細胞透過のための過剰に荷電されたタンパク質
過剰に荷電されたタンパク質または過剰に荷電されたタンパク質と作用物質(例えば、核酸、ペプチド、タンパク質、小分子)の複合体を細胞に送達するための組成物、調製物、システムおよび関連方法を提供する。そのようなシステムおよび方法は、過剰に荷電されたタンパク質の使用を含む。例えば、過剰に正に荷電されたタンパク質を(典型的には正味負電荷を有する)核酸と静電相互作用によって会合させることができる。いくつかの実施形態において、そのようなシステムおよび方法は、そのタンパク質を「過剰に荷電させる」(例えば、過剰に正に荷電されたタンパク質を生じさせる)ためにタンパク質の一次配列を改変することを含む。いくつかの実施形態において、過剰に荷電されたタンパク質と送達すべき1つ以上の作用物質とを含む複合体は、治療薬として有用である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
過剰に荷電されたタンパク質の調製物であって、該過剰に荷電されたタンパク質は、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味負電荷または正電荷を有し、かつ細胞への透過のために十分な量で存在し、かつ細胞への透過のために調合されるものである、調製物。
【請求項2】
医薬的に許容され得る調製物である、請求項1に記載の調製物。
【請求項3】
過剰に荷電されたタンパク質、もしくは過剰に荷電されたタンパク質と会合している作用物質、またはその両方を細胞に導入する方法であって、
該過剰に荷電されたタンパク質、または過剰に荷電されたタンパク質および該過剰に荷電されたタンパク質と会合している作用物質を、該細胞と、該過剰に荷電されたタンパク質、または該過剰に荷電されたタンパク質と会合している作用物質の該細胞への透過を可能にするために十分な条件下で接触させ、それによって過剰に荷電されたタンパク質、もしくは該過剰に荷電されたタンパク質と会合している作用物質、またはその両方を細胞に導入する工程、
を含む、方法。
【請求項4】
前記過剰に荷電されたタンパク質または前記過剰に荷電されたタンパク質と会合している作用物質が前記細胞を透過したことを、標識の検出、該細胞における生物学的変化の検出、または該過剰に荷電されたタンパク質もしくは過剰に荷電されたタンパク質と会合している作用物質を投与した被験体における応答、例えば障害の処置、の検出のうちの1つ以上によってさらに確認する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
過剰に荷電されたタンパク質であって、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味電荷を有する、過剰に荷電されたタンパク質と、
1つ以上の核の作用物質(nucleic agent)と、
を含む、複合体。
【請求項6】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、全体の正味正電荷を有する、請求項5に記載の複合体。
【請求項7】
前記全体の正味正電荷が、約+5である、請求項6に記載の複合体。
【請求項8】
前記全体の正味正電荷が、約+10である、請求項6に記載の複合体。
【請求項9】
前記全体の正味正電荷が、約+15である、請求項6に記載の複合体。
【請求項10】
前記全体の正味正電荷が、約+20である、請求項6に記載の複合体。
【請求項11】
前記全体の正味正電荷が、約+25である、請求項6に記載の複合体。
【請求項12】
前記全体の正味正電荷が、約+30である、請求項6に記載の複合体。
【請求項13】
前記全体の正味正電荷が、約+35である、請求項6に記載の複合体。
【請求項14】
前記全体の正味正電荷が、約+40である、請求項6に記載の複合体。
【請求項15】
対象となる前記過剰に荷電されたタンパク質が、生理的なpHで、その対応する未修飾タンパク質よりもより正に荷電される、請求項6に記載の複合体。
【請求項16】
対象となる前記過剰に荷電されたタンパク質が、生理的なpHで、その対応する未修飾タンパク質より少なくとも+5より正に荷電される、請求項6に記載の複合体。
【請求項17】
対象となる前記過剰に荷電されたタンパク質が、生理的なpHで、その対応する未修飾タンパク質より少なくとも+10より正に荷電される、請求項6に記載の複合体。
【請求項18】
対象となる前記過剰に荷電されたタンパク質が、生理的なpHで、その対応する未修飾タンパク質より少なくとも+5より正に荷電される、請求項6に記載の複合体。
【請求項19】
対象となる前記過剰に荷電されたタンパク質が、生理的なpHで、その対応する未修飾タンパク質より少なくとも+5より正に荷電される、請求項6に記載の複合体。
【請求項20】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、蛍光タンパク質である、請求項5に記載の複合体。
【請求項21】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、緑色蛍光タンパク質(GFP)である、請求項5に記載の複合体。
【請求項22】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、過剰に正に荷電されたGFPである、請求項5に記載の複合体。
【請求項23】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列:
【化10】
の過剰に正に荷電されたGFP(+36 GFP)である、請求項5に記載の複合体。
【請求項24】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項25】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列の約20アミノ酸の伸長部を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項26】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列の約30アミノ酸の伸長部を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項27】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列の約40アミノ酸の伸長部を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項28】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列の約50アミノ酸の伸長部を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項29】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列の約100アミノ酸の伸長部を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項30】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約40%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項31】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約50%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項32】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約60%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項33】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約70%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項34】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項35】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項36】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項37】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、緑色蛍光タンパク質と血球凝集素2(HA2)ペプチドの融合タンパク質である、請求項5に記載の複合体。
【請求項38】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列:
【化11】
の、緑色蛍光タンパク質と血球凝集素2(HA2)ペプチドの融合タンパク質である、請求項5に記載の複合体。
【請求項39】
前記核酸が、RNAを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項40】
前記核酸が、DNAを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項41】
前記核酸が、RNAi剤を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項42】
前記RNAi剤が、短い干渉性RNA、短いヘアピンRNA、マイクロRNA、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項41に記載の複合体。
