M LiClを溶媒として用いてPEIセルロース上で分離された。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の化合物は、ナイアシンアミドからのNAD生合成を一次的にかつ特異的に阻害する最初のものである。したがって、これらの化合物は、身体の腫瘍細胞およびその他の細胞の生き残りに関する、この最初の出来事の影響を調べるための道具として使用することができる。
【0037】
さらに、腫瘍細胞中のNADを数時間で枯渇させるナイアシンアミド経由のNAD合成を阻害する新規で特定の阻害剤が、公知のNAD合成「阻害剤」で示されているように(表1参照)細胞を速やかに殺さなかったばかりか、むしろあるレベル、すなわちDCD−レベル以上に与えられたときに、それらの細胞において特徴的な「遅延された細胞死」をもたらし:実際にすべての細胞が細胞枯死に至る前に、新規化合物の存在下に3日間までの継続的な成長が観察されたということは、まったく驚くべきことであった。さらに、多くの非有害細胞が新規で特定のNAD生合成阻害剤の枯死誘発効果に対してきわめて抵抗性が強いということも驚くべきことであった。例えば、ヒトの骨髄細胞を殺すのに、最も多く試験されたヒトの癌のセルラインに比べて、10000倍高い濃度が必要である。かくして、「細胞死遅延」という特徴は、本発明による化合物のスクリーニング試験に用いられ得る。
【0038】
ナイアシンアミドからのNAD生合成を阻害するという本発明の化合物の能力は、NADおよびNADPへの放射性ナイアシンアミドの結合を測定するという、容易に再現できる試験系で示され得る。この試験は、細胞のナイアシンアミドモノヌクレオチド生成を選択的に阻害する能力のために化学物質を試験するスクリーニング系をも提供する。この試験は、特定の構造的な特徴に捉われないで本発明の阻害性化合物をスクリーニングし選択することを許容する。したがって、かかる特異的な阻害活性を示すかぎり、これらの化合物の化学構造に対する限定はなく、いかなる公知の製造法も採用され得る。
【0039】
これらの化合物によって起こされた腫瘍細胞の死がナイアシンアミドからのNAD生合成の阻害だけによるものであり、その他のいかなる作用によるものでもないという事実は、明確に検証された:in vitroで細胞が成長する細胞外媒体へのナイアシンアミドの過剰添加は、新規化合物の枯死誘発効果を完全に取り消す。
【0040】
高密度条件下での細胞成長に対する、本発明による化合物の効果は、固形腫瘍のin vivo状況によく似せて真似るために調査された。この目的のために、本発明者らは、高細胞数を接種し、下記の表2に示された化合物を用いて、高密度細胞培養試験を行った。細胞の成長は、下記の試験の部に記載されているように、10日目まで時々監視された。例えば、ヒトのヘパトカルシノーマ細胞(HepG2)が用いられた。
【0041】
化合物の作用の時間曲線は、毒性化合物を適用した後に起こる細胞数の速やかな減少とは明らかに区別できる「細胞死遅延」の誘発によって特徴づけられる。「細胞死遅延」現象は、例えばK22339で得られた結果を用いて記載されている。図2Nは、化合物K22339による成長阻害の特徴的な時間曲線を示している。少なくとも0.3・濃度のK22339とともに培養している間、HepG2細胞の数は3日目まで増加し、その後、培養物は成長することができず、細胞数は7日から10日にかけて減少した。細胞死が4日目に起こり、細胞は10日目まで徐々に分離した。対照的に、毒性化合物は高密度培養では活性が低く、その有効濃度は、1〜3日間の培養で速やかに観察されたコントロールに比べて、細胞数の急速な減少をもたらした。図5参照、ここでアザセリンの有効(毒性)濃度は100・である。しかしながら、K22339を用いると、0.3・の濃度がフル−ブラウン(full-blown)効果を生じさせるのに十分である。10倍高い濃度でも、急性細胞毒性を示さず、細胞数が徐々に減少するまでの時間を早めることもできなかった。この特徴的な作用が細胞死遅延(delayed cell death)と呼ばれる。HepG2細胞の成長に対する作用の時間曲線が、コントロールおよび内部標準と比較して、図2〜7として、また図8〜19として、毒性化合物に対して、また本発明による特別に効果の高い化合物の例に対して、それぞれ示されている。
【0042】
【表2−1】
【0043】
【表2−2】
【0044】
【表2−3】
【0045】
【表2−4】
【0046】
DCD−値は、−培養物の初期の成長にもかかわらず−最初に接種された細胞の数以下となる細胞死を誘発する、個々の化合物の最低濃度と定義された。すべての化合物が、3μMまたはそれより低い濃度で、HepG2細胞の高密度培養に対して活性であった。したがって、本発明の化合物は、好ましくは3μMまたはそれより低い濃度で、特に好ましくは1μMまたはそれより低い濃度で、「細胞死遅延」試験において活性である。表2に挙げられた化合物は、当技術分野で公知の標準的な方法に従って製造された。毒性化合物の有効(毒性)濃度は表5に挙げられている。
【0047】
好ましい形態において、本発明による化合物は、環の3位において置換されたピリジル基に相当する構造的な特徴を有する。換言すれば、本発明による生物学的に活性な化合物は、一般式(A):
【0048】
【化1】
【0049】
[式中、
ZはCHまたはNであり、
R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、N、O、P、F、Cl、BrおよびIから選ばれる1またはそれ以上の元素を任意に含んでいてもよい炭化水素基から選択される]
で表される化合物、および医薬的に許容されるそれらの塩である。
【0050】
好ましい形態において、R4は式(B)で表される。
【0051】
【化2】
【0052】
[式中、
Aは結合手またはN、O、P、F、Cl、BrおよびIから選ばれる1またはそれ以上の元素を任意に含んでいてもよい2価の炭化水素基であり;
XはO、SまたはNR8であり;
R5、R6、R7およびR8は式(A)におけるR1と同じ意味を有し;
a、bおよびcは、それぞれ独立して0または1であるが、aおよびcがそれぞれ1であるときはbも1である]
化合物の効果の経時的な経過は、腫瘍細胞に対して急性の非特異的な毒性がないことを示唆している。経時的な経過はJP−459555に記載された結果とは著しく対照的である。その著者らは、開示された抽出物とともに腫瘍細胞を20分間培養すると細胞死を誘発するのに十分であったと記述している。他方、本発明の化合物は、コントロールされていない壊死が起こる前に、制限を知覚し自滅を犯すのに十分な時間を残すべきである細胞に対して、ある種の生理学的な制限を課しているようである。本発明の化合物により誘発される「細胞死遅延」は、周辺の組織に細胞の内容物が無制限に放出されるのを避けるという意味で、もはや生育しえない細胞を除去するのに好ましい方法である、枯死の形態で起こる。
【0053】
本発明による化合物の好ましい形態において、該化合物により誘発される「細胞死遅延」は、図20〜27に見られるように、ナイアシンアミドの添加によって拮抗され得る。6−アミノ−ニコチンアミド、チアゾフリン、セレナゾフリン、アザセリン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシンおよびドキソルビシンについては、細胞成長に対するこれらの毒性化合物の作用に対して、ニコチンアミドの添加による測定可能な影響は見られない。それなのに、例えばK22339およびK22387により引き起こされるDCDは、ニコチンアミド可逆性試験に記載されているように、拮抗され得る。
【0054】
ナイアシンアミドから出発するNAD(P)合成に対する本発明の化合物の効果が、下記の実験の部に記載されている技術に従って、例えば腫瘍セルラインHepG2を用いて調べられた。表3aに示されているように、本発明による化合物の例では、その前駆体・ナイアシンアミドからのde novo NAD(P)合成をほとんど完全に阻害した。表3bに挙げられている毒性化合物は、コントロールと比較してその最大阻止率が常に30%以下であるので、その前駆体・ナイアシンアミドからのde novo NAD(P)合成に対してわずかに影響しているか、あるいはほとんど影響していない。
【0055】
【表3a−1】
【0056】
【表3a−2】
【0057】
【表3b】
【0058】
これらの化合物によるナイアシンアミドからのNAD(P)合成の阻害は、「材料および方法」の部分に記載されているように、HepG2細胞において調べられた。表3aの化合物は濃度10-5Mで用いられた。ドキソルビシンについては濃度が0.3×10-5Mであったほかは、表3bの化合物は少なくとも濃度10-5Mで用いられた。コントロールとして、媒体で処理された、または未処理の細胞が用いられた。
【0059】
これらの試験では、化合物とともに行う前培養が17時間であったが、前培養の期間を例えば2時間に短縮できること、あるいは前培養なしでも阻害プロファイルに影響を与えないことが分かった。放射性標識ナイアシンアミド代謝物を分析したところ、化合物がナイアシンアミドモノヌクレオチドの生成を排他的に阻止していることが分かった。図28は媒体およびK22234処理HepG2細胞から抽出された[14C]ナイシンアミド代謝物の代表的なクロマトグラムを示している。同様の結果がその他の特定の化合物でも得られた。
【0060】
図28の2つのクロマトグラムを比較すれば、化合物が前駆体・ナイアシンアミドからのNAD(P)合成を阻害していることが明らかである。媒体および化合物処理細胞からの抽出物中に見られる放射性標識ナイアシンは、[14C]ナイシンアミドの酵素的脱アミド化の結果である。クロマトグラムにおけるNADとナイアシンのピークは互いに接近しているが、本発明者らは、「材料および方法」の項に記載されているように、2次薄層クロマトグラフィのシステムによりそれらの同一性を確認した。中間体であるナイアシンアミドモノヌクレオチドの蓄積は、化合物−処理細胞中に検出されなかったので、化合物はナイアシンアミドモノヌクレオチドの生成段階でNAD(P)生合成を阻害している。かくして、化合物は、酵素ナイアシンアミド・ピロホスフェート・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ([EC 2.4.2.12]、NAPRT;この酵素の2番目の名前は、ナイアシンアミド・モノヌクレオチド・ピロホスホリラーゼである)を阻害している。前駆体として[14C]ナイアシンアミドの代わりに[14C]ナイシンを用いて同じ種類の試験を行ったところ、化合物は、ナイアシン経路を利用できる細胞中で前駆体ナイアシンからのNAD(P)合成を阻止していないことが分かった。NAD(P)合成におけるナイアシン経路が化合物によって阻止されていないという観察からして、トリプトファンから出発する経路は化合物によって抑制されていないようである。
【0061】
酵素ナイアシンアミド・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(NAPRT、[EC 2.4.2.12])に対する化合物の効果は、下記の試験の部に記載のNAPRT試験に従って、酵素源として例えばプロタミンで処理されたK−562細胞の細胞質フラクションを用いて調べられた。K22387およびK22133の濃度が1μMであったのを除いて、試験化合物は濃度10μMで用いられた。
【0062】
試験は、14C−標識ナイアシンアミドからナイアシンアミド・モノヌクレオチド(NAM)への放射性結合の量に基づいている。NAMは次いで薄層クロマトグラフィによりナイアシンアミド(NA)から分離され、その量はオートラジオグラフィにより測定される。表4に示されるように、化合物は前駆体ナイアシンアミドからNAD(P)のde novo合成を完全に阻害した。
【0063】
【表4】
【0064】
本発明による化合物の例の結果の要約は、公知の毒性の細胞増殖抑制剤について得られた結果とともに、次の表5に挙げられている。明らかに見られるように、試験されたすべての例が求められた制限を満たしている。
【0065】
【表5】
【0066】
表5:試験された毒性化合物についての結果および本発明による化合物の例についての結果の要約(n.t.:試験されなかった)
本発明の好ましい形態において、WO97/48695に開示されている式(I)の化合物は、本発明に含まれていない:
【0067】
【化3】
【0068】
[式中、
R1は、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノカルボニル、カルボキシ、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ピリジルオキシ、ピリジルチオ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、
アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、
ヒドロキシアルキル、特にC1−C6−ヒドロキシアルキル、
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシ、
アルケニルオキシ、特にC3−C6−アルケニルオキシ、
アルキニルオキシ、特にC3−C6−アルキニルオキシ、
アルカノイルオキシ、特にC1−C7−アルカノイルオキシ、
アルコキシカルボニルオキシ、特にC2−C7−アルコキシカルボニルオキシ
アルキルチオ、特にC1−C6−アルキルチオ、
アルケニルチオ、特にC3−C6−アルケニルチオ、
アルキニルチオ、特にC3−C6−アルキニルチオ、
シクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、
シクロアルキルオキシ、特にC3−C8−シクロアルキルオキシ、
シクロアルキルチオ、特にC3−C8−シクロアルキルチオ、
アルコキシカルボニル、特にC2−C7−アルコキシカルボニル、
アルキルアミノカルボニル、特にC2−C7−アルキルアミノカルボニル、
ジアルキルアミノカルボニル、特にC3−C13−ジアルキルアミノカルボニル、または
NR5R6であり、ここで
R5および
R6は、それぞれ独立して、水素
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニルおよび
アルキニル、特にC3−C6−アルキニルから選択される、
【0069】
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ベンジルオキシ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシまたは
アルカノイルオキシ、特にC1−C7−アルカノイルオキシであり、
ここで、R1およびR2は、もしそれらが隣接しているならば、
−(CH2)4−、−(CH=CH)2−および−CH2O−CR7R8−O−から選択される結合を任意に形成していてもよく、ここで
R7および
R8は、それぞれ独立して水素またはアルキル、特にC1−C6−アルキルであり、
R3は、水素、ハロゲン、アルキル、特にC1−C6−アルキル、トリフルオロメチルまたはヒドロキシアルキル、特にC1−C6−ヒドロキシアルキルであり、そして
R4は、水素、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、
アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、
シクロアルキル、特にC3−C6−シクロアルキルまたは
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシであり、
kは、0または1であり、
【0070】
Aは、アルキレン、特にC1−C6−アルキレンであり、これはアルキル、特にC1−C3−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、特にC1−C3−アルコキシ、フッ素またはフェニルで1〜3回任意に置換されていてもよい、または
1,2−シクロプロピレン、あるいは
少なくとも2つの炭素原子をもったアルキレン、特にC2−C6−アルキレンであり、その中のメチレン単位はO、S、NR9、CO、SOまたはSO2によって等価的に置き換えられていてもよく、=COを除いて置換はアミド基に隣接することはできず、ここで
R9は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、アシル、特にC1−C6−アシルまたはアルキルスルホニル、特にC1−C6−アルキルスルホニルから選択され、
Dは、アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよいアルキレン、特にC1−C10−アルキレン、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよく、2重結合が環Eに結合していてもよい、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C10−アルケニレン、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよく、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニレン、特にC3−C10−アルキニレン、
1〜3のメチレン単位がO、S、NR10、CO、SOまたはSO2でそれぞれ等価的に置き換えられている、アルキレン、特にC1−C10−アルキレン、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C10−アルケニレンまたは、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニレン、特にC3−C10−アルキニレン
から選択され、ここで
R10は、R9と同じ意味を有するが、それらから独立して選択され、
Eは、
【0071】
【化4】
【0072】
または
【0073】
【化5】
【0074】
から選択され、ここで複素環は任意に2重結合を有していてもよく、そして
nおよび
pは、n+p≦4という条件で、それぞれ独立して0、1、2または3であることができ、
qは、2または3であり、
R11は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、カルボキシ、少なくとも2つの炭素原子を有するアルコキシカルボニル、特にC2−C7−アルコキシカルボニルであり、そして
R12は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、または窒素原子に隣接しているオキソ基であり、ここで
R11およびR12は、任意に一緒になって、1、2、3、4または5の炭素原子を有するアルキレン架橋、特にC1−C3−アルキレン架橋を形成して、2環式系を形成していてもよく、
Gは、水素、G1、G2、G3、G4およびG5から選択され、ここで
G1は、残基
−(CH2)r−(CR14R15)s−R13 (G1)
を表し、ここで
rは、1〜3の整数または0であり、そして
sは、0または1であり、
【0075】
R13は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、少なくとも3つの炭素原子を有するアルケニル、特にC3−C6−アルケニル、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニル、特にC3−C6−アルキニル、少なくとも3つの炭素原子を有するシクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群からの1つまたは2つの複素原子を含むことのできる5〜7員の飽和複素環式基、
ベンジルまたはフェニル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群からの1〜3の複素原子を含むことができ、直接またはメチレン基を介して結合している、5〜6員の単環式芳香複素環式基、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された炭素環式基であって、芳香族の環または水素化された環を介して、直接またはメチレン基を介して結合することができる、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された複素環式基であって、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択され、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
から選択され、
【0076】
R14は、R13と同じ意味を有するが、それらから独立して選択され、
