説明

細胞毒性特性及び/または抗血管新生特性を有する新規なレチノイド誘導体

本発明は、式(I)の新規なレチノイド誘導体、及び関節炎状態、腫瘍、転移性のガン、糖尿病性網膜症、乾癬、慢性炎症性疾患またはアテローム性動脈硬化症のような病理に罹患した患者の治療のためのそれらを含む製薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な細胞毒性剤、及びその組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
用語「レチノイド」は、レチノイン酸レセプター(RAR)及びレチノイドXレセプター(RXR)という核レチノイドレセプターに結合するビタミンAアナログを定義するために一般的に使用されている。レチノイド誘導体がレセプターに結合すると、後者はホモまたはヘテロダイマーを形成し、標的遺伝子の上流の応答エレメント(RAREまたはRXRE)への結合を通じて、細胞分化、組織形態形成、及びプログラムされた細胞死に影響する転写因子として遺伝子発現を調節する。結論としてレチノイド誘導体は、各種の器官のガンを予防及び/または治療する有望な化合物である。
【0003】
本出願人の名の下で出願されたWO03/011808は、抗血管新生活性、抗腫瘍活性、及びアポトーシス促進活性を有するレチノイド誘導体を記載している。ST1926(アダロテン(adarotene)、上記出願の実施例4)は例外的レチノイドと称されるクラスに属し、新生物疾患の治療のための強力なアポトーシス促進剤であることが見出された。より最近、同じ出願人は、レチノイド誘導体と白金抗ガン剤との組み合わせを扱う国際特許出願を出願した(WO08/077772)。
【0004】
本出願人は更に、血管傷害に対する複雑な一連の細胞応答を生じる病理状態を治療するための医薬の調製のための、アダロテンの4−O−メチルアナログ(ST1898)の使用に関する出願を出願した(WO07/071605)
【0005】
Dawson M.I.等は、ガン細胞増殖阻害を有する極性末端に関連するQSARアッセイに基づく、4−[3’−(1−アダマンチル)−4’−ヒドロキシフェニル]−3−クロロケイ皮酸に関するファルマコフォアモデルを最近出版した(Dawson M.I.等, J. Med. Chem., 2007, 50, 2622)。同じ著者らの更なる研究により、レチノイド誘導体の4’−OHのH原子と小ヘテロダイマーパートナーのPhe−96残基の側鎖との間の水素π相互作用を通じて、複合体を安定化する重要な相互作用を明らかにしている(Dawson M.I.等, J. Med. Chem., 2008, 51, 5650)。
【0006】
WO07/000383では、本出願人は、NCI H460腫瘍細胞に対するレチノイド誘導体の細胞毒性活性を報告した。4’−OHレチノイドアダクト(ST1926)は、4’−OMeアナログ(ST1898)よりも低いlog単位のIC50値を示した。
【0007】
同じ出願人は更に、IGROV−1、IGROV−1/Pt1、及びNB4細胞系に対する、他のものの中でも上記二種類の化合物(ST1926及びそのメチル化アナログST1898)の抗増殖活性を報告した(Cincinelli R.等, Bioorg. Med. Chem., 2007, 15, 4863)。これらの結果は、各種の細胞系ですでに示されている通り、4’−OHレチノイド化合物が4’−OMeカウンターパートよりも活性であることを明らかにしている。
【0008】
体内の流動からの薬剤の除去の主たるメカニズムは、尿による排出を好むグルクロン酸抱合を通じて生じることは当業者に周知である。レチノイルβ−グルクロニドは、経口的に投与された全てトランスのレチノイン酸から迅速に合成され、レチノイン酸の投与後三十分以内で血中に検出できることが報告されている(Barua AB.等, Biochem. J., 1991, 277, 527)。フェノール誘導体がUDP−グルクロノシルトランスフェラーゼの基質であることができることも周知である(Ethell T.B.等, Drug Metab. And Depos., 2002, 30, 6, 734)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO03/011808
【特許文献2】WO08/077772
【特許文献3】WO07/071605
【特許文献4】WO07/000383
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Dawson M.I.等, J. Med. Chem., 2007, 50, 2622
【非特許文献2】Dawson M.I.等, J. Med. Chem., 2008, 51, 5650
【非特許文献3】Cincinelli R.等, Bioorg. Med. Chem., 2007, 15, 4863
【非特許文献4】Barua AB.等, Biochem. J., 1991, 277, 527
【非特許文献5】Ethell T.B.等, Drug Metab. And Depos., 2002, 30, 6, 734
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
抗血管新生活性、抗腫瘍活性、及び/またはアポトーシス促進活性を有する新規でより強力なレチノイド誘導体を発見することを目的とした過去数十年に亘る多くの努力にも関わらず、より適切な医薬の強い医学的必要性が未だ存在している。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、抗血管新生活性、抗腫瘍活性、及びアポトーシス促進活性を有する組成物の調製における、式(I)の化合物、その塩、水和物、または溶媒和物を提供する:
【化1】