【請求項43】
前記核酸が、RNAiを誘導する実体を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項44】
前記核酸が、アンチセンスRNAを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項45】
前記核酸が、リボザイムまたはデオキシリボザイムを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項46】
前記核酸が、三重らせん形成を誘導するRNAを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項47】
前記核酸が、RNAアプタマーを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項48】
前記核酸が、ベクターを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項49】
前記核酸が、mRNAの発現を駆動するベクターを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項50】
前記核酸が、タンパク質の発現を駆動するベクターを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項51】
過剰に荷電されたタンパク質の核酸に対する比率が、約1:1である、請求項5に記載の複合体。
【請求項52】
過剰に荷電されたタンパク質の核酸に対する比率が、約1:2である、請求項5に記載の複合体。
【請求項53】
過剰に荷電されたタンパク質の核酸に対する比率が、約1:3である、請求項5に記載の複合体。
【請求項54】
過剰に荷電されたタンパク質の核酸に対する比率が、約1:4である、請求項5に記載の複合体。
【請求項55】
過剰に荷電されたタンパク質の核酸に対する比率が、約1:5である、請求項5に記載の複合体。
【請求項56】
過剰に荷電されたタンパク質であって、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味電荷を有する、過剰に荷電されたタンパク質と、
1つ以上のペプチドまたはタンパク質と、
を含む、複合体。
【請求項57】
過剰に荷電されたタンパク質であって、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味電荷を有する、過剰に荷電されたタンパク質と、
1つ以上の小分子と、
を含む、複合体。
【請求項58】
サイクロン(ID番号:Q9H6F5)、PNRC1(ID番号:Q12796)、RNPS1(ID番号:Q15287)、SURF6(ID番号:O75683)、AR6P(ID番号:Q66PJ3)、NKAP(ID番号:Q8N5F7)、EBP2(ID番号:Q99848)、LSM11(ID番号:P83369)、RL4(ID番号:P36578)、KRR1(ID番号:Q13601)、RY−1(ID番号:Q8WVK2)、BriX(ID番号:Q8TDN6)、MNDA(ID番号:P41218)、H1b(ID番号:P16401)、サイクリン(ID番号:Q9UK58)、MDK(ID番号:P21741)、PROK(ID番号:Q9HC23)、FGF5(ID番号:P12034)、SFRS(ID番号:Q8N9Q2)、AKIP(ID番号:Q9NWT8)、CDK(ID番号:Q8N726)、ベータ−ディフェンシン(ID番号:P81534)、PAVAC(ID番号:P18509)、エオタキシン−3(ID番号:Q9Y258)、ヒストンH2A(ID番号:Q7L7L0)、およびHMGB1(ID番号:P09429)からなる群より選択されるタンパク質と;1つ以上のポリヌクレオチドとを含む複合体。
【請求項59】
サイクロン(ID番号:Q9H6F5)、PNRC1(ID番号:Q12796)、RNPS1(ID番号:Q15287)、SURF6(ID番号:O75683)、AR6P(ID番号:Q66PJ3)、NKAP(ID番号:Q8N5F7)、EBP2(ID番号:Q99848)、LSM11(ID番号:P83369)、RL4(ID番号:P36578)、KRR1(ID番号:Q13601)、RY−1(ID番号:Q8WVK2)、BriX(ID番号:Q8TDN6)、MNDA(ID番号:P41218)、H1b(ID番号:P16401)、サイクリン(ID番号:Q9UK58)、MDK(ID番号:P21741)、PROK(ID番号:Q9HC23)、FGF5(ID番号:P12034)、SFRS(ID番号:Q8N9Q2)、AKIP(ID番号:Q9NWT8)、CDK(ID番号:Q8N726)、ベータ−ディフェンシン(ID番号:P81534)、PAVAC(ID番号:P18509)、エオタキシン−3(ID番号:Q9Y258)、ヒストンH2A(ID番号:Q7L7L0)、およびHMGB1(ID番号:P09429)からなる群より選択されるタンパク質と;1つ以上のペプチドまたはタンパク質とを含む複合体。
【請求項60】
サイクロン(ID番号:Q9H6F5)、PNRC1(ID番号:Q12796)、RNPS1(ID番号:Q15287)、SURF6(ID番号:O75683)、AR6P(ID番号:Q66PJ3)、NKAP(ID番号:Q8N5F7)、EBP2(ID番号:Q99848)、LSM11(ID番号:P83369)、RL4(ID番号:P36578)、KRR1(ID番号:Q13601)、RY−1(ID番号:Q8WVK2)、BriX(ID番号:Q8TDN6)、MNDA(ID番号:P41218)、H1b(ID番号:P16401)、サイクリン(ID番号:Q9UK58)、MDK(ID番号:P21741)、PROK(ID番号:Q9HC23)、FGF5(ID番号:P12034)、SFRS(ID番号:Q8N9Q2)、AKIP(ID番号:Q9NWT8)、CDK(ID番号:Q8N726)、ベータ−ディフェンシン(ID番号:P81534)、PAVAC(ID番号:P18509)、エオタキシン−3(ID番号:Q9Y258)、ヒストンH2A(ID番号:Q7L7L0)、およびHMGB1(ID番号:P09429)からなる群より選択されるタンパク質と;1つ以上の小分子とを含む複合体。
【請求項61】
過剰に荷電されたタンパク質であって、該過剰に荷電されたタンパク質は、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味電荷を有し;該過剰に荷電されたタンパク質は、該対応する未修飾タンパク質では正に荷電されない、少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基を含み;および該正に荷電されたアミノ酸残基のそれぞれが少なくとも1つのアミノ酸残基によって隔てられている、過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項62】
前記対応する未修飾タンパク質では正に荷電されない、少なくとも10個の正に荷電されたアミノ酸残基を含む、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項63】
前記対応する未修飾タンパク質では正に荷電されない、少なくとも15個の正に荷電されたアミノ酸残基を含む、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項64】
前記対応する未修飾タンパク質では正に荷電されない、少なくとも20個の正に荷電されたアミノ酸残基を含む、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項65】
前記対応する未修飾タンパク質では正に荷電されない、少なくとも25個の正に荷電されたアミノ酸残基を含む、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項66】
正に荷電されたアミノ酸残基のそれぞれが少なくとも2つのアミノ酸残基によって隔てられている、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項67】
正に荷電されたアミノ酸残基のそれぞれが少なくとも3つのアミノ酸残基によって隔てられている、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項68】
正に荷電されたアミノ酸残基のそれぞれが少なくとも5つのアミノ酸残基によって隔てられている、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項69】
正に荷電されたアミノ酸残基のそれぞれが少なくとも10のアミノ酸残基によって隔てられている、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項70】
過剰に荷電されたタンパク質であって、該過剰に荷電されたタンパク質は、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味電荷を有し;該過剰に荷電されたタンパク質は、少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基を含み;該少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基が、該対応する未修飾タンパク質中に存在する対応するアミノ酸残基とは異なり;および該正に荷電されたアミノ酸残基のそれぞれが、少なくとも1つのアミノ酸残基によって隔てられている、過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項71】