R15は、水素、ヒドロキシ、メチル、ベンジル、フェニル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群から選択される1〜3の複素原子を含むことができ、直接またはメチレン基を介して結合している、5〜6員の単環式芳香複素環式基、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された炭素環式基であって、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された複素環式基であって、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択され、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
から選択され、
G2は、残基
【0077】
【化6】
【0078】
または
【0079】
【化7】
【0080】
であり、ここで置換基R13およびR15は、上記の意味を有するか、または基
−NR13R15
は、必須の窒素原子のほかに、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1つまたは2つの複素原子をさらに任意に含んでいてもよい、飽和もしくは不飽和の、単環式の、4〜8員の複素環式基、
必須の窒素原子のほかに、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1つまたは2つの複素原子をさらに任意に含んでいてもよい、飽和もしくは不飽和の、2−もしくは3−環式の、縮合もしくは架橋した、8〜16の環原子を有する複素環式基
から選択される含窒素複素環式基であり、該窒素原子を介して結合しており、
G3は、残基
−SO2−(CH2)rR13 (G3)
であり、そして
G4は、残基
【0081】
【化8】
【0082】
であり、ここで
Ar1およびAr2は、それぞれ独立して、フェニル、ピリジルまたはナフチルから選択され、そして
G5は、残基
−COR16 (G5)
であり、ここで
R16は、トリフルオロメチル、アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、アルケニルオキシ、特にC3−C6−アルケニルオキシ、またはベンジルオキシから選択される。
【0083】
上記において、置換基R1、R2、R4、R13、R14、R15、R16、Ar1およびAr2ならびに環式基−NR13R15におけるアリール残基および/または芳香族環式基は、いずれもそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アルキル、特にC1−C6アルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、全体的にもしくは部分的にフッ素で置換されたアルコキシ、置換アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、メルカプト、アルキルチオ、特にC1−C6アルキルチオ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、特にC1−C6アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、特にモノ−C1−C6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、特にジ−(C1−C6アルキル)−アミノおよび芳香族環もしくは環式基上の2つの隣接した基に対するメチレンジオキシから選択される、1〜3の、同一または異なった基で置換され得る。
【0084】
また、上記において、置換基R1〜R14のそれぞれの置換基、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキレン、アシル、アルキルスルホニル、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルまたはジアルキルアミノカルボニルは、それらの構造によって、1〜2または4、6、8、10もしくは12の炭素原子および/または2もしくは3〜5、7、9、11もしくは13および/または15の炭素原子、あるいは4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15の炭素原子を有することができ、
ならびに立体異性体および/またはそれらの混合物、ならびに医薬的に許容される酸付加塩。
【0085】
本発明のもう一つの好ましい形態において、WO97/48696に開示されている式(II)の化合物は、本発明に含まれない:
【0086】
【化9】
【0087】
[式中、
R1は、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノカルボニル、カルボキシ、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ピリジルオキシ、ピリジルチオ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、
アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、
ヒドロキシアルキル、特にC1−C6−ヒドロキシアルキル、
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシ、
アルケニルオキシ、特にC3−C6−アルケニルオキシ、
アルキニルオキシ、特にC3−C6−アルキニルオキシ、
アルカノイルオキシ、特にC1−C7−アルカノイルオキシ、
アルコキシカルボニルオキシ、特にC2−C7−アルコキシカルボニルオキシ
アルキルチオ、特にC1−C6−アルキルチオ、
アルケニルチオ、特にC3−C6−アルケニルチオ、
アルキニルチオ、特にC3−C6−アルキニルチオ、
シクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、
シクロアルキルオキシ、特にC3−C8−シクロアルキルオキシ、
シクロアルキルチオ、特にC3−C8−シクロアルキルチオ、
アルコキシカルボニル、特にC2−C7−アルコキシカルボニル、
アルキルアミノカルボニル、特にC2−C7−アルキルアミノカルボニル、
ジアルキルアミノカルボニル、特にC3−C13−ジアルキルアミノカルボニル、または
NR5R6であり、ここで
【0088】
R5および
R6は、それぞれ独立して、水素
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、および
アルキニル、特にC3−C6−アルキニルから選択される、
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ベンジルオキシ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシまたは
アルカノイルオキシ、特にC1−C7−アルカノイルオキシであり、
ここで、R1およびR2は、もしそれらが隣接しているならば、
−(CH2)4−、−(CH=CH)2−および−CH2O−CR7R8−O−から選択される結合を任意に形成していてもよく、ここで
R7および
R8は、それぞれ独立して、水素またはアルキル、特にC1−C6−アルキルであり、
R3は、水素、ハロゲン、アルキル、特にC1−C6−アルキル、トリフルオロメチルまたはヒドロキシアルキル、特にC1−C6−ヒドロキシアルキルであり、そして
R4は、水素、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、
アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、
シクロアルキル、特にC3−C6−シクロアルキルまたは
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシであり、
【0089】
kは、0または1であり、
Aは、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C6−アルケニレンであり、これはC1−C3−アルキル、ヒドロキシ、C1−C3−アルコキシ、フッ素、シアノまたはフェニルで1〜3回任意に置換されていてもよい、または
少なくとも4つの炭素原子を有するアルカジエニレン、特にC4−C6−アルカジエニレンであり、これはC1−C3−アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルで1〜2回任意に置換されていてもよい、
C1−C3−アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルで任意に置換されていてもよい1,3,5−ヘキサトリエニレン
エチニレンであり、
Dは、アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよいアルキレン、特にC1−C10−アルキレン、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよく、2重結合が環Eに結合していてもよい、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C10−アルケニレン、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよく、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニレン、特にC3−C10−アルキニレン、
1〜3のメチレン単位がO、S、NR9、CO、SOまたはSO2でそれぞれ等価的に置き換えられている、アルキレン、特にC1−C10−アルキレン、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C10−アルケニレンまたは、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニレン、特にC3−C10−アルキニレン
から選択され、ここで
R9は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、アシル、特にC1−C6−アシルまたはアルキルスルホニル、特にC1−C6−アルキルスルホニルから選択され、
Eは、
【0090】
【化10】
【0091】
または
【0092】
【化11】
【0093】
から選択され、ここで複素環は任意に2重結合を有していてもよく、そして
nおよび
pは、n+p≦4という条件で、それぞれ独立して0、1、2または3であることができ、
qは、2または3であり、
R10は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、カルボキシまたは少なくとも2つの炭素原子を有するアルコキシカルボニル、特にC2−C7−アルコキシカルボニルであり、そして
R11は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、または窒素原子に隣接しているオキソ基であり、ここで
R10およびR11は、任意に一緒になって、1、2、3、4または5の炭素原子を有するアルキレン架橋、特にC1−C3−アルキレン架橋を形成して、2環式系を形成していてもよく、
Gは、水素、G1、G2、G3、G4およびG5から選択され、ここで
G1は、残基
−(CH2)r−(CR13R14)s−R12 (G1)
を表し、ここで
rは、1〜3の整数または0であり、そして
sは、0または1であり、
【0094】
R12は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、少なくとも3つの炭素原子を有するアルケニル、特にC3−C6−アルケニル、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニル、特にC3−C6−アルキニル、少なくとも3つの炭素原子を有するシクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群からの1つまたは2つの複素原子を含むことのできる5〜7員の飽和複素環式基、
ベンジルまたはフェニル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群からの1〜3の複素原子を含むことができ、直接またはメチレン基を介して結合している、5〜6員の単環式芳香複素環式基、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された炭素環式基であって、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された複素環式基であって、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択され、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
から選択され、
【0095】
R13は、R12と同じ意味を有するが、それらから独立して選択され、
R14は、水素、ヒドロキシ、メチル、ベンジル、フェニル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群から選択される1〜3の複素原子を含むことができ、直接またはメチレン基を介して結合している、5〜6員の単環式芳香複素環式基、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された炭素環式基であって、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された複素環式基であって、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択され、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
から選択され、
G2は、残基
【0096】
【化12】
【0097】
または
【0098】
【化13】
【0099】
であり、ここで置換基R12およびR14は、上記の意味を有するか、または基
−NR12R14
は、必須の窒素原子のほかに、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1つまたは2つの複素原子をさらに任意に含んでいてもよい、飽和もしくは不飽和の、単環式の、4〜8員の複素環式基、
必須の窒素原子のほかに、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1つまたは2つの複素原子をさらに任意に含んでいてもよい、飽和もしくは不飽和の、2−もしくは3−環式の、縮合もしくは架橋した、8〜16の環原子を有する複素環式基
から選択される含窒素複素環式基であり、該窒素原子を介して結合しており、
G3は、残基
−SO2−(CH2)rR12 (G3)
であり、そして
G4は、残基
【0100】
【化14】
【0101】
であり、ここで
Ar1およびAr2は、それぞれ独立して、フェニル、ピリジルまたはナフチルから選択され、そして
G5は、残基
−COR15 (G5)
であり、ここで
R15は、トリフルオロメチル、アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、アルケニルオキシ、特にC3−C6−アルケニルオキシ、またはベンジルオキシから選択される。
【0102】
上記において、置換基R1、R2、R4、R12、R13、R14、R15、Ar1およびAr2ならびに/または環式基−NR12R14におけるアリール残基および/または芳香族環式基は、いずれもそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アルキル、特にC1−C6アルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、全体的にもしくは部分的にフッ素で置換されたアルコキシ、置換アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、メルカプト、アルキルチオ、特にC1−C6アルキルチオ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、特にC1−C6アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、特にモノ−C1−C6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、特にジ−(C1−C6アルキル)−アミノおよび芳香族環もしくは環式基上の2つの隣接した基に対するメチレンジオキシから選択される、1〜3の、同一または異なった基で置換され得る。
【0103】
また、上記において、置換基R1〜R13のそれぞれの置換基、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキレン、アシル、アルキルスルホニル、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルまたはジアルキルアミノカルボニルは、それらの構造によって、1〜2または4、6、8、10もしくは12の炭素原子および/または2もしくは3〜5、7、9、11もしくは13および/または15の炭素原子、あるいは4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15の炭素原子を有することができ、
ならびに立体異性体および/またはそれらの混合物、ならびに医薬的に許容される酸付加塩、
ただし、(E)−3−(3−ピリジル)−N−[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]−2−プロペンアミドの塩酸塩を除く。
【0104】
本発明のさらに好ましい形態において、WO97/48697に開示されている式(III)の化合物は、本発明に含まれない:
【0105】
【化15】
【0106】
[式中、
R1は、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、アミノカルボニル、カルボキシ、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ピリジルオキシ、ピリジルチオ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、
アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、
ヒドロキシアルキル、特にC1−C6−ヒドロキシアルキル、
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシ、
アルケニルオキシ、特にC3−C6−アルケニルオキシ、
アルキニルオキシ、特にC3−C6−アルキニルオキシ、
アルカノイルオキシ、特にC1−C7−アルカノイルオキシ、
アルコキシカルボニルオキシ、特にC2−C7−アルコキシカルボニルオキシ
アルキルチオ、特にC1−C6−アルキルチオ、
アルケニルチオ、特にC3−C6−アルケニルチオ、
アルキニルチオ、特にC3−C6−アルキニルチオ、
シクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、
シクロアルキルオキシ、特にC3−C8−シクロアルキルオキシ、
シクロアルキルチオ、特にC3−C8−シクロアルキルチオ、
アルコキシカルボニル、特にC2−C7−アルコキシカルボニル、
アルキルアミノカルボニル、特にC2−C7−アルキルアミノカルボニル、
ジアルキルアミノカルボニル、特にC3−C13−ジアルキルアミノカルボニル、または
【0107】
NR5R6であり、ここで
R5および
R6は、それぞれ独立して、水素
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、および
アルキニル、特にC3−C6−アルキニルから選択される、
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ベンジルオキシ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシまたは
アルカノイルオキシ、特にC1−C7−アルカノイルオキシであり、
ここで、R1およびR2は、もしそれらが隣接しているならば、
−(CH2)4−、−(CH=CH)2−および−CH2O−CR7R8−O−から選択される結合を任意に形成していてもよく、ここで
R7および
R8は、それぞれ独立して、水素またはアルキル、特にC1−C6−アルキルであり、
R3は、水素、ハロゲン、アルキル、特にC1−C6−アルキル、トリフルオロメチルまたはヒドロキシアルキル、特にC1−C6−ヒドロキシアルキルであり、そして
【0108】
R4は、水素、ヒドロキシ、ベンジルオキシ、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、
アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、
アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、
シクロアルキル、特にC3−C6−シクロアルキルまたは