[式中、
はH、O(CO)OR、NR、CN、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、アルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルは、C−Cアルキル、(CHCOR、O(CO)OR、OH、またはNRで一箇所以上任意に置換され;
nは0または1であり;
はOH、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、またはベンジルオキシであり;
及びRは同一または異なっても良く、H、アルキルであり;または
及びRはそれらが結合している窒素原子で共に結合し、ヘテロシクロアルキル基を形成し;または
NRはニトロ基を形成し;
はアルキレン、ヒドロキシアルキレン、アミノカルボニルアルキレン、(C−C18)アルケニレン、(C−C)シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、−(OCHCH−O−、分枝状または直鎖状ポリアミノアルキレン、NOで任意に置換されたフェニルオキシであり;または不存在であり
mは1から4の間に含まれる整数であり;
Aは−CH−、−CO−、−CH−(CO)−、−NH(CO)−、または−[CO−(CHR)−NH]−であり;
は天然のアミノ酸残基の側鎖であり;
wは1であり;
それらの互変異性体、幾何異性体、並びにエナンチオマー、ジアステレオマー及びラセミ体といった光学的に活性な形態、並びにそれらの製薬学的に許容可能な塩;
但し、R−R−Aはアルキルまたはアルキル−COを表さない]。
【0013】
本出願人は、本発明によって調製された誘導体(I)及びその製薬学的に許容可能な塩が、改変した血管新生に関連する疾患状態、疾病、及び生理学的状態の治療のための有用な試薬であることを見出した。
【0014】
本発明の一つの実施態様は、医薬としての使用のための式Iの化合物の実施態様である。
【0015】
別の実施態様では、前記医薬は、関節炎状態、新生物、糖尿病性網膜症、乾癬、慢性炎症性疾患または関節炎に罹患した被験者を治療するために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
用語「新生物」は、新組織形成の結果としての組織の異常な塊を示す。新組織形成は、細胞の異常な増殖である。細胞のこのクローンの増殖は、その周辺の正常組織の増殖を超えてそれを調整できなくなる。それは通常腫瘍を引き起こす。新生物は、良性、悪性前、または悪性であり得る。良性新生物は、例えば子宮線維腫及びメラノサイト母斑を含み、癌化することはない。潜在的に悪性の新生物は、原位置でのカルシノーマを含む。それらは周縁組織を侵襲したり破壊したりはしないが、所定の十分な時間で癌化するであろう。それらは周縁組織を侵襲して破壊し、転移を形成し、場合により宿主を殺す。
【0017】
転移は、一つの器官または一部から別の非隣接器官または一部への疾患の広がりである。悪性腫瘍細胞及び感染のみが、確立された転移する能力を有する。
【0018】
癌細胞は原発性腫瘍から分離し、漏れ出し、または流動して、リンパ管及び血管に侵入し、血流を通じて循環し、体内の至るところで正常組織内に沈着できる。転移は悪性の三つの特徴の一つである。ほとんどの腫瘍は転移可能であるが、その度合いは変化する(例えばグリオーム細胞及び基底細胞カルシノーマは比較的転移性である)。腫瘍細胞が転移した場合、新たな腫瘍は二次または転移性腫瘍と称され、その細胞は元となる腫瘍におけるものと同様である。本発明の一つの実施態様によれば、治療される新生物は原発性腫瘍である。
【0019】
本発明の別の実施態様によれば、治療される新生物は、ガンとも称される悪性新生物、または潜在的に悪性の新生物である。
【0020】
本発明の更なる実施態様は、腫瘍の治療において有用な医薬の調製のための式Iの化合物の使用に関し、ここで抗腫瘍活性は、式Iの化合物の細胞毒性特性、及び/またはアポトーシス特性、及び/または抗血管新生特性から由来する。
【0021】
本発明のまた更なる実施態様は、腫瘍がサルコーマ、カルシノーマ、メラノーマ、骨腫瘍、神経内分泌腫瘍、リンパ性白血病、ミエロイド白血病、単球性白血病、巨核球性白血病、急性前骨髄球性白血病、またはホジキン病を含む群から選択される、式Iの化合物の前記使用に関する。
【0022】
本発明のまた更なる実施態様では、上記記載のサルコーマ及びカルシノーマは、乳ガン;非小細胞肺ガン(NSCLC)及び小細胞肺ガン(SCLC)を含む肺ガン;食道ガン、胃ガン、小腸ガン、大腸ガン、直腸ガン、及び結腸ガンを含む胃腸ガン;グリア芽腫を含むグリオーム;卵巣ガン、子宮頸ガン、子宮内膜ガン、中皮腫;腎臓ガン;前立腺ガン及び皮膚ガンを含む群からなる。
【0023】
本発明は更に、小児科性のガンの治療に関する。本発明によって治療できる、または疾患の進行が遅延できる小児科性のガンは、急性リンパ芽球白血病、急性ミエロイド白血病、副腎皮質カルシノーマ、アストロチトーム、膀胱ガン、脳幹グリオーマ、中枢神経系変形奇形ガン/杆状ガン、脳ガン、中枢神経系胎芽ガン、脳ガン、アストロチトーム、クラニオファリンジオーム、上衣芽細胞腫、上衣腫、若年性骨芽腫、上衣細胞腫、中間分化の松果体柔組織ガン、テント上始原神経外胚葉性ガン及び松果体芽細胞腫、乳ガン、気管支ガン、カルチノイドガン、子宮頸ガン、脊索腫、大腸ガン、食道ガン、頭蓋外胚細胞ガン、胃ガン、グリオーマ、肝細胞ガン(肝臓ガン)、ホジキンリンパ腫、腎臓ガン、喉頭ガン、白血病、急性リンパ芽球/ミエロイド白血病、肝臓ガン、非ホジキンリンパ腫、髄芽腫、中皮腫、多重内分泌腫瘍形成症候群、鼻咽頭ガン、口腔ガン、卵巣ガン、膵臓ガン、乳頭腫、腎細胞ガン、横紋筋肉腫、唾液腺ガン、サルコーマ、皮膚ガン、胸腺腫及び胸腺カルシノーマ、甲状腺ガン及び膣ガンからなる群から選択される。
【0024】
本発明のまた更なる実施態様は、上述の腫瘍タイプの腫瘍転移の治療において有用な医薬の調製のための式Iの化合物の使用に関する。
本発明は更に、従来の合成方法によって調製でき、以下に記載される式Iの化合物の調製方法を提供する。
【0025】
Aが−CO−、−CH−(CO)−、または−[CO−(CHR)−NH]−であり、R及びwが上述のものであり、R及びRが上述のものである式Iの化合物は、E−4−(3−(1−アダマンチル)−4−ヒドロキシフェニル)ケイ皮酸(WO03/011808、実施例4に記載されている)を、式R−(CO)−Cl(式II)[式中、R−(CO)はR−R−Aの意味を有する]と、0℃から室温の範囲の温度で、例えばDIPEAまたはNEtといった塩基の存在下で、例えばTHFまたはDCMといった非プロトン性溶媒中で反応させることによって得ることができる。別法としてそのような化合物は、E−4−(3−(1−アダマンチル)−4−ヒドロキシフェニル)ケイ皮酸を、式R−(CO)−OH(式III)[式中、R−(CO)はR−R−Aの意味を有する]の酸と、0℃から室温の範囲の温度で、例えばTHFまたはDCMといった非プロトン性溶媒中で、PyBop、HATU、DCCといったカップリング剤とDIPEAまたはNEtといった塩基の存在下で反応させ、その後形成された混合した無水物を切断することによって、当業者に周知の標準的なエステル化方法によって得ることができる。別法として後者のカップリングは、E−4−(3−(1−アダマンチル)−4−ヒドロキシフェニル)ケイ皮酸の代わりにE−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル-4−イル)アクリレートを使用し、その後TFAによりtert−ブチルエステルを切断することによって実施できる。
【0026】
−R−Aが式R−R−NH−(CO)−の基を表し、R及びRが上述のものである式Iの化合物は、E−4−(3−(1−アダマンチル)−4−ヒドロキシフェニル)ケイ皮酸を、式R−R−NCO(式IV)と、例えばNEtまたはピリジンといった塩基の存在下で、例えばEtOHまたはDCMといった非プロトン性溶媒中で反応させることによって得ることができる。別法としてそのような化合物は、E−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル-4−イル)アクリレートを、式R−R−NHCOCl(式V)と、例えばDCMといった非プロトン性溶媒中で、例えばDIPEAまたはNEtといった塩基の存在下で反応させ、その後TFAによりtert−ブチルエステルを切断することによって得ることができる。
【0027】
が複素環であり、RがNOで任意に置換されたフェニルオキシであり、Aが−CH−である式Iの化合物は、Leu Y.L.等(Leu Y.L.等, J. Med. Chem., 2008, 51, 1740)に記載されている通り、tert−ブチルE−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル-4−イル)アクリレートから開始して、その後TFAによりtert−ブチルエステルを切断することによって得ることができる。
【0028】
全ての前記転位において、いずれかの妨害している反応基は、有機化学で記載された十分に確立され、当業者に周知である方法(例えば、Greene T.W.及びP.G.M. Wuts “Protective Groups in Organic Synthesis”, J. Wiley & Sons, Inc., 第3版, 1999参照)に従って保護され且つ脱保護できる。
【0029】
全ての前記転位は、有機化学において記載された十分に確立され、当業者に周知である方法(例えばMarch J., “Advanced Organic Chemistry”, J. Wiley & Sons, Inc., 第4版, 1992参照)の単なる例である。
【0030】
用語「アルキル」は、1から20の炭素原子、好ましくは1から12の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基を指す。
用語「アルキレン」は、単独でまたはより複雑な構造(例えばヘテロシクロアルキレン)の一部である場合、二価であることができるアルキル基を表す。
用語「ポリアミノアルキル」は、鎖が一つ以上の窒素原子で介在されているアルキル基を指す。
【0031】
用語「シクロアルキル」は、単一環または複数の縮合環を有する3から10の炭素原子の飽和したまたは部分的に不飽和の(芳香族ではない)炭素環基を指す。「C−C10シクロアルキル」の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチル等を含む。
【0032】
用語「ヘテロシクロアルキル」及び複素環は、一つまたは二つの窒素、酸素、または硫黄原子を含む飽和したまたは部分的に不飽和の(芳香族ではない)5員、6員、または7員環を指し、同じまたは異なっても良く、その環はヒドロキシル及びカルボキシルから選択される一つ以上の基で置換されても良い。好ましいヘテロシクロアルキルは、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロピラン、及びフタルイミドを含む。
【0033】
用語「天然のアミノ酸基」は、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、リジン、ヒスチジン、メチオニン、プロリン、システイン、トレオニン、トリプトファン、アルギニン、チロシン、及びγ−アミノ酪酸からなる群から選択されるいずれかの天然のアミノ酸を指す。
【0034】
用語「アミノ」は、R及びR’がHまたはアルキルであるNRR’基を指す。用語「アミノカルボニルアルキル」は、アミノカルボニル部分によって置換されたアルキル基を指す。
【0035】
用語「アミノカルボニル」は、R及びR’がHまたはアルキルである−NRR’CO−基を指す。
【0036】
本発明の別の実施態様は、活性成分として少なくとも一つの式Iの化合物を、有意な治療上の効果を生ずるような量で含む製薬組成物に関する。
【0037】
本発明によってカバーされる組成物は、例えばRemington’s Pharmaceutical Science Handbook, Mark Pub. N.Y., 最終章に説明されたもののような、製薬業界で通常実施されている方法で得られる。選択された投与経路に従って、前記組成物は、経口、全身性、または局所的な投与に適した固体または液体形態で存在するであろう。本発明に係る組成物は、活性成分と共に、少なくとも一つの製薬学的に許容可能なビヒクルまたは賦形剤を含む。これらは特に、有用な製剤コアジュバント、例えば溶解剤、分散剤、懸濁剤、及び乳化剤であって良い。
【0038】
一般的に、本発明の化合物は、「治療上の有効量」で投与される。前記化合物の量は、治療される疾患、選択された投与経路、投与される実際の化合物、薬剤の組み合わせ、個々の患者の年齢、体重、及び応答、患者の症状の重篤度等を含む、関連する環境に照らして医師によって典型的に決定されるであろう。いずれかの化合物について、治療上有効な用量は、細胞培養アッセイにおいて、または通常マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、若しくはブタといった動物モデルにおいてのいずれかで最初に確立できる。動物モデルは、適切な濃度範囲及び投与経路を決定するためにも使用されて良い。次いでそのような情報は、ヒトにおける投与のための有用な用量及び経路を決定するために使用できる。ヒトの同等な用量(Human Equivalent Dose;HED)の計算では、Guidance for Industry and Reviewersの文献(2002, U.S. Food and Drug Administration, Rockville, Maryland, USA)で提供される変換表を使用することが推奨される。
【0039】
一般的に有効な用量は、0.01mg/kgから100mg/kg、好ましくは0.05mg/kgから50mg/kgの範囲であろう。いずれかの化合物については、治療上有効な用量は、細胞培養アッセイにおいて、または通常マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、若しくはブタといった動物モデルにおいてのいずれかで最初に確立できる。ヒト被験者についての正確な有効の用量は、疾患状態の重篤度、被験者の一般的な健康状態、被験者の年齢、体重、及び性別、投与の時間及び頻度、薬剤の組み合わせ、反応感度、及び治療に対する寛容性/応答に依存するであろう。この量は、ルーチンの実験によって決定でき、医師の判断の範囲内である。
【0040】
組成物は患者に個々的に投与されて良く、または他の試薬、薬剤、またはホルモンと組み合わせて投与されても良い。
【0041】
医薬は、治療剤の投与のための製薬学的に許容可能な担体を含んでも良い。そのような担体は、それが組成物を受ける個人に対して有害な抗体の生産を誘導しない範囲で、抗体及び他のポリペプチド、遺伝子及び他の治療剤、例えばリポソームを含み、それらは過度の毒性なく投与されて良い。
