説明

細胞治療のためのT細胞を調製するための方法

【課題】ヒトの治療における使用により適した細胞治療プロトコルにおける使用のためのT細胞の強さを増大し得る、改善されたT細胞刺激方法を提供すること。
【解決手段】ヒトの治療における使用により適した細胞治療プロトコルにおける使用のためのT細胞の強さを増大し得る、改善されたT細胞刺激方法の必要性が存在する。T細胞表面機能基に対して反応性である一つ以上の因子を持つ生分解性支持体を有する生分解性デバイスを利用することによって、自己治療処置プロトコルにおける使用のための、増強された免疫刺激能力を有するT細胞が生成される。この生分解性のデバイスは、一つ以上の因子がT細胞の表面機能基と架橋してT細胞にシグナルを送達し免疫刺激能力を高めるように、十分にT細胞と混合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、細胞治療処置プロトコルにおける使用のための、免疫刺激能力が増強されたT細胞を生成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞治療方法は、腫瘍、ウイルス,および細菌性病原体に対する宿主の免疫応答を増強するために開発されている。細胞治療方法は、しばしばエキソビボでのT細胞の活性化および増殖を包含する。これらの型の処置の例として、腫瘍湿潤リンパ球(TIL)細胞(Rosenbergに対して発行された特許文献1を参照)、細胞毒性T細胞(Caiらに対して発行された特許文献2;およびCelisらに対して発行された特許文献3を参照)、増殖腫瘍流入領域リンパ節(expanded tumor draining lymph node)細胞(Termanに対して発行された特許文献4を参照)、ならびに種々のほかのリンパ細胞調製物(Bellらに対して発行された特許文献5;Ochoaらに対して発行された特許文献6;Riddellらに対して発行された特許文献7;Babbittらに対して発行された特許文献8を参照)の使用が挙げられる。
【0003】
細胞治療プロトコルにおけるT細胞の最大限の有効性のために、エキソビボで活性化されるT細胞集団は、癌、感染性疾患、または他の疾患状態に対する免疫応答を最大限に統合し得る状態にあるべきである。効果的なT細胞応答のために、そのT細胞は第一に活性化されねばならない。活性化のために、少なくとも2つのシグナルがT細胞に送達される必要がある。第一のシグナルは、通常、T細胞表面上のT細胞レセプター(TCR)を介して送達される。このTCR第一シグナルは、通常、TCRと、MHC複合体と共に抗原提示細胞(APC)の表面上に発現されるペプチド抗原との相互作用によって誘導される。第二のシグナルは、通常、T細胞の表面上の共起刺激レセプターを介して送達される。共起刺激レセプターは、一般に、APCの表面上に発現される、対応するリガンドまたはサイトカインによって誘導される。
【0004】
細胞治療プロトコルにおける使用のために調製されているT細胞の培養中に多数の天然のAPCを維持することにおける困難に起因して、エキソビボでのT細胞の活性化のための代替的な方法が探求されている。一つの方法は、天然のAPC上でのペプチド−MHC複合体の必要性を、代わりにポリクローナルなアクチベーター(例えば、固定されたまたは架橋された抗CD3モノクローナル抗体(mAb)もしくは抗CD2 mAb、あるいはスーパー抗原)を用いてTCR(第一のシグナル)を刺激することによって回避することである。抗CD3 mAbまたは抗CD2 mAbと共に用いられる最もよく調査されている共起刺激因子(第二のシグナル)は、固定されたまたは可溶化された抗CD28 mAbの使用である。
常磁性ビーズ(Juneらに対して発行された特許文献9を参照)のような固体支持体上に固定される、抗CD3 mAb(第一のシグナル)と抗CD28 mAb(第二のシグナル)との組合せは、細胞治療プロトコルにおいてエキソビボのT細胞活性化の誘導における天然のAPCの代理とするために用いられてきた(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。これらの方法は治療的に有用なT細胞集団をもたらし得るが、常磁性ビーズを使用すると、T細胞を容易に調製するには理想から程遠くなる。問題として、ビーズの原価の高さ、細胞注入の前にビーズを除去するための労力を要する手順、およびビーズがCD8 T細胞の亜集団を活性化し得ないことが挙げられる(非特許文献4;非特許文献5)。加えて、この方法および他の先行技術のT細胞刺激方法から生成されるT細胞集団は、患者へ注入された場合に効果的な免疫刺激を励起するために必要とされるある型の強さを欠失している。結果として、いずれの先行技術の細胞治療プロトコルも、臨床的環境における有意な効能を明らかにしていない。