アルコキシ、特にC1−C6−アルコキシであり、
kは、0または1であり、
Aは、アルキレン、特にC1−C6−アルキレンであり、これはアルキル、特にC1−C3−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、特にC1−C3−アルコキシ、フッ素またはフェニルで1〜3回任意に置換されていてもよい、または
1,2−シクロプロピレン、あるいは
少なくとも2つ以上の炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C6−アルケニレンであり、これはC1−C3−アルキル、ヒドロキシ、C1−C3−アルコキシ、フッ素、シアノまたはフェニルで1〜3回任意に置換されていてもよい、または少なくとも4つの炭素原子を有するアルカジエニレン、特にC4−C6−アルカジエニレンであり、これはC1−C3−アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルで1〜2回任意に置換されていてもよい、
C1−C3−アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルで任意に置換されていてもよい1,3,5−ヘキサトリエニレン
エチニレン、あるいは
【0109】
1つのメチレン単位がO、S、NR9、CO、SOまたはSO2でそれぞれ等価的に置き換えられていてもよい(ただし、=COはアミド基に隣接することができない)、少なくとも2つの炭素原子を有するアルキレン、特にC2−C6−アルキレンであり、
R9は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、アルケニル、特にC3−C6−アルケニル、アルキニル、特にC3−C6−アルキニル、アシル、特にC1−C6−アシルまたはアルキルスルホニル、特にC1−C6−アルキルスルホニルから選択され、
Dは、アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよいアルキレン、特にC1−C10−アルキレン、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよく、2重結合が環Eに結合していてもよい、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C10−アルケニレン、
アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシ、特にC1−C6−アルコキシで1回または2回任意に置換されていてもよく、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニレン、特にC3−C10−アルキニレン、
1〜3のメチレン単位がO、S、NR10、CO、SOまたはSO2でそれぞれ等価的に置き換えられている、アルキレン、特にC1−C10−アルキレン、少なくとも2つの炭素原子を有するアルケニレン、特にC2−C10−アルケニレンまたは、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニレン、特にC3−C10−アルキニレン、
から選択され、ここで
R10は、R9と同じ意味を有するが、それからは独立して選択され、
Eは、
【0110】
【化16】
【0111】
または
【0112】
【化17】
【0113】
から選択され、ここで複素環は任意に2重結合を有していてもよく、そして
nおよび
pは、n+p≦4という条件で、それぞれ独立して0、1、2または3であることができ、
qは、2または3であり、
R11は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、カルボキシまたは少なくとも2つの炭素原子を有するアルコキシカルボニル、特にC2−C7−アルコキシカルボニルであり、そして
R12は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、または窒素原子に隣接しているオキソ基であり、ここで
R11およびR12は、任意に一緒になって、1、2、3、4または5の炭素原子を有するアルキレン架橋、特にC1−C3−アルキレン架橋を形成して、2環式系を形成していてもよく、
Gは、水素、G1、G2、G3、G4およびG5から選択され、ここで
G1は、残基
−(CH2)r−(CR14R15)s−R13 (G1)
を表し、ここで
rは、1〜3の整数または0であり、そして
sは、0または1であり、
【0114】
R13は、水素、アルキル、特にC1−C6−アルキル、少なくとも3つの炭素原子を有するアルケニル、特にC3−C6−アルケニル、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキニル、特にC3−C6−アルキニル、少なくとも3つの炭素原子を有するシクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群からの1つまたは2つの複素原子を含むことのできる5〜7員の飽和複素環式基、
ベンジルまたはフェニル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群からの1〜3の複素原子を含むことができ、直接またはメチレン基を介して結合している、5〜6員の単環式芳香複素環式基、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された炭素環式基であって、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された複素環式基であって、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択され、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
から選択され、
【0115】
R14は、R13と同じ意味を有するが、それから独立して選択され、
R15は、水素、ヒドロキシ、メチル、ベンジル、フェニル、
Nおよび/またはSおよび/またはOの群から選択される1〜3の複素原子を含むことができ、直接またはメチレン基を介して結合している、5〜6員の単環式芳香複素環式基、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された炭素環式基であって、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合した2−および3−環式の、芳香族の、または部分的に水素化された複素環式基であって、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択され、芳香族の環または水素化された環を介して、そして直接またはメチレン基を介して結合することができる、
から選択され、
G2は、残基
【0116】
【化18】
【0117】
または
【0118】
【化19】
【0119】
であり、ここで置換基R13およびR15は、上記の意味を有するか、または基
−NR13R15
は、必須の窒素原子のほかに、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1つまたは2つの複素原子をさらに任意に含んでいてもよい、飽和もしくは不飽和の、単環式の、4〜8員の複素環式基、
必須の窒素原子のほかに、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1つまたは2つの複素原子をさらに任意に含んでいてもよい、飽和もしくは不飽和の、2−もしくは3−環式の、縮合もしくは架橋した、8〜16の環原子を有する複素環式基
から選択される含窒素複素環式基であり、該窒素原子を介して結合しており、
G3は、残基
−SO2−(CH2)rR13 (G3)
であり、そして
G4は、残基
【0120】
【化20】
【0121】
であり、ここで
Ar1およびAr2は、それぞれ独立して、フェニル、ピリジルまたはナフチルから選択され、そして
G5は、残基
−COR16 (G5)
であり、ここで
R16は、トリフルオロメチル、アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、アルケニルオキシ、特にC3−C6−アルケニルオキシ、またはベンジルオキシから選択される。
【0122】
上記において、置換基R1、R2、R4、R13、R14、R15、R16、Ar1およびAr2ならびに/または環式基−NR13R15におけるアリール残基および/または芳香族環式基は、いずれもそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、アルキル、特にC1−C6アルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、特にC3−C8−シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、全体的にもしくは部分的にフッ素で置換されたアルコキシ、置換アルコキシ、特にC1−C6アルコキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、メルカプト、アルキルチオ、特にC1−C6アルキルチオ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、特にC1−C6アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、特にモノ−C1−C6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、特にジ−(C1−C6アルキル)−アミノおよび芳香族環もしくは環式基上の2つの隣接した基に対するメチレンジオキシから選択される、1〜3の、同一または異なった基で置換され得る。
【0123】
また、上記において、置換基R1〜R14のそれぞれの置換基、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキレン、アシル、アルキルスルホニル、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルまたはジアルキルアミノカルボニルは、それらの構造によって、1〜2または4、6、8、10もしくは12の炭素原子および/または2もしくは3〜5、7、9、11もしくは13および/または15の炭素原子、あるいは4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15の炭素原子を有することができる。
【0124】
ならびに立体異性体および/またはそれらの混合物、ならびに医薬的に許容される酸付加塩。
【0125】
本発明のさらに好ましい形態において、WO99/31063に開示されている式(IV)の化合物は、本発明に含まれない:
【0126】
【化21】
【0127】
[式中、
R1は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノカルボニル、カルボキシ、
アルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルのような、飽和、1〜数個の不飽和、分岐状もしくは直鎖状もしくは環式炭化水素残基、
フェニルのようなアリールまたはピリジルのようなヘテロアリール、
アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アルケニルオキシ、またはアルキニルオキシ、またはベンジルオキシ基のようなアラルキルオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、フェノキシのようなアリールオキシ、ピリジルオキシのようなヘテロアリールオキシ、フェニルチオのようなアリールチオ、ピリジルチオのようなヘテロアリールチオ、
トリフルオロメチル、
ヒドロキシアルキル、
NR5R6[式中、R5およびR6は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニルのような飽和もしくは不飽和炭化水素残基またはフェニルのようなアリールおよびベンジルのようなアラルキルから互いに独立して選択される]
から選択され;
【0128】
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキルのような飽和炭化水素残基、またはトリフルオロメチルのようなハロゲン化炭化水素残基、ヒドロキシ、アルコキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ残基ならびにアルカノイルオキシから選択され、
ここで、R1およびR2が、互いに隣接している場合には、−(CH2)4−および−(CH=CH)2−および−CH2O−CR7R8−O−[式中、R7およびR8は互いに独立して水素およびアルキル残基から選択される]から選択される橋かけを任意に形成し;
R3は、水素、ハロゲン、アルキルのような飽和炭化水素残基、またはトリフルオロメチルのようなハロゲン化炭化水素残基、またはヒドロキシアルキルから選択され;
R4は、水素、ヒドロキシ、またはアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはシクロアルキルのような1〜数個の不飽和、分岐状もしくは直鎖状もしくは環式炭化水素残基、アルコキシおよびベンジルオキシのようなアラルキルオキシから選択され;
kは、0または1であり;
【0129】
Aは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素のようなハロゲン、またはフェニルのようなアリールのような直鎖状もしくは分岐状炭化水素残基で、1〜3個任意に置換されているアルキレン、
アルキレン[式中、メチレン単位が、等配電子的にO、S、NR9、CO、SOまたはSO2で置きかえられており、COを除いて、等配電子的な置換はアミド基に隣接することができず、NR9において、残基R9は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアルカンスルホニルから選択される];
1,2−シクロプロピレンのようなシクロアルキレン;
アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素、シアノまたはフェニルのようなアリールで1〜3個任意に置換されているアルケニレン;
アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルのようなアリールで1または2個任意に置換されたアルカジエニレン、
アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルのようなアリールで任意に置換された1,3,5−ヘキサトリエニレンならびに
エチニレンから選択され;
Dは、アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシで1または2個任意に置換されたアルキレン;
アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシで1または2個任意に置換されたアルケニレン;
アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシで1または2個任意に置換されたアルキニレンならびに、
アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン[式中、1〜3のメチレン単位が各々等配電子的に、O、S、NR10、CO、SOまたはSO2で置きかえられている[式中、R10は、R9と同じ意味を有するが、そこから独立して選択される]]から選択され;
Eは、
【0130】
【化22】
【0131】
[ここで、
qは、1、2または3であり;
R11は、水素、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、カルボキシもしくはアルコキシカルボニルから選択され、
R12は水素、アルキルもしくは窒素原子に隣接したオキソ基から選択されるか、または、
R11およびR12は一緒になって、2環式環系を形成するアルキレン橋かけを任意に形成する]であり;
Gは、G1、G2、G3、G4またはG5から選択され
ここで、
G1は、
−(CH2)r−(CR14R15)s−R13 (G1)
[ここで、
rは、意味0〜3を有し、
sは、0または1であり;
R13は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル;
Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1または2のヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和、4〜8員のヘテロ環;
ベンジル、フェニル;
Nおよび/またはSおよび/またはOから選択された1〜3のヘテロ−原子を含んでもよく、直接結合するか、またはメチレン基を介して結合した、単環式芳香族5−または6−員のヘテロ環;
【0132】
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有し、縮合2および3環式芳香族または部分的に水素化された炭化水素環系[ここで、その結合は芳香環もしくは水素化された環を介して起こるか、または直接もしくはメチレン基を介して起きてもよい];
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合2および3環式芳香族または部分的に水素化されたヘテロ環式環系[ここで、1〜3の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択されてもよく、結合は芳香環もしくは水素化された環を介して起こるか、または直接もしくはメチレン基を介して起きてもよい]
から選択され;
R14は、R13と同じ意味を有するが、そこから独立して選択され;
R15は、水素、ヒドロキシ、C1−C3−アルキル、ベンジルのようなアラルキルまたはフェニルのようなアリール、
群Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1〜3のヘテロ原子を含んでもよく、直接結合するかまたはメチレン基を介して結合した単環式芳香族5もしくは6員のヘテロ環、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合2および3環式芳香族もしくは部分的に水素化された炭化水素環系[式中、連結は芳香環または水素化された環を介して起こるか、または直接もしくはメチレン基を介して起こる]、
8〜16の環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合2および3環式芳香族もしくは部分的に水素化されたヘテロ環式環系[式中、1〜3の環原子は、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択されてもよく、連結は、芳香環もしくは水素化された環を介して起きるか、または直接もしくはメチレン基を介して起きてもよい]
から選択される]であり、
【0133】
ただし、
Gが以下の意味
−(CH2)r−(CR14R15)s−R13 (G1)
[以下の置換基が同時に意味する場合、
R13が、ピリジルまたは(任意にハロゲン−、アルキル−、アルコキシ−もしくはトリフルオロメチル−置換された)フェニル、
R14が、水素またはハロゲン−、アルキル−、アルコキシ−もしくはトリフルオロメチルで任意に置換されたフェニル、
R15が、水素であり、
Aが、アルキレン、任意に置換されたエテニレンまたはブタジエニレンを意味し、
Dが、アルキレンまたはアルケニレン、ならびに
Eが、ピペラジンまたはホモピペラジンおよび
s=1]を有する化合物を除く;
G2は、
【0134】
【化23】
【0135】
[ここで、rおよびsならびに置換基R13〜R15は、上記の意味を有するか、または基
−NR13R15
は、必須の窒素原子のほかに、さらにNおよび/またはSおよび/またはOから選択されるヘテロ原子をさらに1または2を任意に含んでもよい飽和もしくは不飽和単環式、4〜8員のヘテロ環、または
必須の窒素原子のほかに、さらにNおよび/またはSおよび/またはOから選択されるヘテロ原子の1または2を任意に含んでもよい8〜16の環原子を有する、飽和もしくは不飽和、2もしくは3環式、縮合もしくは橋かけヘテロ環、
から選択される、窒素原子を介して結合した窒素ヘテロ環であってもよい]から選択され;
G3は、意味−SO2−(CH2)r−R13 (G3)
[式中、rおよびR13は上記の定義を有する]を有し、
G4は、意味
【0136】
【化24】
【0137】
[ここで、Ar1およびAr2は、フェニル、ピリジルまたはナフチルから互いに独立して選択される]を有し;
G5は、意味
【0138】
−COR16 (G5)
[ここで、
R16は、トリフルオロメチル、アルコキシ、アルケニルオキシおよびベンジルオキシのようなアラルキルオキシから選択される]を有し、