前記少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基のアミノ最末端とカルボキシ最末端の間の距離が、約10アミノ酸である、請求項61または70に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項72】
過剰に荷電されたタンパク質であって、該過剰に荷電されたタンパク質は、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味電荷を有し;該過剰に荷電されたタンパク質は、少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基を含み;該少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基が、該対応する未修飾タンパク質中に存在する対応するアミノ酸残基とは異なり;および該少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基の少なくとも60%が、該タンパク質の表面に位置する、過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項73】
前記少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基の少なくとも70%が、前記タンパク質の表面に位置する、請求項72に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項74】
前記少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基の少なくとも80%が、前記タンパク質の表面に位置する、請求項72に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項75】
前記少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基の少なくとも90%が、前記タンパク質の表面に位置する、請求項72に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項76】
前記少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基の少なくとも95%が、前記タンパク質の表面に位置する、請求項72に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項77】
過剰に荷電されたタンパク質であって、少なくとも5つのアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、またはグルタミンアミノ酸残基が、対応する未修飾タンパク質の対応するアミノ酸残基と異なり;最高AvNAPSAスコアを有する該対応する未修飾タンパク質の少なくとも5つのアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、またはグルタミンアミノ酸残基がリシンに変異され;および該少なくとも5つのアミノ酸残基が正に荷電される、過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項78】
請求項5〜60のいずれか一項に記載の複合体と、
医薬的に許容され得る賦形剤と、
を含む、医薬組成物。
【請求項79】
疾患、障害もしくは状態に罹患しやすいか、疾患、障害もしくは状態に罹患しているか、または疾患、障害もしくは状態の1つ以上の症状を示す被験体を提供する工程;および
請求項1〜77のいずれか一項に記載の過剰に荷電されたタンパク質もしくは複合体または請求項78に記載の医薬組成物を、該被験体に、少なくとも1つの症状が改善されるように投与する工程、
を含む、方法。
【請求項80】
前記投与する工程が、前記過剰に荷電されたタンパク質または複合体が前記被験体の細胞を透過するために十分な条件下で行われる、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記疾患、障害または状態が、mRNA、タンパク質、またはそれらの組み合わせの異常に上昇したレベルに関連している、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記複合体が、異常に上昇したmRNAまたはタンパク質のレベルを低下させる核酸を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記疾患、障害または状態が、mRNA、タンパク質、またはそれらの組み合わせの発現に関連している、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
前記複合体が、発現した前記mRNAまたはタンパク質のレベルを低下させる核酸を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記核酸が、RNAi剤、RNAiを誘導する実体、アンチセンスRNA、リボザイム、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記疾患、障害または状態が、異常に低いmRNAまたはタンパク質レベルに関連している、請求項79に記載の方法。
【請求項87】
前記複合体が、異常に上昇したmRNAまたはタンパク質のレベルを増大させる核酸を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項88】
前記核酸が、発現ベクターを構成する、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記投与する工程が、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、皮下、心室内、局所、吸入および粘膜送達からなる群より選択される投与経路を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項90】
請求項79〜89のいずれか一項に記載の方法を行うためのキット。
【請求項91】
請求項5〜60のいずれか一項に記載の複合体または請求項78に記載の医薬組成物を含むキット。
【請求項92】
過剰に荷電されたタンパク質を細胞透過について評価する方法であって、
過剰に荷電されたタンパク質を場合によっては選択する工程;
該過剰に荷電されたタンパク質を提供する工程;
該過剰に荷電されたタンパク質と細胞とを接触させる工程;および
該過剰に荷電されたタンパク質が該細胞を透過するかどうかを決定し、それによって過剰に荷電されたタンパク質を細胞透過について評価する工程、
を含む、方法。
【請求項93】
過剰に荷電されたタンパク質を細胞透過について評価する方法であって、
過剰に荷電させるべきタンパク質を選択する工程;
変更すべき1つまたは複数の残基のセットを得て、過剰に荷電されたタンパク質を生成する工程;
該変更された残基のセットを有する過剰に荷電されたタンパク質を提供する工程;
該過剰に荷電されたタンパク質と細胞とを接触させる工程;および
該過剰に荷電されたタンパク質が該細胞を透過するかどうかを決定し、それによって過剰に荷電されたタンパク質を細胞透過について評価する工程、
を含む、方法。
【請求項94】
機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質であって、該過剰に荷電されたタンパク質は:
過剰に荷電されたタンパク質と、
機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と
を含み、ここで、
該過剰に荷電されたタンパク質は、該機能性ペプチドまたは該機能性タンパク質と会合し、
該機能性ペプチドまたは該機能性タンパク質と会合している該過剰に荷電されたタンパク質は、細胞を透過することができ、かつ該機能性ペプチドまたは該機能性タンパク質を該細胞に送達することができる、
過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項95】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、前記機能性タンパク質または前記機能性ペプチドに共有結合している、請求項94に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項96】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、前記機能性タンパク質または前記機能性ペプチドにペプチド結合によって結合しており、従って融合タンパク質を形成している、請求項95に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項97】
前記過剰に荷電されたタンパク質および前記機能性タンパク質または前記機能性ペプチドが、該過剰に荷電されたタンパク質と該機能性ペプチドまたは該機能性タンパク質とを接続するリンカーに結合している、請求項94〜96のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項98】
前記リンカーが、アミド結合、エステル結合またはジスルフィド結合を含む、請求項97に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項99】
前記過剰に荷電されているタンパク質または前記リンカーが、細胞酵素によって切断され得る、請求項94〜98のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項100】