このことは、細胞治療プロトコルにおける使用のためのT細胞を活性化するための、さらに効果的な方法の追求への動機付けになった。そのような方法の一つは、mAbに結合するレセプターを発現するように遺伝子改変されている、APC腫瘍細胞株の使用である。これらの改変されたAPCは、抗CD3 mAbおよび抗CD28 mAbでロードされ得るか(非特許文献6)、または4−1BBに対するリガンドを発現するようにさらに改変され得(非特許文献7)、次いで、細胞治療プロトコルにおける使用のためのT細胞を活性化するために用いられる。これらの改変されたAPCが、CD3/CD28被覆常磁性ビーズの使用よりさらに効果的なT細胞集団の活性化をもたらすことが見出された。しかし、細胞治療プロトコルにおける遺伝子操作された腫瘍細胞株の使用は、安全性に対する懸念を提起し、このことがこの技術の商業的な適用を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,126,132号明細書
【特許文献2】米国特許第6,255,073号明細書
【特許文献3】米国特許第5,846,827号明細書
【特許文献4】米国特許第6,251,385号明細書
【特許文献5】米国特許第6,194,207号明細書
【特許文献6】米国特許第5,443,983号明細書
【特許文献7】米国特許第6,040,177号明細書
【特許文献8】米国特許第5,766,920号明細書
【特許文献9】米国特許第6,352,694号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Levine,B.L.,W.B.Bernsteinら、「Effects of CD28 costimulation on long−term proliferation of CD4+ T cells in the absence of exogenous feeder cells.」、J Immunol、1997年、第159巻、第12号、p.5921−30
【非特許文献2】Garlie,N.K.,A.V.LeFeverら、「T cells coactivated with immobilized anti−CD3 and anti−CD28 as potential immunotherapy for cancer.」、J Immunother,1999年、第22巻、第4号、p.336−45
【非特許文献3】Shibuya,T.Y.,W.Z.Weiら、「Anti−CD3/anti−CD28 bead stimulation overcomes CD3 unresponsiveness in patients with head and neck squamous cell carcinoma.」、Arch Otolaryngol Head Neck Surg,2000年、第126巻、第4号、p.473−9
【非特許文献4】Deeths,M.J.,R.M.Kedlら、「CD8+ T cells become nonresponsive(anergic)following activation in the presence of costimulation.」、J Immunol,1999年、第163巻、第1号、p.102−10
【非特許文献5】Laux,I.,A.Khoshnanら、「Response differences between human CD4(+)and CD8(+)T−cells during CD28 costimulation:implications for immune cell−based therapies and studies related to the expansion of double−positive T−cells during aging.」、Clin Immunol,2000年、第96巻、第3号、p.187−97
【非特許文献6】Thomas,A.K.,M.V.Mausら、「A cell−based artificial antigen−presenting cell coated with anti−CD3 and CD28 antibodies enables rapid expansion and long−term growth of CD4 T lymphocytes.」、Clin Immunol,2002年、第105巻、第3号、p.259−72
【非特許文献7】Maus,M.V.,A.K.Thomasら、「Ex vivo expansion of polyclonal and antigen−specific cytotoxic T lymphocytes by artificial APCs expressing ligands for the T−cell receptor,CD28 and 4−1BB.」、Nat Biotechnol,2002年、第20巻、第2号、p.143−8
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
この状況において、第二の物質を架橋し得る第一の物質で被覆され、この第二の物質がT細胞の表面上の機能基に対する反応性を有する、生分解性支持体が利用される。この被覆された生分解性支持体は、次いで、第二の物質によって標識されたT細胞と混合される。架橋される第二の物質によって送達されるシグナルは、この混合物の遠心によって増強される。このシグナルは、高細胞密度での混合物の培養によってさらに増強される。
【0008】
本発明はまた、T細胞の機能基に対して反応性である一つ以上の因子と共に生分解性支持体を有する、生分解性デバイスを包含する。そのような因子は、T細胞にシグナルを送達し、免疫刺激能力または免疫調節能力を増強する。