【0042】
適切な担体は、大きくてゆっくりと代謝される巨大分子、例えばタンパク質、ポリサッカリド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマー状アミノ酸、アミノ酸コポリマー、及び不活性なウイルス粒子であって良い。
【0043】
製薬学的に許容可能な担体の完全な議論は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (Mack Pub. Co., N.J. 1991)で入手可能である。
【0044】
治療用組成物における製薬学的に許容可能な担体は、水、塩水、グリセロール、及びエタノールといった液体を更に含んで良い。
【0045】
湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質等といった付加的な補充物質がそのような組成物に存在して良い。そのような担体は、前記製薬組成物を、患者による摂取のための錠剤、丸薬、糖衣錠、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁物等として製剤化可能とする。
【0046】
製剤化されると、本発明の組成物は直接被験者に投与できる。治療される被験者は動物であることができる;特にヒトの被験者を治療できる。
【0047】
本発明の医薬は、静脈内、筋肉内、動脈内、脊髄内、包膜内、心室内、経皮的または皮膚透過的塗布、皮下、腹膜内、鼻腔内、外的、局所的、舌下、膣内、または直腸の手段を、これらに制限されることなく含むいずれかの種類の経路によって投与されて良い。
【0048】
経口投与のための組成物は、バルク液体、溶液または懸濁物、またはバルクパウダーの形態を採用してよい。しかしながらより一般的には、前記組成物は、正確な用量を容易にするための単位用量形態で提供される。用語「単位用量形態」は、ヒトの被験者及び他の動物に対する統一の用量として適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、適切な製薬学的賦形剤とともに、所望される治療効果を生ずるように計算された所定量の活性材料を含む。典型的な単位用量形態は、液体組成物の補充された事前に測定されたアンプルまたはシリンジ、或いは固体組成物の場合は丸薬、錠剤、カプセル等を含む。そのような組成物では、本発明の化合物は、通常マイナーな成分であり(約0.1から約50重量%、好ましくは約1から約40重量%)、残部は各種のビヒクルまたは担体であって、所望の用量形態を形成するのに役立つ機能を有する。用量での治療は、単一の用量スケジュールまたは複数の用量スケジュールであって良い。
【0049】
本発明の目的は、賦形剤及び/または薬理学的に許容可能な希釈剤と組み合わせた、一つ以上の上述の式(I)の化合物を含む製薬組成物である。
問題となる組成物は、式(I)の化合物と主に、さらなる既知の活性物質を含んで良い。
【0050】
本発明の更なる目的は、一つ以上の式(I)の化合物を、適切な賦形剤、安定剤、及び/または製薬学的に許容可能な希釈剤と混合することによって特徴づけされる製薬組成物の調製方法である。
【0051】
本発明の一つの実施態様は、Aが−CO−である上述の式(I)の化合物である。
【0052】
本発明の更なる実施態様は、Rがアミノで任意に置換されたシクロアルキルである上述の式(I)の化合物である。
本発明の更なる実施態様は、Aが−CH−(CO)−である上述の式(I)の化合物である。
【0053】
本発明のまた更なる実施態様は、Rが−(OCHCH−O−でありRが−(CHCORである上述の式(I)の化合物である。
【0054】
本発明のまた更なる実施態様は、AがCHでありRがO(CO)ORである上述の式(I)の化合物である。
【0055】
本発明のまた更なる実施態様は、Aが−[CO(CHR)−NH]−である上述の式(I)の化合物である。
【0056】
本発明の好ましい実施態様は、Aが−[CO(CHR)−NH]−[式中、wは好ましくは1または2の整数である]である上述の式(I)の化合物である。
【0057】
本発明のまた更なる実施態様は、Rがヘテロシクロアルキルを表しRがアルキレンを表す上述の式(I)の化合物である。
【0058】
本発明のより好ましい実施態様は、(S)−2−アミノ−3−メチル酪酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル塩酸塩;(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−{2−[2−(2−カルボキシメトキシエトキシ)エトキシ]アセトキシ}ビフェニル−4−イル)アクリル酸;ウンデカン酸3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル;4−モルホリン−4−イル−酪酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル塩酸塩;4−(4−メチルピペラジン−1−イル)酪酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル二塩酸塩;(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−メチルアミノエチルカルバモイルオキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸;(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−カルボキシメチルカルバモイルオキシビフェニル−4−イル)アクリル酸;(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(4−アミノブチルカルバモイルオキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸塩酸塩;(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−モルホリン−4−イルエチルカルバモイルオキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸塩酸塩;(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−運で汁カルバモイルオキシビフェニル−4−イル)アクリル酸;[1,4’]ビピペリジニル−1’−カルボン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル塩酸塩;(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−イソプロピルカルバモイルオキシビフェニル−4−イル)アクリル酸;4−[3−アダマンタン−1−イル−4‘−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルオキシカルボニルアミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル;(E)−3−{3’−アダマンタン−1−イル−4’−[(S)−1−(カルボキシメチルカルバモイル)−2−メチルプロピルカルバモイルオキシ]ビフェニル−4−イル}アクリル酸;(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−メトキシエトキシメトキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸;シクロプロパンカルボン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル;(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルメトキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸;(9Z,12Z)-オクタデカ−9,12−ジエン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル;(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−プロポキシカルボニルオキシメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸;1−アミノシクロプロパンカルボン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル;(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−シアノメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸;(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−カルバモイルメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸、及び(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸からなる群から選択される化合物からなる。
【0059】
本発明の更により好ましい実施態様は、(S)−2−アミノ−3−メチル酪酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル塩酸塩;(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−{2−[2−(2−カルボキシメトキシエトキシ)エトキシ]アセトキシ}ビフェニル−4−イル)アクリル酸;4−モルホリン−4−イル−酪酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル塩酸塩;4−(4−メチルピペラジン−1−イル)酪酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル二塩酸塩;(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−メチルアミノエチルカルバモイルオキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸;(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−モルホリン−4−イルエチルカルバモイルオキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸塩酸塩;シクロプロパンカルボン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル;(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−プロポキシカルボニルオキシメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸;1−アミノシクロプロパンカルボン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル、及び(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−シアノメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸からなる群から選択される化合物からなる。
【0060】
以下の実施例は、本発明を制限することなく本発明を更に説明する。
【実施例】
【0061】
略語:
EtOAc:酢酸エチル
bm:ブロードマルチプレット(broad multiplet)
Boc:tert−ブトキシカルボニル
bs:ブロードシングレット(broad singlet)
DCM:ジクロロメタン
dd:ダブレットオブダブレット(doublet of doublet)
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EtO:ジエチルエーテル
MeCN:アセトニトリル
MEM−Cl:メトキシエトキシメチルクロリド
MeOH:メタノール
NaSO:硫酸ナトリウム
NMP:N−メチルピロリジノン
PyBop:(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
RP−HPLC:逆相高速液体クロマトグラフィー
RT:室温
TBDPSiCl:tert−ブチルジフェニルシリルクロリド
TCA:トリクロロ酢酸
TFA:トリフルオロ酢酸
TLC:薄相クロマトグラフィー
【0062】
一般的記載:反応及び生成物混合物は、シリカゲルF254 Merckプレート上のTLCによってルーチンにモニターされた。シリカゲル(Merck 230-400メッシュ)を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーを実施した。Bruker AC-200スペクトロメーターまたはVarian Mercury Plus 400を使用して、核磁気共鳴(H及び13C NMR)スペクトルを集積し、化学シフトは内部スタンダードとしてテトラメチルシラン由来の百万分率(part per million;ppm)低磁場で示されている。結合定数はHzで示されている。マススペクトルはESI MICROMASS ZMD2000で得られた。
【0063】
全ての乾燥操作は無水硫酸ナトリウムで実施された。フラッシュカラムクロマトグラフィー(中間圧)をシリカゲル(Merck 230-400メッシュ)で実施した。収率は精製の後与えられる。
【0064】
調製1:(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸tert−ブチルエステルST5763AA1
3−アダマンタン−1−イル−4’−ブロモビフェニル−4−オール(1.15g、2.99mmol)、tert−ブチルアクリレート(1.75g、11.96mmol)、NEt(1.25ml、8.97mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド(1.329g、4.78mmol)及びNMP(3ml)の混合物を含むフラスコに、Pd(OAc)(6.7mg、0.03mmol)を添加した。グリコール冷却コンデンサーを備えたフラスコを事前に加熱したオイルバス(110℃)に浸液し、反応混合物を室温で一晩攪拌した。混合物をRTに戻し、DCMで希釈し、HOで洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。粗反応混合物をジオキサン(10ml)に採取し、生成した溶液を40mlのHOに滴下した。次いで懸濁物を20分間超音波処理し、一晩攪拌した。後者の濾過の後、1.2g(収率93%)の所望の化合物を灰色の固体として得た。
【0065】
【数1】