前記細胞酵素が、細胞プロテアーゼまたは細胞エステラーゼである、請求項99に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項101】
前記細胞プロテアーゼが、エンドソームプロテアーゼである、または前記細胞エステラーゼが、エンドソームエステラーゼである、請求項100に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項102】
前記細胞酵素が、ターゲット細胞または細胞タイプにおいて優先的に発現されるまたは特異的に発現される、請求項99〜101のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項103】
前記ターゲット細胞または細胞タイプが、癌細胞もしくは癌細胞タイプ、免疫系の細胞もしくは細胞タイプ、または病原性細胞もしくは細胞タイプである、請求項102に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項104】
前記過剰に荷電されたタンパク質または前記リンカーが、X−AGVF−X(配列番号:136)、X−GFLG−X(配列番号:137)、X−FK−X(配列番号:138)、X−AL−X(配列番号:139)、X−ALAL−X(配列番号:140)またはX−ALALA−X(配列番号:141)を含む群から選択されるアミノ酸配列を含み、ここで、Xは、該過剰に荷電されたタンパク質または前記機能性ペプチドもしくは前記機能性タンパク質を含む残部を示す、請求項97〜103のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項105】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、過剰に荷電されたGFPのものに類似した表面電荷密度または表面電荷分布を有する球状タンパク質である、請求項94〜104のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項106】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、β−バレルを含むタンパク質である、請求項94〜105のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項107】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、過剰に荷電されたGFPである、請求項94〜106のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項108】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、+36GFPである、請求項94〜107のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項109】
前記機能性タンパク質が、転写因子、腫瘍抑制因子、発生調節因子、成長因子、転移抑制因子、アポトーシス促進タンパク質、ジンク・フィンガー・ヌクレアーゼ、およびリコンビナーゼを含む群から選択されるタンパク質である、請求項94〜108のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項110】
前記機能性タンパク質が、p53、Rb(網膜芽細胞腫タンパク質)、BRCA1、BRCA2、PTEN、APC、CD95、ST7、ST14、BCL−2ファミリータンパク質、カスパーゼ;BRMS1、CRSP3、DRG1、KAI1、KISS1、NM23、TIMPファミリータンパク質、BMPファミリー成長因子、EGF、EPO、FGF、G−CSF、GM−CSF、GDFファミリー成長因子、HGF、HDGF、IGF、PDGF、TPO、TGF−α、TGF−β、VEGF;ヒトCCR5遺伝子内の部位をターゲットにするジンク・フィンガー・ヌクレアーゼ、Cre、Dre、およびFLPリコンビナーゼを含む群から選択されるタンパク質である、請求項109に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項112】
ペプチドまたはタンパク質を細胞に送達する方法であって、該ペプチドまたは該タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質と該細胞を、該ペプチドまたは該タンパク質が該細胞に侵入するのに十分な条件下で接触させることを含む、方法。
【請求項113】
前記ペプチドまたは前記タンパク質と会合している前記過剰に荷電されたタンパク質が、機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質である、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記機能性ペプチドまたは前記機能性タンパク質と会合している前記過剰に荷電されたタンパク質が、請求項94〜111のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質である、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記ペプチドまたは前記タンパク質が、核ペプチドまたは核タンパク質であり、前記接触させることが、前記細胞の核への該タンパク質の送達をもたらす、請求項112〜114のいずれかに記載の方法。
【請求項116】
前記細胞に送達される前記タンパク質が、転写因子である、請求項112〜115のいずれかに記載の方法。
【請求項117】
前記細胞に送達される前記タンパク質が、リプログラミング因子である、請求項112〜116のいずれかに記載の方法。
【請求項118】
前記細胞が、疾患を有すると診断された被験体からの体細胞である、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記細胞を、該細胞の多能性状態へのリプログラミングの誘導に十分な量のリプログラミング因子と会合している過剰に荷電されたタンパク質と、該誘導に十分な時間、および該誘導に十分な条件下で接触させる、請求項117または118に記載の方法。
【請求項120】
前記体細胞から産生された多能性細胞を単離することをさらに含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
単離された前記多能性細胞、またはその後代、を分化した細胞タイプに分化させることをさらに含む、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記多能性細胞、またはその分化された後代、を細胞補充療法アプローチにおいて使用することをさらに含む、請求項120または121に記載の方法。
【請求項123】
前記細胞が、望ましくないゲノム対立遺伝子を有する細胞であり、前記過剰に荷電されたタンパク質が、該対立遺伝子を特異的にターゲットにするヌクレアーゼと会合している、請求項112〜115のいずれかに記載の方法。
【請求項124】
前記望ましくない対立遺伝子が、疾患と関連づけられ、前記ヌクレアーゼが、該対立遺伝子の変異を誘発する、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記細胞をエクスビボで接触させ、前記ヌクレアーゼによる前記望ましくない対立遺伝子のターゲッティング成功後に前記被験体に再投与する、請求項123または124に記載の方法。
【請求項126】
前記ヌクレアーゼが、ジンク・フィンガー・ヌクレアーゼである、請求項123〜125のいずれかに記載の方法。
【請求項127】
前記ヌクレアーゼが、ヒトCCR5遺伝子をターゲットにする、請求項123〜126のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
前記被験体が、HIV/AIDSと診断された被験体であり、前記細胞が、Tリンパ球である、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記タンパク質が、リコンビナーゼであり、前記細胞が、そのゲノム内に該リコンビナーゼによって認識される組み換え部位を含む、請求項112〜115のいずれかに記載の方法。
【請求項130】
前記細胞が、前記リコンビナーゼによって認識される多数の組み換え部位を含み、該多数の組み換え部位のリコンビナーゼ媒介組み換えが、ゲノム領域の欠失をもたらす、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記細胞が、腫瘍細胞であり、前記タンパク質が、腫瘍抑制タンパク質、転移抑制タンパク質、細胞増殖抑制タンパク質または細胞毒性タンパク質である、請求項112〜115のいずれかに記載の方法。
【請求項1】
過剰に荷電されたタンパク質の調製物であって、該過剰に荷電されたタンパク質は、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味負電荷または正電荷を有し、かつ細胞への透過のために十分な量で存在し、かつ細胞への透過のために調合されるものである、調製物。
【請求項2】
医薬的に許容され得る調製物である、請求項1に記載の調製物。
【請求項3】
過剰に荷電されたタンパク質、もしくは過剰に荷電されたタンパク質と会合している作用物質、またはその両方を細胞に導入する方法であって、
該過剰に荷電されたタンパク質、または過剰に荷電されたタンパク質および該過剰に荷電されたタンパク質と会合している作用物質を、該細胞と、該過剰に荷電されたタンパク質、または該過剰に荷電されたタンパク質と会合している作用物質の該細胞への透過を可能にするために十分な条件下で接触させ、それによって過剰に荷電されたタンパク質、もしくは該過剰に荷電されたタンパク質と会合している作用物質、またはその両方を細胞に導入する工程、