本発明はさらに、以下の項目を提供する。
(項目1)
細胞治療処置プロトコルにおける使用のための免疫刺激能力が増強されたT細胞を生成するための方法であって:
T細胞機能基に対する反応性を有する一種以上の因子を持つ生分解性支持体を有する生分解性デバイスを提供する工程;および
該生分解性デバイスを、該一つ以上の因子が該T細胞表面機能基と架橋して該T細胞にシグナルを送達して免疫刺激能力を増強するように、十分に該T細胞と混合する工程
を包含する、方法。
(項目2)
前記生分解性支持体は、第一の物質および第二の物質を含み、該第一の物質は、前記T細胞の表面上の機能基に結合される該第二の物質を架橋し得る、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第二の物質は、T細胞表面機能基に対して特異性を有する抗体である、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記第一の物質は抗体である、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記生分解性デバイスはマイクロスフェアである、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記マイクロスフェアは、ヒトにとって非毒性である物質へ分解する、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記第一の物質は、前記生分解性デバイスを被覆し、該第二の物質で被覆された被覆生分解性デバイスと混合される、項目2に記載の方法。
(項目8)
前記第一の物質および前記第二の物質は互いに結合されて生分解性デバイスを被覆し、該生分解性デバイスは、次いで前記T細胞と混合される、項目2に記載の方法。
(項目9)
さらに:
架橋を増強するために、前記生分解性デバイスを前記T細胞とともに遠心する工程
を包含する、項目2に記載の方法。
(項目10)
さらに:
前記生分解性デバイスを、前記T細胞とともに高い細胞密度まで培養する工程
を包含する、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記生分解性デバイスは、前記T細胞と混合された後に、培養培地または生理体液中で14日間より早く分解する、項目1に記載の方法。
(項目12)
T細胞の免疫刺激能力を増強するためのデバイスであって、項目1に記載の方法によって作製され:
T細胞表面機能基に対して反応性である一つ以上の因子を有する生分解性支持体
によって特徴付けられる、デバイス。
(項目13)
項目12に記載のデバイスであって、前記生分解性支持体は、第一の物質および第二の物質を含み、該第一の物質は該第二の物質に結合し得、該第二の物質はT細胞機能基に対して反応性であり、その結果、該デバイスは、該T細胞機能基の反応性部位を架橋し、前記T細胞へのシグナルの伝達を引き起こす、デバイス。
(項目14)
前記第二の物質は、T細胞表面機能基に対して特異性を有する一種以上の抗体である、項目13に記載のデバイス。
(項目15)
前記第一の物質は抗体である、項目13に記載のデバイス。
(項目16)
前記生分解性支持体はマイクロスフェアである、項目12に記載のデバイス。
(項目17)
前記マイクロスフェアは、ヒトにとって非毒性である物質へ生分解し得る、項目16に記載のデバイス。
(項目18)
前記マイクロスフェアは14日間以内に分解する、項目16に記載のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
ヒトの治療における使用により適した細胞治療プロトコルにおける使用のためのT細胞の強さを増大し得る、改善されたT細胞刺激方法の必要性が存在する。
【0010】
T細胞の強さを改善するために、改善された刺激方法が、天然のAPCの刺激効果を可能な限り厳密に模倣することがまた望ましい。上で議論されたCD3/CD28被覆APC細胞株を用いる場合(Thomas,Mausら、2002年);(Maus,Thomasら、2002年)に観察されるT細胞活性化の改善は、APC細胞株で天然に発現される、CD3/CD28刺激と呼応して働く共起刺激分子に対するリガンドの有効性に起因した。これらのリガンドとして、B7−H3、PD−L1、PD−L2、およびIL−15が挙げられる。
【0011】
従って、腫瘍細胞株の使用を必要とせず多くの共起刺激リガンドを提示し得る、改善されたT細胞刺激のための方法を有することが望ましい。
【0012】
天然のAPCは、しかし、T細胞に対する多重同時刺激を提供するのみならず、T細胞刺激に対するT細胞の応答における異なる時点および/または段階での、一連の異なる多重刺激も提供する。いずれの先行技術のT細胞刺激方法も、この天然の過程を、模倣し得ない。
【0013】
この天然の過程を模倣する能力は、T細胞の増殖のみならず、T細胞の分化も制御する手段を提供する。調節細胞またはエフェクター細胞へのT細胞の分化の過程において、APC刺激に対するT細胞の応答における異なる時点および/または段階で、異なるシグナルが必要とされる。従って、免疫を刺激し得るかまたは免疫を抑制し得る細胞を含む、細胞治療における使用のためのより多様な分化細胞を提供するために、この天然の過程を模倣するエキソビボの状態を作り出し得ることが望ましい。