【0066】
実施例1:(S)−2−アミノ−3−メチル酪酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル塩酸塩ST5576CL1
工程1:DMF(1ml)中のBOC−Val−OH(24mg、0.11mmol)の溶液に、PyBOP(57mg、0.11mmol)を添加し、DIPEA(65ml、0.5mmol)と反応混合物を、TLCによってモニターして、酸の完全な活性化まで攪拌した。次いで(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸tert−ブチルエステルを添加し(43mg、0.10mmol)、反応混合物を0℃で5時間攪拌した。標準的なワークアップの後、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=9/1)によって精製し、45%の収率で所望の生成物を得た。
【0067】
工程2:後者をDCM/TFA(8/2)混合物にRTで溶解し、tert−ブチルエステル部分の完全な切断まで攪拌した。次いで反応混合物を減圧下で濃縮し、DCMで希釈した。後者の方法を二度繰り返し、粗所望生成物を得た。次いで後者をDMSOに溶解し、凍結乾燥して83%の収率で所望の化合物を得た。
【0068】
【数2】

【0069】
実施例2:(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−{2−[2−(2−カルボキシメトキシエトキシ)エトキシ]アセトキシ}ビフェニル−4−イル)アクリル酸ST5587AA1
工程1:3,6,9−トリオキサウンデカンジオン酸から2.5時間の反応時間で開始して、実施例1の工程1に記載された方法に従って実施した。所望の中間体t−Buエステルは72%の収率で得られた。
【0070】
工程2:凍結乾燥を除いて実施例1の工程2に記載された方法に従って実施した。所望の生成物は98%の収率で固体として得られた。
【0071】
【数3】

【0072】
比較例3:ウンデカノン酸3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステルST5628AA1
工程1:ウンデカノン酸から13時間の反応時間で開始して、実施例1の工程1に記載された方法に従って実施した。所望の中間体tert−Buエステルは63%の収率で得られた。
【0073】
工程2:後者をRTでジオキサンに溶解した。HCl(4M、ジオキサン中)をRTで添加し、開始材料が対応するカルボン酸誘導体に完全に変換されるまで反応混合物を攪拌した。次いで反応混合物を減圧下で濃縮し、DCMで希釈した。後者の方法を二度繰り返し、所望の生成物を白色の固体として得た(収率71%)。
【0074】
【数4】