ここで、置換基R1、R2、R4、R5、R6、R13、R14、R15、R16、Ar1およびAr2ならびに/または環系−NR13R15中の芳香族環系は、
ハロゲン、シアノ、アルキル、トリフルオロメチルのようなハロゲン化アルキル、シクロアルキル、フェニルのようなアリール、ベンジルのようなアリールアルキル;ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フッ素で全体にもしくは部分的に置換されたアルコキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ、フェノキシのようなアリールオキシ; メルカプト、アルキルチオ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ならびに芳香環上の2つの隣接する残基の場合、メチレンジオキシも、
から選択される1〜3の同一もしくは異なる置換基で互いに独立に置換されてもよく、
ここで、基G1、G2およびG3中のアルキル−、アルケニル−およびシクロアルキル残基は、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される1もしくは2の同一もしくは異なる基で置換されていてもよい]
の化合物、
それらのシス−およびトランス−異性体、E−およびZ−異性体、特にAがシクロプロパン環であるか、もしくはDが1つもしくはそれ以上の2重結合を含む場合には、鏡像異性体、ジアステレオマーおよびその他の異性体を含み、さらにそれらのラセミもしくは非ラセミ混合物、ならびに環系Eが2環式である場合、相当するエンド−およびエキソ異性体;
それらの互変異性化合物;
ならびにそれらの水和物および溶媒和物を含むそれらの酸付加塩。
【0139】
本発明のさらに好ましい形態において、WO99/31060に開示されている式(V)の化合物は、本発明に含まれない:
【0140】
【化25】
【0141】
[式中、R1は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、カルボキシ;
アルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルのような、飽和、1〜数個の不飽和、分岐状もしくは直鎖状もしくは環式炭化水素残基;
トリフルオロメチル又はヒドロキシアルキル;
フェニルのようなアリールまたはピリジルのようなヘテロアリール;
アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、またはベンジルオキシ基のようなアラルキルオキシ、アルコキシカルボニル;アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ;
アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ;
フェノキシのようなアリールオキシ、ピリジルオキシのようなヘテロアリールオキシ、ピリジルチオのようなヘテロアリールチオ、及びNR5R6[式中、R5およびR6は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニルのような飽和もしくは不飽和炭化水素残基またはフェニルのようなアリールおよびベンジルのようなアラルキルから互いに独立して選択される]
から選択され;
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキルのような飽和炭化水素残基、またはトリフルオロメチルのようなハロゲン化炭化水素残基、ヒドロキシ、アルコキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ残基ならびにアルカノイルオキシから選択され、
【0142】
ここで、R1およびR2が、互いに隣接している場合には、−(CH2)4−および−(CH=CH)2−および−CH2O−CR7R8−O−[式中、R7およびR8は互いに独立して水素およびアルキル残基から選択される]から選択される橋かけを任意に形成し;
R3は、水素、ハロゲン、アルキルのような飽和炭化水素残基、またはトリフルオロメチルのようなハロゲン化炭化水素残基、またはヒドロキシアルキルから選択され;
R4は、水素、ヒドロキシ、またはアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはシクロアルキルのような1〜数個の飽和、不飽和、分岐状もしくは直鎖状もしくは環式炭化水素残基、アルコキシおよびベンジルオキシのようなアラルキルオキシから選択され;
kは、0または1であり;
Aは、少なくとも2個の炭素原子を有し、アルキルのような直鎖状もしくは分岐状炭化水素残基、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素のようなハロゲン、またはフェニルのようなアリールで、1〜3個任意に置換されているアルキレン、
少なくとも2個の炭素原子を有するアルキレン[式中、メチレン単位が、等配電子的にO、S、NR9、CO、SOまたはSO2で置きかえられており、COを除いて、等配電子的な置換はアミド基に隣接することができず、NR9において、残基R9は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアルカンスルホニルから選択される];
【0143】
1,2−シクロプロピレンのようなシクロアルキレン;
少なくとも2個の炭素原子を有し、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素、シアノまたはフェニルのようなアリールで1〜3個任意に置換されているアルケニレン;
少なくとも4個の炭素原子を有し、アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルのようなアリールで1または2個任意に置換されたアルカジエニレン;
アルキル、フッ素、シアノまたはフェニルのようなアリールで任意に置換された1,3,5−ヘキサトリエニレン;ならびに
エチニレン
から選択され、
Dは、少なくとも2個の炭素原子を有し、アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシで1または2個任意に置換されたアルキレン;
少なくとも4個の炭素原子を有し、アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシで1または2個任意に置換されたアルケニレン;
少なくとも4個の炭素原子を有し、アルキル、ヒドロキシまたはアルコキシで1または2個任意に置換されたアルキニレンならびに、
それぞれ少なくとも2個又は4個の炭素原子を有するアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン[式中、1〜3のメチレン単位が各々等配電子的に、O、S、NR10、CO、SOまたはSO2で置きかえられている[式中、R10は、R9と同じ意味を有するが、独立して選択される]]から選択され;
Eは、
【0144】
【化26】
【0145】
及び
【0146】
【化27】
【0147】
[ここで、複素環は、任意に二重結合を有していてもよく、かつ
nとpは、互いに独立して0、1、2又は3であってもよく、但しn+p≦4であり、
qは、1、2または3であり;
R11は、水素、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、カルボキシもしくは少なくとも2個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルから選択され、
R12は、水素、アルキルもしくは窒素原子に隣接したオキソ基から選択され、または、
R11およびR12は一緒になって、2環式環系を形成するC1−C3アルキレン橋かけを任意に形成する]から選択され、
Gは、G1、G2、G3、G4またはG5から選択され、
【0148】
ここで、G1は、基
−(CH2)r−(CR14R15)s−R13 (G1)
[rは、0〜3の数であり、
sは、0または1であり;
R13は、水素、飽和又は環式基に少なくとも3個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル、アルキニル、シクロアルキル;
Nおよび/またはSおよび/またはOから選択される1または2個のヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和、4〜7員のヘテロ環;
ベンジル、フェニル;
Nおよび/またはSおよび/またはOから選択された1〜3個のヘテロ原子を含んでもよく、直接結合するか、またはメチレン基を介して結合した、単環式芳香族5−または6−員のヘテロ環;
8〜18、好ましくは16個までの環原子および少なくとも1つの芳香環を有する縮合2もしくは3環式芳香族または部分的に水素化された炭化水素環系[ここで、その結合は芳香環もしくは水素化された環を介するか、または直接もしくはメチレン基を介していてもよい];
8〜18、好ましくは16個までの環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合2および3環式芳香族または部分的に水素化されたヘテロ環式環系[ここで、1〜3個の環原子はNおよび/またはSおよび/またはOから選択されてもよく、結合は芳香環もしくは水素化された環を介するか、または直接もしくはメチレン基を介していてもよい]
から選択され;
【0149】
R14は、R13と同じ意味を有するが、独立して選択され;
R15は、水素、ヒドロキシ、メチル、ベンジル、フェニル;
Nおよび/またはSおよび/またはOの基から選択される1〜3個のヘテロ原子を含んでもよく、直接結合するかまたはメチレン基を介して結合した単環式芳香族5もしくは6員のヘテロ環;
8〜18、好ましくは16個までの環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合2および3環式芳香族もしくは部分的に水素化された炭化水素環系[式中、連結は芳香環または水素化された環を介するか、または直接もしくはメチレン基を介する];
8〜18、好ましくは16個までの環原子および少なくとも1つの芳香環を有する、縮合2および3環式芳香族もしくは部分的に水素化されたヘテロ環式環系[式中、1〜3個の環原子は、Nおよび/またはSおよび/またはOから選択されてもよく、連結は、芳香環もしくは水素化された環を介するか、または直接もしくはメチレン基を介する]
から選択される}であり、
【0150】
G2は、
=(C)uR13R15 (G2)
{ここで、R13とR15は上記の意味を有し、かつ
uは、0もしくは1の数を示すか、又はu=1である場合に二重結合によってEに結合される基
=CR13R15
を意味するか、又は少なくとも3個の炭素原子を有するシクロアルキル;N及び/又はS及び/又はOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含むことができる4〜7員の飽和された複素環;8〜18、好ましくは16個までの環原子と少なくとも1つの芳香環を有する縮合された二-及び三環式の部分的に水素化された炭素環式環系;1〜3個の環原子がN及び/又はS及び/又はOから選択され、8〜18、好ましくは16個までの環原子と少なくとも1つの芳香環を有する縮合された二-及び三環式の部分的に水素化された複素環式環系から選択される、炭素原子を介して結合する環系を意味するか、又は
u=0である場合に、2つの本来の置換基R13とR15が、シクロアルキル、N及び/又はS及び/又はOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含むことができる飽和した4〜7員の複素環;8〜18、好ましくは16個の環原子と少なくとも1つの芳香環を有する縮合された二-及び三環式の部分的に水素化された炭素環式環系;1〜3個の環原子がN及び/又はS及び/又はOから選択され、8〜18、好ましくは16個までの環原子と少なくとも1つの芳香環を有する縮合された二-及び三環式の部分的に水素化された複素環式環系から選択される環Eの結合原子とともに、スピロ環を形成できる}を意味し、
G3は、
【0151】
【化28】
【0152】
または
【0153】
【化29】
【0154】
{ここで、rおよびsならびに置換基R13、R14およびR15は、上記の意味を有するか、または基
−NR13R15
は、必須の窒素原子のほかに、さらにNおよび/またはSおよび/またはOから選択されるヘテロ原子をさらに1または2を任意に含んでもよい飽和もしくは不飽和単環式、4〜8員のヘテロ環、または
必須の窒素原子のほかに、さらにNおよび/またはSおよび/またはOから選択されるヘテロ原子の1または2を任意に含んでもよい8〜18、好ましくは16までの環原子を有する、飽和もしくは不飽和、2もしくは3環式、縮合もしくは橋かけヘテロ環、
から選択される、窒素原子を介して結合した窒素ヘテロ環であってもよい}から選択され;
G4は、
−NR16−(CH2)r−(CR14R15)s-R13 (G4a)又は
【0155】
【化30】
【0156】
又は
【0157】
【化31】
【0158】
又は
−NR16−SO2−(CH2)r−R13 (G4d)
又は
【0159】
【化32】
【0160】
又は
−NR16−COR17 (G4f)
{ここで、rおよびsならびに置換基R13、R14およびR15は上記の意味を有し、かつ、
R16は、R5と同じ意味を有するが、個々に選択され、
R17は、少なくとも3個の炭素原子を有するトリフルオロメチル、アルコキシ、アルケニルオキシ;又はベンジルオキシから選択され、かつ、
Ar1とAr2は、互いに独立してフェニル、ピリジル又はナフチルから選択される}を意味し、
G5は、
−W−(CH2)r−(CR14R15)s-R13 (G5a)
又は
【0161】
【化33】
【0162】
{ここで、rおよびsならびに置換基R13、R14、R15、Ar1とAr2は上記の意味を有し、かつ、
Wは0又はSである}を意味し、
ここで、置換基R1、R2、R4、R5、R6、R13、R14、R15、R16、R17、Ar1とAr2における環系 =CR13R15、−NR13R15及び任意にER13R15ならびに芳香環系は、ハロゲン、シアノ、アルキル、トリフルオロメチル、少なくとも3個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フッ素で完全にもしくは部分的に置換されたアルコキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、メルカプト、アルキルチオ、カルボキシ、カルボキシアルキル、少なくとも2個の炭素原子を有するカルボキシアルケニルもしくは少なくとも2個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ及び芳香環の2つの隣り合う基に対しては、メチレンジオキシから選択される同じ又は異なる1〜3個の基で互いに独立して置換されていてもよく、かつ基G1〜G5でのアルキル、アルケニル及びシクロアルキル基は、ヒドロキシ、カルボキシ、少なくとも2個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アミノ、モノアルキルアミノ及びジアルキルアミノから選択される同じか又は異なる1もしくは2個の基で置換されていてもよく、
【0163】
ここで、Gは、同時に、
R13が、水素、アルキル又はハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシもしくはトリフルオロメチルで任意に置換されるフェニルであり、
R14及び/又はR15が、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシもしくはトリフルオロメチルで任意に置換されるピリジルもしくはフェニルであり、
Aが、エテニレン又はブタジエニレンで任意に置換されるアルキレン、
Dがアルキレン、かつ
Eが4位で置換されたピペリジン
である際に、
−CHR14−R13 又は −C(OH)R14−R13 又は
=CR13R15 又は −O−CHR14−R13
を意味することができない]
の化合物、
それらのシス−およびトランス−異性体、上記化合物のE−およびZ−異性体、特にAがシクロプロパン環であるか、もしくはDが1以上の二重結合を含む場合には、上記化合物の鏡像異性体、ジアステレオマーおよびその他の異性体を含み、さらにそれらのラセミもしくは非ラセミ混合物、ならびに上記化合物の純粋なエンド−及び/又はエキソ異性体、さらにその混合物;
それらのそれぞれの互変異性化合物;及び
それらの水和物および溶媒和物を含む上記化合物の酸付加塩。
【0164】
本発明のさらに好ましい形態において、WO99/31087に開示されている式(VI)の化合物は、本発明に含まれない:
【0165】
【化34】
【0166】
[式中、置換基は次の意味を有する:
R1は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ、アルカノイルオキシ、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、カルボキシ、フェニルのようなアリール、フェノキシのようなアリールオキシ、フェニルチオのようなアリールチオ、ピリジルオキシのようなヘテロアリールオキシ、ピリジルチオのようなヘテロアリールチオ及びNR4R5(ここで、R4及びR5は互いに独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジルのようなアラルキル及びフェニルのようなアリールから選択される)から選択され、
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ及びベンジルオキシのようなアラルキルオキシから選択され、
R3は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ及びベンジルオキシのようなアリールオキシから選択され、
kは、0又は1であり、
【0167】
Aは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素もしくはフェニルのようなアリールで任意に1〜3個置換されたアルキレン、
メチレン単位がO、S、NR6、CO、SOもしくはSO2で等配電子的に置き換えられたアルキレン(ここで、COを除いて、等配電子的な置換はアミン基には隣接することはできず、R6は水素、アルキル、アルケニル、アシルもしくはアルカンスルホニルから選択される);
1,2−シクロプロピレン;
アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素、シアノもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換されたアルケニレン;
アルキル、フッ素、シアノもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換されたアルカジエニレン;
C1−C3−アルキル、フッ素、シアノもしくはフェニルで任意に置換されたヘキサトリエニレン;及び
エチニレンから選択され、
【0168】
Dは、アルキル、ヒドロキシもしくはアルコキシで1もしくは2回任意に置換されたアルキレン;
アルキル、ヒドロキシもしくはアルコキシで1もしくは2回任意に置換されたアルケニレン;
アルキル、ヒドロキシもしくはアルコキシで1もしくは2回任意に置換されたアルキニレン;及び
1〜3個のメチレン単位がO、S、NR7、CO、SOもしくはSO2で等配電子的に置き換えられているアルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(ここで、R7はR6と同じ意味であるが、独立して選ばれる)から選択され;
Eは、5〜7個の環原子を有する飽和もしくは不飽和の単環式イミド(ここで、必須のイミド窒素原子のほかに、N及び/又はS及び/又はOから選択されるヘテロ原子がこのイミド環中にさらに1又は2個あってもよい);
8〜18個の環原子を有する飽和、不飽和もしくは芳香族の、縮合した2−、3−もしくは4−環式イミド(ここで、必須のイミド窒素原子のほかに、N及び/又はS及び/又はOから選択されるヘテロ原子がさらに1〜3個あってもよい);
8〜22個の環原子を有する飽和もしくは不飽和の架橋した2−、3−、4−もしくは5−環式イミド(ここで、必須のイミド窒素原子のほかに、N及び/又はS及び/又はOから選択されるヘテロ原子がさらに1〜3個あってもよい);
任意に1もしくは2回縮合しており、全部で9〜23個の環原子を有する飽和もしくは不飽和のスピロ環式イミド(ここで、必須のイミド窒素原子のほかに、N及び/又はS及び/又はOから選択されるヘテロ原子がさらに1〜3個あってもよい);
から選択されるDにイミド窒素原子を介して結合している一般式
【0169】
【化35】
【0170】
又は
【0171】
【化36】
【0172】
の環状イミドであり、
ここで、これらの環状イミドは、