【0014】
本発明において用いられる高密度の細胞培養物の維持は、生物学的支持体の分解が培地のpHの低下を引き起こし、より高い細胞密度が急激な代謝老廃産物の蓄積および培養培地中の栄養の消費をもたらすので、特別な注意を要する。これらの理由のために、培地の交換は少なくとも毎日一回、細胞が1mlあたり100万個を超過する細胞密度を得た後は好ましくは少なくとも毎日二回、必要とされる。
【0015】
頻繁な培地交換は、T細胞培養物の維持および増殖のために重要である内因性のサイトカインを除去し得る。従って、好ましい実施形態において、取り除かれた培養培地は、代謝老廃産物を除去するが内因性サイトカインを保持するために、透析膜を通して濾過される。この保持される培地は、次いで、新鮮な栄養培地を用いて補充され、混合された培養物へと戻される。このことは、細胞が内因性サイトカインの希釈なしに新鮮な栄養培地に曝されることを可能とする。
【0016】
T細胞が増殖し培養中で成熟するに従い、種々の一連の第二の物質が、必要とされる任意の時点で培養物に加えられ得、この後、付加的な被覆された生分解性支持体と混合することによって架橋され得る。あるいは、第二の物質が生分解性支持体に加えられ得、被覆された支持体は、種々の時点で培養物に加えられ得る。付加的な第二の物質および被覆された生分解性支持体を加えた後の毎回の混合物の遠心は、さらなる利点を提供する。好ましい実施形態において、この遠心の工程は、培地透析の工程と一致するように毎日行われる。
【0017】
(生分解性スフェア)
脂肪族のポリエステル(例えば、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、PLAとPGAとの共重合体(PLGA)またはポリ(カプロラクトン(carprolactone))(PCL)、ならびにポリ無水物)は、支持体のための生分解性のポリマーとしての使用のための好ましい物質である。これらのポリマーは、種々の形状(例えば、フィルム、細片、線維、ゲル、ナノスフェア、またはマイクロスフェア)として処方され得、次いで第一の物質を用いて被覆され得る。マイクロスフェアは、好ましい処方物である。なぜならば、マイクロスフェアは、1.0〜0.500マイクロメートル、好ましくは1〜10マイクロメートル、最も好ましくは1〜5マイクロメートルの大きさの、小さな微小球状顆粒へ複製可能に製造され得るからである。この範囲の大きさのマイクロスフェアは、従来方法による直接的な体内への注射が可能である。被覆されたマイクロスフェアは、培養培地中または生理体液中で、14日間以内に分解するように処方されることが好ましく、さらに好ましくは7日間以内、最も好ましくは3日間以内に分解するように処方されることが好ましい。他の好ましい方法において、ナノスフェアが処方される。これらのデバイスは、非常に急速な分解(例えば、3日間以内)が必要とされる適用において、好ましい。
【0018】
生分解性マイクロスフェアを被覆するための好ましい第一の物質の一つは、ポリクローナルのヤギ(またはヒツジ)の抗マウスポリクローナル抗体である。例として、この好ましい第一の物質は、T細胞表面の機能基に対する特異性を有するマウス由来のモノクローナル抗体、またはそのフラグメントもしくは遺伝子操作された誘導体を架橋するために用いられ得る。従って、例えば、ヤギ抗マウス被覆マイクロスフェア(またはナノスフェア)と、マウ抗ヒトCD3 mAbおよびマウス抗ヒトCD28 mAbで標識されたヒトT細胞との混合は、ヤギ抗マウスポリクローナル抗体とマウスmAbとの結合を通じて、マウスmAbのヒトT細胞上への架橋を引き起こす。このmAbの架橋は、T細胞の活性化および増殖を引き起こす。第一の物質と第二の物質との多くの組合せは、T細胞のシグナル伝達および活性化を開始するためにT細胞表面の機能基に結合した第二の因子を架橋する目的を成し遂げるために、用いられ得る。あるいは、この第二の物質は、T細胞への添加の前に生分解性支持体へ加えられ得る。
【0019】
本発明において用いられる被覆された生分解性マイクロスフェア(またはナノスフェア)は、細胞治療プロトコルにおける使用のためのT細胞の調製に関して、マイトジェン因子が固体支持体(例えば、常磁性ビーズ)上に固定される先行技術の方法より優れた多くの利点を提供する。
【0020】
第一に、これらのデバイスは生体適合性であり、非毒性の物質へと自然に分解するので、ビーズ除去の手順を設定する必要性が存在しない。
【0021】
第二に、これらのデバイスは低密度を有するので、遠心力に供されている細胞と共に用いられ得る。先行技術のデバイス(例えば、常磁性ビーズ)は、遠心に供される場合に細胞に対して損傷を引き起こす。細胞をビーズと共に遠心できるので、T細胞の表面上で架橋された刺激リガンドによってT細胞に提供されるシグナルの質を増強するために、遠心力を使用することができ、また、注入のための調製のためにT細胞を洗浄し別の方法で処理する手段も提供する。
【0022】