を含む、方法。
【請求項4】
前記過剰に荷電されたタンパク質または前記過剰に荷電されたタンパク質と会合している作用物質が前記細胞を透過したことを、標識の検出、該細胞における生物学的変化の検出、または該過剰に荷電されたタンパク質もしくは過剰に荷電されたタンパク質と会合している作用物質を投与した被験体における応答、例えば障害の処置、の検出のうちの1つ以上によってさらに確認する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
過剰に荷電されたタンパク質であって、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味電荷を有する、過剰に荷電されたタンパク質と、
1つ以上の核の作用物質(nucleic agent)と、
を含む、複合体。
【請求項6】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、全体の正味正電荷を有する、請求項5に記載の複合体。
【請求項7】
前記全体の正味正電荷が、約+5である、請求項6に記載の複合体。
【請求項8】
前記全体の正味正電荷が、約+10である、請求項6に記載の複合体。
【請求項9】
前記全体の正味正電荷が、約+15である、請求項6に記載の複合体。
【請求項10】
前記全体の正味正電荷が、約+20である、請求項6に記載の複合体。
【請求項11】
前記全体の正味正電荷が、約+25である、請求項6に記載の複合体。
【請求項12】
前記全体の正味正電荷が、約+30である、請求項6に記載の複合体。
【請求項13】
前記全体の正味正電荷が、約+35である、請求項6に記載の複合体。
【請求項14】
前記全体の正味正電荷が、約+40である、請求項6に記載の複合体。
【請求項15】
対象となる前記過剰に荷電されたタンパク質が、生理的なpHで、その対応する未修飾タンパク質よりもより正に荷電される、請求項6に記載の複合体。
【請求項16】
対象となる前記過剰に荷電されたタンパク質が、生理的なpHで、その対応する未修飾タンパク質より少なくとも+5より正に荷電される、請求項6に記載の複合体。
【請求項17】
対象となる前記過剰に荷電されたタンパク質が、生理的なpHで、その対応する未修飾タンパク質より少なくとも+10より正に荷電される、請求項6に記載の複合体。
【請求項18】
対象となる前記過剰に荷電されたタンパク質が、生理的なpHで、その対応する未修飾タンパク質より少なくとも+5より正に荷電される、請求項6に記載の複合体。
【請求項19】
対象となる前記過剰に荷電されたタンパク質が、生理的なpHで、その対応する未修飾タンパク質より少なくとも+5より正に荷電される、請求項6に記載の複合体。
【請求項20】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、蛍光タンパク質である、請求項5に記載の複合体。
【請求項21】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、緑色蛍光タンパク質(GFP)である、請求項5に記載の複合体。
【請求項22】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、過剰に正に荷電されたGFPである、請求項5に記載の複合体。
【請求項23】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列:
【化10】
の過剰に正に荷電されたGFP(+36 GFP)である、請求項5に記載の複合体。
【請求項24】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項25】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列の約20アミノ酸の伸長部を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項26】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列の約30アミノ酸の伸長部を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項27】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列の約40アミノ酸の伸長部を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項28】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列の約50アミノ酸の伸長部を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項29】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列の約100アミノ酸の伸長部を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項30】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約40%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項31】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約50%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項32】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約60%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項33】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約70%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項34】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項35】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項36】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列番号:7に記載のアミノ酸配列と約95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項37】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、緑色蛍光タンパク質と血球凝集素2(HA2)ペプチドの融合タンパク質である、請求項5に記載の複合体。
【請求項38】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、配列:
【化11】
の、緑色蛍光タンパク質と血球凝集素2(HA2)ペプチドの融合タンパク質である、請求項5に記載の複合体。
【請求項39】
前記核酸が、RNAを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項40】
前記核酸が、DNAを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項41】
前記核酸が、RNAi剤を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項42】
前記RNAi剤が、短い干渉性RNA、短いヘアピンRNA、マイクロRNA、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項41に記載の複合体。
【請求項43】
前記核酸が、RNAiを誘導する実体を含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項44】
前記核酸が、アンチセンスRNAを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項45】
前記核酸が、リボザイムまたはデオキシリボザイムを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項46】
前記核酸が、三重らせん形成を誘導するRNAを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項47】
前記核酸が、RNAアプタマーを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項48】
前記核酸が、ベクターを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項49】
前記核酸が、mRNAの発現を駆動するベクターを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項50】
前記核酸が、タンパク質の発現を駆動するベクターを含む、請求項5に記載の複合体。
【請求項51】
過剰に荷電されたタンパク質の核酸に対する比率が、約1:1である、請求項5に記載の複合体。
【請求項52】
過剰に荷電されたタンパク質の核酸に対する比率が、約1:2である、請求項5に記載の複合体。
【請求項53】