ハロゲン、シアノ、アルキル、アルキリデン、トリフルオロメチル、シクロアルキル、シクロアルキリデン、フェニルアルキル、フェニルアルキリデン、ジフェニルアルキル、ジフェニルアルキリデン、トリフェニルメチル、フェニルのようなアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フッ素で完全にもしくは部分的に置換されたアルコキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ、フェノキシ、ナフチルオキシのようなアリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオもしくはナフチルチオのようなアリールチオ、ピリジルチオのようなヘテロアリールチオ、アルカンスルホニル、フェニルスルホニルもしくはナフチルスルホニルのようなアリールスルホニル、ピリジルスルホニルのようなヘテロアリールスルホニル、スルホ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、モノ−アルキルアミノ、ジ−(アルキル)アミノ、フェニルアミノのようなアリールアミノ、フェニルアルキルアミノのようなアリールアルキルアミノ、ピリジルアミノのようなヘテロアリールアミノ、
N及び/又はS及び/又はOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含むことができ、直結合しているか、又はメチレン基もしくはメチン基を介して結合している、4〜7員の飽和もしくは不飽和の複素環、
N及び/又はS及び/又はOから選択される1〜3個のヘテロ原子を含むことができ、直接結合しているか、又はメチレン基もしくはメチン基を介して結合している、5もしくは6員の単環式芳香複素環、
直接結合しているか、又はメチレン基もしくはメチン基を介して結合している、8〜12個の環原子を有する縮合2環式の芳香族もしくは部分的に水素化された炭素環の環系、
1〜3個の環原子がN及び/又はS及び/又はOから選択され、直接結合しているか、又はメチレン基もしくはメチン基を介して結合している、8〜12個の環原子を有する縮合2環式の芳香族もしくは部分的に水素化された複素環系、
から互いに独立して選択される同一もしくは異なる1〜5個の基で置換されていてもよく、
【0173】
かつ、環状イミドの置換基としてのアリール及びヘテロアリール基は、それら自体が、ハロゲン、シアノ、アルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、ベンジルのようなアラルキル、フェニルのようなアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フッ素で完全にもしくは部分的に置換されたアルコキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ、フェノキシのようなアリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオのようなアリールチオ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、モノ−アルキルアミノ、ジ−(アルキル)アミノ、及び2個の隣接する基に対してはメチレンジオキシから選択される同一もしくは異なる1〜3個の基で置換されていてもよい]
で表されるイミド−置換ピリジルアルカン、アルケン及びアルキン酸アミド類、それらのシス−及びトランス−異性体、上記で定義された化合物のE−及びZ−異性体、特にAがシクロプロパン環であるか、もしくはDが二重結合を1以上含む場合には、上記で定義された化合物の鏡像異性体、ジアステレオマー及びその他の異性体を含み、さらにそれらのラセミ及び/又は非ラセミ混合物、ならびにイミド環系が2環式である場合には上記で定義された化合物の純粋なエンド−及び/もしくはエキソ異性体及びそれらの混合物;
Eが遊離のヒドロキシ、メルカプトもしくはアミノ基で同時に置換された複素環式芳香環を含む最適の場合には、それらの互変異性化合物;ならびに
水和物及び溶媒和物を含む上記で定義された化合物の酸付加塩。
【0174】
本発明のさらに好ましい形態において、WO99/31064に開示されている式(VII)の化合物は、本発明に含まれない:
【0175】
【化37】
【0176】
[式中、置換基は次の意味を有する:
R1は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、トリフルオロメチルのようなフルオロアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ、アルカノイルオキシ、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、カルボキシ、フェニルのようなアリール、フェノキシのようなアリールオキシ、フェニルチオのようなアリールチオ、ピリジルオキシのようなヘテロアリールオキシ、ピリジルチオのようなヘテロアリールチオ及びNR4R5から選択され(ここで、R4及びR5は互いに独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジルのようなアラルキル及びフェニルのようなアリールから選択される)、
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、トリフルオロメチルのようなフルオロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ及びベンジルオキシのようなアラルキルオキシから選択され、
R3は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ及びベンジルオキシのようなアラルキルオキシから選択され、
kは、0又は1であり、
【0177】
Aは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素もしくはフェニルのようなアリールで任意に1〜3個置換されたアルキレン;
メチレン単位がO、S、NR6、CO、SOもしくはSO2で等配電子的に置換されたアルキレン(ここで、COを除いて、等配電子的な置換はアミド基には隣接することはできず、R6は水素、アルキル、アルケニル、アシルもしくはアルカンスルホニルから選択される);
1,2−シクロプロピレン;
アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、フッ素、シアノもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換されたアルケニレン;
アルキル、フッ素、シアノもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換されたアルカジエニレン;
アルキル、フッ素、シアノ、フェニルのようなアリールで任意に置換された1,3,5−ヘキサトリエニレン;及び
エチニレンから選択され、
Dは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換された、少なくとも炭素原子3つのアルキレン;
アルキル、ヒドロキシ、アルコキシもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換された、少なくとも炭素原子3つのアルケニレンもしくは少なくとも炭素原子5つのアルカジエニレン;
アルキル、ヒドロキシ、アルコキシもしくはフェニルのようなアリールで1もしくは2回任意に置換された、少なくとも炭素原子3つのアルキニレンもしくは少なくとも炭素原子5つのアルケニニレン;及び
(G)−末端メチレン基を除く1〜3のメチレン単位が、O、S、NR7、CO、SOもしくはSO2で等配電子的に置換された、それぞれ少なくとも炭素原子3つのアルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(ここで、R7はR6と同じ意味)(これらは独立して選ばれる)から選択され;
Gは、G1、G2、G3、G4、G5又はG6から選択され、但しGは少なくとも一つの芳香環を含むものとし、
【0178】
G1は、
−(CR9R10)m−R8 (G1)
を意味し、ここでmは0又は1、及び
R8は、ベンジル又はジフェニルメチルのようなアラルキル、フェニルのようなアリール;
N及び/又はS及び/又はOから選択された1〜3の異原子を含有でき、直接又はメチレン基を介して結合している単環式の芳香族5又は6員ヘテロ環;
8〜18の環原子及び少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2及び3環式の芳香族又は部分的に水素化された炭素環式環系であって、連結は芳香環又は水素化された環上に、直接又はメチレン基を介して存在することができる;
8〜18の環原子及び少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2及び3環式の芳香族又は部分的に水素化されたヘテロ環式環系であって、1〜3の環原子はN及び/又はS及び/又はOから選ばれ、連結は芳香環又は水素化された環のいずれにあってもよく、直接又はメチレン基を介して存在することができる;から選ばれ、
R9は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル;
ベンジルのようなアラルキル、フェニルのようなアリール;
N及び/又はS及び/又はOから選ばれる1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよく、飽和又は不飽和の4〜6員のヘテロ環;
N及び/又はS及び/又はOから選ばれる1〜3のヘテロ原子を含んでいてもよく、直接又はメチレン基を介して存在することができ、単環式芳香族5又は7員のヘテロ環;
8〜18の環原子及び少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2及び3環式の芳香族又は部分的に水素化された炭素環式環系であって、連結は芳香環又は水素化された環のいずれにあってもよく、直接又はメチレン基を介して存在することができ;
8〜18の環原子及び少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2及び3環式の芳香族又は部分的に水素化されたヘテロ環式環系であって、1〜3の環原子はN及び/又はS及び/又はOから選ばれ、連結は芳香環又は水素化された環上のいずれかに、直接又はメチレン基を介して存在することができ;から選ばれる、
【0179】
R10は、R9と同義であるがそれらから独立して選択することができ、及びヒドロキシであってもよく;
G2は、二重結合によってDと結合する基
=CR8R9 (G2)
(式中、R8及びR9は上記と同義、もしくはこの基=CR8R9は炭素原子を介して結合した環系であってもよく;
8〜18の環原子を有し、少なくとも1つの芳香環を有する縮合された2又は3環式の部分的に水素化された炭素環式系;
8〜18の環原子を有し、少なくとも1つの芳香環を有する縮合された2又は3環式の部分的に水素化されたヘテロ環式系であって、N及び/又はS及び/又はOから選ばれる1又は3のヘテロ原子をさらに含んでいてもよい;から選ばれる)、
G3は、
−X−(CH2)n−(CR9R10)m−R8 (G3a)
又は
−NR8R9 (G3b)
(式中、m及び置換基R8、R9及びR10は上記と同義であることができ、及び
nは、0、1又は2であり、
Xは、NR11、O又はSであり、ここで
R11は、R4と同義であるがそれらから独立して選択することができ、もしくは基−NR8R9は窒素原子を介して結合した窒素へテロ環であってもよく、
8から18の環原子と少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2又は3環式の芳香族又は部分的に水素化されたヘテロ環式系であって、必須の窒素原子のほかは、N及び/又はS及び/又はOから選択された一つ又は二つのさらなる異原子を含んでいてもよい;から選ばれる)、
G4は、
−NR11−C(=O)−Y−(CR9R10)m−R8 (G4a)
又は
−NR11−C(=Z)−NR8R9 (G4b)
ただし、構造要素D−Gは合計1以上のアミド基を含有することはできない(>N−CO−C 又はC−CO−N<)、m及び置換基R8、R9、R10、R11及び基NR8R9は上記と同義、ただし、残基
【0180】
【化38】
【0181】
及び
−C(=O)−Y−(CR9R10)m−R8
は同一であることができない、及び
Yは、メチレン、エチレン、エテニレン、シクロアルキレンから選択されるか、又は結合を示し、及び
ZはO又はSの意味を有し、から選択され、
G5は
−NR11−SO2−R12 (G5)
(式中、R11は上記と同義及び
R12は、アルキル、フェニルのようなアリール;
N及び/又はS及び/又はOから選ばれる1〜3のヘテロ原子を含んでいてもよく、単環式芳香族5又は6員のヘテロ環;
8〜18の環原子及び少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2及び3環式の芳香族又は部分的に水素化された炭素環式環系であって、連結は芳香環又は水素化された環のいずれにあってもよい;
8〜18の環原子及び少なくとも一つの芳香環を有する縮合された2及び3環式の芳香族又は部分的に水素化されたヘテロ環式環系であって、1〜3の環原子はN及び/又はS及び/又はOから選ばれ、連結は芳香環又は水素化された環上のいずれかに存在することができ;から選択され)、から選ばれる、
G6は、
【0182】
【化39】
【0183】
(ここでXは上記と同義であることができ、及び
Ar1とAr2は互いに独立して、フェニル又はナフチルのようなアリールならびにピリジルのようなヘテロアリールから選択され)、から選択され、及び
置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、Ar1及びAr2及び/又は環系=CR8R9 及び−NR8R9における芳香環系は、互いに独立して、1から3つの同一又は異なった
ハロゲン、シアノ、アルキル、トリフルオロメチルのようなフルオロアルキル、シクロアルキル、ベンジルのようなアラルキル、フェニルのようなアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フッ素で全部又は部分的に置換されていてもよいアルコキシ、ベンジルオキシのようなアラルキルオキシ、フェノキシのようなアリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオのようなアリールチオ、スルホ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、及び芳香環上の隣接する2つの残基のためのメチレンジオキシから選ばれ、及び
【0184】
基Gにおけるアルキル及びシクロアルキル残基は、1又は2つの同一又は異なった
ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル、アミノ、モノアルキルアミノ及びジアルキルアミノから選ばれ;
シス−及びトランス−異性体、上記で定義された化合物のE−及びZ−異性体、特にAがシクロプロパン環であるか、もしくはDが1つもしくはそれ以上の2重結合を含む場合には、上記で定義された化合物の鏡像異性体、ジアステレオマー及びその他の異性体を含み、任意に純粋か又はそれらのラセミ及び/もしくは非ラセミ混合物;
Gが遊離のヒドロキシ、メルカプトもしくはアミノ基で同時に置換された複素環式芳香環を含む任意の場合には、それらの互変異性化合物;ならびに
水和物及び溶媒和物を含む上記で定義された化合物の酸付加塩。
【0185】
本発明が生まれるまで、NAD(P)合成をこの段階でもっぱら阻止する化合物は記載されていなかった。したがって、この作用のモードは癌治療のためにMorton(Nature 181:540−543,1958)により提唱されたのとは全く異なっている。彼は酵素NADピロホスホリラーゼを阻害することを示唆したが、この酵素の阻害は3つの前駆体(ナイアシンアミド、ナイアシンおよびトリプトファン、図1参照)すべてからのNAD(P)の合成を阻止する。ナイアシンアミド経路におけるナイアシンアミドモノヌクレオチドの生成段階でのNAD合成の阻害が、ほとんどの腫瘍細胞を殺すのに十分であったということは、まったく驚くべきことであった。本発明の化合物は、腫瘍細胞におけるナイアシンアミド経路の重要性を研究するための最初の道具である。本発明者らは、ほとんどの腫瘍細胞、例えばHepG2(肝臓癌)、U−87 MG(神経膠質母細胞腫、星状細胞腫)、U−373 MG(神経膠質母細胞腫、星状細胞腫)、Caki−1(腎臓クリア・セル癌)、KG−1a(原始骨髄細胞の白血病)、HL−60(顆粒性白血病)、A549(肺癌)、MCF−7 M1(乳癌)、PC3(前立腺癌)が、NAD(P)合成のナイアシンアミド経路上でのみ利用できるということを見出した。この発見から、これらの化合物は相当する癌(例えば、乳、前立腺、肺、結腸、子宮頚管、卵巣、皮膚、CNS、膀胱、膵臓ならびに白血病およびリンパ様組織腫)の治療に使用できると結論づけられる。上記のセルラインは公知であり、商業的に入手可能である。
【0186】
さらに、ナイアシンアミド経路だけを阻止することは、前駆体としてのナイアシンまたはトリプトファンを利用することもできるそれらの細胞を化合物の作用から保護している。これらの細胞は、典型的な健康な身体の細胞、例えば肝臓の細胞、クッペル氏細胞、肺の上皮細胞、腎臓の上皮細胞、リンパ細胞、結腸の上皮細胞または皮膚の繊維母細胞である。副作用に関して、この本質的にナイアシンアミド経路だけを阻害することは、癌の治療にとってきわめて有利である。
【0187】
ナイアシンアミドモノヌクレオチドの生成の阻害剤を発見するには、次の工程:すなわちHepG2細胞、U−87 MG細胞、MCF−7 M1細胞、Caki−1細胞、HL−60細胞、PC3細胞、U−373 MG細胞、A549細胞およびKG−1a細胞から選択される培養細胞を、[14C]ナイアシンアミドおよび細胞のナイアシンアミドモノヌクレオチド生成の阻害活性を試験される化合物の存在下に培養し;細胞溶解を生じさせ、[14C]ラベル化合物を単離し、ラベルされたナイアシンアミドモノヌクレオチド、NADおよびNADPの生成量を測定することからなるスクリーニング試験が特に有用である。より具体的には、培養細胞を培養器中に所定の密度に接種し、次いで試験化合物の存在下に、[14C]ナイアシンアミドを加え、約0.1〜6時間培養する。次いで、細胞を過塩素酸で溶解し、得られる抽出物を中和する。最後に、[14C]ラベル化合物をセルロース・マトリスの薄層クロマトグラフィ、UV検波およびオートラジオグラフィで分離する。非放射性ナイアシンアミド誘導体をスタンダードとして用いる。この試験により、本発明の化合物を簡単に効果的にスクリーニングし、選別することができる。
【0188】
本発明は、NAD合成のための前駆体としてのナイアシンアミドに対する、セルタイプの依存性を試験する方法も提供する。この方法により、本発明の化合物に対して、どの(悪性の)セルタイプが特に感受性であるかを決定することができ、種々の腫瘍を退治するために適した治療法を開発するのに役立つ。したがって、かかる試験は、テストされるべき細胞を、NAD合成の前駆体としてのナイアシンアミドだけを含む培地中で、本発明の化合物の存在下に培養し;培養期間経過後に細胞毒性試験を行うことからなる。かかる細胞毒性試験は、例えば、試験の部に記載の「高密度細胞試験」である。
【0189】
ナイアシンンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAPRT)に対する特定の阻害剤を見つけるには、実施例の部分で「ニコチンアミド可逆性試験」と呼ばれる試験が、本発明の好ましい形態として用いられる。
【0190】
ナイアシンンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAPRT)に対する特定の阻害剤を見つけるには、実施例の部分で「ナイアシンンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAPRT)試験」と呼ばれる試験が、本発明の好ましい形態として用いられる。
【実施例】
【0191】
材料および方法
トリプシン/EDTA: 0.05%(w/v)トリプシン(Difco Detroit,
USA)+0.016%(w/v)EDTA(Sigma
,Deisenhofen,Germany)
[14C]ナイアシンアミド: ARC794,American Radiolabeled
Chemicals Inc.,St.Louis,MO,USA,
0.25mCi/ml;特定活性50 mCi/mmol
溶解緩衝液: 0.5M過塩素酸(Merck,Darmstadt,
Germany)
中和試薬: 0.5mM塩化カリウム、2.0M水酸化カリ
ウム、精製水に溶解、化学物質はMerck,
Darmstadt,Germanyから入手した
【0192】
TLCフォイル: セルロースF,Art.1.05565,Merck,
Darmstadt,Germany
ポリ(エチレンイミン)セルロースF,Art.