第三に、本発明の一つの用途において、シグナルをT細胞に提示するためにT細胞刺激リガンドおよびT細胞共起刺激リガンドを固体表面に固定するよりも、被覆された生分解性マイクロスフェア(またはナノスフェア)の使用が、リガンドが第一にT細胞に適用されることを可能にし、次いで標識T細胞が被覆された生分解性マイクロスフェア(またはナノスフェア)と混合されることを可能にする。この様式において、被膜されたマイクロスフェア(またはナノスフェア)は、普遍的な架橋因子として作用する。
【0023】
第四に、普遍的な架橋因子として、複数の刺激リガンドおよび共起刺激リガンドは、T細胞に適用され得、被覆ビーズによって架橋され得、この複数の架橋されるべき刺激リガンドおよび共起刺激リガンドの組成は、経時的に変化し得る。
【0024】
第五に、T細胞に提供される一連の刺激シグナルおよび共起刺激シグナルの組成を経時的に変化させる能力は、T細胞の増殖、分化、および機能的シグナルの天然の提示を模倣するように設計される方法の実行を可能にする。
【0025】
第六に、T細胞に対する天然のシグナル提示を模倣する能力は、細胞治療プロトコルにおける使用のための多くの機能的特徴を有するT細胞の発達を可能にする。
【0026】
第七に、T細胞に送達されるシグナルの順序および種類を経時的に制御する能力は、エキソビボでのT細胞の分化経路を制御する手段を可能にする。このことは、T細胞に送達されるシグナルの新規の組合せおよび順序を用いる実験を可能にする。そのような方法は、細胞治療プロトコルにおける使用のための、刺激および抑制の両方の新規のエフェクター機能を有するT細胞産物をもたらす。
【0027】
本発明の目的のために、T細胞についての全ての参考文献は、少なくともT細胞を含む細胞の一部を有する細胞の集団を含む。T細胞は、α/β TCRおよびγ/δ TCRを含むTCRを発現する細胞である。T細胞は、CD4およびCD8も発現するT細胞の亜集団を含む、CD3を発現する全ての細胞を含む。T細胞は、ナイーブ細胞および記憶細胞の両方、ならびにCTLのようなエフェクター細胞を含む。T細胞はまた、Th1細胞、Tc1細胞、Th2細胞、Tc2細胞、Th3細胞、Treg細胞、およびTr1細胞のような、調節細胞を含む。T細胞はまた、NKT細胞および同様のT細胞系統の固有のクラスを含む。
【0028】
(増大するシグナル伝達)
一つの局面において、本発明は、第一の物質で被覆された生分解性のマイクロスフェア(またはナノスフェア)と第二の物質で標識されたT細胞との混合物の濃縮によって、T細胞の集団の刺激を増強するための方法を提供する。T細胞へのシグナル伝達の効力を増大するために、架橋される第二の因子の量を増加することおよび架橋の質を高めることの両方が重要である。
【0029】
T細胞表面上の対応する表面機能基と関連する第二の物質の最大量を確実にするために、T細胞の標識は、過剰な第二の物質を用いて行われるべきである。ヒトT細胞表面抗原に対するマウスmAbが第二の物質である好ましい実施形態において、このmAbは、好ましくは、T細胞が1mlあたり1×10〜1×10個の濃度となり、各々のmAbが0.5μl/ml〜10μl/mlの濃度(好ましくは1μl/ml)となるように、T細胞の懸濁液と混合される。この標識T細胞は、少なくとも細胞1個当たりスフェア1個の比で、好ましくは細胞1個当たりスフェア3個の比で、被覆された生分解性スフェアと混合されるべきである。
【0030】
架橋の最高の質を確実にするために、標識細胞および被覆された生分解性スフェアは、好ましくは、第一によく混合され、次いで遠心力下で共に濃縮される。この遠心は、好ましくは、3日毎に行われ、さらに好ましくは、少なくとも毎日一回行われる。T細胞が新たなmAbが加えられる時点から遠心の完了を通して4℃に保たれることもまた、好ましい。細胞を低温に保つことは、架橋される前の連結したT細胞表面レセプターのキャッピングおよび遊離(shedding)を防ぐ。
【0031】
(細胞培養方法)
細胞治療プロトコルにおける使用のための最も強いT細胞を提供するために、前進的(processive)かつ持続性のTCRシグナル伝達および共起刺激を維持することが好ましい。この理由のために、本発明の方法は、培養されるT細胞が高い細胞密度(例えば、10細胞/mlより高い細胞密度、またはさらに好ましくは10細胞/mlより高い細胞密度、または最も好ましくは10細胞/mlより高い細胞密度)に保たれる場合に、最もよく作用する。高い細胞密度は、細胞:細胞の相互作用および生分解性スフェアとの相互作用を増大させる。
【0032】
増大した細胞:細胞の相互作用は、生分解性スフェアの架橋効果とは別の有益な効果を有する。この有益な効果は、最大活性化条件に応じてT細胞の表面上でアップレギュレートする刺激リガンドの発現から生じる。これらのリガンドは、他のT細胞上の対応するレセプターと相互作用する。例えば、T細胞は、最大活性化の後で、一つ以上の以下のTNFR共起刺激リガンド(例えば、LIGHT、CD70、OX40L、4−1BBL、およびCD30L)を発現する。
【0033】