過剰に荷電されたタンパク質の核酸に対する比率が、約1:3である、請求項5に記載の複合体。
【請求項54】
過剰に荷電されたタンパク質の核酸に対する比率が、約1:4である、請求項5に記載の複合体。
【請求項55】
過剰に荷電されたタンパク質の核酸に対する比率が、約1:5である、請求項5に記載の複合体。
【請求項56】
過剰に荷電されたタンパク質であって、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味電荷を有する、過剰に荷電されたタンパク質と、
1つ以上のペプチドまたはタンパク質と、
を含む、複合体。
【請求項57】
過剰に荷電されたタンパク質であって、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味電荷を有する、過剰に荷電されたタンパク質と、
1つ以上の小分子と、
を含む、複合体。
【請求項58】
サイクロン(ID番号:Q9H6F5)、PNRC1(ID番号:Q12796)、RNPS1(ID番号:Q15287)、SURF6(ID番号:O75683)、AR6P(ID番号:Q66PJ3)、NKAP(ID番号:Q8N5F7)、EBP2(ID番号:Q99848)、LSM11(ID番号:P83369)、RL4(ID番号:P36578)、KRR1(ID番号:Q13601)、RY−1(ID番号:Q8WVK2)、BriX(ID番号:Q8TDN6)、MNDA(ID番号:P41218)、H1b(ID番号:P16401)、サイクリン(ID番号:Q9UK58)、MDK(ID番号:P21741)、PROK(ID番号:Q9HC23)、FGF5(ID番号:P12034)、SFRS(ID番号:Q8N9Q2)、AKIP(ID番号:Q9NWT8)、CDK(ID番号:Q8N726)、ベータ−ディフェンシン(ID番号:P81534)、PAVAC(ID番号:P18509)、エオタキシン−3(ID番号:Q9Y258)、ヒストンH2A(ID番号:Q7L7L0)、およびHMGB1(ID番号:P09429)からなる群より選択されるタンパク質と;1つ以上のポリヌクレオチドとを含む複合体。
【請求項59】
サイクロン(ID番号:Q9H6F5)、PNRC1(ID番号:Q12796)、RNPS1(ID番号:Q15287)、SURF6(ID番号:O75683)、AR6P(ID番号:Q66PJ3)、NKAP(ID番号:Q8N5F7)、EBP2(ID番号:Q99848)、LSM11(ID番号:P83369)、RL4(ID番号:P36578)、KRR1(ID番号:Q13601)、RY−1(ID番号:Q8WVK2)、BriX(ID番号:Q8TDN6)、MNDA(ID番号:P41218)、H1b(ID番号:P16401)、サイクリン(ID番号:Q9UK58)、MDK(ID番号:P21741)、PROK(ID番号:Q9HC23)、FGF5(ID番号:P12034)、SFRS(ID番号:Q8N9Q2)、AKIP(ID番号:Q9NWT8)、CDK(ID番号:Q8N726)、ベータ−ディフェンシン(ID番号:P81534)、PAVAC(ID番号:P18509)、エオタキシン−3(ID番号:Q9Y258)、ヒストンH2A(ID番号:Q7L7L0)、およびHMGB1(ID番号:P09429)からなる群より選択されるタンパク質と;1つ以上のペプチドまたはタンパク質とを含む複合体。
【請求項60】
サイクロン(ID番号:Q9H6F5)、PNRC1(ID番号:Q12796)、RNPS1(ID番号:Q15287)、SURF6(ID番号:O75683)、AR6P(ID番号:Q66PJ3)、NKAP(ID番号:Q8N5F7)、EBP2(ID番号:Q99848)、LSM11(ID番号:P83369)、RL4(ID番号:P36578)、KRR1(ID番号:Q13601)、RY−1(ID番号:Q8WVK2)、BriX(ID番号:Q8TDN6)、MNDA(ID番号:P41218)、H1b(ID番号:P16401)、サイクリン(ID番号:Q9UK58)、MDK(ID番号:P21741)、PROK(ID番号:Q9HC23)、FGF5(ID番号:P12034)、SFRS(ID番号:Q8N9Q2)、AKIP(ID番号:Q9NWT8)、CDK(ID番号:Q8N726)、ベータ−ディフェンシン(ID番号:P81534)、PAVAC(ID番号:P18509)、エオタキシン−3(ID番号:Q9Y258)、ヒストンH2A(ID番号:Q7L7L0)、およびHMGB1(ID番号:P09429)からなる群より選択されるタンパク質と;1つ以上の小分子とを含む複合体。
【請求項61】
過剰に荷電されたタンパク質であって、該過剰に荷電されたタンパク質は、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味電荷を有し;該過剰に荷電されたタンパク質は、該対応する未修飾タンパク質では正に荷電されない、少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基を含み;および該正に荷電されたアミノ酸残基のそれぞれが少なくとも1つのアミノ酸残基によって隔てられている、過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項62】
前記対応する未修飾タンパク質では正に荷電されない、少なくとも10個の正に荷電されたアミノ酸残基を含む、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項63】
前記対応する未修飾タンパク質では正に荷電されない、少なくとも15個の正に荷電されたアミノ酸残基を含む、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項64】
前記対応する未修飾タンパク質では正に荷電されない、少なくとも20個の正に荷電されたアミノ酸残基を含む、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項65】
前記対応する未修飾タンパク質では正に荷電されない、少なくとも25個の正に荷電されたアミノ酸残基を含む、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項66】
正に荷電されたアミノ酸残基のそれぞれが少なくとも2つのアミノ酸残基によって隔てられている、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項67】
正に荷電されたアミノ酸残基のそれぞれが少なくとも3つのアミノ酸残基によって隔てられている、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項68】
正に荷電されたアミノ酸残基のそれぞれが少なくとも5つのアミノ酸残基によって隔てられている、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項69】
正に荷電されたアミノ酸残基のそれぞれが少なくとも10のアミノ酸残基によって隔てられている、請求項61に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項70】
過剰に荷電されたタンパク質であって、該過剰に荷電されたタンパク質は、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味電荷を有し;該過剰に荷電されたタンパク質は、少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基を含み;該少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基が、該対応する未修飾タンパク質中に存在する対応するアミノ酸残基とは異なり;および該正に荷電されたアミノ酸残基のそれぞれが、少なくとも1つのアミノ酸残基によって隔てられている、過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項71】
前記少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基のアミノ最末端とカルボキシ最末端の間の距離が、約10アミノ酸である、請求項61または70に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項72】
過剰に荷電されたタンパク質であって、該過剰に荷電されたタンパク質は、その対応する未修飾タンパク質より大きい全体の正味電荷を有し;該過剰に荷電されたタンパク質は、少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基を含み;該少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基が、該対応する未修飾タンパク質中に存在する対応するアミノ酸残基とは異なり;および該少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基の少なくとも60%が、該タンパク質の表面に位置する、過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項73】
前記少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基の少なくとも70%が、前記タンパク質の表面に位置する、請求項72に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項74】
前記少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基の少なくとも80%が、前記タンパク質の表面に位置する、請求項72に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項75】