【0075】
実施例4:4−モルホリン−4−イル−酪酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル塩酸塩ST5589CL1
工程1:DCM(4ml)中に(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸tert−ブチルエステル(100mg、0.23mmmol)とDIPEA(80μl、0.46mmol)の溶液に、4−ブロモ酪酸クロリド(53μl、0.46mmol)を0℃で滴下した。反応混合物をRTで1時間攪拌した。反応混合物をDCMで希釈し、HOで洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。かくして得られた粗物質を、いずれの更なる精製もなしで次の工程で使用した。
【0076】
工程2:DMF(3ml)中に後者のブロモ誘導体の懸濁物にモルホリン(140μl、1.61mmol)を添加し、反応混合物を50℃で12時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残余物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=2/3)によって精製し、54%の収率で期待される生成物を得た。
【0077】
工程3:実施例3の工程2に記載された方法に従って実施し、所望の化合物を99%の収率で固体として得た。
【0078】
【数5】

【0079】
実施例5:4−(4−メチルピペラジン−1−イル)酪酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル二塩酸塩ST5592CL1
工程1:実施例4の工程1で得られた生成物とN−メチルピペラジンから開始して、実施例4の工程2に記載された方法に従って実施した。精製した中間体をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH=9/1)によって精製し、26%の収率で所望の誘導体を得た。
【0080】
工程2:実施例4の工程3に記載された方法に従って実施し、所望の化合物を99%の収率で固体として得た。
【0081】
【数6】

【0082】
実施例6:(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−メチルアミノエチルカルバモイルオキシ)ビフェニル-4−イル]アクリル酸ST5588CL1
工程1:DCM(5ml)中に(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸tert−ブチルエステル(104mg、0.24mmol)とDIPEA(252μl、1.45mmol)の溶液に、パラ−ニトロフェニルクロロホルメート(174mg、0.58mmol)を0℃で添加した。次いで反応混合物をRTで2時間攪拌した。次いでN−Boc−N−メチルエチレンジアミン(87μl、0.49mmol)を添加し、反応混合物を55℃で14時間攪拌した。反応混合物をDCMで希釈し、HOで洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。精製した残余物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=8/2)によって精製し、65%の収率で所望の中間体を得た。
【0083】
工程2:実施例3の工程2に記載された方法に従って実施し、所望の化合物を94%の収率で白色の固体として得た。
【0084】
【数7】

【0085】
実施例7:(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−カルボキシメチルカルバモイルオキシビフェニル−4−イル)アクリル酸ST5602AA1
工程1:N−Boc−N−メチルエチレンジアミンの代わりにGly−O−tBuを使用して、実施例6の工程1に記載された方法に従って実施した。アミンの添加の後、反応混合物を12時間攪拌し、所望の中間体を61%の収率で得た。
【0086】
工程2:実施例3の工程2に記載された方法に従って実施し、所望の化合物を62%の収率で白色の固体として得た。
【0087】
【数8】

【0088】
実施例8:(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(4−アミノブチルカルバモイルオキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸塩酸塩ST5604CL1
工程1:N−Boc−N−メチルエチレンジアミンの代わりにN−Boc−1,4−ジアミノブタンを使用して、実施例6の工程1に記載された方法に従って実施した。アミンの添加の後、反応混合物を12時間攪拌し、所望の中間体を60%の収率で得た。
【0089】
工程2:実施例3の工程2に記載された方法に従って実施し、所望の化合物を54%の収率で固体として得た。
【0090】
【数9】

【0091】
実施例9:(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−モルホリン−4−イル−エチルカルバモイルオキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸塩酸塩ST5606CL1
工程1:N−Boc−N−メチルエチレンジアミンの代わりに4−(2−アミノエチル)モルホリンを使用して、実施例6の工程1に記載された方法に従って実施した。アミンの添加の後、反応混合物を12時間攪拌し、所望の中間体を56%の収率で得た。
【0092】
工程2:実施例3の工程2に記載された方法に従って実施し、所望の化合物を56%の収率で白色の固体として得た。
【0093】
【数10】

【0094】
実施例10:(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ウンデシルカルバモイルオキシビフェニル−4−イル)アクリル酸ST5629AA1
工程1:N−Boc−N−メチルエチレンジアミンの代わりにウンデシルアミンを使用して、実施例6の工程1に記載された方法に従って実施した。アミンの添加の後、反応混合物を12時間攪拌し、所望の中間体を83%の収率で得た。
【0095】
工程2:実施例3の工程2に記載された方法に従って実施し、所望の化合物を80%の収率で白色のパウダーとして得た。
【0096】
【数11】

【0097】
実施例11:[1,4’]ビピペリジニル−1’−カルボン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル塩酸塩ST5630CL1
工程1:N−Boc−N−メチルエチレンジアミンの代わりに4−ピペリジノピペリジンを使用して、実施例6の工程1に記載された方法に従って実施した。アミンの添加の後、反応混合物を12時間攪拌し、所望の中間体を46%の収率で得た。
【0098】
工程2:実施例3の工程2に記載された方法に従って実施し、所望の化合物を61%の収率で白色のパウダーとして得た。
【0099】
【数12】

【0100】
実施例12:(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−イソプロピルカルバモイルオキシビフェニル−4−イル)アクリル酸ST5536AA1
(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸(200mg、0.53mmol)の溶液に、イソプロピルイソシアネート(327μl、3.33mmol)をRTで添加し、NEt(314μl、2.44mmol)と反応混合物を5日間攪拌した。反応混合物をDCMで希釈し、HOで洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。
【0101】
所望の化合物を68%の収率で固体として更なる精製なしで得た。
【0102】
【数13】

【0103】
実施例13:4−[3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルオキシカルボニルアミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルST5577AA1
工程1:イソプロピルイソシアネートの変わりにベンジル4−イソシアナトテトラヒドロ−1(2H)−ピリジンカルボキシレートを使用して、実施例12に記載された方法に従って実施した。反応混合物を2日間攪拌し、37%の収率で所望の生成物を得た。
【0104】
工程2:実施例2の工程2に記載された方法に従って実施した。所望の生成物を69%の収率で固体として得た。
【0105】
【数14】

【0106】
実施例14:(E)−3−{3’−アダマンタン−1−イル−4’−[(S)−1−(カルボキシメチルカルバモイル)−3−メチルブチルカルバモイルオキシ]ビフェニル−4−イル}アクリル酸ST5690AA1
工程1:N−Boc−N−メチルエチレンジアミンの代わりにtert−BuOGlyLeuNHを使用して、実施例6の工程1に記載された方法に従って実施した。アミンの添加の後、反応混合物をRTで6時間攪拌し、ヘキサン/EtOAcの4:1から3:1の勾配でのシリカゲルクロマトグラフィーによる精製の後、所望の中間体を71%の収率で得た。
【0107】
工程2:実施例3の工程2に記載された方法に従って実施し、所望の化合物を40%の収率でオイルとして得た。
ESI−MSm/z=587.6[M−H]
【0108】
実施例15:(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−メトキシエトキシメトキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸ST5583AA1
工程1:1mlの無水DMF中の(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸メチルエステル(120mg、0.309mmol)の溶液を、無水DMF(0.3ml)中のNaH(14.8mg,0.371mmol、鉱物油中に60%)の1ml懸濁物に0℃で滴下した。生成した赤色溶液をRTで30分間攪拌し、次いでMEM−C1(46mg,0.371mmol)を添加した。RTで一晩の攪拌の後、氷水を加え、混合物をEtOAcで数回抽出した。組み合わせた有機相をNaSOで乾燥し、濾過して真空下で濃縮した。生成した粗生成物をシリカゲル(アセトン:ヘキサン=15:85)で精製し、(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−メトキシエトキシメトキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸メチルエステル(123mg,84%)を得た。
【0109】
【数15】