細胞を培養中で生分解性スフェアと共に高い密度に維持することは、培養培地の頻繁な交換を必要とする。高い細胞密度は、速い速度の代謝老廃産物の蓄積および利用可能な栄養の消費をもたらす。加えて、生分解性スフェアの加水分解は、培養培地のpHを酸性にする。しかし、速過ぎる培地交換は、外因性サイトカインが利用されない培養にとって有害であり得る。外因性サイトカインはヒトへ注入される場合に毒性であり得、培養細胞を生存性に関して外因性サイトカインの存在に依存性にし得るので、細胞治療プロトコルにおける使用のための細胞を処理する場合、外因性サイトカインを使用しないことが好ましい。従って、本発明の方法は、細胞処理において透析の工程を包含する。
【0034】
10,000ダルトン以下のポアの大きさの膜を用いる培養培地の透析は、代謝老廃物の通過を可能にしつつ内因性サイトカインの保持を可能にする。好ましい実施形態において、培養物の培養培地の半分が毎日取り除かれ、90%が透析フィルターを通される。フィルターを通過した培地は廃棄されるが、保持された培地は新鮮な培養培地で元の容積まで増やされる。
【0035】
本発明の方法に従うと、以下の手順を包含する、細胞治療プロトコルにおける使用のための、強さおよび増強された機能を有するT細胞を産生するための手順が記載される:(1)細胞表面機能基に対する反応性を有する1種以上の因子を用いるT細胞の集団の標識;(2)標識T細胞の集団と、シグナルをT細胞へ伝達させるT細胞上の細胞表面機能基に結合する因子を架橋し得る被覆された生分解性スフェアとの混合;(3)遠心によるこの混合物の濃縮;(4)高い細胞密度でのT細胞の継続培養;ならびに(5)少なくとも毎日一回の、培養物からの培地の除去、および内因性サイトカインの保持のためのこの培地の透析、および新鮮な培地との交換;ならびに(6)注入に必要なT細胞の量および臨床効果のためのT細胞の最適機能の両方をもたらすために、T細胞の標識のための同じまたは異なる因子を用いての、これらの手順の必要に応じた繰り返し。
【0036】
(T細胞連結標的の選択)
より効率的かつ効果的なT細胞の活性化、増殖、および分化の方法を設計する能力は、第二の物質の選択および適用のタイミングの直接的な結果である。第二の物質は、T細胞表面機能基に連結し得、架橋の後にT細胞にシグナルを送達し得る因子である。これらの物質は、好ましくはモノクローナル抗体、またはそのフラクションもしくは遺伝子操作されたバージョン(例えば、融合タンパク質)である。第二の物質は、T細胞の活性化、増殖、および分化の過程、ならびに応答するT細胞の一生におけるどこかの一時点でのシグナルの型および持続期間についての要求に関する理解の結果として選択される。
【0037】
T細胞の活性化のためには少なくとも2種類の型のレセプター(TCRおよび共起刺激物質)が結合することが必要であることが公知である(ChambersおよびAllison、1999年)。抗原ペプチドおよび共起刺激リガンドとの天然のAPCの結合に応答して、APCとT細胞との接触部位は、「免疫学的シナプス」を形成する。このシナプスは、局所解剖学的におよび空間的に識別可能な領域へと集合する。初めのTCRの結合は、シナプスの周辺部で起こり(Grakoui,Bromleyら、1999年)、その後、共起刺激分子(例えば、CD28、CD2、CD48、およびLFA−1)のリガンド結合が、シナプスでのレセプターの分類および再編成を促進する。シナプスでの分子の内容物は、あるサブセットのタンパク質が特異的に豊富であり得、タンパク質を選択的に除外し得る。この選択的なタンパク質の移動は、「脂質ラフト(lipid raft)」として公知の構造によって促進される。
【0038】
脂質ラフト膜分割(menbrane partitioning)は、最適なTCRシグナル伝達のために不可欠であることが公知であり(MoranおよびMiceli、1998年:Janes,Leyら、1999年)、TCRシグナル伝達に対する共起刺激物質は、シナプス形成ならびにシナプスでの脂質ラフトの再組織化およびクラスター形成(clustering)を引き起こす。これらの事象は、T細胞に環境から提供される空間的情報および時間的情報を統合するための天然の機構を提供する。
【0039】
従って、定義された刺激物質に応答する、シナプスで利用可能なレセプターの型に関する知識は、ある期間にわたって利用する共起刺激物質の種々の型を決定するための情報を提供し得る。脂質ラフトは、TCR関連シグナルトランスデューサーの濃縮および近位化ならびに組織化されたTCRシグナル伝達複合体の集合のためのプラットフォームとして機能する。従って、第一に、定義される一連のシグナルをT細胞の集団に提供する過程によって、そして次に第一の一連のシグナルによって誘導される、脂質ラフトにおいて集合されるタンパク質を分析する過程によって、第二の一連の可能なシグナルが決定され得る。この過程は、第二の一連の刺激物質を用いて繰り返され得る。第二の一連のシグナルの適用の後で、この過程は第三の一連のシグナルを用いて繰り返され得、以下同様に続く。この過程の各々の工程で、T細胞の応答は、望ましい機能(例えば、増殖、選択されるサイトカイン産生の型および量、エフェクター分子および他の機能的表面分子の発現)について最適化するためにモニタリングされ得る。
【0040】