前記少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基の少なくとも90%が、前記タンパク質の表面に位置する、請求項72に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項76】
前記少なくとも5つの正に荷電されたアミノ酸残基の少なくとも95%が、前記タンパク質の表面に位置する、請求項72に記載の過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項77】
過剰に荷電されたタンパク質であって、少なくとも5つのアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、またはグルタミンアミノ酸残基が、対応する未修飾タンパク質の対応するアミノ酸残基と異なり;最高AvNAPSAスコアを有する該対応する未修飾タンパク質の少なくとも5つのアスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、またはグルタミンアミノ酸残基がリシンに変異され;および該少なくとも5つのアミノ酸残基が正に荷電される、過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項78】
請求項5〜60のいずれか一項に記載の複合体と、
医薬的に許容され得る賦形剤と、
を含む、医薬組成物。
【請求項79】
疾患、障害もしくは状態に罹患しやすいか、疾患、障害もしくは状態に罹患しているか、または疾患、障害もしくは状態の1つ以上の症状を示す被験体を提供する工程;および
請求項1〜77のいずれか一項に記載の過剰に荷電されたタンパク質もしくは複合体または請求項78に記載の医薬組成物を、該被験体に、少なくとも1つの症状が改善されるように投与する工程、
を含む、方法。
【請求項80】
前記投与する工程が、前記過剰に荷電されたタンパク質または複合体が前記被験体の細胞を透過するために十分な条件下で行われる、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記疾患、障害または状態が、mRNA、タンパク質、またはそれらの組み合わせの異常に上昇したレベルに関連している、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記複合体が、異常に上昇したmRNAまたはタンパク質のレベルを低下させる核酸を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記疾患、障害または状態が、mRNA、タンパク質、またはそれらの組み合わせの発現に関連している、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
前記複合体が、発現した前記mRNAまたはタンパク質のレベルを低下させる核酸を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記核酸が、RNAi剤、RNAiを誘導する実体、アンチセンスRNA、リボザイム、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記疾患、障害または状態が、異常に低いmRNAまたはタンパク質レベルに関連している、請求項79に記載の方法。
【請求項87】
前記複合体が、異常に上昇したmRNAまたはタンパク質のレベルを増大させる核酸を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項88】
前記核酸が、発現ベクターを構成する、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記投与する工程が、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、皮下、心室内、局所、吸入および粘膜送達からなる群より選択される投与経路を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項90】
請求項79〜89のいずれか一項に記載の方法を行うためのキット。
【請求項91】
請求項5〜60のいずれか一項に記載の複合体または請求項78に記載の医薬組成物を含むキット。
【請求項92】
過剰に荷電されたタンパク質を細胞透過について評価する方法であって、
過剰に荷電されたタンパク質を場合によっては選択する工程;
該過剰に荷電されたタンパク質を提供する工程;
該過剰に荷電されたタンパク質と細胞とを接触させる工程;および
該過剰に荷電されたタンパク質が該細胞を透過するかどうかを決定し、それによって過剰に荷電されたタンパク質を細胞透過について評価する工程、
を含む、方法。
【請求項93】
過剰に荷電されたタンパク質を細胞透過について評価する方法であって、
過剰に荷電させるべきタンパク質を選択する工程;
変更すべき1つまたは複数の残基のセットを得て、過剰に荷電されたタンパク質を生成する工程;
該変更された残基のセットを有する過剰に荷電されたタンパク質を提供する工程;
該過剰に荷電されたタンパク質と細胞とを接触させる工程;および
該過剰に荷電されたタンパク質が該細胞を透過するかどうかを決定し、それによって過剰に荷電されたタンパク質を細胞透過について評価する工程、
を含む、方法。
【請求項94】
機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質であって、該過剰に荷電されたタンパク質は:
過剰に荷電されたタンパク質と、
機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と
を含み、ここで、
該過剰に荷電されたタンパク質は、該機能性ペプチドまたは該機能性タンパク質と会合し、
該機能性ペプチドまたは該機能性タンパク質と会合している該過剰に荷電されたタンパク質は、細胞を透過することができ、かつ該機能性ペプチドまたは該機能性タンパク質を該細胞に送達することができる、
過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項95】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、前記機能性タンパク質または前記機能性ペプチドに共有結合している、請求項94に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項96】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、前記機能性タンパク質または前記機能性ペプチドにペプチド結合によって結合しており、従って融合タンパク質を形成している、請求項95に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項97】
前記過剰に荷電されたタンパク質および前記機能性タンパク質または前記機能性ペプチドが、該過剰に荷電されたタンパク質と該機能性ペプチドまたは該機能性タンパク質とを接続するリンカーに結合している、請求項94〜96のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項98】
前記リンカーが、アミド結合、エステル結合またはジスルフィド結合を含む、請求項97に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項99】
前記過剰に荷電されているタンパク質または前記リンカーが、細胞酵素によって切断され得る、請求項94〜98のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項100】
前記細胞酵素が、細胞プロテアーゼまたは細胞エステラーゼである、請求項99に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項101】
前記細胞プロテアーゼが、エンドソームプロテアーゼである、または前記細胞エステラーゼが、エンドソームエステラーゼである、請求項100に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項102】
前記細胞酵素が、ターゲット細胞または細胞タイプにおいて優先的に発現されるまたは特異的に発現される、請求項99〜101のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項103】
前記ターゲット細胞または細胞タイプが、癌細胞もしくは癌細胞タイプ、免疫系の細胞もしくは細胞タイプ、または病原性細胞もしくは細胞タイプである、請求項102に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項104】