【0110】
工程2:上記得られた(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−メトキシエトキシメトキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸メチルエステル(56mg,0.117mmol)を、4.8mlのTHF:HO=1:1の混合物中にLiOH.HO(24mg、0.585mmol)の溶液に添加した。生成した溶液をRTで一晩攪拌した。THFを真空下で除去し、生成した水性溶液を1N HClで酸性化し、白色の沈降物を形成させた。表題の化合物を濾過の後に得た(55mg、100%)。
【0111】
【数16】

【0112】
実施例16:(E)−シクロプロパンカルボン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−(2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステルST5610AA1
工程1:DMF(3ml)中の3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸(200mg、0.534mmol)の懸濁物に、モルホリン(60mg、0.694mmol)とTBDPSiCl(166mg、0.587mmol)を添加した。有機相を水で数回洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過して真空下で濃縮した。生成した生成物をシリカゲル(酢酸エチル:ヘキサン=15:85)で精製し、(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸tert−ブチルジフェニルシリルエステル(237mg,72%)を得た。
【0113】
【数17】

【0114】
工程2:ピリジン(1ml)中の上記得られた誘導体(130mg、0.212mmol)の溶液に、シクロプロパンカルボニルクロリド(33mg,0.318mmol)を添加した。生成した溶液を50℃で30分間加熱し、次いで水で希釈してEtOAcで抽出した。有機相を1N HClで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過して真空下で濃縮した。所望のシクロプロパンカルボン酸(E)−3−アダマンタン−1−イル−4’−(2−tert−ブチルジフェニルシリルオキシビニル)ビフェニル−4−イルエステルを、シリカゲル(EtOAc:ヘキサン=90:10)での精製の後42%の収率(61mg)で得た。
【0115】
【数18】

【0116】
工程3:THF(2ml)中のシクロプロパンカルボン酸(E)−3−アダマンタン−1−イル−4’−(2−tert−ブチルジフェニルシリルオキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル(30mg,0.0441mmol)の溶液に、TBAF(1N THF溶液、22μl)を−78℃で添加した。混合物を−78℃で30分間攪拌し、NHCl飽和溶液を添加した。THFを真空下で除去し、残余物を水で採取した。固体の沈降物を濾過し、EtOで洗浄し、(E)−3−アダマンタン−1−イル−4’−(2−カルボニルビニル)ビフェニル−4−イルエステル(12mg,62%)を得た。
【0117】
【数19】

【0118】
実施例17:(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルメトキシ)ビフェニル-4−イル]アクリル酸ST5632AA1
工程1:(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸tert−ブチルエステル(200mg、0.464mmol)、N−クロロメチルフタルイミド(91mg,0.464mmol)、KCO(70mg,0.464mmol)及びNaI(70mg,0.464mmol)の溶液を。RTで一晩暗所で攪拌した。溶媒を蒸発させ、残余物をEtOAcに採取した。有機相を水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過して真空下で濃縮した。3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルメトキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸tert−ブチルエステルを、シリカゲル(EtOAc:ヘキサン=15:85)での精製の後55%の収率(150mg)で得た。
【0119】
【数20】

【0120】
工程2:DCM(1.8ml)中に(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルメトキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸tert−ブチルエステル(110mg、0.186mmol)の氷冷溶液に、TFA(1.8ml)を滴下し、混合物を0℃で10分間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残余物をヘキサンですすぎ、濾過の後97mg(98%)の表題の化合物を得た。
【0121】
【数21】

【0122】
実施例18:(E)−オクタデカ−9,12−ジオン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−(2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステルST5633AA1
工程1:ピリジン(2.2ml)中の(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸tert−ブチルエステル(200mg、0.464mmol)の溶液に、リノレオイルクロリド(208mg、0.696mmol)を添加した。生成した混合物を50℃で1時間加熱し、次いでRTで一晩攪拌した。EtOAcの添加の後、有機相を1N HClで二回洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過して真空下で濃縮した。(E)−オクタデカ−9,12−ジオン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−(2−tert−ブトキシカルボニルビニル)ビフェニル−4−イルエステルを、シリカゲル(EtOAc/ヘキサン=5:95)での精製の後65%の収率(210mg)で無色のオイルとして得た。
【0123】
【数22】

【0124】
工程2:DCM(1.6ml)中のオクタデカ−9,12−ジオン酸 (E)−3−アダマンタン−1−イル−4’−(2−tert−ブトキシカルボニルビニル)ビフェニル−4−イルエステル(110mg、0.159mmol)の氷冷溶液に、TFA(1.6ml)を滴下し、生成した溶液を0℃で30分間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、表題の化合物を白色の固体として得た(100mg,99%)。
【0125】
【数23】

【0126】
実施例19:(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−プロポキシカルボニルオキシメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸ST5688AA1
工程1:水(2.9ml)中の(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸tert−ブチルエステル(250mg、0.581mmol)とKCO(241mg、1.74mmol)の混合物をRTで30分間攪拌した。次いでテトラブチルアンモニウム水素スルフェート(197mg、0.581mmol)とDCM(1.4ml)を添加し、攪拌を更に10分間続けた。次いでDCM(1.4ml)中の炭酸ヨードメチルエステルプロピルエステル(184mg、0.755mmol)の溶液を滴下した。二相溶液をRTで一晩攪拌した。標準的なワークアップと減圧下での溶媒の除去の後、残余物をEtOに採取した。テトラブチルアンモニウムヨージドを濾過し、溶媒を蒸発させた。(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−プロポキシカルボニルオキシメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸tert−ブチルエステルが、シリカゲル(EtOAc/ヘキサン=12:88)での精製の後得られた(117mg,36%)。
【0127】
【数24】

【0128】
工程2:(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−プロポキシカルボニルオキシメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸tert−ブチルエステル(40mg、0.073mmol)とモンモリロナイトKSF(15mg)との混合物を、MeCN(1ml)中で2時間還流した。反応混合物をEtOAcで希釈して濾過した。溶媒を減圧下で除去した。表題の化合物(10mg、28%)をシリカゲル(EtOAc/ヘキサン=60:40)での精製の後得た。
【0129】
【数25】

【0130】
実施例20:(E)−1−[3−アダマンタン−1−イル−4’−(2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルオキシカルボニル]シクロプロピルアンモニウムトリフルオロアセテートST5667TF1
工程1:DMF(3.4ml)中の(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸tert−ブチルエステル(291mg、0.677mmol)の溶液に、PyBop(388mg、0.745mmol)、1−(Boc−アミノ)シクロプロパンカルボン酸(150mg、0.745mmol)及びDIPEA(438mg、3.39mmol)を添加した、混合物をRTで6時間攪拌し、次いでEtOAcで希釈した。溶液を1N HClで洗浄し、NaSOで乾燥して濾過した。溶媒を減圧下で除去した。粗反応混合物をシリカゲル(EtOAc/ヘキサン=15:85)で精製し、次いでEtOから結晶化し、(E)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノシクロプロパンカルボン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−(2−tert−ブトキシカルボニルビニル)ビフェニル−4−イルエステル(160mg,38%)を得た。
【0131】
【数26】