例えば、CD2およびLFA−1の両方は、CD28の結合が存在しない場合に最初のT細胞活性化を刺激し得る、ラフト関連タンパク質である(Yashiro−Ohtani,Zhouら、2000年)。これらの分子の結合は、ICAM−1に対するレセプターのアビディティをアップレギュレートし増大することが公知であり、ICAM−1は、次いで第二の一連のシグナルに関与し得る。CD2/LFA−1結合は、経時的に結合するTCRの数を増加させることによってT細胞の活性化を促進することが公知であり、一方、CD28は、結合するこれらのTCRの潜在能力を増大させることによって機能し、従って、応答をもたらすために結合することが必要であるTCRの数を減少させる(Bachmann,McKall−Faienzaら、1997年)。
【0041】
好ましい実施形態において、CD3および以下の一つ以上の分子から選択される他の共起刺激分子を含む第一の一連のシグナルが利用される:CD2、CD28、CD48、LFA−1、CD43、CD45、CD4、CD8、CD7、GM1、LIGHT(HVEM融合タンパク質)。第二の一連のシグナルは、CD3および一つ以上の第一の一連のシグナルの共起刺激物質を、付加的に選択される以下の誘導性共起刺激リガンドと共に含む:CD27、OX40、4−1BB、およびCD30。
【0042】
また、好ましい実施形態において、種々の接着分子に対するT細胞のカウンターレセプターが、この過程の間に関与し得る。T細胞に対する接着分子の例は:CD44、CD31、CD18/CD11a(LFA−1)、CD29、CD54(ICAM−1)、CD62L(L−セレクチン)、およびCD29/CD49d(VLA−4)である。他の適切な第二の一連のシグナル因子として、サイトカインレセプターに結合し、架橋される場合にシグナルを送達する非サイトカイン因子が挙げられる。これらの型の因子の例は、サイトカインレセプターに対するmAbであり、このサイトカインレセプターとして:IL−2R、IL−4R、IL−10R、II型IFNR1およびR2、I型IFNR、IL−12Rβ1およびβ2、IL−15R、TNFR1およびTNFR2、ならびにIL−1Rが挙げられる。T細胞上のケモカインレセプターに結合し得、架橋される場合にシグナルを送達し得る任意の因子はまた、C−CカテゴリおよびC−X−Cカテゴリ内の因子を含む。T細胞機能と関連するケモカインレセプターの例として、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、およびCXCR3が挙げられる。
【実施例】
【0043】
(例示的方法)
免疫系を刺激する能力が増強されたT細胞の集団を産生するための最適な手順の実施例は以下に続く。全ての実施例は、ヤギ抗マウス被覆生分解性マイクロスフェア、およびT細胞表面の抗原に対して特異的なマウスmAbを用いて標識されたT細胞を利用する:
(実施例番号1:)
組み立て(第0日)
(1)白血球搬出による白血球の回収;
(2)正の選択による10個のCD4+ T細胞の精製;
(3)抗CD3 mAb、抗CD28 mAb、抗IL−12Rβ2 mAbを用いる精製されたCD4+細胞の標識;
(4)気体透過性バッグ(gas permeable bag)内で標識細胞を被覆マイクロスフェアと混合する(スフェア:細胞が、3:1);
(5)1×10/mlの細胞密度での100ml中での混合物の懸濁;
(6)500×gで8分間、4℃での混合物の遠心;
(7)加湿された大気中で37℃で5%のCOと共に静かに再懸濁し、培養する;
(第3日)
(8)注射器吸引によって、細胞を取り除かないように0.45μmのフィルターを用いて、80mlの培養培地を取り除く;
(9)取り除いた培地の70mlを、カットオフの大きさが6,000ダルトンの透析フィルターに通す;
(10)70mlの新鮮な培養培地を保持された10mlに加え、培養バッグに加え戻す;
(11)各々100μgの、抗CD3 mAb、抗CD28 mAb、抗IL−12Rβ2 mAb、および抗4−1BB mAbを、培養バッグに加える;
(12)被覆マイクロスフェアを、1:1のスフェア:細胞比で混合する;
(13)混合物を、500×gで8分間、4℃で遠心する;
(14)加湿された大気中で37℃で5%のCOと共に静かに再懸濁し、培養する;
(第4日)
(15)工程8〜10を繰り返す
(第5日)
(16)工程8〜10を繰り返す
(第6日)
(17)工程8〜14を繰り返す
(18)12時間後、工程8〜10を繰り返す
(第7日)
(19)工程8〜10を繰り返す
(20)12時間後、工程8〜10を繰り返す
(第8日)
(21)工程8〜10を繰り返す
(22)12時間後、工程8〜10を繰り返す
(第9日)
(23)T細胞集団を回収し、注入のために処方する。
【0044】
(結果)
この方法は、CD3/CD28被覆免疫磁気ビーズ単独を用いて活性化された細胞と比較して、増殖ならびにIFN−γおよびTNF−αの産生が増強されたT細胞の集団を生成する。(N=6)
【0045】
【表1】

(実施例番号2)
組み立て(第0日)
(4)白血球搬出による白血球の回収;
(5)正の選択による10個のCD4+ T細胞の精製;
(6)抗CD3 mAb、抗CD28 mAbを用いる、精製されたCD4+細胞の標識;
(4)気体透過性バッグ内で標識細胞を被覆マイクロスフェアと混合する(スフェア:細胞が、3:1);
(5)1×10/mlの細胞密度での100ml中での混合物の懸濁;
(6)500×gで8分間、4℃での混合物の遠心;
(7)加湿された大気中で37℃で5%のCOと共に静かに再懸濁し、培養する;