1.05579,Merck,Darmstadt,Germany
TLC溶媒: 0.05M塩化リチウムまたは
1M酢酸アンモニウムpH5.0 3部+
エタノール 7部(Merck,Darmstadt,
Germany)
標準: 次のナイアシンアミド誘導体の10〜20mg/ml
溶液を調製した:ナイアシン、ナイアシンアミド
、ナイアシンモノヌクレオチド(dNAM)、
ナイアシンアミドモノヌクレオチド(NAM)、
ナイシンアデニンジヌクレオチド(dNAD)、
ナイシンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)
、ナイシンアミドアデニンジヌクレオチドホス
フェート(NADP)。すべての標準をSigma,
Deisenhofen,Germanyから購入した。
【0193】
TCA溶液: 500gトリクロロ酢酸、水約2lに溶解
(25%w/v)
10mMトリス緩衝液: 121.1mgトリスヒドロキシメチルアミノメ
タン(Sigma,Deisenhofen,Germany)
水100mlに溶解。NaOHでpH=10.4に滴定
。
SRB溶液: 400mgスルホロダミンB(Sigma,
Deisenhofen,Germany)、1%(v/v)酢酸
100mlに溶解。
試験化合物: K−22化合物は、Klinge Pharma GmbH,
Munich,GermanyのDepartment of Chemistryによ
って合成された。
【0194】
ストック溶液: 10mM溶液はジメチルスルホキサイド(DMSO)
中で調製され、−18℃で貯蔵された;さらな
る希釈工程はエタノール中で行われた。
セルライン: ヒト由来の腫瘍セルラインHepG2(肝臓癌)は
American Type Culture Collection(ATCC
),Rockville,Maryland,USAから入手した。
【0195】
成長培地
リヒター(Richter’s)改良最小必須培地、亜鉛オプション(IMEM-ZO)を、Gibco BRL,Life Technologies (Eggenstein,Germany)から購入した(Richter,A.,Sanford,K,K.およびEvans,V.J.(1972),J.Natl.Cancer Inst.49:1705−1712)。培地粉末を脱イオン水に溶解し、HCl/NaOHでpH7.2に滴定し、濾過により滅菌した。培地に5%又は10%牛胎児血清(FCS)(PAN Systems GmbH,Aidenbach,Germany);インシュリン100μg/l(Boehringer, Mannheim,Germany)および50,000IU/lペニシリン+50mg/lストレプトマイシン(Sigma,Deisenhofen,Germany)を加えた。
HEPES−緩衝 IMEM−ZO:HepG2細胞を放射性標識前駆体とともに培養するのにこの培地を用いた。上記のリヒターIMEM−ZOとは対照的に、この培地は、ナイアシンアミド、NaHCO3およびFCSを含んでいなかった。この培地は、Gibco BRL,Life Technologies (Eggenstein,Germany)によって特別に調製された。培地は20mM HEPES(Sigma,Deisenhofen,Germany)で緩衝され、pHは7.2に調整された。培地は濾過により滅菌された。
【0196】
[14C]ナイアシンアミドからのNAD(P)合成の決定
細胞培養
成長培地を除去し、各フラスコにトリプシン/EDTA溶液3mlを加えて、75cm2フラスコから細胞を分離した。37℃で約5分間培養した後、深皿の表面から細胞が分離されたとき、10%FCSを含むリヒターIMEM−ZO培地3mlを加えて、トリプシナイゼーションを止めた。繰り返しピペットして細胞を懸濁させた。予め希釈するために、Sysmex 自動希釈装置 Type AD−260(東亜医用電子株式会社、神戸、日本)を用いて、20μlアリコートを、Casyton 等張溶液10ml(No,043−90037P,Schaerfe System,Reutlingen,Germany) に加えた。60μmキャピラリーを備えたCASY 1 セルカウンター+アナライザーシステム、モデルTTC(Schaerfe System,Reutlingen,Germany)で、電子細胞量測定および計数により、細胞数が決定された。10%FCSを含むIMEM−ZO中での希釈に続いて、φ10cmの組織培養深皿(Greiner,Frickenhausen,Germany)中、サンプル当たり4×106/10mlの密度で細胞を接種し、空気中5%CO2の加湿雰囲気下、37℃で培養した。
【0197】
1日後、細胞が深皿に付着したとき、5%FCS+試験化合物または担体を含むIMEM−ZOで培地を補充した。試験化合物を加えた後の培地中の有機溶媒の濃度は、いずれのケースでも0.1%を超えなかった。次いで、空気中5%CO2の加湿雰囲気下、37℃で17時間、細胞を培養した。この予備培養期間は、化合物の明確な阻害作用を達成するのに必要でなく、例えば2または0時間に短縮することができる。この期間の経過後、培地を再び捨て、試験化合物または担体および0.5μCi/ml[14C]ナイアシンアミドを含むHEPES−緩衝IMEM−ZO 4mlを加え、37℃、湿度100%でさらに5時間培養した。セルスクレーパーで細胞を取り、15mlポリプロピレンチューブへ移す直前に、100μlアリコートを培地から取り、放射能を測定した。ナイアシンアミド10mMを加えた食塩水4mlで培養深皿をすすぎ、溶液をそれぞれの細胞懸濁液とともにプールした。4℃、250gで5分間遠心分離して細胞を集めた。
【0198】
ピリジンヌクレオチドの抽出
Chatterjeeら(Chatterjee,S.,Hirschler,N.V.,Petzold,S.J.,Berger,N.A.(1988)Mutant Cells Defective in Poly(ADP−ribose)Synthesis due to Stable Alterations in Enzyme Activity or Substrate Availability.Exp.Cell Res.184:1−15)の手順の変法で、ピリジンヌクレオチドを抽出した。つまり、各セルペレットを氷冷した0.5M過塩素酸200μlに懸濁し、氷上で20分間培養した。その後、酸抽出物にKCl/KOH溶液55μlを加えて中和し、4℃、2500gで10分間遠心分離した。上澄液を集め、クロマトグラフィで分離するまで、−20℃で保存した。10μlアリコートを各上澄液から取り、細胞抽出物中の放射能の総量を測定した。
【0199】
薄層クロマトグラフィ
細胞抽出物の14C標識成分を分離し、2つの薄層クロマトグラフィ(TLC)システムを用いて同定した。DC−Probenautomat III(CAMAG,Muttenz,Switzerland)を用いて、各細胞抽出物2μlをセルロースおよびポリ(エチレンイミン)(PEI)セルロースTLC薄膜に移した。溶媒として1M酢酸アンモニウム:エタノール(3:7)を用いて、セルロース薄膜を展開した(Pinder,S.,Clark,J.B.およびGreenbaum,A.L.(1971)The Assay of Intermediates and Enzyme Involved in the synthesis of the Nicotinamide Nucleotides
in Mammalian Tissues.Methods in Enzymology.Academic Press,New
York.Vol.XVIIIB pp.20−46)。PEIセルロースプレートを0.05M塩化リチウムで展開した(Barton,R.A.,Schulman,A.,Jacobson,E.L.およびJacobson,M.K.(1977)Chromatographic Separation of Pyridine and Adenine Nucleotides on Thin Layers of Poly(ethyleneimine)Cellulose.J.Chromatogr.130:145−150)。
【0200】
付加されたNAD、NADP、NAM、dNAM、dNAD、ナイアシンおよびナイアシンアミドの非放射性標準とともに、クロマトグラムを進め、スポットをUV吸収で同定した。RF値については表6を参照されたい。平均±S.D.として結果を表した。オートラジオグラフィについては、ハイパーカセット(Amersham Buchler
GmbH & Co. KG,Braunschweig,Germany)中で、クロマトグラムをイメージプレートBAS−IIIs(富士フィルム株式会社、日本)に少なくとも2日間曝した。高いバックグラウンド作用を避けるために、カセットを鉛の箱に入れた。曝した後、イメージプレートをバイオ−イメージングアナライザー FUJIFILM BAS−1500(富士フィルム株式会社、日本)中で読んだ。ソフトウェアTINA2.0(raytest Isotopenmessgerate GmbH,Straubenhardt, Germany)を用いて、細胞抽出物中の各[14C]標識成分の部分を、総放射能の%として決定した。
【0201】
表6:NAD、NADP、NAM、dNAM、dNAD、ナイアシンおよびナイアシンアミドについてのRF−値
【表6】
【0202】
14C標識誘導体の量は、各誘導体中で回収された%により、細胞抽出物の総放射能を累積して、計算された。前記の表3aおよび表3bに示されたように、試験の結果は、pmol[14C]NAD(P)/106細胞およびpmol[14C]NAD(P)/mgプロテインで表されている。細胞カウントおよび細胞プロテインは、並行して放射性前駆体なしで調製された培地から決定された。
【0203】
プロテイン決定
細胞プロテインは、Pierce,Rockford,IL,USAから購入したビシンコニン酸(bicinchoninic acid)(BCA)試験で、製造者の指示に従って決定された。反応から生成したサンプルの色は、分光測光(COBAS FARA II,F.Hoffmann−La
Roche AG,Basel,Swtzerland)で測定された。
【0204】
高密度条件下での細胞成長の決定(SRB試験)
細胞培養
成長培地を除去し、各ウェルにトリプシン/EDTA溶液3mlを加えて、75cm2フラスコから細胞を分離した。37℃で5分間培養した後、深皿の表面から細胞が分離されたとき、10%FCSを含むリヒターIMEM−ZO培地3mlを加えて、トリプシナイゼーションを止めた。繰り返しピペットして細胞を懸濁させた。予め希釈するために、Sysmex 自動希釈装置 Type AD−260(東亜医用電子株式会社、神戸、日本)を用いて、20μlアリコートを、Casyton 等張溶液10ml(No.043−90037P,Schaerfe System,Reutlingen,Germany)に加えた。CASY 1 セルカウンター+60μmキャピラリーを備えたアナライザーシステム、モデルTTC(Schaerfe System,Reutlingen,Germany)で、電子細胞量測定および計数により、細胞数が決定された。成長培地中での希釈に続いて、mlおよび24−ウェル培養深皿(Greiner,Frickenhausen,Germany)中のウェル当たり200,000細胞濃度で、細胞を接種した。さらに、3つのネガティブコントロールウェルが、細胞なしの成長培地で培養された。
【0205】
1日後、細胞が深皿に付着したとき、5%FCS+異なった濃度の試験化合物または担体を含む新鮮な培地で培地を補充した。各濃度から3組のサンプルを調製し、空気中5%CO2の加湿雰囲気下、37℃で細胞を培養した。試験化合物を加えた後の培地中の有機溶媒の濃度は、いずれのケースでも0.1%を超えなかった。
【0206】
スルホロダミンB試験(SRB)
細胞成長の決定は、非特異的プロテンをスルホロダミンBで染色することにより、Skehanらの方法に従って行われた(Skehan,P.ら、(1990)New Colorimetric Cytotoxicity Assay for Anticancer−Drug Screening.J. Natl. Cancer Inst. 82:1107−1112)。
【0207】
細胞の医薬培養期間は、氷冷TCA溶液250μlを成長培地に加えることにより止められた。冷蔵庫中で1時間培養した後、上澄液を捨て、深皿を脱イオン水で5回すすぎ、室温(RT)で乾燥し、最後に染色するまで冷蔵庫中で保管した。SRB溶液0.5mlを各ウェルに加え、室温で30分間培養した;その後で染色溶液をデカントし、深皿1%(v/v)酢酸で4回洗浄し、再び室温で乾燥した。ウェル当たり10mMトリス緩衝液1mlを加え、5分間緩く振って、プロテインに不特定に結合したSRBステインを離した。各ウェルの100μlアリコートを96−ウェルマイクロタイタープレートに移し、波長490nmまたは515nmにおける軽い消失をELISA−リーダー(Bio‐Tek,Deelux,Godensdorf,Germany)で読んだ。ネガティブコントロールウェルの平均値をテストサンプルの読み取り値から差し引いた。
【0208】
ニコチンアミド可逆性試験
ヒトの肝臓癌由来のHepG2細胞を、プラスチック深皿の12ウェル中に、20,000細胞/mlの密度でプレートした。組織培養インキュベータ中、牛胎児血清(FCS)5%を含むリヒターIMEM−ZO栄養培地中、5%CO2と95%空気との混合ガス中、37℃で培養した。プレートしてから1日後、培地を細胞から吸い出し、それぞれの濃度の試験化合物および場合によってはニコチンアミドを含む新鮮な培地で置き換えた。個々の濃度および試験化合物なしのコントロールについて、それぞれ3倍バッチ(three−fold batches)を行った。処理開始から3日後、試験化合物および場合によってはニコチンアミドで培地を再び更新した。化合物をインキュベートしてから6日後、試験を終了し、個々のウェル中のプロテイン量をスルホロダミン−B−法(P.Skehanら、:New Colorimetric Cytotoxicity Assay for Anticancer−Drug Screening.J. Natl. Cancer Inst. 82:1107−1112,1980による)で決定した。IC50値をドース−リスポンス曲線から求め、試験化合物の活性に対する比較測定として与えた。
【0209】
ナイアシンアミド・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(NAPRT)試験
材料および方法
セルライン:
ヒトのセルラインK−562(慢性の骨髄性白血病)は、American Type Culture Collection(ATCC CCL 243),Rockville,Maryland,USAから入手する。このK‐562細胞を、10%牛胎児血清(PAN Systems GmbH,Aidenbach,Germany)、NaHCO3 2.2g/l(Merck,Darmstadt,Germany)、50,000IU/lペニシリンおよびストレプトマイシン(Sigma)50mg/lを含む RPMI(Sigma,Deisenhofen,Germany,製品No.:R6504)中で、培養する。
【0210】
細胞培養フラスコ: 2つのサイズの細胞培養フラスコをGriner,
Frickenhausen,Germanyから購入する:75cm2(製品No.
:658175)、182cm2(製品No.:660175)
チューブ: 2mlEppendorf チューブ(Eppendorf−Netheler−
Hinz,Hamburg,Germany,製品No.:0030 120.094)
15mlポリプロピレンチューブ(Greiner,製品No.:
188271)
50mlポリプロピレンチューブ(Greiner,製品No.:
210270)
遠心分離: Megafuge 1.0(Heraeus Sepatech,Munich Germany)
.
Allegra 64R(Beckman Coulter,Munich Germany)
.
【0211】
反応試剤:
CMF−PBS: Ca2+Mg2+を含まない燐酸緩衝食塩水を次のように
して調製する:溶液A:KH2PO4(製品No.:4873.0250)
1g、NaCl(製品No.:6400)40g、KCl(製品No.:4933)
1g およびNa2HPO4×2H2O(製品No.:6580)5.75gを精
製水 400mlに溶解する。化学物質はすべてMerckから入
手する。ワーキング溶液: 溶液A 320ml、ゲンタマイ
シンサルフェート133.4mg、ペニシリンG 606.1mg、
精製水約4リットル。pHを7.2に調整し、溶液を濾過
により滅菌する。
【0212】
細胞溶解緩衝液: 0.01M NaH2PO4×H2O(Merck,製品No.:6346),pH7.