【0132】
工程2:実施例18の工程2に記載された方法に従って実施した。所望の生成物を定量的な収率で得た。
【0133】
【数27】

【0134】
実施例21:(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−シアノメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸ST5741AA1
工程1:DMF(2ml)中に(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸メチルエステル(250mg、0.64mmol)の溶液に、ブロモアセトニトリル(84mg、0.7mmol)、KCO(166mg、1.2mmol)及びKI(53mg、0.32mmol)を添加した。混合物をRTで3時間攪拌した。冷水を添加し、溶液をEtOAcで抽出した。有機相をNaHCOの飽和溶液、水、及び塩水で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、減圧下で蒸発させ、(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−シアノメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸メチルエステル(240mg、88%)を得た。
【0135】
【数28】

【0136】
工程2:24mlのTHF:HO=1:1中にLiOH.HO(117mg,2.8mmol)の溶液に、(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−シアノメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸メチルエステル(240mg、0.56mmol)を添加した。かくして得られた溶液をRTで一晩攪拌下で維持した。減圧下でTHFを除去し、生成した水性相を1N HClで酸性化し、濾過された白色の沈降物として表題の化合物の形成を得た(216mg,93%)、
【0137】
【数29】

【0138】
実施例22:(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−アミドメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸ST5765AA1
この化合物は、実施例21の工程2に記載され、1N HClで50℃で6時間酸性化を受けた方法にしたがって得られた。
【0139】
【数30】

【0140】
実施例23:(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸ST5743CL1
工程1:DMF(2.5ml)中に(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸メチルエステル(250mg,0.64mmolの溶液にKCO(265mg,1.92mmol)を添加し、混合物をRTで30分間攪拌した。 4−(2−クロロエチル)モルホリン塩酸塩(155mg、0.83mmol)を添加し、溶液を60℃で14時間加熱した。水の添加によって反応を停止し、EtOAcで抽出した。有機相をNaHCOの飽和溶液、水、及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で蒸発させ、シリカゲル(EtOAc:ヘキサン=50:50)での精製の後、(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸メチルエステル(193mg、60%)を得た。
【0141】
【数31】

【0142】
実施例24:(E)−メタンスルホン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−(2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステルST7259AA1
THF(1.60ml)中に(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)アクリル酸(150mg、0.401mmol)の溶液に、メタンスルホニルクロリド(91.8mg、0.802mmol)とトリエチルアミン(162mg、1.60mmol)を0℃で添加し、生成した混合物を1時間攪拌した。後者をEtOAcで希釈し、1N HClで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。EtOAc/イソプロピルエーテル1:1からの結晶化により残余物を生成し、白色のパウダーとして20mg(11%)の生成物を得た。
【0143】
【数32】

【0144】
実施例25:化学的安定性
前記化合物類を各種のpHでスクリーニングし、溶液中でのそれらの相対的化学的安定性を試験した。それらの全てがpH=1.2での3時間のインキュベーションの後安定性である結果を示した。化学的安定性は、pH=7.4での24時間のインキュベーションでも調べた。その結果が表1に報告されている。
【0145】
表1
【表1】

「Stable」は>98%の回収を意味する;「NT」は試験していないことを意味する。
【0146】
98%未満の安定性を示した全ての化合物について、加水分解された元の化合物が8%で存在することが見出された実施例20を除いて、E−4−(3−(1−アダマンチル)−4−ヒドロキシフェニル)ケイ皮酸の量は常に3%以下であったことを指摘することは興味深い。
【0147】
生物学的活性
NCI−H460腫瘍細胞系についての細胞毒性
生きた細胞に対する前記化合物類の効果を評価するために、スルホローダミンB試験を使用した。細胞増殖に対する前記化合物類の効果を試験するために、NCI−H460非小細胞肺カルシノーマ細胞を使用した。10%胎児ウシ血清(GIBCO)を含むRPMI1640で腫瘍細胞を増殖させた。
【0148】
腫瘍細胞を約10%の集密で96穴組織培養プレートに蒔き、少なくとも24時間付着と回収をさせた。次いで変化する濃度の薬剤を各穴に添加し、そのIC50値(50%の細胞生存を阻害する濃度)を計算した。プレートを37℃で24時間インキュベートした。処理の最後で、上清の除去とPBSの添加によりプレートを洗浄した。培養培地(200μl)を再び添加し、37℃で更に48時間プレートをインキュベートした。200μlのPBSと50μlの冷却80%TCAを添加した。プレートを氷上で少なくとも1時間インキュベートした。TCAを除去し、蒸留水中への浸液によりプレートを3回洗浄し、40℃で5分間紙で乾かした。次いで1%酢酸中の0.4%スルホローアミンBの200μlを添加した。プレートを室温で更に30分間インキュベートした。スルホローダミンBを除去し、1%酢酸への浸液によりプレートを3回洗浄し、次いで40℃で5分間紙で乾かした。次いで200μlのTris10mMを添加し、プレートを20分間攪拌下で維持した。540nmでのMultiskan分光蛍光計により、光学密度として生存細胞を測定した。死んだ細胞の量を、コントロール培養物と比較したスルホローダミンB結合の減少のパーセンテージとして計算し、コントロール培養物は(2E)−3−[3’−(1−アダマンチル)−4’−ヒドロキシ[1,1−ビフェニル]−4−イル]−2−プロペン酸(ST1926)の使用を含んだ。
IC50値を”ALLFIT”プログラムで計算した。
【0149】
結果
本発明の化合物を、NCI−H460非小肺カルシノーマ細胞に対する抗増殖効果について評価した(表2)。予期せぬことに、これらの誘導体の多くが、構造的に関連するアナログの一つのST1926に匹敵するまたはそれより優れた阻害活性を示した。更に、表1で報告された化学的安定性のデータを考慮すると、示された活性は、4’位に存在する酸素原子に存在するそれぞれの基の加水分解から由来するものではない。
【0150】
表2:非小細胞肺ガンに対する抗増殖効果(IC50
【表2】

*:比較例
【0151】
A2780腫瘍細胞系に対する細胞毒性
予備の結果は、本発明の化合物が、ヒト卵巣ガン細胞系A2780の増殖の強力なインヒビターでもあることを示す。前記化合物の抗増殖効果は、表3に報告されている通り、5μMで測定された細胞増殖の阻害のパーセンテージとして報告されている。
【0152】
表3:卵巣細胞ガンに対する抗増殖効果(IC50
【表3】

*:比較例
【0153】
A431表皮カルシノーマに対するin vivo実験
CD1ヌードマウスの右脇腹に、0.1mlの培地Tc199中のA431腫瘍細胞(5×10/100μl/マウス)の皮下注射により、腫瘍を生成させた。腫瘍注射から3日後、9匹のマウスの群にqdx3/wx2wのスケジュールに従って、10mg/10ml/kgの用量で静脈内にST5589を送達した。
【0154】
ST5589の抗腫瘍活性を評価するために、腫瘍の直径をVernierカルパスで一週間ごとに測定し、腫瘍の体積を下式に従って計算した。
TV=d×D/2
[式中、d及びDはそれぞれ最も短い直径と最も長い直径である]。
薬剤の効力を、以下に報告された式に従って、腫瘍体積の阻害として評価した:
【数33】

【0155】
処理の2週間後、腫瘍体積の34%の減少が見出され(p=0.036対ビヒクル処理群−Mann Whitney試験)、この誘導体の実質的な活性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