(第3日)
(8)注射器吸引によって、細胞を取り除かないように0.45μmのフィルターを用いて、80mlの培養培地を取り除く;
(9)取り除いた培地の70mlを、カットオフの大きさが6,000ダルトンの透析フィルターに通す;
(15)70mlの新鮮な培養培地を保持された10mlに加え、培養バッグに加え戻す;
(16)各々100μgの、抗CD3 mAb、抗CD28 mAbを、培養バッグに加える;
(17)被覆マイクロスフェアを、1:1のスフェア:細胞比で混合する;
(18)混合物を、500×gで8分間、4℃で遠心する;
(19)加湿された大気中で37℃で5%のCOと共に静かに再懸濁し、培養する;
(第4日)
(15)工程8〜10を繰り返す
(第5日)
(16)工程8〜10を繰り返す
(第6日)
(24)工程8〜14を繰り返す
(25)12時間後、工程8〜10を繰り返す
(第7日)
(26)工程8〜10を繰り返す
(27)12時間後、工程8〜10を繰り返す
(第8日)
(28)工程8〜10を繰り返す
(29)12時間後、工程8〜10を繰り返す
(第9日)
(30)T細胞集団を回収し、注入のために処方する。
【0046】
(結果)
この方法は、CD3/CD28被覆免疫磁気ビーズ単独を用いて活性化された細胞と比較して、増殖ならびにIFN−γおよびTNF−αの産生が増強され、さらにCD40Lの発現が増強されたT細胞の集団を生成する。(N=6)
【0047】
【表2】

(実施例番号3)
組み立て(第0日)
(7)白血球搬出による白血球の回収;
(8)正の選択による10個のCD4+ T細胞の精製;
(9)抗CD3 mAb、抗CD28 mAb、および抗HVEM mAbを用いる、精製されたCD4+細胞の標識;
(4)気体透過性バッグ内で標識細胞を被覆マイクロスフェアと混合する(スフェア:細胞が、3:1);
(5)1×106/mlの細胞密度での100ml中での混合物の懸濁;
(6)500×gで8分間、4℃での混合物の遠心;
(7)加湿された大気中で37℃で5%のCOと共に静かに再懸濁し、培養する;
(第3日)
(8)注射器吸引によって、細胞を取り除かないように0.45μmのフィルターを用いて、80mlの培養培地を取り除く;
(9)取り除いた培地の70mlを、カットオフの大きさが6,000ダルトンの透析フィルターに通す;
(20)70mlの新鮮な培養培地を保持された10mlに加え、培養バッグに加え戻す;
(21)各々100μgの、抗CD3 mAb、抗CD28 mAb、抗CD27 mAb、および抗4−1BB mAbを培養バッグに加える;
(22)被覆マイクロスフェアを、1:1のスフェア:細胞比で混合する;
(23)混合物を、500×gで8分間、4℃で遠心する;
(24)加湿された大気中で37℃で5%のCOと共に静かに再懸濁し、培養する;
(第4日)
(15)工程8〜10を繰り返す
(第5日)
(16)工程8〜10を繰り返す
(第6日)
(31)工程8〜14を繰り返す
(32)12時間後、工程8〜10を繰り返す
(第7日)
(33)工程8〜10を繰り返す
(34)12時間後、工程8〜10を繰り返す
(第8日)
(35)工程8〜10を繰り返す
(36)12時間後、工程8〜10を繰り返す
(第9日)
(37)工程8〜10を繰り返す
(38)12時間後、工程8〜10を繰り返す
(39)各々100μgの、抗CD3、抗CD28、およびHVEM−Fcを培養バッグに加える;
(40)被覆マイクロスフェアを、1:1のスフェア:細胞比で混合する;
(41)混合物を、500×gで8分間、4℃で遠心する;
(42)加湿された大気中で37℃で5%のCOと共に静かに再懸濁し、培養する;
(第10日)
(43)工程8〜10を繰り返す
(44)12時間後、工程8〜10を繰り返す
(第11日)
(45)T細胞集団を回収し、注入のために処方する。
【0048】
(結果)
この方法は、CD3/CD28被覆免疫磁気ビーズ単独を用いて活性化された細胞と比較して、増殖、ならびにIFN−γ、LIGHT、およびFasLの産生が増強されたT細胞の集団を生成する。(N=6)
【0049】
【表3】

本発明は、好ましい実施形態への言及によって記載されているが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形式および詳細において変更がなされ得ることを認識する。
【0050】
(引用文献)
【0051】
【表4−1】

【0052】
【表4−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【公開番号】特開2011−72319(P2011−72319A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294225(P2010−294225)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【分割の表示】特願2007−500948(P2007−500948)の分割
【原出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(505469791)イミュノバティブ セラピーズ, リミテッド (8)
【Fターム(参考)】