4,(MW=137.99,1.38g/l精製水)
プロタミンサルフェート:1% w/vプロタミンサルフェート(Sigma,製品
No.P4020)、(100mg/10ml精製水) 溶液は室温で保
存する。
水は、Milli−Q UF Plusシステム(Millipore,Eschborn,Germany)で
精製する。
【0213】
方法
10%FCSを加えたRPMI中、5%CO2雰囲気下、37℃、湿度100%で、K‐562細胞を、密度2×106細胞/mlになるまで成長させる。この条件下で、世代時間24時間で対数的に成長する。細胞をアスピレーションにより収集し、遠心分離(250×g、10分間、RT)する。その後、遠心分離(250×g、10分間、RT)を少なくとも3回繰り返して洗浄し、CMF−PBS中に再懸濁する。ヘマトサイトメータ中で細胞懸濁を数えた後、細胞を緊密なペレット(390×g、10分間、RT)に引き伸ばし、上澄液をパスツールピペットで注意深く引き出す。次いで、最終濃度が3×107細胞/mlとなるように、細胞を十分な溶解緩衝液中で攪拌して懸濁する。懸濁液を−80℃で少なくとも1日間凍結し、室温でゆっくり解かして、細胞を破壊する。破壊は通常、トリパン(trypan)ブルー・エクスクルージョンにより決定されるように、95%より大きい。23,000×g、0℃で90分間遠心分離したのち、清澄な上澄液を氷上に回収し、上澄液1ml当たり1%プロタミンサルフェート70μlを加える。氷の上で15分間経過した後、曇った上澄液をさらに23,000×g、0℃で30分間遠心分離する。最終的な上澄液を小さなアリコート中、−80℃で貯蔵する。上澄液は1ml当たり約950〜1440μgのプロテインを含む。1サンプル当たり120〜140μgのプロテインをNAPRT試験で用いる(総試験量:0.5ml)
【0214】
酵素試験
材料
加熱ブロック: 2mlのEppendorfチューブQB‐E2(CLF,Emersacker,
Germany)に対して、アルミニウムが挿入されたGrant
QBT 1(RT−150℃)
遠心分離: Minifuge T(Heraeus Sepatech)
チューブ: 2ml Eppendorf チューブ(Eppendorf−Netheler−Hinz
,製品No.:0030 120.094)キャップ(製品No.WAT094174
)を有する250μl スクリュー・ネック・ポリプロピレン
・バイアル(Waters,Eschborn,Germany,製品
No.WAT094172)
ベータ−カウンター: 液体シンチレーションアナライザー 2500 TR(
Canberra−Packard,Dreieich,Germany)
シンチレーション流体:Ultra Gold MV(Canberra−Packard)
【0215】
反応試剤
ATP:20mMアデノシントリホスフェート(Sigma,製品No.:A7699),(MW=551.1,110.2mg/10ml精製水)。溶液は−20℃で貯蔵する。
PRPP: 5mMホスホリボシルピロホスフェート(約80%,Sigma,製品No.:P8296),(MW=390.1,25mg/10.25ml精製水)。溶液は−70℃で貯蔵する。
MgCl2:500mM MgCl2×6H2O(Sigma,製品No.:M0250),(MW=203.3,10.17g/100ml精製水)。溶液は4℃で貯蔵する。
トリス緩衝液:250mM TRIS−HCl pH8.8(Preset pH8.6、(Sigma,製品No.:T5503),(MW=129.6,3.24g/100ml精製水)。溶液は4℃で貯蔵する。
[14C]ナイアシンアミド:0.25mCi/ml(American Radiolabeled Chemicals Inc.,St.Louis,MO,USA,製品No.:ARC 794,特定活性:50mCi/mmol)。貯蔵溶液は5×10-3Mナイアシンアミドの濃度を有し、精製水で希釈して所望の濃度とする。
ナイアシンアミド:100mMナイアシンアミド(Sigma,製品No.:N0636)、(MW=1221,1.22g/100ml精製水)。溶液は−20℃で貯蔵する。
【0216】
方法
ナイアシンアミド・ホスホリボシルトランスフェラーゼ活性は、50mM トリス緩衝液pH8.8(試験における最終濃度)中の5mM MgCl2、2mM ATP、0.5mM PRPP、および[14C]ナイアシンアミド(10-5M〜10-7M)からなる反応溶液0.5ml中で決定される。100〜120μlの細胞抽出物を加えることにより反応が始まる。37℃で1時間インキュベートした後、コールド(cold)ナイアシンアミド(反応混合物0.5ml当たり100mMナイアシンアミド溶液50μl)を加え、加熱ブロック上で加熱(2分間、105℃)することにより、酵素反応を止める。析出物を遠心分離(2,500×g、10分間、4℃)により除去し、上澄液をスクリューキャップ付きの250μlポリプロピレンバイアル中に集め、さらなる分析まで−20℃で貯蔵する。上澄液から10μlアリコートを取り、放射能の全量を決定する。
【0217】
14C標識化合物の定量
材料
自動化されたサンプル DC−Probenautomat III(CAMAG,Muttenz,Switzerland)。
バイオイメージングアナライザー:FUJIFILM BAS−1500(富士フィルム株式会社、日本)
イメージングプレート:BAS−IIIs(富士フィルム株式会社)
ハイパーカセット:(Amersham Buchler GmbH & Co.KG,Braunschweig,Germany)
TLCフォイル: Cellulose F 20×20cm(Merck,製品No.:1.05565)
TLCチャンバー:22×22×12cmグラスチャンバー(Desaga,Heidelberg Germany)
【0218】
反応試剤
TLC溶媒:1M酢酸アンモニウム(Sigma,製品No.:A7330)pH5.0 3部+無水エタノール(Merck,製品No.:1.00983) 7部
標準: 次のナイアシンアミド誘導体の20mg/ml溶液が調製された:ナイアシンアミド、ナイアシンアミドモノヌクレオチド、ナイアシンアミドアデニンジヌクレオチド、ナイアシンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート。標準はすべてSigmaから購入された。
【0219】
方法
薄層クロマトグラフィ(TLC)を用いて、反応混合物中の14C標識成分を分離し同定する自動化されたサンプルアプリケータを用いて、各サンプルの5〜7.5μlをセルロースTLCフォイルに移す。1M酢酸アンモニウム:エタノール(3:7)を溶媒として用いてセロースフォイルを展開する。
【0220】
付加されたNAD、NADP、NAMおよびナイアシンアミドの非放射性標準とともに、クロマトグラムを進め、スポットをUV吸収で同定した(RF値は表7を参照されたい)。オートラジオグラフィのために、ハイパーカセット中で、クロマトグラムをイメージプレートBAS−IIIsに少なくとも2日間曝す。高いバックグラウンド作用を避けるために、カセットを鉛の箱に入れる。曝した後、イメージプレートをバイオ−イメージングアナライザー FUJIFILM BAS−1500)中で読んだ。ソフトウェアTINA2.0(raytest Isotopenmessgerate GmbH,Straubenhardt, Germany)を用いて、サンプル中の各14C標識成分の部分を、総放射能の%として決定する。細胞抽出物の総放射能を累積することにより、各誘導体に回収された%により、14C標識誘導体の量を計算する。
【0221】
【表7】
【0222】
表7:ナイシンアミドおよびその誘導体のRF値。
結果を平均±S.D.として表す。
nは測定の数である。
【0223】
NAMの定量のための代替法として、次の記載に従ったアセトン沈殿が適用できる。
Elliottら、Anal.Biochem.107:199−205(1980)
・NAPRT試験終了後、反応混合物のサンプル50・のデュプリケートを除去して、アセトンの2mlアリコートを分離する。(この手順は酵素反応を止めるだろう。反応混合物へのコールド ナイアシンアミドの添加および100℃での加熱はもはや必要ではない。)
・アセトンに予備浸漬された、各サンプル用のWhatman GF/Aフィルター2.5cmを吸引マニフォルドに置く。
・サンプルをフィルターに通す前に、フィルターをアセトン2mlで1回すすぐ。2mlのアセトンが3〜5秒間にフィルターを通過するように、緩やかな吸引を維持する。
【0224】
・サンプルを混合し(vortex)、それをフィルターに通す。
・フィルターをアセトン2mlアリコートで2回すすぐ。
・上記のようにして次のサンプルを処理する。
・フィルターを空のシンチレーションバイアルに移し、乾燥させる。
・シンチレーション流体15mlを加え、バイアルを完全に攪拌する。
ベータ−カウンター中で放射能を測定する。
【0225】
参考文献:
Pinder,S.,Clark,J.B.およびGreenbaum,A.L.(1971)The Assay of Intermediates and Enzymes Involved in the Synthesis of the Nicotinamide Nucleotides in Mammalian Tissues.Methods in Enzymology. Academic Press,New York.Vol.XVIIIB pp.20−46
Elliott,G.C.,Rechsteiner,M.C.(1982)Evidence for a Physiologically Active Niacinamide Phosphoribosyltransferase in Cultured Human Fibroblasts.Biochem。Biophys.Res.Commun.104:996−1002
【0226】
略号
ATP アデノシントリホスフェート
CME−PBS Ca2+−およびMg2+−フリー燐酸緩衝食塩水
g 重力
Min 分
NAD ナイアシンアミド・アデニン・ジヌクレオチド
NADP ナイアシンアミド・アデニン・ジヌクレオチド・ホスフェート
NAM ナイアシンアミド・モノヌクレオチド
Pi,PPi 無機ホスフェート
PRPP ホスホリボシルピロホスフェート
RT 室温
TLC 薄層クロマトグラフィ
【0227】
治療上の投与形態
本発明による1以上の化合物の所定量を有する薬剤の製造及び/又は本発明の適用におけるそれらの使用は、一般的な製薬技術方法による慣習的な手段で行なわれる。このため、活性成分は、それ自体又はそれらの塩の形態において適切な医薬的に許容されるアジュバント及び担体とともに、様々な適応症及び適用形態に適した医薬形態に製剤化される。それによって、薬剤は、個々の所望の放出速度が得られるような方法、例えば速効性及び/又は持効性又は遅効作用となるように製造することができる。
【0228】
注射剤及び注入剤が属する非経口的な使用のための製剤は、腫瘍の治療ならびに他の適応症について、全身的に用いられる最も重要な薬剤の一つである。
【0229】
腫瘍の治療には注射剤の投与が好ましい。これらはバイアル形態又はいわゆる即使用型注射製剤、例えば多取り出し用穿孔ボトルに加えて即使用型シリンジ又は使い捨て型シリンジとして製造される。注射製剤は、皮下 (s.c.)、筋肉内(i.m.)、静脈内(i.v.)又は皮内(i.c.)の投与形態で投与することができる。個々に適切な注射製剤の形態は、特に溶液、結晶懸濁液、微小粒子又は例えばハイドロゾルのようなコロイド分散系として製造することができる。
【0230】
注射可能な製剤は、水性の等張性希釈剤で所望の活性成分の投与量に調整できる濃縮物としても製造することができる。さらに、それらは、適切な希釈剤で使用の直前に溶解又は分散させることが好ましい粉末、例えば凍結乾燥物として製造することもできる。注入剤は、等張溶液、脂肪性エマルジョン、リポソーム製剤、マイクロエマルジョン、ならびに例えばリン脂質のような混合ミセルをベースとした液体の形態で製剤化することもできる。注射製剤と同様に、注入製剤は希釈用の濃縮物の形態で製造することもできる。注射可能な製剤は、入院患者ならびに外来患者の治療で、例えばミニポンプの形で、連続的な注入剤の形態で使用することもできる。
【0231】
アルブミン、血漿増量剤、界面活性化合物、有機溶媒、pH作用性化合物、錯体形成化合物又はポリマー化合物は、特にタンパク質又はポリマーへの活性成分の吸着に作用する物質として、又は例えばプラスチック又はガラスのような注射器具もしくはパッケージ材質への活性成分の吸着を減少させることも目的として、非経口の薬剤形態に加えることができる。
【0232】
活性成分は、非経口的に使用する製剤中の微粒子、例えばポリ(メタ)アクリレート、ポリアセテート、ポリグリコレート、ポリアミノ酸又はポリエーテルウレタンをベースとした細かく分散した粒子に結合することができる。非経口製剤は、例えば、マルチプルユニット原理では、活性成分が、もっとも細かく分配及び/又は分散した懸濁形態中に、又は結晶懸濁液として混合されたデポ製剤として構造的に改変することができる。あるいはシングルユニット原理では、活性成分が、例えば錠剤もしくはその後インプラントされるシード(seed)などの医薬形態に封入されたデポ製剤として構造的に改変することができる。シングルユニット及びマルチプルユニットの医薬形態での、これらの埋込又はデポ薬剤は、しばしば、いわゆる生物分解性ポリマー、例えば乳酸及びグリコール酸のポリエーテルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリアミノ酸、ポリ(メタ)アクリレート又はポリサッカライドからなる。
【0233】
滅菌水、例えば有機酸及び無機酸、又は塩基ならびにそれらの塩などのpH値作用性物質、pH値設定用緩衝物質、塩化ナトリウム、炭酸一ナトリウム、グルコース及びフラクトースなどの等張化剤、界面活性剤及び/又は表面活性物質、ポリオキシエチレンソルビタンの部分脂肪酸エステル(Tween(登録商標))又はポリオキシエチレンの脂肪酸エステル(Cremophor(登録商標))などの乳化剤、落花生油、大豆油及びヒマシ油などの脂肪油、エチルオレート、イソプロピルミリステート及び中性油(Myglyol(登録商標))のような合成脂肪酸エステル、ゼラチン、デキストラン、ポリビニルピロリドンのようなポリマーアジュバント、プロピレングリコール、エタノール、N,N-ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールなどの溶解性を増大させる有機溶媒添加剤、クエン酸塩及び尿素などの錯体形成化合物、ヒドロキシプロピルベンゾエート及びヒドロキシメチルベンゾエート、ベンジルアルコールなどの保存剤、亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤、及びEDTAなどの安定化剤は、非経口的に使用される製剤の製造におけるアジュバント及び担体として適切である。
【0234】
懸濁剤では、界面活性剤及び釈解剤(ペプタイザー)からの活性成分の沈降を防止し、振盪されるべき沈降物又はEDTAなどの錯体形成剤の能力を確保するために、シックニング剤が添加される。これは、様々な重合剤の複合物、例えばポリエチレングリコール、ポリスチロール、カルボキシメチルセルロース、プルロニックス(Pluronics(登録商標))、又はポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルを用いても達成され得る。活性成分は、例えばシクロデキストリンを有する包接化合物の形態で液状製剤に組み込むこともできる。別のさらなるアジュバントとして、分散剤もまた適切である。凍結乾燥製剤の製造には、例えばマンニット、デキストラン、サッカロース、ヒトアルブミン、ラクトース、PVP又はゼラチンなどのビルダーも使用される。
【0235】
活性成分が、塩基の形態で液状の医薬製剤に用いられないかぎり、それらは非経口的に用いる製剤において、それらの酸付加塩、水和物又は溶媒和物の形態で使用される。
【0236】
さらに別の重要な全身的使用形態は、錠剤、硬ゼラチンカプセル又は軟ゼラチンカプセル、被覆錠剤、粉末剤、ペレット、マイクロカプセル、長楕円形圧縮剤、顆粒剤、チュアブル錠、ロゼンジ、ガム又は薬袋としての経口投与である。これら固形状の経口投与形態は、持続作用性及び/又は貯留系として製造することもできる。これらには例えば脂肪、ワックス様及び/又はポリマー化合物、又はいわゆる貯蔵系を用いて、マトリクスに基づいた1またはそれ以上の微小活性成分、拡散形態及び侵食形態の量を有する薬剤が含まれる。抑制剤及び/又は放出制御剤として、例えばエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(メタ)アクリレート誘導体(例えばオイドラギット(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどのフィルム又はマトリクス形成物質が、有機溶液ならびに水性分散剤の形態において適切である。これと関連して、体の粘膜に強く接触させることによって体内持続時間が増加する、いわゆる生物付着性製剤も挙げられる。生物付着性ポリマーとしては、カルボマー(Carbomers(登録商標))の群が挙げられる。
【0237】
舌下投与には、活性成分の放出が遅く、適切な大きさの長楕円形状の非崩壊錠剤などの圧縮剤が特に適切である。胃腸管の様々な部位で活性成分の標的放出を行うためには、様々な場所で放出されるペレットの混合物を使用することができる。その例として例えば胃液で可溶なペレットと小腸で可溶なペレットの混合物及び/又は胃液抵抗性のペレットと大腸で可溶なペレットの混合物が挙げられる。胃腸管の様々な部位で放出させるという同じ目的は、適切に生産されたコアを有する層状錠剤によってもなし得る。この場合、製剤のコーティングが胃液中で迅速に放出され、かつ製剤のコアが小腸の環境でゆっくりと放出される。胃腸管の様々な部位での放出を制御するという目的は、多層錠剤によっても達成することができる。別々に放出される薬剤を有するペレット混合物を硬ゼラチンカプセルに充填することができる。
【0238】
抗固着剤、潤滑剤及び分離剤、フレーム(flame)分散シリコンジオキシドのような分散剤、様々な澱粉タイプのような崩壊剤、PVC、例えばオイドラギット(登録商標)、セルロース又はクレモホル(登録商標)をベースとしたワックス様及び/又はポリマー化合物のような顆粒剤又は抑制剤としてのセルロースエステルは、例えば錠剤又は硬ゼラチンカプセル及び軟ゼラチンカプセルならびに被覆錠剤及び顆粒剤のような圧縮剤の製造のためのさらなるアジュバントとして用いられる。
【0239】
抗酸化剤、例えばショ糖、キシリット又はマンニットなどの甘味剤、マスキング用の香料、芳香剤、保存剤、着色剤、緩衝物質、例えば微晶質セルロース、澱粉及び澱粉加水分解物(例えばセルタブ(Celutab(登録商標)))、ラクトース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン及びリン酸二カルシウム塩のような直接打錠剤、潤滑剤、ラクトース又は澱粉などの充填剤、ラクトース、例えば小麦又はとうもろこし及び/又は米の澱粉のような澱粉等、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース誘導体、又はシリカ、タルク粉末、例えばマグネシウムステアレート、アルミニウムステアレート、カルシウムステアレートのようなステアレート、タルク、シリコン化タルク、ステアリン酸、アセチルアルコール及び脂肪水和物の形態の結合剤が用いられる。