[式中、
はH、O(CO)OR、NR、CN、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、アルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルは、C−Cアルキル、(CHCOR、O(CO)OR、OH、またはNRで一箇所以上任意に置換され;
nは0または1であり;
はOH、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、またはベンジルオキシであり;
及びRは同一または異なっても良く、H、アルキルであり;または
及びRはそれらが結合している窒素原子で共に結合し、ヘテロシクロアルキル基を形成し;または
NRはニトロ基を形成し;
はアルキレン、ヒドロキシアルキレン、アミノカルボニルアルキレン、(C−C18)アルケニレン、(C−C)シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、−O−(OCHCH−、分枝状または直鎖状ポリアミノアルキレン、NOで任意に置換されたフェニルオキシであり;または不存在であり
mは1から4の間に含まれる整数であり;
Aは−CH−、−CO−、−CH−(CO)−、−NH(CO)−、または−[CO−(CHR)−NH]−であり;
は天然のアミノ酸残基の側鎖であり;
wは1であり;
それらの互変異性体、幾何異性体、並びにエナンチオマー、ジアステレオマー及びラセミ体といった光学的に活性な形態、並びにそれらの製薬学的に許容可能な塩、水和物または溶媒和物であり;
但し、R−R−Aはアルキルまたはアルキル−COを表さない]
を有する化合物。
【請求項2】
独立に、Aが−CH−、−CO−、−[CO−(CHR)−NH]−、または−NH(CO)−であり、Rがアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、Rがアルキレンまたは−O−(OCHCH−O−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が−O(CO)ORを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
(S)−2−アミノ−3−メチル酪酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル塩酸塩;(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−{2−[2−(2−カルボキシメトキシエトキシ)エトキシ]アセトキシ}ビフェニル−4−イル)アクリル酸;4−モルホリン−4−イル−酪酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル塩酸塩;4−(4−メチルピペラジン−1−イル)酪酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル二塩酸塩;(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−メチルアミノエチルカルバモイルオキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸;(E)−3−[3’−アダマンタン−1−イル−4’−(2−モルホリン−4−イルエチルカルバモイルオキシ)ビフェニル−4−イル]アクリル酸塩酸塩;シクロプロパンカルボン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル;(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−プロポキシカルボニルオキシメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸;1−アミノシクロプロパンカルボン酸 3−アダマンタン−1−イル−4’−((E)−2−カルボキシビニル)ビフェニル−4−イルエステル、及び(E)−3−(3’−アダマンタン−1−イル−4’−シアノメトキシビフェニル−4−イル)アクリル酸からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
活性成分として請求項1に記載の式Iの化合物を含み、少なくとも一つの製薬学的に許容可能な賦形剤及び/または希釈剤を含む製薬組成物。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物の投与を含む、関節炎状態、腫瘍、転移性のガン、糖尿病性網膜症、乾癬、慢性炎症性疾患またはアテローム性動脈硬化症に罹患した患者の治療方法。
【請求項7】
医薬としての請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項8】
抗血管新生活性または細胞毒性活性が患者の健康状態の改善を導く病理学的状態の治療のための医薬の調製のための、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項9】
前記病理学的状態が、関節炎状態、腫瘍、転移性のガン、糖尿病性網膜症、乾癬、慢性炎症性疾患またはアテローム性動脈硬化症によって表される、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
前記腫瘍が、サルコーマ、カルシノーマ、骨腫瘍、神経内分泌腫瘍、リンパ性白血病、ミエロイド白血病、単球性白血病、巨核球性白血病またはホジキン病からなる群から選択され、サルコーマ及びカルシノーマが、乳ガン;非小細胞肺ガン(NSCLC)及び小細胞肺ガン(SCLC)を含む肺ガン;食道ガン、胃ガン、小腸ガン、大腸ガン、直腸ガン、及び結腸ガンを含む胃腸ガン;グリア芽腫を含むグリオーマ;卵巣ガン、子宮頸ガン、子宮内膜ガン、中皮腫;腎臓ガン;前立腺ガン及び皮膚ガンからなる群から選択され;または前記腫瘍が、急性リンパ芽球白血病、急性ミエロイド白血病、副腎皮質カルシノーマ、アストロチトーム、膀胱ガン、脳幹グリオーマ、中枢神経系変形奇形ガン/杆状ガン、脳ガン、中枢神経系胎芽ガン、脳ガン、アストロチトーム、クラニオファリンジオーム、上衣芽細胞腫、上衣腫、若年性骨芽腫、上衣細胞腫、中間分化の松果体柔組織ガン、テント上始原神経外胚葉性ガン及び松果体芽細胞腫、乳ガン、気管支ガン、カルチノイドガン、子宮頸ガン、脊索腫、 大腸ガン、食道ガン、頭蓋外胚細胞ガン、胃ガン、グリオーマ、肝細胞ガン(肝臓ガン)、ホジキンリンパ腫、腎臓ガン、喉頭ガン、白血病、急性リンパ芽球/ミエロイド白血病、肝臓ガン、非ホジキンリンパ腫、髄芽腫、中皮腫、多重内分泌腫瘍形成症候群、鼻咽頭ガン、口腔ガン、卵巣ガン、膵臓ガン、乳頭腫、腎細胞ガン、横紋筋肉腫、唾液腺ガン、サルコーマ、皮膚ガン、胸腺腫及び胸腺カルシノーマ、甲状腺ガン及び膣ガンからなる群から選択される小児科性のガンに関する、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記腫瘍が転移性腫瘍である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
Aが−CO−、−CH−(CO)−、または−[CO(CHR)−NH]−であり、R、R、R及びwが請求項1に規定したとおりである式Iの化合物の合成方法であって、
a)下式VI
【化2】

[式中、RはHまたはt−Buである]
の化合物を、式R−(CO)−OH
[式中、R−(CO)−は請求項1に規定されたR−R−Aの意味を有する]
の化合物と、カップリング剤及び第三級アミンである塩基の存在下で、非プロトン性溶媒中で、0℃から室温の範囲の温度で反応させる工程;及び
b)Rがt−Buである場合、TFAによってtert−ブチルエステルを切断する工程
を含む方法。
【請求項13】
がヘテロシクロアルキルであり、Aが−CO−であり、Rがアルキレンである式Iの化合物の合成方法であって、
a)請求項12に規定した式VIの化合物を、ハロアルカノイルクロリド試薬と、第三級アミンである塩基の存在下で、非プロトン性溶媒中で、0℃から室温の範囲の温度で反応させる工程;
b)工程a)で得られた中間誘導体の非反応のハロ部分を、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロピランからなる群から選択される求核へテロシクロアルキルで置換する工程;及び
c)Rがt−Buである場合、TFAによってtert−ブチルエステルを切断する工程
を含む方法。
【請求項14】
が請求項1に規定した任意に置換できるヘテロシクロアルキルであり、Aが−NH(CO)−であり、R及びRが請求項1に規定したとおりである式Iの化合物の合成方法であって、
a)請求項12に規定した式VIの化合物を、パラ−ニトロフェニルクロロホルメートと、第三級アミンである塩基の存在下で、非プロトン性溶媒中で、0℃から室温の範囲の温度で反応させる工程;
b)上記得られた中間体を、任意に保護化された更なる官能化基を含んでも良いアミノ誘導体と反応させる工程;
c)上記得られた中間体が更に保護化された官能化基を含む場合、それを適切に反応させて保護基を除去する工程
を含む方法。
【請求項15】
請求項1から4のいずれか一項に記載の少なくとも一つの化合物を、製薬学的に許容可能な担体及び/または製薬学的に許容可能な賦形剤と混合することを含む、請求項5に記載の製薬組成物の調製方法。

【公表番号】特表2012−513965(P2012−513965A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542805(P2011−542805)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【特許番号】特許第4933683号(P4933683)
【特許公報発行日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067667
【国際公開番号】WO2010/072727
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(591043248)シグマ−タウ・インドゥストリエ・ファルマチェウチケ・リウニテ・ソシエタ・ペル・アチオニ (92)
【氏名又は名称原語表記】SIGMA−TAU INDUSTRIE FARMACEUTICHE RIUNITE SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】