前記過剰に荷電されたタンパク質または前記リンカーが、X−AGVF−X(配列番号:136)、X−GFLG−X(配列番号:137)、X−FK−X(配列番号:138)、X−AL−X(配列番号:139)、X−ALAL−X(配列番号:140)またはX−ALALA−X(配列番号:141)を含む群から選択されるアミノ酸配列を含み、ここで、Xは、該過剰に荷電されたタンパク質または前記機能性ペプチドもしくは前記機能性タンパク質を含む残部を示す、請求項97〜103のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項105】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、過剰に荷電されたGFPのものに類似した表面電荷密度または表面電荷分布を有する球状タンパク質である、請求項94〜104のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項106】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、β−バレルを含むタンパク質である、請求項94〜105のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項107】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、過剰に荷電されたGFPである、請求項94〜106のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項108】
前記過剰に荷電されたタンパク質が、+36GFPである、請求項94〜107のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項109】
前記機能性タンパク質が、転写因子、腫瘍抑制因子、発生調節因子、成長因子、転移抑制因子、アポトーシス促進タンパク質、ジンク・フィンガー・ヌクレアーゼ、およびリコンビナーゼを含む群から選択されるタンパク質である、請求項94〜108のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項110】
前記機能性タンパク質が、p53、Rb(網膜芽細胞腫タンパク質)、BRCA1、BRCA2、PTEN、APC、CD95、ST7、ST14、BCL−2ファミリータンパク質、カスパーゼ;BRMS1、CRSP3、DRG1、KAI1、KISS1、NM23、TIMPファミリータンパク質、BMPファミリー成長因子、EGF、EPO、FGF、G−CSF、GM−CSF、GDFファミリー成長因子、HGF、HDGF、IGF、PDGF、TPO、TGF−α、TGF−β、VEGF;ヒトCCR5遺伝子内の部位をターゲットにするジンク・フィンガー・ヌクレアーゼ、Cre、Dre、およびFLPリコンビナーゼを含む群から選択されるタンパク質である、請求項109に記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質。
【請求項112】
ペプチドまたはタンパク質を細胞に送達する方法であって、該ペプチドまたは該タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質と該細胞を、該ペプチドまたは該タンパク質が該細胞に侵入するのに十分な条件下で接触させることを含む、方法。
【請求項113】
前記ペプチドまたは前記タンパク質と会合している前記過剰に荷電されたタンパク質が、機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質である、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記機能性ペプチドまたは前記機能性タンパク質と会合している前記過剰に荷電されたタンパク質が、請求項94〜111のいずれかに記載の機能性ペプチドまたは機能性タンパク質と会合している過剰に荷電されたタンパク質である、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記ペプチドまたは前記タンパク質が、核ペプチドまたは核タンパク質であり、前記接触させることが、前記細胞の核への該タンパク質の送達をもたらす、請求項112〜114のいずれかに記載の方法。
【請求項116】
前記細胞に送達される前記タンパク質が、転写因子である、請求項112〜115のいずれかに記載の方法。
【請求項117】
前記細胞に送達される前記タンパク質が、リプログラミング因子である、請求項112〜116のいずれかに記載の方法。
【請求項118】
前記細胞が、疾患を有すると診断された被験体からの体細胞である、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記細胞を、該細胞の多能性状態へのリプログラミングの誘導に十分な量のリプログラミング因子と会合している過剰に荷電されたタンパク質と、該誘導に十分な時間、および該誘導に十分な条件下で接触させる、請求項117または118に記載の方法。
【請求項120】
前記体細胞から産生された多能性細胞を単離することをさらに含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
単離された前記多能性細胞、またはその後代、を分化した細胞タイプに分化させることをさらに含む、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記多能性細胞、またはその分化された後代、を細胞補充療法アプローチにおいて使用することをさらに含む、請求項120または121に記載の方法。
【請求項123】
前記細胞が、望ましくないゲノム対立遺伝子を有する細胞であり、前記過剰に荷電されたタンパク質が、該対立遺伝子を特異的にターゲットにするヌクレアーゼと会合している、請求項112〜115のいずれかに記載の方法。
【請求項124】
前記望ましくない対立遺伝子が、疾患と関連づけられ、前記ヌクレアーゼが、該対立遺伝子の変異を誘発する、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記細胞をエクスビボで接触させ、前記ヌクレアーゼによる前記望ましくない対立遺伝子のターゲッティング成功後に前記被験体に再投与する、請求項123または124に記載の方法。
【請求項126】
前記ヌクレアーゼが、ジンク・フィンガー・ヌクレアーゼである、請求項123〜125のいずれかに記載の方法。
【請求項127】
前記ヌクレアーゼが、ヒトCCR5遺伝子をターゲットにする、請求項123〜126のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
前記被験体が、HIV/AIDSと診断された被験体であり、前記細胞が、Tリンパ球である、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記タンパク質が、リコンビナーゼであり、前記細胞が、そのゲノム内に該リコンビナーゼによって認識される組み換え部位を含む、請求項112〜115のいずれかに記載の方法。
【請求項130】
前記細胞が、前記リコンビナーゼによって認識される多数の組み換え部位を含み、該多数の組み換え部位のリコンビナーゼ媒介組み換えが、ゲノム領域の欠失をもたらす、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記細胞が、腫瘍細胞であり、前記タンパク質が、腫瘍抑制タンパク質、転移抑制タンパク質、細胞増殖抑制タンパク質または細胞毒性タンパク質である、請求項112〜115のいずれかに記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図3C】
【図24】
【図27】
【図31A】
【図31B】
【図33A】
【図34】
【図39】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図25A】
【図25B】
【図26】
【図28】
【図29】
【図30】
【図32】
【図33B】
【図35】
【図36】
【図37A】
【図37B】
【図38】
【図40】
【図41A】
【図41B】
【図42】
【図43】
【図44A】
【図44B】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図3C】
【図24】
【図27】
【図31A】
【図31B】
【図33A】
【図34】
【図39】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図25A】
【図25B】
【図26】
【図28】
【図29】
【図30】
【図32】
【図33B】
【図35】
【図36】
【図37A】
【図37B】
【図38】
【図40】
【図41A】
【図41B】
【図42】
【図43】
【図44A】
【図44B】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【公表番号】特表2012−525146(P2012−525146A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508478(P2012−508478)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/001250
【国際公開番号】WO2010/129023
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(502072134)プレジデント アンド フェロウズ オブ ハーバード カレッジ (92)
【氏名又は名称原語表記】President and Fellows of Harvard College
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/001250
【国際公開番号】WO2010/129023
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(502072134)プレジデント アンド フェロウズ オブ ハーバード カレッジ (92)
【氏名又は名称原語表記】President and Fellows of Harvard College
【Fターム(参考)】
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