【0240】
これに関連し、例えばGIT(胃腸治療システム)又はOROS(経口浸透システム)のような浸透原理に基づいて特に構成される経口治療システムも、述べられるべきである。
【0241】
水に迅速に溶解もしくは懸濁され、すぐに飲むことができるインスタントの医薬形態を代表する発泡性の錠剤又は錠剤tabsoluteは、経口的に投与可能な圧縮剤である。例えば滴剤、ジュース及び懸濁液などの溶液もまた、経口的に投与可能な形態である。これらは上記の所定の方法にしたがって製造することができ、安定性を増大させる保存剤及び服用をより容易にするための任意の芳香剤、及びより良く識別するための着色剤ならびに抗酸化剤及び/又はビタミン類及び砂糖又は人工甘味料のような甘味剤をさらに含むこともできる。これは、摂取前に水で製剤化される濃縮ジュースでもよい。1又はそれ以上の活性成分と組合わされたイオン交換樹脂もまた、液状の摂取可能な製剤の製造のために述べられるべきである。
【0242】
特別な放出形態は、例えば、体液との接触後に気体を生じ、それ故に胃液の表面で浮遊する錠剤又はペレットをベースとしたいわゆる浮遊(floating)の医薬形態の製剤である。さらに、いわゆる電気的に制御された放出システムも製剤化することができ、活性成分の放出が個々の必要性に応じて選択的に調整できる。
【0243】
全身投与及び任意に局所的にも有効な医薬形態のさらなる群は、直腸に適用可能な薬剤によって代表される。坐薬及び浣腸製剤が、これらに含まれる。浣腸製剤は、この投与形態を製造するための水性溶媒を用いて錠剤をベースとして製造することができる。直腸のカプセルは、ゼラチン又は他の担体をベースとして入手することができる。
【0244】
例えばウィテプゾル(Witepsol(登録商標))、マッサ・エスタリナム(Massa Estarinum(登録商標))、ノバタ(Novata(登録商標))、ココナツ脂、グリセロール-ゼラチン塊、グリセロール-石鹸-ゲル及びポリエチレングリコールなどの硬化脂肪が、坐薬の基剤として適切である。
【0245】
数週間にわたって全身的な活性成分の放出を伴う長期間の適用には、いわゆる生物分解性ポリマーを基剤として製剤化するのが好ましい圧縮埋込剤が適切である。
【0246】
全身的に活性な薬剤のさらに重要な群として、上記の直腸形態と同様、肝循環系及び/又は肝代謝を回避することを特徴とする経皮システムも強調されるべきである。これらのプラスターは、より長期間又はより短期間で制御する方法で活性成分を放出することができる経皮システムとして、種々の層及び/又は適切なアジュバント及び担体の混合物を基剤に用いて特別に製造することができる。例えば溶媒及びオイドラギット(登録商標)をベースとしたポリマー成分などの適切なアジュバント及び担体のほかに、例えばオレイン酸、アゾン(Azone(登録商標))、アジピン酸誘導体、エタノール、尿素、プロピルグリコールなどの膜浸潤促進物質及び/又は浸透促進剤が、浸透を改善及び/又は促進するためのこの種の経皮システムの製造に適している。
【0247】
局所的、局部的あるいは部位的に投与される薬剤としては、以下のものが特別な製剤として適当である:膣又は性器に使用可能なエマルジョン、クリーム、発泡錠剤、貯留インプラント、卵子又は経尿道の滴下投与溶液。眼科学的使用には、高度に滅菌された眼軟膏、溶液及び/又は滴剤、あるいはクリーム及びエマルジョンが適している。
【0248】
同様にして、対応する耳科学的滴剤、軟膏又はクリームは、耳に塗布することができる。上記適用のいずれにおいて、例えばカーボポール(Carbopols(登録商標))又はポリビニルピロリドン及びセルロース誘導体などの他のポリマー化合物をベースとしたゲル等の半固形製剤の投与もまた可能である。
【0249】
皮膚又は粘膜への慣例的な塗布形態としては、通常のエマルジョン、ゲル、軟膏、クリーム又は混合相及び/又は両親媒性のエマルジョンシステム(油/水−水/油の混合相)ならびにリポソーム及びトランスファソーム(transfersomes)が挙げられる。適切な基礎又はセルロース誘導体を製造するためのゲルビルダーであるグアール又はキサンテンガム等のナトリウムアルギネート(algenate)、水酸化アルミニウム又はベントナイト(いわゆるチキソトロピーのゲルビルダー)等の無機ゲルビルダー、カーボポール(登録商標)、ポリビニルピロリドン、微晶質セルロース又はカルボキシメチルセルロース等のポリアクリル酸誘導体が、アジュバント及び/又は担体として適切である。さらに、両親媒性の低分子量化合物及び高分子量化合物、ならびにリン脂質が適切である。ゲルは水をベースとしたヒドロゲル、又は例えば低分子及び高分子のパラフィン炭化水素とワセリンの混合物をベースとした疎水性有機ゲルのいずれかとして存在することができる。
【0250】
陰イオン性、陽イオン性又は中性の界面活性剤を乳化剤として用いることができる。その例として、アルカリ性石鹸、メチル石鹸、アミン石鹸、スルホン化化合物、陽イオン性石鹸、高脂肪アルコール、例えばラネッテ(lanette) タイプ、ウールワックス、ラノリン等のソルビタン及びポリオキシエチレンソルビタンの部分脂肪酸エステル又は油/水及び/又は水/油のエマルジョン製造用のその他の合成品が挙げられる。
【0251】
親水性の有機ゲルは、例えば高分子ポリエチレングリコールをベースとして製剤化することができる。これらのゲル様製剤は洗浄可能である。ワセリン、天然ワックスまたは合成ワックス、脂肪酸、脂肪アルコール、モノグリセライド、ジグリセライド又はトリグリセライド等の脂肪酸エステル、パラフィン油又は植物油、硬化ヒマシ油又はココナツ油、豚の脂肪、アクリル酸、カプリン酸、ラウリン酸及びステアリン酸等をベースとする、例えばソフチザン(Softisan(登録商標))等の合成油脂、又はミグリオール(登録商標)のようなトリグリセリド混合物が、脂肪及び/又は油及び/又はワックス様成分の形態で脂質として軟膏、クリーム又はエマルジョンの製造に使用される。
【0252】
pH値を調節するために、塩酸、クエン酸、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、炭酸一ナトリウム塩等の浸透性の有効な酸及び塩基、さらにクエン酸塩、ホスフェート、トリス緩衝液又はトリエタノールアミンのような緩衝系が用いられる。
【0253】
安定性を増すために、メチル又はプロピルベンゾエート(パラベン)又はソルビン酸等の保存剤を加えることができる。
【0254】
さらに局所的に塗布可能な形態としてペースト、粉末又は溶液が挙げられる。ペーストは、粘度を付与するためのベースとして非常に大量の脂肪物質を有する親油性及び親水性の補助剤をしばしば含むことがある。
【0255】
粉末又は局所塗布可能な粉末は、浮遊性ならびに潤滑性を増大させ、塊状になるのを防ぐための希釈剤として、例えば小麦澱粉又は米澱粉等の種々の澱粉、フレーム分散シリコンジオキシド又はシリカを含むことができる。
【0256】
点鼻薬又は鼻スプレーは、経鼻塗布形態に利用できる。
これに関連し、ネブライザー又は鼻用クリーム、あるいは軟膏を使用することができる。
【0257】
さらに、鼻スプレー又は乾燥粉末製剤ならびに調整投与量のエアロゾルもまた、活性成分の全身投与に適している。
【0258】
圧力及び/又は投与量を調整したこれらのエアロゾル及び乾燥粉末製剤は、吸入及び/又は吹送することができる。この種の投与形態は、肺又は気管支及び喉頭への直接的、局部的な適用において重要であることは間違いない。そのため、乾燥粉末の組成物は、活性成分- 軟質ペレットとして、例えばラクトース及び/又はグルコースのような適切な担体を有する活性成分- ペレット混合物として製剤化することができる。吸入又は吹送においては、鼻、口及び/又は咽頭の治療に適した一般的なアプリケーターが適当である。活性成分は超音波ネブライザー装置を用いて適用することもできる。エアロゾルスプレー製剤及び/又は調整投与量エアロゾル用の噴射ガスとしては、テトラフルオロエタンまたはHFC 134a 及び/又はヘプタフルオロプロパンまたはHFC 227が適当であり、例えばプロパン、ブタン又はジメチルエーテル等の常圧かつ室温で気体状の非フッ素化炭化水素又は他の噴射剤が好ましい。調整投与量のエアロゾルに代えて、噴射剤を使用しない手動のポンプ系を使用することもできる。
【0259】
また、噴射ガスのエアロゾルは、例えばイソプロピルミリステート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタントリオレエート、レシチン又は大豆レシチンなどの界面活性アジュバントを好適に含むことができる。
【0260】
その場での局部的な適用には、例えば膀胱腫瘍又は性器腫瘍に対する経尿道投与用の点滴溶液、又は肝臓腫瘍もしくは他器官の癌腫瘍に対するプロフュージョンの溶液が適切である。
表1の参考文献
【0261】
【表8−1】
【0262】
【表8−2】
【0263】
【表8−3】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HepG2細胞、U−87MG細胞、MCF−7 M1細胞、Caki−1細胞、HL−60細胞、PC3細胞、U−373 MG細胞、A549細胞およびKG−1a細胞から選択される培養細胞を、[14C]ナイアシンアミドおよび細胞のナイアシンアミドモノヌクレオチド生成の阻害活性を試験される化合物の存在下に培養し;
細胞溶解を生じさせ、
[14C]ラベル化合物を単離し、ラベルされたナイアシンアミドモノヌクレオチド、NADおよびNADPの生成量を測定することからなる、生物学的に活性な化合物をスクリーニングし、見つける方法。
【請求項2】
生物学的に活性な化合物が、前駆体ナイアシンアミドからの細胞NAD生合成を≦10μMの濃度で50%、好ましくは80%、最も好ましくは90%阻害する活性を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
生物学的に活性な化合物が、ナイアシンアミド・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(NAPRT)の阻害剤である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
生物学的に活性な化合物が、
N−(4−{1−[4−(1−ベンズヒドリル−ピペリジン−4−イル)−ブチル]−ピペリジン−4−イル}−ブチル)−3−ピリジン−3−イルプロパン酸アミド;
N−{2−[5−(4−ベンズヒドリル−ピペラジン−1−イル−メチル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル]−エチル}−3−ピリジン−3−イルアクリルアミド;および
2−アミノ−3−[4−ヒドロキシ−3−(2−{4−[4−(3−ピリジン−3−イル−アクリロイル−アミノ)−ブチル]−ピペリジン−1−カルボニル}−フェニルアゾ)−フェニル]−プロパン酸3水和物
から選択される、
請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
NAD合成の前駆体としてナイアシンアミドだけを含む培地中で、請求項1〜4のいずれか一つに記載の生物学的に活性な化合物の存在下に、試験される細胞を培養し;培養期間経過後に細胞毒性を試験することからなる、NAD合成のための前駆体としてのナイアシンアミドに対するセルタイプの依存性を測定するための方法。
【請求項6】
N−(4−{1−[4−(1−ベンズヒドリル−ピペリジン−4−イル)−ブチル]−ピペリジン−4−イル}−ブチル)−3−ピリジン−3−イルプロパン酸アミド;
N−{2−[5−(4−ベンズヒドリル−ピペラジン−1−イル−メチル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル]−エチル}−3−ピリジン−3−イルアクリルアミド;および
2−アミノ−3−[4−ヒドロキシ−3−(2−{4−[4−(3−ピリジン−3−イル−アクリロイル−アミノ)−ブチル]−ピペリジン−1−カルボニル}−フェニルアゾ)−フェニル]−プロパン酸3水和物
から選択される生物学的に活性な化合物。
【請求項7】
請求項6に記載の生物学的に活性な化合物または医薬的に許容されるその塩および医薬的に許容される製剤添加物を任意に含んでなる医薬組成物。
【請求項8】
哺乳動物の癌の治療または免疫抑制のための請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
癌が、乳、前立腺、肺、結腸、子宮頚管、卵巣、皮膚、CNS、膀胱および膵臓の癌、白血病ならびにリンパ様組織腫から選択される請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
腹膜腔内、皮下、経口、静脈内、直腸、舌下、筋肉内、膣内、局所または肺投与用に製剤化されてなる請求項7〜9のいずれか一つに記載の医薬組成物。
【請求項11】
哺乳動物の癌の治療または免疫抑制のための医薬組成物を製造するための、請求項6に記載の生物学的に活性な化合物または医薬的に許容されるその塩の使用。
【請求項12】
癌が、乳、前立腺、肺、結腸、子宮頚管、卵巣、皮膚、CNS、膀胱および膵臓の癌、白血病ならびにリンパ様組織腫から選択される請求項11に記載の使用。
【請求項1】
HepG2細胞、U−87MG細胞、MCF−7 M1細胞、Caki−1細胞、HL−60細胞、PC3細胞、U−373 MG細胞、A549細胞およびKG−1a細胞から選択される培養細胞を、[14C]ナイアシンアミドおよび細胞のナイアシンアミドモノヌクレオチド生成の阻害活性を試験される化合物の存在下に培養し;
細胞溶解を生じさせ、
[14C]ラベル化合物を単離し、ラベルされたナイアシンアミドモノヌクレオチド、NADおよびNADPの生成量を測定することからなる、生物学的に活性な化合物をスクリーニングし、見つける方法。
【請求項2】
生物学的に活性な化合物が、前駆体ナイアシンアミドからの細胞NAD生合成を≦10μMの濃度で50%、好ましくは80%、最も好ましくは90%阻害する活性を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
生物学的に活性な化合物が、ナイアシンアミド・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(NAPRT)の阻害剤である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
生物学的に活性な化合物が、
N−(4−{1−[4−(1−ベンズヒドリル−ピペリジン−4−イル)−ブチル]−ピペリジン−4−イル}−ブチル)−3−ピリジン−3−イルプロパン酸アミド;
N−{2−[5−(4−ベンズヒドリル−ピペラジン−1−イル−メチル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル]−エチル}−3−ピリジン−3−イルアクリルアミド;および
2−アミノ−3−[4−ヒドロキシ−3−(2−{4−[4−(3−ピリジン−3−イル−アクリロイル−アミノ)−ブチル]−ピペリジン−1−カルボニル}−フェニルアゾ)−フェニル]−プロパン酸3水和物
から選択される、
請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
NAD合成の前駆体としてナイアシンアミドだけを含む培地中で、請求項1〜4のいずれか一つに記載の生物学的に活性な化合物の存在下に、試験される細胞を培養し;培養期間経過後に細胞毒性を試験することからなる、NAD合成のための前駆体としてのナイアシンアミドに対するセルタイプの依存性を測定するための方法。
【請求項6】
N−(4−{1−[4−(1−ベンズヒドリル−ピペリジン−4−イル)−ブチル]−ピペリジン−4−イル}−ブチル)−3−ピリジン−3−イルプロパン酸アミド;
N−{2−[5−(4−ベンズヒドリル−ピペラジン−1−イル−メチル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル]−エチル}−3−ピリジン−3−イルアクリルアミド;および
2−アミノ−3−[4−ヒドロキシ−3−(2−{4−[4−(3−ピリジン−3−イル−アクリロイル−アミノ)−ブチル]−ピペリジン−1−カルボニル}−フェニルアゾ)−フェニル]−プロパン酸3水和物
から選択される生物学的に活性な化合物。
【請求項7】
請求項6に記載の生物学的に活性な化合物または医薬的に許容されるその塩および医薬的に許容される製剤添加物を任意に含んでなる医薬組成物。
【請求項8】
哺乳動物の癌の治療または免疫抑制のための請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
癌が、乳、前立腺、肺、結腸、子宮頚管、卵巣、皮膚、CNS、膀胱および膵臓の癌、白血病ならびにリンパ様組織腫から選択される請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
腹膜腔内、皮下、経口、静脈内、直腸、舌下、筋肉内、膣内、局所または肺投与用に製剤化されてなる請求項7〜9のいずれか一つに記載の医薬組成物。
【請求項11】
哺乳動物の癌の治療または免疫抑制のための医薬組成物を製造するための、請求項6に記載の生物学的に活性な化合物または医薬的に許容されるその塩の使用。
【請求項12】
癌が、乳、前立腺、肺、結腸、子宮頚管、卵巣、皮膚、CNS、膀胱および膵臓の癌、白血病ならびにリンパ様組織腫から選択される請求項11に記載の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2011−254820(P2011−254820A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152055(P2011−152055)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【分割の表示】特願2000−600982(P2000−600982)の分割
【原出願日】平成12年2月28日(2000.2.28)
【出願人】(507185565)アステラス ドイッチランド ジーエムビーエイチ (2)
【氏名又は名称原語表記】Astellas Deutschland GmbH
【住所又は居所原語表記】Georg−Brauchle−Ring 64−66, 80992 Munchen,Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【分割の表示】特願2000−600982(P2000−600982)の分割
【原出願日】平成12年2月28日(2000.2.28)
【出願人】(507185565)アステラス ドイッチランド ジーエムビーエイチ (2)
【氏名又は名称原語表記】Astellas Deutschland GmbH
【住所又は居所原語表記】Georg−Brauchle−Ring 64−66, 80992 Munchen,Germany
【Fターム(参考)】
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